(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】痒み止め瘢痕管理製品、同製造プロセス、および有用な同物品
(51)【国際特許分類】
A61L 15/44 20060101AFI20240621BHJP
A61L 15/26 20060101ALI20240621BHJP
A61L 15/24 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/135 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20240621BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/125 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61L15/44 100
A61L15/26 100
A61L15/24 100
A61K31/135
A61K31/045
A61K31/573
A61K31/167
A61P17/04
A61K31/125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579109
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022034613
(87)【国際公開番号】W WO2022271886
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523479743
【氏名又は名称】バイオ メッド サイエンシズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Bio Med Sciences,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ディロン,マーク,イー.
【テーマコード(参考)】
4C081
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C081AA03
4C081AA12
4C081CA022
4C081CA271
4C081CE02
4C081DC03
4C086AA01
4C086DA10
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
4C206AA01
4C206CA09
4C206CB24
4C206FA05
4C206GA19
4C206GA31
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA83
4C206NA14
4C206ZA89
(57)【要約】
本発明は、新規な瘢痕管理製品、および様々なタイプの皮膚損傷から生じる皮膚瘢痕を軽減し、同時に掻痒症を軽減する方法に関するものである。特に、本発明は、皮膚瘢痕化および掻痒症を軽減および/または予防する、鎮痒剤をそれぞれ組み込んだ瘢痕管理製品に関するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚瘢痕を軽減および/または予防し、掻痒症を緩和するための瘢痕管理包帯であって、
皮膚接触面を有する皮膚接触層と、
前記皮膚接触層の全体に分散されている鎮痒剤と、
を含む、瘢痕管理包帯。
【請求項2】
前記皮膚接触層は、1重量%~20重量%の鎮痒剤を含む、請求項1に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項3】
前記皮膚接触層は、10重量%の鎮痒剤を含む、請求項1に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項4】
前記皮膚接触層は、シリコーンベースの材料を含む、請求項1に記載の瘢痕管理製品。
【請求項5】
前記シリコーンベースの材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリオルガノシロキサン、シリコーンゲル、またはシリコーンエラストマーを含む、請求項4に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項6】
前記鎮痒剤は、ジフェニルヒドラミンHCl、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、ジフェンヒドラミン、ハッカ油、メントール、カンファー、リドカイン、プラモキシン、および/またはベンゾカインを含む、請求項1に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項7】
前記鎮痒剤は、局所ステロイド、抗刺激剤、および/または局所麻酔薬を含む、請求項1に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項8】
前記皮膚接触層上に位置する前記瘢痕管理包帯の残りの部分をさらに含み、
前記残りの部分には、相互貫入ポリマーネットワーク、前記皮膚接触層と共に相互貫入ポリマーネットワークを形成するポリマー、布地、発泡体、不織布フィルム、メッシュ、熱可塑性材料、および/または布地以外の材料が含まれる、請求項1に記載の瘢痕管理包帯。
【請求項9】
瘢痕管理包帯を製造する方法であって、
鎮痒剤をシリコーン配合物に混合してその混合物を形成するステップであって、前記シリコーン配合物は、ポリオルガノシロキサン、シリコーン、シリコーンゲル、シリコーンエラストマー、またはポリジメチルシロキサンを含む、ステップと、
前記混合物をキャリア上に塗布して、前記キャリア上に前記混合物の層を形成するステップと、
前記混合物の前記層を硬化させるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記鎮痒剤は、ジフェニルヒドラミンHCl、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、ジフェンヒドラミン、ハッカ油、メントール、カンファー、リドカイン、プラモキシン、および/またはベンゾカインを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記鎮痒剤は、局所ステロイド、抗刺激剤、および/または局所麻酔薬を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
硬化前に前記混合物の前記層に発泡ポリテトラフルオロエチレンを塗布するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記シリコーン配合物は、シリコーンであり、
前記混合物および前記発泡ポリテトラフルオロエチレンの前記層は、シリコーンおよびポリテトラフルオロエチレンの相互貫入ポリマーネットワークを形成し、前記相互貫入ポリマーネットワークは、第1の面と第2の面を有し、前記第1の面は、前記皮膚接触層の皮膚接触面を形成し、
熱可塑性副子材料を前記相互貫入ポリマーネットワークの前記第2の面に積層するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
硬化前に、前記混合物の前記層に開口メッシュ層を当てるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
硬化前に、
前記混合物の前記層に微多孔性ポリマーシート膜を当てて、前記混合物の前記層が前記微多孔性ポリマーシート膜を含浸できるようにするか、または前記混合物の前記層に前記微多孔性ポリマーシート膜を含浸させるステップと、
含浸された前記微多孔性ポリマーシート材料の遠位表面に裏地材料を当てるステップであって、前記裏地材料は、前記微多孔性ポリマーシート膜を通過した前記混合物と接触する、ステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記裏地材料は、布地、発泡体、不織布フィルム、または布地以外の材料を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
硬化前に、
前記混合物の前記層に微多孔性ポリマーシート膜および裏地材料を積層させるステップと、
前記混合物の前記層が前記微多孔性ポリマーシート膜を含浸できるようにするか、または前記混合物の前記層に前記微多孔性ポリマーシート膜を含浸させるステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
裏地材料は、布地、発泡体、不織布フィルム、または布地以外の材料を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
瘢痕管理包帯を製造する方法であって、
鎮痒剤をシリコーン配合物に混合してその混合物を形成するステップと、
前記混合物を布地上に塗布して、前記混合物を有する布地を形成するステップと、
前記混合物が塗布された前記布地から瘢痕管理包帯を作製するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記瘢痕管理包帯は、衣服である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の瘢痕管理包帯を提供するステップと、
前記瘢痕管理包帯の前記皮膚接触層の前記皮膚接触面を、閉じた創傷部位の上にわたって接触させて当てるステップと、
皮膚瘢痕化を軽減および/または予防し、掻痒症を軽減するために、前記瘢痕管理包帯を前記閉じた創傷部位の上にわたって接触した状態で有効な時間量の間維持するステップと、
を含む、皮膚瘢痕を軽減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月22日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第63/213,648号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、新規な瘢痕管理製品に関するものである。特に、本発明は、鎮痒剤を組み込んだ瘢痕管理製品に関するものである。この製品は、主に皮膚の瘢痕化を軽減および予防するために瘢痕領域に当てられ、時間の経過とともに鎮痒剤が放出されることにより、瘢痕の成熟過程における掻痒症(「痒み」)を軽減する。本発明は、瘢痕化とは関係のない状態の掻痒症の軽減にも同様に有用である。
【背景技術】
【0003】
シリコーンベースのシートおよびゲル製品が皮膚瘢痕の予防または軽減(一緒にまたは個別に「管理」)に効果的であることはよく知られている。掻痒症は、創傷治癒および瘢痕形成に関連する一般的な症状である。この症状は、火傷および擦り傷などの広範囲の創傷で特に顕著になることがよくあるが、切開および裂傷などの狭い創傷でも同様である。
【0004】
市場では、数多くの瘢痕管理製品が入手可能である。ペンシルベニア州アレンタウンのバイオメッドサイエンス株式会社(Bio Med Sciences, Inc.)は、粘着パッチおよび包帯を含む瘢痕管理製品のOleeva(登録商標)およびSilon(登録商標)ブランドを製造および販売している(本明細書の目的上、パッチまたは包帯という用語は同じ意味で使用され得る)。参照により本明細書に組み込まれる、本願発明者の米国特許第4,832,009号、第5,656,279号、第5,980,923号、および第7,087,135号は、シリコーンおよびポリテトラフルオロエチレンの相互貫入ポリマーネットワーク(「IPN」)を利用した創傷包帯および瘢痕管理製品について記載している。バイオメッドサイエンスは、本願発明者の米国特許第5,759,560号に記載されているようなシリコーン裏地付き熱可塑性副子、本願発明者の米国特許第8,084,051号に記載されているようなシリコーン裏地付き布地、ならびにシリコーン液体および半固体シリコーンペーストアプリケータスティックを含む、他の瘢痕管理およびスキンケア製品も様々なブランドおよび様々な形式で製造および販売している。本願発明者の米国特許第5,759,560号および米国特許第8,084,051号も、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
痒みを引き起こすヒスタミンの作用をブロックする、ジフェンヒドラミンおよびヒドロキシジンなどの抗ヒスタミン薬を含む、多くの一般的な鎮痒剤が市販されている。ヒドロコルチゾンクリームなどのコルチコステロイドおよび他の局所ステロイドも、同様に一般的に使用される。ステロイドは、皮膚内の天然物質を活性化して、腫れ、赤み、痒みを軽減する働きがある。ハッカ油、メントール、または樟脳などの抗刺激剤、リドカイン、プラモキシン、またはベンゾカインなどの局所麻酔薬も、局所クリームまたはローションの鎮痒剤として使用される。
【0006】
一般的にベナドリル(Benadryl)(登録商標)として知られるジフェンヒドラミンは、特に興味深いものである。それは、軽度の火傷/切り傷/擦り傷、日焼け、虫刺され、軽度の皮膚の炎症、またはツタウルシ、ウルシ、または毒ウルシによる発疹によって引き起こされる痒みを一時的に和らげるために、安全で効果的な局所塗布として長い歴史がある。
【0007】
バイオメッドサイエンスは、シリコーン瘢痕シート製品の下でのクリームまたはローションの使用を特に禁忌としており、これらの種類の物質は、シリコーンを化学的に劣化させ、それにより製品の耐久性を低下させる可能性があるためである。粘着性の包帯およびパッチの場合、クリームおよびローションも、瘢痕シートの皮膚接触面を汚して粘着特性に影響を及ぼし、臨床的有用性に悪影響を与える可能性がある。
【0008】
フランツセルチャンバは、経皮ドラッグデリバリーシステム分析で頻繁に使用されるin vitro皮膚透過アッセイである。この装置は、米国マサチューセッツ州バーリントンのミリポアシグマ(Millipore Sigma)社製のStrat-M膜などの膜によって分離された2つの一次チャンバから構成される。試験製品は、上部チャンバを介して膜に付けられる。下部チャンバには流体が入っており、そこから分析のために定期的にサンプルが採取され、膜を通した試験製品中の医薬品有効成分の放出速度が決定される。チャンバは通常、人間の臨床使用を模倣するために、37℃の一定温度に維持される。
【発明の概要】
【0009】
技術を向上させる努力の一環として、本願発明者は、瘢痕パッチの粘着性と臨床的性質を損なわずに掻痒症を軽減する鎮痒剤を含む瘢痕管理製品を作製した。シリコーン瘢痕製品と鎮痒クリームまたはローションの併用には問題があるため、これは特に役立つ。臨床効果を継続させるために、瘢痕管理製品を取り外してクリームまたはローションを定期的に塗布するという代替案は、実用性とコンプライアンスの観点からさらに問題がある。本発明は、局所的な鎮痒効果のための鎮痒剤の長期供給を提供しながら、シリコーン瘢痕管理パッチと組み合わせたクリームまたはローションの断続的な使用の問題点を取り除く。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明に従って構築された好ましい瘢痕管理包帯の部分断面図の概略図を示し、符号100は、シリコーンマトリックス105中に均一に分散された鎮痒剤を有するモノリシックデザインを指す。
【
図2】
図2は、皮膚接触面210および外側遠位層220を含む二重層設計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい一実施形態では、本発明は、
図1に示されるように、シリコーンマトリックス105全体に均一に分散された鎮痒剤を有するシリコーンマトリックス105を有する包帯100を含む。包帯100は、皮膚接触面110および外面120を有する。
図2に示される本発明の好ましい実施形態では、包帯200は、シリコーンマトリックス205全体に均一に分散された鎮痒剤を有するシリコーンマトリックス205から構成される層を有する。包帯200は、皮膚接触面210、遠位非皮膚接触裏地層215、および外側遠位層220を有する。
【0012】
皮膚瘢痕化を予防または軽減し、掻痒症を軽減するための本発明の瘢痕管理包帯は、皮膚接触面を有する皮膚接触層と、皮膚接触層全体に均一に分散された鎮痒剤とを含む。
【0013】
好ましくは、包帯の皮膚接触層は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリオルガノシロキサン、シリコーンゲル、またはシリコーンエラストマーなどのシリコーンベースの材料を含む。包帯はまた、相互貫入ポリマーネットワーク(「IPN」)、または皮膚接触層と相互貫入ポリマーネットワーク(「IPN」)を形成するポリマーなどの、皮膚接触層の上にわたって配置された追加の層、または布地、発泡体、不織布フィルム、メッシュ、熱可塑性材料、または布地以外の材料などの外側裏地層を有していてもよい。包帯は、Oleeva(登録商標)瘢痕管理包帯、Silon(登録商標)瘢痕管理包帯、または本願発明者の米国特許第4,832,009号,第5,656,279号,第5,980,923号,第7,087,135号,第5,759,560号,および第8,084,051号に記載される包帯のいずれかを含むことができ、このような包帯はすべて、その皮膚接触層全体に均一に分散された鎮痒剤を有する。
【0014】
好ましくは、鎮痒剤は、ジフェニルヒドラミンHCl、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、他の局所ステロイド、ジフェンヒドラミン、抗刺激剤(ハッカ油、メントール、またはカンファーなど)、および局所麻酔薬(リドカイン、プラモキシン、またはベンゾカインなど)のうちの1つまたは複数を含む。
【0015】
好ましくは、皮膚接触層は、約1重量%~約20重量%の鎮痒剤を含み、より好ましくは、約10重量%の鎮痒剤を含む。
【0016】
瘢痕化を予防または軽減し、掻痒症を軽減するための本願発明者の本発明の瘢痕管理包帯を製造するには、多くの方法が使用することができる。一般的に、包帯の皮膚接触層の形成中、鎮痒剤は、皮膚接触層の形成に先立って、包帯の皮膚接触層を形成する材料(例えば、シリコーンベースの材料)全体に分散される。例えば、皮膚瘢痕化を予防または軽減し、掻痒症を軽減するための本願発明者の本発明の瘢痕管理包帯を製造する方法は、鎮痒剤が、皮膚接触層の形成前に本願発明者の米国特許第4,832,009号、第5,656,279号、第5,980,923号、第7,087,135号、第5,759,560号、および第8,084,051号に開示されている包帯の皮膚接触層を形成する材料(例えば、シリコーンベースの材料)全体に分散されていることを除いて、本願発明者の米国特許第4,832,009号、第5,656,279号、第5,980,923号、第7,087,135号、第5,759,560号、および第8,084,051号に記載された方法のいずれかを含んでいてもよい。
【0017】
使用時、本発明の瘢痕管理包帯は、皮膚接触層が創傷と接触して皮膚瘢痕化を防止または軽減すると同時に、局所的な鎮痒効果のために皮膚接触層からの鎮痒剤の長期供給を提供するように、患者の創傷上にわたって配置される。以下の例は、限定することを意図したものではない。以下の実施例は、本発明の様々な好ましい実施形態を示す。
【0018】
ベースライン:
市販のクリームと比較するためのベンチマーク測定として、Extra Strength Benadry(登録商標)(2%ジフェンヒドラミン、ニュージャージー州ニューブランズウィックのジョンソンアンドジョンソン社製)を人工皮膚均等物の表面に塗布した。人工皮膚均等物には、このベースライン例および以下に示す実施例1~4において、フランツセルチャンバの2つの一次チャンバを分離する膜(ミリポアシグマ社のStrat-M膜など)が含まれる。確立された方法に従ってフランツセルチャンバが使用され、次の結果が得られた。
【0019】
ジフェンヒドラミン2%クリームを人工皮膚均等物に塗布した。
【0020】
実施例1~4
これらの実施例1~4で使用した鎮痒剤をIPNフィルムのシリコーン相全体に分散させたことを除いて、確立された方法に従って布地裏地層を有する4つのSilon IPNフィルムを製造した。2つのシリコーン配合物を2つのIPNコーティング厚で使用した。シリコーンは、ポリジメチルシロキサンであり、これらの実施例では、Silpuran(登録商標)2130およびSilpuran(登録商標)2114(米国ミシガン州エイドリアンのWacker Chemical Corp.)として皮膚粘着剤として市販されている二成分付加硬化型組成物であった。
【0021】
4つのSilon IPNフィルムの各々(すなわち、試験片の各々)は、IPNのシリコーン相に10重量%のジフェンヒドラミン(米国ケンタッキー州アーランガーにあるLGM Pharma)を含んでいた。すべて同一の条件下で次のように製造された。
【0022】
各々の試験片は、上記の人工皮膚均等物を使用してフランツセルチャンバでテストされた。ベースラインおよび4つの実施例の試験片の結果は次の通りである。
【0023】
本願発明者の本発明を説明する追加の実施例は、次の通りである。
【0024】
実施例5
布地裏地層を有するSilon IPNフィルムは、この実施例5で使用される鎮痒剤がIPNフィルムのシリコーン相全体に分散されることを除いて、確立された方法に従って製造される。MED-6350(Avantor、Radnor、PA 19087)として市販されている二成分付加硬化型シリコーン組成物が、IPNフィルムのシリコーン相として使用され、ジフェンヒドラミン(米国ケンタッキー州アーランガーにあるLGM Pharma)とブレンドされ、IPNフィルムのシリコーン相が10重量%のジフェンヒドラミンを含むようになっており、IPNフィルムは、27ミル(686ミクロン)の厚さでキャストされる。
【0025】
実施例6
布地裏地層を有するSilon IPNフィルムは、この実施例6で使用される鎮痒剤がIPNフィルムのシリコーン相全体に分散されることを除いて、確立された方法に従って製造される。MED-6350(Avantor、Radnor、PA 19087)として市販されている二成分付加硬化型シリコーン組成物が、IPNフィルムのシリコーン相として使用され、ジフェンヒドラミン(米国ケンタッキー州アーランガーにあるLGM Pharma)とブレンドされ、IPNフィルムのシリコーン相が1重量%のジフェンヒドラミンを含むようになっており、IPNフィルムは、27ミル(686ミクロン)の厚さでキャストされる。
【0026】
実施例7
布地裏地層を有するSilon IPNフィルムは、この実施例7で使用される鎮痒剤がIPNフィルムのシリコーン相全体に分散されることを除いて、確立された方法に従って製造される。MED-6350(Avantor、Radnor、PA 19087)として市販されている二成分付加硬化型シリコーン組成物が、IPNフィルムのシリコーン相として使用され、ジフェンヒドラミン(米国ケンタッキー州アーランガーにあるLGM Pharma)とブレンドされ、IPNフィルムのシリコーン相が20重量%のジフェンヒドラミンを含むようになっており、IPNフィルムは、27ミル(686ミクロン)の厚さでキャストされる。
【0027】
実施例8
布地裏地層を有するSilon IPNフィルムは、この実施例8で使用される鎮痒剤がIPNフィルムのシリコーン相全体に分散されることを除いて、確立された方法に従って製造される。MED-6350(Avantor、Radnor、PA 19087)として市販されている二成分付加硬化型シリコーン組成物が、IPNフィルムのシリコーン相として使用され、ヒドロコルチゾン(米国ミズーリ州セントルイスにあるSigma-Aldrich、Purchasable Chemical: 1317007 USP)とブレンドされ、IPNフィルムのシリコーン相が10重量%のヒドロコルチゾンを含むようになっており、IPNフィルムは、27ミル(686ミクロン)の厚さでキャストされる。
【国際調査報告】