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特表2024-523499廃棄物処理施設から導出された微粒子流を処置するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】廃棄物処理施設から導出された微粒子流を処置するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   B02C 23/08 20060101AFI20240621BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20240621BHJP
   B03C 1/23 20060101ALI20240621BHJP
   B03C 1/16 20060101ALI20240621BHJP
   B03C 1/10 20060101ALI20240621BHJP
   B03C 1/28 20060101ALI20240621BHJP
   B07B 1/18 20060101ALI20240621BHJP
   B07B 1/28 20060101ALI20240621BHJP
   B07B 4/08 20060101ALI20240621BHJP
   B07B 9/00 20060101ALI20240621BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20240621BHJP
   B01D 46/02 20060101ALI20240621BHJP
   B02C 19/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B02C23/08
B03C1/00 B
B03C1/00 A
B03C1/23
B03C1/16
B03C1/10 Z
B03C1/28
B07B1/18
B07B1/28 Z
B07B4/08 Z
B07B9/00 A
B01D45/12
B01D46/02 Z
B02C19/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579114
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 CA2022051011
(87)【国際公開番号】W WO2022266766
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】3,123,240
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(31)【優先権主張番号】3,145,069
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013758
【氏名又は名称】ティーオーアールエックスエックス・キネティック・パルヴァライザー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベランガー、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ドロレ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】エヴァーソン、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ワード、テリー
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー、クリストファー
【テーマコード(参考)】
4D021
4D031
4D058
4D067
【Fターム(参考)】
4D021AA13
4D021CA07
4D021DB20
4D021EA10
4D021EB01
4D021FA09
4D021GA11
4D021GB01
4D021HA01
4D021HA10
4D031AC00
4D031BA01
4D031DA04
4D058JA04
4D058QA01
4D058QA06
4D067CG03
4D067EE11
4D067GA08
(57)【要約】
材料回収施設(MRF)において微粒子流を処置するためのプロセスは、壊れやすい材料及び延性材料を含むMRF微粒子流を供給するステップと、MRF微粒子流を1パス運動粉砕段にかけて、壊れやすい材料から導出されたサイズ低減破片及び延性材料から導出された過大破片を含む粉砕材料を生成するステップと、運動粉砕機から粉砕材料を引き出すステップと、粉砕材料を分離にかけて、サイズ低減流及び過大流を生成するステップとを含む。運動粉砕機と、粉砕機コンベアと、粉砕機コンベアに対して動作可能に結合され、粉砕流を受け取ってサイズ低減流及び過大流を生成するスクリーンとを備えるシステムも提供される。このシステムはまた、運動粉砕機の上流に配置された磁気分離機と、運動粉砕機の下流に配置された集塵システムとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料回収施設(MRF)において微粒子流を処置するためのプロセスであって、
ガラス、セラミックス、乾式壁、屋根板、岩石及び/又は骨材を含む壊れやすい材料と、
プラスチックを含む延性材料と
を含む、MRF微粒子流を供給するステップと、
前記MRF微粒子流を1パス運動粉砕段にかけるステップであって、前記微粒子流が、運動粉砕機に供給され、前記運動粉砕機内の渦によって生じる自己衝突にさらされ、前記壊れやすい材料から導出されたサイズ低減破片と前記延性材料から導出された過大破片とを含む粉砕材料を生成する、運動粉砕段にかけるステップと、
前記運動粉砕機から前記粉砕材料を引き出すステップと、
前記粉砕材料を分離にかけて、サイズ低減流及び過大流を生成するステップと
を含むプロセス。
【請求項2】
前記微粒子流が都市ゴミ(MSW)又は発生源分別されたリサイクル可能物から導出される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記微粒子流が過大堆肥流である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記微粒子流が5.08cm(2インチ)未満のサイズの材料を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記運動粉砕機が500RPM~1,200RPMの回転速度で運転される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記運動粉砕機が700RPM~1,000RPMの回転速度で運転される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記運動粉砕機は、前記サイズ低減された破片が実質的に砂又は沈泥のサイズの粒子になるように運転される、請求項1から6までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記微粒子流が、前記運動粉砕機に入るとき10%~50%の含水率を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記微粒子流が、前記運動粉砕機に入るとき15%~40%の含水率を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記微粒子流が前記運動粉砕段の上流の乾燥段にかけられない、請求項1から9までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記サイズ低減破片が前記粉砕出力流中の均一な混合物である、請求項1から10までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記運動粉砕段が、前記微粒子流に対して、前記運動粉砕段において5%~8%の水分除去を達成する、請求項1から11までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記サイズ低減流が、前記運動粉砕段及び前記分離によって、前記微粒子流よりも含水量が5%~30%少なくなり得る、請求項1から12までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記運動粉砕段が、空気除去によって、前記微粒子流に対する病原体低減を達成する、請求項1から13までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記微粒子流に破砕性添加物を組み込むステップであって、前記破砕性添加物が、サイズ低減され、前記壊れやすい材料とともに均質化されて前記サイズ低減破片の一部を形成するステップをさらに含む、請求項1から14までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記破砕性添加物が、多孔質剤、土壌添加物、建築材料添加物、堆肥添加物、ピート・モス、又はガラス製品添加物を含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記破砕性添加物が前記運動粉砕段の上流の前記微粒子流に導入される、請求項15又は16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記破砕性添加物が前記微粒子流からの個別の流れとして前記運動粉砕機に直接導入される、請求項15又は16に記載のプロセス。
【請求項19】
前記分離段がスクリーニングを含む、請求項1から18までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記スクリーニングがトロンメル・スクリーンを使用して実行される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記スクリーニングが振動スクリーンを使用して実行される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項22】
前記分離段が単一のスクリーンを備える、請求項1から21までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記微粒子流の少なくとも1つの供給パラメータ、並びに/或いは前記粉砕材料、前記過大流及び/又は前記サイズ低減流の出力パラメータを監視するステップと、
前記供給パラメータ及び/又は前記出力パラメータに基づいて前記1パス運動粉砕段を調節するステップと
をさらに含む、請求項1から22までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記少なくとも1つの供給パラメータが、前記微粒子流の送り速度及び/又は前記微粒子流の組成を含む、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記少なくとも1つの出力パラメータが、前記粉砕流の中の前記サイズ低減破片のサイズ特性、前記粉砕流の組成、前記過大流の流速、前記サイズ低減流の流速、前記過大流の組成、及び/又は前記サイズ低減流の組成を含む、請求項23又は24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記1パス運動粉砕段を調節する前記ステップが前記回転速度を調節するステップを含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記1パス運動粉砕段を調節する前記ステップが前記微粒子流の前記送込み速度を調節するステップを含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
廃材から導出された微粒子流を処置するためのプロセスであって、
微粒子流を供給するステップであって、前記微粒子流は、
ガラス、セラミックス、乾式壁、屋根板、岩石及び/又は骨材を含む壊れやすい材料と、
プラスチックを含む延性材料とを含み、
最大サイズが5.08cm(2インチ)又は10.16cm(4インチ)の材料から実質的に成る、ステップと、
前記微粒子流を1パス運動粉砕段にかけるステップであって、前記微粒子流が、運動粉砕機に供給され、前記運動粉砕機内の渦によって生じる自己衝突によって、前記壊れやすい材料から導出されたサイズ低減破片と前記延性材料から導出された過大破片とを含む粉砕材料を生成する、1パス運動粉砕段にかけるステップと、
前記運動粉砕機から前記粉砕材料を引き出すステップと、
前記粉砕材料を分離にかけて、サイズ低減流及び過大流を生成するステップと
を含むプロセス。
【請求項29】
前記微粒子流が、発生源分別された単一流の材料回収施設(MRF)から導出される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記微粒子流がガラスを40%~60%含み、前記サイズ低減流が、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超のガラスから成る、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記微粒子流が、混合廃材の材料回収施設(MRF)から導出される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項32】
前記微粒子流が50%~70%の有機物を含み、前記サイズ低減流が、4mm超のサイズの可視汚染物質を多くとも0.5~2%有する有機物から実質的に成る、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記微粒子流が堆肥化施設から導出され、過大堆肥を含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項34】
前記サイズ低減流が、4mm超のサイズの可視汚染物質を多くとも0.5~2%有する有機物から実質的に成る、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
サイズ低減及び前記サイズ低減破片との均質化のために、破砕性添加剤を前記微粒子流に追加するステップをさらに含む、請求項28から34までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記破砕性添加物が前記運動粉砕段の上流の前記微粒子流に導入される、請求項35に記載のプロセス。
【請求項37】
前記破砕性添加剤が前記運動粉砕機に直接導入される、請求項35に記載のプロセス。
【請求項38】
前記MRF微粒子流を磁気分離にかけて鉄金属を除去することにより、金属枯渇供給流を生成して、前記1パス運動粉砕段に供給するステップをさらに含む、請求項1から37までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項39】
前記の磁気分離が、前記MRF微粒子の供給に関連して構成された1つ又は複数の磁気分離機によって実行される、請求項38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記粉砕材料を集塵段にかけて、そこから塵破片を回収し、前記分離に供給される、塵が減少した粉砕流を生成して、前記サイズ低減流及び前記過大流を生成するステップをさらに含む、請求項1から39までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記塵破片の少なくとも一部が前記サイズ低減流の少なくとも一部と組み合わされる、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
前記塵破片のすべてが前記サイズ低減流と組み合わされる、請求項41に記載のプロセス。
【請求項43】
前記集塵段が、
前記1パス運動粉砕段の出口に、又は前記1パス運動粉砕段から前記粉砕材料を搬送するように構成された固体搬送装置に、結合された集塵機と、
前記塵を分離して、前記塵破片を前記集塵機から貯槽に搬送するように構成されて、前記集塵機に結合された塵回収ユニットと
を備える、請求項40から42までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項44】
前記集塵機が沈降室を備える、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記塵回収ユニットが、配管を通じて前記沈降室と流体連通するバグハウスを備える、請求項44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記塵回収ユニットが、配管を通じて前記沈降室と流体連通する遠心力集塵装置を備える、請求項44に記載のプロセス。
【請求項47】
前記固体搬送装置がコンベアを備える、請求項43から46までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記集塵機が、前記固体搬送装置をその全長の大部分に沿って囲む、請求項43から46までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項49】
請求項1から27までのいずれか一項に記述された1つ又は複数の特徴をさらに含む、請求項28から48までのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項50】
微粒子流を受け取り、処理して、粉砕材料を生成するように構成された運動粉砕機と、
前記粉砕材料を下流へ搬送するように構成された粉砕機コンベアと、
前記粉砕材料を受け取ってサイズ低減流及び過大流を生成するように構成されて、前記粉砕機コンベアに対して動作可能に結合されたスクリーンと
を備えるシステム。
【請求項51】
前記微粒子流を発生する材料回収施設(MRF)と、
前記微粒子流を前記運動粉砕機に搬送するように構成された微粒子コンベアと
をさらに備える、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記微粒子流が都市ゴミ(MSW)から導出される、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記微粒子流が5.08cm(2インチ)未満のサイズの材料を含む、請求項50から52までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記運動粉砕機が500RPM~1,200RPMの回転速度で動作するように構成されている、請求項50から53までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記運動粉砕機が700RPM~1,000RPMの回転速度で動作するように構成されている、請求項50から53までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記微粒子流に破砕性添加物を組み込むための追加ユニットであって、前記破砕性添加物が、サイズ低減され、前記壊れやすい材料と均質化されて前記サイズ低減破片の一部を形成する、追加ユニットをさらに備える、請求項50から55までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記破砕性添加物が、多孔質剤、土壌添加物、建築材料添加物、堆肥添加物、ピート・モス、又はガラス製品添加物を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記破砕性添加物を追加するための前記追加ユニットが前記運動粉砕機の上流に配置されている、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項59】
前記破砕性添加物を追加するための前記追加ユニットが前記運動粉砕機に対して動作可能に結合されている、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項60】
前記スクリーンがトロンメル・スクリーンを備える、請求項50から59までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記スクリーンが振動スクリーンを備える、請求項50から59までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記スクリーンが単一のスクリーン装置を備える、請求項50から61までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記微粒子流の少なくとも1つの供給パラメータ、並びに/或いは前記粉砕材料、前記過大流及び/又は前記サイズ低減流の出力パラメータを監視するように構成された監視ユニットと、
前記供給パラメータ及び/又は前記出力パラメータに基づいて前記運動粉砕機を調節するように構成されて前記監視ユニットに結合された制御ユニットと
をさらに備える、請求項50から62までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記監視ユニット及び前記制御ユニットは、前記少なくとも1つの供給パラメータが前記微粒子流の送り速度及び/又は前記微粒子流の組成を含むように構成されている、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
監視ユニット及び前記制御ユニットは、前記少なくとも1つの出力パラメータが、前記粉砕流の中の前記サイズ低減破片のサイズ特性、前記粉砕流の組成、前記過大流の流速、前記サイズ低減流の流速、前記過大流の組成、及び/又は前記サイズ低減流の組成を含むように構成されている、請求項63又は64に記載のシステム。
【請求項66】
前記制御ユニットが前記運動粉砕機の前記回転速度を調節するように構成されている、請求項63から65までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
前記制御ユニットが前記微粒子流の前記運動粉砕機への前記送込み速度を調節するように構成されている、請求項63から66までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記微粒子流から鉄金属を除去して、前記運動粉砕機に供給される金属枯渇供給流を生成するための、磁気分離機をさらに備える、請求項50から67までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
前記粉砕材料から塵破片を回収して、前記スクリーンに供給される塵減少粉砕流を生成するように構成された集塵ユニットをさらに備える、請求項50から68までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記集塵ユニットが、前記サイズ低減流の少なくとも一部と組み合わされる前記塵破片の少なくとも一部を供給するように構成されている、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記集塵ユニットが、
前記運動粉砕機の出口又は前記粉砕機コンベアに結合された集塵機と、
前記塵を分離して、前記塵破片を前記集塵機から貯槽に搬送するように構成されて、前記集塵機に結合された塵回収ユニットと
を備える、請求項69又は70に記載のシステム。
【請求項72】
前記集塵機が沈降室を備える、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記塵回収ユニットが、配管を通じて前記沈降室と流体連通するバグハウスを備える、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記塵回収ユニットが、配管を通じて前記沈降室と流体連通する遠心力集塵装置を備える、請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記集塵機が、前記運動粉砕機をその全長の大部分に沿って囲む、請求項43から46までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
請求項1から49までのいずれか一項に記載の特徴又は本明細書で説明された特徴のうち1つ又は複数をさらに含む、請求項50から75までのいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、一般に、材料回収施設(MRF:Material Recovery Facility)並びに堆肥化や廃棄物分類の施設などの廃棄物処理施設と、そのような施設からの微粒子流の処理とに関する。
【背景技術】
【0002】
MRF及び他の施設における廃棄物処理は、大きな品目を除去した後に一般的には微粒子流をもたらし、微粒子流は、通常、さらなる処置又は回収なしで埋立てに向けられることになる。従来の技術を使用してそのような微粒子流をさらに処置することは、効果的ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許協力条約/CA2019/050967号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、材料回収施設(MRF)において微粒子流を処置するためのプロセスが提供され、このプロセスは、ガラス、セラミックス、乾式壁、屋根板、岩石及び/又は骨材を含む壊れやすい材料と、プラスチックを含む延性材料とを含む、MRF微粒子流を供給するステップと、MRF微粒子流を1パス運動粉砕段にかけるステップであって、MRF微粒子流が、運動粉砕機に供給され、運動粉砕機内の渦によって生じる自己衝突にさらされ、壊れやすい材料から導出されたサイズ低減破片と延性材料から導出された過大破片とを含む粉砕材料を生成する、1パス運動粉砕段にかけるステップと、運動粉砕機から粉砕材料を引き出すステップと、粉砕材料を分離にかけて、サイズ低減流及び過大流を生成するステップとを含む。
【0005】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、都市ゴミ(MSW:Municipal Solid Waste)から導出されたもの、又は発生源分別されたリサイクル可能物である。
【0006】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は過大堆肥流である。
【0007】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、5.08cm(2インチ)未満のサイズの材料を含む。
【0008】
少なくとも1つの実施例では、運動粉砕機は500RPM~1,200RPMの回転速度で運転される。
【0009】
少なくとも1つの実施例では、運動粉砕機は700RPM~1,000RPMの回転速度で運転される。
【0010】
少なくとも1つの実施例では、運動粉砕機は、サイズ低減された破片が実質的に砂又は沈泥のサイズの粒子になるように運転される。
【0011】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、運動粉砕機に入るとき10%~50%の含水率を有する。
【0012】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、運動粉砕機に入るとき15%~40%の含水率を有する。
【0013】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、運動粉砕段の上流の乾燥段にかけられない。
【0014】
少なくとも1つの実施例では、サイズ低減破片は、粉砕出力流中の均一な混合物である。
【0015】
少なくとも1つの実施例では、運動粉砕段は、運動粉砕段において微粒子流に対して5%~8%の水分除去を達成する。
【0016】
少なくとも1つの実施例では、サイズ低減流は、運動粉砕段及び分離によって、微粒子流よりも含水量が5%~30%少なくなり得る。
【0017】
少なくとも1つの実施例では、運動粉砕段は、空気除去によって、微粒子流における病原体低減を達成する。
【0018】
少なくとも1つの実施例では、このプロセスは、微粒子流に破砕性添加物を組み込むステップさらに含み、破砕性添加物は、壊れやすい材料とともにサイズ低減され、均質化されてサイズ低減破片の一部を形成する。
【0019】
少なくとも1つの実施例では、破砕性添加剤は、多孔質剤、土壌添加剤、建築材料添加剤、堆肥添加剤、ピート・モス、又はガラス製品添加剤を含む。
【0020】
少なくとも1つの実施例では、破砕性添加物は、運動粉砕段の上流の微粒子流に導入される。
【0021】
少なくとも1つの実施例では、破砕性添加物は、微粒子流から個別の流れとして運動粉砕機に直接導入される。
【0022】
少なくとも1つの実施例では、分離段はスクリーニングを含む。
【0023】
少なくとも1つの実施例では、スクリーニングはトロンメル・スクリーンを使用して実行される。
【0024】
少なくとも1つの実施例では、スクリーニングは振動スクリーンを使用して実行される。
【0025】
少なくとも1つの実施例では、分離段は単一のスクリーンを含む。
【0026】
少なくとも1つの実施例では、このプロセスは、微粒子流の少なくとも1つの供給パラメータ、並びに/或いは粉砕材料、過大流及び/又はサイズ低減流の出力パラメータを監視するステップと、供給パラメータ及び/又は出力パラメータに基づいて1パス運動粉砕段を調節するステップとを含む。
【0027】
少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの供給パラメータは、微粒子流の送り速度及び/又は微粒子流の組成を含む。
【0028】
少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの出力パラメータは、粉砕流の中のサイズ低減破片のサイズ特性、粉砕流の組成、過大流の流速、サイズ低減流の流速、過大流の組成、及び/又はサイズ低減流の組成を含む。
【0029】
少なくとも1つの実施例では、1パス運動粉砕段を調節するステップは、回転速度を調節するステップを含む。
【0030】
少なくとも1つの実施例では、1パス運動粉砕段を調節するステップは、微粒子流の送込み速度を調節するステップを含む。
【0031】
別の態様によれば、廃材から導出された微粒子流を処置するためのプロセスも提供され、このプロセスは、ガラス、セラミックス、乾式壁、屋根板、岩石及び/又は骨材を含む壊れやすい材料と、プラスチックを含む延性材料とを含む、微粒子流を供給するステップであって、微粒子流は最大サイズが5.08cm(2インチ)又は10.16cm(4インチ)の材料から実質的に成る、ステップと、微粒子流を1パス運動粉砕段にかけるステップであって、微粒子流が、運動粉砕機に供給され、運動粉砕機内の渦によって生じる自己衝突にさらされ、壊れやすい材料から導出されたサイズ低減破片と延性材料から導出された過大破片とを含む粉砕材料を生成する、1パス運動粉砕段にかけるステップと、運動粉砕機から粉砕材料を引き出すステップと、粉砕材料を分離にかけて、サイズ低減流及び過大流を生成するステップとを含む。
【0032】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、発生源分別された単一流の材料回収施設(MRF)から導出される。
【0033】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流はガラスを40%~60%含み、サイズ低減流は、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超のガラスから成る。
【0034】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、混合廃材の材料回収施設(MRF)から導出される。
【0035】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は、50%~70%の有機物を含み、サイズ低減流は、4mm超のサイズの可視汚染物質を多くとも0.5~2%有する有機物から実質的に成る。
【0036】
少なくとも1つの実施例では、微粒子流は堆肥化施設から導出され、過大堆肥を含む。
【0037】
少なくとも1つの実施例では、サイズ低減流は、4mm超のサイズの可視汚染物質を多くとも0.5~2%有する有機物から実質的に成る。
【0038】
少なくとも1つの実施例では、このプロセスは、サイズ低減及びサイズ低減破片との均質化のために、破砕性添加剤を微粒子流に追加するステップをさらに含む。
【0039】
少なくとも1つの実施例では、破砕性添加物は粉砕段の上流の微粒子流に導入される。
【0040】
少なくとも1つの実施例では、破砕性添加剤は運動粉砕機に直接導入される。
【0041】
少なくとも1つの実施例では、このプロセスは、上記で列挙された1つ又は複数の特徴をさらに含む。
【0042】
もう一つ別の態様によれば、微粒子流を受け取り、処理して、粉砕材料を生成するように構成された運動粉砕機と、粉砕材料を下流へ搬送するように構成された粉砕機コンベアと、粉砕流を受け取ってサイズ低減流及び過大流を生成するように構成されて、粉砕機コンベアに対して動作可能に結合されたスクリーンとを備えるシステムも提供される。
【0043】
少なくとも1つの実施例では、このシステムは、微粒子流を発生する材料回収施設(MRF)と、微粒子流を運動粉砕機に搬送するように構成された微粒子コンベアとをさらに備える。
【0044】
少なくとも1つの実施例では、このシステムは、上記で列挙された、又は本明細書で説明された、1つ又は複数の特徴をさらに含む。
【0045】
少なくとも1つの実施例では、プロセス及び/又はシステムは、運動粉砕に先立つ微粒子流の磁気分離も含む。
【0046】
少なくとも1つの実施例では、プロセス及び/又はシステムは、少なくとも運動粉砕段を出る粉砕材料に関連した集塵も含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】運動粉砕と、それに続くスクリーニングとを使用して、廃棄物流を処置するためのプロセスの流れ図である。
図2】一実施例による粉砕装置の左側斜視図である。粉砕装置用のモータ及びハウジングを示す。
図3図2に示された粉砕装置の右側斜視図である。ハウジングの下端に直近の出口を示す。
図4図2に示された粉砕装置の底部斜視図である。モータと回転可能なシャフトとを接続するベルト接続を示す。
図5図3に示されたハウジングの断面図である。ハウジングの内部に配置された回転可能なシャフト及びロータを示す。
図6図2に示された粉砕装置のハウジングの部分分解図である。
図7図2に示された粉砕装置のハウジングの上部断面図である。ハウジング側壁に沿って回転可能なシャフトのまわりに間隔をおいて配置された複数の偏向器を示す。
図8図5に示されたハウジングの断面図である。回転可能なシャフト及びロータは除去されており、側壁に沿ってハウジング内の異なるレベルに配置された棚を示す。
図9図2に示された粉砕装置のハウジングの内部に装着された粉砕ロータの部分切開図である。ハウジング内に生成された渦を示す。
図10】一実施例によるハウジングの概略上面図である。ハウジングの内部チャンバの中で重なる渦を示す。
図11】運動粉砕と、それに続く分離とを使用して、廃棄物処理プラントで発生した複数の微粒子流を処置するためのプロセスの流れ図である。
図12】運動粉砕と続くスクリーニングとを使用して廃棄物流を処置するためのプロセスの流れ図である。磁気分離段及び集塵段も含む。
図13】運動粉砕と続くスクリーニングとを使用して廃棄物流を処置するためのプロセスの流れ図である。集塵段も含む。
図14】実例の磁気分離段の概略側面図である。
図15】別の実例の磁気分離段の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
廃棄物処理から導出された微粒子流の処置は、運動粉砕機を通す1パス粉砕段を含み得、ここで、壊れやすい材料はサイズ低減され、延性材料は、遊離されて、過大破片として存続する。次いで、粉砕材料は、分解されサイズ設定された材料から過大材料を分離するために、スクリーニングを含み得る分離段にかけられる。主としてプラスチック及び他の無機材料である分離された過大材料は、次いで、その組成に応じて、処分され得、燃料に変換され得、又はサブ破片を回収するためにさらに分離され得る。サイズ設定された材料は、そのサイズ及び組成の特性に応じて、たとえば、堆肥添加剤又は供給原料、表土、土壌改良剤、充填材、建築材料添加剤などの土地用途として、様々な用途に再利用され得る。いくつかの実装形態については、サイズ設定された材料は、堆肥化又は嫌気性消化などの追加の処置にかけられ得る。
【0049】
図1を参照して、都市ゴミ(MSW)12の処理から導出された微粒子流10及び/又は材料回収施設(MRF)14で発生した微粒子流10は、粉砕出力流18を生成するために運動粉砕16にかけられる。微粒子流10は延性材料及び壊れやすい材料を含む。壊れやすい材料は、通常、硬い、脆い、又は砕けやすいため、運動粉砕が、顕著なサイズ低減を促進し、壊れやすい材料をサイズ低減破片に変換する。壊れやすい材料は、たとえば砂又は沈泥の粒子サイズまでサイズ低減され、粉砕出力流18とともに均質化される。壊れやすい材料の実例は、ガラス、セラミックス、乾式壁、屋根板、岩石及び骨材、並びに、必ずしも硬くはないが破砕性であってサイズ低減される木材に加えて、食料及び庭ゴミなどの有機物を含む。一方、延性材料は、柔軟であり、運動粉砕16によって大幅にサイズ低減されることはない。延性材料の実例は、プラスチック・フィルム、繊維、硬質プラスチック及び軟質プラスチックを含む。したがって、粉砕出力流18は、分解された破片及び大きな延性破片から成るサイズ低減破片を含む。
【0050】
粉砕出力流18は、次いで、主として分解された破片から成るサイズ低減流22と、主として大きな延性破片から成る過大材料流24とを回収するために、分離20にかけられ得る。分離ステップ20は、1つ又は複数の段で実行され得、様々な分離機器を使用することができる。たとえば、振動スクリーン及び/又はトロンメル・スクリーンなどの様々なタイプのスクリーンが使用され得る。他のタイプの分離機器も使用され得る。分離機器は、新規の、本明細書で説明された微粒子処置プロセス専用のもの、又は施設内の既存の分離段の一部であり得る。いくつかの実装形態では、分離を支援して下流の再利用又は処分を可能にする様々な特性を持ち得る3つ以上の流れを生成するために、粉砕出力流18が分離にかけられる。分離段は、たとえば、並列又は直列に配置された複数の分離機(たとえばスクリーン)を含むことができる。
【0051】
運動粉砕段16に供給される供給原料は、MRFで発生した微粒子流であり得、従来は、さらなる処理又は回収なしで処分されたはずである。MRFは、発生源分別された単一流のMRF、又は混合廃棄物のMRF若しくは「汚い」MRFであり得、最終使用者である製造業者に販売するために、再利用可能材料を受け取り、分離して、準備する。微粒子流の組成は、変化し得、MRFが受け取る廃材の組成、並びにMRFの処理機器及び動作に依拠することになる。供給原料はまた、たとえば堆肥化施設又は別のタイプの廃棄物処理施設の内部の微粒子流であり得る。
【0052】
供給原料微粒子流の以下の実例は、本明細書で説明されたプロセスを使用して処理され得、サイズ低減流を生成するために使用され得る。供給原料は、混合廃棄物(たとえばMSW)、発生源分別されたリサイクル可能物(たとえば単一流)、建設及び解体の破片、庭ゴミ、食料廃棄物、又は他の混合された廃棄物流を入力とする、分類及び/又は処理のシステム、堆肥施設、又はMRFからの、事前調整されているサイズ設定された材料を含む。本明細書で説明したMRF微粒子の供給原料は、混合廃棄物供給原料の中にある建設及び/又は解体の破片の部片を含み得ることが理解される。しかしながら、本説明では、「MRF微粒子」という用語は、建設及び解体の破片回復作業から回収された建設及び解体(C&D:Construction and Demolition)の微粒子と見なされる流れは含まないことを理解されたい。
【0053】
混合廃棄物のMRF微粒子に関して、平均組成(重量%)は、約50~70%までの有機物(たとえば庭ゴミ、食料廃棄物、泥)、約10~15%のセルロース物質(たとえば紙、おむつ、ティッシュなど)、約8%~12%又はおよそ10%の壊れたガラス、約0.5%~2%の金属、約10%~15%のプラスチック(剛体及びフィルム)、及び約0~2%の織物であり得る。これらの組成には、前述の成分のカテゴリのうち1つ又は複数がほとんどないか又は全くない変形形態もあり得る。混合廃棄物のMRF微粒子から発生するサイズ低減流は、4mm超のサイズの可視汚染物質(たとえば金属、ガラス、プラスチック)を0.5~2%有する有機濃縮物製品を含み得る。供給原料からの有機物の捕捉率は、スクリーン構成及び材料品質要件などの要因に依拠して、約60~85%であり得る。過大流は、汚染物質(たとえばプラスチック、金属、ガラス)と少量の過大有機物との混合物になるはずである。
【0054】
発生源分別された単一流のMRF微粒子/残留物に関して、平均組成(重量%)は、約70~80%の壊れたガラス、約0~5%の有機物(たとえば庭ゴミ、食料廃棄物、泥)、約5~10%のセルロース物質(たとえば紙、おむつ、ティッシュなど)、約5%までの金属、約5~10%のプラスチック(剛体及びフィルム)、及び約0~2%の織物であり得る。これらの組成には、前述の成分のカテゴリのうち1つ又は複数がほとんどないか又は全くない変形形態もあり得る。発生源分別された単一流のMRF微粒子から発生したサイズ低減流は、1%未満の非ガラス製品を有する50メッシュ未満の粉砕ガラスを含み得る。供給原料からのガラスの捕捉率は、スクリーン構成及び材料品質要件などの要因に依拠して、97%超であり得る。過大流は、混合非ガラス材料になるはずである。
【0055】
バイオマスの過大堆肥に関して、平均組成(重量%)は、約65%~75%のバイオマス製品、約15~20%のガラス及び骨材、並びに約5%までの金属であり得る。バイオマスの過大堆肥から発生するサイズ低減流は、4mm超のサイズの可視汚染物質(たとえば金属、ガラス、プラスチック)を0.5~2%有する有機濃縮物を含み得る。供給原料からの有機物の捕捉率は、スクリーン構成及び材料品質要件などの要因に依拠して、約70~80%であり得る。過大流は、汚染物質(たとえばプラスチック、金属、ガラス)と過大有機物との混合物になるはずである。
【0056】
建設及び解体(C&D)の微粒子に関して、平均組成(重量%)は、約50~70%の骨材(たとえば岩石、レンガ、コンクリート、セラミックス、ガラス、土)、約5%のセルロース物質(たとえば厚紙、繊維板、紙)、約5~15%の木材、約20~40%の石膏、約0.5~1%の金属、及び約5%のプラスチックであり得る。C&D微粒子から発生するサイズ低減流は、4mmを上回るサイズの可視汚染物質(たとえば金属、ガラス、プラスチック)を0.5%まで有する不活性な土壌状の濃縮物を含み得る。廃物流は、可視汚染物質(たとえばプラスチック、金属、ガラス)と過大有機物(たとえば木材)との混合物であり得る。
【0057】
加えて、運動粉砕機は湿った供給材料を効率よく扱うことができるので、微粒子流10は、乾燥前処置などの前処置なしで運動粉砕段16に直接供給され得る。たとえば、微粒子流は、50%までの含水率又は10%~40%の含水率を有し得、予備乾燥なしで運動粉砕機に直接供給され得る。含水率が50%を上回る湿った微粒子流については、50%未満に乾燥させるために予備乾燥ステップが実行され得る。
【0058】
プロセスに対する様々な送込み供給原料が構想され得る。供給原料の一例には、都市、商業、又は工業の固体廃棄物から通常は導出される混合材料又は複合材料の流れがあり、再利用可能な内容物、並びに/或いは、通常は処分が予定される、使い道が限られているか又は価値が負である、5.08cm(2インチ)を超過する(ただし7.62cm(3インチ)未満、10.16cm(4インチ)未満、又はそれ以上もあり得る)品目を除去するために、前処理又はスクリーニングされている。実例のタイプは、混合廃棄物の処理施設、単一流の再利用施設、建設及び解体の破片の処理プラント、及び堆肥化施設からのスクリーニングを含み、これらは、一般に「微粒子」材料、「棄却」材料、又は「残留」材料と称される、硬質/脆性の成分と軟質/延性の成分との組合せを含有している。供給原料の別の実例には、窓ガラス及び/又は合わせガラスを含むガラスがあり、ガラスとフィルムとの積層が、粉砕段によって1パスで遊離され、次いで、サイズ設定及び分離の機器によって1ステップで分離され得る。供給原料の別の実例は過大堆肥を含み、粉砕段で、従来のサイズ設定機器によって、清浄な有機内容物の回収が1ステップで可能になる。過大堆肥は、何らかのプラスチック・フィルム及びガラスを含む堆肥材料(完成品又は未完成品)であり、したがって、過大プラスチックを除去して価値のあるサイズ低減材料を得るために、本プロセスによって促進される、サイズ低減、サイズ低減粒子の均質化、過大材料の遊離及び分離が有効である。
【0059】
運動粉砕段に関して、1台の運動粉砕機が1パス段として実施され、且つ運転され得る。たとえば、供給原料は、バッフルを有するドラムと、ドラム・チャンバの内部で渦を生成する複数のアームを有する内部回転ステムとを含む運動粉砕機の上部に供給され得る。供給材料は、壊れやすい材料のサイズ低減のために、渦に入って自己衝突を経験する。材料は運動粉砕機の下部領域まで通って、下部の出口から粉砕出力流18として放出される。回転速度は、500RPM~1,200RPM、600RPM~1,100RPM、又は700RPM~1,000RPMで運転され得て、他の処理パラメータに応じて調節され得、又は比較的一定に保たれ得る。いくつかの実装形態では、回転速度は、出力材料のサイズ及び品質を制御するように調節される。
【0060】
場合によっては、プロセスにおいて、運動粉砕段16及び/又は運動粉砕機50は、連続モード又は準バッチ・モードで運転され得る。運動粉砕機50への1回のパスで材料を粉砕すること、又は運動粉砕機50への複数のパスで材料を粉砕することも可能である。複数のパスが使用されるとき、第1のパスからの粉砕材料はスクリーニングされ得て、その一部だけが次のパスに供給される。より一般的には、特定の材料又は破片は、複数の粉砕段にかけることができ、これは、同一の運動粉砕機50内で再利用することによって行われても良い。運動粉砕機50を通る各パスは、同一の運転条件で行われてよく、又は、たとえば各パスに対する供給物の組成に基づいて変更される種々の運転条件(たとえば回転速度、送り速度)で行われてもよい。
【0061】
運動粉砕段は、壊れやすい材料の目標指向的なサイズ低減を可能にするだけでなく、より高品質な出力流のための乾燥及び病原体低減も促進することができる。たとえば、粉砕及び分離を含む全体のプロセスは、供給廃材よりも含水量が30%(又は15%~25%)少ないサイズ設定された材料を生成することができる。いくつかの実装形態では、運動粉砕段が水分を5~8%減少させ、次いで、分離段によって、サイズ設定された破片の含水量をさらに低減することができる。加えて、粉砕段は供給原料の空気除去を促進することができ、結果として病原体低減をもたらす。
【0062】
運動粉砕段16は、運動エネルギー、渦及び物質対物質の衝突の使用を促進して、壊れやすい材料のサイズ低減、分解された材料の均質化、延性材料の遊離及び分離、組み込まれ得る添加剤の混合、乾燥、病原体低減を達成することができる。1パス運動粉砕は、混合材料、水分、病原体などの特定の特徴を有する流れに対して、材料の効果的な処置及び回収を促進することができる。
【0063】
粉砕出力流18に関して、いくつかの実装形態では、粉砕段16は、大多数(たとえば50%超、又は50%~70%、さらには90%超も)が0.9525mm(3/8インチ)のふるいを通る塵サイズの粒子から、より大きな粒子の範囲の材料を発生する。過大材料は、供給原料の低密度で柔軟な破片を含み、一方、脆性で硬く、破砕性である壊れやすい材料の粉砕は、このサイズ低減破片を均質化し、スクリーニングを含み得る様々な分離技術によって、より大きな延性破片からの遊離及び分離を促進する。過大破片は、実質的にプラスチック材料から成り得、繊維、フィルム、金属、などの他の材料も含むことができる。
【0064】
分離段20に関して、過大破片は、スクリーニングなどのサイズ・ベースの分離技術を使用して、サイズ設定された破片から分離され得る。スクリーニングは、とりわけ、振動スクリーン、タンブラ・スクリーン、トロンメル・スクリーンなどの様々なタイプの機械式スクリーンを使用して実行され得る。機械式スクリーンは、サイズ設定された破片と過大破片とを相互から分離することを促進するように、粉砕出力流18の組成及びサイズ分布に基づいて構成又は運転され得る。スクリーンは、過大流(たとえばプラスチック)の高純度又は高収率を促進又は最大化するため、或いは分離された流れ22、24に関連した他のパラメータを促進するために、用意され得る。次いで、分離された流れ22、24は、必要に応じて、さらなる処理及び回収にかけられ得る。
【0065】
いくつかの実装形態では、分離段20と粉砕段16とは、一方の動作が他方に影響を及ぼすように統合される。たとえば、スクリーン及び粉砕機は、分別流22、24の特定の特性などの所望のパラメータを達成するように、コントローラ26によって監視及び制御され得る。たとえば、入力供給原料が変化することによって、粉砕機が、粉砕流18の中により大きくサイズ設定された破片を生成したら、それに応じて、スクリーンが、望まれる特定の分離を促進するように制御され得る。加えて、粉砕機は、サイズ設定された破片を目標範囲内に戻して所望の分離を促進するために、たとえば、モータ28を制御することによって回転速度を増加するように制御され得る。流れの特性(たとえば、サイズ分布、組成、質量、及び/又は体積流量)を監視するために、入口検知器D30及び出口検知器D32などの監視計測器が設けられ得る。スクリーン及び運動粉砕機は、生産されるサイズ設定された製品に応じて、たとえば、最大サイズを有する製品を発生するための特定のやり方で設計及び運転され得る。サイズ設定された材料の主要な成分がガラスであるときには、スクリーンは50メッシュであり得、運動粉砕機は、ガラスを50メッシュ未満にサイズ低減するように動作する。有機物がサイズ設定された材料材料の主要な成分である場合には、スクリーンは0.95cm(3/8インチ)又は1.27cm(1/2インチ)であり得る。堆肥用途向けには、スクリーンは、たとえば1.27mm(1/2インチ)又は0.635mm(1/4インチ)であり得る。しかしながら、スクリーン設計は、サイズ低減材料の様々なサイズ分布を提供するように、市場依存し得ることが注目される。
【0066】
いくつかの実装形態では、連続運転を促進するために、コンベアシステムを使用して段と段の間で様々な流れが搬送されるが、他の搬送方法も使用され得る。プロセスは、施設や他の要因に応じて、連続的に、バッチ供給式に、又は他の方式に従って、運転され得る。
【0067】
運動粉砕機に関して、ユニットは、様々な構造的特徴及び運転上の特徴を有し得ることが注目される。いくつかの実装形態では、運動粉砕機は、参照によって本明細書に組み込まれる特許協力条約/CA2019/050967号で説明されている1つ又は複数の特徴を有し得る。
【0068】
次に図2図10を参照して、一実施例による粉砕機50が示されている。粉砕機50は、本明細書で説明されたような入力材料を受け取って粉砕又は細分するように適合されている。
【0069】
本明細書で使用される「粉砕する」、「粉砕」、「微粉化する」、及び「微粉化」という用語は、入力材料の中の粒子のサイズの低減を指すことが理解されよう。
【0070】
図示の実施例では、粉砕機50は、ベース52と、ベース52の上に装着されたハウジング60とを含む。具体的には、ハウジング60は、ベース52に接続された最下端62と、最下端62の反対側の最上端64とを含む。ハウジング60は中空であり、最上端64と最下端62との間に延在して粉砕を行う内部チャンバ68を画定するハウジング側壁66を含む。具体的には、ハウジング60は、入力材料を受け入れるように最上端64に配置された入口70と、内部チャンバ66の中で粉砕された粉砕材料を放出し得るように最下端62に配置された出口72とを含む。図示の実施例では、出口72は、粉砕材料の、ハウジング側壁66に向けた接線方向への放出を可能にする。出口72は別のやり方で構成され得ることが理解されよう。たとえば、出口72は、粉砕材料がハウジング60から軸方向に下方へ放出され得るように、ハウジング60の底面に配置されてもよい。或いは、出口72は、実質的に最下端62に向けて配置され得るが、必ずしもハウジング60の最下端62に配置されなくてもよいことが理解されよう。同様に、入口70は、必ずしもハウジング60の上端64に配置されなくてもよく、全体的に上端64に向けて配置されてもよい。
【0071】
図示の実施例では、ハウジング60は、全体的に円筒状であって、ハウジング60の最上端64と最下端62との間に延在する中心のハウジング軸Hを画定する。ハウジング60は、粉砕機50が動作するとき、中心のハウジング軸Hが実質的に垂直方向に延在するように配置されるように適合されている。この構成では、入口70に供給された入力材料は、重力によって、最終的に出口72の方へ落下する傾向がある。
【0072】
図示の実施例では、空気流生成器100は、内部チャンバ68の中に配置された粉砕ロータ組立体102と、空気流を発生するために、粉砕ロータ組立体102を回転させるように、粉砕ロータ組立体102に対して動作可能に結合された回転アクチュエータ104とを含む。具体的には、粉砕ロータ組立体102は、内部チャンバ68の中に配置されてハウジング60の中心のハウジング軸Hに沿って最上端64と最下端62との間に延在する回転可能なシャフト106と、回転可能なシャフト106が回転するとき中心のハウジング軸Hのまわりで回転するように、回転可能なシャフト106に固定された複数の粉砕ロータ108a、108b、108cとを含む。
【0073】
それぞれの粉砕ロータ108a、108b、108cが、ロータ・ハブ120と、ロータ・ハブ120から外に向かってハウジング側壁66の方へ延在する複数のロータ・アーム122とを含む。回転可能なシャフト106は、ロータ・アーム122が、中心のハウジング軸Hを通って垂直に延在する回転面Rに配置されるように、ロータ・ハブ120を通って延在する。この構成では、回転可能なシャフト106が回転すると、ロータ・アーム122は回転面Rにとどまり、回転面Rに沿って動く。或いは、ロータ・アーム122は、すべてが回転面に配置されるのではなく、回転可能なシャフト106に対して上向き又は下向きの角度をなしてもよい。もう一つの実施例では、ロータ・アーム122は、代わりに、手動で、或いは1つ又は複数のアーム・アクチュエータを使用して自動的に、要求通りに上方や下方へ選択的に角度をなし得るように、回転可能なシャフト106に対して枢動可能に接続されてもよい。
【0074】
図示の実施例では、複数の空気流偏向器200は、6つの偏向器200を含み、これらの偏向器は、互いに実質的に類似しており、中心のハウジング軸Hのまわりで、方位角方向に(すなわちハウジング側壁66の周囲に沿って)実質的に等間隔で配置されている。或いは、すべての偏向器200が、互いに類似していなくてもよく、等間隔に配置されていなくてもよく、且つ/又は粉砕機50が含み得る偏向器202は6つでなくてもよい。たとえば、粉砕機50は2つ~8つの偏向器200を含み得る。
【0075】
図示の実施例では、各偏向器200は、細長く、ハウジング軸Hに対して実質的に平行に延在する。具体的には、ハウジング60は中心のハウジング軸Hが実質的に垂直方向に延在するように配置されているので、偏向器200も実質的に垂直方向に延在する。
【0076】
図6図8に最もよく示されるように、各偏向器200が、ハウジング60の最上端64に向かって位置する最上端202と、ハウジング60の最下端62に向かって位置する最下端204とを含む。図示の実施例では、各偏向器200は、上部の粉砕ロータ108aの回転面R及び中間の粉砕ロータ108cの回転面Rと交差するように配置されている。より具体的には、偏向器200の最上端202は上部の粉砕ロータ108aの上にあり、偏向器200の最下端204は中間の粉砕ロータ108cの下にあって、偏向器200は、最上端202と最下端204との間に連続的に延在する。
【0077】
ロータ・アーム122が回転すると、内部チャンバ68の中の空気を、外に向けてハウジング側壁66の方へ移動させることが理解されよう。上記の構成では、偏向器200が上部の粉砕ロータ108a及び中間の粉砕ロータ108cと水平に整列しているので、空気は、上部の粉砕ロータ108a及び中間の粉砕ロータ108cによって偏向器200に対向して外方向へ移動され、偏向器200によって偏向されて、図9及び図10に最もよく示されているように渦Vを形成する。
【0078】
図示の実施例では、各偏向器200が全体的に楔形である。具体的には、各偏向器200は、全体的に三角形の断面を有し、回転可能なシャフト106が回転するとき空気流に面する偏向面206と、空気流から離れて面する反対側の偏向面208とを含む。流れに面する偏向面206及び反対側の偏向面208は、ハウジング側壁26から離れて延在し、ハウジング中心軸Hに向かって尖っている頂点210において合わさるように互いに収斂する。流れに面する偏向面206は、ハウジング側壁26の内面34に対して第1の偏向角θ1の角度をなし、反対側の偏向面208は、ハウジング側壁76の内面74に対して第2の偏向角θ2の角度をなす。
【0079】
図示の実施例では、各偏向器200は、ハウジング60の半径に沿って延在する対称軸Sに関して対称である。したがって、この実施例では、第1の偏向角θ1は第2の偏向角θ2と実質的に等しい。一実施例では、第1の偏向角θ1及び第2の偏向角θ2は、約1度~89度であり、より具体的には約30度~60度である。或いは、偏向器200は対称でなくてもよく、第1の偏向角θ1と第2の偏向角θ2とが相互に異なっていてもよい。
【0080】
図示の実施例では、各偏向器200の頂点210が、ハウジング側壁の内面74から半径方向内向きに、約20cm(約7と3/4インチ)の半径方向距離で配置されている。引き続き、図示の実施例では、頂点210は、さらに、ロータ・アーム122の先端130から半径方向外向きに、約1cm(約1/2インチ)~約5cm(約2インチ)の半径方向距離で配置されている。一実施例では、ロータ・アーム122の先端130と頂点210との間の半径方向距離すなわち「隙間スペース」は、回転可能なシャフト106が回転するとき、渦Vが要求通りに形成され得るように選択されてよい。
【0081】
或いは、偏向器200は、別のやり方で成形及び/又はサイズ設定され得る。たとえば、流れに面する偏向面206及び反対側の偏向面208は、平坦でなくてもよく、代わりに湾曲していてもよい。別の実施例では、偏向器200は反対側の偏向面208を含まなくてもよい。もう一つ別の実施例では、偏向器200は、楔形ではなく、代わりに長方形の断面を有していてもよく、又は当業者が適切と考える他の形状及びサイズを有していてもよい。
【0082】
図10は、粉砕機50が動作しているとき、内部チャンバ68の中に発生する渦Vの概略図である。
【0083】
粉砕機10の動作中には、ロータ・アーム122がハウジング軸Hのまわりで回転する円形の空気流を形成するように、回転可能なシャフト106がハウジング軸Hのまわりで回転される。図10に示された実例では、回転可能なシャフト106は、上から見たとき時計回りの方向に回転し、内部チャンバ68の中に右回りの空気流を形成する。
【0084】
回転可能なシャフト106は、粉砕機内に所望の粉砕効果をもたらすように、比較的高速で回転され得る。一実施例では、回転可能なシャフト106は、約700RPM~約1100RPMの回転速度で回転し、より具体的には約1000RPM~約1100RPMの回転速度で回転する。或いは、回転可能なシャフト106は、以下で説明されるような渦の形成を可能にする、別の回転速度で回転され得る。
【0085】
空気流は、全体的に、ハウジング側壁66の内面34に沿って進むが、ロータ・アーム122と、より具体的にはロータ・アーム122の先端と協働して渦Vを形成する偏向器200の、流れに面する偏向面206によって阻止される。図10に示されるように、渦Vは、隣接した偏向器200’によって、中心のハウジング軸Hの方に向かって内方向へさらに戻され得る。
【0086】
引き続き図10を参照すると、各渦Vが、少なくとも1つの隣接した渦V1、V2とさらに重なって、渦Vの中に浮遊している入力材料粒子が、隣接した1つ又は複数の渦V1、V2の中に浮遊している入力材料粒子と衝突する。より具体的には、生成された各渦Vは、全体的に、シャフト106からハウジング側壁66の方へ循環する空気流によって全体的に画定される、外方向へ移動する部分500と、ハウジング側壁26から回転可能なシャフト106の方へ循環する空気流によって全体的に定義される、内側へ移動する部分502とを含む。図10に示されるように、各渦Vの外方向へ移動する部分500が、第1の隣接した渦V1の内方向へ移動する部分502と重なり、各渦の内方向へ移動する部分502が、第2の隣接した渦V2の外方向へ移動する部分500と重なる。
【0087】
したがって、この構成では、渦の中の入力材料粒子は、渦Vの中の粒子の移動速度の2倍で動く入力材料粒子と衝突する。たとえば、一実施例では、渦V、V1、V2は音速の約1/3で回転している。隣接した第1の渦V1及び第2の渦V2からの入力材料粒子が、渦Vの中に浮遊している同一速度で反対方向に動く入力材料粒子と衝突すると、粒子は音速の約2/3で相互に衝突することになる。
【0088】
一実施例では、入力材料は、空気流及び渦Vによる入力材料粒子の衝突に加えて、回転可能なシャフト106が回転するとき内部チャンバ68の中で入力材料粒子と衝突するロータ・アーム122によってさらに粉砕され得る。この実施例では、重なる渦V、V1、V2の中で互いに衝突する入力材料粒子と、入力材料粒子と衝突するロータ・アーム122との複合効果によって、粉砕機の効率が向上し得る。なおまた、重なる渦Vによって、粒子は、ハウジング20の内側の表面に衝突するよりはむしろ互いに衝突するので、ハウジング20の内部の構成要素の摩耗が軽減され得る。
【0089】
図9及び図10に示された渦Vは、分かりやすくするために簡素化されており、実際には、渦Vは、図示のように正確に円形であるとは限らず、図10に示されるように正確に位置するとは限らないことが理解されよう。
【0090】
図示の実施例では、粉砕機50は、ハウジング側壁26から内方向に延在する複数の棚300a、300bをさらに含む。具体的には、複数の棚300a、300bは上部の棚300aと、上部の棚300aから下方へ間隔をおいて配置された下部の棚300bとを含む。各棚300a、300bは、ハウジング軸Hのまわりで、ハウジング側壁26に沿って周方向に延在する。したがって、棚は、偏向器200に対して実質的に垂直に延在することが理解されよう。具体的には、偏向器200は、ハウジング軸Hに対して全体的に平行に延在し、そのためハウジング60に対して軸方向に延在すると考えられ得、棚は、ハウジング60に対して方位角方向に延在すると考えられ得る。図示の実施例では、偏向器200は全体的に垂直方向に延在し、各棚300a、300bは、全体的に水平面に配置されており、したがって全体的に水平に延在する。
【0091】
引き続き図示の実施例において、各棚300a、300bは、ハウジング側壁66のまわりで実質的に連続的に延在する。或いは、棚300a、300bは、ハウジング側壁66のまわりで連続的に延在せずに、代わりに、隣接した棚セグメントの間の間隙を画定するように互いに間隔をおいて配置された複数の棚セグメントを含むことができる。
【0092】
図示の実施例では、上部の棚300aは、上部の粉砕ロータ108aと実質的に水平に整列しており、下部の棚300bは、中間の粉砕ロータと108cと実質的に水平に整列している。或いは、各棚300a、300bは、対応する粉砕ロータ108a、108cよりも少し下に配置され得る。
【0093】
図示の実施例では、各棚300a、300bは、ハウジング側壁66から離れて下方へ延在する上部の棚表面302を含む。具体的には、棚300a、300bが、ハウジング側壁66に沿ってハウジング軸Hのまわりに延在するので、上部の棚表面302は実質的に円錐形である。引き続き図示の実施例において、上部の棚表面302は、ハウジング側壁66に対してほぼ水平になる約1度と、ハウジング軸Hに対してほぼ垂直になる約89度との間の角度をなす。一実施例では、上部の棚表面302は、ハウジング側壁66に対して30度~60度の角度をなし得る。
【0094】
棚300a、300bは、棚へ導かれた空気流を上方へ偏向するように構成されている。これにより、入力材料粒子が、棚300a、300bの上で一時的に浮遊状態に保たれ得る。したがって、入力材料粒子には渦の効果が及び、長期間にわたってロータ・アーム122と衝突することによって粉砕され得、その結果、入力材料粒子は、次のロータ段又は出口72に向かって下方へ進むとき、サイズがさらに低減される。
【0095】
空気流の上向きの偏向は、内部チャンバ68の中の渦Vにさらに寄与し得る。より具体的には、渦Vは、図10に示されるようにハウジング軸Hに対して垂直な面において回転することに加えて、図9に示されるように、ハウジング軸に対して全体的に平行な面において、すなわち上下方向に回転し得る。したがって、棚300a、300bと偏向器200との複合効果が、渦V内の空気が三次元の進行経路に沿って移動するように三次元の渦Vの形成に寄与することにより、隣接する重なり合った渦Vの入力材料粒子間の衝突をさらに促進し得る。
【0096】
この構成により、偏向器200によって発生された渦Vの数を、ハウジング60内の棚300a、300bの数を掛けた数に増加させることがさらに可能になる。たとえば、図示の実施例では、粉砕機50は、各棚300a、300bの上に6つの渦を形成することができる6つの偏向器200を含み、内部チャンバ68全体で合計12の渦を形成する。
【0097】
粉砕機は、微粒子流を扱うために、1パスの処理用に設計及びサイズ設定され得る。たとえば、粉砕機は、上記で説明されたような成分の混合物を含む廃棄物を、1時間当たり5~20トン又は10~15トンを扱うようにサイズ設定され得、500RPM~1,200RPMの回転速度の1パス・ユニットとして動作しながら、本明細書で説明されたような1つ又は複数の出力サイズの流れを生成する。
【0098】
図11を参照して、運用変更なしで、或いは回転速度及び/又は送り速度のみに関連した運用変更で、多種多様な供給原料を処理することができる1パス動作の運動粉砕機50を提供することも可能である。たとえば、運動粉砕機50は、大型プラント1000に実装することが可能であり、大型プラント1000は複数の異なる微粒子流A、B、Cを発生し、異なる時間に微粒子流を粉砕して、それぞれの出力流を生成するものであり、これらの出力流は、1つのスクリーンで、又は所与の供給原料及び生産する最終製品向けに設計されているそれぞれのスクリーンで、分離され得る。したがって、様々な最終製品の生産を促進するために複数の残留微粒子流A、B、Cを発生するプラントに、1台の運動粉砕機50が、1つ又は複数のスクリーンとともに実装され得る。図11が示すプラント1000は、廃棄物1002を受け取って回収材1004を発生するものであり、複数の微粒子又は残留物の流れA、B、Cはそれぞれのタンク又は貯蔵場所1006に供給される。或いは、微粒子流のうち1つが、粉砕機50に供給され、任意選択で、上記で説明されたように破砕性添加剤1008と組み合わされる。運動粉砕機50は、対応するサイズ低減材料を生成するために対応するスクリーンA、B又はCに供給される粉砕出力流を発生する。このように、1台の粉砕機が、廃棄物処理プラント1000によって発生された複数の微粒子流を改良するように使用され得る。
【0099】
次に図12を参照して、いくつかの実施例では、このプロセスは、微粒子流10から鉄金属を捕捉するために、運動粉砕段16の上流に磁気分離段2000を含む。分離された金属2002は、再販売用の金属屑として供給され得、又は処分され得る。金属枯渇微粒子流2004は運動粉砕段16に供給され得る。磁気分離機は、KPの摩耗や損傷を軽減するために重量密度が高いトランプメタルを除去するように設計及び運転され得る。たとえば、磁気分離機は、除去するのが望ましい供給原料及び鉄金属物の公称サイズに基づいて用意され得る。たとえば、全体の体積が小さくて重量が大きい鉄系の固体物体の除去を確実にするために、磁気分離機が用意され得る。平らなシートなどのいくつかの形状は、KPの動作に対してほとんど問題を起こさないが、ブロックや塊などの他の形状は、摩耗や損傷を増加させる可能性があり、したがって、磁気分離段2000は、下流の処理を強化するために、除去を容易にする。磁気分離機は、供給原料のサイズ、鉄物体のサイズ、及び材料負荷の深さに基づいて構成され得る。磁気分離機は、分離を可能にするように、積極的に制御されるか又は単純にオンにされ得る。磁気分離段2000は、KP段16に対する摩耗や損傷のリスク低減を促進し、金属屑材料を回収することによって、より多くの廃棄物を埋立て向けから転換する。
【0100】
磁気分離段2000は、供給原料及び処理能力に基づいて選択され得る様々なタイプの磁気分離機を使用することができる。たとえば、磁気分離機は、供給原料の含水量に応じて、乾式磁気分離機又は湿式磁気分離機であり得る。磁気分離機は、KP段16にとって問題になり得る目標鉄金属物体を除去するように設計された磁界強度を有することができる。磁気分離機は、永久磁石及び電磁的磁気分離機も含むことができる。磁気分離機は、たとえば、とりわけドラム・タイプ、ローラー・タイプ、ディスク・タイプ、リング・タイプ、ベルト・タイプといった様々な設計及び構造上の特徴を有し得る。磁気分離機は、システム及び供給原料の設計及び構成に応じて、一定の磁界、交番磁界、脈動磁界、又は回転磁界を使用することもできる。磁石自体が様々な材料から成り得る。
【0101】
磁気分離は、供給原料から金属を除去するための好ましい機構であるが、磁気分離の代わりに、又は磁気分離に加えて使用され得る様々な他の金属除去方法がある。たとえば高い重量密度を有し、したがって比較的重くて厚い、特に金属破片といった非鉄金属を除去するように、追加の金属除去段が設計され得る。いくつかの実装形態では、金属除去方法(たとえば磁気分離)は、2.54cm(1インチ)以上の平均直径を有するすべての金属破片を除去するために実行される。塊状又は細長い金属破片は除去されるが、平板状の金属破片は任意選択で除去される。
【0102】
次に図13及び図14を参照して、磁気分離段2000の構成の2つの実例が示されている。図13は、コンベア2010の上にある自浄式磁気ベルト2008を含むベルト磁気分離機2006を示す。磁気ベルト2008は、鉄金属をビン2012の中に放出する。磁気ベルト2008は、コンベア2010を跨ぐ磁石フレーム2014に装着され得る。図14は、レール2020上の、前後に動くように構成されてコンベア2010の上に装着された固定磁石2018を含む代替構成を示す。
【0103】
引き続き図12を参照すると、このシステムは、KP段16を出た粉砕出力流18の一部である塵を回収するための集塵段3000も含むことができる。粉砕出力流18は、塵流3002を回収して分離段20に供給される塵低減粉砕流3004を生成する塵埃制御段3000に入る。集塵段3000は、塵埃制御を促進し、塵室及びバグハウス又は遠心力集塵装置の濾過ユニットなどの各種ユニットを含み得る。
【0104】
図13を参照して、集塵段3000は、KP段16の出口に結合された集塵機3006と、上部に塵出口3010が配置されている沈降室3008とを含み得る。塵出口は、配管3012を通じて塵回収ユニット3014と流体連通しており、塵回収ユニット3014は、専用のモータ3018を有するバグハウス又は遠心力集塵装置の濾過ユニット3016を含む。塵回収ユニット3014は、たとえばホッパを介してバグハウス又は遠心力集塵装置の濾過ユニットから塵を受け取る塵回収容器3020も含むことができる。
【0105】
沈降室3008は、KP段16からの出力のすべてを受け取ることができ、したがって、微粒子が分流出力に追加されるように、出力供給コンベア3022上に蓄積される比較的細かい粒子を受け取る。微粒子は出力供給コンベア3022上に沈降し、一方、非常に細かい塵粒子は、蓄積され、沈降室3008から塵出口3010を通って引き出される。塵室3008は、プロセス設計及び塵埃制御の目標レベルに応じて、出力供給コンベア3022の一部又は全長にわたって延在することができる。KPユニットが振動する可能性があるので、塵室3008は柔軟な管状部材を通じてKPユニットの出口と連通し得る。
【0106】
粉砕出力流18の中の塵の量は、運動粉砕段16に供給される供給原料のタイプ及び乾燥状態に高度に依存する。たとえば、いくつかの供給原料については、出力転換率が約30%まで高くなることが観測されているが、MWS微粒子については、転換率ははるかに低い。C&D材料などの供給原料では、転換率がより高くなる。
【0107】
集塵段3000の電力及び吸引は、集塵機中の材料補足の量が増加するように調節され得ることが注目される。たとえば、塵回収ユニット3014は、集塵機3006における所望の吸引をもたらすように制御され得る。したがって、集塵段3000は、KP段16からの出力材料の分離におけるツールになるように設計及び運転され得る。集塵機3006は、プラスチックのフィルム片も採集し得、そのようなプラスチックのフィルム片は比較的軽く、したがって、分離段20と集塵段3000との両方によって分離され得ることにも留意されたい。
【0108】
引き続き図13を参照して、細かくて軽い材料は、バグハウス濾過又は遠心力集塵装置濾過3016によって取り込まれて、容器3020の中に保存され得る。この微細な回収材3024は、分流された出力流に追加して戻され、処分され、且つ/又は販売する微粒子製品として保持され得る。微細な回収材3024は、システムの1つ又は複数の段に戻して再利用され得る。好ましくは、微細な回収材3024は、塵減少流3004又はサイズ低減流22に供給されるか、或いは、販売されるか又は商品を供給するために他の材料と混合され得る、別の製品流として保存されることになる。回収された塵材料は、処置され、搬送されて、いくつかが本明細書で説明されている様々なやり方で使用され得ることが注目される。
【0109】
実験
MSW処理プラントから得られたMRF微粒子材料に対して比較実験を行った。供給原料として採用したMRF微粒子は6.35cm(2と1/2インチ)未満の材料であり、この試料を、本明細書で説明した運動粉砕機並びに摩砕装置(Rotochopper(登録商標))でサイズ低減した。次いで、サイズ低減材料を1.27cm(1/2インチ)のスクリーニングにかけて、スクリーニングされた破片及び過大な棄却破片を得た。比較テストのために振動スクリーンを使用した。
【0110】
観測及び結果に関して、KPを使用してスクリーニングされた破片の品質及び収率は、摩砕装置のものと比較して特に高かった。加えて、KPの場合、摩砕装置と比較して、棄却過大破片では、有機材料が少ないことが報告された。
【0111】
たとえば、スクリーニングされた破片における棄却物の割合は、摩砕機の21%に対して、KPでは11%であった。これは、望ましくない材料が、摩砕機によって過度にサイズ低減されて、望ましい材料とともにスクリーンを通過する傾向があるため、KPと比較して製品の品質が劣っていたことを意味する。対照的に、KPはそのような望ましくない材料の遊離及び分離を促進し、スクリーニングされた製品のより高い品質をもたらした。この試験において、KPは、摩砕機の試験と比較して、望ましくない材料の量がほぼ半分になり、スクリーニングされた破片の生産を促進した。
【0112】
加えて、棄却材料におけるガラス、セラミック、プラスチックなどの人工物体の割合が、摩砕機の8.1%に対して、KPでは4.5%であった。これは、KPは、スクリーニングされた破片に含有される硬い人工材料をサイズ低減することができたが、摩砕機は、そのようなサイズ低減を達成できず、したがって、過大破片に対して人工物体の重量パーセントがより大きいことが報告された。
【0113】
したがって、KPは、入力MRF微粒子のほぼ90%がサイズ低減されて、スクリーニングされた製品破片に含まれるように、有機物及び固い人工物体をサイズ低減することができた。KPを用いると、非常に小さな有機物が過大破片に失われることはほとんどなく、したがって、最終製品に向けて有機物回収が向上する。
【0114】
次の表は、サイズ分布及び汚染物質組成データを用いて、比較試験結果のより詳細な概要を提供するものである。試験結果により、MRF微粒子などの供給原料を処理するためにKPを使用すると、いくつかの利点を助長することが確認される。
【表1】
【0115】
この表から認められるように、KPは、摩砕機と比較して、小さい粒子の割合がはるかに大きいサイズ分布を可能にした。たとえば、KPでは、スクリーニングされた材料の75%が2mm未満の粒子サイズであったが、摩砕機からのスクリーニングされた2mm未満の破片は29.5%しかなかった。加えて、KPのスクリーニングによってサイズ低減された材料における総計のプラスチックの割合は減少したが、摩砕機のサイズ低減された材料については、プラスチックの総計の割合が増加した。KPのサイズ低減された材料については、スクリーニングから、フィルム・プラスチックが過度にサイズ低減されることなく遊離したので、フィルム・プラスチックが大幅に減少したが、摩砕機のサイズ低減された材料は、スクリーニング後も、フィルム・プラスチックの割合は同一のままであった。一般に、サイズ低減段用にKPを使用すると汚染物質濃度が低下した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】