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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】RNAの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12P 19/34 20060101AFI20240621BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20240621BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C12P19/34 Z
C12Q1/68
G01N33/483 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579120
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022068012
(87)【国際公開番号】W WO2023275217
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182703.5
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520265930
【氏名又は名称】イーザアールエヌーエー イムノセラピーズ エンヴェー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】ディレン,センヌ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ブルイネ,ローレ
(72)【発明者】
【氏名】ホルトフ,ミヒエル
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4B064
【Fターム(参考)】
2G045DA14
2G045FA34
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ52
4B063QQ91
4B063QS39
4B064AF27
4B064CA21
4B064CC24
4B064CD12
4B064DA01
(57)【要約】
本発明は、核酸生産、特にin vitro RNA転写の分野に関する。より具体的には、本発明は、反応を適時に停止するため、及び/又は新鮮な試薬を添加して反応を最適条件下で継続することを可能にするために、反応混合物の物理化学的特性を監視する方法に関する。特に、導電率だけでなく、pH及び/又は光学密度も、少なくとも2つの異なる時点で、又はin vitro転写反応中に連続的に求められる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vitro転写反応を使用してRNAを製造する方法であって、前記転写反応中に少なくとも2つの異なる時点で導電率を求めることを含み、前記少なくとも2つの時点間で導電率の減少を検出すると、前記反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、方法。
【請求項2】
前記導電率が、前記反応中に連続的に求められ、導電率の減少傾向を検出すると、前記反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの時点間で少なくとも約2%の導電率の減少を検出すると、前記反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記転写反応中に前記少なくとも2つの異なる時点でpH及び/又は光学密度(OD)を求めることを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記pH及び/又は光学密度が、前記反応中に連続的に求められ、前記pHの安定化傾向及び/又は前記光学密度の増加傾向と組み合わせて、導電率の減少傾向を検出すると、前記反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの時点間で、前記反応のpHの安定化及び/又はODの増加と組み合わせて、前記反応における導電率の減少を検出すると、前記反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ODの増加が少なくとも約2%である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記RNA製造が、バッチ、連続又は半連続プロセスで行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記新鮮な試薬が、NTP、キャッピング分子、酵素補因子、酸、塩基、及び/又はpH緩衝剤を含むリストから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記RNAの製造におけるin vitro転写反応中の導電率測定の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸生産、特にin vitro RNA転写の分野に関する。より具体的には、本発明は、反応を適時に停止するため、及び/又は新鮮な試薬を添加して反応を最適条件下で継続することを可能にするために、反応混合物の物理化学的特性を監視する方法に関する。特に、導電率だけでなく、pH及び/又は光学密度も、少なくとも2つの異なる時点で、又はin vitro転写反応中に連続的に求められる。
【背景技術】
【0002】
mRNA原薬の生産は、一般にバッチベースの方法を使用して行われる。そのような方法において、in vitro転写(IVT)反応が行われ、試薬はインキュベーション期間の開始前に反応容器に添加される。インキュベーション期間中に、試薬(最も顕著なのは、NTP、マグネシウム、及びキャッピング分子)が枯渇し、及び/又は緩衝能が変化する可能性があり、その後、反応混合物内のmRNAの蓄積が止まる。この時点で、反応は通常は終了し、生成されたmRNAは種々の下流プロセスを使用して反応混合物から単離される。そのようなバッチベースの生産プロセスにおいて、IVTの性能に不可欠であるが、反応中に消費されない試薬(例えば、酵素、DNA鋳型)は、インキュベーション期間の終わりに失われる。
【0003】
非バッチベースの製造プロセスにおいて、消費された試薬はRNA蓄積が止まると反応容器に新たに添加され、それによってmRNAの合成が、標準的なバッチベースのプロセスで可能なポイントを超えて継続することを可能にし、それによってバッチベースの製造プロセスから(半)連続製造プロセスに移行する。
【0004】
さらに、バッチ製造の場合も、反応が実際に停止する瞬間を正確に計ることが重要である。試薬の枯渇による非効率的な反応は、例えば、二本鎖RNA(dsRNA)又は切断されたRNA断片等の不要な副生成物の蓄積をもたらす可能性がある。
【0005】
反応を終了するタイミング、又は必要な試薬の更なる添加のタイミングは、インキュベーション時間に基づくことができる(例えば、5 mlのNTP溶液を2時間のインキュベーション後に添加する)。しかし、試薬の消費は多くの異なる要因に依存する。IVT反応の塩含有量のわずかな変化は、例えば、転写効率を増加又は減少させ、それによって試薬枯渇速度又は副生成物形成に影響を及ぼす可能性がある。さらに、或る特定のRNAコンストラクトは他のRNAコンストラクトよりも容易に転写され、各RNAコンストラクトに特異的な試薬枯渇速度を引き起こすことが予想される。これは、時間だけに基づいて反応を停止したり、試薬を添加したりする場合には、各RNAコンストラクト-試薬混合物の組み合わせの徹底的な検証が必要であることを意味する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、この課題の解決策を提供することであり、特に、反応の終了又は反応への新鮮な試薬の添加のタイミングをより良好にすることであった。本発明者らは現在、IVT反応の特定の物理化学的特徴を求めることによって、本課題を解決できることを見出した。
【0007】
したがって、本発明は、物理化学的特性を監視し、反応を適時に停止するか、又は新鮮な試薬をタイミングよく添加して反応を最適条件下で継続することを可能にする方法に関する。特に、IVT反応におけるRNA合成の非効率的な段階は、反応混合物の導電率、光学密度(OD)、及び/又はpHを監視することによって検出することができる。そして、これらの測定可能なパラメーターの変化は、反応の終了又は試薬の添加を引き起こすシグナルとして使用することができ、各RNAコンストラクト-反応混合物の組み合わせに対する試薬枯渇速度を広範に求めることの必要性を排除する。
【0008】
そのような方法又は製造システムは、比較的少量のIVT反応混合物から大量のRNAを生成することを可能にし、その結果、デバイスのフットプリントを著しく減少させる。別の利点は、in vitro転写RNAの生成物関連不純物の除去が困難なdsRNAの蓄積を防止するために、反応を適時に停止するか、又は最適条件で継続することができることである。最後に、消耗品及び原材料の消費が少ないため、商品原価が大幅に削減される。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様において、本発明は、in vitro転写(IVT)反応を使用してRNAを製造する方法であって、上記IVT反応中に少なくとも2つの異なる時点で導電率を求めることを含み、上記少なくとも2つの時点間で導電率の減少を検出すると、IVT反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、方法を提供する。
【0010】
更なる実施の形態において、上記導電率は、反応中に連続的に求められ、導電率の減少傾向を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0011】
特定の実施の形態において、上記少なくとも2つの時点間で少なくとも約2%の導電率の減少を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0012】
なおも更なる実施の形態において、方法は、上記転写反応中に上記少なくとも2つの異なる時点でpH及び/又は光学密度(OD)を求めることを更に含む。
【0013】
更なる実施の形態において、上記pH及び/又は光学密度は、反応中に連続的に求められ、pHの安定化傾向及び/又は光学密度の増加傾向と組み合わせて、導電率の減少傾向を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0014】
なおも更なる実施の形態において、上記少なくとも2つの時点間で、上記反応のpHの安定化及び/又はODの増加と組み合わせて、上記反応における導電率の減少を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0015】
特定の実施の形態において、上記ODの増加は、少なくとも約2%である。
【0016】
なおも更なる実施の形態において、上記RNA製造は、バッチ、連続又は半連続プロセスで行われる。
【0017】
更なる実施の形態において、上記新鮮な試薬は、NTP、キャッピング分子、酵素補因子、酸、塩基、及び/又はpH緩衝剤を含むリストから選択される。
【0018】
更なる態様において、本発明は、RNAの製造におけるin vitro転写反応中の導電率測定の使用を提供する。
【0019】
ここで図を具体的に参照すると、示される詳細は、例としてであり、本発明の異なる実施形態の例証的な論考のみを目的としたものであることが強調される。それらは、本発明の原理及び概念的側面の最も有用かつ容易な説明であると考えられるものを提供するために提示される。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要であるよりも詳細に本発明の構造的な詳細を示す試みはなされていない。説明は、図面と共に、本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】IVT反応混合物の経時的なRNA含有量及び相対二本鎖RNA(dsRNA)含有量を示す図である。IVT混合物中のRNA含有量(μg/ml)は、インキュベーション時間が増加するにつれて着実に上昇するが、RNA合成はインキュベーションの±165分で止まるか又は減少する(パネルA)。RNA合成の終了は、dsRNA(μg/mg RNA)(in vitro転写によって合成されるRNAの主要な生成物関連不純物)の相対存在量の顕著な増加と一致し、これもインキュベーションの±165分以降で起こる(パネルB)。
図2-1】IVT反応混合物の経時的な物理化学的特性を示す図である。パネルA、導電率(mS/cm):着実に増加する導電率シグナルは、dsRNAの大部分が形成されると急な突然の減少を示す(約165分にて、矢印以降を参照)。パネルB、pH:pHはインキュベーション期間中に低下するが、RNA蓄積が停止し、dsRNA含有量が増加する時点で安定する(約165分にて、矢印以降を参照)。パネルC、光学密度(ΔOD(任意単位)):200 nm~650 nmの範囲の全スペクトルにわたって求められたIVT反応混合物の相対光学密度。値は、t=0分のレベルと比較した差として表される。より低い波長(300 nm未満、ライトグレー)での吸光度はRNAが蓄積するにつれて減少するが、或る時点(±165分~±180分、矢印、dsRNA蓄積の時間を参照)で、光学密度は増加したピークを示し、その後ベースラインレベルに戻る。
図2-2】同上
図3-1】IVT反応混合物の経時的な物理化学的特性を示す図である。パネルA、IVT反応混合物の経時的な導電率(mS/cm)。パネルB、異なる波長でのIVT反応混合物の相対光学密度(ΔOD(任意単位))。値は、t=0分のレベルと比較した差として表される。パネルC、IVT反応混合物の経時的なpH。パネルD、IVT反応混合物の経時的なRNA含有量。
図3-2】同上
図4】追加のNTPを240分で添加したIVT反応混合物の経時的な物理化学的特性を示す図である。パネルA、導電率(mS/cm):導電率は±185分で安定し、±195分で低下し始めた。NTPの添加後、導電率は再び上昇し始めた。パネルB、光学密度(ΔOD(任意単位)):値は、t=0分のレベルと比較した差として表される。光学密度(260 nmでのODを示すグラフ)は反応が進行するにつれて低下する。225分でODの急な一過性のピークが再び生じた。パネルC、RNA含有量:RNA合成の終了は、パネルAで観察された導電率の低下及びパネルBのOD(260 nm)の一過性のピークと密接に関連している。矢印はNTP添加の瞬間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について更に説明する。以下の節においては、本発明の様々な態様をより詳細に定義する。そのように定義された各態様は、明確に相反することが示されない限り、任意の他の単数又は複数の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利なものとして示される任意の特徴は、好ましい又は有利なものとして示される任意の他の単数又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別様に指示されない限り、複数の指示対象を含む。例として、「化合物(a compound)」は、1つの化合物又は2つ以上の化合物を意味する。
【0023】
パラメーター、量、持続時間等の測定可能な値に言及する場合に本明細書において使用される「約(about)」又は「略(approximately)」という用語は、指定された値の±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、更により好ましくは±0.1%以下の変動を、そのような変動が開示された発明において実施するのに適切である限り、包含することを意味する。「約」又は「略」という修飾語が言及する値は、それ自体も具体的に、かつ好ましく開示されることが理解されるべきである。
【0024】
本発明は、物理化学的特性を監視し、反応を停止するか、又は新鮮な試薬をタイミングよく添加して反応を最適条件下で継続することを可能にする方法に関する。本発明の発明者らは、mRNAの蓄積が、導電率並びにpH及び光学密度(OD)等の容易に測定可能なパラメーターで監視できることを見出した。この情報に基づくと、主な利点は、反応が最適でない条件で進行するのを防止するために追加の試薬を添加するか、又は生成物関連不純物(dsRNA)のバルクが形成される前に反応を終了させることである。さらに、記載された方法は、in vitro転写mRNAがIVT反応から抽出することができる(半)連続RNA製造プロセスと両立し、粘度の増加を引き起こし、反応条件に悪影響を及ぼす可能性のあるmRNAの堆積を防止する。
【0025】
第1の態様において、本発明は、in vitro転写(IVT)反応を使用してRNAを製造する方法であって、上記IVT反応中に少なくとも2つの異なる時点で導電率を求めることを含み、上記少なくとも2つの時点間で導電率の減少を検出すると、IVT反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される、方法を提供する。
【0026】
本発明の文脈において、「RNA」という用語は、リボヌクレオチド残基を含み、好ましくは完全に、又は実質的にリボヌクレオチド残基から構成されている分子に関する。「リボヌクレオチド」は、β-D-リボフラノシル基の2'位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドに関する。特に、この用語は、一本鎖RNAを指すが、二本鎖RNA、単離RNA、例えば部分的に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換えによって作製されたRNA、並びに1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/又は変化によって天然に存在するRNAとは異なる修飾RNAを指すこともできる。そのような変化としては、例えばRNAの末端(複数の場合もある)への、又は内部での、例えば、RNAの1つ以上のヌクレオチドでの非ヌクレオチド物質の付加を挙げることができる。RNA分子中のヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、例えば天然に存在しないヌクレオチド、又は化学的に合成されたヌクレオチド若しくはデオキシヌクレオチドもまた含むことができる。これらの変化したRNAは、類似体又は天然に存在するRNAの類似体と称される場合がある。
【0027】
本発明によれば、「RNA」という用語は、「mRNA」を含み、好ましくは「mRNA」に関し、「mRNA」は、「メッセンジャーRNA」を意味し、鋳型としてDNAを使用して作製することができ、ペプチド又はタンパク質をコードする「転写物」に関する。mRNAは、典型的には、5'非翻訳領域(5'-UTR)、タンパク質又はペプチドのコード領域及び3'非翻訳領域(3'-UTR)を含む。mRNAは、細胞内及びin vitroで限られた半減期を有する。
【0028】
「修飾mRNA分子」という用語は、1つ以上の修飾ヌクレオシド(「修飾核酸」と名付ける)を有するmRNA分子を意味し、修飾ヌクレオシドは、有用な特性を有し、例えば、mRNAが導入される細胞の自然免疫応答を実質的に誘導することがない。こうした修飾核酸は、タンパク質産生の効率、核酸の細胞内保持、及び接触した細胞の生存率を向上させるとともに、低下した免疫原性を持つ。適切な修飾ヌクレオシドの例としては、例えば、N1-メチルプソイドウリジンによるものが可能である。
【0029】
明白にする目的で、mRNAは、真核生物宿主によりタンパク質へと翻訳されることが可能な任意のコードRNA分子を包含する。
【0030】
好ましくは、mRNAは、DNA鋳型を用いてin vitro転写により生成される。本発明の1つの実施形態において、RNAは、in vitro転写により得られる。in vitro転写法は、当業者に既知であり、精製直鎖DNA鋳型を含むことができる。この精製直鎖DNA鋳型は、プロモーターと、リボヌクレオチド三リン酸と、ジチオトレイトール(DTT)及びマグネシウムイオンを含む緩衝剤系と、スペルミジンと、T7 RNAポリメラーゼ等の適切なRNAポリメラーゼとを含有する。転写反応に用いられる正確な条件は、特定用途に必要なRNA量に依存する。様々なin vitro転写キットが、市販されている。
【0031】
本発明の文脈において、「二本鎖RNA」又は「dsRNA」という用語は、お互いの内在相補配列が相補配列内のヌクレオチド塩基のワトソンクリック塩基対形成を介してハイブリダイズすることによりヘアピン等の顕著な二次構造を形成するのに十分な、内在相同性を持つ任意のRNA分子を意味する。顕著な二次構造は、一般に、略9塩基よりも長い相同性区間が関与するが、正確な長さは、或る程度、状況に及びそのような二次構造が分子に何かしらの生体機能を与えるかどうかに依存する。特に、in vitro転写後に得られる分子は、典型的には、2つの分離した相補性鎖を持つdsRNAを含み、大きさが、例えば、20ヌクレオチド~200ヌクレオチド、又は更には500ヌクレオチド超と様々である可能性がある。
【0032】
本発明の文脈において、dsRNAは、IVT反応で同定される副生成物として形成され、これは、T7 RNA依存性RNAポリメラーゼ活性に起因する可能性がある。特に、IVT反応の3種の主要な副生成物が、dsRNA分子の形成をもたらす可能性がある。1種目は、ランオフ生成物の3'伸長により形成され、ランオフ転写物の本体の相補配列に、シス(同じRNA分子に折り返すことによる)又はトランス(第2のRNA分子にアニーリングする)いずれかでアニーリングして、伸長した二本鎖を形成する。dsRNA分子の2種目は、アンチセンスRNA分子とランオフ転写物とのハイブリダイゼーションにより形成される。アンチセンスRNA分子は、プロモーター非依存性及びランオフ転写物非依存性様式で形成されることが報告されている。あるいは、全長アンチセンスRNAのプロモーター非依存性転写もまた、T7 RNAPol駆動型IVT反応においてdsRNA生成の新規機構として報告されている。dsRNAの3種目は、シス(すなわち、同じ分子内)又はトランス(2つの異なる分子間)いずれかでのアボーティブ(abortive)転写物のランダム対形成によるものである。本発明に従って、dsRNAは、IVT反応におけるRNA副生成物として記載される任意の種類のものを包含する。
【0033】
本発明の文脈において、「減少する(decrease)」又は代替的に「減少する(decreasing)」という用語は、IVT反応中に測定される物理化学的特性における「減少、低減(reduction)」、「低下(decline)」、又は「下落(drop)」を意味する。したがって、例えば、通常の状況下では反応全体を通して導電率が上昇する反応において、「減少」という用語は、上記導電率がIVT反応における前の時点で測定された導電率よりも低いことを意味する。特に、導電率、pH、及びOD等の物理化学的特性は、前の時点での物理化学的特性測定値と比較した場合、少なくとも2%、例えば少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%減少することが好ましい。
【0034】
本発明の文脈において、「増加する(increase)」又は代替的に「増加する(increasing)」という用語は、IVT反応中に測定される物理化学的特性における「上昇(elevation)」、「増加(increment)」、又は「増大(augmentation)」を意味する。したがって、例えば、通常の状況下では反応全体を通してODが減少する反応において、「増加」という用語は、上記ODがIVT反応における前の時点で測定されたODよりも高いことを意味する。特に、導電率、pH、及びOD等の物理化学的特性は、前の時点での物理化学的特性測定値と比較した場合、少なくとも2%、例えば少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%増加することが好ましい。
【0035】
本明細書において使用される場合、IVT反応の容易に測定可能な物理化学的特性は、試薬の添加又は反応の停止のタイミングを計るために使用される。物理化学的特性を求めることにより、IVT反応をリアルタイムで監視し、最も適切なときに試薬を添加したり、反応を停止したりすることが可能となる。一般に、IVT反応の持続時間は2時間~3時間である。しかしながら、或る時点で、1つ(又は複数)の非常に重要な試薬が不足し、IVT反応が遅くなり、最終的には停止する。さらに、二本鎖RNA等の反応副生成物が蓄積する可能性がある。
【0036】
本発明の文脈において、「物理化学的特性」という用語は、導電率、OD、及び/又はpH等の測定可能なパラメーターとして理解されるべきである。
【0037】
本発明の文脈において、物理化学的特性は、少なくとも2つの異なる時点で求められてもよい、すなわち、反応が進行している間、IVT反応が連続的に監視されない。物理化学的特性を求めることができる上記時点は、全IVT反応を通してであり得るが、好ましくは、反応が適切に開始することを可能にするのに十分な時間、反応が進行した後であり得る。特に、実施例の部分から明らかなように、反応の開始時に、反応の物理化学的特性が劇的に変化する可能性がある。しかしながら、短いインキュベーション期間(典型的には約20分~30分)の後、これは正常化される。したがって、反応混合物の物理化学的特性は、反応開始後約5分後、例えば約10分、約15分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分後に測定される。
【0038】
特に、インキュベーション期間中に、試薬の使用濃度に応じて、試薬(最も顕著なのは、NTP、マグネシウム等の酵素補因子、キャッピング分子、酸、塩基、及び/又はpH緩衝剤)が枯渇し始め、及び/又は緩衝能が変化する可能性がある。
【0039】
特定の実施形態において、上記IVT反応に添加される「新鮮な試薬」は、NTP、キャッピング分子、酵素補因子、酸、塩基、及び/又はpH緩衝剤を含むリストから選択される。
【0040】
本発明の文脈において、「キャッピング分子」という用語は、5'末端がグアノシン又は修飾グアノシン、好ましくは7-メチルグアノシン(N7-メチルグアノシン又はm7G)に結合し、5'→5'トリホスフェート結合又は類似物に連結したRNA分子を生成するために必要な試薬として理解されるべきである。キャッピング分子としては、m7G、リボース糖、NAD、NADH又は3'-デホスホ補酵素Aのいずれかにメチル化水酸化物基を担持するm7Gを挙げることができる。
【0041】
本発明の文脈において、「酵素補因子」という用語は、触媒としての酵素の活性に必要な非タンパク質化学化合物又は金属イオンとして理解されるべきである(触媒は、化学反応の速度を増加させる物質である)。酵素補因子としては、マグネシウムイオン、亜鉛イオン及び鉄イオン等のイオン、又はビタミン若しくはビタミン由来分子等の有機分子を挙げることができる。
【0042】
本発明の文脈において、「酸」という用語は、ブレンステッド-ローリー酸として知られているタンパク質(protein)(プロトン?)(すなわち、水素イオン、H+)を供与するか、又はルイス酸として知られている電子対と共有結合を形成することができる分子又はイオンとして理解されるべきである。一般的な水性酸には、HCl(塩酸)、酢酸(CH3COOH)、硫酸(H2SO4)及びクエン酸が含まれる。
【0043】
本発明の文脈において、「塩基」という用語は、水溶液中で解離して水酸化物イオン(OH-)を形成する物質として理解される。典型的な塩基には、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)及び水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が含まれる。
【0044】
本発明の文脈において、物理化学的特性は、少なくとも2つの異なる時点で、例えば少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50の時点で求めることができる。
【0045】
一連の測定は、反応の物理化学的特性が、定常的な増加から定常的な減少へ、又は定常的な減少から定常的な増加へといつ変化するかを求めるために設定される。測定値における小さな変動は補正することができるため、複数の測定を連続的に直後に行うことで、測定の信頼性が高まる。例えば、反応の物理化学的特性の複数の測定値が同じ方向にて示される場合、すなわち、増加/減少状態が変化した場合にのみ、適切な応答がなされる。一連の減少又は増加測定値内で、1回の増加又は減少測定値が、適切な応答、例えば、試薬の添加又は反応の停止のトリガーとなってはならない。
【0046】
更なる実施形態において、上記物理化学的特性は、反応中に連続的に求められる。
【0047】
反応の監視には、特定の時点にて単独で又は連続的に測定された特性を使用することができるだけでなく、グラフ中で異なる測定値を結ぶ曲線の傾きも使用することができる。傾きに大きな変化がある場合は、再度適切な応答を行うことができる。
【0048】
更なる実施形態において、上記導電率は、反応中に連続的に求められ、導電率の減少傾向を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0049】
本発明の文脈において、「導電率」という用語は、材料の電流を伝導する能力の尺度として理解されるべきであり、特に、材料が電気をいかに良好に伝導するかを定量化するものである。導電率のSI単位はジーメンス/メートル(S/m)である。導電率測定は、溶液中のイオン含有量を測定する迅速で安価で信頼できる方法として、多くの用途において日常的に使用されている。例えば、生成物の導電率の測定は、浄水システムの性能を監視し、連続的に傾向を把握するための典型的な方法である。DNA及びRNA等の核酸は乾燥状態でわずかな半導電性を有することを示し、これは二重らせん構造の高い含有量に関係している。
【0050】
特定の実施形態において、上記少なくとも2つの時点間で少なくとも約2%の導電率の減少を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0051】
なおも更なる実施形態において、方法は、上記転写反応中に上記少なくとも2つの異なる時点でpH及び/又は光学密度(OD)を求めることを更に含む。
【0052】
更なる実施形態において、上記pH及び/又は光学密度は、反応中に連続的に求められ、pHの安定化傾向及び/又はODの増加傾向と組み合わせて、導電率の減少傾向を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0053】
なおも更なる実施形態において、上記少なくとも2つの時点間で、上記反応のpHの安定化及び/又はODの増加と組み合わせて、上記反応における導電率の減少を検出すると、反応が停止されるか、又は新鮮な試薬で補充される。
【0054】
特定の実施形態において、上記ODの増加は、少なくとも約2%である。
【0055】
別の特定の実施形態において、pH値の安定化により、反応を終了するポイント及び/又は新鮮な試薬で補充するポイントを決定することができる。本発明の文脈において、「安定化」という用語は、2つ以上の連続した測定間のpH差が小さい、例えば最大で10%の差、特に、そのような連続した測定間の差が約9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%未満の反応段階であることを意味する。データがグラフ上で監視される場合、2つ以上の連続した測定を結ぶ曲線の小さな傾きも、pH値の安定化の指標となる。例えば、曲線の傾きは、約10%未満、特に約9%、l-8%(8%?)、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%未満であってもよい。
【0056】
なおも更なる実施形態において、上記RNA製造は、バッチ、連続又は半連続プロセスで行われる。本発明の方法は、新鮮な試薬の添加の適切なタイミングが必要である連続又は半連続プロセスに特に好適である。代替的に、本発明の方法は、特に、反応のより効率の悪い段階にて生じる不要な副生成物(例えば、dsRNA)の形成を低減するために、反応の終了のタイミングを適切に計るためのバッチプロセスにも好適に使用することができる。
【0057】
本発明の主な利点は、DNA鋳型、ポリメラーゼ、酵素等の高価な試薬をより長期間にわたって使用することができ、それによってRNA生産のコストを大幅に低減することである。具体的には、これらの成分は反応中に消費されず、更なる試薬の添加のタイミングを計ることによって、同量の開始試薬を使用し、反応中に消費された試薬のみの添加により、より大きなバッチのRNAを調製することができる。
【0058】
更なる態様において、本発明は、RNAの製造におけるin vitro転写反応中の導電率測定の使用を提供する。
【実施例
【0059】
材料及び方法
IVT反応の物理化学的特性(導電率、pH、光学密度)の最初の監視のために、35 mlのcaTLR4 IVT反応混合物を調製し、37℃で4時間インキュベートした。15分毎にIVT反応をサンプリングし、反応混合物の光学密度(200 nm~650 nm)、導電率及びpHを求めた。試料を、それらのRNA含有量を求めるために、LiCl沈殿にも供した。dsRNAの相対存在量は、抗dsRNA J2抗体(Scicons)を使用した抗dsRNAスロットブロットを使用して求めた。
【0060】
結果
実験1
RNA含有量及びdsRNA含有量
試料のRNA含有量は、インキュベーション時間が増加するにつれて着実に上昇する。しかしながら、インキュベーションの±165分でRNA含有量の増加は止まり、シグナルは横ばいになり、この時点でRNA合成が止まったことを示している(図1A)。
【0061】
RNA合成の終了は、dsRNA(in vitro転写によって合成されるRNAの主要な生成物関連不純物)の相対存在量の顕著な増加と一致し、これもインキュベーションの±165分で起こる(図1B)。
【0062】
物理化学的特性
最初に導電率が低減した後、インキュベーション期間が進行するにつれて導電率シグナルは着実に増加する。165分でシグナルは安定し、急峻な急激な低下が始まる(図1A)(図2A?)。
【0063】
反応が進行するにつれて、酸性度の大幅な増加を観察することができる。mRNAの合成が止まると、pHの低下は平坦になることがわかる(165分以降、図2B)。
【0064】
より低い波長(200 nm~300 nm)での光学密度は反応が進行するにつれてゆっくりと減少し、反応混合物中のNTP濃度の減少を示している可能性がある。しかしながら、或る時点(±165分~±180分)で、光学密度は、小さいが顕著なピークを示し、その後ベースラインレベルに戻る(図1C)(図2C?)。
【0065】
実験2(確認試験)
実験1で以前に得られた結果を確認するために、確認試験を行った。この試験は、以前に行われた実験の正確な繰り返しとして設計された。そのため、35 mlのcaTLR4 IVT混合物を調製し、4時間インキュベートした。反応混合物を15分毎にサンプリングし、これらの試料の導電率、pH、光学密度及びRNA含有量を分析した。
【0066】
以前に観察されたように、IVT反応の導電率は最初に低下し、その後、インキュベーション時間が進行するにつれて定常的な増加を示した。±165分で導電率の急な減少が観察された(図3A)。
【0067】
反応混合物の光学密度を経時的に監視したところ、この試験によって以前に実験で得られた結果が確認される。より高い波長でのODはかなり安定したままだが、より短い波長ではODの著しい減少が観察される(図3B)。ODの一過性のピークは、±165分~±195分で観察される。
【0068】
以前に観察したように、反応混合物のpHは反応が進行するにつれて低下した。±200分でシグナルは安定し、RNA鎖へのNTPの取り込みにより引き起こされる反応混合物へのプロトン放出が止まったことを示した(図3C)。
【0069】
得られたデータを図3Dに示すRNA含有量と関連させると、pHシグナルの安定化及び導電率の急な減少は、反応混合物中のRNAの蓄積が止まるポイントと再び一致する。これらの同じ時点で、光学密度の一過性のピークも観測される。
【0070】
結論 実験1及び実験2
本実験は、導電率、pH、及びODの測定可能な差が、反応混合物中のRNAの蓄積の終了及びdsRNAの存在量の増加と一致することを示す。
【0071】
実験3(原理の証明)
25 mlのcaTLR4 IVT混合物を調製し、37℃でインキュベートした原理証明実験を行った。15分毎に反応混合物をサンプリングし、pH、OD及び導電率を測定した。以下で説明する観察結果に基づいて、ODの増加及び導電率の突然の減少が観察された場合にNTPを添加した。反応混合物へのNTPの添加は240分で行った。
【0072】
以前に観察したように、反応混合物の導電率は最初に強い低下を示し、続いて定常的な増加を示した。導電率は±185分で安定し、±195分で低下し始めた。追加のNTPを添加しなかった場合、導電率シグナルは安定したままであったが(図3A)、NTPの添加後、導電率は再び上昇し始め、恐らくRNA合成が再開したことを示している。導電率は±360分後に再び安定し、±420分後に低下し始める(図4A)。
【0073】
以前にも観察されたように、光学密度(260 nmでのODを示すグラフ)は反応が進行するにつれて低下する。しかしながら、225分でODの急な一過性のピークが再び生じた(図4B)。
【0074】
前述の実験1において、RNA蓄積は165分後に止まり、±5000 ng/μlのレベルで平坦になった。しかしながら、この原理の証明実験において、5000 ng/μlで同じ上部プラトーが観察され、このプラトー値に達したのはインキュベーションの±210分後のみであったという点で異なっていた。図3Cで観察されたRNA合成の終了は、図4Aで観察された導電率の低下及び図4Bで観察されたOD(260 nm)の一過性のピークと密接に関連していた。
【0075】
最も顕著なのは、反応混合物中に追加のNTPを適時に添加すると、反応混合物のRNA含有量が更に増加し、最終的に±8500 ng/μlのレベルで安定した。
【0076】
結論 実験3
本実験は、新鮮なNTPを添加した後、RNAの生産が継続されることを示し、これは導電率、pH、及びODの測定可能な差によって例示されている。
【符号の説明】
【0077】
図面訳
図1A
RNA content RNA含有量
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図1B
dsRNA content dsRNA含有量
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図2A
Conductivity 導電率
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図2B
IVT incubation time (min) IVTインキュベーション時間(分)

図2C
Full spectrum scan 全スペクトルスキャン
ΔOD (AU) ΔOD(任意単位)
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図3A
Conductivity 導電率
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図3B
Optic density (200-650nm) 光学密度(200 nm~650 nm)
ΔOD (AU) ΔOD(任意単位)
Incubation time インキュベーション時間

図3C
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図3D
RNA content RNA含有量
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)

図4A
Conductivity 導電率
Incubation time インキュベーション時間
NTP addition NTP添加

図4B
Optic density (260nm) 光学密度(260 nm)
ΔOD (AU) ΔOD(任意単位)
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)
NTP addition NTP添加

図4C
RNA content RNA含有量
Incubation time (min) インキュベーション時間(分)
NTP addition NTP添加
図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4
【国際調査報告】