(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240621BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579165
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 GB2022051568
(87)【国際公開番号】W WO2022269239
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AA50
4B045AB12
4B045AB16
(57)【要約】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品(1)が開示されている。物品(1)は、エアロゾル発生材(3)と、吸い口端セクション(2)と、長手方向軸を有し、エアロゾル発生材(3)と吸い口端セクション(2)の間に配置された管状部材(2)とを含む。管状部材(4)は、内壁(7)と、空気が管状部材(4)内に引き込まれる際に通過する管状部材(4)の換気領域(8)とを含む。部品(5)が管状部材(4)に収容され、部品(6)は、外面を有し、管状部材(4)を通るエアロゾル流が部品(6)の外面と管状部材(4)の内壁(7)の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成されている。換気領域(8)は、換気空気が換気領域(8)を介して流れ経路に入り、吸い口端セクション(2)内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材と、
吸い口端セクションと、
長手方向軸を有し、エアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に位置し、内壁を含む管状部材と、
空気を管状部材内に引き込む管状部材に設けられた換気領域とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品であって、
部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、
換気領域は、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている物品。
【請求項2】
エアロゾル発生材と、
吸い口端セクションと、
スペーサー部材と、
長手方向軸を有し、エアロゾル発生材とスペーサー部材の間に位置し、内壁を含む管状部材と、
空気がスペーサー部材内に引き込まれる際に通過するスペーサー部材に設けられた換気領域とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品であって、
部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、
換気領域は、換気空気がスペーサー部材に入り、吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている物品。
【請求項3】
スペーサー部材は中空であることを特徴とする請求項2記載の物品。
【請求項4】
換気領域は、換気空気がエアロゾルが流れる流れ経路内を直接通過するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項5】
エアロゾルは、管状部材に沿って軸方向に流れ、換気領域は、換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が管状部材の前記長手方向軸に対して角度を付けて流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ流れるように構成されていることを特徴とする請求項1または4記載の物品。
【請求項6】
換気領域は、換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が管状部材の前記長手方向軸に対して実質的に直角に流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ流れるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の物品。
【請求項7】
部品は、流れ経路が前記部品の外面と管状部材の内壁の間を延びるように形成され、管状部材内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の物品。
【請求項8】
部品は、円筒状で長手方向軸を有することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の物品。
【請求項9】
部品は、その長手方向軸が管状部材の長手方向軸と同軸になるように管状部材内に配置されていることを特徴とする請求項8記載の物品。
【請求項10】
ポケットまたは窪みが部品の前記外面に形成され、流れ経路の少なくとも一部を形成していることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の物品。
【請求項11】
前記ポケットまたは窪みは、部品の長さに沿って軸方向に延びていることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項12】
前記ポケットまたは窪みは、直線状であることを特徴とする請求項10または11記載の物品。
【請求項13】
ポケットまたは窪みの少なくとも一部は、それが部品に沿って前記軸方向に延びる際に部品の周囲を延びていることを特徴とする請求項10または11記載の物品。
【請求項14】
部品の前記外面に形成された複数のポケットまたは窪みを含むことを特徴とする請求項10または11記載の物品。
【請求項15】
各ポケットまたは窪みは、その隣接するポケットまたは窪みから円周方向に間隔が空けられていることを特徴とする請求項14記載の物品。
【請求項16】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、管状部材の周面に延びた一連の換気開口部を含むことを特徴とする請求項1に従属する場合に請求項4乃至15いずれか1項記載の物品。
【請求項17】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、中空のスペーサー部材の周面に延びた一連の換気開口部を含むことを特徴とする請求項2に従属する場合に請求項7乃至15いずれか1項記載の物品。
【請求項18】
各換気開口部は、部品内の対応するポケットまたは窪みと位置合わせされていることを特徴とする請求項9乃至16いずれか1項記載に従属する場合に請求項15記載の物品。
【請求項19】
部品の外面は、管状部材の内壁から間隔が空けられていることを特徴とする請求項1に従属する場合に請求項4乃至16または18いずれか1項記載の物品。
【請求項20】
部品の外面の一部は、管状部材の内壁と接触することを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載の物品。
【請求項21】
部品は、エアロゾル発生材から長手方向に間隔が空けられていることを特徴とする請求項1乃至20いずれか1項記載の物品。
【請求項22】
中空のスペーサー部材は、紙の管を含むことを特徴とする請求項3に従属する場合に請求項7乃至15、17、18、20または21いずれか1項記載の物品。
【請求項23】
管状部材と吸い口端セクションの間にろ過セクションを含むことを特徴とする請求項1に従属する場合に請求項4乃至16または18乃至21いずれか1項記載の物品。
【請求項24】
部品は、ろ過セクションから管状部材内に延びていることを特徴とする請求項23記載の物品。
【請求項25】
部品は、ろ過セクションと一体に形成されていることを特徴とする請求項24記載の物品。
【請求項26】
部品とろ過セクションは、同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項25記載の物品。
【請求項27】
部品は、通気性であることを特徴とする請求項1乃至26いずれか1項記載の物品。
【請求項28】
ろ過セクションと部品は、フィラメントトウを含むことを特徴とする請求項23記載の物品。
【請求項29】
フィラメントトウは、セルロースアセテートを含むことを特徴とする請求項28記載の物品。
【請求項30】
部品は、非通気性であることを特徴とする請求項1乃至25いずれか1項記載の物品。
【請求項31】
エアロゾル発生材と吸い口端セクションを供することと、
長手方向軸、内壁を有する管状部材であり、空気を管状部材内に引き込む換気領域をさらに有する管状部材を、エアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に配置することと、
外面を有する部品を管状部材に配置することとを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の製造方法であって、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている方法。
【請求項32】
エアロゾル発生材、吸い口端セクションおよびスペーサー部材を供することと、
長手方向軸と内壁を有する管状部材をエアロゾル発生材とスペーサー部材の間に配置することと、
外面を有する部品を管状部材に配置することとを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の製造方法であって、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気がスペーサー部材に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている方法。
【請求項33】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、
請求項1乃至29いずれか1項記載の物品とを含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記載は、非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品および非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のタバコ産業製品は、使用時にユーザーによって吸入されるエアロゾルを発生させる。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル発生基材を加熱し、基材を燃やさずに加熱することによってエアロゾルを形成する。そのようなタバコ産業製品は、共通してエアロゾルがユーザーの口に到達するように通過するマウスピースを含む。
【発明の概要】
【0003】
本発明の態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品が提供され、該物品は、エアロゾル発生材と、吸い口端セクションと、長手方向軸を有しエアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に位置し、内壁を含む管状部材と、空気が管状部材内に引き込まれる際に通過する管状部材に設けられた換気領域とを含み、部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、換気領域は、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている。
【0004】
本発明の別の態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品が提供され、該物品は、エアロゾル発生材と、吸い口端セクションと、スペーサー部材と、長手方向軸を有しエアロゾル発生材とスペーサー部材の間に位置し、内壁を含む管状部材と、空気がスペーサー部材内に引き込まれる際に通過するスペーサー部材に設けられた換気領域とを含み、部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、換気領域は、換気空気がスペーサー部材に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている。
【0005】
任意にスペーサー部材は、中空であってもよい。
【0006】
換気領域は、換気空気がエアロゾルが流れる流れ経路内を直接通過するように構成されてもよい。
【0007】
エアロゾルは、管状部材に沿って軸方向に流れてもよく、換気領域は、管状部材の前記長手方向軸に対して角度を付けて流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が流れるように構成してもよい。
【0008】
換気領域は、管状部材の前記長手方向軸に対して実質的に直角に流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が流れるように構成してもよい。
【0009】
任意に部品は、流れ経路が前記部品の外面と管状部材の内壁の間を延びるように形成され、管状部材内に配置されてもよい。
【0010】
部品は、円筒状であってもよく、長手方向軸を有してもよい。さらに部品は、その長手方向軸が管状部材の長手方向軸と同軸になるように管状部材内に配置されてもよい。
【0011】
ポケットまたは窪みが部品の前記外面に形成され、流れ経路の少なくとも一部を形成してもよい。
【0012】
前記ポケットまたは窪みは、部品の長さに沿って軸方向に延びてもよい。
【0013】
前記ポケットまたは窪みは、部品に沿って長手方向に直線状に延びてもよい。
【0014】
ポケットまたは窪みは、それが部品に沿って軸方向に延びる際に部品の周囲を少なくとも部分的に延びてもよい。
【0015】
任意に部品は、部品の前記外面に形成された複数のポケットまたは窪みを含んでもよい。
【0016】
各ポケットまたは窪みは、その隣接するポケットまたは窪みから円周方向に間隔が空けられてもよい。
【0017】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、管状部材の周面に延びた一連の換気開口部を含んでもよい。
【0018】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、中空のスペーサー部材の周面に延びた一連の換気開口部を含んでもよい。
【0019】
各換気開口部は、部品内の対応するポケットまたは窪みと位置合わせされて配置されてもよい。
【0020】
部品の外面は、管状部材の内壁から間隔が空けられてもよい。
【0021】
任意に部品の外面の少なくとも一部は、管状部材の内壁と接触してもよい。
【0022】
部品は、エアロゾル発生材から長手方向に間隔が空けられてもよい。
【0023】
中空のスペーサー部材は、紙の管であってもよい。
【0024】
本発明の物品は、管状部材と吸い口端セクションの間にろ過セクションをさらに含んでもよい。
【0025】
部品は、ろ過セクションから管状部材内に延びてもよい。
【0026】
部品は、ろ過セクションと一体に形成されてもよい。
【0027】
任意に部品とろ過セクションは、同じ材料から形成されてもよい。
【0028】
任意に部品は、通気性であってもよい。
【0029】
ろ過セクションおよび/または部品は、フィラメント状のトウを含んでもよい。
【0030】
任意にフィラメント状のトウは、セルロースアセテートを含む。
【0031】
部品は、非通気性であってもよい。
【0032】
本発明の別の態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品の製造方法が提供され、該方法は、エアロゾル発生材と吸い口端セクションを供することと、長手方向軸、内壁を有する管状部材であり、空気が管状部材内に引き込まれる際に通過する換気領域をさらに有する管状部材を、エアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に配置することと、外面を有する部品を管状部材に配置することとを含み、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている。
【0033】
本発明の別の態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用する物品の製造方法が提供され、該方法は、エアロゾル発生材、吸い口端セクションおよびスペーサー部材を供することと、長手方向軸と内壁を有する管状部材をエアロゾル発生材とスペーサー部材の間に配置することと、外面を有する部品を管状部材に配置することとを含み、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気がスペーサー部材に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている。
【0034】
本発明の別の態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、上記の物品とを含むシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明がさらに充分に理解されるように本発明の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示として説明する。
【
図1】本発明の実施態様による物品の側部断面図である。
【
図2】本発明の実施態様による別の物品の側部断面図である。
【
図3】本発明の実施態様によるさらに別の物品の側部断面図である。
【
図4A】本発明の実施態様による物品の前方断面図である。
【
図4B】本発明の実施態様による物品の前方断面図である。
【
図4C】本発明の実施態様による物品の前方断面図である。
【
図4D】本発明の実施態様による物品の前方断面図である。
【
図5】
図1~3の物品のエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるための非燃焼系エアロゾル供給デバイスの斜視図である。
【
図6】外方カバーが取り外され、物品の無い
図5のデバイスを示している。
【
図7】
図5のデバイスを一部断面で示した側面図である。
【
図8】外方カバーが省略されている
図5のデバイスの分解図である。
【
図10】本発明の実施態様による物品の製造方法のフローチャートである。
【
図11】本発明の実施態様による別の物品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの少なくとも1つの物質の送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル発生材を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
【0037】
一部の実施態様では送出システムは、非燃焼系エアロゾル供給システム、例えば電動非燃焼系エアロゾル供給システムである。
【0038】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピング装置または電子ニコチン送出システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル発生材中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0039】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、非燃焼加熱システムとしても知られている。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0040】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材の組合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、その1種以上の材料を加熱することができる。エアロゾル発生材のそれぞれは、例えば、固体、液体、またはゲルの形体であり、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一部の実施態様ではハイブリッドシステムは、液体またはゲルのエアロゾル発生材および固体のエアロゾル発生材を含む。固体エアロゾル発生材は、例えばタバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0041】
通常は非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための消耗品とを含んでもよい。
【0042】
一部の実施態様では本開示は、エアロゾル発生材を含み、非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、時には本開示を通して物品と言う。
【0043】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、例えば電源または発熱動力源であってもよい。一部の実施態様では発熱動力源は、炭素基材を含み、これは動力を熱の形体で発熱動力源に近接したエアロゾル発生材または熱伝導材に分配するように励起される。
【0044】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、消耗品を収容するための領域と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域、ハウジング、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0045】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための消耗品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材貯蔵領域と、エアロゾル発生材移送部品と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域と、ハウジングと、ラッパーと、フィルターと、マウスピースおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0046】
一部の実施態様では供給される物質は、活性物質を含む。
【0047】
本発明で使用する活性物質は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0048】
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。一部の実施態様では活性物質はカフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0049】
エアロゾル発生材は、例えば加熱、照射または何らかの他の方法で励起された際にエアロゾルを発生することができる材料である。エアロゾル発生材は、例えば活性物質および/または風味剤を含んでも含まなくてもよい固体、液体またはゲルの形体であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体から約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。
【0050】
エアロゾル発生材は、1つ以上の活性物質および/または風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および必要であれば1つ以上の他の機能材を含んでもよい。
【0051】
エアロゾル形成材は、エアロゾルを形成できる1つ以上の成分を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0052】
1つ以上の機能材は、pHレギュレーター、着色剤、保存料、バインダー、充填材、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0053】
本明細書で説明するこれら材料は、基材を形成するために支持体上または支持体内にあってもよい。支持体は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。一部の実施態様では支持体はサセプタを含む。一部の実施態様ではサセプタは、上記材料に埋め込まれている。一部の別の実施態様ではサセプタは材料の一方または両側にある。
【0054】
消耗品は、一部またはすべてが使用中にユーザーによって消費されることを意図したエアロゾル発生材を含むまたはそのような発生材からなる物品である。消耗品は、エアロゾル発生材貯蔵領域、エアロゾル発生材移送構成部品、エアロゾル発生領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤などの1つ以上の他の構成部品を含んでもよい。また消耗品は、使用時にエアロゾル発生材がエアロゾルを発生するように熱を放射するヒーターなどのエアロゾル発生器を含んでもよい。ヒーターは、例えば燃焼系材、電気伝導によって加熱可能な材料またはサセプタを含んでもよい。
【0055】
エアロゾル変性剤は、典型的にはエアロゾル発生領域の下流に位置し、発生したエアロゾルを例えばエアロゾルの味、風味、酸度または別の特徴を変えることによって変性するように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル変性剤放出部材内に供してもよい。
【0056】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤または吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば風味剤、着色剤、水および炭素吸着剤のうちの1つ以上を含んでもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体、液体またはゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉、糸または粒体であってもよい。エアロゾル変性剤はろ過材を含まなくてもよい。
【0057】
エアロゾル発生器は、アロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成された装置である。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、エアロゾル発生材を熱エネルギーに晒し、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生材から1つ以上の揮発性物質を放出するように構成されたヒーターである。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、熱することなくエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されている。例えば、エアロゾル発生器は、振動、高圧力または静電エネルギーのうちの1つ以上にエアロゾル発生材を晒すように構成してもよい。
【0058】
例えばロッド状の物品などの本明細書で説明されている消耗品などの物品は、しばしば、製品の長さに従って次のように命名される。「標準」(通常は68~75mm、例えば約68mm~約72mmの範囲)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(通常は75~91mm、例えば約79mm~約88mmの範囲)、「ロング」または「スーパーキング」(通常は91~105mm、例えば約94mm~約101mmの範囲)、および「超ロング」(通常、約110mm~約121mmの範囲)。
【0059】
それらはまた、タバコの円周に従って次のように命名される。「標準」(約23~25mm)、「ワイド」(25mmを超える)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、「マイクロスリム」(約16mm未満)。
【0060】
したがって、キングサイズの超細型規格の紙巻きタバコは、例えば、長さが約83mm、円周が約17mmである。
【0061】
物品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流にある下流部分を含んでもよく、各フォーマットは、異なる長さの下流部分で作製されてもよい。下流部分の長さは、通常、約30mm~50mmになる。チッピング紙が下流部分をエアロゾル発生材に接続し、下流部分より長い、例えば3mm~10mm長い長さを有し、チッピング紙が下流部分を覆い、例えばロッド形状のエアロゾル発生材に重なって下流部分をロッドに接続するようになっている。
【0062】
物品および本明細書で説明したエアロゾル発生材および下流部分は、上記のフォーマットのいずれかに作製できるが、それらフォーマットに限定されない。
【0063】
本明細書で使用する「上流」および「下流」なる用語は、使用の際物品またはデバイスを介して引き込まれる主流煙エアロゾル発生材の方向に対して定義される相対的な用語である。
【0064】
本明細書で説明するフィラメント状のトウ材料は、セルロースアセテート繊維トウを含んでもよい。フィラメント状のトウ材料は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1,4-ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、スターチ系材料、コットン、脂肪族ポリエステル材および多糖ポリマーまたはこれらを組合わせたものなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成してもよい。フィラメント状のトウ材料は、フィルター材がセルロースアセテートトウである場合、トリアセチンなどのフィルター材に適した可塑剤で可塑化してもよく、または可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字状または「X」字状などの他の断面、2.5~15の単糸繊度、例えば8.0~11.0の単糸繊度の繊維のデニール値および5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総繊度値を有する繊維のようにあらゆる好適な仕様を使用することができる。
【0065】
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物または代替品を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は、粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物の内の1つ以上を含んでもよい。
【0066】
本明細書で説明するように活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は植物に天然に存在するまたは合成して得られる活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせがある。ミントは次のミント種から選択されてもよい、ハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミントおよびマルバハッカ。
【0067】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はタバコである。
【0068】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよびオオアサから選択される。
【0069】
一部の実施態様では植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はルイボスおよびフェンネルから選択される。
【0070】
一部の実施態様では物質は、風味料を含む。
【0071】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、フェンネル、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば、油などの液体、粉などの固体または気体などのあらゆる好適な形体であってもよい。
【0072】
一部の実施態様では風味料は、メンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では風味料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は、オイゲノールを含む。一部の実施態様では風味料は、タバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は、大麻から抽出された風味成分を含む。
【0073】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で図面において同等の特徴、物品または部材を示す場合には同じ参照番号が使用されている。
【0075】
図1は、送出システムに使用する物品を例示している。物品1は、ユーザーの口に入れられる吸い口端セクション2と、本例ではタバコ材であるエアロゾル発生材3の円筒状ロッドと、管状部材4とを含む。管状部材4は、長手方向軸を含み、エアロゾル発生材3と吸い口端セクション2の間に位置する。エアロゾル発生材3は、例えばシステムを形成する例えばコイルを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスなどの本明細書で説明したような非燃焼系エアロゾル供給デバイス内で加熱された際にエアロゾルを供する。他の実施態様では物品1は、別個のエアロゾル供給デバイスを必要とせずにエアロゾル供給システムを形成し、該システムで使用される独自の熱源を含んでもよい。
【0076】
ここではエアロゾル発生基材3とも言うエアロゾル発生材3は、少なくとも1つのエアロゾル形成材を含む。本例ではエアロゾル形成材は、グリセロールである。これとは別の例ではエアロゾル形成材は本明細書に記載の別の材料またはそれらを組み合わせたものであってもよい。このエアロゾル形成材は、エアロゾル発生材からの風味化合物などの化合物の消費者への移行を補助することによって物品の知覚性能を向上させることが分かっている。しかしながら、非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品内のエアロゾル発生材にそのようなエアロゾル形成材を加えることで、エアロゾル形成材が加熱によってエアロゾル化される際に、物品によって送出されるエアロゾルの質量をエアロゾル化されたエアロゾル形成材が増加させ、この増加した質量がそれが吸い口端セクションを通過する際により高い温度を維持するとういう問題がある。エアロゾル化したエアロゾル形成材が吸い口端セクションを通過する際、エアロゾルが熱を吸い口端セクション内に伝え、これが使用時に消費者の唇を接触する領域を含む吸い口端セクションの外面を熱する。この吸い口端セクションの温度は、消費者が例えば従来の紙巻きタバコの喫煙時に慣れている温度よりかなり高くなり、これはこのようなエアロゾル形成材に使用によって生じる望ましくない効果である。したがって、吸い口端セクションが熱くなりすぎないように発生するエアロゾルの温度を下げる必要がある。
【0077】
管状部材4は、内壁7と、空気が管状部材4内に引き込まれる際に通る換気領域8とを含む。本発明の物品は、外面を含み、管状部材4内に位置する部品6をさらに含み、これはエアロゾル発生材3によって発せられたエアロゾルを換気領域8を介して管状部材4内に引き込まれた空気と混合し、これによって発生したエアロゾルをそれが吸い口端セクション2に到達する前に冷却する流れ経路Aを画定する。部品6の外面と管状部材4の内面によって画定された流れ経路Aは、部品6の外側の周囲でエアロゾルを管状部材4を介して吸い口端セクション2の方へと強制的に流れるようにする。換気領域8は、換気領域8を通って管状部材4内に入る空気がそれが流れ経路Aに沿って流れる際にエアロゾル内に流れる。換気領域8および流れ経路Aは、近接しているので、換気領域8を介して管状部材4内に引き込まれる空気は、流れ経路Aに沿って流れるエアロゾル内に直接的に流れる。換気領域8を介して流れ経路Aに入る空気は、流れ経路Aに沿って流れるエアロゾルの方へと流れる。エアロゾルは、管状部材4に沿って軸方向に流れ、換気領域は、換気空気がエアロゾルの方に流れ、流れ経路A内で管状部材4の長手方向軸に対して角度を付けてエアロゾルと交差する。換気空気は、混合を促進するために長手方向軸に対して直角に交差してもよい。
【0078】
換気領域8に近接して、即ち流れ経路A内で換気領域8を介して引き込まれる空気とエアロゾルを強制的に混合することによって2つの流れの混合を促進し、従って発生したエアロゾルの温度をそれが吸い口端セグメント2に到達する前に著しく低下させる。
【0079】
図2は、非燃焼系エアロゾル供給システムに使用する別の物品1の側部断面図である。物品1は、吸い口端セクション2と管状部材4の間に配されたろ過セクション5をさらに含む。管状部材4内に収容される部品6は、非通気性の材料から形成してもよい。管状部材4を流れるエアロゾルは、強制的に部品6によって換気領域8に極めて接近して流れるようになり、従って換気領域8から管状部材4内に引き込まれる空気とより効果的に混ざる。これによりエアロゾルは、吸い口端セクション2に到達する前に充分に冷まされる。これとは別に管状部材4内に収容された部品6は、ろ過材などの半透過性材から形成されてもよい。ろ過材は、フィラメント状のトウであってもよく、セルロースアセテートをさらに含んでもよい。また部品6は、ろ過セクション5と一体に形成されてもよく、ろ過セクション5の端部から管状部材4内に延びてもよい。
【0080】
図3は、送出システムに使用する別の物品1を例示している。物品1は、吸い口端セクション2と、エアロゾル発生材からなるロッド3とを含む。物品は、スペーサー部材11をさらに含む。物品は、内壁を含み、長手方向軸を有し、エアロゾル発生材3とスペーサー部材11の間に位置する管状部材4を含む。管状部材4は、管状部材4を通る流れ経路Aを画定する上述のような部品6を含む。エアロゾル発生材3によって発せられたエアロゾルは、部品6の外壁および管状部材4の内壁7によって流れ経路に沿って迂回させられる。スペーサー部材11は、空気がスペーサー部材11内に引き込まれる際に通過する換気領域8を含む。換気領域8は、スペーサー部材11に入った空気が流れ経路Aに沿って流れたエアロゾルと吸い口端セクション2に流れ込む前に混ざるように構成されている。エアロゾルと換気空気を混ぜることでエアロゾルの温度をそれが吸い口セクションに到達する前に低くする。この実施態様ではエアロゾルと換気空気の混合は、上述したものと同じであるが、混合は、エアロゾルが流れ経路Aを出る際にスペーサー部材11内で起こる。スペーサー部材11は、中空であってもよく、紙の管を含んでもよい。物品1は、スペーサー部材11と吸い口端セグメント2の間に位置するろ過セクション5をさらに含んでもよい。さらにスペーサー部材11は、セルロースアセテートからなるプラグなどの別のろ過セクション5であってもよい。
【0081】
図1~3に示すように部品6は、管状部材4の長さに部分的に沿って延びている、即ち部品6は、エアロゾル発生材3から長手方向に間隔が空けられている。一部の実施態様では部品6は、部品6の下流端が吸い口端セクション2または追加のセクション5と当接し、上流端がエアロゾル発生材3と当接するように管状部材4の全長に沿って延びてもよい。
【0082】
図4a~4dは、管状部材4に沿ったあるポイントでの物品1の実施態様の断面図である。
図4aから明らかなように部品6は、円筒状の断面を有する。
図4bは、部品6がほぼ円筒状の断面を有し、その円周に少なくとも1つのポケットまたは窪み9を含む。この実施態様では部品6の円周のポケットまたは窪み9は、鋸歯9である。
図4cは、鋸歯9が部品6から管状部材4の内壁へと延びている別の実施態様を示している。
図4dは、部品6がほぼ円筒状の端面を有し、その円周に少なくとも1つのポケットまたは窪みを含み、ポケットまたは窪みが部品6の溝10を形成する別の実施態様を示している。上記実施態様で説明したその少なくとも1つのポケットまたは窪みは、部品6の全長に沿って延びている。一部の実施態様では少なくとも1つのポケットまたは窪みは、軸方向に部品6の長さに沿って部分的に延びている。ポケットまたは窪みは、直線状であってもよく、これとは別に部品6に沿って軸方向に延びる際に部品6の周囲を円周方向に延びてもよい。言い換えれば、ポケットまたは窪みは、部品を中心にらせん状であってもよい。複数のポケットまたは窪みを含む実施態様ではポケットまたは窪みは、隣接するポケットまたは窪みから円周方向に間隔が空けられてもよい。当然のことながら部品6の断面は、あらゆる形状であってもよく、あらゆる数のポケットまたは窪みを含んでもよく、上述の実施態様に限定されない。ポケットまたは窪みは、エアロゾルが管状部材4に沿って流れる流れ経路の少なくとも一部を形成する。上記部品6は、それぞれ長手方向軸を含む。部品6は、その長手方向軸が管状部材4の長手方向軸と同軸になるように管状部材4内に配置されてもよい。部品6の外面は、管状部材4の内壁から間隔が空けられてもよい。これとは別に部品6の外面の一部は、管状部材4の内壁7と接触してもよい。
【0083】
換気領域8は、互いに間隔を置いて位置し、管状部材4または中空のスペーサー部材11の周面を延びた一連の換気開口部を含む。各換気開口部は、エアロゾルと換気空気を最大限に混合するために対応するポケットまたは窪みと位置合わせされてもよい。
【0084】
本例では物品1は、約21mmの外周を有する(即ち、物品はデミ-スリムフォーマットである)。任意に物品1は、19mm超の円周を有するエアロゾル発生材のロッドを有する。これは消費者に好まれる通常のエアロゾル発生期間に亘って良好且つ持続したエアロゾルを発生させることに充分な円周を供することがわかっている。物品は熱せられると、熱がエアロゾル発生材のロッド3を通って移動し、ロッドの化合物を揮発させ、19mm超の円周は、このようにエアロゾルを発生させることに特に効果的であるということがわかっている。物品はエアロゾルを放出するために加熱されるので、良好な加熱効率は、23mm未満の円周を有する物品によって達成される。好適な製品長さを維持しつつ、加熱による良好なエアロゾルを得るために19mm超~23mm未満のロッド円周が好ましい。一部の例ではロッド円周は、20mm~22mmであってもよく、これは効果的なエアロゾルの送出と効率的な加熱を良好に両立する。
【0085】
吸い口端セクション2の外周は、実質的にエアロゾル発生材3のロッドの外周と同じであり、これによりこれらの部材間が円滑になる。本例では吸い口端セクション2の外周は、約20.8mmである。
【0086】
一部の例では物品1は、非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分4の間が離れる(即ち、最小距離)ように構成してもよい。これによりヒーターの熱が管状部材4を形成する材料を損傷することを妨げる。
【0087】
非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分間の最小距離は、3mm以上であってもよい。一部の例では非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分間の最小距離は、3mm~10mmの範囲内であってもよく、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。
【0088】
非燃焼系エアロゾル供給デバイス100の加熱素子と管状部分の間は、例えばエアロゾル発生材3のロッドの長さを調節して離してもよい。
【0089】
本例ではチッピング紙は、エアロゾル発生材のロッド3上を5mm延びているが、これとは別にロッド3上を3mm~10mmまたは4mm~6mm延びて吸い口端セクション2とロッド3とが確実に取り付けられるようにする。チッピング紙は、物品1に使用されるプラグラッパーの坪量より大きい坪量を有してもよく、例えば40gsm~80gsm、より好ましくは50gsm~70gsm、本例では58gsmの坪量を有してもよい。これらの範囲の坪量は、許容できる引張強度を有しつつ、物品1を包むための充分な可撓性があり、紙の長手方向の抑え継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するチッピング紙が結果として得られることが分かっている。チッピング紙の外周は、吸い口端セクション2に巻かれると約21mmになる。
【0090】
本例ではエアロゾル発生材3は、ラッパーに包まれている。ラッパーは、例えば紙または紙に支持された箔のラッパーであってもよい。本例ではラッパーは、実質的に空気を通さない。別の実施態様ではラッパーは、好ましくは100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気度を有する。低通気度、例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気性のラッパーは、結果としてエアロゾル発生材3でのエアロゾルの形成を向上させることになることが分かっている。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはラッパーを介したエアロゾル化合物の損失が少なくなることによると推定される。ラッパーの通気度は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0091】
本実施態様ではラッパーは、アルミニウム箔を含む。アルミニウム箔は、エアロゾル発生材3内でエアロゾルの形成を高める上で特に効果的であることが分かっている。本例ではアルミニウム箔は厚さが約6μmの金属層を有する。本例ではアルミニウム箔は台紙を有する。しかしながら、別の構成ではアルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。またアルミニウム箔は、台紙を必要としないが、例えば箔に適度な引っ張り強度を供するのに役立つ他の材料から形成された裏当て材を有することも可能であり、あるいは裏当て材を持たなくてもよい。アルミニウム以外の金属層または箔も使用可能である。ラッパーの厚さの合計は、選択的に20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmで、適した構造的完全性および伝熱特性を有するラッパーを供することができる厚さである。ラッパーが破れるまでのラッパーに加えることができる張力は、3,000グラム重量超、例えば3,000~10,000グラム重量または3,000~4,500グラム重量である。
【0092】
一部の例ではエアロゾル発生材を囲むラッパーは、クエン酸ナトリウムおよび/またはクエン酸カリウムなどのクエン酸塩を含む。そのような例ではラッパーのクエン酸塩の含有量は、2重量%以下または1重量%以下であってもよい。ラッパーのクエン酸塩の含有量を減らすことは、使用時のラッパーの目に見える変色を減少させることを補助できる。
【0093】
一部の例ではエアロゾル発生材を囲むラッパーは、高いレベルの通気度、例えば約1000コレスタ単位超または約1500コレスタ単位超または約2000コレスタ単位超の通気度を有する。ラッパーの通気度は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0094】
ラッパーは、固有の高いレベルの通気度を有する材料、本質的に多孔性の材料から形成されてもよく、あるいは通気度の最終的なレベルが通気性の区間または領域を有するラッパーを供することによって得られる場合、あらゆるレベルの固有の通気度を有する材料から形成してもよい。通気性ラッパーを設けることで空気が物品に入る経路が得られる。ラッパーにはエアロゾル発生材のロッドを介して入る空気の量が吸い口端セクション2の換気領域8を介して物品に入る空気の量より相対的に多くなるように通気性を付与してもよい。この構成の物品はより風味に満ちたエアロゾルを発生させ、ユーザーの満足度が高くなる。
【0095】
物品は物品を介して引き込まれるエアロゾルの約75%の換気レベルを有する。別の実施態様では物品は物品を介して引き込まれるエアロゾルの50%~80%、例えば65%~75%の換気レベルを有してもよい。これらのレベルの換気は、吸い口端セクション2を介して引き込まれるエアロゾルの流れの減速を補助し、これによりエアロゾルをそれがマウスピース2の下流端部に到達する前に冷ますことができる。換気は、物品1の管状部材4内に直接設けられる。換気は、第1および第2の平行な列のミシン目12を介して設けられ、この場合レーザーによる穿孔として形成される。これとは別の実施態様では換気は、中空のスペーサー部材11などの他の場所に設けることができる。
【0096】
これとは別に換気を管状部分が位置する物品の部分内に例えばレーザーによるミシン目などのミシン目の単独の列を介して設けてもよい。これにより結果としてエアロゾルが良好に形成され、これは所定の換気レベルの場合に複数の換気孔の列より換気孔を介した空気流がより均一になることによると考えられる。
【0097】
エアロゾル温度は、一般に換気レベルが降下するほど高くなることがわかっている。しかしながら、エアロゾル温度と換気レベルの関係は、直線的ではなく、例えば製造公差による換気の違いを伴い、低い目標換気レベルでは影響がない。例えば、75%の目標換気レベルの場合の±15%の換気公差ではエアロゾル温度は、低い換気リミット(60%換気)では約6℃上昇し得る。しかしながら、60%の目標換気レベルの場合、エアロゾル温度は、低い換気リミット(45%換気)で約3.5℃しか上昇しない。本発明の物品の目標換気レベルは、したがって40%~70%、例えば45%~65%の範囲内である。これは少なくとも20の物品の平均換気レベルが40%~70%、例えば45%~70%または51%~59%になり得る。
【0098】
本例ではエアロゾル発生基材3に加えられるエアロゾル形成材は、重量で14%のエアロゾル発生基材3を含む。任意にエアロゾル形成材は、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%のエアロゾル発生基材を含む。任意にエアロゾル形成材は、重量で25%未満、より好ましくは20%未満、例えば10%~20%、12%~18%または13%~16%のエアロゾル発生基材を含む。
【0099】
任意にエアロゾル発生材3は、エアロゾル発生材の円筒状ロッドとして提供される。エアロゾル発生材の形状に関係無く、エアロゾル発生材は、約10mm~100mmの長さを有する。一部の実施態様ではエアロゾル発生材の長さは、任意に約25mm~50mmの範囲内、より好ましくは約30mm~45mmそしてさらにより好ましくは約30mm~40mmの範囲内である。
【0100】
設けられるエアロゾル発生材3の容積は、約200mm3~約4300mm3、任意に約500mm3~1500mm3、より好ましくは約1000mm3~約1300mm3で異なってもよい。例えば約1000mm3~約1300mm3といったエアロゾル発生材のこれらの容積を設けることは、その範囲の下方端部から選択された容積で達成される視認性および知覚性能より良好な視認性および知覚性能を有する優れたエアロゾルを達成することが有利に示されている。
【0101】
設けられるエアロゾル発生材3の質量は、200mg超、例えば約200mg~400mg、任意に約230mg~360mg、より好ましくは約250mg~360mgであってもよい。より質量の大きいエアロゾル発生材を供することは、結果として質量の小さいタバコ材から発生するエアロゾルと比較して良好な知覚性能が得られるという有利なことが分かっている。
【0102】
任意にエアロゾル発生材または基材は、タバコ成分を含む本明細書に記載したタバコ材から形成される。
【0103】
本明細書で説明するタバコ材においてタバコ成分は紙再生タバコを任意に含む。タバコ成分は、葉タバコ、押し出しされたタバコおよび/またはバンドキャストされたタバコを含む。
【0104】
エアロゾル発生材3は、1立方センチメートル当たり約700ミリグラム(mg/cc)未満の密度を有する再生タバコ材を含んでもよい。そのようなタバコ材は、高密な材料と比較してエアロゾルを放出するために速く加熱することができるエアロゾル発生材を供するという点で特に有効であることが分かっている。例えば、本発明者は、バンドキャストされた再生タバコ材および紙再生タバコ材などの種々のエアロゾル発生材の加熱した際の特性を試験した。各所与のエアロゾル発生材の場合、熱を材料に加えている間、特定のゼロ熱流温度が存在し、それ以下では正味熱流が吸熱性になり、言い換えれば材料から出るより、より多くの熱が材料に入り、それ以上では正味熱量が発熱性になり、言い換えれば材料に入るより材料から出る熱が多くなる。700mg/cc未満の密度の材料は低いゼロ熱流温度であった。材料から出る熱流のかなりの部分がエアロゾルの形成を介しているので、低いゼロ熱流温度を有することはエアロゾル発生材から最初にエアロゾルを放出するためにかかる時間に亘って有益な効果を有する。例えば、700mg/cc未満の密度を有するエアロゾル発生材は、700mg/ccを超える密度を有し、ゼロ熱流温度が164℃超だった材料と比較して、ゼロ熱流温度が164℃未満であることを発見した。
【0105】
エアロゾル発生材の密度は、材料を伝わる熱の速度にも影響を与え、低い密度、例えば700mg/cc未満の密度では材料を伝わる熱の速度が遅くなり、したがってより持続性のあるエアロゾルの放出を可能にする。
【0106】
任意にエアロゾル発生材3は、約700mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材、例えば紙再生タバコ材を含む。より好ましくはエアロゾル発生材3は、約600mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材を含む。これとは別にまたは加えてエアロゾル発生材3は、任意に材料を介した充分な量の熱伝導を可能にすると考えられている少なくとも350mg/ccの密度を有する再生タバコ材料を含む。
【0107】
タバコ材は刻みくずタバコの形体で供されてもよい。刻みくずタバコは1インチ当たり少なくとも15切断片の切断幅(1センチ当たり5.9切断部、約1.7mmの切断幅に等しい)に有する。任意に刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも18切断片の切断幅(1センチ当たり約7.1切断片、約1.4mmの切断幅に等しい)、より好ましくは1インチ当たり少なくとも20切断片(1センチ当たり7.9切断片、約1.27mmの切断幅に等しい)の切断幅を有する。一例では刻みくずタバコは、1インチ当たり22切断片の切断幅(1センチ当たり8.7切断片、約1.15mmの切断幅に等しい)を有する。任意に刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも40切断片以下の切断幅(1センチ当たり約15.7切断片、約0.64mmの切断幅に等しい)を有する。0.5mm~2.0mm、例えば0.6mm~1.5mmまたは0.6mm~1.7mmの切断幅は、特に加熱された際の表面積対体積比および発生材3の総合密度および圧力降下の点で好ましいタバコ材が結果として得られることが判明している。刻みくずタバコは、タバコ材の形の混合物、例えば紙再生タバコ、葉タバコ、押し出しタバコおよびバンドキャストされたタバコのうちの1つ以上との混合物から形成することができる。選択的にタバコ材は、紙再生タバコまたは紙再生タバコと葉タバコの混合物を含む。
【0108】
本明細書に記載したタバコ材においてタバコ材は、充填材成分を含んでもよい。充填材成分は、一般に非タバコ成分、即ちタバコ由来の成分を含まない成分である。充填材成分は、木繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填材成分は、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。充填材成分は、非タバコキャスト材または非タバコ押し出し材であってもよい。充填材成分は、タバコ材の重量で0~20%または組成物の重量で1~10%の量で存在してもよい。一部の実施態様では充填材成分は含まれない。
【0109】
本明細書に記載したタバコ材においてタバコ材は、エアロゾル形成材を含む。本文脈において「エアロゾル形成材」は、エアロゾルの発生を促進させる化学物質である。エアロゾル形成材は、気体の初期の気化および/または吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝集を促進することによってエアロゾルの発生を促してもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、エアロゾル発生材からの風味の供給を向上させてもよい。一般にあらゆる好適なエアロゾル形成材または形成剤を本願明細書で説明したものを含む本発明のエアロゾル発生材に含有させてもよい。他の好適なエアロゾル形成材としては、ソルビトール、グリセロールおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコール類などのポリオール、一価アルコールなどの非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸類、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸エステルなどのエステル類およびステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセロール、プロピレングリコールまたはグリセロールとプロピレングリコールの混合物であってもよい。グリセロールは、タバコ材の重量で10~20%、例えば組成物の重量で13~16%、または組成物の重量で約14%または15%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、もし含まれるのであれば、組成物の重量で0.1~0.3%の量で存在してもよい。
【0110】
エアロゾル形成材は、あらゆる部材、例えばタバコ材からなるあらゆる部材および/またはもしあれば充填材成分に含有されてもよい。これとは別にまたは加えてエアロゾル形成材はタバコ材に別個に加えられてもよい。いずれの場合においてタバコ材中のエアロゾル形成材の総量は本明細書に記載のものであってもよい。
【0111】
タバコ材は、10~90重量%のタバコ葉を含んでもよく、エアロゾル形成材は、葉タバコの約10重量%の量で供される。タバコ材の重量で10%~20%のエアロゾル形成材の総量を達成するためにこれを再生タバコ材などのタバコ材別の成分に高い重量パーセンテージに加えると有利であることが分かっている。
【0112】
本明細書に記載のタバコ材は、ニコチンを含む。ニコチン含有量は、タバコ材の重量で0.5~1.75%であり、例えば、タバコ材の重量で0.8~1.5%であってもよい。さらにまたはこれとは別にタバコ材は、タバコ葉の重量の1.5%超のニコチン含有量を有するタバコ葉を10~90重量%含む。ニコチン含有量が1.5%超のタバコ葉を紙再生タバコなどの低ニコチンベース材料と組み合わせて使用することで適当な量のニコチンを含むが、紙再生タバコ単独で使用するより良好な知覚性能を有するタバコ材を得られるという有利なことが分かっている。タバコ葉、例えば刻みくずタバコは、例えばタバコ葉の重量で1.5%~5%のニコチン含有量を有してもよい。
【0113】
本明細書に記載のタバコ材は本明細書に記載のような風味料のいずれかのようなエアロゾル変性剤を含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は、メンソール化された物品を形成するメンソールを含む。タバコ材は、3mg~20mgのメンソール、任意に5mg~18mg、そしてより好ましくは8mg~16mgのメンソールを含んでもよい。本例ではタバコ材は、16mgのメンソールを含む。タバコ材は、2重量%~8重量%のメンソール、任意に3重量%~7重量%のメンソール、そしてより好ましくは4重量%~5.5重量%のメンソールを含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は、4.7重量%のメンソールを含む。メンソールのこのような高い充填量は、例えば重量で50%超のタバコ材などの高いパーセンテージの再生タバコ材を使用することで達成される。これとは別にまたはこれに加えて高い容量のエアロゾル発生材、例えばタバコ材を使用することで例えば約500mm3超、または好適には1000mm3超のタバコ材などのエアロゾル発生材が使用される場合に達成されるメンソール充填量を増加させることができる。
【0114】
本明細書に記載の組成において、量を重量%で示した場合、誤解を避けるためにこれは、特段の記載がない限り乾燥重量基準を意味する。従って、タバコ材またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は、重量%の測定の目的のために完全に無視する。本明細書で説明するタバコ材の水分量は異なってもよく、例えば5~15重量%であってもよい。本明細書で説明するタバコ材の水分量は、例えばその組成物が維持される温度、圧力および湿度条件に応じて異なってもよい。水分量は、当業者に知られているようなKarl-Fisher分析によって測定してもよい。一方、誤解を避けるためにエアロゾル形成材がグリセロールまたはプロピレングルコールなどの液相にある成分の場合であっても水以外のあらゆる成分はタバコ材の重量に含まれる。しかしながら、エアロゾル形成材がタバコ材に別個に加えられる代わりにまたは加えることに加えて、タバコ材のタバコ成分またはタバコ材の充填部材(ある場合)に供される場合、エアロゾル形成材はタバコ組成物または充填部材の重量で含まれず、本明細書で規定する重量%で「エアロゾル形成材」の重量に含まれる。タバコ組成物に存在する全ての他の成分は、非タバコ由来であっても(例えば紙再生タバコの場合の非タバコ繊維)タバコ成分の重量に含まれる。
【0115】
ある実施態様ではタバコ材は、本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とを含む。ある実施態様ではタバコ材は、実質的に本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とからなる。ある実施態様ではタバコ材は、本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とからなる。
【0116】
紙再生タバコは、タバコ成分の重量で10%~100%の量で本明細書に記載したタバコ材のタバコ成分中に存在する。いくつかの実施態様では紙再生タバコはタバコ成分の重量で10%~80%または20%~70%の量で存在する。別の実施態様ではタバコ成分は紙再生タバコから実質的になるまたは紙再生タバコからなる。好ましい実施態様では葉タバコは、タバコ成分の重量で少なくとも約10%の量でタバコ材のタバコ成分中に存在する。例えば、葉タバコはタバコ成分の重量で少なくとも10%の量で存在してもよく、タバコ成分の残りは、紙再生タバコ、バンドキャストされたタバコまたはバンドキャストされた再生タバコおよびタバコ粒などの別の形体のタバコの組み合わせを含む。
【0117】
紙再生タバコとは、タバコ原料が可溶分の抽出物と繊維材を含む残渣となるように溶媒で抽出され、次に抽出物(通常濃縮した後、そして任意にさらなる処理をした後)を残渣からの繊維材(通常、繊維材から不純物の除いた後、そして任意に非タバコ繊維を僅かに加えて)と抽出物を繊維材に堆積させることによって再結合する工程によって形成されるタバコ材を意味する。再結合工程は、製紙工程に似ている。
【0118】
紙再生タバコは、当業界で知られているあらゆる種類の紙再生タバコであってもよい。特定の実施態様では紙再生タバコは、タバコ条片、タバコ葉柄、および全葉タバコのうちの1つ以上を含む原料から製造される。別の実施態様では紙再生タバコはタバコ条片および/または全葉タバコおよびタバコ葉柄からなる原料から製造される。しかしながら、他の実施態様ではくず、微粉およびもみ殻をこれとは別にまたは加えて原料に採用してもよい。
【0119】
本明細書に記載のタバコ材に使用するための紙再生タバコは、紙再生タバコの調製のための当業者に知られている方法で調製してもよい。
【0120】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、本明細書に記載の物品1のエアロゾル発生材3を加熱するために使用される。非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、任意にコイルを含み、これは他の構成と比較して物品1への熱伝導を向上させることが分かっている。
【0121】
一部の例ではコイルは、使用時、少なくとも1つの導電性加熱素子を加熱するように構成され、これにより熱エネルギーがその少なくとも1つの導電性加熱素子からエアロゾル発生材へと伝導可能になり、これによりエアロゾル発生材の加熱を引き起こす。
【0122】
一部の例ではコイルは、使用時少なくとも1つの加熱素子の中を通るための変動磁場を発生させるように構成されており、これにより少なくとも1つの加熱素子の誘導加熱および/または磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。このような構成では該または各加熱素子は、本明細書で定義されるように「サセプタ」と言ってもよい。使用時に1つの導電性加熱素子の中を通るための変動磁場を発生させ、これにより少なくとも1つの導電性加熱素子の誘導加熱を引き起こすように構成されているコイルは、「誘導コイル」または「インダクタコイル」と言ってもよい。
【0123】
本デバイスは、例えば1つ以上の導電性加熱素子などの1つ以上の加熱素子を含み、これら1つ以上の加熱素子はこれら1つ以上の加熱素子の加熱ができるように好適にはコイルに対して配置するまたは配置可能であってもよい。1つ以上の加熱素子はコイルに対して固定されてもよい。これとは別に少なくとも1つの加熱素子、例えば少なくとも1つの導電性加熱素子は、デバイスの加熱領域への挿入のために物品1に含まれてもよく、物品1は、エアロゾル発生材3を含み、使用後加熱領域から取り除かれる。これとは別にデバイスとそのような物品1は、少なくとも1つのそれぞれ用の加熱素子、例えば少なくとも1つの導電性加熱素子を含んでもよく、コイルは、物品が加熱領域にあるとき、デバイスと物品それぞれの1つ以上の加熱素子の加熱を引き起こす。
【0124】
一部の例ではコイルは螺旋形である。一部の例ではコイルは、エアロゾル発生材を収容するように構成されたデバイスの加熱領域の少なくとも一部を囲む。一部の例ではコイルは、加熱領域の少なくとも一部を囲む螺旋コイルである。
【0125】
一部の例ではデバイスは、加熱領域を少なくとも部分的に囲む導電性加熱素子を含み、コイルは、導電性加熱素子の少なくとも一部を囲む。一部の例では導電性加熱素子は管状である。一部の例ではコイルは、インダクタコイルである。
【0126】
一部の例ではコイルを使用することによって非燃焼系エアロゾル供給デバイスを非コイルエアロゾル供給デバイス装置より速く作動温度に到達させることができる。例えば、上述のようにコイルを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、最初にパフがデバイス加熱プログラムの起動から30秒未満、任意に25秒未満で提供できるように作動温度に到達することができる。一部の例ではデバイスは、デバイス加熱プログラムの起動から約20秒で作動温度に到達することができる。
【0127】
エアロゾル発生材の加熱を引き起こすためにデバイスに本明細書に記載したようなコイルを使用することは生成されるエアロゾルを向上させることが分かっている。例えば、消費者は、本明細書に記載したもののようなコイルを含むデバイスによって発せられたエアロゾルは、他の非燃焼系エアロゾル供給システムによって製せられたエアロゾルより工場製紙巻きタバコ(factory made cigarette、FMC)に感覚的に近いと報告している。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはコイルを使用した際に必要とされる加熱温度に到達する時間の短縮、コイルを使用した際に達成される高い加熱温度および/またはコイルによってそのようなシステムが比較的多量のエアロゾル発生材を同時に加熱することを可能にし、結果としてFMCのエアロゾル温度に似た温度のエアロゾルが得られると推定される。FMC製品では、燃えている燃えさしがエアロゾルがロッドを通して引き込まれる際にその燃えさしの後のタバコロッドのタバコを加熱する熱いエアロゾルを発生させる。この熱いエアロゾルが燃えている燃えさしの後のロッドのタバコから風味化合物を放出させていると理解されている。本明細書に記載したようなコイルを含むデバイスは、本明細書に記載したようなタバコ材などのエアロゾル発生材を加熱して、風味化合物を放出させることもでき、結果としてFMCエアロゾルにより類似していると報告されたエアロゾルが得られると考えられている。円周が19mm超、例えば約19mm~23mmのエアロゾル発生材ロッドを含む物品を加熱するコイルを含むデバイスを使用することによってエアロゾルの特定の改善が達成される。
【0128】
本明細書に記載したようなコイル、例えばエアロゾル発生材の少なくとも一部を少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃に加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することでFMC製品のエアロゾルにより類似すると考えられている特定の特性を有するエアロゾルをエアロゾル発生材から発生させることができる。例えば、ニコチンを含むエアロゾル発生材を2秒間少なくとも250℃に誘導ヒーターを使用して加熱した場合、次の特徴のうちの1つ以上が観察された、
少なくとも10μgのニコチンがエアロゾル発生材からエアロゾル化される、
発生したエアロゾル中のニコチンに対するエアロゾル形成材の重量比は少なくとも約2.5:1、好適には少なくとも8.5:1である、
少なくとも100μgのエアロゾル形成材がエアロゾル発生材からエアロゾル化される、
発生したエアロゾル中の平均粒径または滴径は約1000nm未満である、
エアロゾル密度は少なくとも0.1μg/ccである。
【0129】
場合によっては少なくとも10μgのニコチン、好適には少なくとも30μgまたは40μgのニコチンが、その2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。場合によっては約200μg未満、好適には約150μg未満または約125μg未満のニコチンがその2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。
【0130】
場合によっては少なくとも100μgのエアロゾル形成材、好適には少なくとも200μg、500μgまたは1mgのエアロゾル形成材がその2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。好適にはエアロゾル形成材は、グリセロールを含んでもよいまたはグリセロールからなる。
【0131】
本明細書で定義される「平均粒径または滴径」なる用語は、エアロゾルの固体または液体成分(即ち、気体中に懸濁している成分)の大きさの平均を意味する。エアロゾルが懸濁した液滴および懸濁した固体粒子を含む場合、その用語は、すべての成分を合わせた大きさの平均を意味する。
【0132】
場合によっては発生したエアロゾルの平均粒径または滴径は、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、450nmまたは400nm未満であってもよい。場合によっては平均粒径または滴径は、約25nm、50nmまたは100nm超であってもよい。
【0133】
場合によっては上記期間の間に発生するエアロゾルの密度は、少なくとも0.1μg/ccであってもよい。場合によってはエアロゾル密度は少なくとも0.2μg/cc、0.3μg/ccまたは0.4μg/ccである。場合によってはエアロゾル密度は、約2.5μg/cc、2.0μg/cc、1.5μg/ccまたは1.0μg/cc未満である。
【0134】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、物品1のエアロゾル発生材3を任意に少なくとも160℃の最大温度に加熱するように構成されている。任意に非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスによる加熱工程中に少なくとも一度、物品1のエアロゾル形成材3を少なくとも約200℃、または少なくとも約220℃または少なくとも約240℃、より好ましくは少なくとも約270℃の最大温度に加熱するように構成されている。
【0135】
本明細書中で説明したようなコイル、例えば少なくともエアロゾル発生材の一部を少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃に加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することで、エアロゾルが吸い口端セクション2の吸い口端部を出る際にFMC製品により近いと考えられているエアロゾルの発生に貢献する以前の装置より本明細書に記載した物品1のエアロゾル発生材からより高い温度のエアロゾルを発生させることができる。例えば、物品1の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、任意に50℃超、より好ましくは55℃超、さらにより好ましくは56℃または57℃超である。さらにまたはこれとは別に物品1の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、62℃未満、より好ましくは60℃未満、より好ましくは59℃未満である。一部の実施態様では物品1の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、任意に50℃~62℃、より好ましくは56℃~60℃である。
【0136】
図5は、本明細書に記載した物品1のエアロゾル発生材3などのエアロゾル発生媒体/材料からエアロゾルを発生させるための非燃焼系エアロゾル供給デバイス100の一例を示している。大筋においてデバイス100は、デバイス100のユーザーによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を発生させるためにエアロゾル発生媒体を含む交換可能な物品110、例えば本明細書に記載の物品1を加熱するために使用してもよい。デバイス100と交換可能な物品110は共にシステムを形成する。
【0137】
デバイス100は、デバイス100の種々の部品を囲み、収容するハウジング102(外方カバーの形体)を含む。デバイス100は、一端部に開口部104を有し、それを介して物品110が加熱集合体による加熱のために挿入される。使用時、物品110は、加熱集合体に完全にまたは部分的に挿入され、そこで加熱集合体の1つ以上の部品によって加熱される。
【0138】
この例のデバイス100は、第1端部部材106を含み、これは蓋108を含み、この蓋は、物品110が所定の位置に無いときに開口部104を閉じるために第1端部部材106に対して可動である。
図5において蓋108は、開いた形態に示されているが、蓋108は閉じた形態に移動する。例えば、ユーザーは矢印「B」の方向に蓋108をスライドさせる。
【0139】
デバイス100は、押されるとデバイス100を作動させるボタンまたはスイッチなどのユーザーが操作できる調整部材112を含んでもよい。例えば、ユーザーはスイッチ112を操作してデバイス100の電源を入れてもよい。
【0140】
またデバイス100は、ソケット/ポート114などの電機部品を含み、これらはデバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを収容してもよい。ソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0141】
図6は、
図5のデバイス100を外方カバー102が外され、物品110が存在しない状態を示している。デバイス100は長手方向軸134を画定する。
【0142】
図6に示すように第1端部部材106は、デバイス100の一端に配され、第2端部部材116は、デバイス100の反対の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、共にデバイス100の端部面を少なくとも部分的に画定している。例えば、第2端部部材116の底部面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部面を画定している。外方カバー102の縁部も端部面の一部を画定している。この例では蓋108もデバイス100の上面の一部を画定している。
【0143】
開口部104に近い方のデバイスの端部は、使用時にユーザーの口に近くなるのでデバイス100の近位端(または吸い口端部)としても知られている。使用時、ユーザーは、開口部104に物品110を挿入し、ユーザー制御部を操作してエアロゾル発生材の加熱を開始し、デバイスに発生したエアロゾルを吸い込む。これによりデバイス100の近位端に向かう流路に沿ってデバイス100内にエアロゾルが流れるようにする。
【0144】
開口部104から離れている装置の他端部は、使用時にユーザーの口から離れる方の端部となるので、デバイス100の遠位端としても知られている。ユーザーがデバイスに発生したエアロゾルを吸い込むと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れるように流れる。
【0145】
デバイス100は、動力源118をさらに含む。動力源118は、例えば充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例としては、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなどの)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)およびアルカリバッテリーなどが挙げられる。バッテリーは、加熱集合体に電気的に接続され、エアロゾル発生材を加熱するために必要に応じてそしてコントローラ(図示せず)の制御の下電力を供給する。この例ではバッテリーは、バッテリー118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続される。
【0146】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに含む。電子モジュール122は、例えば印刷回路板(PCB)を含んでもよい。PCB122は、少なくとも1つのプロセッサーおよびメモリーなどのコントローラを支持してもよい。またPCB122は、デバイス100の種々の電子部品を共に電気的に接続する1つ以上の電気トラックを含んでもよい。例えば、バッテリー端子がPCB122に電気的に接続され、電力をデバイス100全体に配分することができるようになっている。またソケット114は、電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
【0147】
デバイス100の例では加熱集合体は、誘導加熱集合体であり、誘導加熱工程を介して物品110のエアロゾル発生材を加熱するための種々の部材を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性の物体(サセプタなどの)を加熱する工程である。誘導加熱集合体は、誘導部材、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの変動電流を誘導部材に通すためのデバイスとを含んでもよい。誘導部材内の変動電流は、変動磁場を発生させる。変動磁場は、好適には誘導部材に対して位置決めされたサセプタに侵入し、サセプタの内側に渦電流を発生させる。サセプタは、渦電流に対して電気抵抗を有し、従って、この抵抗に対する渦電流の流れによってサセプタがジュール加熱によって加熱されるようにする。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材を含む場合、熱がサセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、即ち変動磁場と合致することの結果として磁性材の磁気双極子の向きの変化によって発せられてもい。誘導加熱では例えば伝導による加熱に比べて熱がサセプタの内側に発せられ、素早い加熱を可能にする。さらに誘電ヒーターとサセプタとの間になんら物理的な接触の必要が無く、構造および用途の自由度を高めることができる。
【0148】
デバイス100の例の誘導加熱集合体は、サセプタ構造体132(以下、「サセプタ」とする)、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126とを含む。第1および第2インダクタコイル124、126は、導電性材料から作製される。この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、リッツ線/ケーブルから作製され、これは螺旋状に巻かれ、ヘリカルインダクタコイル124、126を供する。リッツ線は、複数の個別の線を含み、これらは個別に絶縁され、一緒にねじられて1本の線を形成する。リッツ線は、導体中の表皮効果損失を減らすように設計されている。デバイス100の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、矩形断面の銅リッツ線から作製される。他の例ではリッツ線は、円形などの他の形状の断面を有してもよい。
【0149】
第1インダクタコイル124は、サセプタ132の第1セクションを加熱するための第1の変動磁場を発生させるように構成され、第2インダクタコイル126は、サセプタ132の第2セクションを加熱するための第2の変動磁場を発生させるように構成されている。この例では第1インダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向に第2インダクタコイル126と隣接する(即ち、第1および第2インダクタコイル124、126は、重ならない)。サセプタ構造体132は、単独のサセプタまたは2つ以上のサセプタを含んでもよい。第1および第2インダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続される。
【0150】
当然のことながら一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、少なくとも1つの互いに異なる特徴を有してもよい。例えば、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは少なくとも1つの異なる特徴を有してもよい。例えば1つの例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なるインダクタンスの値を有してもよい。
図6では第1および第2インダクタコイル124、126は、第1インダクタコイル124が第2インダクタコイル126よりサセプタ132の小さいセクションに巻かれるように長さが異なる。従って、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは巻き数が異なってもよい(個々の巻き間の間隔は実質的に同じだと仮定して)。さらに別の例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なる材料から作製されてもよい。一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、実質的に同じであってもよい。
【0151】
この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、反対方向に巻かれて示されている。これはインダクタコイルが異なる時間にアクティブである時に役に立つ。例えば、最初に第1インダクタコイル124が物品110の第1セクション/部分を加熱するために作動させて、その後に第2インダクタコイル126は物品110の第2セクション/部分を加熱するために作動させてもよい。異なる方向にコイルを巻くことは、特定の種類の制御回路と使用する場合にインダクタコイルに誘導される電流の減少の補助をする。
図6では第1インダクタコイル124が右巻き螺旋で、第2インダクタコイル126は、左巻き螺旋である。しかしながら、別の実施態様ではインダクタコイル124、126は、同じ方向に巻かれてもよく、あるいは第1インダクタコイル124は、左巻き螺旋で、第2インダクタコイル126は、右巻き螺旋であってもよい。
【0152】
この例のサセプタ132は、中空であり、したがってその中にエアロゾル発生材が収容される受け部を画定する。例えば、物品110は、サセプタ132内に挿入される。この例ではサセプタ132は、管状で円形の断面を有する。
【0153】
サセプタ132は、1つ以上の材料から作製してもよい。好ましくはサセプタ132は、ニッケルまたはコバルトのコーティングを有するカーボンスチールを含む。
【0154】
一部の実施態様ではサセプタ132は、少なくとも2種類の材料を含んでもよく、これらは選択的なエアロゾル化のために2つの異なる周波数で加熱することができる。例えば、サセプタ132の第1セクション(第1インダクタコイル124によって加熱される)は、第1の材料を含んでもよく、第2インダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2セクションは、異なる第2の材料を含んでもよい。別の例では第1セクションは、第1および第2の材料を含んでもよく、第1および第2の材料は、第1インダクタコイル124の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第1および第2の材料は、サセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。同様に第2セクションは第3および第4の材料を含んでもよく、これら第3および第4の材料は、第2インダクタコイル126の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第3および第4の材料は、サセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は、第1の材料と同じでもよく、第4の材料は、第2の材料と同じであってもよい。これとは別にこれら材料のそれぞれは異なってもよい。サセプタは、例えば炭素鋼またはアルミニウムを含んでもよい。
【0155】
図6のデバイス100は、一般に管状であり少なくとも部分的にサセプタ132を囲む絶縁部材128をさらに含む。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材から構成されてもよい。この特定の例では絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成される。絶縁部材128は、デバイス100の種々の部品をサセプタ132内に発せられる熱から絶縁するために役立つ。
【0156】
また絶縁部材128は、完全にまたは部分的に第1および第2インダクタコイル124、126を支持してもよい。例えば、
図6に示すように第1および第2インダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周囲で位置決めされ、絶縁部材128の半径方向外方の面と接触する。一部の例では絶縁部材128は、第1および第2インダクタコイル124、126と当接しない。例えば小さい隙間が絶縁部材128の外面と第1および第2インダクタコイル124、126の内面の間に存在してもよい。
【0157】
具体的な例ではサセプタ132、絶縁部材128および第1および第2インダクタコイル124、126は、サセプタ132の中央長手方向軸を中心に同軸である。
【0158】
図7は、デバイス100の側部を一部断面にて示している。外方カバー102がこの例では示されている。第1および第2インダクタコイル124、126の矩形の断面形状がより明らかに視認できる。
【0159】
デバイス100は、サセプタ132を所定の位置に保持するためにサセプタ132の一端と係合する支持体136をさらに含む。支持体136は、第2端部部材116に接続されている。
【0160】
またデバイスは、調整部材112に関連付けられた第2プリント基板138を含む。
【0161】
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140およびバネ142をさらに含む。バネ142は、第2の蓋140を開けて、サセプタ132に触れられるようにする。ユーザーは、第2の蓋140を開けてサセプタ132および/または支持体136を掃除してもよい。
【0162】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から離れてデバイスの開口部104の方に延びた膨張チェンバー144をさらに含む。少なくとも部分的に膨張チェンバー144内に配置されているのは、デバイス100内に収容された際に物品110と当接し、保持する保持クリップ146である。膨張チェンバー144は、端部部材106に接続されている。
【0163】
図8は、外方カバー102が省略されている
図7のデバイス100の分解図である。
【0164】
図9Aは、
図7のデバイス100の一部の断面を示している。
図9Bは、
図9Aのある領域の拡大図である。
図9Aおよび9Bは、サセプタ132内に収容された物品110を示し、物品110は、その外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法になっている。これにより加熱が最も効率的になる。この例の物品110は、エアロゾル発生材110aを含む。エアロゾル発生材110aはサセプタ132内に位置決めされる。また物品110は、フィルター包装材および/または冷却構造体などの他の部材を含んでもよい。
【0165】
図9Bは、サセプタ132の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離150の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることを示している。1つの特定の例では距離150は、約3mm~4mm、約3~3.5mmまたは約3.25mmである。
【0166】
図9Bは、絶縁部材128の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離152の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることをさらに示している。1つの特定の例では距離152は約0.05mmである。別の例ではその距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接し、触れるように実質的には0mmである。
【0167】
1つの例ではサセプタ132の壁厚154は、約0.025mm~1mm、または約0.05mmである。
【0168】
1つの例ではサセプタ132の長さは、約40mm~60mm、約40mm~45mmまたは約44.5mmである。
【0169】
1つの例では絶縁部材128の壁厚156は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mmまたは約0.5mmである。
【0170】
使用時、本明細書に記載の物品1は、
図5~8を参照して説明したデバイス100などの非燃焼系エアロゾル供給デバイス内に挿入される。物品1の吸い口端セクション2の少なくとも一部は、非燃焼系エアロゾル供給デバイス100から突出し、ユーザーの口の中に入れられる。エアロゾルがデバイス100を使用してエアロゾル発生材3を加熱することによって生成される。エアロゾル発生材3によって生成されたエアロゾルは、吸い口端セクション2を通ってユーザーの口へと移動する。
【0171】
物品1がデバイス100に挿入された際、加熱集合体の1つ以上の部品と物品1の管状部分との間の最小距離は、3mm~10mmの範囲内、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。
【0172】
一部の実施態様ではエアロゾル変性部材および使用時、エアロゾル発生材がエアロゾルを供するようにエアロゾル発生材を加熱するように動作可能なヒーターを含む非燃焼系エアロゾル供給システムが提供される。エアロゾル変性部材は、少なくとも1つのカプセル、例えば第1および第2カプセルを含む。第1のカプセルは、エアロゾル変性部材の第1の部分に配され、第2のカプセルは、第1の部分の下流のエアロゾル変性部材の第2の部分に配される。
【0173】
エアロゾル変性部品の第1の位置は、エアロゾルを発生させるためにヒーターの作動中に第1の温度に加熱され、第2の部分は、エアロゾルを発生させるためにヒーターの作動中に第2の温度に加熱され、第2の温度は、第1の温度より少なくとも4℃低い。任意に第2の温度は、第1の温度より少なくとも5、6、7、8、9または10℃低い。
【0174】
図10は、送出システムに使用するための物品1の製造方法を例示している。具体的には
図10は、
図1および2を参照して説明した物品1の製造方法を例示している。本発明の方法は、エアロゾル発生材および吸い口端セクションを供する第1の工程S1を含む。第2の工程S2は、長手方向軸、内壁および空気を管状部材内に引き込む際に通過する換気領域を有する管状部材をエアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に配置することを含む。第3の工程S3は、外面を有する部品を管状部材に配置することを含み、この管状部材は、この部品と前記内壁の間に流れ経路を画定し、換気空気と流れ経路に沿って流れているエアロゾルとの混合物が前記吸い口端セクション内に流れる前に換気空気がエアロゾルと混ざるように換気領域を通って流れ経路に入るように構成されている。最後に図に示した物品1を形成するために本発明の方法は、ろ過セクションを管状部材と吸い口端セクションの間に配置することを含む任意の工程S4を含んでもよい。
【0175】
図11は、送出システムに使用するための別の物品の製造方法を例示している。具体的には
図11は、
図3を参照して説明した物品1の製造方法を例示している。この方法は、エアロゾル発生材、吸い口端セクションおよび中空のスペーサー部材を供する第1の工程S1を含む。この方法は、長手方向軸と内壁を有する管状部材をエアロゾル発生材と中空のスペーサー部材の間に配置する第2の工程S2を含む。この方法は、外面を有する部品を管状部材に配置することを含み、この管状部材は、この部品と前記内壁の間に流れ経路を画定し、換気空気が前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように中空のスペーサー部材に入るように構成されている第3の工程S3を含む。
【0176】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材と、
吸い口端セクションと、
長手方向軸を有し、エアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に位置し、内壁を含む管状部材と、
空気を管状部材内に引き込む管状部材に設けられた換気領域とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品であって、
部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、
換気領域は、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている物品。
【請求項2】
エアロゾル発生材と、
吸い口端セクションと、
スペーサー部材と、
長手方向軸を有し、エアロゾル発生材とスペーサー部材の間に位置し、内壁を含む管状部材と、
空気がスペーサー部材内に引き込まれる際に通過するスペーサー部材に設けられた換気領域とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品であって、
部品が管状部材に収容され、その部品は、外面を有し、管状部材を通るエアロゾル流が部品のその外面と管状部材の前記内壁の間に形成された流れ経路内に迂回させられるように構成され、
換気領域は、換気空気がスペーサー部材に入り、吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている物品。
【請求項3】
スペーサー部材は中空であることを特徴とする請求項2記載の物品。
【請求項4】
換気領域は、換気空気がエアロゾルが流れる流れ経路内を直接通過するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項5】
エアロゾルは、管状部材に沿って軸方向に流れ、換気領域は、換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が管状部材の前記長手方向軸に対して角度を付けて流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ流れるように構成されていることを特徴とする請求項1または4記載の物品。
【請求項6】
換気領域は、換気領域を介して流れ経路に入る換気空気が管状部材の前記長手方向軸に対して実質的に直角に流れ経路に沿って流れるエアロゾルの方へ流れるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の物品。
【請求項7】
部品は、流れ経路が前記部品の外面と管状部材の内壁の間を延びるように形成され、管状部材内に配置されていることを特徴とする請求項1
または2記載の物品。
【請求項8】
部品は、円筒状で長手方向軸を有することを特徴とする請求項1
または2記載の物品。
【請求項9】
部品は、その長手方向軸が管状部材の長手方向軸と同軸になるように管状部材内に配置されていることを特徴とする請求項8記載の物品。
【請求項10】
ポケットまたは窪みが部品の前記外面に形成され、流れ経路の少なくとも一部を形成していることを特徴とする請求項1
または2記載の物品。
【請求項11】
前記ポケットまたは窪みは、部品の長さに沿って軸方向に延びていることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項12】
前記ポケットまたは窪みは、直線状であることを特徴とする請求
項11記載の物品。
【請求項13】
ポケットまたは窪みの少なくとも一部は、それが部品に沿って前記軸方向に延びる際に部品の周囲を延びていることを特徴とする請求
項11記載の物品。
【請求項14】
部品の前記外面に形成された複数のポケットまたは窪みを含むことを特徴とする請求
項11記載の物品。
【請求項15】
各ポケットまたは窪みは、その隣接するポケットまたは窪みから円周方向に間隔が空けられていることを特徴とする請求項14記載の物品。
【請求項16】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、管状部材の周面に延びた一連の換気開口部を含むことを特徴とする請求項
1記載の物品。
【請求項17】
換気領域は、互いに間隔が空けられ、中空のスペーサー部材の周面に延びた一連の換気開口部を含むことを特徴とする請求項
3記載の物品。
【請求項18】
各換気開口部は、部品内の対応するポケットまたは窪みと位置合わせされていることを特徴とする請求
項15記載の物品。
【請求項19】
部品の外面は、管状部材の内壁から間隔が空けられていることを特徴とする請求項
1記載の物品。
【請求項20】
部品の外面の一部は、管状部材の内壁と接触することを特徴とする請求項
1または2記載の物品。
【請求項21】
部品は、エアロゾル発生材から長手方向に間隔が空けられていることを特徴とする請求項1
または2記載の物品。
【請求項22】
中空のスペーサー部材は、紙の管を含むことを特徴とする請求項
3記載の物品。
【請求項23】
管状部材と吸い口端セクションの間にろ過セクションを含むことを特徴とする請求項
1記載の物品。
【請求項24】
部品は、ろ過セクションから管状部材内に延びていることを特徴とする請求項23記載の物品。
【請求項25】
部品は、ろ過セクションと一体に形成されていることを特徴とする請求項24記載の物品。
【請求項26】
部品とろ過セクションは、同じ材料から形成されていることを特徴とする請求項25記載の物品。
【請求項27】
部品は、通気性であることを特徴とする請求項1
または2記載の物品。
【請求項28】
ろ過セクションと部品は、フィラメントトウを含むことを特徴とする請求項23記載の物品。
【請求項29】
フィラメントトウは、セルロースアセテートを含むことを特徴とする請求項28記載の物品。
【請求項30】
部品は、非通気性であることを特徴とする請求項
1または2記載の物品。
【請求項31】
エアロゾル発生材と吸い口端セクションを供することと、
長手方向軸、内壁を有する管状部材であり、空気を管状部材内に引き込む換気領域をさらに有する管状部材を、エアロゾル発生材と吸い口端セクションの間に配置することと、
外面を有する部品を管状部材に配置することとを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の製造方法であって、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気が換気領域を介して流れ経路に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている方法。
【請求項32】
エアロゾル発生材、吸い口端セクションおよびスペーサー部材を供することと、
長手方向軸と内壁を有する管状部材をエアロゾル発生材とスペーサー部材の間に配置することと、
外面を有する部品を管状部材に配置することとを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の製造方法であって、この管状部材は、部品と前記内壁の間に流れ経路を画定して、換気空気がスペーサー部材に入り、前記吸い口端セクション内に流れる前に流れ経路に沿って流れているエアロゾルと混ざるように構成されている方法。
【請求項33】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、
請求項1
または2記載の物品とを含むシステム。
【国際調査報告】