(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】運搬車両を支持するための方法
(51)【国際特許分類】
B66C 23/78 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B66C23/78 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579234
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 AT2022060212
(87)【国際公開番号】W WO2022266687
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】GM50128/2021
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518129329
【氏名又は名称】パルフィンガー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】PALFINGER AG
【住所又は居所原語表記】Lamprechtshausener Bundesstrasse 8, 5101 Bergheim bei Salzburg, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン ユーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー エミンガー
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ グシャイダー
(72)【発明者】
【氏名】ボバン ペトロニイェビッチ
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA06
3F205FA01
(57)【要約】
支持システム(7)を備えた吊上げ装置(9)用の地盤(10)上に止められた運搬車両(8)を支持するための方法であって、ここで、支持システム(7)は、少なくとも地盤(10)上に支持するための鉛直方向でその長手延在方向長さが調節可能な支持脚(1,2,3,4)と、制御命令により支持脚(1,2,3,4)の駆動部を駆動制御するための制御部(5)と、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両(8)および/または吊上げ装置(9)の傾斜角(a)を捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサ(6)とを有し、ここで、計算方法ステップ(i)において、一連の制御命令が計算され、水準化方法ステップ(ii)において、支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が傾斜角(α)の最小化のために行われ、1つのループ(iii)において、計算方法ステップ(i)および水準化方法ステップ(ii)の繰り返しが行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持システム(7)を備えた吊上げ装置(9)用の地盤(10)上に止められた運搬車両(8)を支持するための方法であって、前記支持システム(7)は、少なくとも
前記地盤(10)上に支持するための鉛直方向でその長手延在方向長さが調節可能な支持脚(1,2,3,4)と、
制御命令により前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部を駆動制御するための制御部(5)と、
少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の傾斜角(α)を捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサ(6)とを有している、方法において、
計算方法ステップ(i)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令が、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下捕捉された傾斜角(α)に基づいて計算され、
水準化方法ステップ(ii)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の前記駆動部の駆動制御が、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の低減のための前記一連の制御命令によって行われ、前記一連の制御命令により、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルス(s1,s2)を用いて行われ、
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化のために、1つのループ(iii)において、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、前記計算方法ステップ(i)および前記水準化方法ステップ(ii)の繰り返しが行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化の後で、監視方法ステップ(iv)において、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の連続的な捕捉が行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な偏差に達するかもしくはそれを上回った場合、少なくとも1つの計算方法ステップ(i)および少なくとも1つの水準化方法ステップ(ii)の実施形態の繰り返しが行われる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ループ(iii)において、事前に実施された水準化方法ステップ(ii)に続く計算方法ステップ(i)において、先行する前記水準化方法ステップ(ii)による前記傾斜角(α)の変化の捕捉を行う、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の時間制限された前記駆動制御は、可変のパルス持続時間を有する制御パルス(s1,s2)を用いた前記一連の制御命令により行われる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記制御パルス(s1,s2)の前記パルス持続時間(t1,t2)は、0.05秒~3.50秒、好適には、0.25秒~1.5秒である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記パルス持続時間(t1,t2)の変化形態、-および場合によっては順次連続する制御パルス(s1,s2)の間の時間的重畳部(d)の変形形態は、以下のもの:
前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の幾何学形状のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の位置のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の数、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下測定された前記傾斜角(α)、ならびに/あるいは
現下で予め設定された前記パルス持続時間(t1,t2)、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)のアクスル(18,19)の位置、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)上に配置された吊上げ装置(9)の位置、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)のねじり剛性および曲げ剛性および/または前記運搬車両(8)のねじれ、ならびに/あるいは
予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に依存して行われる、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記支持システム(7)の個々の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部の前記駆動制御は、1つの駆動制御シーケンスにおける前記一連の制御命令により、予め設定可能なもしくは予め設定された順序で行われる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記水準化方法ステップ(ii)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部を駆動制御する際に、前記支持脚(1,2,3,4)の長手延在方向長さの拡大および/または縮小を行う、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の前記駆動制御は、順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間に時間制限され予め設定されたもしくは予め設定可能な重畳部(d)を有する制御パルス(s1,s2)を用いた前記一連の制御命令により行われる、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間の前記重畳部(d)内で、最大で2つの駆動部の同時駆動制御が行われる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間の前記重畳部(d)の持続時間は、0.01秒~0.5秒の間、好適には0.01秒~0.1秒の間である、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、計算ユニットによって実行されるときに、前記計算ユニットとデータ接続を形成するかまたはそのようなデータ接続に移行可能であるメモリユニットから前記計算ユニットに、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実行させる命令を含んでいる、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項1から12までの少なくともいずれか1項記載の方法を実施するように構成された、支持システム(7)用の制御部(5)であって、前記制御部(5)により、
計算動作モードにおいて、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令が、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下捕捉された傾斜角(α)に基づいて計算可能であり、
駆動制御動作モードにおいて、前記支持システムの前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部は、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の低減のための前記一連の制御命令により駆動制御可能であり、前記一連の制御命令により、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルスを用いて行われ、
1つのループ動作モードにおいて、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化のために、1つのループにおいて、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、前記一連の制御命令の計算と、前記一連の制御命令による前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部の前記駆動制御とが繰り返し実施可能である、制御部(5)。
【請求項15】
車両、特に運搬車両(8)であって、請求項1から12までのいずれか1項記載の支持システム(7)と、請求項14記載の制御部(5)とを有する吊上げ装置(9)を備えた車両、特に運搬車両(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、支持システムを備えた吊上げ装置用の地盤上に止められた運搬車両を支持するための方法、そのような方法を実行するためのコンピュータプログラム製品、そのような方法を実施するための支持システム用制御部、ならびにそのような制御部を備えた車両に関する。
【0002】
従来技術では、例えば、運搬車両の停止安全性を高めるために、または運搬車両を予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的に位置合わせするために、支持システムを備えた運搬車両を地盤上に支持することは公知である。この支持は、通常、その長手延在方向長さが調節可能な支持脚を介して行われ、これらの支持脚は、地盤上に支持することができ、長手延在方向長さの変更により、運搬車両の傾斜角に影響を与えることができる。傾斜角センサを用いることにより、予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を捕捉することができる。
【0003】
従来技術では、運搬車両の水準化のために、液圧方式で操作可能な支持システムの形態の装置が公知であり、この装置では、運搬車両の予め設定された水準化(少なくとも水平線に対して0°~3°の間)が達成されるまで、個々の支持脚の操作が手動でかつ反復的に行われる。
【0004】
従来技術では、運搬車両の少なくとも部分的に自動的に制御される水準化を可能にするさらなる装置および方法も公知である。
【0005】
米国特許第5580095号明細書からは、液圧シリンダを有する引き出し可能な支持脚を備えた水準化システムが公知である。運搬車両の横方向軸線周りで測定された傾斜角と、長手方向軸線周りで測定された傾斜角とから出発して、支持脚のための操作時間を計算することができ、これらの操作時間の持続する間は支持脚の駆動制御を行うことができる。
【0006】
独国特許発明第4033761号明細書からは、選択的に圧縮液が供給可能な支持シリンダを備えた水準化装置が公知である。水準化すべき本体の水準化のために、複数の支持シリンダは、圧縮液量の調量により並行してもしくは相前後して引き出すことができる。
【0007】
本発明の課題は、先行技術に比べて改善された、運搬車両の水準化のための方法を提供することである。
【0008】
この課題は、請求項1による方法、そのような方法を実行するためのコンピュータプログラム製品、ならびにそのような方法を実施するように構成された制御部によって解決される。
【0009】
好適な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0010】
本方法は、地盤上への支持システムを備えた運搬車両の支持に用いられる。支持システムにより、例えば、運搬車両の停止安全性を高めることを達成することができ、運搬車両を予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的に位置合わせすることができる。
【0011】
予め設定されたもしくは予め設定可能な空間平面は、例えば水平平面であってよい。運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化後に達成することができる可能な位置合わせは、例えば、水平線に対して0°~3°の間であってよい。
【0012】
支持は、通常、その長手延在方向長さが調節可能な支持脚を介して行われ、これらの支持脚は、地盤上に支持することができ、長手延在方向長さの変更により、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角に影響を与えることができる。
【0013】
運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角は、傾斜した地盤上に止めることにより存在し得る。傾斜角は、運搬車両の積載によって、もしくは運搬車両上に配置された吊上げ装置の負荷によって引き起こされてもよい。
【0014】
支持システムは、車両フレームと接続されていてよい。運搬車両が吊上げ装置を有している場合、支持システムは吊上げ装置に接続されていてよい。
【0015】
支持システムは、2つ以上の支持脚を有することができる。これらの支持脚は、運搬車両もしくは吊上げ装置に対して相対的に異なる位置に配置されていてよい。
【0016】
特に、支持システムは、4つの支持脚を有することができ、それらは、いわゆるH形支持(支持脚のH形の配置)の一部またはX形支持(星形支持とも呼ばれるX形の配置)の一部であってよい。
【0017】
支持システムは、制御命令により支持脚の駆動部を駆動制御するための制御部を有することができる。例えば支持脚は、支持脚の引き入れおよび/または引き出しのための液圧シリンダの形態の駆動部を有することができ、制御部は、液圧シリンダの磁気的に操作可能な制御弁を制御パルスを用いて駆動制御することができる。電気的駆動部の対応する駆動制御部は除外されるべきではない。
【0018】
支持システムが、支持脚が配置されている水平方向に調節可能な支持アームを有することは除外されるべきではない。また、制御部が、制御命令によって支持アームの駆動部を駆動制御するように構成されていることも除外されるべきではない。
【0019】
支持システムは、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサを有することができる。
【0020】
例えば、2つの空間方向に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を捕捉することができる。
【0021】
特に、水平平面を広げている2つの空間方向に対して相対的な傾斜角を捕捉することができる。
【0022】
例えば、運搬車両の横方向軸線周りの傾斜角および/または長手方向軸線周りの傾斜角を、例えば運搬車両のフレームに関連して捕捉することができる。捕捉された傾斜角は、例えば、運搬車両の水平方向位置合わせに関連していてよい。
【0023】
例えば、運搬車両上に配置された吊上げ装置の傾斜角、特に吊上げ装置のクレーン支柱の傾斜角を、水平平面および/または鉛直平面における少なくとも1つの空間方向に対して相対的に捕捉することができる。
【0024】
捕捉された傾斜角は、例えば、水平平面、空間平面、または空間方向に対する吊上げ装置のクレーン支柱の実質的に鉛直方向に延びる旋回軸線の角度であってよい。位置合わせのために、クレーン支柱の旋回軸線が水平線に対して少なくともほぼ直角であることを目標に設定することができる。
【0025】
本方法では、計算方法ステップにおいて、支持システムの支持脚の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令を、運搬車両および/または吊上げ装置の目下捕捉された傾斜角に基づいて計算することができる。
【0026】
制御命令の計算は、運搬車両を、予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的に位置合わせする意図で行うことができる。そのような位置合わせもしくは水準化では、空間方向および/または空間平面が設定されるかもしくは設定可能であってよく、運搬車両の一部もしくは運搬車両上に配置された吊上げ装置の一部は、計算された制御命令の実行により、当該空間方向および/または空間平面に対して位置合わせされる。
【0027】
制御命令の計算は、制御命令の実行によって特定の尺度で傾斜角の低減が達成可能であるように行うことができる。
【0028】
この場合、本方法の実施の際に2つの異なる空間方向への位置合わせが行われる可能性は除外されるべきではない。
【0029】
運搬車両および/または吊上げ装置の目下捕捉された傾斜角を用いることにより、予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対する偏差を特定し、この偏差を低減するために対応する制御命令を計算することができる。
【0030】
運搬車両および/または吊上げ装置の目下捕捉された傾斜角として、計算方法ステップの実施の直前もしくは実施の際の主流であった運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角が理解され得る。
【0031】
水準化方法ステップにおいては、基本的には、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の低減のために、支持システムの支持脚の駆動部の駆動制御を行うことができる。水準化方法ステップの実行の際には、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を少なくとも部分的に低減することができる。
【0032】
一連の制御命令により支持システムの支持脚の駆動部を駆動制御する際には、制御パルスを用いて、支持システムの支持脚の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御することができる。
【0033】
支持脚の個々の駆動部は、実質的に時間的に相互に分離させて一連のもしくは逐次的な駆動制御を行うことができる。
【0034】
駆動部の駆動制御は、制御部によって逐次的に出力されかつ時間制限された制御パルスを用いて行うことができる。
【0035】
支持脚の駆動部の起動は、基本的に制御パルスの時間的な持続時間の間行うことができる。
【0036】
この方法では、1回のループ内での運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化のために、計算方法ステップおよび水準化方法ステップの繰り返しを行うことができる。
【0037】
少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角は、計算方法ステップおよび水準化方法ステップの反復が行われるループのあらゆるラウンドにおいて、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な傾斜角の部分的な低減を行うことができる。
【0038】
ループのあらゆるラウンドでは、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角ならびに所望の位置合わせからの対応する偏差を捕捉することができる。
【0039】
個々の水準化方法ステップの実行の際に、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角が、部分的にしか低減されない場合、少なくとも1つのさらなる計算方法ステップにおいて、支持システムの支持脚の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するためのさらなる一連の制御命令を、先行する水準化方法ステップの実施後に捕捉された運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角に基づいて計算することができる。
【0040】
その後、少なくとも1つのさらなる水準化方法ステップでは、支持システムの支持脚の駆動部の駆動制御を、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化のためにさらなる一連の制御命令によって行うことができる。
【0041】
この繰り返しループは、運搬車両および/または吊上げ装置の捕捉された傾斜角が、予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで実行することができる。閾値は、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角に関連していてよい。
【0042】
この方法により、支持システムを備え、地盤上に止められた吊上げ装置用の運搬車両の位置合わせは、支持脚のクロック制御された、つまり時間的に測定された連続的でかつ場合によっては同時的な駆動制御に代えて、それぞれ制限された持続時間を有する逐次的な一連の複数の制御パルスに分解することができる。
【0043】
制御部により逐次的に出力されかつ時間制限された制御パルスを用いた駆動部の駆動制御により、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を増分方式で低減することができる。
【0044】
計算方法ステップにおいては、一般に、支持システムの支持脚の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令を、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の部分的な低減のために計算することができる。傾斜角の部分的な低減は、運搬車両および/または吊上げ装置の位置合わせのために総じて所望されるもしくは必要とされる傾斜角の低減の一部であってよい。
【0045】
水準化方法ステップにおいては、一般に、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の部分的な低減を行うことができる。傾斜角の部分的な低減は、総じて運搬車両および/または吊上げ装置の位置合わせのために所望されるもしくは必要とされる傾斜角の低減の一部であってよい。
【0046】
運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角を最小化するために、1つのループにおいて、計算方法ステップおよび水準化方法ステップの繰り返しを行うことができ、この場合、ループの各繰り返しの際に、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の部分的な低減のために一連の制御命令を計算し、この一連の制御命令を、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の部分的な低減のために使用することができる。このことは、運搬車両および/または吊上げ装置の捕捉された傾斜角が、予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、つまり総じて運搬車両および/または吊上げ装置の位置合わせのために所望されるもしくは必要とされる傾斜角の低減が達成されるまで、増分方式で行うことができる。
【0047】
本方法の好適な一実施形態では、例えば運搬車両を地盤上に止めた後、地表接触方法ステップにおいて、支持システムの支持脚の駆動部の駆動制御を制御命令により行うことができ、この制御命令により支持脚部が地盤との接触に移行させられる。これらの制御命令は、支持システムの支持脚の個々の駆動部の逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令として、運搬車両および/または吊上げ装置の目下捕捉された傾斜角に基づいて計算することができる。
【0048】
本方法の好適な一実施形態では、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化が行われた後で、監視方法ステップにおいて、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の連続的な捕捉を行うことができる。
【0049】
例えば、運搬車両の支持および位置合わせの後で、この運搬車両に配置された吊上げ装置が作業動作において使用されるか、または例えば運搬車両の積載量が変化する場合、発生した積載量および/または支持に使用された地盤の変化により、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角に不所望な変化が生じる可能性がある。これらの変化は、傾斜角の連続的な捕捉によって識別し特定することができる。
【0050】
ここでは、捕捉された傾斜角が予め設定されたもしくは予め設定可能な偏差に達するかもしくはそれを上回った場合、少なくとも1つの計算方法ステップおよび少なくとも1つの水準化方法ステップの実施形態の繰り返しが行われ得る。この偏差は、位置合わせに使用される閾値に関連していてよい。
【0051】
そのような繰り返しは、制御部により自律的に、または相応に確認した後で、またはユーザによる所期の選択により行うことができる。
【0052】
運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化と同様に、1つのループにおいて、運搬車両および/または吊上げ装置の捕捉された傾斜角が再び予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、計算方法ステップおよび水準化方法ステップの繰り返しを行うことができる。
【0053】
本方法の好適な一実施形態では、事前に実施された水準化方法ステップに続く計算方法ステップにおいて、先行する水準化方法ステップによる傾斜角の変化を捕捉することができる。ここでは、制御命令の行われた実施形態により、傾斜角の対応する低減が達成されたかどうかを特定することができる。そこからは、駆動制御された支持脚が地表接触したかどうかを導出することができる。これにより、運搬車両のねじり剛性および曲げ剛性かつ/または運搬車両のねじれを特定可能であることは除外されるべきではない。
【0054】
本方法の好適な一実施形態では、支持システムの支持脚の個々の駆動部の時間制限された駆動制御は、可変のパルス持続時間を有する制御パルスを用いた一連の制御命令により行うことができる。可変のパルス持続時間を用いることにより、支持システムの異なるパラメータを考慮に入れることができる。
【0055】
ここでは、好適には、制御パルスのパルス持続時間は、0.05秒~3.50秒であり得る。好適には、制御パルスのパルス持続時間は、0.25秒~1.5秒であり得る。制御パルスのパルス持続時間は、0.25~0.50であることも考えられる。
【0056】
パルス持続時間の変形形態、-および場合によっては順次連続する制御パルスの重畳部の持続時間の変形形態-は、基本的に以下のもの:
-支持脚の駆動部のパラメータ、例えば引き上げレート、ピストン直径、またはポンプ出力など、ならびに/あるいは
-支持脚の幾何学形状のパラメータ、例えば主流なもしくは可能な長手延在方向長さ、または支持システムの支持脚を備えたジブアームの長さなど、ならびに/あるいは
-支持脚の位置のパラメータ、ならびに/あるいは
-支持脚の数、ならびに/あるいは
-運搬車両および/または吊上げ装置の目下測定された傾斜角、ならびに/あるいは
-現下で予め設定された、例えば先行する計算方法ステップにおいて計算されたパルス持続時間、ならびに/あるいは
-運搬車両のアクスルの数および/または位置、ならびに/あるいは
-運搬車両上に配置された吊上げ装置の位置、ならびに/あるいは
-運搬車両のねじり剛性および曲げ剛性および/または運搬車量のねじれ、
-予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に依存して行うことができる。
【0057】
本方法の好適な一実施形態では、支持システムの個々の支持脚の駆動部の駆動制御を、1つの駆動制御シーケンスにおける一連の制御命令により、予め設定可能なもしくは予め設定された順序で行うことができる。ここでは、支持システムの特定の支持脚は、好適に駆動制御することができる。
【0058】
好適な駆動制御は、例えば、運搬車両の重心を可及的に低く保つために、あるいは運搬車両のねじり剛性および曲げ剛性を考慮に入れるために行うことができる。
【0059】
好適な駆動制御は、個々のもしくは複数の支持脚の選択もしくは重み付けを含むことができる。
【0060】
本方法の好適な一実施形態では、水準化方法ステップにおいて、支持システムの支持脚の駆動部を駆動制御する際に、支持脚の長手延在方向長さの拡大および/または縮小を行うことができる。これにより、支持システムは、運搬車両を地盤から離れる方向に上昇させるだけでなく、この運搬車両を地盤に向かって下降させることもできる。
【0061】
本方法の好適な一実施形態では、支持システムの支持脚の個々の駆動部の駆動制御は、順次連続する制御パルスの間に時間制限され予め設定されたもしくは予め設定可能な重畳部を有する制御パルスを用いた一連の制御命令により行うことができる。ここでは、一連の制御命令において順次連続する制御パルスを制御部から区分毎に同時に出力することができる。
【0062】
制御パルスの重畳部は、計算方法ステップにおいて計算することができる。
【0063】
つまり、例えば、制御部による出力によって制御パルスの持続時間にわたり支持脚の駆動部の起動を開始することができ、連続している制御パルスの終了前に、既に、計算された一連の出力によって次の支持脚の駆動部の起動を開始することができる。
【0064】
時間的に制限され予め設定されたもしくは予め設定可能な重畳部の持続時間は、支持脚の駆動部の区分毎の同時起動の持続時間を決定する。
【0065】
順次連続する制御パルスの間の重畳部により、運搬車両の実質的にスムーズな位置合わせを行うことができる。支持脚部の駆動部の急激なオンオフにより発生する振動は減少させることができる。
【0066】
ここでは、好適には、順次連続する制御パルスの間の重畳部内で、最大で2つの駆動部の同時駆動制御を行うことができる。
【0067】
順次連続して制御部から出力される制御パルスの間の重畳部の持続時間は、一般に、0.01秒~0.5秒の間であり得る。好適には、重畳部の持続時間は、0.01秒~0.1秒であり得る。
【0068】
権利保護は、計算ユニットによって実行されるときに、計算ユニットとデータ接続を形成するかまたはそのようなデータ接続に移行可能であるメモリユニットから計算ユニットに前述したような方法を実行させる命令を含んでいるコンピュータプログラム製品についても請求される。
【0069】
コンピュータプログラム製品の命令は、例えば、制御部の少なくとも1つのメモリユニット内に格納されていてよく、制御部の少なくとも1つの計算ユニットによって実行することができる。
【0070】
権利保護は、前述したような方法を実施するように構成された支持システム用の制御部についても請求される。
【0071】
制御部は、基本的には、少なくとも1つの計算ユニットと、少なくとも1つのメモリユニットとを有することができる。計算ユニットは、メモリユニットとデータ接続を形成するかまたはそのようなデータ接続に移行可能であってよい。
【0072】
制御部により、計算動作モードでは、支持システムの支持脚の個々の駆動部の逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令が、運搬車両および/または吊上げ装置の目下捕捉された傾斜角に基づいて計算可能であってよい。
【0073】
この計算は、例えば、制御部の計算ユニットによって行うことができ、計算された制御命令は、制御部のメモリユニットに格納することができる。
【0074】
制御部の駆動制御動作モードにおいて、支持システムの支持脚の駆動部は、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の低減のための一連の制御命令により駆動制御可能であってよく、この場合は、一連の制御命令により、支持システムの支持脚の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルスを用いて行われる。
【0075】
ここでは、制御部のメモリユニット内に格納された制御命令は、一連の制御部に応じて出力することができる。
【0076】
制御部の1つのループ動作モードでは、1つのループにおいて、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角の最小化のために、一連の制御命令の計算および支持システムの支持脚の駆動部の駆動制御は、一連の制御命令により、運搬車両および/または吊上げ装置の捕捉された傾斜角が予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかまたはそれを下回るまで繰り返し実施可能である。
【0077】
ここでは、各ループ過程において、制御部の計算ユニットによる計算が行われ、計算された制御命令は制御部のメモリユニットに格納され、制御部のメモリユニットに格納された制御命令は、一連の制御部に応じて出力することができる。
【0078】
権利保護は、前述したような支持システムと、前述したような支持システム用の制御部とを有する吊上げ装置を備えた車両、特に運搬車両についても請求される。吊上げ装置は、一般に、クレーンとして、特に関節式クレーンとして構成されていてもよい。
【0079】
本発明の実施例は、図面に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図2】本方法のさらなる実施形態の経過の概略図である。
【
図3】傾斜した地盤上に止められた運搬車両の一実施形態の側面図である。
【
図4】傾斜した地盤上に止められ水準化された運搬車両の一実施形態の側面図である。
【
図6】運搬車両の一実施形態の概略的平面図である。
【
図7】支持システムの一実施形態を備えた吊上げ装置の概略図である。
【
図10a】順次連続する2つの制御パルスの概略図である。
【
図10b】順次連続する2つの制御パルスの概略図である。
【0081】
上述の図面に示された支持システム7を備えた運搬車両8の実施形態に関連して、
図1は、支持システム7を備え、地盤10上に止められた吊上げ装置9用の運搬車両8を支持するための方法の一実施形態を示している。支持システム7は、図示のように、
-地盤10上に支持するための鉛直方向でその長手延在方向長さが調節可能な支持脚1,2,3,4と、
-制御命令により支持脚1,2,3,4の駆動部を駆動制御するための制御部5と、
-少なくとも予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両8および/または吊上げ装置9の傾斜角αを捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサ6とを含んでいる。
【0082】
計算方法ステップiでは、支持システム7の支持脚1,2,3,4の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令を、運搬車両8および/または吊上げ装置9の目下捕捉された傾斜角αに基づいて計算することができる。
【0083】
これに続く水準化方法ステップiiでは、支持システム7の支持脚1,2,3,4の駆動部の駆動制御を、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両8および/または吊上げ装置9の傾斜角の低減のための一連の制御命令により行うことができ、この場合、一連の制御命令により、支持システム7の支持脚1,2,3,4の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御を、制御パルスs1,s2(
図10aおよび
図10b参照)を用いて行うことができる。
【0084】
運搬車両8および/または吊上げ装置9の傾斜角αの最小化のために、ループiiiにおいて、運搬車両8および/または吊上げ装置9の捕捉された傾斜角αが予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、計算方法ステップiおよび水準化方法ステップiiの繰り返しを行うことができる。
【0085】
本方法の特に好適な実施形態では、
図2にも概略的に示されているように、運搬車両8および/または吊上げ装置9の傾斜角αの最小化(ステップi~iii)が行われた後で、監視方法ステップivにおいて、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な運搬車両8および/または吊上げ装置9の傾斜角αの連続的な捕捉を行うことができる。
【0086】
ここでは、捕捉された傾斜角αが予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを上回った場合、少なくとも1つの計算方法ステップiおよび少なくとも1つの水準化方法ステップiiの実施形態の繰り返しを行うことができる。
【0087】
運搬車両8および/または吊上げ装置9の発生する傾斜角αの最小化のために、再び1つのループiiiにおいて、運搬車両8および/または吊上げ装置9の捕捉された傾斜角αが再び、予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、計算方法ステップiおよび水準化方法ステップiiの繰り返しを行うことができる。
【0088】
一般に、ループiiiにおいては、事前に実施された水準化方法ステップiiに続き得る計算方法ステップiにおいて、先行する水準化方法ステップiiによる傾斜角の変化の捕捉を行うことができる。これにより、実施された駆動制御の効果を評価することができる。
【0089】
図3は、傾斜した(図面での傾斜角が約5°の)地盤10上に止められ、屈曲アームクレーンの形態の吊上げ装置9がその上に配置されている運搬車両8の一実施形態の側面図を示している。この地盤10は、水平線Hに対して所定の角度だけ傾斜している。傾斜した地盤10上に止められた運搬車両8は、この支持されていない状態では、実質的に運搬車両8の横方向軸線y(
図6参照)周りで、この実施形態では車両フレームに対して相対的に測定された傾斜角αだけ水平線Hに対して傾斜している。長手方向軸線x周りの運搬車両8の傾斜角も同様に得られなくはないが、この例示的な実施形態では示されていない。
【0090】
この実施形態では、運搬車両8は、4つの支持脚1,2,3,4(部分的にカバーする
図5も参照)と、傾斜角センサ6と、この実施形態では運搬車両に配置された、制御命令による支持脚1,2,3,4の駆動部の駆動制御のための制御部5とを有する支持システムを含んでいる。
【0091】
図4は、傾斜した地盤10上に止められた運搬車両8の、
図3に示された実施形態の側面図を示している。止められた運搬車両は、支持脚1,2,3,4を介した地盤10上への支持が行われた後で、本方法の実施により、水平線Hに対して位置合わせされ、それによって、水準化されている。水平線Hに対する傾斜角αは、図面では実質的に0°である。
【0092】
運搬車両8の少なくとも1つの車輪が地盤10に留まっていること、つまり運搬車両8が支持脚1,2,3,4によって完全には持ち上げられていないことが認識可能である。図示とは異なり、運搬車両8の完全な持ち上げを行うこともできる。
【0093】
図示とは異なり、傾斜角は、水平線Hまたは鉛直平面に対する吊上げ装置9のクレーン支柱の実質的に鉛直方向に延びる旋回軸線15の角度に関していてもよい。この目的のために、
図4には、傾斜角センサ6の代替的もしくは付加的な配置が示されている。位置合わせのために、水平線に対するクレーン支柱の旋回軸線15の少なくともほぼ直角の角度が目標とされ得る。
【0094】
一般に、予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対する相対的な位置合わせが可能であってよい。
【0095】
図5は、先に示されたような運搬車両8の実施形態の平面図を示している。図示のように、支持システム7は、水平方向に調節可能な支持アーム11,12,13,14を有しており、それらには、支持脚1,2,3,4が配置されている。制御部5は、制御命令によって支持アーム11,12,13,14の駆動部を駆動制御するように構成されていてよい。
【0096】
先行する実施形態と同様にフロントアクスル18およびリアアクスル19を備えた運搬車両8の一実施形態の概略的な平面図を示す
図6には、運搬車両8の長手方向軸線xおよび横方向軸線yが示されている。傾斜角センサ6は、図示のように、吊上げ装置9のクレーン支柱の旋回軸線15上に位置する、長手方向軸線xおよび横方向軸線yによって拡張される座標系の原点に位置し得る。
【0097】
支持脚1,2の長手延在方向長さの関係により(
図9参照)、長手方向軸線x周りの位置合わせを行うことができる。同じ成分、つまり長手延在方向長さの各絶対値により、横方向軸線y周りの位置合わせを行うことができる。
【0098】
制御部5(
図7参照)が支持脚1,2,3,4の駆動部を駆動制御することができる制御パルスs1,s2のパルス持続時間t1,t2の変形形態、-および場合によっては重畳部dの変形形態-は、以下のもの:
-支持脚1,2,3,4の駆動部のパラメータ、ならびに/あるいは
-支持脚1,2,3,4の幾何学形状のパラメータ、例えば吊上げ装置9のクレーン支柱の旋回軸線15までのそれらの距離、ならびに/あるいは
-支持脚1,2,3,4の位置のパラメータ、例えば、吊上げ装置9に対して相対的な車両フレーム上の配置構成、特に吊上げ装置9のクレーン支柱の旋回軸線15に対して相対的な配置構成、ならびに/あるいは
-支持脚1,2,3,4の数、ならびに/あるいは
-運搬車両8および/または吊上げ装置9の目下測定された傾斜角α、ならびに/あるいは
-現下で予め設定されたパルス持続時間t1,t2、ならびに/あるいは
-運搬車両8のアクスル18,19の位置、ならびに/あるいは
-運搬車両8上に配置された吊上げ装置9の位置、ならびに/あるいは
-運搬車両8のねじり剛性および曲げ剛性および/または運搬車量のねじれ、ならびに/あるいは
-予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に依存して行うことができる。
【0099】
図7は、支持システム7の一実施形態を備えた吊上げ装置9の概略図を示している。支持システム7は、図示のように、
-地盤10上に支持するための鉛直方向でその長手延在方向長さが調節可能な2つの支持脚1,2と、
-制御命令により支持脚1,2の駆動部を駆動制御するための制御部5と、
-少なくとも予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な吊上げ装置9の傾斜角αを捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサ6とを含んでいる。
【0100】
図示とは異なり、支持システム7は、例えば
図3~
図6における各々のように付加的な支持脚と複数の傾斜角センサ6とを有することができる。
【0101】
傾斜角センサ6の他に、制御部5には、一般に、支持脚1,2の作動パラメータに対する測定値が供給可能であってもよい。
【0102】
制御部5は、基本的には、少なくとも1つの計算ユニット16と少なくとも1つのメモリユニット17とを有することができる。計算ユニット16は、メモリユニット17とデータ接続を形成するかまたはそのようなデータ接続に移行可能であってよい。
【0103】
制御部5により、計算動作モードにおいて、支持システム7の支持脚1,2の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための制御パルスの形態の一連の制御命令が、吊上げ装置9の目下捕捉された傾斜角に基づいて計算可能であってよい。
【0104】
この計算は、例えば、制御部5の計算ユニット16によって行うことができ、計算された制御命令は、制御部5のメモリユニット17に格納することができる。
【0105】
制御部5の駆動制御動作モードにおいて、支持システム7の支持脚1,2の駆動部は、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な吊上げ装置9の傾斜角αの低減のための一連の制御命令により駆動制御可能であってよく、この場合、一連の制御命令により、支持システム7の支持脚1,2の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルスを用いて行われ得る。
【0106】
ここでは、制御部5のメモリユニット17内に格納された制御命令は、一連の制御部5に応じて出力することができる。
【0107】
制御部5の1つのループ動作モードでは、1つのループにおいて、吊上げ装置9の傾斜角αの最小化のために、一連の制御命令の計算および支持システム7の支持脚1,2の駆動部の駆動制御は、一連の制御命令により、吊上げ装置9の捕捉された傾斜角αが予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかまたはそれを下回るまで繰り返し実施可能である。
【0108】
ここでは、各ループ過程において、制御部5の計算ユニット16の計算が行われ、計算された制御命令は、制御部5のメモリユニット17に格納され、制御部5のメモリユニット17に格納された制御命令は、一連の制御部5に応じて出力することができる。
【0109】
支持システム7の支持脚1,2の駆動部の駆動制御の際には、一般に、支持脚1,2の長手延在方向長さの拡大および/または縮小が行われてよい。
【0110】
図8は、
図7の実施形態と同様の吊上げ装置9を備えた運搬車両8上に配置された支持装置7を示している。
【0111】
図9a~
図9dには、例示的に予め設定された空間方向H(水平線)に対する支持システム7(
図3もしくは
図7参照)を用いた位置合わせが概略的に示されている。この支持システムは、この図面には示されていない運搬車両および/または吊上げ装置(旋回軸線15)に接続されていてよい。
【0112】
図9a~
図9eに示されている位置合わせは、
図6に関して長手方向軸線x周りの水準化に対応することができ、横方向軸線y周りの水準化にも対応することができる。
【0113】
支持システム7は、長さ変化可能な支持アーム11,12に配置された2つの支持脚11,2を有している。支持脚1,2は、その長手延在方向長さが変更可能である。この一連の図面において位置合わせのために使用される支持脚1,2は、図示のように異なる(設定可能な)長手延在方向長さx11,x12,x13,x14,x21,x22を有している。
【0114】
図示とは異なり、支持システム7が複数の支持脚(例えば4つ)を有し、特に空間平面に対して位置合わせするために、これらの支持脚のうちの複数が使用されることも除外されるべきではない。しかしながら描写上の理由から、この経過は2つの支持脚に制限されている。
【0115】
図9aには、傾斜した地盤10上に支持される支持システム7が示されており、ここでは、支持脚1,2は、地盤に接触している。視線方向は、運搬車両の長手方向軸線に沿った視線に対応することができる。支持脚1,2は、それぞれ第1の長手延在方向長さx11,x21を有している。傾斜角測定器6は、水平線Hに対して測定された7°の傾斜角αを出力する。
【0116】
制御部5によって逐次的に出力されかつ時間制限された制御パルスs1,s2(
図10aおよび
図10b参照)を用いた支持脚1の駆動部の駆動制御により、運搬車両および/または吊上げ装置の傾斜角αを増分方式で低減することができる。
【0117】
計算方法ステップi(
図1を参照)では、それぞれ測定された傾斜角αから出発して、支持システム7の支持脚1,2の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令を、傾斜角αの部分的な低減のために計算することができる。傾斜角の部分的な低減は、
図9a~
図9eのうちの一方の図面から他方に例示的に示されているように、運搬車両および/または吊上げ装置の位置合わせのために総じて所望されるもしくは必要とされる傾斜角αの低減の一部であってよい。
【0118】
水準化方法ステップii(
図1参照)では、一般に、傾斜角αの部分的な低減を行うことができる。傾斜角αの部分的な低減は、運搬車両および/または吊上げ装置の位置合わせのために総じて所望されるもしくは必要とされる傾斜角の低減の一部であってよい。
【0119】
図9bでは、支持脚1は、制御パルスs1を用いた制御部5による駆動制御後に、比較的大きな第2の長手延在方向長さx12を有している。傾斜角測定器6は、水平線Hに対して測定された5°の傾斜角αを出力しており、つまり傾斜角αは部分的に低減されていた。
【0120】
このことは、例えば、計算方法ステップiおよび水準化方法ステップiiの最初の実施に対応することができる。
【0121】
ループiii(
図1参照)では、計算方法ステップiおよび水準化方法ステップiiの繰り返しを行うことができ、この場合、それぞれ支持脚1,2についての制御命令、-ひいては制御パルスならびに場合によっては重畳部-が計算され、それらの駆動部の駆動制御が制御パルスを用いて行われ得る。
【0122】
図9cでは、支持脚2は、ループiiiの経過後、その際に制御パルスs2を用いた制御部5による駆動制御が行われている場合、第2の比較的大きな長手延在方向長さx22を有する。傾斜角測定器6も、水平線Hに対して測定された7°の傾斜角αを出力する。この傾斜角αは、確かに図示の空間方向Hに対して相対的に再び拡大されているが、
図6に関して、支持脚1および2の長手延在方向長さの変化により、長手方向軸線x周りの位置合わせを行うこともできる。同じ成分、つまり支持脚1,2の長手延在方向長さの各絶対値により、横方向軸線y周りの位置合わせを行うことができる。水平な空間平面に関して、この位置にある(例えば空間方向Hに対する直交方向で見て)空間方向に対する傾斜角は、それにより再び低減されていてよい。
【0123】
傾斜角αの最小化のために、ループiiiのさらなる経過(
図1参照)において、計算方法ステップiおよび水準化方法ステップiiのそれぞれ1つのさらなる繰り返しを行うことができ、この場合、ループiiiの各繰り返しの際に、一連の制御命令および対応する制御パルス、ならびに場合によっては制御パルスの重畳部を傾斜角αの部分的な低減のために計算し、一連の制御命令を傾斜角αの部分的な低減のために使用することができる。
【0124】
図9dでは、ループiiiのさらなる経過において、支持脚1の長手延在方向長さx13は、増分部分に拡大されている。
【0125】
図9eでは、ループiiiのさらなる経過において、支持脚1の長手延在方向長さx14は、さらに増分部分に拡大されている。
【0126】
一連の
図9c~
図9eには、例えば、ループiiiの3回のそのような繰り返しが示され、この繰り返しでは、ステップ毎に支持脚1,2の長手延在方向長さが変化する。傾斜角αの低減は、捕捉された傾斜角αが予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、増分方式で行われ、この閾値は図示のケースでは例示的に空間方向Hに対して2°で予め設定されている。ここでは、本方法の実施の際に2つの異なる空間方向に対する位置合わせを行うことができることは除外されるべきではない。描写とは異なり、予め設定されたもしくは予め設定可能な持続時間のために、支持脚1,2(および場合によってはさらなる支持脚)の駆動部の時間制限されると同時に逐次的な駆動制御を行うことも可能である。
【0127】
図10aおよび
図10bには、それぞれ、パルス持続時間t1,t2を有する2つの順次連続する制御パルスs1,s2の概略図が示されており、この場合、
図10bにおける逐次的な制御パルスs1,s2が、時間的な重畳部dを有している。
【0128】
例えば
図9a、
図9bおよび
図9cに示されているような、制御部5によって逐次的に出力されかつ時間制限された制御パルスs1,s2を用いた支持脚1の駆動部の駆動制御により、運搬車両8および/または吊上げ装置の傾斜角αを増分方式で変更することができる。
【0129】
図9bでは、支持脚1は、パルス持続時間tlを有する第1の制御パルスs1を用いた制御部5による駆動制御の後では、
図9aの描写よりも長い長手延在方向長さx12を有している。
図9cでは、支持脚2は、パルス持続時間t2を有する第2の制御パルスs2を用いた制御部5による駆動制御の後では、
図9bの描写よりも長い長手延在方向長さx22を有している。この駆動制御は、例えば
図10aによる制御パルスs1,s2を用いて行うことができる。
【0130】
一連の制御命令では、順次連続する制御パルスs1,s2を、制御部から区分毎に、つまり重畳部dの持続時間にわたって同時に出力することも可能である。
【0131】
つまり例えば、
図10bによれば、最初に、制御パルスs1のパルス持続時間t1にわたる例えば支持脚1の駆動部の起動を開始することができる。連続している制御パルスs1の終了前に、既に、計算による一連の逐次的に続く制御パルスs2の出力によって次の支持脚2の駆動部の起動を開始することができる。
【0132】
重畳部dの時間制限され、予め設定されたもしくは予め設定可能な持続時間は、支持脚1,2の駆動部の区分毎の同時起動の持続時間を決定することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 支持脚
2 支持脚
3 支持脚
4 支持脚
5 制御部
6 傾斜角センサ
7 支持システム
8 運搬車両
9 吊上げ装置
10 地盤
11 支持アーム
12 支持アーム
13 支持アーム
14 支持アーム
15 クレーン支柱旋回軸線
16 計算ユニット
17 メモリユニット
18 運搬車両のフロントアクスル
19 運搬車両のリアアクスル
α 傾斜角
i 計算方法ステップ
ii 水準化方法ステップ
iii 反復ループ
iv 監視方法ステップ
H 水平線
x 長手方向軸線
y 横方向軸線
x11,x12,x13,x14,x21,x22 支持脚の長手延在方向長さ
s1,s2 制御パルス
t1,t2 パルス持続時間
d 重畳部
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持システム(7)を備えた吊上げ装置(9)用の地盤(10)上に止められた運搬車両(8)を支持するための方法であって、前記支持システム(7)は、少なくとも
前記地盤(10)上に支持するための鉛直方向でその長手延在方向長さが調節可能な支持脚(1,2,3,4)と、
制御命令により前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部を駆動制御するための制御部(5)と、
少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の傾斜角(α)を捕捉するための少なくとも1つの傾斜角センサ(6)とを有している、方法において、
計算方法ステップ(i)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令が、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下捕捉された傾斜角(α)に基づいて計算され、
水準化方法ステップ(ii)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の前記駆動部の駆動制御が、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の低減のための前記一連の制御命令によって行われ、前記一連の制御命令により、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルス(s1,s2)を用いて行われ、
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化のために、1つのループ(iii)において、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、前記計算方法ステップ(i)および前記水準化方法ステップ(ii)の繰り返しが行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化の後で、監視方法ステップ(iv)において、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の連続的な捕捉が行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な偏差に達するかもしくはそれを上回った場合、少なくとも1つの計算方法ステップ(i)および少なくとも1つの水準化方法ステップ(ii)の実施形態の繰り返しが行われる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ループ(iii)において、事前に実施された水準化方法ステップ(ii)に続く計算方法ステップ(i)において、先行する前記水準化方法ステップ(ii)による前記傾斜角(α)の変化の捕捉を行う、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の時間制限された前記駆動制御は、可変のパルス持続時間を有する制御パルス(s1,s2)を用いた前記一連の制御命令により行われる、請求項
1記載の方法。
【請求項6】
前記制御パルス(s1,s2)の前記パルス持続時間(t1,t2)は、0.05秒~3.50秒、好適には、0.25秒~1.5秒である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記パルス持続時間(t1,t2)の変化形態、-および場合によっては順次連続する制御パルス(s1,s2)の間の時間的重畳部(d)の変形形態は、以下のもの:
前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の幾何学形状のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の位置のパラメータ、ならびに/あるいは
前記支持脚(1,2,3,4)の数、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下測定された前記傾斜角(α)、ならびに/あるいは
現下で予め設定された前記パルス持続時間(t1,t2)、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)のアクスル(18,19)の位置、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)上に配置された吊上げ装置(9)の位置、ならびに/あるいは
前記運搬車両(8)のねじり剛性および曲げ剛性および/または前記運搬車両(8)のねじれ、ならびに/あるいは
予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に依存して行われる、請求項
5記載の方法。
【請求項8】
前記支持システム(7)の個々の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部の前記駆動制御は、1つの駆動制御シーケンスにおける前記一連の制御命令により、予め設定可能なもしくは予め設定された順序で行われる、請求項
1記載の方法。
【請求項9】
前記水準化方法ステップ(ii)において、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部を駆動制御する際に、前記支持脚(1,2,3,4)の長手延在方向長さの拡大および/または縮小を行う、請求項
1記載の方法。
【請求項10】
前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の前記駆動制御は、順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間に時間制限され予め設定されたもしくは予め設定可能な重畳部(d)を有する制御パルス(s1,s2)を用いた前記一連の制御命令により行われる、請求項
1記載の方法。
【請求項11】
順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間の前記重畳部(d)内で、最大で2つの駆動部の同時駆動制御が行われる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
順次連続する前記制御パルス(s1,s2)の間の前記重畳部(d)の持続時間は、0.01秒~0.5秒の間、好適には0.01秒~0.1秒の間である、請求項
10記載の方法。
【請求項13】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、計算ユニットによって実行されるときに、前記計算ユニットとデータ接続を形成するかまたはそのようなデータ接続に移行可能であるメモリユニットから前記計算ユニットに、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実行させる命令を含んでいる、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項1から12までの少なくともいずれか1項記載の方法を実施するように構成された、支持システム(7)用の制御部(5)であって、前記制御部(5)により、
計算動作モードにおいて、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部を逐次的にかつ時間制限されて駆動制御するための一連の制御命令が、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の目下捕捉された傾斜角(α)に基づいて計算可能であり、
駆動制御動作モードにおいて、前記支持システムの前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部は、少なくとも1つの予め設定されたもしくは予め設定可能な空間方向および/または空間平面に対して相対的な前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の低減のための前記一連の制御命令により駆動制御可能であり、前記一連の制御命令により、前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の個々の駆動部の逐次的でかつ時間制限された駆動制御が制御パルスを用いて行われ、
1つのループ動作モードにおいて、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の前記傾斜角(α)の最小化のために、1つのループにおいて、前記運搬車両(8)および/または前記吊上げ装置(9)の捕捉された前記傾斜角(α)が予め設定されたもしくは予め設定可能な閾値に達するかもしくはそれを下回るまで、前記一連の制御命令の計算と、前記一連の制御命令による前記支持システム(7)の前記支持脚(1,2,3,4)の駆動部の前記駆動制御とが繰り返し実施可能である、制御部(5)。
【請求項15】
車両、特に運搬車両(8)であって、請求項
1記載の支持システム(7)と、請求項14記載の制御部(5)とを有する吊上げ装置(9)を備えた車両、特に運搬車両(8)。
【国際調査報告】