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特表2024-523528ガスケット装置、伝熱プレート、キット、アセンブリ、熱交換器および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ガスケット装置、伝熱プレート、キット、アセンブリ、熱交換器および方法
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/10 20060101AFI20240621BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20240621BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F28F3/10
F28D9/00
F28F3/08 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579325
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022066405
(87)【国際公開番号】W WO2022268617
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181394.4
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・ブロムグレン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA13
3L103AA31
3L103DD57
(57)【要約】
本発明は、プレート式熱交換器の2つの波形伝熱プレートの間を封止するためのガスケット装置に関する。伝熱プレートは、それぞれ一対のポート孔を備える。ガスケット装置は、伝熱プレートの一対のポート孔を囲み、一対のポート孔のポート孔間に流路を画定するように配置された環状封止部を備える。ガスケット装置は、環状封止部の内側に接続され、環状封止部に対して内側方向に延びる取付部をさらに備える。取付部は、接着剤によって一方の伝熱プレートの対応するプレート取付面に取り付けるように配置されたガスケット取付面を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート式熱交換器の2つの波形伝熱プレート間を封止するためのガスケット装置であって、前記伝熱プレートがそれぞれ一組のポート孔を備え、前記ガスケット装置が、
前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、前記一組のポート孔の前記ポート孔間に流路を画定するように配置された環状封止部と、
第1の点で前記環状封止部の内側に接続され、かつ前記環状封止部に対して内側方向に延びる取付部であって、前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付部が、接着剤によって一方の前記伝熱プレートの対応するプレート取付面に取り付けるように配置されたガスケット取付面を画定する、取付部とを備える、ガスケット装置。
【請求項2】
前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項1に記載のガスケット装置。
【請求項3】
前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項1に記載のガスケット装置。
【請求項4】
前記環状封止部が、平行な下側封止平面と上側封止平面との間に第1の厚さを画定し、前記取付部が、平行な下側取付平面と上側取付平面との間に第2の厚さを画定し、平行な前記下側取付平面および前記上側取付平面が、前記下側封止平面および前記上側封止平面と平行であり、前記第2の厚さが前記第1の厚さとは異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項5】
前記第2の厚さが前記第1の厚さよりも薄い、請求項4に記載のガスケット装置。
【請求項6】
前記下側取付平面および前記上側取付平面が、前記下側封止平面と前記上側封止平面との間に配置される、請求項4または5のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項7】
前記下側取付平面が前記下側封止平面と一致し、または前記上側取付平面が前記上側封止平面と一致し、または、前記下側封止平面が前記下側取付平面と前記上側取付平面との間に配置され、または、前記上側封止平面が前記下側取付平面と前記上側取付平面との間に配置される、請求項4または5のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項8】
前記環状封止部が、前記環状封止部の外縁と前記環状封止部の内縁との間に特定の幅を画定し、前記取付部が、前記環状封止部と、前記環状封止部から特定の距離だけ離れた終点との間に延びるタブまたはループを形成し、前記特定の距離が前記特定の幅の3倍未満である、請求項1から7のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項9】
前記特定の距離が前記特定の幅の2倍未満である、請求項8に記載のガスケット装置。
【請求項10】
前記特定の距離が前記特定の幅以下である、請求項8に記載のガスケット装置。
【請求項11】
前記取付部の幅が、前記特定の幅の幅とは異なる、請求項8から10のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項12】
前記環状封止部が、前記取付部の位置で直線に沿って延びる、請求項1から11のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項13】
前記取付部が、前記取付部における前記環状封止部の延在部に対して斜角で延びる、請求項12に記載のガスケット装置。
【請求項14】
前記取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が前記取付部の延在部の平面と平行である、請求項1から13のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項15】
前記取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が前記取付部の延在部の平面に対して角度を画定する、請求項1から14のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項16】
一組のポート孔とガスケット溝とを備える波形伝熱プレートであって、前記ガスケット溝が、
ガスケット装置の環状封止部を収容するように配置され、前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、かつ前記一組のポート孔の前記ポート孔間の流路を画定する環状溝と、
第1の点で前記環状溝の内側に接続され、かつ前記環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付構造が、接着剤によって前記ガスケット装置の取付部の対応するガスケット取付面に取り付けるように配置されたプレート取付面を画定する、取付構造とを備える、波形伝熱プレート。
【請求項17】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項16に記載の波形伝熱プレート。
【請求項18】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項16に記載の波形伝熱プレート。
【請求項19】
前記環状溝が、前記環状溝の外縁と前記環状溝の内縁との間に特定の幅を画定し、前記取付構造が、前記環状溝と、前記環状溝から特定の距離だけ離れた終点との間に延びる突起またはループを形成し、前記特定の距離が前記特定の幅の3倍未満である、請求項16から18のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項20】
前記特定の距離が、前記特定の幅の2倍未満である、請求項19に記載の波形伝熱プレート。
【請求項21】
前記特定の距離が、前記特定の幅以下である、請求項19に記載の波形伝熱プレート。
【請求項22】
前記取付構造の幅が、前記特定の幅の幅と異なる、請求項19から21のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項23】
前記環状溝が、前記取付構造の位置で直線に沿って延びる、請求項16から22のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項24】
前記取付構造が、前記取付構造における前記環状溝の延在部に対して斜角で延びる、請求項23に記載の波形伝熱プレート。
【請求項25】
前記取付構造が、前記取付構造に隣接する前記環状溝内の波形パターンと平行である、請求項24に記載の波形伝熱プレート。
【請求項26】
前記プレート取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が、平行な前記下側封止平面および前記上側封止平面と平行である、請求項16から25のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項27】
前記プレート取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が、平行な前記下側封止平面および前記上側封止平面に対して角度を画定する、請求項16から25のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項28】
前記環状ガスケット溝を囲む外側環状ガスケット溝をさらに備える、請求項16から27のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項29】
前記外側環状ガスケット溝が、前記波形伝熱プレートの外縁に隣接して位置する、請求項28に記載の波形伝熱プレート。
【請求項30】
前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝と一致し、または、前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝よりも小さい押圧深さを画定し、または、前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝よりも大きい押圧深さを画定する、請求項16から29のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項31】
一対の対向する波形伝熱プレートの間に位置するガスケット装置を備えるプレートパッケージを備える熱交換器であって、
各波形伝熱プレートが一組のポート孔とガスケット溝とを備え、前記ガスケット溝が、
前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、前記一組のポート孔の前記ポート孔間の流路を画定する環状溝と、
前記環状溝の内側に接続され、前記環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、前記取付構造が、第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付構造が、プレート取付面を画定する、取付構造とを備え、
前記ガスケット装置が、
前記ガスケット溝の前記環状溝に沿って延び、かつ前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲むように配置された環状封止部と、
前記第1の点で前記環状封止部の内側に接続され、前記環状封止部に対して内側方向にかつ前記取付構造に沿って延びる取付部であって、前記取付部が、接着剤によって一方の前記伝熱プレートの前記取付構造の前記プレート取付面に取り付けられたガスケット取付面を画定する、取付部とを備える、熱交換器。
【請求項32】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項33】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項34】
前記取付構造の前記取付面が、一方の前記伝熱プレートの谷部と一致する、請求項31から33のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項35】
請求項1から15のいずれか一項に記載のガスケット装置と、
請求項16から30のいずれか一項に記載の一対の伝熱プレートと、
接着剤と
を提供することによって、プレート式熱交換器用のプレートパッケージを組み立てる方法であって、
前記方法が、
前記接着剤を前記プレート取付面および/または前記ガスケット取付面に塗布するステップと、
前記ガスケット装置を前記一対の対向する波形伝熱プレートの間に配置し、それによって前記プレートパッケージを形成するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート式熱交換器の2つの伝熱プレート間を封止するガスケット装置、およびガスケット装置と協働するように配置された伝熱プレートに関する。本発明はまた、このようなガスケット装置を備えるキット、このようなガスケット装置とこのような伝熱プレートとを備えるアセンブリ、このようなガスケット装置とこのような伝熱プレートとを備える熱交換器、および、このようなアセンブリを改修する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレート式熱交換器、つまりPHE(Plate heat exchanger)は、典型的には、間に多数の伝熱プレートが整列して配置された、すなわち積み重なって配置された2つのエンドプレートで構成される。ある種類の周知のPHE、いわゆるガスケット式PHEでは、ガスケットは、伝熱プレートの間に、典型的には伝熱プレートの縁部に沿って延びるガスケット溝内に配置される。エンドプレート、したがって伝熱プレートは、互いに向かって押圧され、それによってガスケットは伝熱プレート間を封止する。ガスケットは、最初は温度が異なる2つの流体が一方の流体から他方の流体に熱を伝達するために交互に流れることができる平行流路を、伝熱プレートの間に画定する。流体を流路から漏らさないようにするためには、ガスケットがプレート間に適切に位置決めされることが本質的に不可欠である。
【0003】
プレート式熱交換器が閉じられると、ガスケットはプレート間で圧迫され、それによって定位置に確実に保持される。しかし、維持管理のためにプレート式熱交換器を組み立てたり開いたりする場合など、ガスケットがプレート間で圧迫されない場合、ガスケットをプレートに正しく固定するための何らかの手段が望ましい。伝熱プレートのガスケット溝に接着剤を塗布してガスケットを取り付けることが知られている。しかし、接着剤は、ガスケットおよびその封止能力に悪影響を及ぼす可能性がある。接着剤はまた、必要とされる場合にガスケットを交換するのを煩雑にする可能性があり、その理由は、このような交換が、典型的には、ガスケット溝内に新しいガスケットを適切に適用することを可能にするためにガスケット溝から古い接着剤を完全に除去する必要があるためである。また、機械的なガスケット固定の解決策は、例えば出願人自身の米国特許第4,635,715号明細書によって以前から知られている。この文献は、ガスケットの外側から突出する固定手段を備えたガスケットを開示しており、固定手段は、ガスケットを伝熱プレートに固定するために伝熱プレートの縁部の周りに位置決めされるように配置されている。固定手段は、伝熱プレートのポート孔などの外縁または内縁沿いに近接して配置されたガスケットの部分を、伝熱プレートに効果的に固定することができる。しかし、伝熱プレートの縁部沿いに近接して延びるように配置されていないガスケットの部分を伝熱プレートに固定するためには、米国特許第4,635,715号明細書の固定手段はあまり有用ではない。
【0004】
出願人が所有する欧州特許出願公開第4001816号明細書も参照されたい。本発明は、外側封止部分によって囲まれ、かつ内側封止部分の外側に配置された取付部を有するガスケット装置に関する。取付部は、接着手段によって伝熱プレートの表面に締結されるように配置された締結取付部分を備える。
【0005】
取付部を内側封止部分の外側に配置することは、内側封止部分の内側の流れを妨害しないことを意味する。しかし、内側封止部分の外側に流れがある場合があり、内側封止部分の外側に取付部を突出させることは望ましくないことがある。
【0006】
封止ガスケットの両側に流れを有する熱交換プレートの一例は、海水の脱塩のための熱交換器に関する出願人が所有する欧州特許第1864069号明細書に見られる。熱交換器は、蒸発部と、分離部と、凝縮部とを含むプレートパッケージを備える。
【0007】
国際公開第2010013608号パンフレットを含むさらなる先行技術は、接着剤または両面接着テープによって熱交換プレートに接合された一体プレート形状片を有する耐熱性ゴムのコード部材を有する淡水発生器として使用されるプレート式熱交換器を記載している。
【0008】
しかし、プレート形状片は、コード部材の両側に延びている。本発明によれば、ガスケット取付手段は、ガスケットの片側、すなわち内側に面する方向にのみ延びる。これは、ガスケットの外側の流れの妨害を回避し、ガスケットによって囲まれた領域内の流れの分布を改善するために有益である。
【0009】
https://andersondahlen.com/product/apv-model-r5-phe-sparesは、分布領域に小タブを有するガスケットを示す。
【0010】
出願人は、国際公開第2020108985号パンフレットおよび国際公開第2020108983号パンフレットを所有しており、ここでは、ガスケットから内側に延びるタブを有しているが、それらは接着手段によって固定されておらず、安定性のためにのみ設けられている。
【0011】
スイス特許出願公開第284574号明細書は、ガスケットの支持が不十分なガスケット溝接合点のための係合肩部を有するガスケットを有するプレート式熱交換器を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,635,715号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第4001816号明細書
【特許文献3】欧州特許第1864069号明細書
【特許文献4】国際公開第2010013608号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2020108985号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2020108983号パンフレット
【特許文献7】スイス特許出願公開第284574号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】https://andersondahlen.com/product/apv-model-r5-phe-spares
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、ガスケット装置の内側部分に沿ってガスケット装置を伝熱プレートへ確実に締結させる技術を提供することであり、この締結は、ガスケットまたはその封止能力に悪影響を与えず、またはガスケットの交換を困難にしない。本発明の他の目的は、ガスケット装置と協働するように構成された伝熱プレート、ガスケット装置を備えるキット、ガスケット装置と伝熱プレートとを備えるアセンブリ、熱交換器、および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的は、第1の態様において、プレート式熱交換器の2つの波形伝熱プレート間を封止するためのガスケット装置によって実現され、伝熱プレートはそれぞれ一組のポート孔を備え、ガスケット装置は、
伝熱プレートの一組のポート孔を囲み、かつ一組のポート孔のポート孔間の流路を画定するように配置された環状封止部と、環状封止部の内側に接続され、かつ環状封止部に対して内側方向に延びる取付部であって、取付部が、接着剤によって一方の伝熱プレートの対応するプレート取付面に取り付けるように配置されたガスケット取付面を画定する、取付部とを備える。
【0016】
本発明による基本概念は、環状封止部の内側に沿って延びるように配置されたガスケット装置の一部分に非封止取付部を含むガスケット装置を提供することであり、この取付部は、ガスケット装置を伝熱プレートに固定するために接着手段によって伝熱プレートに締結されるように配置される。
【0017】
波形伝熱プレートは、環状封止部によって囲まれた少なくとも一組のポート孔を備えるが、環状封止部の外側にさらなるポート孔を備えてもよい。環状封止部および2つの対向する波形伝熱プレートは、それらの間に流路を形成する。環状封止部は、伝熱プレート間の流路を介して互いに流体連通する少なくとも2つのポートを囲むように作られている。伝熱プレートの少なくとも一方は、環状封止部を収容するように配置された環状溝と、接着剤によって取付部のガスケット取付面に取り付けるように配置されたプレート取付面を有する取付構造とを備える。
【0018】
取付部は、環状封止部の内側に接続され、かつ環状封止部に対して内側方向に延びており、これは、取付部が環状封止部から環状封止部によって画定された円周の内側に向かって突出していることを意味する。したがって、取付部は一組のポート孔の間に画定された流路内に延びる。したがって、取付部は、伝熱プレートの外縁に向かって、または伝熱プレートのポート孔の縁に向かって突出していてはならない。一組のポート孔は、少なくとも2つのポート孔を意味すると理解される。
【0019】
取付部は、第1の点で環状封止部の内側に接続され、かつ環状封止部に対して内側方向に延び、取付部は、第1の点と、第1の点の反対側の環状封止部の内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く、好ましくは1/3よりも短く、より好ましくは1/4よりも短く延びる。取付部の主な目的は、環状封止部を固定し、かつ流れを案内しないことであり、したがって、環状封止部によって囲まれた領域内にあまり遠くまで延びてはならない。
【0020】
ガスケット取付面は、上述の仮想封止平面に略平行であり、波形伝熱プレートの対応するプレート取付面に向いている。接着剤は、任意の適切な種類、例えばシリコン、または両面接着テープなどの、例えば接着剤もしくは粘着剤とすることができる。取付部は、一般に、対向する伝熱プレートが設置または維持管理によって互いに分離されたときに所定の位置に留まるために、対向する伝熱プレートの一方のみに接着される。
【0021】
環状封止部の内側に突出している取付部を有することは、環状封止部の外側の流れが妨害されないことを意味する。したがって、環状封止部の外側には、任意の取付部または外側に突出した部材がなくてもよい。これはまた、取付部が環状封止部の内側の流れに影響を及ぼす場合があるように位置決めされてもよいことを意味する。これは、環状封止部の内側の流れを特定の方向に案内することが望ましい場合に有利となり得る一方で、環状封止部の外側の流れは妨害されないままである。
【0022】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、環状封止部は、平行な下側封止平面と上側封止平面との間に第1の厚さを画定し、取付部は、平行な下側取付平面と上側取付平面との間に第2の厚さを画定し、平行な下側取付平面および上側取付平面は、下側封止平面および上側封止平面と平行であり、第2の厚さは第1の厚さとは異なり、好ましくは、第2の厚さは第1の厚さよりも薄い。
【0023】
下側封止平面は、環状封止部が伝熱プレートの環状溝に対して封止するように意図される仮想平面である。上側封止平面は、封止部の最遠平面であるが、封止部はプレートパッケージを組み立てる際に圧縮される。したがって、第1の厚さは、封止平面に垂直な方向における環状封止部の最遠延在部に対応する。下側取付平面は、取付部が一方の伝熱プレートの取付面に接触するように意図される仮想平面である。上側取付平面は、下側取付平面の反対側に位置する取付部の最遠点における仮想平面である。したがって、第2の厚さは、封止平面に垂直な方向における取付部の最遠延在部に対応する。
【0024】
取付部が封止されてはならないため、および取付部が封止されたとしても環状封止部と同じ平面内で封止されてはならないため、取付部の厚さは環状封止部の厚さと異なっていてもよい。取付部は、流路を確立してはならないため、好ましくは環状封止部よりも薄い厚さを有してもよく、ガスケット装置を所定の位置に保持するために役立つのに十分な厚さを有しながら、構造的に可能な限り薄くてもよい。
【0025】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、下側取付平面および上側取付平面は下側封止平面と上側封止平面との間に配置され、または、下側取付平面は下側封止平面と一致し、または、上側取付平面は上側封止平面と一致し、または、下側封止平面は下側取付平面と上側取付平面との間に配置され、または、上側封止平面は下側取付平面と上側取付平面との間に配置される。
【0026】
このような設計は、取付部と伝熱プレートの対応する取付面との間の最適化された係合を可能にしてもよい。取付部の幅および/または厚さは、好ましくは、取付部に隣接する環状封止部の幅および/または厚さとは異なる。
【0027】
特に、下側封止平面と上側封止平面との間に配置された下側取付平面および上側取付平面を有することにより、ガスケット溝内でガスケットをより良好に支持することが可能になる。これにより、より高い圧力が可能となる場合がある。さらに、プレートの後側の流路も無傷に保つことができ、付着物を抑制してもよいガスケット付近の流れを可能にする。
【0028】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、環状封止部は、環状封止部の外縁と環状封止部の内縁との間に特定の幅を画定し、取付部は、環状封止部と、環状封止部から特定の距離だけ離れた終点との間に延びるタブまたはループを形成し、特定の距離は、特定の幅の3倍未満、好ましくは特定の幅の2倍未満、より好ましくは特定の幅以下である。
【0029】
取付部は、取付部を固定するための十分に大きい取付面を達成しながら、流れに影響を与えるための一組のポート孔間の流路内に可能な限り小さい距離だけ延びることができる。取付部は、環状封止部の内側で伝熱プレートの一部を囲むループとすることができる。あるいは、取付部は、内側に、好ましくは直線状に、環状封止部に対して上部に画定された小さな距離だけ突出するタップであってもよい。
【0030】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、取付部の幅は、特定の幅の幅とは異なる。
【0031】
取付部の幅は、取付平面における取付部の延在部として画定され、取付部の突出方向に対して垂直である。取付部の幅は、取付部の特定の距離を短くしながら取付部を固定するための取付面を大きくするために、環状封止部よりも広くてもよい。あるいは、取付面がガスケット装置の十分な固定を維持するのに十分な大きさを保つことができる場合、取付部の幅は環状封止部よりも小さくてもよい。
【0032】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、環状封止部は取付部の位置で直線に沿って延び、好ましくは、取付部は、取付部における環状封止部の延在部に対して斜角で延びる。
【0033】
取付部の目的は、取付部を定位置に保持するために一方の伝熱プレートに接着することであり、主に環状封止部を案内するかまたは安定させることではないので、取付部は環状封止部が曲がらない位置に位置することができる。取付部は、好ましくは、2つの熱交換プレートが互いに並置された位置にあるときに十字パターンを形成するために通常は斜角に延びている伝熱プレートの波形と位置合わせするために、斜角で延びることができる。したがって、取付構造は、伝熱プレートの波形パターンの溝もしくは谷部と位置合わせされてもよい。このようにして、波形パターンへの影響が低減され、それによって流れに対する取付構造への影響が低減される。
【0034】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、取付面は平坦であるか、または複数の波形を画定し、取付面は、取付部の延在部の平面と平行であるか、またはこれに対して角度を画定する。
【0035】
接着剤のための明確に画定された表面を画定し、かつ競合する取付面上に接着剤を均一に分布させることができるように、取付面は平坦であることが好ましい。しかし、取付面は、余分な接着剤を良好に受け入れるために複数の小さな波形を画定してもよい。取付面は、取付部の延在部に対する表面積を増加させるために、取付部の延在部の平面に対する角度を画定してもよい。このようにして、対向するプレートがガスケット溝のより近くで互いに接触して支持することを可能にする同じ表面積を維持しながら、取付部の延在部を短くしてもよい。取付部が短いほど、流れの妨害が少なくなる可能性がある。
【0036】
上述の目的は、第2の態様において、一組のポート孔とガスケット溝とを備える波形伝熱プレートによって実現され、ガスケット溝は、ガスケット装置の環状封止部を収容するように配置され、伝熱プレートの一組のポート孔を囲み、かつ一組のポート孔のポート孔間の流路を画定する環状溝と、環状溝の内側に接続され、かつ環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、取付構造が、接着剤によってガスケット装置の取付部の対応するガスケット取付面に取り付けるように配置されたプレート取付面を画定する、取付構造とを備える。
【0037】
第2の態様による伝熱プレートは、第1の態様によるガスケット装置と共に用いられることが好ましい。伝熱プレートは、環状封止部を収容するように配置された環状溝と、接着剤によって取付部のガスケット取付面に取り付けるように配置されたプレート取付面を有する取付構造とを備える。伝熱プレートは、熱伝達を増大させるために波形を付けられている。取付構造は、環状溝の内側から突出しており、したがって、伝熱プレートの外縁に向かって、または伝熱プレートのポート孔の縁に向かって突出していてはならない。
【0038】
取付構造は、第1の点で環状溝の内側に接続され、かつ環状溝に対して内側方向に延び、取付構造は、第1の点と、第1の点の反対側の環状溝の内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く、好ましくは1/3よりも短く、より好ましくは1/4よりも短く延びる。取付構造の主な目的は、環状封止部を固定し、かつ流れを案内しないことであり、したがって、環状封止部によって囲まれた領域内にあまり遠くまで延びてはならない。
【0039】
第2の態様による伝熱プレートは、第1の態様によるガスケット装置の特徴のいずれかを含んでもよい。
【0040】
第2の態様のさらなる実施形態によれば、伝熱プレートは、環状ガスケット溝を囲む外側環状ガスケット溝を備えてもよく、外側ガスケット溝は、好ましくは波形伝熱プレートの外縁に隣接して位置する。
【0041】
取付構造は、好ましくは、外側環状ガスケット溝によって囲まれ、かつ内側環状ガスケット溝の外側および外側環状ガスケット溝の内側の流れを可能にする内側ガスケット溝の内側に位置し、この流れは、取付構造によって妨害されない。
【0042】
第2の態様のさらなる実施形態によれば、プレート取付面は環状ガスケット溝と一致し、または、プレート取付面は環状ガスケット溝よりも小さい押圧深さを画定し、または、プレート取付面は環状ガスケット溝よりも大きい押圧深さを画定する。
【0043】
これは、取付部が好ましくは環状封止部とは異なる厚さを画定することができるようにするためである。
【0044】
上述の目的は、第3の態様において、一対の対向する波形伝熱プレートの間に位置するガスケット装置を備えるプレートパッケージを備える熱交換器によって実現され、
各波形伝熱プレートは一組のポート孔とガスケット溝とを備え、ガスケット溝は、
伝熱プレートの一組のポート孔を囲み、かつ一組のポート孔のポート孔間の流路を画定する環状溝と、環状溝の内側に接続され、環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、取付構造が、プレート取付面を画定する、取付構造とを備え、
ガスケット装置は、
ガスケット溝の環状溝に沿って延び、かつ伝熱プレートの一組のポート孔を囲むように配置された環状封止部と、
環状封止部の内側に接続され、かつ環状封止部に対して内側方向に延びる取付部であって、取付部が、接着剤によって一方の伝熱プレートの取付構造のプレート取付面に取り付けられたガスケット取付面を画定する、取付部とを備える。
【0045】
第3の態様による熱交換器は、第1の態様によるガスケット装置と、第2の態様による一対の対向する伝熱プレートと、ガスケット装置の締結取付部分と一方の伝熱プレートの締結構造部分との間に塗布された接着剤とを備える。
【0046】
取付構造は、取付構造が環状溝の内側に接続される第1の点と、第1の点の反対側の環状溝の内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く、好ましくは1/3よりも短く、より好ましくは1/4よりも短く延びる。
【0047】
取付部は、取付構造に沿って延びる。
【0048】
取付部は、伝熱プレートの両方に接触することができる。これは、流れを案内することが所望される場合に有益な場合がある。しかし、取付部は、上側プレートとの隙間を代替的に画定し、取付部と上側プレートとの間の流れを可能にしてもよい。
【0049】
第3の態様のさらなる実施形態によれば、取付構造の取付面は、一方の伝熱プレートの谷部と一致する。このようにして、谷部は、対向するプレートのための接触点および支持面の両方として、ならびに取付構造のための取付面として作用することができるので、別個の取付面の必要はない。
【0050】
上述の目的は、第4の態様において、第1の態様によるガスケット装置と、第2の態様による一対の伝熱プレートと、接着剤と
を提供することによって、プレート式熱交換器用のプレートパッケージを組み立てる方法であって、方法は、
接着剤をプレート取付面および/またはガスケット取付面に塗布するステップと、
ガスケット装置を一対の対向する波形伝熱プレートの間に配置し、それによってプレートパッケージを形成するステップと
を含む。
【0051】
上述の方法は、第3の態様による熱交換器の製造または改修に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1A】淡水製造用の伝熱プレートの正面図である。
図1B】ガスケットを有する図1Aのプレートの正面図である。
図2A図1Bのプレートの一部の正面図である。
図2B図1Aのプレートの一部の斜視図である。
図2C図1Bのプレートおよびガスケットの一部の斜視図である。
図3A】プレートおよびガスケット装置の側面図である。
図3B】代替的なプレートおよびガスケット装置の側面図である。
図3C】さらなる代替的なプレートおよびガスケット装置の側面図である。
図3D】さらに別の代替的なプレートおよびガスケット装置の側面図である。
図3E図3Aと同様のプレートおよびガスケット装置の側面図である。
図3F図3Aと同様のさらなる装置の側面図である。
図3G図3Aと同様のさらに別の装置の側面図である。
図3H図3Gと同様のプレートおよびガスケット装置の側面図である。
図4A】熱交換器用の伝熱プレートの正面図である。
図4B】ガスケットを有する図4Aのプレートの正面図である。
図5A図4Aのプレートの一部の斜視図である。
図5B図4Bのガスケット装置の一部の斜視図である。
図5C図4Bのプレートおよびガスケットの一部の斜視図である。
図6A】熱交換器用の代替的な伝熱プレートの正面図である。
図6B】ガスケットを有する図6Aの代替的なプレートの正面図である。
図7A図6Aの代替的なプレートの一部の斜視図である。
図7B図6Bのガスケット装置の一部の斜視図である。
図7C図6Bの代替的なプレートおよびガスケットの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1Aは、淡水製造用の伝熱プレート10の正面図である。伝熱プレート10は、ステンレス鋼、またはより好ましくはチタン等の金属で作られ、蒸発部12と、分離部14と、凝縮部16とを備える。
【0054】
蒸発部12は、180度回転され、第1の内側環状溝18によって囲まれた対向プレートと共に交差波形パターンを形成するように波形にされる。蒸発部12は、加熱流体を循環させるための第1のガイド溝20と、加熱流体出口22と、加熱流体入口24とを備える。蒸発部12は、加熱流体によって蒸発される伝熱プレート10の反対側に海水を導入するための2つの対向する供給物入口26をさらに備える。
【0055】
分離部14は、蒸発した海水から液滴を除去するために、対向するプレートの波形が互いに落ち合うように波形にされている。分離部14は、蒸発した供給物を分離部14に搬送するための2つの対向する通路28と、蒸発した供給物を分離部14から凝縮部16に搬送するための二対の対向する通路30とを含む。
【0056】
凝縮部16は、180度回転され、第2の内側環状溝32によって囲まれた対向プレートと共に交差波形パターンを形成するように波形にされる。凝縮部16は、冷却流体を循環させるための第2のガイド溝34と、冷却流体入口36と、冷却流体出口38とを備える。凝縮部16は、伝熱プレート10の反対側で凝縮された淡水を排出するための淡水出口40をさらに備える。
【0057】
伝熱プレート10は、供給物の未蒸発部を除去するために、プレートの底部に2つの対向する塩水出口44を有する。伝熱プレート10は、外側環状ガスケット溝42によって囲まれている。伝熱プレート10は、以下でさらに詳細に説明する取付構造46をさらに備える。取付構造46は、第1の内側環状溝18の内側のそれぞれの取付点から反対側の第1の内側環状溝18の対向点に向かって延びているが、(第1の内側環状溝18の対向点までの距離の1/2よりも長く延びる)第1のガイド溝20と比較すると、わずかな距離(第1の内側環状溝18の対向点までの距離の1/2未満)しか延びていない。
【0058】
図1Bは、環状封止部18’、32’および42’、ガイド部20’および34’、ならびに取付部46’からなるガスケット装置を有する図1Aの伝熱プレート10の正面図である。ガスケット装置は、ゴムなどの可撓性材料で作られる。第1の内側環状封止部18’は、第1の内側環状ガスケット溝内に位置している。第1のガイド部20’は第1のガイド溝内に位置している。第2の内側環状封止部32’は、第2の内側環状溝内に位置している。第2のガイド部34’は第2のガイド溝内に位置している。外側環状封止部42’は、外側環状ガスケット溝42内に位置している。取付部46’は、取付構造内にこれに沿って位置している。取付部46’は、第1の内側環状封止部18’の内側のそれぞれの取付点から反対側の第1の内側環状封止部18’の対向点に向かって延びているが、(第1の環状封止部18’の対向点までの距離の1/2よりも長く延びる)第1のガイド部20’と比較すると、わずかな距離(第1の内側環状溝18の対向点までの距離の1/2未満)しか延びていない。
【0059】
分離部14によって分離された供給物の未蒸発部は、第1の内側環状封止部18’の外側に落下し、第1の内側環状封止部18’と外側環状封止部42’との間を塩水出口44まで案内される。
【0060】
図2Aは、図1Bの伝熱プレート10の蒸発部12の一部の正面図である。ここで見える2つの取付部46’は、第1の内側環状封止部18’の内側から蒸発部12および加熱水入口24と加熱水出口22との間に画定された(破線矢印で示す)流路内に突出している。取付部46’は、液体接着剤、固体接着剤または接着両面テープなどの接着剤によって、伝熱プレート10の下にある(取付部によって覆われた)取付構造に締結される取付面(図示せず)を有する。取付部46’は、プレートパッケージが組立てまたは修理のために開いているときに第1の内側環状封止部18’を定位置に保持し、このとき、対向する伝熱プレートは、第1の内側環状封止部を固定せず、任意選択的に、流れが完全な蒸発部12を覆うように流れを(破線矢印によって示されるように)特定の方向に向けるために使用されてもよい。しかし、隣接する突条部および谷部と同じ方向に向けられた取付部を有することは、波形パターンへの影響を低減し、それによって流れに対する取付部の影響を排除する可能性がある。内側環状封止部18’の外側には、第1の内側環状封止部18’の外側の供給物の未蒸発部の流れを妨げる可能性のある障害物がないようにするための任意の取付部がない。
【0061】
蒸発部12は波形であり、交互の突条部48および谷部50の波形パターンを画定する。(取付部46’によって覆われた)取付構造は、好ましくは、熱交換プレート10の波形パターンの既存の突条部48または谷部50と一致する。これは、典型的には、取付部46’が、取付部46’の位置で環状封止部18’に対して斜角を画定することを意味する。伝熱プレート10の(取付部46’によって覆われた)取付面は、典型的には、一致する突条部48または谷部50とは異なる押圧深さを画定する。
【0062】
第1の内側環状封止部18’は、ポートガスケット溝54内に短い距離だけ延びる任意の短い安定化部52を含む。ポートガスケット溝54は、伝熱プレート10の反対側のポート封止部によって使用されて、加熱流体入口24および加熱流体出口22を取り囲む。短い安定化部52は、第1の内側環状封止部18’の屈曲部に位置し、いかなる接着手段によっても固定されず、第1の内側環状封止部18’の屈曲部に位置する第1の内側環状溝の間の接合部における安定化および案内の目的のためにのみ使用される。
【0063】
図2Bは、ガスケット装置を伴わない、図1Aの伝熱プレート10の蒸発部12の一部の斜視図である。伝熱プレート10は、第1の内側環状封止部を所定の位置に保持するために、第1の内側環状溝18の外側に交互のガスケット案内隆起部56およびガスケット案内凹部58を備え、かつ第1の内側環状溝18の内側に交互の突条部48および谷部50を備える。取付構造46は、接着手段によってガスケット装置の対応する取付部(図示せず)に取り付けるための取付面を画定する。取付構造46は、蒸発部12の波形パターンを乱さないように、ここでは突条部48と位置合わせされる。
【0064】
図2Cは、図1Bの伝熱プレート10およびガスケットの一部の斜視図である。取付部46’は、環状封止部18から内側に突出し、プレートパッケージが開いているときに環状封止部18を所定の位置に保持するために、伝熱プレート10の取付構造46の対応する平坦な接触面46”に接着される平坦な接触面(図示せず)を画定する。取付部46’は、環状封止部18’の直線部から突条部48と位置合わせされて斜角で延びる。取付部46’は、好ましくは対向する伝熱プレートの対向する接触面(図示せず)と接触する平坦な上面46”’を画定する。
【0065】
図3Aは、(突条部48、谷部50、隆起部56および凹部58が、互いに重なり合って示された)伝熱プレート10、および環状封止部18’および取付部46’を備えるガスケット装置の側面図である。ガスケット装置の厚さ方向は、矢印Tによって示されている。取付部46は、伝熱プレート10の取付構造46の対応する取付面46”に接着される取付面を画定する。環状封止部18’は、環状ガスケット溝18内に位置決めされ、環状ガスケット溝18の下側封止平面S1と、対向する伝熱プレートの仮想位置の上側封止平面S2とを画定する。本実施形態では、取付部46’は、下側封止平面S1と一致する取付面46”に下側取付平面A1を画定し、かつ、突条部48と上側封止平面S2との間に位置する上側取付平面A2を画定する。
【0066】
図3Bは、代替的な伝熱プレート10およびガスケット装置の側面図である。本実施形態では、取付部46’は、下側封止平面S1と一致する取付平面A1と、突条部48と上側封止平面S2との間に位置する上側取付平面A2との間に傾斜した取付面を画定する。
【0067】
図3Cは、さらなる代替的な伝熱プレート10およびガスケット装置の側面図である。本実施形態では、取付部46’は、取付面46”に、下側封止平面S1と一致しないが、下側封止平面S1と、突条部48と上側封止平面S2との間に位置する上側取付平面A2との間に位置する下側取付平面A1を画定する。
【0068】
図3Dは、さらに別の代替的な伝熱プレート10およびガスケット装置の側面図である。本実施形態では、取付部46’は、下側封止平面S1および谷部50と一致する取付面46”に下側取付平面A1を画定し、かつ、突条部48と上側封止平面S2との間に位置する上側取付平面A2を画定する。
【0069】
図3Eは、取付面46”が、任意の可能性がある過剰な接着剤を良好に受け入れることができるように複数の小さな波形を画定することを除いて、図3Aと同様のプレートおよびガスケット装置の側面図である。
【0070】
図3Fは、突条部48および谷部50の両方が取付構造46の取付面46”を画定するように変更されていることを除いて、図3Aと同様のさらなる装置の側面図である。これは、取付面46”および対応する取付部46’を単一の突条部48もしくは谷部50の幅よりも広くすることが望まれる場合に使用されてもよい。
【0071】
図3Gは、下側取付平面A1が下側封止平面S1の下に位置することを除いて、図3Aと同様のさらに別の装置の側面図である。
【0072】
図3Hは、取付構造46の取付面46”が突条部48の代わりに谷部50と一致することを除いて、図3Gと同様のプレートおよびガスケット装置の側面図である。
【0073】
図4Aは、熱交換器用の波形伝熱プレート60の正面図である。伝熱プレート60は、4つのポート孔62A~62D(図示せず)を備える。伝熱プレート60は、伝熱プレート60を囲み、かつポート孔62Aと62Bとの間、およびポート孔62Cと62Dとの間にそれぞれ流路を画定する環状溝42をさらに備える。伝熱プレート60は、環状溝42の内側に接続された複数の取付構造46をさらに備える。取付構造46は、環状溝42の内側のそれぞれの取付点から反対側の環状溝42の取付構造46を有する対向点に向かって延びているが、わずかな距離(環状溝42の対向点までの距離の1/2未満)しか延びていない。
【0074】
図4Bは、ガスケット装置を有する図4Aのプレートの正面図である。ガスケット装置は、伝熱プレート60の環状溝内に位置し、かつポート孔62Aと62Bとの間に流路を画定するが、2つの他のポート孔62Cおよび62Dのいずれかとの流体連通を妨げる環状封止部42’を備える。なお、伝熱プレート60の反対側の別の環状封止部(図示せず)は、ポート孔62Cと62Dとの間に流路を画定するが、他の2つのポート孔62Aおよび62Bのいずれかとの流体連通を妨げる。熱交換器では、それによって全ての第2の伝熱プレートが180度回転するいくつかの伝熱プレート60が積み重ねられ、それらの間に環状封止部42’を有し、それによって、全ての第2の環状封止部42’が、ポート孔62Aと62Bとの間に流路を形成するが、2つの他のポート孔62Cおよび62Dのいずれかとの流体連通を妨げるように構成され、全ての他の環状封止部42’が、ポート孔62Cと62Dとの間に流路を形成するが、2つの他のポート孔62Aおよび62Bのいずれかとの流体連通を妨げるように構成される。
【0075】
ガスケット装置は、各々がそれぞれの取付構造46に位置し、かつ環状封止部42’の内側に接続されている複数の取付部46’をさらに備える。取付部46’は、伝熱プレート60の外縁の付近に位置しているが、環状封止部42’に対して内側に延びている。取付部46’は、ポート孔62A~62Dから離間して位置している。取付部46’は、第1の内側環状封止部42’の内側のそれぞれの取付点から反対側の第1の内側環状封止部42’に取付部46’を有する対向点に向かって延びているが、わずかな距離(第1の内側環状封止部42’の対向点までの距離の1/2未満)しか延びてない。
【0076】
図5Aは、図4Aの伝熱プレート60の一部の斜視図である。伝熱プレート60の環状溝42は、伝熱プレート60の縁部に隣接する一方側の交互の隆起部56および凹部58と、伝熱プレート60の伝熱領域の内側の環状溝42の反対側に位置する突条部48および谷部50との間に位置する。取付部46は、伝熱領域内へ、かつ流路内に向かって内側に突出している。取付部46は、環状ガスケット部の取付部の対応する表面に接着されるように意図された取付面46”を画定する。このようにして、クリップおよび他の同様の手段を伝熱プレート60の縁部の付近で回避することができる。
【0077】
図5Bは、図4Bのガスケット装置の一部の斜視図である。ガスケット装置は、環状封止部42’と、取付部46’とを備える。
【0078】
図5Cは、図4Bの伝熱プレート60およびガスケット装置の一部の斜視図である。ガスケット装置の取付部46’および伝熱プレート60の対応する取付構造46は、環状封止部42’および対応する環状溝42の幅よりも大きい幅を画定する。取付部46’および対応する取付構造46の幅もまた、単一の突条部48または単一の谷部の幅よりも大きい。このようにして、取付部は、接着剤のための十分な取付面を依然として可能にしながら、流路内に遠くまで延びてはならない。
【0079】
図6Aは、熱交換器用の波形伝熱プレート60の正面図である。本発明の伝熱プレート60は、複数の取付構造46が取付部46における環状溝42の延在部に対して斜角で延びることを除いて、図4Aの伝熱プレートと同一である。
【0080】
図6Bは、ガスケット装置を有する図6Aの伝熱プレートの正面図である。ガスケット装置は、取付部46’が取付部46’における封止部42’の延在部に対して斜角で延びることを除いて、図4Bの伝熱プレートのガスケット装置と同一である。
【0081】
図7Aは、図4Aの伝熱プレート60の一部の斜視図である。取付構造46は、環状溝42から伝熱プレート60の隣接する斜めに延びる突条部48および谷部50と同じ方向に延びている。このようにして、環状溝の延在部に対して直角に延びる取付構造を有することと比較して、波形パターンへの影響は低減される。
【0082】
図7Bは、図6Bのガスケット装置の一部の斜視図である。取付部46’は、図7Aの取付構造に適合するように、封止部42’から伝熱プレート60の隣接する突条部48および谷部50と同じ方向に延びる。
【0083】
図7Cは、図6Bの伝熱プレート60およびガスケット装置の一部の斜視図である。
【0084】
上述の実施形態における取付部、構造、ブリッジ、ブリッジ受け部などの数は、単なる例示であり、変更することができる。
【0085】
本発明は、上述したもの以外の他の種類の伝熱プレートに関連して使用することができる。このような他のプレートの種類は、ステンレス鋼およびチタン以外の他の材料で作ることができ、代替設計のガスケット溝を備えることができ、別のパターンまたは別のポート孔設計を備えることができる。対応する推論がガスケット装置に有効である。
【0086】
本発明は、純粋にガスケット化されたもの以外の他の種類のプレート式熱交換器、例えば、恒久的に接合された伝熱プレートのカセットを備えるプレート式熱交換器に関連して使用することができる。第1および第2という属性は、同じ類の種類を区別するためだけに本明細書で使用され、種類間のいかなる類の相互順序も表現しないことが強調されるべきである。
【0087】
本発明に関連しない詳細の説明は省略されており、図面は単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていないことが強調されるべきである。また、いくつかの図面は他の図面よりも簡略化されていることを述べておく。したがって、いくつかの構成要素は、ある図では示されているが、別の図では省略されている場合がある。
【符号の説明】
【0088】
10 伝熱プレート
12 蒸発部
14 分離部
16 凝縮部
18 第1の内側環状溝
18’ 第1の内側環状封止部
20 第1のガイド溝
20’ 第1のガイド部
22 加熱流体出口
24 加熱流体入口
26 供給物入口
28 通路
30 通路
32 第2の内側環状溝
32’ 第2の内側環状封止部
34 第2のガイド溝
34’ ガイド部
36 冷却流体入口
38 冷却流体出口
40 淡水出口
42 外側環状ガスケット溝
42’ 外側環状封止部
44 塩水出口
46 取付構造
46’ 取付部
46’’ 取付面
46’’’ 平坦な上面
48 突条部
50 谷部
52 安定化部
54 ポートガスケット溝
56 ガスケット案内隆起部
58 ガスケット案内凹部
60 伝熱プレート
62A ポート孔
62B ポート孔
62C ポート孔
62D ポート孔
A1 下側取付平面
A2 上側取付平面
S1 下側封止平面
S2 上側封止平面
T 矢印
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート式熱交換器の2つの波形伝熱プレート間を封止するためのガスケット装置であって、前記伝熱プレートがそれぞれ一組のポート孔を備え、前記ガスケット装置が、
前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、前記一組のポート孔の前記ポート孔間に流路を画定するように配置された環状封止部と、
第1の点で前記環状封止部の内側に接続され、かつ前記環状封止部に対して内側方向に延びる取付部であって、前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付部が、接着剤によって一方の前記伝熱プレートの対応するプレート取付面に取り付けるように配置されたガスケット取付面を画定する、取付部とを備え
前記環状封止部が、前記取付部の位置で直線に沿って延び、
前記取付部が、前記取付部における前記環状封止部の延在部に対して斜角で延びる、ガスケット装置。
【請求項2】
前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項1に記載のガスケット装置。
【請求項3】
前記取付部が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状封止部の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項1に記載のガスケット装置。
【請求項4】
前記環状封止部が、平行な下側封止平面と上側封止平面との間に第1の厚さを画定し、前記取付部が、平行な下側取付平面と上側取付平面との間に第2の厚さを画定し、平行な前記下側取付平面および前記上側取付平面が、前記下側封止平面および前記上側封止平面と平行であり、前記第2の厚さが前記第1の厚さとは異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項5】
前記第2の厚さが前記第1の厚さよりも薄い、請求項4に記載のガスケット装置。
【請求項6】
前記下側取付平面および前記上側取付平面が、前記下側封止平面と前記上側封止平面との間に配置される、請求項4に記載のガスケット装置。
【請求項7】
前記下側取付平面が前記下側封止平面と一致し、または前記上側取付平面が前記上側封止平面と一致し、または、前記下側封止平面が前記下側取付平面と前記上側取付平面との間に配置され、または、前記上側封止平面が前記下側取付平面と前記上側取付平面との間に配置される、請求項4に記載のガスケット装置。
【請求項8】
前記環状封止部が、前記環状封止部の外縁と前記環状封止部の内縁との間に特定の幅を画定し、前記取付部が、前記環状封止部と、前記環状封止部から特定の距離だけ離れた終点との間に延びるタブまたはループを形成し、前記特定の距離が前記特定の幅の3倍未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項9】
前記特定の距離が前記特定の幅の2倍未満である、請求項8に記載のガスケット装置。
【請求項10】
前記特定の距離が前記特定の幅以下である、請求項8に記載のガスケット装置。
【請求項11】
前記取付部の幅が、前記特定の幅の幅とは異なる、請求項8に記載のガスケット装置。
【請求項12】
前記取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が前記取付部の延在部の平面と平行である、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項13】
前記取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が前記取付部の延在部の平面に対して角度を画定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置。
【請求項14】
一組のポート孔とガスケット溝とを備える波形伝熱プレートであって、前記ガスケット溝が、
ガスケット装置の環状封止部を収容するように配置され、前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、かつ前記一組のポート孔の前記ポート孔間の流路を画定する環状溝と、
第1の点で前記環状溝の内側に接続され、かつ前記環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付構造が、接着剤によって前記ガスケット装置の取付部の対応するガスケット取付面に取り付けるように配置されたプレート取付面を画定する、取付構造とを備え
前記環状溝が、前記取付構造の位置で直線に沿って延び、
前記取付構造が、前記取付構造における前記環状溝の延在部に対して斜角で延び、
前記取付構造が、前記取付構造に隣接する前記環状溝内の波形パターンと平行である、波形伝熱プレート。
【請求項15】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項14に記載の波形伝熱プレート。
【請求項16】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項14に記載の波形伝熱プレート。
【請求項17】
前記環状溝が、前記環状溝の外縁と前記環状溝の内縁との間に特定の幅を画定し、前記取付構造が、前記環状溝と、前記環状溝から特定の距離だけ離れた終点との間に延びる突起またはループを形成し、前記特定の距離が前記特定の幅の3倍未満である、請求項14から16のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項18】
前記特定の距離が、前記特定の幅の2倍未満である、請求項17に記載の波形伝熱プレート。
【請求項19】
前記特定の距離が、前記特定の幅以下である、請求項17に記載の波形伝熱プレート。
【請求項20】
前記取付構造の幅が、前記特定の幅の幅と異なる、請求項17に記載の波形伝熱プレート。
【請求項21】
前記プレート取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が、平行な下側封止平面および上側封止平面と平行である、請求項14から16のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項22】
前記プレート取付面が平坦であるかまたは複数の波形を画定し、前記取付面が、平行な下側封止平面および上側封止平面に対して角度を画定する、請求項14から16のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項23】
前記環状ガスケット溝を囲む外側環状ガスケット溝をさらに備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項24】
前記外側環状ガスケット溝が、前記波形伝熱プレートの外縁に隣接して位置する、請求項23に記載の波形伝熱プレート。
【請求項25】
前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝と一致し、または、前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝よりも小さい押圧深さを画定し、または、前記プレート取付面が前記環状ガスケット溝よりも大きい押圧深さを画定する、請求項14から16のいずれか一項に記載の波形伝熱プレート。
【請求項26】
一対の対向する波形伝熱プレートの間に位置するガスケット装置を備えるプレートパッケージを備える熱交換器であって、
各波形伝熱プレートが一組のポート孔とガスケット溝とを備え、前記ガスケット溝が、
前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲み、前記一組のポート孔の前記ポート孔間の流路を画定する環状溝と、
前記環状溝の内側に接続され、前記環状溝に対して内側方向に延びる取付構造であって、前記取付構造が、第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/2よりも短く延び、前記取付構造が、プレート取付面を画定する、取付構造とを備え、
前記ガスケット装置が、
前記ガスケット溝の前記環状溝に沿って延び、かつ前記伝熱プレートの前記一組のポート孔を囲むように配置された環状封止部と、
前記第1の点で前記環状封止部の内側に接続され、前記環状封止部に対して内側方向にかつ前記取付構造に沿って延びる取付部であって、前記取付部が、接着剤によって一方の前記伝熱プレートの前記取付構造の前記プレート取付面に取り付けられたガスケット取付面を画定する、取付部とを備える、熱交換器。
【請求項27】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/3よりも短く延びる、請求項26に記載の熱交換器。
【請求項28】
前記取付構造が、前記第1の点と、前記第1の点の反対側の前記環状溝の前記内側に位置する第2の点との間の距離の1/4よりも短く延びる、請求項26に記載の熱交換器。
【請求項29】
前記取付構造の前記取付面が、一方の前記伝熱プレートの谷部と一致する、請求項26から28のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項30】
請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット装置と、
請求項14から16のいずれか一項に記載の一対の伝熱プレートと、
接着剤と
を提供することによって、プレート式熱交換器用のプレートパッケージを組み立てる方法であって、
前記方法が、
前記接着剤を前記プレート取付面および/または前記ガスケット取付面に塗布するステップと、
前記ガスケット装置を前記一対の対向する波形伝熱プレートの間に配置し、それによって前記プレートパッケージを形成するステップとを含む、方法。
【国際調査報告】