(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】共有TXOPを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(51)【国際特許分類】
H04W 74/04 20090101AFI20240621BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20240621BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240621BHJP
【FI】
H04W74/04
H04W28/06 110
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579328
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2022008860
(87)【国際公開番号】W WO2022270896
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081205
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0114240
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0147400
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174275
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
無線通信システムのステーションが開示される。ステーションは、送受信部;及び、前記送受信部を制御するプロセッサを含む。前記プロセッサは、AP(Access Point)から、上りリンク送信をトリガーするトリガーフレーム(Trigger frame)を受信し、前記トリガーフレームは、前記APによって取得された送信機会(transmission opportunity,TXOP)の一部を、前記ステーションに共有TXOPとして割り当て、前記トリガーフレームに対する応答としてCTSフレームを送信し、前記共有TXOP内で前記APに対する送信に基づいて、チャネルアクセスに用いる第1EDCA(enhanced distributed channel access)パラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのステーションであって、
送受信部;及び
前記送受信部を制御するプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
AP(Access Point)から、上りリンク送信をトリガーするトリガーフレーム(Trigger frame)を受信し、前記トリガーフレームは、前記APによって取得された送信機会(transmission opportunity,TXOP)の一部を、前記ステーションに共有TXOPとして割り当て、
前記トリガーフレームに対する応答としてCTSフレームを送信し、
前記共有TXOP内で前記APに対する送信に基づいて、チャネルアクセスに用いる第1EDCA(enhanced distributed channel access)パラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換えるステーション。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記共有TXOP内で前記APにQoS(quality of service)データフレームが成功的に送信された場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える、請求項1に記載のステーション。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求するQoSデータフレームを送信し、前記即刻応答を要求するQoSデータフレームに対する応答を受信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える、請求項2に記載のステーション。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求しないQoSデータフレームを送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える、請求項2に記載のステーション。
【請求項5】
前記第2EDCAパラメータセットは、UL MU(multiuser)送信に成功したか否かに基づいて、前記第1EDCAパラメータセットの代わりに用いられる、請求項1に記載のステーション。
【請求項6】
前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームが成功的に送信された場合に、前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する、請求項2に記載のステーション。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記ステーションが前記APに前記共有TXOP内でUL MU送信動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても、前記タイマーの値を0に設定しない、請求項6に記載のステーション。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記ステーションが前記APに前記共有TXOP動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、前記タイマーの値を0に設定する、請求項7に記載のステーション。
【請求項9】
無線通信システムのステーションの動作方法であって、
AP(Access Point)から上りリンク送信をトリガーするトリガーフレーム(Trigger frame)を受信し、前記トリガーフレームは、前記APによって取得された送信機会(transmission opportunity,TXOP)の一部を、前記ステーションに共有TXOPとして割り当てる段階;
前記トリガーフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する段階;及び
前記共有TXOP内で前記APに対する送信に基づいて、チャネルアクセスに用いる第1EDCA(enhanced distributed channel access)パラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含む動作方法。
【請求項10】
前記チャネルアクセスに用いる第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APにQoS(quality of service)データフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含む、請求項9に記載の動作方法。
【請求項11】
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求するQoSデータフレームを送信し、前記即刻応答を要求するQoSデータフレームに対する応答を受信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求しないQoSデータフレームを送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項13】
前記第2EDCAパラメータセットは、UL MU(multiuser)送信に成功したか否かに基づいて、前記第1EDCAパラメータセットの代わりに用いられる、請求項9に記載の動作方法。
【請求項14】
前記チャネルアクセスに用いる第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、
前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームが成功的に送信された場合に、前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項15】
前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階は、
前記ステーションが前記APに前記共有TXOP内でUL MU送信動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても前記タイマーの値を0に設定しない段階を含む、請求項14に記載の動作方法。
【請求項16】
前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階は、
前記ステーションが前記APに前記共有TXOP動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、前記タイマーの値を0に設定する段階を含む、請求項15に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有TXOPを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を用いた初期の無線LAN技術を支援して以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの周波数を使用して最大54Mpbsの通信速度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術を基盤にしている。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個送信するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを送信する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのディバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行中である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、共有TXOPを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例に係る無線通信システムのステーションは、送受信部;及び、前記送受信部を制御するプロセッサを含む。前記プロセッサは、AP(Access Point)から、上りリンク送信をトリガーするトリガーフレーム(trigger frame)を受信し、前記トリガーフレームは、前記APによって獲得された送信機会(transmission opportunity,TXOP)の一部を、前記ステーションに共有TXOPとして割り当て、前記トリガーフレームに対する応答としてCTSフレームを送信し、前記共有TXOP内で前記APに対する送信に基づいて、チャネルアクセスに用いる第1EDCA(enhanced distributed channel access)パラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える。
【0010】
前記プロセッサは、前記共有TXOP内で前記APにQoS(quality of service)データフレームが成功的に送信された場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換えることができる。
【0011】
前記プロセッサは、前記共有前記ステーションがTXOP内で前記APに即刻応答を要求するQoSデータフレームを送信し、前記即刻応答を要求するQoSデータフレームに対する応答を受信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換えることができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求しないQoSデータフレームを送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換えることができる。
【0013】
前記第2EDCAパラメータセットは、UL MU(multiuser)送信に成功したか否かに基づいて、前記第1EDCAパラメータセットの代わりに用いられてよい。
【0014】
前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームが成功的に送信された場合に、前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定できる。
【0015】
前記プロセッサは、前記ステーションが前記APに前記共有TXOP内でUL MU送信動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても、前記タイマーの値を0に設定しなくてよい。
【0016】
前記プロセッサは、前記ステーションが前記APに前記共有TXOP動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、前記タイマーの値を0に設定できる。
【0017】
本発明の実施例に係る無線通信システムのステーションの動作方法は、AP(Access Point)から上りリンク送信をトリガーするトリガーフレーム(trigger frame)を受信する段階であって、前記トリガーフレームは、前記APによって獲得された送信機会(transmission opportunity,TXOP)の一部を、前記ステーションに共有TXOPとして割り当てる、段階;前記トリガーフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する段階;及び、前記共有TXOP内で前記APに対する送信に基づいて、チャネルアクセスに用いる第1EDCA(enhanced distributed channel access)パラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含んでよい。
【0018】
前記チャネルアクセスに用いる第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APにQoS(quality of service)データフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含んでよい。
【0019】
前記共有TXOP内で前記ステーションが前記APにQoSデータフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求するQoSデータフレームを送信し、前記即刻応答を要求するQoSデータフレームに対する応答を受信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含んでよい。
【0020】
前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームを成功的に送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、前記ステーションが前記共有TXOP内で前記APに即刻応答を要求しないQoSデータフレームを送信した場合に、前記第1EDCAパラメータセットを前記第2EDCAパラメータセットに切り換える段階を含んでよい。
【0021】
前記第2EDCAパラメータセットは、UL MU(multiuser)送信に成功したか否かに基づいて、前記第1EDCAパラメータセットの代わりに用いられてよい。
【0022】
前記チャネルアクセスに用いる第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換える段階は、前記共有TXOP内で前記APにQoSデータフレームが成功的に送信された場合に、前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階を含んでよい。
【0023】
前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階は、前記ステーションが前記APに前記共有TXOP内でUL MU送信動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても前記タイマーの値を0に設定しない段階を含んでよい。
【0024】
前記第2EDCAパラメータセットが適用される残余デュレーションのためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定する段階は、前記ステーションが前記APに前記共有TXOP動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、前記タイマーの値を0に設定する段階を含んでよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例は、効率的に共有TXOPを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例に係る無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係る無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るステーションの構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るアクセスポイントの構成を示す図である。
【
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。
【
図8】本発明の実施例に係る、様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【
図9】本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【
図10】本発明の実施例に係る、TID-to-linkマッピング方法によってマップされたマルチリンクを示す。
【
図11】本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作の一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作のさらに他の例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施例に係るBSS分類とそれに基づく動作の一例を示す図である。
【
図14】本発明の一実施例に係る無線LAN機能を示す図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る上りリンク(Uplink:UL)多重ユーザ(multi user:MU)動作を示す図である。
【
図16】本発明の一実施例に係るトリガーフレーム(Trigger frame)フォーマットを示す図である。
【
図17】本発明の一実施例に係るトリガーベースPPDUフォーマットを指示するための方法を示す図である。
【
図18】本発明の一実施例に係るUL MU動作の一例を示す図である。
【
図19】本発明の一実施例に係るTXOPを共有するための方法を示す図である。
【
図20】本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びNAV設定に関連した方法を示す図である。
【
図21】本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びCTSフレームの送信を示す図である。
【
図22】本発明の一実施例に係るTXOPの共有のためのトリガーフレームの一例を示す図である。
【
図23】本発明の一実施例に係るNAVタイムアウト(time out)を示す図である。
【
図24】本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【
図25】本発明のさらに他の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【
図26】本発明のさらに他の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【
図27】本発明の一実施例によってTXOPシェアリングが適用されるときにSTA及びAPがNAVを適用することを示す図である。
【
図28】本発明の一実施例によってSTAがTXOPの共有を終了することを示す図である。
【
図29】本発明の実施例によってトリガーフレームが含むCommon InfoフィールドとSpecial User Infoフィールドを用いてトリガーフレームに応答するTB PPDUのフォーマットをシグナルする方法を示す図である。
【
図30】本発明の実施例に係るステーションが修正されたMU-RTSフレームに対する応答としてフレームを送信するときにTXVECTOR parameterを設定する方法を示す図である。
【
図31】本発明の実施例に係るマネジメントフレームの構成とMU EDCA Parameter Setエレメントを示す図である。
【
図32】本発明の実施例に係る共有TXOPの割り当てを受けたステーションがMU EDCAパラメータセットを設定する方法を見せる。
【
図33】本発明の実施例に係るステーションが共有TXOPを割り当てた後にTXOPを回復する動作を示す図である。
【
図34】本発明の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す図である。
【
図35】本発明のさらに他の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す図である。
【
図36】本発明のさらに他の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す図である。
【
図37】本発明の実施例に係るフレームのフォーマットを示す図である。
【
図38】本発明の実施例に係るAPがOM ControlフィールドのUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドをデコードする方法を示す図である。
【
図39】本発明の実施例に係るステーションがUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Dataサブフィールドに基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する方法を示す図である。
【
図40】本発明のさらに他の実施例に係るAPがOM ControlフィールドのUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドをデコードする方法を示す図である。
【
図41】本発明の実施例に係るステーションが共有TXOP動作に基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する動作を示す図である。
【
図42】本発明の実施例に係るステーションが共有TXOP動作に基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的用語を選択しているが、これは当該技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0028】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定閾値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
【0029】
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0030】
図1は、本発明の一実施例に係る無線LANシステムを示す図である。
【0031】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0032】
図1に示すように、インフラストラクチャBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0033】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して送信するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0034】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0035】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0036】
図2は、本発明の他の実施例に係る無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0037】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0038】
図3は、本発明の一実施例に係るステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例に係るステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0039】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含んでよい。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含んでよい。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0040】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
【0041】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサ110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0042】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例に係ると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが送信した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってよい。プロセッサ110は、本発明の実施例に係るステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0043】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例に係るブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0044】
図4は、本発明の一実施例に係るAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例に係るAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0045】
図4を参照すると、本発明に係るAP200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。
図3の実施例において前述したように、前記AP200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含んでよい。すなわち、本発明の実施例に係るAP200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0046】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例に係ると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを送信する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例に係ると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例に係るAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0047】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0048】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(scanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に送信するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive scanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を送信しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を獲得するアクティブスキャニング(active scanning)方法がある。
【0049】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を送信しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を送信しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0050】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。
図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0051】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance) 方法を示す図である。
【0052】
無線LAN通信を行う端末は、データを送信する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば当該チャネルが占有状態と判別され、前記端末は当該チャネルに対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、当該信号の感知有無を決定するレベルをCCA閾値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA閾値以上の無線信号が当該端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、当該チャネルから無線信号が感知されないかCCA閾値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
【0053】
チャネルが遊休状態と判別されれば、送信するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、当該端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が当該チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競争ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイム間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達すると、端末は当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
【0054】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、当該端末は前記チャネルを介してデータを送信する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例に係ると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、当該端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競争ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競争ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競争ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0055】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的には、
図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、
図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、
図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、
図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0056】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0057】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0058】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0059】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含んでよい。
図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0060】
図7(d)を参照すると、L-SIGは、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的には、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0061】
L_LENGTHフィールドの単位はbyteであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナリング可能であり、L_RATEフィールドとの組合せで当該PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを互いに異なる方法で解析できる。
【0062】
まず、レガシー端末又はノン-レガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて当該PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドが6Mbpsに設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデュレーションである4usで3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びテール(Tail)フィールドに該当する3バイトを足し、これを、1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデュレーションである4usをかけた後、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、当該PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が取得される。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0063】
【0064】
このとき、
【数2】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
【0065】
【0066】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0067】
【0068】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0069】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0070】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0071】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0072】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。このとき、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0073】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含んでよく、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0074】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含んでよい。
【0075】
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合に、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0076】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネル以外の残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0077】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリチャネル以外の残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチャーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0078】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を図示する。また、SU PPDUの320MHz BW構成においてプライマリ160MHzとセカンダリ160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0079】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドに、シグナルされたPPDUフォーマットによって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、初めからEHT-SIG-Aをシグナルしなくてよいので、これを考慮して、U-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを完全にシグナルする必要がある。しかし、EHT MU PPDUである場合に、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードを、SU PPDUと異なる方法でシグナルできる。EHT ER PPDUの場合に、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzのいずれの帯域を使用するPPDUであるかをシグナルできる。前記PPDUタイプ別に細部的なパンクチャリングパターンは、
図11及び
図12で詳細に後述する。
【0080】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0081】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0082】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的には、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0083】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0084】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0085】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0086】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、
図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0087】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含んでよい。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0088】
具体的には、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含んでよい。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含んでよい。
【0089】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含んでよく、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含んでよい。
【0090】
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
【0091】
1つの無線通信装置が複数のリンクを用いて通信する場合に、無線通信装置の通信効率を高めることができる。このとき、リンクは物理的経路(path)であり、MSDU(MAC service data unit)を伝達するために使用可能な一つの無線媒介体として構成されてよい。例えば、いずれか一つのリンクの周波数帯域が他の無線通信装置によって使用中である場合に、無線通信装置は、他のリンクで継続して通信を行うことができる。このように、無線通信装置は、複数のチャネルを有用に使用することができる。また、無線通信装置が複数のリンクを用いて同時に通信を行う場合に、全体スループット(throughput)を高めることができる。ただし、既存無線LANは、1つの無線通信装置が1つのリンクを用いることを前提に規定されている。そのため、複数のリンクを用いるための無線LAN動作方法が必要である。
図9~
図26を参照して、複数のリンクを用いる無線通信装置の無線通信方法について説明する。まず、
図9を用いて、複数のリンクを用いる無線通信装置の具体的な形態について説明する。
【0092】
図9は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【0093】
前述した複数のリンクを用いる無線通信方法のためにマルチリンク装置(multi-link device,MLD)が定義されてよい。マルチリンク装置は、一つ以上の提携された(affiliated)ステーションを有する装置を表すことができる。具体的な実施例によって、マルチリンク装置は、2つ以上の提携されたステーションを有する装置を表すことができる。また、マルチリンク装置は、マルチリンクエレメントを交換することができる。マルチリンクエレメントは、一つ以上のステーション又は一つ以上のリンクに関する情報を含む。マルチリンクエレメントは、後述されるmulti-link setupエレメントを含んでよい。このとき、マルチリンク装置は論理的なエンティティ(entity)であってよい。具体的には、マルチリンク装置は複数の提携されたステーションを有してよい。マルチリンク装置は、MLLE(multi-link logical entity)又はMLE(multi-link entity)と呼ぶことができる。マルチリンク装置は、ロジカルリンク制御(logical link control,LLC)まで一つのMACサービスアクセスポイント(medium access control service access point,SAP)を有してよい。また、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有してよい。
【0094】
マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のリンクで動作できる。また、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のチャネルで動作できる。具体的には、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、異なる複数のリンク又は異なる複数のチャネルで動作できる。例えば、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzの異なる複数のチャネルで動作できる。
【0095】
マルチリンク装置の動作は、マルチリンクオペレーション、MLD動作、又はマルチ-バンド動作と呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがAPである場合に、マルチリンク装置は、AP MLDと呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがノン-APステーションである場合に、マルチリンク装置は、non-AP MLDと呼ぶことができる。
【0096】
図9は、non-AP MLDとAP-MLDとが通信する動作を示す。具体的には、non-AP MLDとAP-MLDはそれぞれ3個のリンクを用いて通信する。AP MLDは、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。non-AP MLDは、第1non-AP STA(non-AP STA1)、第2non-AP STA(non-AP STA2)及び第3non-AP STA(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)と第1non-AP STA(non-AP STA1)は第1リンク(Link1)を通じて通信する。また、第2AP(AP2)と第2non-AP STA(non-AP STA2)は第2リンク(Link2)を通じて通信する。また、第3AP(AP3)と第3non-AP STA(non-AP STA3)は第3リンク(Link3)を通じて通信する。
【0097】
マルチリンク動作は、マルチリンク設定(setup)動作を含んでよい。マルチリンク設定は、前述したシングルリンク動作の結合(association)動作に対応するものであり、マルチリンクでのフレーム交換のために先行される必要がある。マルチリンク装置は、マルチリンク設定のために必要な情報をmulti-link setupエレメントから取得することができる。具体的には、multi-link setupエレメントは、マルチリンクと関連した能力情報を含んでよい。このとき、能力情報は、マルチリンク装置に含まれた複数の装置のいずれか一つが送信を行い、同時に他の装置が受信を行うことができるかを示す情報を含んでよい。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるリンクに関する情報を含んでよい。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるチャネルに関する情報を含んでよい。
【0098】
マルチリンク設定は、ピアステーション間の交渉によって設定されてよい。具体的には、APとの通信無しでステーション間の通信によってマルチリンク設定が行われてよい。また、マルチリンク設定は、いずれか一つのリンクを通じて設定されてよい。例えば、マルチリンクを通じて第1リンク~第3リンクが設定される場合であっても、第1リンクを通じてマルチリンク設定が行われてよい。
【0099】
また、TID(traffic identifier)とリンクとのマッピングが設定されてよい。具体的には、特定値のTIDに該当するフレームは、あらかじめ指定されたリンクのみを通じて交換されてよい。TIDとリンクとのマッピングは、方向ベース(directional-based)で設定されてよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが設定された場合に、第1マルチリンク装置は、複数の第1リンクに第1TIDのフレームを送信するように設定され、第2マルチリンク装置は、第1リンクに第2TIDのフレームを送信するように設定されてよい。また、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は、基本(default)設定にしたがって各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全TIDが交換されるものであってよい。
【0100】
TIDについて具体的に説明する。TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データを分類するIDである。また、TIDは、MACレイヤよりも上位レイヤにおいて用いられたり割り当てられたりしてもよい。また、TIDは、トラフィックカテゴリー(traffic category,TC)、トラフィックストリーム(traffic stream,TS)を示すことができる。また、TIDは16個に区別されてよい。例えば、TIDは、0から15のいずれか一つと指定されてよい。アクセス政策(access policy)、チャネルアクセス又は媒体(medium)アクセス方法によって、使用されるTID値が異なるように指定されてよい。例えば、EDCA(enhanced distributed channel access)又はHCAF(hybrid coordination function contention based channel access)が用いられる場合に、TIDの値は0から7の範囲で割り当てられてよい。EDCAが用いられる場合に、TIDは、ユーザ優先順位(user priority,UP)を示すことができる。このとき、UPは、TC又はTSによって指定されてよい。UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられてよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HCCA又はSPCAが用いられる場合に、TIDは、TSIDを示すことができる。また、HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDの値は、8から15の範囲で割り当てられてよい。HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDは、TSIDを示すことができる。
【0101】
UPとAC(access category)はマップされてよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベルであってよい。ACは、EDCAパラメータセットを示すためのラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータセットは、EDCAのチャネル競合(contention)で用いられるパラメータである。QoSステーションはACを用いてQoSを保証することができる。また、ACは、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOを含んでよい。AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOのそれぞれは、バックグラウンド(background)、ベストエフォート(best effort)、ビデオ(video)、ボイス(voice)を示すことができる。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOは、下位ACに分類されてよい。例えば、AC_VIは、AC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化できる。また、AC_VOは、AC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化できる。また、UP又はTIDはACにマップされてよい。例えば、UP又はTIDにおける1、2、0、3、4、5、6、7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6及び7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6、及び7はその順に優先順位が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先順であり、7の方が高い優先順位であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先順位が高くなってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのそれぞれは、ACI(AC index)0、1、2、3のそれぞれに該当し得る。このようなTIDの特性上、TIDとリンクとのマッピングは、ACとリンクとのマッピングを表すことができる。また、リンクとACとのマッピングは、TIDとリンクとのマッピングを表すことができる。
【0102】
前述したように、複数のリンクのそれぞれにTIDがマップされてよい。マッピングは、特定TID又はACに該当するトラフィックが交換され得るリンクが指定されることであってよい。また、リンク内で送信方向別に送信され得るTID又はACが指定されてよい。前述したように、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は基本(default)設定にしたがって、各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全てのTIDが交換されるものであってよい。常に、ある時点に、いかなるTID又はACも少なくともいずれか一つのリンクとマップされてよい。マネジメントフレームとコントロールフレームは全てのリンクで送信されてよい。
【0103】
リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされたTID又はACに該当するデータフレームのみが送信されてよい。したがって、リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされていないTID又はACに該当しないフレームは送信されなくてよい。リンクがTID又はACにマップされた場合に、ACKもTID又はACがマップされたリンクに基づいて送信されてよい。例えば、ブロックACK合意(agreement)が、TIDとリンクとのマッピングに基づいて決定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、TIDとリンクとのマッピングがブロックACK合意に基づいて決定されてよい。具体的には、特定リンクにマップされたTIDに対してブロックACK合意が設定されてよい。
【0104】
前述したTIDとリンクとのマッピングにより、QoSが保証されてよい。具体的には、相対的に少ない数のステーションが動作するか、或いはチャネル状態の良いリンクに優先順位の高いAC又はTIDがマップされてよい。また、前述したTIDとリンクとのマッピングにより、ステーションがより長時間節電状態を保つようにすることができる。
【0105】
図10は、本発明の実施例に係る、TID-to-linkマッピング方法によってマップされたマルチリンクを示す。
【0106】
図10を参照すると、
図9で説明したように、TIDとリンクとのマッピング関係が存在してよい。また、本発明において、TIDとリンクとのマッピング関係をTID-to-linkマッピング、TID toリンクマッピング、TIDマッピング、リンクマッピングなどと呼ぶことができる。TIDは、トラフィック識別子(traffic identifier)であってよい。また、TIDは、QoS(quality of service )を支援するためにトラフィック、データなどを分類するID(identifier)であってよい。
【0107】
また、TIDは、MAC層よりも上位層で用いられるか又は割り当てられるIDであってよい。TIDは、TC(traffic categories)、TS(traffic streams)を示すことが可能である。また、TIDは、16個の値であってよく、例えば、0から15の値として示されてよい。また、access policy又はチャネル接続、medium access方法によって、用いるTID値が異なってよい。例えば、EDCA(HCF(hybrid coordination function)競合ベース(contention based)チャネル接続、拡張型分散(enhanced distributed)チャネル接続)を使用する場合に、可能なTID値は0~7であってよい。また、EDCAを用いる場合に、TID値は、UP(user priority)を示すものであってよく、前記UPは、TC又はTSに関するものであってよい。また、UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられる値であってよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAを用いる場合に、可能なTID値は8~15であってよい。また、HCCA又はSPCAを用いる場合に、TIDは、TSIDを示すものであってよい。また、HEMM又はSEMMを用いる場合に、可能なTID値は、8~15であってよい。また、HEMM又はSEMMを用いる場合に、TIDは、TSIDを示すものであってよい。
【0108】
また、UPと接続カテゴリー(access category:AC)とのマッピング関係が存在してよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベル(label)又はEDCAパラメータのセットを指示するラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータのセットは、チャネル接続に用いられるものであってよい 。ACは、QoS STAによって用いられてよい。
【0109】
ACの値は、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのうちの一つとして設定されてよい。AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOはそれぞれ、background、best effort、video、voiceを表してよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOを細分化することが可能である。例えばAC_VIがAC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化されてよい。また、AC_VOがAC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化されてよい。また、UP値又はTID値はAC値とマップされてよい。例えば、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7はそれぞれ、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOとマップされてよい。又は、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7はそれぞれ、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateとマップされてよい。また、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7は、その順に優先度(priority)が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先度で、7の方が高い優先度であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先度が高まってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOはそれぞれ、ACインデックス(ACI)0、1、2、3に該当してよい。
【0110】
したがって、TIDとACとの関係が存在することが可能である。したがって、本発明のTID-to-linkマッピングは、ACとリンクとのマッピング関係であってもよい。また、本発明において、TIDがマップされたということは、ACがマップされたことであってもよく、その逆であってもよい。
【0111】
本発明の一実施例によれば、マルチリンクの各リンクにマップされたTIDが存在してよい。例えば、特定TID又は特定ACが複数のリンクのうちどのリンクで送信、受信が許容されるかに対するマッピングが存在してよい。また、このようなマッピングは、リンクの両方向のそれぞれに対して別個に定義されてよい。また、前述したように、TIDとリンクとのマッピングは、基本(default)設定が存在してよい。例えば、TIDとリンクとのマッピングは基本的に、あるリンクに全てのTIDがマップされたものであってよい。また、一実施例によれば、特定時点に、あるTID又はあるACは少なくとも一つのリンクとマップされていてよい。また、マネジメントフレーム(management frame)又は制御フレーム(control frame)は、全てのリンクで送信されてよい。
【0112】
本発明において、リンクのある方向に対してマップされたTID又はACに該当するデータフレーム(Data frame)が送信されてよい。また、リンクのある方向に対してマップされていないTID又はACに該当するデータフレームは送信されなくてよい。
【0113】
一実施例によれば、TID-to-linkマッピングがacknowledgmentにも適用されてよい。例えば、block ack agreementがTID-to-linkマッピングに基づくものであってよい。又は、TID-to-linkマッピングは、block ack agreementに基づくものであってよい。例えばTID-to-linkマップされたTIDに対してblock ack agreementが存在することが可能である。
【0114】
TID-to-linkマッピングをすることにより、QoSサービスを提供することが可能である。例えば、チャネル状態がよいか又はSTAが少ないリンクに、優先度が高いAC、TIDをマップすることにより、当該AC、TIDのデータを速く送信することが可能になり得る。又は、TID-to-linkマッピングをすることにより、特定リンクのSTAが節電(power save)できるように(又は、doze状態に進入できるように)助けることができる。
【0115】
図10を参照すると、AP1及びAP2を含むAP MLDが存在してよい。また、STA1及びSTA2を含むNon-AP MLDが存在してよい。また、前記AP MLDに複数のリンクであるLink1とLink2が存在してよい。AP1とSTA1はLink1で結合(association)され、AP2とSTA2は、Link2で結合されてよい。
【0116】
したがって、Link1は、AP1からSTA1に送信するリンク及び/又はSTA1からAP1に送信するリンクを含んでよく、Link2は、AP2からSTA2に送信するリンク及び/又はSTA2からAP2に送信するリンクを含んでよい。このとき、それぞれのリンクは、TID及び/又はACがマップされていてよい。
【0117】
例えば、Link1でAP1からSTA1に送信するリンク、Link1でSTA1からAP1に送信するリンクには、全てのTID、全てのACがマップされていてよい。また、Link2でSTA2からAP2に送信するリンクには、AC_VO又はAC_VOに該当するTIDのみがマップされていてよい。また、マップされたTID及び/又はACのデータのみが当該リンクで送信されることが可能である。また、リンクにマップされていないTID又はACのデータは当該リンクで送信されることが不可能である。
【0118】
図11は、本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作の一例を示す図である。
【0119】
MLDが同時に送信又は受信する動作(STR;simultaneous transmit and receive;simultaneous transmission and reception)は制限的であってよく、これは、多重リンク(multi-link)で動作する複数のリンク間の周波数間隔と関連していてよい。
【0120】
したがって、本発明の実施例によれば、リンク間の間隔がm MHzのときに、同時に送信又は受信することが制限されてよく、mより大きいnに対してリンク間の間隔がn MHzのときに、同時に送信又は受信することが制限されなくてよい。本実施例は、同時に送信又は受信することが制限される問題を解決するためのものであってよく、重複する説明は省略できる。また、本実施例を、STR不可MLDに対して適用することが可能である。
【0121】
本発明の一実施例によれば、多重リンクで動作するリンク間に期間情報(duration information)が共有されてよい。一実施例として、前記期間情報は、プリアンブルのシグナリングフィールドで送信されるTXOP duration情報であってよい。前記シグナリングフィールドは、前述したU-SIGフィールドであってよい。又は、前記シグナリングフィールドは、前述したHE-SIG-Aフィールドであってよい。さらに他の実施例として、前記期間情報は、MAC headerが含むDuration/IDフィールドが指示する期間情報であってよい。さらに他の実施例として、前記期間情報はL-SIGフィールドが含むLengthフィールド(L Lengthフィールド)が指示する期間情報であってよい。一実施例によれば、U-SIGフィールド又はHE-SIG-A又はDuration/IDフィールドが指示する期間情報は、TXOP durationを指示する値であってよい。一実施例によれば、L-SIGフィールドが指示する期間情報は、前記L-SIGフィールドを含むPPDU(physical layer protocol data unit)の長さ又は前記L-SIGフィールドを含むPPDUの末尾(end)を指示する値であってよい。
【0122】
また、本発明の実施例によれば、リンク間に共有された期間情報に基づく期間に送信又はチャネル接続することを制限することができる。送信又はチャネル接続を制限する方法は、NAVを設定することを含んでよい。又は、送信又はチャネル接続を再開するためにNAVをリセットすることができる。このとき、NAVはintra-BSS NAVであってよい。Intra-BSS NAVは、intra-BSSフレーム(又は、PPDU)によって設定されるNAVであってよい。すなわち、MLDに属したSTAは、前記MLDに属した他のSTAに向けるフレーム(又は、PPDU)に基づいてNAVを設定できる。
【0123】
本発明の一実施例によれば、inter-link NAVが存在してよい。Inter-link NAVは、多重リンクで動作する場合に、あるMLDに属した複数のリンクのSTAが使用するNAVであってよい。例えば、リンク1で受信した期間情報に基づいて設定したinter-link NAVに基づいてリンク2で送信をしなくてよい。また、inter-link NAVは、STR不可MLDに対して存在又は使用することが可能である。例えば、inter-link NAVが設定された場合に、当該inter-link NAVを設定したMLDは、複数のリンク(又は、MLDが使用する全てのリンク)で送信又はチャネル接続をしなくてよい。
【0124】
また、NAVの種類として、intra-BSS NAVの他にbasic NAVも存在してよい。Basic NAVは、inter-BSSフレーム(又は、PPDU)によって設定されるNAVであってよく、intra-BSSなのかinter-BSSなのかが判断されないフレーム(又は、PPDU)によってもbasic NAVが設定されてよい。
【0125】
Inter-link NAVを別途に使用する場合に、inter-link NAVを使用しない場合に比べて、NAV設定がアップデートされる状況において長所を有し得る。例えば、他のリンクによって設定したNAVをリセットしても構わない状況が発生することがある。例えば、あるフレーム(又は、PPDU)に基づいてinter-link NAVを設定したが、前記フレーム(又は、PPDU)が同一MLDに向けるものでないと判断され、設定したinter-link NAVをリセットしても構わない。仮に、リンク1とリンク2で動作するMLDが存在するとき、リンク1に対するNAVが、リンク1で受信したフレームに基づいて設定されていてよい。その後、リンク2のフレームに基づいてリンク1のNAVをアップデートできる。そして、リンク2によるNAVを維持する必要がなくなったときにリンク1のNAVをリセットすれば、リンク1で受信したフレームに基づいて設定したNAV情報を失うことがある。仮に、inter-link NAVを各リンクに対するNAVと共に使用すれば、inter-link NAVをリセットしても各リンクに対するNAVを維持できるため、このような問題を解決することができる。
【0126】
本発明の実施例ではNAVを設定することを取り上げているが、本発明の実施例はこれに限定されず、物理層(physical layer)にチャネル接続を中断するように指示するか、チャネル状態をbusyと指示することにも適用できる。また、NAVをリセットすることに限定されず、物理層にチャネル接続を続けるように指示するか、チャネル状態をidleと指示することにも適用されてよい。このとき、物理層とMAC層とが授受するプリミティブ(primitive)が用いられてよい。又は、MLDの一つのSTAと他のSTAとが授受するプリミティブが用いられてよい。又は、MLDの一つのMAC層と他のMAC層とが授受するプリミティブが用いられてよい。
【0127】
本発明の実施例によれば、MLDに属したSTAがPPDU受信を始めると、前記MLDに属した他のSTAはチャネル接続を止める必要があり得る。前述したように、受信した期間情報に基づいてチャネル接続を止めることができるが、期間情報を含むフィールドの位置又はデコーディングなどにかかる時間によって、PPDUを受信し始めた時点から期間情報を得るまでの時間が存在し得る。したがって、この時間でチャネルにアクセスして送信を始める場合には、前述した問題が発生し得る。したがって、本発明の一実施例によれば、MLDのSTAは、前記MLDの他のSTAが受信を始めた時点からチャネル接続を中断することができる。また、前記MLDの他のSTAが受信を始めた後に受信したフレームが前記他のSTAに向けるものでないことを確認した場合に、チャネル接続を再開することができる。
【0128】
図12は、本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作のさらに他の例を示す図である。
【0129】
図12は、
図11で説明した実施例の具体的な方法に関する説明を具体化したものであり、重複する説明は省略されてよい。
【0130】
前述したように、MLDに属したあるSTAが受信するフレーム又はPPDUに基づいて、同一MLDに属した他のSTAがチャネル接続又は送信を中止又は再開することができる。本発明において、チャネル接続又は送信を中止することは、NAVを設定したり(アップデートしたり)、チャネルをbusyと判断したり、CCAを中止するしたりするなどの動作を含んでよい。また、チャネル接続又は送信を再開することは、NAVをリセットしたり、NAV設定を取消(cancel)したり、チャネルをidleと判断したり、CCAを行ったりするなどの動作を含んでよい。以下、これらの動作を、チャネル接続を中止及び再開することと指示できる。また、以下、MLDにSTA1とSTA2が属しており、STA1とSTA2はそれぞれリンク1とリンク2で動作するとして説明できる。また、フレームとPPDUを混用して指示できる。また、このときのNAVは、
図11で説明したように、intra-BSS NAV又はinter-link NAVであってよい。
【0131】
本発明の実施例によれば、STA1がフレームを受信し始めると、STA2はチャネル接続を中断できる。また、STA1がL-SIGから 期間情報(duration information)を取得したときに、STA2は、チャネル接続を中断した状態を持続できる。このとき、STA2がチャネル接続を中断した状態を、STA1が受信したフレームの末尾までと決定できる。また、STA1がL-SIGを正しくデコードできなかった場合(invalid L-SIGである場合)に、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0132】
また、STA1が受信するフレームのU-SIGからTXOP durationとBSS colorを受信していることがある。仮に、受信したBSS colorが、intra-BSSであることを示すか、BSS colorがSTA1に該当するBSS colorである場合に、チャネル接続を中断できる。一実施例として、このとき、チャネル接続を中断する期間は、受信したフレームの末尾までであってよい。この場合、受信したフレームが終わった後に、より早くチャネル接続を開始できる長所がある。他の実施例として、このとき、チャネル接続を中断する期間はTXOP durationであってよい。この場合、L-SIGに基づいて中断したチャネル接続の期間は、アップデートできる。この場合、受信するフレーム後に続くシーケンスをよりよく保護できる長所がある。
【0133】
又は、STA1が受信するフレームのU-SIGからTXOP durationとBSS colorを受信しており、受信したBSS colorがintra-BSSでないことを示すか、BSS colorがSTA1に該当するBSS colorでない場合があり得る。又は、STA1がU-SIGを成功的にデコードできなかった場合があり得る。このような場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0134】
又は、STA1が受信するフレームのU-SIGから取得した情報が、当該フレームが、STA1が受信しないフレームであることを指示する場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。例えば、U-SIGから取得したPHY identifierが、将来の標準に該当するID又は認識できないIDである場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0135】
また、U-SIGを受信する場合を説明したが、同実施例を、HE PPDUを受信する場合に、HE-SIG-Aを受信する場合にも適用できる。例えば、HE-SIG-AはTXOP durationとBSS colorを含んでよく、これによって、前述したのと同じ動作を行うことができる。
【0136】
また、STA1が受信するフレームのEHT-SIGからSTA-IDを受信していることがある。仮に、受信したSTA-IDがSTA1の受信するべき指示子である場合に、例えば、STA-IDがSTA1を示すか、STA-IDがSTA1の属したグループを示すか、STA-IDがbroadcastを示す場合に、STA2は、チャネル接続を中断した状態を持続できる。
【0137】
又は、STA1が受信するフレームのEHT-SIGからSTA-IDを受信していることがある。仮に、受信したSTA-IDがSTA1に該当しない指示子である場合に、例えば、STA-IDがSTA1に該当する指示子を示さないか、STA-IDがSTA1に属したグループを示さないか、STA-IDがbroadcastを示さない場合に、STA2は、チャネル接続を再開できる。又は、STA1がEHT-SIGを成功的にデコードできなかった場合にもSTA2はチャネル接続を再開できる。
【0138】
また、EHT-SIGを受信する場合を説明したが、同実施例を、HE PPDUを受信するときにHE-SIG-Bを受信する場合にも適用できる。例えば、HE-SIG-BはSTA-IDを含んでよく、これにより、前述したのと同じ動作を行うことができる。
【0139】
また、STA1が受信するフレームのMAC headerを受信していることがある。仮に、受信したMAC headerが含むRA(receiver address)又はDA(destination address)が、STA1が受信するべき値を示す場合に、例えば、RA又はDAがSTA1を示すか、STA1の属したグループを示すか、STA-IDがbroadcastを示す場合に、STA2は、チャネル接続を中断した状態を持続できる。このとき、中断するチャネルアクセスの期間は、受信したMAC headerが含む期間情報に基づき得る。より具体的には、中断するチャネルアクセスの期間は、受信したMAC headerが含むDuration/IDフィールドが指示する期間情報に基づき得る。
【0140】
また、STA1が受信するフレームのMAC headerを受信していることがある。仮に、受信したMAC headerが含むRA又はDAがSTA1に該当しない指示子である場合に、例えば、RA又はDAがSTA1に該当する指示子を示さず、STA1に属したグループを示さず、broadcastを示さない場合に、STA2は、チャネル接続を再開できる。又は、STA1が全てのMAC headerを受信できていないことがある。例えば、STA1がA-MPDUに含まれた全てのMPDU受信に失敗していることがある。この場合、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0141】
図12で説明したチャネル接続の中断と再開は、STA1でフレーム(又は、PPDU)を受信し始めてその順でデコードして行くことにより、デコードされる順に順次に動作できる。デコードされる順序は、PPDUフォーマット、フレームフォーマットなどに基づき得る。例えば、L-SIG、U-SIG、EHT-SIG、MAC headerの順にデコードできる(EHT PPDUの場合)。又は、L-SIG、HE-SIG-A、MAC headerの順にデコードできる(HE SU PPDU、HE TB PPDUの場合)。又は、L-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、MAC headerの順にデコードできる(HE MU PPDUの場合)。又は、L-SIG、MAC headerの順にデコードできる(11a/g PPDUの場合)。
【0142】
本発明の実施例によれば、前述したSTA-IDは、PPDU又はRU(resource unit)の意図された受信者を指示する値であってよい。また、STA-IDは、EHT-SIGフィールド又はHE-SIG-Bフィールドなどに含まれてよい。また、STA-IDは、単一STAに該当する値を示すことが可能である。例えば、複数のSTAがMLDに含まれるとき、STA-IDは、前記複数のSTAの中の一つのSTAに該当する値を示すことが可能である。また、STA-IDは、STAのAID又はMAC addressに基づく値であってよい。
【0143】
図13は、本発明の一実施例に係るBSS分類とそれに基づく動作の一例を示す図である。
【0144】
本発明の一実施例によれば、STAは、受信したフレーム又は受信したPPDUに基づいてBSSを分類(classify、又は判断)することが可能である。BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属したBSSに該当するか否かを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属したBSSから送信されたか否かを分類する動作を意味できる。また、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属していないBSSに該当するか否かを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属していないBSSから送信されたか否かを分類する動作を意味できる。また、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUがどのBSSに属しているかを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUがどのBSSから送信されたかを分類する動作を意味できる。本発明の一実施例によれば、分類するSTAの属したBSSをintra-BSSと呼ぶことができる。又は、分類するSTAの属したBSSを含んでいるBSSをintra-BSSと呼ぶことができる。また、intra-BSSでないBSSをinter-BSSと呼ぶことができる。又は、intra-BSSでないBSSは、inter-BSSであるか又は分類されないBSSであってよい。又は、inter-BSSは、分類されないBSSを含んでよい。また、分類するSTAの属していないBSSをinter-BSSと呼ぶことができる。
【0145】
一実施例によれば、受信したフレーム又は受信したPPDUがintra-BSSに該当するか、intra-BSSから送信されたと判断された場合に、前記受信したフレーム又は前記受信したPPDUをそれぞれ、intra-BSSフレーム、intra-BSS PPDUと呼ぶことができる。また、受信したフレーム又は受信したPPDUがinter-BSSに該当するか、inter-BSSから送信されたと判断された場合に、前記受信したフレーム又は前記受信したPPDUをそれぞれ、inter-BSSフレーム、inter-BSS PPDUと呼ぶことができる。また、intra-BSSフレームを含むPPDUは、intra-BSS PPDUであってよい。また、inter-BSSフレームを含むPPDUは、inter-BSS PPDUであってよい。
【0146】
本発明の一実施例によれば、1つ以上のBSS分類条件に基づいてBSSを分類できる。例えば、前記1つ以上のBSS分類条件のうち少なくとも一つの条件を満たすか否かによってBSSを分類できる。
【0147】
前記BSS分類条件は、BSS colorに基づく条件を含んでよい。BSS colorは、BSSに対するidentifierであってよい。また、BSS colorは、PPDUのpreamble、より具体的には、signalingフィールド(例えば、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールド又はVHT-SIG-Aフィールド)に含まれることが可能である。また、BSS colorは、送信者のMAC層からPHY層に伝達されるTXVECTORに含まれてよい。また、BSS colorは、受信者のPHY層からMAC層に伝達されるRXVECTORに含まれてよい。TXVECTOR、RXVECTORに含まれるパラメータをそれぞれ、TXVECTOR parameter、RXVECTOR parameterと呼ぶことができる。また、BSS colorは、TXVECTOR parameter又はRXVECTOR parameterに含まれることが可能である。また、APが設定したBSS colorをSTAに知らせることができる。一実施例によれば、受信したPPDUに含まれたBSS colorに基づいてBSSを分類できる。仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと異なる場合に、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。又は、仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと異なり、その値が0でない場合に、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。また、仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと同一である場合に、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。
【0148】
前記BSS分類条件は、MAC addressに基づく条件を含んでよい。MAC addressはフレームのMAC headerに含まれてよい。また、MAC addressは、RA(receiver address)、TA(transmitter address)、BSSID、SA(source address)、DA(destination address)などを含んでよい。一実施例によれば、受信したフレームに含まれたMAC addressに基づいてBSSを分類できる。仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressがSTAに該当するBSSのBSSIDと異なる場合に、前記受信したフレームをinter-BSSフレームに分類できる。より具体的には、仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressがいずれも、STAに該当するBSSのBSSIDと異なる場合に、前記受信したフレームをinter-BSSフレームに分類できる。また、仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressがSTAに該当するBSSのBSSIDと同一である場合に、前記受信したフレームをintra-BSSフレームに分類できる。より具体的には、仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressのうち少なくとも一つがSTAに該当するBSSのBSSIDと同一である場合に、前記受信したフレームをintra-BSSフレームに分類できる。
【0149】
前記該当するBSSは、STAが結合(association)されたBSSを含んでよい。また、前記該当するBSSは、STAが結合されたBSSと同じ多重BSSIDセットに含まれたBSSを含んでよい。また、前記該当するBSSは、STAが結合されたBSSと同じ共同ホストBSSIDセット(co-hosted BSSID set)に含まれたBSSを含んでよい。また、同じ多重BSSIDセット又は同じ共同ホストBSSIDセットに含まれた1つ以上のBSSを、1つのフレームによって前記1つ以上のBSSに関する情報が伝達されてよい。
【0150】
前記BSS分類条件は、VHT PPDUに含まれたPartial AIDフィールド値に基づく条件を含んでよい。Partial AIDフィールドは、VHT PPDUのpreambleに含まれてよい。また、Partial AIDフィールドは、VHT PPDUに含まれたVHT-SIG-Aフィールドに含まれてよい。一実施例によれば、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。例えば、partial BSS color機能を用いる場合に、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。又は、AID assignment ruleを用いる場合に、Partial AIDフィールドはBSS colorの一部を示すことが可能である。AID assignment ruleは、BSS colorに基づくAIDを割り当てる方法であってよい。また、VHT PPDUのVHT-SIG-Aフィールドに含まれたGroup IDフィールドが既に設定された値である場合(例えば、Group IDフィールドが63に設定された場合)に、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。一実施例によれば、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSS colorの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が受信したSTAに該当するBSS colorの一部と異なれば、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。
【0151】
また、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSS colorの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が受信したSTAに該当するBSS colorの一部と同一であれば、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。また、このとき、BSS colorの一部は、BSS colorの4LSBであることが可能である。さらに他の実施例によれば、Partial AIDフィールドは、BSSIDの一部を示すことが可能である。例えば、VHT PPDUのVHT-SIG-Aフィールドに含まれたGroup IDフィールドが既に設定された値である場合(例えば、Group IDフィールドが0に設定された場合)に、Partial AIDフィールドはBSSIDの一部を示すことが可能である。一実施例によれば、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSSIDの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が受信したSTAに該当するBSSIDの一部と異なれば、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。また、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSSIDの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が受信したSTAに該当するBSSIDの一部と同一であれば、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。また、このとき、BSSIDの一部はBSSIDの9MSBであることが可能である。また、Partial AIDフィールド値は、TXVECTOR parameter PARTIAL_AID又はRXVECTOR parameter PARTIAL_AIDに含まれることが可能である。また、Group IDフィールド値は、TXVECTOR parameter GROUP_ID又はRXVECTOR parameter GROUP_IDに含まれることが可能である。
【0152】
前記BSS分類条件は、APが既に設定された条件のPPDUを受信する条件を含んでよい。例えば、前記既に設定された条件のPPDUは、下りリンクPPDUを含んでよい。一実施例によれば、下りリンクPPDUは、VHT MU PPDUを含んでよい。また、下りリンクPPDUは、上りリンクであるか又は下りリンクであるかを指示するシグナリングが、既に設定された値に設定されたPPDUを含んでよい。上りリンクであるか又は下りリンクであるかを指示するシグナリングは、HE PPDUのsignalingフィールドに含まれることが可能である。又は、上りリンクであるか又は下りリンクであるかを指示するシグナリングは、U-SIGに含まれることが可能である。U-SIGは、EHT PPDU又はEHT標準以後のPPDUのプリアンブルに含まれることが可能である。
【0153】
また、intra-BSS PPDU又はinter-BSS PPDUに分類できない場合が存在し得る。例えば、前述したintra-BSS PPDUに分類する条件とinter-BSS PPDUに分類する条件のいずれをも満たさない場合に、intra-BSS PPDU又はinter-BSS PPDUに分類できないことがある。
【0154】
また、BSSを分類するとき、複数の条件による分類結果が一致しない場合に、既に設定された条件によって最終結果を決定することが可能である。例えば、BSS colorに基づく条件による結果とMAC addressに基づく条件による結果とが一致しない場合に、MAC addressに基づく条件による結果が優先するか、MAC addressに基づく条件による結果を最終結果として決定できる。又は、intra-BSS PPDUに分類する条件とinter-BSS PPDUに分類する条件の両方を満たす場合に、intra-BSS PPDUに分類できる。
【0155】
本発明の一実施例によれば、STAは、分類したBSSに基づく動作を行うことができる。分類したBSSに基づく動作は、intra-PPDUパワーセーブ動作を含んでよい。intra-PPDUパワーセーブ動作は、受信したPPDUに基づくパワーセーブ (power save)動作であってよい。既に設定された条件を満たす場合に、intra-PPDUパワーセーブ動作を行うことが可能である。前記既に設定された条件は受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類する条件を含んでよい。また、前記既に設定された条件は、受信したPPDUの意図された受信者(intended receiver)が前記PPDUを受信したSTAでない条件を含んでよい。例えば、PPDUに含まれたID又はaddressが前記PPDUを受信したSTAに該当しない場合に、前記PPDUの意図された受信者は前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。IDは、PPDUのpreambleに含まれることが可能である。例えば、IDはPPDUのpreambleに含まれたSTA_IDであってよい。また、STA_IDは、HE MU PPDU又はEHT PPDUに含まれることが可能である。また、adderessは、前述したMAC addressであってよい。また、受信したPPDUに含まれた上りリンクであるか又は下りリンクであるかを指示するシグナリングが上りリンクを指示する場合に、前記PPDUの意図された受信者は前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。また、受信したPPDUの設定が、前記PPDUを受信したSTAが支援しないと設定された場合に、前記PPDUの意図された受信者は、前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。受信したPPDUの設定は、PPDUのMCS、spatial stream個数、channel widthなどを含んでよい。また、受信したPPDUの設定が、前記PPDUを受信したSTAが支援しない場合に、PHY-RXEND.indication(UnsupportedRate)プリミティブが受信されてよい。また、受信したPPDUが既に設定されたフォーマットである場合に、前記PPDUの意図された受信者は前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。前記既に設定されたフォーマットはTB PPDUを含んでよい。TB PPDUはHE TB PPDU、EHT TB PPDUを含んでよい。また、TB PPDUは、トリガーするフレームによる応答として送信されるPPDUであってよい。トリガーするフレームは、トリガーフレームを含んでよい。トリガーするフレームは、トリガーする情報が含まれたフレームを含んでよい。トリガーする情報は、MAC header、例えば、A-controlフィールドに含まれることが可能である。また、トリガーする情報又はトリガーフレームに含まれた情報は、応答するPPDUの長さ、応答するときに使用するRU、応答するときに使用するPHY configuration、MAC configurationなどを含んでよい。intra-PPDUパワーセーブ動作は、受信したPPDUの末尾までdoze状態に入り得る動作であってよい。さらに他の実施例として、STAが受信したPPDU又はフレームの意図された受信者が前記STAでないと判断された場合に、PPDU又はフレームの受信又はデコーディングを中断することができる。
【0156】
分類したBSSに基づく動作は、NAVを設定(又は、アップデート)する動作を含んでよい。一実施例によれば、STAが1つ以上のNAVを運用することが可能である。また、STAがPPDU又はフレームを受信した場合に、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいて分類したBSSに該当するNAVを設定することが可能である。例えば、intra-BSS NAVは、intra-BSS PPDUに該当するNAVであってよい。また、basic NAVは、intra-BSS PPDUでないPPDUに該当するNAVであってよい。又は、basic NAVは、inter-BSS PPDUに該当するNAVであってよい。また、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいてNAVを設定するとき、受信したPPDU又は受信したフレームに含まれたduration情報を用いることが可能である。前記duration情報はTXOPを含んでよい。TXOPは、TXOPフィールドに含まれた値を意味できる。TXOPフィールドは、PPDUのpreambleに含まれることが可能である。例えば、TXOPフィールドは、HE PPDUのHE-SIG-Aフィールドに含まれることが可能である。又は、TXOPフィールドは、EHT PPDU又はEHT以後標準のPPDUのU-SIGフィールドに含まれることが可能である。また、前記duration情報は、MAC headerに含まれてよい。例えば、前記duration情報は、MAC headerに含まれたDuration/IDフィールドに含まれてよい。
【0157】
分類したBSSに基づく動作は、空間再使用(spatial reuse)動作を含んでよい。また、分類したBSSに基づく動作は、チャネル接続動作を含んでよい。空間再使用動作は、チャネル接続動作であってよい。STAがPPDU又はフレームを受信したとき、既に設定された条件を満たす場合に空間再使用動作を行うことが可能である。既に設定された条件は、受信したPPDU又は受信したフレームがinter-BSSに該当する条件を含んでよい。また、既に設定された条件は、受信したPPDU又は受信したフレームの信号強度(signal strength)が閾値よりも小さい条件を含んでよい。例えば、閾値は可変的であってよい。また、閾値は、OBSS PDベース空間再使用動作のための閾値であってよい。また、閾値は、CCA閾値以上の値であってよい。また、閾値は、送信しようとする電力に基づく値であってよい。空間再使用動作は、PPDUを送信する動作を含んでよい。また、空間再使用動作は、PHYをリセットする動作を含んでよい。例えば、PHYをリセットする動作は、PHY-CCARESET.requestプリミティブを発行(issue)する動作であってよい。また、空間再使用動作は、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいてNAVを設定しない動作を含んでよい。仮に、STAが空間再使用動作を行う場合に、受信したPPDU又は受信したフレームが送信又は受信される間に前記STAがPPDUを送信することが可能であってよい。
【0158】
図13を参照すると、BSS AとBSS Bが存在してよく、BSS AとBSS Bは、互いに異なるBSSであってよい。また、BSS AとBSS Bは、互いにinter-BSSに該当してよい。すなわち、BSS Aに結合されたSTAがBSS Bで送信したPPDU又はフレームは、inter-BSS PPDU又はinter-BSSフレームに分類されてよい。また、BSS Aに属する(又は、BSS Aを運営するAPと結合された)STA1、STA2が存在してよい。BSS Bに属する(又は、BSS Bを運営するAPと結合された)STA3、STA4が存在してよい。
図13を参照すると、STA1がPPDUを送信できる。また、STA1の送信したPPDUは、BSSに対する情報を含んでよい。例えば、BSSに対する情報は、前述したBSSを分類するための情報であってよい。また、STA1の送信したPPDUは、Duration情報を含んでよい。
【0159】
STA2は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA2とSTA1はBSS Aに属しているので、STA2の受信したPPDUは、intra-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA2の受信したPPDUは、UL PPDUであるか、又はSTAが意図された受信者でないPPDUであってよい。したがって、前述した実施例によって、STA2はintra-PPDUパワーセーブを行うことが可能である。
図13を参照すると、STA2は、受信したPPDU終了時間までdoze状態に入っていてよい。また、STA2は、受信したPPDUに含まれたDuration情報に基づいてNAVを設定できる。STA2は、受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類したので、intra-BSS NAVを設定することが可能である。
【0160】
STA3は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA3とSTA1はそれぞれ、BSS B、BSS Aに属しているので、STA3の受信したPPDUはinter-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA3は、受信したPPDUに含まれたDuration情報に基づいてNAVを設定できる。STA3は、受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類したので、basic NAVを設定することが可能である。
【0161】
STA4は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA4とSTA1はそれぞれ、BSS B、BSS Aに属しているので、STA4の受信したPPDUはinter-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA4の受信したPPDUの信号強度が閾値よりも小さくてよい。したがって、STA4の受信したPPDUがinter-BSS PPDUに分類され、STA4の受信したPPDUの信号強度が閾値よりも小さいので、STA4は空間再使用動作を行うことが可能である。したがって、STA4は、チャネル接続、バックオフ手順(backoff procedure)を行い、送信を開始できる。例えば、STA1の送信したPPDUが終了していない時点にSTA4が送信を始めることが可能であってよい。
【0162】
図14は、本発明の実施例に係るSTAの機能を示す。
【0163】
本発明の実施例によれば、ある無線LAN標準に従うSTAは、以前無線LAN標準の機能を含んでよい。これは、下位互換性のためのものである。例えば、特定無線LAN標準を支援するSTAは、以前世代の無線LAN標準機能を支援し、新しい機能もさらに支援できる。例えば、HT STAは、OFDM PHY STAの基本機能を支援できる。したがって、HT STAは、OFDM PHY STAに分類されてよい。また、HT STAは、OFDM PHY STAの機能だけでなく、OFDM PHY STAが支援しない追加機能も支援できる。VHT STAは、HT STAの基本機能を支援しながら、HT STAが支援しない機能も支援できる。VHT STAはHT STAに分類されてよい。また、HE STAは、VHT STAの基本機能を支援しながら、VHT STAが支援しない機能も支援できる。HE STAはVHT STAに分類されてよい。また、EHT STAはHE STAでもあり得る。また、EHT STAは、HE STAの基本機能を支援しながら、HE STAが支援しない機能も支援できる。また、EHT STAはHE STAに分類されてよい。また、EHT標準以後の無線LAN標準が新しく定義されてよい。本発明において、EHT標準以後の標準をNEXT標準と呼び、NEXT標準に従うSTAをNEXT STAと呼ぶ。NEXT STAは、EHT STAの基本機能を支援しながら、EHT STAが支援しない機能も支援できる。NEXT STAはEHT STAに分類されてよい。
【0164】
図14は、各無線LAN標準を支援するSTA間の関係を示すダイヤグラムである。
図11を参照すると、EHT STAであれば、HE STAであり、VHT STAであり、HT STAであり、OFDM PHY STAであってよい。また、NEXT STAであれば、EHT STAであり、HE STAであり、VHT STAであり、HT STAであり、OFDM PHY STAであってよい。
【0165】
図16は、本発明の実施例に係るUL MU動作を示す。
【0166】
本発明の一実施例において、アクセスポイントは、MU(multi-user)送信を誘発(solicit)するフレームを送信できる。このようなフレームをトリガリングフレームと呼ぶ。このとき、トリガリングフレームを受信した1つ以上のSTAは、トリガリングフレームに基づいて上り送信を行うことができる。具体的には、トリガリングフレームを受信した1つ以上のSTAは、フレームに対する応答フレームを送信できる。このとき、トリガリングフレームを含むPPDUと上り送信に用いられるPPDUとの間隔(inter-space)は、SIFSであってよい。具体的には、複数のSTAはトリガリングフレームを受信し、同時に(simultaneous)即刻(immediate)応答を送信できる。本明細書において即刻応答は、先に受信したPPDUと応答を含むPPDUとの間の間隔がSIFSであることを示す。具体的には、受信したPPDUの末尾(end)からSIFS後に応答を送信することであってよい。
【0167】
トリガリングフレームは制御フレームの一種で、トリガー情報を含むトリガーフレームであってよい。また、トリガリングフレームは、トリガー情報をMACヘッダーに含むフレームであってよい。このとき、トリガー情報は、MACヘッダーのHT Controlフィールド、Controlサブフィールド、又はA-Controlサブフィールドに含まれるTRS(triggered response scheduling)であってよい。また、トリガー情報は、TB PPDUの送信を誘発する情報であってよい。
【0168】
TB PPDUは、トリガリングフレームに対する応答フレームを含むPPDUフォーマットである。TB PPDUは、HE TB PPDU及びEHT TB PPDUを含んでよい。また、TB PPDUは、NEXT無線LAN標準で定義するNEXT TB PPDUを含んでよい。HE TB PPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、HE-SIG-A、HE-STF、HE-LTFをその順で含むプリアンブルを含み、プリアンブルに続いてデータ、パケットエクステンション(packet extension,PE)を含んでよい。また、EHT TB PPDU、NEXT TB PPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、(EHT-/NEXT-)STF、(EHT-/NEXT-)LTFをその順で含むプリアンブルを含み、プリアンブルに続いてデータ、パケットエクステンション(packet extension,PE)を含んでよい。
【0169】
トリガリングフレームは、TB PPDU送信に必要な情報を含んでよい。MACフレームのTypeサブフィールド(B3 B2)の値が01bであり、Subtypeサブフィールド(B7 B6 B5 B4)の値が0010bである場合に、MACフレームトリガーフレームである旨示すことができる。
【0170】
トリガーフレームに応答する複数のSTAが互いに異なるフォーマットのTB PPDUを送信する場合に、アクセスポイントがTB PPDUを受信し難いことがある。また、複数のSTAが送信するPPDUのプリアンブルが互いに異なる場合に、アクセスポイントがTB PPDUを受信し難いことがある。特に、互いに異なるフォーマットのTB PPDUが送信されるRUがオーバーラップする場合に、アクセスポイントがTB PPDUを受信し難いことがある。したがって、1つのトリガリングフレームに対する応答を送信する複数のSTAは、同一フォーマットのTB PPDUを用いることができる。また、1つのトリガリングフレームに対する応答を送信する複数のSTAが送信するTB PPDUのプリアンブル情報は同一であってよい。
【0171】
図14で説明したように、HE STAは、HE TB PPDUを送信できる。また、EHT STAは、EHT TB PPDU又はHE TB PPDUを送信できる。また、NEXT STAは、NEXT TB PPDU、EHT TB PPDU又はHE TB PPDUを送信できる。
【0172】
図15の実施例において、APが、HE STA(HE STA)の送信とEHT STA(EHT STA)の送信をスケジュールするトリガーフレームを送信する。このとき、トリガーフレームがトリガーフレームに対する応答のために送信されるTB PPDUのフォーマットに対して指示しない場合に、HE STA(HE STA)とEHT STA(EHT STA)又は互いに異なるEHT STA(EHT STA)は、互いに異なるフォーマットのTB PPDUを送信できる。このため、TB PPDUの送信に失敗し、送信機会が浪費することがある。説明の便宜のために、HE、EHT、NEXT標準で定義されたトリガーフレームをそれぞれ、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、及びNEXTトリガーフレームと呼ぶ。また、HE、EHT、NEXT標準で定義されたTRSを、HE TRS、EHTTRS、及びNEXT TRSと呼ぶ。トリガーフレームのフォーマットについて
図13で説明している。
【0173】
図16は、本発明の実施例に係るトリガーフレームのフォーマットとトリガーフレームに含まれるサブフィールドを示す。
【0174】
具体的に
図16(a)は、トリガーフレームのフォーマットを示し、
図16(b)は、トリガーフレームのCommon Infoフィールドを示し、
図16(c)は、トリガーフレームのUser Infoフィールドを示す。トリガーフレームのMACヘッダーは、フレーム Controlフィールド、Durationフィールド、及びAddressフィールドを含む。このとき、Addressフィールドは、RAフィールド、TAフィールドを含む。また、トリガーフレームは、Common InfoフィールドとUser Info Listフィールドを含む。Common Infoフィールドは、トリガーフレームがトリガーする全てのステーのための情報を含む。また、User Info Listフィールドは、User Infoフィールドを含んでよい。具体的な実施例において、特定タイプのトリガーフレームはUser Info Listフィールドを含まなくてよい。また、トリガーフレームは、PaddingフィールドとFCSフィールドを含んでよい。Paddingフィールドは、受信するSTAが応答を準備するのに必要な時間を確保するためにフレーム長を伸ばす役割を担うことができ、選択的に(optionally)存在してよい。
【0175】
Common Infoフィールドは、Trigger Typeサブフィールドを含んでよい。Trigger Typeサブフィールドは、トリガーフレームバリアント(variant)を識別(identify)する。トリガーフレームは、Trigger Typeサブタイプの値でトリガーフレームのタイプを示すことができる。また、Trigger Typeサブフィールドによって、Trigger Dependent Common Infoサブフィールドは、Trigger Dependent User Infoサブフィールドに含まれる情報及びTrigger Dependent Common Infoサブフィールド、Trigger Dependent User Infoサブフィールドの長さが決定されてよい。例えば、Trigger TypeサブフィールドをCommon InfoフィールドのB0からB3ビットまでのビットが示すことができる。
【0176】
また、Common Infoフィールドは、UL Lengthサブフィールドを含んでよい。UL Lengthサブフィールドは、Triggerフレームに応答するTB PPDUの長さに関する情報を含んでよい。又は、UL Lengthサブフィールドは、Triggerフレームに応答するフレームの長さに関する情報を含んでよい。また、UL Lengthサブフィールドは、Triggerフレームに応答するTB PPDUのL-SIGのLengthサブフィールドに含まれる値を指示できる。したがって、TB PPDUで応答するSTAは、受信したTriggerフレームが含むUL Lengthサブフィールドの値に基づいてTB PPDUのL-SIGのLengthサブフィールドを設定できる。より具体的には、TB PPDUで応答するSTAは、受信したTriggerフレームが含むUL Lengthサブフィールドの値でTB PPDUのL-SIGのLengthサブフィールドを設定できる。例えば、UL LengthサブフィールドをCommon InfoフィールドのB4からB15までのビットが示すことができる。
【0177】
また、Common Infoフィールドは、UL BWサブフィールドを含んでよい。UL BWサブフィールドは、トリガーフレームに応答するTB PPDUのシグナリングフィールド、例えば、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドに含まれる帯域幅(bandwidth,BW)値を指示できる。また、UL BWサブフィールドは、Triggerフレームに応答するTB PPDUの最大帯域幅を示すことができる。
【0178】
また、Common Infoフィールドは、トリガーフレームに応答するTB PPDUのシグナリングフィールド、例えば、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドに含まれる情報などを含んでよい。
【0179】
User Infoフィールドは、AID12サブフィールドを含んでよい。AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドの意図された受信者又はUser Infoフィールドの機能を指示する役割を担うことができる。したがって、AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドを含むトリガーフレームの意図された受信者又はトリガーフレームの機能を指示する役割を担うことができる。例えば、AID12サブフィールドの値が既に設定された値である場合に、User Infoフィールドは、RA-RU(random access resource unit)を指示するものである旨示すことができる。より具体的には、AID12サブフィールドの値が0である場合に、User Infoフィールドは、連結された(associated)STAのためのRA-RUを指示できる。また、AID12サブフィールドの値が2045である場合に、User Infoフィールドは、連結されていない(unassociated)STAのためのRA-RUを指示できる。また、AID12サブフィールドの値が指示するSTAID、例えばAID(association ID)に該当するSTA AID12サブフィールドを含むUser Infoフィールド又はAID12サブフィールドを含むトリガーフレームが応答をトリガーすることを示すことができる。例えば、AID12サブフィールドは、AID又はAIDの12LSBを示すことができる。AID12サブフィールドの値に該当するSTAは、トリガーフレームにTB PPDUで応答できる。また、AID12サブフィールドの値は1から2007までの範囲(1と2007を含む)であってよい。また、AID12サブフィールドが既に設定された値、例えば2046である場合に、該当するRUは如何なるSTAにも割り当てられていないことを指示できる。また、AID12サブフィールドが既に設定された値、例えば4095である場合に、トリガーフレームのパディングが始まることを指示できる。
【0180】
また、AID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドの情報は、AID12サブフィールドが指示するSTAに該当する情報であってよい。例えば、RU Allocationサブフィールドは、RUのサイズと位置を指示できる。このとき、AID12サブフィールドを含むUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドの値は、前記AID12サブフィールドが指示するSTAに該当する情報であってよい。また、User Infoフィールドは、User Infoフィールドを含むトリガーフレームの応答に用いられるコーディング方法(UL FEC Coding Type)、モジュレーション方法(UL HE-MCS、UL DCM)、送信パワー(UL Target RSSI)を指示できる。
【0181】
前述したように、トリガーフレームに対する応答として同時に送信されるTB PPDUがどのようなPPDUのフォーマットで送信されるかによって問題が発生し得る。これに関連したトリガリングフレーム送信方法について
図14で説明する。
【0182】
図17は、本発明の実施例によってトリガーフレームのAID12サブフィールドの値が指示する情報を示す。
【0183】
本発明の実施例に係るEHT STAは、HE TB PPDU、EHT TB PPDUを選択的に送信できる。また、NEXT STAは、HE TB PPDU、EHT TB PPDU、NEXT TB PPDUを選択的に送信できる。これにより、1つのフレーム又は1つのPPDUで複数の無線LAN標準のSTAをスケジュールすることができる。これにより、送信媒体の使用効率を上げることができる。例えば、EHT標準を支援しないHE STAとEHT STAを、1つのフレームでHE TB PPDUで応答するようにし得る。
【0184】
また、TB PPDUフォーマットを選択するための情報が、トリガーフレーム又はTRS又はトリガーフレームを含むPPDU又はTRSを含むPPDUに含まれてよい。
【0185】
本発明の実施例によれば、応答するTB PPDUフォーマットに関する情報がMAC levelに存在してよい。本発明の実施例によれば、トリガーフレームは、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームに区分できる。また、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームでトリガーされた応答はそれぞれ、HE TB PPDU、EHT TB PPDU、NEXT TB PPDUで応答できる。
【0186】
また、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームを区分することは、トリガーフレームに応答するTB PPDUフォーマットをそれぞれHE TB PPDU、EHT TB PPDU、NEXT TB PPDUに区分するのと同じ意味であってよい。すなわち、トリガーフレームのフォーマットによってそれに対するTB PPDUのフォーマットも変わることがあり、次世代トリガーフレームは以前世代TB PPDUの送信も共に指示できる。すなわち、EHTトリガーフレームは、HE TB PPDUとEHT TB PPDUの送信を同時に指示できる。しかし、HEトリガーフレームはEHT TB PPDUの送信が指示できない。
【0187】
具体的な実施例において、トリガーフレームが含むMACヘッダーのFrame Controlフィールドによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームが含むMACヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド又はControl Frame Extensionサブフィールドのうち少なくともいずれか一つによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームが含むMACヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド又はControl Frame Extensionサブフィールドが第1値である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。また、トリガーフレームが含むMACヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド又はControl Frame Extensionサブフィールドが第2値である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレームに分類されてよい。また、トリガーフレームが含むMACヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド又はControl Frame Extensionサブフィールドが第3値である場合に、トリガーフレームはNEXTトリガーフレームに分類されてよい。MACヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールドの値が01bであり、Subtypeサブフィールドの値が0010bである場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。Typeサブフィールド、Subtypeサブフィールド及びControl Frame Extensionサブフィールドのそれぞれが2ビット、4ビット及び4ビットに限定される。したがって、このような実施例は、限定的なビットフィールドの値を用いて将来に使用可能なタイプを制限する短所がある。
【0188】
さらに他の具体的な実施例において、トリガーフレームが含むCommon Infoフィールドによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームのCommon InfoフィールドのTrigger Typeサブフィールドの値が第1値である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのCommon InfoフィールドのTrigger Typeサブフィールドの値が第2値である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのCommon InfoフィールドのTrigger Typeサブフィールドの値が第3値である場合に、トリガーフレームはNEXTトリガーフレームに分類されてよい。具体的には、トリガーフレームのCommon InfoフィールドのTrigger Typeサブフィールドの値が0~7である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。また、トリガーフレームのCommon InfoフィールドのTrigger Typeサブフィールドの値0~7でない場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームに分類されてよい。Trigger Typeサブフィールドのビット数が限定的であるため、このような実施例は限定的なビットフィールドの値を用いて将来に使用可能なトリガータイプを制限する短所がある。
【0189】
さらに他の具体的な実施例において、トリガーフレームが含むUL Lengthフィールドによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が第1値である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が第2値である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が第3値である場合に、トリガーフレームはNEXTトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が0でない場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が1である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームに分類されてよい。トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値を3で割った余りの値が0である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームに分類されてよい。また、トリガーフレームのUL Lengthフィールドの値の他、トリガーフレームのFormat Identifier、PHY Identifier及びTB PPDUフォーマットシグナリングのうち少なくとも1つによっても、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。
【0190】
さらに他の具体的な実施例において、トリガーフレームが含むUser Infoフィールドによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。具体的には、トリガーフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドの値によって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドの値があらかじめ指定された値であるかによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。このとき、トリガーフレームのタイプを示すAID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドは、User Infoフィールドリストにおいて一番目のUser Infoフィールドであってよい。トリガーフレームのタイプを示すAID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドは、STAのAIDを指示するAID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドよりも先に位置してよい。これにより、トリガーフレームを受信するSTAはトリガーフレームのタイプを早期に判断できる。さらに他の具体的な実施例において、トリガーフレームのタイプを示すAID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドは、User InfoフィールドリストにおいてHE STAのためのUser Infoフィールドの後に位置してよい。これにより、レガシーSTA、すなわちHE STAがAID12サブフィールドの値の意味を判断できないことから発生する問題を防止することができる。また、トリガーフレームのタイプを示すAID12サブフィールドを含むUser Infoフィールドは、AID12サブフィールド以外のサブフィールドを含まなくてよい。当該User Infoフィールドは、トリガーフレームタイプを指示するためのものであるので、トリガーフレームタイプ以外の情報は不要であり得るためである。このような実施例において、User Infoフィールドの長さは、AID12サブフィールドの値によって変化する。
図17は、このような実施例が適用されるとき、AID12サブフィールドの値が示す意味を示す。AID12サブフィールドの値が第1値である場合に、AID12サブフィールドは、AID12フィールドを含むトリガーフレームがEHT TB PPDUの送信をトリガーすることを示すことができる。第1値は2047であってよい。AID12サブフィールドの値が第2値である場合に、AID12サブフィールドは、AID12フィールドを含むトリガーフレームがNEXT TB PPDUの送信をトリガーすることを示すことができる。第2値は2048であってよい。
【0191】
さらに他の具体的な実施例において、STAは、STAをトリガーするUser Infoフィールドの位置によって、トリガーフレームに対する応答として送信するTB PPDUのフォーマットを決定できる。具体的には、STAは、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、あらかじめ指定された値を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールド後に位置するかに基づいて、トリガーフレームに対する応答として送信するTB PPDUのフォーマットを決定できる。このとき、STAは、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、第1値を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールド後に位置するか、及び第2値を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドの後に位置するかに基づいて、トリガーフレームに対する応答として送信するTB PPDUのフォーマットを決定できる。
図17の実施例において、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、2047を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドの後に位置するとき、STAは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。また、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、2048を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドの後に位置するとき、STAは、トリガーフレームに対する応答としてNEXT TB PPDUを送信できる。また、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、2047を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドと2048を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドの後に位置するとき、STAは、トリガーフレームに対する応答としてNEXT TB PPDUを送信できる。また、STAをトリガーするUser Infoフィールドが、2047を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドと2048を有するAID12フィールドを含むUser Infoフィールドの前に位置するとき、STAは、トリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。
【0192】
AID12サブフィールド以外のUser Infoフィールドのサブフィールドによって、トリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。
【0193】
トリガーフレームのPaddingフィールドによって、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。例えば、トリガーフレームのPaddingフィールドがあらかじめ指定された値を含むかによって、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームのうちいずれのトリガーフレームに該当するかが決定されてよい。
【0194】
また、前述した実施例は組み合わせて適用されてよい。例えば、前述したトリガーフレームがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームであるかを判断するのに影響を与える要素を組み合わせて判断することができる。
【0195】
また、前述した実施例は、TRSフィールドに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを決定することに用いられてよい。
【0196】
図18は、本発明の実施例に係るUL MU動作を示す。
【0197】
前述したように、トリガーフレームは、MACフレームヘッダーにTRSを含んでよい。TRSは、前述したように、HT Controlフィールドに含まれてよい。具体的には、HT Controlフィールドは、A-Controlフィールドを含むときに、TRSを含んでよい。また、TRSは、TRS Controlフィールドに含まれてよい。A-ControlフィールドにControl Listフィールドが連続して位置してよい。このとき、Control ListフィールドがTRSを含んでよい。
【0198】
TRSを含むMACフレームの意図された受信者に該当するSTAは、TRSを含むフィールドに基づいてPPDUを送信できる。このとき、TRSは、STAがTRSを含むMACフレームに対する応答として送信するPPDU又はフレームの長さに関する情報(UL Data Symbols)を含んでよい。TRSを含むMACフレームに対する応答送信のパワーに関する情報(AP Tx Power,UL Target RSSI)、TRSを含むMACフレームに対する応答を送信するときに使用するRUの位置及びサイズ(RU Allocation)、TRSを含むMACフレームに対する応答送信のモジュレーション方法に関する情報(UL HE-MCS)を含んでよい。
【0199】
TRSは無線LAN標準別に定義されてよい。このとき、TRSを含むMACフレームを受信したSTAは、TRSのフォーマット、すなわちどの無線LAN標準で定義されたTRSであるかによって、TRSに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを決定することができる。具体的には、STAがHE TRSを受信した場合に、STAは、TRSに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。また、STAがEHT TRSを受信した場合に、STAは、TRSに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。また、STAがNEXT TRSを受信した場合に、STAは、TRSに対する応答としてNEXT TB PPDUを送信できる。このとき、STAは、A-ControlサブフィールドのControl IDサブフィールドに基づいて、どの無線LAN標準で定義されたTRSであるかが判断できる。TRSは、HE TRSとTRSでないTRSとに区分できる。
【0200】
TRSのフォーマットは、TRSが含まれるHT ControlフィールドがHEバリアント(variant)であるか、EHTバリアントであるか、NEXTバリアントであるかによって決定されてよい。TRSが含まれるHT ControlフィールドがEHTバリアント(variant)である場合に、TRSはEHT TRSであってよい。また、TRSが含まれるHT ControlフィールドがNEXTバリアント(variant)である場合に、TRSはNEXT TRSであってよい。また、TRSのフォーマットは、TRSが含まれるHT Controlフィールドのビットのうちあらかじめ指定されたビットの値によって、HT ControlフィールドがHEバリアントであるか、EHTバリアントであるか、NEXTバリアントであるかが決定されてよい。例えば、HT Controlフィールドの一番目、2番目のビット(B0,B1)値が11bである場合に、HT Controlフィールドは、HEバリアントであってよい。また、HT Controlフィールドの一番目、2番目のビット(B0,B1)と追加のビット、例えば32番目のビット(B31)に基づいて、HT ControlフィールドがHEバリアントであるか、EHTバリアントであるか、NEXTバリアントであるかが決定されてよい。
【0201】
図18の実施例において、TRSがHE PPDUに含まれる場合に、HE PPDUを受信したSTAは、TRSに対する応答としてHE TB PPDUを送信する。TRSがEHT PPDUに含まれる場合に、EHT PPDUを受信したSTAは、TRSに対する応答としてEHT TB PPDUを送信する。TRSがNEXT PPDUに含まれる場合に、EHT PPDUを受信したSTAは、TRSに対する応答としてNEXT TB PPDUを送信する。
【0202】
また、TRSが含まれたPPDUフォーマットによって、TRSが含むサブフィールドが示す情報が変わってよい。TRSがHE PPDUに含まれる場合に、TRSが含むMCSに関するサブフィールド、例えば、UL HE-MCSサブフィールドは、HE MCSテーブルに該当する値を指示できる。また、TRSがEHT PPDUに含まれる場合に、TRSが含むMCSに関するサブフィールド、例えばUL HE-MCSサブフィールドは、EHT MCSテーブルに該当する値を指示できる。また、TRSがNEXT PPDUに含まれる場合に、TRSが含むMCSに関するサブフィールド、例えばUL HE-MCSサブフィールドは、NEXT MCSテーブルに該当する値を指示できる。また、TRSが含まれるPPDUフォーマットによってRU Allocationサブフィールドが示す情報が変わってよい。
【0203】
図19は、本発明の一実施例に係るTXOPを共有するための方法を示す図である。
【0204】
図19を参照すると、APによって設定されたTXOPの一部又は全部がnon-AP STAに共有され、non-AP STAは、共有されたTXOPを用いて、他のnon-AP STA(第3STA)及び/又はAPにPPDU(PLCP Protocol Data Unit)を送信できる。以下、本発明において他のSTAにTXOPを共有することをTXOP共有(sharing)と呼ぶことができる。また、STAは、トリガーフレーム(Trigger frame)を送信するAP又はAP-STAであるか、トリガーフレームを受信するnon-AP STAであってよい。また、STAは、TXOPを共有するか、TXOP共有を受けることができる。
【0205】
具体的には、STAは、TXOPを設定するためのフレームを送信した後、それに対する応答を受信することによって、TXOPを設定(又は、獲得)することができる。STAは、TXOPを設定した後、設定されたTXOPを共有することによってTXOP共有を行うことができる。TXOPを設定するためのフレームに対する応答は、TXOPの長さに関する情報を含んでよく、TXOPの長さは、0よりも大きくてよい。このとき、TXOPを設定するためのフレームに対する応答は即刻応答(immediate response)であってよく、TXOPを設定するためのフレーム(例えば、PPDU)の末尾から特定時間(例えば、SIFS)以後に送信されてよい。
【0206】
TXOPの長さは、STAが送信するフレームに含まれるデュレーション情報(duration information)に基づいて指示されてよい。例えば、デュレーション情報は、PPDUのMACヘッダーのデュレーション/IDフィールドに含まれてよく、TXOPの長さはデュレーション情報に基づき得る。TXOPの長さは、STAによって送信されるフレームのPPDUに含まれたプリアンブルに含まれてよい。すなわち、デュレーション情報は、PPDUのシグナリングフィールド(signaling field)に含まれるTXOPフィールドに含まれてよく、シグナリングフィールドは、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドであってよい。
【0207】
TXOP共有は、設定されたTXOP内で共有されてよく、設定されたTXOPで1つ以上のTXOPが共有されてよい。すなわち、STAによって設定されたTXOP内で他のSTAに1つ以上のTXOPが共有されてよい。
【0208】
TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOPでPPDUを、TXOPを共有したSTA又は他のSTAに送信でき、このとき、送信されるPPDUは、TB PPDUでないPPDU(例えば、non-TB PPDU)であってよい。すなわち、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOPでAPからトリガーフレームを受信しなくともPPDUを送信できる。言い換えると、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOPでトリガーフレームによって別途のRUが個別に割り当てられなくとも、TXOP共有を受けるときに送信されたトリガーフレームによって割り当てられたRUを用いて、共有されたTXOPが終了するまで追加のトリガーフレームを受信しなくともPPDUを送信できる。したがって、共有されたTXOPでSTAによって送信されるPPDUの例示として、non-HT PPDU、HE PPDU、VHT PPDU、HE SU PPDU又はEHT MU PPDUがあり得る。
【0209】
TXOPの共有において、共有されたTXOPでTXOP共有を受けたSTAは、TXOPを共有したSTA又は第3STA(さらに他のSTA)にフレームを送信できる。すなわち、APがTXOPを設定し、設定されたTXOPの一部又は全部をSTAに共有する場合に、TXOP共有を受けたSTAは、TXOPを共有したAP又は第3STAにフレームを送信できる。このとき、STAが第3STAに送信するフレームはnon-AP STA同士が送信するフレームであることから、P2P(peer to peer)フレームであってよい。
【0210】
このようなTXOPの共有は特定フレームによって設定されてよい。すなわち、特定フレームによって設定されたTXOPの一部又は全部が共有される旨が指示されてよく、STAは、当該フレームを受信して共有されたTXOPを用いることができる。このとき、特定フレームは、TXOPを共有するSTAによって送信されてよい。例えば、APによって送信されるトリガーフレームによってTXOP共有が行われてよい。この場合、TXOP共有のためのトリガーフレームは、特定タイプのトリガーフレーム(例えば、MU-RTSフレーム、又はMU-RTSトリガーフレームなど)であってよく、
図16で説明したトリガーフレームのトリガータイプサブフィールドの値によって識別されてよい。すなわち、トリガータイプサブフィールドの値が既に設定された値(例えば、「3」)に設定された場合に、トリガーフレームを受信したSTAは、TXOPが共有されることが認識でき、共有されたTXOPでPPDUを送信できる。
【0211】
TXOPを共有するためのフレームであるMU-RTSフレームは、1つ以上のSTAからCTSフレームの送信を指示するフレームであってよい。例えば、MU-RTSフレームに対する即刻応答としてCTSフレームが送信されてよく、CTSフレームは、non-HT PPDUであってよい。以下、本発明において、TXOPの共有のためのMU-RTSフレームは、modified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームと呼ぶことができる。しかし、これに限定されるものではなく、TXOPの共有のためのフレームは、様々な呼称で使われてよい。
【0212】
TXOPの一部又は全部の共有は、1個のSTAにのみ設定されるか、1個以上のSTAに設定されてよい。すなわち、フレームを用いたTXOPの共有では、TXOP共有のための1つ又はそれ以上のSTAがフレームによって指示されてよい。このとき、TXOPの共有は、前述したように、共有するSTAによって設定されたTXOP内で設定されてよい。すなわち、共有されるTXOPは、共有するSTAによって設定されたTXOPを超えることができない。
【0213】
共有されるTXOPのデュレーションは、TXOPの共有のための特定フレーム(例えば、modified MU-RTSフレーム)によって指示されてよい。例えば、modified MU-RTSフレームは、UL長さサブフィールドを含んでよく、UL長さサブフィールドは、共有されるTXOPのデュレーションを含んでよい。このとき、UL長さサブフィールドは、
図16で説明したUL長さサブフィールドであってよい。UL長さサブフィールドは、トリガーフレームがTB PPDUの送信を指示する場合に、指示されたTB PPDUの長さに関する情報(又は、TB PPDUの送信のための区間情報)を含んでよい。
【0214】
送信されるMU-RTSフレームがTXOPの共有のためのMU-RTSフレーム(modified MU-RTSフレーム)であるか又はTXOPの共有のために用いられないMU-RTSフレームであるかは、フレームに含まれた特定フィールドによって指示されてよい。例えば、フレームに含まれた特定フィールドの値が既に設定された値である場合に、当該MU-RTSフレームは、TXOP共有のためのmodified MU-RTSフレームであってよい。このとき、特定フレームはGI And HE-LTFタイプサブフィールドであってよい。例えば、トリガーフレームに含まれたタイプフィールドがMU-RTSフレームを指示する場合に、GI And HE-LTFタイプサブフィールドの値によって、MU-RTSフレームがTXOPの共有のためのトリガーフレームであるか否かが識別されてよい。すなわち、GI And HE-LTFタイプサブフィールドが既に設定された値に設定された場合に、当該トリガーフレームは、TXOPの共有のためのトリガーフレームであってよい。
【0215】
又は、受信されたフレームがTXOPの共有のためのMU-RTSフレームであるか否かは、MU-RTSフレームに特定フィールドが含まれるか否か及び/又は特定フィールドの個数に基づいて決定されてよい。このとき、特定フィールドは、
図16で説明したユーザ情報フィールド(User Info field)又はユーザ情報リストフィールド(User Info List field)であってよい。具体的には、MU-RTSフレームに含まれたユーザ情報フィールドの個数に基づいて受信されたMU-RTSフレームがTXOPの共有のためのフレームであるか否かが判断されてよい。例えば、MU-RTSフレームがユーザ情報フィールドを含まない場合(ユーザ情報フィールドの個数が「0」である場合)に、当該MU-RTSフレームはTXOP共有のためのフレームであってよい。このとき、MU-RTSフレームがTXOP共有のためのフレームでない場合に、当該MU-RTSフレームは1つ以上のSTAに既存のCTSフレームの送信を指示するMU-RTSフレームであるか、既存のMU-RTSフレームは802.11ax標準で定義したMU-RTSフレームであってよい。
【0216】
既存のMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信された直後には、前記既存のMU-RTSフレームを送信したSTA(例えば、AP)がフレーム又はPPDUを送信できる。また、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信された直後には、前記CTSフレームを送信したSTAが、フレーム又はPPDUを送信できる。又は、modified MU-RTSフレームに対する応答としてTXOP共有を受けたSTAが、CTSフレームでないフレーム又はPPDUを送信できる。このとき、フレーム、PPDUはそれぞれ、前述した共有されたTXOPでTXOP共有を受けたSTAが送信するフレーム、共有されたTXOPでTXOP共有を受けたSTAが送信するフレームを含むPPDUであってよい。すなわち、フレーム又はPPDUは、APに向けるものであるか、P2Pフレームであってよい。
【0217】
本発明において、MU-RTSフレームとして表記したものは、既存のMU-RTSフレームであってよい。すなわち、本発明において、MU-RTSフレームと表記したものは、modified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームであってよい。
【0218】
本発明の一実施例によれば、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信されてよい。前記CTSフレームは、TXOP共有を受けるSTAが送信するものであってよい。このような場合、TXOP共有を受けるSTAは、CTSフレームを送信した直後にフレームを送信できる。TXOP共有を受けるSTAは、CTSフレームを含むPPDUを送信した直後にフレームを送信できる。CTSフレームを送信した直後に送信する前記フレームは、前述した共有されたTXOPでTXOP共有を受けたSTAが送信するPPDUに含まれたものであってよい。又は、CTSフレームを送信した直後に送信する前記フレームは、前述したnon-TB PPDUに含まれて送信されるものであってよい。また、本発明において、直後に送信するということは、CTSフレームを含むPPDU末尾からSIFS又はPIFS時間後の時点に送信することを意味できる。CTSフレームは、TXOP共有を受けるSTAが、TXOP共有を受けたことを知らせる役割を担うことができる。
【0219】
さらに他の実施例によれば、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信されなくてよい。また、modified MU-RTSフレームの直後にTXOP共有を受けるSTAは、フレームを送信できる。又は、modified MU-RTSフレームを含むPPDUの直後にTXOP共有を受けるSTAは、PPDUを送信できる。このとき、送信する前記フレームは、前述した共有されたTXOPでTXOP共有を受けたSTAが送信するPPDUに含まれたものであってよい。又は、このとき、送信する前記フレームは、前述したnon-TB PPDUに含まれて送信されるものであってよい。また、本発明において、直後に送信するということは、modified MU-RTSフレームを含むPPDU末尾からSIFS又はPIFSだけ遅い時点に送信することを意味できる。
【0220】
一実施例によれば、modified MU-RTSフレームは、TXOP共有を受けるSTAがCTSフレームを送信するべきか否かに対するシグナリングを含んでよい。一実施例によれば、TXOP共有を受けるSTAがAPに送るフレームを送信する場合に、CTSフレーム無しで共有されたTXOPを用いることが可能である。また、TXOP共有を受けるSTAがP2Pフレームを送信する場合に、CTSフレームを送信して共有されたTXOPを用いることが可能である。また、TXOP共有を受けるSTAがP2Pフレームを送信する場合にも、modified MU-RTSフレームの直後に送信するCTSフレームのRAフィールドは、前記modified MU-RTSフレームを送信したSTAのMAC addressに設定されることが可能である。これは、TXOP共有を受けるSTAがmodified MU-RTSフレームを受信した後、前記modified MU-RTSフレームを送信したSTAのaddressを含むフレームを送信しない場合に、TXOP共有をするSTAにとっては、TXOP共有を受けるSTAがmodified MU-RTSフレームを成功的に受信したか否かが分かり難いためである。
【0221】
図19を参照すると、STA1とSTA2が存在してよく、互いに結合(association)されていてよい。また、STA1はAPであってよい。STA2はnon-AP STAであってよい。STA1は、MU-RTSフレームを送信することが可能である。前記MU-RTSフレームは、既存のMU-RTSフレームであってよい。前記MU-RTSフレームは、TXOP durationに関する期間情報を含んでよい。前記MU-RTSフレームは、1つ以上のSTAからCTSフレームを誘導できる。このとき、前記1つ以上のSTAは、STA2を含んでよい。STA2は、前記MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。この場合、STA1は、TXOP holderになり得る。TXOP holderは、TXOPを得たSTAであってよい。TXOP holderは、TXOPで、送信したいフレームを送信できる。また、この場合、STA2は、TXOP responderになり得る。TXOP responderは、TXOP holderが送ったフレームに対する応答を送信したSTAであってよい。TXOP responderは、TXOPで、TXOP holderが送信したフレームに対するresponseを送信することが可能である。又は、TXOP responderは、TXOPで、TXOP holderが許容したフレームを送信することが可能である。
図19の実施例において、MU-RTSフレーム、CTSフレームの交換(exchange)に基づいてTXOPが獲得される例を説明したが、本発明は、これに限定されず、他のフレーム交換に基づいてTXOPが獲得されることにも適用できる。
【0222】
図19で、STA1がTXOPを獲得した後にTXOP共有を行うことが可能である。例えば、STA1は、TXOP共有を知らせるフレームであるmodified MU-RTSフレームを送信できる。例えば、modified MU-RTSフレームをSTA2に送信できる。前記modified MU-RTSフレームのTA(transmitter address)は、STA1のMAC address又はSTA1のMAC addressに基づく値に設定されてよい。前記modified MU-RTSフレームのRA(receiver address)は、STA2のMAC address又はSTA2のMAC addressに基づく値に設定されてよい。また、前記modified MU-RTSフレームが含むUser Infoフィールドは、AID12サブフィールド値がSTA2を指示できる。すなわち、前記modified MU-RTSフレームが含むUser Infoフィールドは、AID12サブフィールド値がSTA2のAIDの12LSBを指示できる。前記modified MU-RTSフレームは、共有されたTXOPのデュレーション(duration)に関する情報を含んでよい。
【0223】
一実施例によれば、STA2は、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。また、STA2はCTSフレームを送信した後にフレームを送信できる。STA2がCTSフレームを送信した後に送信するフレームは、CTSフレームでなくてよい。さらに他の実施例によれば、STA2は、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信しなくてよい。この場合、STA2は、modified MU-RTSフレームが送信された後に、CTSフレームでないフレームを送信できる。また、STA2がmodified MU-RTSフレームを受信した後に送信するCTSフレームでないフレームは、一実施例によれば、STA1に送信するフレームであってよい。他の実施例によれば、STA2がmodified MU-RTSフレームを受信した後に送信するCTSフレームでないフレームは、STA3に送信するフレームであってよい。
【0224】
例えば、APは、non-AP STA(又は、STA)にトリガーフレームを送信することによって、APのTXOPを設定できる。このとき、APは、トリガーフレームを送信したnon-AP STAにAPによって設定されたTXOPの一部又は全部を共有しようとする場合に、トリガーフレームの特定フィールド(例えば、GI And HE-LTFタイプサブフィールド)を既に設定された値に設定して送信できる。このとき、特定フィールドは、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールド(triggered TXOP sharing mode subfield)と呼ぶことができる。具体的には、APがAPによって設定されたTXOPを共有しない場合に、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドは「0」に設定され、GI And HE-LTFタイプサブフィールドとして解析されてよい。しかし、APがAPによって設定されたTXOPを共有しない場合に、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドは、「1」又は「2」の値に設定され、トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドとして解釈されてよい。仮に、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドの値が「1」又は「2」である場合に、当該トリガーフレームはmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームと呼称できる。APがAPによって設定されたTXOPの一部又は全部を共有する場合に、TXOPの共有のためのトリガーフレームのGI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドは、TXOPの共有モードを示す。例えば、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドは、TXOPの共有が、TXOPを設定したAPとの送受信でのみ共有されるか、又はAPの他に第3STA(さらに他のSTA)との送受信でも共有されるかを示す。すなわち、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドの値が「1」である場合に、共有されたTXOPでSTAは、APにのみPPDUを送信できる。しかし、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドの値が「2」である場合に、共有されたTXOPでSTAは、APだけでなく他のSTAにもPPDUを送信できる。すなわち、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドの値が「2」である場合に、共有されたTXOPでSTAはP2P通信も行うことができる。
【0225】
下表1は、GI And HE-LTFタイプ/トリガーされたTXOP共有モードサブフィールドの値によるTXOP共有の有無及びモードの一例を示す。
【0226】
【0227】
図20は、本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びNAV設定に関連した方法を示す図である。
【0228】
図20の実施例は、
図19で説明した動作を行い難い問題とそれに対する解決方法を説明する実施例であり得る。
図19で説明した内容は省略できる。
【0229】
本発明の一実施例によれば、STAは、受信したフレーム又は受信したPPDUが含むデュレーション情報に基づいてNAV(network allocation vector)を設定できる。NAVが設定されたかどうかに基づいて、virtual CS(carrier sense)結果がidleであるか、busyであるかが決定されてよい。NAV値が0である場合に、virtual CS結果がidleであってよい。NAV値が0よりも大きい場合に、virtual CS結果がbusyであってよい。Physical CSは、CCA(clear channel assessment)であってよい。仮に、virtual CS又はphysical CSのうち少なくとも1つがbusyである場合に、CS結果はbusyであってよい。仮に、virtual CSとphysical CSが両方ともidleである場合に、CS結果はidleであってよい。また、STAが複数のNAVを含む場合が存在してよい。例えば、STAはintra-BSS NAVとbasic NAVを含んでよい。Intra-BSS NAVは、intra-BSSフレーム又はintra-BSS PPDUによって設定されるNAVであってよい。Regular NAVは、inter-BSSフレーム又はinter-BSS PPDU又はintra-BSSであるか、inter-BSSであるか判断できないフレーム又はPPDUによって設定されるNAVであってよい。また、intra-BSS NAV、basic NAVのうち少なくとも1つが0よりも大きい値である場合に、virtual CSはbusyであってよい。又は、intra-BSS NAV、basic NAVのうち少なくとも1つが0よりも大きい値である場合に、NAVが0よりも大きい値であるといえる。intra-BSS NAV、basic NAVがいずれも0である場合に、virtual CSはidleであってよい。又は、intra-BSS NAV、basic NAVがいずれも0である場合に、NAVが0であるといえる。
【0230】
あるSTAにとって、intra-BSSフレーム又はintra-BSS PPDUは、前記STAと同じBSSから送信されたと判断されるフレーム又はPPDUであってよい。あるSTAにとって、inter-BSSフレーム又はinter-BSS PPDUは、前記STAと異なるBSSから送信されたと判断されるフレーム又はPPDUであってよい。また、同じBSSから送信されたか、異なるBSSから送信されたかに対する判断は、PPDUのプリアンブルが含んでいるBSS colorフィールド、MAC headerが含んでいるaddressフィールドなどに基づいて決定されてよい。例えば、BSS colorフィールド又はaddressフィールドが同一BSSに該当する値である場合に、intra-BSSフレーム又はintra-BSS PPDUと判断できる。また、BSS colorフィールド又はaddressフィールドが同一BSSに該当する値を含まない場合に、inter-BSSフレーム又はinter-BSS PPDUと判断できる。前記addressフィールドは、RAフィールド、TAフィールド、BSSIDフィールドなどを含んでよい。
【0231】
一実施例によれば、STAは、受信したフレームのリソース割り当てフィールド(Resource Allocation(RA) field)が自分のMAC addressでない場合に、前記受信したフレームに基づいてNAVを設定できる。又は、STAは、受信したトリガーフレームに基づいてNAVを設定できる。より具体的には、STAは、受信したintra-BSSフレームであるトリガーフレームに基づいてNAVを設定できる。このとき、NAVはintra-BSS NAVであってよい。このとき、前記トリガーフレームが前記STAをトリガーするかに関係なくNAVを設定できる。又は、STAは、受信したフレーム又は受信したPPDUが前記STAから即刻応答を指示しない場合に、NAVを設定できる。
【0232】
本発明の一実施例によれば、CSがbusyである場合に、STAはフレーム又はPPDUを送信することが不可能であってよい。
【0233】
本発明の一実施例によれば、NAVが0よりも大きい値に設定されたSTAは、フレーム又はPPDUを送信することが不可能であってよい。より具体的には、NAVが0よりも大きい値に設定されたSTAは、既に設定された条件を満足させない場合にフレーム又はPPDUを送信することが不可能であってよい。
【0234】
一実施例によれば、STAは、受信したフレームが前記STAにアドレスされており、即刻応答を要求する場合に、NAVに関係なく(又は、NAVを考慮しないで)送信することが可能であってよい。より具体的には、前記受信したフレームは、RTSフレームでなく、トリガーフレームでなくてよい。すなわち、STAは、NAVが0よりも大きい値に設定されても、受信したフレームが前記STAにアドレスされており、即刻応答を要求する場合に、NAVに関係なく送信することが可能であってよい。また、フレームがSTAにアドレスされた場合は、前記フレームのRAフィールドが前記STAのaddressに設定された場合を含んでよい。又は、フレームがSTAにアドレスされた場合は、前記フレームが前記STAに該当するidentifierを含む場合を含んでよい。前記identifierは、MAC address、AID(association ID)、MAC addressに基づくID、AIDに基づくIDなどを含んでよい。
【0235】
さらに他の実施例によれば、STAは、受信したフレームがTXOP holderから送信された場合に、NAVに関係なくそれに対する応答を送信することが可能であってよい。このとき、前記NAVは、前記TXOP holderが送ったフレーム又はPPDUによって設定されたNAVであってよい。又は、前記NAVは、intra-BSS NAVであってよい。また、前記受信したフレームは、RTSフレームであってよい。フレームがTXOP holderから送信されたことは、前記フレームが含むTAフィールドに基づいて判断できる。STAは、TXOP holder addressを保存することができる。仮に、STAがTXOP holderが送信したRTSフレームを受信し、前記RTSフレームが前記STAにアドレスされた場合に、NAVを考慮しないでRTSフレームに応答できる。このとき、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信することができる。
【0236】
さらに他の実施例によれば、STAは、トリガーフレームを受信した場合に、NAVに関係なくそれに対する応答を送信することが可能であってよい。このとき、前記NAVは、intra-BSS NAVに限定されてよい。したがって、STAは、同一BSSのSTA又は同一BSSのAPによってNAVが設定された場合に、トリガーフレームによって応答が指示されるとき、NAVに関係なくそれに対する応答を送信することが可能である。STAは、トリガーフレームを受信した場合に、intra-BSS NAVは考慮し、basic NAVは考慮しないで、それに対する応答を送信するか否かを決定することが可能である。また、STAがトリガーフレームを受信したとき、CS結果に基づいて前記トリガーフレームに対する応答を送信するか否かを決定することが可能である。例えば、トリガーフレームは、前記トリガーフレームを受信したときに応答を送信するか否かをCS結果に基づいて決定するか否かを指示するシグナリングを含んでよい。例えば、前記シグナリングは、
図16に示したCS Requiredサブフィールドであってよい。仮に、CS RequiredサブフィールドがCS結果に基づいて応答するか否かを決定すると指示する場合に、STAは、virtual CSとphysical CSがidleを示す場合にトリガーフレームに対して応答し、virtual CS又はphysical CSがbusyを示す場合にトリガーフレームに応答しなくてよい。このとき、virtual CSとしてintra-BSS NAVは考慮せず、basic NAVを考慮することが可能である。また、仮にCS RequiredサブフィールドがCS結果に基づかずに応答することを指示する場合に、STAは、CS結果の確認無しでトリガーフレームに対して応答することが可能である。
【0237】
図19の実施例において、modified MU-RTSフレームを受信したSTAはNAVが設定されたため、共有されたTXOPでCTSフレームでないフレームを送信することが不可能であり得る。
図20でこれについてさらに説明する。
【0238】
図20と関連して
図19で説明した内容は省略されてよい。
図20を参照すると、STA1とSTA2が存在してよく、互いに結合(association)されていてよい。また、STA1はAPであってよい。STA2はnon-AP STAであってよい。STA1は、MU-RTSフレームを送信できる。また、STA2は、前記MU-RTSフレームに応答してCTSフレームを送信できる。このとき、STA2がCTSフレームを送信したことは、STA2のphysical CS結果がidleであり、basic NAVが設定されていないからであり得る。又は、STA2がCTSフレームを送信したことは、STA2が、自分にアドレスされ、即刻応答を要求するフレームを受信したからであり得る。このとき、MU-RTSフレームとCTSフレームの交換(exchange)だけでなく他のフレーム交換が起きる場合にも、STA2は、STA1から受信したフレームに基づいて、前記フレームがSTA2にアドレスされており、即刻応答を要求するので、応答するフレームを送信することが可能である。また、STA2は、MU-RTSフレーム又はSTA1が送信したMU-RTSフレーム以外の他のフレームに基づいてNAVを設定していてよい。このとき、NAVはintra-BSS NAVであってよい。
【0239】
また、STA1はSTA2にTXOP sharingを行うことができる。すなわち、STA1は、修正された(modified)MU-RTSフレームをSTA2に送信できる。このとき、前述したように、STA2は、共有(shared)TXOPを用いて、1)CTSフレームを送信し、続いて他のフレームを送信するか、2)CTSフレーム送信無しで他のフレームを送信することができる。ところが、このとき、STA2は、NAVが設定されているため、フレームを送信することが困難であり得る。例えば、STA2は、STA1がshared TXOPを割り当てる前にTXOPを得るために送信したフレームによってNAVが設定されていることがある。すなわち、STA2は、STA1がmodified MU-RTSフレームを送信する前に送信したフレームを受信してNAVが設定されていることがある。又は、STA2は、自分にアドレスされたmodified MU-RTSフレームを受信する前に同一TXOPで他のSTAから送信されたフレームを受信してNAVが設定されていることがある。又は、STA2は、自分にアドレスされたmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVが設定されていることがある。すなわち、STA2は、shared TXOPを用いるときに少なくともmodified MU-RTSフレームを受信するはずであるため、NAVが設定されていることがある。このため、STA2はshared TXOPを活用してフレームを送信し難いことがある。
【0240】
したがって、本発明の一実施例によれば、TXOP共有を受けたSTAは、NAVに関係なくフレームを送信できる。例えば、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOPでNAVに関係なくフレームを送信できる。例えば、TXOP共有を受けたSTAは、NAVが設定されていても(又は、NAVが0よりも大きい場合であっても)フレームを送信できる。より具体的な実施例によれば、このとき、NAVはintra-BSS NAVに限定されることが可能であってよい。例えば、TXOP共有を受けたSTAは、intra-BSS NAVに関係なくフレームを送信することが可能である。また、TXOP共有を受けたSTAは、basic NAVが設定されている場合にフレームを送信することが不可能であってよい。又は、TXOP共有を受けたSTAは、結合されたAPが送ったフレーム又はPPDUによって設定されたNAVに関係なくフレームを送信できる。例えば、TXOP共有を受けたSTAのNAVが、結合されたAPではないSTAが送ったフレームによって設定された場合に、共有されたTXOPでフレームを送信することが不可能であってよい。
【0241】
すなわち、STAはTXOP共有を受けた場合に、共有されたTXOP内に設定されたNAVに関係なくPPDUを送信できる。具体的には、APがTXOPの共有のためにトリガーフレームを送信した場合に、共有されたTXOP内にAPによってNAVが設定されてよい。この場合、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOP内で設定されたNAVのためPPDUの送信が不可能になり得る。したがって、TXOP共有を受けるSTAは、共有されたTXOP内に、TXOPを共有したAPによって設定されたNAVを無視してPPDUを送信できる。
【0242】
本発明において、フレームと表示したものは、フレームを含むPPDUに替えて発明を適用することもできる。
【0243】
また、このとき、TXOP共有を受けたSTAがNAVに関係なく送信するフレームは、前のPPDUからSIFS後に送信する場合であってよい。
【0244】
さらに他の実施例によれば、TXOP共有を受けたSTAがフレームを送信するときに、前のPPDUからPIFS後にフレームを送信する場合にはNAVを考慮することが可能である。
【0245】
図20を参照すると、STA2は、MU-RTSフレーム又はmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVが設定されてよい。例えば、intra-BSS NAVが設定されてよい。又は、STA2は、intra-BSSフレームに基づいてNAVが設定されてよい。又は、STA2は、結合されたAPが送信したフレームに基づいてNAVが設定されてよい。本実施例において、NAVとは、このようなNAVを総称するものであってよい。STA1はSTA2にTXOP共有を行うことができる。STA2はmodified MU-RTSフレームによってTXOP共有を受けることができる。STA2は、shared TXOPでフレームを送信するときに、NAVに関係なくフレームを送信することが可能である。このとき、送信するフレームは、一実施例によれば、受信したmodified MU-RTSフレームの直後に送信したCTSフレームの直後送信するフレームであってよい。さらに他の実施例によれば、このとき、送信するフレームは、受信したmodified MU-RTSフレームの直後に送信するフレームであってよい。また、一実施例によれば、STA2が送信するフレームは、modified MU-RTSフレームを送信したSTAに送るフレームであってよい。すなわち、送信するフレームのRAフィールドが、受信したmodified MU-RTSフレームのTAフィールドの値に設定されてよい。又は、送信するフレームのRAフィールドが、APのMAC addressに設定されてよい。他の実施例によれば、STA2が送信するフレームは、STA3に送信するフレームであってよい。また、フレームを直後に送信するということは、前記フレームを含むPPDUの送信開始時点が、前のPPDUの末尾からSIFS後である場合を意味できる。
【0246】
図21は、本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びCTSフレームの送信を示す図である。
【0247】
図21の実施例は、
図19と
図20で説明した問題を解決するための方法であってよい。したがって、前述した内容は、説明を省略できる。
【0248】
本発明の一実施例によれば、NAVを考慮して共有されたTXOPでフレームを送信し難い問題を解決するために、NAVに関係なく応答を送信できる条件が満たされるようにフレームシーケンスを継続することができる。
【0249】
本発明の実施例によれば、TXOP共有を受けたSTAは、modified MU-RTSフレームに対する応答としてCTS-to-selfフレームを送信できる。CTS-to-selfフレームは、RAフィールドが前記CTS-to-selfフレームを送信するSTAのMAC addressに設定されたCTSフレームであってよい。このような場合、TXOP共有をするSTAは、modified MU-RTSフレームを送信した後に、TXOP共有を受けるSTAのMAC addressを含むフレームを受信すると、共有されたTXOP割り当てが成功的に起きたと判断できる。
【0250】
図21を参照すると、STA2はSTA1からmodified MU-RTSフレームを受信することができる。また、STA2は、前記modified MU-RTSフレームの直後にCTS-to-selfフレームを送信できる。すなわち、STA2は、CTSフレームのRAフィールドに前記STA2のMAC addressを設定し、CTSフレームを送信できる。このような場合、STA2が送ったCTS-to-selfフレームを、自分にアドレスされ、即刻応答を要求するフレームであると見なすことができる。又は、STA2は、CTS-to-selfフレームを送信したことに対して、自分にアドレスされ、即刻応答を要求するフレームを受信したと見なすことができる。したがって、STA2は、NAVが設定されていても、CTS-to-selfフレームの直後にフレームを送信できる。
【0251】
本発明の実施例によれば、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに対する応答として送信するCTSフレームのRAフィールドは、前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームのTAフィールド値又はTAフィールド値においてIndividual/Groupビットを0に設定した値に設定できる。ところが、
図21で説明したようにCTS-to-selfフレームを送信するために更なるCTSフレームのRAフィールド設定方法が定義されてよい。例えば、modified MU-RTSフレームに対する応答として送信するCTSフレームのRAフィールドには、前記CTSフレームを送信するSTAのMAC addressが設定されることが可能である。
【0252】
本発明の一実施例によれば、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOP内でリカバリー(recovery)を行うことが可能であってよい。すなわち、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOP内で自分が送信したフレームが失敗した場合に、リカバリーを行うことが可能である。例えば、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOP内で自分が送信したフレームが失敗した場合に、PIFSだけ遅い時点にフレームを送信することが可能である。本発明の実施例によれば、TXOP holderは、リカバリーを行うことが可能である。これに加えて、TXOP holderがTXOP共有を行った場合に、TXOP共有を受けたSTAがリカバリーを行うことが可能である。すなわち、1)TXOP responderであるか、2)TXOP holderでもなくTXOP responderでもないSTAがTXOP共有を受けたSTAになると、リカバリーを行うことが可能である。また、TXOP共有を受けたSTAは、modified MU-RTSフレームを受信した後に、一番目のCTSフレームでないフレームを送信したときにも、前記CTSフレームでないフレームが失敗すれば、リカバリー動作を行うことが可能である。例えば、TXOP holderは、シーケンスの一番目に送信したフレームが失敗した場合にリカバリー動作を行うことが不可能であってよく、このとき、TXOPが得られなかったものであってよい。しかし、TXOP共有を受けたSTAは、共有されたTXOPで送信した一番目のCTSフレームでないフレームが失敗する場合にもリカバリー動作を行うことができる。
【0253】
図21を参照すると、STA2は、図面に表示したULフレームを送信し、それが失敗した場合にリカバリー動作を行うことができる。すなわち、STA2は、ULフレームを送信し、図面に表示したDLフレームを受信できなかった場合にフレームを再び送信することができる。このとき、再び送信するフレームは、図面に表示した失敗したULフレームを含むPPDUの末尾からPIFS後に送信を開始できる。また、リカバリー中にチャネルがidleであるか否かを確認することができる。また、TXOP共有を受けたSTAが行うリカバリー動作ではvirtual CSを考慮しないでphysical CSのみを考慮することができる。
【0254】
図22は、本発明の一実施例に係るTXOPの共有のためのトリガーフレームの一例を示す図である。
【0255】
図19で説明したように、modified MU-RTSフレームであるか否かは、ユーザ情報フィールドの個数に基づいて決定されてよい。ところが、802.11ax標準で定義したトリガーフレームは、以後の標準で機能が拡張されることを考慮せずに設計されたものであり得る。したがって、例えば、
図16(b)に示した共通情報フィールド(Common Info field)は、拡張された機能を含むにはシグナリング空間が不足し得る。したがって、本発明の一実施例によれば、既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドは、
図16(c)に示したのと異なるフォーマットを有してよい。また、既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドは、前記ユーザ情報フィールドを含むトリガーフレームの全ての受信者又は1つ以上の受信者に該当する情報を含んでよい。例えば、既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドは、PHY version ID、帯域幅extension、帯域幅、空間再使用(spatial reuse)、U-SIG reserved bitsのうち少なくとも1つの情報を含んでよい。また、前記既に設定されたAID12サブフィールド値は、実際AIDとして割り当てられない値に基づき得る。前記既に設定されたAID12サブフィールド値は、実際AIDとして割り当てられない値の12LSBであってよい。例えば、前記既に設定されたAID12サブフィールド値は、2007であってよい。
【0256】
また、前述した拡張された機能は、例えば、拡張された帯域幅を含んでよい。例えば、帯域幅が最大160MHzから最大320MHzへと拡張されてよい。また、拡張された機能は、U-SIGフィールドを生成するための情報を含んでよい。
【0257】
したがって、本発明の実施例によれば、modified MU-RTSフレーム又は共有されたTXOP内でも拡張された機能を用いるために、modified MU-RTSフレームは、前述の既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドを含んでよい。
【0258】
本発明の実施例によれば、modified MU-RTSフレームは、ユーザ情報フィールドを1つも含まないか、前述した既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドのみをユーザ情報フィールドとして含んでよい。すなわち、受信したトリガーフレームがユーザ情報フィールドを1つも含まないか、前述した既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドのみをユーザ情報フィールドとして含む場合に、前記トリガーフレームをmodified MU-RTSフレームとして判断できる。又は、受信したMU-RTSフレームがユーザ情報フィールドを1つも含まないか、前述した既に設定されたAID12サブフィールド値を含むユーザ情報フィールドのみをユーザ情報フィールドとして含む場合に、前記MU-RTSフレームをmodified MU-RTSフレームと判断できる。このとき、TXOP共有を受けるSTAは、トリガーフレームのRAフィールドによって指示されてよい。
【0259】
図22を参照すると、modified MU-RTSフレームは、タイプサブフィールドがMU-RTSに設定されてよい。また、modified MU-RTSフレームは、ユーザ情報フィールドが1つ存在することが可能であり、このとき、前記ユーザ情報フィールドが含むAID12サブフィールドは、既に設定された値に設定されてよい。このとき、前記既に設定された値は、AIDとして割り当てられない値であってよい。また、前記既に設定された値は、前記modified MU-RTSフレームのRAフィールド値をMAC addressとして有するSTAのAIDの12LSBと異なる値であってよい。例えば、前記既に設定された値は、2007であってよい。又は、modified MU-RTSフレームは、ユーザ情報フィールドを1つも含まないことが可能であってよい。すなわち、トリガーフレームを受信したSTAは、前記トリガーフレームのTypeがMU-RTSフレームとして設定された場合に、前記トリガーフレームがユーザ情報フィールドを1つも含まないか、既に設定された値のAID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドのみを含む場合に、前記トリガーフレームをmodified MU-RTSフレームと判断できる。
【0260】
図23は、本発明の一実施例に係るNAVタイムアウト(time out)を示す図である。
【0261】
本発明の一実施例によれば、STAは、設定したNAVを解除(reset)することが可能であってよい。例えば、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合に、NAVを解除することが可能であってよい。より具体的には、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合に、既に設定された時間でPPDU受信を成功的に開始できなかった場合にNAVを解除することが可能であってよい。このような動作をNAVタイムアウト又はNAVTimeoutと呼ぶことができる。既に設定された時間を、NAVTimeout period又はNAVタイムアウト周期と呼ぶことができる。NAVTimeout periodは、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに該当するPHY-RXEND.indicationプリミティブを受信したときに開始されてよい。
【0262】
本発明の実施例において、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合は、最近のNAV updateがRTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてなされた場合を意味できる。仮に、STAがRTSフレーム又はMU-RTSフレームから受信したデュレーション情報が前記STAの現在NAV値よりも大きい場合に、前記RTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定又はアップデートすることができる。前記デュレーション情報は、MAC headerが含むDuration/IDフィールドに基づいて得るか、PPDUのプリアンブルに含まれたTXOPデュレーション又はTXOPフィールドに基づいて得ることができる。
【0263】
また、本発明の実施例において、PPDU受信を成功的に開始した場合に、PHY-RXSTART.indicationプリミティブを受信することができる。又は、PPDU受信を成功的に開始した場合に、PHY-RXSTART.indicationプリミティブを発行することができる。PHY-RXSTART.indicationプリミティブはPHYからMACに伝達されるものであってよい。例えば、PHYがPPDUの有効な(valid)開始を受信した場合にPHY-RXSTART.indicationプリミティブが生成されてよい。また、PPDUの有効な開始を受信したことは、有効なPHY headerを受信した場合を意味できる。また、PHY-RXSTART.indicationプリミティブは、PPDUフォーマットを判断した後に生成されることが可能である。PHY-RXSTART.indicationプリミティブが生成された場合に、PPDUの長さ又はPPDUのプリアンブルが指示する長さにおいて、PHYはphysical mediumをbusy状態と維持できる。仮に、PHY-RXSTART.indicationプリミティブが生成されると、PPDU中間に受信に失敗しても、PPDUの長さ又はPPDUのプリアンブルが指示する長さにおいてPHYは物理メディア(physical medium)をbusy状態と維持できる。また、PPDU受信を終了した場合にPHY-RXEND.indicationが生成されてよい。
【0264】
本発明の実施例によれば、前述したNAVタイムアウト周期は、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに対する応答時間に基づき得る。すなわち、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに対する応答がCTSフレームである場合、NAVタイムアウト周期はCTSフレーム時間に基づき得る。前記CTSフレーム時間をCTS_Timeと示すことができる。又は、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに対する応答時間をCTS_Timeと示すことができる。このとき、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに対する応答時間は、前記応答を含むPPDUの長さを意味できる。
【0265】
一実施例によれば、NAVタイムアウト周期は、次のうち少なくとも1つに基づき得る。
1)CTS_Time
2)aSIFSTime
3)aRxPHYStartDelay
4)aSlotTime
【0266】
一実施例によれば、CTS_Timeは、既に設定された比率(rate)に基づいて計算することが可能である。すなわち、CTS_Timeは、既に設定された比率に基づいて計算したCTSフレームの長さであってよい。又は、すなわち、CTS_Timeは、既に設定された比率に基づいて計算したCTSフレームを含むPPDUの長さであってよい。例えば、既に設定された比率は、6Mbpsであってよい。例えば、CTS_Timeは、6Mbpsのデータ比率(data rate)に基づいて計算することが可能である。又は、既に設定された比率は、NAVを設定するようにしたRTSフレーム又はMU-RTSフレームの比率であってよい。又は、既に設定された比率は、NAVを設定するようにしたRTSフレーム又はMU-RTSフレームが指示する比率であってよい。
【0267】
一実施例によれば、aSIFSTimeは、SIFS長さであってよい。例えば、aSIFSTimeは、2.4GHz帯域で動作する場合に、10usであってよい。例えば、aSIFSTimeは、5GHz帯域又は6GHz帯域で動作する場合に、16usであってよい。
【0268】
一実施例によれば、aRxPHYStartDelayは、PPDUの開始から受信者(receiver)がPHY-RXSTART.indicationプリミティブを生成するまでにかかる遅延(delay)であってよい。例えば、aRxPHYStartDelayは、PPDUの開始からPPDUフォーマットを判断するまでにかかる時間であってよい。例えば、aRxPHYStartDelayは、PPDUフォーマットによって異なってよい。aRxPHYStartDelayは、non-HT PPDUに対して20usであってよい。また、aRxPHYStartDelayは、HT-mixedフォーマットのHT PPDUに対して28usであってよい。また、aRxPHYStartDelayは、HT-greenfieldフォーマットのHT PPDUに対して24usであってよい。また、aRxPHYStartDelayは、VHT PPDUに対して(36+4*(the maximum possible value for N_VHT-LTF supported)+4)usであってよい。N_VHT-LTFは、VHT-LTFの個数であってよい。また、aRxPHYStartDelayは、HE SU PPDU又はHE TB PPDUに対して32usであってよい。また、aRxPHYStartDelayは、HE ER SU PPDUに対して40usであってよい。また、aRxPHYStartDelayは、HE MU PPDUに対して(32+4*N_HE-SIG-B)usであってよい。N_HE-SIG-Bは、HE-SIG-BフィールドのOFDMシンボル個数であってよい。また、aRxPHYStartDelayは、EHT MU PPDU又はEHT TB PPDUに対して32usであってよい。
【0269】
一実施例によれば、NAV timeout periodは、((2*aSIFSTime)+(CTS_Time)+aRxPHYStartDelay+(2*aSlotTime))であってよい。
【0270】
本発明の実施例によれば、RTSフレームは、CTSフレームを指示するフレームであってよい。又は、RTSフレームは、single STAからCTSフレームを指示するフレームであってよい。RTSフレームは、Frame Controlフィールド、デュレーションフィールド、RAフィールド、TAフィールド、FCSフィールドを含んでよい。デュレーションフィールドは、前記デュレーションフィールドを受信するSTAがNAVを設定するための時間情報が含まれてよい。また、RAフィールドには、意図された即刻応答者(intended immediate recipient)のアドレスが含まれてよい。例えば、STAが受信したRTSフレームが含むRAフィールドが前記STAのアドレスである場合に、前記RTSフレームに対してCTSフレームで応答することが可能である。また、フレームがRTSフレームであることは、前記フレームが含むフレームControlフィールドに基づいて判断されてよい。例えば、フレームがRTSフレームであることは、前記フレームが含むFrame Controlフィールドに含まれたTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド基づいて判断されてよい。例えば、Typeサブフィールドが01(B3 B2)であり、Subtypeサブフィールドが1011(B7 B6 B5 B4)である場合に、前記Typeサブフィールド及び前記Subtypeサブフィールドを含むフレームがRTSフレームであることを指示できる。例えば、RTSフレームは、Controlフレームであってよい。
【0271】
CTSフレームは、Frame Controlフィールド、デュレーションフィールド、RAフィールド、FCSフィールドを含んでよい。デュレーションフィールドは、前記デュレーションフィールドを受信するSTAがNAVを設定するための時間情報が含まれてよい。例えば、Typeサブフィールドが01(B3 B2)であり、Subtypeサブフィールドが1100(B7 B6 B5 B4)である場合に、前記Typeサブフィールド及び前記Subtypeサブフィールドを含むフレームがCTSフレームであることを指示できる。例えば、CTSフレームはControlフレームであってよい。
【0272】
図23の一番目のシーケンスを参照すると、STA1、STA2、STA3が存在してよい。また、STA1がRTSフレーム又はMU-RTSフレームをSTA2に送信できる。例えば、前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームのRAフィールドがSTA2のアドレスに設定された場合に、前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームはSTA2に送信されるものであってよい。又は、前記MU-RTSフレームが含むUser InfoフィールドがSTA2を指示する場合に、前記MU-RTSフレームはSTA2に送信されるものであってよい。仮に、STA2が前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを成功的に受信した場合に、CTSフレームで応答することが可能である。このとき、STA2がCS(carrier sense)結果に基づいて応答できる。また、STA3が前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを受信する場合に、前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームが含むデュレーション情報又は前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを含むPPDUが含むデュレーション情報に基づいて、STA3はNAVを設定できる。また、STA1が、STA2が送信したCTSフレームを成功的に受信した場合に、STA1はSTA2にフレームを送信できる。また、STA3はNAVを設定した後、STA2が送信したCTSフレーム又はSTA1がSTA2に送信したフレームを受信していることがある。このような場合、STA3はNAVTimeout period内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブを受信することができる。したがって、STA3が設定したNAVを解除することが不可能であってよい。
【0273】
図23の二番目のシーケンスを参照すると、STA1、STA2、STA3が存在してよい。また、STA1がRTSフレーム又はMU-RTSフレームをSTA2に送信できる。仮に、STA2が前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを成功的に受信できなかった場合に、CTSフレームで応答することが不可能であってよい。又は、STA2が前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを成功的に受信したが、CS結果に基づいてCTSフレームで応答することが不可能であってよい。このような場合、STA1がSTA2に送るフレームシーケンスが続かないことがある。
【0274】
また、STA3が前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを受信する場合に、前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームが含むデュレーション情報、又は前記RTSフレーム又は前記MU-RTSフレームを含むPPDUが含むデュレーション情報に基づいて、STA3はNAVを設定できる。また、STA3は、また、STA3がNAVを設定した後、STA2が送信したCTSフレーム又はSTA1がSTA2に送信したフレームを受信することが不可能であってよい。このような場合、STA3はNAVTimeout period内にPHY-RXSTART.indicationプリミティブを受信できなくてよい。したがって、STA3が設定したNAVを解除できる。これにより、シーケンスが続いていないにもかかわらず、STA3がNAVを維持し、チャネルに接続(access)できない問題を解決することができる。
【0275】
図24は、本発明の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【0276】
図24を参照すると、前述したように、STA1がSTA2にTXOP共有を行うことが可能である。STA1はTXOP共有をするSTAであり、STA2はTXOP共有を受けるSTAであってよい。STA1はSTA2にシーケンスの一番目のフレームを送信できる。
図24を参照すると、STA1がSTA2に送信するシーケンスの一番目のフレームは、MU-RTSフレームであってよい。また、前記MU-RTSフレームに対する応答であるCTSフレームが送信されてよい。
【0277】
例えば、STA2を含むSTAからCTSフレームが送信されてよい。STA1はTXOPを得ることができる。また、STA3は前記MU-RTSフレームと前記CTSフレームを成功的に受信できていないことがある。STA1は、modified MU-RTSフレームをSTA2に送信できる。すなわち、STA1はSTA2にTXOP共有を行うことができる。また、STA3は、前記modified MU-RTSフレームを成功的に受信することができる。したがって、STA3は、前記modified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定できる。この場合、STA3は、MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定したものであってよい。また、前述したTXOP共有シーケンスによれば、modified MU-RTSフレームに対して、STA2が、1)CTSフレームを送信し、CTSフレームを送信した直後にフレームを送信できる。又は、modified MU-RTSフレームに対して、STA2が、2)CTSフレームを送信せず、フレームを送信することができる。また、STA3がSTA2からのフレーム又はPPDUを受信できないことがある。例えば、STA3がSTA2から隠れた(hidden)位置に存在し得る。例えば、STA2が送信するパワーが、STA3に受信される程度に十分でないことがある。このような場合、STA3は、NAVタイムアウト周期においてPPDUを受信できないことがある。NAV timeout periodはCTS_Timeに基づいて決定されないからであり得る。すなわち、STA2がCTSフレーム送信後にフレームを送信する場合に、STA3は、前記フレームが送信される間にNAVTimeout periodが終わるはずである。又は、STA2がCTSフレーム送信無しでフレームを送信する場合に、前記フレームはCTSフレームよりも長い可能性が高いので、STA3は、前記フレームが送信される間にNAVTimeout periodが終わるはずである。したがって、STA3はNAVを解除することが可能であり得る。仮に、STA3がNAVを解除すれば、STA3がチャネルに接続し、共有されたTXOPにおけるシーケンスを妨害することがある。
【0278】
図25は、本発明のさらに他の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【0279】
図25を参照すると、APによってTXOPが共有された場合に、APによってTXOPが共有されたSTAでない他のSTA(第3STA)は、TXOPが共有されたSTAからCTSフレーム又は他のフレームが一定時の間に送信されない場合にも、共有されたTXOPを解除しなくてよい。
図25の実施例は、
図23及び
図24で説明した問題を解決するためのものであってよい。また、前述した内容は省略されてよい。
【0280】
具体的には、APから送信されたトリガーフレーム(例えば、MU-RTSフレーム)が、TXOPを共有するためのmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームであるか否かに基づいて、TXOPを解除するためのNAVタイムアウトが許容又は非許容されてよい。すなわち、一般的に設定されたTXOPであるか又はAPによって設定されたTXOPの全部又は一部が共有されたTXOPであるかによって、TXOPが設定されたSTAでない他のSTAが設定されたTXOPを解除するためのNAVタイムアウトが許容されるか否かが決定されてよい。
【0281】
例えば、設定されたTXOPの一部又は全部の共有のためのフレーム(modifited MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレーム)でないMU-RTSフレームに基づいてNAVが設定された場合に、NAVタイムアウトが許容されてよい。すなわち、STAがMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合、前記MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームでない場合、NAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できなかった場合に、NAVを解除することが可能であってよい。
【0282】
しかし、設定されたTXOPの一部又は全部を共有するためのフレームであるmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームによってNAVが設定された場合に、NAVタイムアウトは許容されなくてよい。すなわち、STAがMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合に、当該MU-RTSフレームがTXOP共有のためのmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームであれば、STAはNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できなくともNAVを解除することが不可であってよい。
【0283】
すなわち、STAがNAVアップデートのために最後に受信したフレームが、TXOP共有のためのフレームであるmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームであれば、STAは、NAVTimeoutが満了した後、NAVをリセットしてはならない。
【0284】
受信したMU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームであるか否かは、前述した実施例に従えばよい。例えば、MU-RTSフレームが含むGI And HE-LTF Typeサブフィールドに基づいて、modified MU-RTSフレームであるか否かが決定されてよい。例えば、GI And HE-LTF Typeサブフィールド値が0である場合に、前記GI And HE-LTF Typeサブフィールドを含むMU-RTSフレームは、modified MU-RTSフレームでなくてよい。また、GI And HE-LTF Typeサブフィールド値が0でない場合に、前記GI And HE-LTF Typeサブフィールドを含むMU-RTSフレームは、modified MU-RTSフレームであってよい。例えば、GI And HE-LTF Typeサブフィールド値が1又は2である場合に、前記GI And HE-LTF Typeサブフィールドを含むMU-RTSフレームは、modified MU-RTSフレームであってよい。
【0285】
本発明の実施例によって、
図24で説明した問題、STAがmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した後に、NAV timeout動作を行うことで、共有されたTXOPのシーケンスを妨害する問題を防止することができる。
【0286】
また、このような実施例を802.11be標準以後の端末(EHT標準を含むそれ以降の標準の端末)が行うことができ、802.11ax標準の端末(HE STA)は行うことが不可能であってよい。HE STAは、これを行うことができなくとも、前記実施例で説明した問題が発生する確率を減らすことができる。
【0287】
図25を参照すると、STA1、STA2、STA3が存在してよい。また、STA1がSTA2にMU-RTSフレームを送信できる。例えば、STA1がmodified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームを送信できる。ところが、前記MU-RTSフレームの意図された受信者であるSTA2が前記MU-RTSフレームに応答できないことがある。したがって、STA2がCTSフレームを送信することが不可能であってよい。また、STA3は、前記MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定できる。ところが、STA2がCTSフレームを送信できなかったため、STA3はNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的にできていないことがある。この場合、NAV timeout動作に基づいて、STA3は、設定したNAVを解除することが可能である。これは、STA3がNAVを設定するようにしたフレームがmodified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームであるからであり得る。
【0288】
また、STA1がmodified MU-RTSフレームを送信できる。
図25ではmodified MU-RTSフレーム前のフレームを省略したものであってよい。前記modified MU-RTSフレームの意図された受信者であるSTA2が、前記modified MU-RTSフレームに応答できる。また、STA3は、前記modified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定できる。ところが、STA2が前記modified MU-RTSフレームに対して送信した応答をSTA3が受信できていないことがある。例えば、STA3にSTA2が送信した応答が十分に大きいパワーで聞こえないからであり得る。例えば、STA3とSTA2が遠く離れているためであり得る。このような場合、STA3はNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できていないことがある。これは、STA2がmodified MU-RTSフレーム後に、CTSフレームを送信した後にフレームを送信したからであり得る。又は、これは、STA2がmodified MU-RTSフレーム後に、CTSフレームよりも長いフレームを送信したからであり得る。又は、これは、STA2がmodified MU-RTSフレーム後に、CTSフレームを含むPPDUよりも長いPPDUを送信したからであり得る。この場合、STA3はNAV timeout動作に基づくNAVを解除する動作を行うことが不可能であってよい。これは、STA3がNAVを設定するようにしたフレームが、modified MU-RTSフレームであるMU-RTSフレームであるからであり得る。
【0289】
図26は、本発明のさらに他の一実施例に係るTXOPの共有及びNAVタイムアウトを示す図である。
【0290】
図26の実施例は、
図23及び
図24で説明した問題を解決するためのものであってよい。また、前述した内容は省略されてよい。
【0291】
本発明の一実施例によれば、MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームであるか否かに基づいて、NAV timeout periodが異なるように決定されてよい。例えば、MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームであるか否かに基づいて、CTS_Timeが異なるように決定されてよい。一実施例によれば、MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームである場合に、NAV timeout periodは、MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームでない場合のNAV timeout periodよりも長くてよい。本実施例において、MU-RTSフレームがmodified MU-RTSフレームである場合に、NAV timeout periodをextended NAVTimeout periodと呼ぶことができる。
図23で説明したNAVTimeout periodとextended NAVTimeout periodは、同一時点に開始できる。すなわち、MU-RTSフレームに該当するPHY-RXEND.indicationプリミティブを受けたときに開始されてよい。
図23で説明したNAVTimeout periodは、CTSフレーム時間に基づく時間であってよい。例えば、
図23で説明したNAVTimeout periodは、CTSフレームを6Mbpsで送信するのにかかる時間に基づく時間であってよい。
【0292】
本発明の実施例によれば、STAがmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定したとき、extended NAVTimeout periodでPPDU受信を成功的にできなかった場合にNAVを解除することが可能であってよい。STAがmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合に、
図23で説明したNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できなかった場合にも、NAVを解除できないことがある。
【0293】
また、STAがmodified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定した場合に、
図23で説明したNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できなかった場合にNAVを解除することが可能であってよい。
【0294】
本発明の実施例によれば、extended NAVTimeout periodは、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報に基づいて決定されてよい。例えば、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報に基づいて、CTS_Timeが決定されてよい。又は、extended NAVTimeout periodは、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報とmodified MU-RTSフレームに該当するrateに基づいて決定されてよい。例えば、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報とmodified MU-RTSフレームに該当するrateに基づいて、CTS_Timeが決定されてよい。例えば、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報は、
図16に示したUL Lengthサブフィールドに含まれてよい。さらに他の実施例として、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報は、
図16に示したUser Infoフィールドに含まれてよい。より具体的には、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報は、
図16に示したUser Infoフィールドのうち、TXOP共有を受けるSTAを指示するUser Infoフィールドに含まれてよい。
【0295】
また、TXOP共有を受けたSTAは、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報に基づいてPPDUを送信できる。例えば、TXOP共有を受けたSTAは、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報に基づいて、共有されたTXOPの一番目のPPDUを送信できる。又は、TXOP共有を受けたSTAは、modified MU-RTSフレームが含む長さ情報に基づいて、共有されたTXOPのCTSフレームを含まない一番目のPPDUを送信できる。共有されたTXOPのCTSフレームを含まない一番目のPPDUは、CTSフレームを含むPPDU以後の一番目のPPDUであってよい。
【0296】
図26を参照すると、STA1、STA2、STA3が存在してよい。また、STA1がSTA2にMU-RTSフレームを送信できる。例えば、STA1がmodified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームを送信できる。ところが、前記MU-RTSフレームの意図された受信者であるSTA2が前記MU-RTSフレームに応答することが不可能であってよい。したがって、STA2がCTSフレームを送信することが不可能であってよい。また、STA3は、前記MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定できる。ところが、STA2がCTSフレームを送信できなかったため、STA3はNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できていないことがある。この場合NAV timeout動作に基づいて、STA3は、設定したNAVを解除することが可能である。これは、STA3がNAVを設定するようにしたフレームが、modified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームであるため、決定したNAVTimeout periodに基づく動作であってよい。すなわち、STA3がNAVを設定するようにしたフレームがmodified MU-RTSフレームでないMU-RTSフレームであるため、NAVTimeout periodを、CTSフレームを送信するのにかかる時間に基づいて決定できる。
【0297】
また、STA1がmodified MU-RTSフレームを送信できる。
図26では、modified MU-RTSフレーム前のフレームを省略したものであってよい。前記modified MU-RTSフレームの意図された受信者であるSTA2が、前記modified MU-RTSフレームに応答できる。また、STA3は、前記modified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定できる。ところが、STA2が前記modified MU-RTSフレームに対して送信した応答をSTA3が受信できていないことがある。例えば、STA3にSTA2が送信した応答が十分に大きいパワーで聞こえないからであり得る。例えば、STA3とSTA2が遠く離れているためでありえる。このような場合、STA3は、
図23で説明したNAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できていないことがある。しかし、このような場合、STA3は、extended NAVTimeout periodでPPDU受信を成功的に開始できる。したがって、STA3は、NAV timeout動作を行わなくてよい。STA3が、
図23で説明したNAVTimeout periodが経過したとき、NAV解除動作をせず、extended NAVTimeout periodを待つことができたことは、STA3がNAVを設定するようにしたフレームが、modified MU-RTSフレームであるMU-RTSフレームであるからであり得る。
【0298】
仮に、前記modified MU-RTSフレームを受信したSTA2が応答できなかった場合に、STA1はrecovery動作を行うことができる。したがって、STA3がNAV timeout動作をする前にPPDU受信を成功的に開始することができる。
【0299】
又は、前記modified MU-RTSフレームを受信したSTA2が応答できなかった場合に、共有されたTXOPのシーケンスが切れることがある。この場合、STA3は、NAV timeout動作を行うことで、実際フレーム交換が発生しないときに不要にNAVを設定していてチャネルに接続できない問題を解決できる。
【0300】
TXOP共有において、APによって設定されたTXOPの一部又は全部の共有を受けたスケジュールド(scheduled)STAが、設定されたNAVによって送信を行うことが困難である問題と解決方法について
図20で説明した。さらに他の実施例に係る解決方法については
図27で説明する。以下、スケジュールドSTAとTXOPが共有されたSTAは同じSTAであり、相互互換的に使われてよい。
【0301】
図27は、本発明の一実施例によってTXOP共有が適用されるときにSTA及びAPがNAVを適用することを示す図である。
【0302】
TXOP共有において、スケジュールドSTAはNAVを設定しなくてよい。具体的には、TXOP共有において、スケジュールドSTAは、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームであるmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームを受信したSTAは、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームによってスケジュールされたSTAは、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。したがって、STAがトリガーフレームを受信し、トリガーフレームがSTAにTXOP共有をスケジュールする場合に、STAは、トリガーフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。すなわち、トリガーフレームがTXOPを共有するためのトリガーフレームであるか否かによって、STAは、受信したトリガーフレームに基づいてNAVを設定できる。例えば、受信したMU-RTSフレームがTXOPの共有のためのmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームである場合に、STAは、受信したMU-RTSフレームに基づくNAVを設定しない。しかし、受信したMU-RTSフレームがTXOPの共有のためのmodified MU-RTSフレーム又はMU-RTS TXSトリガーフレームでない場合に、STAは、受信されたMU-RTSフレームに基づくNAVを設定する。
【0303】
また、TXOP共有において、スケジュールドSTAは、共有されたTXOP内で受信したフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。
【0304】
このとき、共有されたTXOP内とは、共有されたTXOPの期間(duration)が全部活用されない場合にも、共有されたTXOPが終了するまでを表すことができる。共有されたTXOPのスケジュールドSTAがPPDUを送信し、PPDUが即刻応答を要請しないフレームのみを含む場合に、STAがPPDUを送信したときにTXOPが終了する。したがって、共有されたTXOP内とは、TXOP共有が設定されたときからTXOP共有のスケジュールドSTAが即刻応答を要請しないフレームのみを含むPPDUを送信したときであってよい。TXOP共有のスケジュールドSTAが、共有されたTXOPの終了をシグナルした場合に、共有されたTXOPが終了してよい。したがって、共有されたTXOP内とは、TXOP共有が設定されたときからTXOP共有のスケジュールドSTAが共有されたTXOPの終了をシグナルしたときまでであってよい。また、TXOP内とは、TXOP共有が設定されたときから共有されたTXOPデュレーションが経過したときまでであってよい。又は、TXOP共有を受けたSTA(又は、TXOP共有をしたSTA)が、共有されたTXOPが終了するというシグナリングを送受信した場合に、共有されたTXOPは終了してよい。この場合、共有されたTXOPと、APが共有のために用いたTXOP(最初APのフレームによって獲得されたTXOP)のデュレーションとが同一であるか、共有されたTXOPのデュレーションがTXOPのデュレーションよりも短い。したがって、共有されたTXOPが終了してもTXOPは終了しなくてよい。すなわち、共有されたTXOPのデュレーションとTXOPのデュレーションとが同一である場合に、共有されたTXOPが終了すればTXOPも共に終了するが、共有されたTXOPのデュレーションがTXOPのデュレーションよりも短い場合に、共有されたTXOPが終了してもTXOPは維持されてよい。
【0305】
さらに他の具体的な実施例において、共有されたTXOPが共有されたTXOP期間前に終了しても、共有されたTXOP期間内とは、TXOP共有が設定されたときから共有されたTXOPデュレーションが経過したときまでであってよい。
【0306】
前述したように、TXOP共有において、スケジュールドSTAは、NAVに関係なくフレームを送信できる。すなわち、APによって設定されたTXOP内でNAVが設定された場合に(例えば、intra-BSS PPDUによって設定されたNAV)、スケジュールドSTAは、共有されたTXOP内では設定されたNAVとは関係なくPPDUを送信できる。言い換えると、TXOP共有を受けたSTAは、TXOPを共有したSTAによって送信されるフレームによって設定されるNAVを、共有されたTXOP内では無視してフレームを送信できる。このとき、共有されたTXOPは、MU-RTSフレームによって設定された区間よりも前に終了してよい。すなわち、共有されたTXOP内でMU-RTSによって設定された区間以前にTXOP共有を受けたSTAが、TXOPの共有の中断を要請するためのシグナリングを送信することによって、TXOPの共有を中断することができる。例えば、non-AP STAは、APからTXOPの全部又は一部の共有を受けた場合に、送信する(又は、ペンディングされた)PPDUがなければ、共有されたTXOPを終了するために、TXOP共有を終了するためのシグナリングをAPに送信し、TXOPの共有を中断できる。TXOP共有が中断される時点は、non-AP STAがTXOP共有の中断を要請するシグナリングを送信する時点又は当該シグナリングに対する応答フレームを受信する時点のうち一つであってよい。このとき、TXOPの共有のためのシグナリングは、即刻応答を要求しても、要求しなくてもよい。また、この場合、non-AP STAは、MU-RTSフレームによって設定されるTXOPが共有される区間よりも早くTXOP共有が中断されるため、TXOPの共有が終了する時点までにのみ設定されたNAVを無視できる。
【0307】
このとき、TXOP共有を設定したSTAもNAVに関係なくフレームを送信できる。
図27の実施例において、第1STA(STA1)は、第2STA(STA2)にTXOP共有設定のためのMU-RTSフレームを送信する。このとき、第1STA(STA1)はAPであってよい。第2STA(STA2)は、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームを受信し、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。第2STA(STA2)は、共有されたTXOP内でフレーム交換を行う。第1STA(STA1)は、第2STA(STA2)が送信するか、第2STA(STA2)に送信されるフレームに基づいてNAVを設定できる。例えば、共有されたTXOP内で第2STA(STA2)は第3STA(STA3)とフレーム交換を行うことができる。このとき、第1STA(STA1)は、第3STA(STA3)が第2STA(STA2)に送信したフレームに基づいてNAVを設定できる。また、第1STA(STA1)は、第2STA(STA2)が第3STA(STA3)に送信したフレームに基づいてNAVを設定できる。このように第1STA(STA1)がNAVを設定した場合に、共有されたTXOPが割り当てられたTXOP内でフレームを送信することが困難であり得る。例えば、共有されたTXOPが終了した後に第1STA(STA1)がフレームを送信しようとするとき、共有されたTXOP内で設定されたNAVによってフレームを送信することが不可能であってよい。具体的には、共有されたTXOP内で送信されたPPDUが含むフレームが、第1STA(STA1)から即刻応答を誘発するフレームでない場合に、第1STA(STA1)は、設定されたNAVによってフレームを送信することが不可能であってよい。
【0308】
TXOP共有を設定したSTAは、STAが獲得したTXOP内でNAVに関係なくフレームを送信できる。さらに他の具体的な実施例において、TXOP共有を設定したSTAは、共有されたTXOPが終了したときから獲得したTXOP内で、NAVに関係なくフレームを送信できる。TXOP共有を設定したSTAは、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを送信したSTA又はTXOPホルダーであってよい。
【0309】
このとき、前述したように、共有されたTXOPは、MU-RTSフレームによって設定された区間よりも前に終了してよい。すなわち、共有されたTXOP内でMU-RTSによって設定された区間前に、TXOP共有を受けたSTAがTXOPの共有の中断を要請するためのシグナリングを送信することによって、TXOPの共有を中断することができる。例えば、non-AP STAは、APからTXOPの全部又は一部の共有を受けた場合に、送信する(又は、ペンディングされた)PPDUがなければ、共有されたTXOPを終了するためにTXOP共有を終了するためのシグナリングをAPに送信し、TXOPの共有を中断することができる。TXOP共有が中断される時点は、non-AP STAがTXOP共有の中断を要請するシグナリングを送信する時点又は当該シグナリングに対する応答フレームを受信する時点のうち一つであってよい。このとき、TXOPの共有のためのシグナリングは、即刻応答を要求しても要求しなくてもよい。また、この場合、MU-RTSフレームによって設定されるTXOPが共有される区間よりも早くTXOP共有が中断されるため、TXOPの共有が終了する時点から、APは、non-AP STAによって送受信されたPPDUに基づいてAPによって設定されたNAVを無視できる。
【0310】
前述した実施例において、TXOP共有を設定したSTAがNAVに関係なくフレームを送信することは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームに基づいて設定されたNAVに関係なくフレームを送信することを示すことができる。TXOP共有を設定したSTAがTXOP共有内でスケジュールドSTAが交換しないフレームに基づいて設定されたNAVに関係なくフレームを送信する場合に、他のSTAのフレーム交換を妨害することがあるわけである。また、STAは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームであるか否かを、フレームのMACヘッダーに基づいて判断できる。具体的には、STAは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームであるか否かを、フレームのaddressフィールドに基づいて判断できる。addressフィールドは、RAフィールド、TAフィールド、及びBSSIDフィールドのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。例えば、フレームのaddressフィールドのうち一つのフィールドがSTAのMACアドレスを指示する場合に、STAは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームであると判断できる。また、STAは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームであるか否かを、フレームを含むPPDUのプリアンブルに基づいて判断できる。また、STAは、TXOP共有内でスケジュールドSTAが交換したフレームであるか否かを、フレームを含むPPDUのプリアンブルが含むBSSカラー及びSTA IDのうち少なくともいずれか一つに基づいて判断できる。PPDUのプリアンブルがTXOP共有のスケジュールドSTAの属したBSSのBSSカラーを含み、PPDUのプリアンブルがTXOP共有のスケジュールドSTAに該当するSTA IDを含む場合に、STAは、PPDUが含むフレームをスケジュールドSTAが交換したフレームとして判断できる。このとき、STA IDは、STAのAIDに基づいて設定された値であってよい。
【0311】
さらに他の具体的な実施例において、TXOP共有を設定したSTAがNAVに関係なく送信することは、フレームを送信するときにCS(carrier sensing)として物理的(physical)CS、例えば、CCAのみを用いることができる。したがって、STAは仮想(virtual)CSを行わなくてよい。
【0312】
本明細書において、NAVを設定することは、NAVをアップデートすることと互換的に使われてよい。また、本明細書において、NAVは、Intra-BSS NAV又はベーシックNAVのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。また、NAVの種類について特に言及がない限り、NAVはIntra-BSS NAVのことを指すことができる。また、本明細書において、STAがあるフレームに基づいてNAVを設定することは、フレームを含むPPDUに基づいてNAVを設定することを含んでよい。したがって、本明細書において、STAがあるフレームに基づいてNAVを設定しないことは、フレームを含むPPDUに基づいてNAVを設定しないことを含んでよい。
【0313】
TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームは、MACアドレス、例えばRAフィールド又はUser Infoフィールドを用いてTXOPのスケジュールドSTAを指示できる。フレーム又はPPDUのデュレーション情報に基づいてNAVを設定することは、最後に設定したNAVがフレーム又はPPDUのデュレーション情報に基づいてNAVが設定されることを示すことができる。
【0314】
さらに他の具体的な実施例において、共有されたTXOP内で送信されるフレームのDuration/IDフィールド又はフレームを含むPPDUのTXOPは、共有されたTXOPに基づいて設定されてよい。具体的には、共有されたTXOP内で送信されるフレームのDuration/IDフィールド又はフレームを含むPPDUのTXOPは、共有されたTXOPを超えて設定されることが許容されなくてよい。これにより、共有されたTXOPを設定したSTAが、共有されたTXOP終了後にもフレームを送信できない問題を防止することができる。
【0315】
すなわち、APによって設定されたTXOPがトリガーフレームによってSTAに共有される場合に、共有されたTXOP内で送信されるフレーム(例えば、PPDU)に含まれるデュレーション情報(例えば、Duration/ID field)は、共有されたTXOPに基づいて設定されてよい。具体的には、共有されたTXOP内で送信されるフレームのTXOPは、共有されたTXOPを超えて設定されることが許容されない。したがって、共有されたTXOP内でTXOPを設定したAP又はP2P通信のための第3STAに送信されるPPDUのTXOPは、共有されたTXOPと同一であるか、より以前に終了しなければならない。したがって、PPDUに含まれるデュレーション情報によって指示されるデュレーションの終了時点は、共有されたTXOPの終了時点と同一であるか又は以前であってよい。言い換えると、APによって設定されたTXOPの一部又は全部が特定STAに共有された場合に、特定STAによって送信されるPPDUのTXOPは、共有されたTXOPを超えてはならず、以前に満了しなければならない。したがって、特定STAによってAP又はP2P通信のために第3STAに送信されるPPDUの長さ(又は、TXOP)の終了時点は、共有されたTXOPの終了時点以後ではなく、以前でなければならない。この場合、PPDUの長さ(又は、TXOP)の終了時点は、共有されたTXOPの終了時点と同一であるか又は以前でなければならないため、PPDUに含まれるデュレーション情報によって指示される値は、共有されたTXOPに基づいて設定されてよい。
【0316】
さらに他の具体的な実施例において、共有されたTXOPを設定したSTAは、TXOP共有のスケジュールドSTAが交換するフレームに基づいてNAVを設定しなくてよい。
【0317】
共有されたTXOP内で共有されたTXOPを設定したSTAは、トリガーフレームを送信しなくてよい。共有されたTXOP内で共有されたTXOPを設定したSTAがトリガーフレームを送信する場合に、トリガーフレームによってトリガーされたフレームとスケジュールドSTAのフレーム交換とがオーバーラップすることがあるためである。また、共有されたTXOP内で共有されたTXOPを設定したSTAがスケジュールドSTAにトリガーフレームを送信する場合に、スケジュールドSTAは、トリガーフレームに対する応答を送信する必要があり得る。したがって、これは、共有されたTXOPを設定した目的に符合しなくてよい。このような実施例において、トリガーフレームは、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを含んでよい。このような実施例において、共有されたTXOPが終了した後、共有されたTXOPを設定したSTAは、トリガーフレームを送信できる。
【0318】
前述した実施例において、共有されたTXOPを設定したSTAが送信できないトリガーフレームは、TXOP共有のスケジュールドSTAのみに対するトリガーフレームを除く残りトリガーフレームであってよい。したがって、共有されたTXOPを設定したSTAは、共有されたTXOP内でTXOP共有のスケジュールドSTAのみにトリガーフレームを送信できる。例えば、共有されたTXOPを設定したSTAは、共有されたTXOPを延長するために、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを送信できる。このとき、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを受信したSTAは、CTSフレームを送信しないでフレーム交換を開始することができる。具体的には、TXOP共有においてTXOP共有を設定したSTAとのフレーム交換のみが許容される場合に、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを受信したSTAは、CTSフレームを送信しないでフレーム交換を開始できる。
【0319】
本明細書において、共有されたTXOPで行われる動作は、TXOP共有のスケジュールドSTAによって共有されたTXOPが活用される動作であってよい。共有されたTXOPで行われる動作は、TXOP共有のスケジュールドSTAがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームに対する応答としてフレームを送信すること、又はTXOP共有のスケジュールドSTAが共有されたTXOP内でフレームを送信することであってよい。このとき、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームに対する応答フレームは、CTSフレームであってよい。
【0320】
TXOP共有動作のためのシグナリングについて説明する。STAは、TXOP共有のスケジュールドSTAとして動作できるか否かをシグナルすることができる。このとき、STAは、EHT Capabilitiesエレメントを用いて、TXOP共有のスケジュールドSTAとして動作できるか否かをシグナルすることができる。また、STAは、TXOP共有のスケジュールドSTAとして動作できるか否かを示すシグナリングを、(再)連結要請フレーム又はプローブ要請フレームを用いて送信できる。TXOP共有を設定しようとするSTAは、TXOP共有のスケジュールドSTAとして動作できることをシグナルしたSTAにのみ、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを送信できる。また、TXOP共有を設定しようとするSTAは、TXOP共有のスケジュールドSTAとして動作できないことをシグナルしたSTAに、TXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームを送信することが不可能であってよい。
【0321】
また、MU-RTSフレームは、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームであるか否かを指示する情報を含んでよい。また、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームである場合に、MU-RTSフレームは、TXOP共有のモードも指示できる。TXOP共有のモードは、TXOP共有のスケジュールドSTAがどのSTAにフレームを送信できるかを指示できる。例えば、第1モードで、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有を設定したSTAにのみ、フレームを送信できる。また、第2モードで、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有を設定したSTAにフレームを送信するか、P2Pフレームを送信できる。MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームであるか否かを指示する情報の値が1である場合に、第1モードを指示できる。また、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームであるか否かを指示する情報の値が2である場合に、第2モードを指示できる。また、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームであるか否かを指示する情報の値が0である場合に、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームでないことを指示できる。
【0322】
前述の実施例において、GI And HE-LTF Typeサブフィールドは、MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームであるか否かを指示できる。MU-RTSフレームがTXOP共有を設定するためのMU-RTSフレームである場合に、GI And HE-LTF Typeサブフィールドは、前述したように、TXOP共有のモードを指示できる。このとき、GI And HE-LTF Typeサブフィールドは、TXOP Sharing Modeサブフィールドと呼ぶことができる。TXOP Sharing Modeサブフィールドは、
図16のCommon Infoフィールドの21番目のビット(B20)から22番目のビット(B21)のサブフィールドであってよい。
【0323】
TXOP共有を終了する方法について
図28で説明する。
【0324】
図28は、本発明の一実施例によってSTAがTXOPの共有を終了することを示す図である。
【0325】
TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有の終了をシグナルすることができる。TXOP共有を設定したSTAがTXOP共有の終了シグナリングを受信した場合に、TXOP共有を設定したSTAはTXOPホルダーになり得る。また、TXOP共有を設定したSTAがTXOP共有の終了シグナリングを受信した場合に、TXOP共有を設定したSTAはフレーム又はPPDUを送信できる。具体的には、TXOP共有を設定したSTAがTXOP共有の終了シグナリングを受信した場合に、共有されたTXOP内であっても、TXOP共有を設定したSTAはフレーム又はPPDUを送信できる。また、TXOP共有のスケジュールドSTAがTXOP共有の終了をシグナルした場合に、TXOP共有のスケジュールドSTAは、残った共有されたTXOP内でいかなるフレーム又はいかなるPPDUも送信することが不可能であってよい。
【0326】
TXOP共有のスケジュールドSTAは、A-Controlサブフィールドを用いて、TXOP共有の終了をシグナルすることができる。具体的には、A-ControlサブフィールドのSRS(single response scheduling)Controlサブフィールドは、TXOP共有の終了をシグナルすることができる。SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームにTB PPDUでないPPDUで応答できる。また、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答PPDUの長さは、SRS Controlサブフィールドに基づいて決定されてよい。具体的には、SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答PPDUの長さを、SRS Controlサブフィールドが指示する長さに設定できる。
【0327】
図28(a)は、SRS Controlサブフィールドのフォーマットを示す。前述したように、SRS Controlサブフィールドは、SRS Controlサブフィールドを含むMACフレームに対する応答であるPPDUの長さを指示するフィールドを含んでよい。このとき、フィールドは、PPDU Response Durationフィールドと呼ぶことができる。PPDU Response Durationフィールドは、4us単位で時間を指示できる。PPDU Response Durationフィールドが指示するPPDUの長さは、PPDU Response Durationフィールドの値x4usであってよい。また、PPDU Response Durationフィールドは、8ビットフィールドであってよい。
【0328】
また、STAは、SRS Controlサブフィールドに対する能力(capability)をシグナルすることができる。具体的には、STAは、SRS Controlサブフィールドを受信できるか否かをシグナルすることができる。また、STAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに応答できるか否かをシグナルすることができる。STAは、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAに、SRS Controlサブフィールドを送信することが不可能であってよい。STAは、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援することをシグナルしたSTAに、SRS Controlサブフィールドを送信できる。
【0329】
また、SRS Controlフィールドは、TXOP共有の終了をシグナルするフィールドを含んでよい。TXOP共有の終了をシグナルするフィールドは、Shared TXOP Terminationフィールドと呼ぶことができる。Shared TXOP Terminationフィールドは、1ビットフィールドであってよい。Shared TXOP Terminationフィールドの値が1である場合に、Shared TXOP Terminationフィールドは、TXOP共有が終了することを示すことができる。Shared TXOP Terminationフィールドの値が0である場合に、Shared TXOP Terminationフィールドは、TXOP共有が終了しないことを示すことができる。STAがShared TXOP Terminationフィールドの値が1であるQoS Dataフレーム又はQoS Nullフレームを受信した場合に、STAはTXOP共有が終了すると判断できる。
【0330】
さらに他の具体的な実施例において、あらかじめ指定された設定を有するフレームがTXOP共有の終了をシグナルすることができる。このとき、あらかじめ指定された設定を有するフレームは、Qos Nullフレームであってよい。具体的には、あらかじめ指定された設定を有するフレームは、A-Controlサブフィールドを含まないQoS Nullフレームであってよい。また、あらかじめ指定された設定を有するフレームは、SRS Controlサブフィールドを含まないQoS Nullフレームであってよい。TXOP共有のスケジュールドSTAは、あらかじめ指定された設定を有するフレームを送信してTXOP共有の終了をシグナルすることができる。また、TXOP共有を設定したSTAが、あらかじめ指定された設定を有するフレームを受信した場合に、TXOP共有を設定したSTAは、TXOP共有が終了すると判断できる。
【0331】
TXOP共有のスケジュールドSTAがTXOP共有の終了シグナリングを送信したが、TXOP共有を設定したSTAはシグナリングを受信できないことがある。このとき、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有が終了したと判断してフレームを送信しなくてよい。また、TXOP共有を設定したSTAは、TXOP共有が終了しなかったと判断してフレームを送信しなくてよい。
【0332】
具体的な実施例において、TXOP共有の終了をシグナルしたTXOP共有のスケジュールドSTAがシグナリングに対する応答を受信したとき、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有が終了したと判断できる。このとき、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有が終了したと判断してフレームを送信しなくてよい。TXOP共有の終了シグナリングに対する応答は、即刻応答であってよい。また、TXOP共有の終了シグナリングに対する応答は、ACKであってよい。ただし、このような実施例は、TXOP共有の終了シグナリングのAck政策(Policy)が即刻応答を要求するように設定された場合にのみ適用されてよい。具体的には、TXOP共有の終了シグナリングのAck政策(Policy)が即刻応答を要求する場合に、TXOP共有の終了をシグナルしたTXOP共有のスケジュールドSTAがシグナリングに対する応答を受信したときに、TXOP共有のスケジュールドSTAはTXOP共有が終了したと判断できる。TXOP共有の終了シグナリングのAck政策(Policy)が即刻応答を要求しない場合に、例えば、No ACK、TXOP共有の終了をシグナルしたTXOP共有のスケジュールドSTAがシグナリングに対する応答を受信しなくとも、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有が終了したと判断できる。このとき、TXOP共有のスケジュールドSTAは、TXOP共有の終了シグナリングを送信したときに、TXOP共有が終了したと判断できる。また、TXOP共有の終了シグナリング送信に失敗した場合に、エラー回復(recovery)動作が行われてよい。具体的には、TXOP共有のスケジュールドSTAは、エラー回復動作を行うことができる。また、TXOP共有を設定したSTAは、エラー回復動作を行うことができる。
【0333】
図28(b)で、第1STA(STA1)は、第2STA(STA2)にTXOP共有設定のためのMU-RTSフレームを送信する。このとき、第1STA(STA1)は、APであってよい。第2STA(STA2)は、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームを受信し、TXOP共有設定のためのMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。共有されたTXOP内で、第2STA(STA2)は第1STA(STA1)にTXOP共有の終了シグナリング(Frame to STA1 indicating termination)を送信する。第1STA(STA1)は、TXOP共有の終了シグナリング(Frame to STA1 indicating termination)受信に失敗する。このとき、第1STA(STA1)は、TXOP共有が終了していないと判断する。前述したように、第1STA(STA1)又は第2STA(STA1)はエラー回復動作を行うことができる。エラー回復動作後に、第2STA(STA2)は第1STA(STA1)にTXOP共有の終了シグナリング(Frame to STA1 indicating termination)を送信する。第1STA(STA1)は第2STA(STA2)にTXOP共有の終了シグナリング(Frame to STA1 indicating termination)に対する応答であるACK(Ack to STA2)を送信する。ACK(Ack to STA2)を受信した第2STA(STA2)は、TXOP共有が終了したと判断する。
【0334】
TXOP共有が終了した後であっても、TXOP共有を設定したSTAが応答を指示した場合に、TXOP共有のスケジュールドSTAはフレームを送信することができる。
【0335】
前述したように、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAにSRS Controlサブフィールドを送信することが不可能であってよい。SRS ControlサブフィールドによってTXOP共有の終了がシグナルされる場合に、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAは、TXOP共有の終了シグナリングを受信できないことがある。したがって、TXOP共有のスケジュールドSTAは、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAにも、TXOP共有の終了をシグナルするSRS Controlサブフィールドを送信することができる。TXOP共有の終了をシグナルするSRS Controlサブフィールドは、TXOP Terminationサブフィールドの値が1であるSRS Controlサブフィールドであってよい。TXOP共有のスケジュールドSTAは、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAに、TXOP Terminationサブフィールドの値が0であるSRS Controlサブフィールドを送信できない。また、SRS Controlサブフィールドに対する動作を支援しないことをシグナルしたSTAにSRS Controlサブフィールドを送信できない制限は、共有されたTXOP外でSRS Controlサブフィールドが送信された場合にのみ適用されてよい。
【0336】
SRS ControlサブフィールドがTXOP共有の終了をシグナルする場合に、PPDU Response Durationサブフィールドは、リザーブドフィールドとして設定されてよい。リザーブドフィールドの全てのビットは0に設定されてよい。SRS ControlサブフィールドがTXOP共有の終了をシグナルしない場合に、PPDU Response Durationサブフィールドは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答であるフレームを含むPPDUの長さを指示できる。
【0337】
SRS ControlサブフィールドがTXOP共有の終了をシグナルする場合に、SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答を送信しなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、SRS ControlサブフィールドがTXOP共有の終了をシグナルする場合に、SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答を、SRS Controlフィールドがシグナルする情報に関係なく送信できる。このとき、SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS ControlサブフィールドがシグナルするSRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答PPDUの長さに関係なく応答PPDUを送信できる。
【0338】
共有されたTXOP内でSRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答を送信しなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、共有されたTXOP内でSRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答を、SRS Controlフィールドがシグナルする情報に関係なく送信できる。このとき、SRS Controlサブフィールドを受信したSTAは、SRS ControlサブフィールドがシグナルするSRS Controlサブフィールドを含むフレームに対する応答PPDUの長さに関係なく応答PPDUを送信できる。
【0339】
又は、共有されたTXOP内でSRS Controlサブフィールドを受信するSTAは、前記SRS Controlサブフィールドが含むduration情報(PPDU Response Durationサブフィールド値)に基づいて応答しなくてよい。例えば、共有されたTXOP内でSRS Controlサブフィールドを受信するSTAは、前記SRS Controlサブフィールドが含むduration情報(PPDU Response Durationサブフィールド値)に関係なく応答することが可能であってよい。
【0340】
本発明の一実施例によれば、modified MU-RTSフレームは、TXOP内で一番目のフレームでなくてよい。例えば、TXOP holderがTXOPを得るためにmodified MU-RTSフレームを送信しなく、他のフレームを送信してよい。これにより、STAがmodified MU-RTSフレームに基づいてNAVを設定する前にNAVを設定することができる。すなわち、前記STAは、TXOPで前記modified MU-RTSフレームよりも先に送信されたフレームに基づいてNAVを設定することができる。前述したNAV timeout動作は、NAV設定がRTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてなされた場合に行うことが可能であるが、TXOPでmodified MU-RTSフレームよりも先にフレーム送信が存在するようにすることにより、RTSフレーム又はMU-RTSフレームに基づいてNAVを設定することを減らすことができる。また、modified MU-RTSフレームが含むデュレーション情報はTXOPを増加させなくてよい。
【0341】
図29は、本発明の実施例によって、トリガーフレームが含むCommon InfoフィールドとSpecial User Infoフィールドを用いてトリガーフレームに応答するTB PPDUのフォーマットをシグナルする方法を示す。
【0342】
本発明の実施例において、トリガーフレームを受信したステーションは、トリガーフレームが含むUser Infoフィールドに基づいてTB PPDUのフォーマットを決定することができる。具体的には、トリガーフレームが含む特定User Infoフィールドが、トリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを指示できる。説明の便宜のために、このとき、特定User InfoフィールドをSpecial User Infoフィールドと称する。
【0343】
Special User InfoフィールドのAID12サブフィールドは、あらかじめ指定された値に設定されてよい。このとき、あらかじめ指定された値は、2007であってよい。また、APがAID(association ID)として割り当てない値であってよい。また、Special User Infoフィールドのフォーマットは、Special User InfoフィールドでないUser Infoフィールドのフォーマットと異なってよい。Special User Infoフィールドが含むサブフィールドのフォーマットとSpecial User InfoフィールドでないUser Infoフィールドが含むサブフィールドのフォーマットとが異なってよい。このとき、Special User Infoフィールドが含むAID12サブフィールドのフォーマットとSpecial User InfoフィールドでないUser Infoフィールドが含むAID12サブフィールドのフォーマットとが同一であってよい。したがって、Special User Infoフィールドの最初の12ビット、すなわち、AID12の値があらかじめ指定された値に設定されてよい。これにより、HEステーションもSpecial User Infoフィールドを含むトリガーフレームをエラーなしでパースできる。
【0344】
また、トリガーフレームはトリガーフレームが、Special User Infoフィールドを含むかを指示するサブフィールドを含んでよい。説明の便宜のために、Special User Infoフィールドを含むかを指示するサブフィールドを、Special User Info Field Presentフィールドと称する。具体的には、トリガーフレームのCommon Infoフィールドは、Special User Info Field Presentサブフィールドを含んでよい。このとき、Common Infoフィールドの56番目のビット(B55)が、Special User Info Field Presentサブフィールドであってよい。具体的な実施例において、Special User Info Field Presentサブフィールドの値が1である場合に、トリガーフレームは、Special User Infoフィールドを含まなくてよい。また、Special User Info Field Presentサブフィールドの値が0である場合に、トリガーフレームは、Special User Infoフィールドを含んでよい。レガシートリガーフレームのCommon Infoフィールドの56番目のビットは基本的に(default)1に設定されるためである。トリガーフレームを受信するステーションは、Special User Infoフィールドに基づいて、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含むかを判断できる。ステーションが受信したトリガーフレームのSpecial User Info Field Presentサブフィールドの値が1である場合に、ステーションは、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含まないと判断できる。また、ステーションが受信したトリガーフレームのSpecial User Info Field Presentサブフィールドの値が0である場合に、ステーションは、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含むと判断できる。前述した実施例のように、Special User Info Field Presentサブフィールドがトリガーフレームに含まれる場合に、APと結合されていない(unassociated)ステーションがトリガーフレームを受信しても、Special User Infoフィールドがトリガーフレームに含まれるかが判断できる。
【0345】
トリガーフレームは、Special User InfoフィールドをSpecial User InfoフィールドでないUser Infoフィールドよりも先に含んでよい。具体的には、トリガーフレームは、Common Infoフィールドの直後にUser Infoフィールドを含んでよい。ステーションは、ステーションの受信したトリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含むかに基づいて、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUのフォーマットを決定できる。ステーションが受信したトリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含む場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。ステーションの受信したトリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含まない場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。前述したように、トリガーフレームがSpecial User Info Field Presentサブフィールドを含んでよい。このとき、ステーションは、ステーションが受信したトリガーフレームのSpecial User Info Field Presentフィールドの値に基づいて、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUのフォーマットを決定できる。ステーションが受信したトリガーフレームのSpecial User Info Field Presentフィールドの値が0である場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。ステーションが受信したトリガーフレームのSpecial User Info Field Presentフィールドの値が1である場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。
【0346】
トリガーフレームがEHTバリアントであるUser Infoフィールドを含む場合に、トリガーフレームは、常にSpecial User Infoフィールドを含んでよい。トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含まない場合に、トリガーフレームがEHTバリアントであるUser Infoフィールドを含むことが許容されなくてよい。
【0347】
EHTバリアント(variant)であるUser InfoフィールドがRUを指示する方法と、HEバリアントであるUser InfoフィールドがRUを指示する方法とが異なってよい。具体的には、EHTバリアントであるUser InfoフィールドのRU AllocationサブフィールドがRUを指示する方法と、HEバリアントであるUser InfoフィールドのRU AllocationサブフィールドがRUを指示する方法とが異なってよい。例えば、EHTバリアントであるUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドは、EHTバリアントであるUser InfoフィールドのためのRUインデックスを指示できる。また、HEバリアントであるUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドは、HEバリアントであるUser InfoフィールドのためのRUインデックスを指示できる。EHTバリアントであるUser Infoフィールドは、RU AllocationサブフィールドとPS160サブフィールドを用いて、User Infoフィールドに該当するステーションに割り当てられるRUを指示できる。
【0348】
RU Allocationサブフィールドは、
図16で説明したように、AID12サブフィールドの直後に位置してよい。また、RU Allocationサブフィールドは、8ビットフィールドであってよい。PS160サブフィールドは、PS160サブフィールドが含まれるUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドが指示するRUがどのサブチャネルに位置するかを指示できる。このとき、サブチャネルの帯域幅は160MHzであってよい。具体的には、PS160サブフィールドは、PS160サブフィールドが含まれるUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドが指示するRUプライマリ160MHzチャネルに位置するのか又はセカンダリ160MHzチャネルに位置するのかを指示できる。また、PS160サブフィールドは、Trigger Dependent User Infoサブフィールドの直前に位置してよい。PS160サブフィールドは、1ビットフィールドであり、RU Allocationサブフィールドの40番目のビット(B39)であってよい。
【0349】
HEバリアントであるUser Infoフィールドは、RU Allocationサブフィールドを用いて、User Infoフィールドに該当するステーションに割り当てられるRUを指示できる。
【0350】
図29の実施例において、トリガーフレームを受信したステーションは、あらかじめ指定されたチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを指示するサブフィールドと、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドに基づいてトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを指示するサブフィールドのフォーマットを決定できる。このとき、あらかじめ指定されたチャネルは、プライマリ160MHzチャネルであってよい。説明の便宜のために、トリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを指示するサブフィールドを、HE/EHT P160サブフィールドと称する。HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットをEHT TB PPDUと指示する場合に、トリガーフレームを受信したステーションは、ステーションに割り当てられたRUの位置に関係なくトリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。このとき、HE/EHT P160サブフィールドの値は0であってよい。また、HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、EHT TB PPDUと指示する場合に、トリガーフレームは、常にSpecial User Infoフィールドを含んでよい。
【0351】
HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、HE TB PPDUと指示する場合に、トリガーフレームを受信したステーションは、ステーションに割り当てられたRUの位置によって、トリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを決定できる。このとき、HE/EHT P160サブフィールドの値は1であってよい。具体的には、HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、HE TB PPDUと指示し、トリガーフレームを受信したステーションに割り当てられたRUがプライマリ160MHzに含まれない場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。また、HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、HE TB PPDUと指示し、トリガーフレームを受信したステーションに割り当てられたRUがプライマリ160MHzに含まれる場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。このとき、ステーションは、PS160サブフィールドの値に基づいて、ステーションに割り当てられたRUがプライマリ160MHzに含まれるかが判断できる。
【0352】
HE/EHT P160サブフィールドは、Common Infoフィールドに含まれてよい。具体的には、HE/EHT P160サブフィールドは、Common Infoフィールドの56番目のビット(B55)であってよい。また、HE/EHT P160サブフィールドは、EHTバリアントであるCommon Infoフィールドに含まれ、PS160フィールドは、EHTバリアントであるUser Infoフィールドに含まれてよい。したがって、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含む場合に、トリガーフレームは、HE/EHT P160サブフィールドとPS160フィールドを含んでよい。
図29は、このような実施例が適用されるCommon Infoフィールド及びSpecial User Infoフィールドを示す。
【0353】
前述したEHT TB PPDUは、NEXT TB PPDUに取り替えられてよい。したがって、前述した実施例においてTB PPDUのフォーマットとしてEHT TB PPDUが指示される場合に、TB PPDUとしてNEXT TB PPDU又はEHT TB PPDUが送信されてよい。このとき、トリガーフレームを受信したステーションは、Format Identifierサブフィールドに基づいて、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUとNEXT TB PPDUのうちいずれのPPDUを送信するかを決定できる。具体的には、ステーションは、Format Identifierサブフィールドが指示するTB PPDUのフォーマットによってTB PPDUを送信できる。
【0354】
Special User Infoフィールドは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信するときに必要な情報を含んでよい。具体的には、Special User Infoフィールドは、トリガーフレームに対する応答として送信されるEHT TB PPDUのPPDUのシグナリングフィールドを設定するために必要な情報を含んでよい。このとき、PPDUのシグナリングフィールドは、U-SIGフィールドであってよい。
図29で、Special User Infoフィールドは、AID12サブフィールド、PHY Version IDサブフィールド、UL Bandwidth Extensionサブフィールド、Spatial Reuse1サブフィールド、Spatial Reuse 2サブフィールド、U-SIG Disregard And Validateサブフィールド、Reservedサブフィールド、及びTrigger Dependent User Infoフィールドサブフィールドを含んでよい。このとき、AID12サブフィールドは、12ビットフィールドであってよい。また、PHY Version IDサブフィールドは、2ビットフィールドであってよい。UL Bandwidth Extensionサブフィールドは、2ビットフィールドであってよい。また、Spatial Reuse1サブフィールドは、4ビットフィールドであってよい。また、Spatial Reuse 2サブフィールドは、4ビットフィールドであってよい。また、U-SIG Disregard And Validateサブフィールドは、12ビットフィールドであってよい。また、Reservedサブフィールドは、3ビットフィールドであってよい。また、Trigger Dependent User Infoフィールドサブフィールドは、可変長を有してよい。Special User Infoフィールドの具体的なフォーマットは
図29の通りでよい。
【0355】
PHY Version IDサブフィールドは、前述したFormat Identifierサブフィールド、PHY version identifierサブフィールド、又はPHY versionサブフィールドであってよい。PHY version IDサブフィールドの値が0に設定された場合に、PHY version IDサブフィールドは、EHT物理層を指示できる。トリガーフレームを受信したステーションは、トリガーフレームに対する応答として送信するTB PPDUのU-SIGフィールドを、Special User Infoフィールドに基づいて設定できる。具体的には、トリガーフレームを受信したステーションは、Special User Infoフィールドが含むサブフィールドの値を、TB PPDUのU-SIGフィールドのサブフィールドの値に設定できる。このとき、U-SIGフィールドのサブフィールドは、PHY Version IDサブフィールド、Spatial Reuse1サブフィールド、Spatial Reuse 2サブフィールド、及びU-SIG Disregard And Validateサブフィールドを含んでよい。また、トリガーフレームを受信したステーションは、Special User InfoフィールドのUL Bandwidth ExtensionサブフィールドとCommon InfoフィールドのUL BWサブフィールドに基づいて、TB PPDUのU-SIGフィールドのbandwidth(BW)サブフィールドを設定できる。
【0356】
また、トリガーフレームを受信したステーションは、Spatial Reuse 1サブフィールド又はSpatial Reuse 2サブフィールドに基づいて、空間再使用(spatial reuse,SR)動作を行うことができる。具体的には、トリガーフレームを受信したステーションがトリガーフレームをInter-BSSフレームと判断した場合に、ステーションはSR動作を行うことができる。SR動作はチャネルアクセスの一種であってよい。ステーションがSR動作を行う場合に、ステーションは、トリガーフレームが含む情報とSR動作で送信しようとするPPDUの送信パワーに基づいてPPDUを送信できる。
【0357】
UL Bandwidth Extensionサブフィールドは、トリガーフレームが指示する周波数帯域幅が160MHzを超える場合に用いられるフィールドであってよい。UL Bandwidth Extensionサブフィールドは、320MHzを指示できる。Common InfoフィールドのUL BWサブフィールドは、トリガーフレームが指示する周波数帯域幅が20MHz、40MHz、80MHz及び160MHzのうちいずれか一つであることを指示できる。UL BWサブフィールドの値0、1、2、及び3はそれぞれ、20MHz、40MHz、80MHz及び160MHzを指示できる。
【0358】
また、トリガーフレームは、Common InfoフィールドのUL BWサブフィールドとSpecial User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionサブフィールドを用いて周波数帯域幅を指示できる。したがって、トリガーフレームを受信するステーションは、Common InfoフィールドのUL BWサブフィールドとSpecial User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionサブフィールドに基づいて、トリガーフレームが指示する周波数帯域幅を判断できる。Common InfoフィールドのUL BWサブフィールドとSpecial User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionサブフィールドは、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz及び320MHzを指示できる。このとき、UL BWサブフィールドとUL Bandwidth Extensionサブフィールドは、320MHz周波数帯域を、チャネル中心周波数又は開始周波数(starting frequency)によって320-1MHz及び320-2MHzとに区別して指示できる。UL Bandwidth Extensionサブフィールド無しでUL Bandwidthフィールドのみが用いられるとき、160MHzを指示するUL Bandwidth Extensionサブフィールドの値は、UL Bandwidth Extensionサブフィールドと一緒に160MHz、320MHz-1、及び320MHz-2のうちいずれか一つを指示できる。具体的には、UL BWサブフィールドの値、UL Bandwidth Extensionサブフィールド無しでUL BWサブフィールドのみが用いられる場合に、UL BWサブフィールドが指示する周波数帯域幅、UL Bandwidth Extensionサブフィールドの値、UL BWサブフィールドとUL Bandwidth Extensionサブフィールドが一緒に指示する周波数帯域幅は、表2の通りでよい。
【0359】
【0360】
前述した実施例において、トリガーフレームが指示する周波数帯域幅は、トリガーフレームに基づいて送信されるTB PPDU、フレーム、又は送信シーケンスで用いられる周波数帯域幅を示すことができる。
【0361】
Special User Infoフィールドが含むTrigger Dependent User Infoサブフィールドの存在の有無及び長さは、トリガーフレームのタイプに基づいて決定されてよい。すなわち、Special User Infoフィールドが含むTrigger Dependent User Infoサブフィールドの存在の有無及び長さは、トリガーフレームがどのバリアントに該当するかに基づいて決定されてよい。トリガーフレームのタイプは、Common Infoフィールドが含むTrigger Typeサブフィールドが指示できる。Trigger Typeサブフィールドの値は0~7に設定されてよい。このとき、Trigger Typeサブフィールドの値0~7はそれぞれ、ベーシックトリガーフレーム、BFRP(Beamforming Report Poll)フレーム、MU-BARフレーム、MU-RTSフレーム、Buffer Status Report Poll(BSRP)フレーム、GCR MU-BARフレーム、BQRP(Bandwidth Query Report Poll)フレーム、及びNFRP(NDP Feedback Report Poll)フレームを指示できる。
【0362】
前述した実施例において、トリガーフレームのRA-RUに基づいてTB PPDUを送信するHEステーションは、トリガーフレームがSpecial User Infoフィールドを含む場合にもRA-RUに基づいてHE TB PPDUを送信できる。以下、これを解決するための方法を説明する。
【0363】
ステーションは、ステーションに該当するUser Infoフィールドのバリアントによって、トリガーフレームに対する応答として送信するTB PPDUのフォーマットを決定できる。具体的には、トリガーフレームにおいてステーションに該当するUser InfoフィールドがHEバリアントである場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信できる。また、トリガーフレームにおいてステーションに該当するUser InfoフィールドがETHバリアントである場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてEHT TB PPDUを送信できる。また、トリガーフレームにおいてステーションに該当するUser InfoフィールドがNEXTバリアントである場合に、ステーションは、トリガーフレームに対する応答としてNEXT TB PPDUを送信できる。
【0364】
HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、EHT TB PPDUと指示する場合に、ステーションに該当するUser Infoフィールドは、EHTバリアントであってよい。また、HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、HE TB PPDUと指示し、トリガーフレームを受信したステーションに割り当てられたRUがプライマリ160MHzに含まれない場合に、ステーションに該当するUser Infoフィールドは、EHTバリアントであってよい。また、HE/EHT P160サブフィールドが、プライマリ160MHzチャネルでトリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUのフォーマットを、HE TB PPDUと指示し、トリガーフレームを受信したステーションに割り当てられたRUがプライマリ160MHzに含まれる場合に、ステーションに該当するUser Infoフィールドは、HEバリアントであってよい。
【0365】
MU-RTSフレームは、前述したSpecial User Infoフィールドを含んでよい。具体的には、修正された(modified)MU-RTSフレームは、Special User Infoフィールドを含んでよい。MU-RTSフレームは、MU-RTSフレームが送信される帯域幅を指示できる。また、修正されたMU-RTSフレームは、前述したように、共有(shared)TXOPを割り当てることができる。修正されたMU-RTSフレームは、共有TXOPで用いられる周波数帯域幅(bandwidth)を指示できる。共有TXOPで160MHzを超える周波数帯域幅が用いられる場合に、修正されたMU-RTSフレームは、Special User Infoフィールドを用いて、160MHzを超える周波数帯域幅を指示できる。具体的には、
図29で説明した実施例によって、Special User Infoフィールドは、160MHzを超える周波数帯域幅を指示できる。このような実施例においてSpecial User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionフィールドを除く残りフィールドは、リザーブドフィールドとして設定されてよい。具体的には、Special User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionフィールドを除く残りフィールドの値は、0に設定されてよい。また、Special User InfoフィールドのUL Bandwidth Extensionフィールドは、上の
図29で説明した実施例によって設定されてよい。
【0366】
図30は、本発明の実施例に係るステーションが修正されたMU-RTSフレームに対する応答としてフレームを送信するときにTXVECTOR parameterを設定する方法を示す。
【0367】
ステーションが修正されたMU-RTSフレームに応答するときにTXVECTORパラメータを設定する方法と、修正されたMU-RTSフレームでないMU-RTSフレームに応答するときにTXVECTORパラメータを設定する方法とが異なってよい。このとき、TXVECTORパラメータは、TRIGGER_RESPONDINGを含んでよい。TRIGGER_RESPONDINGは、true又はfalsに設定される。TXVECTORパラメータは、MAC層から物理層に送信されるパラメータであってよい。具体的には、ステーションが送信を行うとき、ステーションは、MAC層で設定したTXVECTORを物理層に伝達する。RXVECTORパラメータは、物理層からMAC層に送信されるパラメータであってよい。具体的には、ステーションが受信を行うとき、物理層でRXVECTORパラメータの値が設定され、RXVECTORパラメータは物理層からMAC層に伝達される。
【0368】
TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGは、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUが送信されるときに設定されてよい。したがって、本発明の実施例のうち、TRIGGER_RESPONDING設定に関する実施例は、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUが送信されるときに適用されてよい。
【0369】
ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGをMU-RTSフレームに対する応答としてPPDUを送信するかに基づいて設定できる。例えば、ステーションがMU-RTSフレームに対する応答としてPPDUを送信する場合に、ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGをtrueに設定されてよい。ステーションがMU-RTSフレームに対する応答としてPPDUを送信しない場合に、ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGをfalseに設定できる。
【0370】
また、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGの値によってステーションの送信条件が変わってよい。例えば、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGがtrueに設定される場合に、ステーションは、あらかじめ指定された送信条件によって送信を行うことができる。TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGがfalseに設定される場合に、ステーションは、あらかじめ指定された送信条件に関係なく又はあらかじめ指定された送信条件よりも緩和された送信条件によって送信を行うことができる。したがって、ステーションがTB PPDUを送信するか否かによって、ステーションが従うべき送信条件が変わってよい。具体的には、ステーションがTB PPDUを送信する場合に、ステーションは、あらかじめ指定された条件によって送信を行うことができる。また、ステーションがTB PPDUでないPPDUを送信する場合に、ステーションは、あらかじめ指定された条件に関係なく又はあらかじめ指定された条件よりも緩和された送信条件によって送信を行うことができる。ステーションがMU-RTSフレームに対する応答としてnon-HT(duplicate)PPDU又はTB PPDUを送信するとき、複数のステーションが同時にPPDUを送信できる。したがって、複数のステーションの送信パラメータ設定によってPPDUを受信するステーションがPPDUを受信し難くなる。また、複数のPPDUの送信が同期化されないことがあり、複数のPPDU送信間に干渉が発生し得る。また、複数のPPDUの送信パワー差が増加することがある。
【0371】
あらかじめ指定された送信条件は、あらかじめ補正された正確度条件(pre-correction accuracy requirements)を含んでよい。また、あらかじめ指定された送信条件は、あらかじめ補正された送信タイム、あらかじめ補正された送信周波数と送信サンプリングシンボルクロック、及びあらかじめ補正された送信パワーを含んでよい。このとき、あらかじめ補正された送信周波数と送信サンプリングシンボルクロック条件がキャリア間の干渉(inter-carrier interference)を防止できる。また、あらかじめ補正された送信パワー条件がPPDU間の干渉を調節できる。また、あらかじめ指定された条件は、チェーン別パワー(per chain power)条件を含んでよい。また、あらかじめ指定された送信条件は、EVM(error vector magnitude)条件及びスペクトルマスク(spectral mask)条件を含んでよい。また、あらかじめ指定された条件は、絶対送信パワー正確度条件(特定送信パワーを達成するための正確度(accuracy of achieving a specified transmit power)、RSSI測定正確度条件(受信パワーとRSSIとの差(the difference between the RSSI and the received power)、相対的送信パワー正確度条件(連続したPPDUのための送信パワーを変更する正確度(accuracy of achieving a change in transmit power for consecutive PPDU))を含んでよい。また、あらかじめ指定された条件は、キャリア周波数オフセット(carrier frequency offset,CFO)エラーとシンボルクロックエラーを補正することを含んでよい。キャリア周波数オフセットエラー補正条件は、キャリア周波数補正後にキャリア周波数オフセットエラーがあらかじめ設定されたレベルを超えないことであってよい。
【0372】
具体的には、ステーションは、トリガリングPPDU、すなわちトリガー情報を含むPPDUによって下記のようなPPDUを送信するとき、キャリア周波数オフセット(carrier frequency offset,CFO)エラーとシンボルクロックエラーを補正できる。このとき、トリガー情報は、トリガーフレーム及びTRS Controlフィールドを含んでよい。
- HE TB PPDU又はEHT TB PPDU
- TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGがtrueに設定されたNon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDU
【0373】
補正後にプライマリ20MHzで-60dBMの受信電力においてAWGNのキャリア周波数オフセットエラーのCCDF(complementary cumulative distribution function)の10%から測定される場合に、トリガリングPPDUに該当する残りキャリア周波数オフセットエラーの絶対値は次のレベルを超えてはならない。
- HE TB PPDU又はEHT TB PPDUのデータサブキャリアに対して350Hz
- non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUに対して2kHz
【0374】
EHT TB PPDUの余りキャリア周波数オフセットエラー測定は、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドの後に行われるべきである。
【0375】
non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUの残りキャリア周波数オフセットエラー測定は、L-STFフィールドの後に行われるべきである。キャリア周波数オフセットエラーだけのppm量までシンボルクロックエラーが補償される必要がある。
【0376】
トリガリングPPDUに対する応答として、HE TB PPDU、EHT TB PPDU、non-HT PPDU、又はnon-HT duplicate PPDUを送信するステーションは、ステーションの送信アンテナコネクターにおいてHE TB PPDU、EHT TB PPDU、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUの送信開始時間がトリガリングPPDUの最後のOFDMシンボルの末尾又はトリガリングPPDUのPEフィールドの末尾から+-0.4us+16us以内になるのを保証しなければならない。
【0377】
ただし、修正されたMU-RTSフレームに対する応答は、単一ステーションが送信できる。したがって、修正されたMU-RTSフレームに対する応答の送信には、前述したあらかじめ指定された送信条件が不要であるか、あらかじめ指定された送信条件を緩和して適用されてよい。
【0378】
ステーションは、修正されたMU-RTSフレームに対する応答を送信するとき及び修正されたMU-RTSフレームでないMU-RTSフレームに対する応答を送信するときに、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGを異なるように設定できる。具体的には、ステーションが、修正されたMU-RTSフレームに対する応答を送信するときに、ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGの値をfalseに設定できる。また、ステーションが修正されたMU-RTSフレームでないMU-RTSフレームに対する応答を送信するときに、ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGの値をtrueに設定できる。このような実施例は、前述したように、ステーションがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUを送信するときに適用されてよい。
【0379】
図30の実施例において、第1ステーション(STA1)は、修正されたMU-RTSフレームでないMU-RTSフレームを送信する。第2ステーション(STA2)は、修正されたMU-RTSフレームでないMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。前述した実施例のように、第2ステーションは、TXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGの値をtrueに設定してCTSフレームを送信する。第1ステーション(STA1)が、修正されたMU-RTSフレームを送信する。第2ステーション(STA2)は、修正されたMU-RTSフレームに対する応答を第1ステーション(STA1)に送信する。このとき、第2ステーションはTXVECTORパラメータのTRIGGER_RESPONDINGの値をfalseに設定して修正されたMU-RTSフレームに対する応答を送信する。
【0380】
説明の便宜のために、修正されたMU-RTSフレームを、MU-RTS TXOP Sharing(TXS)トリガーフレームと呼ぶ。
【0381】
図31は、本発明の実施例に係るマネジメントフレームの構成とMU EDCA Parameter Setエレメントを示す。
【0382】
ステーションは、複数のEDCAパラメータセットに基づいてチャネルアクセスを行うことができる。チャネルアクセスは、EDCA(enhanced distributed channel access)を含んでよい。EDCAパラメータセットは、各AC(access category)別EDCAパラメータセットを含んでよい。また、1つのEDCAパラメータセットに含まれるAC別EDCAパラメータセットは、互いに異なるパラメータ値を有してよい。また、複数のEDCAパラメータセットが第1EDCAパラメータセットと第2パラメータセットとに区別されるとき、1つのACに対する第1EDCAパラメータセットのEDCAパラメータの値と第2EDCAパラメータセットのEDCAパラメータの値とが異なってよい。また、ACは、AC_BE(best effort)、AC_BK(background)、AC_VI(video)、及びAC_VO(voice)を含んでよい。
【0383】
EDCAは、各トラフィックの優先順位、具体的にはACによるCSMA/CAアクセスを提供する。また、複数のEDCAパラメータセットは、レガシーEDCAパラメータセットとMU EDCAパラメータセットを含んでよい。具体的には、複数のEDCAパラメータセットは、レガシーEDCAパラメータセットとMU EDCAパラメータセットとに区分できる。レガシーEDCAパラメータセットはdot11EDCATableに保存され、MU EDCAパラメータセットはdot11MUEDCATableに保存されてよい。EDCAパラメータセットは、CWmin、CWmax、AIFSN、TXOP limit、及びMSDU lifetimeを含んでよい。また、MU EDCAパラメータセットは、CWmin、CWmax、AIFSN、及びMUEDCATimerを含んでよい。EDCAパラメータセットは、前述したように、各AC別にパラメータ値を含んでよい。したがって、EDCAパラメータセットは、CWmin[AC]、CWmax[AC]、AIFSN[AC]、TXOP limit[AC]、及びMSDU lifetime[AC]と表示されてよい。また、MU EDCAパラメータセットは、CWmin[AC]、CWmax[AC]、AIFSN[AC]、及びMUEDCATimer[AC]と表示されてよい。
【0384】
一実施例によれば、CW(contention window)は、CWmin又はCWmaxに基づいて決定されてよい。また、バックオフ手順を生じさせる(invoke)するか、backoff counterをリセットするか、新しく選定する場合にCWに基づき得る。例えば、0~CWの整数の中からランダムに選択された数をbackoff counterとして用いることができる。また、CWを初期化(initialize)するとき、CWminに初期化してよい。また、CWが有し得る最小の値がCWminであってよい。CWが有し得る最大の値がCWmaxであってよい。
【0385】
AIFSN(arbitration interframe space number)に基づいて、
図6で説明したAIFSが決定されてよい。例えば、AIFSは、AIFSN*(slot time(aSlotTime))+SIFS(aSIFSTime)であってよい。具体的には、AIFSは、ステーションがチャネルがビジー(busy)であると感知した後、再びチャネルアクセスを行うときに待機する時間であってよい。また、AIFSは、ステーションがチャネルがビジー(busy)であると感知した後、再びチャネルアクセスを行うときに用いられるスロットの境界(boundary)を決定できる。
【0386】
TXOP(transmit opportunity)を取得したステーションは、TXOP limitに基づいて送信シーケンスの終了時点を決定できる。具体的には、ステーションは原則的にTXOP limit内で送信シーケンスを終了し、一部の例外的な状況で、TXOP limitを超えるデュレーションで送信シーケンスを行うことが許容されてよい。
【0387】
ステーションは、結合されたAPから、EDCAパラメータセットのパラメータの値を指示するエレメントを受信し、受信したエレメントが指示するEDCAパラメータセットのパラメータの値によってEDCAパラメータセットを設定できる。また、ステーションが、ステーションが結合されたAPから、EDCAパラメータセットのパラメータの値を指示するエレメントを受信できなかった場合に、ステーションは、EDCAパラメータセットのパラメータの値をデフォルト値に設定できる。
【0388】
APは、EDCAパラメータセットのパラメータの値を指示するエレメントを含むマネジメントフレームを送信できる。このとき、マネジメントフレームは、ビーコンフレーム、結合応答フレーム、再結合応答フレーム、及びプローブ応答フレームを含んでよい。また、マネジメントフレームは、複数のEDCAパラメータセットのそれぞれのパラメータセットを指示する複数のエレメントを含んでよい。レガシーEDCAパラメータセットのパラメータの値を指示するエレメントは、EDCA Parameter Setであってよい。また、MU EDCAパラメータセットのパラメータの値を指示するエレメントは、MU EDCA Parameter Setエレメントであってよい。
【0389】
図31で、マネジメントフレームは、EDCA Parameter Setエレメント、Capabilitiesエレメント、Operationエレメント、及びMU EDCA Parameter Setエレメントを含む。CapabilitiesエレメントとOperationエレメントは、HTステーション、VHTステーション、HEステーション、及びEHTステーションのためのエレメントが別途に定義されてよい。
【0390】
エレメントは、エレメントが含むElement IDフィールド又はElement ID Extensionフィールドによって識別されてよい。EDCA Parameter SetエレメントのElement IDフィールド及びElement ID Extensionフィールドは、EDCA Parameter Setエレメントであることを指示する。また、MU EDCA Parameter SetエレメントのElement IDフィールド及びElement ID Extensionフィールドは、MU EDCA Parameter Setエレメントであることを指示する。
【0391】
EDCA Parameter Setエレメント及びMU EDCA Parameter Setエレメントは、各ACに該当するparameter recordフィールドを含んでよい。EDCA Parameter Setエレメントは、各AC別Parameter Recordフィールドを含んでよい。また、MU EDCA Parameter Setエレメントは、各AC別MU Parameter Recordフィールドを含んでよい。parameter recordフィールドは、各parameter recordフィールドがどのACに該当するかを指示するサブフィールド、ACIフィールド(AC Index)を含んでよい。
【0392】
また、parameter recordフィールドは、CWminを指示するサブフィールド、ECWminフィールド及びCWmaxを指示するサブフィールド、ECWmaxフィールドを含んでよい。このとき、CWminとCWmaxの値は、次の通りでよい。このとき、ECWminはECWminサブフィールドの値を示し、ECWmaxはECWmaxサブフィールドの値を示す。
CWmin=2^ECWmin-1
CWmax=2^ECWmax-1
【0393】
また、parameter recordフィールドは、TXOP Limitサブフィールド又はMU EDCA Timerサブフィールドを含んでよい。具体的には、Parameter Recordフィールドは、TXOP Limitサブフィールドを含んでよい。TXOP Limitサブフィールドは、TXOP limitを指示できる。MU Parameter Recordフィールドは、MU EDCA Timerサブフィールドを含んでよい。MU EDCA Timerサブフィールドは、MU EDCAタイマーを指示できる。
【0394】
non-APステーションは第1EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行う、non-APステーションがAPによってトリガーされた送信に成功した場合に、第2EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行うことができる。EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行うことは、EDCAパラメータセットのパラメータの値によってEDCAパラメータ、例えばCWmin、CWmax、AIFSN及びMU EDCAタイマーをアップデートすることであってよい。このとき、第1EDCAパラメータセットはレガシーEDCAパラメータセットであり、第2EDCAパラメータセットはMU EDCAパラメータセットであってよい。このとき、non-APステーションは、第2EDCAパラメータセットを用いるときに第2パラメータセットが適用される残余デュレーションを指示するタイマーを設定できる。タイマーは、経時的に一定にタイマーの値が減り、non-APステーションは、タイマーの値が0になるまで第2EDCAパラメータセットを用いることができる。タイマーの値が0になったときに、non-APステーションは、第1EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行うことができる。また、non-APステーションがEDCAパラメータセットのリセットを指示するエレメントを受信する場合に、non-APステーションは、タイマーの値を0に設定できる。このとき、タイマーはMU EDCAタイマーであってよい。本明細書において、説明の便宜のために、タイマーの値を0でない値に設定することを、タイマーを設定すると記載し、第2パラメータセットが適用される残余デュレーションを指示するEDCAタイマーを、第2パラメータセットの適用のためのタイマーと称する。このとき、0でない値は、EDCAパラメータセットが含むデフォルト値であってよい。
【0395】
また、第1EDCAパラメータセットのパラメータの値が第2EDCAパラメータセットのパラメータよりも小さくてよい。このとき、第2EDCAパラメータセットを用いるチャネルアクセスの成功確率が、第1EDCAパラメータセットを用いるチャネルアクセスの成功確率よりも小さくてよい。これにより、ステーション間のチャネルアクセス公平性を調整することができる。
【0396】
non-APステーションがAPによってトリガーされた送信に成功した場合は、non-APステーションがベーシックトリガーフレームによって誘導(solicit)された送信に成功した場合を表すことができる。また、non-APステーションがベーシックトリガーフレームによって誘導(solicit)された送信に成功した場合は、non-APステーションがベーシックトリガーフレームによって誘導(solicit)されたQoSデータフレームの送信に成功した場合に限定されてよい。non-APステーションがQoSデータフレームを成功的に送信した場合は、次のように定義されてよい。QoSデータフレームが即刻応答を要請する場合に、non-APステーションがQoSデータフレームに対する即刻応答を受信したときにnon-APステーションがQoSデータフレーム送信に成功したと見なされてよい。また、QoSデータフレームが即刻応答を要請しない場合に、non-APステーションがQoSデータフレームを送信したときにnon-APステーションがQoSデータフレーム送信に成功したと見なされてよい。したがって、non-APステーションが即刻応答を要請するQoSデータフレームを送信し、QoSデータフレームに対する即刻応答を受信したときに、non-APステーションはEDCAパラメータを第2EDCAパラメータセットによってアップデートすることができる。また、non-APステーションが即刻応答を要請しないQoSデータフレームを送信したときに、non-APステーションは、EDCAパラメータを第2EDCAパラメータセットによってアップデートすることができる。このとき、non-APステーションは、QoSデータフレームのACに該当するEDCAパラメータを第2EDCAパラメータセットによってアップデートすることができる。また、non-APステーションが即刻応答を要請するQoSデータフレームを送信し、QoSデータフレームに対する即刻応答を受信したときに、non-APステーションは、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定できる。このとき、即刻応答を含むPPDUの末尾でEDCAタイマーが開始されてよい。また、non-APステーションが即刻応答を要請しないQoSデータフレームを送信したときに、non-APステーションは、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定できる。このとき、QoSデータフレームを含むPPDUの末尾で第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーが開始されてよい。
【0397】
図32は、本発明の実施例に係る共有TXOPが割り当てられたステーションがMU EDCAパラメータセットを設定する方法を示す。
【0398】
図32で説明する実施例における第1EDCAパラメータセット及び第2EDCAパラメータセットは、
図31で説明した実施例の第1EDCAパラメータセット及び第2EDCAパラメータセットと同一であってよい。
【0399】
TXOP共有が割り当てられたステーションは、前述した第2EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行うことができる。このとき、第2EDCAパラメータセットは、前述したMU EDCAパラメータセットであってよい。さらに他の具体的な実施例において、第2EDCAパラメータセットは、前述したレガシーEDCAパラメータセットよりも優先順位が低いEDCAパラメータセットであってよい。このような実施例により、共有TXOPが割り当てられたステーションと共有TXOPが割り当てられなかったステーション間のチャネルアクセス公平性を調整することができる。説明の便宜のために、共有TXOPを割り当てたステーションを共有TXOP割り当て者と称し、共有TXOPホルダーを共有TXOPホルダーと称する。
【0400】
MU-RTS TXSトリガーフレームを受信したステーションがMU-RTS TXSトリガーフレームに対する応答を送信した場合に、ステーションは、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1EDCAパラメータセットから第2EDCAパラメータセットに切り換えることができる。MU-RTS TXSトリガーフレームに対する応答フレームは、CTSフレームであってよい。したがって、MU-RTS TXSトリガーフレームに対する応答は、CTSフレーム又はCTSフレームを含むPPDUを示すことができる。MU-RTS TXSトリガーフレームを受信したステーションがMU-RTS TXSトリガーフレームに対する応答を送信した場合に、ステーションは、共有TXOP内で第2EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行うことができる。このような実施例は、MU-RTS TXSトリガーフレームが、共有TXOPホルダーがいずれか一つのステーション、例えばAPへの送信のみを許容する場合に限って適用されてよい。すなわち、MU-RTS TXSトリガーフレームが、共有TXOPホルダーが複数のステーション、例えばAPと他のnon-APステーションの送信を許容する場合にはこのような実施例は適用されなくてよい。
【0401】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP割り当て者に少なくとも1つのフレームを送信した場合に、ステーションは、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1EDCAパラメータセットから第2EDCAパラメータセットに切り換えることができる。
【0402】
また、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPの終了時点に、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定できる。さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPを終了するシグナリングに該当する応答を受信した時点に、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定できる。さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPの終了時点又は共有TXOPを終了するシグナリングに該当する応答を受信した時点のうち早い時点に、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定できる。このとき、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーを設定することは、前述したように、第2EDCAパラメータセットの適用のためのタイマーの値を、0よりも大きい値に設定することであってよい。
【0403】
図32の実施例において、第1ステーション(STA1)は、第2ステーション(STA2)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信して第2ステーション(STA2)に共有TXOP(shared TXOP)を割り当てる。このとき、第2ステーション(STA2)は、第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。前述したように、第2ステーション(STA2)が第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信したときに、第2ステーション(STA2)は第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに切り換え、第2EDCAパラメータセットを用いてチャネルアクセスを行う。また、第2ステーション(STA2)は、共有TXOP終了時点に第2EDCAパラメータの適用のためのタイマーを設定できる。これは、共有TXOPホルダーが第2EDCAパラメータセットに切り換えるときに、第2EDCAパラメータの適用のためのタイマーを設定する場合に、共有TXOPホルダーがチャネルアクセスを行わないにも関わらずタイマーの値が持続して減ることを防止するためである。これにより、他のステーションとの公平性を保証することができる。
【0404】
図32などで、共有TXOP内で共有TXOPホルダーがフレームを送信した後、共有TXOPホルダーは、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1パラメータセット、例えばレガシーEDCAパラメータセットから第2パラメータセット、例えばMU EDCAパラメータセットに切り換える実施例を説明した。このような実施例は、共有TXOPホルダーがフレームを成功的に送信した場合に限って適用されてよい。したがって、共有TXOPホルダーがフレームを成功的に送信した場合に、共有TXOPホルダーは、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1パラメータセットから第2パラメータセットに切り替えることができる。また、このような実施例は、共有TXOPホルダーがQoSデータフレームを成功的に送信した場合に限って適用されてよい。また、共有TXOPホルダーがQoSデータフレームを成功的に送信した場合に、共有TXOPホルダーは、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1パラメータセットから第2パラメータセットに切り替えることができる。QoSデータフレームが即刻応答を要求する場合に、QoSデータフレームを成功的に送信することは、QoSデータフレームを送信し、送信したQoSデータフレームに対するACKを受信することであってよい。また、QoSデータフレームが即刻応答を要求しない場合に、QoSデータフレームを成功的に送信することは、QoSデータフレームを送信することであってよい。共有TXOPホルダーは、共有TXOP内で共有TXOP割り当て者に成功的にQoSデータフレームを送信したとき、第2パラメータセットの適用のためのEDCAタイマー、例えばMU EDCAタイマーの値を、0でない値に設定する。
【0405】
したがって、QoSデータフレームが即刻応答を要求する場合に、共有TXOPホルダーは、共有TXOP内で共有TXOP割り当て者にQoSデータフレームを送信し、共有TXOP割り当て者から受信するQoSデータフレームに対する即刻応答を含むPPDUの末尾で第2パラメータセットの適用のためのEDCAタイマーを設定できる。QoSデータフレームが即刻応答を要求しない場合に、共有TXOP内で共有TXOP割り当て者に送信するQoSデータフレームを含むPPDUの末尾で第2パラメータセットの適用のためのEDCAタイマーを設定できる。
【0406】
前述した実施例において、共有TXOP内で共有TXOPホルダーがフレームを送信した後、共有TXOPホルダーが、チャネルアクセスに用いるEDCAパラメータを、第1EDCAパラメータセットから第2EDCAパラメータセットに切り換える実施例は、第1共有TXOPモードでのみ適用可能であると説明した。これは、共有TXOP割り当て者が共有TXOPホルダーと他のステーション間のフレーム交換をモニターすることが困難になり得るためである。また、共有TXOPホルダーが共有TXOP割り当て者とフレーム交換を行わない場合に、共有TXOPホルダーが共有TXOP割り当て者とのフレーム交換において他のステーションに比べて利得を得たとは言い難いためである。
【0407】
図33は、本発明の実施例に係るステーションが共有TXOPを割り当てた後にTXOPを回復する動作を示す。
【0408】
共有TXOP内で共有TXOP割り当て者は、あらかじめ指定された条件を満たす場合にのみ送信を行うことができる。あらかじめ指定された条件は、共有TXOP割り当て者が共有TXOP内で共有TXOPホルダーの送信に対する即刻応答を送信することと、TXOP回復(recovery)動作を行うことのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。このとき、TXOP回復動作は、共有TXOP内でフレームが交換されないときに行われてよい。共有TXOP内で一定時間以上送信又は受信が行われないとき、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。また、共有TXOP内で送信失敗が起きた場合に、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。このとき、送信されたフレームに対する即刻応答が行われないとき、ステーションは、送信に失敗したと判断できる。
【0409】
また、ステーションが即刻応答を要請しないフレームを受信したときに、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。具体的には、ステーションが即刻応答を要請しないMPDUのみを含むA-MPDUを受信した場合に、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。ステーションがA-MPDUの全てのMPDUを成功的に受信できなかった場合に、ステーションは、A-MPDUが即刻応答を要請しないMPDUのみを含むかが判断できない。したがって、ステーションがA-MPDUの全てのMPDUを成功的に受信できなかった場合に、ステーションはTXOP回復を行うことができない。
【0410】
前述したように、共有TXOP内で一定時間以上送信又は受信が行われないとき、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。具体的には、共有TXOP内で一定時間以上TXOP共有が行われたチャネルが遊休である場合に、ステーションは、フレームが交換されないと判断できる。このとき、一定時間は、PIFSであってよい。また、チャネルが遊休であることは、チャネルのCS(carrier sense)結果が遊休であることであってよい。このとき、CSは、ED(energy detection)であってよい。EDにおいてステーションがED閾値以上のある信号のエネルギーを感知する場合に、ステーションは、当該媒体(medium)を遊休でないもの(busy)と判断できる。また、EDでステーションがED閾値よりも小さいある信号のエネルギーを感知する場合に、ステーションは、当該媒体(medium)を遊休であるものと判断できる。
【0411】
本明細書において、TxPIFSスロット境界でチャネルが遊休であることは、PIFSでCS結果が遊休であること、又はPIFSでチャネルが遊休であることと見なされてよい。また、本明細書において、特定時点、特にPPDUの末尾からPIFS後に送信を開始することは、PIFSでチャネルが遊休であることを前提にして説明したことであってよい。また、本明細書において、特定時点、特にPPDUの末尾からPIFS後に送信を開始できないことは、PIFSでチャネルがビジー(busy)であることを前提に説明したことであってよい。
【0412】
また、PIFSは、SIFS(aSIFSTime)とslot time(aSlotTime)とを合算した時間であってよい。また、TxPIFSスロット境界は、チャネルが遊休状態に切り換わった時点からPIFSだけ遅い時点からaRxTxTurnaroundTime前の時間であってよい。したがって、TxPIFSスロット境界は、TxSIFSスロット結界+aSlotImeであってよい。TxSIFSは、チャネルが遊休状態に切り換わった時点からSIFSだけ遅い時点からaRxTxTurnaroundTime前の時間であってよい。aRxTxTurnaroundTimeは、ステーションが受信状態から送信状態に切り換わるのにかかる時間に基づいて決定される値であってよい。具体的には、aRxTxTurnaroundTimeは、ステーションが受信状態から送信状態に切り換わるのにかかる時間であってよい。さらに他の具体的な実施例において、aRxTxTurnaroundTimeは、ステーションが受信状態から送信状態に切り換わるのにかかる最大時間であってよい。SIFSは16usで、slot timeは9usで、PIFSは25usであってよい。具体的には、フレーム交換が5GHz帯域又は6GHz帯域で行われる場合に、SIFSは16usで、slot timeは9usで、PIFSは25usであってよい。また、SIFSは10usで、slot timeは9usで、PIFSは19usであってよい。具体的には、フレーム交換が2.4GHz帯域で行われる場合に、SIFSは10usで、slot timeは9usで、PIFSは19usであってよい。
【0413】
また、前述したTXOP回復を行う実施例は、第1共有TXOPモードでのみ適用されてよい。具体的には、共有TXOP内で共有TXOPホルダーがP2Pフレームを送信することが許容されない場合にのみ適用されてよい。
【0414】
また、前述したTXOP回復は、共有TXOPの終了時点からPIFS以前に共有TXOPホルダーが最後のフレームを受信又は送信した場合に限って適用されてよい。このとき、共有TXOPの終了時点からPIFSだけ早い時点以後に、共有TXOPホルダーが最後のフレームを受信又は送信した場合に、ステーションは共有TXOP以後にチャネルアクセスを行うことができる。
【0415】
また、前述した実施例において、TXOP回復は、共有TXOP割り当て者が行うとして説明したが、共有TXOPホルダーが前述の実施例によってTXOP回復を行うことができる。
【0416】
図33の実施例において、第1ステーション(STA1)は、第2ステーション(STA2)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信して第2ステーション(STA2)に共有TXOP(shared TXOP)を割り当てる。このとき、第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。共有TXOP内で第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)にフレーム(DL frame 1)を送信し、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。第1ステーション(STA1)がPIFSでチャネルが遊休であると判断したとき、第1ステーション(STA1)はTXOP回復動作としてフレーム(DL frame 2)を送信する。
【0417】
図33で、共有TXOP内でTXOPを回復する方法について説明した。共有TXOPが終了したときに、共有TXOP割り当て者が獲得したTXOPは終了しないことがある。このとき、共有TXOP割り当て者がTXOPを回復する方法が必要であり得る。これについて
図34で説明する。
【0418】
図34は、本発明の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す。
【0419】
まず、共有TXOP内で共有TXOP割り当て者は次のような条件によって送信を行うことができる。
【0420】
第1共有TXOPモードのMU-RTS TXSトリガーフレームを送信した共有TXOP割り当て者が共有TXOPホルダーからCTSフレームを受信した場合に、共有TXOP割り当て者は、下記のような場合に限って共有TXOP内で送信を開始できる。
【0421】
共有TXOP割り当て者が共有TXOP内で共有TXOPホルダーから即刻応答を要請するPPDUを受信した場合に、共有TXOP割り当て者は共有TXOP内で送信を開始できる。また、第1共有TXOPモードでステーションに最後に送信された即刻応答送信又はTXOPホルダーから最後に受信した即刻応答を要請しないフレーム送信の末尾からTxPIFSスロット境界でチャネルが遊休である場合に、共有TXOP割り当て者は共有TXOP内で送信を開始できる。
【0422】
第2共有TXOPモードのMU-RTS TXSトリガーフレームを送信した共有TXOP割り当て者が共有TXOPホルダーからCTSフレームを受信した場合に、共有TXOP割り当て者は、下記のような場合に限って共有TXOP内で送信を開始することができる。
【0423】
共有TXOP割り当て者が共有TXOP内で共有TXOPホルダーから即刻応答を要請するPPDUを受信した場合に、共有TXOP割り当て者は共有TXOP内で送信を開始できる。
【0424】
また、TXNAVタイマーが満了する場合に、すなわち共有TXOP割り当て者が獲得したTXOPが満了する場合に、共有TXOP割り当て者は、新しいバックオフ手順を行わずにはいかなるPPDUも送信できない。
【0425】
共有TXOPが終了した後、共有TXOPが終了しないと、共有TXOP割り当て者はあらかじめ指定された条件のいずれか一つを満たすときに送信を開始できる。
【0426】
第1条件:共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの末尾でCSを行い、PIFSでチャネルが遊休であると判断できる。このとき、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの末尾からPIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。
【0427】
第2条件:共有TXOP割り当て者のPPDU送信が共有TXOPの末尾からSIFSだけ早い時点以後に終了してよい。このとき、共有TXOP割り当て者は、共有TXOP割り当て者の送信したPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。具体的には、共有TXOP割り当て者はCSを行わずに、共有TXOP割り当て者の送信したPPDUの末尾からSIFS後にPPDUを送信できる。
【0428】
第3条件:共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの末尾でCSを行い、チャネルが遊休でないと判断できる。このとき、共有TXOP割り当て者は、チャネルが遊休であるときに、すなわちTxPIFSスロット境界でチャネルが遊休であるときにPPDUを送信できる。
【0429】
第4条件:共有TXOP割り当て者は、TXOPを獲得するためのバックオフ手順を行ってTXOPを獲得できる。このとき、共有TXOP割り当て者はPPDUを送信できる。
【0430】
図34の実施例において、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信して第2ステーション(STA2)に共有TXOP(shared TXOP)を割り当てる。このとき、第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。
【0431】
図34(a)の実施例において、共有TXOP内で第1ステーション(STA1)が第1フレーム(DL frame 1)を送信したときに、共有TXOPの末尾までにPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、第1ステーション(STA1)は、共有TXOPの末尾でCSを行ってPIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)は、共有TXOPの末尾からPIFSだけ遅い時点に、第2フレーム(DL frame 2)を送信できる。ただし、第1フレーム(DL frame 1)と第2フレーム(DL frame 2)との間の間隔が25usよりも大きい。したがって、これは、既存規定違反に該当し得る。具体的には、これは、無線LAN標準でTXOPを獲得したステーションがフレーム交換を行うときに、フレーム間の間隔が25usよりも大きいことが許容されないという規定に違反し得る。
【0432】
図34(b)の実施例において、共有TXOP内で第2ステーション(STA1)がフレーム(ULフレーム又はP2Pフレーム)を送信したときに、共有TXOPの末尾までにPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、第1ステーション(STA1)は、共有TXOPの末尾でCSを行ってPIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)は共有TXOPの末尾からPIFSだけ遅い時点にフレーム(DL frame)を送信できる。このとき、第1ステーション(STA1)の送信したPPDU同士間の間隔が25usより大きい。また、第2ステーション(STA2)の送信したPPDUと第1ステーション(STA1)の送信したPPDUとの間の間隔が25usより大きい。したがって、これも、前述したTXOP内の送信間隔に関する規定に違反し得る。
【0433】
また、第1ステーション(STA1)が共有TXOP内のフレーム交換を全て感知できず、共有TXOPの末尾でCSを行うか又は共有TXOPの末尾でフレーム交換が終了する場合にも、PPDU間の間隔が25usより大きい。これは、前述した条件3によってPPDU送信が行われる場合にも同様である。すなわち、共有TXOP内で最後に送信されるPPDUと共有TXOP後に第1ステーション(STA1)が初めて送信するPPDUとの間の間隔が25usより大きい。これも、前述したTXOP内の送信間隔に関する規定に違反し得る。
【0434】
図34(c)の実施例において、第1ステーション(STA1)の第1フレーム(DL frame 1)送信が共有TXOPの末尾からSIFSだけ早いた時点後に終了する。このとき、第1ステーション(STA1)は、第1フレーム(DL frame 1)を含むPPDUの末尾からSIFS後に第2フレーム(DL frame 2)を送信できる。
【0435】
TXOP内で送信されるPPDU間の間隔に対する規定を違反しない共有TXOP終了後のTXOP回復について
図35で説明する。
【0436】
図35は、本発明のさらに他の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す図である。
【0437】
図34で説明した第1条件は、次のように修正されてよい。共有TXOPの最後のPPDUの末尾が、共有TXOPの末尾よりPIFS早い時点以後であってよい。このとき、共有TXOPで最後に送信されたPPDUの末尾からPIFSの間にチャネルが遊休である場合に、共有TXOP割り当て者は、共有TXOP内で最後に送信されたPPDUの末尾からPIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。このような実施例は、共有TXOPホルダーが共有TXOP内で共有TXOP割り当て者以外のステーションに送信を行うことが許容されないときにのみ適用されてよい。本明細書において、共有TXOP内で送信されたPPDUは、共有TXOP内で共有TXOPホルダーが送信したPPDUと、共有TXOPホルダーが送信したPPDUに応答として送信されたPPDUのみを指すことができる。説明の便宜のために、共有TXOP内で最後に送信されたPPDUを、共有TXOPの最後のPPDUと称する。また、共有TXOP内で共有TXOPホルダーが共有TXOP割り当て者以外のステーションに送信することが許容されない場合を、第1TXOP共有モードと称する。また、共有TXOP内で共有TXOPホルダーが共有TXOP割り当て者以外のステーションに送信することが許容される場合を、第2TXOP共有モードと称する。
【0438】
このとき、共有TXOPの最後のPPDUが、共有TXOPホルダーが送信したPPDUであってよい。このとき、当該PPDUが即刻応答を要請するフレームを含まない場合に限って、共有TXOP割り当て者は前述した実施例によってTXOP回復を行うことができる。
【0439】
図35の実施例において、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信して第2ステーション(STA2)に共有TXOP(shared TXOP)を割り当てる。このとき、第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。
【0440】
図35(a)の実施例において、共有TXOP内で第1ステーション(STA1)が第1フレーム(DL frame 1)を送信したときに、共有TXOPの末尾までにPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、第1ステーション(STA1)は、第1フレーム(DL frame 1)の末尾でCSを行って、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)は、第1フレーム(DL frame 1)の末尾からPIFSだけ遅い時点に、第2フレーム(DL frame 2)を送信できる。したがって第1フレーム(DL frame 1)と第2フレーム(DL frame 2)との間の間隔が25usより小さい。
【0441】
図35(b)の実施例において、共有TXOP内で第2ステーション(STA1)がフレーム(UL frame)を送信したときに、共有TXOPの末尾までPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、第1ステーション(STA1)は、フレーム(UL frame)を含むPPDUの末尾でCSを行い、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)は、フレーム(UL frame)を含むPPDUの末尾からPIFSだけ遅い時点にフレーム(DL frame)を送信できる。このとき、第2ステーション(STA2)が送信したPPDUと第1ステーション(STA1)が送信したPPDUとの間の間隔が25usより小さい。
【0442】
さらに他の具体的な実施例において、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOPホルダーが送信を始めることが許容されなくてよい。残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUとして送信されたPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。このとき、共有TXOP割り当て者は、CSを行わないで共有TXOPの最後のPPDUとして送信されたPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。これは、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSより小さいため、共有TXOPホルダーが送信を行わないことを確信できるためである。このような実施例において、共有TXOPの最後のPPDUが共有TXOP割り当て者によって送信されたPPDUであり、残余共有TXOPのデュレーションがSIFSよりも小さい場合に、割り当てを受けたステーションは、
図34で説明した第2条件によってPPDUを送信できる。
【0443】
残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOPホルダーとTXOPを割り当てたステーションが送信を始めることが許容されなくてよい。具体的には、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい場合に、共有TXOPホルダーとTXOPを割り当てたステーションが送信を始めることが許容されなくてよい。
【0444】
また、共有TXOPが終了した後、共有TXOPが終了しないと、共有TXOP割り当て者が送信を始める条件として次の条件が追加されてよい。
【0445】
第5条件:共有TXOP割り当て者が共有TXOPホルダーから即刻応答(immediate response)を要請するフレームを受信することができる。このとき、共有TXOP割り当て者は、即刻応答(immediate response)を要請するフレームを含むPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。このとき、TXOPの割り当てを受けたステーションが、即刻応答を要請するフレームを含むPPDUの末尾と共有TXOPの末尾との間の間隔が、あらかじめ指定された値以下であってよい。あらかじめ指定された値は、SIFSであってよい。あらかじめ指定された値は、0であってよい。
【0446】
前述したように、
図35で説明した実施例が第1共有TXOPモードで適用されてよい。第2共有TXOPモードで共有TXOP終了後のTXOP回復について
図36で説明する。
【0447】
図36は、本発明のさらに他の実施例によって共有TXOP割り当て者が共有TXOPの終了後にTXOP回復を行うことを示す図である。
【0448】
図35で説明した実施例は、第2共有TXOPモードでも適用されてよい。ただし、共有TXOPの最後のPPDUが共有TXOP割り当て者が意図された受信者であるフレームを含む場合に限って、
図35で説明した実施例が第2共有TXOPモードでも適用されてよい。
【0449】
したがって、第2共有TXOPモードで、共有TXOPの最後のPPDUが、共有TXOP割り当て者が意図された受信者であるフレームを含み、共有TXOPの最後のPPDUの末尾が、共有TXOPの末尾からPIFS早い時点以後であってよい。このとき、共有TXOPの最後のPPDUの末尾からPIFSの間にチャネルが遊休である場合に、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUの末尾からPIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。このような実施例は、共有TXOPの最後のPPDUが即刻応答を要請するフレームを含まない場合に限って適用されてよい。
【0450】
また、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOPホルダーが送信を始めることが許容されなくてよい。残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。このとき、共有TXOP割り当て者はCSを行わないで共有TXOPの最後のPPDUの末尾からSIFSだけ遅い時点にPPDUを送信できる。
【0451】
さらに他の具体的な実施例において、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりも小さい場合に、共有TXOPホルダーとTXOPを割り当てたステーションが送信を始めることが許容されなくてよい。具体的には、残余共有TXOPのデュレーションがPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい場合に、共有TXOPホルダーとTXOPを割り当てたステーションが送信を始めることが許容されなくてよい。
【0452】
ただし、
図36の実施例とは違い、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUが、共有TXOP割り当て者が意図された受信者であるフレームを含むかを判断する必要がある。具体的には、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームが、共有TXOPホルダーが共有TXOP割り当て者に送信するフレームであるかを判断できる。
【0453】
図36の実施例において、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信して第2ステーション(STA2)に共有TXOP(shared TXOP)を割り当てる。このとき、第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。
図36(a)の実施例において、共有TXOP内で第2ステーション(STA2)がULフレーム(UL frame)を送信したときに、共有TXOPの末尾までPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、第1ステーション(STA1)はULフレーム(UL frame)の末尾でCSを行い、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)は、ULフレーム(UL frame)の末尾からPIFSだけ遅い時点にDLフレーム(DL frame)を送信できる。したがって、ULフレーム(UL frame)とDLフレーム(DL frame 2)との間の間隔が25usより小さい。
【0454】
共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームの意図された受信者が共有TXOPホルダーである場合に、共有TXOP割り当て者は、
図36(a)の実施例によってTXOP回復を行うことが許容されてよい。
【0455】
共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームの送信者が、TXOPの割り当てを受けたステーションであり、意図された受信者が、共有TXOP割り当て者以外のステーションである場合に、共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの最後のPPDUが即刻応答を要請するフレームを含むかに基づいて、TXOP回復を行うことができる。共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームの送信者がTXOPの割り当てを受けたステーションであり、意図された受信者が共有TXOP割り当て者以外のステーションであり、共有TXOPの最後のPPDUが即刻応答を要請するフレームを含む場合に、共有TXOP割り当て者が、
図36(a)で説明した実施例によってTXOP回復を行うことが許容されなくてよい。これは、共有TXOP割り当て者が共有TXOP内でP2Pピアステーションが送信する応答フレームを受信し難いことがあるためである。前述した即刻応答を要請するフレームに対する即刻応答を含むPPDUからPIFSの間にチャネルが遊休である場合に、TXOPを割り当てたステーションは、即刻応答を含むPPDUからPIFSだけ遅い時点に送信を開始できる。さらに他の具体的な実施例において、TXOPを割り当てたステーションは、即刻応答を含むPPDUからSIFSだけ遅い時点に送信を開始できる。
【0456】
図36(b)で、共有TXOP内で第2ステーション(STA2)がP2Pフレーム(P2P frame)を送信したときに、共有TXOPの末尾までPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。このとき、P2Pフレーム(P2P frame)は即刻応答を要請しない。第1ステーション(STA1)はP2Pフレーム(P2P frame)の末尾でCSを行い、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)はP2Pフレーム(P2P frame)の末尾からPIFSだけ遅い時点にDLフレーム(DL frame)を送信できる。したがって、P2Pフレーム(P2P frame)とDLフレーム(DL frame 2)との間の間隔が25usより小さい。
【0457】
図36(C)で、共有TXOP内で第2ステーション(STA2)にP2Pフレーム(P2P frame)を送信されたときに、共有TXOPの末尾までPIFSよりは小さくSIFSよりは大きい時間が残る。第1ステーション(STA1)はP2Pフレーム(P2P frame)の末尾でCSを行い、PIFSでチャネルが遊休であると判断する。したがって、第1ステーション(STA1)はULフレーム(UL frame)の末尾からPIFSだけ遅い時点にDLフレーム(DL frame)を送信できる。したがって、ULフレーム(UL frame)とDLフレーム(DL frame 2)と間の間隔が25usより小さい。
【0458】
前述した実施例において、TXOPを割り当てたステーションは、受信したフレームの受信者アドレス、例えばRAフィールドに基づいて、受信したフレームの意図された受信者を判断できる。具体的には、TXOPを割り当てたステーションは、受信したステーションの受信者アドレスが指示するステーションを意図された受信者と判断できる。また、TXOPを割り当てたステーションは、受信したフレームの送信者アドレス、例えばTAフィールドに基づいて、受信したフレームの送信者を判断できる。具体的には、TXOPを割り当てたステーションは、受信したステーションの送信者アドレスが指示するステーションを送信者と判断できる。また、TXOPを割り当てたステーションは、受信したPPDUのシグナリングフィールドのSTA-IDフィールドに基づいて、受信したPPDUが含むフレームの意図された受信者を判断できる。また、TXOPを割り当てたステーションは、受信したPPDUのシグナリングフィールドのSTA-IDフィールド及びBSS colorフィールドに基づいて、受信したPPDUが含むフレームの意図された受信者を判断できる。また、TXOPを割り当てたステーションは、受信したPPDUのシグナリングフィールドのSTA-IDフィールド、BSS colorフィールド及びUL/DLフィールドに基づいて、受信したPPDUが含むフレームの意図された受信者を判断できる。このとき、STA-IDフィールドは、PPDUが含むフレームの意図された受信者であるステーションのIDを指示する。また、BSS colorフィールドは、PPDUが送信されたBSSのBSSカラーを指示する。また、UL/DLフィールドは、PPDUが上り送信PPDUなのか下り送信PPDUなのかを指示する。
【0459】
共有TXOPの終了時点にチャネルがビジー(busy)ある場合に、共有TXOPが含まれる、共有TXOP割り当て者が獲得したTXOP内であっても、共有TXOP割り当て者がTXOPを獲得するためのバックオフ手順を行わないでフレーム交換を開始することが許容されなくてよい。共有TXOP内で送信が許容されたステーションが送信を行えない状況が発生し得る。このとき、共有TXOPが終了した直後に共有TXOP割り当て者が送信を始めても、共有TXOP割り当て者が送信するPPDUと共有TXOP内で送信されたPPDUとの間の間隔が25usより大きくなり得る。したがって、共有TXOP割り当て者は、TXOPを獲得するためのバックオフ手順を再び行うことができる。
【0460】
また、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームを成功的に受信できなかったか、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームが共有TXOPホルダーのフレーム交換に含まれないことがある。このとき、共有TXOPが含まれる、共有TXOP割り当て者が獲得したTXOP内であっても、共有TXOP割り当て者がTXOPを獲得するためのバックオフ手順を行わないでフレーム交換を開始することが許容されなくてよい。共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームが共有TXOPホルダーのフレーム交換に含まれない場合は、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームの受信者が共有TXOPホルダーでなく、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームの送信者が共有TXOPホルダーでない場合である。共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームを成功的に受信できなかったか、共有TXOPの最後のPPDUが含むフレームが共有TXOPホルダーのフレーム交換に含まれない場合に、共有TXOP割り当て者が送信するPPDUと共有TXOP内で送信されたPPDUとの間の間隔が25us内であることが保証されないためである。
【0461】
さらに他の具体的な実施例において、第2共有TXOPモードである共有TXOP終了後に、共有TXOPが含まれる、共有TXOP割り当て者が獲得したTXOP内であっても、共有TXOP割り当て者は、TXOPを獲得するためのバックオフ手順無しでフレーム交換を開始することが許容されなくてよい。
【0462】
また、
図34で説明した第3条件は次のように修正されてよい。
【0463】
共有TXOP割り当て者は、共有TXOPの末尾でCSを行い、チャネルが遊休でないと判断できる。また、TXOPの末尾でチャネルを占有する送信が共有TXOPホルダーのフレーム交換であってよい。このような場合に、共有TXOP割り当て者は、チャネルが遊休であるときに、すなわち、TxPIFSスロット境界でチャネルが遊休であるときにPPDUを送信できる。
【0464】
TXOPの末尾でチャネルを占有する送信が、共有TXOPホルダーのフレーム交換でなくてよい。このような場合に、TXOP終了後に、共有TXOPが含まれる、共有TXOP割り当て者が獲得したTXOP内であっても、共有TXOP割り当て者は、TXOPを獲得するためのバックオフ手順無しでフレーム交換を開始することが許容されなくてよい。これは、共有TXOPホルダーのフレーム交換でない送信によってチャネルが占有され、既存条件3によって共有TXOP割り当て者が送信を行う場合に、共有TXOPの最後のPPDUと共有TXOP以後共有TXOP割り当て者が送信するPPDUとの間の間隔が25usより大きくなり得るためである。このように第3条件の適用条件を修正する実施例は、第2共有TXOPモードに適用され、第1共有TXOPモードに適用されなくてよい。
【0465】
先にTXOP回復と関連して説明した実施例において、TXOP回復動作を行う条件と関連して、共有TXOPの終了時点からPIFSより早い時点以後が指示する時間区間は、共有TXOPの終了時点からPIFSだけ早い時点を含んでよい。また、残余(remaining)共有TXOPの終了時間がPIFSより小さな場合は残余共有TXOPの終了時間がPIFSである場合を含んでよい。また、共有TXOPの終了時点からSIFSより早い時点以前が指示する時間区間は共有TXOPの終了時点からSIFSだけ先んじた時点を含んでよい。また、残余(remaining)共有TXOPの終了時間がSIFSよりも大きい場合は、残余共有TXOPの終了時間がSIFSである場合を含んでよい。
【0466】
図37は、本発明の実施例に係るフレームのフォーマットを示す。
【0467】
図37(a)は、MACフレームのフォーマットを示す。MACフレームは、MACヘッダー、フレームボディー、及びFCSフィールドを含む。また、MACヘッダーは、Frame Controlフィールド、Duration/IDフィールド、MAC addressフィールド、Sequence Controlフィールド、QoS Controlフィールド、及びHT Controlフィールドを含んでよい。Frame Controlフィールドは、Typeサブフィールド、Subtypeサブフィールドによってそれぞれフレームのタイプとサブタイプを指示する。また、Frame Controlフィールドは、+HTCサブフィールドによって、フレームがHT Controlフィールドを含むかを指示できる。Duration/IDフィールドは、フレームのデュレーションを指示できる。Duration/IDフィールドが含まれたフレームがPS-Pollフレームでない場合に、Duration/IDフィールドがフレームのデュレーションを指示できる。また、ステーションは、受信したフレームのDuration/IDフィールドが指示するフレームのデュレーションに基づいてNAV(network allocation vector)を設定できる。Duration/IDフィールドが含まれたフレームがPS-Pollフレームである場合に、Duration/IDフィールドは、ID、例えばAIDを指示できる。また、MAC addressフィールドは、1つ以上のaddressフィールドを含んでよい。Addressフィールドは、MAC addressを指示できる。また、addressフィールドは、basic service set identifier(BSSID)フィールド、source address(SA)フィールド、destination address(DA)フィールド、transmitting STA address or transmitter address(TA)フィールド、及びreceiving STA address or receiver address(RA)フィールドのうち少なくとも1つを含んでよい。また、Sequence Controlフィールドは、フラグメントナンバー又はシーケンスナンバーを指示できる。また、QoS Controlフィールドは、フレームが含むトラフィックのTID、フレームに対するAck Policy、フレームが含まれるフレーム交換のTXOPリミット、フレームを送信したステーションのバッファ状態、及びフレームを送信したステーションのキューサイズ(queue size)のうち少なくともいずれか一つを含んでよい。また、QoS Controlフィールドは、前述したRDG/More PPDUサブフィールド、AC Constraintサブフィールドを含んでよい。例えば、DMG PPDUに含まれたQoS Controlフィールドは、前述したRDG/More PPDUサブフィールド及びAC Constraintサブフィールドを含んでよい。
【0468】
HT Controlフィールドは、前述したRDG/More PPDUサブフィールド及びAC Constraintサブフィールドを含んでよい。前述したようにRDG/More PPDUサブフィールドは、フレームがRDGを含むか否かをシグナルするか、フレームに続くPPDUがあるか否かをシグナルすることができる。また、AC Constraintサブフィールドは、RDGに対する応答(RDデータフレーム)のTID又はACが制限されるか否かを指示できる。HT Controlフィールドは、4オクテット、すなわち32ビットで構成されてよい。
【0469】
MACヘッダー及びMACヘッダーが含むフィールドの長さは、あらかじめ指定された値によって設定されてよい。
【0470】
Frame Bodyフィールドは、フレームのコンテンツを含む。Frame Bodyフィールドは、フレームのタイプ及びフレームのサブタイプに関する情報を含んでよい。
【0471】
FCSフィールドは、FCS(Frame check sequence)を含んでよい。FCSフィールドの値は、MAC headerフィールドの値及びFrame Bodyフィールドの値に基づいて設定されてよい。MACフレームを受信したステーションは、MAC headerフィールド及びFrame Bodyフィールドの値でFCSを計算し、FCSフィールドの値と比較できる。これにより、MACフレームを受信したステーションは、MACフレームが成功的に受信されたかを判断できる。
【0472】
図37(b)は、HT Controlフィールドのフォーマットを示す。前述したように、HT Controlフィールドは、AC ConstraintサブフィールドとRDG/More PPDUサブフィールドを含んでよい。
【0473】
例えば、HT Controlフィールドは、32ビット(B0-B31)で構成されてよい。このとき、31番目のビット(B30)と32番目のビット(B31)がそれぞれ、AC ConstraintサブフィールドとRDG/More PPDUサブフィールドであってよい。これは、HT ControlフィールドがHTバリアント(variant)であるか、VHTバリアント(variant)である場合であってよい。HT Controlフィールドは、複数の形態又はバリアントを有してよい。例えば、HT Controlフィールドは、HTバリアント、VHTバリアント、HEバリアント、EHTバリアント又はEHT以後標準のバリアントであってよい。本明細書において、HEバリアントに適用される実施例として説明したものは、HE以後標準で定義されるバリアントにも同一に適用されてよい。また、HT Contorlフィールドは、HT Controlフィールドがどのバリアントであるかを指示するシグナリングを含んでよい。例えば、HT Controlフィールドの一部ビットは、HT Controlフィールドがどのバリアントであるかを指示できる。例えば、1番目のビット(B0)の値が0である場合に、HT Controlフィールドは、HTバリアントであってよい。また、1番目のビット(B0)の値が1である場合に、HT Controlフィールドは、VHTバリアント、HEバリアント、又はEHTバリアントであってよい。また、1番目のビット(B0)の値が1で、2番目のビット(B1)の値が0である場合に、HT Controlフィールドは、VHTバリアントであってよい。また、1番目のビット(B0)の値が1であり、2番目のビット(B1)の値が1である場合に、HT Controlフィールドは、HEバリアント又はEHTバリアントであってよい。又は、1番目のビット(B0)の値が1であり、2番目のビット(B1)の値が1である場合に、HT Controlフィールドは、HEバリアント、EHTバリアント、又はEHT以後標準のバリアントであってよい。
【0474】
HT ControlフィールドがHEバリアント、EHTバリアント、又はEHT以後標準のバリアントである場合に、HT Controlフィールドは、A-Controlサブフィールドを含んでよい。A-Controlサブフィールドは、1つ以上のコントロール情報を含む。例えば、HT Controlフィールドの3番目のビット(B2)~32番目のビット(B31)がA-Controlサブフィールドであってよい。
【0475】
図37(c)は、A-Controlサブフィールドのフォーマットを示す。
図37(c)で、A-Controlサブフィールドは、Control Listサブフィールド及びPaddingサブフィールドを含む。Control Listサブフィールドは、1つ以上のコントロール情報を含んでよい。また、Control Listサブフィールドは、1つ以上のControlサブフィールドを含んでよい。また、A-Controlフィールドは、Paddingサブフィールドを選択的に含んでよい。例えば、あらかじめ設定されたA-Controlサブフィールドの長さからControl Listサブフィールドの長さを除く残り長さが、Paddingサブフィールドの長さであってよい。Paddingサブフィールドの値は、あらかじめ指定された値に設定されてよい。又は、Paddingサブフィールドの1番目のビットの値は、あらかじめ指定された値に設定されてよい。
【0476】
図37(d)は、Controlサブフィールドのフォーマットを示す。
図37(d)で、Controlサブフィールドは、Control IDサブフィールド及びControl Informationサブフィールドを含む。Control IDサブフィールドは、Control Informationサブフィールドにどのような内容が含まれるか、又は前記Control IDサブフィールドを含むControlサブフィールドがどのようなコントロール情報を含むかを指示できる。また、Control IDサブフィールドの値に基づいて、Control Informationサブフィールドの長さが決定されてよい。Control IDサブフィールドの長さは、4ビットであってよい。Controlサブフィールドが含み得る情報は、前述したTRS(triggered response scheduling)Controlフィールドであってよい。TRS Controlフィールドは、TRS Controlフィールドを受信したステーションの送信をトリガーするTRS情報を指示する。TRS ControlフィールドのControl IDは、0であってよい。また、Controlサブフィールドは、OM Controlフィールドであってよい。OM Controlフィールドは、OM(operating mode)に関する情報を指示できる。OMフィールドのControl IDは、1であってよい。また、Controlサブフィールドは、link adaptation Controlフィールドであってよい。link adaptation Controlフィールドは、リンク適応に関する情報を指示できる。link adaptation ControlフィールドのControl IDは、2であってよい。また、Controlサブフィールドは、BSR Controlフィールドであってよい。BSR Controlフィールドは、バッファ状態に関する情報を指示できる。BSR ControlフィールドのControl IDは、3であってよい。また、Controlサブフィールドは、UL power headroom Controlフィールドであってよい。UL Power Controlフィールドは、上り送信パワーヘッドルームに関する情報を指示できる。ULパワーヘッドルームに関する情報は、送信可能なパワーにどれくらいの余裕がさらにあるかを指示するか、パワー修正(power pre-correction)に用いられる値であってよい。UL Power Headroomフィールドに対するControl IDは、4であってよい。また、Controlサブフィールドは、BQR Controlフィールドであってよい。BQR Controlフィールドは、サブチャネルの状態を指示するシグナリングである、BQR(bandwidth query report)を指示できる。BQR ControlフィールドのControl IDは、5であってよい。例えば、BQRは、サブチャネルの使用が可能かを指示できる。また、Controlサブフィールドは、CAS Controlフィールドであってよい。CAS Controlフィールドは、CAS(command and status)に関する情報を指示できる。CAS ControlフィールドのControl IDは、6であってよい。
【0477】
図37(e)は、OM Controlフィールドを示す。
図37(e)で、OM Controlサブフィールドは、Rx NSSサブフィールド、Channel Widthサブフィールド、UL MU Disableサブフィールド、Tx NSTSサブフィールド、ER SU Disableサブフィールド、DL MU-MIMO Resound Recommendationサブフィールド、及びUL MU Data Disableサブフィールドを含んでよい。Rx NSSサブフィールド、Channel Widthサブフィールド、UL MU Disableサブフィールド、Tx NSTSサブフィールド、ER SU Disableサブフィールド、DL MU-MIMO Resound Recommendationサブフィールド、及びUL MU Data Disableサブフィールドはそれぞれ、3ビットフィールド、2ビットフィールド、1ビットフィールド、3ビットフィールド、1ビットフィールド、1ビットフィールド、及び1ビットフィールドであってよい。また、それらのフィールドの具体的なフォーマットは、37(e)の通りでよい。
【0478】
OMに対する情報は、送信運営モードに関する情報又は受信運営モードに関する情報を含んでよい。OMに対する情報を受信したステーションは、受信したOMに対する情報に対してACKを送信できる。OMに対する情報を受信したステーションは、受信したOMに対する情報に基づいて、OMに対する情報を送信したステーションにフレーム又はPPDUを送信できる。例えば、OMに対する情報は、送信又は受信可能な最大能力に関する情報を含んでよく、OMに対する情報を受信したステーションは、OMに対する情報が指示する最大能力以下でフレーム又はPPDUを送信できる。OMに対する情報は、特定モードが活性化(enable)されたか、非活性化(disable)又は遅延(suspend)されたかに関する情報を含んでよい。特定モードが非活性化された場合に、OMに対する情報を受信したステーションは、当該モードを用いてフレーム又はPPDUを送信しなくてよい。特定モードが非活性化された場合に、OMに対する情報を受信したステーションは、当該モードを用いるように要請しなくてよい。このとき、特定モードは、UL MU動作に関するモードであってよい。具体的には、UL MU動作に関するモードは、UL MU Data Disableサブフィールド及びUL MU Disableサブフィールドのうち少なくともいずれか一つが指示する情報であってよい。
【0479】
図38は、本発明の実施例に係るAPがOM ControlフィールドのUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドをデコードする方法を示す。
【0480】
UL MU Disableサブフィールドは、トリガリングフレームに応答する動作が活性化されたかを指示できる。このとき、トリガリングフレームは、トリガーフレームとTRS Controlフィールドを含むフレームを含む。トリガリングフレームに応答する動作は、UL MU送信を行う動作又はUL MU送信と関連した動作であってよい。トリガリングフレームを受信したステーションは、トリガリングフレームに対する応答としてTB PPDUを送信できる。トリガリングフレームがMU-RTSフレームである場合に、MU-RTSフレームを受信したステーションは、トリガリングフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。トリガリングフレームとトリガリングフレームに対する応答フレームとの間の間隔は、SIFSであってよい。
【0481】
ステーションが送信したUL MU Disableサブフィールドが、UL MU送信動作が非活性化される旨を指示することは、ステーションがトリガリングフレームに対する応答を送信できない旨をシグナルすることであってよい。このとき、トリガリングフレームに対する応答は、前述したTB PPDU及びCTSフレームである。UL MU Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Disableサブフィールドに対するACKを送信できる。
【0482】
また、UL MU送信が非活性化される旨を指示するUL MU Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Disableサブフィールドを送信したステーションにトリガリングフレームを送信しなくてよい。ステーションが送信したUL MU Disableサブフィールドが、UL MU送信動作が活性化される旨を指示することは、ステーションがトリガリングフレームに対する応答を送信できる旨をシグナルすることであってよい。また、UL MU送信が活性化される旨を指示するUL MU Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Disableサブフィールドを送信したステーションにトリガリングフレームを送信できる。
【0483】
UL MU Data Disableサブフィールドは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションがトリガリングフレームを受信し、トリガリングフレームに対する応答としてデータフレームを送信する動作が活性化されたかを指示できる。具体的には、UL MU Data Disableサブフィールドは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションがベーシックトリガーフレームを受信し、ベーシックトリガーフレームに対する応答としてデータフレームを送信できるかを指示できる。
【0484】
ステーションが送信したUL MU Data Disableサブフィールドが、UL MU Data送信動作が非活性化される旨を指示することは、ステーションがトリガリングフレームに対する応答としてデータフレームを送信できない旨をシグナルすることであってよい。UL MU Data Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Data Disableサブフィールドに対するACKを送信できる。ステーションが送信したUL MU Data DisableサブフィールドがUL MU Data送信動作が非活性化されることを指示しても、ステーションは、トリガリングフレームに対する応答としてコントロールフレーム又はマネジメントフレームを送信できる。また、UL MU Data DisableサブフィールドがUL MU Data送信動作が非活性化されることを指示しても、ステーションは、ベーシックトリガーフレームでないトリガーフレームに対する応答を送信できる。このとき、ステーションが送信したUL MU Disableフィールドは、ステーションのUL MU送信動作が活性化されたことを指示できる。また、UL MU Data送信が非活性化されることを指示するUL MU Data Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションにトリガリングフレームを送信できる。ただし、UL MU Data送信が非活性化されることを指示するUL MU Data Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションにトリガリングフレームに対する応答としてデータフレームが送信されることを期待しなくてよい。
【0485】
ステーションが送信したUL MU Data Disableサブフィールドが、UL MU Data送信動作が活性化される旨を指示することは、ステーションがトリガリングフレームに対する応答としてデータフレームを送信できる旨をシグナルすることであってよい。ステーションのUL MU DisableサブフィールドUL MU送信が活性化されることを指示する場合にのみ、UL MU Data DisableサブフィールドがUL MU Data送信動作が活性化されることを指示できる。また、UL MU Data送信が活性化されることを指示するUL MU Data Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションに、トリガリングフレームを送信できる。UL MU Data送信が非活性化されることを指示するUL MU Data Disableサブフィールドを受信したステーションは、UL MU Data Disableサブフィールドを送信したステーションに、トリガリングフレームに対する応答データフレームが送信されることを期待してよい。
【0486】
また、ステーションは、最後に送信するか、受信したOMに対する情報に基づいて動作することができる。また、non-APステーションは、UL MU DisableサブフィールドとUL MU Data Disableサブフィールドを送信し、APは、UL MU DisableサブフィールドとUL MU Data Disableサブフィールドを受信する。
【0487】
図38の表に示すように、UL MU Disableサブフィールドの値が1である場合に、UL MU Disableサブフィールドは、UL MU送信動作が非活性化されることを指示できる。また、UL MU Disableサブフィールドの値が0である場合に、UL MU Disableサブフィールドは、UL MU送信動作が活性化されることを指示できる。また、UL MU Data Disableサブフィールドの値が1である場合に、UL MU Data Disableサブフィールドは、UL MU Data送信動作が非活性化されることを指示できる。また、UL MU Data Disableサブフィールドの値が0である場合に、UL MU Data Disableサブフィールドは、UL MU Data送信動作が活性化されることを指示できる。ただし、UL MU Disableサブフィールドの値が1である場合に、UL MU Data Disableサブフィールドの値が0であっても、UL MU Data Disableサブフィールドは、UL MU Data送信が非活性化されることを指示できる。また、UL MU Disableサブフィールドの値が1であり、UL MU Data Disableサブフィールドの値が1であるものは、リザーブドであってよい。
【0488】
APは、UL MU Data Disableサブフィールドをデコードできる(capable)かをシグナルすることができる。具体的には、APは、EHT Capabilitiesエレメントを用いて、UL MU Data Disableサブフィールドをデコードできるかをシグナルすることができる。APがUL MU Data Disableサブフィールドをデコードできることをシグナルした場合に、APは、ステーションが送信したUL MU Disableサブフィールドの値及びUL MU Data Disableサブフィールドの値とを組み合わせてステーションのUL MU送信動作モードを判断できる。APがUL MU Data Disableサブフィールドをデコードできないことをシグナルした場合に、APは、ステーションが送信したUL MU Disableサブフィールドの値のみに基づいてステーションのUL MU送信動作モードを判断できる。また、APがUL MU Data Disableサブフィールドをデコードできないことをシグナルした場合に、ステーションがUL MU Data Disableサブフィールドの値を1に設定することが許容されなくてよい。また、APがUL MU Data Disableサブフィールドをデコードできないことをシグナルした場合に、ステーションは、全てのトリガーベース動作が活性化されるモード又は全てのトリガーベース動作が非活性化されるモードのみを設定できる。
【0489】
UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドが指示するUL MU動作に共有TXOPに関する動作は含まれなくてよい。
【0490】
図39は、本発明の実施例に係るステーションがUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Dataサブフィールドに基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する方法を示す。
【0491】
ステーションがUL MU送信に関する動作を非活性化した場合に、ステーションは、前述したMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。このとき、ステーションは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。具体的には、ステーションが1に設定されたUL MU Disableサブフィールドを送信し、UL MU Disableサブフィールドに対するACKを受信した場合に、ステーションは、全てのACに対するMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。また、ステーションが1に設定されたUL MU Data Disableサブフィールドを送信し、UL MU Data Disableサブフィールドに対するACKを受信した場合に、ステーションは、全てのACに対するMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。
【0492】
図39(a)で、第2ステーション(STA2)がUL MU Disableサブフィールドの値を1に設定してOM Controlフィールドを第1ステーション(STA1)に送信する。第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)に、OM Controlフィールドに対するACKを送信する。第2ステーション(STA2)がACKを受信したとき、第2ステーション(STA2)は、全てのACに対するMU EDCAタイマーの値を0に設定する。
【0493】
図39(b)で、第2ステーション(STA2)が、UL MU Disableサブフィールドの値が0であり、UL MU Data Disableサブフィールドの値が1に設定されたOM Controlフィールドを、第1ステーション(STA1)に送信する。第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)に、OM Controlフィールドに対するACKを送信する。第2ステーション(STA2)がACKを受信したとき、第2ステーション(STA2)は、全てのACに対するMU EDCAタイマーの値を0に設定する。
【0494】
図40は、本発明のさらに他の実施例に係るAPがOM ControlフィールドのUL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドをデコードする方法を示す。
【0495】
UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドが指示するUL MU送信動作に共有TXOP動作の活性化が含まれるか否かが問題になり得る。このとき、共有TXOP動作の非活性化は、ステーションがMU-RTS TXSフレームに応答するか、共有TXOP内で送信する動作が非活性化されることを示すことができる。ステーションが共有TXOP動作の非活性化することを指示する場合に、APはステーションにMU-RTS TXSフレームを送信しなくてよい。
【0496】
共有TXOP動作非活性化シグナリングに関する第一の実施例において、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドが指示するUL MU送信動作の非活性化に共有TXOP動作が含まれなくてよい。このとき、UL MU DisableサブフィールドがUL MU送信動作が非活性化されることを指示するか、UL MU Data DisableサブフィールドがUL MUデータ送信動作が非活性化されることを指示しても、共有TXOP動作が非活性化されることを指示するものではなくてよい。
【0497】
共有TXOP動作非活性化シグナリングに関する第二の実施例において、UL MU DisableサブフィールドがステーションのUL MU送信動作が非活性化されることをシグナルする場合に、UL MU Disableサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性されることをシグナルすることができる。ただし、UL MU Data DisableサブフィールドがステーションのUL MUデータ送信動作が非活性化されることをシグナルする場合に、UL MU Data Disableサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性化されるか否かをシグナルすることが不可能であってよい。
図40(a)は、このような実施例が適用されるとき、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドの意味を示す。
【0498】
共有TXOP動作非活性化のシグナリングに関する第三の実施例において、UL MU Disableサブフィールドが、ステーションのUL MU送信動作が非活性化されることをシグナルする場合に、UL MU Disableサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性されることをシグナルすることができる。また、UL MU Data Disableサブフィールドが、ステーションのUL MUデータ送信動作が非活性化されることをシグナルする場合に、UL MU Data Disableサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性化されることをシグナルすることができる。
図40(b)は、このような実施例が適用されるとき、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドの意味を示す。
【0499】
共有TXOP動作非活性化シグナリングに関する第四の実施例において、UL MU Disableサブフィールドが、ステーションのUL MU送信動作が非活性化され、UL MU Data DisableサブフィールドがステーションのUL MUデータ送信動作が非活性化されることをシグナルする場合にのみ、UL MU DisableサブフィールドとUL MU Data Disableサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性されることをシグナルすることができる。このとき、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドは、ステーションの全てのトリガーベース動作が非活性化されることをシグナルすることができる。
図40(c)は、このような実施例が適用されるとき、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールドの意味を示す。
【0500】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、このとき、UL MU Disableサブフィールド及びUL MU Data Disableサブフィールド以外の別のシグナリングフィールドを用いて、共有TXOP動作が非活性化されるかを指示できる。また、ステーションはOM Controlサブフィールド以外の別のControlサブフィールド、例えばEHT OM Controlサブフィールドを用いて動作情報をシグナルすることができる。EHT OM Controlサブフィールドは、A-Controlフィールドに含まれるControlサブフィールドの一種である。また、EHT OM ControlサブフィールドのControl IDは、7であってよい。
【0501】
EHT OM Controlサブフィールドは、Rx NSS Extensionサブフィールド、Channel Width Extensionサブフィールド、及びTx NSTS Extensionサブフィールドを含んでよい。また、EHT OM ControlサブフィールドのControl Informationサブフィールドは、6ビットフィールドであってよい。Rx NSS Extensionサブフィールド、Channel Width Extensionサブフィールド、及びTx NSTS Extensionサブフィールドはいずれも、1ビットフィールドであってよい。また、Rx NSS Extensionサブフィールド、Channel Width Extensionサブフィールド、及びTx NSTS Extensionサブフィールドはそれぞれ、EHT OM Controlサブフィールドの1番目のビット、2番目のビット、及び3番目のビットに位置してよい。EHT OM Controlサブフィールドが含む情報は、OM Controlサブフィールドが含む情報と共に解釈されてよい。例えば、Rx NSS Extensionサブフィールドは、ステーションが受信できる最大空間ストリーム(spatial stream)の個数を指示し、ステーションが受信できる最大空間ストリームの数が8個を超える値であるとき、それを指示するために用いられてよい。また、Tx NSTS Extensionサブフィールドは、ステーションが送信できる最大空間-時間ストリーム(space-time stream)個数を指示し、ステーションが送信できる最大空間-時間ストリームの個数が8個を超える値であるとき、それを指示するために用いられてよい。また、Channel Width Extensionサブフィールドは、ステーションが送信、受信可能な運営チャネル帯域幅(operating channel width)を指示し、ステーションが送信、受信可能な運営チャネル帯域幅が160MHzを超える値、例えば320MHzであるとき、それを指示するために用いられてよい。
【0502】
EHT OM Controlサブフィールドは、ステーションの共有TXOP動作が非活性化されるかを指示するシグナリングを含んでよい。共有TXOP動作が非活性化されるかを指示するシグナリングは、1ビットフィールドであってよい。具体的には、EHT OM ControlサブフィールドのControl Informationサブフィールドの4番目のビット(B3)が、ステーションの共有TXOP動作が非活性化されるかを指示するシグナリングであってよい。ステーションがステーションの共有TXOP動作が非活性化されるかをシグナリングする場合に、シグナリングを受信したステーションは、シグナリングを送信したステーションにMU-RTS TXSフレームを送信することが許容されなくてよい。
【0503】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションの共有TXOP動作が非活性化されるかを指示するシグナリングは、EHT Capabilitiesに含まれてよい。EHT Capabilitiesエレメントは、ビーコンフレーム、プローブ要請フレーム、プローブ応答フレーム、結合要請フレーム、結合応答フレーム、再結合応答フレーム、及び再結合要請フレームに含まれてよい。
【0504】
ステーションが共有TXOP内で送信することは、ステーションの動作を制限するため、ステーションはこのような動作を非活性化させてよい。また、ステーションが共有TXOPに参加することは、トリガリングフレームに応答してTB PPDUを送信するか、CTSフレームを送信するほど、制約が大きくない。したがって、前述した一部の実施例のように、既存トリガーベース動作とは別個に共有TXOP動作を非活性化することが必要であり得る。
【0505】
図41は、本発明の実施例に係るステーションが共有TXOP動作に基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する動作を示す。
【0506】
前述したように、ステーションがUL MU送信動作を非活性するとき、MU EDCAタイマーを0に設定できる。ただし、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDACパラメータセットが設定された場合に、ステーションは、UL MU送信動作を非活性化する動作に基づいて、MU EDCAタイマーを0に設定しなくてよい。このとき、UL MU送信動作非活性化する動作は、先の
図37~
図40で説明した実施例に従えばよい。具体的には、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDACパラメータセットが設定された場合に、ステーションは、UL MU送信動作を非活性化するシグナリングに基づいてMU EDCAタイマーを0に設定しなくてよい。したがって、共有TXOP内でステーションがUL MU動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても、ステーションは、MU EDCAタイマーを0に設定しなくてよい。このとき、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDCAタイマーが設定され、ステーションが共有TXOP外でUL MU動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、ステーションは、MU EDCAタイマーを0に設定できる。
【0507】
さらに他の具体的な実施例において、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDCAタイマーが設定され、ステーションが共有TXOP内でUL MU送信動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信する場合に、ステーションは、共有TXOPが終了した時点又は共有TXOP使用を終了する時点に、MU EDCAタイマーの値を0に設定できる。
【0508】
前述した実施例において、UL MU送信動作の非活性化は、共有TXOP動作を非活性化しないUL MU動作非活性化に限定されてよい。また、UL MU動作を非活性するシグナリングは、共有TXOP動作を非活性化しないシグナリングに限定されてよい。したがって、UL MU Data送信動作又はUL MU送信動作が非活性化されても、共有TXOP動作を非活性化されない場合にのみ、前述した実施例が適用されてよい。TXOP動作が非活性化される場合に、ステーションは、MU EDCAタイマーを0に設定できる。具体的には、ステーションがTXOP動作を非活性化するシグナリングを成功的に送信した場合に、ステーションはMU EDCAタイマーを0に設定できる。
【0509】
前述した実施例において、MU EDCAパラメータセットは、レガシーEDCAパラメータセットと他のパラメータセットに取り替えられてよい。また、前述したUL MU送信動作は、UL MUデータ送信動作に取り替えられてよい。
【0510】
図41で、APはnon-APステーション(Non-AP STA)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信してnon-APステーション(Non-AP STA)に共有TXOPを割り当てる。non-APステーション(Non-AP STA)はAPにCTSフレームを送信する。共有TXOP内でnon-APステーション(Non-AP STA)はAPにULフレーム(UL frame 1)を送信する。non-APステーション(Non-AP STA)は、上り送信フレーム(UL frame 1)に対する応答を含むDLフレーム(DL frame 1)を受信する。non-APステーション(Non-AP STA)は、MU EDCAパラメータセットによってEDCAパラメータセットを設定する。non-APステーション(Non-AP STA)は、UL MU送信動作を非活性化するシグナリングを含むULフレーム(UL frame 2)を送信する。このとき、UL MU送信動作を非活性化するシグナリングは、共有TXOP動作を非活性化しない。non-APステーション(Non-AP STA)がULフレーム(UL frame 2)を成功的に送信しても、non-APステーション(Non-AP STA)はMU EDCAタイマーを0に設定しない。
【0511】
さらに他の具体的な実施例において、UL MU送信動作を非活性化する場合に、ステーションは、共有TXOP動作に関係なくMU EDCAタイマーを0に設定できる。
【0512】
前述した実施例において、シグナリングを含むフレームが即刻応答を要求する場合に、シグナリングを成功的に送信することは、シグナリングを含むフレームに対するACKを受信することであってよい。また、シグナリングを含むフレームが即刻応答を要求しない場合に、シグナリングを成功的に送信することは、シグナリングを送信することであってよい。
【0513】
図42は、本発明の実施例に係るステーションが共有TXOP動作に基づいてMU EDCAパラメータセットを設定する動作を示す。
【0514】
図41で説明した実施例においてUL MU送信動作又はUL MUデータ送信動作を非活性化するシグナリングが共有TXOP動作を非活性化する場合に、MU EDCAパラメータセットがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されても、ステーションはMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。このとき、UL MU動作を非活性化するシグナリングは、
図37~
図40の実施例によって設定されてよい。
【0515】
例えば、ステーションがUL MU送信動作非活性化をシグナルする場合に、共有TXOP動作が非活性化されてよい。このとき、ステーションがUL MU送信動作非活性化をシグナルする場合に、MU EDCAパラメータセットがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されても、ステーションはMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。
【0516】
また、ステーションがUL MU送信動作非活性化をシグナルしても、共有TXOP動作が非活性化されなくてよい。ただし、ステーションがUL MUデータ送信動作非活性化をシグナルする場合に、共有TXOP動作が非活性化されてよい。このとき、ステーションがUL MUデータ送信非活性化をシグナルする場合に、MU EDCAパラメータセットがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されても、ステーションはMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。
【0517】
図42で、APは、non-APステーション(Non-AP STA)にMU-RTS TXSトリガーフレームを送信してnon-APステーション(Non-AP STA)に共有TXOPを割り当てる。non-APステーション(Non-AP STA)はAPにCTSフレームを送信する。共有TXOP内でnon-APステーション(Non-AP STA)はAPにULフレーム(UL frame 1)を送信する。non-APステーション(Non-AP STA)は、上り送信フレーム(UL frame 1)に対する応答を含むDLフレーム(DL frame 1)を受信する。このとき、non-APステーション(Non-AP STA)は、MU EDCAパラメータセットによってEDCAパラメータセットを設定する。
図42(a)で、non-APステーション(Non-AP STA)は、UL MU送信動作を非活性化するシグナリングを含むULフレーム(UL frame 2)を送信する。また、
図42(b)で、non-APステーション(Non-AP STA)は、UL MUデータ送信動作を非活性化するシグナリングを含むULフレーム(UL frame 2)を送信する。このとき、UL MU送信動作を非活性化するシグナリングは、共有TXOP動作を非活性化する。また、UL MUデータ送信動作を非活性化するシグナリングは、共有TXOP動作を非活性化する。したがって、non-APステーション(Non-AP STA)がULフレーム(UL frame 2)に対する応答を受信したとき、non-APステーション(Non-AP STA)はMU EDCAタイマーを0に設定する。
【0518】
図41及び
図42などで説明した実施例において、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDCAタイマーが設定されることは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されることであってよい。MU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずにMU EDCAタイマーが設定されることは、少なくとも1つのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずに設定されることであってよい。少なくとも1つのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずに設定され、UL MU送信動作が非活性化される場合に、ステーションは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。全てのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定され、UL MU送信動作が非活性化される場合に、ステーションは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーの値を0に設定できない。
【0519】
MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいてMU EDCAタイマーが設定されることは、少なくとも1つのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されることであってよい。MU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずにMU EDCAタイマーが設定される全てのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずに設定されることであってよい。全てのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づかずに設定され、UL MU送信動作が非活性化される場合に、ステーションは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーの値を0に設定できる。少なくとも1つのACに該当するMU EDCAタイマーがMU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定され、UL MU送信動作が非活性化される場合に、ステーションは、全てのACに該当するMU EDCAタイマーの値を0に設定できない。
【0520】
さらに他の具体的な実施例において、UL MU送信動作が非活性化されることに基づいてステーションがMU EDCAタイマーを0に設定することは、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されたかに関係なく、全てのACに該当するMU EDCAタイマーを0に設定することであってよい。また、UL MU送信動作が非活性化されることに基づいてステーションがMU EDCAタイマーを0に設定することは、MU-RTS TXSトリガーフレームに基づいて設定されていないMU EDACタイマーのみを0に設定することであってよい。
【0521】
また、前述した全てのACに該当するMU EDCAタイマーは、0でない値を有する全てのMU EDCAタイマーであってよい。
【0522】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOP動作を支援するステーションは、UL MU送信を非活性化することに基づいて、MU EDCAタイマーを0に設定することが許容されなくてよい。すなわち、共有TXOP動作を支援するステーションがUL MU送信を非活性化するシグナリングを成功的に送信しても、MU EDCAタイマーがMU RTS TXSフレームに基づいて設定されたことに関係なく、共有TXOP動作を支援するステーションがMU EDCAタイマーを0に設定することが許容されなくてよい。このような実施例において、共有TXOP動作を支援しないステーションは、UL MU送信を非活性化することに基づいて、MU EDCAタイマーを0に設定できる。また、共有TXOP動作を支援するステーションは、UL MU送信を非活性化することに基づいてMU EDCAタイマーを0に設定できない。
【0523】
また、前述した実施例において、MU EDCAタイマーの値を0に設定することは、全てのACに対するMU EDCAタイマーの値を0に設定することであってよい。さらに他の具体的な実施例において、MU EDCAタイマーの値を0に設定することは、成功的に送信したフレームに該当するACのMU EDCAタイマーの値を0に設定することであってよい。また、前述した実施例において、MU EDCAパラメータセットを使用するか、使用しない動作は、全てのACにMU EDCAパラメータセットを使用するか、使用しない動作であってよい。さらに他の具体的な実施例において、MU EDCAパラメータセットを使用するか、使用しない動作は、成功的に送信したフレームに該当するACのEDCAパラメータにおいてMU EDCAパラメータセットを使用するか、使用しない動作であってよい。
【0524】
本発明の一実施例によれば、前述したように、複数のEDCAパラメータセットを用いることが可能である。例えば、3個以上のEDCAパラメータセットを用いることが可能である。また、複数のEDCAパラメータセットは、第1グループに含まれるものと、第2グループに含まれるものとに区別されてよい。例えば、第1グループにレガシーEDCAパラメータセットが含まれてよい。また、第2グループに、modified MU-RTS フレームに基づかず、且つTB PPDUを送信することに基づいて使用するMU EDCAパラメータセットと、modified MU-RTS フレームに基づくMU EDCAパラメータセットが含まれてよい。第2グループに含まれるEDCAパラメータセットは、timerを含んでよい。例えば、第2グループに含まれたEDCAパラメータセットのうち、タイマーが0であるEDCAパラメータセットが存在すれば、0でないタイマーに該当するEDCAパラメータセットを用いることができる。しかし、仮に第2グループに含まれたEDCAパラメータセットのうち、複数のタイマーが0でない場合に、既に設定された規則のEDCAパラメータをを用いることができる。一実施例によれば、タイマーが0でないEDCAパラメータセットに該当するパラメータのうち、最大の値を用いることができる。例えば、タイマーが0でないEDCAパラメータセットに該当するCWmin[AC]が複数存在するとき、最大のCWmin[AC]値を用いてチャネルアクセスすることができる。CWmin[AC]の他に、Wmax[AC]、AIFSN[AC]、TXOPLimit[AC]に対しても同一であってよい。他の実施例によれば、タイマーが0でないEDCAパラメータセットに該当するparameterのうち、最小の値を用いることができる。説明した実施例は、ある特定ACについて説明したものであってよい。例えば、タイマーが0でないEDCAパラメータセットが複数存在するということは、特定ACに該当するタイマーが0でないEDCAパラメータセットが複数存在するということを意味してよい。また、第2グループに含まれたEDCAパラメータセットのタイマーがいずれも0である場合に、第1グループに含まれるEDCAパラメータセットを用いることができる。
【0525】
以上、無線LAN通信を取り上げて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されず、セルラー通信などの他の通信システムにおいても同一に適用されてよい。また、本発明の方法、装置及びシステムは特定実施例と関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピュータシステムを用いて具現可能である。
【0526】
以上で実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるもので、必ずしも一つの実施例に限定されるものではない。さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組合せ又は変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【0527】
以上では実施例を中心にして説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施可能である。そして、このような変形と応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0528】
100 ステーション
110 プロセッサ
120 通信部
140 ユーザインタフェース
150 ディスプレーユニット
160 メモリ
200 AP
210 プロセッサ
220 通信部
260 メモリ
300 サーバ
【国際調査報告】