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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】放射線走査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20240621BHJP
   G01N 23/10 20180101ALI20240621BHJP
【FI】
G01N23/046
G01N23/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579427
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2022104354
(87)【国際公開番号】W WO2023280268
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202110770212.8
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511031733
【氏名又は名称】チンファ ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
【住所又は居所原語表記】No. 1, Qinghua Yuan, Haidian District, Beijing 100084, China
(71)【出願人】
【識別番号】515221794
【氏名又は名称】ヌクテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【弁理士】
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジーチアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,リー
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チンピン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ジェンファ
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,シン
(72)【発明者】
【氏名】ジ,チャオ
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001AA10
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA02
2G001DA06
2G001DA08
2G001HA14
2G001JA09
2G001KA06
2G001LA10
2G001PA11
(57)【要約】
放射線走査装置であって、被検体(6)を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置(1)と、少なくとも1つの放射線源点をそれぞれが有する複数の放射線源モジュール(31,32,33,34)であって、被検体(6)の輸送方向に沿って見て、走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で走査領域を囲むように配置される複数の放射線源モジュール(31,32,33,34)を備える放射線源(3)と、被検体の輸送方向に沿って見て、端部が互いに接続され、且つ前記走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で前記走査領域を囲むように配置される複数の検知器群(41,42,43,44)を備え、走査中に被検体(6)を透過した放射線を検出する検知器(4)と、を備え、放射線源(3)の非閉鎖構造の開口と検知器の非閉鎖構造の開口は対向して設置され、検知器(4)の複数の検知器群(41,42,43,44)は、被検体(6)の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、且つ、放射線源(3)の複数の放射線源モジュール(31,32,33,34)は、被検体(6)の輸送方向に垂直な複数の異なる平面内に配置されている。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線走査装置であって、
被検体を搬送して前記放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、
放射線ビームを放射する少なくとも1つの放射線源点をそれぞれが有する複数の放射線源モジュールであって、被検体の輸送方向に沿って見て、前記走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で前記走査領域を囲むように配置される複数の放射線源モジュールを備える放射線源と、
被検体の輸送方向に沿って見て、端部が互いに接続され且つ前記走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で前記走査領域を囲むように配置される複数の検知器群を備え、走査中に被検体を透過した放射線を検出する検知器と、を備え、
前記放射線源の非閉鎖構造の開口と前記検知器の非閉鎖構造の開口は対向して設置され、
前記検知器の複数の検知器群は、前記被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、且つ、前記放射線源の複数の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な複数の異なる平面内に配置されている、
放射線走査装置。
【請求項2】
前記放射線源の前記検知器の非閉鎖構造の開口側に位置する放射線源モジュールと、前記検知器の複数の検知器群とは、前記被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、前記被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に固定されている、
請求項1に記載の放射線走査装置。
【請求項3】
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、前記被検体の輸送方向に垂直な他の同一平面内に固定されている、
請求項2に記載の放射線走査装置。
【請求項4】
前記複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能である、
請求項3に記載の放射線走査装置。
【請求項5】
前記複数の放射線源モジュールのそれぞれは分散型マルチポイント源であり、前記被検体の輸送方向に沿って見て、複数の分散型マルチポイント源はそれぞれ前記走査領域の三側に配置されて、前記走査領域を囲んで一側が開口した非閉鎖構造が構成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項6】
前記分散型マルチポイント源は、前記被検体の輸送方向から見て前記放射線源が前記走査領域の一側に開口する直角矩形、角丸矩形、多角形又は楕円形構造として形成されるように、直線状、弧線状、折れ線形状又はこれらの任意の組み合わせが形成られる、
請求項5に記載の放射線走査装置。
【請求項7】
前記複数の放射線源モジュールのそれぞれはシングルポイント源群であり、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の放射線走査装置。
【請求項8】
各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の放射線走査装置。
【請求項9】
各放射線源モジュールのキャビティは、複数のターゲットポイントを収容するための個別の真空キャビティを含む、
請求項8に記載の放射線走査装置。
【請求項10】
各放射線源モジュール内のターゲットポイント間の間隔は、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔よりも小さい、
請求項9に記載の放射線走査装置。
【請求項11】
各放射線源モジュールの個別のキャビティには、前記放射線源モジュールを取り付けて位置決めするとともに、前記放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するための取付位置決め構造が設けられている、
請求項8に記載の放射線走査装置。
【請求項12】
各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、前記検知器アレイは、直線検知器アレイ、弧状検知器アレイ、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項1~4、6、9~11のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項13】
各検知器群は直線検知器アレイであり、前記検知器は三つの直線検知器アレイを含み、前記三つの直線検知器アレイは、それぞれ前記走査領域の三側に配置されて前記走査領域の一側に開口する矩形又は方形構造が形成される、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項14】
各検知器群は直線検知器アレイであり、前記検知器は複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイを含み、前記第2の直線検知器アレイは前記第1の直線検知器アレイより短く、前記複数の第1の直線検知器アレイ及び前記複数の第2の直線検知器アレイは前記走査領域を囲んで交互に配置されて前記走査領域の一側に開口する多角形構造を形成する、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項15】
前記検知器の各検知器群は、互いに個別に着脱可能である、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項16】
前記検知器の検知器群は、前記被検体の輸送方向に対して垂直又は平行に移動することで着脱されるように構成される、
請求項15に記載の放射線走査装置。
【請求項17】
前記検知器の各検知器群は、検知器アームを含み、前記放射線走査装置は、前記放射線走査装置の取付台に対し固定された支持フレームを含み、前記検知器群は、前記検知器アームを介して前記支持フレームに取り付けられ又は前記支持フレームから取り外される、
請求項16に記載の放射線走査装置。
【請求項18】
前記被検体の輸送方向から見て、前記検知器は、前記放射線源と前記走査領域との間に配置され、
前記被検体の輸送方向に沿って、前記他の放射線源モジュールは、同じ側の検知器群と少なくとも部分的に重なる、
請求項1~4、6、9~11、13~17のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項19】
前記検知器の前記他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを避け、且つ同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側の放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される、
請求項18に記載の放射線走査装置。
【請求項20】
前記検知器群の各検知器ユニットは、走査中に前記被検体を透過した放射線を受信するための検知器結晶を含み、且つ、前記検知器結晶は、前記検知器ユニットの、前記被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、
前記検知器の前記他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群の検知器結晶は、前記被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、前記放射線ビームを遮蔽しないように配置される、
請求項18に記載の放射線走査装置。
【請求項21】
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される、
請求項20に記載の放射線走査装置。
【請求項22】
前記他の放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置で対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように、ターゲット軸周りに回転するように構成される、
請求項21に記載の放射線走査装置。
【請求項23】
画像処理モジュールをさらに含み、前記画像処理モジュールは、前記放射線源モジュールの端部における投影データの欠落に対してデータ補償及び/又は再構成画像修復を行って完全な再構成画像を取得するように配置される、
請求項1~4、6、9~11、13~17、19~22のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項24】
前記画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせにより画像再構成を行うように構成される、
請求項23に記載の放射線走査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年07月07日に提出された名称が「放射線走査装置」である中国特許出願202110770212.8の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、データによる放射線イメージング分野に属し、特に放射線走査装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の静的コンピュータ断層撮影(Computed Tomography、CT)技術(分散型マルチポイント源)又は複数視野角(シングルポイント源)セキュリティ検査装置では、通常、複数の異なる視野角が被検体の輸送方向に垂直又は傾斜する異なる平面内に配置され、又は全ての放射線源が単一の環状又は矩形の密閉キャビティに集中される。検知器アレイの結晶の多くは放射線源の放射線ビームの中心面に垂直であり、同一群の検知器アレイは1群の分散型マルチポイント源又は1つのシングルポイント源のみに対応する。
【0004】
関連技術において、スリップリングCTの動作原理を模擬する二重リング構造設計の静的CTがさらに存在し、放射線源と検知器が2つの異なるリングに配置され、放射線源リングと検知器リングは被検体の輸送方向に沿って一定の間隔を隔てる。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、複数の放射線源が単一の環状密閉キャビティ内に集中することによる信頼性とメンテナンス性が悪いという問題を解決することができると共に、検知器の各検知器群は複数の放射線源モジュールに共用され、それにより装置のコストを低減し、また、光路のカバー範囲をできるだけ短縮する場合に検知器の交換又はメンテナンスを容易にすることができると共に、放射線ビームの中心と検知器の表面との間の傾斜角を低減し、画像品質を向上させることができる放射線走査装置を提供する。
【0006】
第1の態様において、本願の実施例は、被検体を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、放射線ビームを放出する少なくとも1つの放射線源点を含む複数の放射線源モジュールであって、伝送装置の上方に走査領域の周りに配置され且つ被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定された複数の放射線源モジュールを含む放射線源と、走査中に被検体を透過した放射線を検出し、複数の検知器群を含む検知器と、を備え、複数の検知器群の端部が互いに接続されて走査領域の周りに配置され、複数の検知器群の端部が被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定され、検知器は、被検体の輸送方向の垂直方向に沿って放射線源と走査領域との間に位置し、放射線源と検知器とは、被検体の輸送方向に沿って少なくとも部分的に重なるように配置され、複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能である放射線走査装置をさらに提供する。
【0007】
当該実施例に係る放射線走査装置において、伝送装置の上方のみに走査領域を囲むように放射線源モジュールが配置され、伝送装置の下方には放射線源モジュールが配置されず、検知器が走査領域を囲むように配置されることにより、このような放射線走査装置は、伝送装置の高さを低くすることができ、放射線走査装置の伝送装置への被検体の転送を容易にし、画像品質を保証するとともに製造コストを低減することができる。
【0008】
いくつかの実施例によれば、放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であり、複数の放射線源モジュールは走査領域を囲んで伝送装置の下方に開口する非閉鎖構造が構成される。
【0009】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれは、直線分散型マルチポイント源であり、複数の直線分散型マルチポイント源は、走査領域の上側、左側及び右側に配置され、複数の直線分散型マルチポイント源の端部は、直接接続され又は間隔を置いて配置される。
【0010】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールは、複数の第1の分散型マルチポイント源と複数の第2の分散型マルチポイント源とを含み、複数の第1の分散型マルチポイント源と複数の第2の分散型マルチポイント源とは交互に配置され、且つ端部同士は直接接続され又は間隔を置いて設置される。
【0011】
いくつかの実施例によれば、第1の分散型マルチポイント源は、直線分散型マルチポイント源であり、第2の分散型マルチポイント源は、第1の分散型マルチポイント源よりも長さが短い直線分散型マルチポイント源又は弧状分散型マルチポイント源である。
【0012】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれはシングルポイント源群であり、複数のシングルポイント源群は少なくとも伝送装置の上方の左側視野角、右側視野角、頂部視野角及びコーナー斜め視野角に配置され、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む。
【0013】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する。
【0014】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールの個別キャビティには、放射線源モジュールを取り付けて位置決めするとともに、放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するための取付位置決め構造が設けられている。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、複数の検知器群は、走査領域を取り囲む閉じた正方形構造、長方形構造、多角形構造、または楕円形構造として配置される。
【0016】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は直線検知器アレイであり、検知器は4つの直線検知器アレイを含み、4つの直線検知器アレイは走査領域の上下左右の四側に配置され、長方形又は正方形構造が形成される。
【0017】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は直線検知器アレイであり、検知器は複数の第1の直線検知器アレイと複数の第2の直線検知器アレイを含み、第2の直線検知器アレイは第1の直線検知器アレイより短く、第1の直線検知器アレイと第2の直線検知器アレイは走査領域の周りに交互に配置されて多角形構造が形成される。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、検知器の各検知器群は、互いに個別に着脱可能である。
【0019】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、被検知物の輸送方向に沿って移動されることで着脱される。
【0020】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、一部の検知器群を被検体の輸送方向に沿って移動させすることで着脱させ、他の一部の検知器群を被検体の輸送方向の垂直方向に沿って移動させすることで着脱させるように構成される。
【0021】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、検知器アームを含み、放射線走査装置は、放射線走査装置の取付台に対し固定された支持フレームを含み、検知器群は、検知器アームを介して被検体の輸送方向又は被検体の輸送方向の垂直方向に沿って移動することで支持フレームに取り付けられ又は支持フレームから取り外される。
【0022】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを避け、且つ同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側の放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される。
【0023】
いくつかの実施例によれば、検知器群の各検知器ユニットは、走査中に被検体を透過した放射線を受信するための検知器結晶を含み、検知器結晶は、検知器ユニットの被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームのエッジに隣接するが、放射線ビームを遮蔽しないように配置される。
【0024】
いくつかの実施例によれば、放射線源の各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。
【0025】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置が対向側の検知器群の検知器結晶を照射するようにターゲット軸周りに回動するように構成される。
【0026】
いくつかの実施例によれば、放射線走査装置は、放射線源モジュールの端部における投影データの欠落に対しデータ補償及び/又は再構成画像修復を行って完全な再構成画像を得るように配置される画像処理モジュールをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施例によれば、画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせにより画像再構成を行うように構成される。
【0028】
第2の態様において、本願の実施例は、被検体を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、放射線ビームを放出する少なくとも1つの放射線源点を含む複数の放射線源モジュールであって、走査領域の左側又は右側に開口した非閉鎖構造で走査領域の周りに配置され、且つ被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定される複数の放射線源モジュールを含む放射線源と、走査中に被検体を透過した放射線を検出し、複数の検知器群を含む検知器と、を備え、複数の検知器群の端部は互いに接続されて走査領域の周りに配置され、且つ複数の検知器群は被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定され、検知器は被検体の輸送方向の垂直方向に沿って放射線源と走査領域との間に位置し、放射線源及び検知器は被検体の輸送方向に沿って少なくとも部分的に重なるように配置され、且つ複数の放射線源モジュールは互いに個別に着脱可能である、放射線走査装置をさらに提供する。
【0029】
本実施例に係る放射線走査装置において、放射線源モジュールは、走査領域の上側、下側、及び左側又は右側に走査領域を囲むように配置され、検知器は、走査領域を囲むように配置され、このような放射線走査装置は、空港における手荷物を検出することに適用され、空港における手荷物の幅が大きく、厚さが小さいという特徴を利用して、荷物の自己遮蔽及び放射線減衰による投影データへの影響を考慮し、高画質を確保するとともに製造コストを低減することができる。
【0030】
いくつかの実施例によれば、放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であり、複数の放射線源モジュールは走査領域を囲んで走査領域の左側又は右側に開口した非閉鎖構造を構成する。
【0031】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれは、直線分散型マルチポイント源であり、複数の直線分散型マルチポイント源は、走査領域の上側、下側、及び左側又は右側にそれぞれ配置されて、走査領域の左側又は右側に開口した非閉鎖構造を構成し、複数の直線分散型マルチポイント源の端部は、直接接続され又は間隔を置いて配置される。
【0032】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールは、複数の第1の分散型マルチポイント源と複数の第2の分散型マルチポイント源とを含み、複数の第1の分散型マルチポイント源と複数の第2の分散型マルチポイント源とは交互に配置され、且つ端部同士は直接接続され又は間隔を置いて設置される。
【0033】
いくつかの実施例によれば、第1の分散型マルチポイント源は、直線分散型マルチポイント源であり、第2の分散型マルチポイント源は、第1の分散型マルチポイント源よりも長さが短い直線分散型マルチポイント源又は弧状分散型マルチポイント源である。
【0034】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれはシングルポイント源群であり、複数のシングルポイント源群は少なくとも走査領域の頂視野角、底視野角、左側視野角又は右側視野角及び少なくとも一部のコーナー斜め視野角に配置され、且つ各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む。
【0035】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する。
【0036】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールのキャビティは、複数のターゲットポイントを収容するための個別の真空キャビティを含む。
【0037】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュール内のターゲットポイント間の間隔は、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔より小さい。
【0038】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールの個別キャビティには、放射線源モジュールを取り付けて位置決めするとともに、放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するための取付位置決め構造が設けられている。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、複数の検知器群は、走査領域を取り囲む閉じた正方形構造、長方形構造、多角形構造、または楕円形構造として配置される。
【0040】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は直線検知器アレイであり、検知器は4つの直線検知器アレイを含み、4つの直線検知器アレイは走査領域の上下左右の四側に配置され、長方形又は正方形構造を形成する。
【0041】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は直線検知器アレイであり、検知器は複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイを含み、第2の直線検知器アレイは第1の直線検知器アレイより短く、複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイは走査領域の周りに交互に配置されて多角形構造を形成する。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、検知器の各検知器群は、互いに個別に着脱可能である。
【0043】
いくつかの実施例によれば、走査領域の上側と下側、及び放射線源構造の開口部における検知器群は、被検体の輸送方向に垂直に移動することて着脱され、放射線源構造の開口部の対向側における検知器群は、被検体の輸送方向に沿って移動することで着脱されるように構成されている。
【0044】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、検知器アームを含み、放射線走査装置は、放射線走査装置の取付台に対し固定された支持フレームを含み、検知器群は、検知器アームを介して支持フレームに取り付けられ又は支持フレームから取り外される。
【0045】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを避け、同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側の放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される。
【0046】
いくつかの実施例によれば、検知器群の各検知器ユニットは、走査中に被検体を透過した放射線を受信するための検知器結晶を含み、検知器結晶は、検知器ユニットの被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、放射線ビームを遮蔽しないように配置される。
【0047】
いくつかの実施例によれば、放射線源の各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。
【0048】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置が対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように、ターゲット軸周りに回転するように構成される。
【0049】
いくつかの実施例によれば、放射線走査装置は、放射線源モジュールの端部における投影データの欠落に対しデータ補償及び/又は再構成画像修復を行って完全な再構成画像を得るように配置される画像処理モジュールをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施例によれば、画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせにより画像再構成を行うように構成される。
【0051】
第3の態様において、本願の実施例は、被検体を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、放射線ビームを放出する少なくとも1つの放射線源点をそれぞれが含む複数の放射線源モジュールであって、被検体の輸送方向に沿って見て、走査領域の一側に開口した非閉鎖構造で走査領域の周りに配置される複数の放射線源モジュールを含む放射線源と、走査中に被検体を透過した放射線を検出し、複数の検知器群を含む検知器と、を備え、被検体の輸送方向に沿って見て、複数の検知器群の端部が互いに接続され、走査領域の一側に開口した非閉鎖構造で走査領域の周りに配置され、放射線源の非閉鎖構造の開口と検知器の非閉鎖構造の開口とが対向して設けられ、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な複数の異なる平面内に配置される、放射線走査装置をさらに提供する。
【0052】
本実施例に係る放射線走査装置において、放射線源及び検知器は、いずれも三側のみにおいて走査領域を囲み、四側(放射線源及び検知器のうちの1つ又は2つであってもよい)において走査領域を囲む場合に比べて、十分なデータを取得して画像再構成を行うことができ、装置コストを低減し、装置重量を低減し、軽量化された放射線走査装置を提供することができる。
【0053】
いくつかの実施例によれば、放射線源が検知器の非閉鎖構造の開口側に位置する放射線源モジュールと検知器の複数の検知器群は、被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の他の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に固定される。
【0054】
いくつかの実施例によれば、放射線源の他の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な他の同一平面内に固定される。
【0055】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能である。
【0056】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれは分散型マルチポイント源であり、被検体の輸送方向に沿って見て、複数の分散型マルチポイント源はそれぞれ走査領域の三側に配置されて、走査領域を囲んで一側が開口した非閉鎖構造を構成する。
【0057】
いくつかの実施例によれば、分散型マルチポイント源は、放射線源が被検体の輸送方向から見て走査領域の一側に開口した直角矩形、角丸矩形、多角形又は楕円形構造を形成するように、直線状、弧線状、折れ線形状又はそれらの任意の組み合わせを形成する。
【0058】
いくつかの実施例によれば、複数の放射線源モジュールのそれぞれはシングルポイント源群であり、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む。
【0059】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する。
【0060】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールのキャビティは、複数のターゲットポイントを収容するための個別の真空キャビティを含む。
【0061】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュール内のターゲットポイント間の間隔は、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔より小さい。
【0062】
いくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールの個別キャビティには、放射線源モジュールを取り付けて位置決めするとともに、放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するための取付位置決め構造が設けられている。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、検知器アレイは、直線検知器アレイ、弧状検知器アレイ、またはこれらの組み合わせを含む。
【0064】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は直線検知器アレイであり、検知器は3つの直線検知器アレイを含み、3つの直線検知器アレイはそれぞれ走査領域の三側に配置され、走査領域の一側に開口した長方形又は正方形構造を形成する。
【0065】
いくつかの実施例によれば、各検知器群は、直線検知器アレイであり、検知器は、複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイを含み、第2の直線検知器アレイは、第1の直線検知器アレイより短く、複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイは、走査領域を囲んで交互に配置されて走査領域の片側に開口した多角形構造を形成する。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、検知器の各検知器群は、互いに個別に着脱可能である。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、検知器の検知器群は、被検体の輸送方向に対し垂直または平行に移動することで着脱されるように構成される。
【0068】
いくつかの実施例によれば、検知器の各検知器群は、検知器アームを含み、放射線走査装置は、放射線走査装置の取付台に対し固定された支持フレームを含み、検知器群は、検知器アームを介して支持フレームに取り付けられ又は支持フレームから取り外される。
【0069】
いくつかの実施例によれば、被検体の輸送方向から見て、検知器は放射線源と走査領域との間に配置され、被検体の輸送方向に沿って、他の放射線源モジュールは同じ側;の検知器群と少なくとも部分的に重なる。
【0070】
いくつかの実施例によれば、検知器の他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを避け、同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側の放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される。
【0071】
いくつかの実施例によれば、検知器群の各検知器ユニットは、走査中に被検体を透過した放射線を受信するための検知器結晶を含み、検知器結晶は、検知器ユニットの被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、検知器の他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群の検知器結晶は、被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、放射線ビームを遮蔽しないように配置される。
【0072】
いくつかの実施例によれば、放射線源の他の放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。
【0073】
いくつかの実施例によれば、他の放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置が対向側の検知器群の検知器結晶を照射するようにターゲット軸周りに回転するように構成される。
【0074】
いくつかの実施例によれば、放射線走査装置は、放射線源モジュールの端部における投影データの欠落に対しデータ補償及び/又は再構成画像修復を行って完全な再構成画像を得るように配置される画像処理モジュールをさらに含む。
【0075】
いくつかの実施例によれば、画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせにより画像再構成を行うように構成される。
【0076】
第4の態様において、本願の実施例は、放射線走査装置の放射線源の取付位置決め構造を提供し、放射線走査装置は、放射線源及び固定的に設置された支持フレームを含み、取付位置決め構造は、本体を含み、本体は、放射線源及び支持フレームに固定的に接続されることにより、放射線源が本体によって支持フレームに固定的に取り付けられることができ、取付位置決め構造は、移動装置、第1の位置決め装置、昇降装置及び第2の位置決め装置をさらに含み、放射線源は移動装置によって第1の平面において所定の取付位置に移動され、第1の位置決め装置は第1の平面において放射線源を位置決めするために用いられ、昇降装置は第1の方向に沿って放射線源の位置を調整するために用いられ、第1の方向は第1の平面に対して垂直であり、第2の位置決め装置は第1の方向において放射線源の位置を固定するために用いられる。
【0077】
上記実施例の取付位置決め構造を利用して、放射線源の各放射線源モジュールが個別に着脱可能であり、放射線源モジュールのビーム出射角度を調整することもできる。
【0078】
いくつかの実施例によれば、移動装置は、放射線源の長手方向に沿う両端に設けられたローラを含む。
【0079】
いくつかの実施例によれば、第1の位置決め装置は、第1の位置決めピンと、本体及び支持フレームに設けられた第1の位置決めピンに対応する第1のピン孔とを含む。
【0080】
いくつかの実施例によれば、昇降装置は、放射線源の長手方向に沿う両端に設けられ、一端の昇降装置は、昇降可能なローラとして形成され、他端の昇降装置は、リフトねじジャッキとして形成される。
【0081】
いくつかの実施例によれば、第2の位置決め装置は位置決めブロックとして形成され、位置決めブロックは、放射線源が昇降装置によって第1の方向に沿った所定位置に調整された後、本体の下方に置かれる。
【0082】
いくつかの実施例によれば、取付位置決め構造は、所定の軸線に沿って放射線源を回転させて放射線源のビーム出射角度を調整するための調整装置をさらに含む。
【0083】
いくつかの実施例によれば、放射線源には取付軸が設けられ、本体には対応する軸孔が設けられ、本体は軸孔を介して放射線源の取付軸に取り付けられ、位置決め取付構造は位置決め部材及び締結具をさらに含み、本体は位置決め部材と軸孔及び取付軸との係合により放射線源に対し位置決めされ、且つ締結具により放射線源に固定接続され、調整装置は回動駆動装置を含み、回動駆動装置は位置決め部材及び締結具が緩められた場合に放射線源を取付軸の周りに回動駆動することができる。
【0084】
いくつかの実施例によれば、回動駆動装置は、放射線源に固定された調整ブロックと、本体に設けられた調整ブロックに当接するねじジャッキとを含み、ねじジャッキは、調整ブロックを移動させるように回転されすることで、放射線源を回動させることができる。
【0085】
いくつかの実施例によれば、位置決め部材は、第2の位置決めピンと、本体及び放射線源に形成された対応する第2のピン孔とを含み、締結具は、固定ボルトと、本体及び放射線源に形成された対応するねじ孔とを含む。
【0086】
いくつかの実施例によれば、放射線源及び固定的に設置された支持フレームを含み、放射線源は、上記のいずれかの実施例の取付位置決め構造を介して支持フレームに固定して取り付けられる放射線走査装置をさらに提供する。
【0087】
いくつかの実施例によれば、放射線走査装置は、取付位置決め構造により放射線源を回動させて放射線源のビーム出射角度を調整する。
【0088】
第5の態様では、本願の実施例は、放射線走査装置に用いられる検知器の取付固定構造をさらに提供し、放射線走査装置は、検知器と、固定設置された支持フレームとを含み、検知器は、1つ又は複数の検知器群を含み、検知器群は、取付固定構造を介して支持フレームに固定的に取付され又は支持フレームから取り外され、取付固定構造は、第1の取付部、第2の取付部及び固定装置を備え、第1の取付部は検知器群に固定設置され、第2の取付部は支持フレームに固定設置されるとともに、第1の取付部と直線移動可能に係合し、検知器群は、第1の取付部と第2の取付部とが互いに係合した状態で、第2の取付部に沿って所定の取付位置に移動可能であり、固定装置は検知器群の幅方向に沿う一側に設けられ、支持フレームにおける取付基準面に対して検知器群を固定することに用いられる。
【0089】
上記実施例による取付固定構造を利用して、検知器の各検知器群が個別に着脱可能であり、放射線源モジュールの内側に配置される場合に、放射線源モジュールを取り外すことなく着脱及びメンテナンスを行うことができ、検知器群の着脱及びメンテナンスの利便性を向上させる。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、第2の取付部は、第1の取付部と係合した状態で検知器群を所定の取付位置に支持するようにさらに構成される。
【0091】
いくつかの実施例によれば、第1の取付部は、検知器群の長さ方向に沿って延びるスライダを含み、第2の取付部は、スライダと係合する固定ガイドレールを含む。
【0092】
いくつかの実施例によれば、固定装置は、締結具と、支持フレームに設けられた位置決め部材とを含み、位置決め部材の支持フレームから離れた端面は、検知器群の幅方向に沿う一側の表面に当接するための取付基準面として形成され、締結具は、位置決め部材を貫通して位置決め部材の端面に対して検知器群を締め付ける。
【0093】
いくつかの実施例によれば、スライダは、検知器群の幅方向に沿って対向する両側に設けられ、検知器群の幅方向に沿って対向する両側の縁部から内側へ延在する内側延在部を有し、固定ガイドレールは、幅方向に沿って対向する両側において外側へ延在する外側延在部を含み、第1の取付部と第2の取付部とが係合した状態において、スライダの内側延在部は、固定ガイドレールの外側延在部の上方に位置し、両者は接触して重ねて配置されることで、検知器群が固定ガイドレールに吊り下げられる。
【0094】
いくつかの実施例によれば、固定ガイドレールは、スライダの下方でスライダを支持する。
【0095】
いくつかの実施例によれば、第1の取付部は、検知器群の幅方向に沿って延在するスライド溝として形成され、第2の取付部は、スライド溝に係合するスライドロッドとして形成される。
【0096】
いくつかの実施例によれば、スライドロッドの支持フレームに近い一端に凸部が形成され、凸部の検知器群に向かう表面は、検知器群の幅方向に沿う他方側の表面に当接するための取付基準面として形成される。
【0097】
いくつかの実施例によれば、固定装置は、スライドロッドの凸部と対向する他端に設けられ、凸部とそれぞれ検知器群の幅方向の両側に当接するように配置される。
【0098】
いくつかの実施例によれば、固定装置は、位置決めスリーブと締結具とを含み、位置決めスリーブは、スライドロッドの他端に外嵌され、検知器の幅方向に沿う一側に当接し、締結具は、位置決めスリーブをスライドロッドの他端に固定するために用いられる。
【0099】
いくつかの実施例によれば、第2の取付部は、2つのスライドロッドを含み、第1の取付部は、検知器群の長手方向に沿った両端に形成された2つのスライド溝を含み、2つのスライドロッドと2つのスライド溝は、それぞれ互いに係合して検知器群を所定の取付位置に配置する。
【0100】
いくつかの実施例によれば、第1の取付部は、検知器群の幅方向に沿う一側に固定される固定ブロックとして形成され、固定ブロックは、検知器群の厚さ方向に向かう一側の開口を有し、第2の取付部は、支持フレームに固定される片持ち部として形成され、片持ち部の支持フレームから離れる端部には、固定ブロックの開口と直線移動可能に係合する延伸部が設けられる。
【0101】
いくつかの実施例によれば、固定装置は、支持フレームに設けられた固定具と締結具とを含み、固定具の支持フレームから離れた端面は、検知器群の幅方向に沿う一側の表面に当接するための取付基準面として形成され、締結具は、固定具の端面に対して検知器群を締結するために用いられる。
【0102】
いくつかの実施例によれば、第1の取付部と第2の取付部とが係合した状態で、片持ち部は固定ブロックを介して検知器群を所定の取付位置に支持する。
【0103】
いくつかの実施例によれば、検知器と、固定的に設置された支持フレームとを含む放射線走査装置であって、検知器は、1つ又は複数の検知器群を含み、検知器群は、上記のいずれかの実施例の取付固定構造によって支持フレームに取付固定され、又は支持フレームから取り外される放射線走査装置をさらに提供する。
【0104】
いくつかの実施例によれば、検知器群の幅方向は、被検体の輸送方向に対して平行であり、検知器群の長さ方向及び厚さ方向は、被検体の輸送方向に対して垂直であり、被検体の輸送方向は、被検体を輸送して放射線走査装置の走査領域を通過させる方向である。
【0105】
いくつかの実施例によれば、検知器が複数の検知器群を含む場合、複数の検知器群のそれぞれのための取付基準面は、被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に位置する。
【0106】
いくつかの実施例によれば、第1の取付部が第2の取付部に対し直線移動する方向は、被検体の輸送方向に対して平行又は垂直である。
【0107】
本願のその他の特徴および技術的利点は、添付図面およびその他の実施形態の詳細な説明によって、より明確にする。
【図面の簡単な説明】
【0108】
本願の実施例又は関連技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0109】
図1】本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置の構造模式図を示す。
図2図1に示す放射線走査装置の放射線源と検知器の具体的な構造模式図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る放射線源の放射線ビーム形状の模式図を示す。
図4】本願のいくつかの実施例に係るターゲットポイント形態で示される放射線源の分布模式図を示す。
図5】本願のいくつかの実施例に係る放射線源モジュールの取付位置決め構造の模式図である。
図6】本願のいくつかの実施例に係る検知器の分布模式図である。
図7】本願のいくつかの実施例に係るリニア検知器群の構造模式図である。
図8】本願のいくつかの実施例に係る検知器ユニットの概略構造図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係る検知器群の取付固定構造の模式図である。
図10】本願のいくつかの実施例に係る放射線源モジュールとその放射線を受信する検知器群との対応関係の模式図である。
図11】本願のいくつかの実施例に係る図1に示す放射線走査装置の被検体の輸送方向に沿った中心線の断面構造模式図である。
図12】本願のいくつかの実施例に係る検知器と放射線源のレイアウトの上面模式図である。
図13】本願のいくつかの実施例に係る検知器と放射線源との組み合わせ模式図である。
図14】本願のいくつかの実施例に係る図13に示す検知器と放射線源との組み合わせにおける検知器群の分解方向模式図である、
図15】本願のいくつかの実施形態に係る検知器群に適した取付固定構造である。
図16】本願の他のいくつかの実施例に係る検知器群に適した取付固定構造である。
図17】本願のさらに他の実施例に係る検知器群に適した取付固定構造である。
図18】本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置の放射線源及び検知器の配置模式図である。
図19】本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置の放射線源及び検知器のレイアウトの斜視模式図である。
図20図19に示す放射線走査装置の放射線源及び検知器のレイアウトをZ軸方向から見た側面図である、
図21図19に示す放射線走査装置の放射線源及び検知器のレイアウトを示す上面模式図である。
図22】本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置の放射線源のシングルポイント源の分布模式図である。
図23】本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置の検知器の構造模式図である。
図24】本願のいくつかの実施例に係る検知器の着脱方向の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明し、本願の目的、技術案及び利点をより明確に理解させるために、以下、図面及び具体的な実施例を参照して本願をさらに詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈することのみを意図し、本願を限定するものではないことを理解されたい。当業者にとって、本願は、これらの具体的な詳細のうちのいくつかを必要とせずに実施することができる。以下の実施例の説明は、本願の例を示して本願をよりよく理解するために提供されるに過ぎない。
【0111】
なお、本明細書において、第1の及び第2のなどのような関係用語は、1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序が存在することを要求又は暗示するものではない。また、「含む」、「備える」という用語又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、又は、このようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。より多くの制限がない場合、「…を含む」という語句によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0112】
上記背景技術部分の静的CT(分散型マルチポイント源)又は複数視野角(シングルポイント源)装置は、通常、複数の平面光波回路を含み、複数の平面光波回路は、装置の長さ方向(即ち、被検体の輸送方向)に沿って配列される。該配列方式により、静的CT(分散型マルチポイント源)又は複数視野角(シングルポイント源)装置全体の光路カバー範囲が長く、装置全体の長さの短縮に不利であり、装置全体の重量の減少に不利である。
【0113】
また、上記のように配置された装置において、1組の検知器アレイが1組の分散型マルチポイント源又は1つのシングルポイント源のみに対応することにより、装置全体の検知器アレイの数を増加させ、装置全体のコストの低減に不利である。
【0114】
上記のように配置された装置において、全ての放射線源を単一の環状又は長方形の密閉キャビティに集中させると、装置の複雑さを増加させ、装置の信頼性を低下させ、特に、高い真空度を保持する必要がある装置にとっては、このようになり、また、放射線源のメンテナンス性も悪い。
【0115】
また、上記のような二重リング構造設計の静的CTにおいて、放射線源リングと検知器リングとの配置は、単一の検知器が複数の放射線源に共用されることを確保できるが、放射線源を単一の環状密閉キャビティ内に集中させることによる信頼性及びメンテナンス性が悪いという問題を未だ解決できない。同時に、放射線源リングと検知器リングとの間の距離が近すぎるように配置されると、検知器はリングの内側から交換又はメンテナンスすることしかできず、検知器のメンテナンス性も悪い。放射線源リングと検知器リングとの間の距離が十分に大きいように配置されると、検知器をリングの外側から交換又はメンテナンスすることができるが、このような配置により光路のカバー範囲を増大させ、装置の長さを増加させるとともに、放射線ビームの中心と検知器結晶の表面との間に傾斜角が存在し、放射線ビームが検知器結晶に斜めに照射され、画像品質に影響を与える。
【0116】
上記の様々な技術的課題を解決するために、本願の実施例は、放射線走査装置を提供し、それは、被検体を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、放射線ビームを放出する少なくとも1つの放射線源点をそれぞれが含む複数の放射線源モジュールであって、走査領域の周りに配置され、且つ被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定される複数の放射線源モジュールを含む放射線源と、走査中に被検体を透過した放射線を検出するための検知器であって、走査領域の周りに配置されるように端部が互いに接続され、被検体の輸送方向に垂直な平面内に固定される複数の検知器群を含む検知器と、を含み、検知器は、被検体の輸送方向の垂直方向に沿って放射線源と走査領域との間に位置し、放射線源と検知器は、被検体の輸送方向に沿って少なくとも部分的に重なるように配置され、複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能である。
【0117】
本願の実施例に係る放射線走査装置によれば、放射線源は、複数の放射線源モジュールが走査領域の周りに配置されて形成され、且つ複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能であり、即ち、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する。一体的に走査領域を取り囲む放射線源に対して、本願の複数の放射線源モジュールを組み合わせて形成された放射線源は、単一の放射線源モジュールのハウジングのサイズ及び内部真空キャビティの体積を小さくすることができ、単一の放射線源モジュールの体積が小さく、重量が軽く、それによって、放射線源の取り外し及び取り付けを容易にし、また、単一の放射線源モジュールの複数のターゲットポイントは、個別の真空キャビティを採用することができるため、放射線源をメンテナンスする際にキャビティ内の着火のリスクを低減することができる。
【0118】
本願のいくつかの実施例によれば、各放射線源モジュールの個別キャビティには、放射線源モジュールを放射線走査装置における対応位置に固定するための取付位置決め構造が設けられ、例えば、支持フレームに対し放射線源モジュールを位置決めし、さらに、所定の軸線回りに放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するために用いられる。また、当該取付位置決め構造により、各放射線源モジュールの位置を確定することができ、これにより、放射線源の複数の放射線源モジュールが取付られた後に被検体の輸送方向に垂直な平面内(例えば、同一平面内又は異なる平面内)に位置することを確保することができる。
【0119】
ここで、選択可能的に、放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であってもよく、走査領域を囲んで環状構造を形成し、例えば、矩形環状、多角形環状又は楕円形環状などである。具体的には、放射線源モジュールは直線分散型マルチポイント源であってもよく、各放射線源モジュールは複数のターゲットポイントを含んでもよく、複数の放射線源モジュールは走査領域の上側、下側、左側及び右側に分布して走査領域を囲む矩形リングを形成してもよい。放射線源モジュールの端部同士が直接接続されて連続的な矩形リングを形成してもよく、一定の隙間を隔てて非連続的な矩形リングを形成してもよい。他の実施例によれば、放射線源は、長さが短い複数の直線分散型マルチポイント源をさらに含んでもよく、長さが短い複数の直線分散型マルチポイント源は、複数の長い直線分散型マルチポイント源と交互に設けられ、端部同士が直接接続されて、連続的な多角形配置を形成し、又は端部同士が間隔を置いて配置されて非連続的な多角形配置を形成し、又は、放射線源は、長さが短い複数の弧形分散型マルチポイント源をさらに含んでもよく、複数の弧形分散型マルチポイント源は、複数の長い直線分散型マルチポイント源と交互に設けられ、端部同士が直接接続されて連続的な角丸矩形配置を形成し、又は端部同士が間隔を置いて配置されて非連続的な角丸矩形配置を形成し、又は、放射線源は、他の多角形構造又は楕円形構造等を形成するように、他の数、形状及び/又は長さの放射線源モジュールをさらに含んでもよい。
【0120】
また、放射線源の各放射線源モジュールはシングルポイント源群であってもよく、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含み、選択可能的に、放射線源の複数のシングルポイント源群は走査領域を囲む底視野角、左右側視野角、頂視野角及びコーナー斜め視野角に分布し、複数視野角配置を形成する。
【0121】
また、他の実施例によれば、放射線源モジュールは、例えば、上側、左側及び右側、又は、上側、下側及び左側又は右側などの三側のみにおいて走査領域を囲むように配置されてもよい(ここで、注意すべきことは、本明細書において、走査領域の上側、下側、左側及び右側は、被検体の輸送方向に沿って走査領域を見たときの上側、下側、左側及び右側を指す)。これにより、放射線源は、走査領域を囲む一側に開口した非閉鎖構造、例えば、一側に開口した矩形構造、多角形構造又は楕円形構造などに配置されてもよく、より具体的には、走査領域を囲む一側に開口した非連続的又は連続的な矩形構造、連続的な多角形構造、連続的な角丸矩形、非連続的な多角形又は非連続的な角丸矩形構造、及び他の多角形と楕円形の構造などであってもよい。放射線源がシングルポイント源からなる場合、相応的に、走査領域の片側にシングルポイント源を設置しなくてもよい。
【0122】
本願の放射線走査装置において、検知器は、複数の検知器群の端部が互いに接続されて形成された走査領域を囲む構造である。選択可能的に、上記各種の放射線源の配置方式に合わせて、例えば、上下左右の四側において走査領域を囲む構造、又は走査領域の一側に開口する非閉鎖構造、例えば、走査領域の一側に開口する矩形構造、多角形構造又は楕円形構造(より具体的には、走査領域を囲む一側に開口した連続又は非連続の矩形構造、連続又は非連続的な多角形構造、連続又は非連続の角丸矩形構造及びシングルポイント源複数視野角等のように配置される)であり、検知器的な複数の検知器群は、走査領域を囲む閉じた長方形構造、正方形構造、多角形構造又は楕円形構造等として配置される。具体的には、検知器の各検知器群は、複数の検知器ユニット及び検知器アームを含むことができ、複数の検知器ユニットは、検知器アーム上に直線的に配列される。検知器は、走査領域を囲む閉じた長方形構造又は正方形構造を形成するように、走査領域の上下左右の四側にそれぞれ配置された4つの検知器群を含むことができる。検知器は、走査領域を囲む閉じた多角形構造を形成するように、複数の長い検知器群と複数の短い検知器群を含んでもよい。又は、他の実施例によれば、上記放射線源の走査領域の一側に開口する非閉鎖構造に合わせて、検知器の複数の検知器群は、走査領域を囲んで一側に開口した非閉鎖構造、例えば、一側に開口した長方形構造、正方形構造、多角形構造又は楕円形構造などとして配置されてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、検知器の複数の検知器群は、個別に着脱可能である。これにより、各検知器群を個別に取り外して取り付けることができ、検知器のメンテナンスが容易になる。また、検知器の複数の検知器群を被検体の輸送方向に移動させて着脱する構成としてもよい。あるいは、放射線源が走査領域を囲んで一側に開口する非閉鎖構造として配置された場合、検知器の複数の検知器群は、一部が被検体の輸送方向の垂直方向に移動して着脱され、他の一部が被検体の輸送方向に移動して着脱されてもよい。これにより、検知器が被検体の輸送方向と直交する方向に沿って放射線源の内側に配置されている場合でも、放射線源モジュールを取り外すことなく検知器群の着脱やメンテナンスを行うことができ、検知器の着脱やメンテナンスの作業性が向上する。
【0124】
また、いくつかの実施例によれば、上記検知器群の着脱は、検知器群の検知器アームと、例えば放射線走査装置の支持フレームの、放射線走査装置における取付部位との間の直線移動係合、例えば直線摺動又は直線転がり係合などによって行うことができ、例えば検知器アームと支持フレームとの間に設けられたスライダガイドレール係合又は直線ボールベアリングと円柱軸との係合などであってもよい。
【0125】
また、いくつかの実施例によれば、検知器群の各検知器ユニットは、いずれも放射線を受信するための検知器結晶を含み、各検知器群の各検知器ユニットは、検知器結晶が同じ方向を向くように検知器アームに配列される。また、上記のように、本願において、各検知器群は、被検体の輸送方向に垂直な平面内に位置し、特に同一平面内に位置し、これは、具体的には、各検知器群の検知器結晶が被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に位置することを指す。他の実施例によれば、各検知器群は、被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に位置してもよい。
【0126】
本願に係る放射線走査装置では、上記のいずれかの実施例の放射線源と上記のいずれかの実施例の検知器とを組み合わせ、組み合わせた状態において、放射線源の各放射線源モジュールは被検体の輸送方向に垂直な平面内(1つ又は複数の平面内)に位置し、検知器の各検知器群は被検体の輸送方向に垂直な他の平面内(特に同一平面内)に位置し、検知器は輸送方向の垂直方向において放射線源の内側に位置し、放射線源と検知器とは被検体の輸送方向において少なくとも部分的に重なるように配置される。放射線源と検知器とが被検体の輸送方向において少なくとも部分的に重なることにより、放射線源と検知器との配置長さを減少させることができ、放射線走査システム全体の長さを減少させることに有利である。
【0127】
いくつかの実施例では、検知器の各検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置されるとともに、残りの側の各放射線源モジュールからの放射線を受信することができ、これにより、異なる放射線源モジュールが同じ検知器群を共用し、検知器の総数を減らすことができる。
【0128】
いくつかの実施例において、検知器の各検知器群の検知器結晶は、検知器ユニットの被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接して配置されるが、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置される。これにより、放射線源と検知器との間の光路のカバー長をできるだけ小さくすることができ、装置の長さをさらに小さくすることができる。
【0129】
いくつかの実施例において、各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。より具体的には、放射線源モジュールは、所定の軸線、例えばターゲット軸等に対し回動して(例えば、前記放射線源モジュールの取付位置決め構造により)放射線ビームのビーム出射角度を調整することにより、放射線源モジュールの放射線ビームの中心位置を対向側の検知器群の検知器結晶に照射させることができる。検知器の検知器結晶が被検体の輸送方向において検知器ユニットの端部位置に位置し、且つ同じ側の放射線源の放射線ビームエッジに隣接して配置されるため、放射線源モジュールは小さい角度で回動するだけで放射線ビームの中心位置が検知器結晶に照射され、放射線ビームが検知器結晶の表面に斜めに入射することによる結像への悪影響を最大限に低減することができる。放射線源のビーム出射角度の調整は、放射線源モジュールの開口方向の設置、コリメータの調整などの他の適切な方式により実現することもできる。
【0130】
いくつかの実施例によれば、本願の放射線走査装置の画像処理モジュールは、視野角欠落データに対し補償及び/又は再構成画像に対し修復を行うことで画像品質を向上させることができるデータ補償機能を有するように構成される。具体的には、該画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせで画像再構成を行うように構成される。これにより、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間距離の増大による投影データの欠落を補償することができ、再構成画像の品質を向上させることができる。
【0131】
以下、本願の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0132】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る放射線走査装置を模式的に示す。図1に示す放射線走査装置は、伝送装置1、通路2、放射線源3、検知器4及び支持フレーム5を含む。伝送装置1は、被検体6を搬送して放射線走査装置の走査領域を通過させるために用いられ、該走査領域は放射線源3と検知器4とによって限定される。被検体6は、伝送装置1の駆動により、通路2の一端の開口から通路2に入り、通路2の他端の開口から離れ、通路2は、外部環境に対し放射線源3の放射線を遮蔽することで、装置付近の人への放射線の傷害を回避するとともに、通路2に入る被検体6の体積を限定することができる。放射線源3は、走査中に被検体6を照射するための放射線ビームを放出するように、通路2の外側において支持フレーム5に固定される。検知器4も通路2の外側において支持フレーム5に固定され、走査中に被検体6を透過した放射線を検出するために用いられる。支持フレーム5は、伝送装置1、通路2、放射線源3、検知器4などの装置を支持及び固定するために用いられ、地面に対し固定される。なお、放射線源3と検知器4はいずれも通路2の外側に配置されているが、走査領域において、通路2に退避領域が設けられ、放射線源3の放射線ビームを遮ることがなく、検知器4による放射線の受信を妨げることもない。
【0133】
本願の実施例に係る放射線走査装置は、放射線走査装置の各部材の操作を制御し、例えば、放射線源3の放射線の放出、検知器4のデータ出力などを制御可能な制御装置をさらに含んでもよい。制御装置は、画像処理モジュールをさらに含んでもよく、該画像処理モジュールは、検知器4の出力した情報に基づいて画像再構成を行い、被検体6の走査画像を得ることができる。
【0134】
伝送装置1は、例えば、伝送ベルトであってもよく、被検体6は、例えば、小包、荷物等のセキュリティチェックを必要とする各種の物品であってもよい。
【0135】
放射線源3は、複数の放射線源モジュールを含んでもよく、各放射線源モジュールは走査領域の周りに配置され、且つ被検体6の輸送方向に垂直な平面内に位置する。各放射線源モジュールは、被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内又は異なる平面内に配置されてもよく、本実施例では、各放射線源モジュールが被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置する(具体的には、各放射線源モジュールの放射線開口が被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置する)ことを例として説明するが、同様に、各放射線源モジュールが異なる平面に位置する場合に適用される。図1には、被検体6の進行方向Zが示されており、被検体6の輸送方向(以下、輸送方向又はZ方向と略称する場合がある)は、被検体6の進行方向と定義され、進行方向の逆方向を含む。図1にはXYZ座標系が示されており、当該XYZ座標系は、参照座標系として放射線走査装置における部材の位置を説明することができ、これらの位置の説明は、本願の原理を明確に説明するためのものであり、これらに限定されない。被検体6の進行方向Zは、このXYZ座標系のZ方向と同じである。
【0136】
いくつかの実施例によれば、本願の実施例に係る放射線走査装置の放射線源3の各放射線源モジュールは、分散型マルチポイント源であってもよく、複数の放射線源モジュールは、走査領域を囲む長方形構造、多角形構造、楕円形構造などとして配置されてもよく、構造の一部は、伝送装置1を完全に囲むように、伝送装置1の下方に位置する。
【0137】
具体的には、分散型マルチポイント源として、各放射線源モジュールは複数のターゲットポイントを有することができ、各放射線源モジュールの各ターゲットポイントは個別に放射線ビームを生成することができ、各ターゲットポイントは制御装置の制御に基づいて所定の時系列に従って放射線ビームを生成することができる。放射線ビームは、図3に示すように、開き角Aを有する扇形ビームであってもよい。もちろん、放射線ビームの形状は扇形ビームに限定されず、コーンビーム、パラレルビームなどの他の形状の放射線ビームであってもよく、必要に応じて具体的に設置してもよい。
【0138】
放射線源3の具体的な配置は以下の通りである。図2は、いくつかの実施例に係る放射線源及び検知器の構造模式図を示し、放射線源3の複数の放射線源モジュールは、走査領域を囲む矩形構造として配置される。具体的には、放射線源3は、4つの放射線源モジュール31、32、33、34を含み、各放射線源モジュールは、直線分散型マルチポイント源(即ち、複数のターゲットポイントが直線に配列される)であり、4つの放射線源モジュール31、32、33、34は、それぞれ走査領域の上側、下側、左側及び右側に配置され、走査領域を囲む矩形構造が形成される。放射線源モジュール31、32、33、34の端部の間に一定の距離があるため、非連続の矩形構造を形成する(図4の(a)に示すように、ターゲットポイントは同様に非連続の矩形で配置される)。
【0139】
放射線源3の配置は、図2及び図4の(a)に示す実施例に限定されず、他のいくつかの代替可能な配置を含んでもよい。例えば、放射線源モジュール31、32、33、34の端部同士が直接接続されて、放射線源3を連続的な矩形構造で走査領域の周りに配置することができる(図4の(b)に示すように、ターゲットポイントが連続的な矩形で配置される)。また、放射線源3は、図2に示す実施例に基づいて、他の4つの直線分布式放射線源モジュール35、36、37、38をさらに含み、放射線源モジュール31、32、33、34よりその長さが短く、放射線源モジュール31、32、33、34と交互に配置され、且つ端部が直接接続されて、放射線源3が連続した多角形構造で配置される(図4の(c)に示すように、ターゲットポイントが連続した多角形で配置される)。また、放射線源モジュール35、36、37、38は弧状分布式放射線源であってもよく、放射線源モジュール31、32、33、34と交互に配置され、且つ端部が直接接続されて、放射線源3が連続的な角丸矩形構造で配置される。もちろん、放射線源モジュール31、32、33、34、35、36、37、38の端部は、放射線源3が非連続の多角形構造又は非連続の角丸矩形構造で配置されるように、一定の距離だけ離間してもよい(図示せず)。また、放射線源モジュール35、36、37、38の長さは、放射線源モジュール31、32、33、34の長さと同じ又はそれらより長くてもよく、又は、放射線源3は、他の数(複数)及び/又は長さの放射線源モジュールを含むことにより、図4の(c)に示す多角形と異なる多角形構造を形成してもよい。また、放射線源3は、楕円形構造を形成するように、他の数(複数)、長さ及び/又は形状の放射線源モジュールを含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施例において、放射線源3に含まれる放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能であり、即ち、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する。各放射線源モジュールが個別のキャビティを有するとは、各放射線源モジュールの複数のターゲットポイントが1つの個別の真空キャビティを共用することを意味する。真空キャビティ内における各放射線源モジュールの複数のターゲットポイントの間隔は、ターゲットポイントの数とキャビティの長さによって決定することができる。いくつかの実施例によれば、単一の放射線源モジュールにおけるターゲットポイントの数は192、264などであってもよく、単一の放射線源モジュールにおけるターゲットポイントの間隔は4mm、12mmなどであってもよい。ここで、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔が単一の放射線源モジュール内のターゲットポイント間の間隔よりも大きく、隣接する放射線源モジュールの端部が直接接続され、即ち2つの個別のキャビティが直接接続される場合であっても同様である点で注意すべきである。各放射線源モジュールが個別のキャビティを有することは、一体型環状キャビティの放射線源(即ち、放射線源の全てのターゲットポイントがいずれも同一の環状真空キャビティ内に位置する)に対して、単一の放射線源モジュールのハウジングのサイズ及び内部の真空キャビティの体積を縮小させ、単一の放射線源モジュールの体積を減少させ、重量を軽減させるため、放射線源の着脱に便利であり、また、各放射線源モジュールが個別の真空キャビティを採用することにより、放射線源モジュールをメンテナンスする際にキャビティ内の着火のリスクを低減することができるという利点を有する。
【0141】
また、いくつかの実施例によれば、放射線源3の各放射線源モジュールには、放射線源モジュールの取り付け及び調整を容易にするための取付位置決め構造が設けられている。取付位置決め構造により、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線走査装置における所定の位置(例えば、放射線走査装置においてXYZ参照座標系に対するある具体的な位置)に取り付けられて固定され、例えば、複数の放射線源モジュールが被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置することを確保する。また、取付位置決め構造により、放射線源モジュールが回転されることで放射線ビームのビーム出射角度を調整することもできる。
【0142】
放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線走査装置における位置が異なるため、異なる取付方式を採用することができ、異なる取付位置決め構造を備えることができる。例えば、走査領域の上方及び側方に位置する放射線源モジュールは、天井走行車等の装置によって吊り下げ方式で取り付けられてもよい。しかし、走査領域の下方に位置する放射線源モジュールは、吊り下げ方式を採用することに適しておらず、他の方式を採用して取り付ける必要がある。このような放射線源モジュールの取り付けを容易にするために、本願の実施例は、吊り下げ方式に適さない放射線源モジュールを放射線走査装置の所定の位置に容易に取り付けて固定することができ、且つ放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整することもできる取付位置決め構造を提供する。いくつかの実施例によれば、当該取付位置決め構造は、本体を含み、放射線源モジュールが本体を介して放射線源モジュール及び放射線走査装置の支持フレームに固定して取り付けられるように、本体は支持フレームに固定して接続される。ここで、当該取付位置決め構造は、放射線源モジュールが第1の平面(例えば、図1におけるXZ平面)において所定の取付位置に移動される移動装置と、第1の平面において放射線源モジュールを位置決めする第1の位置決め装置と、放射線源モジュールの位置を第1の方向(例えば、XZ平面に垂直な図1におけるY方向)に沿って調整し、第1の方向が第1の平面に対して垂直である昇降装置と、第1の方向において放射線源モジュールの位置を固定するための第2の位置決め装置と、を含む。
【0143】
図5は上記放射線源モジュールの取付位置決め構造の一つの具体的な実施例を示す。図5に示すように、取付位置決め構造は本体11、12を含み、本体11、12はそれぞれ放射線源モジュールの長さ方向に沿う両端に位置し、且つ放射線源モジュールに固定して接続され(ここで、放射線源モジュールは図2における放射線源3の放射線源モジュール33を例として説明し、他の適切な放射線源モジュールであってもよい)、放射線源モジュール33は本体11、12を介して支持フレーム5(図5に図示せず)に固定して取り付けられる。取付位置決め構造の移動装置は、具体的には、それぞれ本体11、12に設けられたローラ13、14として設けられ、放射線源モジュール33は、ローラ13、14を介して押されることにより、XZ平面において所定の取付位置に移動される。もちろん、取付位置決め構造の移動装置はローラに限定されず、他の実施例によれば、スライド方式で放射線源モジュールを移動してもよく、例えば、取付位置決め構造と支持フレーム5との間に直線スライド係合を設けることで、放射線源モジュール33を所定の取付位置に移動してもよい。
【0144】
第1の位置決め装置は、第1の位置決めピン15、16と、本体11、12及び放射線走査装置の支持フレーム5にそれぞれ設けられた対応する第1のピン孔(図示せず)とを含み、放射線源モジュール33がローラ13、14を介して所定の取付位置に移動された後、第1の位置決めピン15、16をそれぞれ対応する第1のピン孔に挿入すると、放射線源モジュール33をXZ平面に位置決めすることができる。
【0145】
昇降装置は、本体11に設けられたローラ13を含み、ローラ13は、具体的には、昇降可能ローラとして設けられ、本体12に設けられたリフトねじジャッキ17をさらに含み、リフトねじジャッキ17の一端は、支持フレーム5に当接され、リフトねじジャッキ17を回すことにより、本体12及び放射線源モジュール33を支持フレーム5に対して昇降させることができる。昇降可能なローラ13及びリフトねじジャッキ17を調整することにより、支持フレーム5に対する放射線源モジュール33の位置をY方向に沿って調整することができる。第2の位置決め装置は、位置決めブロック19、20として形成され、昇降可能なローラ13とリフトねじジャッキ17を調整することにより、Y方向に沿って放射線源モジュール33を所定の位置に調整した後、位置決めブロック19、20をそれぞれ本体11、12の下方に置き、支持フレーム5に対する放射線源モジュール33の高さを固定して、放射線源モジュール33を第1の方向Yに沿って位置決めすることができる。ここで、選択可能的に、本体12の下方の位置決めブロック20はU字型形状に設置されてもよく、リフトねじジャッキ17の下部はU字型位置決めブロック20の開口に位置するため、両者が互いに干渉することを防止する。また、取付位置決め構造は、第1の固定ボルト21、22と、本体11、12、位置決めブロック19、20及び支持フレーム5に設けられた対応する第1のねじ穴とをさらに含んでもよく、第1の固定ボルト21、22をそれぞれ対応する第1のねじ穴に挿入して締め付け、本体11、12及び支持フレーム5に対して位置決めブロック19、20を固定することができ、放射線源モジュール33を支持フレーム5に固定して接続することができる。
【0146】
また、いくつかの実施例によれば、取付位置決め構造は、所定の軸線に沿って放射線源モジュールを回動させてそのビーム出射角度を調整するための調整装置をさらに含む。図5の具体的な実施例によれば、放射線源モジュール33に取付軸331が設けられ、本体11、12にそれぞれ軸孔が設けられ、本体11、12が軸孔を介して取付軸331に取り付けられている。また、取付位置決め構造は、第2の位置決めピン23、24をさらに含み、本体11、12と放射線源モジュール33にそれぞれ第2の位置決めピン23、24に対応する第2のピン孔が設けられ、本体11、12の軸孔を取付軸331に係合し、第2の位置決めピン23、24をそれぞれ対応する第2のピン孔に挿入することにより、本体11、12が放射線源モジュール33に対して位置決めされることができる。また、取付位置決め構造は、放射線源モジュール33に対して本体11、12を固定して接続するための第2の固定ボルト25、26と、本体11、12及び放射線源モジュール33に設けられた対応する第2のねじ穴とをさらに含み、第2の固定ボルト25、26を対応する第2のねじ穴にねじ込むことにより、本体11、12を放射線源モジュール33に対して固定して接続することができる。第2の位置決めピン23、24を引き抜き、第2の固定ボルト25、26を緩めることにより、本体11、12が放射線源モジュール33に対して緩められることができ、この状態で、調整装置は放射線源モジュール33を取付軸331の周りに本体11、12に対して回動するように駆動することができる。
【0147】
具体的な実施例において、調整装置は、回動駆動機構を含み、該回動駆動機構は、放射線源モジュール33に固定された調整ブロック27と、本体11に設けられた、調整ブロック27に当接されるねじジャッキ28とを含み、ねじジャッキ28は回されて調整ブロック27を押して移動させて放射線源モジュール33を回動させることができる。ここで、回動駆動機構は、取付位置決め構造の一方の本体のみ、すなわち、放射線源モジュール33の長手方向に沿った一端のみに設けられている。放射線源モジュール33の両端がいずれも取付軸331によって支持されるため、放射線源モジュール33の一端で放射線源モジュール33を押して回動させ、これに対応して放射線源モジュール33全体を回動させることができる。放射線源モジュール33を所定角度回動させた後、再び第2の位置決めピン23、24を対応する第2のピン孔に挿入し、且つ再び第2の固定ボルト25、26を対応する第2のねじ孔にねじ込み、本体11、12が放射線源モジュール33に対して固定されて接続されることができる。
【0148】
上記実施例において、放射線源モジュール33における取付軸331は、放射線源モジュール33における複数のターゲットポイントの仮想接続線と重なることができるため、取付軸331の周りに放射線源モジュール33を回動させることにより、放射線源モジュール33をターゲット軸の周りに回動させることができる。
【0149】
また、図2における放射線源3の放射線源モジュール33を例として上記実施例に係る取付位置決め構造を説明したが、上記取付位置決め構造は任意の適切な放射線走査装置の放射線源の取付、位置決め及び調整に適用できる。もちろん、図2における放射線源3の放射線源モジュール33の取付、位置決め及び調整も上記実施例の取付位置決め構造に限定されず、任意の他の適切な構造を採用してもよい。例えば、図5に示す実施例において、昇降装置は、昇降可能なローラ13とリフトねじジャッキ17によって実現されるが、昇降装置は、この実施例の具体的な構造に限定されず、他の適切な構造として実現されてもよく、例えば、2つの本体に何れもリフトねじジャッキを採用して昇降する。同様に、移動装置、第1の位置決め装置、第2の位置決め装置及び調整装置の具体的な実施は、いずれも上記実施例における具体的な構造に限定されず、その機能を実現できれば、他の適切な構造を採用してもよい。
【0150】
上記実施例において、図1に示す放射線走査装置の放射源3の放射源モジュールは分布式放射源であるが、代わりに、放射源3は複数のシングルポイント源群から構成されてもよく、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む。各シングルポイント源は、放射線ビーム、例えば開き角Aを有する扇形ビーム(図3に示す)を個別に出射することができる。放射線源3の各シングルポイント源は、放射線走査システムの制御装置の制御に基づいて、所定の時系列に従って放射線を出射することができる。図4(d)は、いくつかの実施例に係る複数のシングルポイント源群を含む放射線源のレイアウトを示す。図4(d)に示すように、放射線源は、走査領域の周りに底視野角、左側視野角、右側視野角、頂視野角及びコーナー斜め視野角に配置される複数のシングルポイント源群を含み、ここで、底視野角シングルポイント源群は、それぞれ左底部視野角、中間底部視野角及び右底部視野角に配置される3つのシングルポイント源を含み、頂部視野角シングルポイント源群は、それぞれ左頂部視野角、中間頂部視野角及び右頂部視野角に配置される3つのシングルポイント源を含み、左側視野角シングルポイント源群は、それぞれ左上側視野角及び左下側視野角に配置される2つのシングルポイント源を含み、右側視野角シングルポイント源群は、それぞれ右上側視野角及び右下側視野角に配置される2つのシングルポイント源を含み、コーナー斜め視野角シングルポイント源群は、それぞれ左上斜め視野角、右上斜め視野角、左下斜め視野角及び右下斜め視野角に配置される4つのシングルポイント源を含む。他の実施例によれば、各シングルポイント源群は、それぞれより多くのシングルポイント源を含んでもよい。同様に、各シングルポイント源は、それぞれの取付位置決め構造を含み、これにより、シングルポイント源を取り付けて位置決めし、複数のシングルポイント源が被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置することを確保することができる。取付位置決め構造は、シングルポイント源を回動させて各シングルポイント源の放射線のビーム出射角度を調整するためにも用いられる。
【0151】
以下、図1に示す放射線走査装置の検知器4の配置について詳細に説明する。検知器4は、複数の検知器群を含んでもよく、複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に垂直な平面内に位置し、且つ各検知器群の端部が互いに接続されて走査領域を囲んで配置されている。複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内又は異なる平面内に位置してもよく、選択可能的に、同一平面内に設置され、本実施例では、同一平面内に位置することを例として説明するが、異なる平面の場合にも適用できる。具体的には、検知器4の各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、複数の検知器群は、走査領域を取り囲んで閉じた正方形構造、長方形構造、多角形構造、または楕円形構造として配置されてもよく、その構造の部分が、伝送装置1を完全に取り囲むように、伝送装置1の下方に位置する。
【0152】
図2は、いくつかの実施例に係る検知器の配置を示し、検知器4は、4つの検知器群41、42、43、および44を含み、各検知器群41、42、43、および44は、直線に沿って配列された複数の検知器ユニットを含む直線検知器アレイである。4つの検知器群41、42、43、44は、走査領域の上下左右の四側に配置され、端部が互いに接続されて、閉じた矩形構造(図6の(a)に示す)又は角形構造が形成される。検知器4の配置は、図2及び図6の(a)に示す例に限定されず、代わりに他の構成であってもよい。例えば、検知器4は、4つの長い直線検知器アレイ及び4つの短い直線検知器アレイを含んでもよく、これらの検知器アレイは、走査領域の周りに交互に配置され、端部が互いに接続されて、閉じた多角形構造が形成される(図6の(b)に示す)。検知器4は、他の数の複数の長い直線検知器アレイと、他の数の複数の短い直線検知器アレイとを含むことができ、これらの検知器アレイは、走査領域の周りに交互に配置され、端部が互いに接続されて、閉じた他の多角形構造が形成される。検知器4は、楕円形構造などの他の形状の閉鎖構造を形成するように、他の数、長さ及び/又は形状の検知器群をさらに含んでもよい。
【0153】
直線検知器アレイ形式の検知器群は、任意の適切な構造を採用することができ、いくつかの実施例によれば、その具体的な構造は図7に示すとおりである。図7に示すように、検知器群は、複数の検知器ユニット45と検知器アーム46とを含み、複数の検知器ユニット45は、検知器アーム46に直線に沿って並んで配置される。検知器ユニット45の具体的な構造は、図8に示すように、他の適切な構造を採用してもよい。図8に示すように、検知器ユニット45は、放射線を受信するための検知器結晶451を含む。複数の検知器ユニット45は、検知器結晶451が同じ方向を向くように検知器アーム46に並べて配置される。検知器アーム46の構造は、図7に示す実施例に限定されず、他の適切な構造(後の図9図15図17に示す検知器アーム構造)を採用してもよい。本願の検知器群は、直線検知器アレイの形式に限定されず、楕円形構造の検知器を構成するように、円弧状検知器アレイの形式であってもよい。弧状検知器アレイは、複数の弧状検知器ユニットと弧状検知器アームとを含んでもよく、複数の弧状検知器ユニットは、弧状検知器アームに並べて配置され、ここで、検知器ユニットの検知器結晶は、同じ方向を向く。
【0154】
いくつかの実施例によれば、検知器4の各検知器群が個別に着脱可能とすることで、検知器のメンテナンス性を向上させることができる。また、選択可能的に、検知器4の複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に沿って取り外し、取り付け及び調整を行うように構成され、このように、検知器4が被検体6の輸送方向に垂直な方向に沿って放射線源3の内側に配置される場合、放射線源を取り外すことを必要とせず、検知器群の着脱、調整及びメンテナンスを行い、検知器のメンテナンス性をさらに改善することができる。
【0155】
具体的には、本願の検知器群の取付固定構造により、検知器4の検知器群は、その放射線走査装置における取付位置(例えば、支持フレーム5)に対して被検体6の輸送方向に沿って移動して前記取付位置から取り外し又は当該取付位置に取り付けることができる。
【0156】
以下、本願のいくつかの実施例に係る検知器群に用いられる取付固定構造を詳細に説明する。本願のいくつかの実施例に係る検知器群の取付固定構造は、具体的に、検知器群に固定設置される第1の取付部と、放射線走査装置の支持フレームに固定設置され、第1の取付部と直線移動して係合される第2の取付部であって、検知器群は第1の取付部と第2の取付部とが互いに係合した状態で、第2の取付部に沿って所定の取付位置まで移動可能な前記第2の取付部と、検知器群の幅方向に沿う一側に設置され、前記支持フレームにおける取付基準面に対して検知器群を固定するための固定装置と、を含む。いくつかの具体的な実施例において、検知器群は、検知器アームを介して放射線走査装置の支持フレームに取り付けられて固定され、ここで、第1の取り付け部は、検知器群の検知器アームに固定設置され、固定装置は、検知器アームの幅方向に沿う一側に設けられ、検知器アームを支持フレームに固定して検知器群を固定する。
【0157】
図9は、いくつかの具体的な実施例に係る検知器群の取付固定構造を示し、図9の(a)は、検知器アーム及び取付固定構造の分解斜視図を示し、図9の(b)は、検知器群の取付固定状態における検知器アームの部分断面図である。図9には、完全な検知器群が示されておらず、検知器アームのみが示されており、複数の検知器ユニットは、完全な検知器群を形成するために、図示された検知器アーム上に長手方向に沿って並べて配置されてもよい。
【0158】
図9に示すように、検知器群の取付固定構造の第1の取付部は、具体的には、検知器アーム47の幅方向に延びるスライド溝471として形成されており、ここで、放射線走査装置の支持フレーム5に取り付けられた状態で、検知器アーム47の幅方向が被検体6の輸送方向と一致する。第2の取付部は、スライド溝471に係合されるスライドロッド472として形成されている。スライド溝471は半円形の開口スライド溝として形成され、スライドロッド472は対応して円柱形のスライドロッドとして形成される。スライドロッド472は、支持フレーム5に固定して設けられ又は支持フレーム5と一体に形成され、その長手方向が被検体6の輸送方向と一致している。スライドロッド472の支持フレーム5に近い一端は、スライドロッド472の残りの部分に対してサイズが大きくなるように設けられ、凸部473が形成される。凸部473の検知器アーム47に向かう端面は、検知器アーム47の幅方向に沿った一側の表面475に当接される取付基準面474となっている。表面475は、検知器アーム475の取付面であり、取付基準面474とともに良好な平面度を有するように加工され、検知器群の取付表面475が取付基準面474に当接されて位置決めされると、幅方向、すなわち被検体6の輸送方向において検知器群を正確に位置決めすることができる。凸部473は、検知器群を取り付ける際に、検知器アーム47が凸部473に当接されるまで、スライド溝471をスライドロッド472に位置合わせし且つスライドロッド472に沿って検知器アーム47を支持フレーム5に向けて押すことで、検知器アーム47を所定の取付位置に移動させる位置規制部としても機能する。
【0159】
固定装置は、スライドロッド472の凸部473に対向する他端に設けられ、凸部473ととともに検知器アーム471の幅方向に沿った両側にそれぞれ当接されるように配置されて、幅方向において検知器アーム47の位置を規定する。具体的には、固定装置は、位置決めスリーブ476と締結具477とを含み、位置決めスリーブ476は、スライドロッド472の凸部473に対向する他端に外嵌され、且つ検知器アーム47の幅方向に沿った他方側の表面478に当接され、締結具477は、位置決めスリーブ476をスライドロッド472の凸部473に対向する他端に固定する。具体的には、締結具477は締結ネジであってもよく、位置決めスリーブ476及びスライドロッド472の前記他端にいずれもネジ穴が設けられ、締結ネジをネジ穴にねじ込むすることにより、スライドロッド472に対して位置決めスリーブ476を締め付け、スライドロッド472(即ち、支持フレーム5)に対して幅方向において検知器アーム47を固定する。同時に、スライドロッド472とスライド溝471との形状の係合により他の自由度を制限するため、検知器アーム47を完全に位置決めして固定することができる。
【0160】
上記取付固定構造により、検知器群を取り付ける際には、検知器ユニットを走査領域に向けて幅方向を被検体6の輸送方向と一致させた状態で、まず検知器アーム47のスライド溝471をスライドロッド472に位置合わせて、凸部473に当接するまで検知器アーム47をスライドロッド472に沿って移動させ、その後、位置決めスリーブ476をスライドロッド472の凸部473に対向する一端に外嵌し、スライドロッド472に対してネジで固定することにより、検知器アーム47を固定する。検知器群を取り外す際には、逆の操作を行えばよい。
【0161】
このような取付固定構造により、スライドロッド472は、被検体6の輸送方向に沿って延びており、すなわち、検知器群と支持フレーム5との間の直線移動係合は被検体の輸送方向に沿っており、固定装置は、検知器群の幅方向に沿った一側に設けられており、検知器群の幅方向と被検体6の輸送方向とが一致する。したがって、上記取付固定構造により、検知器群は、被検体6の輸送方向に沿って移動されることで着脱され、且つ締付操作も検知器群の被検体の輸送方向に沿う側で行うことができるため、検知器は、被検体の輸送方向に沿う側面から着脱又はメンテナンスを行うことができ、検知器が輸送方向に対して垂直な方向に沿って放射線源の内側に配置される場合であっても、着脱又はメンテナンスが放射線源の妨げを避けることができ、放射線源を取り外すことを必要とせず行うことができ、検知器の着脱及びメンテナンスの利便性が改善される。
【0162】
また、選択可能的に、上記取付固定構造の第2の取付部は、第1の取付部と係合された状態で検知器群を所定の取付位置に支持するように配置される。具体的には、第2の取付部は、2つのスライドロッド472を含み、検知器アーム47には、2つのスライド溝471が対応的に形成され、それが検知器アーム47の長手方向に沿う両端に設けられ、検知器アーム47が2つのスライドロッド472で所定の取付位置に移動した後、2つのスライドロッド472は、他の補助構造及び/又は工具を必要とせずに、検知器群を所定の取付位置に支持することができる。このようにして、検知器群を締め付ける際に、余分な工具を必要とせず且つ操作者が検知器群を保持する必要もなく、操作を行うことができ、操作の利便性を改善することができる。
【0163】
図9において、検知器アームは鉛直方向として示されているが、上記取付固定構造は、放射線走査装置において鉛直に配置された検知器群の取り付け及び取り外しのみに用いられることに限定されず、他の方向に配置された検知器群も上記取付固定構造を用いることができる。
【0164】
もちろん、検知器群と支持フレーム5との間の取付固定構造は、図9に示す実施例に限定されず、他の適切な取付固定構造を採用してもよく、例えば、いくつかの実施例によれば、取付固定構造の直線移動係合は、他の適切な係合であってもよく、例えば、リニアボールベアリングと円柱軸との係合などの直線的な転がり係合であってもよく、他のいくつかの実施例によれば、スライド溝471の断面は半円形に限定されず、半矩形などの形状であってもよく、それに応じて、スライドロッド472も円柱体に限定されず、スライド溝471に係合する角柱などの形状であってもよい。
【0165】
また、検知器が複数の検知器群を含む場合、複数の検知器群のそれぞれの取付基準面を被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に設けることで、複数の検知器群が取付られた後に被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内にあることを確保できる。具体的には、各検知器群がいずれも図9に示すような取付固定構造を用いて取り付けられると、各検知器群に対応する凸部473の検知器アーム47に向かう端面、即ち取付基準面474が被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置し、且つ各検知器群の幅方向に沿う取付表面475がいずれもそれぞれの取付基準面474に当接して固定され、複数の検知器群は取り付けられた後に被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置しなければならない。
【0166】
以下、本願の実施例に係る放射線走査装置の放射線源3と検知器4との相対配置をさらに説明する。上記のように、放射線源3は、複数の放射線源モジュールを含み、各放射線源モジュールは、走査領域の周りに配置され、且つ被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置し、検知器4は、複数の検知器群を含み、複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置し、且つ各検知器群の端部は、走査領域の周りに配置されるように互いに接続される。さらに、放射線源3と検知器4との組み合わせ状態において、検知器4は、被検体6の輸送方向の垂直方向において放射線源3の内側に配置され、放射線源3と検知器4とは、被検体6の輸送方向において少なくとも部分的に重なるように配置され、放射線源3の複数の放射線源モジュールは、矩形構造、多角形構造、楕円形構造などの前記いずれかの実施例の構造として配置されてもよく、検知器4の複数の検知器群は、正方形構造、長方形構造、多角形構造、楕円形構造などの前記いずれかの実施例の構造として配置されてもよい。以下、図2に示す実施例を例として放射線源3と検知器4の組み合わせ状態での詳細な配置を説明し、図2において、放射線源3の4つの直線分布式放射源モジュール31、32、33、34は非連続的な矩形構造で配置され、検知器4の4つの直線検知器アレイ41、42、43、44は閉鎖矩形構造で配置され、図2を例として説明した組み合わせ状態での詳細な配置は同様に放射線源3と検知器4の他の任意の構造の組み合わせに適用される。
【0167】
選択可能的に、検知器4の各検知器群41、42、43、44は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置されるとともに、残りの側の各放射線源モジュールからの放射線を受信することができる。放射線源3と検知器4はいずれも環状に配置されるため、同一の検知器群は放射線源の異なる放射線源モジュールに共用される。図10は各放射線源モジュールとその放射線が受信される検知器群との対応関係を示し、ここで、放射線源3の各放射線源モジュール31、32、33、34の各ターゲットポイントの放射線ビームは扇形ビーム(図3に示すような開き角Aを有する放射線ビーム)を例として示し、各放射線源モジュール31、32、33、34から出射された放射線ビームは検知器4の三側の検知器群によって検出され、放射線を受信可能な検知器群及びその部分は太い実線で示される。図10の(a)は、走査領域の上方の放射線源モジュール31の放射線ビームに対応する検知器群及びその部分を示し、検知器4の検知器群42、43、44は、放射線源モジュール31からの放射線ビームを受信する。図10の(b)は、走査領域の右側の放射線源モジュール32の放射線ビームに対応する検知器群及びその部分を示し、検知器4の検知器群41、43、44は、放射線源モジュール32からの放射線ビームを受信する。図10の(c)は、走査領域の下側の放射線源モジュール33の放射線ビームに対応する検知器群及びその部分を示し、検知器4の検知器群41、42、44は、放射線源モジュール33からの放射線ビームを受信する。図10の(d)は、走査領域の左側の放射線源モジュール34の放射線ビームに対応する検知器群及びその部分を示し、検知器4の検知器群41、42、43は、放射線源モジュール34からの放射線ビームを受信する。図10から分かるように、1つの放射線源モジュールの放射線は、同じ側の検知器群以外の他の側の検知器群によって受信され、異なる放射線源モジュールは、同じ検知器群を共用することができ、例えば、放射線源モジュール31と放射線源モジュール32は、検知器群43、44を共用し、放射線源モジュール32、33は、検知器群41、44を共用し、放射線源モジュール33、34は、検知器群41、42を共用する。また、各放射線源モジュールの放射線は、対向側の検知器群によって検出されること以外に、同じ側の検知器以外の他の側の検知器群によっても受信されるため、各放射線源モジュールの放射線は、検知器によってできるだけ多く検出される。したがって、本願の検知器は、画像品質を向上させるとともに、検知器群の数を減少させ、装置コストを低減することができる。
【0168】
また、選択可能的に、検知器4の各検知器群の検知器結晶は、検知器ユニットの被検体6の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体6の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置される。これにより、放射線源と検知器との間の光路のカバー長さをできるだけ小さくして、装置の長さを小さくすることができる。具体的には、図11及び図12に示す通りである。図11は、いくつかの実施例に係る図1に示す放射線走査装置の被検体の輸送方向に沿った中心線の断面構造模式図である。図11に示すように、検知器ユニットは、例えば、図7に示す検知器ユニット45であってもよく、検知器結晶は、例えば、図7に示す検知器結晶451であってもよく、検知器結晶451の表面は、被検体6の輸送方向に対して平行に配置され、検知器ユニット45の被検体6の輸送方向に沿った端部に位置し、同時に、検知器群の他の部材、例えば、検知器ユニット45の他の素子及び検知器アーム等は、検知器ユニット45の端部において検知器結晶451と面一であり、いずれも同じ側の放射線源の放射線ビーム出射口を避ける。また、図12は、いくつかの実施例に係る検知器と放射線源のレイアウトの平面模式図を示し、図中の左右両側の放射線源モジュールは、それぞれ放射線源3の放射線源モジュール34及び32であり、左右両側の検知器結晶451-4及び451-2は、それぞれ検知器群の44及び42の検知器結晶の位置を表す。図12から分かるように、検知器結晶451-4は、被検体6の輸送方向において同じ側の放射線源モジュール34の放射線ビームのエッジに隣接して設けられ、同じ側の放射線源モジュール34の放射線ビームを遮蔽せず、検知器結晶451-2は、被検体6の輸送方向において同じ側の放射線源モジュール32の放射線ビームのエッジに隣接して設けられ、同じ側の放射線源モジュール32の放射線ビームを遮蔽しない。以上の構成により、放射線源3と検知器4とを被検体6の輸送方向に最大限に重ねることができるので、放射線源と検知器との間の光路のカバー長さをできるだけ短くすることができ、装置長さを短くすることができる。
【0169】
選択可能的に、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避け、且つ対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。図12に示すように、放射線源モジュール34の放射線ビームは、同じ側の検知器群44を避け、且つ対向側の検知器群42の検知器結晶451-2を覆って照射することができ、放射線源モジュール32の放射線ビームは、同じ側の検知器群42を避け、且つ対向側の検知器群44の検知器結晶451-4を覆って照射することができる。さらに、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置で対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。具体的には、放射線源モジュールは、ターゲット軸に対し所定の角度だけ回動して、放射線源モジュールの放射線ビームのビーム出射角度を調整することにより、放射線ビームをその中心位置で検知器結晶に対し照射することができる。ここで、ターゲット軸とは、放射線源モジュール内の複数のターゲットポイントを仮想的に接続する線である。検知器の検知器結晶が被検体6の輸送方向において検知器ユニットの端部位置に位置し且つ同じ側の放射線源の放射線ビームエッジに隣接して配置されるため、放射線源モジュールが非常に小さい所定の角度、例えば1.5度だけ回動されることで、放射線ビームをその中心位置で検知器結晶に対し照射することができる。このように、放射線ビームが検知器結晶の表面に斜めに入射することによる結像への悪影響を最大限に低減することができる。また、放射線源モジュールの回動は、ターゲット軸の周りに回動することに限定されず、ターゲット軸以外の他の軸線に対し回動して放射線ビームのビーム出射角度を調整してもよく、ここで、ターゲット軸又は他の軸線に対する放射線源の回動は、上記した放射線源モジュールの取付位置決め構造によって実現することができる。また、放射線ビームのビーム出射角度を調整する方式は、上記実施例に限定されず、放射線源の上記配置を実現できれば、他の方式、例えば、放射線源モジュールの開口方向の変更、コリメータの調整、及び他の適切な方式等により放射線ビームの出射角度を変更してもよい。
【0170】
本願の実施例の放射線走査装置において、放射線源は複数の放射線源モジュールからなり、複数の放射線源モジュールの端部は直接的に接続され又は間隔を置いて設置される。放射線源モジュールの端部が直接的に接続される場合、端部の間に機械的接続構造があるため、隣接する放射線源モジュールの間の放射線源点は必ず連続せずく、例えば、隣接する2つの放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔は、放射線源モジュールの内部のターゲットポイント間の間隔より明らかに大きく、放射線源モジュールの端部が間隔を置いて設置される場合にも、このようになる。従って、走査過程において、隣接する放射線源モジュールの端部にターゲットポイントが欠けているため、投影データが欠けている。これに対して、いくつかの実施例によれば、本願の放射線走査装置の画像処理モジュールは、視野角欠落データに対し補償を行い及び/又は再構成画像に対し修復を行うことで、画像品質を向上させることができるデータ補償機能を有するように構成される。具体的には、該画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせで画像再構成を行うように構成される。
【0171】
反復法は、具体的に以下のステップを含む。
【0172】
ステップ1には、視野角欠落データを使用して画像再構成を行い、視野角欠落データは検知器によって測定された初期データであり、該初期データにはターゲットポイントがない箇所の視野角の投影データが欠けており、例えば、放射線走査装置が図2又は図4の(a)に示す非連続矩形構造の放射線源を使用する場合、検知器によって測定された初期データには矩形構造の四隅の斜め視野角の投影データが欠けている。
【0173】
ステップ2には、ステップ1において取得された再構成画像に対して完全な幾何学的に従って前方への再投影を行い、ここで、ステップ1において取得された再構成画像は、視野角欠落データを使用するため、幾何学的構造が不完全な物体を提示する可能性があり、完全な幾何学的に従って前方への投影を行うとは、幾何学形状が完全に補完された場合に前方への再投影を行うことを指し、具体的には、推測、仮説などの方式により幾何形状を完全に補完することができる。
【0174】
ステップ3には、ステップ2で得られた再投影データを参照し、画像修復アルゴリズムを用いて投影領域で視野角欠落データを修復し、修復後のデータを用いて画像再構成を再度行う。
【0175】
ステップ4には、前記前方向再投影ステップ、視野角欠落データ修復ステップ及び画像再構成ステップを複数回反復し、最終回の画像再構成ステップで得られた画像を最終的な再構成画像とする。
【0176】
上記反復法において、収束閾値を予め設定することができる。画像再構成ステップにおいて取得された画像が設定された収束閾値を満たす場合、反復を停止し、該画像を最終的な再構成画像とし、画像再構成ステップにおいて取得された画像が設定された収束閾値を満たさない場合、画像再構成ステップにおいて取得された画像が設定された収束閾値を満たすまで、次の反復、即ち、前方向再投影ステップ、視野角欠落データ修復ステップ及び画像再構成ステップを継続する。
【0177】
上記反復法において、ステップ2における画像修復アルゴリズムは、例えばTV正則化項、ウェーブレット分析、辞書学習などに基づく方法及び人工ニューラルネットワーク方法などの様々な従来のアルゴリズムを含む。
【0178】
上記反復法において、画像再構成方法は、解析アルゴリズム及び反復アルゴリズムなどの通常のアルゴリズムを含む。
【0179】
他の実施例によれば、画像処理モジュールは、画像領域修復方法を用いて再構成画像を取得することもできる。具体的には、画像処理モジュールは、視野角欠落データ、すなわち検知器によって測定された初期データを用いて画像再構成を行い、画像領域において画像領域修復アルゴリズムを用いて再構成された画像に対してアーチファクト除去及びデータ補正処理を行い、最終的な再構成画像を取得することができる。本実施例において、画像修復アルゴリズムは、例えばTV正則化項、ウェーブレット分析、辞書学習などに基づく方法及び人工ニューラルネットワーク方法などの様々な従来のアルゴリズムを含む。
【0180】
他のいくつかの実施例によれば、画像処理モジュールは、上記反復法及び上記画像領域修復方法の組み合わせを用いて画像再構成を行い、画像品質を向上させることができる。具体的には、画像処理モジュールは、まず上記反復法を用いて投影領域で欠落データを補完し、設定された収束閾値を満たす再構成画像を取得し、次に上記画像領域修復方法を用いて上記反復法により取得された再構成画像に対して画像領域で画像修復アルゴリズムを用いてアーチファクト除去及びデータ修正処理を行い、最終的な再構成画像を取得することができる。
【0181】
分散型マルチポイント源を採用する放射線源と比べて、シングルポイント源形式を採用する放射線源の源ポイントは比較的に疎であり、画像処理モジュールは、疎視野角データに適用する画像再構成アルゴリズムを採用して走査画像を取得することができる。
【0182】
前記実施例の放射線走査装置において、放射線源は、上下左右の四側で走査領域を囲む。他の実施例によれば、本願は放射線走査装置をさらに提供し、その配置は基本的に前記実施例の放射線走査装置と同じであり、相違点は主に放射線源の配置であり、ここで、放射線源は上側、下側及び左右側のうちの一方のみにおいて走査領域を囲む。以下の説明では、放射線源が走査領域の上側、下側及び右側に配置されている場合を例に説明するが、放射線源が走査領域の上側、下側及び左側に配置されている場合も同様である。
【0183】
具体的には、前記実施例の放射線走査装置において、放射線源3の各放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であり、複数の放射線源モジュールは走査領域を囲む矩形構造、多角形構造、楕円形構造などとして配置されてもよい。本実施例において、放射線源の複数の放射線源モジュールは依然として分散型マルチポイント源であってもよく、相違点は、複数の放射線源モジュールは、走査領域を囲む走査領域の左側に開口する非閉鎖構造として配置され、例えば左側に開口する矩形構造、多角形構造、楕円形構造などが配置され、ここで、走査領域の左側とは、走査領域の被検体6の輸送方向に垂直な方向における左側を指す。前記実施例において、放射線源3は、非連続的又は連続的な矩形構造、連続的な多角形構造、連続的な角丸矩形、非連続的な多角形又は非連続的な角丸矩形構造及び他の多角形と楕円形の構造で配置され、それに応じて、本実施例において、放射線源は、走査領域の左側に開口する非連続的又は連続的な矩形構造、連続的な多角形構造、連続的な角丸矩形、非連続的な多角形又は角丸矩形構造及び他の多角形と楕円形の構造で配置され、例えば、図2に記載の放射線源に対し、本実施例の放射線源3は、少なくとも走査領域の左側の放射線源モジュール34を含まず、例えば、図4の(b)~図4の(c)に示す放射線源に対し、本実施例の放射線源3は、少なくとも被検体6の左側の放射線源モジュールを含まない。
【0184】
また、前記実施例と同様に、本実施例の放射線源は複数のシングルポイント源群から構成されてもよく、前記実施例との相違点は、本実施例の放射線源3が左側視野角におけるシングルポイント源を含まない、又は左側視野角及び左上斜め視野角と左下斜め視野角におけるシングルポイント源を含まないことのみである。
【0185】
上記相違点を除き、本実施例の放射線源の他の特徴は、いずれも前記実施例の放射線源3と同じである。
【0186】
本実施例の検知器の各方面の特徴は、基本的に前記実施例における検知器4と同じであり、相違点は、本実施例において、検知器は、走査領域を上側、下側及び右側のみで囲む放射線源と組み合わせ、検知器4の走査領域の左側に位置する検知器群の同じ側に放射線源モジュールがないことである。したがって、検知器4の各検知器群の着脱は、上記の実施例と同じ方法を使用することができることに加えて、以下に説明するように上記の実施例とは異なる方法を使用することができ、それにより、検知器の着脱およびメンテナンスをさらに容易にする。具体的には、図13に示す検知器群と放射線源との組み合わせを例として(ここで、検知器群は図2に示す検知器群と同じであり、放射線源は図2に示す放射線源に比べて走査領域の左側の放射線源モジュールが欠けている)、検知器4は、検知器群41’、43’、44’が被検体6の輸送方向(図14に示すように、X方向)に対して垂直な方向に支持フレーム5に対して着脱され、検知器群42’が被検体6の輸送方向(図14に示すように、Z方向)に沿って支持フレーム5に対して着脱される。
【0187】
検知器群42’は、上記の実施例と同じ取付固定構造(図9に示すように)を用いて支持フレーム5に対して取り外し又は取り付けることができる。しかし、上記実施例の取付固定構造は、検知器群41’、43’、44’のX方向に沿った着脱に適していないため、異なる取付固定構造が必要である。以下、これらの取付固定構造の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0188】
上記実施例の取付固定構造と同様に、検知器群41’、43’、44’のX方向の着脱に適する取付固定構造も具体的に、第1の取付部と、第2の取付部と、固定装置とを備え、第1の取付部は、検知器群に固定設置され、第2の取付部は、放射線走査機器の支持フレームに固定設置され、且つ第1の取付部の直線移動に係合し、ここで、検知器群は、第1の取付部と第2の取付部とが互いに係合した状態で第2の取付部に沿って所定取付位置に移動することができ、固定装置は、検知器群の幅方向に沿う一側に設けられ、支持フレーム上の取付基準面に対して検知器群を固定するために用いられる。いくつかの具体的な実施例において、検知器群41’、43’、44’は、検知器アームを介して放射線走査機器の支持フレームに取り付けられて固定され、ここで、第1の取付部は、検知器アームに固定的に設けられ、固定装置は、検知器アームの幅方向に沿った一側に設けられ、検知器アームを支持フレームに固定することで検知器群を固定する。
【0189】
図15は、いくつかの具体的な実施例に係る検知器群41’に適する取付固定構造を示し、図15の(a)は、検知器群の取付状態の斜視図を示し、図15の(b)は、検知器群の取付状態の側面図を示し、図15の(c)は、検知器群の取り外し状態の斜視図を示し、図15の(d)は、固定装置付きの検知器群の取付状態の断面図を示す。図15に示すように、検知器群41’の取付固定構造の第1の取付部は、検知器アーム411に設けられたスライダ412を含み、スライダ412は、検知器アーム411の長手方向に沿って延在し、検知器群41’が放射線走査装置に取り付けられた状態で、検知器アーム411の長手方向は、被検体6の輸送方向に対して垂直である。図15において、スライダ412は、検知器アーム411の長さの一部を延伸し、他の実施例において、スライダ412は、検知器アーム411の全長または他の長さを延伸するように設けられてもよい。また、スライダ412は、ボルト接続等により検知器アーム411に固定されてもよい。他の実施例によれば、スライダ412は、検知器アーム411と一体成形されてもよい。
【0190】
第2の取付部は、スライダ412と係合する固定ガイドレール413として形成される。固定ガイドレール413は、放射線走査装置の支持フレーム5(図15に図示せず)に固定接続され、支持フレーム5と一体成形されてもよい。固定ガイドレール413の長手方向は、放射線走査装置の被検体6の輸送方向に対して垂直である。固定ガイドレール413の長さ方向に沿う一端には位置規制部(図示せず)が設けられてもよく、検知器群41’を取り付ける際に、スライダ412を固定ガイドレール413に位置合わせし、検知器アーム411が位置規制部に当接するまで、固定ガイドレール413に沿って検知器群41’を押することで、検知器群41’を所定の取り付け位置に移動させる。
【0191】
固定装置は、検知器群41’の幅方向に沿った一側に設けられ、検知器アーム411の幅方向に沿った一側の表面414に当接する。具体的には、固定装置は、位置決め部材415と締結具416とを含み、位置決め部材415は、支持フレーム5に固定接続され、支持フレーム5から離れた端面が取付基準面417として形成され、該取付基準面417は、検知器アーム411の幅方向に沿う一側の表面414に当接することに用いられる。表面414は、検知器アーム411の取付面であり、取付基準面417と共に良好な平面度を有するように加工され、検知器アーム411の取付面414が取付基準面417に当接して固定される場合、検知器群41’を幅方向に正確に位置決めすることができる。締結具416は、位置決め部材415を貫通し、位置決め部材415の端面に対して検知器群41’を締結することができる。具体的には、締結具416は、例えば、締結ボルトであってもよく、位置決め部材415及び検知器アーム411の位置決め部材415に対向する側面には、対応するネジ穴が設けられ、締結ボルト416を対応するネジ穴に通して締め付け、位置決め部材415の端面に対して検知器群41’を締め付けることができる。固定装置は、検知器群41’を支持フレーム5に強固に固定するように、検知器群41’の長手方向に沿って複数、例えば少なくとも2つ設けられてもよい。
【0192】
上記取付固定構造により、検知器群41’を取り付ける際に、検知器群41’の検知器ユニットが下に向く状態で、まず、検知器群41’におけるスライダ412を固定ガイドレール413に位置合わせし、検知器群41’を固定ガイドレール413に沿って固定ガイドレール413における位置規制部分に当接するまで移動させ、その後、締結ボルト416に位置決め部材415と検知器アーム411における対応するネジ穴を通させて締め付けることで、検知器群41’を位置決め部材415の端面、即ち取付基準面417に対して位置決めする。検知器群41’を取り外す際には、逆の操作を行えばよい。
【0193】
固定ガイドレールの長さ方向が放射線走査装置の被検体6の輸送方向に対して垂直であり、且つ検知器群41’のX方向に沿う一側に放射線源による妨害がないため、上記取付固定構造により、検知器群41’は放射線走査装置の被検体6の輸送方向に垂直な方向に支持フレーム5に対して着脱可能である。また、固定装置は検知器群の幅方向に沿う一側、即ち検知器のZ方向に沿う一側に設置されるため、放射線源の遮蔽を避けて検知器群を締め付けることができ、検知器群の着脱及びメンテナンスに便利である。
【0194】
また、選択可能的に、上記取付固定構造において、第2の取付部は、第1の取付部と係合した状態で検知器群41’を所定の取付位置に支持するように配置されていてもよい。具体的には、スライダ412は、検知器アーム411の幅方向に沿った対向する両側に設けられ、検知器アーム411の幅方向に沿った対向する両側の縁部から内側へ延在する内側延在部4121、4122を有し(図15の(b)参照)、固定ガイドレール413は、幅方向に沿った対向する両側において外側へ延在する外側延在部4131、4132を含み(図15の(b)参照)、スライダ412が固定ガイドレール413に係合された状態で、スライダ412の内側延在部4121、4122は、固定ガイドレール413の外側延在部4131、4132の上方に位置し、両者は接触して重なって配置される。これにより、検知器群41’が固定ガイドレール413に沿って所定の取付位置まで移動した後、検知器群41’は、スライダ412の内側延在部4121、4122によって固定ガイドレール413の外側延在部4131、4132に吊り下げられる。このように、固定ガイドレール413は、検知器群41’を所定の取付位置に支持することができ、他の追加の補助構造又はツールを必要とせず、検知器群41’を締め付ける際に、操作者が検知器群41’を保持する必要もなく、操作を行うことができ、操作の利便性を改善する。
【0195】
検知器群43’は、検知器群41’と同様に、スライダと固定ガイドレールの組み合わせで着脱される。具体的には、図16は、いくつかの特定の実施形態による、検知器群43’に適した取り付け固定構造を示し、図16の(a)は、検知器群の取り付け状態の斜視図を示し、図16の(b)は、検知器群の取り付け状態の側面図である。
【0196】
図16に示すように、検知器群43’の取付固定構造の第1の取付部は、検知器アーム431に設けられたスライダ432を含み、スライダ432は、検知器アーム431の長手方向に沿って延び、検知器群43’が放射線走査装置に取り付けられた状態で、検知器アーム431の長手方向は、放射線走査装置の被検体6の輸送方向に対して垂直である。スライダ432は、ボルト接続等により検知器アーム431に固定されてもよく、検知器アーム431と一体成形されてもよい。検知器アーム431には、長手方向に延びる溝433が形成されており、この溝433にスライダ432が設けられている。
【0197】
第2の取付部は、スライダ432と係合する固定ガイドレール434として形成される。固定ガイドレール434は、放射線走査装置の支持フレーム5に固定接続され、支持フレーム5と一体成形されてもよい。固定ガイドレール434の長手方向は、被検体6の輸送方向に対して垂直である。固定ガイドレール434の長さ方向に沿う一端には位置規制部(図示せず)が設けられてもよく、検知器群43’を取り付ける際に、スライダ432を固定ガイドレール434に位置合わせし、検知器アーム431が位置規制部に当接するまで固定ガイドレール434に沿って検知器群43’を押することで、検知器群43’を所定の取り付け位置に移動させる。
【0198】
検知器群43’の取付固定構造の固定装置は、検知器群41’と同じ固定装置を採用し、ここで固定装置の具体的な構造を詳細に説明しない。この固定装置により、検知器群43’を支持フレーム5上の対応する取付基準面に締め付けて固定することができる。検知器群43’の検知器アーム431の幅方向に沿った一側にも取付面が設けられており、同様に、この取付面と支持フレーム5の取付基準面とが良好な平面度を有するように加工されることにより、検知器アーム431の取付面が取付基準面に当接したときに、検知器群43’を幅方向に正確に位置決めすることができる。同様に、固定装置は、検知器群43’を支持フレーム5に強固に固定するために、検知器群43’の長手方向に沿って複数、例えば少なくとも2つ設けられてもよい。
【0199】
上記取付固定構造により、検知器群43’を取り付ける際に、検知器ユニットが上向きである場合、まず、検知器群43’におけるスライダ432を固定ガイドレール434に位置合わせし、検知器群43’を固定ガイドレール434に沿って固定ガイドレール434における位置規制部分に当接するまで移動させ、その後、締結ボルトに位置決め部材及び検知器アームにおける対応するネジ穴を通させて締め付けることにより、検知器群43’を位置決め部材における取付基準面に対して位置決めする。検知器群43’を取り外す際には、逆の操作を行えばよい。
【0200】
固定ガイドレールの長さ方向が放射線走査装置の被検体6の輸送方向に対して垂直であり、且つ検知器群43’のX方向に沿う一側に放射線源による妨害がないため、上記取付固定構造により、検知器群43’は放射線走査装置の被検体6の輸送方向に垂直な方向に支持フレーム5に対し着脱可能である。また、固定装置は検知器群43’の幅方向に沿う一側、即ち検知器のZ方向に沿う一側に設けられるため、放射線源の遮蔽を避けて検知器群を締め付けることができ、検知器群の着脱及びメンテナンスに便利である。
【0201】
また、選択可能的に、上記取付固定構造において、第2の取付部は、前記第1の取付部と係合した状態で前記検知器群43’を所定の取付位置に支持するように構成されていてもよい。具体的には、図16に示すように、固定ガイドレール434は、受け部4341、4342を含み、該受け部4341、4342は、スライダ432とスライド係合するほか、スライダ432の下方でスライダ432を支持することにより、検知器群43’が固定ガイドレール434に沿って所定の取付位置まで移動した後、検知器群43’を下方から所定の取付位置に支持する。これにより、検知器群43’を締め付ける際に、別途の工具を必要とせず、操作者が検知器群43’を支持する必要がなく、締め付ける操作を行うことができ、操作性が向上する。。
【0202】
図17は、いくつかの具体的な実施例に係る検知器群44’に適する取付固定構造を示し、図17の(a)は、検知器群の取付状態における斜視図を示し、図17の(b)は、取付固定構造の第1の取付部と第2の取付部が分離した状態における模式図であり、図17の(c)及び図17の(d)は、取付固定構造の第1の取付部と第2の取付部が係合した状態における異なる視野角の斜視図である。
【0203】
検知器群44’の取付固定構造の第1の取付部は、具体的には、検知器アーム441の幅方向に沿った一側に設けられた固定ブロック442として形成され、固定ブロック442は、検知器アーム441の厚み方向に沿う一側に開口443を有する。検知器群44’の取付状態において、検知器アーム441の幅方向は放射線走査装置の被検体6の輸送方向と一致し、厚み方向は被検体6の輸送方向に対して垂直である。固定ブロック442の開口443は、U字型であってもよく、他の適切な形状であってもよい。固定ブロック442は、ボルト固定などの方式で検知器アーム441に固定接続されてもよく、検知器アーム441と一体に形成されてもよい。
【0204】
第2の取付部は、支持フレーム5に固定される片持ち部444として形成され、片持ち部444の支持フレーム5から離れた端部には、延在部445が設けられ、該延在部445は、固定ブロック442における開口443と直線移動可能に係合し、即ち、延在部445は、開口443の縁部から開口443の内部まで直線移動できる。片持ち部444の長手方向は、放射線走査装置の被検体6の輸送方向と一致する。開口部443の底部は、検知器群44’を取り付ける際に、検知器アーム441上の固定ブロック442の開口部443を延在部445に位置合わせし、開口部443の底部が延在部445に当接するまで検知器アーム441を延在部445に対し直線移動させることにより、検知器群44’を所定の取り付け位置に規定する位置規制部として機能する。
【0205】
固定装置は、検知器アーム441の幅方向に沿った一側(固定ブロック442と同じ側)に設けられ、固定装置は、端面が取付基準面として形成され、取付基準面に対し検知器アーム441を締め付ける。具体的には、固定装置は、固定具446と締結具447とを含むことができ、固定具446の支持フレーム5から離れた端面は、検知器アーム441の幅方向に沿う一側の表面449に当接するための取付基準面448として形成される。表面449は、検知器アーム441の取付面であり、取付基準面448とともに良好な平面度を有するように加工され、検知器アーム441の取付面449が取付基準面448に当接して固定される場合、幅方向において検知器群44’を正確に位置決めすることができる。締結具447は、固定具446の端面448に対して検知器アーム441を締め付けるために用いられる。締結具447は、固定ボルトであってもよく、検知器アーム441の幅方向に沿う固定具446に対向する側及び固定具446には、対応するネジ穴が形成され、固定ボルト447は、固定具446及び検知器アーム441における対応するネジ穴を貫通して締め付けることにより、取付基準面448に対し検知器群44’を締め付けることができる。また、固定装置は、複数、例えば少なくとも2つを含んでもよく、複数の固定装置は、検知器群44’をしっかりと固定して位置決めするように、検知器群41’の長手方向に沿って間隔を置いて配置されてもよい。
【0206】
上記取付固定構造により、検知器群44’を取り付ける際に、検知器ユニットが走査領域に向き、且つ幅方向が被検体6の輸送方向と一致する状態で、まず検知器群44’における固定ブロック442の開口443を片持ち部444の延伸部445に位置合わせし、開口443の底部が延伸部445に当接するまで検知器群44’を延伸部445に沿って移動させ、その後、締結具447に固定具446及び検知器アーム441における対応するネジ穴を通させて締め付け、検知器群44’を固定具446の取付基準面448に対し位置決めする。検知器群44’を取り外す際には、逆の操作を行えばよい。
【0207】
これにより、上記取付固定構造を利用して、片持ち部444が放射線走査装置において被検体6の輸送方向に沿って延在し、検知器群44’の幅方向が被検体6の輸送方向に対して平行であり、且つ固定ブロック442の開口443が検知器群44’の厚さ方向側に向くため、検知器結晶を走査領域に向けることにより、被検体6の輸送方向に垂直な方向に検知器群44’を取り付けたり取り外したりすることができる。
【0208】
また、選択可能的に、上記取付固定構造において、第2の取付部は、前記第1の取付部と係合した状態で検知器群44’を所定の取付位置で支持するように配置されている。すなわち、片持ち部444は、片持ち部444の延出部445に対して検知器群44’が所定の設置位置に移動した後、固定ブロック442によって検知器群44’全体を支持することができ、他の補助構造や工具を必要としない。このようにして、検知器群44’を締め付ける際に、余分な工具を必要とせず、操作者が検知器群44’を保持することなく、操作を行うことができ、操作の利便性を改善する。
【0209】
各検知器群41’、42’、43’、44’は異なる固定取付構造を採用して支持フレーム5に対して着脱されるが、各検知器群は取り付けられた後に他の検知器群とともに被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置してもよい。具体的には、各検知器群の取付基準面を被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に設置することにより、各検知器群41’、42’、43’、44’が取付られた後に被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置することを確保することができる。
【0210】
また、図15図16における固定取付構造の第1の取付部と第2の取付部との間の直線移動係合は、スライダとガイドレールの係合を採用し、他の実施例によれば、本願の固定取付構造は、他の直線移動係合、例えば直線スライド又は直線転がり係合などを採用してもよく、例えば直線ボールベアリングと円柱軸との係合などを採用してもよい。
【0211】
以上、本実施例の放射線走査装置の検知器4の検知器群の取付固定構造を説明した。以下、本実施例の放射線走査装置の他の態様の特徴を説明する。
【0212】
本実施例の放射線走査装置の放射線源3と検知器4の相対配置は、前記実施例と基本的に同じである。前記実施例と同様に、放射線源3は、複数の放射線源モジュールを含み、各放射線源モジュールは、走査領域を囲むように配置され、且つ被検体6の輸送方向に垂直な平面内、特に同一平面内に位置し、検知器4は、複数の検知器群を含み、複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に垂直な他の平面内、特に同一平面内に位置し、且つ各検知器群の端部は、互いに接続されて走査領域を囲むように配置され、さらに、放射線源3と検知器4との組み合わせ状態において、検知器4は、被検体6の輸送方向の垂直方向に沿って放射線源3の内側に配置され、放射線源3と検知器4とは、被検体6の輸送方向において少なくとも部分的に重なるように配置され、検知器4の複数の検知器群は、前記実施例に記載の走査領域を囲む閉じた正方形構造、長方形構造、多角形構造又は楕円形構造などのいずれかの構造であってもよく、前記実施例と異なるのは、放射線源3の複数の放射線源モジュールは、走査領域を囲む走査領域の左側に開口する非閉鎖構造ように配置され、例えば左側に開口する矩形構造、多角形構造、楕円形構造などであってもよい。
【0213】
前記実施例と同様に、本実施例の検知器4の各検知器群は、選択可能的に、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置されるとともに、残りの側の各放射線源モジュールからの放射線を受信することができる。放射線源3と検知器4はいずれも環状に配置される(放射線源3は左側が開口した半開リングである)ため、同一の検知器群は放射線源の異なる放射線源モジュールに共用されることができる。また、放射線源3の各放射線源モジュールの放射線は、対向側の検知器群によって検出される以外に、他の側の検知器群によっても検出されることができるため、各放射線源モジュールの放射線は、検知器によってできるだけ多く検出されることができる。従って、本実施例の検知器は同様に、画像品質を向上させるとともに、検知器群の数を減少させ、装置コストを低減することができる。
【0214】
また、前記実施例と同様に、選択可能的に、検知器4の各検知器群の検知器結晶は、検知器ユニットの被検体6の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体6の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置される。これにより、放射線源と検知器との間の光路のカバー長さをできるだけ小さくして、装置の長さを小さくすることができる。
【0215】
また、前記実施例と同様に、さらに選択可能的に、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。具体的には、前記実施例と同様に、放射線源モジュールは、ターゲット軸に対し所定の角度だけ回動して、放射線源モジュールの放射線ビームのビーム出射角度を調整することにより、放射線ビームの中心位置で検知器結晶に照射することができる。検知器の検知器結晶が被検体6の輸送方向において検知器ユニットの端部位置に位置し且つ同じ側の放射線源の放射線ビームエッジに隣接して配置されるため、放射線源モジュールは非常に小さい所定の角度、例えば1.5度だけ回動することができ、放射線ビームの中心位置を検知器結晶に照射することができる。このように、放射線ビームが検知器結晶の表面に斜めに入射することによる結像への悪影響を最大限に低減することができる。前記実施例と同様に、放射線源モジュールはターゲット軸又は他の軸線回りに回動可能であり、又は前記実施例に記載の他の適切な方式により放射線ビームのビーム出射角度を調整する。
【0216】
また、前記実施例と同様に、本実施例の放射線源の隣接する放射線源モジュールの端部にも投影データが欠けているため、本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールもデータ補償機能を有するように配置され、視野角欠落データに対し補償及び/又は再構成画像を修復して、画像品質を向上させることができる。本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールは、上記の実施例と同じ方法で画像再構成を行う。
【0217】
本実施形態の放射線走査装置は、上述した実施形態の放射線走査装置と同様の効果に加えて、以下の利点を奏する。
【0218】
本実施例の放射線走査装置は、特に空港の手荷物のセキュリティチェックに適用される。空港の手荷物は、体積が小さく(例えば、通常600mm*400mm以内)、長さ、幅が大きく、厚さが小さいという特徴を有し、伝送装置に置かれて検出を行う場合、通常、厚さが上下方向に沿い、幅が左右方向に沿い、長さが輸送方向に沿う。本実施例の放射線走査装置は、走査領域の上下両側にいずれも放射線源モジュールを配置して厚さ方向に荷物を走査する。これにより、サイズの小さい厚み方向に、より多くの投影データを得ることができる。また、荷物の厚さが小さく、厚さ方向における投影データが自己遮蔽及び放射線減衰による影響がいずれも小さいため、厚さ方向における投影データは他の方向に比べてより正確で明瞭であり、画像品質の向上に有利である。同時に、本願の放射線走査装置の放射線源は、荷物の幅方向において片側のみに放射線源モジュールが設置され、幅方向において、投影データが荷物の自己遮蔽及び放射線減衰の影響を受けることが大きいため、投影データの品質が厚さ方向における投影データの品質に比べて悪く、荷物の幅方向において片側のみに放射線源モジュールが設置されることで、画像品質を保証するとともに放射線源のコストを低減することができる。
【0219】
また、本実施例の放射線走査装置は、走査領域の左側に放射線源が設置されていないが、依然として走査領域の左側位置に対向する右側検知器群が設置され、該右側検知器群は上下両側の放射線源モジュールの放射線を受信し、上下両側の放射線源モジュールの放射線の対応検出データを増加することができる。従って、各放射線源モジュールの対向側にのみ検知器群を設置する場合に比べて、画像品質を向上させることができる。
【0220】
また、本実施例は、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に配置されることを例として説明したが、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に配置される場合にも同様に適用できる。
【0221】
また、本実施形態では、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向の同一平面内に配置されている例について説明したが、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に配置されている場合についても同様である。
【0222】
上記実施例では、放射線源が上下左右の四側において走査領域を囲む放射線走査装置を説明した。他の実施例によれば、本願は放射線走査装置をさらに提供し、その配置は基本的に前記実施例の放射線走査装置と同じであり、相違点は主に放射線源の配置であり、本実施例において、放射線源は上側、左側及び右側の三側のみにおいて走査領域を囲み、即ち、放射線源は伝送装置の上方のみにおいて走査領域を囲み、伝送装置の下方には放射線源モジュールが設けられていない(具体的には図18を参照することができ、図18は本実施例に係る放射線源及び検知器の配置模式図を示す)。ここで、伝送装置の上方とは、伝送装置の直上のみならず、伝送装置の側方上方も含むものであり、また、伝送装置の上方とは、厳密に伝送装置よりも高さが高くなければならないものに限定されず、伝送装置と高さがほぼ同じである場合、又は伝送装置よりも若干低い場合も本実施例の範囲に含まれる。
【0223】
具体的には、該前記実施例の放射線走査装置において、放射線源3の各放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であり、複数の放射線源モジュールは走査領域を囲む矩形構造、多角形構造、楕円形構造などに配置されてもよい。本実施例において、放射線源の複数の放射線源モジュールは、分散型マルチポイント源であってもよく、相違点は、複数の放射線源モジュールが走査領域を囲む伝送装置の下方に開口する非閉鎖構造として配置され、例えば、伝送装置の下方に開口する矩形構造、多角形構造、楕円形構造などである。該前記実施例において、放射線源3は、非連続又は連続的な矩形構造、連続的な多角形構造、連続的な角丸矩形、非連続的な多角形又は非連続的な角丸矩形構造及び他の多角形と楕円形の構造で配置されているが、本実施例において、放射線源は、伝送装置の下方に開口する非連続の又は連続的な矩形構造、連続的な多角形構造、連続的な角丸矩形、非連続的な多角形又は非連続的な角丸矩形構造及び他の多角形と楕円形の構造で配置されており、例えば、図2に示す放射線源に対し、本実施例の放射線源3は、少なくとも下方の放射線源モジュール33を含まず、ある場合によっては、放射線源モジュール32、34の伝送装置1よりも低い部分を含まず、例えば、図4の(b)~図4の(c)に示す放射線源に対して、本実施例の放射線源3は、少なくとも被検体6の下方の放射線源モジュールを含まない。
【0224】
また、該上記の実施例と同様に、本実施例の放射源は、複数のシングルポイント源群から構成されてもよく、相違点は、本実施例の放射源3が底視野角、左下斜め視野角及び右下斜め視野角におけるシングルポイント源を含まないことのみである。
【0225】
上記相違点を除いて、本実施例の放射線源の他の特徴は、いずれも該前記実施例における放射線源3と同じである。
【0226】
本実施例の検知器の各方面の特徴は、基本的に該前記実施例における検知器4と同じであり、相違点は、本実施例において、検知器と、走査領域を上側、左側及び右側のみに囲む放射線源とが組み合わされ、検知器4の走査領域の下方に位置する検知器群の同じ側に放射線源モジュールがなく、検知器4の走査領域の下方に位置する検知器群の着脱が下側放射線源モジュールによって阻害されないことである。したがって、検知器の各検知器群は、前記実施例と同じ取付固定構造を採用して着脱することができるほか、走査領域の下方に位置する検知器群が左側又は右側の放射線源モジュールに妨害されない場合、被検体6の輸送方向に垂直な方向に沿って支持フレーム5に対して着脱されることもでき、具体的には、前記図16を参照して説明した取付固定構造を採用して着脱することができる。
【0227】
また、本実施例の放射線走査装置の放射線源3と検知器4との相対配置は、前記実施例と基本的に同じである。具体的には、該上記した実施例と同様に、放射線源3は、複数の放射線源モジュールを含み、各放射線源モジュールは、走査領域の周りに配置され、且つ被検体6の輸送方向に垂直な平面内、特に同一平面内に位置し、検知器4は、複数の検知器群を含み、複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に垂直な他の平面内、特に同一平面内に位置し、且つ各検知器群の端部は、走査領域の周りに配置されるように互いに接続され、さらに、放射線源3と検知器4との組み合わせ状態において、検知器4は、被検体6の輸送方向の垂直方向に沿って放射線源3の内側に配置され、放射線源3と検知器4とは、被検体6の輸送方向において少なくとも部分的に重なり、ここで、検知器4の複数の検知器群は、上記した実施例に記載の走査領域の周りに開口する閉じた正方形構造、長方形構造、多角形構造又は楕円形構造などのいずれかの構造であってもよく、上記した実施例と異なるのは、放射線源3の複数の放射線源モジュールは、走査領域の周りに伝送装置の下方に開口する非閉鎖構造で配置され、例えば、伝送装置の下方に開口する矩形構造、多角形構造、楕円形構造などの本実施例の上記の任意の構造であってもよい。
【0228】
前記実施例と同様に、本実施例の検知器4の各検知器群は、選択可能的に、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないとともに、残りの側の各放射線源モジュールからの放射線を受信することができるように配置される。放射線源3と検知器4はいずれも環状に配置される(放射線源3は下部が開口した半開リングである)ため、同一の検知器群は放射線源の異なる放射線源モジュールに共用されることができる。また、放射線源3の各放射線源モジュールの放射線は、対向側の検知器群に加えて、他の側の検知器群によっても検出されることができるため、各放射線源モジュールの放射線は、検知器によってできるだけ多く検出されることができる。従って、本実施例の検知器は同様に、画像品質を向上させるとともに、検知器群の数を減少させ、装置コストを低減することができる。
【0229】
また、前記実施例と同様に、選択可能的に、検知器4の各検知器群の検知器結晶は、検知器ユニットの被検体6の輸送方向に沿う端部に配置され、被検体6の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを遮蔽しないように配置される。これにより、放射線源と検知器との間の光路のカバー長さをできるだけ小さくして、装置の長さを小さくすることができる。
【0230】
また、前記実施例と同様に、さらに選択可能的に、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。具体的には、前記実施例と同様に、放射線源モジュールは、ターゲット軸に対し所定の角度だけ回動して、放射線源モジュールの放射線ビームのビーム出射角度を調整することにより、放射線ビームの中心位置で検知器結晶に照射することができる。検知器の検知器結晶が被検体6の輸送方向において検知器ユニットの端部位置に位置し且つ同じ側の放射線源の放射線ビームエッジに隣接して配置されるため、放射線源モジュールは非常に小さい所定の角度、例えば1.5度だけ回動することができ、放射線ビームの中心位置で検知器結晶に照射することができる。このように、放射線ビームが検知器結晶の表面に斜めに入射することによる結像への悪影響を最大限に低減することができる。前記実施例と同様に、放射線源モジュールはターゲット軸又は他の軸線回りに回動可能であり、又は前記実施例に記載の他の適切な方式により放射線ビームのビーム出射角度を調整する。
【0231】
また、前記実施例と同様に、本実施例の放射線源の隣接する放射線源モジュールの端部にも投影データが欠けているため、本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールもデータ補償機能を有するように配置され、視野角欠落データに対し補償及び/又は再構成画像を修復して、画像品質を向上させることができる。本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールは、上記の実施例と同じ方法で画像再構成を行う。
【0232】
本実施形態の放射線走査装置は、上述した実施形態の放射線走査装置と同様の利点に加えて、以下の利点を奏する。
【0233】
本実施例の放射線走査装置は、伝送装置の下方に放射線源モジュールが配置されていないため、伝送装置の高さを低くすることができ、被検体品の伝送装置への輸送に便利であり、また、伝送装置の下方にも放射線源モジュールが配置される上記実施例に比べて、本実施例は、装置コストを省くことができる。
【0234】
また、本実施例の放射線走査装置には下部放射線源が設置されていないが、依然として下部位置に対向する上方検知器群が設置され、該上方検知器群は左右両側の放射線源モジュールの放射線を受信でき、左右両側の放射線源モジュールの放射線の対応検出データを増加することができる。従って、各放射線源モジュールの対向側にのみ検知器群を設置する場合に比べて、画像品質を向上させることができる。
【0235】
また、本実施例は、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に配置されることを例として説明したが、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に配置される場合にも同様に適用できる。
【0236】
また、本実施形態では、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向の同一平面内に配置されている例について説明したが、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に配置されている場合についても同様である。
【0237】
上記実施例では、放射線源及び検知器が上下左右の四側において走査領域を囲む放射線走査装置を説明した。他の実施例によれば、本願は、前記実施例の放射線走査装置と構造が基本的に同じであり、相違点は、放射線源と検知器の配置が異なることにある。具体的には、本実施例において、被検体の輸送方向から見て、放射線源の複数の放射線源モジュールは、走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で走査領域を囲むように配置され、検知器の複数の検知器群も、走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で走査領域を囲むように配置され、且つ、検知器の非閉鎖構造の開口は、放射線源の非閉鎖構造の開口に対向して設けられ、また、検知器の複数の検知器群は、被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の複数の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な複数の異なる平面内に固定され、例えば、放射線源の検知器の非閉鎖構造の開口側に配置される放射線源モジュールと検知器の各検知器群は、被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の他の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に固定される。
【0238】
以下、本実施例に係る放射線走査装置の放射線源の構成及び配置について詳細に説明する。
【0239】
前記実施例と同様に、本実施例の放射線走査装置の放射線源は複数の放射線源モジュールを含み、各放射線源モジュールは分散型マルチポイント源であってもよい。分散型マルチポイント源として、各放射線源モジュールは複数のターゲットポイントを有することができ、各放射線源モジュールの各ターゲットポイントは個別に放射線ビームを生成することができ、且つ各ターゲットポイントは制御装置の制御に基づいて所定の時系列に従って放射線ビームを生成することができる。放射線ビームは、図3に示すように、開き角Aを有する扇形ビームであってもよい。もちろん、放射線ビームの形状は扇形ビームに限定されず、コーンビーム、パラレルビームなどの他の形状の放射線ビームであってもよく、必要に応じて具体的に設置してもよい。
【0240】
前記実施例では、被検体の輸送方向に沿って見て、放射線源の複数の放射線源モジュールは、四側において走査領域を囲んでいるが、本実施例では、被検体の輸送方向に沿って見て、放射線源の複数の放射線源モジュールは、三側のみにおいて走査領域を囲んで配置され、即ち、走査領域側に開口する非閉鎖構造で走査領域を囲んで配置される。具体的には、図19図21に示すように(図19は本実施例による放射線走査装置の放射線源と検知器のレイアウトの立体模式図であり、図20図19に示す放射線源と検知器の被検体の輸送方向に沿って見た側面模式図であり、図21図19に示す放射線源と検知器のレイアウトの平面模式図であり、ここで、走査領域の左側と右側の放射線源モジュールは被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に配置され(図21における実線放射線出射口位置に示すように)、走査領域の下方の放射線源モジュールは被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に配置される(図21における破線で放射線出射口位置に示すように)、被検体の輸送方向から見て、放射線源3は走査領域の左側、右側及び下側にそれぞれ配置される放射線源モジュール31、32、33を含み、放射線源モジュール31、32、33は走査領域の上側に開口する走査領域を囲む非閉鎖構造を形成する。図示の実施例において、放射線源モジュールは直線分散型マルチポイント源であり、放射線源の非閉鎖構造は走査領域の上側に開口する直角矩形構造である。放射線源3の放射線源モジュール31、32、33は、直線分散型マルチポイント源に限定されず、他の実施例によれば、弧状、折れ線状などであってもよい。直線状、弧形状又は折れ線状の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向から見て、放射線源3が走査領域の上側に開口する走査領域を囲む角丸矩形構造、多角形構造、楕円形構造等を形成するように、必要に応じて設置又は組み合わせることができる。また、被検体の輸送方向に沿って見て、放射線源3の放射線源モジュールは、走査領域の左側、右側及び下側に設置されることに限定されず、例えば、上側、左側及び右側、又は上下両側及び左側、又は上下両側及び右側に設置されてもよく、具体的には、実際の使用シーンに応じて設置されてもよい。本実施例の以下の説明では、放射線源モジュールが走査領域の左側、右側及び下側に設けられる場合を例として説明するが、説明される原理は、放射線源モジュールが他の任意の三側に配置される場合にも同様に適用される。
【0241】
前記実施例と同様に、本実施例の放射線源の複数の放射線源モジュールも互いに個別に着脱可能であり、即ち、各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別の真空キャビティを有し、各放射線源モジュールが個別のキャビティを有することは、各放射線源モジュールの複数のターゲットポイントが1つの個別の真空キャビティを共用することを意味する。各放射線源モジュールの複数のターゲットポイントの真空キャビティ内での間隔は、ターゲットポイントの数とキャビティの長さによって決定することができる。いくつかの実施例によれば、単一の放射線源モジュールにおけるターゲットポイントの数は192、264などであってもよく、単一の放射線源モジュールにおけるターゲットポイントの間隔は4mm、12mmなどであってもよい。各放射線源モジュールが個別のキャビティを有することは、一体型環状キャビティの放射線源(即ち、放射線源の全てのターゲットポイントがいずれも同一の環状真空キャビティ内に位置する)に対して、単一の放射線源モジュールのハウジングのサイズ及び内部真空キャビティの体積を縮小することができ、単一の放射線源モジュールの体積を減少させ、重量を減少させるため、放射線源の着脱が便利であり、また、各放射線源モジュールが個別の真空キャビティを採用することにより、放射線源モジュールをメンテナンスする際にキャビティ内で着火するリスクを低減することができるという利点を有する。
【0242】
さらに、前記実施例と同様に、放射線源3の各放射線源モジュールには、放射線源モジュールの取り付け及び調整を容易にするための取付位置決め構造が設けられている。取付位置決め構造により、放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線走査装置における所定の位置に取り付けられて固定されることができる。また、取付位置決め構造により、放射線源モジュールは回転されて放射線ビームのビーム出射角度を調整することもできる。放射線源3の各放射線源モジュールは、放射線走査装置における位置が異なるため、異なる取付方式を採用することができ、異なる取付位置決め構造を有する。例えば、走査領域の左側及び右側に位置する放射線源モジュールは、天井走行車などの装置によって吊り下げ方式で取り付けられてもよく、走査領域の下側に位置する放射線源モジュールは、吊り下げ方式に適合せず、前記実施例に記載の取付位置決め構造(図5に示す取付位置決め構造など)を用いて取付固定したり、放射線ビームのビーム出射角度を調整したりすることができる。
【0243】
また、前記実施例と同様に、放射線源3は複数のシングルポイント源から構成されてもよく、各放射線源モジュールはシングルポイント源群であってもよく、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む。各シングルポイント源は、放射線ビーム、例えば開き角Aを有する扇形ビーム(図3に示す)を個別に放射することができる。放射線源3の各シングルポイント源は、放射線走査システムの制御装置の制御に基づいて所定の時系列に従って放射線を放射することができる。各放射線源モジュールがシングルポイント源群である場合、被検体6の輸送方向から見て、シングルポイント源群は、少なくとも底視野角、左側視野角及び右側視野角に分布し、さらにコーナー斜め視野角、例えば左下斜め視野角及び右下斜め視野角に分布し、さらに左上斜め視野角及び右上斜め視野角を含むことができる(図22に示す)。
【0244】
以下、本実施例の放射線走査装置の検知器4の配置について詳細に説明する。前記実施例と同様に、検知器4は、複数の検知器群を含んでもよく、複数の検知器群は、選択可能的に、被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に位置する。また、前記実施例と同様に、本実施例の検知器群も複数の検知器ユニットを含む検知器アレイである。
【0245】
また、上述した実施形態では、被検体の輸送方向に見て、検知器4の複数の検知器群は、四側に走査領域を囲むように配置され、走査領域を囲む閉鎖構造を形成していたが、本実施形態では、被検体の輸送方向に沿って見て、検知器4の検知器群は三側においてのみ走査領域を囲むように配置され、すなわち、走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で走査領域を囲むように配置されている。具体的には、図19図21に示すように、検知器4は、走査領域の左側、右側及び上側にそれぞれ配置された検知器群41、42、43を含み、検知器群41、42、43の端部が互いに接続されて走査領域を囲む走査領域の下側に開口する非閉鎖構造を形成する。図19図21に示す実施例において、検知器群41、42、43は、直線に沿って配列された複数の検知器ユニットを含む直線検知器アレイであり、それにより走査領域の下側に開口する非閉鎖の長方形又は正方形構造を形成する。ただし、本実施例の検知器4は、上記構成に限定されず、他の構成としてもよい。例えば、検知器4は、3つの比較的長い直線検知器アレイ及び2つの比較的短い直線検知器アレイを含んでもよく、これらの検知器アレイは、走査領域を囲んで交互に配置され、且つ端部が互いに接続されて、走査領域の下側に開口する非閉鎖多角形構造を形成する(図23に示す)。また、検知器4は、他の数の複数の比較的長い直線検知器アレイと、他の数の複数の比較的短い直線検知器アレイとをさらに含んでもよく、これらの検知器アレイは、走査領域を囲んで交互に配置され、端部が互いに接続されて、走査領域の下側に開口する非閉鎖の他の多角形構造を形成する。本実施例の検知器4の検知器群は、弧状の検知器アレイであってもよく、複数の円弧状の検知器アレイは、走査領域を囲んで配置され、端部が互いに接続されて、走査領域の下側に開口する非閉鎖楕円形構造を形成する。本実施例の検知器4の検知器群は、直線検知器アレイと弧形検知器アレイとの組み合わせであってもよく、走査領域の下側に開口する他の形状の非閉鎖構造、例えば、走査領域の下側に開口する角丸矩形構造などを形成する。ここで、検知器ユニットの構造、並びに直線検知器アレイの形態及び弧状検知器アレイ形態の検知器群の構造は、上記実施例で説明した構造と完全に同じである。
【0246】
また、検知器4の検知器群は、図19図21に示すように走査領域の左側、右側及び上側に設置されることに限定されず、例えば下側、左側及び右側、又は上下両側及び左側、又は上下両側及び右側に設置されてもよく、放射線源の非閉鎖構造の開口と放射線源の非閉鎖構造の開口とを対向させることができればよい。本実施例では、図19図21に示す検知器群が走査領域の左側、右側及び上側に設置される場合を例として説明するが、本実施例は同様に検知器群が他の任意の3側に設置される場合に適用する。
【0247】
さらに、上記の実施形態と同様に、いくつかの実施形態では、検知器4の各検知器群は、個別に着脱可能であり、これにより、検知器のメンテナンス性を改善することができる。また、前記実施例と同様に、本実施例の検知器4の複数の検知器群は、被検体6の輸送方向に沿って移動して着脱するように構成され、このように、検知器4の検知器群が被検体6の輸送方向に垂直な方向に沿って放射線源3の内側に配置される場合、放射線源を取り外す必要がなく、検知器群の着脱、調整及びメンテナンスを行うことができ、検知器のメンテナンス性をさらに改善する。図19~21に示す検知器4のように、検知器群41、42、43は、被検体6の輸送方向に平行に移動して着脱することができ、放射線源モジュール31、32、33を取り外す必要がなく、着脱、調整及びメンテナンスを行うことができる。検知器4の検知器群41、42、および43は、上記の実施形態において説明された同じ取付固定構造(図9に示された実施形態およびその変形例など)を使用して、放射線走査装置における検知器群の取り付け位置に対して被検体6の輸送方向に沿って移動させることで、取り付け位置から取り外されまたは取り付け位置に取り付けられることができる。例えば、上記の実施形態と同様に、検知器群41、42、および43は、検知器アームを介して放射線走査装置の支持フレーム5に取り付けられ、または支持フレーム5から取り外されることができる。
【0248】
また、放射線源又は検知器の非閉鎖構造の開口が走査領域の左側又は右側に向いている場合、検知器4の検知器群は、被検体の輸送方向の垂直方向に沿って移動して着脱されることもできる。図24に示すように、被検体の輸送方向に沿って見ると、放射線源の放射線源モジュール31、32、33の非閉鎖構造の開口は走査領域の左側を向き、検知器4の検知器群41、42、43の非閉鎖構造の開口は走査領域の右側を向く。この場合、検知器群41、42、43は、図24の(b)に矢印で示すように、被検体の輸送方向と垂直な方向に沿って、支持フレーム5などの取付位置に対し着脱可能となる。走査領域の左側に放射線源モジュールが設置されていないため、放射線源が検知器の上記移動方式を阻害せず、検知器群を便利に取り外すことができる。このような着脱方式は、例えば、図15図17を参照して説明した取付固定構造及びその変形例などのような、上記に説明した被検体の輸送方向の垂直方向に沿って検知器群を着脱するのに適用される取付固定構造を採用することができる。
【0249】
また、検知器4の検知器群は、一部を被検体の輸送方向に移動させて着脱し、他の一部を被検体の輸送方向に対して垂直方向に移動させて着脱するようにしてもよい。例えば、図19図21に示す実施例において、走査領域の左側又は右側の放射線源モジュール31、32の最高点が走査領域の上方の検知器群41より低い場合、検知器群41は、被検体の輸送方向の垂直方向に沿って移動することで着脱されることもできる。具体的な取付固定構造は、図15に示す実施例及びその変形例を採用することができる。同様に、検知器4の検知器群が走査領域の左側、右側及び下側に配置され、下側の検知器群が左側及び右側の放射線源モジュールの最下点よりも低い場合、下側の検知器群も被検体の輸送方向の垂直方向に沿って移動することで着脱されることができる。具体的な取付固定構造は、図16に示す実施例及びその変形例を採用することができる。
【0250】
また、前記実施例と同様に、検知器の複数の検知器群は、それぞれの取付面及び対応する取付基準面(被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内に設置される)により、取付られた後に被検体6の輸送方向に垂直な同一平面内にある。
【0251】
以下、本実施例に係る放射線走査装置の放射線源3と検知器4の相対配置についてさらに説明する。本実施例は、放射線源3と検知器4の相対配置が上記実施例と異なる。本実施例において、放射線源と検知器との組み合わせ状態で、放射線源の非閉鎖構造の開口と検知器の非閉鎖構造の開口とが対向して配置され、検知器の複数の検知器群が被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の複数の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な複数の平面内に配置され、例えば、放射線源の、検知器の非閉鎖構造の開口側に配置された放射線源モジュールと検知器の各検知器群とが被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、放射線源の他の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に固定される。放射線源の他の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な他の単一の平面内又は他の複数の異なる平面内に位置することができ、選択可能的に、他の単一の平面内であり、本実施例は、他の放射線源モジュールが被検体の輸送方向に垂直な他の単一の平面内に配置される(図21に示す)ことを例として説明するが、同様に他の複数の異なる平面の場合に適用する。
【0252】
放射線源と検知器との組み合わせ状態において、放射線源は、上記の任意の実施例の構造であってもよく、例えば、被検体の輸送方向に沿って見て、走査領域の一側に開口する矩形、多角形、楕円形構造などであり、検知器は、上記の任意の実施例の構造であってもよく、例えば、走査領域の一側に開口する正方形構造、長方形構造、多角形構造、楕円形構造などであり、放射線源と検知器構造との開口が対向して配置されていればよい。以下、図19図21に示す実施例を例として、放射線源3と検知器4の組み合わせ状態での詳細な配置を説明するが、同じ原理は放射線源3と検知器4の他の任意の構造の組み合わせにも適用できる。
【0253】
特に、上記の実施例と同様に、上記のような放射線源3と検知器4の組み合わせに基づいて、検知器の環状配置(半開リング)の上で、検知器4の検知器群41、42、43は、それぞれ、放射線源の複数の放射線源モジュールが検知器の各検知器群を共用できるように、残りの側の各放射線源モジュールからの放射線を受信できるように配置されてもよい。これにより、検知器群の数を減らすことができる。また、放射線源モジュール31、32の放射線はそれぞれ対向側の検知器群42、41によって検出される以外に、同じ側の検知器以外の他の側の検知器群によっても受信されることができ、放射線源モジュール33の放射線は全ての検知器群41、42、43によって受信されることができるため、各放射線源モジュールの放射線は検知器によってできるだけ多く検出されることができる。結果として、走査領域の三つの側面のみに放射線源モジュールと検知器を配置しても、本実施例の放射線走査装置は依然として十分な検出データを取得して画像再構成を行うことができ、同時に、放射線源モジュールと検知器群を減少させるため、装置の重量を軽減することができ、軽量化放射線走査装置の構成に有利である。
【0254】
また、特に、放射線源3の放射線源モジュール33と、検知器4の各検知器群41、42、43とが被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に配置される。これは、具体的には、放射線源モジュール33の放射線出射口が各検知器群の検知器結晶に正対することを指す(図21に示す)。これにより、放射線源モジュール33の放射線ビームは、より多くの検知器結晶をカバーすることができ、より多くの検出データを取得し、画像品質を向上させることに有利である。
【0255】
また、特に、上記実施例における各検知器群と類似に、被検体の輸送方向から見て、即ち被検体の輸送方向の垂直方向において、検知器4の他の放射線源モジュール31、32と同じ側の検知器群41、42は、それぞれ放射線源3の他の放射線源モジュール31、32と走査領域との間に配置され、被検体の輸送方向において、他の放射線源モジュール31、32は、同じ側の検知器群41、42と少なくとも部分的に重なる(図21に示す)。これにより、放射線源と検知器との間の光路によってカバーされる装置の長さを減少させ、装置の全長を減少させることができる。
【0256】
また、前記実施例の各検知器群と類似に、検知器群41、42が被検体の輸送方向において放射線源モジュール31、32と少なくとも部分的に重なる場合、検知器群41、42は、それぞれ同じ側の放射線源モジュール31、32の放射線ビームを避け、且つ同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される。
【0257】
さらに、上記実施形態と類似に、検知器4の各検知器群の検知器結晶は、被検出物の輸送方向に沿った検知器ユニットの端部に配置されており、検知器4の、他の放射線源モジュール31、32と同じ側の検知器群41、42は、被検体の輸送方向においてそれぞれに同じ側の放射線源モジュール31、32の放射線ビームエッジに隣接しているが、同じ側の放射線源モジュール31、32の放射線ビームを遮断しないように配置されている。これにより、放射線源3と検知器4とが被検体6の輸送方向において最大限に重なることができ、放射線源と検知器との間の光路によってカバーされる装置の長さをできるだけ小さくすることができ、装置の全長を小さくすることができる。
【0258】
さらに、特に、前記実施例と類似に、放射線源3の放射線源モジュール31、32は、放射線ビームがそれぞれ同じ側の検知器群41、42を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される。さらに、前記実施例と同様に、放射線源モジュール31、32は、それぞれのターゲット軸に対し所定の角度だけ回動して、それぞれの放射線ビームのビーム出射角度を調整することにより、それぞれの放射線ビームの中心位置で対向側の検知器結晶を照射することができる。検知器の検知器結晶が被検体の輸送方向において検知器ユニットの端部位置に位置し且つ同じ側の放射線源の放射線ビームエッジに隣接して配置されるため、放射線源モジュールは非常に小さい所定の角度、例えば1.5度だけ回動することができ、放射線ビームの中心位置で検知器結晶を照射することができる。このように、放射線ビームが検知器結晶の表面に斜めに入射することによる結像への悪影響を最大限に低減することができる。また、前記実施例と同様に、放射線源モジュールはターゲット軸又は他の軸線回りに回動可能であり、又は前記実施例に記載の他の適切な方式により放射線ビームのビーム出射角度を調整する。
【0259】
また、前記実施例と類似に、本実施例の放射線源の隣接する放射線源モジュールの端部にも投影データが欠けている可能性がある。例えば、図19図21に示す実施例において、放射線源モジュール31、33の隣接する端部及び放射線源モジュール33、32の隣接する端部におけるターゲットポイント間の間隔は、各放射線源内のターゲットポイント間の間隔よりも大きい可能性があるため、これらの端部において投影データが欠けている。したがって、前記実施例と類似に、本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールも、視野角欠落データに対し補償及び/又は再構成画像の修復を行うことで画像品質を向上させることができるデータ補償機能を有するように構成される。本実施例の放射線走査装置の画像処理モジュールは、上記の実施例と同じ方法で画像再構成を行う。
【0260】
当然ながら、他の実施例によれば、放射線源モジュール31、32と放射線源モジュール33は、被検体の輸送方向に垂直な異なる平面内に配置されるため、特に、放射線源モジュール31、33の隣接する端部及び/又は放射線源モジュール33、32の隣接する端部を被検体の輸送方向に沿って重なるように配置することができ、隣接する放射線源モジュール31、33又は32、33の隣接する端部におけるターゲットポイントが重なるようにし、又はターゲットポイントの間隔が各放射線源内のターゲットポイント間の間隔以下であるようにする。この場合、投影データの欠落がないため、それに対応して、画像処理モジュールのデータ補正機能を用いて画像再構成を行う必要がない。
【0261】
本実施例の放射線走査装置は、上記実施形態の放射線走査装置と同様の利点に加えて、以下の利点を奏する。
【0262】
本実施例の放射線源及び検知器は、いずれも三側のみで走査領域を囲み、四側(放射線源及び検知器の一方又は両方であってもよい)で走査領域を囲む場合に比べて、十分なデータを取得して画像再構成を行うことができ、装置コストを低減し、装置重量を低減し、軽量化放射線走査装置を提供することができる。
【0263】
また、本実施例は、走査領域の一側における放射線源モジュールを検知器の検知器結晶に個別に正対させ、該放射線源モジュールの放射線をより多くの検知器ユニットにカバーさせることができ、データ量を増加させ、画像品質を向上させることに有利である。
【0264】
以上、放射線源が上下左右の四側又はそのうちの任意の三側で走査領域を囲む放射線走査装置を説明したが、他の実施例によれば、放射線源は上下左右の四側のうちの任意の両側のみで走査領域を囲むように配置されてもよい。
【0265】
以上、放射線源に用いられる各放射線源モジュールの取付位置決め構造について説明したが、上記取付位置決め構造は、本願の放射線走査装置に使用されることに限定されず、他の適切な放射線走査装置に使用されてもよい。
【0266】
以上、検知器群に用いられる各種の取付固定構造について説明したが、上記取付固定構造は、本願の放射線走査装置に用いられることに限定されず、他の適切な放射線走査装置に用いられてもよく、各実施例の取付固定構造は、個別に用いられてもよく、単一の放射線走査装置に組み合わせて用いられてもよい。
【0267】
以上は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願の実施例は様々な変更及び変更が可能である。本願の発明概念及び原則内で行われるいかなる修正、均等置換、改良などは、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0268】
当業者が理解できるように、上記実施例はいずれも例示的であり、限定的ではない。異なる実施例に現れた異なる技術的特徴は組み合わせて有益な効果を得ることができる。当業者は、図面、明細書及び特許請求の範囲を検討した上で、開示された実施例の他の変化を理解して実現することができる。特許請求の範囲において、用語「含む」は、他の装置又はステップを排除するものではなく、物品が数量詞で修飾されていない場合、1つ又は複数の物品を含み、「1つ又は複数の物品」と交換して使用することができることを意図し、用語「第1の」、「第2の」は、任意の特定の順序を示すためのものではなく、名称を示すためのものである。特許請求の範囲におけるいずれの符号も、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された複数の部分の機能は、単一のハードウェアまたはソフトウェアモジュールによって実現され得る。いくつかの技術的特徴が異なる従属請求項に現れることは、これらの技術的特徴を組み合わせて有益な効果を得ることができないことを意味するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
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図11
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図20
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図22
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図24
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線走査装置であって、
被検体を搬送して前記放射線走査装置の走査領域を通過させる伝送装置と、
放射線ビームを放射する少なくとも1つの放射線源点をそれぞれが有する複数の放射線源モジュールであって、被検体の輸送方向に沿って見て、前記走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で前記走査領域を囲むように配置される複数の放射線源モジュールを備える放射線源と、
被検体の輸送方向に沿って見て、端部が互いに接続され且つ前記走査領域の一側に開口する非閉鎖構造で前記走査領域を囲むように配置される複数の検知器群を備え、走査中に被検体を透過した放射線を検出する検知器と、を備え、
前記放射線源の非閉鎖構造の開口と前記検知器の非閉鎖構造の開口は対向して設置され、
前記検知器の複数の検知器群は、前記被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、且つ、前記放射線源の複数の放射線源モジュールは、被検体の輸送方向に垂直な複数の異なる平面内に配置されている、
放射線走査装置。
【請求項2】
前記放射線源の前記検知器の非閉鎖構造の開口側に位置する放射線源モジュールと、前記検知器の複数の検知器群とは、前記被検体の輸送方向に垂直な同一平面内に固定され、
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、前記被検体の輸送方向に垂直な他の平面内に固定されている、
請求項1に記載の放射線走査装置。
【請求項3】
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、前記被検体の輸送方向に垂直な他の同一平面内に固定されている、
請求項2に記載の放射線走査装置。
【請求項4】
前記複数の放射線源モジュールは、互いに個別に着脱可能である、
請求項3に記載の放射線走査装置。
【請求項5】
前記複数の放射線源モジュールのそれぞれは分散型マルチポイント源であり、前記被検体の輸送方向に沿って見て、複数の分散型マルチポイント源はそれぞれ前記走査領域の三側に配置されて、前記走査領域を囲んで一側が開口した非閉鎖構造が構成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項6】
前記分散型マルチポイント源は、前記被検体の輸送方向から見て前記放射線源が前記走査領域の一側に開口する直角矩形、角丸矩形、多角形又は楕円形構造として形成されるように、直線状、弧線状、折れ線形状又はこれらの任意の組み合わせが形成れる、
請求項5に記載の放射線走査装置。
【請求項7】
前記複数の放射線源モジュールのそれぞれはシングルポイント源群であり、各シングルポイント源群は少なくとも2つのシングルポイント源を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の放射線走査装置。
【請求項8】
各放射線源モジュールは、それぞれの放射線発生装置を収容するための個別のキャビティを有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の放射線走査装置。
【請求項9】
各放射線源モジュールのキャビティは、複数のターゲットポイントを収容するための個別の真空キャビティを含む、
請求項8に記載の放射線走査装置。
【請求項10】
各放射線源モジュール内のターゲットポイント間の間隔は、隣接する放射線源モジュールの端部におけるターゲットポイント間の間隔よりも小さい、
請求項9に記載の放射線走査装置。
【請求項11】
各放射線源モジュールの個別のキャビティには、前記放射線源モジュールを取り付けて位置決めするとともに、前記放射線源モジュールを回動させて放射線ビームのビーム出射角度を調整するための取付位置決め構造が設けられている、
請求項8に記載の放射線走査装置。
【請求項12】
各検知器群は、複数の検知器ユニットを含む検知器アレイであり、前記検知器アレイは、直線検知器アレイ、弧状検知器アレイ、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項13】
各検知器群は直線検知器アレイであり、前記検知器は三つの直線検知器アレイを含み、前記三つの直線検知器アレイは、それぞれ前記走査領域の三側に配置されて前記走査領域の一側に開口する長方形又は正方形構造が形成される、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項14】
各検知器群は直線検知器アレイであり、前記検知器は複数の第1の直線検知器アレイ及び複数の第2の直線検知器アレイを含み、前記第2の直線検知器アレイは前記第1の直線検知器アレイより短く、前記複数の第1の直線検知器アレイ及び前記複数の第2の直線検知器アレイは前記走査領域を囲んで交互に配置されて前記走査領域の一側に開口する多角形構造を形成する、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項15】
前記検知器の各検知器群は、互いに個別に着脱可能である、
請求項12に記載の放射線走査装置。
【請求項16】
前記検知器の検知器群は、前記被検体の輸送方向に対して垂直又は平行に移動することで着脱されるように構成される、
請求項15に記載の放射線走査装置。
【請求項17】
前記検知器の各検知器群は、検知器アームを含み、前記放射線走査装置は、前記放射線走査装置の取付台に対し固定された支持フレームを含み、前記検知器群は、前記検知器アームを介して前記支持フレームに取り付けられ又は前記支持フレームから取り外される、
請求項16に記載の放射線走査装置。
【請求項18】
前記被検体の輸送方向から見て、前記検知器は、前記放射線源と前記走査領域との間に配置され、
前記被検体の輸送方向に沿って、前記他の放射線源モジュールは、同じ側の検知器群と少なくとも部分的に重なる、
請求項4のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項19】
前記検知器の前記他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群は、同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームを避け、且つ同じ側の放射線源モジュール以外の残りの全ての側の放射線源モジュールの放射線を受信するように構成される、
請求項18に記載の放射線走査装置。
【請求項20】
前記検知器群の各検知器ユニットは、走査中に前記被検体を透過した放射線を受信するための検知器結晶を含み、且つ、前記検知器結晶は、前記検知器ユニットの、前記被検体の輸送方向に沿う端部に配置され、
前記検知器の前記他の放射線源モジュールと同じ側の検知器群の検知器結晶は、前記被検体の輸送方向において同じ側の放射線源モジュールの放射線ビームエッジに隣接するが、前記放射線ビームを遮蔽しないように配置される、
請求項18に記載の放射線走査装置。
【請求項21】
前記放射線源の他の放射線源モジュールは、放射線ビームが同じ側の検知器群を避けて対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように配置される、
請求項20に記載の放射線走査装置。
【請求項22】
前記他の放射線源モジュールは、放射線ビームの中心位置で対向側の検知器群の検知器結晶を照射するように、ターゲット軸周りに回転するように構成される、
請求項21に記載の放射線走査装置。
【請求項23】
画像処理モジュールをさらに含み、前記画像処理モジュールは、前記放射線源モジュールの端部における投影データの欠落に対してデータ補償及び/又は再構成画像修復を行って完全な再構成画像を取得するように配置される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線走査装置。
【請求項24】
前記画像処理モジュールは、反復法、画像領域修復方法又は両者の組み合わせにより画像再構成を行うように構成される、
請求項23に記載の放射線走査装置。
【国際調査報告】