IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オルソヌ、エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】歯列矯正ツールおよび保管ケース
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/02 20060101AFI20240621BHJP
   A61C 7/12 20060101ALI20240621BHJP
   A61C 7/08 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61C7/02
A61C7/12
A61C7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579573
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022035009
(87)【国際公開番号】W WO2022272141
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/357,864
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523484002
【氏名又は名称】オルソヌ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン、シーマ、ヤコビー
(72)【発明者】
【氏名】メルヴィル、ダグラス、エフ.
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA20
4C052JJ10
(57)【要約】
歯列矯正ツールは、レバー、ベース、およびレバーとベースとの間に位置するばねを有するトリマーを含む。第1の略横方向延在部分がレバーから延在し、第2の略横方向延在部分がベースから延在する。各々の横方向延在部分には、切断面が関連付けられている。歯列矯正ツールは、締結具によって一端で互いに結合された少なくとも2つのアームを有するツールセットも含み、アームは、研磨ツール、フック、およびピックのうちの2つ以上を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリマーおよびツールセットを備える歯列矯正ツールにおいて、
前記トリマーは、レバーと、ベースと、前記レバーと前記ベースの両方に関連付けられた前縁部と、前記レバーと前記ベースとの間に配置されたばねと、前記レバーから延在する第1の略横方向延在部分と、前記ベースから延在する第2の略横方向延在部分とを有し、
該第1および第2の略横方向延在部分は実質的に相互に整列され、前記第1および第2の略横方向延在部分とそれぞれ関連付けられた切断面を有し、前記レバーが前記ベースに向かって押されると、前記切断面は、互いに係合してワイヤーを切断するようになっており、
前記ツールセットは、締結具によって一端で互いに結合された少なくとも2つのアームを有し、該アームは、前記締結具の周囲で移動可能であり、各々のアームは、自由端を有し、前記ツールセットは、
研磨ツールを有するアームであって、前記研磨ツールは、ピンとは反対側の該アームの 自由端に位置する、アーム、
フックを有するアームであって、前記フックは、ピンとは反対側の前記アームの前記自由端に位置する、アーム、および
ピックを有するアームであって、前記ピックは、前記ピックの反対側の該アームの自由端に位置する、アーム、
のうちの2つ以上を備え、
前記ツールセットは、前記トリマーに永久的に結合されるか、前記ツールセットは、前記トリマーから分離されるか、または前記ツールセットは、前記トリマーに結合されるが前記トリマーから取り外し可能である、歯列矯正ツール。
【請求項2】
前記ばねは、動作可能位置と動作不能位置との間で移動可能である、請求項1に記載の歯列矯正ツール。
【請求項3】
前記ベースは、前記レバーが前記ベースに対して回転できるようにするピンを介して前記レバーに結合される、請求項1に記載の歯列矯正ツール。
【請求項4】
前記トリマーは、患者の口と係合するための先端部と、前記レバーを前記ベースに向かって押すための後端部とを有し、前記第1および第2の略横方向延在部分は、前記先端部に位置する、請求項1に記載の歯列矯正ツール。
【請求項5】
前記ツールセットの前記締結具は、前記ツールセットを前記トリマーに結合するために前記トリマーの前記後端部に位置する、請求項4に記載の歯列矯正ツール。
【請求項6】
前記締結具は、前記ツールセットを前記レバーに結合するために、前記レバーおよび前記ツールセットを通って延在するピンであり、前記ツールセットは、前記レバーの動きと共に移動可能である、請求項5に記載の歯列矯正ツール。
【請求項7】
前記ツールセットは、前記ツールセットの前記アームを前記レバーの前記後端部から離れる方向に延ばすために、前記ピンの周りで回転可能である、請求項6に記載の歯列矯正ツール。
【請求項8】
前記ばねが前記動作可能位置にあるときに前記ばねと嵌合するために、前記締結具の下に位置する磁石をさらに備える、請求項5に記載の歯列矯正ツール。
【請求項9】
前記レバーおよび前記ベースは、湾曲した相補的な形状を有する、請求項1に記載の歯列矯正ツール。
【請求項10】
使用者の口の中で使用する歯列矯正トリマーであって、
前縁部を有するレバーと、
前縁部を有するベースと、
前記レバーと前記ベースの間に位置するばねと、
前記レバーから延在する第1の横方向に延在部分と、
前記ベースから延在する第2の横方向延在部分と、
を備え、
前記第1および第2の横方向延在部分は、位置的に整列され、前記第1および第2の横方向延在部分とそれぞれ関連付けられた切断面を有し、前記レバーが前記ベースに向かって押されると、前記切断面は、互いに係合してワイヤーを切断するようになっている、歯列矯正トリマー。
【請求項11】
前記ばねは、動作可能位置と動作不能位置との間で移動可能である、請求項10に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項12】
前記ばねが前記動作可能位置にあるとき、前記レバーは、前記ベースに対して約10度~約40度の範囲の角度で傾斜している、請求項11に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項13】
前記ばねが前記動作可能位置にあるとき、前記レバーは、前記ベースに対して約15度~約30度の範囲の角度で傾斜している、請求項11に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項14】
前記ベースは、前記レバーが前記ベースに対して回転できるようにするピンを介して前記レバーに結合されている、請求項11に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項15】
前記トリマーは、患者の口と係合するための先端部と、前記レバーを前記ベースに向かって押すための後端部とを有し、前記第1および第2の略横方向延在部分は、前記先端部に位置する、請求項11に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項16】
前記ばねが前記動作可能位置にあるときに前記ばねと嵌合するために、前記レバーの前記後端部に位置する磁石をさらに備える、請求項15に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項17】
前記レバーおよび前記ベースは、湾曲した相補的な形状を有する、請求項11に記載の歯列矯正トリマー。
【請求項18】
ブレースまたはアライナーと共に使用する歯列矯正ツールセットであって、
締結具の周りに互いに回転可能に結合された複数のアームであって、各々のアームは、前記締結具の反対側に自由端を有する、複数のアームと、
各々のアームの前記自由端に配置された、ピック、研磨パッド、およびフックを含むツールと
を備える、歯列矯正ツールセット。
【請求項19】
前記複数のアームの各々のアームは、略平坦な金属シートであり、前記締結具は、前記アームのすべてを通って延在するピンである、請求項18に記載の歯列矯正ツールセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯列矯正ツールおよび保管ケースに関するものである。特に、本発明は、従来のワイヤーブレースならびに透明なアライナーと共に使用するための歯列矯正ツールに関するものである。別の一実施形態では、本発明は、歯列矯正ツールセットおよびケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
消費者が歯列を矯正するために使用するブレースには、従来のワイヤーブレースと透明なアライナーを含む少なくとも2つのタイプがある。従来のワイヤーブレースでは、歯に接着するブラケットを使用し、ブラケットの間にアーチワイヤーなどのワイヤーを通して、歯の移動を促す。それらは、歯列を矯正するために定期的に締められる。従来のブレースは通常、他の人の目から見えるが、従来のブレースのうちの1つのタイプは、歯の裏面に配置され得る。透明なアライナーは通常、透明なプラスチックまたはアクリル製のトレイであり、歯の上にわたって滑らせるぴったりフィットするカスタムメイドのマウスピースである。一連のトレイを連続して使用して、ゆっくりと歯列を矯正する。透明なアライナーは通常、他の人には見えないか、わずかに見えるだけである。
【0003】
様々なタイプのアプライアンス(歯列矯正器具)を従来のブレースと共に使用できる。透明なアライナーと併用できるものもある。1つのタイプのアプライアンスは、伸縮素材(ゴムバンド)であり、上下の歯のフィット感を向上させるために使用される。セパレータまたはスペーサは、小さなゴム製のドーナツであり、歯の間に配置して歯を押し離すことができ、歯列矯正バンドを歯に取り付けることを可能にする。セパレータは、ブレースを取り付けるときに使用する。リテーナは、取り外しまたは固定できる器具である。リテーナは、歯列を矯正した後、歯を新しい正しい位置に保持する。Rapid Palatal Expander(RPE)は、後部交叉咬合の患者に使用されるもう 1 つの一般的なアプライアンスである。それは上の歯にセメントで固定され、患者は、アプライアンスの中央にあるネジを回してアプライアンスを広げる。アプライアンスが広がると、交叉咬合が矯正される。
【0004】
他のタイプのアプライアンスには、ペンデュラム、ハーブストアプライアンス、ツインブロックアプライアンス、フェイスマスクヘッドギア、DMAX、MSX、咬合開口リテーナ、バイトターボ、シュワルツ/サジタルアプライアンス、およびCS-2000が含まれる。これらのアプライアンスの各々は、当業者には知られており、特定の目的を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のブレースを使用した治療中に、使用者は、ワイヤーが切れたり、ワイヤーの先端部が鋭利になったりすることがある。これにより、口の内側を突いたり切ったりすることになり、多くの場合、問題を修正するためにさらに早期に歯科矯正医を訪問することになる。多くの患者は、従来のブレースおよびアライナーと共に歯列矯正用のゴムバンドも着用している。歯列矯正用のゴムバンドは、非常に小さいため、特に口が小さい場合には、ゴムバンドを取り付けるのが難しいことがよくある。時には、透明なアライナーには、使用者の口を刺激する粗いパッチやざらざらしたパッチが含まれ得る。問題を解決するには、通常、歯科矯正医への訪問が必要である。歯科矯正医への訪問を必要とせずに患者が安全に使用できるツールを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来のブレースや透明なアライナーで発生する可能性のある問題を簡単に修正できる機能を組み込んだ歯列矯正ツールが示され、説明されている。ツールを保管するためのぴったりと合った箱も示され、説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トリマーの形態の歯列矯正ツールと、ツールの後部に配置されたツールセットの斜視図を示し、トリマーのばねが前方位置に収納されている状態が示される。
図2図1の歯列矯正ツールの左側面図を示す。
図3図1の歯列矯正ツールの分解図を示す。
図4】ばねが後方の係合位置にあるトリマーを備えた図1の歯列矯正ツールの斜視図を示す。
図5】トリマーの後端部から延びて示されるツールセットを備えた図4の歯列矯正ツールの斜視図を示す。
図6図4の歯列矯正ツールの左側面図を示す。
図7図4の歯列矯正ツールの上面図を示す。
図8図4の歯列矯正ツールの底面図を示す。
図9図4の歯列矯正ツールの正面図を示す。
図10図4の歯列矯正ツールの背面図を示す。
図11】歯列矯正ツールがワイヤートリマーである、本発明に係る歯列矯正ツールの代替実施形態の斜視図を示す。
図12】付勢ばねが収納位置に示される、図11の歯列矯正ツールの左側面図を示す。
図13】付勢ばねが係合位置に示される、図11の歯列矯正ツールの左側面図である。
図14図11の歯列矯正ツールの上面図を示す。
図15図11の歯列矯正ツールの底面図を示す。
図16図11の歯列矯正ツールの正面図である。
図17図11の歯列矯正ツールの背面図を示す。
図18図11の歯列矯正ツールの分解斜視図を示す。
図19】本発明に係るツールセットの代替実施形態の斜視図を示す。
図20図19に示されるツールセットの分解斜視図を示す。
図21図19に示されるツールセットの一部の上面図を示す。
図22図19に示されるツールセットの別の一部の上面図を示す。
図23図19に示されるツールセットのさらに別の一部の上面図を示す。
図24】閉位置にある図19に示される組み立てられたツールセットの上面図を示す。
図25】閉位置にある図19に示される組み立てられたツールセットの底面図を示す。
図26】閉位置にある図19に示されるツールセットの右側面図を示す。
図27】閉位置にある図19に示されるツールセットの背面図を示す。
図28】閉位置にある図19に示されるツールセットの正面図を示す。
図29】トリマーおよびツールセットを組み込んだ本発明に係る歯列矯正ツールのさらに別の一実施形態の斜視図を示す。
図30】容器の蓋が容器の後部にヒンジで取り付けられている、開位置にあるトリマーを保管および/または洗浄するための保管容器の斜視図を示す。
図31】開位置にある図30の保管容器の上面図を示す。
図32】本発明に係るトリマーと共に図30の保管容器の分解斜視図を示す。
図33】閉位置にある図30の保管容器の上面図を示す。
図34】閉位置にある図33の保管容器の側面図を示す。
図35】閉位置にある図33の保管容器の底面図を示す。
図36】閉位置にある図33の保管容器の正面図を示す。
図37】閉位置にある図33の保管容器の背面図を示す。
図38】保管容器が開いた位置にあり、容器の蓋が容器の側縁部に沿ってヒンジで取り付けられている、本発明に係るツールセットを保管および/または洗浄するための保管容器の斜視図を示す。
図39】閉じた構成にある図38に示される保管容器の斜視図を示す。
図40】閉じた構成にある図38に示される保管容器の正面図を示す。
図41】閉じた構成にある図38に示される保管容器の左側面図を示す。
図42】閉じた構成にある図38に示される保管容器の上面図を示す。
図43】閉じた構成にある図38に示される保管容器の右側面図を示す。
図44】ツールセットと共に図38に示される保管容器の分解斜視図を示す。
図45】ヒンジが保管容器の後側に沿って位置し、保管容器が開いた構成にある、ツールセットを保持するための代替保管容器の斜視図である。
図46】ツールセットと共に図45に示される保管容器の分解斜視図を示す。
図47】閉じた構成にある図45に示される保管容器の斜視図を示す。
図48】閉じた構成にある図45に示される保管容器の背面図を示す。
図49】閉じた構成にある図45に示される保管容器の正面図を示す。
図50】閉じた構成にある図45に示される保管容器の左側面図を示す。
図51】閉じた構成にある図45に示される保管容器の上面図を示す。
図52】閉じた構成にある図45に示される保管容器の底面図を示す。
図53】トリマーおよび別個のツールセットを保管容器内に並べて保持するための保管容器の代替実施形態の斜視図を示す。
図54】トリマーおよびツールセットが保管容器内に設置されている、図53に示される保管容器の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、使用者のブレースまたはアライナーの問題を解決するために、歯科矯正医への予定外の訪問を制限するために使用できる歯列矯正ツール10を対象とする。本発明は、歯列矯正ツール10を保管および/または洗浄するために使用できる保管および/または洗浄容器12も対象とする。容器12は、例えば、歯列矯正トリマー14、歯列矯正ツールセット16、アライナー、リテーナ、歯ブラシなどの、任意の数の異なるサイズの歯列矯正器具を収容するような形状にすることができる。
【0009】
本発明は、ブレースを装着している人の口内でワイヤーをトリミングするために使用される歯列矯正トリマー14、またはブレースまたはアライナーを装着している人を補助するために使用できる一組のツール16を含む歯列矯正ツールセット16のうちの一方または両方を含む歯列矯正ツール10に関するものである。歯列矯正ツールセット16は、トリマー14に取り付けることができる。あるいはまた、歯列矯正ツールセット16は、トリマー14から分離して、トリマー14と共に使用することも、トリマー14なしで使用することもできる。いずれの場合も、トリマー14、ツールセット16、またはその両方を保管するために保管容器12を設けることができる。ツールセット16は、トリマー14と一体であってもよいが、必要に応じてトリマー14から取り外し可能であってもよい。
【0010】
使用時、トリマー14は、使用者の口に挿入され、使用者の口を刺激する可能性のあるワイヤーをトリミングするために使用される。トリマー14は、刃または刃先18がトリマー14の前縁部22に沿ってではなく側部20に配置されていることを除いて、爪切りと同様である。トリマー14は、使用者の口内に配置できる薄型の形状を有するように構成されている。
【0011】
トリマー14は、口の部分の形状を模倣するように、湾曲した円弧状の形状を有するものとして示されている。あるいはまた、一実施形態では、トリマー14は、真っ直ぐであってもよい。どちらの場合も、トリマー14は、ハンドルまたはレバー26を保持するばね24と、トリマー14の先端部28にあるカッター18とを含むという点で爪切りに似ているが、カッター18が、トリマー14の側面20に位置している。トリマー14は、長さと、トリマー14の長さに沿って画定された長手方向軸線X-Xとを有する。カッター18は、トリマー14の側面20まで外側に延在し、トリマー14を使用者の口内の歯の歯列弓に平行に挿入できるようにする。カッター18は、トリマー14の長手方向軸線X-Xに対して略垂直な方向に切断する。切断は、長手方向軸線X-Xを横切る方向に行われる。
【0012】
使用者の口の中でワイヤーの切断を実行するには、レバー26を下方に(トリマー14が逆さまに配置されている場合には上方に)押し、ワイヤーをトリマー14の側縁部20で切り取る。これは、爪切りの先端部28に位置する刃で切り取りを行う従来の爪切りとは異なる。レバー26はばね式であり、使用者がハンドル26を下方に押すと、カッター18およびその関連する1つまたは複数の切断刃18が強制的に閉じられ、トリマー14の側面20に位置するワイヤーを切り取るか、またはトリミングする。
【0013】
典型的な爪切りは、レバー、ピン、ベース、およびベースの前縁部に位置する刃を含む。ピンは、レバーをベースに結合する。ベースは、重なって配置される2つの金属ピースを含み、刃端部ではピンの一部によって分離されている。通常、刃は、ピンの前に位置している。ピンは、刃に隣接して共に器具を保持するために使用される小さな円筒形の金属ピースである。ベースの他端は、溶接、リベット留め、ろう付け、はんだ付け、または他の既知の接続技術などの任意の既知の方法で共に結合することができる。従来の爪切りでは、ピンを中心にレバーを回転させることにより、レバーを折り畳んで非作動にすることもできる。また、従来の爪切りは、爪切りの後端部に配置されるヤスリを含む場合がある。
【0014】
従来の爪切りは、爪切りの先端部の爪切りの前縁部に位置する切断刃を有する。本発明のトリマー14は、トリマー14の側面20に、例えばトリマー14の前縁部22に対して略垂直に位置する1つまたは複数の刃18を用いてワイヤーを切断するように設計されている。刃18は、トリマー14の先端部28に隣接して配置されてもよいし、トリマー14の先端部28から間隔を置いて配置されてもよい。刃18は、レバー26の側縁部20およびトリマー14のベース32から外側に延在する突出部30上に配置され得る。
【0015】
従来の爪切りでは、レバーが収納されて非アクティブになっているか、回転してアクティブ位置になる。アクティブ位置では、レバーを押すと、バリカンの前縁部にある切断刃が作動する。アクティブ位置では、レバーは、ベースに対して約40~60度の角度で上向きに延在する。この角度は、レバーが突き出しすぎて使用者の頬または口の他の部分に衝撃を与えるか、または少なくとも操作を困難にする可能性があるため、使用者の口の中で使用するには急勾配すぎる。本発明のトリマー14は、ベース32に対して約40度未満の角度を有するレバー26を有する。他の角度は、概ね、35度、30度、25度、20度、15度、または10度であってもよい。これらの角度のいずれかにより、トリマー14が使用者の口内の作業可能な位置に配置され、使用者がトリマー14を操作してワイヤーを切断することが可能になる。
【0016】
図1図10は、本発明に係るトリマー14の設計を示す。トリマー14は、その長手方向軸線X-Xを画定する長さを有する。トリマー14は、使用者の口および使用者の歯列弓の形状をより厳密に模倣するために湾曲した形状を有する。トリマー14は、頬と歯との間に挿入されるため、歯列弓の湾曲形状を考慮すると、円弧状であるとトリマー14を使用者の口内に挿入しやすくなる。トリマー14は、上部レバー26と下部ベース32とを含む。レバー26とベース32は、ピン34によって結合され、ピン34は、水平に向けられ、トリマー14の長手方向軸線X-Xに対して横方向である。ピン34は、トリマー14の先端部28に隣接して配置され、レバー26とベース32を共に結合する。トリマー14のレバー26は、トリマー14の先端部28のピン34の前でトリマー14のベース32と位置を交換し、レバー26がトリマー14の底部を形成し、ベース32がピン34の前でトリマー14の上部を形成するようにする。切断面18および/または切断刃18を有する一対の嵌合突出部30は、トリマー14の先端部28に隣接して、またはトリマー14の先端部28で、トリマー14の側面20まで外側に延在する。突出部30は、ワイヤーを切断するための切断面18を含む。切断面18は、トリマー14の前縁部22ではなく、トリマー14の側縁部20にある。切断面18および/または切断刃18は、ツールの長手方向軸線X-Xに対して略垂直に配置される。突出部30は、ツールの長手方向軸線X-Xに対して垂直であってもよいし、非垂直角度で傾斜していてもよい。略垂直という用語は、本明細書では、突出部30が器具の側面20からどのように延在するか、および切断面18が長手方向軸線X-Xと整列しないことを説明するために使用される。
【0017】
ばね24は、レバー26とベース32との間の略中央の場所に位置する。ばね24は、前方位置と後方位置との間で回転することができる。トリマー14の先端部28に最も近い位置である前方位置では、ばね24は非アクティブであり、収納されているとみなされる。後方位置では、ばね24は、操作可能なアクティブな位置にある。ばね24は、板ばねとすることができる。ばね24は、当業者に知られているように、任意の種類のばねとすることができる。
【0018】
ばね24は、平らなベースに結合された2つの離間したピン受容部材を有する支持機構36に結合されて示されている。支持機構36は、ピン38または他の機構を介してベース32に結合することができる。ピン38は、ベース32を通って延在することができる。支持機構36は、ピン38、または支持機構36をベース32に結合するために使用され得る他のタイプの締結具を介してベース32に結合される。支持機構36は、ピン受容部材に挿入するための外側に延在するピンを含む2つのアームを含む。ばね24は、ピンを介して支持機構36に結合されており、図に示されるように、前方位置と後方位置との間でピンの周りを回転する。ばね24は、中心位置を中心に枢動するが、ベース32上の他の場所に配置することもできる。さらに、別のタイプの枢動機構を使用することもできるし、ばね24を所定の位置に固定して収納位置とアクティブ位置との間で移動できないようにすることもできる。
【0019】
図2および図3に最も良く示されているように、歯部材40、42は、トリマー14の先端部28で切断機構を形成する。歯部材40、42は、トリマー14の先端部28に挿入されるように示されているが、トリマー14の一体部品とすることもできる。歯部材40、42は、トリマー14の側縁部を越えて外側に延在して、使用者の口内で切断を行う突出部30を形成する。歯部材40、42は、必要に応じて、トリマー14の先端部28から離間した位置でトリマー14に結合することができる。歯部材40、42は、例えば、溶接、接着などの任意の既知の方法で、ベース32およびレバー26に取り付けることができる。下歯部材40は、略平坦な上面44と、上向きに傾斜した底面46とを有し、下歯部材40は、トリマー14の側面20から突き出ている。上歯部材42は、ワイヤーを切断するために下歯部材40の上面44と嵌合する湾曲した下向きの切断面18を有する。上歯部材42の刃先18は、歯列矯正ツール10の側へ外側に延在しており、トリマー14の前縁部22には位置していない。刃先18は、上歯部材42上に配置されて示されている。あるいはまた、刃先18を下歯部材40上に配置することもできる。必要に応じて、刃先18を上歯部材40と下歯部材42の両方に配置することもできる。
【0020】
いくつかの実施形態では、図1図10に示されるように、歯列矯正ツールセット16は、レバー26とベース32の間のツールの後端部50に配置される。図示の実施形態では、ツールセット16は、レバー26とベース32との間にいくらか隠れている。ツールセット16は、ピン54を介してレバー26の下側52に枢動可能に取り付けられており、これにより、ツールがレバー26の向きと略平行にレバー26の下から回転して外側に出ることが可能になる。ツールセット16は、複数のツールを含み、これらのツールは個別に、または互いに組み合わせて外側に回転させることができる。ツールセット16は、爪楊枝アタッチメントまたはピック56、鎌状アタッチメントまたはフック58、および研磨アタッチメント60を含む。
【0021】
ツールセット16の爪楊枝アタッチメント56は、a)ブレースまたはアライナーを装着している患者の歯の間の食物/残屑の除去、b)ワイヤーが外れた場合の自己結紮ブラケットのロックの解除、およびc)ブラケットからのゴムバンドの取り外しのために使用される。鎌型アタッチメント58は、歯/口からアライナーを取り外すため、およびブレースまたはアライナーにゴムバンドを取り付けたり、ブレースまたはアライナーからゴムバンドを取り付けたりするのを補助するために使用される。研磨アタッチメント60は、アライナーと共に使用されるあらゆるタイプのアクリル製アタッチメントを滑らかにするために使用されるヤスリまたは研磨パッドである。研磨アタッチメント60は、口内のワイヤー端部を滑らかにするためにも使用できる。ツールセット16のツールは、互いに隣接して配置され、レバー26の下およびベース32の上に収納される。ツールが収納されるとき、それらは通常、トリマー14の設置面積の外側には延在しないが、必要に応じて、そうすることもできる。
【0022】
係止部62は、トリマー14の後端部50に配置されており、ツールセット16の回転がレバー26の下で止められる点として機能する。ツールセット16のツールは、係止部62から離れるように回転することができるが、収納されるとき、係止部62に当接するまで回転される。ツールセット16のツールは、同一であってもなくてもよいが、同様の長さを有する。あるいはまた、ツールセット16のツールは、異なる長さであってもよい。
【0023】
磁石64は、ツールセット16をレバー26に結合するために使用されるピン54の下端に取り付けられる。磁石64は、それが回転してアクティブ位置になるときに、ばね24に結合するために使用される。
【0024】
図示されていないが、ツールセット16は、ベース32に結合することができる。ツールセット16は、必要に応じて、レバー26の上面、レバー26の下面、ベース32の上面、またはベース32の下面に結合することができる。
【0025】
図7および図8に最も良く示されているように、トリマー14の前端部/先端部28は、トリマー14の最初の約1/3の長さに対して略長方形の形状66を有する。後端部50におけるトリマー14の残りの2/3の長さは、湾曲または円弧形状68を有する。あるいはまた、長方形部分66は、図示のものより長くても短くてもよく、後端部50の湾曲部分68は、図示のものより長くても短くてもよい。後端部50における湾曲セクション68の幅は、トリマー14の長方形部分の端部から後端部50に向かって増加する幅を有する。あるいはまた、湾曲部分68の幅は、一定の幅であってもよい。
【0026】
レバー26は、トリマー14の後端部50でベース32の上方に位置する。レバー26とベース32は、トリマー14の先端部28で位置を切り替える。移行領域70は、レバー26をトリマー14の上部から底部に移行させ、ベース32をトリマー14の底部から上部に移行させる。
【0027】
図11図18は、ツールセット16が取り付けられていないトリマー14を示している。トリマー14は、図1図10に示されるような磁石64を含む。磁石64は、図1図10で使用されるようなピンを利用することを含む任意の既知の方法によってレバー26に接続することができ、ツールセット16は使用されないため、ピンは短くなっている。磁石は、溶接、接着、または他の手段を含む任意の既知の方法で取り付けることができる。それ以外の点では、図11図18に示されるトリマー14は、図1図10に示されるものと略同じである。
【0028】
図19図28は、図1図10に示されるツールセット16を示しているが、ツールセット16は、トリマー14から取り外されている。ツールセット16は、複数の略平坦な棒状のアーム72を含み、これらのアーム72は、その後端部74で各々のアーム72を通って配置された穴76を通って延在するピン54によって後端部74で互いに結合される。アーム72の各々は、後端部74で同様の形状を有し、先端部78でツールに移行する。1つのアーム72は、任意の既知の手段によってアーム72の上面に結合された研磨パッドまたはヤスリ60を有する。別の1つのアームは、ピックまたは爪楊枝56を含み、これは、ワイヤー形状であり、任意の既知の手段によってアーム72に挿入/結合される。別の1つのアーム72は、先端部78に配置されたフック58を含む。アーム72は、アーム72の先端部78が、後端部74で結合されているにもかかわらず、分離可能で独立して使用できるように、ピン54の周りで平行に互いに対して回転可能である。
【0029】
各々のアーム72は、平面視において湾曲した形状を有している。アーム72の各々の輪郭は、後端部74で略同一であるが、異なる輪郭であってもよい。図25に示されるように、ツールセット16が閉じているとき、ツールの各々の先端部78は、実質的に整列している。
【0030】
ツールセット16は、トリマー14と共に使用することも、トリマー14とは別に使用することもできる。前の実施形態で示したように、ツールセット16は、トリマー14の一体部品とすることができる。あるいはまた、図示されていないが、ツールセット16は、トリマー14から取り外し可能であり、トリマー14とは別に使用可能であり得るが、トリマー14に再取り付けすることもできる。
【0031】
代替の一実施形態では、ツールセット16は、真っ直ぐであり、湾曲していなくてもよい。いずれの場合も、ツールセット16は、研磨ツール60、爪楊枝ツール56、および鎌形ツール58を含む3つのツールを含む。3つのタイプのツールのみが示されているが、必要に応じて、異なる数のツールを使用できる。必要に応じて、研磨パッド60を鎌58上に配置する、および鎌58をピック56と組み合わせるなど、ツールを単一の部材上で組み合わせることができる。
【0032】
図29は、従来の爪切りにより似た形状であるが、使用者の口内のワイヤーを切断するための延長部/突出部30をトリマー14の側面20に有する手持ち式ワイヤートリマー14の代替の一実施形態を示す。突出部30は、その先端部28でL字形を形成し、レバー/ハンドル26がL字形の垂直部分を形成し、突出部30がL字形の水平部分を形成する。トリマー14は、トリマー14の刃先18が器具の側面へ外側に延在すること、例えば、従来の爪切りの切断刃の角度に対して垂直であり、かつトリマー14の側面20に位置するワイヤーの切断を可能にするために、トリマー14の長手方向軸線に対して垂直に延在することを除いて、従来の爪切りと同様である。上記のように、従来のブレースに関連するワイヤーは、放置されすぎたり、位置がずれたりするために、時々使用者の口を刺激する可能性がある。痛みを和らげ、口内の使用者の皮膚へのさらなる損傷を防ぐために、歯科矯正医は、使用者がこれらの鋭い端部に付けることができる柔軟なワックスを提供することがよくある。歯列矯正ツール10は、ブレース装着者が次回の予約までワイヤーを切り取ることができるようにすることにより、不必要な歯列矯正の来院を回避するのに役立つ。これにより、使用者は刺激となるワイヤーを覆い隠すためにワックスを使用することを避けることもできる。また、使用者がワックスを使い果たした場合、このツールは、ワックスの代替品として使用できる。
【0033】
図30図54は、トリマー14および/またはツールセット16と共に使用するための歯列矯正用保管容器12の様々な実施形態を示している。歯列矯正用保管容器12は、側壁80、蓋82、およびベース84を有する箱形である。保管容器12は、プラスチック鏡などの鏡88と共に箱の内側に配置されたUV-C LED照明器具86を含んでもよい。各々の容器12は、特定のツールにフィットする形状とすることができ、容器12が閉じられたときにツール14、16が内部でガタガタしないように、ツール14、16を受け入れるための安定化/位置決め部材90をその内部に有することができる。
【0034】
必要に応じて、異なる形状を容器12に使用することができる。図に示されるように、湾曲した牙状の容器12を使用してもよい。必要に応じて、長方形または正方形の箱形状(図示せず)を使用してもよい。必要に応じて、他の形状を使用することもできる。
【0035】
保管容器12は、単に保管するために使用することができ、内部はトリマー14またはツールセット16を受け入れるように構成および/または形状化されている。容器12は鏡88を含んでもよく、その結果、使用者は、鏡88を使用して口の内部を確認し、ツールセット16およびトリマー14を使用することができる。容器12は、使用者の口の内部を照らすライト/ランプ86を含んでもよい。容器12は、保管と洗浄の両方に使用することができ、器具の内部には、蓋82が閉じているときに容器12の内容物を滅菌するために使用できるUV-C LEDライト86が含まれる。ライトまたはUV-C LEDライト86を点灯するために、オン/オフスイッチまたはボタン92を容器12の外面または内面に配置することができる。ライト86は、容器12内部の任意の数の場所に配置することができ、いくつかの場所が示されているが、多くのオプションは、図示されていない。
【0036】
各々の容器12の内部全体を鏡面にしてもよい。あるいはまた、内部の1つの表面のみを鏡面にすることもできる。容器12の外側は、必要に応じて、不透明でも透明でもよい。容器12は、当業者には知られているように、ライトを点灯および消灯できるようにするための回路、付属品、導線、電池などを含むことができる。容器12は、容器12を閉じるための蓋を含むことができる。
【0037】
容器12は、ヒンジ94によって後端部に沿って、または所望の任意のタイプのヒンジ94を使用して側縁部に沿ってヒンジで取り付けることができる。図示のヒンジ94は、ピンおよびピン受容部材を利用している。他のタイプのヒンジ94を使用することもできる。容器12の様々な部品は、ピン、ネジなどを使用するなど、任意の既知の方法で結合することができる。容器12は、充電可能であってもよいし、非充電可能電池(図示せず)を含んでもよい。
【0038】
図30図37は、トリマー14を受け入れるための第1の保管容器12、またはトリマー14とツールセット16との組み合わせを示す。ヒンジ94は、後端部に配置される。保管容器12は、照明および/または滅菌に使用できるLEDライト86と共にオン/オフスイッチ92を含む。トリマー14は、トリマー14を容器12内の所定の位置に捕捉する肩部90を介して、容器12のベース84内で中心合わせされて保持される。
【0039】
図38図46は、ツールセット16を受け入れるための第2の保管容器12を示す。容器12は、容器12のベース84内にツールセット16を維持するのを助ける肩部90を含む。ヒンジ94は、容器12の側面80に沿って配置される。
【0040】
図47図54は、トリマー14と、容器12のベース84内でトリマー14に隣接して配置される別個のツールセット16との両方を受け入れるための第3の保管容器12を示す。保管容器12の蓋82は、後面に沿って容器12のベース84にヒンジで取り付けられている。容器12の蓋82は、照明および/または滅菌のいずれかに使用されるLEDライト86を点灯するためのオン/オフスイッチ92を含む。また、蓋82の内側には鏡88が配置されている。
【0041】
トリマー14および歯列矯正ツールセット16は、材料が適切な動作に必要な圧力に耐えるのに十分な強度を有する限り、金属またはプラスチックで作ることができる。容器12は、必要に応じて、プラスチックまたは他の材料で作ることができる。異なるサイズおよび形状が使用されてもよい。ばね24をトリマー14の後端部に結合するために、磁石以外の締結具を使用することもできる。
【0042】
歯列矯正ツール10は、トリマー14およびツールセット16を含む。トリマー14は、レバー26、ベース32、レバー26とベース32の両方に関連付けられた前縁部、およびレバー26とベース32の間に配置されたばね24を有する。第1の略横方向延在部分30は、レバー26から延在し、第2の略横方向延在部分30は、ベース32から延在する。第1および第2の横方向延在部分30は、互いに略整列しており、第1および第2の横方向延在部分30とそれぞれ関連付けられた切断面18を有する。レバー26がベース32に向かって押されると、切断面18が互いに係合してワイヤーを切断する。
【0043】
ツールセット16は、締結具54によって一端で互いに結合された少なくとも2つのアーム72を有する。アーム72は、締結具54の周りで移動可能であり、各々のアーム72は、自由端78を有する。ツールセット16は、研磨ツール60、フック58、およびピック56のうちの2つ以上を含む。ツールセット16は、トリマー14に永久的に結合されるか、トリマー14から分離しているか、またはトリマー14に結合されるがトリマー14から取り外し可能であるかのいずれかである。
【0044】
代替の一実施形態では、単一の切断刃または切断面18を横方向延在部分30の一方に使用することができ、他方の横方向延在部分30は、切断刃または切断面18が作用するブロックまたは表面を有する。
【0045】
ばね24は、動作可能位置と動作不能位置との間で移動可能とすることができる。ベース32は、レバー26がベース32に対して回転できるようにするピン34を介してレバー26に結合することができる。
【0046】
トリマー14は、患者の口と係合するための先端部28と、レバー26をベース32に向かって押すための後端部50とを有することができる。第1および第2の略横方向延在部分30は、先端部28に配置することができる。
【0047】
ツールセット16の締結具54は、ツールセット16をトリマー14に結合するために、トリマー14の後端部50に配置することができる。締結具54は、ピン54であって、レバー26を通ってツールセット16を通って延在し、ツールセット16をレバー26に結合するピン54とすることができる。ツールセット16は、レバー26の移動に伴って移動可能とすることができる。ツールセット16は、ツールセット16のアーム72をレバー26の後端部50から離れる方向に延ばすために、ピン54を中心に回転可能とすることができる。
【0048】
磁石64は、ばね24が動作可能位置にあるときに、ばね24と嵌合するために締結具54の下に配置することができる。レバー26、ベース32、およびツールセット16はそれぞれ、湾曲した相補的な形状を有することができる。
【0049】
本発明の別の一実施形態によれば、使用者の口内で使用する歯列矯正トリマー14は、レバー26、ベース32、ばね24、第1の横方向延在部分30、および第2の横方向延在部分30を含む。レバー26は、前縁部22を有する。ベース32は、前縁部22を有する。ばね24は、レバー26とベース32との間に配置されている。第1の横方向延在部分30は、レバー26から延在している。第2の横方向延在部分30は、ベース32から延在している。第1および第2の横方向延在部分30は、位置的に整列されており、第1および第2の横方向延在部分30とそれぞれ関連付けられた1つまたは複数の切断刃または切断面18を有する。レバー26がベース32に向かって押されると、切断刃または切断面18が互いに係合してワイヤーを切断する。
【0050】
ばね24は、動作可能位置と動作不能位置との間で移動可能とすることができる。ばね24が動作可能位置にあるとき、レバー26は、ベース32に対して約10度~約40度の範囲の角度で傾斜している。別の一実施形態では、ばね24が動作可能位置にあるとき、レバー26は、ベース32に対して約15度~約30度の範囲の角度で傾斜している。ベース32は、レバー26がベース32に対して回転できるようにするピン34を介してレバー26に結合することができる。
【0051】
トリマー14は、患者の口と係合するための先端部28と、レバー26をベース32に向かって押すための後端部50とを有することができる。第1および第2の略横方向延在部分30は、先端部28に配置することができる。
【0052】
トリマー14はまた、ばね24が動作可能位置にあるときにばね24と嵌合するために、レバー26の後端部50に配置された磁石64を含むことができる。ここで、レバー26およびベース32は、湾曲した相補的な形状を有することができる。
【0053】
さらに別の一実施形態では、ブレースまたはアライナーと共に使用するための歯列矯正ツールセット16は、締結具54の周りで互いに回転可能に結合された複数のアーム72を含む。各々のアーム72は、締結具54の反対側に自由端78を有する。ピック56、研磨パッド60、およびフック58を含むツールが、各々のアーム72の自由端78に配置されている。
【0054】
複数のアーム72の各々のアーム72は、略平坦な金属シートとすることができる。締結具は、すべてのアーム72を通って延在するピン54とすることができる。
【0055】
「略」という用語は、本明細書で使用される場合、概算量の用語である。
【0056】
様々な構成が上に提示されているが、これらの構成は単独で使用されてもよいし、それらの任意の組み合わせで使用されてもよいことを理解すべきである。さらに、特許請求された例が関係する当業者であれば、変形および修正を思いつくことができることを理解すべきである。本明細書で説明する例は、例示的なものである。この開示により、当業者は、特許請求の範囲に記載された要素に同様に対応する代替要素を有する代替設計を行い、使用することができる可能性がある。したがって、意図された範囲には、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならないか、または実質的に異ならない他の例を含むことができる。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されるように定義される。
【0057】
上で説明したことには、1つまたは複数の実施形態の例が含まれている。もちろん、前述の態様を説明する目的で、上記の器具または方法論の考えられるすべての修正および変更を説明することは不可能であるが、当業者であれば、様々な態様の多くのさらなる修正および置換が可能であることを認識することができる。したがって、記載された態様は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に入るすべてのそのような変更、修正、および変形を包含することを意図している。さらに、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は、「備える(comprising)」が請求項において転換語として採用される場合に解釈されるときの用語「備える(comprising)」と同様の方法で包括的であることを意図している。「本質的になる(consisting essentially)」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の材料またはステップ、および材料または方法の基本的および新規な特性に実質的に影響を与えない材料またはステップを意味する。冠詞「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを示さない限り、「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
【国際調査報告】