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▶ イーライ リリー アンド カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】新規RNA治療法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240621BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240621BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20240621BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240621BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20240621BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240621BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20240621BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61P3/06
A61K31/713
A61K48/00
A61K47/54
A61K31/7125
A61K31/712
A61K31/7115
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579574
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022034504
(87)【国際公開番号】W WO2022271808
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,555
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/214,584
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】ベルリンガー,メリッサ アン
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー,トーマス パトリック
(72)【発明者】
【氏名】チェン,クリスティン チー-タオ
(72)【発明者】
【氏名】エッゲン,マリジーン
(72)【発明者】
【氏名】ラックナー,グレゴリー ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】マイルズ,レベッカ ルース
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジボ
(72)【発明者】
【氏名】アントネリス,パトリック ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,タカコ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC21
4C076CC41
4C076DD66
4C076EE59
4C076FF68
4C084AA13
4C084NA13
4C084ZC331
4C084ZC332
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086ZC33
(57)【要約】
本開示は、肝臓におけるANGPTL8の発現を減少させるように設計された新規RNAi剤に関し、RNAiは、任意選択でリンカーを介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた送達部分を含む。RNAi剤は、ANGPTL8発現の調節が関与する疾患の治療に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
Rは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、
前記アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長であり、任意選択で、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、Rは、リンカーを介して式Iに任意選択でコンジュゲートされている]
の送達部分を含むRNA干渉(RNAi)剤。
【請求項2】
前記アンチセンス鎖が、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項3】
前記アンチセンス鎖が、配列番号405、408、412、413、414、415、418、420、425、426、428、429、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、448、449、451、452、454、457、458、459、463、464、465、466、467、468、469、471、472、473、474、475、476、479、490、491、492、493、495、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、及び509からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1又は2に記載のRNAi剤。
【請求項4】
前記アンチセンス鎖が、23ヌクレオチド長である、請求項1~3のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項5】
前記センス鎖が、21ヌクレオチド長である、請求項1~4のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項6】
前記アンチセンス鎖が、配列番号231~361、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項7】
前記センス鎖が、配列番号124~230、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項8】
前記相補性領域において、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖との間に0、1、2、又は3個のミスマッチを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項9】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、前記1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド、又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである、請求項1~8のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項10】
前記センス鎖の各ヌクレオチド及び前記アンチセンス鎖の各ヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、請求項1~9のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項11】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、各修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である、請求項1~10のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項12】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、4つのホスホロチオエート結合を含む、請求項11に記載のRNAi剤。
【請求項13】
前記アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドが、リン酸基又はリン酸アナログを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項14】
前記アンチセンス鎖が、配列番号367~372及び389~404からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項15】
前記センス鎖が、配列番号361~366及び373~388からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項16】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~15のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項17】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~16のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項18】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~16のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項19】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~16又は請求項18のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項20】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~18のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項21】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~20のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項22】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされている、請求項1~21のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項23】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされており、リンカーは、連結点A及び連結点Bを有する式IIのリンカーを含むか、又は前記リンカーは、連結点C及び連結点Dを有する式IIIを含み、連結点A又は連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点B又は連結点Dは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている、請求項22に記載のRNAi剤、
【化2】
【請求項24】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされており、前記リンカーは、連結点C及び連結点Dを有する式IIIを含むリンカーであり、連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Dは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている、請求項1~23のいずれか一項に記載のRNAi剤、
【化3】
【請求項25】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列からなるセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列からなるアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列からなるセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列からなるアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1~24のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項26】
前記RNAi剤が、肝細胞におけるANGPTL8遺伝子の発現を減少させることができる、請求項1~25のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項27】
治療に使用するための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項28】
脂質異常症の治療に使用するための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【請求項29】
請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤と、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項30】
脂質異常症の治療用薬剤の製造のための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤の使用。
【請求項31】
脂質異常症を治療することを必要とする患者の前記脂質異常症を治療する方法であって、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤、又はその医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項32】
細胞におけるANGPTL8発現を減少させる方法であって、前記細胞を請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤と接触させることと、未治療細胞又は対照治療細胞と比較して、ANGPTL8 mRNAのレベルを少なくとも50%だけ減少させるのに十分な時間、前記細胞をインキュベートすることとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肝臓におけるANGPTL8の発現を減少させるように設計された新規RNAi剤に関するものであって、前記RNAi剤は、任意選択でリンカーを介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた送達部分を含む。RNAi剤は、ANGPTL8発現の調節が関与する疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
アンジオポエチン様タンパク質8(Angiopoietin-like protein 8、ANGPTL8)は、主に、肝臓及び脂肪組織において発現され、トリグリセリド代謝において重要な役割を果たす。ANGPTL8は、ANGPTL3又はANGPTL4と共に、リポタンパク質リパーゼ(lipoprotein lipase、LPL)の酵素活性を阻害することによってトリグリセリドレベルを調節すると考えられており、これは、活性であるときに、トリグリセリドを加水分解し、循環血漿トリグリセリドを減少させる。ANGPTL8の増加したレベルは、心血管疾患、糖尿病、脂質異常症(高トリグリセリドレベルを含む)、異常な腎機能、高血圧、非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis、NASH)などの非アルコール性脂肪肝疾患、及び肥満に観察されるか、又はこれらに関連する。
【0003】
本明細書に開示されるものなどのRNAi剤は、遺伝子調節不全を伴う多くの異なるタイプの疾患の個別化治療のために、配列特異的な様式で遺伝子を標的化することを可能にする。本明細書のRNAi剤などのオリゴヌクレオチドを含む化合物は、使用されるオリゴヌクレオチドの特定のタイプに応じて異なる機構を介して作用することができる。本明細書に開示されるRNAi剤を含むRNA干渉分子は、典型的には、所与の標的転写物の遺伝子発現をノックダウン又は減少させ、それによってタンパク質のレベルを減少させるように作用する。本明細書のRNAi剤などのRNAi分子を患者の所望の組織に送達することによって、遺伝子発現を組織特異的な様式で減少させることができる。
【0004】
肝細胞上のアシアロ糖タンパク質受容体を標的とするためのN-アセチルガラクトース(N-acetylgalactose、GalNAc)を含むRNAi剤が一例である。特に、ギボシランナトリウムは、急性肝性ポルフィリン症を治療するためにALAS1遺伝子転写物を標的とし、肝細胞への侵入のためにGalNAcを含む送達部分を使用する、米国食品医薬品局によって承認されたsiRNAである。Insclisiranは、LDLコレステロールを低下させるためにPCSK9遺伝子転写物を標的とし、肝細胞への侵入のためにGalNAcを含む送達部分も使用する、米国食品医薬品局によって承認されたsiRNAである。ANGPTL8を標的とするsiRNAを含むRNAi分子は、例えば、国際公開第2020104649号に記載されている。しかしながら、4つのsiRNA分子のみがヒトでの使用に承認されており、ANGPTL8を標的とする治療用siRNAはまだ承認されていない。更に、特に、心血管疾患、脂質異常症、例えば、高トリグリセリド、及び炎症性肝疾患など、肝臓の疾患又は肝臓に関与する疾患のための、in vivoでの治療用siRNAの理想的な属性について、前臨床及び臨床で利用可能な情報は限られている。
【0005】
ANGPTL8発現を減少させるために、GalNAc及び1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む送達部分を含む代替的なRNAi剤を提供する必要性が依然として存在する。より詳細には、新規GalNAc送達部分と、センス鎖及びアンチセンス鎖とを含むRNAi剤を提供する必要があり、アンチセンス鎖は、ANGPTL8 mRNAに相補的であり、このようなRNAi剤は、組織曝露の改善、好適には肝臓における曝露の改善、肝臓と腎臓との曝露比の改善、ノックダウンの改善、耐久性応答の改善、薬物動態プロファイルの改善、少ないオフターゲット効果、毒性プロファイルの改善、安全性プロファイルの改善、少ない副作用、忍容性の改善、患者におけるコレステロール及び/若しくはトリグリセリドレベルの制御の改善、患者における心血管リスクプロファイルの改善、合成の改善及び/若しくは簡略化、少ない分解産物を伴う合成プロセス、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を示す。
【0006】
本開示の一実施形態では、式I:
【化1】
[式中、Rは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、センス鎖及びアンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して15~30ヌクレオチド長であり、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、Rは、リンカーを介して式Iに任意選択でコンジュゲートされている]
の送達部分を含むRNA干渉(RNA interference、RNAi)剤である。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む。更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長である。これらのRNAi剤のいずれかの更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。これらのRNAi剤のいずれかの異なる更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。
【0007】
更なる実施形態では、アンチセンス鎖が配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個のヌクレオチドを含むRNAi剤である。また更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む。
【0008】
本明細書に開示されるRNAi剤の更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号405、408、412、413、414、415、418、420、425、426、428、429、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、448、449、451、452、454、457、458、459、463、464、465、466、467、468、469、471、472、473、474、475、476、479、490、491、492、493、495、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、及び509からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、表2のアンチセンス鎖配列の群から選択される。
【0009】
本明細書に開示されるRNAi剤の実施形態のいずれかでは、任意のアンチセンス鎖のRNAi剤が23ヌクレオチド長であるか、又はセンス鎖が21ヌクレオチド長であるか、又はこれらの両方である。
【0010】
本明細書に開示されるRNAi剤の別の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号231~361、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。本明細書に開示されるRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖は、配列番号124~230、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。
【0011】
本明細書に記載されるRNAi剤のいずれかの更なる実施形態では、相補性領域は、センス鎖とアンチセンス鎖との間に0、1、2、又は3個のミスマッチを含む。
【0012】
RNAi剤の更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。更なる実施形態では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである。他の実施形態では、センス鎖の各ヌクレオチド及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドであり、更なる実施形態では、修飾ヌクレオチドの各々は、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである。
【0013】
本明細書のRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含む。更なる実施形態では、各修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、4つのホスホロチオエート結合を含む。更なる実施形態では、センス鎖の最初の2つの5’ヌクレオチド及びセンス鎖の2つの末端3’ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である。更なる実施形態では、アンチセンス鎖の最初の2つの5’ヌクレオチド及びアンチセンス鎖の2つの末端3’ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である。
【0014】
本明細書におけるRNAi剤の他の実施形態では、アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドは、リン酸基又はリン酸アナログを含む。
【0015】
別の実施形態では、本開示は、Rにコンジュゲートされた式I:
【化2】
[式中、
Rは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、センス鎖及びアンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して15~30ヌクレオチド長であり、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、Rは、任意選択で、リンカーLを介して式Iの送達部分Dにコンジュゲートされている。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む]
の送達部分を含むRNAi剤を提供する。更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長である。これらのRNAi剤のいずれかの更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。これらのRNAi剤のいずれかの異なる更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む。
【0016】
式Iを含む、本明細書に開示されるRNAi剤を含む本明細書の化合物のいずれかは、式I内に修飾又は付加を有してもよく、あるいは化合物は、付加部分を含んでもよい。例えば、式I中の1つ以上のアルキル鎖は、伸長若しくは短縮されてもよく、又は式Iを含む化合物は、1つ以上のオリゴヌクレオチドを更に含んでもよい。本明細書に開示されるRNAi剤などの式Iを含む本明細書の化合物は、例えば、典型的には3つのGalNAc部分に結合するアシアロ糖タンパク質受容体(asialoglycoprotein receptor、ASPGR)などの1つ以上のN-アセチルガラクトース(GalNAc、またN-GalNAc又はgalnac又はGalnac)部分に対する受容体を有する細胞に、1つ以上のオリゴヌクレオチドを送達するのに有用である。したがって、本明細書に開示されるRNAi剤などの本明細書の式Iを含む化合物は、ASPGRを発現する肝細胞に優先的に結合するために使用することができ、それによって肝細胞への化合物の侵入を促進する。また、ASPGRは、脂肪組織にも存在するので、本明細書のRNAi剤を含む式Iを含む化合物を使用して、ASPGRを発現する脂肪細胞にオリゴヌクレオチドを送達することができる。
【0017】
一実施形態では、送達部分及び1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む化合物又はRNAi剤であり、送達部分は、式Iを含み、オリゴヌクレオチドは、ANGPTL8遺伝子(以下、ANGPTL8オリゴヌクレオチド)に相補的である。好適な更なる実施形態では、式Iを含む送達部分は、細胞外受容体ASPGRに結合し、肝組織を含む細胞へのオリゴヌクレオチドの侵入を可能にすることによって、1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを肝組織に送達する。また、ANGPTL8オリゴヌクレオチドは、本明細書では、R又は本明細書のセンス鎖及び/若しくはアンチセンス鎖によって表され、本明細書の配列番号に示されるセンス配列及びアンチセンス配列に示されるものを含む。
【0018】
式Iを含む送達部分は、Rを含むRNAi剤などの任意の数のANGPTL8オリゴヌクレオチドを送達するために使用することができ、Rは、診断目的、又は好適には治療目的のために、本明細書に開示されるセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖を含む。本明細書に開示されるセンス鎖及びアンチセンス鎖などの1つ以上のオリゴヌクレオチドは、DNA若しくはRNAヌクレオチド又はDNA若しくはRNAヌクレオシドを含み得る。
【0019】
本明細書のアンチセンス鎖を含む本明細書のオリゴヌクレオチドは、細胞内のANGPTL8配列を標的とするように、すなわち、ANGPTL8配列に結合若しくはアニールするように、又はANGPTL8配列と相補性領域を形成して、遺伝子発現を調節し、好適にはANGPTL8遺伝子発現を減少させるように設計されている。一実施形態では、ANGPTL8転写物の発現を減少させるための、本明細書に開示される式Iを含む化合物又はRNAi剤である。更なる実施形態では、ANGPTL8転写物の発現を減少させるための、本明細書に開示される式Iを含む化合物又はRNAi剤は、ANGPTL8タンパク質発現を更に減少させる。別の実施形態では、標的転写物又は標的タンパク質の発現の減少は、約99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、85、80、75、70、65、60、55、又は50パーセントである。更なる実施形態では、発現の減少は、約3週間、約1ヶ月、約1ヶ月半、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、又は約6ヶ月間持続する。
【0020】
当業者は、1つ以上のミスマッチが、本明細書中に開示されるアンチセンスヌクレオチドなどのANGPTL8オリゴヌクレオチドとANGPTL8標的ヌクレオチド配列との間に存在し得、依然として遺伝子発現を調節するように機能し得ることを認識する。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的配列と99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、若しくは70パーセントの配列同一性を有するか、又は標的配列に相補的である。オリゴヌクレオチドはまた、5’末端又は3’末端のいずれかに1~10、1~5、若しくは1~3、又は3、2、若しくは1個の残基のオーバーハングを有し得る。5’末端又は3’末端は、例えば、脱塩基残基又はリン酸基で更に修飾されてもよい。
【0021】
参照核酸配列に関する「パーセントの配列同一性」という用語は、配列を最適に整列させ、PID3計算を使用して、最大パーセントの配列同一性を達成するために、必要に応じてギャップ又はオーバーハングを導入した後の、参照核酸配列中のヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基と同一である候補配列中のヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基のパーセンテージとして定義され、PID3計算は、同一ヌクレオチド残基の数を、2つの配列のうちの短い方のヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基の総数で割り、100を掛けたものである。例えば、Raghava,G.,Barton,G.J.Quantification of the variation in percentage identity for protein sequence alignments.BMC Bioinformatics 7,415(2006)を参照のこと。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含めて、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0022】
当業者は、本明細書に開示されるRNAi剤のセンス鎖又はアンチセンス鎖などの、ANGPTL8オリゴヌクレオチドを含むRNAi剤(又は化合物若しくはRNAi分子)の修飾が、その安定性及び半減期を増加させ得ることを認識する。修飾は、ヌクレオチド又はホスホジエステル骨格に対するものであり得る、すなわち、オリゴヌクレオチドの2つのヌクレオチド残基間の結合であり、これは、ヌクレオチド間結合とも呼ばれる。例えば、糖残基、好適にはリボース上の2’-修飾は、その安定性及び半減期を増加させることができる。これらの修飾としては、非修飾糖の2’OH基における2’フルオロ又は2’メトキシ修飾が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において修飾ヌクレオチド間結合とも呼ばれる骨格修飾は、ホスホジエステル結合からホスホロチオエート(phosphorothioate、PS)結合への変化を含む。
【0023】
式Iの送達部分を含むRNAi剤の更なる実施形態は、このようなヌクレオチド及びヌクレオチド間結合修飾を含む。したがって、一実施形態では、式I:
【化3】
[式中、
Rは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、
アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、センス鎖及びアンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長であり、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、Rは、リンカーを介して式Iに任意選択でコンジュゲートされており、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである]の送達部分を含むRNAi剤である。更なる実施形態では、センス鎖の各ヌクレオチド及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドである。他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含む。更なる実施形態では、各修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。また更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、4つのホスホロチオエート結合を含む。更なる実施形態では、センス鎖の5’末端の最初の2つのヌクレオチド及びセンス鎖の3’末端の最後の2つのヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含み、アンチセンス鎖の5’末端の最初の2つのヌクレオチド及びアンチセンス鎖の3’末端の最後の2つのヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含む。本明細書に開示されるRNAi剤の実施形態のいずれかにおいて、アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドは、リン酸基又はリン酸アナログを含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、本明細書で開示されるセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む、本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」(又は本明細書で互換的に使用される「マルチマー」若しくは「オリゴマー」)は、少なくとも10ヌクレオチド又はヌクレオシド残基の鎖を意味し、修飾若しくは非修飾塩基、修飾若しくは非修飾糖、及び/又は修飾若しくは非修飾結合(本明細書では互換的に骨格又はホスホジエステル骨格又はヌクレオチド間結合とも称される)を含み得る。ヌクレオチド残基は、本明細書においてホスホジエステルヌクレオチド間結合又は修飾ヌクレオチド間結合とも呼ばれるホスホジエステル結合又は修飾結合によって連結され得る。ヌクレオチド残基は、核酸塩基ピリミジン若しくはプリン環中の1つ以上の原子で、又は糖残基中の1つ以上の原子で、又は環糖と核酸塩基との間の結合の1つ以上の原子で修飾され得る。また、修飾は、オリゴヌクレオチド鎖の5’末端又は3’末端で行われてもよく、このような修飾オリゴヌクレオチド又はセンス鎖若しくはアンチセンス鎖は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、本明細書ではオリゴヌクレオチド又はセンス鎖若しくはアンチセンス鎖と互換的に称され得る。本明細書において、ヌクレオシド残基(すなわち、1つ以上のリン酸基を欠くヌクレオチド)は、修飾ヌクレオチド/ヌクレオチド残基/ヌクレオチド塩基、又は単にヌクレオチド/ヌクレオチド残基/ヌクレオチド塩基と称され得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「相補的」とは、2つのヌクレオチドが標準的なワトソン-クリック対合で互いに塩基対を形成することを可能にすると予想される2つのヌクレオチド間(例えば、2つの対向する核酸上、又は単一の核酸鎖、例えば、ヘアピンの対向する領域上)の構造的関係を意味する。例えば、対向する核酸のピリミジンヌクレオチドに相補的である1つの核酸のプリンヌクレオチドは、互いに相補的である。例えば、それらは互いに水素結合を形成することによって一緒に塩基対合すると予測される。同様に、2つの逆平行核酸は、本明細書に記載されるRNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖などの相補性領域を形成するために互いに相補的である複数のヌクレオチドの領域を有し得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、「相補性領域」とは、適切なハイブリダイゼーション条件下(例えば、リン酸緩衝液中、細胞中など)でヌクレオチドの2つの配列間のハイブリダイゼーションを可能にするために逆平行ヌクレオチド配列に十分に相補的である核酸(例えば、dsオリゴヌクレオチド)のヌクレオチド配列を意味する。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、mRNA標的配列に相補的な領域を有する標的化配列を含む。
【0027】
本明細書で使用される場合、「デオキシリボヌクレオチド」とは、リボヌクレオチドと比較したときに、そのペントース糖の2’位においてヒドロキシルの代わりに水素を有するヌクレオチドを意味する。修飾デオキシリボヌクレオチドは、糖の2’位に水素以外の原子の1つ以上の修飾又は置換を有し、核酸塩基、糖、又はリン酸基の修飾又は置換を含む。
【0028】
本明細書で使用される場合、「二本鎖オリゴヌクレオチド」又は「dsオリゴヌクレオチド」とは、実質的に二重鎖形態であるオリゴヌクレオチドを意味する。dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対合は、共有結合的に分離した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成することができる。同様に、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対合は、共有結合的に結合している核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成することができる。更に、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対合は、一緒に塩基対合するヌクレオチドの相補的逆平行配列を提供するように折り畳まれた(例えば、ヘアピンを介して)単一核酸鎖から形成することができる。dsオリゴヌクレオチドは、互いに完全に二重鎖である2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含むことができる。しかしながら、dsオリゴヌクレオチドは、部分的に二重鎖である(例えば、一方又は両方の末端にオーバーハングを有する)2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含むことができる。dsオリゴヌクレオチドは、部分的に相補的であるヌクレオチドの逆平行配列を含むことができ、したがって、内部ミスマッチ又は末端ミスマッチを含み得る1つ以上のミスマッチを有し得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に関する「二重鎖」及び「二重鎖領域」とは、2つの共有結合的に分離した核酸鎖によって形成されるか、又は単一の折り畳まれた鎖(例えば、ヘアピンを介して)によって形成されるかにかかわらず、ヌクレオチドの2つの逆平行配列の相補的塩基対合を通じて形成される二本鎖核酸構造を意味し、適切な条件下でのアニーリング又はハイブリダイゼーションを介して形成され得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「リンカー」とは、ヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチド)を送達部分にコンジュゲートするために使用される構造を意味する。リンカーは、「不安定」又は「切断可能」とすることができ、これは(例えば、酸性pHによって)切断され得るリンカーを意味する。同様に、リンカーは、生理学的条件下で切断可能でないリンカーを意味する「安定」又は「切断不可能」とすることができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオチド間結合」とは、ホスホジエステル結合を有する参照ヌクレオチド間結合と比較したときに、1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチド間結合を意味する。修飾ヌクレオチド間結合は、天然に存在しない結合であってもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオチド」とは、アデニンリボヌクレオチド、グアニンリボヌクレオチド、シトシンリボヌクレオチド、ウラシルリボヌクレオチド、アデニンデオキシリボヌクレオチド、グアニンデオキシリボヌクレオチド、シトシンデオキシリボヌクレオチド、及びチミジンデオキシリボヌクレオチドから選択される、対応する参照ヌクレオチドと比較したときに、1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチドを指す。修飾ヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドであってもよい。修飾ヌクレオチドは、例えば、その糖、核酸塩基、及び/又はリン酸基に1つ以上の化学修飾を有してもよい。加えて、又は代わりに、修飾ヌクレオチドは、対応する参照ヌクレオチドにコンジュゲートされた1つ以上の化学部分を有してもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」とは、ヌクレオシド(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、又はウラシルなどの核酸塩基、及び例えば、リボース又は2’-デオキシリボースなどのペントース糖)とリン酸基とを有する有機化合物を意味する。「ヌクレオチド」は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)及びリボ核酸(ribonucleic acid、RNA)などの核酸ポリマーのモノマー単位として機能することができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「オーバーハング」とは、1つの鎖又は領域が二重鎖を形成する相補鎖の末端を越えて伸長する1つの鎖又は領域から生じる末端ヌクレオチド(複数可)を意味する。オーバーハングは、dsオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の二重鎖領域から伸長する1つ以上の不対合ヌクレオチドを含み得る。オーバーハングは、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖又はセンス鎖上の3’又は5’オーバーハングとすることができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「リン酸アナログ」又は「リン酸模倣物」とは、リン酸基の静電特性及び/又は立体特性を模倣した化学部分を意味する。いくつかの実施形態では、リン酸アナログは、5’-リン酸の代わりにオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドに位置する。5’リン酸アナログは、ホスファターゼ耐性結合を含むことができる。リン酸アナログの例としては、5’メチレンホスホネート(5’-MP)及び5’-(E)-ビニルホスホネート(5’-VP)などの5’ホスホネートが挙げられるが、これらに限定されない。オリゴヌクレオチドは、5’-末端ヌクレオチドの糖の4’-炭素位にリン酸アナログ(「4’-リン酸アナログ」と称される)を有することができる。4’-リン酸アナログの一例は、(例えば、その4’-炭素の)糖部分又はそのアナログにオキシメチル基の酸素原子が結合しているオキシメチルホスホネートである。例えば、国際公開第2018/045317号を参照のこと。
【0036】
オリゴヌクレオチドの5’末端の他の修飾も開発されている(例えば、国際公開第2011/133871号、米国特許第8,927,513号、及びPrakash et al.(2015年)Nuc.Acids Res.43:2993-3011を参照のこと)。
【0037】
「パーセントの相補性」とは、標準対合を示す2本の鎖間のヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基の数を、2つの配列のうちの短い方の総ヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基で割り、100を掛けたものである。
【0038】
本明細書で使用される場合、「リボヌクレオチド」とは、そのペントース糖としてリボースを有し、2’位にヒドロキシル基を含むヌクレオチドを意味する。本明細書において修飾ヌクレオチドとも称される修飾リボヌクレオチドは、2’位に水素以外の原子の1つ以上の修飾又は置換を有するリボヌクレオチドであり、核酸塩基、糖、又はリン酸基の修飾又は置換を含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「鎖」とは、ヌクレオチド間結合(例えば、ホスホジエステル結合又はホスホロチオエート結合)によって一緒に結合されたヌクレオチドの単一の連続する配列を指す。鎖は、2つの遊離末端(例えば、5’末端及び3’末端)を有することができる。
【0040】
本明細書で使用される場合、遺伝子(例えば、ANGPTL8)に関する「発現の低減」とは、適切な参照(例えば、参照細胞、細胞集団、試料、又は対象)と比較したときの、細胞、細胞集団、試料、又は対象における、遺伝子によってコードされるRNA転写物(例えば、ANGPTL8 mRNA)若しくはタンパク質の量若しくはレベルの減少、及び/又は遺伝子の活性の量若しくはレベルの減少を意味する。例えば、細胞を本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、ANGPTL8 mRNAを含むヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖を有するオリゴヌクレオチド)と接触させる行為は、dsオリゴヌクレオチドで処理されていない細胞と比較して、(例えば、RNAi経路によるANGPTL8 mRNAの分解を介して)mRNA、タンパク質、及び/又は活性の量又はレベルの減少をもたらし得る。同様に、本明細書で使用される場合、「発現を低減する」とは、遺伝子(例えば、ANGPTL8)の発現の低減をもたらす作用を意味する。具体的には、本明細書で使用される場合、「ANGPTL8発現の低減」とは、適切な参照(例えば、参照細胞、細胞集団、組織、又は対象)と比較したときの、細胞、細胞集団、試料、又は対象におけるANGPTL8 mRNA、ANGPTL8タンパク質、及び/又はANGPTL8活性の量又はレベルの減少を意味する。
【0041】
ある特定の実施形態では、1つ以上のオリゴヌクレオチドは、低分子干渉RNA(small interfering RNA、siRNA)、miRNA(マイクロRNA)、ショートヘアピンRNA(short hairpin RNA、shRNA)、シングルガイドRNA(single guide RNA、sgRNA)、又はアンチセンスオリゴヌクレオチド(antisense oligonucleotide、ASO)を含む。好適な実施形態では、1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドは、siRNAを含む。別の好適な実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むRNAi剤である。別の好適な実施形態では、1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAである。
【0042】
いくつかの実施形態では、化合物は、例えば、Rなどの1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドをコンジュゲートするためのリンカーを更に含み、Rは、式Iに対するセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む。他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤は、センス鎖又はアンチセンス鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチドをコンジュゲートするリンカーを含む。他の実施形態では、RNAi剤は、リンカーを介して式Iの送達部分にコンジュゲートされたセンス鎖を含む。好適なリンカーは、当技術分野で既知である。一実施形態では、リンカーは、アルキル鎖、好適にはC1~8を含む。更なる実施形態では、リンカーは、アルキル鎖、好適にはC1~8である。更なる実施形態では、リンカーは、下記に示すようなリンカー1を含む(連結点A及びBを有する本明細書の式II)。更なる実施形態では、リンカーは、リンカー1である。別の実施形態では、リンカーは、ピペリジン環を含む。更なる好適な実施形態では、リンカーは、下記に示すようなリンカー2を含む(連結点C及びDを有する本明細書の式III)。更なる好適な実施形態では、リンカーは、リンカー2である。
【0043】
【化4】
【0044】
当業者は、リンカーが、Rを含むANGPTL8オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端にあってもよく、Rが、本明細書のRNAi剤のセンス鎖又はアンチセンス鎖を含むか、又は内部ヌクレオチドの1つに結合されることを認識するであろう。当業者はまた、リンカーが、本明細書のセンス鎖又はアンチセンス鎖を含むANGPTL8オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端に結合又はコンジュゲートされ得ることを認識するであろう。当業者はまた、リンカーを介するか否かにかかわらず、本明細書のRNAi剤のアンチセンス鎖などのANPTL8オリゴヌクレオチドの5’末端への、式Iを含む送達部分などの送達部分の配置が、Ago2ローディングの潜在的な非効率的なローディング、又はRISC複合体活性の他の障害を克服する必要があり得ることを認識するであろう。例えば、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAなどの本明細書のRNAi剤のセンス鎖又はアンチセンス鎖に結合又はコンジュゲートされた式Iを含む送達部分について、アンチセンス鎖の5’末端における送達部分の配置は、Ago2ローディングについての困難を生じ、効率的なノックダウンを妨げ得る。好適な実施形態では、1つ以上のANPTL8オリゴヌクレオチド又はRNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAを含み、式Iを含む送達部分は、センス鎖の3’末端に存在する。更なる実施形態では、式Iを含む送達部分は、リンカーを介してセンス鎖の3’末端にコンジュゲートされている。また更なる実施形態では、リンカーは、環構造、好適にはピペリジン環を含む。また更なる実施形態では、リンカーは、リンカー1(式II)を含む。また更なる実施形態では、リンカーは、リンカー2(式III)である。一実施形態では、リンカー1、連結点A、又はリンカー2、連結点Cは、式Iにコンジュゲートされている。一実施形態では、リンカー1、連結点Aは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Bは、Rにコンジュゲートされている。一実施形態では、リンカー2、連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Dは、Rにコンジュゲートされている。一実施形態では、リンカー1、連結点Aは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Bは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている。一実施形態では、リンカー2、連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Dは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている。
【0045】
ある特定の実施形態では、アンチセンス鎖などのANPTL8オリゴヌクレオチドは、配列番号3~配列番号123のいずれか1つによって表される配列に相補的である表1の配列に相補的である。好適な実施形態では、ANPTL8オリゴヌクレオチドは、表2の配列に相補的であり、すなわち、配列は、配列番号3、6、10、11、12、13、16、18、23、24、26、27、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、47、49、50、52、55、56、57、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、73、74、77、88、89、90、91、93、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、又は107のいずれか1つによって表される配列に相補的である。
【0046】
更なる実施形態では、本明細書のANPTL8オリゴヌクレオチド又はRNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAを含む。また更なる実施形態では、siRNAは、表2のセンス鎖、すなわち、配列番号124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、又は230のいずれか1つによって表される配列を含むか、又はこの配列を有するセンス鎖を含む。他の更なる実施形態では、本明細書のANPTL8オリゴヌクレオチド又はRNAi剤は、表2のアンチセンス鎖、すなわち、配列番号231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、又は360のうちの1つによって表される配列を含むか、又はこの配列を有するアンチセンス鎖を含む。また更なる実施形態では、siRNAは、表11の1つの行からのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む。これらの更なる実施形態の1つでは、siRNAは、行1からのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含み、すなわち、siRNAは、配列番号124を含むセンス鎖及び配列番号231を含むアンチセンス鎖を含む。他の更なる実施形態では、siRNAは、行2からのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含み、すなわち、siRNAは、配列番号125を含むセンス鎖及び配列番号232を含むアンチセンス鎖を含む。他の更なる実施形態では、siRNAは、表11の同じ行からのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含み、行は、表11の行1~174(1A~174e5と標識された行)からなる群から選択される。
【0047】
更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、修飾される。更なる実施形態では、修飾は、ヌクレオチド、骨格、すなわちヌクレオシド間結合(ホスホジエステル結合)、又はこれらの両方に対して行われる。更なる実施形態では、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート(PS)結合である。他の実施形態では、ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート(PS)結合である修飾ヌクレオチド間結合である。更なる実施形態では、修飾は、リボース上の2’フルオロ基若しくは2’メトキシ基、又はPS結合、又はこれらの両方である。更なる実施形態では、これらの列挙された修飾の3つ全てのうちの1つ以上が存在する。更なる実施形態では、siRNAは、リボース上に1~10個の2’フルオロ修飾を含む。他の実施形態では、siRNAは、リボース上に1~10個の2’フルオロ修飾を含み、ヌクレオチドの残り、すなわち、2’フルオロ修飾を有さないヌクレオチドは、リボース上に2’メトキシ基修飾を有する。
【0048】
本明細書に開示されるRNAi剤などの化合物の他の実施形態では、1つ以上のオリゴヌクレオチドは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAを含む。更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々15~40ヌクレオチド長である。好適な実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチド長である。好適な実施形態では、センス鎖は、21ヌクレオチド長である。他の好適な実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチド長であり、センス鎖は、21ヌクレオチド長である。別の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、アニールし、任意選択で、1つ以上の5’ヌクレオチドオーバーハング若しくは3’ヌクレオチドオーバーハング、1つ以上の5’平滑末端若しくは3’平滑末端、又はこれらの両方の組み合わせを含む。
【0049】
本明細書に開示されるRNAi剤を含むRNAi分子の別の実施形態では、Rがセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むことを含む、Rによって表されるものなどのANGPTL8オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端は、更に修飾される。更なる実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端は、任意選択でリン酸化される。更なる実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドは、5’ビニルホスホネート修飾を含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドは、リン酸基を含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドは、リン酸アナログを含む。
【0050】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子は、式I及び表6又は表8のセンス鎖又はアンチセンス鎖を含むsiRNAを含む。他の実施形態では、本明細書に各々開示されるRNAi分子又はRNAi剤は、式I、及び配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、又は配列番号366のいずれか1つの配列を含むセンス鎖を含む。他の実施形態では、本明細書に各々開示されるRNAi分子又はRNAi剤は、式I、及び配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、又は配列番号372のいずれか1つの配列を含むアンチセンス鎖を含むsiRNAを含む。更なる実施形態では、本明細書に各々開示されるRNAi分子又はRNAi剤は、式I、並びにa~fに記載される、
a.配列番号361と配列番号367、
b.配列番号362と配列番号368、
c.配列番号363と配列番号369、
d.配列番号364と配列番号370、
e.配列番号365と配列番号371、又は
f.配列番号366と配列番号372の配列の対から選択されるセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むsiRNAとを含む。
【0051】
また更なる実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤を含むRNAi分子は、式IIIのリンカー(すなわち、リンカー2)を介して式Iにコンジュゲートされている。また更なる実施形態では、式IIIのリンカーは、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、アンチセンス鎖上の任意の5’リン酸が省略され、リボース中の1つ以上の2’フルオロ残基が除去される。更なる実施形態では、除去される任意の2’フルオロ残基は、同じ位置で2’メトキシ修飾によって置き換えられる。
【0052】
式I、並びにRがセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むことを含む、Rによって表されるものなどの、1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを含む本明細書のRNAi分子は、肝臓の疾患又は脂肪組織に関与する疾患の治療に有用である。これらは、患者、好適にはヒトにおける使用に適した医薬組成物に製剤化される。本明細書に開示される医薬組成物は、本明細書のRNAi分子又はRNAi剤及び組成物又は製剤の他の成分と適合し、患者に有害でない、1つ以上の担体、希釈剤、及び賦形剤を含む。医薬組成物及びこれらの調製のためのプロセスの例は、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Loyd,V.,et al.Eds.,22nd Ed.,Mack Publishing Co.,2012に見出すことができる。
【0053】
したがって、一実施形態では、式I、並びにRがセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むことを含む、Rによって表されるものなどの1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを含む、本明細書に開示されるRNAi分子又はRNAi剤、及び1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。更なる実施形態では、本明細書に開示されるRNAi分子又はRNAi剤などのRNA分子、及びその医薬組成物は、疾患の治療又は治療において使用するためのものである。
【0054】
別の実施形態は、治療に使用するための、式I、並びにRがセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むことを含む、Rによって表されるものなどの1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを含むRNAi分子若しくはRNAi剤、又はそれらの医薬組成物である。別の実施形態は、治療に使用するための本明細書に開示されるRNAi剤である。更なる実施形態では、治療は、未治療又は対照又はプラセボ治療との比較など、ANGPTL8発現のレベルを減少させることを含む。更なる実施形態は、治療が肝臓の疾患又は肝臓に関与する疾患のためのものである。別の実施形態は、本明細書に開示されるRNAi分子、好適には式I、並びにRが本明細書に開示されるセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むなど、Rを含む1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを含む、好適には有効量で投与されるRNAi分子、又は前述のいずれかの医薬組成物を投与することを含む肝疾患の治療方法である。別の実施形態は、本明細書に開示されるRNAi剤、好適にはその有効量、又はRNAi剤及び1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与することを含む、肝疾患を治療することを必要とする患者に肝疾患を治療する方法である。
【0055】
別の実施形態は、式Iを含むRNA干渉(RNAi)剤、
【0056】
【化5】
並びにセンス鎖及びアンチセンス鎖であり、アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含み、センス鎖及びアンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長であり、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖の1つ以上のヌクレオチド間結合は、修飾ヌクレオチド間結合であり、センス鎖又はアンチセンス鎖は、任意選択でリンカーを介して式Iにコンジュゲートされている。
【0057】
本明細書に開示されるセンス鎖及びアンチセンス鎖などのオリゴヌクレオチドはまた、ANGPTL8の発現を減少させるために肝臓又は他の組織を標的とするために、代替的な送達部分にコンジュゲートされ得る。本明細書に開示されるセンス鎖及びアンチセンス鎖などのオリゴヌクレオチドはまた、コンジュゲートされていなくてもよく、その代わりに、ANGPTL8の発現を減少させるために、カプセル化されるか、又はコンジュゲーションを必要としない別の手段によって目的の組織に送達され得る。
【0058】
したがって、本明細書に開示されるRNAi剤の他の実施形態は、式R-L-Dを有する、任意選択でリンカーLを介してRにコンジュゲートされた送達部分を含むRNAi剤であり、式中、Rは、アンチセンス鎖若しくはセンス鎖又はこれらの両方を含み、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、センス鎖及びアンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖は、存在する場合及び存在するとき、各々独立して、15~30ヌクレオチド長であり、任意選択で、センス鎖及びアンチセンス鎖は、存在する場合及び存在するとき、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に相補的である配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む。更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長である。これらのRNAi剤のいずれかの更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、ANGPTL8のmRNA転写物に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。これらのRNAi剤のいずれかの異なる更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号1に対して少なくとも18ヌクレオチドの相補性領域を形成する。
【0059】
更なる実施形態では、アンチセンス鎖が配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個のヌクレオチドを含むRNAi剤である。また更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む。
【0060】
本明細書に開示されるRNAi剤の更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号405、408、412、413、414、415、418、420、425、426、428、429、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、448、449、451、452、454、457、458、459、463、464、465、466、467、468、469、471、472、473、474、475、476、479、490、491、492、493、495、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、及び509からなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、表2のアンチセンス鎖配列の群から選択される。
【0061】
本明細書に開示されるRNAi剤の別の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号231~361、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。本明細書に開示されるRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖は、配列番号124~230、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。
【0062】
本明細書に記載されるRNAi剤のいずれかの更なる実施形態では、相補性領域は、センス鎖とアンチセンス鎖との間に0、1、2、又は3個のミスマッチを含む。
【0063】
RNAi剤の更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。更なる実施形態では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである。他の実施形態では、センス鎖の各ヌクレオチド及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドであり、更なる実施形態では、修飾ヌクレオチドの各々は、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである。
【0064】
本明細書のRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含む。更なる実施形態では、各修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、4つのホスホロチオエート結合を含む。更なる実施形態では、センス鎖の最初の2つの5’ヌクレオチド及びセンス鎖の2つの末端3’ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である。更なる実施形態では、アンチセンス鎖の最初の2つの5’ヌクレオチド及びアンチセンス鎖の2つの末端3’ヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である。
【0065】
本明細書におけるRNAi剤の他の実施形態では、アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドは、リン酸基又はリン酸アナログを含む。
【0066】
本明細書に開示されるRNAi剤の更なる実施形態は、アンチセンス鎖が、配列番号405、408、412、413、414、415、418、420、425、426、428、429、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、448、449、451、452、454、457、458、459、463、464、465、466、467、468、469、471、472、473、474、475、476、479、490、491、492、493、495、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、及び509からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む。
【0067】
別の更なる実施形態では、RNAi剤は、23ヌクレオチド長であるアンチセンス鎖を含む。また別の更なる実施形態では、RNAi剤のセンス鎖は、21ヌクレオチド長である。好適な実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチド長であり、センス鎖は、21ヌクレオチド長である。
【0068】
別の実施形態では、RNAi剤のアンチセンス鎖は、配列番号231~361、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。別の実施形態では、RNAi剤のセンス鎖は、配列番号124~230、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される。相補性領域において、センス鎖とアンチセンス鎖との間に0、1、2、又は3個のミスマッチを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載のRNAi剤。
【0069】
更なる実施形態では、RNAi剤は、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含むセンス鎖又はアンチセンス鎖を含む。更なる実施形態では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、リボース上に2’フルオロ基を有するか、又は2’0-メチル基を有するヌクレオチドである。更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドである。
【0070】
本明細書のRNAi剤の別の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖の各々の5’及び3’末端の2つのヌクレオチドの各々は、修飾ヌクレオチド間結合を有する。更なる実施形態では、修飾ヌクレオチド間結合は、存在する場合、ホスホロチオレート結合である。
【0071】
本明細書におけるRNAi剤の別の実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドは、リン酸基又はリン酸アナログである修飾又は更なる修飾を有する。
【0072】
本明細書におけるRNAi剤の更なる実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号367~372及び389~404からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。
【0073】
本明細書におけるRNAi剤の他の更なる実施形態では、センス鎖は、配列番号361~366及び373~388からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。
【0074】
本明細書に開示されるRNAi剤の他の更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である。
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0075】
本明細書におけるRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である。
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0076】
本明細書に開示されるRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である。
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0077】
本明細書に開示されるRNAi剤の更なる実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である。
【0078】
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0079】
本明細書に開示されるRNAi剤の別の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列であるRNA剤である。
【0080】
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0081】
本明細書に開示されるRNAi剤の他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である。
【0082】
好適には、列挙されたオリゴヌクレオチド配列の対を有するRNAi剤は、式Iを含む。更なる好適な実施形態では、RNAi剤は、センス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされた式Iを含む。また更なる実施形態では、式Iは、リンカーを介してセンス鎖の3’末端でヌクレオチドにコンジュゲートされている。更なる実施形態では、リンカーは、式IIIのリンカーである。
【0083】
本明細書における他の実施形態では、RNAi剤は、肝細胞におけるANGPTL8遺伝子の発現を減少させることができる。
【0084】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤は、治療に使用するためのものである。
【0085】
別の実施形態は、脂質異常症、心血管疾患、及び非アルコール性脂肪肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease、NAFLD)を各々含む肝疾患又は肝臓に関与する疾患の治療に好適である薬剤の製造に使用するための、式I、並びにRが本明細書に開示されるセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖を含むなどのRを含む1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを好適に含む、本明細書に開示されるRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物である。別の実施形態では、脂質異常症、心血管疾患、及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を各々含む肝疾患又は肝臓に関与する疾患の治療に好適である薬剤の製造において、式I、並びにRが本明細書に開示されるセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖を含むなどのRを含む1つ以上のANGPTL8オリゴヌクレオチドを好適に含む、本明細書に開示されるRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物の使用である。更なる実施形態では、NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis、NASH)である。別の実施形態は、脂質異常症、心血管疾患、及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を各々含む肝疾患又は肝臓に関与する疾患の治療に好適である薬剤の製造に使用するための、本明細書に開示されるRNAi剤、又はその医薬組成物である。更なる実施形態では、NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。
【0086】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、脂質異常症を治療することを必要とする患者に投与することを含む、脂質異常症を治療する方法である。別の実施形態は、脂質異常症を治療する際に使用するための、本明細書に開示されるRNAi分子又はその医薬組成物である。他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤又はその医薬組成物の有効量を、脂質異常症を治療することを必要とする患者に投与することを含む、脂質異常症を治療する方法である。別の実施形態は、脂質異常症を治療する際に使用するための、本明細書に開示されるRNAi剤又はその医薬組成物である。
【0087】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、心血管疾患を治療することを必要とする患者に投与することを含む、心血管疾患を治療する方法が提供される。別の実施形態は、任意選択で、かつ好適には、入院加療及び/若しくは心血管事象並びに/又はこれらのいずれか若しくはこれらの両方のリスクの減少によって測定される、心血管疾患の治療に使用するための、本明細書に開示されるRNAi分子又はその医薬組成物である。他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤又はその医薬組成物の有効量を、心血管疾患を治療することを必要とする患者に投与することを含む、心血管疾患を治療する方法が提供される。別の実施形態は、任意選択で、かつ好適には、入院加療及び/若しくは心血管事象並びに/又はこれらのいずれか若しくはこれらの両方のリスクの減少によって測定される、心血管疾患の治療に使用するための、本明細書に開示されるRNAi剤又はその医薬組成物である。
【0088】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、心血管事象を予防することを必要とする患者に投与することを含む、心血管事象を予防する方法である。他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤又はその医薬組成物の有効量を、心血管事象を予防することを必要とする患者に投与することを含む、心血管事象を予防する方法である。更なる実施形態では、心血管事象は、心筋梗塞である。
【0089】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などの本明細書に開示されるRNAi分子、又はその医薬組成物の有効量を、心血管疾患又は事象に関連する入院加療を減少させることを必要とする患者に投与することを含む、心血管疾患又は事象に関連する入院加療を減少させる方法である。
【0090】
他の実施形態では、本明細書に開示のRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療することを必要とする患者に投与することを含む、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療する方法である。別の実施形態は、NAFLDを治療する際に使用するための、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物である。更なる実施形態では、NAFLDは、NASHである。
【0091】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、トリグリセリドレベルを低下させることを必要とする患者に投与することを含む、トリグリセリドレベルを低下させる方法である。
【0092】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、リポタンパク質リパーゼ(LPL)を阻害することを必要とする患者に投与することを含む、リポタンパク質リパーゼ(LPL)を阻害する方法である。
【0093】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、高トリグリセリドリポタンパク質の異化を増加させることを必要とする患者に投与することを含む、高トリグリセリドリポタンパク質の異化を増加させる方法である。
【0094】
他の実施形態では、本明細書に開示されるRNAi剤などのRNAi分子又はその医薬組成物の有効量を、肝疾患を治療することを必要とする患者に投与することを含む、ANGPTL8の発現レベルを減少させることから利益を得る患者の肝疾患を治療する方法である。
【0095】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、病気又は疾患を治療するのに有効である量を指す。
【0096】
本明細書で使用される場合、「治療する」又は「治療すること」という用語は、例えば、既存の状態(例えば、疾患、病気)に関して個体の健康及び/若しくは健康な状態を向上させる目的で、又は状態の発生の可能性を予防若しくは減少させるために、治療薬(例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド)を個体に投与することによって、それを必要とする個体に治療を提供する行為を意味する。また、治療することは、個体が経験する状態(例えば、疾患、病気)の少なくとも1つの徴候、症状、又は寄与因子の頻度又は重症度を低減することを含むことができる。
【0097】
RNAi剤は、本明細書の非限定的な実施例において更に記載される。
【0098】
実施例1
【0099】
表1.設計されたsiRNAのための標的及びアンチセンス配列
【表1-1】
【0100】
(表1の続き)
【表1-2】
【0101】
(表1の続き)
【表1-3】
【0102】
表1において上記に示すように、ANGPTL8転写物NM_(配列番号1)の18mer領域に相補的であるsiRNAを設計する。センス鎖及びアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド鎖は、18~23ヌクレオチド長であり、1~5リボヌクレオチドの任意のオーバーハングを有し、リボースの2’位に1~10個のフルオロ付加を有し、残りの残基は、リボースの2’位でメチル化されている(2’メトキシ、すなわち、2’O-メチル修飾を生成する)。いくつかのアンチセンス鎖は、5’位においてリン酸化される。各siRNAは、3つのGalNAc基を含む送達部分にコンジュゲートされており、選択された送達部分は、式Iを含み、他の送達部分は、対照部分を含む。1つ以上のホスホジエステル結合は、5’末端及び3’末端に存在する。
【0103】
これらのsiRNAによるANGPTL8発現のノックダウンを、以下の手順を使用してアッセイする。マウスの初代肝細胞(mouse primary hepatocyte、MPH)をAAV-ANGPTL8ヒト化マウスから新たに単離し、ウェル当たり15kでCorningプレートに添加し、siRNAをウェルに直接添加する。単一測定では、1μM(1000nM)を使用し、濃度/用量反応曲線を生成するためには、GalNAcコンジュゲートsiRNA濃度の最終濃度1000、333、111、37、12、4、1.37、0.46、0.15、0.05、及び0.017nMを使用する。
【0104】
処理した細胞を溶解し、Quick-RNA96Kit(Zymo Research)を使用してRNAを96ウェルプレートに直接単離する。溶出されたRNAを直ちに使用するか、又は凍結保存する。Fast Advanced RT Master Mix(Invitrogen)を使用し、サーモサイクラーにおいて以下のステップを使用して、cDNAを合成する。37℃で30分間、95℃で5分間、及び4℃で保持。ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、PCR)は、TaqMan RT PCR(Life Technologies)を介して、以下のサイクル温度及び時間を使用して実施される。50℃で2分間、95℃で10分間、95℃で15秒間及び60℃で1分間の40サイクル。
【0105】
ヒトANGPTL8レベルは、マウスRplp0(Life Technologies)に対して正規化され、ビヒクル処理対照細胞と比較したヒトANGPTL8 mRNA発現の相対的ノックダウンを表す。XLFitを使用した4パラメータフィットモデルを使用して、IC50値を計算した。
【0106】
50%を超えるノックダウンを示したsiRNAのANGPTL8標的領域を下記の表2に示す。
【0107】
表2.
【表2-1】
【0108】
(表2の続き)
【表2-2】
【0109】
実施例2
3つのGalNAc基を含む対照送達部分(cntrl-GalNAc)にコンジュゲートされたANGPTL8 siRNAを、式Iの送達部分にコンジュゲートされた同じsiRNAと比較し、アンチセンス鎖上に5’リン酸を欠くsiRNAと比較し、この実施例2に記載のようにアッセイする。3つのsiRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖を下記の表3に示しており、3つのsiRNAは各々、配列番号381と397、又は382と398、又は366と372のセンス鎖とアンチセンス鎖との対のうちの1つを有する。修飾は、対応する修飾ヌクレオチドの直前に記されている。Pは、リン酸化を表し、mは、リボース上に2’メトキシ修飾を生成するOH基のメチル化を表し、fは、リボースの2’フルオロ修飾を表し、は、骨格のホスホジエステル結合のホスホロチオエート修飾を表す)。
【0110】
表3.
【表3】
【0111】
上記のsiRNAを比較するために、3つのアッセイを実施して、ANGPTL3/8レベル、トリグリセリドレベル、及びmRNAレベル(%KD)によって測定されたANGPTL8発現のノックダウンを分析する。
【0112】
コンジュゲートされたsiRNAを、ヒトコレステロールエステル転送タンパク質(cholesterol ester transfer protein、CETP)及びアポリポタンパク質A1(Taconic farms)について雄トランスジェニックマウスにおいて試験する。マウスに、2つのアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus、AAV)ベクターを後眼窩注射によって投与する。第1のベクターは、アルブミンプロモータ、及びヒトANGPTL8(NM_018687.7)配列番号1のコード配列を有するプラスミドを含有する。第2のベクターは、ヒトANGPTL3(NP_055310.1)配列番号2のマウスコドン最適化配列を含有する。AAV投与の3~5週間後に、動物の体重を測定し、マウスから血液を採取する。これは、研究前採血と考えられる。血清を血液から調製し、トリグリセリドをCOBAS臨床化学分析装置(Roche)を利用して測定し、ANGPTL3/8タンパク質レベルをELISA(Meso Scale Diagnostics)によって測定する。マウスを、同様の体重、血清トリグリセリド、及びANGPTL3/8レベルを有する群に割り当てる(n=6)。血液を研究0日目に採取し、この採取をベースラインとみなす。PBS又は試験siRNAのいずれかを、3及び10mg/kgの用量で、研究0日目にマウスに皮下投与する。イソフルラン麻酔下で、siRNA投与の1週間後及び2週間後にマウスから血液を採取する。血清を血液から調製し、トリグリセリドをCOBAS臨床化学分析装置(Roche)を利用して測定する。血清ANGPTL3/8レベルを、ELISA(Meso Scale Diagnostics)によって測定する。1週間後のベースラインからの変化率としてのトリグリセリドは、((1週間後のトリグリセリド-ベースラインのトリグリセリド)/(ベースラインのトリグリセリド))100として計算される。2週間後のベースラインからの変化率としてのトリグリセリドを同様に計算する。1週間後のベースラインからの変化率としてのANGPTL3/8は、((1週間後のANGPTL3/8-ベースラインのANGPTL3/8)/(ベースラインのANGPTL3/8))100として計算される。2週間後のベースラインからの変化率としてのANGPTL3/8を同様に計算する。血清トリグリセリド及びANGPTL3/8データを、ANOVA及びダネット法を使用して、対応する時点でのPBS群からの統計的有意差について分析し、p<0.05を統計的に有意であるとみなした(SAS Institute)。
【0113】
in vitroノックダウンを測定するために、マウスを、皮下注射の2週間後にイソフルラン麻酔下で安楽死させる。肝臓をマウスから採取し、液体窒素中で凍結する。Lysing Matrix DビーズチューブをFastPrep-24(MP Bio)で使用して、肝臓をTriZol(Invitrogen)でホモジナイズし、RNAを精製し、ヌクレアーゼを含まない水に再懸濁する。RNAをNanoDrop(ThermoFisher)で定量する。High-Capacity cDNA Reverse Transcriptionキット(Life Technologies)をProFlex Thermocycler(Thermo Fisher)で使用して、等量のRNAをcDNAに逆転写する。サーモサイクラーの設定は、25℃で10分間、37℃で2時間、次いで85℃で5分間である。鋳型cDNAをTaqman Universal Master Mix及びAssays on Demandプライマー/プローブセットと組み合わせ、RT-PCRをQuantStudio7 Flex Real-Time PCRシステム(Applied Biosystems)で以下のパラメータで実施する。50℃で2分間、95℃で10分間、次いで95℃で15秒間、及び60℃で1分間を40サイクル。倍数変化(Fold change、FC)を、マウスRplp0のCT値をヒトANGPTL8のCT値から減算するように計算し、ΔCT値を得る。ΔCT値は、各試験試料のΔCT値から各遺伝子についての未処理試料(PBS対照)の平均ΔCT値を差し引くことによって計算される。倍数変化は、負のΔCT値の2を底とする対数をとることによって計算される。ノックダウン率(Percent knock down、%KD)は、1からFCを減算し、100を掛けることによって計算される。データを表4に示す。式Iの送達部分を含む2つのsiRNAは、対照送達部分よりも良好に機能し、ANGPTL8のレベルが低く、トリグリセリドレベルが低く、ANGPTL8 mRNAのノックダウン率が高いことを示している。
【0114】
表4.
【表4】
は、ダネットによるp<0.05ANOVAを示す。
【0115】
実施例3
ANGPTL8転写物NM_(配列番号1)(表1)の上記18mer領域に相補的である例示的なsiRNAを設計し、基礎となるヌクレオチド配列によって下記の配列表に示し、各行は、所与のセンス鎖及びアンチセンス鎖を有するsiRNAを表す。図示のように、基礎となるセンスRNAオリゴヌクレオチド鎖及びアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド鎖は、18~23ヌクレオチド長であり、1~5リボヌクレオチドの任意のオーバーハングを有する。示される基礎となるヌクレオチド配列は、リボースの2’位で1~10個のフルオロ付加により修飾されており、残りの残基は、リボースの2’位でメチル化されている(2’メトキシ修飾を生成する)。いくつかのアンチセンス鎖は、5’位においてリン酸化される。各siRNAは、3つのGalNAc基を含む送達部分にコンジュゲートされており、選択された送達部分は、式Iを含み、他の送達部分は、対照部分を含む。1つ以上のホスホジエステル結合は、5’末端及び3’末端に存在する。対照GalNAcは、センス鎖の3’末端に結合している。これらのsiRNAのサブセットをin vivoノックダウンアッセイで試験する。
【0116】
in vivoノックダウンアッセイのために、選択したsiRNAを雄C57bl/6マウス(Taconic farms)において試験する。マウスに、アルブミンプロモータ及びヒトANGPTL8(配列番号1)(NCBI参照配列NM_018687.7)(Vector BioLabs)のコード配列を有するプラスミドを含有するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを、後眼窩注射によって投与する。AAV投与の2週間後にマウスの体重を測定する。マウスを、同様の体重を有する群に割り当てる(n=5)。PBS又は試験siRNAのいずれかを、10mg/kgの用量でマウスに皮下投与する。皮下注射の7日後、マウスをイソフルラン麻酔下で安楽死させる。肝臓をマウスから採取し、液体窒素中で凍結する。採取した肝臓からRNAを単離及び精製し、cDNA合成に使用し、RT PCRによって定量する。
【0117】
倍数変化(Fold change、FC)を、マウスRplp0のCT値をヒトANGPTL8のCT値から減算するように計算し、ΔCT値を得る。相対量は、負のΔΔCT値の2を底とする対数をとることによって計算される。倍率変化は、各試料の相対量を対照群の平均で割ることによって計算される。ノックダウン率(Percent knock down、%KD)は、1からFCを減算し、100を掛けることによって計算される。データを表5に示す。
【0118】
表5
【表5】
【0119】
表6の以下のsiRNAのin vivoノックダウンを測定するために、10mg/kg用量について上述したのと同じ手順を3mg/kgの用量で実施する。(各siRNAは、縦の順序でセンス鎖及びアンチセンス鎖を有し、最初に試験されたsiRNAは、表の最初の2行、配列番号373及び389を含み、次のsiRNAは、表の3番目及び4番目の行、配列番号374及び390を含み、以下同様である。対照GalNAcは、各siRNAのセンス鎖の3’末端に結合している。修飾の略語は、上記実施例3に示したものと同じである。選択したRNAの結果を表7において以下に示す。
【0120】
表6
【表6】
【0121】
表7
【表7】
【0122】
実施例5
GalNAc-siRNAを、ヒトコレステロールエステル転送タンパク質(CETP)及びアポリポタンパク質A1(Taconic fars)を用いて雄トランスジェニックマウスにおいて試験する。siRNAを分割し、3つの研究(n=2、n=2、及びn=2)で試験する。マウスに、2つのアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus、AAV)ベクターを後眼窩注射によって投与する。1つのベクターは、アルブミンプロモータ、及びヒトANGPTL8(配列番号1)のコード配列を有するプラスミドを含有する。第2のベクターは、ヒトANGPTL3(配列番号2)(NP_055310.1)のマウスコドン最適化配列を含有する。ベースラインの血液試料を、AAV投与の4~6.5週間後にマウスから採取する。血清を血液から調製し、トリグリセリドをCOBAS臨床化学分析装置(Roche)を利用して測定し、ANGPTL3/8をELISA(Meso Scale Diagnostics)によって測定する。マウスを、同様の血清トリグリセリド及びANGPTL3/8レベルを有する群に割り当てる。siRNAを表8に示すように設計し、各siRNAは、式Iの送達部分にコンジュゲートされている。PBS又はsiRNAのいずれかを、0.3、1、3、及び10mg/kgの用量でマウスに皮下投与する。イソフルラン麻酔下で、siRNA投与の3、6、及び9週間後にマウスから血液を採取する。血清を血液から調製し、トリグリセリドをCOBAS臨床化学分析装置(Roche)を利用して測定する。
【0123】
3週間後のベースラインからの変化率としてのトリグリセリドは、((3週間後のトリグリセリド-ベースラインのトリグリセリド)/(ベースラインのトリグリセリド))100として計算される。6週間後及び9週間後のベースラインからの変化率としてのトリグリセリドを同様に計算する。トリグリセリドデータを、ANOVA及びダネット法を使用して、対応する時点でのPBS群からの統計的有意差について分析し、p<0.05を統計的に有意であるとみなした(SAS Institute)。データを表9に示す。
【0124】
分子の各々についての1000nMでの対応するin vitroノックダウン率を表10に示す。
【0125】
表8
【表8】
【0126】
表9
【表9】
【0127】
表10
【表10】
【0128】
表11
【表11-1】
【0129】
(表11の続き)
【表11-2】
【0130】
(表11の続き)
【表11-3】
【0131】
実施例6
組織試料中の表13の式1のコンジュゲートされたsiRNA鎖のレベルを定量するために、組織試料をClarity OTX細胞溶解緩衝液(Phenomenex)で100mg/mLの最終組織濃度にホモジナイズする。(センス鎖については、in vivoでの急速な脱リン酸化のためにOH代謝産物が定量される)。血漿試料をClarity OTX緩衝液で1:10(v/v)に希釈する。試料を、弱イオン交換樹脂(Waters,OasisμElution SPEプレート)を使用して固体相抽出に供する。試料を溶出し、ASSAY and Drug Development Technologies,10(3)pages 278-288(2012)に記載されているように、液体クロマトグラフィー高分解能質量分析(liquid chromatography-high resolution mass spectrometry、LC-HRMS)に供する。
【0132】
マウス又はカニクイザルにおける血漿曝露を、皮下投与後、サルにおいて6時間及び24時間にわたって測定する。肝臓への曝露を、6、24、72、168、336、及び1343時間でマウスにおいて決定する。結果を、PhoenixソフトウェアNCAパッケージを使用して非コンパートメント分析に供する。Cmax、t1/2、及びAUCは、両方の種について血漿中で決定され、肝臓Cmax、t1/2、及びAUCは、マウスにおいて決定され、肝臓t1/2及びAUCは、サルにおいて決定される。
【0133】
表13は、カニクイザルにおける6つのコンジュゲートされたsiRNAの肝臓への曝露を示す。リンカー2(式IIIを有する)を介して式IのGalNAc含有部分に(センス鎖の3’末端ヌクレオチドで)コンジュゲートされた3mg/kgの列挙したANGPTL8 siRNAの皮下投与による治療の約2週間後及び12週間後に、肝臓を採取し、LC/MSを使用する上記の検出方法に供した。
【0134】
表12a及び表12bは、式IのGalNAc含有部分がリンカー2(式IIIを有する)を介してセンス鎖の3’末端ヌクレオチドにコンジュゲートされている、コンジュゲートされたANGPTL8 siRNAの投与前(1匹のサル)及び投与後(下記に記述するように、数匹のサル、各々3mg/kg)に、カニクイザルから採取した肝臓ホモジネートのRT-PCRによって決定したANGPTL8 mRNAのノックダウン率の2つの例示的な実験を示す。
【0135】
表12a
カニクイザル
効力及び耐久性
【表12】
#n=4
n=5
【0136】
表12b
カニクイザル
効力及び耐久性
【表13】
n=6
P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.005対投与前生検は、MMRMによって統計的に有意である
【0137】
表13
カニクイザル
PK特性
【表14】
【0138】
以下の番号付けされた段落は、本明細書に開示されるRNAi剤及びRNAi分子の追加の実施形態を提供する。
【0139】
1.式Iを含むRNA干渉(RNAi)分子又はRNAi剤であって、
【化6】
1つ以上のオリゴヌクレオチドは、配列番号1に結合する15~40ヌクレオチドを含み、Rは、任意選択でリンカーを介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされている、RNA干渉(RNAi)分子又はRNAi剤。
2.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、表1又は表2に記載される配列の1つ以上に結合する、段落1に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
3.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、表2に記載される配列を含む、段落1に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
4.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む、段落1~3のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
5.1つ以上の修飾ヌクレオチドは、糖の2’位、又はピリミジン若しくはプリン環、又はこれらの両方で修飾されている、段落4に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
6.1つ以上の修飾ヌクレオチドは、2’ハロゲン化糖基を含む修飾ヌクレオチド、2’メチル化糖基を含む修飾ヌクレオチド、2’メトキシル化糖基を含む修飾ヌクレオチド、メチル化プリンを含む修飾ヌクレオチド、若しくはメチル化ピリミジン環を含む修飾ヌクレオチド、又はこれらの任意の組み合わせを含む修飾ヌクレオチドである、段落4又は5に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
7.1つ以上の修飾ヌクレオチドは、糖の2’位で修飾されており、修飾は、1つ以上の2’フルオロ基若しくは1つ以上の2’メトキシ基、又はこれらの両方を含む、段落4~6のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
8.1つ以上の修飾ヌクレオチドは、糖の2’位で修飾されており、糖は、リボースである、段落4~7のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
9.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾結合を含み、1つ以上の修飾結合は、ホスホロチオエート結合である、段落1~8のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
10.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、siRNAを含み、siRNAは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む、段落1~9のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
11.センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、15~40ヌクレオチド長である、段落10に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
12.リンカーを更に含む、段落1~11のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
13.リンカーは、
【化7】
の一方を含む、段落12に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
14.1つ以上のオリゴヌクレオチドは、siRNAを含む、段落1~13のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
15.siRNAは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む、段落14に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
16.センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、15~40ヌクレオチド長である、段落15に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
17.センス鎖及びアンチセンス鎖は、各々独立して、18~25ヌクレオチド長である、段落14~16のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
18.センス鎖及びアンチセンス鎖は、アニールし、1つ以上の5’ヌクレオチドオーバーハング又は3’ヌクレオチドオーバーハングを任意選択で含む、段落17に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
19.アンチセンス鎖の5’末端は、任意選択でリン酸化されている、段落14~18のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
20.式Iの化合物と、表1に示される配列番号3~配列番号123を有する配列のいずれか1つに結合する1つ以上のオリゴヌクレオチドと、を含む、段落1~19のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
21.式Iの化合物と、表2に示される配列のいずれか1つに結合する1つ以上のオリゴヌクレオチドとを含む、段落1~20のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
22.1つ以上のヌクレオチドは、リボースの2’位で修飾されている、段落1~21のいずれかに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
23.少なくとも1つのヌクレオチドのリボースは、2’フルオロ基又は2’メトキシ基で修飾されている、段落1~22のいずれかに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
24.siRNAは、1つ以上の修飾結合を含む、段落1~23のいずれかに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
25.1つ以上の修飾結合は、ホスホロチオエート結合である、段落24に記載のRNAi分子又はRNAi剤。
26.siRNAは、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、又は配列番号366のいずれか1つの配列を含むセンス鎖を含む、段落1~25のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
27.siRNAは、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、又は配列番号372のいずれか1つの配列を含むアンチセンス鎖を含む、段落1~25のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
28.siRNAは、a~f:
a.配列番号361と配列番号367、
b.配列番号362と配列番号368、
c.配列番号363と配列番号369、
d.配列番号364と配列番号370、
e.配列番号365と配列番号371、又は
f.配列番号366と配列番号372に記載されるような配列の対から選択されるセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む、段落1~27のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤。
29.段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子又はRNAi剤と、少なくとも1つ以上の医薬的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
30.脂質異常症を治療する方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、脂質異常症を治療することを必要とする患者に投与することを含む、方法。
31.心血管疾患を治療する方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物の有効量を、心血管疾患を治療することを必要とする患者に投与することを含む、方法。
32.心血管事象を予防する方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物の有効量を、心血管事象を予防することを必要とする患者に投与することを含む、方法。
33.心血管事象は、心筋梗塞である、段落32に記載の方法。
34.心血管疾患又は事象に関連する入院加療を減少させる方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、心血管疾患又は事象に関連する入院加療を減少させることを必要とする患者に投与することを含む、方法。
35.非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療する方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療することを必要とする患者に投与することを含む、方法。
36.NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、段落35に記載の方法。
37.トリグリセリドレベルを低下させる方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、トリグリセリドレベルを低下させることを必要とする患者に投与することを含む、方法。
38.リポタンパク質リパーゼ(LPL)の阻害を減少させる方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、リポタンパク質リパーゼ(LPL)の阻害を減少させることを必要とする患者に投与することを含む、方法。
39.高トリグリセリドリポタンパク質の異化を増加させる方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、高トリグリセリドリポタンパク質の異化を増加させることを必要とする患者に投与することを含む、方法。
40.ANGPTL8の発現レベルを減少させることから利益を得る患者の肝疾患を治療する方法であって、段落1~28のいずれか1つに記載のRNAi分子若しくはRNAi剤、又はその医薬組成物を、肝疾患を治療することを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【0140】
配列表
配列番号1
ホモサピエンスアンジオポエチン様8(ANGPTL8)
NCBI参照配列:NM_018687.7
ATACCTTAGA CCCTCAGTCA TGCCAGTGCC TGCTCTGTGC CTGCTCTGGG CCCTGGCAAT GGTGACCCGG CCTGCCTCAG CGGCCCCCAT GGGCGGCCCA GAACTGGCAC AGCATGAGGA GCTGACCCTG CTCTTCCATG GGACCCTGCA GCTGGGCCAG GCCCTCAACG GTGTGTACAG GACCACGGAG GGACGGCTGA CAAAGGCCAG GAACAGCCTG GGTCTCTATG GCCGCACAAT AGAACTCCTG GGGCAGGAGG TCAGCCGGGG CCGGGATGCA GCCCAGGAAC TTCGGGCAAG CCTGTTGGAG ACTCAGATGG AGGAGGATAT TCTGCAGCTG CAGGCAGAGG CCACAGCTGA GGTGCTGGGG GAGGTGGCCC AGGCACAGAA GGTGCTACGG GACAGCGTGC AGCGGCTAGA AGTCCAGCTG AGGAGCGCCT GGCTGGGCCC TGCCTACCGA GAATTTGAGG TCTTAAAGGC TCACGCTGAC AAGCAGAGCC ACATCCTATG GGCCCTCACA GGCCACGTGC AGCGGCAGAG GCGGGAGATG GTGGCACAGC AGCATCGGCT GCGACAGATC CAGGAGAGAC TCCACACAGC GGCGCTCCCA GCCTGAATCT GCCTGGATGG AACTGAGGAC CAATCATGCT GCAAGGAACA CTTCCACGCC CCGTGAGGCC CCTGTGCAGG GAGGAGCTGC CTGTTCACTG GGATCAGCCA GGGCGCCGGG CCCCACTTCT GAGCACAGAG CAGAGACAGA CGCAGGCGGG GACAAAGGCA GAGGATGTAG CCCCATTGGG GAGGGGTGGA GGAAGGACAT GTACCCTTTC ATGCCTACAC ACCCCTCATT AAAGCAGAGT CGTGGCATCT CA
【0141】
配列番号2
マウスにおける発現に使用されるANGPTL3配列
ATGTTCACCATCAAGCTGCTGCTGTTCATCGTGCCCCTCGTGATCAGCAGCAGAATCGACCAGGACAACAGCAGCTTCGACAGCCTGAGCCCCGAGCCCAAGAGCAGATTCGCCATGCTGGACGACGTGAAGATCCTGGCCAACGGCCTGCTGCAGCTGGGCCACGGCCTGAAGGATTTCGTGCACAAGACCAAGGGCCAGATCAACGACATCTTCCAGAAGCTGAACATCTTCGACCAGAGCTTCTACGACCTGAGCCTGCAGACCAGCGAGATCAAAGAGGAAGAGAAAGAGCTGCGGAGGACCACCTACAAGCTGCAAGTGAAGAACGAGGAAGTGAAAAACATGAGCCTGGAACTGAACAGCAAGCTGGAAAGCCTGCTGGAAGAAAAGATTCTGCTGCAGCAGAAAGTGAAGTACCTGGAAGAACAGCTGACCAACCTGATCCAGAACCAGCCCGAGACACCCGAGCACCCCGAAGTGACCAGCCTGAAAACCTTCGTGGAAAAGCAGGACAACTCCATCAAGGACCTGCTGCAGACCGTGGAAGATCAGTACAAGCAGCTGAACCAGCAGCACTCCCAGATCAAAGAAATCGAGAACCAGCTGAGGCGGACCAGCATCCAGGAACCCACCGAGATCAGCCTGTCCAGCAAGCCCAGAGCCCCCAGAACAACCCCATTCCTGCAGCTGAATGAGATCCGGAACGTGAAGCACGACGGCATCCCTGCCGAGTGCACCACCATCTACAACAGAGGCGAGCACACCAGCGGGATGTACGCCATCAGACCCAGCAACAGCCAGGTGTTCCACGTGTACTGCGACGTGATCAGCGGCAGCCCCTGGACACTGATCCAGCACAGAATCGATGGCAGCCAGAACTTCAACGAGACATGGGAGAACTATAAGTACGGCTTCGGCAGACTGGACGGCGAGTTTTGGCTGGGCCTGGAAAAGATCTACAGCATCGTGAAGCAGAGCAACTACGTGCTGAGAATCGAGCTGGAAGATTGGAAGGACAACAAGCACTACATCGAGTACAGCTTCTACCTGGGCAACCACGAGACAAACTACACCCTGCACCTGGTGGCCATCACCGGCAACGTGCCAAACGCCATCCCCGAGAACAAGGATCTGGTGTTCAGCACCTGGGACCACAAGGCTAAGGGCCACTTCAACTGCCCCGAGGGCTACTCTGGCGGCTGGTGGTGGCATGATGAGTGCGGCGAGAACAACCTGAACGGCAAGTACAACAAGCCCAGGGCCAAGAGCAAGCCTGAGAGAAGAAGAGGCCTGTCCTGGAAGTCCCAGAACGGCAGGCTGTACTCTATCAAGAGCACCAAGATGCTGATCCACCCCACCGACAGCGAGAGCTTCGAGTGATAA
【0142】
表1.設計されたsiRNAのための標的及びアンチセンス配列
【表15-1】
【0143】
(表1の続き)
【表15-2】
【0144】
(表1の続き)
【表15-3】
【0145】
表2.
【表16-1】
【0146】
(表2の続き)
【表16-2】
【0147】
表3.
【表17】
【0148】
表6
【表18】
【0149】
表8
【表19】
【0150】
表11
【表20-1】
【0151】
(表11の続き)
【表20-2】
【0152】
(表11の続き)
【表20-3】
【配列表】
2024523565000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Rにコンジュゲートされた式I:
【化1】
で示される送達部分を含む、RNA干渉(RNAi)剤であって、
Rは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、
前記アンチセンス鎖は、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含み、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、少なくとも15ヌクレオチドの相補性領域を形成し、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、18~23ヌクレオチド長であり、任意選択で、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、任意選択で、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、Rは、リンカーを介して式Iに任意選択でコンジュゲートされている、RNAi剤。
【請求項2】
前記アンチセンス鎖が、配列番号405~525からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項3】
前記アンチセンス鎖が、配列番号405、408、412、413、414、415、418、420、425、426、428、429、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、448、449、451、452、454、457、458、459、463、464、465、466、467、468、469、471、472、473、474、475、476、479、490、491、492、493、495、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、及び509からなる群から選択される配列の少なくとも18個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項4】
前記アンチセンス鎖が、23ヌクレオチド長である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項5】
前記センス鎖が、21ヌクレオチド長である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項6】
前記アンチセンス鎖が、配列番号231~361、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項7】
前記センス鎖が、配列番号124~230、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなる群から選択される、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項8】
前記相補性領域において、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖との間に0、1、2、又は3個のミスマッチを含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項9】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み、前記1つ以上の修飾ヌクレオチドは、独立して、2’フルオロ修飾ヌクレオチド、又は2’-O-メチル修飾ヌクレオチドである、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項10】
前記センス鎖の各ヌクレオチド及び前記アンチセンス鎖の各ヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項11】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み、各修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項12】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々独立して、4つのホスホロチオエート結合を含む、請求項11に記載のRNAi剤。
【請求項13】
前記アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドが、リン酸基又はリン酸アナログを含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項14】
前記アンチセンス鎖が、配列番号367~372及び389~404からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項15】
前記センス鎖が、配列番号361~366及び373~388からなる群から選択される配列、又はこれらに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項16】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項17】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
f.配列番号366に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号372に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
g.配列番号373に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
h.配列番号374に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号390に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
i.配列番号375に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号391に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
j.配列番号376に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号392に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
k.配列番号377に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号393に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
l.配列番号378に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号394に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
m.配列番号379に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号395に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
n.配列番号380に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
o.配列番号381に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号396に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
p.配列番号382に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号397に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
q.配列番号383に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号398に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
r.配列番号384に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号399に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
s.配列番号385に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号400に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
t.配列番号386に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号401に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
u.配列番号387に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号402に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
v.配列番号388に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号403に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
w.配列番号389に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号404に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項18】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項19】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
b.配列番号362に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号368に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
c.配列番号363に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号369に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、
d.配列番号364に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号370に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
e.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項20】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項21】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列、又はこれに対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有するアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項22】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされている、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項23】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされており、リンカーは、連結点A及び連結点Bを有する式IIのリンカーを含むか、又は前記リンカーは、連結点C及び連結点Dを有する式IIIを含み、連結点A又は連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点B又は連結点Dは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている、請求項22に記載のRNAi剤、
【化2】
【請求項24】
Rが、リンカーを介して式Iにコンジュゲートされており、前記リンカーは、連結点C及び連結点Dを有する式IIIを含むリンカーであり、連結点Cは、式Iにコンジュゲートされており、連結点Dは、Rにコンジュゲートされているリン酸基にコンジュゲートされている、請求項1に記載のRNAi剤、
【化3】
【請求項25】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、
a.配列番号361に記載の配列からなるセンス鎖、及び配列番号367に記載の配列からなるアンチセンス鎖、並びに
b.配列番号365に記載の配列からなるセンス鎖、及び配列番号371に記載の配列からなるアンチセンス鎖からなる群から選択される一対のオリゴヌクレオチド配列である、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項26】
前記RNAi剤が、肝細胞におけるANGPTL8遺伝子の発現を減少させることができる、請求項1に記載のRNAi剤。
【請求項27】
治療に使用するための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤を含む、医薬組成物。
【請求項28】
脂質異常症の治療に使用するための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤を含む、医薬組成物。
【請求項29】
請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤と、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項30】
脂質異常症の治療用薬剤の製造のための、請求項1~26のいずれか一項に記載のRNAi剤の使用。
【国際調査報告】