(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20240621BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240621BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240621BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579633
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 KR2022011848
(87)【国際公開番号】W WO2023033393
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0116960
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ アリム
(72)【発明者】
【氏名】オ ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジヨン
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC06
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA53
5H127BB02
5H127BB34
(57)【要約】
カートリッジ内に収容される中空糸膜が流体によって損傷されることを防止することができる膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器に係り、該膜加湿器用カートリッジは、内部に第1流体が流動する中空糸膜が収容され、第1硬度を有する材質によって形成されたインナーケースと、中空糸膜の末端を固定するポッティング部と、第2流体が流入され、複数個のウィンドウを含む第1メッシュホール部と、第1メッシュホール部を介して流入された第2流体が、中空糸膜を介し、第1流体と水分交換を行った後で排出され、複数個のウィンドウを含む第2メッシュホール部と、を含み、第1メッシュホール部と第2メッシュホール部とのうち少なくともいずれか一つは、第1硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成された衝撃吸収部を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1流体が流動する中空糸膜が収容され、第1硬度を有する材質によって形成されたインナーケースと、
前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部と、
第2流体が流入され、複数個のウィンドウを含む第1メッシュホール部と、
前記第1メッシュホール部を介して流入された前記第2流体が、前記中空糸膜を介し、前記第1流体と水分交換を行った後で排出され、複数個のウィンドウを含む第2メッシュホール部と、を含み、
前記第1メッシュホール部と前記第2メッシュホール部とのうち少なくともいずれか一つは、
前記第1硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成された衝撃吸収部を含む、膜加湿器用カートリッジ。
【請求項2】
前記衝撃吸収部は、
前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠の中空糸膜側面に形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含む、請求項1に記載の膜加湿器用カートリッジ。
【請求項3】
前記衝撃吸収部は、
前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠と、
前記ウィンドウ枠を取り囲むように形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層と、を含む、請求項1に記載の膜加湿器用カートリッジ。
【請求項4】
前記インナーケースには、開口が形成され、
前記第1メッシュホール部及び前記第2メッシュホール部は、前記衝撃吸収部に形成され、
前記衝撃吸収部は、前記インナーケースに形成された開口をカバーし、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収プレートである、請求項1に記載の膜加湿器用カートリッジ。
【請求項5】
前記第1硬度は、ショア(Shore)D20~80範囲であり、前記第2硬度は、ショア(Shore)A5~80範囲である、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の膜加湿器用カートリッジ。
【請求項6】
第1流体と第2流体との水分交換を行い、
ミッドケースと、
前記第2流体を前記ミッドケースに流入させる第2流体流入口と、
前記第2流体を外部に排出させる第2流体排出口と、
前記ミッドケース内に配され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジと、を含み、
前記カートリッジは、
内部に第1流体が流動する中空糸膜が収容され、第1硬度を有する材質によって形成されたインナーケースと、
前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部と、
第2流体が流入され、複数個のウィンドウを含む第1メッシュホール部と、
前記第1メッシュホール部を介して流入された前記第2流体が、前記中空糸膜を介し、前記第1流体と水分交換を行った後で排出され、複数個のウィンドウを含む第2メッシュホール部と、を含み、
前記第1メッシュホール部と前記第2メッシュホール部とのうち少なくともいずれか一つは、
前記第1硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成された衝撃吸収部を含む、燃料電池の膜加湿器。
【請求項7】
前記衝撃吸収部は、
前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠の中空糸膜側面に形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含む、請求項6に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項8】
前記衝撃吸収部は、
前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠と、
前記ウィンドウ枠を取り囲むように形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層と、を含む、請求項6に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項9】
前記衝撃吸収部は、
前記インナーケースには、開口が形成され、
前記第1メッシュホール部及び前記第2メッシュホール部は、前記衝撃吸収部に形成され、
前記衝撃吸収部は、前記インナーケースに形成された開口をカバーし、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収プレートである、請求項6に記載の燃料電池の膜加湿器。
【請求項10】
前記第1硬度は、ショア(Shore)D20~80範囲であり、前記第2硬度は、ショア(Shore)A5~80範囲である、請求項6ないし9のうちいずれか1項に記載の燃料電池の膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器に係り、さらに具体的には、カートリッジ内に収容される中空糸膜が流体によって損傷されることを防止することができる膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素とを結合させて電気を生産する発電型電池である。該燃料電池は、乾電池や蓄電池のような一般化学電池と異なり、水素と酸素とが供給される限り、続けて電気を生産することができ、熱損失がなく、内燃機関より効率が2倍ほど高いという長所がある。
また、水素と酸素との結合によって生じる化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するために、公害物質排出が少ない。従って、燃料電池は、環境にやさしいだけではなく、エネルギー消費増大による資源枯渇に対する心配を減らすことができるという長所がある。
そのような燃料電池は、使用される電解質の種類により、大きく見て、高分子電解質型燃料電池(PEMFC:polymer electrolyte membrane fuel cell)、リン酸型燃料電池(PAFC:phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:molten carbonate fuel cell、固体酸化物型燃料電池(SOFC:solid oxide fuel cell)及びアルカリ型燃料電池(AFC:alkaline fuel cell)などに分類されうる。
それらそれぞれの燃料電池は、根本的に同一原理によって作動されるが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。そのうち、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べ、低温で動作するという点、及び出力密度が高く、小型化が可能であるために、小規模据え置き型発電装備だけではなく、輸送システムにおいても、最も有望であると知られている。
【0003】
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにおき、最も重要な要因のうち一つは、膜・電極組立体(MEA:membrane electrode assembly)の高分子電解質膜(PEM:polymer electrolyte membraneまたはproton exchange membrane)に一定量以上の水分を供給することにより、関数率を維持させることである。該高分子電解質膜が乾燥すれば、発電効率が急激に低下されるためである。
高分子電解質膜を加湿する方法として、1)耐圧容器に水をいっぱいにした後、対象気体をして、拡散器(diffuser)を通過させ、水分を供給するバブラ(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介し、ガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用し、ガス流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
それらのうちにおいても、排ガス中に含まれる水蒸気だけを選択的に透過させる膜を利用し、水蒸気を、高分子電解質膜に供給される空気に提供することにより、高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が、膜加湿器を軽量化及び小型化させることができるという点において有利である。
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積が大きい中空糸膜が望ましい。すなわち、該中空糸膜を利用して膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であり、小容量でも、燃料電池の加湿が十分になされ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱とを回収し、膜加湿器を介し、再使用することができるという利点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、カートリッジ内に収容される中空糸膜が流体によって損傷されることを防止することができる膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による膜加湿器用カートリッジは、
内部に第1流体が流動する中空糸膜が収容され、第1硬度を有する材質によって形成されたインナーケースと、前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部と、第2流体が流入され、複数個のウィンドウを含む第1メッシュホール部と、前記第1メッシュホール部を介して流入された前記第2流体が、前記中空糸膜を介し、前記第1流体と水分交換を行った後で排出され、複数個のウィンドウを含む第2メッシュホール部と、を含む。前記第1メッシュホール部と前記第2メッシュホール部とのうち少なくともいずれか一つは、前記第1硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成された衝撃吸収部を含む。
本発明の実施形態による膜加湿器用カートリッジにおいて、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠の中空糸膜側面に形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含むものでもある。
本発明の実施形態による膜加湿器用カートリッジにおいて、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠を取り囲むように形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含むものでもある。
本発明の実施形態による膜加湿器用カートリッジにおいて、前記インナーケースには、開口が形成され、前記第1メッシュホール部及び前記第2メッシュホール部は、前記衝撃吸収部に形成され、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースに形成された開口をカバーし、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収プレートでもある。
本発明の実施形態による膜加湿器用カートリッジにおいて、前記第1硬度は、ショア(Shore)D20~80範囲であり、前記第2硬度は、ショア(Shore)A5~80範囲でもある。
【0006】
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器は、
第1流体と第2流体との水分交換を行い、ミッドケースと、前記第2流体を前記ミッドケースに流入させる第2流体流入口と、前記第2流体を外部に排出させる第2流体排出口と、前記ミッドケース内に配され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジと、を含む。前記カートリッジは、内部に第1流体が流動する中空糸膜が収容され、第1硬度を有する材質によって形成されたインナーケースと、前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部と、第2流体が流入され、複数個のウィンドウを含む第1メッシュホール部と、前記第1メッシュホール部を介して流入された前記第2流体が、前記中空糸膜を介し、前記第1流体と水分交換を行った後で排出され、複数個のウィンドウを含む第2メッシュホール部と、を含む。前記第1メッシュホール部と前記第2メッシュホール部とのうち少なくともいずれか一つは、前記第1硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成された衝撃吸収部を含む。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠の中空糸膜側面に形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含むものでもある。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースの一部が切開されて形成されたウィンドウ枠を取り囲むように形成され、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収層を含むものでもある。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記インナーケースには、開口が形成され、前記第1メッシュホール部及び前記第2メッシュホール部は、前記衝撃吸収部に形成され、前記衝撃吸収部は、前記インナーケースに形成された開口をカバーし、前記第2硬度を有する材質によって形成された吸収プレートでもある。
本発明の実施形態による燃料電池の膜加湿器において、前記第1硬度は、ショア(Shore)D20~80範囲であり、前記第2硬度は、ショア(Shore)A5~80範囲でもある。
それ以外に、本発明の多様な側面による具現例の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、流体フロー方向に沿って揺動する中空糸膜が、軟質素材の衝撃吸収部に接触することにより、該中空糸膜に生じる摩擦を低減させ、長期間繰り返し使用による損傷を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器が図示された正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器が図示された平面図である。
【
図3】
図2のA-A’ラインから見た断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器に装着されるカートリッジの一実施形態が図示された平面図である。
【
図5】
図4のB-B’ラインから見た断面図である。
【
図6】
図4のC-C’ラインから見た断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器に装着されるカートリッジの他の実施形態が図示された斜視図である。
【
図8】
図7のカートリッジが図示された平面図である。
【
図9】
図8のD-D’ラインから見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。しかし、それらは、本発明を、特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。
本発明で使用された用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てての意味ではない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。以下、図面を参照し、本発明の実施形態による、膜加湿器用カートリッジ、及びそれを含む燃料電池の膜加湿器について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器が図示された正面図であり、
図2は、本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器が図示された平面図であり、
図3は、
図2のA-A’ラインから見た断面図である。
図1ないし
図3に図示されているように、本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器は、加湿モジュール110とキャップ120とを含む。
加湿モジュール110は、外部から供給される第1流体と、燃料電池スタック(図示せず)から排出される第2流体との水分交換を行う。キャップ120は、加湿モジュール110の両端に締結される。キャップ120のうちいずれか一つには、外部から供給される第1流体を、加湿モジュール110に供給する第1流体流入口121が形成され、他の一つには、加湿モジュール110によって加湿された第1流体を、燃料電池スタックに供給する第1流体排出口122が形成される。
【0010】
加湿モジュール110は、第2流体流入口112と第2流体排出口113とを有するミッドケース111、及びミッドケース111内に配された少なくとも1つのカートリッジ20を含む。燃料電池スタック(図示せず)から排出される第2流体は、第2流体流入口112に流入され、加湿モジュール110内で水分交換した後、第2流体排出口113に排出される。
本明細書において、第2流体流入口112または第2流体排出口113に/から流入/排出される流体は、第2流体に限定されるものではない。また、第1流体流入口121または第1流体排出口122に/から流入/排出される流体は、第1流体に限定されるものではない。設計により、キャップ120のうち一つは、第2流体を加湿モジュール110に供給し、中空糸膜内部を流れさせ、他の一つは、水分交換が行われた第2流体を外部に排出することができる。また、その場合、第2流体流入口112または第2流体排出口113のうちいずれか一つを介し、第1流体が流入され、残り一つを介し、加湿モジュール110によって加湿された第1流体が、燃料電池スタックに供給されるようにするのである。第1流体の流動方向と、第2流体の流動方向は、同方向でもあり、あるいは互いに反対になる方向でもある。
ミッドケース111とキャップ120は、それぞれ独立して、硬質プラスチックや金属によっても形成され、円形または多角形の幅方向断面を有することができる。該円形は、楕円形を含み、該多角形は、丸いコーナー(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、該硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などでもある。ミッドケース111の内部空間は、隔壁114により、第1空間S1と第2空間S2とにも区画される。
図4は、本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器に装着されるカートリッジの一実施形態が図示された平面図であり、
図5は、
図4のB-B’ラインから見た断面図であり、
図6は、
図4のC-C’ラインから見た断面図である。
図4ないし
図6を参照すれば、本発明の一実施形態による膜加湿器用カートリッジ20は、多数の中空糸膜21、ポッティング部22、インナーケース23そして衝撃吸収部25を含む。
【0011】
中空糸膜21は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、またはそれらのうち少なくとも2以上の混合物によって形成された高分子膜を含むものでもある。
ポッティング部22は、中空糸膜21の末端を固定する。ポッティング部22は、ディップポッティング、遠心ポッティングのようなキャスティング方式を介し、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによっても形成される。
インナーケース23は、各末端に開口(opening)を有し、内部に多数の中空糸膜21を収容する。中空糸膜21の端部がポッティングされているポッティング部22は、インナーケース23の開口を閉鎖させる。インナーケース23は、第1空間S1との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第1メッシュホール部MH1、及び第2空間S2との流体連通のために、メッシュ形態に配列された第2メッシュホール部MH2を具備する。
第2流体流入口112を介し、ミッドケース111の第1空間S1に流入された第2流体は、複数個のウィンドウWが形成された第1メッシュホール部MH1を介し、インナーケース23内に流れ込み、中空糸膜21の外表面と接触する。続けて、第1流体と水分交換した第2流体は、複数個のウィンドウWが形成された第2メッシュホール部MH2を介し、第2空間S2に抜け出した後、第2流体排出口113を介し、ミッドケース111から排出される。
なお、第2流体のフロー方向が、第1流体流入口121に流入される第1流体のフロー方向と反対方向である場合、第2流体排出口113を介し、ミッドケース111の第2空間S2に流入された第2流体は、第2メッシュホール部MH2を介し、インナーケース23内に流れ込み、中空糸膜21の外表面と接触する。続けて、第1流体と水分交換した第2流体は、第1メッシュホール部MH1を介し、第1空間S1に抜け出た後、第2流体流入口112を介し、ミッドケース111から排出される。
そのようなインナーケース23は、第2流体の圧力から中空糸膜21を保護するために、第1硬度を有する材質によって形成される。例えば、第1硬度は、ショア(Shore)D20~80範囲でもある。具体的には、インナーケース23は、硬質素材のプラスチックによっても形成される。
【0012】
なお、従来の膜加湿器用カートリッジにおいて、第1メッシュホール部MH1を介し、インナーケース23内部に流入される第2流体により、インナーケース23内部に収容された中空糸膜21が、流体フロー方向に沿って揺動することになる。中空糸膜21は、揺れながら、ウィンドウWをなすウィンドウ枠24と反復的に接触しながら、摩擦により、損傷(スクラッチ、断線など)が生じることになる。それは、第2メッシュホール部MH2を介し、第2流体が外部に排出される場合にも生じることになる。
そのような中空糸膜21の損傷を防止するために、本発明においては、衝撃吸収部25を含む。
衝撃吸収部25は、インナーケース23の硬度より低い第2硬度を有する材質によって形成される。例えば、第2硬度は、ショア(Shore)A5~80範囲でもある。さらに具体的には、衝撃吸収部25は、ウレタン、シリコンのような軟質ゴム素材によっても形成される。
衝撃吸収部25は、インナーケース23の一部が切開されて形成されたウィンドウ枠24に、二重射出方式によっても形成される。ウィンドウWは、例えば、4個のウィンドウ枠24によって形成された内部空間でもある。ここで、ウィンドウWの形状は、それに限定されるものではなく、多角形、円形、楕円形のような多様な形状によっても形成される。
一実施形態において、
図4ないし
図6に図示されているように、衝撃吸収部25は、第2硬度を有する材質によって形成された吸収層によっても形成される。該吸収層は、二重射出方式により、ウィンドウ枠24を取り囲むようにも形成される。または、該吸収層は、ウィンドウ枠24の中空糸膜側面にだけ形成されうる。
第2流体によって揺動する中空糸膜21は、衝撃吸収部25に接触することになるが、衝撃吸収部25は、軟質素材によってなるので、中空糸膜21と衝撃吸収部25との摩擦を減らすことができる。従って、長期間使用しながら反復的に接触されても、摩擦による損傷(スクラッチ、断線(単線)など)を減らすことができる。
【0013】
次に、
図7ないし
図9を参照し、膜加湿器用カートリッジの他の実施形態について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による、燃料電池の膜加湿器に装着されるカートリッジの他の実施形態が図示された斜視図であり、
図8は、
図7のカートリッジが図示された平面図であり、
図9は、
図8のD-D’ラインから見た断面図である。
図7ないし
図9を参照すれば、本発明の他の実施形態による膜加湿器用カートリッジ20は、多数の中空糸膜21、ポッティング部22、インナーケース23そして衝撃吸収部26を含む。
中空糸膜21、ポッティング部22に係わる説明は、前述の一実施形態と実質的に同一であるので、反復説明は、省略する。
本実施形態において、インナーケース23には、ウィンドウ枠24の代わりに、開口23aが形成され、衝撃吸収部26は、開口23aに挿入され、開口23aをカバーする吸収プレート形態に形成される。衝撃吸収部26は、インナーケース23の硬度(第1硬度)より低い第2硬度を有する材質によって形成される。例えば、衝撃吸収部26は、ウレタン、シリコンのような軟質ゴム素材によっても形成される。
また、衝撃吸収部26には、第2流体の流出口のための複数個のウィンドウWが形成され、複数個のウィンドウWは、メッシュホール部MH1,MH2をなすことになる。すなわち、本実施形態において、衝撃吸収部26は、メッシュホール部MH1,MH2の機能を遂行しながら、中空糸膜21との摩擦を低減させることができる。
衝撃吸収部26に形成されたウィンドウWを介して流入される第2流体によって揺動する中空糸膜21は、衝撃吸収部26に接触することになるが、衝撃吸収部26は、軟質素材によってなるので、中空糸膜21と衝撃吸収部26との摩擦を低減させることができる。従って、長期間使用しながら反復的に接触されても、摩擦による損傷(スクラッチ、断線など)を減らすことができる。
【0014】
以上、本発明の実施形態に対して説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であるならば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲内において、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより、本発明を多様に修正及び変更させることができ、それらも、本発明の権利範囲内に含まれるものである。
【国際調査報告】