(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】消毒回路付き冷温飲料水ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579665
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022055957
(87)【国際公開番号】W WO2023275719
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514075242
【氏名又は名称】スカンジナビアン イノベーション グループ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パウロウ,アンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】パブロフス,アルトゥルス
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC02
3E082DD05
3E082EE01
3E082EE02
3E082FF05
(57)【要約】
飲料水ディスペンサ(1)であって、
外部水源(25)に接続するための入口管路(2)と、
入口管路(2)に設置された入口電磁弁(3)と、
冷却装置(9)を備えた冷水タンク(6)と、
ヒータ(10)を備え、冷水タンク(6)の下に設置された温水タンク(8)と、
冷水タンク(6)を冷水出口(13)に接続する冷水出口管路(11)と、
温水タンク(8)と温水出口(16)とを接続する温水出口管路(14)と、
入口管路(2)と前記冷水タンク(6)とを接続する第1の管路(5)と、
消毒モードにおいて温水の循環を確保する循環ポンプ(24)とを備え、
第1の管路(5)は、冷水タンク(6)に設置された開放上端(27)を有する垂直管(26)を介して冷水タンク(6)に接続され、その下端(28)は第1の管路(5)に接続されており、ディスペンサ(1)は、
入口管路(2)を温水タンク(8)に接続する第2の管路(7)と、
温水出口管路(14)を冷水出口管路(11)に接続する循環管路(19)と、
循環管路(19)に設置され、温水出口管路(14)から冷水出口管路(11)への水の流れを可能にし、逆方向には水が流れないようにする逆止弁(20)とを追加で備える、飲料水ディスペンサ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水ディスペンサ(1)であって、
外部水源(25)に接続するための入口管路(2)と、
前記入口管路(2)に設置された入口電磁弁(3)と、
冷却装置(9)を備えた冷水タンク(6)と、
ヒータ(10)を備え、前記冷水タンク(6)の下に設置された温水タンク(8)と、
前記冷水タンク(6)を冷水出口(13)に接続する冷水出口管路(11)と、
前記温水タンク(8)を温水出口(16)に接続する温水出口管路(14)と、
前記入口管路(2)を前記冷水タンク(6)に接続する第1の管路(5)と、
消毒モードにおいて温水の循環を確保する循環ポンプ(24)とを備え、
前記第1の管路(5)は、前記冷水タンク(6)に設置された開放上端(27)を有する垂直管(26)を介して前記冷水タンク(6)に接続され、その下端(28)は前記第1の管路(5)に接続されており、前記ディスペンサ(1)は、
前記入口管路(2)を前記温水タンク(8)に接続する第2の管路(7)と、
前記温水出口管路(14)を前記冷水出口管路(11)に接続する循環管路(19)と、
前記循環管路(19)に設置され、前記温水出口管路(14)から前記冷水出口管路(11)への水の流れを可能にし、逆方向には水が流れないようにする逆止弁(20)とを追加で備えることを特徴とする、飲料水ディスペンサ(1)。
【請求項2】
前記循環ポンプ(24)は、前記第2の管路(7)に設置されている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記温水タンク(8)の上部を前記冷水タンク(6)の上部に接続する蒸気管(17)を備える、請求項1または2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記蒸気管(17)に設置された電磁弁(18)を備える、請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
水の管に接続するように適合されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記入口電磁弁(3)の前の前記入口管路(2)に設置された水フィルタ(4)を備える、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記第1の管路(5)に設置された追加の電磁弁(29)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記冷水出口管路(11)に設置された冷水出口電磁弁(12)と、前記温水出口管路(14)に設置された温水出口電磁弁(15)とを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記逆止弁(2)付き前記循環管路(19)は、前記冷水出口電磁弁(12)の前であり、前記温水出口電磁弁(15)の前に設置されている、請求項8に記載のディスペンサ。
【請求項10】
以下のステップ、
a)前記冷却装置(9)をオフに切り替えるステップと、
b)前記循環ポンプ(24)をオンに切り替えるステップと、
c)前記循環ポンプ(24)をオフに切り替えるステップと、
d)前記冷却装置(9)をオンに切り替えるステップとを含む請求項1から9のいずれか一項に記載のディスペンサの消毒のための方法。
【請求項11】
前記温水温度を制御するステップと、前記温水温度が設定値に達したときに前記ヒータ(10)をオフに切り替えるステップとを追加で含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水ディスペンサに関し、詳細には、外部水源に接続され、温水を使用するディスペンサ消毒装置を備えた飲料水ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
外部水源に接続された飲料水ディスペンサが知られている。外部水源が公共の水道管である場合、これらのディスペンサは、追加の水道水浄化システム、例えば木炭フィルタを含む場合がある。これらのディスペンサは、通常、水冷却装置および水加熱装置も含む。
【0003】
通常、外部供給源からの水が冷温タンクに供給され、次いで冷温タンクから、冷温タンクの下に位置する高温タンクに供給される。このスキームは、水が重力によってディスペンサから流出し、高温および低温の給水栓内の圧力が同じであるという点で便利である。
【0004】
外部供給源に接続された飲料水ディスペンサは、特に水道水浄化システムが水道水から塩素を除去する場合、自然に発生するディスペンサ内部の微生物汚染を除去するために定期的な消毒を必要とする。消毒は、化学物質、オゾンまたは高温を使用して行うことができる。ディスペンサを消毒するために温水を使用することが知られており、温水は、それを消毒するために高温タンクから冷温タンクに圧送される。
【0005】
温水/冷水ディスペンサ(特許文献1)は、冷水タンクと、冷水タンクの下に位置する温水タンクと、冷水タンクを温水タンクに接続する管路と、接続管路に配置され、温水タンクから冷水タンクに水を圧送するポンプと、冷水タンクから下水に排水するための排水管路と、冷水タンク消毒プロセスの終了時に冷水タンクから温水を排出する制御装置とを含む。
【0006】
消毒中は、温水は、接続管路に設置されたポンプを用いて、温水タンクから接続管路を通って冷水タンクに供給され、ポンプがオフに切り替えられた後、重力によって同じ管路を通って温水タンクに戻る。このディスペンサの欠点は、冷水タンクのみが温水で処理され、水道水が冷水タンクに供給される入口管路、および冷水が消費者に分配される出口管路は未処理のままであることである。別の欠点は、消毒の開始前および消毒の終了後に、冷温タンクから下水への排水が必要になることである。
【0007】
ディスペンサ(特許文献2)は、冷水タンクと、冷水タンクの下に位置する温水タンクと、冷水タンクを温水タンクに接続する管路と、冷水タンクから下水に排水するための排水管路と、出口管路に設置された第1の電磁弁を介して冷水が消費者に分配される出口管路と、温水タンクと第1の電磁弁とを接続する追加の管路とを含み、追加の管路には、循環ポンプと、第1の電磁弁に接続するための第2の電磁弁とが備わっている。
【0008】
消毒中、温水は、循環ポンプを用いて温水タンクから追加の管路、第1の電磁弁および第2電磁弁、冷水出口管路を通って冷水タンクに供給され、重力によって接続管路を通って温水タンクに戻る。このディスペンサの欠点は、冷水タンクおよび冷水出口管路のみが処理され、水道水が冷水タンクに供給される入口管路は未処理のままであることである。別の欠点は、ディスペンサ消毒モードで温水を循環させるための追加の管路および追加の電磁弁の導入によるディスペンサ設計の複雑さである。
【0009】
さらに別の欠点は、温水出口管路および温水出口が未処理のままであり、ディスペンサの動作が長い間中断する間に、これらの場所でも微生物汚染が発生する可能性があるため、好ましくない結果をもたらす可能性があることである。
【0010】
本発明の目的は、ディスペンサ消毒システムの動作の改善、温水によるディスペンサのより完全な処理、ならびにディスペンサ設計の簡素化およびその信頼性の向上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許101358073号明細書
【特許文献2】韓国特許101818711号明細書
【発明の概要】
【0012】
技術的結果は、外部水源に接続するための入口管路と、入口管路に設置された入口電磁弁と、冷却装置を備えた冷水タンクと、ヒータを備え、冷水タンクの下に設置された温水タンクと、冷水タンクを冷水出口に接続する冷水出口管路と、温水タンクを温水出口に接続する温水出口管路と、入口管路を冷水タンクに接続する第1の管路と、消毒モードで温水を循環させる循環ポンプとを備える飲料水ディスペンサにおいて達成される。第1の管路は、冷水タンクに設置された開放上端を有する垂直管を介して冷水タンクに接続され、その下端は第1の管路に接続されており、ディスペンサは、入口管路を温水タンクに接続する第2の管路と、温水出口管路を冷水出口管路に接続する循環管路と、循環管路に設置され、温水出口管路から冷水出口管路への水の流れを可能にし、逆方向には水が流れないようにする逆止弁とを追加で備える。
【0013】
ディスペンサのこの設計、特に冷水タンクおよび温水タンクに水を供給するこの方法は、ディスペンサ設計の単純さ、およびディスペンサを消毒モードに切り替える容易さを提供することを可能にする。ディスペンサをスタンバイモードから消毒モードに切り替えるには、冷却装置をオフに切り替えて循環ポンプをオンに切り替えればよく、管路を追加で切り替える必要はない。
【0014】
循環ポンプは、第2の管路に設置されることが好ましい。温水タンク入口において第2の管路に循環ポンプを設置することにより、ポンプを高温タンク出口(水温95~100℃)に配置する形態と比較して、消毒モードにおけるポンプの熱的動作(水温70℃)を改善することが可能である。第1の管路にポンプを設置することは望ましくなく、それは、第1の管路に配置されたポンプは、ディスペンサの動作中に微生物学的汚染を発生させる可能性があるためである。
【0015】
ディスペンサは、冷水出口管路に設置された冷水出口電磁弁と、温水出口管路に設置された温水出口電磁弁とを含むことが好ましい。出口電磁弁の存在は、内部コントローラを使用してディスペンサの動作を容易に制御することを可能にする。
【0016】
温水タンクの上部と冷水タンクの上部とを接続する蒸気管をディスペンサに装備し、温水タンク内で水を加熱する際に発生する余分な蒸気を除去すると便利である。同時に、ディスペンサの消毒モードにおいて蒸気管を閉じるために、蒸気管に追加の電磁弁を設置することが望ましい。蒸気管を閉じることにより、温水を蒸気管を通って冷水タンクに流すことを可能にすることなく、温水タンク内の圧力を上昇させ、それによって逆止弁を通る温水の流れを増加させることを可能にする。
【0017】
ディスペンサの消毒方法も提案される。ディスペンサを消毒する場合、最初に冷水タンク冷却装置がオフに切り替えられ、次に循環ポンプがオンに切り替えられて、温水タンクから温水出口管路を通り、逆止弁を通り、冷水出口管路を通って冷水タンクに、冷水タンクから冷水タンクに設置された垂直管を通り、第1の入口管路、第2の入口管路、および循環ポンプを通って温水タンクに戻る温水の循環を提供する。これにより、全ての循環水が消毒のために設定温度に加熱される。管路および冷水タンクを通る温水の循環は、冷水タンクおよび管路の両方を微生物汚染から浄化する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】ディスペンサの別の実施形態を示す図である。
【
図3】循環管路の冷水出口管路への接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、飲料水ディスペンサの概略画像を示す。ディスペンサ1は、主入口管路2を介して外部水源25、例えば公共水道管に接続されている。外部供給源は、圧力下で水が供給される任意の供給源であってよく、水道管、ポンプ付きリザーバ、井戸から水を圧送するポンプ、水道水浄化システムなどであり得る。入口管路2には入口電磁弁3が設置されている。必要に応じて、ディスペンサ1に供給される水をさらに浄化するために、入口管路2にフィルタ4を設置することができる。フィルタ4は、入口電磁弁3の前に設置されている。入口電磁弁3の後、入口管路2は、第1の管路5を介して冷水タンク6に接続され、循環ポンプ24が設置された第2の管路7を介して温水タンク8に接続される。冷水タンク6は、冷水タンク6内に位置する垂直管26を介して第1の管路5に接続され、垂直管の下端28は第1の管路5に接続されており、開放上端27は、タンク6内の水位より下で、タンク6の底部から一定の高さに位置する。
【0020】
底部から冷水タンク6に水を供給することにより、ディスペンサの設計を簡素化し、タンク6に水を供給する管路の温水消毒を確実にすることを可能にする。まず、垂直管26を介した給水により、水管からタンク6の上部への冷却されない水の供給が確保される。第2に、入口管路2内の水圧が弱い温水の分配モードでは、冷水タンク5から温水タンク8に入ってくる水は、タンク6の上部から取り出され、そこでは水はそれほど冷たくない。第3に、消毒モードでは、出口管路11を通って流入し、垂直管26の開放上端27を通って流出する温水は、タンク6内の温水の混合を確実にし、これにより、その消毒が改善される。
【0021】
冷水タンク6には冷却装置9が設けられ、温水タンク8にはヒータ10が設けられている。冷水タンク6は、冷水出口管路11および冷水出口電磁弁12を介して冷水出口13に接続されている。温水タンク8は、それぞれ温水出口管路14および温水出口電磁弁15を介して温水出口16に接続されている。また、温水タンク8は、蒸気配17を介して冷水タンク6に接続されている。温水出口管路14は、循環管路19を介して冷水出口管路11に接続されている。循環管路19には逆止弁20が設置されており、温水出口管路14から冷水出口管路11に一定の圧力で水が流れることを可能にし、反対方向、すなわち冷水管路11から温水管路14には水が流れないようになっている。ディスペンサの消毒モードにおける温水循環を確保するために、温水タンク8の前の第2の管路7に循環ポンプ24が設置されている。
【0022】
冷水タンク6は、エアダクト21を介して周囲の空気空間に接続されている。エアダクト21にはエアフィルタ22が設置されている。フィルタ22は、ディスペンサに入る外気を殺菌する装置をさらに備えることができる。また、冷水タンク6には、水位センサ23も備わっている。
【0023】
温水タンク8は、冷水タンク6の下に設置されている。温水タンク8は、蒸気管17を介して冷水タンク6に接続されている。ディスペンサの動作中、温水タンク8は水で完全に満たされ、冷水タンク6ではタンク6の下部は水で満たされ、タンク6の上部には空気が存在する。そのため、温水タンク8内の水が加熱されたときに発生した余剰蒸気は、蒸気管17を通って冷水タンク6の空気空間に排出される。そして、その結果生じる冷水タンク6内の過剰な空気圧は、エアダクト21を通って外気に排出される。
【0024】
入口電磁弁3、冷水出口電磁弁12および温水出口電磁弁15は、常時閉じている。
ディスペンサは以下のように動作する。ディスペンサ1を入口管路2を介して水源25に接続し、ディスペンサ1をオンに切り替えた後、入口電磁弁3を開き、冷水出口電磁弁12および温水出口電磁弁15を閉じる。外部供給源25からの水はディスペンサ1に入り、入口電磁弁3の後、第2の管路7を通って温水タンク8に入り、第1の管路5および垂直管26を通って冷水タンク6に入る。温水タンク8から蒸気管17を通って水圧で移動した空気は、冷水タンク6の空気空間に入り、そこからエアダクト21を通って外部に出る。外部供給源25からの水は、タンク6および8の両方に同時に入るが、温水タンク8は冷水タンク6の下に位置するため、温水タンクが最初に充填される。冷水タンク6内の水位が水位センサ23の設定水位に達すると、入口電磁弁3が閉じる。そして、冷却装置9を用いて冷水タンク6内の水を設定温度まで冷却し、ヒータ10を用いて温水タンク8内の水を設定温度まで加熱する。設定された冷水温度および温水温度に達すると、ディスペンサは動作の準備ができ、待機モードに入る。
【0025】
冷水が分配されると、冷水出口電磁弁12が開き、冷水タンク6から冷水出口管路11を通って冷水出口13に水が流れる。冷水タンク6内の水位が水位センサ23によって決定された設定値を下回ると、入口電磁弁3が開き、外部供給源25からの水が第1の管路5および垂直管26を通って冷水タンク6に入り、冷水タンクを設定水位値まで充填する。
【0026】
温水が分配されると、出口電磁弁15が開き、同時に入口電磁弁3も開き、外部供給源25からの水が第2の管路7を通って温水タンク8に入り、流入した水の圧力下で、温水タンク8からの水が温水出口管路14を通って温水出口16に入る。外部供給源25からの水圧が、ディスペンサ1から流出する温水の流れを確保するのに不十分である場合、冷水タンク6からの水はまた、垂直管26、第1の管路5、および第2の管路7を通って温水タンク8に入り、これにより、流出する温水の必要な流れを確保する。
【0027】
外部供給源25からの水圧が低下した場合、温水タンク8の上方に位置する冷水タンク6は、水槽の役割を果たし、温水タンク8内の必要な圧力を維持する。これにより、温水出口16で必要な水流を確保することが可能になる。
【0028】
外部供給源25から入ってくる水の常圧で温水分配モードにおいて水が冷水タンク6に入らないことを確実にするために、第1の管路5の直径は、第2の管路7の直径よりもわずかに小さい。
図2のディスペンサ形態に示すように、第1の管路5に追加の常時開放型の電磁弁29を設置することも可能であり、この追加の電磁弁は、
外部供給源25からの常圧で温水分配モードで閉じ、外部供給源25からの圧力が低下したときにのみこのモードで開く。
【0029】
消毒モード。このモードでは、常時閉鎖型の電磁弁、すなわち入口電磁弁3、冷水出口電磁弁12、および温水出口電磁弁14は閉じたままである。冷却装置9は、オフに切り替わる。温水入口管路7に配置された循環ポンプ24がオンに切り替わり、冷水タンク6から温水タンク8に水を圧送し、そこから水は、ポンプ24からの圧力下で温水出口管路14に入り、次いで逆止弁20を備えた循環管路19を通って冷水出口管路11に入り、次いで冷水タンク6に入り、垂直管26、第1の管路5および第2の管路7を通って、水はポンプ24に戻る。温水タンク8を通って流れ、ディスペンサ1内を循環する水は、ヒータ10によって加熱される。水を設定温度まで加熱した後、温水循環は、設定時間の間、継続する。循環時間および水温は、ディスペンサ1の運転条件に応じて決定される。例えば、連続して動作するディスペンサ1内の微生物学的純度を維持するために、67~80°Cに1時間または2時間加熱された水の循環を毎週実行することができる。消毒モードは、ディスペンサ動作の長い中断の後に追加でオンに切り替えられてもよい。
【0030】
消毒プロセスを制御するために、ディスペンサは、1つまたは複数の温度センサを備えることができる。
【0031】
図2は、ディスペンサの別の実施形態を示す図である。この実施形態は、まず、蒸気管17内の追加の常時開放型の電磁弁18の存在によって、
図1に示す形態とは異なる。蒸気管17内の追加の常時開放型の電磁弁18は、ディスペンサの消毒モードにおいて閉じる。ディスペンサの消毒モードにおいて蒸気管17を閉じることにより、温水タンク8内の圧力を上昇させ、逆止弁20を通る温水の流れを増加させることができる一方で、蒸気管17を通る温水の流れを防止することを可能にする。消毒モードにおける水圧の増加はまた、逆止弁20の作動の精度に対する要件を低減することを可能にする。
【0032】
図2に示すディスペンサのもう一つの違いは、第1の管路5に追加の電磁弁29が存在することである。電磁弁29は、通常は開いており、ディスペンサの温水分配モードでは閉じられてよく、これは、入口管路内の水圧が過度に高い場合に有用であり得る。この弁の存在は、入口圧力を調整するための手段がなくても、ディスペンサからの温水分配中に水が冷水タンクに入るのを防ぐことを可能にする。
【0033】
図1および
図2に示すディスペンサの実施形態では、逆止弁20は、温水出口管路11と冷水出口管路14とを接続する循環管路19に設置される。出口管路11および14が互いに近接して配置される場合、循環管路19が非常に短くなる可能性があること、または逆止弁のフランジがそのように作用する可能性があることは、当業者には明らかである。
【0034】
図3は、循環管路19を出口管路のうちの1つに、この場合は冷水出口管路11に接続する実装の形態を示す。循環管路19は、出口弁12にできるだけ近い位置で出口管路11に接続されることが望ましい。次いで、温水タンク8からの温水は、消毒モードで出口管路11を通って流れ、電磁弁12の入口ダクト31内の水を加熱し、そこを通って出口電磁弁12の内部チャンバ30内の水も加熱し、これにより電磁弁12の内部空間の消毒もする。また、水出口13および電磁弁本体が高い熱伝導率を有する材料、例えば金属で作成されている場合、水出口13も消毒されることになる。
【0035】
したがって、提案されたディスペンサでは、ディスペンサの水路の完全な消毒が実行される。入口電磁弁3から出口電磁弁12および15までの水路全体の消毒は、ディスペンサの設計を著しく複雑にすることなく実行される。ディスペンサ1のこの構成では、消毒のために2つの要素、すなわち逆止弁20および循環ポンプ24、および必要に応じて蒸気管17内の追加の電磁弁18のみが導入される。
【符号の説明】
【0036】
1 ディスペンサ
2 入口管路
3 入口電磁弁
4 フィルタ
5 第1の管路
6 冷水タンク
7 第2の管路
8 温水タンク
9 冷却装置
10 ヒータ
11 冷水出口管路
12 冷水出口電磁弁
13 冷水出口
14 温水出口管路
15 温水出口電磁弁
16 温水出口
17 蒸気管
18 蒸気管内の電磁弁
19 循環管路
20 逆止弁
21 エアダクト
22 エアフィルタ
23 水位センサ
24 循環ポンプ
25 外部水源
26 垂直管
27 開放上端部
28 下端
29 第1の管路内の電磁弁
30 出口電磁弁の内部チャンバ
31 出口電磁弁の入力ダクト
【国際調査報告】