(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】鳥寄生虫を計数するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A01M 1/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A01M1/00 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579707
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022067833
(87)【国際公開番号】W WO2023275113
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510000976
【氏名又は名称】インターベット インターナショナル ベー. フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ボルウェルク,ジョープ
(72)【発明者】
【氏名】ガイテンビーク,エバート
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ダイン,ガイスベルト・ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヤンス,ペーター
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA16
2B121DA63
2B121DA70
2B121EA30
2B121FA14
(57)【要約】
寄生虫が横切ると予想される対象領域(20)の画像をキャプチャし、画像認識技術を使用して前記寄生虫を識別することによって鳥寄生虫(22)を計数する方法であって、前記対象領域(20)は、鳥(10)が飼育され、低時間変動を伴うトポグラフィを有する基材(12)の一部であることを特徴とし、前記方法は、前記対象領域の前記トポグラフィの一時的な局所的な外乱の発生を計数するステップを含む、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄生虫が横切ると予想される対象領域(20)の画像をキャプチャし、画像認識技術を使用して前記寄生虫を識別することによって鳥寄生虫(22)を計数する方法であって、前記対象領域(20)は、鳥(10)が飼育され、時間変動の小さいトポグラフィを有する基材(12)の一部であることを特徴とし、前記方法は、前記対象領域の前記トポグラフィの一時的な局所的な外乱のインシデントを計数するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記対象領域がパーチ(12)の表面の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
他の画像特徴を抑制しつつ、前記基材のテクスチャの形態で背景(24)を示す基準画像(R)を生成するステップと、キャプチャされた画像(C)から前記基準画像を減算することによって前記背景(24)を抑制するステップとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象領域(20)を横切る各寄生虫が数回撮影されるように、前記画像(A、B、C)がキャプチャされるキャプチャ速度が前記寄生虫(22)の平均這行速度に適合され、前記計数するステップが、前記寄生虫を表す前記局所的な外乱の動きを追跡するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
鳥寄生虫(22)を計数するためのシステム(14)であって、カメラ(16)と、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実行するように配置および構成された処理装置(18)とを備える、システム。
【請求項6】
システムであって、
-温度センサ(30)、
-湿度センサ(32)、
-空気圧センサ(34)、
-光センサ(36)、
-位置および/または加速度センサ(38)、
-音響センサ(40)のうちの少なくとも1つを備え、
前記処理装置(18)が、前記寄生虫の前記数を前記センサによって提供される前記データに関連付けるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のシステムの処理装置(18)上で実行されると、前記処理装置に請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラムコードを含むソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄生虫が横切ると予想される対象領域の画像をキャプチャし、画像認識技術を使用して寄生虫を識別することによって鳥寄生虫を計数する方法およびシステムに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、養鶏場におけるワクモの寄生を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
昼間には、ワクモは、家禽が飼育されている畜舎の亀裂や隙間などの暗い場所に隠れる傾向がある。夜になると、暗くなってニワトリがパーチ(perch、止まり木)に載っていると、ダニはニワトリのところまで這行して血液を吸う。寄生の程度によっては、ニワトリに引き起こされる失血はニワトリの健康に重大かつ有害であり得、その結果、ニワトリの成長速度が低下するか、またはニワトリの卵の品質が低下する。いずれの場合でも、ダニは家禽産業に重大な損失を引き起こす。
【0004】
有害生物防除の確立された方法は、ダニを死滅させる特定の化学物質をニワトリ用の飲料水に混合することを含む。しかしながら、これらの対策は、典型的には、畜舎に寄生虫が発生していることが分かったときにのみ行われる。したがって、本発明は、寄生を可能な限り早期に検出することを目的とする。
【0005】
電子画像認識によって寄生虫を検出することは、当技術分野でよく知られている。例えば、機械学習技術を利用して、例えば寄生された動物の皮膚であり得る背景からダニを区別することができる。しかしながら、鳥またはニワトリの寄生虫の場合、鳥が飼育されている基材の上をダニが這行するときにダニを検出することがより好都合である。この手法の問題は、基材、例えばニワトリが座っている木製パーチの表面が比較的粗いテクスチャを有し、これによって、特に睡眠中の鳥を乱さないように低照度で画像を撮影した場合に、寄生虫を背景から区別することが困難になることである。したがって、画像がキャプチャされる対象領域は、寄生虫の通り道に配置され、寄生虫とよく対照的な既知の、好ましくは均一な背景を構成する箱状または漏斗状の検出装置の床であることが一般的な慣行である。このタイプの装置の例は、欧州特許第2 931 032号明細書に記載されている。
【0006】
しかしながら、そのような検出装置を適切な場所に設置するのは比較的費用がかかる。特に、検出装置とそれが設置される基材との間に裂け目が形成されないように注意すべきであるが、これは、そのようにしないとダニがそれらの裂け目に沿って這行し、それによって検出装置の床を回避する傾向があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、鳥寄生虫を計数する低コストでありながら効率的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明による方法は、対象領域が、鳥が飼育され、時間変動の小さいトポグラフィを有する基材の一部であることを特徴とし、本方法は、対象領域のトポグラフィの一時的な局所的な外乱の発生を計数するステップを含む。
【0009】
本発明は、対象領域上を寄生虫が這行している、すなわち移動しているという事実を利用し、したがって、基板の所与の位置で這行する寄生虫が引き起こす外乱は一時的なものにすぎない。寄生虫と背景とのコントラストが低いにもかかわらず、これらの一時的な外乱は、異なる時点で撮影された画像を比較することによって容易に検出することができる。しかしながら、この方法は、基材自体が経時的に安定なトポグラフィを有すること、すなわち、一方の画像から他方の画像への実質的な変化を受けないこと、典型的には最大12~24時間の期間で安定であることを必要とする(これは用語「時間変動の小さい(low time variation)」に相当する)。この要件は、例えば(ニワトリによって撹拌され得る)マルチからなる基材によって満たされない場合がある。しかしながら、例えば、トポグラフィにおける変化が、表面上の汚れおよびほこりの漸進的な蓄積やニワトリの爪によって引き起こされた新たな傷の時折の出現ぐらいである木製パーチによって構成された基材によって満たされるであろう。
【0010】
別の態様では、本発明の目的は、上述の方法を実行するように構成されたシステムによって達成される。
【0011】
本発明のより具体的な任意の特徴は、従属請求項に示されている。
【0012】
一実施形態では、対象領域の画像は、這行する寄生虫の動きの直接的な検出を可能にする短いビデオシーケンスの形態で撮影されてもよい。別の実施形態では、画像は、より長い時間間隔で撮影された個々のフレームから構成されてもよい。その場合、這行するダニは1つの画像内の特定の位置で局所的な外乱を引き起こすが、その一方でダニが動くので、この外乱は次の画像では見えなくなる。
【0013】
ダニの平均這行速度および画像が撮影される速度に依存して、ダニが複数のその後の画像において検出されることが起こり得、その結果、寄生の程度についての有効な尺度を得るために、そのような二重または複数の数について計数が補正されなければならない。それにもかかわらず、一方の画像から他方の画像まで、ダニが移動した距離は比較的小さいが、個々のダニの寸法よりも著しく大きい、非常に高い画像キャプチャ速度を使用することが有利であり得る。これにより、ダニの動きを安全に追跡することができ、有効な計数を得ることができる。この方法は、繰り返し検出の冗長性により感度が増加するというさらなる利点を有する。
【0014】
ニワトリを乱さないように、比較的低レベルの照明を、画像をキャプチャするための長い露光時間と併せて使用することが可能である。すると、ダニの動きによって、局所的な外乱が幾分ぼやける。しかしながら、これは、コントラストが向上した画像においてコントラストが低下した位置として外乱が容易に見えるため、利点にさえなり得る。
【0015】
ダニと背景との区別を改善するために、異なる時点で撮影された複数の画像を重ね合わせて基準画像を生成することも有用であり得る。ダニの動きに起因して、重ね合わせ処理は、ダニではなく背景特徴のみを強化するので、基準画像は最終的にほぼ純粋な背景からなる。そして、この背景画像をキャプチャされた画像から減算すると、背景がほとんど見えなくなり、外乱(ダニ)が非常にはっきりと現れる。
【0016】
本発明による方法は、カメラを適切な位置に設置するだけでよいため、設置コストが大幅に削減される。しかしながら、寄生の量、条件およびメカニズムについてのより深い洞察を得るために、カメラを他のセンサと組み合わせることが可能である。追加のセンサの例は、(例えば、計数装置の起動時間を決定するための、および/またはダニの行動に対する光強度の影響を研究するための)温度センサ、湿度センサ、空気圧センサ、光強度センサを含む。カメラの位置決めおよび向きの任意の可能な変化を検出するために、位置センサおよび/または加速度センサを設けることができる。例えばニワトリが発するノイズがダニの活動と相関するかどうかを検出するために、このノイズを記録するための音響センサを設けることができる。
【0017】
本発明による方法およびシステムは、寄生が発生した場合に農業者に早期の警告を提供することができる。この他にも、方法およびシステムは、寄生の時間発展を文書化し、寄生の程度を評価するための単純なゲージを提供するために使用され得る。次いで、これらのデータを、寄生の程度を環境条件および/またはニワトリの成長速度またはニワトリの健康に関する他の指標と相関させるためにさらに使用することができる。
【0018】
本発明による複数のシステムが同一の畜舎または異なる畜舎に、場合によっては異なる農夫の畜舎に設置される場合、どのように、どこから寄生が拡散するか、およびどの要因が寄生を増強または抑制するかを示す統計データを収集することも可能である。
【0019】
ここで、実施形態の例を図面と併せて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による計数システムの概略斜視図である。
【
図2】
図1による計数システムによってキャプチャされた画像の例である。
【
図3】
図1による計数システムによってキャプチャされた画像の例である。
【
図4】
図2および
図3に示す種類の画像を複数枚重ね合わせた基準画像の例である。
【
図5】画像キャプチャ後に
図4の基準画像を減算した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、夜間にその上で眠る木製パーチ12に座っているニワトリ10を示す。少なくともデジタルカメラ16および処理装置18を備える寄生虫計数システム14は、パーチ12上の特定の対象領域20を監視するために適切な位置に設置されている。カメラ16は、ニワトリを攻撃するためにダニ22がパーチに沿って這行する傾向がある特に夜間に可視光または赤外光で対象領域20を照明するための統合照明システムを有する。処理装置18は、カメラ16によって撮影された画像を分析し、画像が撮影された時点で対象領域20に存在していたダニ22を識別し計数するように構成される。
【0022】
図2および
図3は、異なる時点でカメラ16によって撮影された画像Aおよび画像Bの例である。2つの画像AおよびBは、対象領域20内のパーチの木製表面のテクスチャから主になる本質的に同一の背景24を示す。画像Aは、画像が撮影された時点で対象領域を横切った4匹のダニ22Aをさらに示す。
【0023】
また、画像Bには、ダニ22Aとは異なる位置に4匹のダニ22Bが写っている。ダニ22Bは、画像Aに示される4匹のダニ22Aと同一であってもなくてもよい。これは、画像Aおよび画像Bがキャプチャされた瞬間の間の時間差に依存する。
【0024】
図4は、画像Aと画像Bとを重ね合わせた後、画像の輝度を再正規化して得られた基準画像Rを示す。結果として、両方の画像において本質的に同じである背景24の特徴が強調されて見えるが、ダニ22A、22Bはより薄くなっている。この重ね合わせ処理は、明らかにより多くの画像に拡張され得、その結果、ダニ22A、22Bおよび一方の画像にのみ含まれていた他のダニがほとんど見えなくなる。
【0025】
図5は、画像AおよびBよりも後の時点でキャプチャされ、基準画像Rが減算された別の画像Cの例を示している。結果として、画像Cでは背景24がほぼ完全に除去され、残っているのは画像Cでキャプチャされた3匹のダニ22Cのみ、ならびにダニ22Aおよび22Bの薄い「ゴースト」(すなわち、負の画像)である。これらのゴーストは、重ね合わせられた画像の数が2枚よりも多い場合にはさらに薄くなることが理解されよう。
【0026】
次に、画像Cで見える物体または外乱の強度およびサイズを評価するために、従来の画像処理および/または機械学習技術を使用することができる。ダニ22Aおよび22Bのゴースト画像は、これらの画像の強度を閾値と比較することによって除去することができる。画像Bのキャプチャ時点と画像Cのキャプチャ時点との間に対象領域に沈降した塵埃粒子などの他の外乱についても同様であり、したがって画像Cにはダニ22Cのみが残る。これらの局所的な外乱の寸法は、上限および下限の閾値と比較することができ、外乱は、寸法が妥当な限界内にある場合にのみダニとして計数される。したがって、大面積の外乱、すなわち対象領域に落下するニワトリ10の影も除去される。そして、閾値試験に合格したダニ22Cを計数して、寄生の程度の尺度とする。
【0027】
二重計数または多重計数を回避するために使用され得るいくつかの方策がある。1つの方策は、画像キャプチャ速度を非常に小さくして、次々にキャプチャされた2つの画像が同じダニを示すことを除外できるようにすることである。しかしながら、これは、システムの全体的な感度を低下させる可能性がある。
【0028】
もう一つの方策によれば、対象領域20を横切る各ダニが例えば3回、4回または5回撮影されるように、キャプチャ速度がダニの平均這行速度に適合される。そして、最新の3~5枚の画像を比較することで、個々のダニの動きを追跡し、対象領域を横切ったダニの数を高精度に判定することができる。この手法は、ダニの行動に関するより多くの情報、例えば平均這行速度が得られ、次いでこの情報をアルゴリズムをさらに最適化するために使用することができるという追加の利点を有する。
【0029】
図6は、本発明による計数アルゴリズムの一例の流れ図である。
【0030】
ステップS1において、画像カウンタnがn=0で初期化される。次に、ステップS2において、対象領域20の画像がキャプチャされて保存され、画像カウンタの現在のコンテンツnがその画像に割り当てられる。
【0031】
その後、ステップS3において、保存された画像が正規化される。
【0032】
ステップS4において、(処理において後で増大(インクリメント)される)画像カウンタnが0より大きい値に既に達しているかどうかがチェックされる。そうである場合(y)、ステップS5において、キャプチャされた画像のスライド平均が算出される。n=1の場合、スライド平均の計算は、
図2~
図4のように最初の2つの画像の重ね合わせからなるだけでよい。そして、ステップS4の次の実行では、他の画像(n=3)の追加などが行われる。重ね合わせが例えば10枚の画像の特定の高さに達した場合、一実施形態では、重ね合わせから最初の画像(n=0)を減算し、代わりに新しい画像を追加することが可能であり、したがって重ね合わせは常に最新の10枚の画像を含む。
【0033】
別の実施形態では、ステップS5の最初の実行は、最初の画像(n=0)を特定の重み係数、例えば0.9で重み付けし、次いで新しい画像(n=1)を重み係数1.0で追加し、次いで基準画像Rを取得するように画像を再正規化することを含むことができる。次に、ステップS5のその後の実行では、前の基準画像Rは重み係数0.9で重み付けされ、それぞれの新しい画像は全重みで追加される。したがって、基準画像(スライド平均)は、キャプチャされた最新の数枚の画像によって常に支配されるが、最初の数枚の画像からの情報(n=0、1、...)は指数関数的にフェードする。
【0034】
ステップS6において、画像カウンタnが、基準画像が本質的に「ゴースト」がないように十分な数の画像にわたって平均化された特定の値n_minに達しているかどうかがチェックされる。その条件が満たされる場合、ステップS7において、数n-n_minの画像から基準画像が減算される。このステップの最初の実行では、nはn_minに等しく、基準画像は画像n=0から減算される、すなわち、最初にキャプチャされた画像が(遡及的に)評価される。
【0035】
次に、ステップS8において、差分画像(画像0-画像R)に残っている外乱は、前述したように、強度および寸法の様々な閾値と照合され、差分画像に見つかった残りの外乱は、二重計数を回避するための追跡ルーチンにかけられてもよく、その後、その画像についてダニの数が記憶される。
【0036】
ステップS4において、nの値が0であると判定された場合、ステップS5~S8はスキップされる。同様に、ステップS6において条件が成立していないと判定された場合、ステップS7、S8はスキップされる。
【0037】
そして、ステップS9において、一定の遅延時間が経過したかどうかがチェックされる。この遅延時間は画像キャプチャ速度を定義することが理解されよう。指定された遅延時間が経過するまでステップS9が繰り返された後、ステップS10において画像カウンタnが1だけ増大され、ルーチンはステップS2にループバックする。このようにして、キャプチャされた画像ごとにダニの数を突き止めて記憶し、経時的なダニの数の推移を記憶して表示することができる。
【0038】
図7は、
図1に示す処理装置18のブロック図である。処理システムの入力部26は、カメラ16から画像データを受信するカメラインターフェース28を含む。入力部は、パーチ12の直接環境の温度を感知するための温度センサ30と、その環境の空気湿度を感知するための湿度センサ32と、空気圧センサ34と、照明された対象面20の輝度を測定する輝度センサ36(輝度センサはカメラ16に組み込まれていてもよい)と、計数システム全体の位置および可能な動きを検出する位置および加速度センサ38と、ニワトリの騒音をキャプチャするための音響センサ40とをさらに含む。計数システムまたは少なくともカメラ16は、パーチ12の周りの異なる位置にカメラを配置するように適合させることができるリグ上に設置されてもよく、その結果、位置センサ38からの情報を参照することによって、ダニがパーチの上面または底面を這行することを好むかどうかを見出すことが可能である。次いで、この情報は、カメラ位置を最適化するためのさらなるインストールで利用することができる。
【0039】
処理ユニット42は、カメラ14によって提供された画像データならびに入力部26内の他のすべてのセンサからのセンサデータを処理し、メモリ44に結果、特にダニ計数の履歴を記憶する。
【0040】
メモリ44の内容を異なる態様で評価するための統計的評価ツールも処理ユニット42に実装することができ、ダニ数およびセンサデータを様々な統計分析に供することができる。
【0041】
さらに、分析の結果を含む、メモリ44に保存されたデータは、ユーザがメモリ44からカウントおよび分析結果を取り出すことができるように、例えばスマートフォンアプリなどのユーザインターフェース(図示せず)と通信する通信セクション46に送信されてもよい。さらに、処理ユニット42は、ダニまたは他の関連イベントの最初の検出の場合に、プッシュメッセージをユーザインターフェースに送信することによってユーザに警告することができるアラームシステムを実装することができる。
【国際調査報告】