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特表2024-523593効率性の向上、充填/吐出の簡易化、及び低コスト製造を図る高信頼性マイクロチャネルヒートパイプアレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】効率性の向上、充填/吐出の簡易化、及び低コスト製造を図る高信頼性マイクロチャネルヒートパイプアレイ
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/053 20060101AFI20240621BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20240621BHJP
   F28F 9/16 20060101ALI20240621BHJP
   F28D 15/02 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
F28D1/053 Z
F28F1/02 Z
F28F9/16
F28D15/02 101Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579747
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022036680
(87)【国際公開番号】W WO2023283486
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/220,368
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513217403
【氏名又は名称】フォノニック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ヤダブ アブヒシェク
(72)【発明者】
【氏名】ニカ シンバーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン デボン
【テーマコード(参考)】
3L065
3L103
【Fターム(参考)】
3L065CA11
3L065CA17
3L103AA01
3L103DD08
3L103DD42
(57)【要約】
マイクロチャネルアレイを提供するシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを含み、第1の端部及び第2の端部のうちの少なくとも一方が、複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングを含む。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングを含む。これにより、生産プロセスにおける低い歩留まり及び不十分な性能一貫性の最も大きな原因の1つが解決され、一方でそれと同時に生産が単純化され、生産コストが削減され得る。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを含み、
前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの少なくとも一方が、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする、マイクロチャネルアレイ。
【請求項2】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングをさらに含む、請求項1に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項3】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためのマイクロチャネルの寸法に適合するように、間隔を置いて配置された穴/サイズが決められた穴を有する小径チューブを含む、請求項1~2のいずれかに記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項4】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためにマイクロチャネル押し出し成形部にろう付けされる、請求項1~3のいずれかに記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項5】
前記外部マニホールディングは、内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する機械加工及び/または型打ちされた後端キャップを含む、請求項1~2のいずれかに記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項6】
前記外部マニホールディングは、長い直線スロットなどの応力集中の特徴を含まない、請求項1~5のいずれかに記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項7】
前記外部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能することができる、請求項1~6のいずれかに記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項8】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングをさらに含む、請求項1に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項9】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための前記内部マニホールディングは、各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、内部チャネル間のベースウェビングに切り込まれたスロットを含む、請求項8に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項10】
前記内部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイを封止するために、圧縮、冷間溶接、及びろう付けのうちの1つ以上である、請求項9に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項11】
マイクロチャネルアレイを製造する方法であって、
第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを提供することを含み、
前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの少なくとも一方が、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする、前記方法。
【請求項12】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングを提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためのマイクロチャネルの寸法に適合するように、間隔を置いて配置された穴/サイズが決められた穴を有する小径チューブを含む、請求項11~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のために、前記外部マニホールディングをマイクロチャネル押し出し成形部にろう付けすることをさらに含む、請求項11~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する前記外部マニホールディングの後端キャップを機械加工/型打ちすることをさらに含む、請求項11~12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記外部マニホールディングは、長い直線スロットなどの応力集中の特徴を含まない、請求項11~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記外部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能することができる、請求項11~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングを提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、前記内部マニホールディングの内部チャネル間のベースウェビングにスロットを切り込むことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記マイクロチャネルアレイを封止するために、前記内部マニホールディングの圧縮、冷間溶接、及びろう付けのうちの1つ以上をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年7月9日に出願された仮特許出願第63/220,368号の利益を主張するものであり、この仮特許出願の開示を参照により全体として本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般に、ヒートパイプアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロチャネルヒートパイプ/サーモサイフォンアレイは、典型的には、通常は1ミリメートル程度の押し出し成形された小型矩形チャネルのバンクで構成されており、これらは、各ミリメートル規模のチャネルが別個の独立したヒートパイプ/サーモサイフォンを形成するように、作動流体(冷媒)を充填され、各端部で封止されている。このようなマルチチャネルアレイは、組み合わせることで、はるかに大きな単一チューブ/パイプアセンブリに匹敵するスケーラブルな輸送能力を提供する。加えて、矩形チャネルの充填及び吐出は、個体としてもアセンブリとしても、複雑で困難であり、再現性に乏しい。したがって、ヒートパイプのシステム及び方法の改善が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
マイクロチャネルアレイを提供するシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを含み、第1の端部及び第2の端部のうちの少なくとも一方が、複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングを含む。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングを含む。これにより、生産プロセスにおける低い歩留まり及び不十分な性能一貫性の最も大きな原因の1つが解決され、一方でそれと同時に生産が単純化され、生産コストが削減され得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、外部マニホールディングは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためのマイクロチャネルの寸法に適合するように、間隔を置いて配置された穴/サイズが決められた穴を有する小径チューブを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、外部マニホールディングは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためにマイクロチャネル押し出し成形部にろう付けされる。
【0007】
いくつかの実施形態では、外部マニホールディングは、内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する機械加工及び/または型打ちされた後端キャップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、外部マニホールディングは、長い直線スロットなどの応力集中の特徴を含まない。
【0009】
いくつかの実施形態では、外部マニホールディングは、マイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングは、各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、内部チャネル間のベースウェビングに切り込まれたスロットを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、内部マニホールディングは、マイクロチャネルアレイを封止するために、圧縮、冷間溶接、及びろう付けのうちの1つ以上である。
【0012】
いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイはまた、複数のマイクロチャネルの全てを充填することができる充填ポートを含む。
【0013】
当業者であれば、添付図面に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、本開示の範囲を理解し、その追加の態様を実現するであろう。
【0014】
本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明と併せて、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】いくつかの実施形態によるマイクロチャネル押し出し成形部を示す。
図1B】いくつかの実施形態によるマイクロチャネル押し出し成形部を示す。
図2A】いくつかの実施形態による嵌め合わされたマニホールド及び押し出し成形部の拡大図を示す。
図2B】いくつかの実施形態による嵌め合わされたマニホールド及び押し出し成形部の拡大図を示す。
図3A】いくつかの実施形態による、一体化されたマニホールドを有する圧縮され溶接されたマイクロチャネルを示す。
図3B】いくつかの実施形態による、一体化されたマニホールドを有する圧縮され溶接されたマイクロチャネルを示す。
図4A】いくつかの実施形態による拡張された溶接/ろう付け界面面積を示す。
図4B】いくつかの実施形態による拡張された溶接/ろう付け界面面積を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に記載されている実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実施する最良の形態を示す。添付図面を参照しながら、以下の説明を読むと、当業者であれば、本開示の概念を理解し、本明細書で特に言及されていないこれらの概念の用途を認識するであろう。これらの概念及び用途は、本開示及び添付の特許請求の範囲に含まれることを理解されたい。
【0017】
マイクロチャネルヒートパイプ/サーモサイフォンアレイは、典型的には、通常は1ミリメートル程度の押し出し成形された小型矩形チャネルのバンクで構成されており、これらは、各ミリメートル規模のチャネルが別個の独立したヒートパイプ/サーモサイフォンを形成するように、作動流体(冷媒)を充填され、各端部で封止されている。このようなマルチチャネルアレイは、組み合わせることで、はるかに大きな単一チューブ/パイプアセンブリに匹敵するスケーラブルな輸送能力を提供する。加えて、矩形チャネルの充填及び吐出は、個体としてもアセンブリとしても、複雑で困難であり、再現性に乏しい。
【0018】
アレイ内のいずれか1つのチャネルチューブから他のいずれかのチャネルチューブへの任意の作動流体の移動/釣り合いは、この製造プロセスによって完全に制限される。これにより、多くの場合、アレイ内の各チューブによって冷媒質量が不釣り合いになり、その結果、総冷媒充填量を適切に測定できたとしても、チャネル間の作動流体分布が不均等になる。この不均等分布は、しばしば、各チューブによって局所的なフラッディング及びバーンアウト状態をもたらし、これは、マイクロチャネルアセンブリの全体的な機能及び効率を低下させる。この充填量の不釣り合いは、検出が極めて困難であり、各マイクロチャネルチューブがアレイ内の他のチューブから本質的に隔離されているため、最終組み立て後に修正することができない。
【0019】
充填量の不釣り合いによる上記の詳細にわたる性能不良を回避するための従来の解決策は、マイクロチャネルアレイの一端を密閉し、封止するために、チューブマニホールドを使用するチャネルの相互接続である。マイクロチャネルの一端は、冷間溶接またはろう付けなどの従来の金属接合技術を用いて封止される。他端は、マイクロチャネルアレイのまだ開いている端部の挿入を受け入れるようにサイズが決められたスロットを、その長軸に沿って切り込み加工した円管(マニホールド)に取り付けられる。マイクロチャネルアレイが、加工されたスロットに挿入された後に、縁部は、従来のろう付けまたは溶接によって封止される。マイクロチャネルアレイ及びマニホールドチューブを封止する際に、マニホールドチューブ端部の一方もまた封止される。マニホールドチューブの他端は、多くの場合、最初に作動流体(冷媒)の充填に使用され、その後、同様に従来の方法(ろう付け、圧着、溶接など)で封止される。マニホールドチューブの開放側には、現場での修理を容易にするために、封止プロセス中または別個のプロセスにおいて、弁または継手が取り付けられてもよい。チューブは、ヒートパイプ/サーモサイフォンの凝縮器または蒸発器の端部上にあり得る。チューブマニホールドは、個々のマイクロチャネル間の流体の移動を可能にし、それによって不均一な空間熱負荷に対する効率を向上させる。それと同時に、マニホールドを通るチューブからチューブへの作動流体の自由な流れは、過剰充填または過少充填に対するヒートパイプ/熱サイフォンの感度を低減させる。残念ながら、この緩和方法は、高価なプロセスであり得るが、低圧用途では、かなり効果的な解決策を提供する。しかしながら、マイクロチャネル界面のマニホールドにある正方形スロットは、より高い圧力の用途では、ほぼ確実に破壊点となる。
【0020】
マイクロチャネルアレイを提供するシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを含み、第1の端部及び第2の端部のうちの少なくとも一方が、複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングを含む。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルアレイは、複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングを含む。これにより、生産プロセスにおける低い歩留まり及び不十分な性能一貫性の最も大きな原因の1つが解決され、一方でそれと同時に生産が単純化され、生産コストが削減され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマイクロチャネルアレイは、能動的冷却システムを有する断熱容器と共に使用され得る。さらなる詳細は、その開示を参照により全体として本明細書に援用する、2020年12月28日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/067172号、及びその開示を参照により全体として本明細書に援用する、2020年12月28日に出願された米国特許出願第17/135,420号で確認することができる。これらは両方共、2019年12月26日に出願された仮特許出願第62/953,771号に対する優先権を主張するものである。
【0022】
いくつかの実施形態では、制御スキームは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0291555号、米国特許出願公開第2015/0075184号、米国特許第9,581,362号、米国特許第10,458,683号、及び米国特許第9,593,871号に記載されている制御スキームのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、熱モジュールは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,144,180号に記載されているような熱ポンプを含む。熱抽出(すなわち、受熱)及び放熱のために、熱モジュールは、例えば、受熱システム(例えば、熱を能動的クーラーの内部からTEC/熱ポンプの低温側に伝達するための熱サイフォン、マイクロチャネルアレイ、または他の受動的もしくは能動的熱交換構成要素(複数可))と、放熱システム(例えば、熱をTEC/熱ポンプの高温側から周囲環境に伝達するための熱サイフォンまたは他の能動的もしくは受動的熱交換構成要素)とを含む。
【0023】
図1A及び図1Bは、いくつかの実施形態によるマイクロチャネル押し出し成形部を示す。図2A及び図2Bは、いくつかの実施形態による嵌め合わされたマニホールド及び押し出し成形部の拡大図を示す。外部マニホールディング:マイクロチャネルの寸法及びまたは材料に適合するように、間隔を置いて配置された穴/サイズが決められた穴を有し、その後、マイクロチャネル押し出し成形部にろう付けされる、小径チューブ。
【0024】
内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する機械加工/型打ちされた後端キャップ。
【0025】
マイクロチャネルアレイ自体は、個々のチャネルの小さな寸法と、チャネル間の内部ウェビングとの結果として、内部の高圧力を本質的に支持することができる。このようなアセンブリの故障モードは、ほぼ例外なく、押し出し成形部の各端部に組み込まれた封止材に関係する。従来の外部マニホールディング及び封止技術は、中圧から高圧の内部動作及び貯蔵条件に厳しく制限される。この問題を解決するために、一連の一体化された穴を有する、目標システム圧力に合わせてサイズを決められた、適切なサイズのチューブを用いて、外部マニホールディングを作成することができる。チューブ系が長い直線スロットのような応力集中の特徴を有さず、マニホールドチューブがマイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能し得ることを確実にすることにより、その結果、アセンブリ全体は、マイクロチャネルアレイのいずれのマニホールドでも材料破損のリスクがなく、高圧に容易に対応し得る。
【0026】
図3A及び図3Bは、いくつかの実施形態による、一体化されたマニホールドを有する圧縮され溶接されたマイクロチャネルを示す。図4A及び図4Bは、いくつかの実施形態による拡張された溶接/ろう付け界面面積を示す。内部マニホールディング:各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、内部チャネル間のベースウェビングに切り込まれ、その後、圧縮され、冷間溶接またはろう付けされて封止される、スロット。
【0027】
マイクロチャネルアレイ自体は、個々のチャネルの小さな寸法と、チャネル間の内部ウェビングとの結果として、内部の高圧力を本質的に支持することができる。このようなアセンブリの故障モードは、ほぼ例外なく、押し出し成形部の各端部に組み込まれた封止材に関係する。マイクロチャネルヒートパイプ/サーモサイフォンを封止する最も一般的な方法は、冷媒再循環経路に垂直な短軸に沿って押し出し成形部を液圧で圧縮することによる方法である。次いで、圧縮されたマイクロチャネルは、1つ以上のプロセス(冷間溶接、摩擦溶接、ろう付け、溶接、TIG溶接/MIG溶接など)によって封止される。このプロセスは、通常、低圧用途には十分であるが、中圧用途から高圧用途に対しては主要な故障モードである。マイクロチャネルアレイの一端または両端での個々のマイクロチャネルポート間のウェッビングの短いセクションを除去することにより、封止に利用可能な表面積が劇的に増加し、中圧から高圧の内部圧力に対する耐性が大幅に向上する。同時に、この方法は、個々のチャンバ間での作動流体の容易な移動を可能にする内部マニホールディングを形成する。このマニホールドにより、生産プロセスにおける低い歩留まり及び不十分な性能一貫性の最も大きな原因の1つが解決され、一方でそれと同時に生産が単純化され、生産コストが削減される。
【0028】
いくつかの実施形態では、流体接続されると、全てのチャネルが均等化されるので、効率が高まる。突然の故障は、複数のチャネルが影響を受けるため、より容易に検出できる。いくつかの実施形態では、平坦な継手の代わりにチューブ継手を使用することができるので、システムの充填がより容易である。これにより、現場修復も、より可能になる。
【0029】
当業者であれば、本開示の好ましい実施形態に対する改善及び修正を認識するであろう。そのような全ての改善及び修正は、本明細書に開示される概念及び以下の特許請求の範囲内で考慮される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを含み、
前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの少なくとも一方が、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする、マイクロチャネルアレイ。
【請求項2】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングをさらに含む、請求項1に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項3】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためのマイクロチャネルの寸法に適合するように、間隔を置いて配置された穴及びまたはサイズが決められた穴を有する小径チューブを含む、請求項に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項4】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためにマイクロチャネル押し出し成形部にろう付けされる、請求項2または3に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項5】
前記外部マニホールディングは、内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する機械加工及び/または型打ちされた後端キャップを含む、請求項に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項6】
前記外部マニホールディングは、長い直線スロットなどの応力集中の特徴を含まない、請求項2または3に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項7】
前記外部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能することができる、請求項2または3に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項8】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングをさらに含む、請求項1に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項9】
記内部マニホールディングは、各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、内部チャネル間のベースウェビングに切り込まれたスロットを含む、請求項8に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項10】
前記内部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイを封止するために、圧縮、冷間溶接、及びろう付けのうちの1つ以上である、請求項9に記載のマイクロチャネルアレイ。
【請求項11】
マイクロチャネルアレイを製造する方法であって、
第1の端部及び第2の端部を有する複数のマイクロチャネルを提供することを含み、
前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの少なくとも一方が、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性を可能にする、方法。
【請求項12】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための外部マニホールディングを提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記外部マニホールディングは、前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のためのマイクロチャネルの寸法に適合するように、間隔を置いて配置された穴及びまたはサイズが決められた穴を有する小径チューブを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のために、前記外部マニホールディングをマイクロチャネル押し出し成形部にろう付けすることをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
内部圧力を封じ込め、平行チャネル間の作動流体の移動を可能にするようにサイズが決められた成形隔離スペーサを有する前記外部マニホールディングの後端キャップを機械加工及びまたは型打ちすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記外部マニホールディングは、長い直線スロットなどの応力集中の特徴を含まない、請求項12または13に記載の方法。
【請求項17】
前記外部マニホールディングは、前記マイクロチャネルアレイの十分な表面積と接続して機能することができる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のマイクロチャネル間の流体接続性のための内部マニホールディングを提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
各端部の最も外側のチャネル壁を封止のためそのままに残して、前記内部マニホールディングの内部チャネル間のベースウェビングにスロットを切り込むことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記マイクロチャネルアレイを封止するために、前記内部マニホールディングの圧縮、冷間溶接、及びろう付けのうちの1つ以上をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】