(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】クロック受信回路および電子機器
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20240621BHJP
H03K 19/0185 20060101ALI20240621BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H03K19/0175 240
H03K19/0185 210
H03K17/687 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579856
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2022078778
(87)【国際公開番号】W WO2023273377
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110738327.9
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】朱文涛
(72)【発明者】
【氏名】常云峰
(72)【発明者】
【氏名】羅豪
(72)【発明者】
【氏名】陳玉虎
(72)【発明者】
【氏名】朱海鵬
(72)【発明者】
【氏名】▲ティアオ▼玉梅
【テーマコード(参考)】
5J055
5J056
【Fターム(参考)】
5J055AX12
5J055BX16
5J055CX01
5J055DX12
5J055DX22
5J055DX42
5J055DX43
5J055DX60
5J055EY01
5J055EY10
5J055GX01
5J056AA01
5J056BB02
5J056BB17
5J056CC01
5J056CC02
5J056DD13
5J056DD28
5J056DD51
5J056FF01
(57)【要約】
本開示は、コモンモード電圧調整モジュール、振幅増幅モジュールとレベル変換モジュールを備えるクロック受信回路を提供する。コモンモード電圧調整モジュールは、n型信号変換ユニット、ハイレベルn型信号出力端子、ローレベルn型信号出力端子、p型信号変換ユニット、ハイレベルp型信号出力端子、ローレベルp型信号出力端子を備え、振幅増幅モジュールはp型カレント源トランジスタ、n型カレント源トランジスタ、p型トランジスタ差動対、n型トランジスタ差動対とバイアス制御ユニットを備え、p型トランジスタ差動対の2つの第2端子がそれぞれ、n型トランジスタ差動対の2つの第1端子に電気的に接続され、n型トランジスタ差動対の2つの第2端子がn型カレント源トランジスタの第1極に電気的に接続され、レベル変換モジュールは、振幅増幅回路が出力したCMLレベル信号をCMOSレベル信号に変換するために使用される。本開示は、上記クロック受信回路を備える電子機器をさらに提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモンモード電圧調整モジュール、振幅増幅モジュールとレベル変換モジュールを備えるクロック受信回路であって、
前記コモンモード電圧調整モジュールは、n型信号変換ユニット、ハイレベルn型信号出力端子、ローレベルn型信号出力端子、p型信号変換ユニット、ハイレベルp型信号出力端子、ローレベルp型信号出力端子を備え、前記n型信号変換ユニットは、入力されるn型信号をハイレベルn型信号に変換し、前記ハイレベルn型信号出力端子を介して出力するように構成され、前記n型信号変換ユニットは、入力されるn型信号をローレベルn型信号に変換し、前記ローレベルn型信号を介して出力するように構成され、前記p型信号変換ユニットは、入力されるp型信号をハイレベルp型信号に変換し、ハイレベルp型信号出力端子を介して出力するようにさらに構成され、前記p型信号変換ユニットは、入力されるp型信号をローレベルp型信号に変換し、ローレベルp型信号出力端子を介して出力するようにさらに構成され、
前記振幅増幅モジュールは、p型カレント源トランジスタ、n型カレント源トランジスタ、p型トランジスタ差動対、n型トランジスタ差動対とバイアス制御ユニットを備え、
前記バイアス制御ユニットは、前記p型カレント源トランジスタおよび前記n型カレント源トランジスタが飽和領域で作動するよう制御するように構成され、
前記p型カレント源トランジスタは、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記p型トランジスタ差動対の2つの第1端子に電気的に接続され、
前記p型トランジスタ差動対における2つのp型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、前記p型トランジスタ差動対は、2つの第2端子がそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの第1端子に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、前記ローレベルp型信号出力端子、および前記ローレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、
前記n型トランジスタ差動対における2つのn型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、前記n型トランジスタ差動対は、2つの第2端子が前記n型カレント源トランジスタの第1極に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、前記ハイレベルp型信号出力端子、および前記ハイレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、
前記レベル変換モジュールは、前記振幅増幅回路が出力したCMLレベル信号をCMOSレベル信号に変換するように構成される、
クロック受信回路。
【請求項2】
前記p型トランジスタ差動対は、第一p型トランジスタと第二p型トランジスタを備え、 前記第一p型トランジスタの第1極は前記第二p型トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第一p型トランジスタの第1極、および前記第二p型トランジスタの第1極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第1端子として形成され、前記第一p型トランジスタの第2極、および前記第二p型トランジスタの第2極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第2端子として形成され、前記第一p型トランジスタのゲートと前記第二p型トランジスタのゲートはそれぞれ、前記p型トランジスタ差動対の2つの入力端子として形成され、前記第一p型トランジスタのゲートは前記ローレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、前記第二p型トランジスタのゲートは前記ローレベルp型信号出力端子に電気的に接続される、
請求項1に記載のクロック受信回路。
【請求項3】
前記n型トランジスタ差動対は第一n型トランジスタと第二n型トランジスタを備え、前記第一n型トランジスタの第1極と前記第二n型トランジスタの第1極がそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの第1端子として形成され、前記第一n型トランジスタの第1極が前記第一p型トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記第二n型トランジスタの第1極が前記第二p型トランジスタの第2極に電気的に接続され、
前記第一n型トランジスタの第2極、および前記第二n型トランジスタの第2極がそれぞれ、前記n型差動対の2つの第2端子として形成され、前記第一n型トランジスタの第2極が前記第二n型トランジスタの第2極に電気的に接続され、
前記第一n型トランジスタのゲートと前記第二n型トランジスタのゲートがそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの入力端子として形成され、前記第一n型トランジスタのゲートが前記ハイレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、前記第二n型トランジスタのゲートが前記ハイレベルp型信号出力端子に電気的に接続される、
請求項2に記載のクロック受信回路。
【請求項4】
前記バイアス制御ユニットは、第一n型カレントミラートランジスタ、第二n型カレントミラートランジスタ、第三n型カレントミラートランジスタ、第四n型カレントミラートランジスタ、第一p型カレントミラートランジスタと第二p型カレントミラートランジスタを備え、
前記第一n型カレントミラートランジスタは、第1極がカレント源に電気的に接続されるように構成され、第1極が前記第一n型カレントミラートランジスタのゲートに電気的に接続され、第2極が前記第二n型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第二n型カレントミラートランジスタは、第2極が接地され、ゲートが前記第三n型カレントミラートランジスタのゲート、および前記n型カレント源トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第三n型カレントミラートランジスタは、第1極が接地され、第2極が前記第四n型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第四n型カレントミラートランジスタは、第2極が前記第一p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、ゲートが前記第一n型カレントミラートランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第一p型カレントミラートランジスタは、ゲートが前記第一p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、第2極が前記第二p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第二p型カレントミラートランジスタは、第2極がハイレベル信号端子に電気的に接続されるように構成され、ゲートが前記p型カレント源トランジスタのゲートに電気的に接続される、
請求項1~3の何れか1項に記載のクロック受信回路。
【請求項5】
前記コモンモード電圧調整モジュールは、インピーダンス整合抵抗器、第一分圧抵抗と第二分圧抵抗をさらに備え、前記インピーダンス整合抵抗器は、前記コモンモード電圧調整モジュールのpポートとnポートの間に接続され、前記第一分圧抵抗の一端がハイレベル信号端子に電気的に接続され、
前記p型信号変換ユニットは第一カップリングコンデンサ、第三カップリングコンデンサおよび、順次直列に接続した第三抵抗、第五抵抗、第七抵抗と第九抵抗を備え、前記第三カップリングコンデンサの一端が前記第一分圧抵抗の他端に電気的に接続され、前記第九抵抗が前記第二分圧抵抗の一端に電気的に接続され、前記第二分圧抵抗の第2端子が接地され、前記第一カップリングコンデンサが前記第五抵抗に並列に接続され、かつ、前記ハイレベルp型信号出力端子が前記第三抵抗および前記第五抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記第三カップリングコンデンサが前記第七抵抗に並列に接続され、かつ、前記ローレベルp型信号出力端子が前記第七抵抗と前記第九抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記pポートが前記第五抵抗と前記第七抵抗との接続箇所に電気的に接続され、
前記n型信号変換ユニットは第二カップリングコンデンサ、第四カップリングコンデンサおよび、順次直列に接続した第四抵抗、第六抵抗、第八抵抗と第十抵抗を備え、前記第四カップリングコンデンサの一端が前記第一分圧抵抗の他端に電気的に接続され、前記第十抵抗が前記第二分圧抵抗の一端に電気的に接続され、前記第二カップリングコンデンサが前記第六抵抗に並列に接続され、かつ前記ハイレベルn型信号出力端子が前記第四抵抗および前記第六抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記第四カップリングコンデンサが前記第八抵抗に並列に接続され、かつ前記ローレベルn型信号出力端子が前記第八抵抗と前記第十抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記nポートが前記第六抵抗と前記第八抵抗との接続箇所に電気的に接続される、
請求項1~3の何れか1項に記載のクロック受信回路。
【請求項6】
前記レベル変換モジュールは第一インバータ、第二インバータ、第一フィードバックコンポーネント、第二フィードバックコンポーネントを備え、
前記第一インバータは、入力端子が前記振幅増幅モジュールのp型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のn型信号出力端子として形成され、
前記第一フィードバックコンポーネントは、前記第一インバータが出力したカレントを収集し、収集したカレントを前記第一インバータの入力端子にフィードバックするように構成され、
前記第二インバータは、入力端子が前記振幅増幅モジュールのn型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のp型信号出力端子として形成され、
前記第二フィードバックコンポーネントは、前記第二インバータが出力したカレントを収集し、収集したカレントを前記第二インバータの入力端子にフィードバックするように構成される、
請求項1~3の何れか1項に記載のクロック受信回路。
【請求項7】
前記第一フィードバックコンポーネントは、第一n型フィードバックトランジスタと第一p型フィードバックトランジスタを備え、
前記第一n型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第一インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記第一インバータの入力端子に電気的に接続され、
前記第一p型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第一インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が前記第一インバータの入力端子に電気的に接続される、
請求項6に記載のクロック受信回路。
【請求項8】
前記第二フィードバックコンポーネントは、第二n型フィードバックトランジスタと第二p型フィードバックトランジスタを備え、
前記第二n型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第二インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記第二インバータの入力端子に電気的に接続され、
前記第二p型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第二インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が前記第二インバータの入力端子に電気的に接続される、
請求項6に記載のクロック受信回路。
【請求項9】
クロック受信回路とコアモジュールを備え、前記コアモジュールのクロック信号入力端子が前記クロック受信回路の出力端子に電気的に接続され、前記クロック受信回路が請求項1~8の何れか1項に記載のクロック受信回路である、
電子機器。
【請求項10】
前記コアモジュールが、
アナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、フェーズロックループモジュールのうちの何れか1つであることを特徴とする、
請求項9に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2021年6月30日に国家知識産権局へ提出された、出願番号を「202110738327.9」とし、発明の名称を「クロック受信回路および電子機器」とする中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全ての内容を援用によって引用する。
【0002】
本開示の実施例は集積回路分野に関するものであるが、これに限定されるものではなく、具体的には、クロック受信回路および当該クロック受信回路を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
CMOS製造プロセスの進化と設計レベルの向上に伴い、集積回路の動作周波数はますます高くなっているが、伝送過程における高速のクロックの減衰はより深刻で、ノイズやミスマッチなどの非理想的な要因の影響を受けやすくなり、クロックの性能が低下する。そのため、高速回路ではクロック受信回路が特に重要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1において示すのは、関連技術におけるクロック受信回路であり、当該クロック受信回路はカレントモードロジック(CML、Current Mode Logic)構造を用いて入力クロックを受信、増幅する。このようなクロック受信回路の位相ノイズは大きく、消費電力も大きい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、クロック受信回路と、当該クロック受信回路を備えた電子機器を提供する。
本開示の一態様として、本開示の実施例は、コモンモード電圧調整モジュール、振幅増幅モジュールとレベル変換モジュールを備えるクロック受信回路であって、
前記コモンモード電圧調整モジュールは、n型信号変換ユニット、ハイレベルn型信号出力端子、ローレベルn型信号出力端子、p型信号変換ユニット、ハイレベルp型信号出力端子、ローレベルp型信号出力端子を備え、前記n型信号変換ユニットは、入力されるn型信号をハイレベルn型信号に変換し、前記ハイレベルn型信号出力端子を介して出力するために使用され、前記n型信号変換ユニットは、入力されるn型信号をローレベルn型信号に変換し、前記ローレベルn型信号を介して出力するためにさらに使用され、前記p型信号変換ユニットは、入力されるp型信号をハイレベルp型信号に変換し、ハイレベルp型信号出力端子を介して出力するために使用され、前記p型信号変換ユニットは、入力されるp型信号をローレベルp型信号に変換し、ローレベルp型信号出力端子を介して出力するためにさらに使用され、
前記振幅増幅モジュールは、p型カレント源トランジスタ、n型カレント源トランジスタ、p型トランジスタ差動対、n型トランジスタ差動対とバイアス制御ユニットを備え、
前記バイアス制御ユニットは、前記p型カレント源トランジスタおよび前記n型カレント源トランジスタが飽和領域で作動するよう制御するために使用され、
前記p型カレント源トランジスタは、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記p型トランジスタ差動対の2つの第1端子に電気的に接続され、
前記p型トランジスタ差動対のうちの2つのp型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、前記p型トランジスタ差動対は、2つの第2端子がそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの第1端子に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、前記ローレベルp型信号出力端子、および前記ローレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、
前記n型トランジスタ差動対のうちの2つのn型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、前記n型トランジスタ差動対は、2つの第2端子が前記n型カレント源トランジスタの第1極に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、前記ハイレベルp型信号出力端子、および前記ハイレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、
前記レベル変換モジュールは、前記振幅増幅回路が出力したCMLレベル信号をCMOSレベル信号に変換するように構成される、クロック受信回路を提供する。
【0006】
任意で、前記p型トランジスタ差動対は第一p型トランジスタと第二p型トランジスタを備え、前記第一p型トランジスタの第1極は前記第二p型トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第一p型トランジスタの第1極、および前記第二p型トランジスタの第1極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第1端子として形成され、前記第一p型トランジスタの第2極、および前記第二p型トランジスタの第2極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第2端子として形成され、前記第一p型トランジスタのゲートと前記第二p型トランジスタのゲートはそれぞれ、前記p型トランジスタ差動対の2つの入力端子として形成され、前記第一p型トランジスタのゲートは前記ローレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、前記第二p型トランジスタのゲートは前記ローレベルp型信号出力端子に電気的に接続される。
【0007】
任意で、前記n型トランジスタ差動対は第一n型晶体と第二n型トランジスタを備え、前記第一n型トランジスタの第1極と前記第二n型トランジスタの第1極がそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの第1端子として形成され、前記第一n型トランジスタの第1極が前記第一p型トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記第二n型トランジスタの第1極が前記第二p型トランジスタの第2極に電気的に接続され、
前記第一n型トランジスタの第2極、および前記第二n型トランジスタの第2極がそれぞれ、前記n型差動対の2つの第2端子として形成され、前記第一n型トランジスタの第2極が前記第二n型トランジスタの第2極に電気的に接続され、
前記第一n型トランジスタのゲートと前記第二n型トランジスタのゲートがそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの入力端子として形成され、前記第一n型トランジスタのゲートが前記ハイレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、前記第二n型トランジスタのゲートが前記ハイレベルp型信号出力端子に電気的に接続される。
【0008】
任意で、前記バイアス制御ユニットは、第一n型カレントミラートランジスタ、第二n型カレントミラートランジスタ、第三n型カレントミラートランジスタ、第四n型カレントミラートランジスタ、第一p型カレントミラートランジスタと第二p型カレントミラートランジスタを備え、
前記第一n型カレントミラートランジスタは、第1極がカレント源に電気的に接続されるように構成され、第1極が前記第一n型カレントミラートランジスタのゲートに電気的に接続され、第2極が前記第二n型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第二n型カレントミラートランジスタは、第2極が接地され、ゲートが前記第三n型カレントミラートランジスタのゲート、および前記n型カレント源トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第三n型カレントミラートランジスタは、第1極が接地され、第2極が前記第四n型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第四n型カレントミラートランジスタは、第2極が前記第一p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、ゲートが前記第一n型カレントミラートランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第一p型カレントミラートランジスタは、ゲートが前記第一p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、第2極が前記第二p型カレントミラートランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第二p型カレントミラートランジスタは、第2極がハイレベル信号端子に電気的に接続されるように構成され、ゲートが前記p型カレント源トランジスタのゲートに電気的に接続される。
【0009】
任意で、前記コモンモード電圧調整モジュールは、インピーダンス整合抵抗器、第一分圧抵抗と第二分圧抵抗をさらに備え、前記インピーダンス整合抵抗器は、前記コモンモード電圧調整モジュールのpポートとnポートの間に接続され、前記第一分圧抵抗の一端がハイレベル信号端子に電気的に接続され、
前記p型信号変換ユニットは第一カップリングコンデンサ、第三カップリングコンデンサおよび、順次直列に接続した第三抵抗、第五抵抗、第七抵抗と第九抵抗を備え、前記第三カップリングコンデンサの一端が前記第一分圧抵抗の他端に電気的に接続され、前記第九抵抗が前記第二分圧抵抗の一端に電気的に接続され、前記第二分圧抵抗の第2端子が接地され、前記第一カップリングコンデンサが前記第五抵抗に並列に接続され、かつ、前記ハイレベルp型信号出力端子が前記第三抵抗および前記第五抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記第三カップリングコンデンサが前記第七抵抗に並列に接続され、かつ、前記ローレベルp型信号出力端子が前記第七抵抗と前記第九抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記pポートが前記第五抵抗と前記第七抵抗との接続箇所に電気的に接続され、
前記n型信号変換ユニットは第二カップリングコンデンサ、第四カップリングコンデンサおよび、順次直列に接続した第四抵抗、第六抵抗、第八抵抗と第十抵抗を備え、前記第四カップリングコンデンサの一端が前記第一分圧抵抗の他端に電気的に接続され、前記第十抵抗が前記第二分圧抵抗の一端に電気的に接続され、前記第二カップリングコンデンサが前記第六抵抗に並列に接続され、かつ前記ハイレベルn型信号出力端子が前記第四抵抗および前記第六抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記第四カップリングコンデンサが前記第八抵抗に並列に接続され、かつ前記ローレベルn型信号出力端子が前記第八抵抗と前記第十抵抗との接続箇所に電気的に接続され、前記nポートが前記第六抵抗と前記第八抵抗との接続箇所に電気的に接続される。
【0010】
任意で、前記レベル変換モジュールは第一インバータ、第二インバータ、第一フィードバックコンポーネント、第二フィードバックコンポーネントを備え、
前記第一インバータは、入力端子が前記振幅増幅モジュールのp型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のn型信号出力端子として形成され、
前記第一フィードバックコンポーネントは、前記第一インバータが出力したカレントを収集し、収集したカレントを前記第一インバータの入力端子にフィードバックするように構成され、
前記第二インバータは、入力端子が前記振幅増幅モジュールのn型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のp型信号出力端子として形成され、
前記第二フィードバックコンポーネントは、前記第二インバータが出力したカレントを収集し、収集したカレントを前記第二インバータの入力端子にフィードバックするように構成される。
【0011】
任意で、前記第一フィードバックコンポーネントは、第一n型フィードバックトランジスタと第一p型フィードバックトランジスタを備え、
前記第一n型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第一インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記第一インバータの入力端子に電気的に接続され、
前記第一p型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第一インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が前記第一インバータの入力端子に電気的に接続される。
【0012】
任意で、前記第二フィードバックコンポーネントは、第二n型フィードバックトランジスタと第二p型フィードバックトランジスタを備え、
前記第二n型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第二インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記第二インバータの入力端子に電気的に接続され、
前記第二p型フィードバックトランジスタは、ゲートが前記第二インバータの出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が前記第二インバータの入力端子に電気的に接続される。
【0013】
本開示の第二態様として、クロック受信回路とコアモジュールを備え、前記コアモジュールのクロック信号入力端子が前記クロック受信回路の出力端子に電気的に接続され、前記クロック受信回路が本開示の第一態様によって提供されるクロック受信回路である、電子機器を提供する。
【0014】
任意で、前記コアモジュールは、アナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、フェーズロックループモジュールのうちの何れか1つである。
【0015】
本開示の実施例によって提供されるクロック受信回路のコア部品は振幅増幅モジュールであり、当該振幅増幅モジュールは、p型トランジスタ差動対とn型トランジスタ差動対を互いに入力および負荷とし、振幅増幅モジュール全体の等価トランスコンダクタンスを増大させるプッシュプル構造を構成している。当該振幅増幅モジュールは、低電源電圧下で比較的大きなクロック出力スイングを提供できる。
【0016】
前記クロック受信回路は、低電源電圧下で十分な利得を提供して大きな出力スイングを得ることができ、後段のコアモジュールの出力クロック確立過程も相応に高速であり、クロック確立過程においてノイズの影響を受けるのを低減することができ、ひいては回避することができるため、電子機器の出力位相ノイズを小さくし、電子機器の消費電力を低減して、電子機器の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は関連技術におけるクロック信号受信回路の回路模式図である。
【
図2】
図2は本開示によって提供されるクロック受信回路の一実施形態の模式図である。
【
図3】
図3は本開示によって提供されるクロック受信回路における、コモンモード電圧調整モジュールの一実施形態の模式図である。
【
図4】
図4は本開示によって提供されるクロック受信回路における、振幅増幅モジュールの一実施形態の模式図である。
【
図5】
図5は本開示によって提供されるクロック受信回路における、レベル変換モジュールの一実施形態の模式図である。
【
図6】
図6は電子機器のコアモジュールをデジタル/アナログコンバータまたはアナログ/デジタルコンバータとする模式図である。
【
図7】
図7は電子機器のコアモジュールをフェーズロックループ回路とする模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の技術案を当業者がより良く理解できるように、本開示によって提供されるクロック受信回路および電子機器について、図面を組み合わせて以下に詳細に説明する。
【0019】
以下、図面を参照して例示的な実施例について詳細に説明するが、前記例示的な実施例は異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これら実施例を提供する目的は、本開示を徹底して完全なものにし、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることである。
【0020】
本開示の各実施例および実施例における各特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0021】
本開示で使用する「および/または」という用語には、1つまたは複数の関連する列挙項目の任意のまたはすべての組み合わせが含まれる。
【0022】
本開示にて使用する用語は特定の実施例について説明するためのものにすぎず、本開示を制限する意図はない。本開示にて使用する「1つの」と「当該」という単数形は、上下文にて別途明らかに説明しない限り複数形を含むことも意図する。また、本明細書にて「含む」、「…からなる」という用語を使用したときは、前記特徴、全体、ステップ、オペレーション、素子、および/またはコンポーネントの存在を指すが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、オペレーション、素子、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外するものでないとさらに理解されるであろう。
【0023】
本開示で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、特に限定されない限り、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。また、常用辞典にて限定されるそれら用語は、関連技術および本開示の背景での意味と一致する意味を有し、本開示にて明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味を有するとして解釈されないとさらに理解されるであろう。
【0024】
本開示の一態様として、クロック受信回路を提供し、
図2に示すように、前記クロック受信回路は、コモンモード電圧調整モジュール100、振幅増幅モジュール200とレベル変換モジュール300を備える。
【0025】
図3に示すように、コモンモード電圧調整モジュール100はn型信号変換ユニット110、ハイレベルn型信号出力端子von_n、ローレベルn型信号出力端子vop_n、p型信号変換ユニット120、ハイレベルp型信号出力端子von_p、ローレベルp型信号出力端子vop_pを備える。
【0026】
n型信号変換ユニット110は、入力されるn型信号をハイレベルn型信号に変換し、ハイレベルn型信号出力端子von_nを介して出力するように構成され、n型信号変換ユニット110は、入力されるn型信号をローレベルn型信号に変換し、ローレベルn型信号端子vop_nを介して出力するためにさらに使用される。
【0027】
p型信号変換ユニット120は、入力されるp型信号をハイレベルp型信号に変換し、ハイレベルp型信号von_p出力端子を介して出力するように構成され、p型信号変換ユニット120は、入力されるp型信号をローレベルp型信号に変換し、ローレベルp型信号出力端子vop_pを介して出力するためにさらに使用される。
【0028】
振幅増幅モジュール200はp型カレント源トランジスタM6、n型カレント源トランジスタM5、p型トランジスタ差動対210、n型トランジスタ差動対220とバイアス制御ユニット230を備える。
【0029】
バイアス制御ユニット230は、p型カレント源トランジスタM6とn型カレント源トランジスタM6が飽和領域で作動するよう制御するように構成される。
【0030】
p型カレント源トランジスタM6は、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極がp型トランジスタ差動対210の2つの第1端子に電気的に接続される。
【0031】
前記p型トランジスタ差動対における2つのp型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、p型トランジスタ差動対210は、2つの第2端子がそれぞれ、n型トランジスタ差動対220の2つの第1端子に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、ローレベルp型信号出力端子vop_p、およびローレベルn型信号出力端子vop_nに電気的に接続される。
【0032】
前記n型トランジスタ差動対における2つのn型トランジスタがどちらも増幅領域で作動するように、n型トランジスタ差動対220は、2つの第2端子がn型カレント源トランジスタM5の第1極に電気的に接続され、2つの入力端子がそれぞれ、ハイレベルp型信号出力端子von_p、およびハイレベルn型信号出力端子von_nに電気的に接続される。
【0033】
レベル変換モジュール300は、前記振幅増幅回路が出力したCMLレベル信号をCMOSレベル信号に変換するように構成される。
【0034】
本開示によって提供されるクロック受信回路のコア部品は振幅増幅モジュール200であり、当該振幅増幅モジュール200は、p型トランジスタ差動対210とn型トランジスタ差動対220を互いに入力および負荷とし、振幅増幅モジュール200全体の等価トランスコンダクタンスを増大させるプッシュプル構造を構成しており、当該振幅増幅モジュール200は、低電源電圧下で比較的大きなクロック出力スイングを提供できる。なお、p型トランジスタ差動対210とn型トランジスタ差動対220は2つの接続ノードを有し、ここで2つの接続ノードはそれぞれ、振幅増幅モジュール200のn型信号出力端子voutnとp型信号出力端子voupとして形成される。
【0035】
コモンモード電圧調整モジュール100の主な作用は、当該クロック受信回路で受信した差分信号を調整し、振幅増幅モジュール200のp型トランジスタ差動対210とn型トランジスタ差動対220のトランジスタが増幅領域で作動できるように出力するということである。
【0036】
P型カレント源トランジスタM6とN型カレント源トランジスタM5の作用は、バイアス制御ユニットの制御下で、駆動カレントを振幅増幅モジュールに提供するということである。
【0037】
本開示において、p型トランジスタ差動対の具体的な構造については特に限定しない。
図4に示す実施形態において、前記p型トランジスタ差動対は第一p型トランジスタM4と第二p型トランジスタM3を備え、第一p型トランジスタM4の第1極は第二p型トランジスタM3の第1極に電気的に接続され、第一p型トランジスタM4の第1極、および第二p型トランジスタM3の第1極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第1端子として形成され、第一p型トランジスタM4の第2極、および第二p型トランジスタM3の第2極はそれぞれ、前記p型差動対の2つの第2端子として形成され、第一p型トランジスタM4のゲートと第二p型トランジスタM3のゲートはそれぞれ、前記p型トランジスタ差動対の2つの入力端子として形成され、第一p型トランジスタM4のゲート(
図4ではvin_pである)はローレベルn型信号出力端子vop_pに電気的に接続され、第二p型トランジスタM3のゲート(
図4ではvip_pである)はローレベルp型信号出力端子に電気的に接続される。
【0038】
なお、第一p型トランジスタM4の第2極は振幅増幅モジュール200のn型信号出力端子として形成され、第二p型トランジスタM3の第2極は振幅増幅モジュール200のp型信号出力端子として形成される。
【0039】
本開示では、n型トランジスタ差動対の具体的な構造についても特に限定しない。
図4に示すように、前記n型トランジスタ差動対は第一n型トランジスタM2と第二n型トランジスタM1を備え、第一n型トランジスタM2の第1極と第二n型トランジスタM1の第1極はそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの第1端子として形成され、第一n型トランジスタM2の第1極が第一p型トランジスタM4の第2極に電気的に接続され、第二n型トランジスタM1の第1極が第二p型トランジスタM3の第2極に電気的に接続される。
【0040】
第一n型トランジスタM2の第2極、および第二n型トランジスタM1の第2極はそれぞれ、前記n型差動対の2つの第2端子として形成され、第一n型トランジスタM2の第2極が第二n型トランジスタM1の第2極に電気的に接続され、かつどちらもn型カレントトランジスタM5の第1極に電気的に接続される。
【0041】
第一n型トランジスタM2のゲートと第二n型トランジスタM1のゲートはそれぞれ、前記n型トランジスタ差動対の2つの入力端子(
図4では、それぞれvin_nとvip_nである)として形成され、第一n型トランジスタM2のゲートが前記ハイレベルn型信号出力端子に電気的に接続され、第二n型トランジスタM1のゲートが前記ハイレベルp型信号出力端子に電気的に接続される。
【0042】
本開示において、バイアス制御ユニット230の具体的な構造については特に限定せず、p型カレントトランジスタM6、およびn型カレントトランジスタM5が飽和領域で作動するように、p型カレントトランジスタM6、およびn型カレントトランジスタM5のゲートにバイアスをかけることができるものであればよい。
【0043】
図4に示す実施形態において、前記バイアス制御ユニットは第一n型カレントミラートランジスタM9、第二n型カレントミラートランジスタM7、第三n型カレントミラートランジスタM8、第四n型カレントミラートランジスタM10、第一p型カレントミラートランジスタM11と第二p型カレントミラートランジスタM12を備える。
【0044】
第一n型カレントミラートランジスタM9の第1極は、カレント源(当該カレント源は参照回路IREFに提供される)に電気的に接続するために使用され、第一n型カレントミラートランジスタM9は、第1極が第一n型カレントミラートランジスタM9のゲートに電気的に接続され、第2極が第二n型カレントミラートランジスタM7の第1極に電気的に接続され、第二n型カレントミラートランジスタM7は、第2極が接地され、ゲートが第三n型カレントミラートランジスタM8のゲート、およびn型カレント源トランジスタM5のゲートに電気的に接続される。
【0045】
第三n型カレントミラートランジスタM8は、第1極が接地され、第2極が第四n型カレントミラートランジスタM10の第1極に電気的に接続される。
【0046】
第四n型カレントミラートランジスタM10は、第2極が前記第一p型カレントミラートランジスタM111の第1極に電気的に接続され、ゲートが第一n型カレントミラートランジスタM11のゲートに電気的に接続される。
【0047】
第一p型カレントミラートランジスタM11は、ゲートが第一p型カレントミラートランジスタM11の第1極に電気的に接続され、第2極が第二p型カレントミラートランジスタM12の第1極に電気的に接続される。
【0048】
第二p型カレントミラートランジスタM12の第2極はハイレベル信号端子に電気的に接続するために使用され、第二p型カレントミラートランジスタM12のゲートがp型カレント源トランジスタM6のゲートに電気的に接続される。
【0049】
本開示では、n型カレント源トランジスタM5のゲートが第二n型カレントミラートランジスタM7のゲートに電気的に接続されるため、n型カレント源トランジスタM5のゲート電圧は第二n型カレントミラートランジスタM7のゲート電圧と同一である。第一n型カレントミラートランジスタM5と第二n型カレントミラートランジスタM7の寸法を制御することにより、n型カレント源トランジスタM5を飽和領域で作動させるゲート電圧を得られる。
【0050】
同様に、p型カレント源トランジスタM6のゲートが第二p型カレントミラートランジスタM12のゲートに電気的に接続されるため、p型カレント源トランジスタM6のゲート電圧は第二p型カレントミラートランジスタM12のゲート電圧と同一である。本開示では、第一n型カレントミラートランジスタM9、第二n型カレントミラートランジスタM7、第三n型カレントミラートランジスタM8、第四n型カレントミラートランジスタM10がカレントミラーを構成する。このため、第四n型カレントミラートランジスタM10のカレントは、第一n型カレントミラートランジスタM9のカレントに比例し、第一p型カレントミラートランジスタM11が受信するカレントは、第四n型カレントミラートランジスタM10のカレントと同一で、かつ第一n型カレントミラートランジスタM9の第1極が受信するカレントに比例して同一である。第一p型カレントミラートランジスタM11と第二p型カレントミラートランジスタM12の寸法を制御することにより、p型カレント源トランジスタM6を飽和領域で作動させるゲート電圧を得られる。
【0051】
本開示において、コモンモード電圧調整モジュール100の具体的な構造については特に限定しない。
図3に示すように、前記コモンモード電圧調整モジュールは、インピーダンス整合抵抗器R11、第一分圧抵抗R1と第二分圧抵抗R2をさらに備え、インピーダンス整合抵抗器R11は前記コモンモード電圧調整モジュールのpポートvipとnポートvinの間に接続され、第一分圧抵抗R1の一端がハイレベル信号端子に電気的に接続される。
【0052】
p型信号変換ユニット120は、第一カップリングコンデンサC1、第三カップリングコンデンサC3、および順次直列に接続した第三抵抗R3、第五抵抗R5、第七抵抗R7と第九抵抗R9を備える。第三カップリングコンデンサC3の一端が第一分圧抵抗R1の他端に電気的に接続され、第九抵抗R9が第二分圧抵抗R2の一端に電気的に接続され、第二分圧抵抗R2の第2端子が接地され、第一カップリングコンデンサC1が第五抵抗R5に並列に接続され、かつ、ハイレベルp型信号出力端子von_pが第三抵抗R3と第五抵抗R5との接続箇所に電気的に接続され、第三カップリングコンデンサC3が第七抵抗R7に並列に接続され、かつ、ローレベルp型信号出力端子vop_pが第七抵抗R7と第九抵抗R9との接続箇所に電気的に接続され、pポートvipが第五抵抗R5と第七抵抗R7との接続箇所に電気的に接続される。
【0053】
n型信号変換ユニット110は、第二カップリングコンデンサC2、第四カップリングコンデンサC4、および順次直列に接続した第四抵抗R4、第六抵抗R6、第八抵抗R8と第十抵抗R10を備える。第四カップリングコンデンサC4の一端が第一分圧抵抗R1の他端に電気的に接続され、第十抵抗R10が第二分圧抵抗R2の一端に電気的に接続され、第二カップリングコンデンサC2が第六抵抗R6に並列に接続され、かつ、ハイレベルn型信号出力端子von_nが第四抵抗R4と第六抵抗R6との接続箇所に電気的に接続され、第四カップリングコンデンサC4が第八抵抗R8に並列に接続され、かつ、ローレベルn型信号出力端子vop_nが第八抵抗R8と第十抵抗R10との接続箇所に電気的に接続され、nポートvinが第六抵抗R6と第八抵抗R8との接続箇所に電気的に接続される。
【0054】
本開示では、抵抗チェーンを用いてコモンモード電圧の調整を行い、応用場面に応じて抵抗値を柔軟に調整し、ひいてはコモンモード電圧を変えることができ、回路の柔軟性を向上させている。
【0055】
本開示において、レベル変換モジュール300の具体的な構造については特に限定しない。例えば、
図5に示すように、前記レベル変換モジュールは第一インバータ310、第二インバータ320、第一フィードバックコンポーネント330、第二フィードバックコンポーネント340を備える。
【0056】
第一インバータ310は、入力端子vip1が振幅増幅モジュール200のp型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のn型信号出力端子voutn1として形成される。
【0057】
第一フィードバックコンポーネント330は、第一インバータ310の出力信号を収集し、収集した信号を第一インバータ310の入力端子にフィードバックして第一インバータ310の出力に対し粗補正を行うように構成される。
【0058】
第二インバータ320は、入力端子vin1が振幅増幅モジュール200のn型信号出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記クロック受信回路のp型信号出力端子voutn2として形成される。
【0059】
第二フィードバックコンポーネント340は、第二インバータ320の出力信号を収集し、収集した信号を第二インバータ320の入力端子にフィードバックして第二インバータ320の出力に対し粗補正を行うように構成される。
【0060】
図5に示す実施形態において、第一インバータ310は第一p型トランジスタM13と第一n型トランジスタM14を備える。第一p型トランジスタM13は、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、ゲートが第一インバータ310の入力端子vip1に電気的に接続され、第2極が第一n型トランジスタM14の第1極に電気的に接続され、かつ第一インバータ310の出力端子に電気的に接続され、第一n型トランジスタは、第2極が接地され、ゲートが第一インバータ310の入力端子vip1に電気的に接続される。
【0061】
図5に示す実施形態において、第二インバータ320は第二p型トランジスタM15と第二n型トランジスタM16を備える。第二p型トランジスタM15は、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、ゲートが第二インバータ320の入力端子vin1に電気的に接続され、第2極が第二n型トランジスタM16の第1極に電気的に接続され、かつ第二インバータ320の出力端子に電気的に接続され、第二n型トランジスタM16は、第2極が接地され、ゲートが第二インバータ320の入力端子vin1に電気的に接続される。
【0062】
本開示において、第一フィードバックコンポーネント330の具体的な構造については特に限定しない。
図5に示すように、第一フィードバックコンポーネント330は、第一n型フィードバックトランジスタM17と第一p型フィードバックトランジスタM18を備える。
【0063】
第一n型フィードバックトランジスタM17は、ゲートが第一インバータ310の出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が第一インバータ330の入力端子に電気的に接続される。
【0064】
第一p型フィードバックトランジスタM18は、ゲートが第一インバータ310の出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が第一インバータ330の入力端子に電気的に接続される。
【0065】
第一n型フィードバックトランジスタM17と第一p型フィードバックトランジスタM18はどちらも導通を電圧で制御する部品であり、導通条件が満たされない場合には消費電力を発生しない。このため、第一n型フィードバックトランジスタM17と第一p型フィードバックトランジスタM18を備える第一フィードバックコンポーネントは、前記クロック受信回路の全体の消費電力を低減できる。
【0066】
本開示において、第二フィードバックコンポーネント340の具体的な構造については特に限定しない。
図5に示すように、任意で、前記第二フィードバックコンポーネント340は、第二n型フィードバックトランジスタM19と第二p型フィードバックトランジスタM20を備えてよい。
【0067】
第二n型フィードバックトランジスタM19は、ゲートが第二インバータ320の出力端子に電気的に接続され、第1極がハイレベル信号端子に電気的に接続され、第2極が前記第二インバータの入力端子に電気的に接続される。
【0068】
前記第二p型フィードバックトランジスタM20は、ゲートが第二インバータ320の出力端子に電気的に接続され、第1極が接地され、第2極が第二インバータ320の入力端子に電気的に接続される。
【0069】
第二n型フィードバックトランジスタM19と第二p型フィードバックトランジスタM29はどちらも導通を電圧で制御する部品であり、導通条件が満たされない場合には消費電力を発生しない。このため、第二n型フィードバックトランジスタM19と第二p型フィードバックトランジスタM20を備える第一フィードバックコンポーネントは、前記クロック受信回路の全体の消費電力を低減できる。
【0070】
第一n型フィードバックトランジスタM17と第一p型フィードバックトランジスタM18を備える第一フィードバックコンポーネント330と、第二n型フィードバックトランジスタM19と第二p型フィードバックトランジスタM20を備える第二フィードバックコンポーネント340とを採用することで、全体の消費電力を削減できるのみならず、レイアウトがシンプルで占有面積がより小さくなり、クロック受信回路全体の集積度を向上することができる。
【0071】
本開示の第二態様として、クロック受信回路とコアモジュールを備え、当該コアモジュールのクロック信号入力端子が前記クロック受信回路の出力端子に電気的に接続される電子機器を提供する。
【0072】
前記クロック受信回路は、低電源電圧下で十分な利得を提供して大きな出力スイングを得ることができるため、後段のコアモジュールの出力クロック確立過程も相応に高速であり、クロック確立過程においてノイズの影響を受けるのを低減することができ、ひいては回避することができるため、電子機器の出力位相ノイズを小さくし、電子機器の消費電力を低減して、電子機器の性能を向上させることができる。
【0073】
本開示において、コアモジュールについては特に限定しない。任意で、前記コアモジュールは、アナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、フェーズロックループモジュールのうちの何れか1つである。
【0074】
図6に示すのは、コアモジュールをデジタル/アナログコンバータまたはアナログ/デジタルコンバータとする場合であり、
図7に示すのは、コアモジュールをフェーズロックループモジュールとする場合である。
【0075】
本明細書においては例示的な実施例を開示し、また具体的な用語が用いられているが、これらは一般的な説明的な意味としてのみ使用されており、そう解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの実例では、特定の実施例と組み合わせて説明した特徴、特性、および/または要素は、別途明確に指摘しない限り、単独で、または他の実施例を組み合わせて説明した特徴、特性、および/または要素と組み合わせて使用され得ることが当業者には明らかであろう。したがって、添付の請求項によって明らかにされている本開示の範囲から逸脱しない限り、様々な形態および細部における変更が行われ得ると当業者は理解するであろう。
【国際調査報告】