(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】組立式遮断パネル
(51)【国際特許分類】
E04B 1/86 20060101AFI20240621BHJP
E04B 1/82 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
E04B1/86 N
E04B1/82 H
E04B1/82 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580422
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 FR2022051357
(87)【国際公開番号】W WO2023281218
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ダビド ルイ
(72)【発明者】
【氏名】アレクシア ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ピエール ジョプ
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001FA03
2E001HA32
2E001HA33
2E001HC01
(57)【要約】
本発明は、遮断パネル(10)に関し、これは、底部(16)及び蓋部(14)を有し、底部(16)及び蓋部(14)が、これらの周縁部において側壁(12)によって連結されて、ハウジング(17)を形成し、このハウジング内に遮断材料(20)が配置されており、遮断パネルが、上記パネル内に遮断材料を保持するため、かつその崩壊を防止するための、スパイク(32)の形態である保持手段(30)をさらに有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断パネル(10)であって、底部(16)及び蓋部(14)を有し、前記底部(16)及び前記蓋部(14)は、これらの周縁部において側壁(12)によって連結されて、ハウジング(17)を形成し、このハウジング内に遮断材料(20)が配置されており、
前記遮断パネルが、前記パネル内に前記遮断材料を保持するための、かつその崩壊を防止するための保持手段(30)をさらに有し、前記保持手段が、前記遮断パネルの前記底部から延在している複数のスパイク(32)を有することを特徴とする、
遮断パネル(10)。
【請求項2】
前記複数のスパイクが、前記遮断パネルの前記底部に取り付けられている構造体(40、40’)から延在している、請求項1に記載の遮断パネル。
【請求項3】
前記構造体(40)が、前記遮断パネルの前記ハウジング内に配置されている可撓性シート(41)を有し、前記可撓性シート(41)から前記複数のスパイクが延在している、請求項2に記載の遮断パネル。
【請求項4】
前記構造体(40’)が、前記遮断パネルの前記ハウジング内に配置されている2つの平行な可撓性シート(41’)を有し、前記2つの平行な可撓性シート(41’)から前記複数のスパイクが延在している、請求項2に記載の遮断パネル。
【請求項5】
前記可撓性シート(41、41’)が、メッシュを形成している、織り込まれたワイヤである、請求項3又は請求項4に記載の遮断パネル。
【請求項6】
前記複数のスパイクが、前記ワイヤの前記織り込みにおいて前記構造体(40、40’)と一体である、請求項5に記載の遮断パネル。
【請求項7】
前記複数のスパイクが、前記底部及び前記蓋部に対して直交に延在している、請求項1~6のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項8】
前記複数のスパイクが、前記底部と前記蓋部との間の距離の少なくとも25%、好ましくは前記底部と前記蓋部との間の距離の少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも75%に等しい長さを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項9】
前記複数のスパイクが、2~20cm、好ましくは2~15cm、より好ましくは5~10cmの距離で離隔している、請求項1~8のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項10】
前記複数のスパイク間の距離が一定である、請求項1~9のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項11】
前記複数のスパイクが、格子状に整列するように配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の遮断されたパネル。
【請求項12】
前記複数のスパイクが、千鳥状に配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項13】
前記複数のスパイクが、金属又はプラスチック材料でできている、請求項1~12のいずれか1項に記載の遮断パネル
【請求項14】
前記遮断材料が、フレーク状である、請求項1~13のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項15】
前記遮断材料が、10~75kg/m3、好ましくは15~45kg/m3の密度を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の遮断パネル。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の複数の遮断パネルから構成される壁であって、前記遮断パネルが互いに付着している、壁。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項に記載の遮断パネルの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする、方法:
- 前記側壁が予め取り付けられている、前記底部を提供すること;
- 保持手段を提供し、これを前記底部に取り付けること;
- 前記パネルを、前記底部において水平に配置すること;
- 前記遮断材料を提供し、これを前記底面及び前記側壁によって画定されている空間内に流し込むこと;
- 前記蓋部を提供し、これを用いて前記遮断パネルを閉じること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立式パネルの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
建築では、組立工法の原理に基づいて壁を作り出すことがありうる。これらの壁は、複数の組立パネルから構成される。各パネルは、下記の2つのプレートによって閉じられているフレームからなる:石膏又は木材系材料でできている、前面プレート及び後面プレート。このフレーム及びこれらのプレートは、遮断材料(絶縁材料)が置かれているハウジング(筐体)を形成する。この遮断材料は、フレーク状のミネラルウールでありうる。
【0003】
このために、フレームは後面プレートに取り付けられ、そして、上記後面プレートは、平坦/水平に置かれ、それによって、遮断材料を、上記後部プレート及びフレームによって画定される空間内に置きうる。後面プレートを水平に配置することは、遮断材料を良好に分散させ、このようにして熱性能の均一性を確保しつつ、遮断材料を配置することを可能にする。
【0004】
そして、前面プレートがフレームに取り付けられ、それによって、パネルを閉じる。
【0005】
これらのパネルの欠点は、それらの輸送の際、それらが、一般的には、端部を下にして、すなわちフレームを下にして、置かれることである。この配置は、パネルの寸法の結果である。
【0006】
しかしながら、このように端部において置かれている状態では、遮断材料は、その輸送の際に発生する衝撃に対して比較的敏感である。これらの衝撃は、ハウジング内で上記遮断材料の沈下を生じさせる傾向がある。このような沈下は、空洞領域(又は熱橋)の出現によって特徴付けられる:なぜなら、ミネラルウールフレークが一緒に凝集するからである。このようにして、この結果、フレークが均一に分散されなくなり、パネルの熱性能における低下を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、衝撃後、特には輸送後の熱性能の低下が比較的少ない、壁用組立式パネルを提供することによって、従来技術の問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、遮断パネルに関し、これは、底部及び蓋部を有し、これらは、これらの周縁部において、側壁によって連結されて、遮断材料が置かれているハウジングを形成しており、上記遮断パネルが、遮断材料をこのパネル内に保持しかつその崩壊を防止するための保持手段をさらに有することを特徴とする。
【0009】
一実施例によれば、保持手段は、遮断パネルの底部から延在している複数のスパイクを有する。
【0010】
一実施例によれば、複数のスパイクが、遮断パネルの底部に取り付けられている構造体から延在している。
【0011】
一実施例によれば、構造体は、遮断パネルのハウジング内に配置されている、可撓性シートを有し、これから複数のスパイクが延在している。
【0012】
一実施例によれば、構造体は、遮断パネルのハウジング内に配置されている、2つの平行な可撓性シートを有し、これから複数のスパイクが延在している。
【0013】
一実施例によれば、複数のスパイクが、ワイヤの織り込みにおいて構造体と一体である。
【0014】
一実施例によれば、複数のスパイクが、底部及び蓋部に対して直交に延在している。
【0015】
一実施例によれば、複数のスパイクが、底部と蓋部との間の距離の少なくとも25%、好ましくは底部と蓋部との間の距離の少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%に等しい長さを有する。
【0016】
一実施例によれば、複数のスパイクが、2~20cm、好ましくは2~15cm、より好ましくは5~10cmの距離で離隔している。
【0017】
一実施例によれば、複数のスパイク間の距離が一定である。
【0018】
一実施例によれば、複数のスパイクが格子状に整列するように配置される。
【0019】
一実施例によれば、複数のスパイクが千鳥状に配置される。
【0020】
一実施例によれば、複数のスパイクが金属又はプラスチック材料でできている。
【0021】
一実施例によれば、遮断材料はフレーク状である。
【0022】
一実施例によれば、遮断材料は、10~75kg/m3、好ましくは15~45kg/m3の密度を有する。
【0023】
本発明はさらに、上記一実施例のいずれか1つによる複数の遮断パネルで構成される壁に関し、上記遮断パネルが相互関係を有する。
【0024】
本発明はまた、本発明による遮断パネルを組み立てる方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法に関する:
- 側壁が予め取り付けられている、底部を提供すること;
- 保持手段を提供し、底部にそれらを取り付けること;
- パネルを、底部を下にして水平に配置すること;
- 遮断材料を提供し、それを底面と側壁によって画定されている空間内に流し込むこと;
- 蓋部を提供し、それで遮断パネルを閉じること。
【0025】
他の特定の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら、指示として、かつ全く非限定的に与えられる、以下のそれらの説明から明らかになるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】-
図1は、本発明による組立式パネルを概略的に示す;
【
図2】-
図2は、本発明による、開いているパネルを概略的に示す;
【
図3】-
図3は、本発明による保持手段を提供されている、開いているパネルを概略的に示す;
【
図4】-
図4は、本発明による保持手段を提供されている、開いているパネルの外形図を概略的に示す;
【
図5】-
図5は、本発明による保持手段を提供されている、開いているパネルの変形例の外形図を概略的に示す;
【
図6】-
図6は、本発明による組立式パネルへの保持手段の固定の変形例を概略的に示す;
【
図7】-
図7は、本発明による組立式パネルへの保持手段の固定の変形例を概略的に示す;
【
図8】-
図8は、構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す;
【
図9】-
図9は、構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す;
【
図10】-
図10aは、二重構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す。
【
図11】-
図10bは、二重構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す。
【
図12】-
図11は、二重構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す。
【
図13】-
図12は、二重構造体を用いる保持手段の変形例を概略的に示す。
【
図14】-
図13は、本発明による沈下の割合及び従来技術による沈下の割合の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明によるパネル10を描いている。このようなパネルは、フレーム12又は側壁、好ましくは長方形又は正方形のフレーム12又は側壁を有し、2つのプレート、蓋部と呼ばれる前面プレート14、及び底部と呼ばれる後面プレート16によって閉じられている。フレーム12及び2つのプレート14、16は、2つのプレートが好ましくは互いに平行になるように配置されている。
【0028】
フレームは、例えば、木製スラットでできており、プレートは、石膏又は木材に基づく材料でできている。
【0029】
このパネルは、パネルが1m~6mの高さ、1m~6mの幅、10cm~60cmの奥行きを有するような、寸法を有する。
【0030】
フレーム12及び2つのプレート14、16は、
図2に見られうるように、遮断材料20が配置されている、ハウジング17又は空間を形成する。この遮断している材料、又は遮断材料20は、ミネラルウールタイプの材料、例えばグラスウール若しくはロックウールなどの材料、又はウッドウールタイプの遮断材料である。
【0031】
グラスウールタイプのミネラルウールの場合、これは、10~75kg/m3、好ましくは15~45kg/m3の密度を有する、フレーク又はノジュールの形態である。
【0032】
このようなパネルを製造するために、フレーム12及び後面プレート16が取り付けられ、そして、後面プレートを下にして、平らに配置される。この位置決めは、上記後面プレート16及びフレーム12によって形成される空間を利用することを可能にする。
【0033】
この空間17は、それが前面プレートによって閉じられる前に、遮断材料で充填されうる。
【0034】
有利なことに、本発明によれば、パネル10は、
図3に見られうるように、保持手段30を有する。これらの保持手段30は、パネルの輸送の際、すなわち、それが取り扱われ、衝撃を受け、その面の一方又は他方において、異なる方法で配置されているときに、フレークを所定の位置に保持することを可能にする手段である。
【0035】
これらの保持手段30は、複数のスパイク32、すなわち少なくとも2つのスパイクを有する。これらのスパイク32はロッド状である。そして、これらのスパイク32は、その断面がそれらの長さに対して無視できる直径を有する要素であることが理解されよう。これらのスパイク又はロッド32は、
図3及び4に見られうるように、前面プレート14又は後面プレート16の平面に対して実質的に直交する方向に延在するように、パネル内に配置されている。これによって、スパイク32又はロッドは、プレートの平面に対して直交に延在するか、又はプレートの平面に直交する軸に対して最大45度傾いていることが理解される。
【0036】
この複数のスパイク32の機能は、フレーク自身の間、かつフレークとパネルの構造との間に存在しうる摩擦を増大させることである。この摩擦の増大は、衝撃の際、特には輸送の際、比較的良好なフレークの保持を提供する傾向がある。
【0037】
この効果を明確にするために、本発明は、パネル内に分散された複数のスパイク32を有することを提案する。
【0038】
スパイク32は、金属又はプラスチック又は木材でできている。
【0039】
好ましくは、用いられる材料は、スパイクの存在がパネルの性能を乱さないような、熱特性を有する。
【0040】
密度20kg/m
3を有する遮断材料について、高さ550mm、幅550mm、及び厚さ165mm、並びに42個のスパイクを有するパネルの一実施例では、
図13に示す図において、スパイクのないパネルについての沈下が14%超である一方で、スパイクが存在する場合の沈下は約3%であることがわかりうる。
【0041】
本発明によれば、スパイク32の数は、2つのスパイク間の間隔が2~20cm、好ましくは2~15cm、優先的には5~10cmとなるようなものである。
【0042】
この間隔は、遮断材料の密度によって変化する。実際、高さ550mm、幅550mm、及び厚さ165mmを有するパネルを用いて、以下に見られうるように、間隔(5cm及び8.5cm)並びに密度(20kg/m
3、30kg/m
3及び40kg/m
3)のいくつかの構成を試験した。以下の表は、遮断材料の様々な密度について、かつ様々なスパイクの間隔についての、沈下量(単位:mm)を示している。
【表1】
【0043】
その結果、所定の間隔に関して、密度を大きくすることは、沈下量を小さくすることを可能にする。また、密度によって沈下性能が異なることがわかる。したがって、密度が低い場合には、小さい間隔が有効であり、一方で密度が高い場合には、比較的大きい間隔が有効でありうると考えられる。
【0044】
スパイク32間のこの間隔は、好ましくは一定であるが、それが種々の値を有しうることも十分ありうる。したがって、パネルの中心に位置しているスパイクの間隔が、周縁部に位置しているスパイクの間隔と異なること、又は単にパネルの領域が、異なる間隔を有するスパイク32を有することがありうる。
【0045】
スパイク32間の間隔は、スパイクが格子状に整列するように配置されるか、又は千鳥状に配置されるようなものである。
【0046】
同様に、スパイク32の高さは調整可能な変数である。スパイクがパネルの厚さ全体にわたって延在している必要はない。実際、本発明の作用は、摩擦を増加すること、及びフレークの保持を向上することを可能にする、スパイク又はロッドの存在に基づいている。
【0047】
したがって、
図5に見られうるように、パネルの深さの少なくとも25%に等しい長さを有するスパイク32は、沈下に対して効果を有する。
【0048】
好ましくは、スパイクは深さの少なくとも50%、さらには75%、さらにより好ましくは100%に等しい長さを有する。
【0049】
スパイク及びパネル内のそれらの分布の利点は、上記ハウジングを仕切る必要なくハウジング内のフレークの保持を増加させ、このようにして中間沈下を回避することである。実際、スパイクは、フレーク自体の間、かつフレークとパネルの構造体との間にありうる摩擦を増加させることによって、フレークの比較的良好な保持を得るために用いられる。スパイク間の間隔は、フレークが自由に動くことを可能にする。このようにして、スパイクと、スパイク間の間隔との関連性は、上記パネルを仕切ることなく、フレークがパネル内で保持されて、沈下を抑えることを可能にする。これらの保持手段30は、パネル内に、これに遮断材料が充填される前に配置される。
【0050】
パネル内にスパイクを組み込むために、いくつかの実施形態がありうる。
【0051】
第1実施形態では、
図6に見られうるように、スパイク32は後面プレート16に直接取り付けられる。そして、各スパイク32は接着によってプレートに取り付けられる。このために、プレートは随意に、スパイクの位置にそれぞれ対応する複数の止まり穴160が印されている。そして、各スパイクを穴の中に入れ、次いで接着する。
【0052】
代替的には、各スパイク32は、
図7に示すように、上記スパイクを後面プレート上にねじ止めすることを可能にする締付ヘッド32aを備える。
【0053】
このように、この第1実施形態によるスパイク32は、後面プレート16に、これのフレーム12との組立て前又は組立て後に、しかしながら遮断材料を充填する前に、取り付けられる。
【0054】
第2実施形態では、スパイク32は、構造体40を介してパネルに取り付けられる。この構造体40は、シート41の形態であり、これからスパイクが延在している。これらのスパイク32は、シート41に取り付けられている要素であるが、シート41を有する材料でありうるし/シート41と一体でありうる。
【0055】
スパイク32が、付加された要素である場合、スパイク32及びシート41は構造体を形成している;これらは同じ材料でできていてよく、又は異なる材料でできていてよい。したがって、木製構造体、及び金属若しくはプラスチックスパイク、又は金属シート、及び金属スパイクを有することもありうる。
【0056】
スパイク32とシート41とが一体である場合、スパイク及びシートの材料は同一である。これは、木材又は金属の場合には、機械加工によってシート及びスパイクのアセンブリを作製することを可能にし、一方でプラスチックの場合には、射出成形を用いうる。もちろん、このシート・スパイクアセンブリを得ることを可能にする全てのありうる方法を用いうる。
【0057】
この第2実施形態では、
図8に見られうるように、スパイク32を提供されているシート41が後面プレート16に取り付けられている。この取り付けは、パネルの向きに関係なくシートが所定位置に留まることを可能にする。この取り付けは、釘打ち、ステープル留め、接着、ねじ留めによって、又はスナップ留めシステムによって行われうる。
【0058】
図9に見られうる変形例では、可撓性シート41であって、これからスパイクが延在している可撓性シート41が、穿孔されており、すなわちそれが複数の開口部42を有する。これらの開口部42は、第1に、構造体40を軽くするためにできている。実際、この可撓性シート41は無用な追加重量を提供する。
【0059】
第2に、これらの開口部は、熱性能に対する可撓性シート41の影響を抑える。実際、可撓性シート41に用いられる材料が良好な熱遮断材料でなく、それによって、遮断パネルの熱性能が低下することがありうる。この低下を抑えるために、開口部42は、あまり効率的でない材料の量を抑えることを可能にする。
【0060】
この第2実施形態では、スパイク32及び可撓性シート41は、後面プレートに、これのフレームとの組立て前又は組立て後に、しかしながら遮断材料を充填する前に、固定される。
【0061】
第3実施形態では、保持手段30のスパイク32は、二重構造体40’を介して取り付けられる。この二重構造体40’は、
図10a及び
図10bに見られうるように、2つの可撓性シート41’を有し、これらの間にスパイク32が延在している。これら2つのシートは、好ましくは互いに平行である。
【0062】
第2実施形態と同様に、可撓性シート41’及びスパイク32は、下記の異なる材料でできていてよいし:木材、プラスチック、金属:又は同じ材料でできていてよく、それらは、接着、釘打ち、ステープル留め、ねじ留め、スナップ留めによる、若しくは任意の他の手段による材料でできていてよく、又は接着、釘打ち、ステープル留め、ねじ留め、スナップ留めによって、若しくは任意の他の手段によって、互いに取り付けられてよい。
【0063】
保持手段を配置した後に遮断材料をパネル内に配置することを考えると、上記手段は、遮断材料が上記パネルを満たすことを可能にするように、設計される必要がある。このため、後面プレートに取り付けられていないか、又は接触していない、可撓性シートは、穿孔されており、すなわち、それは、2つの可撓性シート41’の間に遮断材料を挿入することを可能にする複数の開口部を有する。
【0064】
好ましい実施形態では、これらの開口部は、後面プレートに取り付けられているか、又は接触している、可撓性シート41’上にも作られている。これらの開口部は、可撓性シート41’の重量を抑えることを可能にするだけでなく、性能低下を抑えることも可能にする。実際、可撓性シート41’が後面プレートと完全に接触していると、この可撓性シート41’が、材料であってそれ自体低い熱性能を有する材料でできている場合、パネルの性能が低下するリスクがある。
【0065】
開口部を有すると、この材料の影響は少なくなり、したがって性能低下も軽減される。
【0066】
図11に見られるように、2つの可撓性シート41’が穿孔されている場合、すなわちそれらが開口部を有する場合、これらの開口部はスパイク32の配置を妨げないことが必要である。このため、2つの可撓性シート41’は、好ましくは、2つの可撓性シート41’の開口部が2つずつ互いに対向するように、同様に穿孔されている。
【0067】
さらにより好ましい実施形態では、
図12に見られうるように、2つの可撓性シート41’は、それぞれ、織り込まれたワイヤによって形成されている格子によって置き換えられる。これら2つの格子は、スパイクによって一緒に接続されており、スパイクは格子を形成するワイヤから延在している。2つの可撓性シート及びスパイクは、枠組み、例えばメッシュなどを形成する。
【0068】
この格子状の構成は、有利には、パネルの性能を低下させやすい材料の量を抑えることを可能にしつつ、パネルへの遮断材料の良好な充填を可能にする。
【0069】
この第3実施形態では、全てのスパイクが2つのシート又は格子の間に延在している、すなわちそれらが2つのシート又は格子に接触していることがありうるが、代替的にはそうでない場合もありうる。
【0070】
実際、スパイク32の一部分が、両方のシート又は格子に接触して延在しており、スパイクの他の部分がそうでないことがありうる。このように、両方のシート又は格子と接触することなく、いずれかのシート又は格子からスパイクを延在させることもありうる。
【0071】
両方のシート又は格子に接触しているスパイクは、追加的な機能を有し、これは、構造的なものであり、2つのシート又は格子を互いに離隔するように保持することにあるものである。
【0072】
もちろん、本発明は、図示した例に限定されるものではないが、当業者に対して明らかになるであろう、様々な変形例及び変更を受けうる。
【0073】
したがって、スパイクを後面プレート及び前面プレートに、又は前面プレートに取り付けることができるようにすることも可能でありうる。
【国際調査報告】