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特表2024-523628マルチプローブ顕微鏡用照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】マルチプローブ顕微鏡用照明システム
(51)【国際特許分類】
   G01Q 70/06 20100101AFI20240621BHJP
   G01Q 20/02 20100101ALI20240621BHJP
   G01Q 10/04 20100101ALI20240621BHJP
【FI】
G01Q70/06
G01Q20/02
G01Q10/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580549
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 GB2022051465
(87)【国際公開番号】W WO2023275507
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2109549.2
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513193875
【氏名又は名称】インフィニテシマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリス,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ホール,ジョン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】プライス,クリストファー
(57)【要約】
複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイを有するプローブ顕微鏡。照明システムは複数の光源を有する。各光源はそれぞれ光ビームを出力する。レンズアレイは複数のレンズのアレイを有する。各光源レンズは照明システムからのそれぞれの光ビームを受けるように位置決めされる。集光レンズはレンズアレイからの光ビームを集める。対物レンズは集光レンズからの光ビームを受けて、各光ビームの焦点を複数のプローブのそれぞれの前記カンチレバーに合わせる。照明システムは光ビームの電力を変調してプローブを作動させ、照明システムは光ビームの一部またはすべての電力を独立して変調する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、
複数の光源を有し、各光源はそれぞれ光ビームを出力する、照明システムと、
前記光源からの前記光ビームを集める集光レンズと、
前記集光レンズからの前記光ビームを受けて、各光ビームの焦点を前記複数のプローブのそれぞれの前記カンチレバーに合わせる対物レンズと、
を有することを特徴とするプローブ顕微鏡。
【請求項2】
前記光ビームは、作動光ビームであり、
前記光源は、作動光源であり、
前記照明システムは、前記プローブを作動させるように前記作動光ビームの電力を変調し、
前記照明システムは、前記作動光ビームの一部の作動光ビームまたはすべての作動光ビームの前記電力を独立して変調することを特徴とする請求項1に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項3】
前記照明システムは、前記作動光ビームの前記電力の変調によって前記カンチレバーを移動させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項4】
各作動光源は、光を生成して放出する光生成器を有し、
前記光生成器は、前記プローブを作動させるように前記作動光ビームの前記電力を変調し、
前記光生成器の一部の光生成器またはすべての光生成器が、前記作動光ビームの前記電力を独立して変調することを特徴とする請求項2または3に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項5】
前記照明システムは、2つ以上の変調器を有し、
各変調器は、1つ以上の前記作動光ビームの電力を変調することを特徴とする請求項2または3に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項6】
各作動光源は、光ファイバを有し、
各変調器は、光を受けて、前記光の電力を変調して電力変調された光を生成し、前記電力変調された光を1つ以上の前記光ファイバに向けることを特徴とする請求項5に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項7】
2つ以上の電力変調信号を生成する信号生成器をさらに有し、
前記照明システムは、前記電力変調信号に基づいて前記作動光ビームの前記電力を変調することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項8】
前記光ビームは、検出光ビームであり、
前記光源は、検出光源であり、
前記プローブは、前記検出光ビームを反射して感知光ビームを生成し、
前記プローブ顕微鏡は、前記感知光ビームを受けて前記感知光ビームから前記プローブの位置を特定する感知システムをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項9】
複数の検出光源を有する検出システムをさらに有し、
各検出光源は、それぞれ検出光ビームを出力し、
前記対物レンズは、前記検出光ビームを受けて、それぞれの検出光ビームの焦点をそれぞれの前記プローブの前記カンチレバーに合わせ、
前記プローブは、前記検出光ビームを反射して感知光ビームを生成し、
前記プローブ顕微鏡は、前記感知光ビームを受けて前記感知光ビームから前記プローブの位置を特定する感知システムをさらに有することを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項10】
前記感知光ビームは、前記対物レンズによって受けられ、前記対物レンズから前記感知システムにリレーされることを特徴とする請求項8または9に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項11】
前記感知システムは、干渉計を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項12】
各光源は、前記光源の開口数を減少させる手段を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項13】
前記光源の開口数を減少させる各手段は、それぞれ光源レンズまたは屈折率分布型光ファイバとしての要素を有することを特徴とする請求項12に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項14】
各光源は、光源レンズを有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項15】
前記照明システムは、前記光源を支持して位置決めする構造をさらに有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項16】
各光源は、光ファイバを有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項17】
前記構造は、複数のV字溝を有し、各V字溝は、それぞれの前記光ファイバを担持することを特徴とする請求項15または16に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項18】
前記照明システムは、光を生成して放出する光生成器と、前記光を受ける入力ファイバと、前記入力ファイバから前記光を受けて前記光を前記光ファイバに分配するファイバスプリッタと、を有することを特徴とする請求項16または17に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項19】
各光源は、光を生成して放出する光生成器を有することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項20】
各光源は、それぞれの前記光生成器から光を受ける光ファイバをさらに有することを特徴とする請求項19に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項21】
各光生成器は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL;Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)を有することを特徴とする請求項19または20に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項22】
前記光ビームは、前記光源から出るときに互いに平行であり、および/または、前記光ビームは、前記集光レンズに入るときに互いに平行であることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡。
【請求項23】
複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、
光を生成して放出する1つ以上の光生成器と、光ファイバのアレイを有する光ファイバアレイと、を有し、前記光ファイバアレイは、前記1つ以上の光生成器から放出される前
記光を受け、各光ファイバは、それぞれの光ビームを出力する、照明システムと、
前記光ファイバからの前記光ビームを集める集光レンズと、
前記集光レンズからの前記光ビームを受けて、各光ビームの焦点を前記複数のプローブのそれぞれの前記カンチレバーに合わせる対物レンズと、
を有することを特徴とするプローブ顕微鏡。
【請求項24】
複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、
複数の光生成器のアレイを有し、各光生成器はそれぞれ光ビームを生成して出力する、光生成器アレイと、
前記光生成器からの前記光ビームを集める集光レンズと、
前記集光レンズからの前記光ビームを受けて、各光ビームの焦点を前記複数のプローブのそれぞれの前記カンチレバーに合わせる対物レンズと、
を有することを特徴とするプローブ顕微鏡。
【請求項25】
請求項2から7のいずれか1項に記載のプローブ顕微鏡を作動させる方法であって、
前記光ビームの前記電力を変調することによって前記プローブを作動させるステップ
を有し、
前記光ビームの一部の光ビームまたはすべての光ビームの前記電力は、それぞれ異なるように変調される
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブアレイを備えたプローブ顕微鏡、およびプローブを作動または検出するための光ビームを生成するように構成された照明システムに関する。また、本発明は、関連するプローブ作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「プローブアレイヘッドを使用するマルチプローブ走査プローブ顕微鏡」(Fengmin Sun,Zhenyu Zhue and Long Ma; Rev. Sci. Instrum. 91, 123702 (2020) ; https://doi.Org/10.1063/5.0015897)には、撮像効率を改善するための微小電気機械システム(MEM
S;Microelectromechanical System)ベースのマルチプローブ走査プローブ顕微鏡(S
PM;Scanning Probe Microscope)が開示している。SPMヘッドは、7つの同一のM
EMSプローブを含み、それぞれが変位センサとZ軸アクチュエータとを統合している。
【0003】
別の手法が米国特許出願公開第2015/0219686号明細書において採用されており、これには、複数のプローブの位置を検出する方法が開示されている。入力ビームは、光学デバイスに向けられ、互いに平行ではない複数の出力ビームレットに変換される。各出力ビームレットは、検出光ビームと関連する参照ビームレットとに分割される。それぞれの検出光ビームは、対物レンズを用いて関連する1つのプローブに向けられることで反射ビームレットを生成し、反射ビームレットは、その関連する参照ビームレットと結合されてインターフェログラムを生成する。各インターフェログラムは、関連する1つのプローブの位置を決定するために測定される。同様の方法によって、複数のプローブが作動される。プローブと試料との間には、走査運動が生じる。入力ビームは、光学装置に向けられ、互いに平行ではない複数の作動ビームレットに変換される。米国特許出願公開第2015/0219686号明細書に開示のシステムでは、空間光変調器(SLM;Spatial Light Modulator)が、作動ビームレットの個々のビームレットの強度を独立して制御
することができるが、典型的には100Hzであるが1kHzを超えない低い変調速度でのみ制御することができるものである。
【0004】
米国特許出願公開第2005/0117163号明細書には、アレイカンチレバー動作のために修正可能な走査プローブシステムが開示されている。米国特許出願公開第2005/0117163号明細書の図7には、2つの代替アレイ光源ユニットと、アレイカンチレバープローブの2つの代替配置と、2つの代替アレイ光検出器ユニットが開示されている。これらのユニットは、1次元または2次元アレイ形態で配列することができる。
【0005】
米国特許出願公開第2005/0117163号明細書の図7では、レンズが、光源とプローブとの間に示されている。米国特許出願公開第2005/0117163号明細書の図7の光学配置に係る課題は、光源からの光ビームが平行である場合に、レンズが、各光ビームの焦点を異なるプローブ上に合わせるのではなく、それらの焦点をすべて同じプローブに合わせることである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様は、複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、複数の光源を有し、各光源はそれぞれ光ビームを出力する、照明システムと、前記光源からの前記光ビームを集める集光レンズと、前記集光レンズからの前記光ビームを受けて、各光ビームの焦点を前記複数のプローブのそれぞれの前記カンチレバーに合わせる対物レンズと、を有するプローブ顕微鏡を提供する。
【0007】
本発明は、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書と比較して、プローブ照明のための改善された照明システムを有するプローブ顕微鏡を提供する。米国特許出願公開第2015/0219686号明細書とは異なり、照明システムは、光生成器(レーザなど)、光ファイバ、または任意の他の光源であり得る、複数の光源を備える。
【0008】
本発明の利点は、空間光変調器(SLM;Spatial Light Modulator)が照明システム
の一部として必須ではないため、本発明は、低い変調率など、SLMに関連する問題を回避し得ることである。
【0009】
本発明の別の利点は、集光レンズまたは対物レンズのいずれかの焦点距離を変更することによって、プローブ先端間のピッチの変化に対応するようにプローブ顕微鏡を容易に適合させることができることである。
【0010】
米国特許出願公開第2005/0117163号明細書における配置とは異なり、対物レンズに加えて集光レンズが設けられる。集光レンズによって、複数の光ビームの焦点を同じ点に合わせることなく、各光ビームの焦点をプローブのそれぞれのカンチレバーに合わせることが保証される。
【0011】
本明細書において、「光源」という用語は、光が発せられる能動的な光生成器要素(レーザなど)だけでなく、他の場所で発せられた光を通過させる受動的な要素(光ファイバなど)も包含するために使用される。したがって、各光源は、光を生成して放出するように構成された光生成器(レーザなど)を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0012】
任意選択的に、光ビームは作動光ビームであり、光源は作動光源であり、集光レンズは作動集光レンズであり、照明システムはプローブを作動させるように作動光ビームの電力を変調し、照明システムは作動光ビームの一部の作動光ビームまたはすべての作動光ビームの電力を独立して変調する。
【0013】
任意選択的に、照明システムは、作動光ビームの電力の変調によってカンチレバーを移動させる(例えば、曲げる、曲げを戻す、ねじる、ねじりを戻すなど)。
【0014】
任意選択的に、各作動光ビームは、光熱効果によって、それぞれのプローブを加熱および変形させる。本明細書において、「光熱効果」という用語は、プローブの加熱によって引き起こされるプローブの変形を全般的に指すために使用され、そのようなプローブの加熱は、その照射によって誘発される。この代わりに、作動光ビームは、放射圧などの何らかの他のメカニズムによって、プローブを変形させ得る。放射圧は、高反射プローブコーティング、理想的には何らかの形態のキャビティ、場合によってはプローブに取り付けられたミラーと組み合わせて使用することができる。
【0015】
各プローブは、異なる熱膨張係数を有する2つ以上の材料を有してよく、これらの材料は、プローブがそれぞれの作動光ビームによって加熱されると変形して試料に対してプローブを移動させるように配置される。この代わりに、各プローブは、単一の材料から作製されてもよく、この場合、プローブの領域を加熱することによって導入される熱勾配によって変形し、典型的には、作動光ビームによって加熱されるプローブの側面とプローブの反対側との間に機械的応力を誘発する。
【0016】
任意選択的に、各作動光源は、光を生成して放出する光生成器(レーザなど)を有し、光生成器は、プローブを作動させるように作動光ビームの電力を変調し、光生成器の一部の光生成器またはすべての光生成器が、作動光ビームの電力を独立して変調する。
【0017】
任意選択的に、照明システムは、2つ以上の変調器を有し、各変調器は、1つ以上の作動光ビームの電力を変調する。任意選択的に、各作動光源は、光ファイバを有し、各変調器は、光を受けて、光の電力を変調して電力変調された光を生成し、電力変調された光を1つ以上の光ファイバに向ける。
【0018】
任意選択的に、プローブ顕微鏡は、2つ以上の電力変調信号を生成する信号生成器をさらに有し、照明システムは、電力変調信号に基づいて作動光ビームの電力を変調する。
【0019】
任意選択的に、プローブ顕微鏡は、複数のプローブの位置を特定するように構成された検出システムをさらに有する。検出システムは、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書において説明される種類の干渉計ベースの光検出システム、光レバーベースの検出システム、または任意の他のタイプの検出システムであってよい。この代わりに、検出システムを必要としない構成でもよい。
【0020】
任意選択的に、照明システムによって生成される光ビームは検出光ビームであり、光源は検出光源であり、プローブは検出光ビームを反射して感知光ビームを生成し、プローブ顕微鏡は、感知光ビームを受けて感知光ビームからプローブの位置を特定する感知システムをさらに有する。
【0021】
任意選択的に、感知光ビームは、対物レンズによって受けられ、対物レンズから感知システムにリレーされる。
【0022】
任意選択的に、検出システムは、複数の検出光源を有し、各検出光源は、それぞれ検出光ビームを出力し、対物レンズは、検出光ビームを受けて、それぞれの検出光ビームの焦点をそれぞれのプローブのカンチレバーに合わせ、プローブは、検出光ビームを反射して感知光ビームを生成し、プローブ顕微鏡は、感知光ビームを受けて感知光ビームからプローブの位置を特定する感知システムをさらに有する。
【0023】
任意選択的に、検出システムは、検出光源から検出光ビームを集める検出集光レンズをさらに有し、対物レンズは、集光レンズから検出光ビームを受ける。この代わりに、検出システムは、検出集光レンズを有さなくてもよく、あるいは別個の検出集光レンズを有する代わりに、検出システムは、作動集光レンズが検出光ビームおよび作動光ビームの両方を集めるように、作動システムの作動集光レンズを共有してもよい。
【0024】
任意選択的に、感知システムは干渉計を有する。
【0025】
任意選択的に、各検出光ビームは、対物レンズを用いて関連するプローブに向けられ、干渉計において関連する参照ビームと組み合わされてインターフェログラムを生成する反射感知ビームを生成する。
【0026】
以下の任意選択の特徴が、光源、光ビーム、光源レンズ、または集光レンズを指す場合は、これらの特徴は、作動システム、検出システム、またはその両方に適用することができる。
【0027】
任意選択的に、各光源の開口数は0.05以下、または0.02以下である。一実施形態では、各光源の開口数は約0.01である
【0028】
任意選択的に、各光源は、光源の開口数を減少させる手段を有する。一例として、これは、光源レンズまたは屈折率分布型(GRIN)光ファイバなどの屈折要素、光ファイバ
の湾曲した端面、または他の任意の適切な手段を有してもよい。任意選択的に、光源の開口数を減少させる手段は、光源の開口数を0.05以下、または0.02以下に減少させる。
【0029】
任意選択的に、各光源は光源レンズを有する。
【0030】
各光ビームは、光源レンズを出るときに発散または収束し得る。任意選択的に、光ビームは、光源を出るときに互いに平行であり、および/または、光ビームは、集光レンズに入るときに互いに平行である。
【0031】
任意選択的に、光源レンズ間のピッチは、1mm未満、または0.5mm未満、または
0.25mm未満である。
【0032】
任意選択的に、光源レンズは共平面焦点面を有し、すなわち、光源レンズは実質的に同じ平面内にある焦点面を有する。
【0033】
任意選択的に、照明システムは、光源を支持して位置決めする構造をさらに有する。
【0034】
任意選択的に、構造は複数のV字溝を有し、各V字溝はそれぞれの光ファイバを担持する。
【0035】
任意選択的に、各光源は光ファイバを有する。
【0036】
任意選択的に、照明システムは、光を生成して放出する光生成器(レーザなど)と、光を受ける入力ファイバと、入力ファイバからの光を受けて各光ファイバに分配するファイバスプリッタと、を有する。
【0037】
任意選択的に、各光源は、光を生成して放出する光生成器(レーザなど)を有する。任意選択的に、各光源は、それぞれの光生成器から光を受ける光ファイバをさらに有する。
【0038】
任意選択的に、各光生成器は垂直共振器面発光レーザ(VCSEL;Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)有する。
【0039】
任意選択的に、照明システムは、VCSELを支持して位置決めする半導体基板をさらに有する。
【0040】
任意選択的に、各光ビームは、対物レンズに入るときに互いに平行な平面上にある。
【0041】
任意選択的に、光ビームは、対物レンズに入るときに互いに平行ではない。
【0042】
任意選択的に、プローブ先端間のピッチは、100μm未満、または20μm未満、または15μm未満である。
【0043】
任意選択的に、光源間のピッチは、1mm未満、または0.5mm未満、または0.25mm未満である。
【0044】
任意選択的に、各光源レンズは、それぞれの光ファイバに結合されるか、または他の方法で物理的に接続される。
【0045】
典型的には、複数のプローブは、5つ以上のプローブ、または10つ以上のプローブを
含む。任意選択的に、複数のプローブは100以上のプローブを含む。
【0046】
プローブは、単一の直線上に配置されてもよいし、2次元アレイに配置されてもよい。
【0047】
光源は、アレイにおいて互いに空間的に分離されてよい。アレイは、単一の直線を構成するように設けられてよいし、2次元アレイを構成するように設けられてもよい。
【0048】
任意選択的に、プローブ顕微鏡は、プローブを移動させることによって、および/または、試料を移動させることによって、プローブと試料との間に走査運動を生成するように構成された走査型プローブ顕微鏡である。
【0049】
任意選択的に、走査型プローブ顕微鏡は、プローブを移動させることによってプローブと試料との間に走査運動を生成し、プローブ顕微鏡は、トラッキングミラーをさらに有する。トラッキングミラーは、集光レンズから光ビームを受けて、対物レンズに向けて反射するように構成されてもよく、トラッキングミラーは、走査運動中に移動して光ビームをカンチレバー上に維持するようにさらに構成されてもよい。
【0050】
プローブ顕微鏡は、以下を含む(以下に限定されない)いくつかの用途で使用することができる。例えば、極紫外線(EUV;Extreme Ultraviolet)マスク検査およびレビュ
ーのための走査型プローブ顕微鏡検査、複数のバイオマーカーを検出するためのバイオセンシング、走査プローブが基板上に化学化合物を堆積させるディップペンナノリソグラフィなどのナノリソグラフィ、各プローブがヒーターを有し、温度を独立して上昇させてポリマー基材を溶融させ、プローブによるインプリント動作によってバイナリ数字を表す窪みを生成するデータ記憶装置。したがって、本明細書において、「プローブ顕微鏡」という用語は、必ずしも撮像または検査のために使用されるものではなく、代わりに、試料の操作または修正などの他の目的のために使用され得る機器を指すために使用され得る。
【0051】
本発明のさらなる態様は、複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、光を生成して放出する1つ以上の光生成器と、光ファイバのアレイを有する光ファイバアレイと、を有し、光ファイバアレイは、1つ以上の光生成器から放出される光を受け、各光ファイバは、それぞれの光ビームを出力する、照明システムと、光ファイバからの光ビームを集める集光レンズと、集光レンズからの光ビームを受けて、各光ビームの焦点を複数のプローブのそれぞれのカンチレバーに合わせる対物レンズと、を有するプローブ顕微鏡を提供する。
【0052】
本発明のさらなる態様は、複数のプローブのアレイを有し、各プローブはカンチレバーとプローブ先端とを有する、プローブアレイと、複数の光生成器のアレイを有し、各光生成器はそれぞれ光ビームを生成して出力する、光生成器アレイと、光生成器からの光ビームを集める集光レンズと、集光レンズからの光ビームを受けて、各光ビームの焦点を複数のプローブのそれぞれのカンチレバーに合わせる対物レンズと、を有するプローブ顕微鏡を提供する。
【0053】
本発明のさらなる態様は、上記のプローブ顕微鏡を作動させる方法であって、光ビームの電力を変調することによってプローブを作動させるステップを有し、光ビームの一部の光ビームまたはすべての光ビームの電力は、それぞれ異なるように変調される方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
以下に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0055】
図1図1は、走査型プローブ顕微鏡の概略図である。
図2図2は、図1の顕微鏡の干渉計を示す。
図3図3は、図1の顕微鏡の作動照明システムの第1実施形態を示す。
図4A図4Aは、レンズシステムを示す図である。
図4B図4Bは、光源レンズによって提供される開口数の減少を示す。
図5図5は、光ファイバおよびV字溝支持体の端面図である。
図6図6は、カンチレバーおよび照明スポットを示す図である。
図7図7は、図1の顕微鏡の作動照明システムのさらなる実施形態を示す。
図8図8は、図1の顕微鏡の作動照明システムのさらなる実施形態を示す。
図9図9は、カンチレバー当たり2つの作動ビームを有するカンチレバーを示す。
図10図10は、作動光源の2次元アレイを示す図である。
図11図11は、本発明のさらなる実施形態による走査型プローブ顕微鏡の概略図である。
図12図12は、図11の顕微鏡の干渉計を示す図である。
図13図13は、図11の顕微鏡の検出照明システムの第1実施形態を示す図である。
図14図14は、図11の顕微鏡の検出照明システムのさらなる実施形態を示す図である。
図15図15は、図11の顕微鏡の検出照明システムのさらなる実施形態を示す図である。
図16図16は、本発明のさらなる実施形態によるプローブ顕微鏡を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による干渉計ベースの検出システム79および光熱作動システム69を組み込んだ走査プローブ顕微鏡が示されている。この走査型プローブ顕微鏡の種々の特徴は、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書に詳細に記載されており、その開示内容を参照により本明細書に引用する。
【0057】
顕微鏡は、熱作動バイモルフプローブのアレイによって、表面が調査される試料1aを受け入れるように適合された可動ステージ1を備え、図1にはそのうちの1つだけが示されている。走査能力は、試料1aの平面(x,y)におけるプローブアレイの相対運動を提供するSPMコントローラ3によって動作可能なx,yスキャナ2と、プローブアレイの光熱作動によって達成可能な範囲よりも大きい範囲にわたって、プローブおよび試料を互いに向かっておよび互いから離れるように(z方向に)移動させるように動作可能な圧電ドライバ4を備えるz位置決めシステムと、の2つの従来の駆動システムによって提供される。
【0058】
プローブアレイは、カンチレバービーム5a~5eの線形アレイを備え、それぞれが、カンチレバービームの遠位端に向かって位置する先細り形状のプローブ先端6a~6eを担持する。各カンチレバービーム5a~5eの他方の(基部または近位)端部は、マウント7によって支持される。本実施形態では、z位置決めシステム4は、プローブマウント7に接続される。あるいは、z位置決めシステム4は、試料台1に接続されてもよい。
【0059】
図1は、プローブアレイの1つのプローブ5a、6aのみを概略的に示し、このプローブは、カンチレバー5aおよびプローブ先端6aを示すために、通常の向きに対して90°回転されて示されている。アレイの5つすべてのプローブのプローブ先端6a~6eは図4Aに示し、アレイの5つすべてのプローブのカンチレバー5a~5eは図6に示す。
【0060】
各プローブ先端6a~6eは、それぞれのカンチレバービーム5a~5eの自由端に位
置する3次元、多くの場合、円錐形またはピラミッド形の構造を備える。各プローブ先端6a~6eは、インテロゲーション時に表面との相互作用のその最も近い点である点まで先細りになっている。カンチレバーは、先端を除き、一端で先端を支持し、他端で顕微鏡装置によって保持されるビーム自体である。カンチレバーとプローブ先端を合わせてプローブと呼ぶ。
【0061】
各プローブは、概して、シリコンまたは窒化シリコンから形成される。典型的には、カンチレバー5a~5eは、長さが約50~200μm、幅が20~50μm、厚さが約0.2~2μmであるが、当然ながら、このサイズは用途に応じて変えることができる。ま
た、形状も、変更されてもよく、典型的には、長方形または三角形であり、後者の場合、先端が三角形の頂点の近くに位置する。各プローブ先端6a~6eは、典型的には、その基部において5μmであり、高さが3~10μmであり、端部曲率半径が2~20nmである。使用中、プローブ先端6a~6eの端部の尖頭は、試料1aに向かって配向される。より小さな寸法のプローブは、より速い撮像速度で使用するために製作することができる。これらのプローブは、長さが約5~20μmで幅が3~10μmのカンチレバーを有し、それに対応して先端が小さい。先端は、カンチレバービーム製造プロセスの一部として形成されるか、または後処理ステップとして、例えば、電子ビーム堆積(EBD;Electron Beam Deposition)を使用して、ダイヤモンドライクカーボン(DLC;Diamond Like Carbon)スパイクを生成するために追加されてもよい。さらに、カンチレバービーム
は、典型的には、金またはアルミニウムである金属でコーティングされ、光学検出方法を使用する際に、カンチレバービームの反射率を増加させる。
【0062】
本システムは、原理的に、任意の従来のSPM撮像モードと、半導体ウエハまたはフォトマスクの検査などの工業的検査のために開発されたより高度なモードとが可能である。本システムは、カンチレバープローブのアレイの並列動作を可能にする。
【0063】
検出システム79は、空間光変調器(SLM)12に入射する検出入力ビーム11を生成する検出レーザ10を備え、ビームは必要な数の検出ビームレットに分割され、各ビームレットは検出光ビームを構成する。典型的には、ビーム11は、アレイ内のカンチレバーごとに1つのビームレットに分割される。したがって、この場合、5つの検出光(プローブ当たり1つ)が生成される。説明を容易にするために、5つの検出光ビームのうちの3つのみが図1および図2に示され、それぞれ13a、13c、13eとラベル付けされている。図6には、カンチレバー5a~5e上のスポットとして5つすべての検出光ビーム13a~13eを示す。
【0064】
この代わりに、ビーム11は、カンチレバーごとに2つ以上のビームレットに分割され、高さまたは異なる場所における相対的高さ(例えば、カンチレバーの曲げを測定するために、プローブ先端に1つ、基部に1つがある)を測定してもよい。SLM12のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書に記載されている。
【0065】
任意選択的に、ビーム11は、可視スペクトルの波長を有し、例えば532nmの波長を有する緑色光であってもよい。
【0066】
次に、検出光ビーム13a~13eは、図2に示す干渉計14の形態の感知システムに入り、ビームスプリッタ20によって分割されて参照ビームレット16a~16eを提供する。干渉計14のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書に記載されている。
【0067】
図1に示すように、検出光ビーム13a~13eは、干渉計14を出て、固定ミラー16によって、XY走査中に検出光ビーム13a~13eを誘導するトラッキングミラー1
7上に反射され、カンチレバー上に最適に位置決めされたままとなる。トラッキングミラー17は、x,yスキャナ2と同期して変化する角度で検出光ビーム13a~13eを反射する走査ミラーを含む。この代わりに、トラッキングミラー17は省略してもよく、このステアリング機能は、速度要件に応じてSLM12によって行われる。トラッキングミラー17またはSLM12によって誘導された検出光ビーム13a~13eは、次に、対物レンズ18によって焦点がカンチレバーの端部に合わせられ、そこで対物レンズ18に向かって反射される。したがって、プローブは、検出光ビーム13a~13eを反射して感知光ビーム19a~19eを生成するように構成される。
【0068】
図2に示すように、対物レンズ18は、反射された感知光ビーム19a~19eを集光してコリメートし、干渉計14に戻して投影し、位相シフトビームスプリッタ21によって2つの感知ビームコンポーネント30a~30eおよび31a~31eに分割され、マルチセグメントフォトダイオード22、23に入射する。
【0069】
参照ビームレット16a~16eはそれぞれ、位相シフトビームスプリッタ21によって2つの参照ビームコンポーネント32a~32eおよび33a~33eに分割され、マルチセグメントフォトダイオード22、23に入射し、そこで関連する感知ビームコンポーネント30a~30eおよび31a~31eと干渉される。位相シフトビームスプリッタ21のコーティングは、重なり合う参照ビームコンポーネント32a~32eおよび33a~33eによって生成される一対のインターフェログラムビームと、関連する感知ビームコンポーネント30a~30eおよび31a~30eとの間に位相直交関係を生成する。
【0070】
マルチセグメントフォトダイオード22、23におけるビームコンポーネントの重複のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2015/0219686号明細書に記載されている。
【0071】
対物レンズ18は単一のレンズ素子として示されているが、複数のレンズ素子のアセンブリを含んでもよい。
【0072】
検出信号60は、干渉計14から、並列動作に適合されたSPMコントローラ3に送信され、各データチャネルは、基準点に対するアレイ内のカンチレバー上の点の位置を表す。
【0073】
参照ビームレット16a~16eは、適切に配置された逆反射体24に向けられ、その後、ビームスプリッタ21に向けられた後、参照ビームレットは分割され、2つの感知光ビームと再結合されて、90°の相対位相シフトを有する第1および第2のインターフェログラムを生成する。インターフェログラムは、第1および第2のマルチセグメントフォトダイオード22、23によってそれぞれ検出される。このようなホモダイン干渉計における2つのコヒーレントビーム間の経路差を抽出する干渉法は、本発明の技術分野において周知であり、ここでは説明を行わない。
【0074】
2つのインターフェログラムは、理想的には、90°の位相差を有する相補的な正弦および余弦信号であるマルチセグメントフォトダイオード22、23からの信号を生成すべきである。信号は、DCオフセットを伴わずに等しい振幅を有すべきであり、カンチレバーの変位およびレーザの波長のみに依存する。不完全な光学部品およびアライメントなどの実際的な制限により、信号は、典型的には、完全な高調波ではなく、等しい振幅を有し、位相直交性を有し、DCオフセットがない。したがって、既知の方法を使用して、光路長差を変化させながらフォトダイオード出力信号を監視し、これらの誤差に対する補正を決定して適用することができる。
【0075】
フォトダイオードからの位相直交信号は、従来の干渉計可逆フリンジカウンティングおよびフリンジ細分化技術と共に使用するのに適しており、例えば、専用ハードウェア、FPGAなどのプログラム可能なハードウェアを使用して、あるいはプログラムされたコンピュータとして実施することができる。直交信号のアークタンジェントに基づいて細分化または補間する方法は周知であり、サブナノメートル分解能を提供することができる。
【0076】
任意選択的に、逆反射体24は、レンズおよび平面ミラーに置き換えられてもよい。これは、プローブが対物レンズ18の焦点面にない非摩擦補正システムにおいて有利である。
【0077】
検出光ビームは、SLM12によって誘導され、検出光ビーム13a~13eは、対物レンズ18の光軸に対して異なる角度で伝搬し、対物レンズ18に到達すると、各検出光ビームの焦点は、無限補正システムのレンズの焦点面において、アレイ内の各カンチレバーの背面上の必要な場所に合わせられる。SLM12は、レーダシステムに類似した光フェーズドアレイを用いてこの回折ビームステアリングを実現する。
【0078】
図1の顕微鏡は、プローブを曲げるための光熱作動システム69も有し、これについて以下に説明する。
【0079】
作動システム69は、電力変調作動光ビーム52a~52eを生成する作動照明システム70を備える。作動照明システム70の第1実施形態を図3に示す。
【0080】
図3には、図面の明瞭さのために、プローブのうちの2つプローブのみの変調器と光ファイバを示す。他のプローブは、不図示の同等の変調器および光ファイバを有する。
【0081】
図3を参照すると、作動照明システム70は、光を生成して放出するように構成されたレーザ71(または他の光生成器)を備える。入力ファイバ72は、レーザ71からの光を受け、ファイバスプリッタ73は、入力ファイバ72からの光を受け、その光をプローブ当たり1つの光ファイバであるピグテール光ファイバ74a、74cに分配する。
【0082】
作動照明システム70は、変調器75a、75cをさらに備え、変調器75a、75cは、対応するピグテール光ファイバ74a、74cから光を受け、光の電力を変調して電力変調された光を生成し、電力変調された光をそれぞれの出力光ファイバ76a~76eに向ける。
【0083】
光ファイバ76a~76eによって出力された作動光ビーム52a~52eは、図4Bに示すように、比較的高い半角θで発散する。すなわち、光ファイバ76a~76eは、比較的高い開口数を有する。
【0084】
作動光ビーム52a~52eの発散角を低減するために、作動照明システム70は、作動光源レンズの作動光源レンズアレイ90をさらに備え、そのうちの2つは、図3および図4Aにおいて91aおよび91cとそれぞれラベル付けされている。各作動光源レンズ91a、91cは、それぞれの光ファイバ76a、76cからのそれぞれ1つの作動光ビーム52a、52cを受け、焦点を合わせるように位置決めされる。
【0085】
作動光源レンズは、屈折率分布型(GRIN)レンズ、または任意の他の好適なタイプのレンズであってもよい。
【0086】
したがって、図3の作動照明システム70は、複数の作動光源を備え、各作動光源は、
それぞれの光ファイバ76a~76eと、作動光源レンズアレイ90のそれぞれの作動光源レンズとを備える。各作動光源は、それぞれの作動光ビームを出力するように構成されている。したがって、例えば、作動光源76a、91aは作動光ビーム52aを出力し、作動光源76c、91cは作動光ビーム52cを出力する。
【0087】
図4Bに示すように、各作動光源の開口数は、光源レンズからの半角φが光ファイバからの半角θよりも小さくなるように、そのそれぞれの作動光源レンズ91a、91cによって低減される。
【0088】
例として、光ファイバ76a~76eは、約0.1の開口数を有する標準的なテレコム
シングルモードファイバであってもよい。光源レンズアレイ90は、作動光源の開口数を約0.01程度まで減少させることができるが、これは他のすべての光学系(例えば、フ
ァイバ間のピッチ、使用されるレンズの種類など)に大きく依存する。
【0089】
変調器75a、75cは、例えば、音響光学変調器(AOM;Acousto-Optic Modulator)または電気光学変調器(EOM;Electro-Optic Modulator)であってもよい。
【0090】
各ピグテール光ファイバ74a、74cは、それぞれの変調器75a、75cの入力に接続された光コネクタを有し、各出力光ファイバ76a、76cは、それぞれの変調器75a、75cの出力に接続された光コネクタを有するピグテール光ファイバとして構成されている。
【0091】
図4Aの例では、5個のプローブのみのプローブ先端6a~6eが示されているが、一般に、任意の数のプローブ、例えば、2個のプローブ、5個を超える個数のプローブ、または10個以上のプローブが存在し得る。
【0092】
図1を参照すると、変調器は、信号発生器56によって個別に独立して制御され、信号発生器56は、SPMコントローラ3にリンクされる。信号発生器56は、電力変調信号58a~58eを生成するように構成される。図3に示すように、変調器75a、75cは、電力変調信号を入力として受け、電力変調信号58a~58eに基づいて作動光ビーム52a~52eの電力を変調するように構成される。
【0093】
図3の作動照明システム70からの電力変調作動光ビーム52a~52eは、図4Aに示すレンズシステム95、18によってプローブ上に投影される。
【0094】
図5に示す構造80は、光ファイバ76a~76eを支持して位置決めする。構造80は、各々が光ファイバ76a~76eのそれぞれを担持するV字溝81を有する基板を含む。蓋(図示せず)を光ファイバ76a~76eの上部に取り付けることができる。光ファイバ76a~76eは、同一平面上にある、すなわち実質的に同じ平面内にある研磨された端面を有する。
【0095】
V字溝81の軸は互いに平行であるので、光ファイバ76a~76eの光軸も互いに平行である。したがって、作動光ビーム52a~52eは、作動照明システム70を出るときに互いに平行である。
【0096】
光ファイバは、精密に制御された間隔および整列によって、V字溝構造80によってアレイ内でともに密接に配置することができるため、自由空間光学システムを上回る利点をもたらす。
【0097】
任意選択的に、各作動光源レンズ91a、91cなどは、光ファイバ76a~76eの
それぞれ1つに結合される。
【0098】
任意選択的に、各作動光源レンズ91a、91cなどは、それぞれの光ファイバ76a~76eと同じV字溝内に配置される。
【0099】
各作動光源レンズ91a、91cなどは、光ファイバからの作動光ビームのそれぞれ1つを受けるように位置決めされる。したがって、例えば、図4Aに示すように、作動光源レンズ91aは、作動光ビーム52aを受けるように位置決めされ、作動光源レンズ91cは、作動光ビーム52cを受けるように位置決めされる。
【0100】
作動光源レンズ91a、91cの焦点面は同一平面上にある、すなわち、それらは実質的に同じ平面内にある。作動光源レンズアレイ90の焦点面は、作動光源の平面(すなわち、光ファイバ76a~76eの端面の平面である)と一致する。
【0101】
チューブレンズとしても知られる作動集光レンズ95は、作動光源からの作動光ビーム52a~52eのすべてを集め、図1に示されるミラー68、16、17を介して対物レンズ18上に向けるように構成されている。
【0102】
作動光源レンズ91a、91cなどは、作動光源の開口数を減少させる手段を提供し、作動光ビーム52a~52eのすべてを作動集光レンズ95によって集めることができる。
【0103】
対物レンズ18は、作動集光レンズ95から作動光ビーム52a~52eのすべてを受け、各作動光ビーム52a~52eの焦点をプローブのそれぞれのカンチレバー5a~5eに合わせるように構成される。図6は、カンチレバー5a~5e上のスポットとして作動光ビーム52a~52eを示す。各作動光ビーム52a~52eは、対物レンズ18に入るときに平行平面を構成する。
【0104】
作動光ビーム52a~52eは、ダイクロイックミラー68およびトラッキングミラー17(検出システム79と共有される)によって反射され、XY方向に走査される際にカンチレバー上の適所に維持される。
【0105】
この例では、走査型プローブ顕微鏡は、プローブをXY方向に移動させることによってプローブと試料との間に走査運動を生成するように構成される。トラッキングミラー17は、作動集光レンズ95から作動光ビーム52a~52eを受け、それらを対物レンズ18に向けて反射するように構成される。トラッキングミラー17は、走査動作中に移動して(回転によって、任意選択的に並進要素を用いて)、作動光ビーム52a~52eをカンチレバー上に維持するようにさらに構成される。
【0106】
図7は、作動照明システム70の代替の実施形態を示す。図7のレンズシステム95、18は、図4Aのレンズシステムと同一であるため、ここでは再度の説明を省略する。
【0107】
図7の作動照明システム70は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL;Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)77a~77eのアレイを含む。半導体基板78は、VCSEL77a~77eを所要のピッチで支持して位置決めする。各VCSEL77a~77eは、作動光源レンズアレイ90のそれぞれの作動光源レンズ91a、91cによって受けられるそれぞれの作動光ビーム52a~52eを生成して出力するように構成される。
【0108】
VCSEL77a~77eは、作動光源レンズアレイの焦点面に位置する。図7の場合
、光ファイバまたは別個の電力変調器は設けられていない。むしろ、電力変調機能はVCSEL77a~77eに統合されている。すなわち、VCSEL77a~77eは、プローブを作動させるために作動光ビーム52a~52eの電力を変調するように構成され、電力変調信号58a~58eは、図7に示すようにVCSEL77a~77eに直接入力される。各VCSEL77a~77eは、それぞれの電力変調信号58a~58eに基づいて、それぞれの作動光ビーム52a~52eの電力を独立して変調するように構成される。図7に示す実施形態は、光ファイバを用いることなく、図4Aの実施形態よりもシンプルな照明システムを提供する。
【0109】
したがって、図7の作動照明システム70は、複数の作動光源を含み、各作動光源は、それぞれのVCSEL77a~77eおよびそれぞれの作動光源レンズ91、91cなどを含む。各作動光源は、それぞれの作動光ビームを出力するように構成される。したがって、例えば、作動光源77a、91aは、作動光ビーム52aを出力し、作動光源77c、91cは、作動光ビーム52cを出力する。
【0110】
図4Aの実施形態のように、作動光源レンズ91a、91cなどは、作動光源の開口数を減少させる手段を提供し、作動光ビーム52a~52eのすべてを作動集光レンズ95によって集めることができる。この代わりに、VCSEL77a~77eが充分に小さい開口数を有する場合は、作動光源レンズ91a、91cなどは省略されてもよい。
【0111】
システムは、40MHzなどの高い電力変調帯域幅を必要とする場合があり、VCSEL77a~77eの電力変調帯域幅は、この要件を満たすのに充分な帯域幅である。
【0112】
VCSEL77a~77e間のピッチは、理想的には可能な限り小さくすべきであり、250μmのオーダーのピッチであるとよい。
【0113】
VCSEL77a~77eは、精密に制御された間隔および整列によって、アレイ内でともに密接に配置することができるため、他の種類のレーザに優る利点が得られる。
【0114】
図8は、作動照明システム70のさらなる代替の実施形態を示す。図8の作動照明システム70のいくつかの要素は、図4Aの作動照明システム70と同様であるので、相違点のみについて説明する。
【0115】
図4Aのファイバスプリッタ73は省略されており、作動照明システム70は、1つのみのレーザ71ではなく5つのレーザ71a~71eを有する。各レーザ71a~71eは、光ファイバ76a~76eのそれぞれに供給する光を生成して放出するように構成される。したがって、各光ファイバ76a~76eは、それぞれのレーザから光を受けるように構成される。
【0116】
変調器75a、75cも省略されている。むしろ、電力変調機能は、レーザ71a~71eに統合されている。すなわち、レーザ71a~71eは、プローブを作動させるために作動光ビーム52a~52eの電力を変調するように構成され、電力変調信号58a~58eは、図8に示すようにレーザ71a~71eを作動させる。すべてのレーザ71a~71eは、それぞれの電力変調信号58a~58eに基づいて、それぞれ作動光ビーム52a~52eの電力を独立して変調するように構成される。
【0117】
したがって、図8の場合、作動照明システム70は、5つの独立した作動光源を有する。すなわち、第1の作動光源は、レーザ71aと、光ファイバ76aと、作動光源レンズ91aとを備える。第2の作動光源は、レーザ71bと、光ファイバ76bと、作動光源レンズ91bとを備える、など。光ファイバは、精密に制御された間隔および整列により
、V字溝構造80によってアレイ内でともに密接に配置することができるため、自由空間光学システムを上回る利点が得られる。作動光源レンズ91a~91eは、作動光源の開口数を減少させる手段を提供する。
【0118】
図6に示すように、プローブ先端間の中心間ピッチは均一であってもよい。一例として、ピッチは12.7μmである。光ファイバ76a~76eの端面の中心間ピッチは、V
字溝81の中心間ピッチによって設定される。一例として、光ファイバ76a~76eの端面間のピッチは、127μm(すなわち、プローブ先端間のピッチより10倍大きい)である。
【0119】
作動照明システム70は、複数の作動光源(光ファイバ76a~76eのアレイまたはVCSEL77a~77eのアレイを有する)を含む。作動光源レンズアレイ90は、光ファイバ76a~76eまたはVCSEL77a~77eの第1段階の画像を作成するように構成され、作動集光レンズ95および対物レンズ18は、光ファイバ76a~76eまたはVCSEL77a~77eの第2段階の画像をプローブアレイ上に投影するように構成される。
【0120】
第1段階の画像は拡大画像であり、第2段階の画像は縮小画像である。ピッチの10倍の縮小に対応するために、全体の縮小率は10である。
【0121】
一例として、集光レンズ95の焦点距離は100mmであり、対物レンズ18の焦点距離は10mmである。
【0122】
全体の縮小率は、集光レンズ95または対物レンズ18の焦点距離を変更することによって、プローブ先端間のピッチの変化に適応するように変更することができる。好適には、これは、集光レンズ95を異なる焦点距離を有する異なる集光レンズに置き換えることによって行うことができる。
【0123】
上記実施形態では、作動光源レンズ91a、91cなどの焦点距離はすべて同じである。しかしながら、これは必須ではなく、他の実施形態では、焦点距離は、複数の作動光源レンズの間で異なっていてもよい。
【0124】
上記の実施形態では、作動光源レンズアレイ90は、光ファイバ76a~76eまたはVCSEL77a~77eの高い開口数を減少させるように提供される。しかし、作動光源レンズアレイ90は必須ではなく、開口数を制御するために他の手段を用いてもよい。1つの代替の実施形態として、作動光源レンズアレイ90を提供する代わりに、光ファイバ76a~76eの端面を、平面ではなく湾曲した面とすることができ、これにより、作動光ビーム52a~52eを集束させ、開口数を減少させるレンズのような効果を実現することができる。また別の代替の実施形態として、光ファイバ76a~76eを、開口数を制御するために同様の集束効果を有する屈折率勾配を有する屈折率分布型(GRIN)ファイバとすることもできる。
【0125】
上記の実施形態では、プローブは、単一の直線、すなわち線形アレイに配置される。他の実施形態では、プローブは、2次元アレイに配置されてもよい。この場合、作動光源およびレンズアレイ90のレンズも、対応する2次元アレイに配置される。
【0126】
図9は、図6と同様の代替の実施形態を示すため、ここでは相違点のみについて説明する。図9の場合、各カンチレバー5a~5eは、3つの光ビームによって照明される。すなわち、先端における検出ビーム(標識されていない)、光ファイバ76a~76eおよび関連する作動光源レンズ91a~91eによって生成される、電力変調作動光ビーム5
2a~52dの第1のセット、そして、図10に示す作動光源70aの同様の第2のセットによって生成される電力変調作動光ビーム53a~53dの第2のセット、である。電力変調された作動光ビーム52a~52d、53a~53dの両方のセットは、作動集光レンズ95および対物レンズ18によってプローブ上に投影される。
【0127】
図10の作動光源は、図9に示すスポットの2次元アレイに対応する2次元アレイに配置される。
【0128】
上記の実施形態では、作動照明システム70は、作動光ビーム52a~52e、53a~53eのすべての電力を独立して変調するように構成される。しかしながら、これは必須ではなく、他の実施形態では、作動光ビーム52a~52e、53a~53eのいくつかは、非独立の方法で変調されてもよい。したがって、例えば、作動光ビーム52a~52e、53a~53eのうちの2つ以上のグループが、ユニオン(すなわち、グループ内のビーム間の変調に差がない)で変調されてよい。一般に、作動光ビーム52a~52e、53a~53eの少なくともいくつかの電力は、独立して変調される。これにより、プローブを同時に照明しながら、作動光ビーム52a~52e、53a~53eのいくつかまたはすべての電力を異なるように変調することができる。
【0129】
図4Aの実施形態では、作動照明システム70は、各プローブに対して変調器75a、75cなどを有する。代替の実施形態では、例えば、作動光ビームのグループが同期して変調される場合、そのグループは単一の変調器を共有することができる。したがって、概略的には、本照明システムは2つ以上の変調器を備えてもよく、各変調器は、作動光ビーム52a~52e、53a~53eのうちの1つ以上の電力を変調するように構成されてもよい。
【0130】
上記の照明システム70は、種々の方法でカンチレバーを制御することができ、高い柔軟性および制御性を提供する。例えば、図6に示すように、各作動光ビーム52a~52eをカンチレバーの基部に向けることによって、光熱効果を使用して、カンチレバー選択の目的でカンチレバーを上下に偏向させることができ、あるいは、従来のSPMフィードバック制御の場合にはz方向に作動させることができる。カンチレバーを共振させる必要がある場合、これは種々のSPM撮像モードの共通要件でもあり、作動光ビーム52a~52eは、共振周波数のうちの1つ以上でカンチレバーを駆動するように電力変調されてよい。さらに、完全に独立した動作を可能にするために、異なる周波数で共振するように異なるカンチレバーを異なる設計で作製することができる。ただし、上記の動作モードの例は、本発明の制限を課すことを意図するものではなく、並列プローブSPMの性能のいくつかの例示にすぎない。
【0131】
図6は、マウント7の近位端でそれぞれの作動光ビーム52a~52eによって照射され、かつ、プローブ先端6a~6eの上方の遠位端(カンチレバーの反対側にあり、したがって図6には示されていない)でそれぞれの検出光ビーム15a~15eによって照射される、カンチレバー5a~5eを示す図である。適切な対物レンズ18により、作動光ビーム52a~52eおよび検出光ビーム15a~15eのスポットサイズをわずか数ミクロンにすることができるため、効率的な検出および光熱作動に必要な、カンチレバー上の特定の位置への正確な赤外線照射を行うことができる。
【0132】
カンチレバー5a~5eは、熱バイオモルフ構造であり、その材料は、加熱されると、差動膨張を受ける。すなわち、カンチレバーは、異なる熱膨張を有する2つ(またはそれ以上)の材料から構成される。典型的には、金またはアルミニウムコーティングを有するシリコンまたは窒化シリコンベースである。コーティングは、カンチレバーの全長にわたって延在し、先端から反対側を覆う。好適には、作動照明システム70は、特定のコーテ
ィングの吸収スペクトルにおいて最大となるかピークを有する1つ以上の波長を含む光を放出する。例えば、波長は、810nm以下におけるアルミニウム吸収ピーク付近であり得る。他のコーティング/波長の組み合わせを採用してもよく、例えば、金は500nm未満の光でより高い吸収を有する。この光がカンチレバーのコーティング側に入射すると、アルミニウムは窒化ケイ素より大きく膨張し、先端が試料に向かって下方に移動するようにカンチレバーを曲げる。したがって、照明強度が増加すると、先端が試料表面に近づく。逆に、強度が低下すると、曲げが減少し、先端が試料から離れる。コーティングおよびベース材料の他の配置によって、照明に応答して反対方向に曲がるようにすることもできる。
【0133】
一実施形態では、電力変調作動光ビーム52a~52eおよび53a~53eは、1350nm~1550nmの範囲の波長を有する。この波長範囲は、多様な光学構成要素(光ファイバ、光ファイバスプリッタなど)の供給源を提供することができる、電気通信産業において通常使用される波長範囲である。
【0134】
図6に示すカンチレバー5a~5eは、それぞれの間が一定の中心間間隔(ピッチ)で示されているが、任意選択的に、隣接するカンチレバー間のピッチは、アレイの全体の幅において異なっていてもよい。
【0135】
図1を参照すると、作動照明システム70は、信号発生器56によって制御され、信号発生器56は、SPMコントローラ3に接続されている。作動光ビーム52a~52eの強度は、熱バイモルフプローブによって示される曲げの程度を決定し(それらの材料の仕様にかかわらず)、これにより、走査中の先端と試料の分離距離を決定する。
【0136】
作動光ビーム52a~52eおよび/または53a~53eの強度は、走査が進むにつれて、次のセクションで説明するパラメータに従って変調される。本質的には、作動照明システム70は、z位置フィードバックおよびプローブ振動の両方のための駆動機構を提供するものであると考えることができる。すなわち、作動照明システム70は、各カンチレバープローブの振動を駆動し、走査の過程で各プローブと試料の分離距離を調整するように構成される。
【0137】
ここで、図1の顕微鏡の撮像モードの特定の実施形態について、より詳細に説明する。
【0138】
平行プローブ顕微鏡は、有効な工業用途に必要とされる高速度で、ナノメートルスケールの特徴を検出するために、大規模かつ実質的に平坦な表面領域を検査することに特に適している。
【0139】
試料の画像を撮影する際、SPMは以下のように動作することが可能である。
【0140】
電力変調された作動光ビーム52a~52eが各カンチレバーに入射すると、電力変調に伴って変動するカンチレバーの屈曲が生じる。したがって、プローブ先端は、自由空間において、それぞれの電力変調信号58a~58eの周波数および振幅と同じ周波数および振幅で試料に向かって、および試料から離れるように駆動される。プローブ発振周波数は、通常、共振周波数またはその近傍の周波数に選択される。あるいは、プローブは、共振から外れているが、依然として高い周波数で駆動することもできる。
【0141】
動作時、各カンチレバープローブは、所望の自由空間振幅で振動するように、上記のように、それぞれの電力変調作動光ビームによって同時に照射される。そして、すべてのプローブが表面の指定範囲内にあるように、zアクチュエータ4を使用してプローブマウント7を試料に向かって移動させる。
【0142】
これは、表面が実質的に平坦である場合に比較的容易に実現できる。プローブマウント7のz位置の初期の位置決めの後、表面上方の各プローブの高さに幾分かの差異が生じる場合がある。これは、すべてのプローブが表面上方で同じ高さになるまでマウント7を機械的に傾けることによって補償することができる。この代わりに、プローブに作動光ビーム53a~53eを照射し、それらの電力変調信号を使用して、個々のプローブ(またはプローブ群)が表面に向かって曲がって範囲内にあるときに停止するように、各作動光ビームの振幅を独立して変調することによって補償することができる。この代わりに、上記の組み合わせによって補償することも可能である。
【0143】
さらに、プローブのサブセットのみを、表面上方の設定された高さの撮像位置に位置決めすることが望ましい場合もある。例えば、10個のプローブのアレイを用いる場合に、いつでも撮像位置に5個のプローブ(例えば、1つおきのプローブ)のみを位置決めすることが望ましい場合がある。そして、5つのプローブのうちの1つが損傷した場合、5つのプローブを試料1aから後退させ、他の5つのプローブを所定の位置に移動させることができる。そのようなスローグロスの(slow gross)プローブのz位置の位置決めは、アレイ内の他のプローブとは無関係に個々のプローブ(またはプローブ群)を撮像位置から選択または後退させるように動作することができる作動光ビーム53a~53eによって達成することができる。
【0144】
次に、信号発生器56は、プローブ先端が表面と断続的に接触し始めるための電力変調信号58a~58eを生成する。表面と断続的に接触する振動プローブの性質は複雑であり、プローブ設計、先端の幾何学形状および化学的性質、ならびに表面トポグラフィーおよび化学的性質を含む多くの要因に依存する。しかしながら、広義には、各プローブの振動振幅は、先端が表面に向かって移動し、表面と相互作用し始めるにつれて低減され、先端振動の最下点は、先端が試料表面と接触している点に対応する。このようにして、各プローブは、作動レーザ駆動周波数によって決定される周波数で表面を効果的にサンプリングする。
【0145】
図9に示す場合において、各プローブが2つの電力変調された作動光ビームによって照明される場合、作動光ビームの1つのセット(例えば、作動光ビーム53a~53e)を使用して、プローブのいくつかまたはすべてを撮像位置に同時に駆動することができる。また、作動光ビームの他のセット(例えば、作動光ビーム52a~52e)は、例えば、米国特許出願公開第2014/026263号明細書で説明される適応駆動撮像モードを使用して、プローブを独立して振動させるために使用されてもよい。
【0146】
各プローブは、所与の時点におけるプローブの瞬間位置に対応する各プローブの信号60を出力する検出システム79によって、その振動全体にわたって継続的に監視される。高速走査システムのために、大量のデータがこのように生成される。したがって、SPMコントローラ3は、必要な処理能力を提供するように構成されるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を内蔵する。本発明の技術分野で周知のように、デジタル信号処理(DSP)または専用アナログもしくはデジタル電子方法などの代替の信号処理技術が用いられてよい。
【0147】
プローブ周期運動は、典型的には、10s~100sのkHzの周波数範囲を有し、データ記録のためのサンプリング周波数は、100MHzの領域にある。したがって、プローブ移動の各サイクルは、1000回から10,000回の領域においてサンプリングさ
れ、これは、アレイ内の各先端について表面高さの検出点を得るために高さ検出器信号60を分析するのに充分である。瞬間の高さ検出信号を処理して、任意の所与のプローブについての表面高さの読み取り値を導出することができる、いくつかの方法がある。しかし
ながら、最も単純なケースでは、プローブ先端が表面と実質的に接触している(または接触に近い)と見なされるとき、読み取り値は、プローブ振動サイクルにおける記録された最下点に基づくことができる。
【0148】
xyスキャナ2は、カンチレバーアレイを試料の表面にわたって移動させて、表面の画像を生成する。コントローラ3は、トラッキングシステム17がスキャナ2によって駆動される走査パターンと整合するように保証し、これにより、作動システム69および検出システム79の両方からの光によって、これらシステムの位置がアレイ内の各プローブ(図6に示す)に移動に合わせて合うように維持される。コントローラ3は、スキャナ2およびトラッキングシステム17に対する異なる駆動信号を、それらの特定の構造的および機械的動作に応じて計算することができる。試料が走査される場合、プローブ、検出システム79および作動システム69が固定された位置合わせのままであるように試料が移動される場合、トラッキングシステムは必要とされない場合がある。
【0149】
このようにして、プローブアレイを表面上で走査し、顕微鏡がアレイ内の各プローブからデータを収集して、サブナノメートルの垂直および水平分解能を有するデータ点から形成される表面の空間マップを提供する。必要とされる検査情報の種類に応じて、データを収集するために多くの走査動作パターンに従うことができる。EUVマスク上の欠陥を調査する場合、欠陥のレベルが低いため、大きな表面積を検査しなければならない。典型的には、走査パターンはラスタパターンに従い、10個の平行プローブが、単一プローブ顕微鏡の場合と比較して約10倍のデータ取得速度の増加を提供する。
【0150】
図11は、本発明のさらなる実施形態による走査プローブ顕微鏡の概略図であり、異なる検出システム179を有するが、同じ作動システム69を有する。検出システム179は、検出照明システム170と、図12に示す干渉計114の形態の感知システムとを備える。
【0151】
図11および図12の多くの構成要素は、図1および図2と同じまたは同等の構成要素を有する。同じ構成要素には同じ符号を付与し、再度の説明は省略する。同等または類似の構成要素には、100だけ増分した対応する符号を付与する。
【0152】
図1の検出システム79の検出レーザ10および空間光変調器(SLM)12は、検出光ビーム113a~113eを生成する検出照明システム170を有する検出システム179に置き換えることができる。図1と同様に、説明を容易にするために、3つの検出光ビーム113a、113c、113eのみが示されている。5つのカンチレバーアレイの場合は、そのような検出光ビームが5つ存在するといえる。
【0153】
検出照明システム170は、作動照明システム70と同様であり、複数の検出光源を備える。各検出光源は、それぞれの検出光ビーム113a~113eを出力するように構成され、検出集光レンズ195は、検出光源から検出光ビーム113a~113eを集光するように構成される。
【0154】
図11の顕微鏡では、作動システム69は作動集光レンズ95を有し、検出システム179は別個の検出集光レンズ195を有する。代替の実施形態では、検出システム179は、専用の別個の検出集光レンズ195を有していなくてもよく、代わりに、作動システム69の作動集光レンズ95を共有してもよい。
【0155】
図12に示すように、対物レンズ18は、検出光ビーム113a~113eを受け、各検出光ビームの焦点をプローブのそれぞれのカンチレバーに合わせるように構成される。プローブは、検出光ビーム113a~113eを反射して感知光ビーム119a~119
eを生成するように構成される。
【0156】
感知光ビーム119a~119eは、対物レンズ18によって受けられ、対物レンズ18から干渉計114に中継され、干渉計は、感知光ビーム119a~119eを受け、感知光ビーム119a~119eからプローブの位置を決定するように構成される。
【0157】
検出光ビーム113a~113eは、ビームスプリッタ120によって分割されることで、参照ビームレット116a~116eを提供する。
【0158】
検出光ビーム113a~113eは、干渉計114を出て、固定ミラー16によって、検出光ビーム113a~113eがカンチレバー上に最適に位置決めされたままであるようにXY走査中に検出光ビーム113a~113eを誘導するトラッキングミラー17上に反射される。トラッキングミラー17によって誘導された検出光ビーム113a~113eは、対物レンズ18によって焦点がカンチレバーの端部に合わせられ、そこで対物レンズ18に向かって反射される。したがって、プローブは、検出光ビーム113a~113eを反射して感知光ビーム119a~119eを生成するように構成される。
【0159】
対物レンズ18は、反射された感知光ビーム119a~119eを集めてコリメートし、それらを干渉計114に投影し、そこで、位相シフトビームスプリッタ120によって2つの感知ビームコンポーネント130a~130eおよび131a~131eに分割され、フォトダイオード122、123に入射する。
【0160】
参照ビームレット116a~116eはそれぞれ、位相シフトビームスプリッタ120によって2つの参照ビームコンポーネント132a~132eおよび133a~133eに分割され、マルチセグメントフォトダイオード122、123に入射し、そこで関連する感知ビームコンポーネント130a~130eおよび131a~131eと干渉される。位相シフトビームスプリッタのコーティングによって、重なり合う参照ビームコンポーネント132a~132eおよび133a~133eによって生成される一対のインターフェログラムビームと、関連する感知ビームコンポーネント130a~130eおよび131a~131eとの間に位相直交関係が生まれる。図12では、図2とは異なり、参照ビームコンポーネント132a~132eおよび133a~133eならびにそれらの関連する感知ビームコンポーネント130a~130eおよび131a~131eは、完全に重なり合うものとして示されている。
【0161】
参照ビームレット116a~116eは、レンズ124aによって平面ミラー124b上に集束され、次いでレンズ124aを介してビームスプリッタ120上に反射され、ここで参照ビームレット116aは分割され、感知ビームコンポーネントと再結合されて、90度の相対位相シフトを有する第1および第2のインターフェログラムを生成する。インターフェログラムは、第1および第2のマルチセグメントフォトダイオード122、123によってそれぞれ検出される。
【0162】
干渉計114のさらなる動作については、干渉計14の場合と同じであるため、再度の説明は省略する。
【0163】
検出光ビーム113a~113cは、対物レンズ18の光軸に対して異なる角度で検出光ビーム113a~113eが伝搬するように、検出集光レンズ195によって集束される。したがって、それらが対物レンズ18に到達すると、各検出光ビームの焦点が、無限補正システムのための対物レンズ18の焦点面において、アレイ内の各カンチレバーの背面上の必要な場所に合わせられる。
【0164】
検出照明システム170の実施形態を図13に詳細に示す。図13の検出照明システム170は、図3の作動照明システム70に類似しており、唯一の違いは、変調器75a、75cおよび光ファイバ76a、76cが省略されている点である。
【0165】
検出照明システム170は、光を発生および放出するように構成されたレーザ171(または他の光生成器)を有する。入力ファイバ172は、レーザ171からの光を受けるように構成され、ファイバスプリッタ173は、入力ファイバ172からの光を受け、光を光ファイバ174a、174c、174dの間で分配するように構成される。
【0166】
検出光ビーム113a~113cの発散角を減少させるために、検出照明システム170は、図13において個々に符号191a、191c、191eが付された検出光源レンズの検出光源レンズアレイ190をさらに備える。各検出光源レンズは、それぞれの光ファイバ174a、174c、174eなどから検出光ビームのそれぞれ1つを受け、焦点を合わせるように位置決めされる。
【0167】
検出光源レンズ191a、191c、191eは、屈折率分布型(GRIN)レンズまたは任意の他の好適なタイプのレンズであってもよい。
【0168】
検出集光レンズ195は、f(集光)とラベル付けされた焦点距離を有する。
【0169】
対物レンズ18は、検出集光レンズ195の前方焦点面に位置する。検出集光レンズ195の後側焦点面は、検出光源レンズアレイ190の前側焦点面と一致する。
【0170】
図13の検出照明システム170は、複数の検出光源を含み、各検出光源は、それぞれの光ファイバおよびそれぞれの検出光源レンズを有する。各検出光源は、それぞれの検出光ビームを出力するように構成される。したがって、例えば、検出光源174a、191aは検出光ビーム113aを出力し、検出光源174c、191cは検出光ビーム113cを出力する。
【0171】
検出照明システム170の代替の実施形態を図14に示す。図14の検出照明システム170は、図8の作動照明システム70に類似しており、唯一の違いは、ビームが変調されないという点である。
【0172】
図13のファイバスプリッタ173は省略され、検出照明システム170は、1つのレーザ171のみではなく、複数のレーザ171a~171e(プローブ当たり1つ)を備える。各レーザ171a~171eは、光ファイバ174a~174eのそれぞれの1つに供給する光を生成して放出するように構成される。したがって、各光ファイバ174a~174eは、それぞれのレーザから光を受けるように構成される。
【0173】
したがって、図14の場合、検出照明システム70は、複数の独立した検出光源を備える。すなわち、第1の検出光源は、レーザ171aと、光ファイバ174aと、検出光源レンズ191aとを備える。第2の検出光源は、レーザ171cと、光ファイバ174cと、光源レンズ191cとを備える、など。光ファイバは、精密に制御された間隔および整列を伴うV字溝構造によってアレイ内で共に密接に配置することができるため、自由空間光学システムを上回る利点が得られる。検出光源レンズ191a~191eは、検出光源の開口数を、好ましくは約0.01に近い開口数まで減少させるための手段を提供する
【0174】
検出照明システム70の代替的な実施形態を図15に示す。図15の検出照明システム170は、図9の作動照明システム70に類似しており、唯一の違いは、ビームが変調さ
れないという点である。
【0175】
図15に示す検出照明システム170は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)177a~177eのアレイを有する。半導体基板178は、VCSEL177a~177eを所要のピッチで支持して位置決めする。各VCSEL177a~177eは、検出光源レンズアレイ190のそれぞれの検出光源レンズ191a、191cによって受光されるそれぞれの検出光ビームを生成して出力するように構成される。
【0176】
VCSEL177a~177eは、検出光源レンズアレイの焦点面に位置する。図15の場合、光ファイバは提供されない。図15に示す実施形態は、光ファイバを伴わない、図13および14の実施形態よりも単純な照明システムを提供する。
【0177】
したがって、図15の検出照明システム70は、複数の検出光源を有し、各検出光源は、それぞれのVCSELおよびそれぞれの検出光源レンズを有する。各検出光源は、それぞれの検出光ビームを出力するように構成される。したがって、例えば、検出光源177a、191aは検出光ビーム113aを出力し、検出光源177c、191cは検出光ビーム113cを出力する。
【0178】
上記の実施形態と同様に、検出光源レンズ191a、191cなどは、検出光源の開口数を減少させる手段を提供するため、検出光ビーム113a~113eのすべてを検出集光レンズ195によって集めることができる。この代わりに、VCSEL177a~177eの開口数が十分に小さい場合は、検出光源レンズ191a、191cなどは省略されてもよい。
【0179】
VCSEL177a~177eの間のピッチは、理想的には可能な限り小さくすべきであり、250μmのオーダーのピッチが可能であるべきである。
【0180】
VCSEL177a~177eは、間隔および整列が精密に制御され、アレイ内で共に密接に配置することができるため、他の種類のレーザに優る利点が得られる。
【0181】
図16は、本発明の代替的な実施形態によるプローブ顕微鏡を示す。図16に示す構成要素はすべて、図4Aに示す構成要素をすべて有し、同一の符号が付されている。以下では、図4Aのプローブ顕微鏡と比較したときの相違点のみについて説明する。
【0182】
図4A図7図12図15のレンズシステムでは、光ビーム52a~52d、113a~113eは、光源レンズアレイ90、190に入ると発散し、光源レンズアレイ90、190から出るときに収束する。この構成に伴う潜在的な問題は、光ビーム52a~52d、113a~113eのうちの1つからの光が、光源レンズアレイ90、190の隣接する光源レンズにわずかに漏れる可能性があることである。
【0183】
この問題に対する解決策は、図16に示すように光源レンズアレイ90を光ファイバ76a~76dの端面に近づけることであり、これにより光ビーム52a、52cなどは、光源レンズアレイ90を出るときに発散する。また、光源レンズアレイ90を光ファイバの端面に近づけることは、光ビーム52aが光源レンズアレイ90に入る位置で狭くなり、隣接する光源レンズ間における光の漏れのリスクが低減する。
【0184】
図16と同様の解決策は、図7図12図15の実施形態にも適用することができる。図4A図7図12図15図16のレンズシステムでは、光ビーム52a~52d、113a~113eの主軸は、光源を出て(すなわち、光ファイバ76a~76dまたはVCSEL77a~77e、177a~177eから出て)集光レンズ95、195
に入るときに互いに平行である。また、光ビーム52a~52d、113a~133eの主軸は、集光レンズ95、195に入るときに集光レンズ95、195の光軸と平行である。この平行ビーム(または「テレセントリック」)配置は、制御が容易であり、例えば、平行軸を有するV字溝81を容易に製造することができるため、有益である。
【0185】
集光レンズ95、195は、平行な光ビーム52a~52d、113a~113eを屈折させるので、光ビーム52a~52d、113a~113eの主軸は、対物レンズ18に入るときに互いに平行ではない。これにより、すべての光ビームが同じ位置で一緒に収束するのではなく、各光ビームがそれぞれの異なるプローブ上に収束することが保証される。
【0186】
以上、1つ以上の好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の技術的範囲から逸脱することなく、種々の変更または修正を行うことができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】