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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】毛細管血液収集デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61B5/151 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580644
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022034633
(87)【国際公開番号】W WO2023278228
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,252
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ブイ.トリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴラッド ヤクニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スコット ウェンゼル
(72)【発明者】
【氏名】レスリー ポースチェン
(72)【発明者】
【氏名】アレックス エフ.フリッケ
(72)【発明者】
【氏名】キショア ケー.ボッカ スリニヴァサ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ピーター アルトホフ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA02
4C038UE03
4C038UE04
4C038UE07
(57)【要約】
血液試料を獲得するためのデバイスは、作動部およびポートを有する、試料源を受容するためのホルダと、ホルダに取り外し可能に接続された血液収集アタッチメントと、収集空間を画定する、血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器とを備えても良く、収集容器デタッチメント部材は、血液収集アタッチメントと収集容器との間に提供されて、着脱可能に収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動部およびポートを有する、試料源を受容するためのホルダと、
前記ホルダに取り外し可能に接続された血液収集アタッチメントと、
収集空間を画定する、前記血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と、を備え、
収集容器デタッチメント部材が、前記血液収集アタッチメントと前記収集容器との間に提供されて、着脱可能に前記血液収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる、血液試料を獲得するためのデバイス。
【請求項2】
前記収集容器は、押されるとき前記血液収集アタッチメントから前記収集容器をリリースするリリースタブを含む蓋を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記蓋は、前記収集容器との抵抗を生み出すために、バネで予圧したロック機能として働くエラストマーを備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記蓋は、リビンクヒンジを介して前記収集容器に連結されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記リビンクヒンジは、厚みを減らしているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、前記蓋は凸部を受容する凹部を画定して前記収集容器を前記血液収集アタッチメント中にロックする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記蓋は、蓋を閉じたとき、前記収集容器上の蓋を所望の配置に確実にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記収集容器は、前記収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備え、そして、前記血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを画定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、前記収集容器を所望の位置に配列させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
回転可能な連結アセンブリが、前記ホルダと前記血液収集アタッチメントの間に提供されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記回転可能な連結アセンブリは、前記収集容器が、前記ホルダに対して充填位置と保存位置との間で回転するように配置されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記回転可能な連結アセンブリは、ソケット及び、摩擦フィットを介して一緒に保持されるポスト部材を備える、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記収集容器デタッチメント部材は、前記収集容器が前記血液収集アタッチメントから取り除かれたとき、触覚フィードバックを提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
血液収集アタッチメントと、
収集空間を画定する、前記血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と、を備え、
収集容器デタッチメント部材が、前記血液収集アタッチメントと前記収集容器との間に提供されて、着脱可能に収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる、
血液試料を獲得するためのデバイス。
【請求項14】
前記収集容器は、押されるとき前記血液収集アタッチメントから前記収集容器をリリースするリリースタブを含む蓋を備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記蓋は、前記収集容器との抵抗を生み出すために、バネで予圧したロック機能として働くエラストマーを備える請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記蓋は、リビンクヒンジを介して前記収集容器に連結されている請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、前記蓋は凸部を受容する凹部を画定して前記収集容器を前記血液収集アタッチメント中にロックする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項18】
前記リビンクヒンジは、厚みを減らしているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有する請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
前記蓋は、蓋を閉じたとき、前記収集容器上の前記蓋を確実に所望の配置にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項20】
前記収集容器は、前記収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備え、そして、前記血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを画定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、前記収集容器を所望の位置に配列させる、請求項13に記載のデバイス。
【請求項21】
前記血液収集アタッチメントは、除去された凹部を画定して、デバイスを使用するとき、使用者の手がつかむための位置を提供する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項22】
デバイスを使用するとき、使用者の親指を受容するために、リリースタブの上の前記血液収集アタッチメント中に凹部が画定されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項23】
前記収集容器が前記血液収集アタッチメント中に保持されているとき、前記蓋は前記血液収集アタッチメント中に見せかけで保持されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項24】
前記収集容器デタッチメント部材は、前記収集容器が前記血液収集アタッチメントから取り除かれたとき、触覚フィードバックを提供する、請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連文献への相互参照
本出願は、2021年6月29日に出願された、「毛細管血液収集デバイス」という表題の米国仮出願第63/216,252号の優先権を主張するものであり、この開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、生体試料を獲得するためのデバイスに関する。より詳細には、本開示は、制御された状態で、指をランセットで切開して圧搾し、血液試料を収集し、安定化させ、分注する能力を有する一体型の指ベース毛細管血液収集デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
血液試料などの生体試料を獲得および収集するためのデバイスは、医療産業においてよく使用される。医療分野でよく行われる血液収集の1つは、毛細管血液収集であり、これは、多くの場合、検査のために血液試料を収集するために行われる。糖尿病などの特定の病気は、例えば、患者の血糖値を監視するために、患者の血液が定期的に検査されることを必要とする。加えて、コレステロール検査キットなどの検査キットは、多くの場合、分析のために血液試料を必要とする。血液収集手順は、通常、血液試料を獲得するために、指または他の好適な身体部位を針で穿刺することを伴う。典型的には、そのような検査に必要な血液の量は、比較的少なく、通常、小さな穿刺傷または切開で、これらの検査のために十分な量の血液を提供する。患者の皮膚に穿刺して患者から毛細管血液試料を獲得するために使用される様々なタイプのランセットデバイスが開発されてきた。
【0004】
多くの異なるタイプのランセットデバイスが、病院、クリニック、診察室などだけでなく個別消費者に対して市販されている。そのようなデバイスは、典型的には、血液の小流出をもたらすために患者の皮膚に迅速な穿刺傷または切開を作るために使用される、針などの先の尖った部材または刃などの鋭利な部材を含む。多くの場合、自分の指を手持ち針または刃で穿刺することは多くの人にとって生理的および心理的に困難である。その結果、ランセットデバイスは、トリガ機構の作動時に患者の皮膚を穿刺または切断する自動デバイスへと進化した。いくつかのデバイスでは、針または刃は、それがユーザ、例えば、患者から血液を抜き出すのを担当する医療従事者、または患者自身によって引き金が解除されるまでは準備位置に留められる。解除の際、針または刃が、患者の皮膚、例えば、指の皮膚を穿刺または切断する。多くの場合、ばねが、患者の皮膚を穿刺または切断するために必要な「自動の」力を提供するためにデバイス内に組み込まれる。
【0005】
穿刺または切断要素のデバイスから又はデバイスへの自動出動および格納を特徴とする接触作動式ランセットデバイスの1つは、本出願人であるBecton,Dickinson and Companyによって所有される米国特許第9,380,975号である。このランセットデバイスは、ハウジング、および穿刺要素を有するランセット構造体を含む。ランセット構造体は、ハウジング内に配設されており、穿刺要素がハウジング内に保持されている保持または作動前位置と、穿刺要素がハウジングの前端部を通って突き出る穿刺位置との間の動きに対応できる。ランセットデバイスは、ランセット構造体を穿刺位置へ付勢するための、ハウジング内に配設される駆動ばね、および、駆動ばねの付勢に対抗してランセット構造体を格納位置に保持する保持ハブを含む。保持ハブは、ランセット構造体と干渉係合状態にある枢軸レバーを含む。ハウジング内のアクチュエータがレバーを枢動させ、それによりランセット構造体をハウジングの後方端部へ移動させて、駆動ばねを少なくとも部分的に圧縮し、レバーをランセット構造体との干渉係合からリリースする。次いで、受けた血液試料は、収集および/または検査される。この検査は、ポイントオブケア(POC)検査デバイスによって行うか、または、収集されて検査施設へ送ることができる。
【0006】
現在、毛細管血液収集ワークフローは、高い技術レベルを必要とする複雑な多段階プロセスである。このプロセスの多段階性は、溶血、試料の不安定化、および微小血塊などの試料品質問題を引き起こし得るいくつかの変化をもたらす。血液試料を獲得するためのランセットデバイスの使用は、限定されるものではないが、検査中にランセットを静止した状態に保つこと、穿刺部位から十分な血液流を獲得すること、血塊を防ぎながら血液を適切に収集すること、などを含む毛細管血液試料の収集による影響の変化を結果としてもたらす。プロセス変化の最も一般的な原因うちのいくつかは、(1)汚染された試料を結果としてもたらす可能性のある、不適切なランセット切開部位清浄および初留除去、(2)不十分な試料容量および間質液の大きな割合を結果としてもたらす可能性のある、整合性のないランセット切開位置および深さ、(3)溶血した試料を結果としてもたらす可能性のある、血液抽出(例えば、血液搾乳)を促進するためのランセット切開部位近くの整合性のない圧搾技法および過剰な圧力、(4)溶血したまたは汚染された試料を結果としてもたらす可能性のある、変わりやすい移動界面および収集技法、ならびに(5)微小血塊を結果としてもたらす可能性のある、抗凝血剤との不適切な試料混合である。
【0007】
毛細管血液収集採取は、医療従事者により、彼らの指を使用して、穿刺部位の周りの組織を手動で圧搾する又は、その位置から血液を、真空圧を用いたデバイスで吸引することにより、典型的に行われている。
【0008】
手動により収集部位を圧搾することは、(溶血-血球破裂で測定されるように)成功する比率及び試料品質に非常に大きなばらつきをもたらす高度な技術に依存する方法である。医療従事者は、典型的に、患者に依存する血流の相違に応じて補うように圧搾して圧及び速度を調整する。強度に圧搾することは、血流を早くさせる助けになるが、しかし、溶血も増加させる。圧搾部位は、個人的な好み、経験及び、手の疲労に依存して、医療従事者間で多様である。ある従事者は、指の付け根から始めて、そして、指の先端に向かってスライドさせるように圧を加える、所謂、指での「搾乳」を実行するかもしれない。この方法は、国内及び国際的な医療組織により、低い試料品質にさせることから奨励されていない。
【0009】
真空駆動デバイスは、血流の圧及び技術を標準化させているが、しかし、典型的に、低い全体としての血流により悩まされている。適用される最大圧は、大気圧と絶対真空(~14psi)の相違により限定され、そして、デバイスは、絶対真空の一部でのみ作動する。参照として、男性と女性の握力は、平均50-100lbsの範囲であり、何故手動法が、流れよりも溶血により影響を与えるかを示している。真空方法は、一定の圧力を加え、血液を補充する組織の能力を限定させる。
【0010】
故に、制御された状態で、指をランセットで切開して圧搾し、試料を収集し、試料を安定化させ、その後試料を分注する能力を有するデバイスが当該技術分野において必要とされる。また、溶血および微小血塊を含む低い試料品質と典型的に関連するワークフローのばらつきを排除することによって、毛細管血液収集を簡素化および能率化するデバイスが当該技術分野において必要とされている。さらに、血液暴露およびデバイス再使用を排除するクローズドシステムによる収集および移送が当該技術分野において必要とされる。さらに、(1)異なる毛細管血液を収集および移送する容器の収容における柔軟性をもたらし、(2)高品質の均一に混合/安定化された毛細管血液試料を生成するための能力を有し、(3)毛細管プラズマ試料からオンボードプラズマを生成する能力を有し、(4)低減された痛みで多くの毛細管血液試料(>50~500μL)を収集する能力を有し、(5)収集時の患者情報と対にされる固有の試料識別子を含み、(6)毛細管血液を収集し、オンボード診断を実施する能力を有し、(7)同じまたは異なる抗凝血剤を有する異なる容器に血液試料を収集するために複数の収集ポートを有する、デバイスが当該技術分野において必要とされる。標準化されて、そして、制御された位置での圧力の適用、十分な血流に対して十分に高いが、しかし、溶血閾値よりも低い圧力の適用、指で血液を補充させる一定の圧力というよりむしろ規定されたリズムの圧力の適用、平均血流速度を増加させること、及び、操作者により適用される最大の力を低下させて、使用者の疲労を低減させる毛細管血液収集デバイスは、当該技術分野において、更に必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、上に明記される必要性を満たし、制御された状態で、指をランセットで切開して圧搾し、試料を収集し、試料を安定化させ、続いて試料を分注する、毛細管血液収集デバイスなどの、生体試料を獲得するためのデバイスを対象とする。本デバイスはまた、溶血および微小血塊を含む低い試料品質と特に関連するワークフローのばらつきを排除することによって、毛細管血液収集を簡素化および能率化する。
【0012】
本開示は、ランセットで切開をし、高容量毛細管血液試料、例えば、最大500マイクロリットルまたはそれ以上を収集して安定化させる能力を有する自給式および完全一体型の指ベース毛細管血液収集デバイスを含む。本デバイスは、溶血、微小血塊、および患者の苦痛を含む、低い試料品質と特に関連するワークフローステップ及び、ばらつきを排除することによって、高容量毛細管血液収集を簡素化および能率化する。本デバイスは、装着、および穿刺された指部位から収集容器までの毛細管血液の移送を確実にする、指および関連した血液流路をランセット切開することができる格納式ランセット切開機構を備える。本デバイスはまた、指から出る血液流を刺激する、すなわち、圧送するために周期的に圧搾され得るホルダ、およびさらに、収集した試料を安定化させるために流路または収集容器内に堆積される抗凝血剤を含む。
【0013】
一態様によると、本デバイスは、ホルダ、ランセット、および収集容器などの別個の構成要素を備え得る。他の態様によると、ランセットおよび収集容器は、その後、ホルダと共に使用される1つのデバイスへと一体化することができる。さらに他の態様によると、ホルダ、ランセット、および収集容器は、単一のシステムへと一体化され得る。これらの態様のいずれも、自立型使い捨てデバイスとして、および/または痛み低減制御のため外部電源と関連して使用されることが想定される。毛細管血液収集デバイスは、小管から毛細管分注器にまで及ぶ様々な毛細管血液収集容器、ならびにオンボードプラズマ分離モジュール用のプラットホームとしての役割を果たすことができる。この能力は、製品柔軟性を、ポイントオブケア(POC)カートリッジへの、または遠心分離機もしくは分析機器に使用され得る小型収集管移送への分注を含む、様々な応用に広げる。
【0014】
本開示の一つの実施形態によると、血液試料を獲得するためのデバイスは、作動部およびポートを有する、試料源を受容するためのホルダと;ホルダに取り外し可能に接続された血液収集アタッチメントと、及び;収集空間を画定する、前記血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と;を備えても良く、収集容器デタッチメント部材が、血液収集アタッチメントと収集容器との間に提供されて、着脱可能に、収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる。
【0015】
本開示の一つの実施形態によると、収集容器は、押されるときに血液収集アタッチメントを収集容器からリリースするリリースタブを含む蓋を備えても良い。蓋は、リビンクヒンジを介して収集容器に連結されても良い。血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、蓋は凸部を受容する凹部を規定して収集容器を血液収集アタッチメント中にロックしても良い。リビンクヒンジは、厚さが低減されているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有しても良い。蓋は、蓋を閉じたとき、収集容器上の蓋を所望の配置に確実にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備えても良い。収集容器は、収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備えても良く、そして、血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを規定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、収集容器を所望の位置に配列させても良い。回転可能な連結アセンブリは、ホルダと血液収集アタッチメントの間に提供されても良い。回転可能な連結アセンブリは、収集容器が、ホルダに対して、充填位置と保存位置との間で回転するように配置されても良い。回転可能な連結アセンブリは、ソケット及び、摩擦フィットを介して一緒に保持されるポスト部材を備えても良い。
【0016】
本開示の一つの実施形態において、血液試料を獲得するためのデバイスは、血液収集アタッチメントと;及び、収集空間を画定する、血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と;を備えても良く、収集容器デタッチメント部材が、血液収集アタッチメントと収集容器との間に提供されて、着脱可能に収集アタッチメントに収集容器を装着させる。
【0017】
本開示の一つの実施形態において、収集容器は、押されるときに血液収集アタッチメントを収集容器からリリースするリリースタブを含む蓋を備えても良い。蓋は、リビンクヒンジを介して収集容器に連結されても良い。血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、蓋は凸部を受容する凹部を規定して収集容器を血液収集アタッチメント中にロックする。リビンクヒンジは、厚さが減少しているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有しても良い。蓋は、蓋を閉じたとき、収集容器上の蓋を所望の配置に確実にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備えても良い。収集容器は、収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備えても良く、そして、血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを規定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、収集容器を所望の位置に配列させても良い。血液収集アタッチメントは、除去された凹部(relief recess)を規定して、デバイスを使用するとき、使用者の手がつかむための位置を提供しても良い。デバイスを使用するとき、使用者の親指を受容するリリースタブの上の血液収集アタッチメント中に凹部は規定されても良い。収集容器が血液収集アタッチメント中に保持されているとき、蓋は前記血液収集アタッチメント中に見せかけで保持されても良い。
【0018】
本開示はまた、以下の条項によって画定される。
【0019】
条項1:作動部およびポートを有する、試料源を受容するためのホルダと、
前記ホルダに取り外し可能に接続された血液収集アタッチメントと、
収集空間を画定する、前記血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と、を備え、
収集容器デタッチメント部材が、前記血液収集アタッチメントと前記収集容器との間に提供されて、着脱可能に前記血液収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる、血液試料を獲得するためのデバイス。
【0020】
条項2:前記収集容器は、押されるとき前記血液収集アタッチメントから前記収集容器をリリースするリリースタブを含む蓋を備える、条項1に記載のデバイス。
【0021】
条項3:前記蓋は、前記収集容器との抵抗を生み出すために、バネで予圧したロック機能として働くエラストマーを備える、条項2に記載のデバイス。
【0022】
条項4:前記蓋は、リビンクヒンジを介して前記収集容器に連結されている、条項2~3の何れかに記載のデバイス。
【0023】
条項5:前記血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、前記蓋は凸部を受容する凹部を画定して前記収集容器を前記血液収集アタッチメント中にロックする、条項2~4の何れかに記載のデバイス。
【0024】
条項6:前記リビンクヒンジは、厚みを減らしているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有する、条項3又は4の何れかに記載のデバイス。
【0025】
条項7:前記蓋は、蓋を閉じたとき、前記収集容器上の蓋を所望の配置に確実にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備える、条項2~6の何れかに記載のデバイス。
【0026】
条項8:前記収集容器は、前記収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備え、そして、前記血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを画定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、前記収集容器を所望の位置に配列させる、条項1~7の何れかに記載のデバイス。
【0027】
条項9:回転可能な連結アセンブリが、前記ホルダと前記血液収集アタッチメントの間に提供されている、条項1~8の何れかに記載のデバイス。
【0028】
条項10:前記回転可能な連結アセンブリは、前記収集容器が、前記ホルダに対して充填位置と保存位置との間で回転するように配置されている、条項9に記載のデバイス。
【0029】
条項11:前記回転可能な連結アセンブリは、ソケット及び、摩擦フィットを介して一緒に保持されるポスト部材を備える、条項9~10の何れかに記載のデバイス。
【0030】
条項12:前記収集容器デタッチメント部材は、前記収集容器が前記血液収集アタッチメントから取り除かれたとき、触覚フィードバックを提供する、条項1~11の何れかに記載のデバイス。
【0031】
条項13:血液収集アタッチメントと、
収集空間を画定する、前記血液収集アタッチメントに取り外し可能に接続された収集容器と、を備え、
収集容器デタッチメント部材が、前記血液収集アタッチメントと前記収集容器との間に提供されて、着脱可能に収集アタッチメントに前記収集容器を装着させる、
血液試料を獲得するためのデバイス。
【0032】
条項14:前記収集容器は、押されるとき前記血液収集アタッチメントから前記収集容器をリリースするリリースタブを含む蓋を備える、条項13に記載のデバイス。
【0033】
条項15:前記蓋は、前記収集容器との抵抗を生み出すために、バネで予圧したロック機能として働くエラストマーを備える条項14に記載のデバイス。
【0034】
条項16:前記蓋は、リビンクヒンジを介して前記収集容器に連結されている条項14~15の何れかに記載のデバイス。
【0035】
条項17:前記血液収集アタッチメントは凸部を備え、そして、前記蓋は凸部を受容する凹部を画定して前記収集容器を前記血液収集アタッチメント中にロックする、条項13~16の何れかに記載のデバイス。
【0036】
条項18:前記リビンクヒンジは、厚みを減らしているか、又は少なくとも一つのカットアウトを有する条項13~17の何れかに記載のデバイス。
【0037】
条項19:前記蓋は、蓋を閉じたとき、前記収集容器上の前記蓋を確実に所望の配置にさせるために少なくとも一つのガイドタブを備える、条項13~18の何れかに記載のデバイス。
【0038】
条項20:前記収集容器は、前記収集容器の外側表面から延びる整列した凸部を備え、そして、前記血液収集アタッチメントは、血液収集アタッチメントの内側表面上に整列したスロットを画定して、血液収集アタッチメント中に挿入されたとき、前記収集容器を所望の位置に配列させる、条項13~19の何れかに記載のデバイス。
【0039】
条項21:前記血液収集アタッチメントは、除去された凹部を画定して、デバイスを使用するとき、使用者の手がつかむための位置を提供する、条項13~20の何れかに記載のデバイス。
【0040】
条項22:デバイスを使用するとき、使用者の親指を受容するために、リリースタブの上の前記血液収集アタッチメント中に凹部が画定されている、条項13~21の何れかに記載のデバイス。
【0041】
条項23:前記収集容器が前記血液収集アタッチメント中に保持されているとき、前記蓋は前記血液収集アタッチメント中に見せかけで保持されている、条項13~22の何れかに記載のデバイス。
【0042】
条項24:前記収集容器デタッチメント部材は、前記収集容器が前記血液収集アタッチメントから取り除かれたとき、触覚フィードバックを提供する、条項13~22の何れかに記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明の実施態様に従ったホルダの斜視図である。
図2A図2Aは、本開示の別の実施態様に従った患者の指から血液試料を獲得するためのデバイスとランセットの断面図である。
図2B図2Bは、本開示の別の実施態様に従った患者の指から血液試料を獲得するためのデバイスと収集容器の斜視図である。
図3図3は、本開示の別の実施態様に従った患者の指から血液試料を獲得するためのデバイスと試料収集容器の側面図である。
図4図4は、ロックされていない収集容器デタッチメント部材の斜視図である。
図5図5は、脱離された状態の図4の収集容器の斜視図である。
図6図6は、脱離された状態の図4の収集容器の別の斜視図である。
図7図7は、本開示の一つの実施態様に従った血液収集アタッチメントと収集容器の断面図である。
図8図8は、図7の収集容器の拡大図である。
図9図9は、収集容器デタッチメント部材の斜視図である。
図10図10は、本開示の一つの実施態様に従った収集容器と使用者の手の斜視図である。
図11図11は、本開示の別の実施態様に従った患者の指から血液試料を獲得するためのデバイスと収集容器の断面図である。
図12図12は、図11のデバイスの側面図である。
図13図13は、図11のデバイスの正面図である。
図14図14は、収集容器デタッチメント部材の断面図である。
図15図15は、本開示の一つの実施態様に従った収集容器の側面図である。
図16図16は、本開示の一つの実施態様に従った収集容器の上面図である。
図17図17は、本開示の一つの実施態様に従った収集容器の上面図である。
図18図18は、本開示の一つの実施態様に従ったガイドタブを有する収集容器の斜視図である。
図19図19は、本開示の一つの実施態様に従った整合する特徴を有する収集容器及び、血液収集アタッチメントの斜視図である。
図20図20は、本開示の一つの実施態様に従った整合する特徴を有する収集容器及び、血液収集アタッチメントの斜視図である。
図21図21は、本開示の一つの実施態様に従ったホルダのための回転可能なコネクタアセンブリの側面図である。
図22図22は、図21の回転可能なコネクタアセンブリの断面図である。
図23図23は、代替的な回転可能なコネクタアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために企図された、説明された態様を、製造し使用することを可能にするために提供される。しかしながら、種々の修正、均等、変形、および、代替が、当業者には、容易に明らかになるであろう。任意の、および、全ての、そのような修正、変形、均等、および、代替が、本発明の精神および範囲内に入ることが意図される。
【0045】
以下の説明の目的のため、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」、および、それの派生語は、それが、図面に向いているとして、本発明に関連するであろう。しかし、本発明は、明白にそれに反して特定される場合を除き、様々な代替の変形を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される、特定の装置は、単に、本発明の例示的な態様であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は限定的であると考慮されるべきではない。
【0046】
本開示は、上記のニーズに合致し、そして、指をランセットで切開して圧搾し、試料を収集し、試料を安定化させ、そして、結果として、制御したやり方で試料を分配する能力を有する、毛細管血液収集デバイスのような生物試料を獲得するためのデバイスに関するものである。このデバイスは、溶血及びマイクロ血栓を含む低試料品質に典型的に関連したワークフローの変動性を除くことにより、毛細管血液収集を簡易化させ、且つ、合理化させもする。
【0047】
血液収集は、圧力駆動の流れにより、根本的に駆動される。デバイス又は技術は、血管の外側の圧力を低減させるか(真空による流れ)又は、血管内の圧力を上昇させる。両方のアプローチは、血管圧と外圧の差を増大させ、そして、血管内から収集容器のある外側への流速を上昇させる。硬い組織や関節は灌流が乏しいか又は、機械的に安定であり患者に痛みを与えず圧搾出来るが、柔らかい組織(例えば、脂肪、皮膚及び筋肉)は血液が灌流することから、圧搾する位置も重要であり得る。
【0048】
赤血球(RBC)は、収集中に溶血にさらされ得る。溶血(RBC破壊)は、細胞内容物を試料の液体血清中へ流すこと、及び、ヘモグロビンを介して血清を赤に色付け、そして、比色反応を妨害すること、の両方によって、診断上の分析用の試料を汚染させる。収集中の溶血の量は、流速及び流路、組織及び血管の物理的な圧搾が細胞に損傷を与え得る圧力駆動による溶血のため、細胞の剪断による破壊により起こされ得る。したがって、溶血は、適用される圧力を確認して、そして、指が圧搾される位置の何れにおいても流れが速すぎないようさせることにより制御され得る。
【0049】
本開示は、ランセットで切開し、高容量(例えば、500マイクロリッターまで又は以上)の毛細管血液試料を収集し、そして、安定化させる能力を有する、自己完結型で、且つ、完全一体型の指ベースの毛細管血液収集デバイスを含む。このデバイスは、溶血、微小血塊、および患者の苦痛を含む、低い試料品質に典型的に関連したワークフロー工程及び、ばらつきを除くことにより、高容量の毛細管血液収集を簡易化させ、且つ、合理化させる。本デバイスは、指をランセットで切開できる格納可能なランシング機構と、装着及び穿刺された指から収集容器へ毛細管血液の移動を確実にさせる関連血液流路とを備える。本デバイスはまた、指から出る血液流を刺激する、すなわち、圧送するために周期的に圧搾され得るホルダ、およびさらに、収集した試料を安定化させるために流路または収集容器内に堆積される抗凝血剤を含む。
【0050】
一態様によると、本デバイスは、ホルダ、ランセット、および収集容器などの別個の構成要素を備えことができる。他の態様によると、ランセットおよび収集容器は、その後、ホルダと共に使用される1つのデバイスへと一体化することができる。さらに他の態様によると、ホルダ、ランセット、および収集容器は、単一のシステムへと一体化され得る。これらの態様のいずれも、自立型使い捨てデバイスとして、および/または痛み低減制御のため外部電源と関連して使用されることが想定される。毛細管血液収集デバイスは、小管から毛細管分注器にまで及ぶ様々な毛細管血液収集容器、ならびにオンボードプラズマ分離モジュール用のプラットホームとしての役割を果たすことができる。この能力は、製品柔軟性を、ポイントオブケア(POC)カートリッジへの、または遠心分離機もしくは分析機器に使用され得る小型収集管移送への分注を含む、様々な応用に広げる。
【0051】
図1及び図2Aを参照して、例示的な実施態様において、本開示のデバイス(10)は、個別の構成要素、例えば、(図1に示すように)ホルダ(12)、(図2Aに示すように)ランセットハウジング又はランセット、及び(図2Bに示すように)収集容器(16)(図2Bに示すように)を備える。別の例示的な実施態様において、本開示の半一体型デバイスは、斜めの流れ(at-angle flow)を含んでもよく、そして、一体型ランセットハウジング及び別個のホルダに連結され得る収集容器を備える。別の例示的な実施態様において、本開示の半一体型デバイスは、直線の流れ(in-line flow)を有しても良く、そして、一体型ランセットハウジング及び別個のホルダに連結され得る収集容器を備えてもよい。別の例示的な実施態様において、本開示の一体型デバイスは、斜めの流れ(at-angle flow)を有しても良く、そして、一体型ホルダ、ランセットハウジング及び収集容器を備えてもよい。別の例示的な実施態様において、本開示の一体型デバイスは、直線の流れ(in-line flow)を有しても良く、そして、一体型ホルダ、ランセットハウジング及び収集容器を備えてもよい。
【0052】
図1を参照して、試料供給源、例えば、血液試料(18)のような生物学的試料を供給する指(19)、を受容することが出来る本開示のホルダ(12)の例示的な実施態様が示され、そして、記載されている。本開示のホルダ(12)は、概して、第一の開口部(22)(図1)、作動部(24)、第二の開口部(28)を有するポート(26)、及び指末端ガード(30)を備える。一つの実施態様において、指末端ガード(30)は、ホルダ(12)内で、好適に整列させ、そして、指(19)を固定する停止部を提供する。指末端ガード(30)は、更に、患者の指(19)が指受容部(20)内に好適に配置され、確実に、患者の指(19)に適用された圧力が十分な血流を生じさせることを補助する。
【0053】
指受容部(20)の第一の開口部(22)は、試料供給源、例えば、血液試料(18)のような生物学的試料を供給する指(19)を受容するように配置されている。いくつかの試料供給源は、第一の開口部(22)内でフィットすることが出来る別の体の部分を備え得ると評価され得る。ポート(26)は、指受容部(20)と連通している。例えば、ホルダ(12)内に受容された指(19)と、ポート(26)は、指(19)の部分で連通している。本開示のホルダ(12)は、全ての指のサイズを収容するようにサイズを変えられる。
【0054】
ポート(26)の第二の開口部(28)は、より詳細に以下に記述するように、ランセットハウジング(14)及び、収集容器(16)を受容するように配置されている。一つの実施態様において、ポート(26)は、ポート(26)内で、ランセットハウジング(14)及び、収集容器(16)を固定して受容するためのロッキング部(32)を備える。
【0055】
一つの実施態様において、作動部(24)は、ホルダ(12)が第一の直径を画定する第一の位置と、ホルダ(12)が第二の直径を画定する第二の位置とで移動可能であり、第二の直径は、第一の直径よりも小さい。一つの実施態様において、作動部(24)は、第一の楕円形状を画定する第一の位置と、第二の楕円形状を画定する第二の位置と、で移動可能であり、第一の楕円形状は第二の楕円形状とは異なる。このやり方で、低減された直径の第二の部分中のホルダ(12)と一緒に、ホルダ(12)は試料供給源と接触し、そして、ホルダ(12)の作動部(24)は、より詳細に以下に記述するように、血液(18)を圧送又は抽出できる。
【0056】
図1を参照して、一つの実施態様において、作動部(24)は、接触部材(34)を備える。第一の位置における作動部(24)と一緒に、接触部材(34)は、離脱した位置、即ち、接触部材(34)が試料供給源、例えば、指(19)に関して第一の位置で提供されて、接触部材(34)はそこで一緒に若干接触するかもしれない。第二の位置における作動部(24)と一緒に、接触部材(34)は、係合した位置、即ち、接触部材(34)が試料供給源、例えば、指(19)に関して第二の位置で提供されて、接触部材(34)は、適用された圧力下で、指(19)と接触して、そして、ホルダ(12)の作動部(24)は、血液(18)を圧送又は抽出できるようになる。例えば、係合した位置の接触部材(34)と一緒に、接触部材(34)は、試料供給源上に圧力を発揮する。
【0057】
図1を参照して、一つの実施態様において、作動部(24)は、例えば、指(19)のような試料供給源に圧力を適用するための圧送部材(36)を備える。一つの実施態様において、圧送部材(36)は、対抗するタブ又は翼(38)のペアを備える。そのような実施態様において、各タブ(38)は、接触部材(34)を備えても良い。一つの実施態様において、ホルダ(12)は、リビングヒンジ部(42)を備える。リビングヒンジ部(42)は、使用者が、第一の位置(受動的状態)と、第二の位置(能動的状態)の間で、翼(38)を圧搾出来るようにする。患者の指(19)からのタブ又は翼(38)を使用した採血(18)は、患者の指(19)から血液の十分な流れを維持しつつ、溶血を最小限にさせる。静止位置及び翼(38)のヒンジは、血液の遮断なしにホルダ(12)内で、最も大きい患者の指を収容できるように柔軟性がある一方、接触を維持し、そして、ホルダ(12)にフィットする最も小さい患者の指を維持するようにデザインされている。
【0058】
有利には、本開示のホルダ(12)は、使用者が繰返し、翼(38)を圧搾し、そして、リリースして、指(19)から血液(18)を、所望の量の血液(18)が収集容器(16)中に充填されるまで、圧送及び/又は抽出をさせる。翼(38)は、ホルダ(12)を使用してもよい患者の指のサイズと優しい接触を維持し、そして、患者の指(19)上でホルダ(12)を維持するために柔軟に配置されている。
【0059】
有利には、指(19)上に配置されたホルダー(12)と一緒に、ホルダー(12)は、血流を制限せず、そして、ランシング及び、指圧搾位置を画定する。圧搾タブ又は翼(38)は、指(19)を通して、一貫して適用される予め画定された範囲の圧搾圧を提供する。そうすることにより、ホルダー(12)は、血液抽出を促進させ、そして、潜在的な溶血を最小化させる優しい制御された指マッサージを提供する。
【0060】
図1を参照して、一つの実施態様において、ホルダー(12)は、安定延長部(40)を備える。これは、指(19)上に固定して配置させるように、ホルダー(12)に対して追加のサポートを提供する。一つの実施態様において、指受容部(20)は、概して、C-形状部材を形成し、そして、指(19)上に固定して配置させるために追加のグリップ及びホルダー(12)用のサポートを提供するための複数の内側グリップ部材を備える。安定延長部(40)は、患者の指(19)の血液供給及び指関節をさけて、ホルダー(12)の使用中、患者の指(19)との接触を維持することを補助する。
【0061】
一つの実施態様において、指受容部(20)は、柔軟性材料から形成されている。いくつかの実施態様において、指受容部(20)及びポート(26)は、柔軟性材料から形成されている。
【0062】
本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結されたランセットハウジング又はランセット(14)を備える。いくつかの実施態様において、ランセットハウジング(14)は、入口又は開口部(50)、内側(52)、穿刺要素(54)、係合部(56)、リトラクタブル機構(58)及び起動バネ(60)を備える。一つの実施態様において、穿刺要素(54)は、穿刺要素(54)がランセットハウジング(14)の内側(52)内に保持されている作動前位置と、穿刺要素(54)の少なくとも一部がランセットハウジング(14)の入口(50)を通って、指(19)の一部をランセットで切開するように伸びる穿刺位置の間を移動可能である。
【0063】
一つの実施態様において、本開示のランセット(14)は、接触活性化ランセットであり、2005年5月6日に出願され、そして、同一出願による、「接触活性化ランセットデバイス」という表題の米国出願第2006/0052809号に開示の特徴に従って、構成されても良く、この開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
一つの実施態様において、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)及び収集容器(16)から別個の構成要素であってもよい。いくつかの実施態様において、収集容器(16)とランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結される一つの構成要素を形成する。いくつかの実施態様において、収集容器(16)、ランセットハウジング(14)及びホルダ(12)は、一つの構成要素を形成する。
【0065】
図2Aを参照して、一つの実施態様において、ホルダ(12)と一緒に、ランセットハウジング(14)は別個の構成成分であるから、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結されている。そのような実施態様において、ランセットハウジング(14)は係合部(56)を備える。図2Aを参照して、一つの実施態様において、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)中に押されて、ランセットハウジング(14)の係合部(56)が、ホルダ(12)のロック部(32)内でロックされる。このやり方で、ランセットハウジング(14)はホルダ(12)にしっかり連結され、そして、ロックされ、ランセットハウジング(14)の穿刺要素(54)は、試料供給源、例えば、指(19)をランセットで切開又は穿刺するために活性化され得る。いくつかの実施態様において、ホルダ(12)のポート(26)は、ポート(26)において、ランセット(14)又は収集容器(16)を固定及びロックするための複数のリブを備える。
【0066】
ランセット(14)を活性化させるために、ランセット(14)は指(19)に対して押され、指(19)をランセットで切開するランセット(14)のリトラクタブル機構(58)を活性化させる。本開示のランセット(14)は、正確なランセット切開深さ及び予め画定されたランセット切開位置を提供し、したがって、十分な試料の量を確実にさせる。
【0067】
一つの実施態様において、ランセット(14)は、穿刺要素(54)を穿刺位置に向けて付勢させるためにランセットハウジング(14)の内側(52)内に配置された起動バネを備える。穿刺した後、穿刺要素(54)は、直ぐに、ランセットハウジング(14)の内側(52)内に格納されて、そして、安全に固定される。
【0068】
一つの実施態様において、本開示のランセット(14)は、指(19)の皮膚をランセット切開するために使用され、そして、その後、詳細に以下に記述するように、血液試料(18)が収集容器(16)中に圧搾される。
【0069】
一つの実施態様において、本開示のランセット(14)は、ランセット経路に沿って、指(19)の皮膚をランセットで切開し、そして、その後、詳細に以下に記述するように、血液試料(18)が、ランセット経路へ傾斜して流れるように使用される。
【0070】
一つの実施態様において、ランセット(14)は、中空針を備え得る。そのような実施態様において、本開示のランセットハウジング(14)は、ランセット経路に沿って、指(19)の皮膚をランセットで切開し、そして、その後、血液試料(18)(図2Bに示す)が、中空針を通って並行な血液流路を流れるように使用される。
【0071】
図2Bに示すように、本開示の血液試料(18)を獲得するためのデバイスは、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結された収集容器(16)を備える。収集容器(16)は、血液試料(18)を受容するための収集空間(70)、容器係合部(72)、血液収集部(74)及びキャップ又はセプタム(76)を画定する。所望の血液(18)量が収集容器(16)内に収集されると、血液試料(18)を診断機器及び/又は試験デバイスに送るために、血液収集部(74)は収集デバイス(10)から取り外される。収集デバイス(10)から除かれて、収集空間(70)内で血液試料(18)を保護するためにシールされると、血液収集部(74)は、キャップ又はセプタム(76)を介してシールされる。
【0072】
一つの実施態様において、収集容器(16)は、ホルダ(12)及びランセットハウジング(14)からは別個の構成要素であり得る。いくつかの実施態様において、収集容器(16)とランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結された一つの構成要素を形成する。いくつかの実施態様において、収集容器(16)、ランセットハウジング(14)及びホルダ(12)は、一つの構成要素を形成する。
【0073】
一つの実施態様において、ホルダ(12)と一緒に、そして、収集容器(16)は別個の構成要素であることから、収集容器(16)は、ホルダ(12)のポート(26)に取り外し可能に連結されている。そのような実施態様において、収集容器(16)は、容器係合部(72)を備える。一つの実施態様において、収集容器(16)は、ホルダ(12)のポート(26)中に押されて、収集容器(16)の容器係合部(72)は、ホルダ(12)のロック部(32)内でロックされるようになる。このやり方で、収集容器(16)は、ホルダ(12)にしっかりと連結され、そして、ロックされ、血液試料(18)は、ホルダ(12)内で、指(19)から収集容器(16)の収集空間(70)へ安全に流れことができる。
【0074】
複数の種類の収集容器(16)が、本開示のデバイス(10)と一緒に使用することが出来ると理解され得る。収集容器(16)は、別々の分配ユニットと連携させることが出来又は、収集容器(16)は、血液(18)を試験デバイスに分配するための一体型分配部を備えることが出来る。
【0075】
図1を参照して、別個の構成要素、例えば、ホルダ(12)、ランセットハウジング又はランセット(14)及び、収集容器(16)を有する本開示のデバイス(10)の使用が、今から述べられる。
【0076】
図1を参照して、まず、所望の指(19)は清潔にされ、そして、所望の指(19)のために好適なサイズを有するホルダ(12)が選択され、そして、指(19)上にしっかりと配置される。次に、図2Aを参照して、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)に連結されている。上記に論じたように、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)のポート(26)中に押されて、ランセットハウジング(14)の係合部(56)は、ホルダ(12)のロック部(32)内でロックされているようになる。このやり方で、ランセットハウジング(14)は、ホルダ(12)にしっかり連結され、そして、ロックされ、ランセットハウジング(14)の穿刺要素(54)(図2A)は、試料供給源、例えば、指(19)をランセットで切開し又は穿刺するように活性化され得る。ホルダ(12)のポート(26)に連結されたランセット(14)と一緒に、ランセット(14)は、指(19)と連通している。
【0077】
ランセットを活性化させて、指(19)の皮膚をランセットで切開することが望まれるとき、ランセット(14)は指(19)に対して押されて、ランセット(14)のリトラクタブル機構(58)(図2A)を活性化して、指(19)をランセットで切開する。本開示のランセット(14)は、正確な穿刺深さ及び予め画定された穿刺位置を提供し、したがって、十分な試料量を保証する。
【0078】
指(19)がランセットで切開されて、指(19)から血流(18)を生じさせた後、ランセット(14)は、ホルダ(12)から除去されて、そして、収集容器(16)は、ホルダ(12)のポート(26)中に押される。図2Bを参照して、収集容器(16)は、ホルダ(12)のポート(26)中に押されて、収集容器(16)の容器係合部(72)は、ホルダ(12)のロック部(32)内でロックされることになる。このやり方で、収集容器(16)は、ホルダ(12)にしっかり連結され、そして、ロックされ、血液試料(18)は、ホルダ(12)内で指(19)から収集容器(16)の収集空間(70)中に安全に流れ得るようになる。
【0079】
図1を参照して、血液試料(18)の収集用のホルダ(12)を好適に固定された収集容器(16)で、使用者は、ホルダ(12)の翼(38)を繰り返し圧搾し、そして、リリースして、所望の量の血液(18)が収集容器(16)を満たすまで、指(19)から血液(18)を圧送及び/又は抽出することが出来る。好都合なことに、指(19)上に配置されたホルダ(12)で、ホルダ(12)は、血流を妨げず、そして、ランセットで切開して、指圧搾する位置を画定する。圧搾タブ又は翼(38)は、指(19)を通して、一貫して適用される予め画定された範囲の圧搾圧を提供する。そうすることにより、ホルダー(12)は、血液抽出を促進させ、そして、潜在的な溶血を最小化させる優しい制御された指(19)マッサージを提供する。
【0080】
例えば、図1を参照して、一実施態様で、作動部(24)は、接触部材(34)を備える。第一の位置における作動部(24)で、接触部材(34)は取り外された位置、即ち、接触部材(34)が試料供給源、例えば、指(19)に関して第一の位置にある。第二の位置における作動部(24)で、接触部材(34)は係合された位置、即ち、接触部材(34)が第二の位置にあり、そして、試料供給源、例えば、指(19)に接触して圧が適用され、そして、ホルダ(12)の作動部(24)は、血液(18)を圧送及び/又は抽出できる。例えば、係合された位置で接触部材(34)と一緒に、接触部材(34)は、試料供給源上に圧力を与える。
【0081】
所望の量の血液(18)が収集容器(16)内に収集されると、血液試料(18)を診断機器及び/又は試験デバイスに送るために、血液収集部(74)は、収集デバイスから取り外される。収集デバイス(10)から除かれて、収集空間(70)内で血液試料(18)を保護するためにシールされると、血液収集部(74)は、キャップ又はセプタム(76)を介してシールされる。
【0082】
本開示のデバイスは、試験デバイスが、治療現場から離れた又は治療現場の試験デバイスであろうと、いかなる公知の試験デバイスと適合し得る。多様な治療現場の試験デバイスが当該分野では公知である。そのような治療現場の試験デバイスは、試験ストリップ、スライドガラス、診断カートリッジ又は、試験及び分析用の別の試験デバイスを含む。試験ストリップ、スライドガラス、及び診断カートリッジは、血液試料を受容し、そして、その血液の一つ以上の生理学的及び生化学的状態を試験する治療現場の試験デバイスである。分析のために研究室に試料を送る必要がないだけなく、極少量の血液を分析するカートリッジベース構造を使用する、多数の治療現場の試験デバイスが存在する。これにより、長期間に渡り結果を得る時間を節約させ、高度に定型的な実験環境に対して異なる種類の試みが生じる。そのような試験カートリッジの具体例は、Abbotグループ会社からのi-STAT(登録商標)テストカートリッジを含む。i-STAT(登録商標)テストカートリッジのような試験カートリッジは、化学物質及び、電解質、血液学、血液ガス濃度、凝固、又は心臓マーカーの存在を含む多様な試験条件で試験をするために使用され得る。そのようなカートリッジを使用した試験結果は、直ぐに医師に提供される。
【0083】
収集容器(16)は、試料安定化剤、例えば、血液試料(18)及び/又はそこに配置された血液試料(18)の構成成分を安定化さる抗凝固剤も含み得る。収集容器(16)は、試料の予め決められた量に対応する少なくとも一つの充足量ラインを含み得る。収集容器は、血液の収集容量を示す/計ることも出来る。
【0084】
本開示の血液試料を獲得するためのいかなるデバイスは、自立型使い捨てデバイスとして、および/または痛み低減制御のため外部電源と関連させて使用できる。例えば、ホルダ(12)の部分は、外部痛み制御モジュールからのシグナルを受容して、痛み低減制御のために、熱、振動又は経皮的電気神経刺激療法(TENS)の少なくとも一つを伝達する埋込電極を備えてもよい。本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、オンボードプラズマ分離用の多様な選択肢を備えてもよい。本開示の血液試料を獲得するためのいかなるデバイスは、収集時において、患者の情報と対にさせ得る独自の試料識別子を備えてもよい。本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、収集時において、オンボード診断フィードバックを備えてもよい。本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、2つの収集、例えば、同じ供給源から複数の試料の収集を可能にさせる、複数の収集ポートを使用して、そして、抗凝固剤のような異なる試料安定化剤で試料を処理し、別々の容器中へ2つの試料の収集を可能にさせてもよい。
【0085】
本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、非常に簡易化したものであり、そして、ランセット及び毛細管を使用した従来からの毛細管血液収集と比較して、指からの多量の毛細管血液収集を不要にさせる。本開示のデバイスは、血液の暴露をなくし、そして、デバイスの再利用を防止させる。
【0086】
本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、収集プロセスを簡易化させ、不要とさせ、そして、効率化させる。これは、指に配置された後は、ランセットで切開、血液抽出、安定化、そして、封入機能を、一つのユニットで全て提供することになる、自己充足閉鎖系デバイスにより、全てが達成される。
【0087】
本開示の血液試料を獲得するためのデバイスは、自動圧送、制御された指圧搾及び、自動試料ラベリング及びプロセスを提供する自己完結型ユニットと関連させてもよい。
【0088】
図3-5を参照して、本開示の一つの実施態様に従って、収集容器デタッチメント部材(80)が、詳細に示され、そして、記述されている。収集容器デタッチメント部材(80)は、使用者が部材(80)を押してリリースさせ、血液収集アタッチメント(82)から取外し可能に連結されたホルダ(12)から収集容器(16)をリリースさせる使いやすいリリース機構であってもよい。収集容器デタッチメント部材(80)は、収集容器(16)が、血液収集アタッチメント(82)から取り除かれたことを示す、触覚フィードバックを使用者に提供する。
【0089】
図6を参照して、本開示の一つの実施態様に従って、収集容器デタッチメント部材(80)は、使用者が、血液収集アタッチメント(82)から収集容器(16)の切断を可能にさせる、リリースタブ(84)を備えても良い。一つの実施態様において、リリースタブ(84)は、患者から血液試料(18)が取られた後、血液収集アタッチメント(82)から収集容器(16)をリリースするように、使用者により内側に押されてもよい。リリースタブ(84)が使用者により押されると、収集容器(16)は血液収集アタッチメント(82)から離れることができる。リリースタブ(84)は、収集容器(16)中の血液試料(18)と接触する表面の汚染を防止するラッチ機能を備えてもよい。リリースタブ(84)は、使用者により積極的に係合されて、収集容器(16)をリリースさせなければならないから、リリースタブ(84)は、血液収集アタッチメント(82)からの収集容器(16)いかなる偶発的なリリースを防止する。一つの実施態様において、リリースタブ(84)は、リリースタブ(84)は血液収集アタッチメント(82)から収集容器(16)をリリースするために押さなければならないことを使用者に視覚的に示す明るい色又は、パターンを有してもよい。一つの実施態様において、リリースタブ(84)は、収集容器デタッチメント部材(80)のロック解除のための「レバー」として働く。本開示の一つの実施態様において、血液収集アタッチメント(82)は、収集容器(16)が除去されて、そして、蓋(86)が収集容器(16)上で閉じられるまで、汚染から蓋(86)のシール表面(106)をシールしてもよい。本開示の一つの実施態様において、蓋(86)のラッチ機能は、血液収集アタッチメント(82)によりブロックされて、蓋(86)の改造を特定するタンパープルーフ機能を提供してもよい。
【0090】
図7及び9-13に示すように、本開示の一つの実施態様に従って、収集容器(16)の蓋(86)は、収集容器(16)の外側表面から外側に延びる外側凸部(88)に対して置かれても良い。蓋(86)は、収集容器(16)を放す一方、バネで予圧したロック機能として働き、そして、使用者が押すときに抵抗を生み出す材料(TPE)のようなソフトラバーを有してもよい。リリースタブ(84)は、蓋(86)上に凸部として形成されてもよい。蓋(86)は、リビングヒンジ(90)を使用して収集容器(16)に連結されていてもよい。蓋(86)は、蓋(86)を若干傾けさせる力を予め備えていてもよい。一つの実施態様において、蓋(86)は、50%~75%予圧されていてもよい。蓋(86)が予圧下にあるとき、リビングヒンジ(90)は、図8に示すようにバネとして働いてもよい。リビングヒンジ(90)の外側部分は伸長してもよく、一方で、リビングヒンジ(90)の内側部分は圧縮をされてもよい。蓋(86)上の予圧は、血液収集アタッチメント(82)との積極的なロック係合において、収集容器(16)を保持するために補助となる。
【0091】
図3及び14を参照して、使用者が、A方向に蓋(86)のふちを押すとき、蓋(86)は、更に傾くかもしれない。蓋(86)は、使用者がリリースタブ(84)を収集容器(16)に向けて押した後でさえも、収集容器(16)から目立ち又は離れるように、配置されていてもよい。図14に示すように、本開示の一つの実施態様において、蓋(86)は、血液収集アタッチメント(82)から延びる凸部(94)と係合するように配置された凹部(92)を備えてもよい。収集容器(16)が血液収集アタッチメント(82)中に挿入されたとき、蓋(86)は、凸部(94)が収集容器(16)の蓋(86)に形成された凹部(92)中に積極的にロックするまで、凸部(94)に対して押される。凹部(92)と凸部(94)上の対応する表面は、リリースタブ(84)によりリリースされるまで、開いた位置で蓋(86)を維持するように、相互に積極的に係合するように配置されている。第一の収集容器(16)が血液試料(18)で充足されると、第一の収集容器(16)は、血液収集アタッチメント(82)から容易に除かれて、そして、第二の収集容器(16)が、血液収集アタッチメント(82)中へ挿入されて、追加量の血液試料(18)を受容してもよい。
【0092】
図15-17を参照して、本開示の多様な実施態様に従って、リビングヒンジ(90)の折り曲げライン及び硬さは、リビングヒンジ(90)に材料を加えるか、リビングヒンジ(90)から材料を除くことにより調整し得る。図15において、リビングヒンジ(90)の厚さTは薄くして、リビングヒンジ(90)の折り曲げライン及び硬さを調整してもよい。図16において、カットアウト又はスロット(96)が、リビングヒンジ(90)中に作られて、リビングヒンジ(90)の幅Wを低減させてもよい。図17において、カットアウト又はスロット(96)は、リビングヒンジ(90)中にカットされて、リビングヒンジ(90)で使用される材料の量を低減させてもよい。リビングヒンジ(90)の他の部分は、材料を除いて又は加えて、リビングヒンジ(90)折り曲げライン及び硬さを制御してもよいと理解されている。
【0093】
図18を参照して、本開示の一つの実施態様において、蓋(86)が閉じられたとき、蓋(86)が収集容器(16)上に正確に配置されるように、収集容器(16)の蓋(86)は、少なくとも一つのガイドタブ(98)を備えても良い。本開示の一つの実施態様では、収集容器(16)は、2つのガイドタブ(98)を備えてもよく、一つのガイドタブ(98)は、収集容器(16)の側面と係合するために、蓋(86)のそれぞれの側に配置されている。
【0094】
図19を参照して、本開示の一つの実施態様において、収集容器(16)及び血液収集アタッチメント(82)は、収集容器(16)が、血液収集アタッチメント(82)中に受容されているとき、適切に整列させることを確実にさせるために、整列機能を備えてもよい。一つの実施態様において、収集容器(16)は、収集容器(16)の外側表面から突出している整列凸部(100)を備えてもよい。対応する整列スロット(102)は、整列凸部(100)を受容するために、血液収集アタッチメント(82)の内側表面中に画定されてもよい。血液収集アタッチメント(82)は整列凸部(100)を備えてもよく、そして、収集容器(16)は整列スロット(102)を備えてもよいと考えられている。本開示のいくつかの実施態様において、収集容器(16)は、一つ以上の整列凸部(100)を備えてもよく、一方、血液収集アタッチメント(82)は、一つ以上の整列スロット(102)を備えてもよい。一つの実施態様において、収集容器(16)上に提供された整列凸部(100)の数は、血液収集アタッチメント(82)上に提供された整列スロット(102)の数と同じである。
【0095】
図20を参照して、本開示の一つの実施態様において、血液収集アタッチメント(82)は、収集容器(16)が、血液収集アタッチメント(82)中に挿入されているとき、所望の位置に入るようにガイドするための追加機能を備えてもよい。血液収集アタッチメント(82)の側壁(104)は、傾斜として、収集容器(16)を積極的に血液収集アタッチメント(82)へ係合させるようにガイドし、血液収集アタッチメント(82)中の安定した配置に収集容器(16)を保持するように配置をしてもよい。
【0096】
図13を参照して、本開示の一つの実施態様において、除去された凹部(108)は、血液収集アタッチメント(82)の外側表面中に画定されて、血液収集アタッチメント(82)上の使用者のグリップを向上させることを補助してもよい。除去された凹部(108)は、使用者の親指により押されたリリースタブ(84)の反対に配置されてもよい。図9を参照して、本開示の一つの実施態様において、凹んだ凹部(110)は、リリースタブ(84)上の位置で、血液収集アタッチメント(82)の外側表面中に画定されてもよい。凹部(110)は、リリースタブ(84)を、血液収集アタッチメント(82)の表面から更にタッチポイントは運ぶように提供されてもよい。凹部(110)は、血液収集アタッチメント(82)を操作するとき、使用者の親指用に、可視的な「ランディングパッド」も提供する。凹部(110)の凹んだ表面は、血液収集アタッチメント(82)のバックグラウンド機能を弱めるために大きくテクスチャ化されてもよい。
【0097】
図21及び22を参照して、本開示の一つの実施態様において、ホルダ(12)は、血液収集アタッチメント(82)に連結された回転可能な連結アセンブリ(112)を備え、使用者が、血液収集アタッチメント(82)及び収集容器(16)を、ホルダ(12)上で、ポート(26)から離れて及び、ポート(26)に向かって回転できるようにしてもよい。回転可能な連結アセンブリ(112)は、ソケット並びに、血液収集アタッチメント(82)及び収集容器(16)の回転を可能にさせるために摩擦フィットを介して積極的に係合するポスト部材を備えてもよい。ソケット及びポスト部材は、ホルダ(12)上又は血液収集アタッチメント(82)上の何れかに、それぞれ提供されてもよい。回転可能な連結アセンブリ(112)用の摩擦フィットは、患者の指(19)を穿刺するとき、ランセット(14)が収集容器(16)を妨害しないようにするために、収集容器(16)が不活性な位置に保持されたとき、収集容器(16)から発生した動力を十分に支持する強度がある。更に、回転可能な連結アセンブリ(112)用の摩擦フィットは、使用者が手動で、収集容器(16)を活性状態へ回転させために必要な十分な強度がある。収集容器(16)は、それ自身の重量で活性な状態に動くとは出来ない。
【0098】
図22に示すように、本開示の一つの実施態様において、回転可能な連結アセンブリ(112)は、不活性な状態に収集容器(16)を維持するために、摩擦フィットを生じさせる摩擦軸受面(114)を備える。一つの実施態様において、摩擦軸受面(114)間の摩擦係数は、0.15~0.2である。図23に示すように、本開示の別の実施態様において、回転可能な連結アセンブリ(112)は、十分な力が適用されるまで、回転可能な連結アセンブリ(112)の回転を防止させる保持突起(116)を備えてもよい。
【0099】
毛細管血液収集デバイスの実施態様が、添付の図面において示され、そして、上記において詳細に記述されているが、当業者にとっては、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、別の実施態様は明らかであり、そして、容易に作成することが出来る。したがって、上記の記述は、限定的なものではなく、むしろ、例示的なものであることを意図するものである。上記に記載の発明は、添付の特許請求の範囲により画定されるものであり、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内に入る本発明に対する全ての変更は、それらの範囲内に包含される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】