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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】濾過構成及び濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/04 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B01D33/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580807
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2021075694
(87)【国際公開番号】W WO2023274568
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/068151
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521361785
【氏名又は名称】レナシス アクスイェ セルスカプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トロンド メルフス
(72)【発明者】
【氏名】アルネ マルミン
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116AA16
4D116AA27
4D116BB12
4D116BC62
4D116BC66
4D116BC67
4D116BC70
4D116BC76
4D116DD01
4D116FF11B
4D116GG02
4D116GG21
4D116GG29
4D116HH17C
4D116KK02
4D116QA44B
4D116QA44C
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4D116QA54E
4D116QB34
4D116RR01
4D116RR04
4D116RR12
4D116RR14
4D116RR26
4D116TT03
4D116TT07
4D116UU10
4D116VV08
(57)【要約】
液体20を濾過するための濾過装置10用の濾過構成12を提供する。濾過構成12は、濾過容器14と、内部を通過する液体20から粒子を除去するための連続する濾過要素16であって、濾過要素16は、経路26に沿って、濾過容器14内に入り、濾過容器14から出るように配置される、濾過要素16と、濾過容器14内にて濾過要素16とその両側で封止係合する2つのホイール18a、18bであって、2つのホイール18a、18bのそれぞれは、濾過容器14に対して、濾過要素16の動作に伴い回転可能である、2つのホイール18a、18bと、を備える。このほか、流体噴射装置36と濾過装置10とを備える濾過構成12を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(20)を濾過するための濾過装置(10)用の濾過構成(12)であって、
濾過容器(14)と、
内部を通過する液体(20)から粒子を除去するための連続する濾過要素(16)であって、経路(26)に沿って、前記濾過容器(14)に入り、前記濾過容器(14)から出るように配置される、濾過要素(16)と、
前記濾過容器(14)内にて前記濾過要素(16)とその両側で封止係合する2つのホイール(18a、18b)であって、2つのホイール(18a、18b)のそれぞれは、前記濾過容器(14)に対して、前記濾過要素(16)の動作に伴い回転可能である、2つのホイール(18a、18b)と、
を具備する、濾過構成(12)。
【請求項2】
前記2つのホイール(18a、18b)は前記濾過容器(14)に対して垂直に移動可能である、請求項1に記載の濾過構成(12)。
【請求項3】
各ホイール(18a、18b)は少なくとも1つの座部(24a、24b)を備え、前記濾過要素(16)は前記座部(24a、24b)内に受容される、請求項1又は2に記載の濾過構成(12)。
【請求項4】
前記濾過容器(14)は2つの円形部分(92a、92b)を備え、前記2つのホイール(18a、18b)は、その間に前記濾過要素(16)がある状態で前記円形部分(92a、92b)のそれぞれに押し込まれる、請求項1-3の何れか一項に記載の濾過構成(12)。
【請求項5】
前記濾過要素(16)と前記円形部分(92a、92b)のそれぞれとの間を封止するように配置された少なくとも1つの固定ホイール封止部材(98、98a、98b)をさらに具備する、請求項4に記載の濾過構成(12)。
【請求項6】
各固定ホイール封止部材(98、98a、98b)は、それぞれの座部(24a、24b)に受容される、請求項3及び5に記載の濾過構成(12)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの固定ホイール封止部材(98、98a、98b)はプラスチック材料から作成される、請求項5又は6に記載の濾過構成(12)。
【請求項8】
前記濾過容器(14)はそれぞれのホイール(18a、18b)の横方向外側に2つの空洞(94a、94b)を具備する、請求項1-7の何れか一項に記載の濾過構成(12)。
【請求項9】
各空洞(94a、94b)の底部に固定空洞封止部材(96a、96b)をさらに具備する、請求項8に記載の濾過構成(12)。
【請求項10】
液体(20)を濾過するための濾過装置(10)用の濾過構成(12)であって、
濾過容器(14)と、
内部を通過する液体(20)から粒子を除去するための連続する濾過要素(16)であって、経路(26)に沿って、前記濾過容器(14)内に入り、前記濾過容器(14)から出るように配置され、濾布(28)と、前記濾布(28)を支持する担体(30)とを具備する、濾過要素(16)と、
前記濾布(28)に振動を誘発するために、該濾布(28)に向けて流体の変化する流れを提供するように構成された流体噴射装置(36)と、
を具備する、濾過構成(12)。
【請求項11】
前記濾過構成(12)は前記濾過容器(14)の外側で前記濾布(28)を前記担体(30)から分離するように構成される、請求項10に記載の濾過構成(12)。
【請求項12】
前記流体噴射装置(36)は前記担体(30)と前記濾布(28)との間に位置決めされる、請求項11に記載の濾過構成(12)。
【請求項13】
前記流体噴射装置(36)は前記経路(26)に対して横方向(86)に振動するように配置された少なくとも1つの流体噴射管(102)を具備する、請求項10-12の何れか一項に記載の濾過構成(12)。
【請求項14】
前記流体噴射装置(36)は前記濾布(28)に向けて流体の変動する流量を提供するように構成される、請求項10-13の何れか一項に記載の濾過構成(12)。
【請求項15】
前記流体噴射装置(36)は前記担体(30)を支持するための少なくとも1つの担体支持体(106)を具備する、請求項10-14の何れか一項に記載の濾過構成(12)。
【請求項16】
液体(20)を濾過するための濾過装置(10)であって、請求項1-15の何れか一項に記載の濾過構成(12)を具備する、濾過装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に液体の濾過に関する。特に、2つのホイールを備える濾過構成、流体噴射装置を備える濾過構成及びそのような濾過構成を備える濾過装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界の大きな課題の1つには、ヒトと動物に安全な飲料水を提供することが挙げられる。水質汚染の主な原因のいくつかが、未処理の下水、製造業からの未処理のプロセス水、農業廃棄物及び流出水に起因するものである。水は安全に飲めるようになる前に処理する必要がある。
【0003】
汚染水から安全な飲料水を提供する方法の1つには、真空下で汚染水を蒸発させることが挙げられる。真空下で水を蒸気に相変化させることで、水は低温で沸騰する。この方法の欠点は、真空下で水を水蒸気に相変化させるのに多くのエネルギーが必要なことである。
【0004】
特許文献1は、流体から粒子を濾過するための濾過装置を開示する。この濾過装置は、濾過容器と、通過する流体から粒子を除去するための少なくとも1つの濾過要素であって、濾過容器に入り、濾過容器から出る経路に沿って移動するように配置された少なくとも1つの濾過要素と、粒子と流体の混合物を濾過容器内の少なくとも1つの濾過要素に移送するように配置された濾過入口と、少なくとも1つの濾過要素によって濾過された流体を濾過容器から外に移送するように配置された濾過出口と、を備える。この濾過装置は、濾過容器内の少なくとも1つの濾過要素全体にわたって差圧を確立するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/164730号
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つの目的は、改良された性能を有する濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0007】
本開示の別の目的は、濾過された液体の清浄度を改善する濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0008】
本開示のさらに別の目的は、エネルギー効率の高い動作を実施する濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0009】
本開示のさらに別の目的は、摩擦損失を低減した濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、密閉性が向上した濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、濾布のいっそう効率的な洗浄を可能にする濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0012】
本開示のさらに別の目的は、前述の目的の一部又は全部を解決する濾過装置用濾過構成を提供することである。
【0013】
本開示のさらに別の目的は、前述の目的の1つ、一部又は全部を解決する、濾過構成を備える濾過装置を提供することである。
【0014】
第1の態様によれば、液体を濾過するための濾過装置用濾過構成を提供する。濾過構成は、濾過容器と、内部を通過する液体から粒子を除去するための連続する濾過要素であって、経路に沿って、濾過容器に入り、濾過容器から出るように配置された濾過要素と、濾過容器の内側にて濾過要素の両側で封止係合する2つのホイールであって、2つのホイールのそれぞれは、濾過要素の動作に伴って濾過容器に対して回転可能である、2つのホイールと、を備える。
【0015】
濾過装置は濾過容積部を備えてもよい。濾過容積部の範囲は、2つのホイールと、濾過要素のホイールと現在係合している部分とによって定められてもよい。
【0016】
ホイールが濾過要素に封止係合し、濾過要素の動作に合わせて回転するため、ホイールと濾過要素との間の摩擦損失を排除することができると同時に、濾過容器内の濾過容積部を効率的に封止することができる。密封することは、濾過装置が濾過要素の下流の負圧下で使用される場合に特に有益である。密封されない場合、濾過されない液体が濾過要素側を通過し、濾過性能が低下するリスクがある。ホイールは濾過要素を濾過容器に押し付けてもよい。
【0017】
濾過構成により、ホイールの接線速度を濾過要素の速度と同じにすることができる。ホイールと濾過要素との間の相対運動による摩擦がないため、濾過装置のエネルギー効率が高くなる。このほか、摩擦によって引き起こされる振動と、その結果として生じる漏れを回避することができる。ホイールが濾過要素と共に回転するため、ホイールと濾過要素は回転可能な封止を提供すると言える場合がある。
【0018】
濾過要素は、本明細書に記載するような任意のタイプのものであってもよい。濾過要素は、濾布と、濾布を支持する担体とを備えてもよい。濾布及び担体はそれぞれ連続していてもよい。濾布と担体は、横方向の幅がほぼ同一であっても、同一であってもよい。本明細書で使用する場合、横方向とは経路に直交する方向である。担体は担体ベルトであってもよい。
【0019】
2つのホイールは独立して回転しても、互いに固定されてもよい。2つのホイールは、同じ形状、寸法及び/又は質量を有してもよい。2つのホイールは、横方向に互いに離れていてもよい。
【0020】
濾布は、3次元細孔形状を有する金属ワイヤクロス又は合金ワイヤクロスなどのワイヤクロスを含んでもよい。そのような濾布は、濾布の公称程度の目詰まりの後に、濾過に対してほぼ一定又は一定の透過性を提供することができる。ワイヤクロスは、縦糸ワイヤと横糸ワイヤとが交差し、織目によって織り込まれていてもよい。縦糸ワイヤは、第1及び第2のタイプの縦糸ワイヤを形成するために、少なくとも2つの異なる構成で形成されてもよい。第1のタイプの縦糸ワイヤの長さが、特定の長さ単位に関して第2のタイプの縦糸の長さからずれていてもよい。2つの隣接する縦糸ワイヤの部分の間の間隙及び2つの隣接する横糸ワイヤの交差部分に細孔を形成してもよい。
【0021】
濾過構成はモータを備えてもよい。モータは、濾過要素を経路に沿って駆動するように構成されてもよい。濾布が連続担体上に配置されている場合には、モータは担体を駆動してもよい。濾過要素は、濾過装置の動作中に連続的に移動しても、断続的に移動してもよい。
【0022】
本開示全体を通じて、液体は水であってもよい。濾過容器は鋼製であってもよい。第1の態様による濾過構成は、第2の態様による流体噴射装置を備えても、備えなくてもよい。しかし、第1の態様による濾過構成は、第2の態様と同じものであってもよい。
【0023】
2つのホイールは、濾過容器に対して垂直に移動可能であってもよい。これにより、2つのホイールは濾過要素上に載置されるようになる。ホイールが下方に移動可能であるようにすることにより、濾過要素が圧縮され、密閉性が向上する。2つのホイールは、重力によって垂直下方に移動するように配置されてもよい。このため、ホイールの重量が大きくなるほど、濾過要素と濾過容積部の密閉性が高まる。任意選択で、バネなどの付勢装置を各ホイールに設けて、濾過要素に対してホイールの追加の力を提供することができる。垂直方向の動きには、垂直方向の成分を含むあらゆる動きが含まれる。ホイールは、例えば、純粋に垂直方向に移動しても、垂直方向に対して傾斜した方向に移動してもよい。
【0024】
各ホイールは少なくとも1つの座部を備えてもよい。この場合、濾過要素は座部に受容されてもよい。各座部は、それぞれのホイールの周囲に沿って延びてもよい。任意選択で、各ホイールは、曲がりくねった構造を備えてもよく、濾過要素は曲がりくねった構造内に受容されてもよい。このようにして、濾過構成は回転可能なラビリンスシールを備える。そのような各ラビリンスシールは、いくつかの座部を備える。
【0025】
濾過容器は2つの円形部分を備えていてもよい。この場合、2つのホイールは、その間に濾過要素を挟んだ状態で、それぞれの円形部分に押し込まれてもよい。各円形部分は、90-180°、例えば、120-180°の角度の広がりを有してもよい。
【0026】
濾過構成は、少なくとも1つの固定ホイール封止部材をさらに備えてもよい。固定ホイール封止部材は、濾過要素とそれぞれの円形部分との間を封止するように配置されてもよい。
【0027】
各固定ホイール封止部材は、それぞれの座部内に受容されてもよい。このため、固定ホイール封止部材及び濾過要素のそれぞれは、共通の座部又は固有の座部のいずれかの座部に受容されてもよい。
【0028】
少なくとも1つの固定ホイール封止部材は、プラスチック材料から作成されてもよい。プラスチック材料は、濾過要素と1つ又は複数の固定ホイール封止部材との間の摩擦を低減する。
【0029】
濾過容器は、それぞれのホイールの外側に横方向に2つの空洞を備えてもよい。空洞は、まき散らしによる濾過容量部からのあらゆる溢れを収集してもよい。ホイールによる濾過要素の密封により、空洞内の液体が濾過要素の下流の領域に通過することを防止する。このため、濾過構成は、濾過されていない液体が濾過された液体と混ざることを防止する。空洞内の液体を、例えば、その液体をポンプで汲み出すか、そこに液体を注入して循環を確立することによって、少なくとも断続的に濾過容積部内に戻してもよい。これにより、空洞内に液体が長期間滞留することを防止することができる。
【0030】
濾過構成は、各空洞の底部に固定空洞封止部材をさらに備えてもよい。各固定空洞封止部材は、発泡材料及び/又はゴムから作成されてもよい。
【0031】
第2の態様によれば、液体を濾過するための濾過装置用濾過構成を提供する。この濾過構成は、濾過要素と、内部を通過する液体から粒子を除去するための連続する濾過要素であって、濾過要素は、経路に沿って、濾過容器に入り、濾過容器から出るように配置され、濾過要素は、濾布と、濾布を支持する担体とを備える、濾過要素と、濾布に向けて流体の変化する流れを提供して、濾布に振動を誘発するように構成された流体噴射装置と、を備える。
【0032】
流体の流れにより、粒子を濾布から吹き飛ばす、例えば、濾布を通して吹き飛ばす。しかし、このほか、流体の流れの変化又は揺動が濾布に振動を引き起こす。このような振動はこのほか、濾布から粒子を除去するのに役立つ。即ち、振動により濾布から粒子が振り落とされる。これにより、濾布の洗浄がさらに効率的なものになる。流体の流れだけでなく、振動も洗浄効率に大きな影響を及ぼす。このため、この態様による濾過構成は、一定の流体の流れを供給する流体噴射装置を使用する場合と比較して、大幅に改善された洗浄効率を有する。任意選択で、流体噴射装置は、濾布の固有振動数を励起するように変化する流体の流れを提供するように構成されてもよい。これにより、洗浄効率をさらに向上させることができる。
【0033】
濾過要素は、連続しているため、ループを形成する。濾布は担体を囲んでもよい。即ち、担体は濾布の内部に配置されてもよい。流体噴射装置は、ループに対して外向きの方向に流体の流れを提供するように構成されてもよい。これとは別に、あるいはこれに加えて、流体噴射装置は、流体の流れを垂直下方に提供するように構成されてもよい。この点での垂直下方向を、水平に対して1度から179度の角度にしてもよい。
【0034】
濾過構成は、濾過要素を支持し、経路に沿って濾過要素を案内するための複数のローラを備えてもよい。流体噴射装置は、濾布が自由に垂れ下がる位置に配置されてもよい。濾布は2本のローラの間にたるみを伴って吊り下げてもよい。このようにして、許容される濾布の振動が大きくなる。
【0035】
流体は空気であってもよい。流体の流れは、方向性揺動及び/又は流れ揺動などによって揺動して変化する場合がある。方向性揺動の場合、流体の流れは、ほぼ一定又は一定の流量を有する可能性があるが、流体の流れの流れ方向は変化する。
流れ揺動の場合、流体の流れは、ほぼ一定又は一定の流れ方向を有する可能性があるが、流体の流れの流量は変化する。
【0036】
第2の態様による濾過構成は、第2の態様によるホイールを備えても、備えなくてもよい。しかし、第2の態様による濾過構成は、第1の態様と同じものであってもよい。
【0037】
濾過構成は、濾布を濾過容器の外側の担体から分離するように構成されてもよい。この場合、流体噴射装置は担体と濾布との間に位置決めされてもよい。このようにして、流体噴射装置は、流体の流れを提供すると同時に担体を支持することができる。さらに、これにより、流体噴射装置を濾布の近くに位置決めして、洗浄性を向上させることができる。多くの実装例では、担体には粒子が「見られる」ことは決してないため、洗浄の必要はない。
【0038】
流体噴射装置は、経路に対して横方向に揺動するように配置された少なくとも1つの流体噴射管を備えてもよい。このようにして、流体噴射装置は、濾布に向けて流体の変化する流れを提供して、濾布に振動を引き起こすことができる。各流体噴射管は可撓性であったり、及び/又は可撓性を伴って吊り下げられたりしてもよい。流体噴射装置に供給された流体圧力を増大させることによって、1つ又は複数の流体噴射管の揺動数を増大させることができ、その逆も可能である。流体噴射装置は、複数の流体噴射管、例えば、少なくとも3つの流体噴射管を備えてもよい。
【0039】
流体噴射装置は、各流体噴射管に関連付けられた管案内具を備えてもよい。各管案内具は、流体噴射管を横方向に案内するように構成されてもよい。
【0040】
流体噴射装置は、濾布に向けて流体の変化する流れを提供するように構成されてもよい。このほか、このようにして、流体噴射装置は、濾布に向けて流体の変化する流れを提供して、濾布に振動を引き起こすことができる。
【0041】
流体噴射装置は、担体を支持するための少なくとも1つの担体支持体を備えてもよい。流体噴射装置は、1つ又は複数の流体噴射管に流体を供給するための流体パイプをさらに備えてもよい。この場合、各担体支持体は流体パイプを少なくとも部分的に取り囲んでもよい。流体パイプは横方向に延びてもよい。
【0042】
第3の態様によれば、液体を濾過するための濾過装置を提供する。この濾過装置は、第1の態様及び/又は第2の態様による濾過構成を備える。濾過装置は、国際出願PCT/EP2021/068151号明細書に記載されているタイプのものであってもよい。この国際特許出願の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。濾過装置は、国際出願PCT/EP2021/068151号に記載されているように、濾過要素全体にわたる液体の差圧を制御し、差圧と連動して濾過要素を通る液体のフィルタ内流れの通過時間を制御することによって、液体を濾過するように構成されてもよい。濾過要素全体にわたって急激な圧力降下を提供することで、液体中のあらゆる細菌及び寄生虫が死滅することになる。
【0043】
濾過装置は、生物の量を低減することが望まれる任意の液体を濾過するために使用されてもよい。濾過要素への流入水は、前処理されても、されなくてもよい。前処理の例には、前洗浄、予備加熱などが挙げられる。
【0044】
濾過装置は、濾過要素の下流の出口ラインと、出口ラインの下流の収集容積部と、収集容積部から流出する液体の収集容積部内液体流れを制御するように構成された液体出口装置と、収集容積部から流出する気体流れを制御するように構成された気体出口装置と、濾過要素全体にわたる液体の差圧を制御し、差圧と連動して濾過要素を通る液体のフィルタ内流れの通過時間を制御するように構成された制御システムと、をさらに備えてもよい。差圧及び通過時間の制御は、液体出口装置を制御して収集容積部内液体流れを制御するステップと、気体出口装置を制御して気体流れを制御するステップと、を含んでもよい。
【0045】
出口ラインは、濾過容器と収集容積部との間など、濾過容器の下流に配置されてもよい。収集容積部は大気に対して閉鎖されていてもよい。
【0046】
濾過装置は、濾過要素の上流、例えば、入口ライン上に位置決めされた液体入口装置をさらに備えてもよい。液体入口装置によって、濾過要素への液体の流入流れを制御することができる。
【0047】
濾過装置は上流フィルタをさらに備えてもよい。上流フィルタは、入口ラインと濾過要素との間又は入口ライン内に位置決めされてもよい。
【0048】
出口ラインは、少なくとも1メートルの測地高低差を有してもよい。濾過装置は、出口ライン内の液体の下流への移動によって差圧を確立するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本開示の追加の詳細、利点及び態様が、図面と併せて以下の説明から明らかになるであろう。
図1図1は濾過構成を備える濾過装置の側断面図を概略的に示す。
図2図2は濾過構成の斜視側面図を概略的に示す。
図3図3は濾過構成の部分斜視側面図を概略的に示す。
図4図4は濾過構成の部分平面図を概略的に示す。
図5図5は濾過構成の部分断面平面図を概略的に示す。
図6図6は濾過構成の部分断面平面図を概略的に示す。
図7図7は濾過構成の封止の追加の例の断面平面図を概略的に示す。
図8図8は濾過構成の部分斜視側面図を概略的に示す。
図9図9は濾過構成の部分斜視背面図を概略的に示す。
図10図10は、流体噴射装置の部分斜視側面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では、2つのホイールを備えた濾過構成、流体噴射装置を備えた濾過構成及びそのような濾過構成を備えた濾過装置について説明する。同一又は類似の構造的特徴を示すために、同一又は類似の参照番号を使用する。
【0051】
図1は、濾過装置10の側断面図を概略的に示す。濾過装置10は、濾過構成12を備える。濾過装置10は、濾過容器14、連続する濾過要素16及び2つのホイール18a、18b(1つのホイール18bのみを図1に示す)を備える。濾過要素16は、内部を通過する液体から粒子を除去するように構成される。ここでは、液体を水20として例示する。
【0052】
濾過容積部22の範囲を、2つのホイール18a、18bと、濾過容器14内の濾過要素16と、によって定める。濾過対象の水20を、濾過容積部22内に受容する。ホイール18bは、座部24bを備える。ホイール18aは、対応する座部24a(図2)を備える。
【0053】
図1に示すように、濾過要素16は、経路26に沿ってループ状に移動可能である。濾過要素16は、濾過容器14内の濾過領域に連続的又は断続的に移動し、濾過容器14から外に移動することができる。濾過容器14は鋼製であってもよい。
【0054】
ここで、濾過要素16は、連続する濾布28と、ここでは担体ベルト30として例示する連続する担体とを備える。担体ベルト30は、濾布28を支持する。濾布28は、担体ベルト30の外側に配置される。濾布28は、例えば、RPD HIFLO 5S、10S、15S、20S、30S又は40Sなど、Haver&Boeckerによって販売されているMinimesh(登録商標)RPD HIFLO-Sであってもよい。
【0055】
濾布28は、例えば、少なくとも1μm及び/又は50μm未満の孔径を有してもよい。濾布28は、例えば、0.20mm-0.25mmの厚さを有してもよい。担体ベルト30は、例えば、少なくとも0.20mm及び/又は5mm未満の厚さを有してもよい。
【0056】
濾過構成12は、電気モータ32をさらに備える。モータ32は、経路26に沿って濾過要素16を駆動するように構成され、濾過要素16の速度を制御するように構成される。
【0057】
この例の濾過構成12は、複数のローラをさらに備える。図1では、3つのローラ34a、34b及び34cを示している。ローラ34a-34cは、濾過要素16を支持し、経路26に沿って案内する。モータ32は、ここでは担体ベルト30に係合するローラ34aの1つを駆動して、濾過要素16を経路26に沿って移動させるように配置されている。このほか、ホイール18a、18bは濾過要素16を支持し、案内し、それによってローラとして機能する。
【0058】
濾過装置10は、流体噴射装置36をさらに備える。流体噴射装置36は、濾過要素16の受動部品、即ち、濾過容積部22の外側、ここでは濾過容器14の下を洗浄するように構成される。流体噴射装置36は、加圧空気によって濾過物又は濾過ケーキを濾過要素16から強制的に分離するように構成される。流体噴射装置36については、以下でさらに詳細に説明する。
【0059】
この例の濾過装置10は、入口ライン38をさらに備える。ここで、入口ライン38を、濾過対象の水20を濾過容器14に導くための垂直パイプとして例示する。
【0060】
この例の濾過装置10は、上流フィルタ40をさらに備える。上流フィルタ40は、濾過要素16よりも実質的に高い透過性を有するため、粗フィルタと呼ばれる場合がある。
【0061】
この例の濾過装置10は、収集構成42をさらに備える。図1に示すように、収集構成42は、濾過構成12の垂直下方に位置決めされる。収集構成42は、収集タンク44を備える。収集タンク44は、本開示による収集容積部の一例である。
【0062】
濾過装置10は、制御システム46をさらに備える。制御システム46は、データ処理装置48と、コンピュータプログラムが保存されたメモリ50と、を備える。コンピュータプログラムは、データ処理装置48によって実行されると、データ処理装置48に本明細書に記載のさまざまなステップを実行させるか、その実行を命令するプログラムコードを含む。制御システム46は、例えば、モータ32を制御するためにモータ32と信号通信する。
【0063】
この例の濾過装置10は、入口弁52をさらに備える。入口弁52は、本開示による液体入口装置の一例である。入口弁52を制御することによって、濾過対象の水20の入口ライン38を通る流入流れ54を制御することができる。入口弁52は、制御システム46と信号通信する。制御システム46は、入口弁52の開度を制御することができる。
【0064】
この例の濾過装置10は、出口ライン56をさらに備える。ここでは、出口ライン56を垂直パイプとして例示する。しかし、出口ライン56は必ずしも垂直方向に向けられる必要はない。出口ライン56の上流かつ測地学的最上端部が、濾過容器14内の濾過要素16に対して開放されている。出口ライン56の下流かつ測地学的最低端部が、収集タンク44に対して開放されている。上流端部及び下流端部を除いて、出口ライン56は閉鎖されている。このため、出口ライン56は、濾過要素16の下の濾過容器14から収集タンク44に水20を導く。図3の参照番号58が、出口ライン56を通る出口ラインの流れを示す。濾過装置10は、ここでは逆止弁として例示する、出口ライン56内の一方向出口ライン弁60をさらに備える。
【0065】
出口ライン56は、1メートルから10メートルの垂直方向拡張部を有してもよい。これにより、濾過要素16の下方の水20の垂直水滴が出口ライン56によって提供される。そのため、出口ライン56はドロップパイプと呼ばれる場合がある。出口ライン56内の5メートルの水滴が、濾過要素16全体にわたる50kPaの差圧に対応し、出口ライン56内の8メートルの水滴が、濾過要素16全体にわたる80kPaの差圧に対応する場合がある。
【0066】
この例の濾過装置10は、出口弁62をさらに備える。出口弁62は、本開示による液体出口装置の一例である。本開示による液体出口装置の1つの代替例には、液体ポンプが挙げられる。出口弁62を制御することによって、収集出口66を通って収集タンク44から流出する収集容積部内液体流れ64を制御することができる。出口弁62は、収集タンク44の測地学的に低い領域に位置決めされる。出口弁62は、制御システム46と信号通信する。制御システム46は、出口弁62の開度を制御することができる。
【0067】
この例の濾過装置10は、真空ポンプ68をさらに備える。真空ポンプ68は、本開示による気体出口装置の一例である。真空ポンプ68は出口弁62と並列に配置される。
【0068】
真空ポンプ68は、収集タンク44の上部から気体70を吸引して、それにより気体70を排気するように構成される。真空ポンプ68を制御することにより、収集タンク44からの気体流れ72を制御することができる。真空ポンプ68は、収集タンク44の測地学的最上領域に位置決めされ、接続される。真空ポンプ68は、制御システム46と信号通信する。制御システム46は、例えば、可変周波数駆動装置によって、真空ポンプ68の速度を制御することができる。
【0069】
収集タンク44は、出口ライン56の下流に位置決めされる。図1に示すように、収集タンク44は大気に対して閉鎖される。この例では、収集タンク44の内部容積部と外部との接点は、出口ライン56を通るもの、出口弁62を通るもの及び真空ポンプ68を通るもののみである。
【0070】
この例の濾過装置10は、入口レベルセンサ74をさらに備える。入口レベルセンサ74によって、濾過容器14内の水20の入口レベルを監視することができる。入口レベルセンサ74は、制御システム46と信号通信する。
【0071】
この例の濾過装置10は、出口レベルセンサ76をさらに備える。出口レベルセンサ76によって、収集タンク44内の水20の出口レベル78を監視することができる。出口レベルセンサ76は、制御システム46と信号通信する。
【0072】
この例の濾過装置10は、温度センサ80をさらに備える。この例の温度センサ80は、収集タンク44内に配置される。温度センサ80によって、収集タンク44内の水20の温度を監視することができる。温度センサ80は、制御システム46と信号通信する。
【0073】
この例の濾過装置10は、圧力センサ82をさらに備える。圧力センサ82は、水20の負圧を監視するように構成される。この例の圧力センサ82は、出口ライン56内に位置決めされる。圧力センサ82は、制御システム46と信号通信する。
【0074】
汚染された水20を、入口ライン38を通って濾過容器14に導く。流入流れ54は、入口レベルセンサ74からの信号に基づいて入口弁52によって制御される。このようにして、濾過容器14内の水20の入口レベルは、例えば、一定レベルに制御することができる。水20中の粗粒子を上流フィルタ40によって濾過する。これより微細な粒子を濾布28によって濾過する。濾過要素16は濾過中に連続的に移動してもよいが、濾過速度は制御されてもよい。
【0075】
水20が出口ライン56内を下流に移動するにつれて、濾過要素16の下の出口ライン56内の水20の上流で利用可能な空間が多くなる。これにより、濾過要素16の下の出口ライン56内に負圧が生成される。この負圧は、圧力センサ82によって測定することができる。水20の温度は、例えば、20℃であってもよい。この場合、水20は10kPaの負圧で沸騰する。負圧が(さらに低い絶対圧力値に)低下すると、濾過要素16を通るフィルタ内流れが増大する。
【0076】
濾過要素16の上流の大気圧又はほぼ大気圧と濾過要素16の下流の負圧との間の差は、濾過要素16全体にわたる差圧を構成する。出口ライン56の測地高低差により、出口ライン56内の水柱の重力は、濾過要素16を通して水20を引き寄せて、濾過要素16全体にわたる差圧を確立する。このようにして、水20を収集タンク44から押し出すための液体ポンプを回避することができ、これにより、濾過装置10のエネルギー効率を向上させることができる。
【0077】
細菌は非常に急速で高い圧力上昇に耐えることができるが、急速な圧力低下には耐えることができない。濾過要素16全体にわたる急速な圧力低下に水20をさらすことにより、水20中のあらゆる生物が死滅することになる。
【0078】
真空ポンプ68は、収集タンク44の上部から気体70を吸引し、大気中に排出する。このようにして、収集タンク44内の水位を一定に保つことができる。このため、真空ポンプ68は出口ライン56内の負圧と同期する。
【0079】
図2は、濾過構成12の斜視側面図を概略的に示す。図2では、2つのホイール18a、18bを示している。ここで、2つのホイール18a、18bは、同一の形状、寸法及び質量を有する。各ホイール18a、18bは、濾過容器14に対して回転可能である。ホイール18a、18bはこのほか、濾過容器14に対して垂直に上下に移動することができる。この例では、ホイール18a、18bは、接続シャフト84が提供する共通の回転軸回りを回転する。ここで、ホイール18a、18bは、回転軸回りを独立して回転することができる。
【0080】
ホイール18a、18bは、濾過要素16の両側で濾過容器14内の濾過要素16と封止係合する。ホイール18a、18bは回転し、濾過容器14に対して垂直に移動することができるため、ホイール18a、18bは、重力によって濾過容器14内の濾過要素16を圧縮し、濾過要素16と共に回転する。これにより、ホイール18a、18b及び濾過要素16は、濾過容積部22の回転可能なシールを提供する。ホイール18a、18bは、濾過容器14内の経路26に沿った濾過要素16の移動と共に回転する。ホイール18a、18bのそれぞれの接線速度が濾過要素16のそれぞれの側の速度に対応するため、ホイール18a、18bと濾過要素16との間の摩擦損失が解消される。
【0081】
図2では、各ホイール18a、18b上のそれぞれの座部24a、24bを示している。座部24a、24bは、それぞれのホイール18a、18bの周囲に沿って延びる。濾過要素16は、各座部24a、24bに受容される。
【0082】
図2は、横方向86をさらに示す。横方向86は、経路26に直交する。濾布28及び担体ベルト30は、横方向86にて同じ幅を有する。濾布28及び担体ベルト30のそれぞれの幅は、例えば、62cm以上、例えば、132cmであってもよい。
【0083】
この例の濾布28は、3次元の細孔形状を有する金属ワイヤクロスである。ワイヤクロスは、交差した縦糸ワイヤと横糸ワイヤを含み、織目で織り込まれている。縦糸ワイヤは、第1及び第2のタイプの縦糸ワイヤを形成するために、少なくとも2つの異なる構成で形成される。隣り合う2本の縦糸ワイヤの部分と隣り合う2本の横糸ワイヤの交差部分との間の間隙に細孔が形成される。この3次元細孔形状により、濾布28は、例えば、各濾過サイクル後に逆洗を受けた場合など、ある程度の目詰まりの後でも一定の透過性を有する。濾布28は、例えば、RPD HIFLO 5S、10S、15S、20S、30S又は40Sなど、Haver&Boeckerによって販売されているMinimesh(登録商標)RPD HIFLO-Sのタイプであってもよい。
【0084】
図3は、濾過構成12の部分斜視側面図を概略的に示す。図3では、濾過容器14に対するホイール18a、18bの垂直運動を実現するための構造の一例を示している。この例の濾過構成12は、両側に、2つの垂直ブラケット88とプレート90とを備える。ブラケット88は濾過容器14に固定される。プレート90は関連するブラケット88の間に受容され、ブラケット88の間で垂直に案内される。ホイール18a、18bはプレート90に回転可能に支持される。
【0085】
図3では、濾過容器14が円形部分92aを備えていることが分かる。円形部分92aは、ホイール18aの外周に対応する。濾過容器14は、反対側に、対応する円形部分92bを備える。ホイール18a、18bは、重力によってそれぞれの円形部分92a、92b内に押し込まれ、その間にて濾過要素16が圧迫される。この例では、各円形部分92a、92bは、約150度の角度の広がりを有する。
【0086】
図3は、ホイール18aと濾過容器14との間でホイール18aの横方向外側に空洞94aが設けられていることをさらに示す。濾過構成12は、ホイール18bと濾過容器14との間のホイール18bの横方向外側に、対応する空洞94b(図4)を備える。
【0087】
図3は、濾過構成12が空洞94aの底部に固定空洞封止部材96aを備え、空洞94bの底部に、対応する固定空洞封止部材96b(図4)を備えることをさらに示す。各固定空洞封止部材96a、96bは円形であり、それぞれの円形部分92a、92bの輪郭に適合する。各固定空洞封止部材96a、96bは、この例では約150度の角度の広がりを有する。固定空洞封止部材96a、96bは発泡体で作成されてもよい。
【0088】
空洞94a、94bは、まき散らしによる水20のあらゆる溢れを収集するように配置される。固定空洞封止部材96a、96bは、空洞94a、94b内の水20が濾過要素16の下流で濾過された水20に混ざるのを防ぐ。水20が空洞94a、94b内に長時間滞留するのを防ぐために、水20の少量の流れを意図的に各空洞94a、94bに導いて、空洞94a、94b内に水20のある程度の循環を提供してもよい。
【0089】
図4は、濾過構成12の部分平面図を概略的に表す。図4では、空洞94b及び固定空洞封止部材96bを示している。図4は、濾過要素16がホイール18a、18bの座部24a、24bに受容されることをさらに示す。
【0090】
図5は濾過構成12の部分断面平面図を概略的に示し、図6は濾過構成12の部分断面平面図を概略的に示す。図6では、濾過要素16が取り外される。図5及び図6をまとめて参照すると、濾過構成12は、固定ホイール封止部材98、98a、98bをさらに備える。固定ホイール封止部材98、98a、98bは、一体的に形成されても、互いに(直接的又は間接的に)堅固に接続されてもよい。固定ホイール封止部材98、98a、98bは濾過容器14に固定される。図5及び図6に示すように、固定ホイール封止部材98、98a、98bはこのほか、濾過要素16がホイール18a、18bと固定ホイール封止部材98、98a、98bとの間に位置決めされ、固定ホイール封止部材98、98a、98bが濾過要素16と濾過容器14との間に位置決めされるように、座部24a、24b内に受容される。固定ホイール封止部材98aは、ホイール18aと濾過容器14との間に設けられる。固定ホイール封止部材98bは、ホイール18bと濾過容器14との間に設けられる。固定ホイール封止部材98は、両方のホイール18a、18bと濾過容器14との間に設けられる。固定ホイール封止部材98、98a、98bは、濾過要素16と濾過容器14の円形部分92a、92bとの間を封止する。
【0091】
濾過要素16の動作中、ホイール18a、18bは回転し、ホイール18a、18bと濾過要素16との間に相対運動はない。濾過要素16は、固定ホイール封止部材98、98a、98b上を摺動する。固定ホイール封止部材98、98a、98bは、摩擦損失をさらに低減するためにプラスチックから作成される。
【0092】
図7は、濾過構成12の封止の追加の例の断面平面図を概略的に示す。図7では、ホイール18aは2つの座部24a1、24a2を備える。座部24a1、24a2は、曲がりくねった構造を形成する。濾布28は座部24a1に受容される。担体ベルト30と固定ホイール封止部材98の両方が座部24a2に受容される。ホイール18bは、これに対応する方法で構成されてもよい。この場合、濾過構成12は回転可能なラビリンスシールを備える。
【0093】
図8は、濾過構成12の部分斜視側面図を概略的に示す。図8に示すように、濾過構成12は、濾過容器14の外側、ここでは濾過容器14の垂直下方の領域で担体ベルト30から濾布28を分離するように構成される。流体噴射装置36は、担体ベルト30と濾布28との間に位置決めされ、それにより、担体ベルト30を流体噴射装置36の上方に案内し、濾布28を流体噴射装置36の下方に案内する。これにより、流体噴射装置36を濾布28の近くに位置決めすることができる。流体噴射装置36は、濾布28が自由に垂れ下がる領域、ここではローラ34aと34bとの間の領域に位置決めされる。
【0094】
流体噴射装置36は、濾布28に空気の流れを供給するように構成される。空気の流れは、濾布28が形成するループに対してほぼ垂直下方かつ外側に向けて供給される。同時に、流体噴射装置36は担体ベルト30を支持する。
【0095】
図9は、濾過構成12の部分斜視背面図を概略的に示す。図9に示すように、流体噴射装置36は、流体パイプ100と、複数の流体噴射管102、ここでは10本の流体噴射管102とを備える。ここでは、流体噴射管102は横方向86に整列している。加圧空気が流体パイプ100内に導入され、さらに各流体噴射管102に導入される。
【0096】
流体噴射装置36は、各流体噴射管102用の管案内具104をさらに備える。各管案内具104は、関連する流体噴射管102の横方向86への移動を制限する。流体噴射管102は可撓性である。流体噴射管102から濾布28に向かう空気の流れにより、濾布28から粒子が吹き飛ばされる。また、流体噴射管102に空気が供給されると、流体噴射管102が横方向86に揺動する。これにより、濾布28上の空気の流れが変化する。その結果、濾布28内に振動が誘発される。このような振動により、濾布28から粒子がさらに除去される。即ち、濾布28は、粒子を除去するために空気の流にさらされると共に、粒子を除去するために揺らされる。
【0097】
このほか、流体噴射管102の振動により、濾布28の全幅が空気の流れによって覆われることになる。流体パイプ100には、一定の流量の空気が供給されてもよい。これとは別に、空気の流量を変化させて、変化する空気の流れを提供して、濾布28の振動を誘発してもよい。
【0098】
図10は、流体噴射装置36の部分斜視側面図を概略的に示す。図10に示すように、流体噴射装置36は、複数の担体支持体106、ここでは5つの担体支持体106をさらに備える。この例の担体支持体106は、環状であり、固定流体パイプ100を包囲する。担体支持体106は、担体ベルト30を支持する。
【0099】
本開示を例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本発明がこれまで挙げてきた実施形態に限定されないことが理解されよう。例えば、部品の寸法は必要に応じて変更され得ることが理解されよう。このため、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され得ることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】