(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ノイズフロア推定値の決定方法、目標検出方法及び装置、電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 7/32 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
G01S7/32 220
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580906
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2022140796
(87)【国際公開番号】W WO2023030556
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202210153294.6
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210162853.X
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521162919
【氏名又は名称】加特▲蘭▼微▲電▼子科技(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン,ラン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ホンチュエン
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AF03
5J070AH12
5J070AH14
5J070AH19
5J070AH35
5J070AK22
(57)【要約】
本開示の実施例はノイズフロア推定値の決定方法、目標検出方法及び装置、電子デバイスを提供し、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、距離次元が複数の距離ゲートを含み、各距離ゲートに対して、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定する。本開示の実施例による技術案は各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定することにより、決定されたノイズフロア推定値の効率と正確度を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズフロア推定値の決定方法であって、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、前記二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元が複数の距離ゲートを含むことと、
1つの距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記二次元フーリエデータ面から、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得することと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分し、複数のプリセット区間が各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列されることと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得することと、
二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定することと、
前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記プリセット区間は非均一に分布することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することは、
前記目標プリセット区間におけるいずれか1つの二次元フーリエ変換エネルギーデータを前記ノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの平均値をノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの中央値をノイズフロア推定値とすること、のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力することを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法であって、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得し、
1つの距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定し、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することは、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することは、
各二次元フーリエ変換エネルギーデータと前記ノイズフロア推定値との差値を計算することと、
プリセット閾値よりも大きい前記差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力することを更に含むことを特徴とする、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ノイズフロア推定値の決定装置であって、取得モジュール及び処理モジュールを備え、
前記取得モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得するように設定され、前記二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元は複数の距離ゲートを含み、
前記処理モジュールは、1つの距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定するように設定されることを特徴とする、前記装置。
【請求項12】
ノイズフロア推定値に基づく目標検出装置であって、検索モジュール及び決定モジュールを備え、
前記検索モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得するように設定され、
前記決定モジュールは、各距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定され、
前記決定モジュールは、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定するように設定されることを特徴とする、前記装置。
【請求項13】
電子デバイスであって、プロセッサ、及び前記プロセッサと通信して接続されるメモリを備え、
前記メモリはコンピュータ実行指令を記憶し、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されるコンピュータ実行指令を実行して、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現する、電子デバイス。
【請求項14】
コンピュータ実行指令が記憶され、前記コンピュータ実行指令はプロセッサにより実行される場合、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現することに用いられることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはプロセッサにより実行される場合、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現することを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は2022年2月22日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210162853.Xであり、発明名称が「ノイズフロア推定値の決定方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権、及び2022年2月18日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210153294.6であり、発明名称が「ノイズフロア推定値の決定方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を要求し、その内容は引用の方式で本願に取り込まれるように理解されるべきである。
【0002】
本開示の実施例は周波数変調連続波レーダー信号の技術分野に関するがそれに限らず、特にノイズフロア推定値の決定方法、目標検出方法及び装置、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
周波数変調連続波レーダーとは、発射周波数が特定の信号により変調される連続波レーダーを指し、その技術経験が豊かであり、必要な発射電力ピーク値が低く、変調し易く、コストが低く、信号処理が簡単であるため、自動車レーダーに通常使用されるレーダーシステムである。レーダーシステムにおいて、発信機は複数の線形周波数変調連続波(Linear Frequency Modulation Continuous Wave、LFMCWと略称される)を発射し続け、受信機は受信したLFMCW反射信号に対してダウンコンバージョン処理を行って、ベースバンド信号を得て、更に二次元(2 Dimension、2Dと略称される)高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFTと略称される)を行う。1番目の次元は各LFMCWパルスにおけるFFT、即ち距離次元FFTであり、2番目の次元は全部のパルスのFFTスペクトラム内の同じスペクトル線のところでの値を取り出し、1回のFFT演算、即ちドップラー次元FFTを行うことである。
【0004】
一般的に、2D FFT面により目標を検出する場合、一定誤警報確率(Constant False Alarm Rate、CFARと略称される)アルゴリズムを用いて目標を検出し、即ち閾値を計算する必要がある。2D FFT面における各検出待ちの点に対して、検出待ちの点の所在する座標を中心として1つの矩形領域を決定する必要があり、矩形領域内の最高点、即ちエネルギー値が最も大きい点を除去し、残る点に対応するエネルギー値の平均値を計算し、該平均値を閾値とする。閾値を決定した後、電力値が閾値よりも大きい検出待ちの点の座標を目標位置として決定する。
【0005】
しかし、上記方法では矩形領域内の2D FFTエネルギーのみにより目標位置を決定し、矩形領域内の目標が多すぎる場合、矩形領域内の総エネルギー値は高くなり、決定される閾値が高くなり、即ちノイズフロア推定値が高くなる恐れがあり、一方、矩形領域内の目標が少なすぎる場合又は矩形領域内に目標が存在しない場合、矩形領域内の総エネルギー値は低くなり、決定される閾値が低くなり、即ちノイズフロア推定値が低くなる恐れがある。即ち、上記方法により決定されるノイズフロア推定値の正確度は低い。
【発明の概要】
【0006】
以下は本文が詳細に説明する主題の概要である。本概要は請求項の保護範囲を制限するためのものではない。
【0007】
本開示の実施例はノイズフロア推定値の決定方法、目標検出方法及び装置、電子デバイスを提供し、各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定し、決定されるノイズフロア推定値の正確度を効果的に向上させることができる。
【0008】
第1態様では、本開示の実施例はノイズフロア推定値の決定方法を提供し、前記ノイズフロア推定値の決定方法は、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、前記二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元が複数の距離ゲートを含むことと、
1つの距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することと、を含む。
【0009】
選択肢として、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記二次元フーリエデータ面から、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得することと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定することと、を含む。
【0010】
選択肢として、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分し、複数のプリセット区間が各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列されることと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得することと、
二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定することと、
前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することと、を含む。
【0011】
選択肢として、複数の前記プリセット区間は非均一に分布する。
【0012】
選択肢として、前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することは、
前記目標プリセット区間におけるいずれか1つの二次元フーリエ変換エネルギーデータを前記ノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの平均値をノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの中央値をノイズフロア推定値とすること、のうちのいずれか1つを含む。
【0013】
選択肢として、前記方法は、前記二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力することを更に含む。
【0014】
第2態様では、本開示の実施例はノイズフロア推定値に基づく目標検出方法を提供し、前記ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法は、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得することと、
1つの距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することと、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することと、を含む。
【0015】
選択肢として、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することは、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定することを含む。
【0016】
選択肢として、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することは、
各二次元フーリエ変換エネルギーデータと前記ノイズフロア推定値との差値を計算することと、
プリセット閾値よりも大きい前記差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することと、を含む。
【0017】
選択肢として、前記方法は、前記二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力することを更に含む。
【0018】
第3態様では、本開示の実施例はノイズフロア推定値の決定装置を提供し、取得モジュール及び処理モジュールを備え、
前記取得モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得するように設定され、前記二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元は複数の距離ゲートを含み、
前記処理モジュールは、各距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定するように設定される。
【0019】
選択肢として、前記処理モジュールは具体的に、前記二次元フーリエデータ面から、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得し、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定するように設定される。
【0020】
選択肢として、前記処理モジュールは具体的に、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分し、複数のプリセット区間が各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列され、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得し、二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定し、前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定するように設定される。
【0021】
選択肢として、前記装置は出力モジュールを更に備え、前記出力モジュールは、前記二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力するように設定される。
【0022】
第4態様では、本開示の実施例はノイズフロア推定値に基づく目標検出装置を提供し、検索モジュール及び決定モジュールを備え、
前記検索モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得するように設定され、
前記決定モジュールは、各距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定され、
前記決定モジュールは、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定するように設定される。
【0023】
選択肢として、前記決定モジュールは具体的に、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定するように設定される。
【0024】
選択肢として、前記決定モジュールは具体的に、各二次元フーリエ変換エネルギーデータと前記ノイズフロア推定値との差値を計算し、プリセット閾値よりも大きい前記差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定される。
【0025】
選択肢として、前記装置は出力モジュールを更に備え、前記出力モジュールは、前記二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力するように設定される。
【0026】
第5態様では、本開示の実施例は電子デバイスを更に提供し、プロセッサ、及び前記プロセッサと通信して接続されるメモリを備え、
前記メモリはコンピュータ実行指令を記憶し、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されるコンピュータ実行指令を実行して、上記第1態様と第2態様のいずれか可能な実現形態に記載の方法を実現する。
【0027】
第6態様では、本開示の実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータ実行指令が記憶され、プロセッサが前記コンピュータ実行指令を実行する場合、上記第1態様と第2態様のいずれか可能な実現形態に記載の方法を実現する。
【0028】
第7態様では、本開示の実施例はコンピュータプログラム製品を更に提供し、コンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはプロセッサにより実行される場合、上記第1態様と第2態様のいずれか可能な実現形態に記載の方法を実現する。
【0029】
これから分かるように、本開示の実施例はノイズフロア推定値の決定方法、目標検出方法及び装置、電子デバイスを提供し、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、距離次元が複数の距離ゲートを含み、各距離ゲートに対して、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定する。各距離ゲートに沿うノイズフロア推定値は同じであるため、本開示の実施例による技術案は各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定することにより、各座標点に対する処理を避け、計算量を効果的に減少し、決定されたノイズフロア推定値の正確度を向上させる。
【0030】
図面及び詳細の説明を読んで理解した後、他の方面を理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法の適用シーンの模式図である。
【
図2】本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例による二次元フーリエデータ面を取得するフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例による距離次元とドップラー次元の模式図である。
【
図6】本開示の実施例による二次元フーリエデータ面の模式図である。
【
図7】本開示の実施例によるインデックス値が56である距離ゲートの電力に対応するヒストグラムである。
【
図8】本開示の実施例によるノイズフロア推定値の折れ線模式図である。
【
図9】本開示の実施例による他のノイズフロア推定値の折れ線模式図である。
【
図10】本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定装置の構造模式図である。
【
図11】本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出装置の構造模式図である。
【
図12】本開示の実施例による電子デバイスの構造模式図である。
【0032】
上記図面により、本開示の明確な実施例を示し、以下ではより詳しく説明する。これらの図面及び文字の説明は、本開示の考案の範囲を制限するためのものではなく、特定の実施例を参照しながら当業者に本開示の概念を説明するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここでは例示的な実施例を詳しく説明し、図面に例示される。以下の説明は図面に関する場合、特に説明しない限り、異なる図面における同じ数字は同じ又は類似の要素を示す。以下、例示的な実施例に記載の実施形態は、本開示に一致するすべての実施形態を代表するものではない。逆に、それらは添付の請求の範囲に記載の、本開示のいくつかの形態に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0034】
本開示の実施例において、「少なくとも1つ」とは1つ又は複数を指し、「複数」とは2つ以上を指す。「及び/又は」は関連対象の関連関係を記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合の3つの場合を表すことができ、A、Bは単数又は複数であってもよい。本開示の実施例の文字説明において、文字の「/」は一般的に前後関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0035】
本開示の実施例による技術案は、線形周波数変調連続波の処理シーンに適用され得る。周波数変調連続波レーダーは自動車の常用のミリ波レーダーとして、高い周波数、強い回折能力、広いカバレッジ、安定な測定能力等の利点を有する。
【0036】
現在、周波数変調連続波レーダーを利用して目標検出を行う場合、一般的に、受信機が受信した線形周波数変調連続波LFMCWに対して高速フーリエ変換を行って、二次元フーリエデータ面を得て、CFARアルゴリズムを用いて二次元フーリエデータ面の目標を検出する。2D FFT面におけるいずれかの検出待ちの点に対して、該検出待ちの点の所在する座標を中心として1つの矩形領域を決定し、矩形領域内のエネルギー値が最も大きい点を除去し、残る点に対応するエネルギー値の平均値を計算し、該平均値を閾値とする。検出待ちの点に対応する電力値が閾値よりも大きい場合、検出待ちの点の座標を目標位置として決定する。上記方法を繰り返して実行し、矩形領域を平行移動させる方法により、2D FFT面における全部の目標位置を決定して、全部の目標を検出することができる。
【0037】
しかし、2D FFT面には複数の検出待ちの点が含まれ、各点に対して1つの矩形領域を決定する必要があり、検出目標の作業量を増加する。目標の所在する位置に対応するエネルギー値が高いが、矩形領域内に含まれる目標の数量が異なるため、矩形領域内に含まれる目標が多すぎる場合、決定される閾値が高くなること、即ちノイズフロア推定値が高くなることによる検出漏れ問題が発生する恐れがあり、一方、矩形領域内の目標が少なすぎる場合又は矩形領域内に目標が存在しない場合、決定される閾値が低くなること、即ちノイズフロア推定値が低くなることによる誤警報問題が発生する恐れがある。従って、現在使用されるノイズフロア推定方法により決定されるノイズフロア推定値の正確度が低く、目標検出の正確度を低下させる。
【0038】
決定される閾値が高すぎる又は低すぎることによる決定されるノイズフロア推定値が低くなる問題を解決するために、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータに対して全体的なノイズエネルギー推定を行って、ノイズフロア推定値を決定することができ、二次元フーリエ変換エネルギーデータがノイズフロア推定値よりも大きい場合、該箇所のエネルギーが目標反射によるものであり、ノイズではないと認められる。また、発明者は研究により、二次元フーリエデータ面における同一の距離ゲートの、ドップラー次元に沿うノイズフロア推定値は一定であるため、いずれかの距離ゲートに対して、該距離ゲートに基づいてドップラー次元に沿ってエネルギーデータに基づいて該距離ゲートのノイズフロア推定を行うことができ、例えば、複数又は全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、該距離ゲートのノイズフロア推定値を決定し、即ち同一の距離ゲートは同一の上記ノイズフロア推定値を用いて目標検出を行うことを発見した。1つの距離ゲート内において、ドップラー次元に沿う目標は少ないため、目標によるノイズフロア推定値に対する影響を避け、決定される各距離ゲートのノイズフロア推定値の正確度を効果的に向上させることができる。同時に、異なる距離ゲートは異なるノイズフロア推定値を用いて目標検出を行うことができ、それにより各距離ゲートのノイズフロア推定値は各自の実際ノイズフロアに接近し、目標検出全体の精確度を更に向上させる。
【0039】
同時に、各目標の距離ゲートに対してそれぞれノイズフロア推定を行う際に、各自に対応するエネルギーデータにより、一部(例えば、一部のエネルギー最大値及び/又は最小値の除去、プリセット閾値に基づく方式等により、選択される各距離ゲートに対応するエネルギーデータを前処理してから本開示の実施例におけるノイズフロア推定を行う)又は全部のエネルギーデータに基づいて、平均値、中央値等の方式によりノイズフロア推定を行うことができ、また、エネルギーデータを仕切ってから、ヒストグラム、対数取り等の方式で、選択される各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得することもできる。
【0040】
本開示の実施例では、取得される2D FFTデータに対して、実際需要に応じて一部又は全部の距離ゲートに対してそれぞれ上記ノイズフロア推定を行って、必要な距離ゲートのノイズフロア推定値を各自の実際ノイズフロア値に接近させる。以下では全部の距離ゲートに対してそれぞれ本開示の実施例のノイズフロア推定を行う方法について詳しく説明する。
【0041】
図1は本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法の適用シーンの模式図である。
図1に示すように、該ノイズフロア推定値は線形周波数変調連続波による目標検出のシーンに適用され得る。周波数変調連続波レーダーにおける発信機は目標位置に線形周波数変調連続波を発射し、受信機によりエコー信号、即ち反射した線形周波数変調連続波を受信する。エコー信号には目標1、目標2及び目標3に発射して反射する線形周波数変調連続波が含まれる。本開示の実施例では目標1、目標2及び目標3から反射するエコー信号のみを示す。理解できるように、受信機が受信したエコー信号はノイズ信号(
図1に未図示)を更に含む可能性がある。受信した線形周波数変調連続波に対して二次元フーリエ変換を行って、二次元フーリエデータ面を得る。受信した二次元フーリエデータ面に対してノイズフロア推定を行って、二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのドップラー次元に沿うノイズフロア推定値を決定し、各距離ゲートに存在する目標を決定し、即ち全部の目標を決定する。
【0042】
本開示の実施例による技術案は各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定することにより、目標によるノイズフロア推定値に対する影響を避け、決定されたノイズフロア推定値の正確度を向上させることができる。従って、本開示の実施例により決定される各距離ゲートのノイズフロア推定値を使用して目標検出を行う際に、目標検出の正確度を効果的に向上させることができる。
【0043】
以下では、幾つかの実施例により、本開示によるノイズフロア推定値の決定方法を詳しく説明する。理解できるように、以下の幾つかの実施例は互いに組合わせることができ、同じ又は類似の概念又は過程について、ある実施例において繰り返して説明しない。
【0044】
図2は本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法のフローチャートである。該ノイズフロア推定値の決定方法はソフトウェア及び/又はハードウェア装置により実行され得る。例えば、該ハードウェア装置はノイズフロア推定値の決定装置であってもよく、該ノイズフロア推定値の決定装置は端末又は端末における処理チップ(例えばミリ波レーダーチップ等)であってもよい。例示的に、
図2に示すように、該ノイズフロア推定値の決定方法はステップS201とS202を含み得る。
【0045】
ステップS201では、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、距離次元は複数の距離ゲートを含む。
【0046】
例示的に、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面は、線形周波数変調連続波に対して二次元フーリエ変換を行うことにより得られたものである。二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、距離次元とドップラー次元は互いに垂直し、距離次元は複数の距離ゲートを含み、ドップラー次元は複数のドップラーゲートを含む。また、二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元からなる座標点位置に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータ、例えば、座標点に対応する電力を更に含む。本開示の実施例はそれを限定しない。
【0047】
ステップS202では、1つの距離ゲートに対して、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定する。
【0048】
幾つかの例示的な実施例では、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいてノイズフロア推定値を決定する際に、二次元フーリエデータ面から距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得し、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定することができる。
【0049】
本開示の実施例では、「複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計」することは、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータの値範囲を複数の区間に区分し、各区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を統計することを指す。本願の実施において、説明の便利のために、表による統計の方式で説明するが、実際の適用において、「ヒストグラム統計」の関連データ統計処理技術に基づいて実現する。
【0050】
例示的に、二次元フーリエデータ面から距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得することは、該距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の座標点を取得して、各座標点に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得することである。
【0051】
本開示の実施例では、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計することにより、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値の決定を迅速に行い、矩形領域内の目標が多すぎることによる検出漏れ問題又は矩形領域内の目標が少なすぎることによる誤警報問題を避け、目標検出の正確度を効果的に向上させることができる。
【0052】
例示的に、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定する際に、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分することができ、複数のプリセット区間は各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列される。複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得し、二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定する。目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定する。
【0053】
例示的に、プリセット区間は均一に分布してもよく、非均一に分布してもよく、且つプリセット区間の値範囲は予め設定されたものであってもよく、取得した複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータの範囲に基づいて決定されたものであってもよく、本開示の実施例はプリセット区間を制限しない。
【0054】
例示的に、仮に複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータの範囲は0~100であれば、5つの均一に分布するプリセット区間を設定してもよく、即ち設定される5つのプリセット区間の範囲はそれぞれ0~20、20~40、40~60、60~80、80~100である。又は、5つの非均一に分布するプリセット区間を設定し、例えば、設定される5つのプリセット区間の範囲はそれぞれ0~25、25~40、40~68、68~85、85~100である。又は、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対して非線形マッピングを行ってもよく、例えば、10を底とする対数を取って、非線形マッピングされたデータに基づいてプリセット区間の個数とプリセット区間の範囲を設定する。本開示の実施例では上記プリセット区間の設定方法を例とする説明するが、これに制限されない。
【0055】
例示的に、目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定する際に、目標プリセット区間におけるいずれか1つの二次元フーリエ変換エネルギーデータをノイズフロア推定値としてもよく、目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの平均値をノイズフロア推定値としてもよく、又は、他の方式でノイズフロア推定値を決定し、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0056】
例示的に、仮に得られた二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が50個であれば、プリセット区間である0~20、20~40、40~60、60~80、80~100に分布する数はそれぞれ10、20、5、5、10である。二次元フーリエ変換エネルギーデータの中央値、即ち全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータを小さい順に配列する場合の25番目の二次元フーリエ変換エネルギーデータの所在する区間は、2番目の区間、即ち20~40の区間である。中央値の大きさは需要に応じて他の値に設定されてもよく、中央値は二次元フーリエ変換エネルギーサンプルの総数よりも小さい。
【0057】
他の可能な実現形態では、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得した後、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得し、プリセット区間及び各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量に基づいて、ヒストグラム又は折り線図を作成することができる。作成されたヒストグラム又は折り線図に基づいて、出現頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギーデータ、又は、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータにおける中央値を決定し、頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギーデータ、又は、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータにおける中央値をノイズフロア推定値として決定する。
【0058】
理解できるように、ヒストグラム又は折り線図の作成は、出現頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギーデータの決定に寄与する。例示的に、ヒストグラム又は折り線図の横座標は二次元フーリエ変換エネルギーデータであってもよく、縦座標は各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量である。本開示の実施例では上記ヒストグラムと折り線図を例とする説明するが、これに制限されない。
【0059】
理解できるように、ヒストグラム又は折り線図を作成し後、直接にヒストグラム又は折り線図に基づいて出現頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギーを決定して、ヒストグラム又は折り線図に対する分析により、中央値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーを決定することができる。
【0060】
本開示の実施例では、複数の二次元フーリエ変換エネルギーを区分することにより、出現頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギー、又は、中央値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーを迅速に決定することができ、ノイズフロア推定値の決定効率を更に向上させる。
【0061】
これから分かるように、本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法では、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、距離次元が複数の距離ゲートを含み、各距離ゲートに対して、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定する。本開示の実施例による技術案は各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定することにより、各座標点に対する処理を避け、計算量を効果的に減少するとともに、目標によるノイズフロア推定値に対する影響を避け、決定されたノイズフロア推定値の正確度を効果的に向上させることができる。
【0062】
本開示の他の実施例では、各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得した後、二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力してもよい。
【0063】
例示的に、ノイズフロア推定値を出力する際に、対応のデータを直接に出力してもよく、表の方式、例えばexcel表、ヒストグラム等の方式で出力してもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0064】
本開示の実施例では、ノイズフロア推定値を出力することにより、ユーザはノイズフロア推定値をタイムリーに把握して、ノイズフロア推定値に基づいて更なる分析と処理を行うことができる。
【0065】
上記実施例で各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定した後、決定されたノイズフロア推定値により目標検出を行うことができる。
図3は本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出方法のフローチャートである。該ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法はソフトウェア及び/又はハードウェア装置により実行され得る。例えば、該ハードウェア装置はノイズフロア推定値に基づく目標検出装置であってもよく、該ノイズフロア推定値に基づく目標検出装置は端末又は端末における処理チップであってもよい。例示的に、
図3に示すように、該ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法はステップS301~S303を含み得る。
【0066】
ステップS301では、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得する。
【0067】
例示的に、各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得する際に、上記実施例で決定されたノイズフロア推定値を直接に取得してもよく、上記実施例で作成されたヒストグラム又は折り線図を検索することにより、出現頻度が最も高い二次元フーリエ変換エネルギーデータ、又は中央値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータをノイズフロア推定値として決定してもよく、或いは、上記実施例に記載の区間を区分する方法によりノイズフロア推定値を決定してもよく、本開示の実施例は各距離ゲートのノイズフロア推定値の決定方法を制限しない。
【0068】
ステップS302では、各距離ゲートに対して、ノイズフロア推定値よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定する。
【0069】
例示的に、ノイズフロア推定値よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定する際に、各二次元フーリエ変換エネルギーデータとノイズフロア推定値との差値を計算し、プリセット閾値よりも大きい差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することができる。本開示の実施例はプリセット閾値を限定しない。
【0070】
理解できるように、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを決定する際に、まずプリセット閾値とノイズフロア推定値との和を計算し、該和よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することもできる。
【0071】
本開示の実施例では、二次元フーリエ変換エネルギーデータとノイズフロア推定値との差値がプリセット閾値よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することにより、誤警報問題の発生を避け、目標検出の正確度を更に向上させることができる。
【0072】
ステップS303では、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、目標の検出結果を決定する。
【0073】
例示的に、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、目標の検出結果を決定する際に、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定することができる。
【0074】
二次元フーリエ変換により得られた距離次元とドップラー次元の座標値はそれぞれ目標の距離と速度に対応するため、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートとドップラーゲートをそれぞれ目標の距離と速度として決定することができる。
【0075】
例示的に、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する座標を、目標の所在する位置として決定することもできる。
【0076】
本開示の実施例では、決定されたノイズフロア推定値の正確性のため、距離ゲートとドップラーゲートに基づいて目標の距離と速度を正確的に決定して、目標検出の全面性を確保することができる。
【0077】
これから分かるように、本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出方法では、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得し、各距離ゲートに対して、ノイズフロア推定値よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定し、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、目標の検出結果を決定する。本開示の実施例による技術案は、取得した各距離ゲートのノイズフロア推定値に基づいて目標検出を行い、各距離ゲートのノイズフロア推定値の正確度が高いため、誤警報又は検出漏れの問題の発生を避け、目標検出の正確度を向上させることができる。
【0078】
例示的に、本開示の実施例では、目標の検出結果を取得した後、二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力してもよい。
【0079】
例示的に、目標の検出結果を出力する際に、対応のデータを直接に出力してもよく、excel表のような表の方式、又は他の方式で出力してもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0080】
本開示の実施例では、目標の検出結果を出力することにより、ユーザは目標の検出結果をタイムリーに把握することができる。
【0081】
上記実施例では、選択されたいずれかの距離ゲートに対して、各自のドップラー次元に沿って、2D FFTエネルギーに対して例えばヒストグラム統計等の操作を行うことにより、出現頻度が最も高いエネルギー区間、又は中央値エネルギーの所在する区間を、該距離ゲートのノイズフロア推定とし、2D FFT面の局部要因による影響を避けることができ、得られたノイズフロア推定値をより客観的で正確にする。
【0082】
また、既存のCFAR方法では、異なる領域(各距離ゲートに限定された領域ではない)を区分して、各領域に対してそれぞれノイズフロア推定を行うことにより、推定値は領域内の目標数と総エネルギーの影響を受けやすい恐れがある。一方、本開示では2D FFT面(即ち二次元フーリエデータ面)における各距離ゲートでのエネルギーに基づいて、1回のノイズフロア推定を行えばよい方案によって、計算量を効果的に減少し、目標検出速度をより速く、より有効にし、得られたノイズフロア推定値をより客観的で正確にすることができる。同時に、ヒストグラム等の領域区分方式によりノイズフロア推定を行うことによって、ノイズフロアデータの表現をより直観的にし、演算をより効果的にする。
【0083】
他の選択的な実施例では、FMCW目標センサ(例えばミリ波レーダー)にとって、一部(複数)又は全部の受信通路に対して重なり操作を行って、2D FFT面を得て、それから該得られた2D FFT面に基づいて本開示の各実施例に記載のノイズフロア推定方法を行い、ノイズフロア推定の効率を更に向上させる。
【0084】
本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定方法の理解の便利のために、以下では本開示の実施例による技術案を詳しく説明する。
図4は本開示の実施例による二次元フーリエデータ面を取得するフローチャートである。
【0085】
図4に示すように、仮に周波数変調連続波レーダーの発信機はM個の線形周波数変調連続波、即ちLFMCW波形パルスを発射すれば、受信機はM個のLFMCW波形パルスのエコー信号、即ちC
1、C
2、…、C
Mを受信した後、各パルスに対してサンプリングを行って、複数のサンプリング点を得ることができる。例示的に、各パルスに対して等間隔サンプリングを行って、N個のサンプリング点を得ることができる。各パルスに対応するN個のサンプリング点に対して二次元フーリエ変換を行って、二次元フーリエデータ面を得る。
【0086】
例示的に、二次元フーリエ変換を行う際に、各パルスに対応するN個のサンプリング点に対してN点距離次元フーリエ変換FFTを行って、Mセットの距離次元N点FFTデータを得る。更に、MセットのN点距離次元FFTデータから、M個の同一インデックス値のデータを取り出してM点ドップラー次元FFTを行い、NセットのM点ドップラー次元FFTデータ、即ち最終の2D FFTエネルギーデータを得て、インデックス値の範囲は1~Nである。
【0087】
例示的に、上記エコー信号に対応する二次元フーリエデータ面における距離次元とドップラー次元は
図5に示され、
図5は本開示の実施例による距離次元とドップラー次元の模式図である。
図5に示すように、上記エコー信号に対応する二次元フーリエデータ面には、M個のドップラーゲートとN個の距離ゲートが存在する。
【0088】
選択肢として、n番目の距離ゲートに対応するノイズフロア推定値を決定する際に、n番目の距離ゲートのドップラー次元に沿うM個の2D FFTエネルギーデータP1、P2、…、PM-1、PMを取得する。取得したM個の2D FFTエネルギーデータをヒストグラムの方式で出力する。
【0089】
例示的に、仮に二次元フーリエデータ面は
図6に示されるとし、
図6は本開示の実施例による二次元フーリエデータ面の模式図である。
図6に示すように、二次元フーリエデータ面は距離次元、ドップラー次元及び電力に対応する次元からなる。距離次元FFT点数は256であり、距離ゲートインデックス値が-127~0である部分と距離ゲートインデックス値が0~127である部分は対称分布し、本開示の実施例では距離ゲートインデックス値が0~127である部分のみを示し、ドップラー次元FFT点数は256である。理解できるように、電力は二次元フーリエ変換エネルギーデータである。
【0090】
図6に示される検出待ちの点Tを例として、該検出待ちの点Tに対応する距離ゲートのインデックス値は56であり、該距離ゲートの座標点に対応する電力値を取得して、複数の電力値を区間に区分し、ヒストグラムを形成する。例示的に、
図7を参照すると、
図7は本開示の実施例によるインデックス値が56である距離ゲートの電力に対応するヒストグラムである。
図7から分かるように、インデックス値が56である距離ゲートの二次元フーリエ変換エネルギーデータ、即ち電力値は32個の区間に区分され、区間は非均一に分布し、ヒストグラム区間の設定については上記実施例におけるプリセット区間の設定の説明を参照でき、本開示の実施例はここで繰り返して説明しない。
図7から分かるように、該距離ゲートにおける複数の電力値の出現頻度が最も高い区間内のエネルギー値は-13.8dB程であり、且つ複数の電力値の中央値の所在する区間のエネルギー値も-13.8dB程であり、このため、該距離ゲートのノイズフロア推定値は-13.8dBであってもよい。
【0091】
上記のように、頻度又は中央値により距離ゲートのノイズフロア推定値を決定してもよい。例示的に、
図8は本開示の実施例によるノイズフロア推定値の折れ線模式図である。
図8に示すように、出現頻度が最も高い電力値をノイズフロア推定値として決定し、決定されたノイズフロア推定値は
図8に示される。
図9は本開示の実施例による他のノイズフロア推定値の折れ線模式図である。
図9に示すように、中央値に対応する電力値をノイズフロア推定値として決定し、決定されたノイズフロア推定値は
図9に示される。
図8と
図9では、
図6に示す二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数本の線で示し、即ち複数のデータは異なるドップラーゲートの二次元フーリエ変換エネルギーデータを示し、丸形記号付きの折り線は異なる距離ゲートのノイズフロア推定値である。
図8と
図9に示すように、中央値の方法で決定されたノイズフロア推定値はより安定である。
【0092】
上記のように、本開示の実施例による技術案は二次元フーリエデータ面において、各距離ゲートをドップラー次元に沿って統計し、各距離ゲートのノイズフロア推定値を決定し、従来の方案と比較して、計算量を大幅に減少し、ノイズフロア推定値の決定の効率と正確度を効果的に向上させることができる。
【0093】
図10は本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定装置100の構造模式図である。例示的に、
図10に示すように、該ノイズフロア推定値の決定装置100は取得モジュール1001及び処理モジュール1002を備え得ており、
取得モジュール1001は、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得するように設定され、二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、距離次元は複数の距離ゲートを含み、
処理モジュール1002は、1つの距離ゲートに対して、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定する。
【0094】
選択肢として、処理モジュール1002は具体的に、二次元フーリエデータ面から、距離ゲートのドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得し、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定するように設定される。
【0095】
選択肢として、処理モジュール1002は具体的に、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分し、複数のプリセット区間が各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列され、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得し、二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定し、目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定するように設定される。
【0096】
選択肢として、装置は出力モジュール1003を更に備え、出力モジュール1003は、二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力するように設定される。
【0097】
本開示の実施例によるノイズフロア推定値の決定装置は、上記いずれかの実施例におけるノイズフロア推定値の決定方法の技術案を実行することができ、その実現原理及び有益な効果はノイズフロア推定値の決定方法の実現原理及び有益な効果と類似し、ノイズフロア推定値の決定方法の実現原理及び有益な効果を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0098】
図11は本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出装置110の構造模式図である。例示的に、
図11に示すように、該ノイズフロア推定値に基づく目標検出装置110は検索モジュール1101及び決定モジュール1102を備え得ており、
検索モジュール1101は、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得するように設定され、
決定モジュール1102は、各距離ゲートに対して、ノイズフロア推定値よりも大きい二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定され、
決定モジュール1102は、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、目標の検出結果を決定するように設定される。
【0099】
選択肢として、決定モジュール1102は具体的に、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定するように設定される。
【0100】
選択肢として、決定モジュール1102は具体的に、各二次元フーリエ変換エネルギーデータとノイズフロア推定値との差値を計算し、プリセット閾値よりも大きい差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定される。
【0101】
選択肢として、装置は出力モジュール1103を更に備え、出力モジュール1103は、二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力するように設定される。
【0102】
本開示の実施例によるノイズフロア推定値に基づく目標検出装置は、上記いずれかの実施例におけるノイズフロア推定値に基づく目標検出方法の技術案を実行することができ、その実現原理及び有益な効果はノイズフロア推定値に基づく目標検出方法の実現原理及び有益な効果と類似し、ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法の実現原理及び有益な効果を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0103】
図12は本開示の実施例による電子デバイスの構造模式図である。
図12に示すように、該電子デバイス1200は少なくとも1つのプロセッサ1201及びメモリ1202を備え得る。
【0104】
メモリ1202はプログラムを記憶することに用いられる。具体的に、プログラムはプログラムコードを含み得ており、プログラムコードはコンピュータ指令を含む。
【0105】
メモリ1202は高速RAMメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば少なくとも1つのディスク記憶装置を更に含んでもよい。
【0106】
プロセッサ1201はメモリ1202に記憶されるコンピュータ実行指令を実行して、前記方法の実施例に記載の方法を実現することに用いられる。プロセッサ1201は中央処理装置(Central Processing Unit、CPUと略称される)、又は特定集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称される)、又は本開示の実施例を実施するように設定される1つ又は複数の集積回路であってもよい。具体的に、前記方法の実施例に記載の方法を実現する際に、該電子デバイスは例えば端末、サーバ等の処理機能を有する電子デバイスであってもよい。
【0107】
選択肢として、該電子デバイス1200は通信インタフェース1203を更に備えてもよい。具体的な実現では、通信インタフェース1203、メモリ1202及びプロセッサ1201は独立して実現し、通信インタフェース1203、メモリ1202及びプロセッサ1201はバスにより互いに接続されて通信を遂行する。バスは業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISAと略称される)バス、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component、PCIと略称される)バス、又は拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISAと略称される)バス等であってもよい。バスはアドレスバス、データバス、制御バス等に分けられるが、1本のバス又は1種類のバスのみを有することを示さない。
【0108】
選択肢として、具体的な実現では、通信インタフェース1203、メモリ1202及びプロセッサ1201は1つのチップに集積されて実現すれば、通信インタフェース1203、メモリ1202及びプロセッサ1201は内部インタフェースにより通信を遂行することができる。
【0109】
本開示の実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供し、該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、Uディスク、移動ハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、ディスク又は光ディスク等の各種のプログラムコードを記憶可能な媒体を含み、具体的に、該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはプログラム指令が記憶され、プログラム指令は上記実施例における方法に用いられる。
【0110】
本開示の実施例はプログラム製品を更に提供し、該プログラム製品は実行指令を含み、該実行指令は読み取り可能な記憶媒体に記憶される。電子デバイスの少なくとも1つのプロセッサは読み取り可能な記憶媒体から該実行指令から該実行指令を読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは該実行指令を実行して、電子デバイスに上記各実施形態による方法を実行させる。
【0111】
なお、上記各実施例は本開示の技術案を説明するためのものであり、制限するためのものではない。前記各実施例を参照して本開示を詳しく説明したが、当業者が理解できるように、前記各実施例に記載の技術的手段を修正し、又はその中の一部或いは全部の技術的特徴に対して等同置き換えを行ってもよく、これらの修正又は置き換えは、対応の技術的手段の本質が本開示の各実施例の技術的手段の範囲を逸脱することを起すものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズフロア推定値の決定方法であって、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得し、前記二次元フーリエデータ面が距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元が複数の距離ゲートを含むことと、
1つの距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記二次元フーリエデータ面から、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを取得することと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータをヒストグラムの方法で統計し、ヒストグラム統計結果に基づいてノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定することは、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するデータ範囲に基づいて、複数のプリセット区間を区分し、複数のプリセット区間が各プリセット区間に対応するデータ範囲に応じて逓増又は逓減の順に配列されることと、
前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータを複数のプリセット区間に区分し、各プリセット区間における二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量を取得することと、
二次元フーリエ変換エネルギーデータの数量が最も多くの区間、又は、前記複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータのうちの中央値の所在する区間を、目標プリセット区間として決定することと、
前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記プリセット区間は非均一に分布することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記目標プリセット区間からノイズフロア推定値を決定することは、
前記目標プリセット区間におけるいずれか1つの二次元フーリエ変換エネルギーデータを前記ノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの平均値をノイズフロア推定値とすること、
前記目標プリセット区間における全部の二次元フーリエ変換エネルギーデータの中央値をノイズフロア推定値とすること、のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記二次元フーリエデータ面における全部の距離ゲートのノイズフロア推定値を出力することを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ノイズフロア推定値に基づく目標検出方法であって、
線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得し、
1つの距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定し、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定することは、
前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応する距離ゲートを目標の距離として決定し、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに対応するドップラーゲートを目標の速度として決定することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することは、
各二次元フーリエ変換エネルギーデータと前記ノイズフロア推定値との差値を計算することと、
プリセット閾値よりも大きい前記差値に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定することと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記二次元フーリエデータ面における全部の目標の検出結果を出力することを更に含むことを特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
ノイズフロア推定値の決定装置であって、取得モジュール及び処理モジュールを備え、
前記取得モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面を取得するように設定され、前記二次元フーリエデータ面は距離次元とドップラー次元を含み、前記距離次元は複数の距離ゲートを含み、
前記処理モジュールは、1つの距離ゲートに対して、前記距離ゲートの前記ドップラー次元に沿う複数の二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、ノイズフロア推定値を決定するように設定されることを特徴とする、前記装置。
【請求項12】
ノイズフロア推定値に基づく目標検出装置であって、検索モジュール及び決定モジュールを備え、
前記検索モジュールは、線形周波数変調連続波に対応する二次元フーリエデータ面における各距離ゲートのノイズフロア推定値を取得するように設定され、
前記決定モジュールは、各距離ゲートに対して、前記ノイズフロア推定値よりも大きい前記二次元フーリエ変換エネルギーデータを、目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータとして決定するように設定され、
前記決定モジュールは、前記目標に対応する二次元フーリエ変換エネルギーデータに基づいて、前記目標の検出結果を決定するように設定されることを特徴とする、前記装置。
【請求項13】
電子デバイスであって、プロセッサ、及び前記プロセッサと通信して接続されるメモリを備え、
前記メモリはコンピュータ実行指令を記憶し、
前記プロセッサは前記メモリに記憶されるコンピュータ実行指令を実行して、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現する、電子デバイス。
【請求項14】
コンピュータ実行指令が記憶され、前記コンピュータ実行指令はプロセッサにより実行される場合、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現することに用いられることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはプロセッサにより実行される場合、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現することを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】