(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ピペリジン誘導体及びその医薬組成物、調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20240621BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/4523 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/495 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20240621BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20240621BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240621BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20240621BHJP
C07D 491/107 20060101ALI20240621BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20240621BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20240621BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20240621BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20240621BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240621BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240621BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20240621BHJP
C07D 409/14 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C07D401/04
A61K31/5377
A61K31/541
A61K31/4523
A61K31/495
A61K31/496
A61K31/4545
A61K31/454
A61K31/517
C07D401/14 CSP
C07D417/14
C07D491/107
A61P25/24
A61P25/30
A61P25/32
A61P25/22
A61P29/00
A61P25/04
C07D405/14
C07D409/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581009
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2022105776
(87)【国際公開番号】W WO2023284834
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110797657.5
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521122212
【氏名又は名称】イーチャン・ヒューマンウェル・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YICHANG HUMANWELL PHARMACEUTICAL CO., LTD
(71)【出願人】
【識別番号】524002991
【氏名又は名称】チンファ ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,シジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,リー
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ルアンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ルブ,ジンリャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シャオキン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC39
4C086BC46
4C086BC49
4C086BC50
4C086BC73
4C086BC88
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA03
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZC41
(57)【要約】
本願はピペリジン誘導体及びその医薬組成物、調製方法と使用を開示する。前記ピペリジン誘導体化合物は式(I)で示され、各置換基の定義は明細書に記載される。本願のピペリジン類誘導体はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)の二機能的選択性リガンド、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)の二機能的選択性リガンドとして用いられ得る。このような化合物又はその医薬組成物は疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性の治療に用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物、その立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグであって、
【化1】
式中、
nは0又は1であり、
mは0又は1であり、
pは0、1又は2であり、
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基及びC
1-3アルコキシ基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、
R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基、置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基及び置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記置換されるアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されるC
3-8シクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の置換基により置換され、
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されていないヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されていないヘテロアリール基及び-C
1-4アルキル基-置換されるヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1である、前記化合物、その立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ
【請求項2】
nは0であり、mは0であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項3】
nは1であり、mは0であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項4】
nは0であり、mは1であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項5】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではない、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項6】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、C
1-3アルキル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではない、請求項5に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項7】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、メチル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、選択肢として、R
1とR
2はいずれも塩素であり、又は、R
1は塩素でR
2はフッ素であり、又は、R
1はフッ素でR
2は塩素であり、又は、R
1とR
2はいずれもフッ素であり、又は、R
1はフッ素、メチル基又は塩素でR
2は水素であり、又は、R
1は水素でR
2は塩素又はフッ素である、請求項6に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項8】
前記R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基及び置換されるヘテロアリール基から選ばれ、前記置換されていないアリール基はフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されていないヘテロアリール基はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、前記置換されるアリール基は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されるヘテロアリール基はハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~2個の基により置換されるフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項9】
前記R
3はフェニル基であり、又は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基であり、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基である、請求項8に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項10】
前記R
3はフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-フルオロフェニル基、2-フルオロ-4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、2-メチル-4-フルオロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、2-メトキシ-4-クロロフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-クロロフェニル基、2-メチルフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基又は4-メトキシフェニル基である、請求項9に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項11】
前記R
3はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、選択的に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~2個の基により置換され、選択的に、R
3は5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル、又は5-クロロチオフェン-2-イルである、請求項8に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項12】
前記R
3は置換されていないC
3-8シクロアルキル基、又は置換されるC
3-8シクロアルキル基であり、前記置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基におけるC
3-8シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、前記置換されるC
3-8シクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、好ましくは、前記置換されるC
3-8シクロアルキル基は4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項13】
前記R
3はシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である、請求項12に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項14】
前記R
3は置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基であり、前記置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基におけるC
4-6ヘテロシクロアルキル基はテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、前記置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、好ましくは、前記置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基はN-イソプロピルピペリジン-4-イルである、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項15】
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されず且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換され且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されず且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基、及び-C
1-4アルキル基-置換され且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1であり、前記置換されるとはC1-C4アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4ハロアルコキシ基、C1-C4アルカノイル基、C1-C4アルカノイルオキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、オキソ及びシアノ基のうちの1つ又は複数の基により置換されることを指し、
好ましくは、前記R
4は水素、2-(モルホリノ)エチル基、2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)エチル基、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(3-オキソピペラジン-1-イル)エチル基、2-(ピロリジン-1-イル)エチル基、2-(ピペリジン-1-イル)エチル基、2-(N,N’-ジメチルアミノ)エチル基、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル基、N,N’-ジメチルアセトアミド基、オキシラン-2-イルメチル基、又は2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチル基であり、
R
4が水素である場合、mは0で、nは1である、
請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項16】
下記化合物から選ばれる1種である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【化2】
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグの、医薬への使用。
【請求項19】
患者のμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)の両方が仲介する、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)の両方が仲介する不調を治療する方法であって、需要のある患者に請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは請求項17に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
μオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)を調整するための方法であって、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは請求項17に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項21】
患者の疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療又は予防するための方法であって、需要のある患者に請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは請求項17に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項22】
μオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)を調整して、患者の疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療又は予防するための方法であって、需要のある患者に請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは請求項17に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは請求項17に記載の医薬組成物の、疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療する薬物の調製における使用。
【請求項24】
前記疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛であってもよい、請求項23に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は2021年7月14日に提出した、発明名称が「ピペリジン誘導体及びその医薬組成物、調製方法と使用」であり、出願番号が202110797657.5である中国発明特許出願の優先権をクレームし、該中国特許出願の全部の内容は参照により本文に取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は医薬化学分野に関し、具体的にピペリジン誘導体及びその医薬組成物、調製方法と使用に関する。
【背景技術】
【0003】
疼痛は人々の日常生活での最も通常の生理的知覚であり、影響を受ける患者の数量は糖尿病、心血管疾患及び腫瘍患者の合計をさえ超えている。疼痛の発病機序は多様であり、ほとんどすべての疾患に伴う。臨床での抗炎症・鎮痛への需要は巨大であり、現在、オピオイド類鎮痛薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は疼痛治療市場を支配しており、外科手術の鎮痛、末期癌の鎮痛及び長時間慢性疼痛等の分野に広く適用される。オピオイド類鎮痛薬は速い発効、強い鎮痛効果等の特徴により、臨床での中・重程度の疼痛の主な治療薬である。しかし、その依存性、呼吸抑制、便秘、耐性及び掻痒等の副作用のため、その使用は制限され、薬物依存、乱用による死亡等の社会問題も招いてしまう。副作用のない安全で有効な鎮痛薬の研究開発は、社会需要の急務である。
【0004】
長年にわたって、科学者たちは臨床選択に供する、オピオイド類薬物の鎮痛効果を有するがその副作用がない新規鎮痛剤を見つけようとしている。薬理学者たちは数多くのポリシーを用いて安全で有効な薬物を開発して疼痛とオピオイド依存を治療する。多くの新しいターゲットメカニズムは発見されて、新規鎮痛剤の研究開発に適用される。大量の研究により、μ受容体アゴニストの鎮痛作用がGiシグナルの活性化により調節され、依存性、呼吸抑制及び便秘等の副作用が下流のβ-arrestinシグナル通路により調節されることが示された。従って、Gタンパク質バイアスμオピオイド受容体アゴニストは近年の該分野の研究の重要方向である。μ受容体のバイアスアゴニストは選択的にGi通路を活性化し、β-arrestinシグナル通路に影響を与えず、理想のオピオイド薬物の開発を可能にする。
【0005】
WO2017/161017にはGタンパク質バイアスMOP受容体アゴニストのベンゾイミダゾロンピペリジン化合物が開示され、該化合物は齧歯類動物鎮痛モデルにおいて良好な鎮痛活性を示し、且つ関連する副作用はモルヒネよりも小さい。しかし、該化合物自体には創薬可能性の面で不備が存在する恐れがあり、臨床研究についての更なる報告がない。
【0006】
選択性KOP受容体アゴニストとDOP受容体アゴニストは、MOP受容体アゴニストが仲介する副作用がないが、それぞれ自体の副作用がある。KOP受容体アゴニストは落ち着きのなさ、鎮静、多尿等の副作用を仲介するが、依存性薬物の報酬効果を減少できることが発見されたため、オピオイド薬物依存性を克服する鎮痛剤の開発の潜在能力を有する。DOP受容体はアゴニストにより活性化された後にけいれん効果を生じるが、慢性疼痛に対して良好な鎮痛効果を有することが示された。MOP受容体アゴニストに対して、DOP受容体は活性化された後に生理的依存性を生じなく、乱用依存性がより小さい。そして、抗不安・抗うつ効果も有する。しかし、現在まで、選択性KOP受容体又はDOP受容体のリガンド化合物は臨床開発においてその鎮痛薬効の制限により成功例がない。
【0007】
NOP受容体が仲介する鎮痛効果は他のオピオイド受容体ファミリーメンバーよりも遥かに複雑であり、ノシセプチン/オルファニンFQ-NOP受容体系はオピオイド受容体が仲介する鎮痛効果を抑制するだけではなく、痛覚過敏を低減することにより鎮痛効果を仲介する。研究により、NOP受容体アゴニストは鎮痛、及びMOPアゴニストによる依存性を調節する作用を有することが示され、非ヒト霊長類動物試験において、選択性NOPアゴニストが呼吸抑制と潜在的依存性を生じないことは発見された。RO 64-6198は報告された初めての小分子NOP受容体選択性アゴニストであり、ロシュ社により研究開発され、非ヒト霊長類動物モデルと齧歯類動物モデル実験において良好な鎮痛効果を示し、且つ従来のオピオイド類薬物が仲介する副作用を有さない。SCHERING社はWO01/07050においてピペリジニル基誘導体化合物を開示し、NOP受容体(ORL-1受容体)アゴニストとして、咳の治療に用いられる。ノシセプチン/オルファニンFQ受容体と従来のオピオイド受容体との間には厳密な相互作用機能が存在するため、近年では人々の焦点はダブルターゲットに同時に作用するリガンド化合物の研究に転移してきた。
【0008】
BU08028はブプレノルフィンの類似体であり、該分子は4種の典型的なオピオイド受容体に対して高い親和性を有する。インビトロ実験の結果に示すように、BU08028はMOP/NOP受容体の部分的アゴニストであり、ブプレノルフィンと比べて、BU08028はNOP受容体に対して生物活性がより高い。非ヒト霊長類動物インビボ実験において、ブプレノルフィン及びレミフェンタニルと比べて、BU08028は非常に高い鎮痛と抗不安効果を示し、依存性がより低く、より重要なことは、有意な生理的依存性を示さない。ナロルフィンはMOP受容体の拮抗剤とKOP受容体のアゴニストの二機能性作用のオピオイド類薬物であり、インビボでモルヒネによる効果を抑制でき、且つその自体は鎮痛の活性を示すことができる。KOP受容体に対して高い活性を有するがMOP受容体に対して低い又は中程度の活性を有する二機能性分子は、単純のMOP受容体アゴニストに対して低い依存性を有するが、その自体は患者に不安させて幻覚を発生させる副作用を有する。CebranopadolはMOP/NOP受容体の二機能性アゴニストである。臨床前のデータにより、CebranopadolがKOP受容体に対しても部分的な活性化の活性を有することは示された。最近、モルヒネと比べて、Cebranopadolが耐性、生理的依存性及び呼吸抑制の減少の効果を示す報告がある。特許WO2017/096323にはAT-121が開示され、それはピペリジニル基スピロ化合物であり、MOP受容体とNOP受容体の両方に対して高い親和性を有し、これらの2種の受容体の部分的アゴニストである。非ヒト霊長類動物実験において、この分子は良好な鎮痛及び強制効果抑制の薬物効果を示し、呼吸抑制、オピオイド薬物による過敏症効果及び薬物依存性等の副作用がない。
【0009】
既存の報告から分かるように、異なるオピオイド受容体は自体の薬理学的機能特徴を有し、オピオイド受容体に対して二機能又はマルチ機能作用を有する分子は独特の薬理学的作用を示し、良好な鎮痛薬効を生じるとともに、モルヒネ等の従来のオピオイド類薬物の副作用、例えば呼吸抑制、便秘、耐性、依存性等を有効に減少でき、抗うつ・抗不安効果を有し、アルコール嗜癖の治療に対して潜在的有効性を有する。しかし、現在では初期の研究段階にあり、成功例は少ない。一方で、副作用のない鎮痛薬は社会需要の急務である。従って、マルチ機能又は二機能のオピオイド受容体作用を有する新規鎮痛薬の分野において、より広い研究を行う必要がある。
【発明の概要】
【0010】
以下は、本明細書に記載されるテーマに対する概要である。本概要は特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0011】
本願はピペリジン誘導体及びその医薬組成物、調製方法と使用を提供する。該種類の化合物は構造が新規であり、高いMOP受容体、NOP受容体(ORL-1受容体)及び(又は)KOP受容体の親和性と活性化生物活性を有し、MOP受容体とKOP受容体に対して二機能性作用の高い選択性を有し、又はMOP受容体とNOP受容体(ORL-1受容体)に対して二機能性作用の高い選択性を有し、一部の化合物は高いGタンパク質バイアスを有するため、独特の薬理学的作用メカニズムを有する。新規オピオイド受容体薬物として開発して、急性・慢性疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性の治療に用いることができる。
【0012】
本願の実施形態では、本願は式(I)で示される化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを提供し、
【化1】
式中、
nは0又は1であり、
mは0又は1であり、
pは0、1又は2であり、
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基及びC
1-3アルコキシ基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、
R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基、置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基及び置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されていないヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されていないヘテロアリール基及び-C
1-4アルキル基-置換されるヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1である。
【0013】
一方で、本願は上記ピペリジン誘導体又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含むものを提供する。
【0014】
第3態様では、本願は上記ピペリジン誘導体又はその医薬組成物のMOP受容体とNOP受容体(ORL-1受容体)アゴニストとしての生物活性を提供する。
【0015】
第4態様では、本願は上記ピペリジン誘導体の調製方法を提供し、前記調製方法は下記工程を含む。
(1)式(I-1)の化合物と式(I-2)の化合物とを共役反応させ、式(I-3)の化合物を取得する。
【化2】
(2)式(I-3)の化合物を脱保護反応させ、式(I-4)を取得し、それから式(I-5)の化合物とを共役反応させ、式(I)の化合物を取得する。
【化3】
又は、
(1’)式(I-6)の化合物と式(I-5)の化合物とを共役反応させ、式(I-7)の化合物を取得する。
【化4】
(2)式(I-7)の化合物と式(I-2)の化合物とを共役反応させ、式(I)の化合物を取得する。
【化5】
上記調製方法では、X
1とX
2はそれぞれ脱離基、例えば臭素を示し、又は式(I-5)の化合物はアルデヒド、又はケトン、又はホウ酸であり、Pr
1はアミノ基保護基、例えば、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は本願の技術案の理解を提供するためのものであり、明細書の一部となり、本願の実施例とともに本願の技術案を解釈することに用いられ、本願の技術案を制限するためのものではない。
【
図1A】本願の化合物EX3の鎮痛時間効果曲線図である。実験結果は平均値±標準誤差で示され、ブランク対照群と比べて、
###p < 0.001であり、モデル群と比べて、
*p < 0.05、
***p < 0.001であり、群間差は一要因分散分析Dunnett’sで比較され、NSは無意味を示す。
【
図1B】本願の化合物EX3の鎮痛用量効果図である。実験結果は平均値±標準誤差で示され、ブランク対照群と比べて、
###p < 0.001であり、モデル群と比べて、
*p < 0.05、
***p < 0.001であり、群間差は一要因分散分析Dunnett’sで比較され、NSは無意味を示す。
【
図2】本願の化合物EX3のvon-Frey hairと足耐荷重性実験の結果であり、(A)は機械的疼痛閾値(Von Frey)の経時的変化曲線であり、(C)はその相対鎮痛率であり、(B)は足耐荷重性差値(Weight Bearing)の経時的変化曲線であり、(D)はその相対鎮痛率であり、実験結果は平均値±標準誤差で示され、対照群(G1)と比べて、
*p < 0.05は差が有意であることを示し、
&&, $$, ##, **p < 0.01は差が極めて有意であることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
幾つかの実施形態では、本願は式(I)で示される化合物、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを提供し、
【化6】
式中、
nは0又は1であり、
mは0又は1であり、
pは0、1又は2であり、
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基及びC
1-3アルコキシ基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、
R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基、置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基及び置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記置換されるアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されるC
3-8シクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の置換基により置換され、
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されていないヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されていないヘテロアリール基及び-C
1-4アルキル基-置換されるヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1である。
【0018】
幾つかの実施形態では、式(I)において、nは0であり、mは0であり、pは0、1又は2である。
【0019】
幾つかの実施形態では、式(I)において、nは1であり、mは0であり、pは0、1又は2である。
【0020】
幾つかの実施形態では、式(I)において、nは0であり、mは1であり、pは0、1又は2である。
【0021】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R1とR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-3アルキル基から選ばれ、R1とR2は同時に水素ではない。
【0022】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R1とR2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、C1-3アルキル基から選ばれ、R1とR2は同時に水素ではない。
【0023】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R1とR2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、メチル基から選ばれ、R1とR2は同時に水素ではなく、選択肢として、R1とR2はいずれも塩素であり、又は、R1は塩素でR2はフッ素であり、又は、R1はフッ素でR2は塩素であり、又は、R1とR2はいずれもフッ素であり、又は、R1はフッ素、メチル基又は塩素でR2は水素であり、又は、R1は水素でR2は塩素又はフッ素である。
【0024】
幾つかの実施形態では、式(I)において、前記R3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基及び置換されるヘテロアリール基から選ばれ、前記置換されていないアリール基はフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されていないヘテロアリール基はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、前記置換されるアリール基は、ハロゲン、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロC1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されるヘテロアリール基はハロゲン、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロC1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~2個の基により置換されるフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基である。
【0025】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3はフェニル基であり、又は、ハロゲン、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基及びハロC1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基であり、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基及びハロC1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基である。
【0026】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3はフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-フルオロフェニル基、2-フルオロ-4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、2-メチル-4-フルオロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、2-メトキシ-4-クロロフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-クロロフェニル基、2-メチルフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基又は4-メトキシフェニル基である。
【0027】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、選択的に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基及びハロC1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~2個の基により置換され、選択的に、R3は5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル、又は5-クロロチオフェン-2-イルである。
【0028】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3は置換されていないC3-8シクロアルキル基、又は置換されるC3-8シクロアルキル基であり、前記置換されていないC3-8シクロアルキル基、置換されるC3-8シクロアルキル基におけるC3-8シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、前記置換されるC3-8シクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロC1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、好ましくは、前記置換されるC3-8シクロアルキル基は4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である。
【0029】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3はシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である。
【0030】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R3は置換されていないC4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC4-6ヘテロシクロアルキル基であり、前記置換されていないC4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC4-6ヘテロシクロアルキル基におけるC4-6ヘテロシクロアルキル基はテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、前記置換されるC4-6ヘテロシクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル基、ハロC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロC1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、好ましくは、前記置換されるC4-6ヘテロシクロアルキル基はN-イソプロピルピペリジン-4-イルである。
【0031】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R4は水素、-C1-3アルキル基-置換されず且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-置換され且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-C(O)NR5R6、-C1-3アルキル基-NR7R8、-C1-4アルキル基-置換されず且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基、及び-C1-4アルキル基-置換され且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基から選ばれ、R5とR6は独立して水素又はC1-3アルキル基であってもよく、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R7とR8は独立して水素又はC1-3アルキル基であってもよく、又は、R7とR8及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R7とR8及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R4が水素である場合、mは0で、nは1であり、前記置換されるとはC1-C4アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4ハロアルコキシ基、C1-C4アルカノイル基、C1-C4アルカノイルオキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、オキソ及びシアノ基のうちの1つ又は複数の基により置換されることを指す。
【0032】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R4は水素から選ばれ、mは0で、nは1である。
【0033】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R4は-C1-3アルキル基-置換されず且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のC2-6ヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-置換され且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のC2-6ヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C1-3アルキル基-C(O)NR5R6、-C1-3アルキル基-NR7R8、-C1-4アルキル基-置換されず且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のC3-6ヘテロアリール基、及び-C1-4アルキル基-置換され且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のC3-6ヘテロアリール基から選ばれ、R5とR6は独立して水素又はC1-3アルキル基であってもよく、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R7とR8は独立して水素又はC1-3アルキル基であってもよく、又は、R7とR8及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R7とR8及び接続されるNは一緒にC4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、前記置換されるとはC1-C4アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4ハロアルコキシ基、C1-C4アルカノイル基、C1-C4アルカノイルオキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、オキソ及びシアノ基のうちの1つ又は複数の基により置換されることを指す。
【0034】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R4は水素、2-(モルホリノ)エチル基、2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)エチル基、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(3-オキソピペラジン-1-イル)エチル基、2-(ピロリジン-1-イル)エチル基、2-(ピペリジン-1-イル)エチル基、2-(N,N’-ジメチルアミノ)エチル基、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル基、N,N’-ジメチルアセトアミド基、オキシラン-2-イルメチル基、又は2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチル基であり、R4が水素である場合、mは0で、nは1である。
【0035】
幾つかの実施形態では、式(I)において、R4は-C1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基であり、前記置換されるスピロヘテロシクロアルキル基は0又は1個のオキサのアザスピロ[3.3]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナン、アザスピロ[3.4]オクタン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、又はアザスピロ[4.5]デカンであってもよい。
【0036】
更に、前記式(I)で示される化合物は、下記のような化合物、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグである。
【化7】
【0037】
幾つかの実施形態では、本願は医薬組成物を更に開示し、前記組成物は有効用量の本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを含み、又は1種又は複数種の他の治療剤及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を更に含む。
【0038】
これらの薬学的に許容される賦形剤は例えば、担体(例えば固体、液体又は半固体担体)、補助剤、希釈剤(例えば、フィラー又は充填剤のような固体希釈剤、及び溶媒と共溶媒のような液体希釈剤)、造粒剤、接着剤、流動補助剤、コーティング剤、制御放出剤(例えば遅延又は遅延放出のポリマー又はワックス)、接着剤、崩壊剤、緩衝剤、潤滑剤、防腐剤、抗真菌剤及び抗細菌剤、抗酸化剤、緩衝剤、張力調節剤、増粘剤、風味増強剤、甘味剤、顔料、可塑剤、矯味剤、安定化剤又は医薬組成物における通常使用される他の賦形剤から選ばれる。
【0039】
本明細書に使用される用語の「薬学的に許容される」とは、これらの化合物、材料、組成物及び/又は剤型が、健全医学判断力範囲内に被験者(例えばヒト被験者)の組織への接触に適合し、過量の毒性、刺激性、アレルギー反応又は他の問題又は合併症を引き起こさず、合理的な利益/リスクの比に対応することを指す。各賦形剤は配合品の他の成分との適合性の意味で「許容される」。
【0040】
既知技術により化学式(I)の化合物を含有する医薬組成物を配合でき、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton (イーストン),PA,USAを参照できる。
【0041】
医薬組成物は経口、非経口、局所、鼻内、気管支内、舌下、眼科、耳部、直腸、膣内又は経皮投与のいかなる形態にあってもよい。
【0042】
経口投与に適する薬物剤型はタブレット(コーティング又は非コーティング)、カプセル剤(ハードシェル又はソフトシェル)、カプレット(caplet)、丸薬、錠剤(lozenge)、シロップ剤、溶液、粉剤、顆粒剤、エリキシル剤及び懸濁液、舌下タブレット、又はバッカルパッチのようなペースト剤を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、前記医薬組成物は1種又は複数種の他の治療剤を更に含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、本願は本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを提供し、医薬使用に用いられる。
【0045】
本願の幾つかの実施形態では、本願は本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを提供し、μオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)を調整することに用いられる。
【0046】
本願の幾つかの実施形態では、本願は本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグを提供し、疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性の治療に用いられる。
【0047】
幾つかの実施形態では、本願は、一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは本願の組成物の、疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療するための方法を更に提供する。疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛から選ばれてもよい。
【0048】
本願の幾つかの実施形態では、本願は、本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いはその医薬組成物の、疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療する薬物の調製における使用を提供する。
【0049】
幾つかの実施形態では、本願は上記使用を提供し、前記疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛から選ばれてもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、本願は患者のμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)の両方が仲介する、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)の両方が仲介する不調を治療する方法を提供し、前記方法は需要のある患者に本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いはその医薬組成物を投与することを含む。
【0051】
幾つかの実施形態では、本願は患者の疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療又は予防するための方法を提供し、前記方法は需要のある患者に本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは前記医薬組成物を投与することを含む。前記疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛から選ばれてもよい。
【0052】
幾つかの実施形態では、本願はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)を調整するための方法を提供し、前記方法は本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは前記医薬組成物を投与することを含む。
【0053】
幾つかの実施形態では、本願はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とκオピオイドペプチド受容体(KOPR)、又はμオピオイドペプチド受容体(MOPR)とノシセプチン/オルファニン受容体(NOPR又はORL-1受容体)を調整して、患者の疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療又は予防するための方法を提供し、前記方法は需要のある患者に本願による一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、或いは前記医薬組成物を投与することを含む。前記疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛から選ばれてもよい。
【0054】
幾つかの実施形態では、本願は上記ピペリジン誘導体、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグの調製方法を提供し、前記調製方法は下記工程を含む。
(1)式(I-1)の化合物と式(I-2)の化合物とを共役反応させ、式(I-3)の化合物を取得する。
【化8】
(2)式(I-3)の化合物を脱保護反応させ、式(I-4)を取得し、それから式(I-5)の化合物とを共役反応させ、式(I)の化合物を取得する。
【化9】
又は、
(1’)式(I-6)の化合物と式(I-5)の化合物とを共役反応させ、式(I-7)の化合物を取得する。
【化10】
(2)式(I-7)の化合物と式(I-2)の化合物とを共役反応させ、式(I)の化合物を取得する。
【化11】
上記調製方法では、式(I-2)と(I-5)において、X
1とX
2はそれぞれ脱離基、例えば臭素、塩素、又はスルホン酸エステル基等を示し、又は式(I-5)の化合物はアルデヒド、又はケトン、又はホウ酸であり、式(I-1)と(I-3)において、Pr
1はアミノ基保護基、例えば、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基CBz又はフルオレニルメトキシカルボニル基Fmoc等を示し、式(I-1)~(I-7)及び式(I)における他の基の定義は上記の通りである。
【0055】
有益な効果
本願の化合物は良好なオピオイド受容体活性化活性を有し、医薬使用に適し、臨床応用の価値を有する。そして、本願の化合物の合成工程は簡単であるため、良好な経済利用価値を有する。
【0056】
用語の定義と説明
特に断りのない限り、本願明細書と請求の範囲に記載の基及び用語の定義、例えば実例としての定義、例示的な定義、好ましい定義、表に記載の定義、実施例における具体的な化合物の定義等は、互いに任意に組合わせて結合することができる。このような組合せと結合後の基の定義及び化合物構造は、本願明細書に記載の範囲内に属すべきである。
【0057】
本願に記載の基及び化合物に係る炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンは、いずれもそれらの同位体を含む。及び、本願に記載の基及び化合物に係る炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンは選択的に更に1つ又は複数のそれらの対応の同位体により置換される。炭素の同位体は12C、13C及び14Cを含み、水素の同位体はプロチウム(H)、デューテリウム(D、重水素とも称される)、トリチウム(T、超重水素とも称される)を含み、酸素の同位体は16O、17O及び18Oを含み、硫黄の同位体は32S 、33S、34S及び36Sを含み、窒素の同位体は14Nと15Nを含み、フッ素の同位体は19Fを含み、塩素の同位体は35Clと37Clを含み、臭素の同位体は79Brと81Brを含む。
【0058】
「アルキル基」とは直鎖又は分岐鎖の1価飽和炭化水素基を指し、主鎖は1~10個の炭素原子を含む。アルキル基の実例はメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-2-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基及びn-デシル基等を含むが、それらに限らない。前記アルキル基は更に任意の置換基により置換されてもよい。
【0059】
「シクロアルキル基」とは1価飽和の炭素環炭化水素基を指し、単環で、通常3~10個の炭素原子を有する。制限的でない実施例はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロへプチル基等を含む。前記シクロアルキル基は選択的に更に任意の置換基により置換されてもよい。
【0060】
「複素環アルカン」とは飽和の少なくとも1つのヘテロ原子を含む環炭化水素基を指し、単環で、ヘテロ原子はN、O、S、P及びそれらの酸化形態である。制限的でない実施例はアザシクロプロピル基、オキサシクロプロピル基、チアシクロプロピル基、アザシクロブチル基、オキサシクロブチル基、チアシクロブチル基、ピロリジニル基、ピラゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基等を含む。前記複素環アルカンは選択的に更に任意の置換基により置換されてもよい。
【0061】
「アリール基」とは共役π電子系を有する6~14員全炭素単環又は縮合多環(つまり隣接する炭素原子ペアを共用する環)基を指し、好ましくは6~10員、例えばフェニル基とナフチル基である。前記アリール環は上記のアリール環がヘテロアリール基、複素環基又はシクロアルキル環に縮合するものを含み、母体構造に接続される環はアリール環である。アリール基は置換又は未置換のものであってもよい。置換される場合、置換基はいかなる使用可能な接続点において置換され得る。前記置換基は好適に水素原子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基により置換される。
【0062】
「ヘテロアリール基」とは1~4個のヘテロ原子、5~14個の環原子を含む複素環式芳香族系を指し、ヘテロ原子は酸素、硫黄及び窒素から選ばれる。ヘテロアリール基は好ましく5~10員(例えば5、6、7、8、9又は10員)であり、より好ましくは5員又は6員、例えばフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基等である。前記ヘテロアリール環は上記のヘテロアリール基がアリール基、複素環基又はシクロアルキル環に縮合するものを含み、母体構造に接続される環はヘテロアリール環である。
【0063】
「薬学的に許容される塩」とは遊離酸又は遊離塩基の生物学的有効性と特性を保持し、且つ前記遊離酸と無毒の無機塩基又は有機塩基との反応、或いは前記遊離酸と無毒の無機酸又は有機酸との反応により得られる塩を指す。
【0064】
「担体」とは生体に対して明らかな刺激を生じなく、且つ投与される化合物の生物活性と特性を解消しない担体又は希釈剤を指す。
【0065】
「賦形剤」とは医薬組成物に添加されて化合物更に依存して投与される不活性物質を指す。賦形剤の実例は炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種の糖及び異なるタイプの澱粉、セルロース誘導体(微結晶セルロースを含む)、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、接着剤、崩壊剤等を含むが、それらに限らない。
【0066】
「プロドラッグ」とは生理的条件で、又は溶媒化分解により、生物活性を有する本願化合物に転化できる化合物を指す。本願のプロドラッグは該化合物におけるフェノール基を修飾することにより調製され、該修飾は通常操作により、又は生体内で除去されて、母体化合物を得る。本願のプロドラッグは哺乳類動物個体に投与される場合、プロドラッグは分割されて、それぞれ遊離ヒドロキシル基を形成する。プロドラッグの例は本願化合物のフェノール性水酸基とリン酸ナトリウム塩誘導体を含むがそれに限らない。
【0067】
「有効用量」とは組織、系統又は被験者の生理又は医学的反応を引き起こす化合物の量を指す。該量は求められ、治療される者に投与する際に治療対象の疾患又は症状の予防に足りる1種又は複数種の症状が発生し又はある程度に軽減させる化合物の量である。
【0068】
「溶媒和物」とは本願化合物又はその塩を指し、分子間非共有結合相互作用により結合する化学計量又は非化学計量の溶媒を更に含む。溶媒が水である場合、水和物である。
【0069】
「選択的」又は「選択的に」とは後述する事件又は環境が必ずしも発生するとは限らないことを指し、該記述は該事件又は環境の発生する又は発生しない場合を含む。例えば、「選択的にFにより置換されるアルキル基」とは、アルキル基がFにより置換され得るが、必ずしもFにより置換されるとは限らないことを指し、該記述はアルキル基がFにより置換される場合、及びアルキル基がFにより置換されない場合を含む。
【0070】
本願の他の特徴及び利点は、下記の説明書において説明され、そして、一部的に明細書から明確になり、又は本願の実施により了解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、請求の範囲及び図面に特に指摘される構成により実現されて取得される。
【0071】
具体的な実施形態
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では本願の実施例を詳述する。なお、衝突しない限り、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに任意に組合わせることができる。
【0072】
以下では具体的な実施例を参照しながら、本願の一般式に示される化合物及びその調製方法と適用を更に詳しく説明する。下記実施例は本願の説明と解釈のためのものに過ぎず、本願の保護範囲に対する制限と理解すべきではない。本願の上記内容に基づいて実現する技術は、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【0073】
特に断りのない限り、下記実施例に使用される原料と試薬はいずれも市販品であり、又は既知方法により調製できものである。本願は下記略称を使用する。equiv.は当量比を示し、sat.は飽和を示し、Mはmol/Lを示し、r.tは室温を示し、EtOHはエタノールを示し、MeOHはメタノールを示し、DCMはジクロロメタンを示し、DCEは1,2-ジクロロエタンを示し、DMSOはジメチルスルホキシドを示し、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを示し、EAは酢酸エチルを示し、PEは石油エーテルを示し、THFはテトラヒドロフランを示し、TEAはトリエチルアミンを示し、TFAはトリフロオロ酢酸を示し、AcOHは酢酸を示し、CDIはカルボニルジイミダゾールを示し、Bocはtert-ブトキシカルボニル基(アミンの保護基の1つである)を示し、NaBH(OAc)3はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを示し、Boc2Oは二炭酸ジ-tert-ブチルを示し、AIBNはアゾビスイソブチロニトリルを示し、HMPAはヘキサメチルリン酸トリアミドを示し、MsClはメタンスルホニルクロリドを示し、NBSはN-ブロモスクシンイミドを示し、TMSはトリメチルシランを示し。
【0074】
化合物は本分野の通常の命名規則、又はChemDraw(登録商標)ソフトウエア(PerkinElmer)により命名され、市販の試薬はメーカーのカタログの名称を採用する。
【0075】
1H NMRデータをBruker Ultrashield 400核磁気共鳴スペクトロメータを用いて400 MHzで収集して記録し、CDCl3、CD3OD、D2O又はDMSO-d6を溶媒とし、TMS(δ = 0)を内部標準として用いて化学シフトδ値(ppm)を報告する。マススペクトルを島津LCMS-2020システムにより採集して記録し、島津shim-pack VP-ODS(150L*2.0,4.6μM)カラムを用いて検出し、移動相Aは0.1%トリフロオロ酢酸の水溶液であり、移動相Bはアセトニトリルである。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)をAgilent Technologies 1260 Infinity液体クロマトグラフにより測定し、YMC Triart C18 EXRS (4.6*150 mm,3 μm)カラムにより検出する。グラジエント溶出条件:1.0 mL/min流速、30%~10%溶媒A1と70%~90%溶媒B1を用いて、それから90%B1と10%A1で0.5 min保持し、百分率はある溶媒が総溶媒体積に占める体積百分率である。溶媒A1は0.1%アンモニア水の水溶液であり、溶媒B1はアセトニトリルである。百分率は溶質が溶液に占める体積百分率である。注入量は反応溶液濃度により決められ、一般的に、0.2 mg/mL濃度のサンプルは、そのオンカラム量が2μLである。検出波長は254/220 nmであり、カラム温度は30 ℃である。
【0076】
実施例1:5,6-ジクロロ-1-(1-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX1)の合成
【化12】
【0077】
中間体1cの合成:4,5-ジクロロ-2-フルオロニトロベンゼン(1a)(10.00 g、47.62 mmol)、N-Boc-4-アミノピペリジン(9.54 g、47.62 mmol)及び溶媒DMF(120 mL)を取って、清潔で乾燥した単一口のフラスコ(250 mL)に入れて、無水K2CO3(9.87 g、71.43 mmol)を添加し、60℃に温度を上昇させて2時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、反応系を室温に冷却し、攪拌条件で、反応液を氷水混合物に徐々に入れ(500 mL)、大量の黄色の固体物は析出し、ろ過して、少量の水でフィルターケーキを洗浄し、乾燥させ、黄色の固体産物17.58 gを得ており、収率は94.59%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.30 (s, 1H), 8.01 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 4.03 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 3.68 - 3.53 (m, 1H), 3.06 (t, J = 12.3 Hz, 2H), 2.05 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.59 - 1.48 (m, 2H), 1.48 (s, 9H).
【0078】
中間体1dの合成:tert-ブチル 4-((4,5-ジクロロ-2-ニトロフェニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(1c)(17.50 g、44.84 mmol)を取って、単一口のフラスコ(1 L)に入れて、反応フラスコに無水エタノール(450 mL)を添加し、室温で攪拌し、反応系に鉄粉(15.03 g、269.05 mmol)と飽和NH4Cl水溶液(45 mL)を添加し、加熱して80℃に温度を上昇させ、続いて攪拌して1.5時間反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出し、珪藻土でろ過し、少量の無水エタノールでフィルターケーキを洗浄し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、白色の固体物を得ており、固体物を酢酸エチル(350 mL)に溶解し、水と飽和NaCl水溶液により洗浄した後に有機相を分取し、無水Na2SO4で乾燥させた後にろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、灰白色の固体粗製品を得ており、該粗製品に石油エーテル(200 mL)を添加し、分散させ、パルピングし、ろ過し、乾燥させ、オレンジ色の固体製品14.23 gを得ており、収率は88.08%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.78 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.52 - 3.16 (m, 4H), 2.95 (t, J = 12.5 Hz, 2H), 2.08 - 1.96 (m, 2H), 1.47 (d, J = 1.5 Hz, 9H), 1.43 - 1.30 (m, 2H).
【0079】
中間体1eの合成:tert-ブチル 4-((2-アミノ-4,5-ジクロロフェニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(1d)(14.20 g、39.41 mmol)と無水テトラヒドロフラン(300 mL)を取って、清潔で乾燥した三口のフラスコ(500 mL)に入れて、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、N,N’-カルボニルジイミダゾール(8.31 g、51.24 mmol)のジクロロメタン溶液(50 mL)を滴下し、滴下終了後に氷水浴を除去し、室温で続いて1時間攪拌し、加熱して35℃に温度を上昇させ、18時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。攪拌条件で反応系に徐々に飽和NaHCO3水溶液(150 mL)を添加し、酢酸エチルで抽出し(250 mL×3)、有機相を無水Na2SO4で乾燥させた後にろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、灰白色の固体粗製品を得ており、該粗製品に石油エーテル(250 mL)と酢酸エチル(2.5 mL)を添加し、分散させ、パルピングし、ろ過し、乾燥させ、灰白色の固体製品14.50 gを得ており、収率は95.22%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 10.66 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.50 - 4.22 (m, 3H), 2.97 - 2.77 (m, 2H), 2.35 - 2.17 (m, 2H), 1.88 - 1.76 (m, 2H), 1.53 (s, 9H).
【0080】
中間体1gの合成:tert-ブチル 4-(4,5-ジクロロ-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(1e)(5.00 g、12.94 mmol)を取って、乾燥した三口の丸底フラスコ(250 mL)に入れて、無水テトラヒドロフラン(130 mL)を添加し、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、反応混合物にバッチごとにNaH(2.59 g、64.72 mmol、60% in mineral oil)を添加し、添加終了後に続いて30分間攪拌して反応させ、反応混合物に徐々に4-(2-ブロモエチル)モルホリン臭化水素酸塩(4.81 g、17.47 mmol)を添加し、添加終了後に続いて1時間攪拌して反応させ、氷水浴を除去し、徐々に加熱して35℃に温度を上昇させ、18時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。氷水浴による冷却と攪拌条件で反応系に氷水を滴下して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し(150 mL×3)、有機相を無水Na2SO4で乾燥させた後にろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、灰白色の固体粗製品を得ており、該粗製品に石油エーテル(150 mL)を添加し、分散させ、攪拌し、ろ過し、乾燥させ、白色の固体製品5.85 gを得ており、収率は90.49%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.17 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.47 - 4.19 (m, 3H), 3.95 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.74 - 3.60 (m, 4H), 2.85 (t, J = 12.5 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.59 - 2.44 (m, 4H), 2.24 (qd, J = 12.8, 4.5 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H).
tert-ブチル 4-(5,6-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(1f)(5.85 g、11.71 mmol)を取って、乾燥した単一口のフラスコ(100 mL)に入れて、無水ジクロロメタン(60 mL)を添加し、氷水浴による冷却で、トリフルオロ酢酸(15 mL)を滴下し、滴下終了後に氷水浴を除去し、室温で続いて3時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、淡褐色のオイル粗製品を得ており、該粗製品にエーテル(150 mL)を添加し、分散させ、攪拌し、ろ過し、乾燥させ、白色の固体製品6.01 gを得ており、収率は99.95%である。該白色の固体は更なる精製の必要がなく、直接に次の実験に使用される。
【0081】
化合物EX1の合成:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オントリフルオロ酢酸塩(1g)(100 mg,195 μM)と無水1,2-ジクロロエタン(2 mL)を取って、乾燥したSchlenk管に入れて、乾燥したトリエチルアミン(19.7 mg、195 μmol、27 μL)を添加し、5分間攪拌し、反応管に3,4-ジクロロベンズアルデヒド(51 mg、292 μmol)、酢酸(14 mg、234 μmol、14 μL)、NaBH(OAc)3(1.17 mmol、248 mg)及び4Å分子篩(100 mg)を添加する。アルゴンガスで保護し、室温で24時間攪拌して反応させる。TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出し、反応フラスコに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンを用いて3回抽出し、有機相を合併し、飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムにより分離して精製し(移動相はジクロロメタンとメタノールであり、割合は150:1~70:1である)、白色の固体製品55 mgを得ており、収率は50.6%である。LC-MS(ESI) m/z:557.10 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.48 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.34 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.51 (s, 2H), 3.01 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.39 (q, J = 11.1 Hz, 2H), 2.17 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0082】
実施例2:5,6-ジクロロ-1-(1-(3,4-ジフルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX2)の合成
【化13】
中間体1gと3,4-ジフルオロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:525.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.30 (s, 1H), 7.26 - 7.18 (m, 1H), 7.16 - 7.10 (m, 2H), 7.10 - 7.03 (m, 1H), 4.36 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.51 (s, 2H), 3.01 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.38 (q, J = 11.0, 10.5 Hz, 2H), 2.16 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0083】
実施例3:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX3)の合成
【化14】
中間体1gと2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:541.10 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 2H), 7.04 - 6.98 (m, 1H), 4.37 - 4.23 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.57 (m, 6H), 3.05 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.47 - 2.33 (m, 2H), 2.28 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0084】
実施例4:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX4)の合成
【化15】
中間体1gと4-トリフルオロメチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:557. 20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.60 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 3.62 (s, 2H), 3.02 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.40 (q, J = 11.5 Hz, 2H), 2.19 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.8 Hz, 2H).
【0085】
実施例5:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX5)の合成
【化16】
中間体1gと4-トリフルオロメトキシベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:573.20;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.19 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.12 (s, 1H), 4.36 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.56 (s, 2H), 3.03 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.38 (q, J = 10.3 Hz, 2H), 2.17 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 10.6 Hz, 2H).
【0086】
実施例6:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX6)の合成
【化17】
中間体1gと2,4-ジクロロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:557.10 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.50 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.31 - 7.26 (m, 2H), 7.12 (s, 1H), 4.37 - 4.22 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.64 (s, 2H), 3.04 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.40 (q, J = 11.9 Hz, 2H), 2.28 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 10.9 Hz, 2H).
【0087】
実施例7:1-(1-(4-(tert-ブチル)ベンジル)ピペリジン-4-イル)-5,6-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX7)の合成
【化18】
中間体1gと4-tert-ブチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:545.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.39 - 7.32 (m, 3H), 7.29 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.11 (s, 1H), 4.37 - 4.24 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.55 (s, 2H), 3.06 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.45 - 2.28 (m, 2H), 2.15 (t, J = 11.1 Hz, 2H), 1.76 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 1.33 (s, 9H).
【0088】
実施例8:1-(1-(4-(tert-ブチル)シクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-5,6-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX8)の合成
【化19】
中間体1gと4-tert-ブチルシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:537.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.26 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.31 - 4.18 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.26 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.40 - 2.21 (m, 3H), 2.08 - 1.89 (m, 4H), 1.78 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 1.51 - 1.28 (m, 6H), 1.17 - 1.05 (m, 1H), 0.89 (s, 9H).
【0089】
実施例9:5,6-ジクロロ-1-(1-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX9)の合成
【化20】
中間体1gとシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:481.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.39 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.38 - 4.21 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.06 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.48 - 2.20 (m, 5H), 1.95 - 1.73 (m, 6H), 1.65 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.34 - 1.18 (m, 4H), 1.19 - 1.03 (m, 1H).
【0090】
実施例10:5,6-ジクロロ-1-(1-シクロへプチルピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX10)の合成
【化21】
中間体1gとシクロヘプタノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:495.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.35 - 4.19 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.94 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.70 - 2.58 (m, 3H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.44 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 2.28 (q, J = 11.6, 10.5 Hz, 2H), 1.92 - 1.82 (m, 2H), 1.78 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 1.75 - 1.65 (m, 2H), 1.62 - 1.37 (m, 8H).
【0091】
実施例11:5,6-ジクロロ-1-(1-(シクロヘキシルメチル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX11)の合成
【化22】
中間体1gとシクロヘキシルホルムアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:495.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.32 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.35 - 4.20 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.02 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.34 (q, J = 11.6, 10.0 Hz, 2H), 2.17 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 2.06 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 1.88 - 1.63 (m, 7H), 1.49 (bs, 1H), 1.32 - 1.11 (m, 3H), 0.90 (q, J = 10.9, 10.2 Hz, 2H).
【0092】
実施例12:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX12)の合成
【化23】
化合物EX12の合成:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オントリフルオロ酢酸塩(1g)(100 mg,195 μM)と無水1,2-ジクロロエタン(2 mL)を取って、乾燥したSchlenk管に入れて、乾燥したトリエチルアミン(23 mg、233 μmol、32 μL)を添加し、5分間攪拌し、反応管に4-イソプロピルシクロヘキサノン(55 mg、390 μmol)、酢酸(15 mg、253 μmol、14 μL)、NaBH(OAc)
3(165 mg、779 μmol)を添加する。アルゴンガスで保護し、40℃に加熱し、72時間攪拌して反応させる。TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出し、反応フラスコに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンを用いて3回抽出し、有機相を合併し、飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムにより分離して精製し(移動相はジクロロメタンとメタノールであり、割合は150:1~70:1である)、白色の固体製品86 mgを得ており、収率は84.3%である。
【0093】
実施例12A:5,6-ジクロロ-1-(1-(トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX12A)の合成
【化24】
化合物EX12から高速液体クロマトグラフにより実施例12の化合物EX12を分離して精製し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、トランス製品の白色の固体15 mgを得ており、収率は14.71%である。LC-MS(ESI) m/z:523.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.33 - 4.20 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (d, J = 4.7 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (d, J = 4.6 Hz, 4H), 2.38 - 2.17 (m, 5H), 1.85 - 1.68 (m, 6H), 1.65 - 1.59 (m, 2H), 1.57 - 1.49 (m, 2H), 1.44 - 1.33 (m, 2H), 1.19 - 1.09 (m, 1H), 0.91 (s, 3H), 0.89 (s, 3H).
【0094】
実施例12B:5,6-ジクロロ-1-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX12B)の合成
【化25】
化合物EX12から高速液体クロマトグラフにより実施例12の化合物EX12を分離して精製し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、シス製品の白色の固体44 mgを得ており、収率は43.14%である。LC-MS(ESI) m/z:523.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.32 - 4.21 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (d, J = 4.7 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (d, J = 4.7 Hz, 4H), 2.36 - 2.17 (m, 5H), 1.86 - 1.67 (m, 6H), 1.65 - 1.52 (m, 4H), 1.43 - 1.33 (m, 2H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 0.90 (s, 3H), 0.88 (s, 3H).
【0095】
実施例13:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-クロロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX13)の合成
【化26】
中間体1g(100 mg、194 μmol)と無水ジクロロメタン(2 mL)を取って、乾燥したSchlenk管に入れて、トリエチルアミン(39 mg、389 μmol、54 μL)を添加し、5分間攪拌し、反応管に4-クロロフェニルボロン酸(61 mg、389 μmol)、Cu(OAc)
2(35 mg、194 μmol)及び4Å分子篩(100 mg)を添加し、室温で24時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出し、反応管にジクロロメタン(10 mL)を添加し、珪藻土でろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムにより分離して精製し(移動相はジクロロメタン/メタノールであり、割合は110:1~100:1である)、白色の固体製品40 mgを得ており、収率は40.3%である。LC-MS(ESI) m/z:509.00 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.26 - 7.20 (m, 3H), 7.15 (s, 1H), 6.91 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.49 - 4.37 (m, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.78 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 3.68 (s, 4H), 2.88 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 2.68 (bs, 2H), 2.62 - 2.37 (m, 6H), 1.92 (d, J = 10.7 Hz, 2H).
【0096】
実施例14:1-(1-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペリジン-4-イル)-5,6-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX14)の合成
【化27】
中間体1gと4-tert-ブチルフェニルボロン酸を原料として、実施例13の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:531.10 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.32 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.50 - 4.37 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.81 (d, J = 11.9 Hz, 2H), 3.72 - 3.63 (m, 4H), 2.87 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.59 - 2.43 (m, 6H), 1.90 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 1.31 (s, 9H).
【0097】
実施例15:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(1-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX15)の合成
【化28】
中間体1g(100 mg、194 μmol)と無水DMF(2 mL)を取って、乾燥したSchlenk管に入れて、2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン(35 mg、194 μmol)とK
2CO
3(81 mg、584 μmol)を添加し、加熱して60℃に温度を上昇させ、5時間攪拌し、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出し、反応混合物を室温に冷却した後、少量の水を添加し、酢酸エチルで抽出し(10 mL×3)、有機相を水と飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムにより分離して精製し(移動相は石油エーテル/酢酸エチルであり、割合は5:1~1:1である)、白色の固体製品45 mgを得ており、収率は42.4%である。LC-MS(ESI) m/z:544.01 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.43 (s, 1H), 7.67 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.73 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.70 - 4.60 (m, 2H), 4.58 - 4.46 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.73 - 3.61 (m, 4H), 3.04 (td, J = 13.1, 2.6 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.59 - 2.45 (m, 4H), 2.37 (qd, J = 12.7, 4.3 Hz, 2H), 1.99 - 1.89 (m, 2H).
【0098】
実施例16:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX16)の合成
【化29】
中間体1gと2-フルオロ-4-クロロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:541.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.40 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.15 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.09 (dd, J = 9.6, 2.1 Hz, 1H), 4.33 - 4.21 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.61 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.46 - 2.29 (m, 2H), 2.23 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 10.4 Hz, 2H).
【0099】
実施例17:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,4-ジフルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX17)の合成
【化30】
中間体1gと2,4-ジフルオロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:525.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.47 - 7.35 (m, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.89 (td, J = 8.4, 2.5 Hz, 1H), 6.81 (td, J = 9.4, 2.5 Hz, 1H), 4.34 - 4.21 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.61 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.22 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.3 Hz, 2H).
【0100】
実施例18:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-メチルフェニルメチル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX18)の合成
【化31】
中間体1gと2-クロロ-4-メチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:538.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.40 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.08 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.37 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.59 (m, 6H), 3.07 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.46 - 2.34 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.31 - 2.20 (m, 2H), 1.77 (d, J = 11.2 Hz, 2H).
【0101】
実施例19:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-フルオロ-2-メチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX19)の合成
【化32】
中間体1gと4-フルオロ-2-メチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:521.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.28 - 7.21 (m, 2H), 7.12 (s, 1H), 6.93 - 6.81 (m, 2H), 4.36 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.61 (m, 4H), 3.46 (s, 2H), 3.01 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.58 - 2.44 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.37 - 2.25 (m, 2H), 2.16 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.76 (d, J = 12.7 Hz, 2H).
【0102】
実施例20:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-エチルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX20)の合成
【化33】
中間体1gと4-エチルシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:509.30; (シス-トランス異性体混合物)
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.39 - 4.20 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.61 (m, 4H), 3.21 - 3.00 (m, 2H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.59 - 2.47 (m, 4H), 2.47 - 2.15 (m, 5H), 2.00 - 1.72 (m, 4H), 1.68 - 1.53 (m, 4H), 1.51 - 1.41 (m, 2H), 1.40 - 1.29 (m, 2H), 1.28 - 1.15 (m, 1H), 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【0103】
実施例21:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-メチルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX21)の合成
【化34】
中間体1gと4-メチルシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:495.30 (M+H)
+; (シス-トランス異性体混合物、主産物 : 副産物 = 2:1) 主産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.39 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.38 - 4.21 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.62 (m, 4H), 3.13 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.60 - 2.46 (m, 4H), 2.45 - 2.21 (m, 5H), 1.91 - 1.73 (m, 4H), 1.67 - 1.43 (m, 6H), 1.30 (q, J = 12.1 Hz, 1H), 0.96 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0104】
実施例22:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX22)の合成
【化35】
中間体1gと4-トリフルオロメチルシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:549.30 (M+H)
+; (シス-トランス異性体混合物、主産物 : 副産物 = 2:1) 主産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.31 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.38 - 4.19 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.75 - 3.59 (m, 4H), 3.17 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.59 - 2.48 (m, 4H), 2.44 - 2.28 (m, 3H), 2.25 - 2.12 (m, 2H), 2.11 - 1.99 (m, 2H), 1.98 - 1.86 (m, 3H), 1.81 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.66 - 1.51 (m, 2H), 1.45 - 1.21 (m, 2H).
【0105】
実施例23:5,6-ジクロロ-1-(1’-イソプロピル-[1,4’-ビピペリジン]-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX23)の合成
【化36】
中間体1gとN-イソプロピル-4-ピペリドンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:524.40 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.37 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.29 (t, J = 12.7 Hz, 1H), 3.94 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.79 - 3.58 (m, 5H), 3.12 - 2.93 (m, 4H), 2.76 (br s, 1H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.57 - 2.48 (m, 4H), 2.48 - 2.23 (m, 6H), 2.17 (br s, 2H), 1.89 - 1.76 (m, 4H), 1.67 (br s, 2H), 1.07 (d, J = 6.3 Hz, 6H).
【0106】
実施例24:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX24)の合成
【化37】
中間体1gと4-フルオロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:507.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 - 7.28 (m, 3H), 7.12 (s, 1H), 7.03 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 4.38 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.53 (s, 2H), 3.02 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.36 (q, J = 22.4, 10.0 Hz, 2H), 2.14 (t, J = 11.9 Hz, 2H), 1.77 (d, J = 11.0 Hz, 2H).
【0107】
実施例25:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-クロロフェニルメチル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX25)の合成
【化38】
中間体1gと4-クロロベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:523.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.32 (s, 5H), 7.12 (s, 1H), 4.38 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.62 (m, 4H), 3.55 (s, 2H), 3.13 - 2.92 (m, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.59 - 2.47 (m, 4H), 2.38 (br s, 2H), 2.26 - 2.07 (m, 2H), 1.78 (d, J = 12.3 Hz, 2H).
【0108】
実施例26:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX26)の合成
【化39】
中間体1gと2-インダノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:515.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.39 (s, 1H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 7.17 - 7.09 (m, 3H), 4.43 - 4.28 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.73 - 3.61 (m, 4H), 3.35 - 3.23 (m, 1H), 3.23 - 3.04 (m, 4H), 2.95 (dd, J = 15.5, 8.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.58 - 2.47 (m, 4H), 2.39 (q, J = 12.5 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 11.8 Hz, 2H), 1.84 (d, J = 11.9 Hz, 2H).
【0109】
実施例27:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX27)の合成
【化40】
中間体1gと2-クロロシクロヘキサノンを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:515.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d)δ 7.37 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.62 (s, 1H), 4.39 - 4.25 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 3.28 (d, J = 9.9 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.57 - 2.43 (m, 6H), 2.41 - 2.21 (m, 3H), 2.07 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 1.91 - 1.66 (m, 8H), 1.56 - 1.45 (m, 1H), 1.32 (br s, 1H).
【0110】
実施例28:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-クロロ-2-メチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX28)の合成
【化41】
中間体1gと4-クロロ-2-メチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:537.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.19 - 7.09 (m, 3H), 4.35 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.46 (s, 2H), 3.01 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.42 - 2.26 (m, 5H), 2.17 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.76 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0111】
実施例29:5,6-ジクロロ-1-(1-(4-クロロ-2-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX29)の合成
【化42】
中間体1gと4-クロロ-2-メトキシベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:553.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.35 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.12 (s, 1H), 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.36 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.59 (s, 2H), 3.06 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.47 - 2.30 (m, 2H), 2.23 (t, J = 11.9 Hz, 2H), 1.77 (d, J = 11.3 Hz, 2H).
【0112】
実施例30:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,4-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX30)の合成
【化43】
中間体1gと2,4-ジメチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:517.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.33 - 7.26 (m, 1H), 7.22 - 7.14 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.04 - 6.94 (m, 2H), 4.38 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.60 (m, 4H), 3.48 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.58 - 2.46 (m, 4H), 2.45 - 2.25 (m, 8H), 2.24 - 2.07 (m, 2H), 1.75 (d, J = 11.4 Hz, 2H).
【0113】
実施例31:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリノエチル)-3-(1-(2,4,6-トリメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX31)の合成
【化44】
中間体1gと2,4,6-トリメチルベンズアルデヒドを原料として、実施例1の合成方法を参照して合成する。LC-MS(ESI) m/z:531.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.86 (s, 2H), 4.36 - 4.20 (m, 1H), 3.93 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.70 - 3.62 (m, 4H), 3.49 (s, 2H), 3.03 - 2.90 (m, 2H), 2.63 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.56 - 2.48 (m, 4H), 2.39 (s, 6H), 2.32 - 2.18 (m, 7H), 1.78 - 1.66 (m, 2H).
【0114】
実施例32:5-クロロ-1-(1-(2-クロロベンジル)-4-イル)-3-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX32)の合成
【化45】
【0115】
中間体32aの合成:5-クロロ-2-フルオロニトロベンゼンと1-N-Boc-4-アミノピペリジンを原料として用いて、中間体1fの合成方法を参照して合成し、無色のワックス状産物835 mgを得ており、収率は63.2%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.05 (s, 1H), 7.02 (s, 2H), 4.50 - 4.38 (m, 1H), 4.31 (br s, 2H), 3.97 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.69 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.85 (t, J = 13.4 Hz, 2H), 2.68 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.26 (qd, J = 12.5, 4.2 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0116】
中間体32bの合成:中間体32aを用いて、室温条件でトリフロオロ酢酸の作用により、Boc保護基を除去し、白色のトリフロオロ酢酸塩固体720 mgを得ており、収率は99.9%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0117】
化合物EX32の合成:中間体32bと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、無水ジクロロメタンにおいて、トリエチルアミンを添加し、置換反応を発生させて目的化合物を生成し、カラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相はジクロロメタン/メタノールであり、メタノールの体積比は1%である)、白色の固体製品(250 mg、収率97.8%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:490.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.30 - 7.24 (m, 1H), 7.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.06 - 6.99 (m, 2H), 4.42 - 4.29 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.74 - 3.61 (m, 6H), 3.06 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.59 - 2.49 (m, 4H), 2.43 (q, J = 12.5 Hz, 2H), 2.28 (t, J = 11.8 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 12.0 Hz, 2H).
【0118】
実施例33:5-クロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX33)の合成
【化46】
【0119】
中間体33aの合成:5-クロロ-2,4-ジフルオロニトロベンゼンを原料として用いて、実施例1の中間体1eの合成方法を参照して合成し、白色の固体3.24 gを得ており、収率は72.80%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 9.88 (s, 1H), 7.13 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.46 - 4.28 (m, 3H), 2.85 (t, J = 13.1 Hz, 2H), 2.25 (qd, J = 12.5, 4.6 Hz, 2H), 1.86 - 1.78 (m, 2H), 1.52 (s, 9H).
【0120】
中間体33bの合成:33aを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、中間体33bの無色のオイル状産物1.29gを得ており、収率は98.78%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.05 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.45 - 4.23 (m, 3H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.63 (m, 4H), 2.90 - 2.77 (m, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.59 - 2.46 (m, 4H), 2.22 (qd, J = 12.7, 4.6 Hz, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0121】
中間体33cの合成:中間体33b(1.30 g、2.69 mmol)を乾燥した単一口のフラスコ(50 mL)に入れて、無水ジオキサン(5 mL)を添加し、氷水浴による冷却で、HCl/ジオキサン溶液(4.0 M)を滴下し、滴下終了後に氷水浴を除去し、室温で続いて3時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、淡褐色のオイル粗製品を得ており、該粗製品にメチルtert-ブチルエーテル(50 mL)を添加し、分散させ、攪拌し、ろ過し、乾燥させ、白色の固体製品(中間体33c)1.13 gを得ており、収率は100%である。該白色の固体は更なる精製の必要がなく、直接に次の実験に使用される。
【0122】
化合物EX33の合成:中間体33cと2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(58 mg、収率23.14%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:525.35 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.16 - 7.06 (m, 2H), 7.06 - 6.97 (m, 2H), 4.39 - 4.25 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.72 - 3.65 (m, 4H), 3.63 (s, 2H), 3.04 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.60 - 2.47 (m, 4H), 2.46 - 2.19 (m, 4H), 1.79 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0123】
実施例34:5-クロロ-6-フルオロ-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX34)の合成
【化47】
化合物EX34の合成:中間体33cと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(156 mg、収率64.4%)を得た。
【0124】
実施例34A:5-クロロ-6-フルオロ-1-(1-(トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX34A)の合成
【化48】
化合物EX34Aの合成:中間体33cと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX34を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、トランス製品の白色の固体製品(16 mg、収率6.61%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:507.38 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.36 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 3.05 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.44 - 2.20 (m, 5H), 1.91 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 1.84 - 1.74 (m, 4H), 1.48 - 1.35 (m, 1H), 1.26 (q, J = 12.3 Hz, 2H), 1.08 - 0.95 (m, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.85 (s, 3H).
【0125】
実施例34B:5-クロロ-6-フルオロ-1-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX34B)の合成
【化49】
化合物EX34Bの合成:中間体33cと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX34を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、シス製品の白色の固体製品(48 mg、収率19.84%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:507.38 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.11 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.34 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.36 - 2.13 (m, 5H), 1.83 - 1.75 (m, 2H), 1.73 - 1.59 (m, 5H), 1.57 - 1.45 (m, 2H), 1.44 - 1.32 (m, 2H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 0.90 (s, 3H), 0.89 (s, 3H).
【0126】
実施例35:5-クロロ-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX35)の合成
【化50】
【0127】
中間体35aの合成:4-クロロ-2,5-ジフルオロニトロベンゼンを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、製品(1.12 g、収率85.8%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.09 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.48 - 4.17 (m, 3H), 3.95 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.88 - 2.76 (m, 2H), 2.65 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.25 (q, J = 12.3, 11.0 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0128】
中間体35bの合成:原料35aを用いて、実施例33の中間体33cの合成を参照して、白色の固体製品(1.13 g、収率100%)を得た。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.47 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.59 - 4.48 (m, 1H), 4.30 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.90 (br s, 4H), 3.66 - 3.50 (m, 5H), 3.45 (br s, 3H), 3.20 (td, J = 13.2, 3.0 Hz, 2H), 2.69 (qd, J = 13.5, 4.3 Hz, 2H), 2.16 - 2.03 (m, 2H).
【0129】
化合物EX35の合成:中間体35bと2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品産物(110 mg、収率43.89%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:525.36 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 7.15 - 7.08 (m, 1H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.39 - 4.24 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.72 - 3.58 (m, 6H), 3.05 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.60 - 2.47 (m, 4H), 2.40 (qd, J = 12.3, 3.4 Hz, 2H), 2.28 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0130】
実施例36:5-クロロ-6-フルオロ-3(1-((4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX36)の合成
【化51】
化合物EX36の合成:中間体35bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(126 mg、収率52.1%)を得た。
【0131】
実施例36A:5-クロロ-6-フルオロ-3(1-((トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX36A)の合成
【化52】
化合物EX36Aの合成:中間体35bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX36を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、トランス製品の白色の固体製品(16 mg、収率6.61%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:507.54 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.31 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.06 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.45 - 2.22 (m, 5H), 1.92 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.86 - 1.73 (m, 4H), 1.49 - 1.35 (m, 1H), 1.27 (q, J = 12.4, 11.7 Hz, 2H), 1.09 - 0.94 (m, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).
【0132】
実施例36B:5-クロロ-6-フルオロ-3(1-((シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX36B)の合成
【化53】
化合物EX36Bの合成:中間体35bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX36を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、シス製品の白色の固体製品(46 mg、収率19.02%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:507.52 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.27 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.34 - 4.21 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.38 - 2.16 (m, 5H), 1.84 - 1.76 (m, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.68 - 1.57 (m, 3H), 1.57 - 1.48 (m, 2H), 1.44 - 1.32 (m, 2H), 1.19 - 1.09 (m, 1H), 0.91 (s, 3H), 0.89 (s, 3H).
【0133】
実施例37:1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-5,6-ジフルオロ-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX37)の合成
【化54】
【0134】
中間体37aの合成:2-クロロ-4,5-ジフルオロニトロベンゼンを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、製品(1.30 g、収率98.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.95 (dd, J = 10.2, 6.7 Hz, 1H), 6.89 (dd, J = 9.7, 6.9 Hz, 1H), 4.46 - 4.21 (m, 3H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.93 - 2.75 (m, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.22 (qd, J = 12.6, 4.6 Hz, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0135】
中間体37bの合成:中間体37aを原料として用いて、実施例1の中間体1gの合成方法を参照して合成し、白色の製品(1.00g、収率100%)を得た。1H NMR (400 MHz, Deuterium Oxide) δ 7.22 (dd, J = 10.6, 6.8 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 10.1, 6.8 Hz, 1H), 4.47 - 4.32 (m, 1H), 4.22 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 4.14 - 3.63 (m, 5H), 3.57 - 3.40 (m, 5H), 3.39 - 3.16 (m, 2H), 3.10 (td, J = 13.3, 3.0 Hz, 2H), 2.48 (qd, J = 13.5, 4.3 Hz, 2H), 2.03 (d, J = 13.7 Hz, 2H).
【0136】
化合物EX37の合成:中間体37bと2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(106 mg、収率48.26%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:509.38 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 - 7.05 (m, 2H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 6.93 - 6.83 (m, 1H), 4.40 - 4.24 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.72 - 3.64 (m, 4H), 3.63 (s, 2H), 3.04 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.59 - 2.46 (m, 4H), 2.46 - 2.15 (m, 4H), 1.79 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0137】
実施例38:5,6-ジフルオロ-3(1-((4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX38)の合成
【化55】
化合物EX38の合成:中間体37bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(132 mg、収率54.5%)を得た。
【0138】
実施例38A:5,6-ジフルオロ-3(1-((トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX38A)の合成
【化56】
化合物EX38Aの合成:中間体37bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX38を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、トランス製品の白色の固体製品(15 mg、収率6.16%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:491.52 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 (dd, J = 10.5, 6.8 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 9.9, 6.8 Hz, 1H), 4.35 - 4.24 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.05 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.45 - 2.16 (m, 6H), 1.91 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.86 - 1.72 (m, 4H), 1.45 - 1.38 (m, 1H), 1.33 - 1.19 (m, 2H), 1.09 - 1.00 (m, 2H), 0.87 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).
【0139】
実施例38B:5,6-ジフルオロ-3(1-((シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX38B)の合成
【化57】
化合物EX38Bの合成:中間体37bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX38を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、シス製品の白色の固体製品(45 mg、収率18.47%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:491.52 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.14 (dd, J = 10.4, 6.8 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 9.9, 6.8 Hz, 1H), 4.33 - 4.23 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.37 - 2.12 (m, 5H), 1.84 - 1.75 (m, 3H), 1.75 - 1.57 (m, 5H), 1.57 - 1.47 (m, 2H), 1.44 - 1.33 (m, 2H), 1.19 - 1.07 (m, 1H), 0.90 (s, 3H), 0.89 (s, 3H).
【0140】
実施例39:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)エチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX39)の合成
【化58】
中間体39cの合成:4-(2-ヒドロキシエチル)チオモルホリン-1,1-二酸化物(2.00 g、11.16 mmol)と無水ジクロロメタン(120 mL)を取って、乾燥した単一口のフラスコ(200 mL)に入れて、反応フラスコにトリエチルアミン(1.69 g、2.33 mL、16.74 mmol)を添加し、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、反応系にメタンスルホニルクロリド(1.53 g、1.04 mL、13.39 mmol)を滴下し、滴下終了後、室温で続いて2時間攪拌して反応させ、TLCにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。飽和NaHCO
3水溶液を添加して反応をクエンチし、液体を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄した後、無水MgSO
4で乾燥し、ろ過し、回転乾燥させ、淡褐色のオイル状粗製品39b(2.15 g、収率74.88%)を得た。粗製品を更に精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
tert-ブチル 4-(5,6-ジクロロ-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1Hベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(1e)(500 mg、1.29 mmol)と無水DMF(8 mL)を取って、乾燥した二口のフラスコ(25 mL)に入れて、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、反応フラスコにNaH(207 mg、5.18 mmol、60% in mineral oil)を添加し、氷水浴で続いて30分間攪拌して反応させ、反応混合物に2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)エチルメタンスルホン酸エステル(39b)(833 mg、3.24 mmol)の無水DMF(5 mL)溶液を滴下し、0℃で保持して1時間攪拌して反応させ、徐々に45℃に温度を上昇させて12時間反応させ、TLCにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合液を徐々に氷水に加入し、白色の固体は析出し、固体物をろ過した後、水で洗浄し、乾燥させ、粗製品を石油エーテルに分散させ、パルピングし、ろ過し、乾燥させ、白色の固体製品(632 mg、収率89.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 4.45 - 4.24 (m, 3H), 3.95 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.11 - 3.03 (m, 4H), 3.03 - 2.96 (m, 4H), 2.88 - 2.74 (m, 4H), 2.24 (qd, J = 12.6, 4.6 Hz, 2H), 1.85 - 1.73 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0141】
中間体39dの合成については、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(205 mg、収率99.9%)を得た。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0142】
化合物EX39の合成:中間体39d(200 mg、356 μmol)と無水ジクロロメタン(3.5 mL)を取って、乾燥した丸底フラスコ(50 mL)に入れて、反応溶液にトリエチルアミン(216 mg、2.14 mmol)を添加し、5分間攪拌し、氷水浴で0℃に冷却し、アルゴンガスで保護し、反応混合液に2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミド(87.6 mg、392 μmol)のジクロロメタン(1.5 mL)溶液を滴下した。滴下終了後、温度を徐々に室温に上昇させて、続いて12時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより反応の完成を検出し、反応混合物液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(25 mL×3)、飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ろ過液はロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸発させ、淡褐色の粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して分離し(移動相はDCM/MeOHであり、割合は150:1~100:1である)、白色の固体製品(165 mg、収率78.51%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:589.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.51 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.13 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 7.07 - 6.95 (m, 2H), 4.35 - 4.19 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.64 (s, 2H), 3.18 - 3.02 (m, 6H), 3.02 - 2.91 (m, 4H), 2.82 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.48 - 2.33 (m, 2H), 2.33 - 2.19 (m, 2H), 1.86 - 1.62 (m, 3H).
【0143】
実施例40:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX40)の合成
【化59】
【0144】
中間体40aの合成:tert-ブチル 4-(5,6-ジクロロ-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(3.00 g、7.77 mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)(2.78 g、15.53 mmol)、無水テトラヒドロフラン(80 mL)を取って、清潔で乾燥した二口のフラスコ(200 mL)に入れて、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、反応混合物にバッチごとにNaH(932 mg、23.30 mmol、60% in mineral oil)を添加し、続いて0.5時間攪拌した後、反応系に徐々に1-クロロ-2ブロモエタン(4.46 g、31.07 mmol、2.68 mL)を添加し、滴下終了後、氷水浴を除去し、室温で続いて1時間攪拌し、徐々に80℃に温度を上昇させて、8時間還流反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、反応系を室温に冷却し、攪拌条件で反応系に氷水を滴下して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し(150 mL×3)、有機相をそれぞれ飽和NH4Cl水溶液と飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na4SO2で乾燥させた後にろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸発させ、淡褐色の固体粗製品を得ており、該粗製品を石油エーテル/酢酸エチル(1%酢酸エチル)の混合溶媒に分散させ、30分間攪拌した後にろ過し、白色の固体産物(2.91 g、収率83.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 4.47 - 4.22 (m, 3H), 4.16 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.96 - 2.73 (m, 2H), 2.24 (qd, J = 12.7, 4.6 Hz, 2H), 1.88 - 1.72 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0145】
中間体40bの合成:tert-ブチル 4-(5,6-ジクロロ-3-(2-クロロエチル)-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(40a)(325 mg、724 μmol)、Cs2CO3(708 mg、2.17 mmol)を取って、清潔で乾燥したSchlenk管(25 mL)に入れて、無水ジオキサン(7.2 mL)を添加し、室温での攪拌で、N-メチルピペラジン(290 mg、321 μL、2.90 mmol)を添加し、アルゴンガスで置換し保護し、加熱して105℃に温度を上昇させ、12時間還流反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、室温に冷却し、反応フラスコに適量の水を添加し、酢酸エチルで抽出し(15 mL×3)、有機相をそれぞれ飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na4SO2で乾燥させた後にろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸発させ、淡褐色のオイル状粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離し(移動相はDCM/MeOHであり、MeOH 0.5%~2%)、淡黄色のワックス状産物(301 mg、収率81.10%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 4.48 - 4.19 (m, 3H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.93 - 2.76 (m, 2H), 2.73 - 2.50 (m, 6H), 2.50 - 2.30 (m, 4H), 2.28 (s, 4H), 2.28 - 2.16 (m, 3H), 1.85 - 1.75 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0146】
中間体40cの合成:40bを原料として用いて、実施例1の中間体1gの方法を参照して合成し、白色の固体製品(273mg、収率100%)を得た。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0147】
化合物EX40の合成:40cと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(198 mg、収率69.05%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:554.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 7.01 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 4.37 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.05 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.72 - 2.54 (m, 6H), 2.55 - 2.32 (m, 6H), 2.33 - 2.20 (m, 5H), 1.78 (d, J = 10.8 Hz, 2H).
【0148】
実施例41:1-(2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)エチル)-5,6-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX41)の合成
【化60】
【0149】
中間体41aの合成:1-アセチルピペラジンと40aを原料として用いて、実施例40の中間体40bの合成方法を参照して合成する。淡黄色のワックス状産物(266 mg、収率73.62%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 4.48 - 4.19 (m, 3H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.93 - 2.76 (m, 2H), 2.73 - 2.50 (m, 6H), 2.50 - 2.30 (m, 4H), 2.28 (s, 4H), 2.28 - 2.16 (m, 3H), 1.85 - 1.75 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0150】
化合物EX41の合成:41aを原料として用いて、実施例40の中間体40cの合成方法を参照して、中間体41b(235 mg、収率99.6%)を得た。中間体41bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(116 mg、収率46.75%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:584.20 (M+3H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.15 - 7.07 (m, 2H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 4.35 - 4.23 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.64 (s, 2H), 3.57 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.42 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.05 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.67 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 2.48 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 2.39 (qd, J = 12.4, 3.4 Hz, 2H), 2.27 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.78 (d, J = 11.2 Hz, 2H).
【0151】
実施例42:5,6-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(3-オキソピペラジン-1-イル)エチル)-1.3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX42)の合成
【化61】
【0152】
中間体42aの合成:2-ピペラジノンと40aを原料として用いて、実施例40の中間体40bの合成方法を参照して合成する。無色のワックス状産物(167 mg、収率48.8%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 6.43 (s, 1H), 4.47 - 4.19 (m, 3H), 3.97 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.38 - 3.29 (m, 2H), 3.19 (s, 2H), 2.95 - 2.80 (m, 2H), 2.79 - 2.68 (m, 4H), 2.24 (qd, J = 12.6, 4.5 Hz, 2H), 1.87 - 1.73 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0153】
化合物EX42の合成:42aを原料として用いて、実施例40の中間体40cの合成方法を参照して、中間体42b(150 mg、収率100%)を得た。中間体42bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(88 mg、収率56.02%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:554.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.51 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.01 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.42 (s, 1H), 4.34 - 4.22 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.38 - 3.27 (m, 2H), 3.19 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.81 - 2.66 (m, 4H), 2.38 (qd, J = 12.1, 3.5 Hz, 2H), 2.27 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.4 Hz, 2H).
【0154】
実施例43:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX43)の合成
【化62】
【0155】
中間体43aの合成:ピロールと40aを原料として用いて、実施例40の中間体40bの合成方法を参照して合成する。無色のオイル状産物(485 mg、収率90.1%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 4.41 (tt, J = 12.5, 4.2 Hz, 1H), 4.31 (s, 2H), 3.97 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.86 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 2.78 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.65 - 2.55 (m, 4H), 2.23 (qd, J = 12.7, 4.6 Hz, 2H), 1.82 - 1.76 (m, 6H), 1.51 (s, 9H).
【0156】
化合物EX43の合成:43aを原料として用いて、実施例40の中間体40cの合成方法を参照して、中間体43b(333 mg、収率90.5%)を得た。中間体43bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(182 mg、収率51.40%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:525.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.16 - 7.07 (m, 2H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 4.39 - 4.23 (m, 1H), 3.97 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.04 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.69 - 2.51 (m, 4H), 2.38 (qd, J = 12.3, 3.3 Hz, 2H), 2.26 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 1.86 - 1.72 (m, 6H).
【0157】
実施例44:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX44)の合成
【化63】
【0158】
中間体44aの合成:ピペリジンと40aを原料として用いて、実施例40の中間体40bの合成方法を参照して合成する。無色のオイル状産物(461 mg、収率83.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.40 (tt, J = 12.5, 4.1 Hz, 1H), 4.31 (s, 2H), 3.93 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 13.4 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.53 - 2.37 (m, 4H), 2.23 (qd, J = 12.7, 4.6 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.8 Hz, 2H), 1.60 - 1.53 (m, 4H), 1.51 (s, 9H), 1.47 - 1.39 (m, 2H).
【0159】
化合物EX44の合成:44aを原料として用いて、実施例40の中間体40cの合成方法を参照して、中間体44b(303 mg、収率96.2%)を得た。中間体44bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(110 mg、収率27.1%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:539.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 1H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 4.37 - 4.25 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.60 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.54 - 2.43 (m, 4H), 2.43 - 2.31 (m, 2H), 2.27 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.64 - 1.51 (m, 4H), 1.50 - 1.38 (m, 2H).
【0160】
実施例45:5,6-ジクロロ-1-(1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX45)の合成
【化64】
中間体1eとブロモメチルシクロプロパンを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(88 mg、収率50.0%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:453.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.42 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.42 - 4.27 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.60 (m, 4H), 3.34 - 3.18 (m, 2H), 2.65 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.59 - 2.46 (m, 4H), 2.47 - 2.26 (m, 4H), 2.24 - 2.10 (m, 2H), 1.87 - 1.75 (m, 2H), 0.99 - 0.84 (m, 1H), 0.62 - 0.49 (m, 2H), 0.21 - 0.06 (m, 2H).
【0161】
実施例46:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX46)の合成
【化65】
【0162】
中間体46aの合成:N,N-ジメチルブロモエチル臭化水素酸塩と中間体1eを原料として用いて、中間体1fの合成方法を参照して合成し、ピンク色の固体製品(1.1g、収率93.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 4.44-4.31 (m, 3H), 3.93-3.90 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.87-2.81 (t, J = 12.4 Hz, 2H), 2.62-2.58 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.31 (s, 6H), 2.28-2.17 (m, 2H), 1.81-1.78 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0163】
化合物EX46の合成:46aを原料として用いて、実施例40の中間体40cの合成方法を参照して、中間体46b(1.1 g、収率98.9%)を得た。中間体46bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して、白色の固体製品(300 mg、収率56.6%)を合成した。LC-MS(ESI) m/z:499.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.15 - 7.08 (m, 2H), 7.04 - 6.97 (m, 1H), 4.38 - 4.25 (m, 1H), 3.96 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.64 (s, 2H), 3.05 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.46 - 2.32 (m, 8H), 2.28 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0164】
実施例47:6,7-ジクロロ-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(化合物EX47)の合成
【化66】
【0165】
中間体47aの合成:4,5-ジクロロ-2-ニトロトルエン(5 g、23.06 mmol)を取って、清潔で乾燥した単一口のフラスコ500 mL)に入れて、反応フラスコに溶媒の四塩化炭素(230 mL)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(4.51 g、25.36 mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(379 mg、2.31 mmol)を添加し、80℃に加熱し、18時間還流反応させ、TLCにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。室温に冷却し、反応系に飽和NaHCO3水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(100 mL×3)、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルである)、淡黄色の固体産物3.02 gを得ており、収率は45.97%である。直接に次の工程の反応に使用する。
【0166】
中間体47bの合成:N-BOC-4-アミノピペリジン(2.32 g、11.58 mmol)、無水ジクロロメタン(60 mL)を取って、清潔で乾燥した丸底フラスコ(250 mL)に入れて、トリエチルアミン(1.60 g、2.20 mL、15.79 mmol)を添加し、室温での攪拌で、反応系に1-(ブロモメチル)-4,5-ジクロロ-2-ニトロベンゼン(47a)(3.00 g、10.53 mmol)のジクロロメタン(40 mL)溶液を滴下し、滴下終了後、室温で続いて12時間攪拌して反応させ、TLCにより原料の反応の完成を検出した。反応終了後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント20:1~8:1)、淡黄色のオイル産物2.77 gを得ており、収率は65.07%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.08 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 4.07 (s, 2H), 4.01 (s, 2H), 2.90 - 2.74 (m, 2H), 2.70 - 2.57 (m, 1H), 1.93 - 1.78 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.34 - 1.25 (m, 2H).
【0167】
中間体47cの合成:tert-ブチル 4-((4,5-ジクロロ-2-ニトロベンゼンメチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(47b)(2.50 g、6.18 mmol)、無水エタノール(60 mL)を取って、単一口のフラスコ(250 mL)に入れて、室温での攪拌で、反応系に徐々に鉄粉(2.07 g、37.10 mmol)と飽和NH4Cl水溶液(10 mL)を添加し、加熱して80℃に温度を上昇させ、続いて2時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応が完全となったことを検出した。反応終了後、反応混合液を室温に冷却し、珪藻土でろ過し、無水エタノールでフィルターケーキを洗浄し、ろ過液を収集し、ロータリーエバポレーターにより溶液を減圧蒸発させて白色の固体物を得ており、該固体物を酢酸エチル(100 mL)に溶解させ、少量の水(25 mL)を添加し、大量の白色の固体物は析出し、ろ過し、乾燥させた後に白色の固体産物2.00 gを得ており、収率は86.41%である。直接に次の工程の反応に使用する。
【0168】
中間体47dの合成:中間体47cを原料として用いて、実施例1の中間体1eの合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(590 mg、収率64.52%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.78 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.59 - 4.45 (m, 1H), 4.26 (s, 4H), 2.84 (s, 2H), 1.76 - 1.62 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
【0169】
中間体47eの合成:中間体47dを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、粗製品を得ており、アルカリ性酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント5:1~0:1)、白色の固体産物(627 mg、収率85.76%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.13 (s, 2H), 4.51 - 4.38 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.16 (s, 2H), 3.96 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.80 - 3.63 (m, 4H), 2.90 - 2.71 (m, 2H), 2.69 - 2.42 (m, 6H), 1.73 - 1.60 (m, 4H), 1.47 (s, 9H).
【0170】
化合物EX47の合成:47eを原料として用いて、実施例1の中間体1gの合成方法を参照して合成し、中間体47fの白色の固体製品(616 mg、収率99.99%)を得た。直接に次の工程の反応に使用する。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.42 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 4.54 - 4.42 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.30 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 4.23 - 3.63 (m, 6H), 3.61 - 3.43 (m, 5H), 3.30 - 3.05 (m, 4H), 2.17 (qd, J = 13.2, 4.1 Hz, 2H), 2.05 - 1.91 (m, 2H).
【0171】
中間体47fと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して、白色の固体製品(123 mg、収率46.67%)を合成した。LC-MS(ESI) m/z:555.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.45 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.17 - 7.05 (m, 3H), 6.97 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 4.40 - 4.27 (m, 1H), 4.20 (s, 2H), 3.95 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.77 - 3.67 (m, 4H), 3.58 (s, 2H), 2.98 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.61 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.59 - 2.50 (m, 4H), 2.24 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.91 - 1.75 (m, 2H), 1.71 - 1.62 (m, 2H), 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 1H).
【0172】
実施例48:5,6-ジクロロ-1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX48)の合成
【化67】
化合物EX48の合成:中間体46bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(1.53 g、収率62.5%)を得た。
【0173】
実施例48A:5,6-ジクロロ-1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-(1-(トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX48A)の合成
【化68】
化合物EX48Aの合成:中間体46bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX48を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、白色の固体製品(169 mg、収率6.91%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:481.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.41 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 4.36 - 4.26 (m, 1H), 3.92 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.06 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.60 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.44 - 2.35 (m, 2H), 2.35 - 2.23 (m, 9H), 1.92 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 1.84 - 1.76 (m, 4H), 1.74 - 1.69 (m, 2H), 1.47 - 1.37 (m, 1H), 1.26 (q, J = 11.9 Hz, 2H), 1.08 - 1.02 (m, 1H), 0.87 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).
【0174】
実施例48B:5,6-ジクロロ-1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX48B)の合成
【化69】
化合物EX48Bの合成:中間体46bと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX48を合成し、高速液体クロマトグラフにより調製して分離し(Waters高速液体クロマトグラフ、カラム:YMC-Triart-C18 EXRS 20 mm×100 mm×5 μm、移動相:A = 水+ 0.1体積%アンモニア水(25%)、B =アセトニトリル、グラジエント70%~90%B、10分間)、白色の固体製品(411 mg、収率16.80%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:481.30 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.35 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 4.35 - 4.22 (m, 1H), 3.92 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.20 - 3.09 (m, 2H), 2.60 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.36 - 2.26 (m, 8H), 2.26 - 2.16 (m, 2H), 1.85 - 1.67 (m, 5H), 1.67 - 1.57 (m, 3H), 1.57 - 1.48 (m, 2H), 1.43 - 1.33 (m, 2H), 1.18 - 1.10 (m, 1H), 0.91 (s, 3H), 0.89 (s, 3H).
【0175】
実施例49:1-(2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチル)-5,6-ジクロロ-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェニルメチル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX49)の合成
【化70】
【0176】
中間体49aの合成:tert-ブチル 4-(5,6-ジクロロ-3-(2-クロロエチル)-2-カルボニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(40a)(250 mg、557 μmol)、Cs2CO3(544 mg、1.67 mmol)を取って、清潔で乾燥したSchlenk管(25 mL)に入れて、無水ジオキサン(5.5 mL)を添加し、室温での攪拌で、2-オキサ-6-アザ-スピロ[3,3]ヘプタン(138 mg、1.39 mmol)を添加し、アルゴンガスで置換し保護し、加熱して105℃に温度を上昇させ、12時間還流反応させ、TLCプレートにより原料の反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、室温に冷却し、反応フラスコに適量の水を添加し、酢酸エチルで抽出し(15 mL×3)、有機相をそれぞれ飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた後にろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸発させ、淡褐色のオイル状粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離し(移動相はDCM/MeOHであり、MeOH 0.2%~1%)、白色の固体産物186 mgを得ており、収率は65.28%である。LC-MS(ESI) m/z:454.10(M-56+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 4.71 (s, 4H), 4.47 - 4.20 (m, 3H), 3.78 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.38 (s, 4H), 2.83 (t, J = 13.5 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.23 (qd, J = 12.7, 4.4 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0177】
中間体49bの合成:49a(150 mg、293 μmol)を原料として用いて、中間体1gの合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(154 mg、収率99.95%)を得た。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0178】
化合物EX49の合成:49bと2-クロロ-4フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離し(移動相はDCM/MeOHであり、MeOH 0.2%~1%)、白色の固体産物(86 mg、収率54.38%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:554.12(M+H)+; 1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.66 (s, 1H), 7.59 (dd, J = 8.6, 6.3 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.26 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 7.13 (td, J = 8.4, 2.5 Hz, 1H), 4.33 (tt, J = 12.5, 4.4 Hz, 1H), 3.92 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.63 (s, 4H), 3.22 (s, 4H), 3.12 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.48 (qd, J = 12.5, 3.6 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 11.8 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.4 Hz, 2H).
【0179】
実施例50:5,6-ジクロロ-1-(1-((5-クロロチオフェン-2-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX50)の合成
【化71】
実施例1の中間体1gと5-クロロチオフェン-2-ホルムアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、淡黄色の固体製品(289 mg、収率93.3%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:530.30(M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.31 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.75 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.95 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.61 (m, 6H), 3.10 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.59 - 2.46 (m, 4H), 2.37 (qd, J = 12.5, 3.8 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0180】
実施例51:6,7-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(化合物EX51)の合成
【化72】
【0181】
中間体51aの合成:1-(ブロモメチル)-4,5-ジクロロ-2-ニトロベンゼン(47a)(5.33 g、18.71 mmol)、フタルイミドカリウム塩(3.30 g、17.82 mmol)を取って、清潔で乾燥した単一口のフラスコ(100 mL)に入れて、乾燥したDMF(30 mL)を添加し、125℃に加熱し、12時間攪拌して反応させ、TLCにより原料の反応が完全となったことを検出した。反応終了後、反応混合液を室温に冷却し、攪拌条件で、反応混合液を氷水混合物(120 mL)に徐々に入れ、大量の黄色の固体物は析出し、均一に攪拌した後、ろ過し、少量の水でフィルターケーキを洗浄し、乾燥させ、黄色の固体産物(5.93 g、収率94.8%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.25 (s, 1H), 7.97 - 7.89 (m, 2H), 7.84 - 7.77 (m, 2H), 7.32 (s, 1H), 5.25 (s, 2H)。
【0182】
中間体51bの合成:2-(4,5-ジクロロ-2-ニトロベンゼンメチル)イソジヒドロインドール-1,3-ジケトン(51a)(2.5 g、7.12 mmol)、無水エタノール(71 mL)を取って、単一口のフラスコ(250 mL)に入れて、室温での攪拌で、反応系に徐々に鉄粉(2.78 g、49.84 mmol)と飽和NH4Cl水溶液(10 mL)を添加し、加熱して55℃に温度を上昇させ、続いて1時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応が完全となったことを検出した。反応終了後、反応混合液を室温に冷却し、珪藻土でろ過し、無水エタノールでフィルターケーキを洗浄し、ろ過液を収集し、ロータリーエバポレーターにより溶液を減圧蒸発させて黄色の固体物を得ており、該固体物を酢酸エチル(100 mL)に溶解させ、少量の水(25 mL)を添加し、不溶物を濾別し、液体を分離し、有機相を収集し、無水Na2SO4を添加して乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント10:1~3:1)、淡黄色の固体産物(1.86 g、収率81.4%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.88 - 7.81 (m, 2H), 7.77 - 7.70 (m, 2H), 7.51 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.56 (s, 2H)。
【0183】
中間体51cの合成:2-(2-アミノ-4,5-ジクロロベンゼンメチル)イソジヒドロインドール-1,3-ジケトン(51b)(1.86 g、5.79 mmol)、4-tert-ブチルピペリドン(1.38 g、6.95 mmol)、無水1,2-ジクロロエタン(60 mL)を取って、清潔で乾燥した丸底フラスコ(100 mL)に入れて、室温での攪拌で、反応系に酢酸(348 mg、5.79 mmol、331 μL)とNaBH(OAc)3(3.07 g、14.48 mmol)を添加し、アルゴンガスで置換し保護し、室温で48時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより原料の反応が完全となったことを検出した。反応終了後、反応系に飽和NaHCO3水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(50 mL×3)、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント15:1~4:1)、淡黄色の固体産物(925 mg、収率31.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.89 - 7.80 (m, 2H), 7.78 - 7.69 (m, 2H), 7.54 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 5.38 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.14 - 3.97 (m, 2H), 3.43 - 3.29 (m, 1H), 3.09 - 2.90 (m, 2H), 2.07 - 1.94 (m, 2H), 1.57 - 1.40 (m, 12H)。
【0184】
中間体51eの合成:tert-ブチル 4-((4,5-ジクロロ-2-((1,3-ジカルボニルイソジヒドロインドール-2-イル)メチル)フェニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(51c)(800 mg、1.59 mmol)、溶媒のエタノール(16 mL)を取って、清潔で乾燥した単一口のフラスコ(50 mL)に入れて、攪拌で反応系にヒドラジン水和物(467 mg、7.93 mmol、453 μL、85%)を添加し、加熱して80℃に温度を上昇させ、2時間還流反応させ、大量の固体は析出し、TLCにより反応が完全となったことを検出した。反応終了後、反応系を室温に冷却し、ろ過し、ろ過液を収集し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、淡黄色のオイル状粗製品のtert-ブチル 4-((2-(アミノメチル)-4,5-ジクロロフェニル基)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(51d)(590 mg、収率99.38%)を得た。該粗製品(590 mg、1.58 mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(15 mL)に溶解させ、アルゴンガスで置換し保護し、反応系にN,N’-カルボニルジイミダゾール(358 mg、2.21 mmol)のジクロロメタン(6 mL)溶液を滴下し、室温で18時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、反応系に飽和NaHCO3溶液を滴下して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出し(25 mL×3)、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、アルカリ性酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント5:1~1:1)、白色の固体産物(528 mg、収率83.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.14 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 5.62 (s, 1H), 4.41 - 4.17 (m, 4H), 4.09 - 3.95 (m, 1H), 2.91 - 2.68 (m, 2H), 2.64 - 2.45 (m, 2H), 1.83 - 1.70 (m, 2H), 1.49 (s,
9H)。
【0185】
中間体51fの合成:tert-ブチル 4-(6,7-ジクロロ-2-カルボニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-1(2H)-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(51e)(220 mg、549 μmol)、溶媒の乾燥したテトラヒドロフラン(5.5 mL)を取って、清潔で乾燥した三口のフラスコ(50 mL)に入れて、アルゴンガスで置換し保護し、氷水浴で0℃に冷却し、反応系にNaH(40 mg、1.65 mmol、60% in mineral oil)を添加し、30分間攪拌して反応させ、反応系に4-(2-ブロモエチル)モルホリン臭化水素酸塩(212 mg、769 μmol)を添加し、続いて30分間攪拌した後に氷水浴を除去し、徐々に加熱して35℃に温度を上昇させ、続いて18時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、氷水浴での冷却で、反応系に氷水を滴下して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出し(25 mL×3)、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、アルカリ性酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント5:1~1:1)、白色の固体産物(192 mg、収率68.0%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.14 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 4.41 - 4.15 (m, 4H), 4.04 - 3.92 (m, 1H), 3.73 - 3.62 (m, 4H), 3.50 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.90 - 2.69 (m, 2H), 2.61 - 2.43 (m, 8H), 1.83 - 1.72 (m, 2H), 1.48 (s, 9H)。
【0186】
中間体51gの合成:tert-ブチル 4-(6,7-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-2-カルボニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-1(2H)-イル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル(51f)(185 mg、360 μmol)、溶媒のジクロロメタン(5 mL)を取って、清潔で乾燥した丸底フラスコ(25 mL)に入れて、室温での攪拌で、トリフロオロ酢酸(1 mL)を滴下し、2時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより反応がほぼ完全となったことを検出し、反応混合液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、残留物にエーテル(10 mL)を添加し、分散させ、押し潰し、ろ過し、白色の固体製品(190 mg、収率99.99%)を得た。直接に次の工程の反応に使用する。
【0187】
化合物EX51の合成:6,7-ジクロロ-3-(2-モルホリノエチル)-1-(ピペリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オントリフロオロ酢酸塩(51g)(190 mg、360 μmol)、乾燥したジクロロメタン(3.5 mL)を取って、清潔で乾燥したSchlenk反応フラスコ(10 mL)に入れて、トリエチルアミン(146 mg、1.44 mmol、200 μL)を添加し、室温で5分間攪拌し、反応系に2-クロロ-4フルオロベンジルブロミド(97 mg、433 μmol)を添加し、室温で12時間攪拌して反応させ、TLCプレートにより反応がほぼ完全となったことを検出した。反応終了後、反応混合液はロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧蒸発させ、粗製品を得ており、アルカリ性酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し(移動相は石油エーテルと酢酸エチルであり、比例グラジエント5:1~1:1)、白色の固体産物(158 mg、収率78.9%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:556.20(M+H)+; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.56 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.17 - 7.05 (m, 3H), 6.98 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 4.25 (s, 2H), 3.94 - 3.81 (m, 1H), 3.74 - 3.64 (m, 4H), 3.61 (s, 2H), 3.52 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.01 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.70 (q, J = 11.6, 10.9 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.53 - 2.44 (m, 4H), 2.24 (t, J = 11.8 Hz, 2H), 1.75 (d, J = 12.2 Hz, 2H)。
【0188】
実施例52:6,7-ジクロロ-1-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(化合物EX52)の合成
【化73】
化合物EX52の合成:中間体51eを原料として用いて、ジクロロメタンを溶媒として、トリフロオロ酢酸の作用で、白色の固体52a 218 mgを得ており、収率は100%である。更に精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
52aと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(74 mg、収率72.2%)を合成した。LC-MS(ESI) m/z:425.30(M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.57 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.23 - 7.15 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.23 (s, 2H), 4.05 - 3.87 (m, 1H), 3.68 (s, 2H), 3.05 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 2.71 (q, J = 10.7 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 11.1 Hz, 2H), 1.75 (d, J = 11.2 Hz, 2H)。
【0189】
実施例53:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX53)の合成
【化74】
【0190】
中間体53bの合成:1-(2-ヒドロキシルピロール)-2-オンを原料として用いて、39bの合成方法を参照して53aを合成し、淡黄色のオイル状粗製品1.8 gを得ており、収率は82.4%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
53aと1eを原料として用いて、39cの合成方法を参照して53bを合成し、白色の固体製品231 mgを得ており、収率は35.88%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.16 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.40 - 4.27 (m, 3H), 4.00 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.58 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.36 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 12.7 Hz, 2H), 2.32 - 2.18 (m, 4H), 1.99 - 1.89 (m, 2H), 1.83 - 1.74 (m, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0191】
中間体53cの合成:53bを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、白色の固体製品215mgを得ており、収率は90.5%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0192】
化合物EX53の合成:53cと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(68 mg、収率78.4%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:522.30 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.55 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.28 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 7.21 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.34 - 4.22 (m, 1H), 4.00 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.69 (s, 2H), 3.58 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.35 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.08 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.40 (qd, J = 12.0, 3.6 Hz, 2H), 2.33 - 2.20 (m, 4H), 1.99 - 1.87 (m, 2H), 1.77 (d, J = 10.0 Hz, 2H).
【0193】
実施例54:2-(5,6-ジクロロ-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド(化合物EX54)の合成
【化75】
【0194】
中間体54aの合成:中間体1eと2-クロロ-N,N-ジメチルアセトアミドを原料として用いて、実施例1の中間体1fの合成方法を参照して合成し、無色のオイル状製品(610 mg、収率99.9%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.17 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.44 - 4.34 (m, 1H), 4.31 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 3.14 (s, 3H), 2.99 (s, 3H), 2.84 (t, J = 12.2 Hz, 2H), 2.25 (qd, J = 12.7, 4.6 Hz, 2H), 1.82 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H)。
【0195】
中間体54bの合成:中間体54aを原料として用いて、実施例1の中間体1gの合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(628 mg、収率100%)を得た。直接に次の工程の実験に使用する。
【0196】
化合物EX54の合成:54bと2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(299 mg、収率94.1%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:514.20 (M+H)+; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.12 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.01 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.38 - 4.24 (m, 1H), 3.63 (s, 2H), 3.14 (s, 3H), 3.04 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 2.99 (s, 3H), 2.39 (q, J = 12.6, 11.8 Hz, 2H), 2.27 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.81 (d, J = 11.5 Hz, 2H).
【0197】
実施例55:2-(5,6-ジクロロ-3-(1-(4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド(化合物EX55)の合成
【化76】
54bと4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(238 mg、収率60.2%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:480.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.37 - 7.28 (m, 3H), 7.07 - 6.98 (m, 3H), 4.61 (s, 2H), 4.35 - 4.23 (m, 1H), 3.52 (s, 2H), 3.13 (s, 3H), 3.01 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.37 (qd, J = 12.4, 3.8 Hz, 2H), 2.14 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.4 Hz, 2H).
【0198】
実施例56:5,6-ジクロロ-1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-3-(1-(4-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX56)の合成
【化77】
46bと4-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(140 mg、収率41.8%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:466.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 - 7.28 (m, 3H), 7.09 (s, 1H), 7.02 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 4.37 - 4.25 (m, 1H), 3.92 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.02 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 2.60 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.42 - 2.32 (m, 2H), 2.31 (s, 6H), 2.14 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 1.77 (d, J = 13.7 Hz, 2H).
【0199】
実施例57:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-メチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX57)の合成
【化78】
中間体1gと2-メチルベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(120 mg、収率61.2%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:504.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.33 - 7.28 (m, 1H), 7.28 - 7.25 (m, 1H), 7.20 - 7.14 (m, 3H), 7.11 (s, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.93 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.51 (s, 2H), 3.04 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.41 (s, 3H), 2.39 - 2.27 (m, 2H), 2.18 (t, J = 11.4 Hz, 2H), 1.76 (d, J = 10.4 Hz, 2H).
【0200】
実施例58:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX58)の合成
【化79】
中間体1gと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(78 mg、収率50.9%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:524.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.54 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.27 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.69 (s, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.08 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.41 (qd, J = 12.3, 3.5 Hz, 2H), 2.29 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.5 Hz, 2H).
【0201】
実施例59:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX59)の合成
【化80】
1gと2-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体産物(106 mg、収率71.5%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:508.20 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.43 (td, J = 7.5, 1.9 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.30 - 7.22 (m, 1H), 7.15 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.05 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 4.36 - 4.22 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.73 - 3.56 (m, 6H), 3.07 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.37 (qd, J = 12.4, 3.8 Hz, 2H), 2.23 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 1.77 (d, J = 11.6 Hz, 2H).
【0202】
実施例60:5,6-ジクロロ-1-(1-(2-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(オキシラン-2-イルメチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX60)の合成
【化81】
【0203】
中間体60aの合成:中間体1eを原料として用いて、室温条件でトリフロオロ酢酸の作用により、Boc保護基を除去し、白色のトリフロオロ酢酸塩固体520 mgを得ており、収率は99.8%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0204】
中間体60bの合成:中間体60aと2-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体中間体60b 197mgを得ており、収率は99.9%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 10.67 (s, 1H), 7.43 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 - 7.25 (m, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.15 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 4.35 - 4.20 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 3.11 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.41 (q, J = 12.6 Hz, 2H), 2.26 (t, J = 11.9 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 11.9 Hz, 2H).
【0205】
化合物EX60の合成:中間体60bとブロモメチルエポキシエタンを原料として用いて、中間体1fの合成方法を参照して合成し、淡黄色の固体産物(48 mg、収率42.0%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:451.10 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.43 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.30 - 7.23 (m, 2H), 7.15 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 15.2, 2.6 Hz, 1H), 4.36 - 4.24 (m, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.62 (dd, J = 15.3, 6.4 Hz, 1H), 3.27 - 3.17 (m, 1H), 3.08 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 4.3 Hz, 1H), 2.65 (dd, J = 4.6, 2.6 Hz, 1H), 2.38 (q, J = 11.3, 10.8 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 11.4 Hz, 2H), 1.85 - 1.71 (m, 2H).
【0206】
実施例61:3-(1-(2-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-5-フルオロ-1-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX61)の合成
【化82】
【0207】
中間体61aの合成:2,4-ジフルオロニトロベンゼンと1-N-Boc-4-アミノピペリジンを原料として用いて、中間体1fの合成方法を参照して合成し、黄色のワックス状産物1.07 gを得ており、収率は80.0%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.97 - 6.90 (m, 1H), 6.88 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.50 - 4.17 (m, 3H), 3.99 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.85 (s, 2H), 2.67 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.54 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.26 (qd, J = 12.9, 4.3 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 12.6 Hz, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0208】
中間体61bの合成:中間体61aを用いて、室温条件でトリフロオロ酢酸の作用により、Boc保護基を除去し、白色のトリフロオロ酢酸塩固体1.03 gを得ており、収率は99.9%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0209】
化合物EX61の合成:中間体61bと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、淡黄色の固体製品226 mgを得ており、収率は88.4%である。LC-MS(ESI) m/z:474.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.56 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.31 - 7.23 (m, 1H), 7.19 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.95 - 6.88 (m, 1H), 6.79 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.42 - 4.29 (m, 1H), 3.98 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.74 - 3.59 (m, 6H), 3.07 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.59 - 2.50 (m, 4H), 2.44 (q, J = 12.8 Hz, 2H), 2.29 (t, J = 11.6 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0210】
実施例62:1-(1-(2-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-5-メチル-3-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX62)の合成
【化83】
【0211】
中間体62aの合成:4-フルオロ-3-ニトロトルエンと1-N-Boc-4-アミノピペリジンを原料として用いて、中間体1fの合成方法を参照して合成し、無色のワックス状産物526 mgを得ており、収率は78.4%である。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.90 - 6.82 (m, 2H), 4.51 - 4.39 (m, 1H), 4.30 (br s, 2H), 3.99 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.69 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 2.95 - 2.76 (m, 2H), 2.67 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.29 (qd, J = 12.4, 3.7 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0212】
中間体62bの合成:中間体62aを用いて、室温条件でトリフロオロ酢酸の作用により、Boc保護基を除去し、白色のトリフロオロ酢酸塩固体459 mgを得ており、収率は99.8%である。精製せず、直接に次の工程の反応に使用する。
【0213】
化合物EX62の合成:中間体62bと2-クロロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(186 mg、収率90.9%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:470.20 (M+H)+;1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.54 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.30 - 7.23 (m, 1H), 7.20 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.91 - 6.81 (m, 2H), 4.42 - 4.29 (m, 1H), 3.98 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.76 - 3.60 (m, 6H), 3.05 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.67 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.51 - 2.43 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.28 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.78 (d, J = 11.8 Hz, 2H).
【0214】
実施例63:6,7-ジクロロ-1-(1-(2-フルオロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(化合物EX63)の合成
【化84】
52aと2-フルオロベンジルブロミドを原料として用いて、実施例39の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(56 mg、収率56.8%)を得た。LC-MS(ESI) m/z:425.10 (M+H)
+;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.45 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.29 - 7.22 (m, 1H), 7.19 - 7.08 (m, 3H), 7.04 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 5.48 (s, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.99 - 3.85 (m, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.05 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 2.69 (q, J = 11.7, 10.9 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 1.74 (d, J = 11.7 Hz, 2H).
【0215】
実施例64:5,6-ジクロロ-1-(2-モルホリンエチル)-3-(1-フェニルエチルピペリジン-4-イル)- 1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX64)の合成
【化85】
中間体1gとフェニルアセトアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(115 mg、収率59%)を得た。HRMS (ESI): m/z calcd for C
26H
33Cl
2N
4O
2 ([M+H]
+) 503.1975, found 503.1968; HPLC 純度: 98.90%, t
R = 5.10 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 (s, 1H), 7.33 - 7.28 (m, 2H), 7.25 - 7.18 (m, 3H), 7.12 (s, 1H), 4.34 (tt, J = 12.5, 4.3 Hz, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.17 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.84 (dd, J = 10.4, 6.0 Hz, 2H), 2.71 - 2.61 (m, 4H), 2.52 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.39 (qd, J = 12.4, 3.8 Hz, 2H), 2.22 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 1.82 (d, J = 10.9 Hz, 2H).
【0216】
実施例65:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,6-ジクロロベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX65)の合成
【化86】
中間体1gと2,6-ジクロロベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(163 mg、収率75%)を得た。HRMS (ESI): m/z calcd for C
25H
29Cl
4N
4O
2 ([M+H]
+) 557.1039, found 557.1034; HPLC 純度: 99.46%, t
R = 5.89 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.26 (s, 1H), 7.15 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.30 (tt, J = 12.3, 4.2 Hz, 1H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.66 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.07 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.41 (t, J = 11.4 Hz, 2H), 2.31 (qd, J = 12.1, 3.5 Hz, 2H), 1.74 (d, J = 11.0 Hz, 2H).
【0217】
実施例66:5,6-ジクロロ-1-(1-(2,6-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリノエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(化合物EX66)の合成
【化87】
中間体1gと2,6-ジメチルベンズアルデヒドを原料として用いて、実施例1の合成方法を参照して合成し、白色の固体製品(163 mg、収率75%)を得た。HRMS (ESI): m/z calcd for C
27H
35Cl
2N
4O
2 ([M+H]
+) 517.2132, found 517.2118; HPLC 純度: 100%, t
R = 6.60 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 (s, 1H), 7.12 - 7.04 (m, 2H), 7.04 - 6.99 (m, 2H), 4.35 - 4.22 (m, 1H), 3.92 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.53 (s, 2H), 2.97 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 2.63 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.42 (s, 6H), 2.35 - 2.19 (m, 4H), 1.73 (d, J = 9.2 Hz, 2H).
【0218】
実施例67:6,7-ジクロロ-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリンエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
【化88】
中間体51gと4-イソプロピルシクロヘキサノンを原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX67の白色の固体345 mgを合成し、収率は46%である。該化合物はシス-トランス異性体の混合物であり、割合は約5:2である。HRMS (ESI): m/z calcd for C
28H
43Cl
2N
4O
2 ([M+H]
+) 537.2758, found 537.2741; HPLC 純度 (混合物): 28.09%, t
R1 = 7.48 min; 71.91%, t
R2 = 8.61 min. 主産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.26 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.05 (m, 1H), 3.68 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.51 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.25 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.77 - 2.61 (m, 2H), 2.60 - 2.44 (m, 7H), 2.34 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 1.86 - 1.69 (m, 4H), 1.69 - 1.52 (m, 4H), 1.45 - 1.31 (m, 3H), 1.19 - 1.08 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 6H). 副産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.35 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.21 - 4.12 (m, 1H), 3.68 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.51 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.25 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.77 - 2.61 (m, 2H), 2.60 - 2.44 (m, 7H), 2.01 (d, J = 11.9 Hz, 2H), 1.86 - 1.69 (m, 4H), 1.69 - 1.52 (m, 4H), 1.19 - 1.08 (m, 1H), 1.08 - 0.95 (m, 3H), 0.86 (d, J = 7.0 Hz, 6H).
【0219】
実施例68:6,7-ジクロロ-3-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリンエチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン
【化89】
中間体47fと4-イソプロピルシクロヘキシル基を原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX68の白色の固体78 mgを合成して取得し、収率は38%である。該化合物はシス-トランス異性体の混合物であり、割合は約3:1である。HRMS (ESI): m/z calcd for C
28H
43Cl
2N
4O
2 ([M+H]
+) 537.2758, found 537.2741; HPLC 純度 (220 nm): 23.07%, t
R1 = 9.12 min ; 74.25%, t
R1 = 10.33 min. 主産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.13 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.30 (tt, J = 12.1, 4.1 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.96 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.73 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.11 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.33 - 2.25 (m, 1H), 2.25 - 2.15 (m, 2H), 1.97 - 1.77 (m, 3H), 1.77 - 1.65 (m, 4H), 1.65 - 1.49 (m, 4H), 1.46 - 1.32 (m, 2H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 6H). 副産物:
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.11 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.30 (tt, J = 12.1, 4.1 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.96 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.73 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.04 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.42 - 2.33 (m, 2H), 2.33 - 2.25 (m, 1H), 1.97 - 1.77 (m, 3H), 1.77 - 1.65 (m, 4H), 1.65 - 1.49 (m, 4H), 1.46 - 1.32 (m, 2H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 0.86 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0220】
実施例69B:1-(1-((1S,4S)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-5-メチル-3-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
【化90】
中間体62bと4-イソプロピルシクロヘキシル基を原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX69を合成して取得し、高速液体クロマトグラフにより分離して、シス産物EX69Bの白色の固体96 mgを得ており、分離収率は19%である。HRMS (ESI): m/z calcd for C
28H
45N
4O
2 ([M+H]
+) 469.3537, found 469.3542; HPLC 純度 (220 nM): 96.12%, t
R = 4.87 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.39 - 4.25 (m, 1H), 3.98 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.15 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 2.67 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.48 - 2.29 (m, 6H), 2.29 - 2.15 (m, 2H), 1.85 - 1.76 (m, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.68 - 1.58 (m, 3H), 1.58 - 1.47 (m, 2H), 1.44 - 1.32 (m, 2H), 1.18 - 1.09 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0221】
実施例70B:5-クロロ-1-(1-((1S,4S)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-3-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
【化91】
中間体32bと4-イソプロピルシクロヘキシル基を原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX70を合成して取得し、高速液体クロマトグラフにより分離して、シス産物EX70Bの白色の固体106 mgを得ており、分離収率は17%である。HRMS (ESI): m/z calcd for C
27H
42ClN
4O
2 ([M+H]
+) 489.2991, found 489.2996; HPLC 純度: 96.24%, t
R = 5.53 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09 - 6.96 (m, 2H), 4.32 (tt, J = 13.0, 4.3 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.69 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.16 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.54 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 2.47 - 2.30 (m, 3H), 2.30 - 2.17 (m, 2H), 1.87 - 1.76 (m, 2H), 1.76 - 1.66 (m, 2H), 1.66 - 1.58 (m, 3H), 1.58 - 1.48 (m, 2H), 1.45 - 1.33 (m, 2H), 1.19 - 1.09 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0222】
実施例71B:5-フルオロ-3-(1-((1S,4S)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1-(2-モルホリンエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
【化92】
中間体61bと4-イソプロピルシクロヘキシル基を原料として用いて、化合物EX12の合成方法を参照して化合物EX71を合成して取得し、高速液体クロマトグラフにより分離して、シス産物EX71Bの淡黄色の固体76 mgを得ており、分離収率は12%である。HRMS (ESI): m/z calcd for C
27H
42FN
4O
2 ([M+H]
+) 473.3286, found 473.3297; HPLC 純度: >99%, t
R = 4.18 min.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.12 - 7.02 (m, 1H), 6.91 (dd, J = 8.6, 4.5 Hz, 1H), 6.78 (td, J = 9.1, 2.4 Hz, 1H), 4.31 (tt, J = 12.4, 4.3 Hz, 1H), 3.98 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.16 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 2.44 - 2.27 (m, 3H), 2.22 (t, J = 11.7 Hz, 2H), 1.85 - 1.76 (m, 2H), 1.76 - 1.58 (m, 5H), 1.58 - 1.46 (m, 2H), 1.44 - 1.33 (m, 2H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0223】
生物活性試験
化合物のMOP受容体、NOP受容体(ORL-1受容体)、KOP受容体、DOP受容体に対する親和性の試験:
化合物を100%のDMSO溶液(10 mM)に溶解させて、貯蔵液とする。384ウェルの丸底プレートにおいて化合物を希釈する。化合物の初期スクリーニング濃度は1 μM、0.1 μMであり、2回重複する。化合物の再スクリーニング初期濃度は1 μM(MOP受容体)又は10 μM(NOP受容体)又は100 μM(KOP受容体とDOP受容体)であり、3倍希釈し、10個の濃度グラジエントであり、2回重複する)、陽性対照はそれぞれDAMGO(MEC)(初期濃度は1 μMであり、3倍希釈し、10個の濃度グラジエントであり、3回重複し、MOP受容体)、Nociceptin (N/O FQ)(Sigma)(初期濃度は1 μM、3倍希釈し、10個の濃度グラジエントであり、3回重複し、NOP受容体)、Naltrexone塩酸塩(Sigma)(初期濃度は0.1 μMであり、3倍希釈し、10個の濃度グラジエントであり、3回重複し、KOP受容体)、Naltrexone塩酸塩(初期濃度は10 μMであり、3倍希釈し、10個の濃度グラジエントであり、3回重複し、DOP受容体)である。作用溶液は50 mM Tris pH 7.4、5 mM MgCl2であり、洗浄緩衝液は50 mM Tris pH 7.4であり、4℃で保存し、0.5% BSA溶液である(100 mL再蒸留水に0.5 mL BSAを添加し、4℃で保存する)。
反応系は500 μLであり、96ウェルディープウェルプレートに作用溶液100 μLと5 μL化合物の溶液(1% DMSO、99% 水)を添加し、均一に振とうする(5 min、500回転/分)。各ウェルに299 μL反応液、1 μL CHO-K1含有MOP受容体細胞膜(PerkinElmer)(又はHEK293-NOP受容体細胞膜、又はCHO-K1 DOP受容体細胞膜、PerkinElmer)を添加し、(KOP受容体試験に298 μL反応液、2 μL CHO-K1含有KOP受容体細胞膜、PerkinElmerを添加し)、均一に振とうする(5 min、500回転/分)。各ウェルに100 μL重水素化リガンド[3H]-DAMGO(PerkinElmer)(Fianl conc.1 nM)(MOP受容体)、[3H]-Nociceptin(PerkinElmer)(Fianl conc.0.5 nM)(NOP受容体)、[3H]-U69593(PerkinElmer)(Fianl conc.1.5 nM)(KOP受容体)、[3H]-DADLE(PerkinElmer)(Fianl conc.1 nM)(DOP受容体)を添加し、均一に振とうする(5 min、500回転/分)。27℃で1時間インキュベートする。4℃でUNIFILTER-96 GF/Cフィルタープレート(0.5% PEI)を1時間プレインキュベーションする。1 mL洗浄緩衝液でUNIFILTER-96 GF/Cフィルタープレート(0.5% PEI)を2回洗浄し(各ウェル)、細胞膜含有の混合液をUNIFILTER-96 GF/Cフィルタープレート(0.5% PEI)に転移し、洗浄緩衝液で4回洗浄し、毎回50 mLである。乾燥させる(55 ℃、10分間)。それから各ウェルに40 μLシンチレーション液を添加し、TopCountでシンチレーションポイントを読み取り、膜に結合する放射活性を決定する。
【0224】
各被験化合物について10種の濃度でその結合率(% Inhibition)を測定し、そのIC50(50%の結合が抑制される場合の濃度)は、X軸が濃度の対数で、Y軸が応答計数である図示により決定され、Xl-fit 5.3.1ソフトウェアでデータを処理する。非線形回帰方程式:
Y =最小値+(最大値-最小値)/(1+10^(log(IC50-X)×Hill係数))
X = 化合物濃度の対数、
Y = 抑制百分率 (% Inhibition)、
最大値と最小値:複素数はY単位と同じであり、
LogIC50:X軸の対数単位と同じであり、
Hill係数:勾配係数又はヒル係数。
【0225】
代表的な本願の化合物と受容体細胞膜との結合能は、放射能で標識された[3H]-DAMGO(PerkinElmer)、[3H]-Nociceptin(PerkinElmer)、[3H]-U69,593(PerkinElmer)、[3H]-DADLE(PerkinElmer)を置換可能なリガンドとし、Ki値は公式Ki = IC50/(1+L/Kd)により決定され、Kdは[3H]-放射性リガンドの結合親和性であり、Lは[3H]-放射性リガンドを使用する濃度である。
【0226】
本願の化合物測定の親和性Ki値は下記の表に示され、「/」は試験データなしを示す。
【0227】
【0228】
本願のEX3、EX6、EX16、EX17、EX54、EX58及びEX67等を代表とする化合物は、MOP受容体とKOP受容体に対して高い選択性と高い親和性を示す。MOP受容体とKOP受容体に同時に作用する二機能性アゴニストは、既存の文献の報告により、単一選択性MOP受容体アゴニストの依存性等の副作用を減少する可能性があり、MOP受容体の活性化に対して生じる多幸化効果により、単一選択性KOP受容体アゴニストによる落ち着きのなさ、嫌悪感等の副効果を相殺する可能性があり、それにより鎮痛効果が優れ、副作用が小さい目的を達成する可能性がある。EX12BとEX48Bを代表とする化合物は、MOP受容体和NOP受容体に対して高い選択性と高い親和性を示す。このようなMOPr/NOPr二機能性アゴニストは、NOP受容体に対する活性化により、MOP受容体の活性化による鎮痛効果を増強し、ドーパミンの放出の抑制による依存性を低減することができ、依存性なしの新規鎮痛薬を開発する可能性がある。
【0229】
化合物のMOP受容体、NOP受容体(ORL-1受容体)、KOP受容体、DOP受容体に対する活性化機能(cAMP assay)の試験:
オピオイド受容体はGタンパク質共役型受容体であり、主にGiタンパク質と共役する。リガンドに結合して活性化した後、Giタンパク質によりアデニレートサイクレース活性を抑制して、細胞内cAMPのレベルを低減することができる。
cAMPキット(LANCE Ultra cAMP kit, PE)を用いて、化合物の4種のオピオイド受容体(MOPr、KOPr、DOPr、NOPr(ORL-1))に対する活性化又は抑制作用を測定する。cAMP測定は競合免疫分析方法であり、細胞内cAMPの蓄積状況の検出に用いられ、検出したシグナル値とcAMPの濃度とは負の相関である。
キットの取り扱い説明書により標準品を配合し、384ウェル細胞培養プレートを用いて、各ウェルに5 μL標準品、5 μL実験緩衝液を添加し、更に5 μL 4×Eu-cAMP tracer作用溶液及び5 μL 4×ULight-anti-cAMP作用溶液を添加し、室温で1 hインキュベートし、マイクロプレートリーダーにより数値を読み取り、励起波長は330 nmであり、発射波長は620 nmと665 nmである。665 nmと620 nmシグナル比値を算出し、比値とcAMP濃度により標準曲線を作製する。
オピオイド受容体の細胞株(CHO-hMOPr、CHO-hNOPr、HEK293-hKOPr、HEK293-hDOPr)を安定して発現し、細胞を消化し、遠心し、0.5 mM IBMXを含有する実験緩衝液で再懸濁し、計数し、ウェルごとに3000細胞/5 μlの密度で384ウェル細胞培養プレートに接種する。実験緩衝液で化合物を希釈し、4×溶液を配合し、各ウェルに4×化合物2.5 μlを添加し、37℃で10 minインキュベートする。更に2.5 μl 4×Forskolinを添加し、37℃で30 minインキュベートする。それから順次に5 μl 4×Eu-cAMP tracer作用溶液及び5 μl 4×ULight-anti-cAMP作用溶液を添加し、室温で1 hインキュベートし、マイクロプレートリーダーにより数値を読み取り、励起波長は330 nmであり、発射波長は620 nmと665 nmである。665 nmと620 nmシグナル比値、即ちRatio (665/620)を算出する。
MOPr陽性化合物はエンドルフィン1を用い、NOPr(ORL-1)陽性化合物はノシセプチンを用い、KOPr陽性化合物はダイノルフィンA 1-10を用い、DOPr陽性化合物はDADLEを用いる。テスト化合物検出濃度は10 μMから、3倍希釈し、10個の濃度、二重穴検出。
Ratio (665/620)と化合物濃度によりプロットし、GraphPad Prism 8.0 (GraphPad Software, San Diego, California USA)ソフトウェアの非線形回帰方法でカーブフィッティング及びEC50計算を行う。
Y=Bottom + (Top-Bottom)/(1+10^((LogEC50-X)*HillSlope))
X:化合物濃度対数、
Y:%活性。
【0230】
上記方法により、本願の化合物をテストし、「NA」は試験データなしを示し、具体的に下記の表に示される。
【0231】
【0232】
好ましい化合物cAMP活性化機能試験結果により、MOP受容体とKOP受容体に対して二選択性を有する化合物は、MOP受容体とKOP受容体に対して同様に良好な活性化生物活性を示し、MOP受容体/KOP受容体の二機能アゴニストである。同様に、MOP受容体とKOP受容体に対して二選択性を有する化合物は、これら2種のオピオイド受容体に対しても良好な活性化生物活性を有する。
【0233】
動物体内薬力学試験:ホルマリン誘発炎症性疼痛モデル
ホルマリン誘発炎症性疼痛薬力学動物モデルはDubuissonとDennisが1977年に確立したものであり、実験の長期検証により、一定の倍数希釈したホルマリンをマイクロシリンジによりラット後肢の足蹠皮下に注射し、継続の傷害性刺激を生じ、動物に自発的疼痛行為反応を出現させる。
実現動物:SPF級雄性SDラット、6~7週齢、体重範囲160~180 g。研究目的、科学標準を満足する前提で、できるだけ少ない動物を使う。
【0234】
実験方法:
1、実験開始前に、すべての動物を動物飼養室で適応的に1週間飼養し、環境に適応させる。室温を22±2℃に維持し、灯光で照らし、強烈な声と光の刺激を避ける。実験の需要に応じてランダムに群を分け、群ごとに6~8匹、ラットに番号を付ける。すべてのテスト実験は午前8時~12時の間に行い、ラットにホルマリン試験環境に適応させるために、群を分けたラットをそれぞれ実験用測定箱(透明で可視)に置き、毎日60分間、計3日である。
2、試薬の調製。分析試薬のホルムアルデヒド水溶液を密閉バイアルにおいて2%ホルマリン溶液に調製して、使用に供する(使用後に4 ℃冷蔵庫に置く)。
3、試験化合溶液の調製。溶媒系は5% DMSO+10% Solutol+85%生理食塩水であり、テスト実験の需要に応じて、実際に必要な濃度に即時に調製する。
4、投与形態及びモールディング。本実験の投与形態は皮下注射である。動物実験環境で6日目まで飼養し、実験を展開し、ラットの体重、室温、湿度、及び通常制御パラメータを記録する。体重に応じてラットに投与し、投与から15 min後にラットの足の甲皮下に50 μlの2%ホルマリン溶液を注射してモールディングする。
5、モデルの評価。ホルマリンを注射した後、ラットを試験箱に置いて、コンピュータによりホルマリン注射後60分間内のラットの運動回数(注射された足の足上げ、足舐め回数)を統計し、早期急性期(I期)と末期緊張期(II期)の足上げ回数(I期は0~9分間であり、II期は10~60分間である)、平均累計足上げ回数を含む。
MPE%(Maximum Possible Effect、最大可能効果、パーセントで記す)を計算する。
%MPE = ( 1- 投与群の運動回数/陰性対照群の運動回数) x 100%
【0235】
データ統計と分析:
計量資料は平均値±標準誤差で示され、すべてのデータの統計はいずれもSPSS13.0統計学ソフトウェアにより行われ、すべてのデータは等分散性の検定を行い、等分散性を有するデータ(p>0.05)は一要因分散分析を行い、差を有する(p≦0.05)データはLSD多重比較分析を行い、p≦0.05は統計学的差を有することを示す。分散の不均一性を有するデータ(p≦0.05)はKruskal-Wallisノンパラメトリック検定を行い、差を有する(p≦0.05)データはMann-Whitney両両分析比較を行い、p≦0.05は統計学的差を有することを示す。GraphPad Prism 8.0 (GraphPad Software, San Diego, California USA)ソフトウェアを用いてプロットする。
【0236】
時間効果曲線図(
図1A)から分かるように、EX3は10 mg/kg投与量の場合、0~40 min時間帯において時間効果曲線とモルヒネ群(mor)効果曲線はほぼ重なり、その後に時間効果曲線は益々モデル群(model)に近くなり、これは化合物EX3(10 mg/kg)が0~40 min時間帯において良好な鎮痛効果を有し、且つモルヒネ3 mg/kgの鎮痛効果と相当することを示す。統計分析の最大可能鎮痛効果曲線図(
図1B)から分かるように、ブランク対照群(sham)(100±3.3%)と比べて、モデル群はその平均値よりも有意に低く、最大可能効果は0±18.33%であり、化合物EX3 10 mg/kg用量群の最大可能鎮痛効果値は94.04±5.81%であり、いずれもモデル対照群よりも有意に高い(p < 0.05)。上記実験結果により、化合物EX3はホルマリン誘発炎症性疼痛に対して良好な抑制効果を有する。
【0237】
動物体内薬力学試験:神経枝結紮損傷モデル
神経枝結紮損傷(Spared Nerve Injury、SNI)動物モデルは神経因性疼痛の薬理学的メカニズムの研究のために開発される。該モデルは人工手術の方式で確立され、手術側に継続及び再生の痛覚過敏反応を生じ、臨床神経因性疼痛不調の典型的な症状を模擬することができる。SNIモデルの作製:実験の0日目にラットをイソフルランが導入された麻酔器により麻酔し、腹臥位で手術台に固定し、側臀部領域を充分に露出させ、左后肢の毛を剃ってアルコールで拭いて消毒し、外科用ハサミを用いて大腿骨に平行する坐骨神経方向において皮膚を切り、臀部筋肉、大腿二頭筋を鈍的剥離し、坐骨神経幹を露出させ、周辺の接着組織及び筋膜を注意深く分離する。3つの分枝、即ち脛骨神経、総腓骨神経及び腓腹神経を露出させるまで。手術群のラットに対して、糸で脛骨神経、総腓骨神経を結紮し、それぞれ脛骨神経と総腓骨神経をせん断し、腓腹神経の完全を確保し、層ごとに筋肉、表皮を縫合する。手術後、各匹のラットに6万単位のペニシリンを皮下注射する。籠内に置いて飼養し、手術後10日目に投与実験を開始する。主な検出指標及び方法:体重、すべての動物を周1回体重を計量して詳しく記録する。機械的疼痛閾値測定について、動物を特別に製作した疼痛検出マルチセル金属網籠内に置いて、動物を環境に10 min適応させ、動物の整理、探求活動が終わって検出環境に適応した後、電子Von Frey Hairs(Bioseb社製)を用いてラットのSNI手術側の後肢小指側足裏を刺激し、ラットに明確な足縮め反応が出現するまで圧力を継続に増加し、この時のVon Frey Hairsの値を機械的疼痛反応の閾値として記録し、「グラム」を検出単位とし、2回繰り返して検出し、それから平均値を最終検出指標として取る。足耐荷重性測定について、SNIモデル群のラットの2つの後肢足の荷重重量は平衡せず、足支持力計測器(Dynamic Weight Bearing Test, BIO-DWB-DUAL, BIOSEB)を用いて動物の2つの後肢足の荷重差値(左足-右足)を測定し、2回繰り返して測定し、平均値を動物の2つの後肢足の荷重差値平衡値として取る。機械的疼痛閾値と足耐荷重性の試験時間点はモールディング前、投与前及び投与後1、2、4h、計5つの検出点である。本願の実験は、動物体重、及び投与前の機械的疼痛閾値と足耐荷重性の基準値に基づいて、ラットをランダムに5群に分け(群ごとに8匹)、それぞれ溶媒対照群(5% DMSO+10% Solutol HS15+85%生理食塩水)、陽性対照群(ガバペンチン、100 mg/kg、用量はガバペンチン臨床用量により換算される)、テスト化合物高中低用量群(10、3と1 mg/kg)であり、陽性対照群は臨床用薬と一致する経口投与形態を採用し、他の実験群はいずれも腹部皮下注射投与であり、すべての実験群はいずれも単回投与である。実験結果を機械的疼痛閾値von-Frey hairと足耐荷重性の差値で報告し、対応の鎮痛率を計算する。von-Frey hair相対鎮痛率(%)=(検出値-対照組平均値)/(SNI手術前基準値-対照組平均値)×100。足耐荷重性相対鎮痛率(%)= (対照組平均値-検出値)/(対照組平均値-SNI手術前基準値)×100。GraphPad Prism 8.0(GraphPad Software, San Diego, California USA)ソフトウェアを用いてデータを分析して、プロットする。
実験結果から分かるように(
図2におけるAとC)、投与後1 hにvon-Frey hairテストの結果により、化合物EX3の3つの用量が一定の程度で動物の機械的疼痛閾値を高め、特に中高用量の場合が顕著であり、モデル群と比べて極めて有意な差を有する(p < 0.01)ことが示された。測定した中高用量群のラットの機械的疼痛閾値はそれぞれ7.0±0.1 gと9.5±0.2 gであり、von-Frey hair相対鎮痛率平均値はそれぞれ12.93%と49.02%であり、高用量群の鎮痛効果は陽性対照群よりも優れた(ガバペンチン、100 mg/kg、von-Frey hair相対鎮痛平均値は29.71%である)。時間の推移に伴って、2 h目に各試験薬物群のラットの機械的疼痛閾値はいずれも低下したが、モデル群と比べて極めて有意な差を有する(p < 0.01)。化合物EX3の高用量(10 mg/kg)群のラットの機械的疼痛閾値は8.3±0.1 gであり、von-Frey hair相対鎮痛率平均値は33.99%であり、陽性対照群に近い(陽性対照群のvon-Frey hair相対鎮痛率平均値は36.26%である)。
【0238】
SNIモデルのラットの2つの後足の負荷重量は平衡せず、化合物EX3のラットのSNI神経痛に対する鎮痛効果を更に検証するために、本実験は動物の2つの後足の荷重差値(左足-右足)を測定し、平均値を動物の2つの後足の荷重差値平衡値として取る。テスト時間点はvon-Frey hairテストと同じである。実験結果から分かるように(
図2におけるBとD)、モールディング後にモデル群の動物の足耐荷重性差値の平衡値は有意に増加し、59.87±1.60 gであり(手術前は3.88±0.56 gである)、薬物の作用で、ラットの後足耐荷重性差値平衡値は有意に減少し、1 h目の時間点で最も顕著である。各実験群はモデル群と比べていずれも極めて有意な差を有し(p < 0.01)、化合物EX3の高用量群(10 mg/kg)のラットの後足の荷重差値平衡値は46.82±1.68 gであり、足耐荷重性相対鎮痛率平均値は22.11%であり、陽性対照のガバペンチン群に近い(陽性対照群のラットの足耐荷重性相対鎮痛率平均値は20.85%である)。時間の推移に伴って、薬物の鎮痛作用は益々弱くなるが、モデル群と比べて依然として極めて有意な差を有する(p < 0.01)。2 h目に化合物EX3の中低用量群の足耐荷重性相対鎮痛率は依然として10%程に維持し、高用量群(10 mg/kg)のラットの後足の荷重差値平衡値は46.54±0.80 gであり、足耐荷重性相対鎮痛率平均値は20.03%であり、高レベルに維持し、陽性対照群(足耐荷重性相対鎮痛率平均値は17.55%である)よりもやや優れた。4 h目に到達する場合、化合物EX3の高用量群のラットの後足耐荷重性差値平衡値はモデル群と比べて依然として極めて有意な差を有し(p < 0.01)、足耐荷重性相対鎮痛率平均値は15.38%であり、陽性対照群(足耐荷重性相対鎮痛率平均値は14.07%である)よりもやや優れた。
【0239】
SNI神経痛モデルの評価から分かるように、化合物EX3はラットの神経痛を有効に抑制でき、良好な用量依存性を有し、鎮痛作用効果と薬物代謝周期は一致し、1 hに薬物は最大効果を発揮し、高用量群(10 mg/kg)は陽性対照ガバペンチン(100 mg/kg)と比べて、一定の鎮痛優位を有し、作用期間が長く、4 h目に依然として良好な鎮痛効果を有する。化合物EX3は比較的低い用量で、陽性対照ガバペンチンより優れる鎮痛効果を示す。
【0240】
上記研究結果により、本願に示す化合物はMOP受容体とKOP受容体に対して二選択性を有し、このような二機能のMOP受容体とKOP受容体への作用により良好な鎮痛効果を発揮し、特に神経因性疼痛の抑制は臨床使用薬物のガバペンチンよりも遥かに優れた。既存の多くの文献の報告により、この効果は、単一選択性のMOP受容体アゴニストが達成できるものではない。
【0241】
本願に開示された化合物は、好ましくその一部の化合物を選択して上記方法により体内薬力学評価を行った結果、本願に開示された化合物が良好な炎症性疼痛と神経因性疼痛の治療効果を有することが示された。実験過程における継続的な現象観察とデータ分析により、本願に開示された化合物の便秘と掻痒等の副作用は陽性対照よりも小さい。
【0242】
本願に掲示された実施例は上記であるが、前記内容は本願の理解の便利のための実施形態に過ぎず、本願を制限するものではない。当業者は本願に掲示される精神と範囲を逸脱せずに、実施の形態及び細部に対して任意の変更と変化を行えるが、本願の保護範囲は添付の請求の範囲を基準とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物、その立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグであって、
【化1】
式中、
nは0又は1であり、
mは0又は1であり、
pは0、1又は2であり、
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基及びC
1-3アルコキシ基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、
R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基、置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基及び置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記置換されるアリール基、置換されるヘテロアリール基、置換されるC
3-8シクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の置換基により置換され、
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されていないヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されていないヘテロアリール基及び-C
1-4アルキル基-置換されるヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されていないヘテロシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8は一緒にC
4-6の置換されるヘテロシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1である、前記化合物、その立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ
【請求項2】
nは0であり、mは0であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項3】
nは1であり、mは0であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項4】
nは0であり、mは1であり、pは0、1又は2である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項5】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではない、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項6】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、C
1-3アルキル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではない、請求項5に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項7】
R
1とR
2はそれぞれ独立して水素、塩素、フッ素、メチル基から選ばれ、R
1とR
2は同時に水素ではなく、選択肢として、R
1とR
2はいずれも塩素であり、又は、R
1は塩素でR
2はフッ素であり、又は、R
1はフッ素でR
2は塩素であり、又は、R
1とR
2はいずれもフッ素であり、又は、R
1はフッ素、メチル基又は塩素でR
2は水素であり、又は、R
1は水素でR
2は塩素又はフッ素である、請求項6に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項8】
前記R
3は置換されていないアリール基、置換されるアリール基、置換されていないヘテロアリール基及び置換されるヘテロアリール基から選ばれ、前記置換されていないアリール基はフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されていないヘテロアリール基はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、前記置換されるアリール基は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基又はナフチル基であり、前記置換されるヘテロアリール基はハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選ばれる1~2個の基により置換されるフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項9】
前記R
3はフェニル基であり、又は、ハロゲン、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基であり、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるフェニル基である、請求項8に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項10】
前記R
3はフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-フルオロフェニル基、2-フルオロ-4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、2-メチル-4-フルオロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、2-メトキシ-4-クロロフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-クロロフェニル基、2-メチルフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基又は4-メトキシフェニル基である、請求項9に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項11】
前記R
3はフラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、又はテトラゾリル基であり、選択的に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基及びハロC
1-4アルコキシ基から独立して選ばれる1~2個の基により置換され、選択的に、R
3は5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル、又は5-クロロチオフェン-2-イルである、請求項8に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項12】
前記R
3は置換されていないC
3-8シクロアルキル基、又は置換されるC
3-8シクロアルキル基であり、前記置換されていないC
3-8シクロアルキル基、置換されるC
3-8シクロアルキル基におけるC
3-8シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、前記置換されるC
3-8シクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、又はシクロオクチル基であり、好ましくは、前記置換されるC
3-8シクロアルキル基は4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項13】
前記R
3はシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-イソプロピルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-トリフルオロメチルシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル、又は2-クロロシクロヘキシル基である、請求項12に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項14】
前記R
3は置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基であり、前記置換されていないC
4-6ヘテロシクロアルキル基又は置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基におけるC
4-6ヘテロシクロアルキル基はテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、前記置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C
1-4アルキル基、ハロC
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ハロC
1-4アルコキシ基及びフェニル基から独立して選ばれる1~3個の基により置換されるテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、又はピペラジニル基であり、好ましくは、前記置換されるC
4-6ヘテロシクロアルキル基はN-イソプロピルピペリジン-4-イルである、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項15】
R
4は水素、-C
1-3アルキル基-置換されず且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換され且つオキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-置換されるスピロヘテロシクロアルキル基、-C
1-3アルキル基-C(O)NR
5R
6、-C
1-3アルキル基-NR
7R
8、-C
1-4アルキル基-置換されず且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基、及び-C
1-4アルキル基-置換され且つアザ、オキサ及びチアから選ばれる少なくとも1種のヘテロアリール基から選ばれ、R
5とR
6は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R5とR6及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R
5とR
6及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R
7とR
8は独立して水素又はC
1-3アルキル基であってもよく、又は、R
7とR
8及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されていないアザシクロアルキル基を構成し、又は、R
7とR
8及び接続されるNは一緒にC
4-6の置換されるアザシクロアルキル基を構成し、R
4が水素である場合、mは0で、nは1であり、前記置換されるとはC1-C4アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4ハロアルコキシ基、C1-C4アルカノイル基、C1-C4アルカノイルオキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、オキソ及びシアノ基のうちの1つ又は複数の基により置換されることを指し、
好ましくは、前記R
4は水素、2-(モルホリノ)エチル基、2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)エチル基、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)エチル基、2-(3-オキソピペラジン-1-イル)エチル基、2-(ピロリジン-1-イル)エチル基、2-(ピペリジン-1-イル)エチル基、2-(N,N’-ジメチルアミノ)エチル基、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル基、N,N’-ジメチルアセトアミド基、オキシラン-2-イルメチル基、又は2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチル基であり、
R
4が水素である場合、mは0で、nは1である、
請求項
1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【請求項16】
下記化合物から選ばれる1種である、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ。
【化2】
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又はプロドラッグの、医薬への使用。
【請求項19】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、重水素化物、代謝産物又は
プロドラッグの、疼痛、不安、うつ、アルコール嗜癖、薬物乱用/依存性を治療する薬物の調製における使用。
【請求項20】
前記疼痛は急性疼痛、慢性疼痛、骨痛、関節痛、術後疼痛、筋肉痛、歯痛、頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、及びクローン病に関連する腹痛であってもよい、請求項
19に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
これらの薬学的に許容される賦形剤は例えば、担体(例えば固体、液体又は半固体担体)、補助剤、希釈剤(例えば、フィラー又は充填剤のような固体希釈剤、及び溶媒と共溶媒のような液体希釈剤)、造粒剤、接着剤、流動補助剤、コーティング剤、制御放出剤(例えば遅延又は遅延放出のポリマー又はワックス)、崩壊剤、緩衝剤、潤滑剤、防腐剤、抗真菌剤及び抗細菌剤、抗酸化剤、張力調節剤、増粘剤、風味増強剤、甘味剤、顔料、可塑剤、矯味剤、安定化剤又は医薬組成物における通常使用される他の賦形剤から選ばれる。
【国際調査報告】