(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】過渡状態下の接触器/リレー接点バウンスを処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01H 50/42 20060101AFI20240621BHJP
H01H 50/44 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01H50/42
H01H50/44 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500318
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036571
(87)【国際公開番号】W WO2023283455
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517077810
【氏名又は名称】アストロニクス アドバンスド エレクトロニック システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポッター フレデリック ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ パトリック
(57)【要約】
接触器によって制御される電力供給接点がバウンスすることによって引き起こされる接点電圧変動を測定することにより、接触器における接点のバウンシングを検出する。変動が検出されたとき、回路は、接触器の引き込みコイルを一時的に再励磁して、電力供給接点を適切な位置に引き寄せて維持するのに必要とされるより高い磁界を再設定して、バウンスを除去する。引き込みコイルに必要とされる高電力のために、作動される時間が制限されて、コイルまたは他の電子部品の熱損傷を回避する。引き込みコイルを作動させることで、電力供給接点を適切に配置し、より低い磁界の保持コイルを励磁することで、電力供給接点の位置を維持する。引き込みコイルが作動される時間は、動的であってもよく、そして、各外乱が発生したときに各外乱に対応してもよく、それはタイマによって決定された設定時間であってもよく、または、それはパルス幅変調方式によって制御されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減可能な回路装置であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有する接触器であって、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、接触器と、
前記第1コイルが、前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチと、
前記過渡状態によって生じた電圧変動を検出するように構成された電圧センサであって、前記電圧センサは、前記スイッチを選択的に作動させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させるのに用いられる出力を有する、電圧センサと、
を備える、回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回路装置であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、回路装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回路装置であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備えている、回路装置。
【請求項4】
請求項3に記載の回路装置であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記外乱がもはや検出されていないときに消勢される、回路装置。
【請求項5】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減可能な回路装置であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有し、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、接触器と、
前記第1コイルが前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチと、
前記過渡状態によって引き起こされた電圧変動を検出するように構成された電圧センサであって、タイマを選択的に作動させるのに用いられる出力を有し、そして、前記タイマは、前記スイッチを選択可能な時間作動させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させる、電圧センサと、
を備える、回路装置。
【請求項6】
請求項5に記載の回路装置であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、回路装置。
【請求項7】
請求項6に記載の回路装置であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備える、回路装置。
【請求項8】
請求項7に記載の回路装置であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記選択可能な時間が経過した後に消勢される、回路装置。
【請求項9】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減可能な回路装置であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有し、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、接触器と、
前記第1コイルが前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチと、
前記過渡状態によって引き起こされた電圧変動を検出するように構成された電圧センサであって、前記電圧センサは、選択可能なデューティサイクルを有するパルス幅変調器を作動させるのに用いられる出力を有し、前記パルス幅変調器の出力は、前記デューティサイクルに従って前記スイッチをオン及びオフに選択的に動作させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させる、電圧センサと、
を備える、回路装置。
【請求項10】
請求項9に記載の回路装置であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、回路装置。
【請求項11】
請求項10に記載の回路装置であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備える、回路装置。
【請求項12】
請求項11に記載の回路装置であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記パルス幅変調器の前記選択可能なデューティサイクルに従って消勢される、回路装置。
【請求項13】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減する方法であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有する接触器を利用する工程であって、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、工程と、
前記第1コイルが前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチを選択的に動作させる工程と、
前記過渡状態によって引き起こされた電圧変動を検出するように構成された電圧センサを利用する工程であって、前記電圧センサは、前記スイッチを選択的に作動させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させるのに用いられる出力を有している、工程と、
を備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記外乱がもはや検出されていないときに消勢される、方法。
【請求項17】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減する方法であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有する接触器を利用する工程であって、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、工程と、
前記第1コイルが前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチを選択的に動作させる工程と、
前記過渡状態によって引き起こされた電圧変動を検出するように構成された電圧センサを利用する工程であって、前記電圧センサは、タイマを選択的に作動させるのに用いられる出力を有し、そして、前記タイマは、前記スイッチを選択可能な時間作動させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させる、工程と、
を備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記選択可能な時間が経過した後に消勢される、方法。
【請求項21】
過渡状態に起因する接触器における接点バウンスを低減する方法であって、
第2磁気コイルに電気的に接続された第1磁気コイルを有する接触器を利用する工程であって、前記コイルの一方または両方は、負荷に電力が供給されるときに接点を閉じるように構成され、前記第1磁気コイルは、前記第2磁気コイルよりもより高い磁界を発生する、工程と、
前記第1コイルが前記より高い磁界を発生できるように、前記第2コイルを選択的に、電気的に短絡させるように構成されたスイッチを選択的に作動させる工程と、
前記過渡状態によって引き起こされた電圧変動を検出するように構成された電圧センサを利用する工程であって、前記電圧センサは、選択可能なデューティサイクルを有するパルス幅変調器を作動させるのに用いられる出力を有し、前記パルス幅変調器の出力は、前記デューティサイクルに従って前記スイッチをオン及びオフに選択的に作動させることにより前記第1コイルを励磁して、前記より高い磁界を発生させる、工程と、
を備える、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記第1コイルは、引き込みコイルを含み、
前記第2コイルは、保持コイルを含み、
前記引き込みコイルと、前記保持コイルとは、直列に接続されている、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記電圧センサは、電力バスと導通している第1入力と、負荷電圧接続部と導通している第2入力と、を有する差動増幅器であって、前記差動増幅器の出力は、前記電力バスと、前記負荷電圧接続部との間の電圧差を示すように構成されている、差動増幅器を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記引き込みコイルは、外乱が検出されたときに一時的に励磁され、前記パルス幅変調器の前記選択可能なデューティサイクルに従って消勢される、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年7月8日に出願された仮出願第63/219,684号の合衆国法典第35巻第119条(e)の下での利益を主張し、その全ての内容は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に援用される。
[発明の分野]
本発明は、概して、接触器に関し、より具体的には、接触器における接点のバウンシングを生じる外乱の影響に対処することに関する。
[開示の背景]
接触器は、本質的には、電磁石を通電することによって作動されるスイッチであり、電磁石は、次いで、2つの接点にわたる導電性バーを引き寄せてそれらをブリッジし、電力はそれらをわたって負荷に流れ込むことができる。いくつかの用途において、接触器は、特定の負荷へ選択的に電力を供給するのに用いられる。軍用機の銃器の発砲は、高い過渡振動を引き起こすので、搭載された接触器の接点が振動事象の間にバウンスまたはチャタリングを引き起こし得る1つの例である。これは、接点に損傷を与えるアークを引き起こし、接触器が電力供給している負荷に対して電力過渡を引き起こす。接点バウンスは、接触器のための特別な振動減衰マウントによって部分的に軽減され得るけれども、そのような軽減は、不十分であり、且つ/または、信頼性に欠けることが多い。
【0002】
図1に図示されるように、高電流のための例示的な接触器100は、直列に配置されることが多い2つの磁気コイルを備えることで、接点を磁気的に閉じ、負荷に電力を供給している間、それらを閉じた状態に維持する。引き込みコイル102と称される第1コイルは、高磁界を発生して、接点を迅速に閉じる。保持コイル104と称される第2コイルは、より低い磁界を発生して、引き込みコイル102によって既に一旦閉じられている接点を閉じた状態に保つか、または、維持する。保持コイル104は、スイッチ108を閉じることによって短絡される。通常、特定の負荷に電力を供給したいとき、信号が印加されて、スイッチ108が一定の期間閉じられる。この結果、引き込みコイル102は、負荷に電力を供給するのに用いられる接点を動作させて閉じるのに必要とされるより高い磁界を設定する。引き込みコイル102に関する高い初期磁界は、発生するのに大電力を必要とし、接触器が閉じられた後で接点を適切な位置に保つためには必要とされず、保持コイル104のみが励磁される必要があるため、2つのコイルという配置は、電磁石によって消費される電力を最小化するのに必要とされる。
【0003】
一旦、電力供給接点が閉じられると、電力は負荷に供給され、スイッチ108が開かれることにより、保持コイル104は、電力供給接点を閉じたままにするために、(引き込みコイル102ではなく)保持コイル104を励磁するのに十分なより低い磁界を設定できる。引き込みコイル102とは対照的に、保持コイル104は、閉じた接点を閉じた状態に保つか、または、維持するために、はるかに小さい磁界を必要とする。高振動状態または他の外乱の下で、電力供給接点は、バウンスまたはチャタリング、または、他の動作を起こす可能性があり、アーク、電力過渡、または他の望ましくない状態をもたらし得る。この時間の間、接触器は、より低い磁界の保持コイル104のみを用いて動作しているので、接触器は、より高い磁界の引き込みコイル102を必要とするような、電力供給接点を十分に動作させることができない可能性がある。その結果、電力供給の遮断がもたらされる。引き込みコイル102を常に完全に使用することも望ましくない。その理由は、過剰な電力量が消費されているだけでなく、さらなる望ましくない故障または状態を次に引き起こし得る高いレベルの熱エネルギの発生をももたらすからである。
[発明の概要]
本発明は、従来の電力供給接触器装置における、これらの、及び他の知られた不具合に対処する。実施形態において、本発明は、バウンシングしている接点によって引き起こされる接点電圧の変動を測定することによって、接点のバウンシングを検出する。これらの変動が検出されると、回路は、引き込みコイルを一時的に再励磁させて、接点をよりしっかりと引き寄せるのに必要とされるより高い磁界を再構築して、バウンシングを除去する。引き込みコイルに必要とされる高電力により、コイルまたは他の電子部品への熱損傷を回避するために、引き込みコイルが作動される時間は制限される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明、その目的及び利点のより完全な理解のために、ここで、添付の図面と関連する以下の説明を参照する。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る改良された接触器制御の模式図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る改良された接触器制御の模式図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係る改良された接触器制御の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[発明の実施形態の詳細な説明]
開示されているのは、外乱が、電力の供給、及び/または、接触器の動作に影響を及ぼし得る条件下で負荷に電力を供給するときに発生する熱を最小化するために、接触器装置内の引き込みコイルの作動を選択的に制御するのに用いられ得る本発明のいくつかの実施形態である。
【0006】
ここで、
図2を参照すると、
図2には、本発明に係る第1実施形態の模式図が図示されている。
図2に示されるように、接触器200は、
図1に関連して上述したように、引き込みコイル202及び保持コイル204を備える。しかしながら、この実施形態では、例えば差動増幅器などの電圧センス210がスイッチ208を選択的に作動させるのに用いられてもよく、そして、スイッチ208は保持コイル204を選択的に短絡または開放する。電圧センス210への入力は、高電圧入力212及び高電圧出力214である。高電圧入力212は、電気システムにおいて周知のように、「ホットワイヤ」のような、車両または航空機の電力バスを表し、一方、高電圧出力214は、負荷における電圧、または時として負荷接続部と称されるものを表す。電力が負荷に供給されているときの通常動作条件下において、高電圧入力212は、本質的に、高電圧出力214と同一であるはずであり、電圧センス210からの出力はない(または、無視できる)ことになる。結果として、スイッチ208はそれ以外では変化せず、保持コイル204は励磁され、保持コイル204によって制御される接点は、電力を負荷に供給するために閉じられる。
【0007】
電力が負荷に供給されている間に外乱が発生する場合、これは通常、高電圧入力212と高電圧出力214とで観測される電圧間の差を生じさせることになる。この電圧差は、電圧センス210によって検出され、電圧センス210の出力が有効となって、スイッチ208を閉じた位置に作動させることにより、保持コイル204を短絡させ、そして、引き込みコイル202が磁界を増加できることにより、選択された負荷に確実に電力を供給するために、電力供給接点を所定の位置に戻す。電力が、選択された負荷に適切に供給されるとすぐに、その後、高電圧出力214は、高電圧入力212と本質的に同一に戻るはずである。この電圧平衡が得られるとすぐに、電圧センス210への差動入力は無視できるようになる。その結果、電圧センス210の出力が無効化されることになり、スイッチ208を作動させないことになる。スイッチ208が作動されなくなるとすぐに、保持コイル204は、もはや短絡されておらず、引き込みコイル202に必要されていたよりもはるかに低いレベルで磁界を設定するように動作することになる。
【0008】
さらなる外乱または振動に遭遇しない限り、電力供給接触器は、通常動作下において、電力を負荷へ供給し続けることになり、一方、保持コイル204だけは、引き込みコイル202に必要とされるはるかに高い磁界よりも低い磁界を介して励磁される。別の外乱または振動が検出されるとすぐに、別の外乱または振動は高電圧入力212と高電圧出力214との間の電圧差として通常現れることになって、電圧センス210は、その出力を有効化することになり、プロセスは、スイッチ208を閉じて、引き込みコイル202を再度励磁させることによって、上述のように継続することになる。このようにして、全ての外乱または振動が、例えば電圧差によって検知されて、接触器がリセットされ、引き込みコイル202を励磁する。
【0009】
図3は代替的実施形態を提示し、代替的実施形態は、
図2の実施形態とほとんど同様に動作する。
図3における同様の要素は、
図2で使用された要素と類似の番号を用いて称される。
図3を具体的に参照すると、電圧センス310の出力は、ワンショットタイマ316を作動させるために代わりに用いられ、そして、
図2の実施形態において同様に実行されるようにスイッチ308を直接作動させる代わりに、ワンショットタイマ316がスイッチ308を作動させる。
図3の実施形態では、例えば電圧センス310によって、外乱または振動が一旦検出されると、電圧センス310の出力は、ワンショットタイマを作動させるのに用いられ、ワンショットタイマは、予め選択された時間分、有効出力をもたらすようにプログラムされていてもよい。ワンショットタイマ316のこの有効出力は、スイッチ308を閉じるのに用いられるものであり、そして、スイッチ308は、保持コイル304を短絡して、引き込みコイル302がはるかに高い磁界を設定することにより、電力供給接点がそれらの適切な位置に戻るか、またはそれらの適切な位置に維持される。このようにして、
図2の実施形態とは対照的に、外乱または振動状態は、引き込みコイル302を特定の時間再励磁するのに用いられてもよく、これは、本質的には、外乱または振動事象の各々が発生したときに、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで作動して、外乱または振動事象の各々に対処する。
図3の実施形態は、連続的な外乱が発生し得るか、あるいは、比較的短時間に多数の外乱が発生し得るということが知られている環境において有利であり得る。電力供給接点を繰り返し動作させなければならない代わりに、電力供給接点は、ワンショットタイマ316に設定された時間に基づいて、1回動作される。この制限時間に達した後に高振動が存続して、接点がバウンシングを再開する場合には、引き込みコイル302は、別の時間間隔で再励磁されてもよい。
【0010】
ここで、
図4を参照すると、
図4には、上述された実施形態に類似するさらに別の代替的実施形態が図示されており、しかし、この別の代替的実施形態では、引き込みコイル402には、低減された平均電流が供給され、この低減された平均電流は、保持コイル404のみによって発生される磁界よりもはるかに高い磁界をもたらすものの、引き込みコイル402を完全に作動させることからもたらされる電流よりも小さい。
図4は、代替的実施形態を提示し、この代替的実施形態は、
図2の実施形態とほとんど同様に動作する。
図4における類似要素は、
図2で使用された番号と類似の番号を用いて称される。
図4を具体的に参照すると、電圧センス410の出力は、論理回路416を作動させるのに代わりに用いられ、そして、論理回路416は、信号シーケンス418及び420などのパルス幅変調(PWM)出力をもたらす。そして、418または420などのPWM信号は、引き込みコイル402によって高い磁界を設定させて、電圧供給接点を、それらの適切な位置に戻すか、または、それらの適切な位置に維持することが必要とされるときに、スイッチ408を作動させて保持コイル404を短絡させるのに用いられる。
図4のPWMアプローチは、それでも、引き込みコイル402が常時励磁されるよりも、はるかに少ない電流を利用し、はるかに少ない熱エネルギを発生する。これは、引き込みコイル402が、一部の期間のみ励磁されているからである。この期間のON時間は、それ以外にデューティサイクルと称されるが、システムの特定の要求または所望の運用に基づいて設定されてもよい。
【0011】
様々な実施形態と関連して上述されるように、電力供給接点を閉じた状態で保持するのに要する電流量は、航空機または車両の設計に基づいて予め決定されてもよい。また、ソフトウェアアルゴリズムまたはデジタル論理は、一定時間の後に引き込みコイルへの電流の低減を開始して、振動が停止した場合に電流をゼロに低減させ、あるいは、接点のチャタリングが再開した場合に、電流を再び増加させるように作られ得る。
【0012】
本明細書に開示された実施形態は、全ての代替及び組合せに拡大することが理解されよう。本発明は、幅広い用途及び応用に適用可能であることが当業者によってさらに理解されよう。本明細書に記載されているもの以外の本発明の多くの実施形態及び変形例だけでなく、多くの適応、変形、及び均等な装置は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明及びその説明から明らかであるか、またはそれらによって合理的に示唆されるであろう。
【0013】
したがって、本発明は、例示的な実施形態と関連して、詳細に本明細書で説明されている一方で、本開示は、本発明の例証及び例示に過ぎず、十分に実施可能な開示を提供するためになされていると理解されるべきである。さらに、上述の説明は、本発明に限定して解釈されること、または、そのあらゆる適応、変形、または均等物を除外することを意図していない。
【国際調査報告】