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特表2024-523724窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法
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  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図1A
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図1B
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図2
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図3A
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図3B
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図4
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図5
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図6
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図7
  • 特表-窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】窒化アルミニウムインジウムを含んでいるバリア層を有している半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
H01L29/80 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500589
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022068612
(87)【国際公開番号】W WO2023280869
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】21184134.1
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514012568
【氏名又は名称】ソイテック ベルジャム ナムローゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デルルイン,ジョフ
(72)【発明者】
【氏名】カンダスワミー,プレム クマル
(72)【発明者】
【氏名】ピーターセン バルボサ リマ,ルカス
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102FA04
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GL04
5F102GL09
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC21
(57)【要約】
半導体構造(1)は、基板(100)と、前記基板(100)の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)と、を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)は、第1活性III-N層(201)と、前記第1活性III-N層(201)の上に位置しているスペーサ層(202)と、前記スペーサ層(202)の上に位置している拡散バリア層(203)と、前記拡散バリア層(203)の上に位置しており、かつ、窒化インジウムアルミニウムを含んでいる第2活性III-N層(204)と、を備えている。前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間には、2次元電子ガス(20)が位置している。前記拡散バリア層(203)は窒化ガリウムを含んでおり、前記拡散バリア層(203)の厚さは1nm未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造(1)であって、
基板(100)と、
前記基板(100)の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)と、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)は、
第1活性III-N層(201)と、
前記第1活性III-N層(201)の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)と、
前記スペーサ層(202)の上に位置している拡散バリア層(203)と、
前記拡散バリア層(203)の上に位置しており、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)と、を備えており、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガス(20)が位置しており、
前記拡散バリア層(203)は、窒化ガリウムを含んでおり、
前記拡散バリア層(203)の厚さは、1nm未満である、半導体構造(1)。
【請求項2】
前記拡散バリア層(203)は、単層である、請求項1に記載の半導体構造(1)。
【請求項3】
前記第1活性III-N層(201)は、窒化ガリウムを含んでいる、請求項1または2に記載の半導体構造(1)。
【請求項4】
前記スペーサ層(202)の厚さは、2nm未満である、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体構造(1)。
【請求項5】
前記半導体構造(1)は、前記第2活性III-N層(204)の上に位置しているパッシベーション層(300)をさらに備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体構造(1)。
【請求項6】
前記パッシベーション層(300)は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる、請求項5に記載の半導体構造(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体構造(1)を備えている高電子移動度トランジスタ(2)であって、
前記高電子移動度トランジスタ(2)は、ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)に直接的に接触しているゲートコンタクト(401)をさらに備えている、高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項8】
前記第2活性III-N層(204)は、前記ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)を部分的に貫くように延在しているリセス(402)を備えている、請求項7に記載の高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項9】
前記高電子移動度トランジスタ(2)は、
ソース領域(43)において前記第2活性III-N層(204)に接触しているソースコンタクト(403)、および/または、
ドレイン領域(44)において前記第2活性III-N層(204)に接触しているドレインコンタクト(404)、
をさらに備えている、請求項7または8に記載の高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項10】
半導体構造(1)を製造するための方法であって、
基板(100)を設けるステップと、
前記基板(100)の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップが、
第1活性III-N層(201)を設けるステップと、
前記第1活性III-N層(201)の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)を設けるステップと、
前記スペーサ層(202)の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層(203)を設けるステップと、
前記拡散バリア層(203)の上に、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガスが形成される、方法。
【請求項11】
高電子移動度トランジスタ(2)を製造するための方法であって、
基板(100)を設けるステップと、
前記基板(100)の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップが、
第1活性III-N層(201)を設けるステップと、
前記第1活性III-N層(201)の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)を設けるステップと、
前記スペーサ層(202)の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層(203)を設けるステップと、
前記拡散バリア層(203)の上に、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガスが形成され、
前記方法は、
ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)に直接的に接触するゲートコンタクト(401)を設けるステップを含んでいる、方法。
【請求項12】
前記スペーサ層(202)の上に前記拡散バリア層(203)を設けるために、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される、請求項10または11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、特にInAlNバリア層を含んでいる半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法に全般的に関する。より具体的には、本発明は、改善された移動度およびシート抵抗を示すInAlNバリア層を含んでいる半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法に関する。
【0002】
[背景]
GaNベースのヘテロ構造は、高い電子速度および高い臨界電界を示すので、高出力および高周波への適用についての関心が抱かれている。例えば、従来では、FETとも称される電界効果トランジスタ(field effect transistor)の製造において、AlGaN/GaNヘテロ構造が用いられている。この構造では、2DEGとも称される2次元電子ガス(two dimensional electron gas)が、AlGaNとGaNとの間の自発的な圧電性の分極によって生成される。
【0003】
2次元電子ガスの密度を増加させることは、デバイス性能を改善するために有効である。2次元電子ガスの密度を増加させるためには、AlGaNバリアのアルミニウム含有量を増加させるべきである。しかしながら、高いアルミニウム含有量を有するAlGaNは、GaNに対して大きく歪む。大きい歪みは、これらのGaNベースのヘテロ構造から製造されるデバイスの信頼性に影響を及ぼす。
【0004】
3元InAlN層は、バリア層として、従来のAlGaNに取って代わる可能性を有している。3元InAlNは、17%のインジウムおよび83%のアルミニウムという組成において、GaNに格子整合されうる。格子整合InAlN/GaNヘテロ構造は、InAlNバリア層とGaNとの間の界面における自発分極の差異に起因して、いかなるドーピングをも要することなく、高密度な2次元電子ガスを生じさせる。例えば、フォトニクスにおける適用は、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの製造から、広範囲の波長範囲のレーザダイオードにまで及ぶ。例えば、エレクトロニクスにおける適用は、高出力、高周波および/または高温のデバイスに適した高電子移動度トランジスタに関連している。InAlNをGaNに格子整合したバリア層として使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、かつ、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を生じさせつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせる。電子移動度をさらに高めるために、InAlNバリア層とGaNチャネル層との間の従来のスペーサ層として、AlN超薄層が使用されてもよい。この場合、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造が形成される。電子移動度は、GaNとAlNスペーサとの界面の急峻性のみならず、組成の均一性および結晶品質の観点からのスペーサ層自体の品質にも依存する。
【0005】
製造されるデバイスは高品質である可能性を秘めているが、上記構造の成長を制御することは容易ではない。実際に、InAlNの成長は、高温において固相へのインジウムの取り込みが熱的に阻害されることによって複雑となる。言い換えると、InAlN膜におけるInNおよびAlNという2元系の最適な成長温度が異なるゆえに、当該InAlN膜の成長は困難となる。具体的には、450℃を超える温度では、InNが分離する。その一方、良質な結晶膜を得るためには、1000℃を超える温度においてAlNを成長させることを要する。
【0006】
図1Aおよび図1Bは、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中心93からの、端数を切り捨てた半径(rounded radius)92の関数として示している。したがって、図1Aおよび図1Bの両方において、点93はウェハの中心に対応しており、点94は当該ウェハのエッジ(縁)に対応している。図1Aは、成長後のウェハを熱アニールする前の、当該ウェハのシート抵抗95を示す。その一方、図1Bは、例えばウェハを750℃において30分間に亘りアニールした場合における、熱アニール後の当該ウェハのシート抵抗96を示す。シート抵抗95は、熱アニール前のウェハの半径に沿って、225Ω/sqに達している。その一方、シート抵抗96は、熱アニール後のウェハの半径に沿って、250Ω/sqから425Ω/sqまで増加している。熱アニール後のウェハのシート抵抗96は、熱アニール前のウェハのシート抵抗95よりもはるかに高いことが明らかである。例えば熱アニール時に、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造を高温に曝すことは、そのシート抵抗の低下を招く。さらに、熱アニール後のInAlN/AlN/GaNヘテロ構造のシート抵抗96の低下は、ウェハの中心93の近傍に比べて、当該ウェハのエッジの94に近傍における方がより顕著であることが、図1Bから理解できる。
【0007】
図1Aおよび図1Bにおいて検討されているウェハに対して実行されたホール測定(Hall measurement)は、当該ウェハの熱アニール時に低下する量は2DEGにおける電子の量ではないことを示している。上記ホール測定は、シート抵抗の増加に反比例する、電子移動度の明確な減少を示している。この移動度の減少は、スペーサ層の急峻性および組成の均一性の低下によって説明可能である。
【0008】
[概要]
そこで、本発明の実施形態は、従来技術における固有の欠点を示さない半導体構造および製造方法を提示することを目的としている。より具体的には、本発明の実施形態の目的は、熱安定性が改善され、かつ、電子移動度が改善された半導体構造および当該半導体構造の製造方法を提示することにある。
【0009】
本発明の様々な実施形態に応じて求められている保護の範囲は、独立請求項によってのみ示されている。
【0010】
本明細書に記載されている実施形態および構成のうち、独立請求項の範囲に含まれないものがあれば、それらは本発明の様々な実施形態を理解するために有用な例として解釈されるべきである。
【0011】
高出力かつ高周波への適用のための半導体構造に対するニーズが存在している。当該半導体構造は、GaNに格子整合したバリア層を含んでおり、かつ、改善された熱安定性と改善された電子移動度とを示す。
【0012】
この目的は、本開示の第1の例示的な態様によれば、下記の半導体構造によって達成される。すなわち、当該半導体構造は、
-基板と、
-前記基板の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック(半導体層の積層体)と、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、
・第1活性III-N層と、
・前記第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウム(Aluminium Nitride)を含んでいるスペーサ層と、
・前記スペーサ層の上に位置している拡散バリア層と、
・前記拡散バリア層の上に位置しており、当該拡散バリア層に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウム(Indium Aluminium Nitride)を含んでいる第2活性III-N層と、を備えており、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが位置しており、
前記拡散バリア層は窒化ガリウム(Gallium Nitride)を含んでおり、前記拡散バリア層の厚さは1nm未満である。
【0013】
従来技術の半導体構造は、(i)第1活性III-N層と、(ii)第1活性III-N層の上に位置しているスペーサ層と、(iii)スペーサ層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層と、を備えたエピタキシャルIII-N半導体層スタックを含んでいる。当該半導体構造において、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層は、第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、非常に高い引張り歪みを伴うスペーサ層に直接的に接触している。インジウム原子は第1活性III-N層または第2活性III-N層に含まれるガス原子またはAl原子よりも大きいので、当該インジウム原子は第2活性III-N層の格子に非常に大きい局所的な圧縮歪みを生じさせる。熱アニール時に、インジウム原子は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層から、少なくともスペーサ層の内部へと移動(マイグレーション)する。言い換えれば、第2活性III-N層のインジウム原子は、熱アニール時に第1活性III-N層に向かって拡散または移動する。このことは、スペーサ層の組成均一性を崩し、かつ、スペーサ層と第1活性III-N層との間の界面を、平滑化させるか、ぼやけさせるか、または軟化させる。
【0014】
本発明の第1の態様に係る半導体構造は、高周波用途に好適である。例えば、格子整合InAlN/GaNヘテロ構造は、InAlNバリア層とGaNとの間の界面における自発分極の差異に起因して、いかなるドーピングを伴うことなく、高密度な2次元電子ガスを生じさせる。第1活性III-N層に格子整合したバリア層としてInAlNを使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を与えつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせる。第1活性III-N層と拡散バリア層との間においてエピタキシャル成長したスペーサ層は、半導体構造の電子移動度をさらに高める。
【0015】
例えば、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、スペーサ層の上においてエピタキシャル成長し、かつ、自身の上において第2活性III-N層がエピタキシャル成長する拡散バリア層は、第2活性III-N層から少なくともスペーサ層の内部へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、半導体構造が例えば熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層からスペーサ層および第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層から、スペーサ層、第1活性III-N層、および基板への、インジウム原子の拡散または移動を防止する。
【0016】
それゆえ、スペーサ層と第2活性III-N層との間において成長した拡散バリア層を有していないエピタキシャルIII-N半導体層スタックを含んでいる半導体構造と比較した場合、当該拡散バリア層は、半導体構造の内部における、改善された熱安定性、改善された電子移動度、および改善されたシート抵抗を保証する。言い換えれば、本開示の第1の例示的な態様に係る拡散バリア層は、少なくとも半導体構造のスペーサ層の内部へのインジウム原子の歪媒介拡散を許容する。
【0017】
本開示の文脈では、拡散バリア層の厚さが1nm未満である場合には、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部はフェルミ準位未満には低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。例えば、拡散バリア層の厚さは、1nmまたは0.5nmの厚さである。例えば、拡散バリア層の厚さは、0.85nmである。例えば、拡散バリア層は、窒化ガリウムの複数の単層(monolayer)を含んでいる。例えば、拡散バリア層は、4つ以下の窒化ガリウムの単層を含んでいる。拡散バリア層の厚さを1nm未満まで低減させことにより、拡散バリア層の内部における電荷の数が最小化されるので、漏れが最小化される。拡散バリアの厚さを1nm未満まで低減させた場合、2DEGを第2活性III-N層にさらに近づくことにより、合金散乱が増加する可能性がある。したがって、本開示に係る半導体構造によって解決される技術的課題は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を備えている半導体構造における漏れを最小化することでありうる。
【0018】
本開示に係る半導体構造によれば、拡散バリア層と第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さ方向に沿って形成されている層は存在していない。本開示に係る拡散バリア層によれば、2DEGと第2活性III-N層との間の物理的な隔離量(separation)を増大させる必要がない。
【0019】
本開示の文脈において、モル分率(mole fraction or molar fraction)は、モルによって表された成分の量を、モルによって表された混合物中のすべての成分の総量によって除算した単位として定義されている。本開示の第1の例示的な態様によれば、拡散バリア層は、0.20未満のアルミニウムモル分率(例:0.19、0.18、0.17、0.16、0.15、0.14、0.13、0.12、0.11、0.10など)を有している。言い換えると、拡散バリア層のアルミニウム含有量は、0%~20%の範囲である。ある層におけるアルミニウムの含有量は、当該層におけるアルミニウム原子の数と当該層における全てのIII族原子の総数との比率として定義されている。本開示の第1の例示的な態様によれば、拡散バリア層は、インジウムを含んでいない。
【0020】
本開示の文脈において、例えば、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層(電子誘起バリア層)である。当該第2活性III-N層は、例えば0.22未満のインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。本開示の文脈において、例えば、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、例えば0.17または0.18というインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。0.17というインジウムモル分率および0.83というアルミニウムモル分率を有する第2活性III-N層は、例えば、GaNに格子整合する。好ましくは、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、例えば0.14~0.22という範囲のインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。例示的な実施形態では、第2活性III-N層のインジウムアルミニウム窒化物が0.20というインジウムモル分率を有している場合、当該インジウムアルミニウム窒化物は0.80というアルミニウムモル分率を有している。別の例示的な実施形態では、第2活性III-N層のインジウムアルミニウム窒化物が0.14というインジウムモル分率を有している場合、当該インジウムアルミニウム窒化物は0.86というアルミニウムモル分率を有している。言い換えれば、第2活性III-N層の窒化アルミニウムインジウムは、例えば、0.80~0.86という範囲のアルミニウムモル分率を有している。この場合、第2活性III-N層は、第1活性III-N層に対して圧縮性を有している。その一方、当該第1活性III-N層は、0.20または0.21というインジウムモル分率を有しており、引張性を有している。代替的には、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、インジウムアルミニウム窒化ガリウムを含んでいる。この場合、例えば、ガリウムモル分率は、0.20までの値をとる。
【0021】
エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、エピタキシャル活性層を含んでいる。当該エピタキシャル活性層は、(i)第1活性III-N層と、(ii)スペーサ層と、(ii)拡散バリア層と、第2活性III-N層と、を備えている。当該エピタキシャル活性層は、有機金属化学気相成長エピタキシャルチャンバ内において、インサイチュ(in-situ)で形成される。このことは、MOCVDとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、有機金属気相エピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、MOVPEとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、分子ビームエピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、MBEとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、化学ビームエピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、CBEとも称される。
【0022】
半導体構造は、有機金属化学気相蒸着(metal-organic chemical vapour deposition,MOCVD)または有機金属気相エピタキシー(metal-organic vapour phase epitaxy,MOVPE)によるエピタキシャル成長によって形成されてよい。あるいは、当該半導体構造は、分子ビームエピタキシー(molecular beam epitaxy,MBE)または化学ビームエピタキシー(chemical beam epitaxy,CBE)によって形成されてもよい。MOVPEまたはMOCVDのプロセスにおいて、典型的には、エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、例えば5mBar~1Barの圧力で、かつ、例えば600℃~1200℃の温度で、基板上においてエピタキシャル成長させられる。前駆体(プリカーサ)は、(i)窒素についてアンモニア(NH)であってよく、(ii)ガリウムについては、トリ-メチル-Ga(TMGa)またはトリ-エチル-Ga(TEGa)であってよく、(iii)アルミニウムについては、トリ-メチル-Al(TMAl)またはトリ-エチル-Al(TEAl)であってよく、(iv)インジウムについてはトリ-メチル-インジウム(TMIn)であってよく、(v)シリコン(ケイ素)については、シラン(SiH)またはジシラン(SiHであってよい。ただし、当該前駆体は、これらに限定されない。
【0023】
III族窒化物は、(i)周期表におけるIII族の元素と、(ii)Nとも称される窒素と、によって形成される半導体化合物を指す。III族の元素は、例えば、Bとも称されるボロン(ホウ素)、Alとも称されるアルミニウム、Gaとも称されるガリウム、Inとも称されるインジウムである。2元(バイナリ)III族窒化物化合物の例は、GaN、AlN、BNなどである。III族窒化物は、例えば、InAlN、AlGaN、InAlGaNなどの3元および4元の化合物も指す。
【0024】
2次元電子ガスは、2次元において自由に移動するが、第1次元において緊密に閉じ込められている電子のガスである。この緊密な閉じ込めは、その方向の運動についての量子化されたエネルギーレベル(準位)をもたらす。電子は、3D(3次元)世界に埋め込まれた2Dシートであるかのように観察される。高電力および/または高周波の用途について特に関心が抱かれているデバイスは、HEMTとも称される高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor)である。本発明によれば、エピタキシャルIII-V半導体層スタックとゲートとの間に、パッシベーション(不動態化)スタックが形成される。パッシベーションスタックは、ゲートの下方にのみ形成されてもよい。当該パッシベーションスタックは、ゲート誘電体として追加的に機能しうる。代替的には、パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックの上に形成されていてよい。当該パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックを完全に覆っていてもよい。代替的には、パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックの上に形成されており、かつ、当該エピタキシャルIII-V半導体層スタックの表面を部分的に覆っていてもよい。例えば、パッシベーションスタックは、本発明に係る高移動度電子トランジスタのソースとドレインとの間の非ゲート領域の内部に形成されていてもよい。この場合、当該パッシベーションスタックは、パッシベーションとして機能し、下方に位置している2DEGの空乏化(枯渇)を防止する。
【0025】
本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造において、GaNを含んでいる拡散バリア層は、スペーサ層の引張歪み成分を低下させるので、最大の圧縮歪みを示す。
【0026】
例示的な実施形態によれば、拡散バリア層は、単層である。
【0027】
この場合、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部は、フェルミ準位未満に低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。さらに、拡散バリア層のアルミニウム含有量は、単層に亘って一定である。
【0028】
例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層は、窒化ガリウムを含んでいる。
【0029】
好ましくは、第1活性III-N層は、エピタキシャル成長する。当該第1活性III-N層は、純粋な窒化ガリウムを含んでおり、好ましくは窒化ガリウムの単層を含んでいる。
【0030】
好ましくは、スペーサ層は、エピタキシャル成長する。当該スペーサ層は、純粋な窒化アルミニウムを含んでいる。
【0031】
例示的な実施形態によれば、スペーサ層の厚さは、2nm未満である。
【0032】
この場合、スペーサ層は、当該スペーサ層の粗さを最小化するように十分に薄く維持されている。粗さを最小化することにより、スペーサ層は、少なくとも第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。この場合、半導体構造の熱的安定性がさらに改善される。言い換えれば、スペーサ層が薄いほど、半導体構造の熱的安定性はより良好となる。好ましくは、スペーサ層の厚さは、0.5nm~1.5nmである。よりいっそう好ましくは、スペーサ層の厚さは、0.8nm~1nmである。
【0033】
本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造の基板は、Si、シリコンオンインシュレータ(Silicon-On-Insulator)、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)、サファイアのうちの1つ以上を含んでいる。この場合、本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造の製造は、相補型金属酸化膜半導体技術およびプロセスのために開発された既存の製造技術と互換性を有している。言い換えれば、半導体構造の製造は、現在の性質としてCMOS適合性を有している。そして、現在のプロセスステップが、多大な追加の労力を要することなく統合されうる。このことは、上述の半導体構造の製造に関連する複雑性およびコストを低減させる。好ましくは、基板は、<111>Si基板などのSi基板、およびそれらの組み合わせである。当該基板は、層のスタックなどの初期層を含んでいる。代替的には、半導体構造の基板は、Geとも称されるゲルマニウム、または、ゲルマニウムオンインシュレータ(Ge-On-Insulator)などを含んでいる。代替的には、半導体構造の基板は、自立(free-standing)GaN基板、自立AlN基板を含んでいる。
【0034】
代替的には、エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。当該バッファ層は、基板とは異なる特性(性質)を有していてよい。例えば、基板のバンドギャップとバッファ層のバンドギャップとは、比較的離れている(例:それぞれ1.1eV、6.2eV)。この場合、バッファ層は、高いバンドギャップを有している。これにより、高い降伏電圧などの現在の特性をもたらすことができる。当該降伏電圧は、例えば250Vよりも高く、好ましくは500Vよりも高く、さらにより好ましくは1000Vよりも高く(例:2000Vよりも高く)、あるいは、よりいっそうはるかに高い。一例として、バッファ層は、高いバンドギャップを有しているIII-V族バッファ層である。本明細書において、IIIは、III族元素を指す。III族元素は、13族元素および3族元素である。これらの元素は、例えば、B、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、ランタニド系列、およびアクチニド系列などである。本明細書において、Vは、V族元素を指す。V族元素は、N、P、As、Sb、BiなどのN族元素である。バッファ層は、複数の層のスタックを含んでいる。一例として、典型的には、当該複数の層における第1層は、核形成層である。
【0035】
代替的には、半導体構造は、シリコンベースウエハをさらに備えている、この場合、バッファ層スタックは、シリコンベースウエハおよびバッファ層に直接的に接触しているAlN核形成層によって、当該シリコンベースウエハから隔離されている。代替的には、核形成層の総厚は、10nm~200nmの範囲である。好ましい実施形態によれば、バッファ層スタックは、上側バッファ層と下側バッファ層とを有している。この場合、下側バッファ層はAlN核形成層に直接的に接触しており、上側バッファ層は活性層に直接的に接触している。好ましい実施形態によれば、バッファ層スタックの総厚は、500nm~10μmの範囲である。好ましくは、バッファ層スタックの層は、全て(In)AlGaN層である。
【0036】
例示的な実施形態によれば、半導体構造は、第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層をさらに備えている。
【0037】
パッシベーション層は、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの形成と共に、インサイチュで形成される。この場合、完全結晶パッシベーション層(完全な結晶性のパッシベーション層)が、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの上においてエピタキシャル成長する。あるいは、部分結晶パッシベーション層(部分的に結晶性のパッシベーション層)が、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの上においてエピタキシャル成長する。パッシベーション層は、ALDとも称される原子層堆積(atomic layer deposition)、CVDとも称される化学気相蒸着(chemical vapor deposition)、またはPVDと称される物理気相蒸着(physical vapor deposition)などのエピタキシーツールの補助を受けて、エクスサイチュ(ex-situ)堆積によって形成されてもよい。代替的には、パッシベーション層は、MOCVDまたはMBEチャンバ内でのインサイチュ堆積によって形成されてもよい。代替的には、同じ材料のアモルファス膜を堆積し、熱アニールを用いて当該アモルファス膜を再結晶することによって、パッシベーション層が形成されてもよい。第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層は、例えば窒化ガリウムを含んでいる。代替的には、第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素(Silicon Nitride)を含んでいる。
【0038】
例示的な実施形態によれば、パッシベーション層は、窒化ケイ素および/または酸化物の層(Silicon Nitride and/or oxide layer)を含んでいる。
【0039】
この場合、本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造のパッシベーション層は、パッシベーション層として機能する、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。酸化物層は、(i)第2活性III-N層に対する電気的に洗浄なインターフェースと、(ii)半導体構造上に形成された電気的なコンタクトと2DEGとの間の静電的カップリングを最大化するための高い誘電率と、を示す。このことは、例えば、上記半導体構造を有するように製造された高電子移動度トランジスタの相互コンダクタンス(トランスコンダクタンス)の増加をもたらすとともに、量子トンネリングによる誘電破壊および漏れを避けるために十分な厚さをもたらす。
【0040】
例示的な実施形態によれば、本発明の例示的な第1の実施形態に係る半導体構造を備えた高電子移動度トランジスタが提供される。当該高電子移動度トランジスタは、
-基板と、
-前記基板の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタックと、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、
・第1活性III-N層と、
・前記第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層と、
・前記スペーサ層の上に位置している拡散バリア層と、
・前記拡散バリア層の上に位置しており、当該拡散バリア層に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層と、を備えており、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが位置しており、
前記拡散バリア層は窒化ガリウムを含んでおり、前記拡散バリア層の厚さは1nm未満であり、
前記高電子移動度トランジスタは、ゲート領域において前記第2活性III-N層に直接的に接触しているゲートコンタクトをさらに備えている。
【0041】
本開示の文脈では、拡散バリア層の厚さが1nm未満である場合、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部はフェルミ準位未満に低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。例えば、拡散バリア層の厚さは、1nmまたは0.5nmである。例えば、拡散バリア層の厚さは、0.85nmである。例えば、拡散バリア層は、窒化ガリウムの複数の単層を含んでいる。例えば、拡散バリア層は、4層以下の窒化ガリウムの単層を含んでいる。拡散バリア層の厚さを1nm未満に低減することにより、当該拡散バリア層の内部における電荷の数が最小化され、漏れが最小化される。拡散バリア層の厚さを1nm未満に減少させた場合、2DEGが第2活性III-N層にさらに近づくことによって、合金散乱が増加する可能性がある。したがって、本開示による高電子移動度トランジスタによって解決される技術的課題は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を備えた高電子移動度トランジスタにおけるリークを最小化することでありうる。
【0042】
本開示に係る高電子移動度トランジスタによれば、拡散バリア層と第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さ方向に沿って形成されている層が存在していない。本開示に係る拡散バリア層によれば、2DEGと第2活性III-N層との間の物理的な隔離量を増大させる必要がない。
【0043】
ゲート領域の内部にはゲート電極が設けられており、高電子移動度トランジスタが形成されている。ゲート電極は、ゲート領域の内部において、第2活性III-N層に直接的に接触している。言い換えると、ゲートコンタクトと第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さに沿った方向に沿って、いかなる他の層も形成されていない。ゲート領域の内部へのゲート電極の形成は、複数のステップ(工程)を含んでいる。例えば、このステップは、(i)フォトレジストを堆積させることと、(ii)例えばパッシベーション層が存在する場合に、当該パッシベーション層を部分的に除去することによって、ゲートコンタクトの足部(foot)を画定するリソグラフィステップを実行することと、を含んでいる。このようにして、パッシベーション層のうちの一部の層は、高電子移動度トランジスタのゲートの下方に残存し、トラップ効果および漏れ電流を低減するためのゲート誘電体を形成する。例えば、ゲート電極は、MOSゲートとも称される金属-酸化物-半導体ゲートである。例えば、当該ゲート電極は、金属スタックを堆積することによって作成されてよい。当該金属スタックは、(i)Ni、Pt、W、WN、またはTiNを含んでおり、かつ、(ii)Al、Au、またはCuによってキャップされている。金属パターンは、フォトレジストの上に金属をリフトオフすることによって連続的に画定される。代替的には、例えば、ゲート金属スタックは、(i)Ni、Pt、W、WN、またはTiNを含むように堆積され、かつ、(ii)Al、Au、またはCuによってキャップされる。次いで、フォトレジストステップおよびリソグラフィステップが実行される。このように画定されたフォトレジストパターンは、金属スタックに対するドライエッチングが望まれない領域における、当該ドライエッチングに対するマスクとして機能する。次いで、フォトレジストが除去される。
【0044】
例示的な実施形態によれば、第2活性III-N層は、ゲート領域の内部において第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセス(凹部)を備えている。
【0045】
ゲート領域内における第2活性III-N層のリセスによれば、ゲートコンタクトを2DEGに近づけることができるので、ゲートがバイアスされている場合における、2DEGからの電子の空乏化効果が向上する。本開示に係る高電子移動度トランジスタでは、ゲートを形成するために、ゲート領域内の第2活性III-N層を完全に除去する必要はないし、ゲート領域内の拡散バリア層を部分的に除去する必要もない。言い換えると、ゲート領域内のゲートコンタクトは、拡散バリア層に直接的に接触していない。
【0046】
例示的な実施形態によれば、高電子移動度トランジスタは、
-ソース領域において第2活性III-N層に接触しているソースコンタクト、および/または、
-ドレイン領域において第2活性III-N層に接触しているドレインコンタクト、
をさらに備えている。
【0047】
例えば、オーミックコンタクトは、ソース領域および/またはドレイン領域にそれぞれ形成されている。ソースコンタクトおよびドレインコンタクトは、2DEGに対するオーミックコンタクトである。ソースコンタクトおよびドレインコンタクトは、例えば、(i)Ti/Al/Ni/Au、(ii)Ti/Al/Mo/Au、(iii)Ti/Al/Ti/Au、(iv)Ti/Al/Ti/W、(v)Ti/Al/W、(vi)Ti/Al/W/Cr、(vii)Ta/Al/Ta、(viii)V/Al/Ni/Au、などの金属スタックを、第2活性III-N層に接触させるように堆積させることによって作成されてよい。第2活性III-N層は、金属堆積に先立って陥凹されてもよい。接触特性は、典型的には800℃~900℃に含まれる温度(例:850℃)において、窒素雰囲気またはフォーミングガス雰囲気中での熱アニールによってさらに改善されうる。代替的には、当業者に公知の方法を使用して、追加の金属相互接続層が画定される。これにより、ゲート電流、ソース電流、およびドレイン電流のための低抵抗電流経路を実現できる。パッシベーション層が存在している場合、好ましくは、ソース領域およびドレイン領域において当該パッシベーション層がエッチング除去される。言い換えれば、ソース領域およびドレイン領域においてパッシベーション層がエッチング除去されることによって、ソース領域およびドレイン領域において第2活性III-N層を露出させることができる。代替的な実施形態によれば、第2活性III-N層は、ウェットエッチングによって、例えばアルカリ溶液中またはレジスト現像液中において、部分的にエッチングされる。この場合、ソース領域およびドレイン領域において、第2活性III-N層にそれぞれのオーミックコンタクトを部分的に形成することが可能となる。オーミックコンタクトの領域が画定された場合(すなわち、ソース領域およびドレイン領域が画定された場合)、例えば、熱蒸着によって、スパッタリングによって、または電子ビーム蒸着によって、金属層または金属層のスタックが堆積させられてよい。フォトレジストの上に位置しており、かつ、第2活性III-N層に接触していない金属のリフトオフを実行することによって、金属パターンが連続的に画定される。代替的には、フォトレジストが最初に除去され、そして、例えばTiおよびAlを含んでいる金属スタックが堆積させられる。次いで、第2のフォトレジスト堆積ステップおよびフォトリソグラフィステップが実行される。これにより、金属スタックが望まれない領域における、当該金属スタックに対するドライエッチングが実現され、フォトレジストが除去される。
【0048】
第2の例示的な態様によれば、半導体構造を製造するための方法が提供される。当該方法は、
-基板を設けるステップと、
-前記基板の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップが、
・第1活性III-N層を設けるステップと、
・前記第1活性III-N層の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層を設けるステップと、
・前記スペーサ層の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層を設けるステップと、
・前記拡散バリア層の上に、当該拡散バリア層に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが形成される。
【0049】
本開示の第2の態様に係る半導体構造の製造方法は、高電力かつ高周波の用途のデバイスの製造に適している。例えば、格子整合InAlN/GaNヘテロ構造を含んでいるデバイスを製造するにより、InAlNバリア層とGaNとの界面における自発分極の差に起因して、いかなるドーピングをも要することなく、高密度2次元電子ガスを生じさせることができる。第1活性III-N層に格子整合したバリア層としてInAlNを使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を与えつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせることができる。第1活性III-N層と拡散バリア層との間においてエピタキシャル成長したスペーサ層は、半導体構造の電子移動度をさらに高める。
【0050】
例えば、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、スペーサ層の上においてエピタキシャル成長し、かつ、自身の上において第2活性III-N層がエピタキシャル成長する拡散バリア層は、第2活性III-N層から少なくともスペーサ層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、例えば半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層からスペーサ層および第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、例えば半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層から、スペーサ層、第1活性III-N層、および基板へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。
【0051】
それゆえ、スペーサ層と第2活性III-N層との間において成長した拡散バリア層を有していないエピタキシャルIII-N半導体層スタックを備えた半導体構造と比較した場合、当該拡散バリア層は、半導体構造内における改善された熱安定性、改善された電子移動度、および改善されたシート抵抗を保証する。言い換えれば、本開示の第1の例示的な態様に係る拡散バリア層は、少なくとも半導体構造のスペーサ層の内部へのインジウム原子の歪媒介拡散を許容する。
【0052】
好ましくは、第1活性III-N層を設けることは、純粋な窒化ガリウムの単層を成長させることに対応している。好ましくは、第1活性III-N層の上にスペーサ層を設けることは、純粋な窒化アルミニウムの単層を成長させることに対応している。
【0053】
例示的な実施形態によれば、高電子移動度トランジスタを製造する方法が提供されている。当該方法は、
-基板を設けるステップと、
-前記基板の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップが、
・第1活性III-N層を設けるステップと、
・前記第1活性III-N層の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層を設けるステップと、
・前記スペーサ層の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層を設けるステップと、
・前記拡散バリア層の上に、当該拡散バリア層に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが形成され、
前記方法は、
-ゲート領域において前記第2活性III-N層に直接的に接触するゲートコンタクトを設けるステップを含んでいる。
【0054】
例示的な実施形態によれば、スペーサ層の上に拡散バリア層を設けるために、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される。
【0055】
この場合、本開示の第2の例示的な態様に係る半導体構造の製造方法によれば、拡散バリア層の成長と第2活性III-N層の成長との間における成長中断が生じない。言い換えると、拡散バリア層および第2活性III-N層は両方とも、同じプロセス条件のもとで成長する。スペーサ上に形成される拡散バリア層の実際の成長面の温度が725~825℃の範囲となるように、当該拡散バリア層の成長が実行される。言い換えると、拡散バリア層を成長させる前のスペーサ層の表面の温度は、725℃~825℃の範囲である。そして、スペーサ層の上において拡散バリア層を成長させる期間における、当該拡散バリア層のスペーサ層と接する面と反対側の成長面の温度は、725℃~825℃の範囲である。代替的には、拡散バリア層は、825℃より高い温度でスペーサ層の上において成長する。本開示の要旨においては、スペーサ層を800℃よりも低い温度で成長させてもよい。あるいは、スペーサ層を800℃よりも高い温度で成長させてもよい。
【0056】
[図面の簡単な説明]
以下では、複数の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して説明されている。
【0057】
図1は、従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
【0058】
図2は、本開示に係る半導体構造の例示的な実施形態を示す。
【0059】
図3は、本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
【0060】
図4は、本開示に係る半導体構造を製造するための方法の例示的な実施形態を示す。
【0061】
図5は、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0062】
図6は、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0063】
図7は、第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0064】
図8は、第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0065】
[(1つ以上の)実施形態の詳細な説明]
図1Aおよび図1Bは、従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。図1Aおよび図1Bは、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中心93からの、端数を切り捨てた半径92の関数として示している。したがって、図1Aおよび図1Bの両方において、点93はウェハの中心に対応しており、点94は当該ウェハのエッジに対応している。図1Aは、成長後のウェハを熱アニールする前の、当該ウェハのシート抵抗95を示す。その一方、図1Bは、例えばウェハを750℃において30分間に亘りアニールした場合における、熱アニール後の当該ウェハのシート抵抗96を示す。シート抵抗95は、熱アニール前のウェハの半径に沿って、225Ω/sqに達している。その一方、シート抵抗96は、熱アニール後のウェハの半径に沿って、250Ω/sqから425Ω/sqまで増加している。熱アニール後のウェハのシート抵抗96は、熱アニール前のウェハのシート抵抗95よりもはるかに高いことが明らかである。例えば熱アニール時に、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造を高温に曝すことは、そのシート抵抗の低下を招く。さらに、熱アニール後のInAlN/AlN/GaNヘテロ構造のシート抵抗96の低下は、ウェハの中心93の近傍に比べて、当該ウェハのエッジの94に近傍における方がより顕著であることが、図1Bから理解できる。
【0066】
図2は、本開示に係る半導体構造1の例示的な実施形態を示す。半導体構造1は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態では、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層(spacer layer)202と、(iii)空間層(space layer)202の上において成長した拡散バリア層203と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に形成されており、当該拡散バリア層203に直接的に接触している。
【0067】
図3Aおよび図3Bは、本開示に係る半導体構造1のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。図3Aおよび図3Bは、本開示に係るInAlN/AlN/GaNヘテロ構造1のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中心93からの、端数を切り捨てた半径92の関数として示している。したがって、図3Aおよび図3Bの両方において、点93はウェハの中心に対応しており、点94は当該ウェハのエッジに対応している。図3Aは、本開示に係る半導体構造1を成長させた後に、ウェハを熱アニールする前の、当該半導体構造1のシート抵抗97を示す。その一方、図3Bは、例えば本開示に係る半導体構造1を750℃において30分間に亘りアニールした場合における、当該半導体構造1のシート抵抗97を示す。シート抵抗97は、熱アニール前のウェハの半径に沿って。225Ω/sq~230Ω/sqの範囲である。シート抵抗98も、熱アニール後のウェハの半径に沿って、225Ω/sq~230Ω/sqの範囲である。本開示に係る半導体構造1が成長した後のウェハ98のシート抵抗は、熱アニール前と比較した場合に、熱アニール後に変化しないことが明らかである。言い換えれば、例えば熱アニール時に、本開示に係る半導体構造1を、ある一定の時間に亘り高温に曝すことは、当該半導体構造のシート抵抗の低下を生じさせない。加えて、ウェハのエッジ94と当該ウェハの中心93の近傍との間において、熱アニール後における本開示に係る半導体構造1のシート抵抗98の値に差異がないことが、図3Bから理解できる。
【0068】
図4は、本開示に係る半導体構造を製造する方法の例示的な実施形態を示す。当該方法は、第1主ステップ901において、基板100を設けることを含んでいる。当該方法は、第1ステップ901に後続する第2メインステップ902において、基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設けることを含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第1活性III-N層201を設ける第1ステップ903を含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第1ステップ903に後続する第2ステップ904をさらに含んでいる。第2ステップ904は、第1活性III-N層201の上にスペーサ層202を設けることを含んでいる。当該スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第2ステップ904に後続する第3ステップ905をさらに含んでいる。第3ステップ905は、スペーサ層202の上に拡散バリア層203を設けることを含んでいる。当該拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。当該拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第3ステップ905に後続する第4ステップ906をさらに含んでいる。第4ステップ906は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように、第2活性III-N層204を設けることを含んでいる。当該第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。この場合、第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間に、2次元電子ガス20を形成できる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層の上に拡散バリア層203を設ける当該方法のステップに対して、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される。さらなる任意の例示的な実施形態によれば、当該方法は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触するゲートコンタクト401を設ける工程をさらに含んでいる。
【0069】
図5は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層203と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触するゲートコンタクト401をさらに備えている。
【0070】
図6は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。高電子移動度トランジスタ2は、(i)ソース領域43において第2活性III-N層204に接触しているソースコンタクト403、および/または、(ii)ドレイン領域44において第2活性III-N層204に接触しているドレインコンタクト404を、さらに備えている。
【0071】
図7は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。第2活性III-N層204は、ゲート領域400において第2活性III-N層204を部分的に貫くように延在しているリセス402を備えている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。
【0072】
図8は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。第2活性III-N層204は、ゲート領域400において第2活性III-N層204を部分的に貫くように延在しているリセス402を備えている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。高電子移動度トランジスタ2は、(i)ソース領域43において第2活性III-N層204に接触しているソースコンタクト403、および/または、(ii)ドレイン領域44において第2活性III-N層204に接触しているドレインコンタクト404を、さらに備えている。
【0073】
以上の通り、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の例示的な実施形態の詳細部に限定されるべきではなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えて、本発明が具現化されてもよいことは当業者には明らかであろう。したがって、これらの実施形態は、全ての点において例示的であり、限定的なものではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、上述の説明によって示されているのではなく、添付の特許請求の範囲によって示されている。したがって、特許請求の範囲に含まれる全ての変更は、本発明の範囲に含まれるものとして意図されている。
【0074】
さらに、本特許出願の読者は、(i)「備えている(comprising)」または「備える(comprise)」という語は他の要素またはステップを排除するものではなく、(ii)「a」または「an」という語は複数を排除するものではなく、(iii)コンピュータシステム、プロセッサ、または別の集積ユニットなどの単一の要素が、特許請求の範囲に記載されている複数の手段(means)の機能を果たす場合があることも理解できるであろう。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、関連するそれぞれの請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」、「a」、「b」、「c」などの用語は、本明細書または特許請求の範囲において使用される場合、類似の要素またはステップを区別するために導入されており、必ずしも連続的または時系列的な順序を表しているわけではない。同様に、「上(top)」、「底(bottom)」、「上に(over)」、「下に(under)」などの用語は、説明を目的として導入されており、必ずしも相対的な位置を示しているわけではない。このように使用されている用語は、適切な状況下において交換可能であることが理解されるべきである。このため、本発明の実施形態は、本発明に従って、(1つ以上の)上述の説明または図示とは異なる順序または向きにおいて実現されてもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1A】従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図1B】従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図2】本開示に係る半導体構造の例示的な実施形態を示す。
図3A】本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図3B】本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図4】本開示に係る半導体構造を製造するための方法の例示的な実施形態を示す。
図5】本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図6】本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図7】第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図8】第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造(1)であって、
基板(100)と、
前記基板(100)の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)と、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)は、
第1活性III-N層(201)と、
前記第1活性III-N層(201)の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)と、
前記スペーサ層(202)の上に位置している拡散バリア層(203)と、
前記拡散バリア層(203)の上に位置しており、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)と、を備えており、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガス(20)が位置しており、
前記拡散バリア層(203)は、窒化ガリウムを含んでおり、
前記拡散バリア層(203)の厚さは、1nm未満である、半導体構造(1)。
【請求項2】
前記半導体構造(1)は、ウェハ上においてエピタキシャル成長しており、
前記半導体構造(1)のシート抵抗の値は、前記ウェハのエッジと前記ウェハの近傍とにおいて相異していない、請求項1に記載の半導体構造(1)。
【請求項3】
前記シート抵抗は、230Ω/sq未満である、請求項2に記載の半導体構造(1)。
【請求項4】
前記拡散バリア層(203)は、単層である、請求項1に記載の半導体構造(1)。
【請求項5】
前記第1活性III-N層(201)は、窒化ガリウムを含んでいる、請求項に記載の半導体構造(1)。
【請求項6】
前記スペーサ層(202)の厚さは、2nm未満である、請求項に記載の半導体構造(1)。
【請求項7】
前記半導体構造(1)は、前記第2活性III-N層(204)の上に位置しているパッシベーション層(300)をさらに備えている、請求項に記載の半導体構造(1)。
【請求項8】
前記パッシベーション層(300)は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる、請求項に記載の半導体構造(1)。
【請求項9】
請求項に記載の半導体構造(1)を備えている高電子移動度トランジスタ(2)であって、
前記高電子移動度トランジスタ(2)は、ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)に直接的に接触しているゲートコンタクト(401)をさらに備えている、高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項10】
前記第2活性III-N層(204)は、前記ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)を部分的に貫くように延在しているリセス(402)を備えている、請求項に記載の高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項11】
前記高電子移動度トランジスタ(2)は、
ソース領域(43)において前記第2活性III-N層(204)に接触しているソースコンタクト(403)、および/または、
ドレイン領域(44)において前記第2活性III-N層(204)に接触しているドレインコンタクト(404)、
をさらに備えている、請求項または10に記載の高電子移動度トランジスタ(2)。
【請求項12】
半導体構造(1)を製造するための方法であって、
基板(100)を設けるステップと、
前記基板(100)の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップが、
第1活性III-N層(201)を設けるステップと、
前記第1活性III-N層(201)の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)を設けるステップと、
前記スペーサ層(202)の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層(203)を設けるステップと、
前記拡散バリア層(203)の上に、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガスが形成される、方法。
【請求項13】
前記半導体構造(1)を製造することは、ウェハ上において前記半導体構造(1)をエピタキシャル成長させることに対応しており、
前記方法は、前記半導体構造(1)を熱アニールするステップをさらに含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体構造(1)を熱アニールすることは、前記半導体構造(1)を750℃において熱アニールすることに対応している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
高電子移動度トランジスタ(2)を製造するための方法であって、
基板(100)を設けるステップと、
前記基板(100)の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタック(200)を設けるステップが、
第1活性III-N層(201)を設けるステップと、
前記第1活性III-N層(201)の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層(202)を設けるステップと、
前記スペーサ層(202)の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層(203)を設けるステップと、
前記拡散バリア層(203)の上に、当該拡散バリア層(203)に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層(204)を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層(201)と前記第2活性III-N層(204)との間に2次元電子ガスが形成され、
前記方法は、
ゲート領域(400)において前記第2活性III-N層(204)に直接的に接触するゲートコンタクト(401)を設けるステップを含んでいる、方法。
【請求項16】
前記スペーサ層(202)の上に前記拡散バリア層(203)を設けるために、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される、請求項12または15に記載の方法。

【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、特にInAlNバリア層を含んでいる半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法に全般的に関する。より具体的には、本発明は、改善された移動度およびシート抵抗を示すInAlNバリア層を含んでいる半導体構造、および、当該半導体構造を成長させる方法に関する。
【0002】
[背景]
GaNベースのヘテロ構造は、高い電子速度および高い臨界電界を示すので、高出力および高周波への適用についての関心が抱かれている。例えば、従来では、FETとも称される電界効果トランジスタ(field effect transistor)の製造において、AlGaN/GaNヘテロ構造が用いられている。この構造では、2DEGとも称される2次元電子ガス(two dimensional electron gas)が、AlGaNとGaNとの間の自発的な圧電性の分極によって生成される。
【0003】
2次元電子ガスの密度を増加させることは、デバイス性能を改善するために有効である。2次元電子ガスの密度を増加させるためには、AlGaNバリアのアルミニウム含有量を増加させるべきである。しかしながら、高いアルミニウム含有量を有するAlGaNは、GaNに対して大きく歪む。大きい歪みは、これらのGaNベースのヘテロ構造から製造されるデバイスの信頼性に影響を及ぼす。
【0004】
3元InAlN層は、バリア層として、従来のAlGaNに取って代わる可能性を有している。3元InAlNは、17%のインジウムおよび83%のアルミニウムという組成において、GaNに格子整合されうる。格子整合InAlN/GaNヘテロ構造は、InAlNバリア層とGaNとの間の界面における自発分極の差異に起因して、いかなるドーピングをも要することなく、高密度な2次元電子ガスを生じさせる。例えば、フォトニクスにおける適用は、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの製造から、広範囲の波長範囲のレーザダイオードにまで及ぶ。例えば、エレクトロニクスにおける適用は、高出力、高周波および/または高温のデバイスに適した高電子移動度トランジスタに関連している。InAlNをGaNに格子整合したバリア層として使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、かつ、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を生じさせつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせる。電子移動度をさらに高めるために、InAlNバリア層とGaNチャネル層との間の従来のスペーサ層として、AlN超薄層が使用されてもよい。この場合、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造が形成される。電子移動度は、GaNとAlNスペーサとの界面の急峻性のみならず、組成の均一性および結晶品質の観点からのスペーサ層自体の品質にも依存する。
【0005】
製造されるデバイスは高品質である可能性を秘めているが、上記構造の成長を制御することは容易ではない。実際に、InAlNの成長は、高温において固相へのインジウムの取り込みが熱的に阻害されることによって複雑となる。言い換えると、InAlN膜におけるInNおよびAlNという2元系の最適な成長温度が異なるゆえに、当該InAlN膜の成長は困難となる。具体的には、450℃を超える温度では、InNが分離する。その一方、良質な結晶膜を得るためには、1000℃を超える温度においてAlNを成長させることを要する。
【0006】
図1Aおよび図1Bは、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中央93からの、端数を切り捨てた半径(rounded radius)92の関数として示している。したがって、図1Aおよび図1Bの両方において、点93はウェハの中央(中心)に対応しており、点94は当該ウェハのエッジ(縁,端部)に対応している。図1Aは、成長後のウェハを熱アニールする前の、当該ウェハのシート抵抗95を示す。その一方、図1Bは、例えばウェハを750℃において30分間に亘りアニールした場合における、熱アニール後の当該ウェハのシート抵抗96を示す。シート抵抗95は、熱アニール前のウェハの半径に沿って、225Ω/sqに達している。その一方、シート抵抗96は、熱アニール後のウェハの半径に沿って、250Ω/sqから425Ω/sqまで増加している。熱アニール後のウェハのシート抵抗96は、熱アニール前のウェハのシート抵抗95よりもはるかに高いことが明らかである。例えば熱アニール時に、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造を高温に曝すことは、そのシート抵抗の低下を招く。さらに、熱アニール後のInAlN/AlN/GaNヘテロ構造のシート抵抗96の低下は、ウェハの中央93の近傍に比べて、当該ウェハのエッジの94に近傍における方がより顕著であることが、図1Bから理解できる。
【0007】
図1Aおよび図1Bにおいて検討されているウェハに対して実行されたホール測定(Hall measurement)は、当該ウェハの熱アニール時に低下する量は2DEGにおける電子の量ではないことを示している。上記ホール測定は、シート抵抗の増加に反比例する、電子移動度の明確な減少を示している。この移動度の減少は、スペーサ層の急峻性および組成の均一性の低下によって説明可能である。
【0008】
[概要]
そこで、本発明の実施形態は、従来技術における固有の欠点を示さない半導体構造および製造方法を提示することを目的としている。より具体的には、本発明の実施形態の目的は、熱安定性が改善され、かつ、電子移動度が改善された半導体構造および当該半導体構造の製造方法を提示することにある。
【0009】
本発明の様々な実施形態に応じて求められている保護の範囲は、独立請求項によってのみ示されている。
【0010】
本明細書に記載されている実施形態および構成のうち、独立請求項の範囲に含まれないものがあれば、それらは本発明の様々な実施形態を理解するために有用な例として解釈されるべきである。
【0011】
高出力かつ高周波への適用のための半導体構造に対するニーズが存在している。当該半導体構造は、GaNに格子整合したバリア層を含んでおり、かつ、改善された熱安定性と改善された電子移動度とを示す。
【0012】
この目的は、本開示の第1の例示的な態様によれば、下記の半導体構造によって達成される。すなわち、当該半導体構造は、
-基板と、
-前記基板の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック(半導体層の積層体)と、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、
・第1活性III-N層と、
・前記第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウム(Aluminium Nitride)を含んでいるスペーサ層と、
・前記スペーサ層の上に位置している拡散バリア層と、
・前記拡散バリア層の上に位置しており、当該拡散バリア層に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウム(Indium Aluminium Nitride)を含んでいる第2活性III-N層と、を備えており、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが位置しており、
前記拡散バリア層は窒化ガリウム(Gallium Nitride)を含んでおり、前記拡散バリア層の厚さは1nm未満である。
【0013】
従来技術の半導体構造は、(i)第1活性III-N層と、(ii)第1活性III-N層の上に位置しているスペーサ層と、(iii)スペーサ層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層と、を備えたエピタキシャルIII-N半導体層スタックを含んでいる。当該半導体構造において、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層は、第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、非常に高い引張り歪みを伴うスペーサ層に直接的に接触している。インジウム原子は第1活性III-N層または第2活性III-N層に含まれるガス原子またはAl原子よりも大きいので、当該インジウム原子は第2活性III-N層の格子に非常に大きい局所的な圧縮歪みを生じさせる。熱アニール時に、インジウム原子は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層から、少なくともスペーサ層の内部へと移動(マイグレーション)する。言い換えれば、第2活性III-N層のインジウム原子は、熱アニール時に第1活性III-N層に向かって拡散または移動する。このことは、スペーサ層の組成均一性を崩し、かつ、スペーサ層と第1活性III-N層との間の界面を、平滑化させるか、ぼやけさせるか、または軟化させる。
【0014】
本発明の第1の態様に係る半導体構造は、高周波用途に好適である。例えば、格子整合InAlN/GaNヘテロ構造は、InAlNバリア層とGaNとの間の界面における自発分極の差異に起因して、いかなるドーピングを伴うことなく、高密度な2次元電子ガスを生じさせる。第1活性III-N層に格子整合したバリア層としてInAlNを使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を与えつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせる。第1活性III-N層と拡散バリア層との間においてエピタキシャル成長したスペーサ層は、半導体構造の電子移動度をさらに高める。
【0015】
例えば、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、スペーサ層の上においてエピタキシャル成長し、かつ、自身の上において第2活性III-N層がエピタキシャル成長する拡散バリア層は、第2活性III-N層から少なくともスペーサ層の内部へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、半導体構造が例えば熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層からスペーサ層および第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層から、スペーサ層、第1活性III-N層、および基板への、インジウム原子の拡散または移動を防止する。
【0016】
それゆえ、スペーサ層と第2活性III-N層との間において成長した拡散バリア層を有していないエピタキシャルIII-N半導体層スタックを含んでいる半導体構造と比較した場合、当該拡散バリア層は、半導体構造の内部における、改善された熱安定性、改善された電子移動度、および改善されたシート抵抗を保証する。言い換えれば、本開示の第1の例示的な態様に係る拡散バリア層は、少なくとも半導体構造のスペーサ層の内部へのインジウム原子の歪媒介拡散を許容する。
【0017】
本開示の文脈では、拡散バリア層の厚さが1nm未満である場合には、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部はフェルミ準位未満には低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。例えば、拡散バリア層の厚さは、1nmまたは0.5nmの厚さである。例えば、拡散バリア層の厚さは、0.85nmである。例えば、拡散バリア層は、窒化ガリウムの複数の単層(monolayer)を含んでいる。例えば、拡散バリア層は、4つ以下の窒化ガリウムの単層を含んでいる。拡散バリア層の厚さを1nm未満まで低減させことにより、拡散バリア層の内部における電荷の数が最小化されるので、漏れが最小化される。拡散バリアの厚さを1nm未満まで低減させた場合、2DEGを第2活性III-N層にさらに近づくことにより、合金散乱が増加する可能性がある。したがって、本開示に係る半導体構造によって解決される技術的課題は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を備えている半導体構造における漏れを最小化することでありうる。
【0018】
本開示に係る半導体構造によれば、拡散バリア層と第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さ方向に沿って形成されている層は存在していない。本開示に係る拡散バリア層によれば、2DEGと第2活性III-N層との間の物理的な隔離量(separation)を増大させる必要がない。
【0019】
本開示の文脈において、モル分率(mole fraction or molar fraction)は、モルによって表された成分の量を、モルによって表された混合物中のすべての成分の総量によって除算した単位として定義されている。本開示の第1の例示的な態様によれば、拡散バリア層は、0.20未満のアルミニウムモル分率(例:0.19、0.18、0.17、0.16、0.15、0.14、0.13、0.12、0.11、0.10など)を有している。言い換えると、拡散バリア層のアルミニウム含有量は、0%~20%の範囲である。ある層におけるアルミニウムの含有量は、当該層におけるアルミニウム原子の数と当該層における全てのIII族原子の総数との比率として定義されている。本開示の第1の例示的な態様によれば、拡散バリア層は、インジウムを含んでいない。
【0020】
本開示の文脈において、例えば、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層(電子誘起バリア層)である。当該第2活性III-N層は、例えば0.22未満のインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。本開示の文脈において、例えば、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、例えば0.17または0.18というインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。0.17というインジウムモル分率および0.83というアルミニウムモル分率を有する第2活性III-N層は、例えば、GaNに格子整合する。好ましくは、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、例えば0.14~0.22という範囲のインジウムモル分率を有する窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。例示的な実施形態では、第2活性III-N層のインジウムアルミニウム窒化物が0.20というインジウムモル分率を有している場合、当該インジウムアルミニウム窒化物は0.80というアルミニウムモル分率を有している。別の例示的な実施形態では、第2活性III-N層のインジウムアルミニウム窒化物が0.14というインジウムモル分率を有している場合、当該インジウムアルミニウム窒化物は0.86というアルミニウムモル分率を有している。言い換えれば、第2活性III-N層の窒化アルミニウムインジウムは、例えば、0.80~0.86という範囲のアルミニウムモル分率を有している。この場合、第2活性III-N層は、第1活性III-N層に対して圧縮性を有している。その一方、当該第1活性III-N層は、0.20または0.21というインジウムモル分率を有しており、引張性を有している。代替的には、第2活性III-N層は、電子誘導バリア層であり、かつ、インジウムアルミニウム窒化ガリウムを含んでいる。この場合、例えば、ガリウムモル分率は、0.20までの値をとる。
【0021】
エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、エピタキシャル活性層を含んでいる。当該エピタキシャル活性層は、(i)第1活性III-N層と、(ii)スペーサ層と、(ii)拡散バリア層と、第2活性III-N層と、を備えている。当該エピタキシャル活性層は、有機金属化学気相成長エピタキシャルチャンバ内において、インサイチュ(in-situ)で形成される。このことは、MOCVDとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、有機金属気相エピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、MOVPEとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、分子ビームエピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、MBEとも称される。あるいは、当該エピタキシャル活性層は、化学ビームエピタキシャルチャンバ内において、インサイチュで形成される。このことは、CBEとも称される。
【0022】
半導体構造は、有機金属化学気相蒸着(metal-organic chemical vapour deposition,MOCVD)または有機金属気相エピタキシー(metal-organic vapour phase epitaxy,MOVPE)によるエピタキシャル成長によって形成されてよい。あるいは、当該半導体構造は、分子ビームエピタキシー(molecular beam epitaxy,MBE)または化学ビームエピタキシー(chemical beam epitaxy,CBE)によって形成されてもよい。MOVPEまたはMOCVDのプロセスにおいて、典型的には、エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、例えば5mBar~1Barの圧力で、かつ、例えば600℃~1200℃の温度で、基板上においてエピタキシャル成長させられる。前駆体(プリカーサ)は、(i)窒素についてアンモニア(NH)であってよく、(ii)ガリウムについては、トリ-メチル-Ga(TMGa)またはトリ-エチル-Ga(TEGa)であってよく、(iii)アルミニウムについては、トリ-メチル-Al(TMAl)またはトリ-エチル-Al(TEAl)であってよく、(iv)インジウムについてはトリ-メチル-インジウム(TMIn)であってよく、(v)シリコン(ケイ素)については、シラン(SiH)またはジシラン(SiHであってよい。ただし、当該前駆体は、これらに限定されない。
【0023】
III族窒化物は、(i)周期表におけるIII族の元素と、(ii)Nとも称される窒素と、によって形成される半導体化合物を指す。III族の元素は、例えば、Bとも称されるボロン(ホウ素)、Alとも称されるアルミニウム、Gaとも称されるガリウム、Inとも称されるインジウムである。2元(バイナリ)III族窒化物化合物の例は、GaN、AlN、BNなどである。III族窒化物は、例えば、InAlN、AlGaN、InAlGaNなどの3元および4元の化合物も指す。
【0024】
2次元電子ガスは、2次元において自由に移動するが、第1次元において緊密に閉じ込められている電子のガスである。この緊密な閉じ込めは、その方向の運動についての量子化されたエネルギーレベル(準位)をもたらす。電子は、3D(3次元)世界に埋め込まれた2Dシートであるかのように観察される。高電力および/または高周波の用途について特に関心が抱かれているデバイスは、HEMTとも称される高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor)である。本発明によれば、エピタキシャルIII-V半導体層スタックとゲートとの間に、パッシベーション(不動態化)スタックが形成される。パッシベーションスタックは、ゲートの下方にのみ形成されてもよい。当該パッシベーションスタックは、ゲート誘電体として追加的に機能しうる。代替的には、パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックの上に形成されていてよい。当該パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックを完全に覆っていてもよい。代替的には、パッシベーションスタックは、エピタキシャルIII-V半導体層スタックの上に形成されており、かつ、当該エピタキシャルIII-V半導体層スタックの表面を部分的に覆っていてもよい。例えば、パッシベーションスタックは、本発明に係る高移動度電子トランジスタのソースとドレインとの間の非ゲート領域の内部に形成されていてもよい。この場合、当該パッシベーションスタックは、パッシベーションとして機能し、下方に位置している2DEGの空乏化(枯渇)を防止する。
【0025】
本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造において、GaNを含んでいる拡散バリア層は、スペーサ層の引張歪み成分を低下させるので、最大の圧縮歪みを示す。
【0026】
例示的な実施形態によれば、前記半導体構造は、ウェハ上においてエピタキシャル成長している。そして、前記半導体構造のシート抵抗の値は、前記ウェハのエッジと前記ウェハの近傍とにおいて相異していない。
【0027】
例示的な実施形態によれば、拡散バリア層は、単層である。
【0028】
この場合、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部は、フェルミ準位未満に低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。さらに、拡散バリア層のアルミニウム含有量は、単層に亘って一定である。
【0029】
例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層は、窒化ガリウムを含んでいる。
【0030】
好ましくは、第1活性III-N層は、エピタキシャル成長する。当該第1活性III-N層は、純粋な窒化ガリウムを含んでおり、好ましくは窒化ガリウムの単層を含んでいる。
【0031】
好ましくは、スペーサ層は、エピタキシャル成長する。当該スペーサ層は、純粋な窒化アルミニウムを含んでいる。
【0032】
例示的な実施形態によれば、スペーサ層の厚さは、2nm未満である。
【0033】
この場合、スペーサ層は、当該スペーサ層の粗さを最小化するように十分に薄く維持されている。粗さを最小化することにより、スペーサ層は、少なくとも第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。この場合、半導体構造の熱的安定性がさらに改善される。言い換えれば、スペーサ層が薄いほど、半導体構造の熱的安定性はより良好となる。好ましくは、スペーサ層の厚さは、0.5nm~1.5nmである。よりいっそう好ましくは、スペーサ層の厚さは、0.8nm~1nmである。
【0034】
本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造の基板は、Si、シリコンオンインシュレータ(Silicon-On-Insulator)、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)、サファイアのうちの1つ以上を含んでいる。この場合、本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造の製造は、相補型金属酸化膜半導体技術およびプロセスのために開発された既存の製造技術と互換性を有している。言い換えれば、半導体構造の製造は、現在の性質としてCMOS適合性を有している。そして、現在のプロセスステップが、多大な追加の労力を要することなく統合されうる。このことは、上述の半導体構造の製造に関連する複雑性およびコストを低減させる。好ましくは、基板は、<111>Si基板などのSi基板、およびそれらの組み合わせである。当該基板は、層のスタックなどの初期層を含んでいる。代替的には、半導体構造の基板は、Geとも称されるゲルマニウム、または、ゲルマニウムオンインシュレータ(Ge-On-Insulator)などを含んでいる。代替的には、半導体構造の基板は、自立(free-standing)GaN基板、自立AlN基板を含んでいる。
【0035】
代替的には、エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。当該バッファ層は、基板とは異なる特性(性質)を有していてよい。例えば、基板のバンドギャップとバッファ層のバンドギャップとは、比較的離れている(例:それぞれ1.1eV、6.2eV)。この場合、バッファ層は、高いバンドギャップを有している。これにより、高い降伏電圧などの現在の特性をもたらすことができる。当該降伏電圧は、例えば250Vよりも高く、好ましくは500Vよりも高く、さらにより好ましくは1000Vよりも高く(例:2000Vよりも高く)、あるいは、よりいっそうはるかに高い。一例として、バッファ層は、高いバンドギャップを有しているIII-V族バッファ層である。本明細書において、IIIは、III族元素を指す。III族元素は、13族元素および3族元素である。これらの元素は、例えば、B、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、ランタニド系列、およびアクチニド系列などである。本明細書において、Vは、V族元素を指す。V族元素は、N、P、As、Sb、BiなどのN族元素である。バッファ層は、複数の層のスタックを含んでいる。一例として、典型的には、当該複数の層における第1層は、核形成層である。
【0036】
代替的には、半導体構造は、シリコンベースウエハをさらに備えている、この場合、バッファ層スタックは、シリコンベースウエハおよびバッファ層に直接的に接触しているAlN核形成層によって、当該シリコンベースウエハから隔離されている。代替的には、核形成層の総厚は、10nm~200nmの範囲である。好ましい実施形態によれば、バッファ層スタックは、上側バッファ層と下側バッファ層とを有している。この場合、下側バッファ層はAlN核形成層に直接的に接触しており、上側バッファ層は活性層に直接的に接触している。好ましい実施形態によれば、バッファ層スタックの総厚は、500nm~10μmの範囲である。好ましくは、バッファ層スタックの層は、全て(In)AlGaN層である。
【0037】
例示的な実施形態によれば、半導体構造は、第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層をさらに備えている。
【0038】
パッシベーション層は、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの形成と共に、インサイチュで形成される。この場合、完全結晶パッシベーション層(完全な結晶性のパッシベーション層)が、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの上においてエピタキシャル成長する。あるいは、部分結晶パッシベーション層(部分的に結晶性のパッシベーション層)が、エピタキシャルIII-N半導体層スタックの上においてエピタキシャル成長する。パッシベーション層は、ALDとも称される原子層堆積(atomic layer deposition)、CVDとも称される化学気相蒸着(chemical vapor deposition)、またはPVDと称される物理気相蒸着(physical vapor deposition)などのエピタキシーツールの補助を受けて、エクスサイチュ(ex-situ)堆積によって形成されてもよい。代替的には、パッシベーション層は、MOCVDまたはMBEチャンバ内でのインサイチュ堆積によって形成されてもよい。代替的には、同じ材料のアモルファス膜を堆積し、熱アニールを用いて当該アモルファス膜を再結晶することによって、パッシベーション層が形成されてもよい。第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層は、例えば窒化ガリウムを含んでいる。代替的には、第2活性III-N層の上に位置しているパッシベーション層は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素(Silicon Nitride)を含んでいる。
【0039】
例示的な実施形態によれば、パッシベーション層は、窒化ケイ素および/または酸化物の層(Silicon Nitride and/or oxide layer)を含んでいる。
【0040】
この場合、本開示の第1の例示的な態様に係る半導体構造のパッシベーション層は、パッシベーション層として機能する、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。酸化物層は、(i)第2活性III-N層に対する電気的に洗浄なインターフェースと、(ii)半導体構造上に形成された電気的なコンタクトと2DEGとの間の静電的カップリングを最大化するための高い誘電率と、を示す。このことは、例えば、上記半導体構造を有するように製造された高電子移動度トランジスタの相互コンダクタンス(トランスコンダクタンス)の増加をもたらすとともに、量子トンネリングによる誘電破壊および漏れを避けるために十分な厚さをもたらす。
【0041】
例示的な実施形態によれば、前記シート抵抗は230Ω/sq未満である。
【0042】
例示的な実施形態によれば、本発明の例示的な第1の実施形態に係る半導体構造を備えた高電子移動度トランジスタが提供される。当該高電子移動度トランジスタは、
-基板と、
-前記基板の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタックと、を備えており、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、
・第1活性III-N層と、
・前記第1活性III-N層の上に位置しており、かつ、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層と、
・前記スペーサ層の上に位置している拡散バリア層と、
・前記拡散バリア層の上に位置しており、当該拡散バリア層に直接的に接触しており、かつ、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層と、を備えており、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが位置しており、
前記拡散バリア層は窒化ガリウムを含んでおり、前記拡散バリア層の厚さは1nm未満であり、
前記高電子移動度トランジスタは、ゲート領域において前記第2活性III-N層に直接的に接触しているゲートコンタクトをさらに備えている。
【0043】
本開示の文脈では、拡散バリア層の厚さが1nm未満である場合、第2活性III-N層との界面において、拡散バリア層の伝導帯の底部はフェルミ準位未満に低下しない。伝導帯の不連続性が大きくなく、かつ、第2活性III-N層の自発分極によって誘起される電荷が大きくないからである。例えば、拡散バリア層の厚さは、1nmまたは0.5nmである。例えば、拡散バリア層の厚さは、0.85nmである。例えば、拡散バリア層は、窒化ガリウムの複数の単層を含んでいる。例えば、拡散バリア層は、4層以下の窒化ガリウムの単層を含んでいる。拡散バリア層の厚さを1nm未満に低減することにより、当該拡散バリア層の内部における電荷の数が最小化され、漏れが最小化される。拡散バリア層の厚さを1nm未満に減少させた場合、2DEGが第2活性III-N層にさらに近づくことによって、合金散乱が増加する可能性がある。したがって、本開示による高電子移動度トランジスタによって解決される技術的課題は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を備えた高電子移動度トランジスタにおけるリークを最小化することでありうる。
【0044】
本開示に係る高電子移動度トランジスタによれば、拡散バリア層と第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さ方向に沿って形成されている層が存在していない。本開示に係る拡散バリア層によれば、2DEGと第2活性III-N層との間の物理的な隔離量を増大させる必要がない。
【0045】
ゲート領域の内部にはゲート電極が設けられており、高電子移動度トランジスタが形成されている。ゲート電極は、ゲート領域の内部において、第2活性III-N層に直接的に接触している。言い換えると、ゲートコンタクトと第2活性III-N層との間には、半導体構造の深さに沿った方向に沿って、いかなる他の層も形成されていない。ゲート領域の内部へのゲート電極の形成は、複数のステップ(工程)を含んでいる。例えば、このステップは、(i)フォトレジストを堆積させることと、(ii)例えばパッシベーション層が存在する場合に、当該パッシベーション層を部分的に除去することによって、ゲートコンタクトの足部(foot)を画定するリソグラフィステップを実行することと、を含んでいる。このようにして、パッシベーション層のうちの一部の層は、高電子移動度トランジスタのゲートの下方に残存し、トラップ効果および漏れ電流を低減するためのゲート誘電体を形成する。例えば、ゲート電極は、MOSゲートとも称される金属-酸化物-半導体ゲートである。例えば、当該ゲート電極は、金属スタックを堆積することによって作成されてよい。当該金属スタックは、(i)Ni、Pt、W、WN、またはTiNを含んでおり、かつ、(ii)Al、Au、またはCuによってキャップされている。金属パターンは、フォトレジストの上に金属をリフトオフすることによって連続的に画定される。代替的には、例えば、ゲート金属スタックは、(i)Ni、Pt、W、WN、またはTiNを含むように堆積され、かつ、(ii)Al、Au、またはCuによってキャップされる。次いで、フォトレジストステップおよびリソグラフィステップが実行される。このように画定されたフォトレジストパターンは、金属スタックに対するドライエッチングが望まれない領域における、当該ドライエッチングに対するマスクとして機能する。次いで、フォトレジストが除去される。
【0046】
例示的な実施形態によれば、第2活性III-N層は、ゲート領域の内部において第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセス(凹部)を備えている。
【0047】
ゲート領域内における第2活性III-N層のリセスによれば、ゲートコンタクトを2DEGに近づけることができるので、ゲートがバイアスされている場合における、2DEGからの電子の空乏化効果が向上する。本開示に係る高電子移動度トランジスタでは、ゲートを形成するために、ゲート領域内の第2活性III-N層を完全に除去する必要はないし、ゲート領域内の拡散バリア層を部分的に除去する必要もない。言い換えると、ゲート領域内のゲートコンタクトは、拡散バリア層に直接的に接触していない。
【0048】
例示的な実施形態によれば、高電子移動度トランジスタは、
-ソース領域において第2活性III-N層に接触しているソースコンタクト、および/または、
-ドレイン領域において第2活性III-N層に接触しているドレインコンタクト、
をさらに備えている。
【0049】
例えば、オーミックコンタクトは、ソース領域および/またはドレイン領域にそれぞれ形成されている。ソースコンタクトおよびドレインコンタクトは、2DEGに対するオーミックコンタクトである。ソースコンタクトおよびドレインコンタクトは、例えば、(i)Ti/Al/Ni/Au、(ii)Ti/Al/Mo/Au、(iii)Ti/Al/Ti/Au、(iv)Ti/Al/Ti/W、(v)Ti/Al/W、(vi)Ti/Al/W/Cr、(vii)Ta/Al/Ta、(viii)V/Al/Ni/Au、などの金属スタックを、第2活性III-N層に接触させるように堆積させることによって作成されてよい。第2活性III-N層は、金属堆積に先立って陥凹されてもよい。接触特性は、典型的には800℃~900℃に含まれる温度(例:850℃)において、窒素雰囲気またはフォーミングガス雰囲気中での熱アニールによってさらに改善されうる。代替的には、当業者に公知の方法を使用して、追加の金属相互接続層が画定される。これにより、ゲート電流、ソース電流、およびドレイン電流のための低抵抗電流経路を実現できる。パッシベーション層が存在している場合、好ましくは、ソース領域およびドレイン領域において当該パッシベーション層がエッチング除去される。言い換えれば、ソース領域およびドレイン領域においてパッシベーション層がエッチング除去されることによって、ソース領域およびドレイン領域において第2活性III-N層を露出させることができる。代替的な実施形態によれば、第2活性III-N層は、ウェットエッチングによって、例えばアルカリ溶液中またはレジスト現像液中において、部分的にエッチングされる。この場合、ソース領域およびドレイン領域において、第2活性III-N層にそれぞれのオーミックコンタクトを部分的に形成することが可能となる。オーミックコンタクトの領域が画定された場合(すなわち、ソース領域およびドレイン領域が画定された場合)、例えば、熱蒸着によって、スパッタリングによって、または電子ビーム蒸着によって、金属層または金属層のスタックが堆積させられてよい。フォトレジストの上に位置しており、かつ、第2活性III-N層に接触していない金属のリフトオフを実行することによって、金属パターンが連続的に画定される。代替的には、フォトレジストが最初に除去され、そして、例えばTiおよびAlを含んでいる金属スタックが堆積させられる。次いで、第2のフォトレジスト堆積ステップおよびフォトリソグラフィステップが実行される。これにより、金属スタックが望まれない領域における、当該金属スタックに対するドライエッチングが実現され、フォトレジストが除去される。
【0050】
第2の例示的な態様によれば、半導体構造を製造するための方法が提供される。当該方法は、
-基板を設けるステップと、
-前記基板の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップが、
・第1活性III-N層を設けるステップと、
・前記第1活性III-N層の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層を設けるステップと、
・前記スペーサ層の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層を設けるステップと、
・前記拡散バリア層の上に、当該拡散バリア層に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが形成される。
【0051】
本開示の第2の態様に係る半導体構造の製造方法は、高電力かつ高周波の用途のデバイスの製造に適している。例えば、格子整合InAlN/GaNヘテロ構造を含んでいるデバイスを製造するにより、InAlNバリア層とGaNとの界面における自発分極の差に起因して、いかなるドーピングをも要することなく、高密度2次元電子ガスを生じさせることができる。第1活性III-N層に格子整合したバリア層としてInAlNを使用することにより、窒化物ヘテロ構造デバイスにおけるミスフィット誘起欠陥の影響を最小化し、低歪みかつ低欠陥密度のヘテロエピタキシャル界面を与えつつ、非常に高いシートキャリア密度を生じさせることができる。第1活性III-N層と拡散バリア層との間においてエピタキシャル成長したスペーサ層は、半導体構造の電子移動度をさらに高める。
【0052】
例えば、半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、スペーサ層の上においてエピタキシャル成長し、かつ、自身の上において第2活性III-N層がエピタキシャル成長する拡散バリア層は、第2活性III-N層から少なくともスペーサ層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、例えば半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層からスペーサ層および第1活性III-N層へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。好ましくは、例えば半導体構造が熱アニール時などに高温に曝される場合、拡散バリア層は、第2活性III-N層から、スペーサ層、第1活性III-N層、および基板へのインジウム原子の拡散または移動を防止する。
【0053】
それゆえ、スペーサ層と第2活性III-N層との間において成長した拡散バリア層を有していないエピタキシャルIII-N半導体層スタックを備えた半導体構造と比較した場合、当該拡散バリア層は、半導体構造内における改善された熱安定性、改善された電子移動度、および改善されたシート抵抗を保証する。言い換えれば、本開示の第1の例示的な態様に係る拡散バリア層は、少なくとも半導体構造のスペーサ層の内部へのインジウム原子の歪媒介拡散を許容する。
【0054】
好ましくは、第1活性III-N層を設けることは、純粋な窒化ガリウムの単層を成長させることに対応している。好ましくは、第1活性III-N層の上にスペーサ層を設けることは、純粋な窒化アルミニウムの単層を成長させることに対応している。
【0055】
例示的な実施形態によれば、前記半導体構造を製造することは、ウェハ上において前記半導体構造をエピタキシャル成長させることに対応している。そして、前記方法は、前記半導体構造を熱アニールするステップをさらに含んでいる。
【0056】
例示的な実施形態によれば、前記半導体構造を熱アニールすることは、前記半導体構造を750℃において熱アニールすることに対応している。
【0057】
例示的な実施形態によれば、高電子移動度トランジスタを製造する方法が提供されている。当該方法は、
-基板を設けるステップと、
-前記基板の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップと、を含んでおり、
前記エピタキシャルIII-N半導体層スタックを設けるステップが、
・第1活性III-N層を設けるステップと、
・前記第1活性III-N層の上に、窒化アルミニウムを含んでいるスペーサ層を設けるステップと、
・前記スペーサ層の上に、窒化ガリウムを含んでいるとともに、1nm未満の厚さを有している拡散バリア層を設けるステップと、
・前記拡散バリア層の上に、当該拡散バリア層に直接的に接触するとともに、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる第2活性III-N層を設けるステップと、
を含んでいることにより、
前記第1活性III-N層と前記第2活性III-N層との間に2次元電子ガスが形成され、
前記方法は、
-ゲート領域において前記第2活性III-N層に直接的に接触するゲートコンタクトを設けるステップを含んでいる。
【0058】
例示的な実施形態によれば、スペーサ層の上に拡散バリア層を設けるために、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される。
【0059】
この場合、本開示の第2の例示的な態様に係る半導体構造の製造方法によれば、拡散バリア層の成長と第2活性III-N層の成長との間における成長中断が生じない。言い換えると、拡散バリア層および第2活性III-N層は両方とも、同じプロセス条件のもとで成長する。スペーサ上に形成される拡散バリア層の実際の成長面の温度が725~825℃の範囲となるように、当該拡散バリア層の成長が実行される。言い換えると、拡散バリア層を成長させる前のスペーサ層の表面の温度は、725℃~825℃の範囲である。そして、スペーサ層の上において拡散バリア層を成長させる期間における、当該拡散バリア層のスペーサ層と接する面と反対側の成長面の温度は、725℃~825℃の範囲である。代替的には、拡散バリア層は、825℃より高い温度でスペーサ層の上において成長する。本開示の要旨においては、スペーサ層を800℃よりも低い温度で成長させてもよい。あるいは、スペーサ層を800℃よりも高い温度で成長させてもよい。
【0060】
[図面の簡単な説明]
以下では、複数の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して説明されている。
【0061】
図1は、従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
【0062】
図2は、本開示に係る半導体構造の例示的な実施形態を示す。
【0063】
図3は、本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
【0064】
図4は、本開示に係る半導体構造を製造するための方法の例示的な実施形態を示す。
【0065】
図5は、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0066】
図6は、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0067】
図7は、第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0068】
図8は、第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【0069】
[(1つ以上の)実施形態の詳細な説明]
図1Aおよび図1Bは、従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。図1Aおよび図1Bは、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中央93からの、端数を切り捨てた半径92の関数として示している。したがって、図1Aおよび図1Bの両方において、点93はウェハの中央に対応しており、点94は当該ウェハのエッジに対応している。図1Aは、成長後のウェハを熱アニールする前の、当該ウェハのシート抵抗95を示す。その一方、図1Bは、例えばウェハを750℃において30分間に亘りアニールした場合における、熱アニール後の当該ウェハのシート抵抗96を示す。シート抵抗95は、熱アニール前のウェハの半径に沿って、225Ω/sqに達している。その一方、シート抵抗96は、熱アニール後のウェハの半径に沿って、250Ω/sqから425Ω/sqまで増加している。熱アニール後のウェハのシート抵抗96は、熱アニール前のウェハのシート抵抗95よりもはるかに高いことが明らかである。例えば熱アニール時に、InAlN/AlN/GaNヘテロ構造を高温に曝すことは、そのシート抵抗の低下を招く。さらに、熱アニール後のInAlN/AlN/GaNヘテロ構造のシート抵抗96の低下は、ウェハの中央93の近傍に比べて、当該ウェハのエッジの94に近傍における方がより顕著であることが、図1Bから理解できる。
【0070】
図2は、本開示に係る半導体構造1の例示的な実施形態を示す。半導体構造1は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態では、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層(spacer layer)202と、(iii)空間層(space layer)202の上において成長した拡散バリア層203と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に形成されており、当該拡散バリア層203に直接的に接触している。
【0071】
図3Aおよび図3Bは、本開示に係る半導体構造1のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。図3Aおよび図3Bは、本開示に係るInAlN/AlN/GaNヘテロ構造1のエピタキシャル成長がなされるウェハのシート抵抗91の変化を、当該ウェハの中央93からの、端数を切り捨てた半径92の関数として示している。したがって、図3Aおよび図3Bの両方において、点93はウェハの中央に対応しており、点94は当該ウェハのエッジに対応している。図3Aは、本開示に係る半導体構造1を成長させた後に、ウェハを熱アニールする前の、当該半導体構造1のシート抵抗97を示す。その一方、図3Bは、例えば本開示に係る半導体構造1を750℃において30分間に亘りアニールした場合における、当該半導体構造1のシート抵抗97を示す。シート抵抗97は、熱アニール前のウェハの半径に沿って、225Ω/sq~230Ω/sqの範囲である。シート抵抗98も、熱アニール後のウェハの半径に沿って、225Ω/sq~230Ω/sqの範囲である。本開示に係る半導体構造1が成長した後のウェハ98のシート抵抗は、熱アニール前と比較した場合に、熱アニール後に変化しないことが明らかである。言い換えれば、例えば熱アニール時に、本開示に係る半導体構造1を、ある一定の時間に亘り高温に曝すことは、当該半導体構造のシート抵抗の低下を生じさせない。加えて、ウェハのエッジ94と当該ウェハの中央93の近傍との間において、熱アニール後における本開示に係る半導体構造1のシート抵抗98の値に差異がないことが、図3Bから理解できる。
【0072】
図4は、本開示に係る半導体構造を製造する方法の例示的な実施形態を示す。当該方法は、第1主ステップ901において、基板100を設けることを含んでいる。当該方法は、第1ステップ901に後続する第2メインステップ902において、基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設けることを含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第1活性III-N層201を設ける第1ステップ903を含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第1ステップ903に後続する第2ステップ904をさらに含んでいる。第2ステップ904は、第1活性III-N層201の上にスペーサ層202を設けることを含んでいる。当該スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第2ステップ904に後続する第3ステップ905をさらに含んでいる。第3ステップ905は、スペーサ層202の上に拡散バリア層203を設けることを含んでいる。当該拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。当該拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。基板100の上にエピタキシャルIII-N半導体層スタック200を設ける当該方法のステップは、第3ステップ905に後続する第4ステップ906をさらに含んでいる。第4ステップ906は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように、第2活性III-N層204を設けることを含んでいる。当該第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。この場合、第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間に、2次元電子ガス20を形成できる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層の上に拡散バリア層203を設ける当該方法のステップに対して、725℃~825℃の範囲の表面温度が使用される。さらなる任意の例示的な実施形態によれば、当該方法は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触するゲートコンタクト401を設ける工程をさらに含んでいる。
【0073】
図5は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層203と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触するゲートコンタクト401をさらに備えている。
【0074】
図6は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。高電子移動度トランジスタ2は、(i)ソース領域43において第2活性III-N層204に接触しているソースコンタクト403、および/または、(ii)ドレイン領域44において第2活性III-N層204に接触しているドレインコンタクト404を、さらに備えている。
【0075】
図7は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。第2活性III-N層204は、ゲート領域400において第2活性III-N層204を部分的に貫くように延在しているリセス402を備えている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。
【0076】
図8は、本開示に係る高電子移動度トランジスタ2の例示的な実施形態を示す。高電子移動度トランジスタ2は、基板100と、基板100の上に位置しているエピタキシャルIII-N半導体層スタック200と、を備えている。代替的な実施形態によれば、当該エピタキシャルIII-N半導体層スタックは、基板と第1活性III-N層との間において成長したエピタキシャル成長バッファ層を備えている。エピタキシャルIII-N半導体層スタック200は、(i)第1活性III-N層201と、(ii)第1活性III-N層201の上において成長したスペーサ層202と、(iii)空間層202の上において成長した拡散バリア層と、(iv)拡散バリア層203の上において成長した第2活性III-N層204と、を備えている。第2活性III-N層204は、窒化アルミニウムインジウムを含んでいる。第1活性III-N層201と第2活性III-N層204との間には、2次元電子ガス20が形成される。拡散バリア層203は、窒化ガリウムを含んでいる。拡散バリア層203の厚さは、1nm未満である。任意選択的に、拡散バリア層203は単層である。任意の例示的な実施形態によれば、第1活性III-N層201は、窒化ガリウムを含んでいる。スペーサ層202は、窒化アルミニウムを含んでいる。任意の例示的な実施形態によれば、スペーサ層202の厚さは2nm未満である。任意の例示的な実施形態によれば、半導体構造1は、第2活性III-N構造204の上に形成されているパッシベーション層300をさらに備えている。任意の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ケイ素および/または酸化物の層を含んでいる。別の実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムを含んでいる。さらなる代替的な実施形態によれば、パッシベーション層300は、窒化ガリウムおよび窒化ケイ素を含んでいる。第2活性III-N層204は、拡散バリア層203の上に、当該拡散バリア層203に直接的に接触するように形成されている。第2活性III-N層204は、ゲート領域400において第2活性III-N層204を部分的に貫くように延在しているリセス402を備えている。高電子移動度トランジスタ2は、ゲート領域400において第2活性III-N層204に直接的に接触しているゲートコンタクト401をさらに備えている。高電子移動度トランジスタ2は、(i)ソース領域43において第2活性III-N層204に接触しているソースコンタクト403、および/または、(ii)ドレイン領域44において第2活性III-N層204に接触しているドレインコンタクト404を、さらに備えている。
【0077】
以上の通り、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の例示的な実施形態の詳細部に限定されるべきではなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えて、本発明が具現化されてもよいことは当業者には明らかであろう。したがって、これらの実施形態は、全ての点において例示的であり、限定的なものではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、上述の説明によって示されているのではなく、添付の特許請求の範囲によって示されている。したがって、特許請求の範囲に含まれる全ての変更は、本発明の範囲に含まれるものとして意図されている。
【0078】
さらに、本特許出願の読者は、(i)「備えている(comprising)」または「備える(comprise)」という語は他の要素またはステップを排除するものではなく、(ii)「a」または「an」という語は複数を排除するものではなく、(iii)コンピュータシステム、プロセッサ、または別の集積ユニットなどの単一の要素が、特許請求の範囲に記載されている複数の手段(means)の機能を果たす場合があることも理解できるであろう。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、関連するそれぞれの請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」、「a」、「b」、「c」などの用語は、本明細書または特許請求の範囲において使用される場合、類似の要素またはステップを区別するために導入されており、必ずしも連続的または時系列的な順序を表しているわけではない。同様に、「上(top)」、「底(bottom)」、「上に(over)」、「下に(under)」などの用語は、説明を目的として導入されており、必ずしも相対的な位置を示しているわけではない。このように使用されている用語は、適切な状況下において交換可能であることが理解されるべきである。このため、本発明の実施形態は、本発明に従って、(1つ以上の)上述の説明または図示とは異なる順序または向きにおいて実現されてもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1A】従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図1B】従来技術に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図2】本開示に係る半導体構造の例示的な実施形態を示す。
図3A】本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図3B】本開示に係る半導体構造のシート抵抗の測定についての例示的な実施形態を示す。
図4】本開示に係る半導体構造を製造するための方法の例示的な実施形態を示す。
図5】本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図6】本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図7】第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
図8】第2活性III-N層が、ゲート領域において当該第2活性III-N層を部分的に貫くように延在しているリセスを含んでいる、本開示に係る高電子移動度トランジスタの例示的な実施形態を示す。
【国際調査報告】