(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】慢性疲労症候群および筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を治療するためのラウフルミドおよびその誘導体
(51)【国際特許分類】
A61K 31/16 20060101AFI20240621BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20240621BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61K31/16
A61P3/02
A61P31/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500656
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069170
(87)【国際公開番号】W WO2023281095
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524009015
【氏名又は名称】エヌエルエス、ファーマシューティクス、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】NLS Pharmaceutics AG
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】エリク、コノファル
(72)【発明者】
【氏名】エミリ、サミュエラ、トゥリッリ
【テーマコード(参考)】
4C206
【Fターム(参考)】
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA07
4C206GA22
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA75
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA14
4C206ZC21
(57)【要約】
本発明は、慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、式(I)の化合物(式中、R
1=F、Cl、Br、Iからなる群から選択されるハロゲン原子、およびR
2=HまたはOHである。)、または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、式(I)
【化1】
(式中、R
1=F、Cl、Br、Iからなる群から選択されるハロゲン原子、およびR
2=HまたはOHである)
の化合物、または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物。
【請求項2】
【化2】
または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の使用のための式(I)の化合物。
【請求項3】
50mg/日~500mg/日、好ましくは80~320mg/日である治療用量が、それを必要とする患者に投与される、請求項1または2に記載の使用のための式(I)の化合物。
【請求項4】
前記慢性疲労症候群が、ウイルス感染後症候群、好ましくはロングCOVID状態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のための式(I)の化合物。
【請求項5】
慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物、ならびに薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物。
【請求項6】
式(I)の化合物が、
【化3】
または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物である、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
前記慢性疲労症候群が、ウイルス感染後症候群、好ましくはロングCOVID状態である、請求項5または6に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
経口または非経口投与に好適な、請求項5から7のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
注射可能な溶液のような溶液剤、もしくは錠剤もしくはカプセル剤の形態、または経皮送達システム(TDS)である、請求項8に記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけSARS-Cov2ウイルスによるCOVID-19疾患に起因する場合の慢性疲労症候群の予防および/または治療におけるラウフルミドおよびその誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の世界で確認された症例数は、2022年6月に5億3400万例を超え(Coronavirus disease(COVID-19)、2022)、無症候の症例を含むCOVID-19に影響を受けた個体の30%超が、COVID後神経精神医学的後期後遺症を経験する可能性がある1~5。
【0003】
疲労、睡眠障害(例えば概日リズム障害)、認知障害は、他の持続的な神経精神医学(例えば、不安、うつ)と共に、通称では「ロングCOVID」と呼ばれる6~9。
【0004】
国立医療技術評価機構(NICE)は、COVID-19感染の期間またはCOVID-19感染に続いて発症し、12週より長く継続し、代替的な診断により十分に説明できない一群の症状として「COVID-19後症候群」(PCS)を定義する(https://www.nice.org.uk/guidance/ng188)。
【0005】
COVID-19後状態は、代替的な診断により説明することができない、SARS-CoV-2感染が過去に確認されたまたは可能性があり、少なくとも2か月間継続する個体での発症から通常3か月間起こる持続的な症状として定義される(https://www.who.int/publications/i/item/WHO-2019-nCoV-Post_COVID-19_condition-Clinical_case_definition-2021.1)。
【0006】
疲労、認知障害および睡眠障害は、最も一般的なものの一部であることが一貫して報告されており、それぞれ、PCSの特性を減弱させ、世界的に著しい経済的な負担となっている7,8,10,11。呼吸困難およびうつを含むPCSの他の共通の症状とは異なり、ウイルス感染後の疲労および認知障害、ならびに筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)のような関連する状態の確立した効果的な治療は存在しない12。
【0007】
ME/CFSは1980年代に同定されている。この症候群は、極度の疲労および日常活動で感じる疼痛、労作後倦怠感、ならびに爽快でない睡眠で特徴付けられる。他の二次的な症状はまた、記憶または集中力の障害、および起立不耐性のように起こり得る。
【0008】
Fukuda基準13によると、Reevesら14により改変された通り、慢性疲労症候群(CFS)は、1)床上安静が解決せず、少なくとも6か月間継続し、日常機能に重度の障害をもたらす、持続し、減弱する疲労の存在;2)任意の他の医学的および精神医学的な状態に起因しない症状および能力障害で特徴付けられる病気である。診断は、患者自身が報告した症状または臨床医による観察のいずれかで、行動マーカーの大部分に依存する。研究室での診断およびスクリーニング試験は、広く利用可能ではない。
【0009】
CFSは、有意な罹患率に関与し、米国および世界で、人々の推定0.42%、主に女性で起こる。以前の研究は、この複雑で複数の症状の病気が、神経系、内分泌系および免疫系を含む多重系病因を有することを強く示唆する。ストレス応答の異常は、CFS症状の潜在的なトリガーまたはメディエイターとして同定されている。
【0010】
836,000~2,500,000人のアメリカ人は、ME/CFSに罹患している。社会に対する直接的および間接的な経済コストは、毎年170億ドル~240億ドルと推定される15。
【0011】
ME/CFSの病因は、主にウイルス後である。急性ウイルス感染および続く重複した免疫応答は、ME/CFS症状の発症に対する確立されたトリガーである。先行のウイルス伝染(SARSウイルス、MERSウイルス)が長期的な影響としてME/CFS発生の増大をもたらしたことを示している12,16,17。
【0012】
現在までに効果的で安全な療法;COVID後またはロングCOVID後遺症(例えば疲労、認知障害、概日リズム障害)に対するFDA承認された薬物は依然として存在しない18,19。
【0013】
疲労のスコアおよび濃度に統計的に有意な改善を提供するCNS薬の二重盲検RCTのみは、メチルフェニデートを使用していた。しかし、有意に有害な効果およびこの薬物に関連する依存性に対する潜在性を考慮すると、ME/CFSの治療に理想的な選択ではない19。
【0014】
ザイレム(ナトリウムオキシベート、SXB)は、特に効果的ではないが、重度の副作用を同様に示す。FDAは、SXBのような危険な薬物が、レイプドラッグおよび娯楽物質としての不法使用を有利にするので、大きい集団(例えばME/CFSまたは線維筋痛)を含む指標に対して承認されることはないことを宣言した20。
【0015】
Jazz Pharmaceuticalsは、ME/CFSの分野を探索しており:Sunosi(登録商標)(ソルリアムフェトル)に対する販売後データおよび患者の報告が、ナルコレプシーでの低い効率を示したので、Jazzは、現在、新しい指標:44名の成人対象を含む、4月1日に開始するソルリアムフェトルを伴う8週間の単一施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、柔軟な用量調整の第4相の臨床試験として、ME/CFSを調べている21。
【0016】
神経ペプチドY(NPY)は、中心および抹消の両方の神経系で見出される。末梢神経系では、NPYは、単独でまたはカテコールアミンと共にのいずれかで、交感神経の末端に濃縮され、そこから放出される。NPY放出は、激しい運動、パニック障害、および寒冷曝露のようなストレスに続く。末端では、NPYは、ストレス応答を活性化し、刺激するが、脳では、NPYは、不安を緩解する、交感神経活動の阻害であり、血圧および心拍数の低下を引き起こす。脳でのNPYの濃縮は、特に、感情に関与する脳の全領域である、扁桃および視床下部を含む辺縁系で、他の神経ペプチドより高い。
【0017】
NPYは、CFSに対する有用なバイオマーカーであると見出されている22。血漿NPYは、対照(p=0.000)およびGWI(湾岸戦争病)の症例(p=0.000)と比較して、CFS対象で上昇した。受信者動作特性(ROC)曲線分析は、健康対照およびGWIからCFS患者を区別する血漿NPYの予測能力が偶然のみより有意に良好であったことを示した。42名のCFS患者では、血漿NPYは、受けたストレス、うつ、怒り/敵意、錯乱、消極的思考、積極的思考、全身の健康、および認知状態と有意な相関(<0.05)を有した。各症例では、相関(+または-)は、予想した方向であった。本研究は、血漿NPYが、健康対照および疲労比較群であるGWI患者と比較して上昇したことを報告する。ストレス、消極的気分、全身の健康、うつおよび認知機能とのNPYの有意な相関は、このペプチドがCFSのサブセットを区別するバイオマーカーとして考えられることを強く示唆する。
【0018】
NPY1での軽度な逆アゴニスト阻害剤の効果でさえ、マウスにおいて抑制回避学習の向上させた記憶固定25,26として、気分障害の治療23、およびラットにおける文脈的恐怖条件付けの治療に関連する記憶の保持を改善したヒスタミンH2受容体の刺激24に関与し得る。
【0019】
ラウフルミド[2-((ビス(4-フルオロフェニル)メチル)スルフィニル)アセトアミド]は、次世代の選択的なドーパミン(DA)再取込み阻害剤である、モダフィニルのビス(p-フルオロ)フェニル環置換誘導体の95%より高い鏡像異性体過剰率で光学的に純粋な鏡像異性体形態(R)である(USPTO特許出願20130295196、ラウフルミドおよびその鏡像異性体、その調製方法およびその治療的使用、発行済み)。
【0020】
ラウフルミドは、過眠症のリバウンドの徴候を伴わない非常に強力な覚醒促進剤、これまでに調査した主要なモダフィニルの親類似体と異なる効果を有する強力な刺激剤27、ならびに有効度、睡眠のリバウンドおよび睡眠スペクトル分析での有効性および効果の点での多くの他の刺激剤28である。モダフィニルと比較する場合、ラウフルミド治療後の睡眠の回復は、非急速眼球運動(NREM)量およびデルタ活動の低下で特徴付けられ、より長期の薬物誘発性覚醒状態にもかかわらず回復に対する必要性が低いことを示唆する28。
【0021】
潜在的な認知の利点および抗衝撃の効果を有する覚醒促進剤としてのラウフルミドは、動脈性高血圧のような副作用、または睡眠のリバウンドの低いリスクを示し、ADHDおよび覚醒関連障害(例えばカタプレキシーおよび特発性過眠症を伴うまたは伴わないナルコレプシー)の治療に有用であり得る28。
【0022】
モダフィニルおよび覚醒状態の薬剤の多くとは対照的に、ラウフルミドは、長期的な治療で、強力な動脈性高血圧を伴う心臓血管系に有害な効果をもたらすノルエピネフリン(NE)交感神経系を刺激し損なう。
【0023】
モダフィニルは、ラウフルミドと比較して弱いDAT阻害剤である。中でも、モダフィニルは、その覚醒促進作用に対してカテコールアミン作動性(DAおよびNE)シグナル伝達に依存すると考えられる27,29,30。
【0024】
モダフィニル類似体の過去および最近の研究は、DAT阻害が、動物において覚醒状態を促進する効果と相関しておらず、DATのあらゆる有意な阻害を伴わないいくつかの類似体が、覚醒状態を促進する効果を依然として生じたことを示した31,32。
【0025】
別の研究は、モダフィニルが、ドーパミン作動性活性から主に生じるその覚醒を促進する特性を伴う長期間の作用を有することを見出した33。
【0026】
DAT阻害剤に加えて覚醒状態の効果に対する他の可能な機構は、オレキシン系の間接的な活性化を含む34~36。
【0027】
行動データについて、モダフィニル(128mg/kg)が、ラットにおいて消去に続くコカインでの条件付け場所嗜好性を強力に戻したことが報告されており、衝動性の利点が示されていないため、モダフィニルが再発を誘発し得る、または環境トリガーの強化する効果への常習者の脆弱性を増し得る37,38ことを示唆する。ナルコレプシー患者の曖昧な状態での意思決定タスクでの衝動的選択は、精神刺激薬がその効果を有し損なうため、面倒なままである39。
【0028】
驚くべきことに、本発明者らは、ラウフルミドがNPY1の逆アゴニスト阻害剤であることを観察した。
【0029】
実際に、ラウフルミドは、逆アゴニスト阻害剤(27.3%)として神経ペプチドY1(NPY1)と弱く結合し、1.0×10-05Mで試験した場合にヒスタミン作動性H2受容体媒介性誘発剤(>40%)の一部を発揮する可能性があり、その結合特性がEurofins確認標準的操作手順(試験100014859 Eurofins CEREP 20/03/14、未公表データ)による各標的に特異的な放射性標識されたリガンドの結合の阻害パーセントとして計算されたことを見出される。
【0030】
以前の所見は、疼痛伝達の制御においてリラキシン-3/RXFP3系に関与し、慢性疼痛状態(例えば線維筋痛)で変更されるいくつかの行動に影響を及ぼす神経ペプチド系を標的化することにより、疼痛管理に対する治療ツールの開発に対する新しい機会を提供する。
【0031】
他の所見は、重要な視床下部および辺縁系回路でのリラキシン-3/RXFP3シグナル伝達が、食欲促進および目標指向(動機付けられた)の行動を担うネットワークを調節することにより、ストレス関連の外部および内部情報の統合を可能にすることを示唆している40。
【0032】
概日リズムおよび覚醒では、一連の完了行動を促進するリラキシン-3/RXFP3シグナル伝達は、より広範に覚醒および動機付けられた行動を駆動するその主たる役割と直結している41,42。
【0033】
本発明者らは、リラキシン-3/RXFP3シグナル伝達がDAT阻害を介してME/CFS回路に関与したことを仮定した。
【0034】
RXFP3が代謝の神経内分泌制御に影響を及ぼすので、RXFP3受容体上で標的化するラウフルミドが摂食関連障害を潜在的に治療し得ることが強調される43。
【0035】
ラウフルミドは、強力なDAT阻害剤であり、モダフィニルより良好な有意な応答で試験した3つの用量で衝動性を改善した。
【0036】
RXFP3受容体に対して(23.9%)およびDAT再取込み阻害剤として(84.4%)作用するラウフルミドは、ラウフルミドが同じ実験条件でモダフィニルと比較してなぜ過眠症のリバウンドをもたらさないかを説明することができる28。
【0037】
NPY1受容体に基づく逆アゴニスト阻害剤の効果として、ラウフルミドは、気分障害の治療に関連し、ヒスタミンH2受容体で作用することも、文脈的恐怖に関連する記憶の保持を改善することができ、RXFP3受容体およびDAT阻害で作用することも、衝動性としての覚醒および動機付けられた行動を改善することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
ラウフルミドは、COVID-19後疲労の薬物療法の潜在的な候補として考えられる。
【0039】
潜在的な認知の利点および抗衝撃の効果を有する覚醒促進剤としてのラウフルミドは、動脈性高血圧のような副作用、または睡眠のリバウンドの低いリスクを示し、COVID-19感染に続く覚醒関連障害およびCFS(COVID後症候群、ロングCOVID)を伴うものに有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明の目的は、慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、式(I)
【化1】
(式中、R
1=F、Cl、Br、Iからなる群から選択されるハロゲン原子、およびR
2=HまたはOHである)
の化合物、または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物である。
【0041】
本発明の別の目的は、慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物、ならびに薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】1日目、2日目および3日目での24時間全体の期間中の疑似および対照群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下。
【
図2】1日目、2日目および3日目(暗期+明期)での24時間全体の期間中の疑似および対照群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下。
【
図3】1日目、2日目および3日目での暗期と明期との間の疑似および対照群による運動距離の差(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下。
【
図4】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似および対照群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、疑似群対対照群の差:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図5】1日目、2日目および3日目での12時間の暗期および明期の間の疑似、対照およびモダフィニル群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図6】1日目、2日目および3日目(暗期+明期)での24時間全体の期間中の疑似、対照およびモダフィニル群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図7】1日目、2日目および3日目での暗期と明期との間の疑似、対照およびモダフィニル群による運動距離の差(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図8】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびモダフィニル32群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図9】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびモダフィニル64群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図10】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびモダフィニル128群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図11】1日目、2日目および3日目での12時間の暗期および明期の間の疑似、対照およびNLS-4群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図12】1日目、2日目および3日目での24時間全体の期間中の疑似、対照およびNLS-4群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図13】1日目、2日目および3日目での暗期と明期との間の疑似、対照およびNLS-4群による運動距離の差(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図14】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびNLS-4 16群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図15】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびNLS-4 32群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図16】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびNLS-4 64群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図17】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびNLS-4 128群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図18】1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の疑似、対照およびNLS-4 256群による運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、差対疑似群および対対照群:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図19】1日目、2日目および3日目での12時間の暗期および明期の間の疑似、対照、モダフィニルおよびNLS-4群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図20】1日目、2日目および3日目での24時間全体の期間中の疑似、対照、モダフィニルおよびNLS-4群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図21】1日目、2日目および3日目での暗期と明期との間の疑似、対照、モダフィニルおよびNLS-4群による運動距離の差(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下。
【
図22】1日目、2日目および3日目での12時間の暗期および明期の間の疑似、対照、モダフィニル32および64ならびにNLS-4 16群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下;対モダフィニル32群:&p≦0.05以下;対モダフィニル64群:§p≦0.05以下。
【
図23】1日目、2日目および3日目での24時間全体の期間中の疑似、対照、モダフィニル32および64ならびにNLS-4 16群による運動距離(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下;対モダフィニル32群:&p≦0.05以下;対モダフィニル64群:§p≦0.05以下。
【
図24】1日目、2日目および3日目での暗期と明期との間の疑似、対照、モダフィニル32および64ならびにNLS-4 16群による運動距離の差(cm単位;平均+SEM)。差対疑似群:
*p≦0.05以下;対対照群:#p≦0.05以下;対モダフィニル32群:&p≦0.05以下;対モダフィニル64群:§p≦0.05以下。
【
図25】疑似、対照、モダフィニル32(上部パネル)、モダフィニル64(下部パネル)およびNLS-4 16群による、1日目、2日目および3日目での暗期および明期の2時間の期間中の運動距離(cm単位;平均±SEM)。各12時間の期間に対して、NLS-4 16群対疑似、対照、モダフィニル32およびモダフィニル64群の差:G=群の効果、G×P=群×期間の相互作用;ns=有意差なし、
*p≦0.05以下。
【
図26】疲労治療の開始前および治療の間(F-D1~7)、ならびに試験期間中(T-D1~D3+24h)の体重(g単位;平均、SEM)。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の第1の主題は、慢性疲労症候群(CFS)の予防および/または治療における使用のための、式(I)
【化2】
(式中、R
1=F、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくはFであるハロゲン原子、およびR
2=HまたはOH、好ましくはR
2=Hである)
の化合物、または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物に関する。
【0044】
式(I)は、スルホキシド(-S=O)基でキラル中心を有する。
【0045】
ゆえに、「異性体」とは、好ましくは「鏡像異性体」を意味する。
【0046】
本発明によると、別段指定されない場合、用語「式(I)の化合物」とは、そのラセミ体またはその鏡像異性体の形態で式(I)の化合物を指す。
【0047】
「光学的に純粋な式(I)の化合物」とは、95%より高い、好ましくは96%より高い、より好ましくは97%より高い、さらにより好ましくは98%より高い、特に好ましくは99%より高い鏡像異性体過剰率での鏡像異性体を意味する。
【0048】
好ましくは、R
1=Fであり、R
2=Hである。
【化3】
【0049】
R
1=FおよびR
2=Hの場合、光学的に純粋なR-鏡像異性体である式(I)の化合物は、ラウフルミド、2-[(R)-((ビス(4-フルオロフェニル)メタン)スルフィニル)]アセトアミド、およびその塩である。
【化4】
【0050】
好ましくは、本発明の主題は、ウイルス感染後CFS、より好ましくはSARS-Cov2感染後CFS、すなわちロングCOVID状態を予防および/または治療における使用のための式(I)の化合物である。
【0051】
式(I)の化合物は、好ましくは50mg/日~500mg/日、より好ましくは80~320mg/日である治療用量で使用される。
【0052】
式(I)の化合物は、好ましくは1mg/kg/日~5mg/kg/日である治療用量で使用される。
【0053】
本発明の第2の主題は、慢性疲労症候群の予防および/または治療の方法であって、式(I)
【化5】
(式中、R
1=HまたはF、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくはFであるハロゲン原子、およびR
2=HまたはOHである)
の化合物、または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法に関する。
【0054】
本発明の第3の主題は、慢性疲労症候群の予防および/または治療における使用のための、上記に定義される式(I)の化合物または薬学的に許容されるその異性体、塩および/もしくは溶媒和物、ならびに薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物に関する。
【0055】
本発明による使用のための医薬組成物は、好ましくは、経口または非経口投与に好適である。
【0056】
好ましくは、本発明による使用のための医薬組成物は、経口投与、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、溶液剤、散剤の形態で、または非経口投与、例えば注射可能な溶液のような溶液剤の形態または経皮送達システム(TDS)に好適である。
【0057】
本発明の第4の主題は、慢性疲労症候群の予防および/または治療の方法であって、上記に定義される医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法に関する。
【実施例】
【0058】
【0059】
ラウフルミドは、各標的に特異的な放射性標識されたリガンドの対照特異的結合の阻害%として計算された10-5Mで試験した。
【0060】
この結合プロファイルパネルは、Eurofins標準的操作手順(www.eurofins.fr)をしたがって細胞周期調節に関与する天然の動物組織、放射性リガンドおよび特異的な酵素を含む、大まかに等しい数の選択的な中心および末梢の治療に関連する標的で広く定義された。
【0061】
放射性リガンド結合実験に対して、半最大阻害濃度(IC50)および半最大有効濃度(EC50)値は、Hillの式の曲線適合を使用して競合曲線の非線形回帰分析により(コンピューターソフトウェアを介して)決定された。阻害定数(Ki)は、Cheng-Prusoff式(Ki=IC50/(1+(L/KD))を使用して計算され、Lはアッセイにおける放射性リガンドの濃度であり、KDは受容体に対する放射性リガンドの親和性である。
【0062】
結果は、対照特異的結合%([実測特異的結合/対照特異的結合]×100)として、および試験化合物の存在下で得られる対照特異的結合(100-[(実測特異的結合/対照特異的結合)×100])の阻害%として表される。
【0063】
25%より低い阻害(または刺激)を示す結果は、有意であるとは考えられず、対照レベル程度のシグナルの変動性に大部分が起因する。
【0064】
低度から中程度の負の値は、現実の意味を有さず、対照レベル程度のシグナルの変動性に起因する。
【0065】
50%より高い阻害または刺激は、試験化合物の有意な効果と考えられ、25%~50%は、より大きな実験間の変動性が起こり得る範囲内である場合にさらに試験することにより確認されるべき軽度から中程度の効果を示している。
【0066】
50パーセントは、さらなる調査に対して通常のカットオフである(すなわち、濃度-応答曲線からIC50またはEC50値の決定)。
【0067】
これらの結合アッセイの主要で重要または適切な所見は、表1にラウフルミドに対してそれぞれ提示される。
【表1】
【0068】
ラウフルミドは、84.4%のDA再取込み阻害と共にドーパミントランスポーター(DAT)に選択的に結合し、ゆえに、DATによるドーパミン輸送を混乱させることによるその覚醒促進作用の一部を発揮する可能性があるので、ドーパミン(DA)の細胞外濃度を上昇させ、覚醒状態をもたらす(試験100014859 CEREP 20/03/14、未公表データ)。覚醒増進に関与する他の薬理学的標的の他の潜在的な効果は、ラウフルミドの結合プロファイルで見出される。
【0069】
ラウフルミドは、RXFP3受容体(試験US073-0006869-Q Eurofins/leadHunter 8/1/19;未公表データ)と弱く結合することが見出される(表1)。
【0070】
これらのアッセイの化合物は、GPCRバイオセンサーアッセイを伴い、この設計に適しているアゴニストおよびアンタゴニスト様式で試験した。
【0071】
細胞操作
1. cAMP Hunter細胞株は、標準的な手順によりフリーザー保存液から拡張させた。
2. 細胞は、20μLの総体積で白色壁の384ウェルマイクロプレートに播種させ、試験前の適切な時間37℃でインキュベートさせた。
3. cAMP調節は、DiscoverX HitHunter cAMP XS+アッセイを使用して決定された。
【0072】
Gsアゴニストフォーマット
1. アゴニスト決定のために、細胞は、サンプルとインキュベートして、応答を誘発させた。
2. 媒体は細胞から吸引し、15μLの2:1HBSS/10mMのHepes:cAMP XS+Ab試薬で置き換えられた。
3. サンプルストックの中間希釈は行われ、アッセイ緩衝液において4×サンプルを生成させた。
4. 5μLの4×サンプルは細胞に添加され、37℃または室温で30または60分間インキュベートさせた。ビヒクル濃度は1%であった。
【0073】
Giアゴニストフォーマット
1. アゴニスト決定のために、細胞は、EC80フォルスコリンの存在でサンプルとインキュベートして、応答を誘発させた。
2. 媒体は細胞から吸引し、15μLの2:1HBSS/10mMのHepes:cAMP XS+Ab試薬で置き換えられた。
3. サンプルストックの中間希釈は行われ、4×EC80フォルスコリンを含有するアッセイ緩衝液において4×サンプルを生成させた。
4. 5μLの4×サンプルは細胞に添加され、37℃または室温で30または60分間インキュベートさせた。最終アッセイビヒクル濃度は1%であった。
【0074】
アロステリック調節フォーマット
1. アロステリック決定に対して、細胞は、サンプルで予めインキュベートされ、続いてEC20濃度でアゴニスト導入させた。
2. 媒体は細胞から吸引し、10μLの1:1HBSS/10mMのHepes:cAMP XS+Ab試薬で置き換えられた。
3. サンプルストックの中間希釈は行われ、アッセイ緩衝液において4×サンプルを生成させた。
4. 5μLの4×化合物は細胞に添加され、室温または37℃で30分間インキュベートさせた。
5. 5μLの4×EC20アゴニストは細胞に添加され、室温または37℃で30または60分間インキュベートさせた。Gi共役型GPCRのために、EC80フォルスコリンは含まれた。
【0075】
逆アゴニストフォーマット(Giのみ)
1. 逆アゴニスト決定のために、細胞は、EC20フォルスコリンの存在でサンプルと予めインキュベートさせた。
2. 媒体は細胞から吸引し、15μLの2:1HBSS/10mMのHepes:cAMP XS+Ab試薬で置き換えられた。
3. サンプルストックの中間希釈は行われ、4×EC20フォルスコリンを含有するアッセイ緩衝液において4×サンプルを生成させた。
4. 5μLの4×サンプルは細胞に添加され、37℃または室温で30または60分間インキュベートさせた。最終アッセイビヒクル濃度は1%であった。
【0076】
アンタゴニストフォーマット
1. アンタゴニスト決定に対して、細胞は、サンプルで予めインキュベートされ、続いてEC80濃度でアゴニスト攻撃させた。
2. 媒体は細胞から吸引し、10μLの1:1 HBSS/Hepes:cAMP XS+Ab試薬で置き換えられた。
3. 5μLの4×化合物は細胞に添加され、37℃または室温で30分間インキュベートさせた。
4. 5μLの4×EC80アゴニストは細胞に添加され、37℃または室温で30または60分間インキュベートさせた。Gi共役型GPCRのために、EC80フォルスコリンは含まれた。
【0077】
シグナル検出
1. 適切な化合物をインキュベートした後、アッセイシグナルは、20μLのcAMP XS+ED/CL溶解カクテルで1時間インキュベートし、続いて室温で3時間、20μLのcAMP XS+EA試薬でインキュベートしながら生成させた。
2. マイクロプレートは、化学発光シグナル検出のためにPerkinElmer Envision(商標)装置とのシグナル生成に続いて読み出した。
【0078】
データ分析
1. 化合物活性は、CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)を使用して分析させた。
2. Gsアゴニスト様式アッセイのために、活性百分率は、以下の式:活性%=100%×(試験サンプルの平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(MAX対照の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)を使用して計算される。
3. Gsの正のアロステリック様式アッセイのために、調節百分率は、以下の式:http://www.eurofinsdiscoveryservices.com Confidential 6/25/2021 5%の調節=100%×(試験サンプルの平均RLU-EC20対照の平均RLU)/(MAX対照の平均RLU-EC20の平均RLU)を使用して計算させる。
4. Gsアンタゴニストまたは負のアロステリック様式アッセイのために、阻害百分率は、以下の式:阻害%=100%×(1-(試験サンプルの平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(EC80対照の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU))を使用して計算される。
5. Giアゴニスト様式アッセイのために、活性百分率は、以下の式:活性%=100%×(1-(試験サンプルの平均RLU-MAX対照の平均RLU)/(ビヒクル対照の平均RLU-MAX対照の平均RLU))を使用して計算される。
6. Giの正のアゴニスト様式アッセイのために、調節百分率は、以下の式:調節%=100%×(1-(試験サンプルの平均RLU-MAX対照の平均RLU)/(EC20対照の平均RLU-MAX対照の平均RLU))を使用して計算される。
7. Gi逆アゴニスト様式アッセイのために、活性百分率は、以下の式:逆アゴニスト活性%=100%×((試験サンプルの平均RLU-EC20の平均RLUフォルスコリン)/(フォルスコリンの陽性対照の平均RLU-EC20対照の平均RLU))を使用して計算される。
8. Giアンタゴニストまたは負のアロステリック様式アッセイのために、阻害百分率は、以下の式:阻害%=100%×(試験サンプルの平均RLU-EC80対照の平均RLU)/(フォルスコリンの陽性対照の平均RLU-EC80対照の平均RLU)を使用して計算される。
【0079】
アゴニストおよびアンタゴニストアッセイのために、データは、対照リガンドおよびビヒクルの存在で観察された最大および最小の応答に正規化させた。
【0080】
Gi cAMPアッセイのために、以下のフォルスコリン濃度が使用された:
RXFP3 cAMP:20μMのフォルスコリン
RXFP4 cAMP:20μMのフォルスコリン
【0081】
以下のEC80濃度が使用された:
RXFP3 cAMP:0.0003μMのリラキシン-3
RXFP4 cAMP:0.01μMのリラキシン-3
【0082】
重度の疲労のラットモデルにおけるラウフルミドの効果
以下の実施例では、ラウフルミドはNLS-4とも呼ばれる。
【0083】
材料および方法
動物の操作は、最低でもストレスを軽減するために注意深く行った。全ての実験は、実験動物での実験に対するフランス農業省のガイドライン(法律2013-118)を準拠して行った。
【0084】
実験は、静かな状態(換気および実験で使用される装置により生じるもの以外のノイズはない)での人工灯を伴う標準的な条件(T°=22.0±1.5℃)で行った。
【0085】
実験は、盲検で行った。
【0086】
動物は、試験前に他の実験を施していない。
【0087】
【0088】
【0089】
断眠の手順
動物は、個別に、1.5cmの高さまで水(23±1℃)で充填した透明ポリカーボネートケージ(1354G Eurostandard IV型ケージ、Tecniplast、イタリア、595×380×200mm、床面積=1820cm2)に収容される。プラットフォーム(高さ5cm、直径6.5cm)は、ケージの中心に位置させた。動物は、乾燥状態を保つが、深い睡眠に落ちた場合は落下するように、プラットフォーム上に留める。この手順は、睡眠、とりわけREM睡眠の不足を誘発することを示している。この期間中、動物は、毎日変化する明暗期間の様々な期間で改変した明/暗サイクルに置かれた。この手順は、概日リズムを混乱させることを意図される。
【0090】
疑似群は、12/12時間の明/暗サイクル下の同じ期間、正常な条件に収容された。
【0091】
動物は毎日秤量した。
【0092】
概日活動の記録
疲労期間の終了後、動物は、12時間/12時間サイクル下、透明ポリカーボネートケージ(E型、Iffa Credo、フランス、450×300×200mm、床面積=1032cm2)に置かれた。ケージは、食餌および瓶が置かれたステンレス鋼グリッドで覆われた。ステンレス鋼の分割部材は、食餌および水を分離した。ケージは、ケージ内の運動距離を継続的に記録することが可能な赤外線光ビーム検出システム(Acti-track、LSI Leticca、Panlab)に置かれた。歩行運動活動は、3日間継続して記録された。試験は、明/暗サイクルの暗期の開始時に開始した。
【0093】
群
76匹の動物は、上述した疲労治療および試験にかけられた。12匹の動物(疑似群)は、標準的な条件に収容された。
【0094】
疲労治療の終了後、動物は、試験前(トータル:3回投与)に経口(p.o.、経口胃管栄養法)投与を受けた10個の群に分けられた:
- 疑似(疲労なし)群(N=12):ビヒクル。
- 対照群(N=11):ビヒクル。
- モダフィニル32群(N=10):モダフィニル(32mg/kg)。
- モダフィニル64群(N=10):モダフィニル(64mg/kg)。
- モダフィニル128群(N=5):モダフィニル(128mg/kg)。
- NLS-4 16群(N=5):NLS-4(16mg/kg)。
- NLS-4 32群(N=10):NLS-4(32mg/kg)。
- NLS-4 64群(N=10):NLS-4(64mg/kg)。
- NLS-4 128群(N=10):NLS-4(128mg/kg)。
- NLS-4 256群(N=5):NLS-4(256mg/kg)。
【0095】
データ分析
読み出し:24時間の期間中、12時間の明暗期間、および2時間の期間中の運動距離
【0096】
データは、平均および平均の標準誤差(SEM)として表される。
【0097】
統計学的分析:スチューデントt検定、反復測定ANOVA
【0098】
差は、p≦0.05で統計学的に有意であると考えられる。
【0099】
結果
概日活動
断眠の効果
図1に示す通り:
- 暗期中の運動距離は、1日目および2日目に疑似群より対照群で小さく、3日目に群間に有意差はなかった。
- 明期中の運動距離は、1日目に疑似群より対照群で大きく、2日目および3日目に群間に有意差はなかった。
【0100】
図2に示す通り:
- 2つの期(24時間全体の期間)中の全運動距離は、1日目に疑似群より対照群で小さくなる傾向があり、2日目および3日目に対照群と疑似群との間に有意差はなかった。
【0101】
図3に示す通り:
- 暗期と明期との間の運動距離の差は、1日目、2日目および3日目に疑似群より対照群で小さかった。
【0102】
暗期および明期の各2時間の期間中の運動距離は、
図4に示される。
【0103】
1日目、反復測定ANOVAは、以下を示す:
- 暗期中、全運動距離は、上述したように疑似群より対照群で小さく(有意な群の効果)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間で異なった(有意な群×期間の相互作用)。
- 明期中、全運動距離は、上述したように疑似群より対照群で大きかったが(有意な群の効果)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間に有意差はなかった(群×期間の相互作用:ns)。
【0104】
2日目、反復測定ANOVAは、以下を示す:
- 暗期中、全運動距離は、上述したように疑似群より対照群で小さかったが(有意な群の効果)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間に有意差はなかった(群×期間の相互作用:ns)。
- 明期中、全運動距離は、上述したように群間に有意差はなかったが(群の効果:ns)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間で異なった(有意な群×期間の相互作用)。
【0105】
3日目、反復測定ANOVAは、以下を示す:
- 暗期中、全運動距離は、上述したように疑似群より対照群で小さくなる傾向があり(有意な群の効果に近い)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間で異なった(有意な群×期間の相互作用)。
- 明期中、全運動距離は、上述したように群間に有意差はなかったが(群の効果:ns)、12時間の期間中の歩行運動活動での変化は、群間で異なった(有意な群×期間の相互作用)。
【0106】
結論。これらの所見は、疲労治療が、概日活動での障害、すなわち暗期中(ラットが正常に活動する場合)の運動活動の低下および明期中(ラットが主に活動しない場合)の運動活動の増加を誘発したことを示す。この障害は、部分的に経時的に低下したが、疲労治療の終了の3日後でも依然として存在した。
【0107】
モダフィニルの効果
エラー!参照元が見つからないが示す通り、暗期および明期の間にモダフィニルで治療されたラットによる運動距離:
- 1日目、2日目および3日目での暗期および明期の両方の間のモダフィニル32群と対照群との間に有意差はなかった。
- 1日目、2日目および3日目に、暗期中、対照群よりモダフィニル64群で大きく、明期中、これらの2つの群間に有意差はなかった。
- 1日目および2日目のみ、暗期中、対照群よりモダフィニル128群で大きく、1日目、2日目および3日目、明期中、これらの2つの群間に有意差はなかった;しかし、モダフィニル(128mg/kg)もまた1日目の暗期中に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
【0108】
図6に示す通り:
- 24時間全体の期間中の全距離:
○ 1日目、2日目および3日目にモダフィニル32群と対照との間に有意差はなかった。
○ 1日目、2日目および3日目に対照群よりモダフィニル64群で大きかった。
- 1日目のみ、対照群よりモダフィニル128群で大きかった;しかし、モダフィニル(128mg/kg)もまた1日目に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
【0109】
図7に示す通り:
- 暗期と明期との間の運動距離の差:
○ 1日目、2日目および3日目にモダフィニル32群と対照との間に有意差はなかった。
○ 1日目、2日目および3日目に対照群よりモダフィニル64群で大きかった。
○ 1日目および2日目のみ、対照群よりモダフィニル128群で大きかった。
【0110】
暗期および明期の各2時間の期間中の運動距離は、
図8、
図9および
図10に示される。これらの結果は、モダフィニルが、上述した通り、暗期中の運動距離を増大することができ、明期中に活動の誘発された効果がほとんどなかったことを示す。
【0111】
結論。これらの所見は、モダフィニル(64、128mg/kg)が、疲労治療により誘発された概日リズムの障害を軽減し得る歩行運動活動での増大を誘発したことを示す。
【0112】
ラウフルミド(NLS-4)の効果
エラー!参照元が見つからないが示す通り、暗期および明期の間にNLS-4で治療されたラットによる運動距離:
- 1日目、2日目および3日目、暗期中、対照群よりNLS-4 16群で大きく、明期中、NLS-4 16群と対照群との間に有意差はなかった;しかし、NLS-4(16mg/kg)もまた1日目の明期中および3日目の暗期中に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
- 1日目、2日目および3日目、暗期中、対照群よりNLS-4 32群で大きく、明期中、NLS-4 32群と対照群との間に有意差はなかった;しかし、NLS-4(32mg/kg)もまた1日目、2日目および3日目の明期中および2日目および3日目の暗期中に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
- 1日目、2日目および3日目の暗期中および3日目のみの明期中、対照群よりNLS-4 64群で大きかった;NLS-4(64mg/kg)もまた、1日目、2日目および3日目の暗期および明期の両方の間に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
- 1日目、2日目および3日目、暗期および明期の両方の間、対照群よりNLS-4 128群で大きかった;NLS-4(128mg/kg)もまた、1日目、2日目および3日目の暗期および明期の両方の間に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
- 1日目、2日目および3日目、暗期および明期の両方の間、対照群よりNLS-4 256群で大きかった;NLS-4(256mg/kg)もまた、1日目、2日目および3日目の暗期および明期の両方の間に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意すべきである。
【0113】
図12に示す通り:
- 24時間全体の期間中の全運動距離は、1日目、2日目および3日目、対照群よりNLS-4 16、32、64、128および256群で大きかった;しかし、NLS-4(32~256mg/kg)もまた、1日目、2日目および3日目に疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意するべきである。
【0114】
図13に示す通り:
- 暗期と明期との間の運動距離の差は、1日目、2日目および3日目、対照群よりNLS-4 16、32、64、128および256群で大きかった、または大きくなる傾向があった;しかし、NLS-4(16~256mg/kg)もまた、3日目のみの間(16、32および256mg/kgで)ならびに1日目、2日目および3日目に(64および128mg/kgで)、疑似群と比較して運動距離を増大したことは留意するべきである。
【0115】
暗期および明期の各2時間の期間中の運動距離は、
図14、
図15、
図16、
図17および
図18に示される。これらの結果は、NLS-4が、上述した通り、暗期中に運動距離を用量依存的に増大し、明期中に活動の誘発された効果がほとんどなかったが、NLS-4が、投与後の、第1の2時間の期間中(16mg/kgで)、8時間の期間中(32mg/kgで)および10時間の期間中(64~256mg/kgで)、運動距離が劇的に増大したことを示す。
【0116】
結論。これらの所見は、NLS-4(16~256mg/kg)が、疲労治療により誘発された概日リズムの障害を軽減し得る歩行運動活動での増大を誘発したことを示す。
【0117】
NLS-4対モダフィニルの比較
暗期および明期の間の全群からのラットによる運動距離は、
図19に示される。
【0118】
上述した通り、24時間全体の期間中の全運動距離は、モダフィニル(128mg/kg)ならびにNLS-4(32、64、128および256mg/kg)により有意に増大した(
図20)。さらに、
図21に示す通り、暗期と明期との間の運動距離の差は、疲労治療により劇的に減少し、概日活動の障害を示す。暗期と明期との間の運動距離の差は、全ての用量で、モダフィニル(64、128mg/kg)およびNLS-4により対照(疲労)群と比較して増大した。
【0119】
高用量でのモダフィニルおよびNLS-4は、高い有意な運動刺激効果を有する。したがって、NLS-4対モダフィニル群のNLS-4 16、モダフィニル32およびモダフィニル64群に対する比較に集中させた。
【0120】
図22は、暗期および明期の間の運動距離が以下の通りであることを示す:
- モダフィニル32群:
○ 1日目、2日目および3日目での暗期および明期の両方の間に対照群からの有意差はなかった。
○ 1日目および2日目のみ、暗期中に疑似群より小さく、1日目のみ、明期中に疑似群より大きかった。
- モダフィニル64群:
○ 1日目、2日目および3日目での暗期中に対照群より大きく、1日目、2日目および3日目での明期中に対照群からの有意差はなかった。
○ 1日目、2日目および3日目での暗期および明期の両方の間に疑似群からの有意差はなかった。
- NLS-4 16群:
○ 1日目、2日目および3日目での暗期中に対照群より大きく、1日目のみ、明期中にも対照群より大きかった。
○ 3日目のみ、暗期中に疑似群より大きく、1日目のみ、明期中に対照群より大きかった。
○ 3日目のみ、暗期中および1日目のみ、明期中にモダフィニル32群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目での暗期および明期の両方の間にモダフィニル64群からの有意差はなかった。
【0121】
図23に示す通り、24時間全体の期間中の全距離:
- モダフィニル32群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群および疑似群の両方からの有意差はなかった。
- モダフィニル64群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目に疑似群からの有意差はなかった。
- NLS-4 16群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目に疑似群からの有意差はなかった。
○ 3日目のみ、モダフィニル32群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目にモダフィニル64群からの有意差はなかった。
【0122】
図24に示す通り、暗期と明期との間の運動距離の差:
- モダフィニル32群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群からの有意差はなかった。
○ 1日目および2日目のみ、疑似群より小さくなかった。
- モダフィニル64群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目に疑似群からの有意差はなかった。
- NLS-4 16群:
○ 1日目、2日目および3日目に対照群より大きかった、または大きくなる傾向があった。
○ 3日目のみ、疑似群より大きかった。
○ 2日目および3日目のみ、モダフィニル32群より大きかった。
○ 1日目、2日目および3日目にモダフィニル64群からの有意差はなかった。
【0123】
暗期および明期の各2時間の期間中の運動距離は、
図25に示される。これらの結果は、モダフィニル(32、64mg/kg)およびNLS-4(16mg/kg)が、投薬に続く第1の2時間の期間中、運動活動を増大したことを示す。モダフィニル(32mg/kg)は、続く22時間の間、活動のわずかな改変または改変なしを誘発した。モダフィニル(64mg/kg)およびNLS-4(16mg/kg)により誘発された運動活動の増大は、とりわけ2日目および3日目により持続可能であり、モダフィニル(64mg/kg)よりNLS-4(16mg/kg)について顕著である傾向があった。
【0124】
NLS-4 16およびモダフィニル64群は、第1の投薬に続く第1の2時間の期間中、NLS-4 16群よりモダフィニル64群での高い運動亢進の結果として、1日目に有意差があった有意な群×期間の相互作用を除いて、有意差はなかった。他方、NLS-4 16群は、2日目および3日目の暗期中、モダフィニル32群から有意に異なった、すなわち、より活動的であった。
【0125】
結論。これらの所見は、NLS-4(16mg/kg)が、モダフィニル(64mg/kg)のものと同じ大きさであり、モダフィニル(32mg/kg)により誘発されたものより有意に高かった歩行運動活動の増大を誘発したことを示す。したがって、これらの結果は、NLS-4が、モダフィニルの4分の1の用量で、疲労治療により誘発された概日リズムの障害を軽減し得ることを示唆する。
【0126】
体重
疲労治療は、体重の減少を誘発した。疲労治療の中断の後、体重増加曲線は正常に戻り、体重減少は試験期間中、一定を維持した。体重減少は、モダフィニル(32~128mg/kg)およびNLS-4(16mg/kg)により改変しなかったが、NLS-4(32~256mg/kg)により増悪された。
【0127】
参考文献
1. Tenforde MW, Kim SS, Lindsell CJ, et al. Symptom Duration and Risk Factors for Delayed Return to Usual Health Among Outpatients with COVID-19 in a Multistate Health Care Systems Network - United States, March-June 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020;69(30):993-998. doi:10.15585/mmwr.mm6930e1
2. Hellwig S, Domschke K. [Post-COVID syndrome-Focus fatigue]. Nervenarzt. Published online May 23, 2022:1-7. doi:10.1007/s00115-022-01306-1
3. Huang B, Niu Y, Zhao W, Bao P, Li D. Reduced Sleep in the Week Prior to Diagnosis of COVID-19 is Associated with the Severity of COVID-19. Nat Sci Sleep. 2020;12:999-1007. doi:10.2147/NSS.S263488
4. Huang C, Huang L, Wang Y, et al. 6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study. Lancet. 2021;397(10270):220-232. doi:10.1016/S0140-6736(20)32656-8
5. Premraj L, Kannapadi NV, Briggs J, et al. Mid and long-term neurological and neuropsychiatric manifestations of post-COVID-19 syndrome: A meta-analysis. J Neurol Sci. 2022;434:120162-120162. doi:10.1016/j.jns.2022.120162
6. Alwan NA, Johnson L. Defining long COVID: Going back to the start. Med (N Y). 2021;2(5):501-504. doi:10.1016/j.medj.2021.03.003
7. Renaud-Charest O, Lui LMW, Eskander S, et al. Onset and frequency of depression in post-COVID-19 syndrome: A systematic review. Journal of Psychiatric Research. 2021;144:129-137. doi:10.1016/j.jpsychires.2021.09.054
8. Benitez ID, Moncusi-Moix A, Vaca R, et al. Sleep and Circadian Health of Critical COVID-19 Survivors 3 Months After Hospital Discharge. Crit Care Med. 2022;50(6):945-954. doi:10.1097/CCM.0000000000005476
9. Boiko DI, Skrypnikov AM, Shkodina AD, Hasan MM, Ashraf GM, Rahman MH. Circadian rhythm disorder and anxiety as mental health complications in post-COVID-19. Environ Sci Pollut Res Int. 2022;29(19):28062-28069. doi:10.1007/s11356-021-18384-4
10. Ceban F, Ling S, Lui LMW, et al. Fatigue and cognitive impairment in Post-COVID-19 Syndrome: A systematic review and meta-analysis. Brain, Behavior, and Immunity. 2022;101:93-135. doi:10.1016/j.bbi.2021.12.020
11. McCarthy MJ. Circadian rhythm disruption in Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome: Implications for the post-acute sequelae of COVID-19. Brain, Behavior, & Immunity - Health. 2022;20:100412. doi:10.1016/j.bbih.2022.100412
12. Wong TL, Weitzer DJ. Long COVID and Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS)-A Systemic Review and Comparison of Clinical Presentation and Symptomatology. Medicina (Kaunas). 2021;57(5). doi:10.3390/medicina57050418
13. Fukuda K, Straus SE, Hickie I, Sharpe MC, Dobbins JG, Komaroff A. The chronic fatigue syndrome: a comprehensive approach to its definition and study. International Chronic Fatigue Syndrome Study Group. Ann Intern Med. 1994;121(12):953-959. doi:10.7326/0003-4819-121-12-199412150-00009
14. Reeves WC, Lloyd A, Vernon SD, et al. Identification of ambiguities in the 1994 chronic fatigue syndrome research case definition and recommendations for resolution. BMC Health Serv Res. 2003;3(1):25. doi:10.1186/1472-6963-3-25
15. Beyond Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome: Redefining an Illness. National Academies Press (US); 2015. doi:10.17226/19012
16. Lam MHB, Wing YK, Yu MWM, et al. Mental morbidities and chronic fatigue in severe acute respiratory syndrome survivors: long-term follow-up. Arch Intern Med. 2009;169(22):2142-2147. doi:10.1001/archinternmed.2009.384
17. Moldofsky H, Patcai J. Chronic widespread musculoskeletal pain, fatigue, depression and disordered sleep in chronic post-SARS syndrome; a case-controlled study. BMC Neurol. 2011;11:37. doi:10.1186/1471-2377-11-37
18. Komaroff AL, Bateman L. Will COVID-19 Lead to Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome? Front Med (Lausanne). 2020;7:606824. doi:10.3389/fmed.2020.606824
19. Toogood PL, Clauw DJ, Phadke S, Hoffman D. Myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome (ME/CFS): Where will the drugs come from? Pharmacol Res. 2021;165:105465. doi:10.1016/j.phrs.2021.105465
20. Advisory Panel Members Worry About Potential for Abuse of Drug That’s Similar to GHB. FDA Panel Rejects Xyrem as Fibromyalgia Treatment. www.webmd.com/fibromyalgia/news/20100820/fda-panel-rejects-xyrem-as-fibromyalgia-treatment
21. A Trial of Solriamfetol in the Treatment of Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04622293
22. Fletcher MA, Rosenthal M, Antoni M, et al. Plasma neuropeptide Y: a biomarker for symptom severity in chronic fatigue syndrome. Behav Brain Funct. 2010;6:76. doi:10.1186/1744-9081-6-76
23. Morales-Medina JC, Dumont Y, Benoit CE, et al. Role of neuropeptide Y Y1 and Y2 receptors on behavioral despair in a rat model of depression with co-morbid anxiety. Neuropharmacology. 2012;62(1):200-208. doi:10.1016/j.neuropharm.2011.06.030
24. Giovannini MG, Efoudebe M, Passani MB, et al. Improvement in fear memory by histamine-elicited ERK2 activation in hippocampal CA3 cells. J Neurosci. 2003;23(27):9016-9023. doi:10.1523/JNEUROSCI.23-27-09016.2003
25. Gianlorenco ACL, Serafim KR, Canto-de-Souza A, Mattioli R. Emotional memory consolidation impairment induced by histamine is mediated by H1 but not H2 receptors. Brain Res Bull. 2012;89(5-6):197-202. doi:10.1016/j.brainresbull.2012.09.003
26. Silva-Marques B, Gianlorenco ACL, Mattioli R. Intracerebellar vermis histamine facilitates memory consolidation in the elevated T maze model. Neurosci Lett. 2016;620:33-37. doi:10.1016/j.neulet.2016.03.010
27. Milgram NW. Adrafinil: A novel vigilance promoting agent. CNS Drug Review. 1999;5(3):193-212.
28. Lucas I, Mulraney M, Sciberras E. Sleep problems and daytime sleepiness in children with ADHD: Associations with social, emotional, and behavioral functioning at school, a cross-sectional study. Behav Sleep Med. 2019;17(4):411-422. doi:10.1080/15402002.2017.1376207
29. Wisor JP, Nishino S, Sora I, Uhl GH, Mignot E, Edgar DM. Dopaminergic role in stimulant-induced wakefulness. J Neurosci. 2001;21(5):1787-1794. doi:10.1523/JNEUROSCI.21-05-01787.2001
30. Wisor JP, Dement WC, Aimone L, Williams M, Bozyczko-Coyne D. Armodafinil, the R-enantiomer of modafinil: wake-promoting effects and pharmacokinetic profile in the rat. Pharmacol Biochem Behav. 2006;85(3):492-499. doi:10.1016/j.pbb.2006.09.018
31. Bobak MJ, Weber MW, Doellman MA, et al. Modafinil Activates Phasic Dopamine Signaling in Dorsal and Ventral Striata. J Pharmacol Exp Ther. 2016;359(3):460-470. doi:10.1124/jpet.116.236000
32. Dunn D, Hostetler G, Iqbal M, et al. Wake-promoting agents: search for next generation modafinil: part II. Bioorg Med Chem Lett. 2012;22(6):2315-2317. doi:10.1016/j.bmcl.2012.01.064
33. Turner C, Belyavin AJ, Nicholson AN. Duration of activity and mode of action of modafinil: Studies on sleep and wakefulness in humans. J Psychopharmacol. 2014;28(7):643-654. doi:10.1177/0269881113508173
34. Mereu M, Bonci A, Newman AH, Tanda G. The neurobiology of modafinil as an enhancer of cognitive performance and a potential treatment for substance use disorders. Psychopharmacology (Berl). 2013;229(3):415-434. doi:10.1007/s00213-013-3232-4
35. Mereu M, Chun LE, Prisinzano TE, Newman AH, Katz JL, Tanda G. The unique psychostimulant profile of (±)-modafinil: investigation of behavioral and neurochemical effects in mice. Eur J Neurosci. 2017;45(1):167-174. doi:10.1111/ejn.13376
36. Rambert FA, Pessonnier J, de Sereville JE, Pointeau AM, Duteil J. [A unique psychopharmacologic profile of adrafinil in mice]. J Pharmacol. 1986;17(1):37-52.
37. Bernardi RE, Broccoli L, Spanagel R, Hansson AC. Sex differences in dopamine binding and modafinil conditioned place preference in mice. Drug Alcohol Depend. 2015;155:37-44. doi:10.1016/j.drugalcdep.2015.08.016
38. Wuo-Silva R, Fukushiro DF, Borcoi AR, et al. Addictive potential of modafinil and cross-sensitization with cocaine: a pre-clinical study. Addict Biol. 2011;16(4):565-579. doi:10.1111/j.1369-1600.2011.00341.x
39. Bayard S, Langenier MC, Dauvilliers Y. Effect of psychostimulants on impulsivity and risk taking in narcolepsy with cataplexy. Sleep. 2013;36(9):1335-1340. doi:10.5665/sleep.2958
40. Ma S, Smith CM, Blasiak A, Gundlach AL. Distribution, physiology and pharmacology of relaxin-3/RXFP3 systems in brain. Br J Pharmacol. 2017;174(10):1034-1048. doi:10.1111/bph.13659
41. Ma S, Gundlach AL. Ascending control of arousal and motivation: role of nucleus incertus and its peptide neuromodulators in behavioural responses to stress. J Neuroendocrinol. 2015;27(6):457-467. doi:10.1111/jne.12259
42. Smith CM, Shen PJ, Banerjee A, et al. Distribution of relaxin-3 and RXFP3 within arousal, stress, affective, and cognitive circuits of mouse brain. J Comp Neurol. 2010;518(19):4016-4045. doi:10.1002/cne.22442
43. Voglsanger LM, Read J, Ch’ng SS, et al. Differential Level of RXFP3 Expression in Dopaminergic Neurons Within the Arcuate Nucleus, Dorsomedial Hypothalamus and Ventral Tegmental Area of RXFP3-Cre/tdTomato Mice. Front Neurosci. 2020;14:594818. doi:10.3389/fnins.2020.594818
【国際調査報告】