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特表2024-523727インラインマフラ及びこれを含む気道陽圧治療装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】インラインマフラ及びこれを含む気道陽圧治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500667
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022031948
(87)【国際公開番号】W WO2023283001
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,963
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521540014
【氏名又は名称】ソムネティクス インターナショナル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ポール レイモンド ウィリアムズ,ジュニア
(57)【要約】
気道陽圧(PAP)装置に使用するためのインラインマフラ。マフラは、PAP装置によって生成された与圧ガスの流れと関連付けられる下流ノイズを効果的に減少するために、例えば破壊的ガス流路を使用して音響エネルギーを捕捉するバッフルを膨張室に備えることができる。いくつかの実施形態において、マフラは、一体的に形成されるバッフルセグメントを持つほとんど同一の2つの半体で構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道陽圧装置であって、
ブロワを収容するハウジングを備えるフロージェネレータであって、前記ブロワがブロワ出口において与圧ガスの流れを生成するように構成される、フロージェネレータと、
ユーザーインターフェイスと、
前記フロージェネレータと前記ユーザーインターフェイスとの間に位置付けられる細長い送達導管であって、前記送達導管が、前記ブロワから前記ユーザーインターフェイスまでの前記与圧ガスの流れを通すように構成される、送達導管と、
前記ブロワと前記送達導管との間に位置付けられるインラインマフラであって、前記インラインマフラが、前記与圧ガスが前記インラインマフラを通過するとき前記与圧ガスの流れと関連付けられるノイズを減衰するように構成される管状部材を備え、
前記インラインマフラは、
前記ブロワ出口に作動上結合されるように構成される入口ポートと、
前記送達導管の近位端に作動上結合されるように構成される出口ポートと、
前記入口ポートと前記出口ポートとの間に延びる本体であって、該本体が、前記入口ポート及び前記出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、前記本体の内壁が内向きに延びる複数のバッフルを備え、前記バッフルが前記膨張室を通過する前記与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される、本体と、
を含む、インラインマフラと、
を備える装置。
【請求項2】
前記バッフルは前記インラインマフラの前記本体と一体的に形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記音響エネルギーの捕捉は、該音響エネルギーの破壊的干渉、該音響エネルギーの拡散、該音響エネルギーの減衰、該音響エネルギーの抑制、該音響エネルギーの吸収及び該音響エネルギーの再指向の1つ又はそれ以上を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記入口ポートと前記出口ポートがインラインマフラの軸線を画定し、前記バッフルの1つ又はそれ以上は、山形を画定する2つの交差する平面状バッフルセグメントを備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの交差する平面状バッフルセグメントは前記インラインマフラの軸線に交差する線に沿って相互に交差する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記入口ポートと前記出口ポートがインラインマフラの軸線を画定し、前記バッフルの1つ又はそれ以上は、前記内壁と一体的に形成される平面状バッフルセグメントを備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記平面状バッフルセグメントは斜角で前記インラインマフラの軸線に交差する平面を画定する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記インラインマフラは相互に固定された2つの半体を備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項9】
前記2つの半体の各々は射出成形プロセスによって製造される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記2つの半体は、超音波溶接、接着、スナップ嵌め係合、締結及びオーバーモールドを含む群から選択されるプロセスによって相互に固定される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記バッフルは不透過性材料を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項12】
前記バッフルはプラスチック材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラであって、
前記インラインマフラが相互に固定された第1半体及び第2半体によって画定される管状ハウジングを備え、
該管状ハウジングは、
入口ポートを画定する第1端と、
出口ポートを画定する第2端と、
前記第1端と前記第2端との間に延びる本体であって、前記本体が、前記管状ハウジングの前記第1端と前記第2端との間に膨張室を画定し、複数のバッフルが前記膨張室の対向する内壁の間に延び、前記複数のバッフルの少なくとも1つが、前記第2半体と一体的に形成される第2バッフルセグメントとこれと整列する前記第1半体と一体的に形成される第1バッフルセグメントによって形成され、2つのバッフルセグメントが前記膨張室内で相互において又はその付近で終端する遠位部分を備える、本体と、
を備える、マフラ。
【請求項14】
前記複数のバッフルは、前記入口ポートから前記出口ポートまで通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される、請求項13に記載のマフラ。
【請求項15】
前記複数のバッフルの1つ又はそれ以上は、平面状バッフルセグメント及び湾曲バッフルセグメントの一方又は両方から選択された形状を備える、請求項13に記載のマフラ。
【請求項16】
前記第1バッフルセグメント及び前記第2バッフルセグメントは、前記第1半体と前記第2半体の合せ平面に対して垂直に見たとき山形を形成する、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項17】
前記複数のバッフルの1つ又はそれ以上が開口を画定する、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項18】
前記第1半体及び前記第2半体は、超音波溶接、接着、スナップ嵌め係合、締結及びオーバーモールドを含む群から選択されたプロセスによって相互に固定されるように構成される、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項19】
更に、前記第1半体と前記第2半体との間に位置付けられる圧縮性シールを備える、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項20】
前記第1半体及び前記第2半体が各々不透過性材料を含む、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項21】
前記第1半体及び前記第2半体が各々プラスチック材料を含む、請求項13~15の何れか一項に記載のマフラ。
【請求項22】
気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラであって、
該インラインマフラは、
前記ブロワによって生成された与圧ガスの流れと関連付けられる前記ユーザーインターフェイスにおいて検出されるノイズを減衰するように構成される管状部材を備え、
前記インラインマフラは、
前記ブロワのアウトレットに作動上結合されるように構成される入口ポートと、
前記ユーザーインターフェイスと流動的に流通する送達導管の近位端に作動上結合するように構成される出口ポートと、
前記入口ポートと前記出口ポートとの間に延びる本体であって、該本体が、前記入口ポート及び前記出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、前記本体の内壁が、内向きに延びる複数のバッフルを備え、該バッフルは前記膨張室を通過する前記与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される、本体と、
を備える、マフラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年7月9日に提出された米国特許仮出願第63/219963号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する優先権及び/又はその利益を主張する。
本開示の実施形態は、気道陽圧システムに関し、特にこれと使用するためのインラインマフラに関する。
【背景技術】
【0002】
気道陽圧(PAP)治療は、特に閉塞性睡眠無呼吸、複合睡眠無呼吸、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、いびき及びうっ血性心不全の治療に、しばしば使用される。このような治療は、典型的に、4~30水柱センチメートル(cmHO)(例えば、多くの場合約4~20水柱センチメートル(cmHO))の範囲又はそれ以上の圧力までユーザーの気道を与圧するために、与圧ガス(例えば典型的には空気であるが、例えば酸素及び医療用蒸気を含めてほとんどどのようなガス又はガス蒸気混合物にすることもできる)を与える。特定の治療に応じて、可変圧力又は定圧力治療をユーザーに施して、治療の使用を必要とする気道閉塞を抑制又は排除できる(又は、急性又は慢性呼吸不全を治療できる)。
【0003】
特定の治療に関係なく、気道陽圧装置は、典型的に少なくともブロワユニット及びユーザーインターフェイスを含む。送達導管又はホースも、ブロワユニットをユーザーユニットに接続するために含まれる場合があり、ホース及びインターフェイスは、一緒に送達導管を形成できる。ブロワユニットは、ベッドサイドテーブル又はベッドに隣接する床上に(又はベッド内に)置くか、又はユーザーに取り付けできる。ブロワは、典型的に、モーターの出力シャフトに接続されたファン又はインペラを含むことができる。コントローラは、ファン速度したがって治療圧力を制御するためにモーターを調節する。ユーザーインターフェイスは、全体的にユーザーの気道との間に気密シールを形成するようにユーザーの頭部に対して固定されるように構成される。その結果、ファンは、与圧ガスの流れを発生でき、これが、送達導管を介して気道へ送達される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、ブロワを収納するハウジングを備えるフロージェネレータであって、ブロワがブロワ出口において与圧ガスの流れを生成するように構成される、フロージェネレータと、ユーザーインターフェイスと、フロージェネレータとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられる細長送達導管であって、送達導管が、ブロワからユーザーインターフェイスへ与圧ガスの流れを通すように構成される、細長送達導管と、ブロワと送達導管との間に位置付けられるインラインマフラであって、マフラが、ガスがマフラを通過するとき与圧ガスの流れと関連付けられるノイズを減衰するように構成される管状部材を備える、インラインマフラと、を含む、気道陽圧装置を提供できる。マフラは、ブロワ出口に作動上結合されるように構成される入口ポートと、送達導管の近位端に作動上結合されるように構成される出口ポートと、入口ポートと出口ポートとの間に延びる本体と、を含み、本体は、入口ポート及び出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、かつ本体の内壁は、内向きに延びる複数のバッフルを備え、バッフルは、膨張室を通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される。
【0005】
別の実施形態において、気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラが提供され、マフラは、相互に固定された第1と第2半体によって画定される管状ハウジングを含む。ハウジングは、入口ポートを画定する第1端と、出口ポートを画定する第2端と、第1端と第2端との間に延びる本体と、を含む。本体は、ハウジングの第1端と第2端との間に膨張室を画定し、複数のバッフルが、膨張室の対向する内壁の間に延びる。複数のバッフルの少なくとも1つは、第2半体と一体的に形成される第2バッフルセグメントとこれと整列する第1半体と一体的に形成される第1バッフルセグメントによって形成され、2つのバッフルセグメントは、膨張室において又は膨張室内で相互の付近で終端する遠位部分を含む。
【0006】
更に別の実施形態において、気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラが提供され、マフラは、ブロワによって生成された与圧ガスの流れと関連付けられるユーザーインターフェイスで検出されるノイズを減衰するように構成される管状部材を含む。マフラは、ブロワのアウトレットに作動上結合されるように構成される入口ポートと、ユーザーインターフェイスと流動的に流通する送達導管の近位端に作動上結合されるように構成される出口ポートと、入口ポートと出口ポートとの間に延びる本体と、を含む。本体は、入口ポート及び出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、本体の内壁は、内向きに延びる複数のバッフルを備え、バッフルは、膨張室を通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される。
【0007】
上記の概要は、可能な各実施形態又はあらゆる実現形態を説明することを意図しない。様々な例示的実施形態のより完全な理解は、添付図面を考慮に入れて以下の「発明を実施するための形態」及び特許請求の範囲を参照することによって明らかになり確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
好ましい実施形態について、以下の図面を参照しながら説明する。
図1図1は、本開示の実施形態に従ったインラインマフラを含む気道陽圧装置の斜視図であり、マフラはブロワとユーザーインターフェイス(例えばマスク)との間に配置されている。
図2図2図1の装置の側面図である。
図3図3図1の装置の部分の分解斜視図である。
図4図4図1~3のマフラ単体の斜視図である。
図5図5図4のマフラの端面図である。
図6図6図4のマフラの分解図である。
図7図7図4のマフラの1つの半体の斜視図である。
図8図8図7のマフラの半体の平面図である。
図9A図9A-9Gは、本開示の様々な実施形態に従ったマフラ(各々半体が取り除かれている)を示し、図9A図8に示すものと同様のマフラバッフル構成部分を示す。
図9B図9Bは山形及び平面状バッフルセグメントの両方を使用するバッフル構成部分を示す。
図9C図9Cは平面状バッフルセグメントのみを使用するバッフル構成部分を示す。
図9D図9Dは不連続の平面状バッフルセグメント又はこれを貫通して形成された開口を有する平面状バッフルセグメントを使用するバッフル構成部分を示す。
図9E図9Eは蛇行バッフルセグメントを使用するバッフル構成部分を示す。
図9F図9Fは流れに対して直交する平面状バッフルセグメントを使用するバッフル構成部分を示す。
図9G図9Gは山形バッフル及び平面状バッフルセグメントの両方を使用する別のバッフル構成部分を示す。
図10A図10A-10Dは、2つのマフラ半体を相互に固定するための方法を示し、図10Aはスナップ嵌め係合部を示す。
図10B図10BはUジョイントシールを示す。
図10C図10Cは超音波溶接装置を示す。
図10D図10Dは別のスナップ嵌め係合部を示すシングルマフラ半体を示す。
図11図11は本開示の実施形態に従った更に別のマフラ(一方の半体が取り除かれている)を示す。
図12図12は本開示の実施形態に従った更に別のマフラ(一方の半体が取り除かれている)を示す。
図13図13は様々なマフラを評価するために使用される好ましいテスト構成部分のブロック図である。
図14A図14A-14Bは本開示の実施形態に従った更に別のマフラを示し、図14Aは一方の半体が取り除かれたマフラの平面図である。
図14B図14Bはその斜視図である。
図15A図15A-15Bは本開示の実施形態に従った更に別のマフラを示し、図15Aは一方の半体が取り除かれたマフラの平面図である。
図15B図15Bはその斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的実施形態の以下の詳細な説明において、本明細書の一部を成し、例として実施可能な具体的実施形態を示す添付図面を参照する。
【0010】
本明細書において説明する実施形態は、概略的に気道陽圧装置、システム及び方法に関するものであり、特に、これと使用するためのインラインマフラに関する。本明細書においては、主に睡眠障害呼吸に関連して説明するが、当業者は、同じ又は同様の実施形態が、ほとんどどのような補助呼吸又は補助喚起システムにも応用可能であり、事実ほとんどどのような気道陽圧装置/システムにも応用可能であることが分かるだろう。本明細書において説明する実施形態の変形、組合せ及び修正は、当業者には明らかであり、本開示が本明細書において示される例示的実施形態に限定されないことが分かるはずである。
【0011】
全ての見出しは、読み手の便宜のために提示されており、特に指定されない限り見出しの後に続くいかなるテキストの意味も制限するために使用されない。更に、特に指示しない限り、明細書及び特許請求の範囲において量を表す全ての数及び方向/向きを表す全ての用語(例えば、垂直、水平、平行、直角など)は、「約」によって修飾されるものと理解すべきである。「及び/又は」(を使用する場合)は、列記される要素の1つ又は全て又は列記される要素の任意の2つ又はそれ以上の組合せを意味する。「即ち(i.e.)」は、ラテン語のid estの省略語として使用され、「that is(即ち)」を意味する。「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaの省略語として使用され、「例えば(for example)」を意味する。
【0012】
「持つ」、「含む」、「備える」及びその変形は、この用語が明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、限定的意味を持たず、概略的に「含むが、それに限定されない」ことを意味するために開放的意味に使用される。さらに、“a”、“an”、“the”、“at least one(少なくとも1つ)”、及び“one or more(1つ又は複数)”は、本明細書において交換可能に使用される。更に、「左」、「右」、「前」、「前部」、「前方」、「後」、「後部」、「後方」、「上」、「下」、「側」、「上側」、「下側」、「上方」、「下方」、「水平」、垂直及びこれに類するものなどの相対的用語が、本明細書において使用される場合、それは説明のため及び/又は特定の図面に示される観点からのものである。これらの用語は、説明を単純化するためにのみ使用され、説明する実施形態の解釈を限定するためのものではない。
【0013】
同様の参照番号がいくつかの図面を通して同様の部品及び組立体を指定する図面を参照すると、図1及び2は、好ましい非侵襲的気道陽圧(PAP)装置100を示す。PAP装置100は、ブロワ出口102において与圧ガス103の流れを発生又は生成するように構成されるブロワ101を収容するハウジングを形成するフロージェネレータを含むことができる。ブロワ出口102は、細長送達ホース又は導管106の第1端即ち近位端に作動上結合され、これと流動的に流通する(下で説明するように中間ホース107及びマフラ200を介して)。導管106の第2端即ち遠位端は、ユーザーインターフェイス108のインレット105に接続できる。ユーザーインターフェイス108は、可撓性シール112(図1には図示しないが、図2に略図的に示す)を支持するように構成されるフレーム110を含むことができる。ユーザーインターフェイス108は、意図しない過剰なガス漏出なしにユーザーインターフェイスに送達される与圧ガスをユーザーの気道114へ流通できるように、ユーザー113(例えば、ユーザーの顔)に効果的に密着するほとんどどのような構造体も含むことができる。例えば、ユーザーインターフェイスは、ユーザーの口及び鼻の一方又は両方を被覆するフェイスマスク、鼻孔ピローシール、挿管又は同様の任意の機器とすることができる。単純化のために、ユーザーインターフェイスは、本明細書において、限定なしに「マスク」108と呼ぶ場合がある。
【0014】
本明細書において使用する場合、「空気」、「ガス」及び「流体」は、ほとんどどのようなガス又はガス-蒸気結合体も含むものとする。例えば、ブロワによって与えられるガスは、周囲空気、酸素、水蒸気、医療用蒸気及びこれらの組合せを含むことができる。単純化のために、空気、流体及びガスは、特に指示がない限り、本明細書において限定なしに交換可能に使用できる。
【0015】
導管106及びユーザーインターフェイス108は、一緒にブロワ101からユーザー113の気道114へ与圧ガスの流れを与える又は通すように構成されるガス送達経路又は送達導管109(図2参照)の一部分を画定する。送達導管109は、「意図的漏出」又は「意図的ベント漏出」と呼ばれるものを与えるために1つ又は複数のベント又はポートを含むことができる。意図的漏出は、再呼吸される二酸化炭素の量を最小限に抑えるために呼気中にシステムから二酸化炭素を吐き出すのを助けることができる。
【0016】
送達導管109内で与圧ガス103の所望の流れを生成するために、ブロワ101は、インペラ又はファンを収容するボリュートを形成するブロワハウジングを含むことができる。ブラシレスDCモーターなどの電気モーターは、ファンに結合しこれを回転できる。ファンが回転するとき、ファンは、ブロワハウジングの空気入口104を介してガス(例えば周囲空気111)を引き込み、ブロワハウジングにおいて、その後ガスはファンによって圧縮され、与圧ガス103の流れとしてアウトレット102から押し出される。ファンの回転速度を制御することによって、送達導管109内の与圧ガス103の流れの圧力は、ユーザーへ所望の治療圧力を与えるように制御できる。
【0017】
装置100(例えば、ブロワ101)は、特にモーター速度(及び、したがってファンの速度)を調整又はその他制御しそれによって与圧ガス103の流れの治療圧力及び流量を調節できる電子(例えば、マイクロプロセッサベースの)コントローラを含むことができる。コントローラ及び装置100のその他の要素は、搭載電源(例えば、バッテリ)か遠隔電源(例えば、AC又はDC電源による電力供給を受けることができる。
【0018】
ファン系のブロワとして説明し図示するが、「ブロワ」は、本明細書において使用する場合、与圧ガスを送達導管へ送達することができる任意の機器を含むことができる。例えば、ブロワは、適切な圧力及び流れを与えるためにバルブによって計量される圧縮ガスのタンク又はボトルであることも考えられる。
【0019】
装置100の作動時に、ブロワ101及びその結果生成された与圧ガスの流れによって生じた雑音(空気又はその他のガスを通る波として進行する音響エネルギー(即ち、圧力))は、送達導管109を通過しこれに沿って伝播できる。この雑音は、ユーザーによっては厄介であり、特定のユーザーにとって、睡眠を妨げる場合さえある。「雑音」、「ノイズ」及び「音響」は、本明細書において交換可能に使用する場合がある。
【0020】
この問題に対処するために、本開示の実施形態に従った管状部材又はハウジングによって画定されるマフラ200を提供する。図1及び2に示すように、マフラは、ブロワ101とユーザーインターフェイス108との間に作動上位置付けられるインラインマフラとすることができる。例えば、図1及び2に示すように、マフラ200は、ブロワ101と送達導管106との間のガス送達経路に位置付けできる。
【0021】
広義には、マフラ200は、送達導管109内に膨張室を画定できる。マフラ/膨張室は、ガスがマフラを通過するとき与圧ガスの流れと関連付けられるノイズ(このノイズは、そうでなければ下流のユーザーインターフェイスにおいて検知されることになる)を減衰するように構成されるバッフル(例えば、内向きに延びるバッフル)を備えることができる。このようにノイズを減衰するために、バッフルは、ガスが膨張室を通過するとき与圧ガスの流れと関連付けられる音波(本明細書において音響エネルギーとも呼ぶ)を効果的に捕捉するように作ることができる。本明細書において使用する場合、音響エネルギーの「捕捉」は、音響エネルギーの破壊的干渉、音響エネルギーの拡散、音響エネルギーの減衰、音響エネルギーの抑制、音響エネルギーの吸収及び音響エネルギーの再指向の1つ又はそれ以上の結果を生じるほとんどどのようなバッフル形状も含むことができる。本開示の実施形態に従ったマフラは、本明細書において説明するように与圧ガスの流れと(ガスが膨張室を通過するときに)相互作用するようにバッフルを構成部分することによって、上記の捕捉機能を与えることができる。本明細書において使用する場合、与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーは、ガスの流れ、ブロワ及びマフラの上流のシステムへ音響エネルギーを導入するその他の任意のシステム要素によって生成された音響エネルギーを含むことができる。
【0022】
上で述べ図2~3に示すように、マフラ200は、ブロワ101と送達導管106との間に作動上配置できる。例えば、マフラハウジングは、ブロワ出口102に作動上結合される(例えば、中間管状ホース107を介して)ように構成される入口ポート202を画定する第1端と、ユーザーインターフェイスと流動的に流通する送達導管106の近位端に作動上結合されるように構成される出口ポート204を画定する第2端と、を含むことができる。ブロワ101、ホース107、マフラ200、導管106及びユーザーインターフェイス108は、概ね漏出なしに(これらの要素の任意の1つ又はそれ以上に与えられる意図的漏出以外には)、図示するように(例えば、図2参照)相互に接続されるように作ることができる。
【0023】
図4は、好ましいマフラ200の拡大斜視図であり、図5及び6は、それぞれ端面図及び拡大図である。これらの図に示すように、入口ポート202と出口ポート204は、送達導管109の流動軸線と概ね同軸のマフラ軸線216を画定できる。更に、マフラ200/マフラハウジングは、第1端と第2端との間(例えば、入口ポート202と出口ポート204との間)に延びる本体206を含むことができ、本体は、ハウジングの第1端と第2端との間に配置される膨張室207を画定する。膨張室207は、入口ポート202(内径209aによって画定される)及び出口ポート204(内径209bによって画定される)の両方の有効断面積より大きい有効断面積(例えば、有効内径208によって画定される)を含むことができる。更に、いくつかの実施形態において、バッフルは、膨張室の対向する内壁から延びることができる。即ち、本体206の内壁211(膨張室207内)は、内向きに延びる複数のバッフル(例えば固定バッフル)を含み、バッフルは、更に下で説明するように与圧ガスの流れを破壊することによって、少なくとも膨張室を通過する(例えば、マフラ/マフラハウジングの入口ポートから出口ポートまで流れる)与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される。
【0024】
本明細書において「直径」及び「有効直径」と呼ぶが、入口ポート202、出口ポート204及び膨張室207は、本開示の範囲から逸脱することなく、ほとんどどのような断面内(及び外)形状を持つことができる。即ち、これらの用語は、円形又は非円形を問わず、断面形状と関連付けられるほとんどどのような直径でも意味するために使用できる。例えば、「直径」は、本開示の範囲から逸脱することなく多角断面寸法又は楕円、卵形又はスタジアム形断面寸法を指すために使用できる。
【0025】
更に図6を参照すると、好ましいマフラ200(例えば、マフラハウジング)は、2つの対称形の半体210a、210b(個別に及びまとめて半体210(単数又は複数)と呼ぶ)を含む又はそれによって画定でき、各半体(及び各々のバッフル)は、プラスチック(又はその他の不透過性材料)射出成形プロセスによって形成できる。各部品は同一なので、マフラ200は、別の構成部分に比べて製造経済性を生むことができる。2つの半体210は、概ね平面状の合せ面213に沿って相互に接合又は固定するように作ることができる(図5)。実際の合せ面は、段付き又は湾曲面を備えることができ、この場合、合せ「面」又は合せ「平面」は、組み立てられたとき半体の対称軸となる事実上の又は構造的平面又は面を意味することができる。他の実施形態において、2つの半体210は、ほとんどの関連する点に関して対称形とすることができるが、様々な合せ面213構成部分を含むことができる。2つの半体210の合せ面213のこのような変形は、例えば、マフラ200を形成するために2つの半体を相互に接合(例えば、超音波溶接)するのを助けることができる。但し、これらの合せ面変形を持っていても、半体のほとんど又は全ての他の形態-例えば、下で説明するように雑音捕捉機能のほとんどを与える膨張室207、バッフル214、バッフルセグメント212など-は、対称形とすることができる。したがって、半体210の説明に関して使用する場合、「対称形」及びこれと同様の用語は、主要な雑音捕捉機構を与える2つの半体の特徴及び要素の構造的対称形を意味し、必ずしも、2つの半体を相互に接合することに関する形態を意味しない。
【0026】
図6に示すように、半体210の各々は、例えば膨張室207の内壁211から膨張室の中まで延びる1つ又は複数のバッフルセグメント212によって各々形成される1つ又は複数のバッフル214を含むことができる。半体210(例えばバッフルセグメントの)は対称形なので、半体210aの各バッフルセグメント212は、半体210bの対応するバッフルセグメント212と整列して(合せ面付近でこれに沿って)、半体が組み立てられたとき膨張室207を横切って延びるほとんど連続的なバッフル214を形成できる(図5)(実際には、図5に示すように小さいギャップが2つの対応する要素の間に存在する場合がある)。各半体210は、バッフル214が膨張室を伝播する音響エネルギーに干渉する又はこれを捕捉するように、マフラ軸線に沿って位置付けられる複数のバッフルセグメント212を含むことができる。
【0027】
「バッフル」は、本明細書において、半体210の各々と関連付けられるバッフル要素を識別するため、並びに2つの半体210が組み立てられた結果得られる結合バッフルを識別するために使用する場合がある(例えば、図5において、バッフル214は半体210aと関連付けられるバッフルの部分及び半体210bと関連付けられる部分の両方、並びに2つの半体が組み立てられた結果として得られる完成バッフルを識別する)。同様に、バッフル「セグメント」又は「要素」は、半体210の各々と関連付けられるセグメント212(図6)並びに2つの半体210を組み立てた結果の膨張室を横切る完成セグメント(図5)を意味する場合がある。
【0028】
図7は、マフラ200の分離した半体210の拡大斜視図であり、好ましいバッフル/バッフルセグメント構造を示す。この図に示すように、バッフル214の1つ又はそれ以上は、各バッフル214が合せ面213に対して直交して見たとき山形又は山形バッフル214を画定するように、2つの交差する平面状バッフルセグメント212として構成できる。更に、この図に示すように、各山形バッフル214を形成する2つの交差する平面状バッフルセグメント212は、マフラ軸線216に交差する線に沿って相互に交差できる。
【0029】
上述のように、バッフル214/バッフルセグメント212の1つ又はそれ以上は、図示するように内壁211から内向きに延びることができる。いくつかの実施形態において、バッフル214/バッフルセグメントは、マフラ200の本体(例えば、内壁)と一体的に形成され(即ち、成形され)、内壁から合せ面213(例えば、図5)によって画定される平面へ向かって延び、かつここで又はその付近で終端する。即ち、各半体210の対応するバッフルセグメントは、膨張室内において相互において又はその付近で終端する遠位部分を含むことができる。その結果、2つの半体210が組み立てられたとき、各半体のバッフルセグメント212は、概略的に内壁211から対向する半体の対応するバッフルセグメント212の遠位端215に近接する遠位端215まで延びる。上述の通り、これらの2つのバッフルセグメントは結合して、図示するようにより大きいセグメントを形成する。
【0030】
図8に示す好ましいマフラ200において、膨張室の各端に近接する山形バッフル214は、その間に位置付けられる山形バッフルより小さくすることができる。例えば、端部のバッフル214は、対応する各セグメント又はバッフルの「脚」が12mmの距離250だけ内壁211から離間するように12ミリメートル(mm)の幅248を持つことができる。各端部のバッフル214は、その近接する中間バッフルから15mmの距離252だけ離間し(マフラ軸線216に沿って)、各中間バッフル214は、相互に15mmの距離259だけ離間できる。図8に示すように、中間山形バッフル214は、各々の平面状バッフルセグメント212が内壁211から8mmの距離256だけ離間するように、より大きい。4つの山形バッフル214の各々は、1.8mmの厚み258を持つことができる。
【0031】
他の構成も明らかに可能であるが、マフラ200は、100mmの全体長さ240、17mmの入口ポート202の直径209a及び出口ポート204の直径209b、50mmの膨張室長さ244、及び36mmの膨張室直径246を持つことができる。図においては概ね均等であるが、入口ポート202及び出口ポート204の直径209a及び209b及び相対的形状及びサイズは、例えば一方向の流れにのみマフラを設置できるようにするために、相互に異なっても良い。4つの90°の山形バッフル214は、山形バッフル214の各々の平面状バッフルセグメント212がマフラ軸線に対して45°の角度で延びるように、図示するようにマフラ軸線216に対して対称的な方向を向く(即ち、マフラ軸線に交差し(これを中心とする)頂点を持つ)。全ての山形バッフルは、図示するように、マフラインレットへ向かって集束できる(即ち、これを指す)。
【0032】
図8は、更に、ガスが入口ポート202へ入り、膨張室207を通過し、出口ポート204から出るときの与圧ガスの好ましい流れ(矢印103によって表される)を示す。この図に示すように、ガスが膨張室へ入るとき、ガスは、山形バッフル214との相互作用によってほぼ軸方向から再指向される。このようなガス流の破壊は、音響エネルギーの捕捉によってブロワの作動と関連付けられるマフラ下流(例えば、ユーザーインターフェイス108(図2))で検出される雑音を効果的に減少できる。実際のガス流のパターン及び音響圧力エネルギーは、バッフル形状、例えば膨張室、入口ポート及び出口ポートの長さ及び直径、バッフルの数、ガス経路サイズなどに応じて変動し得る。
【0033】
図8においては特定のバッフル形状を利用するが、このような構成は単に好ましいものに過ぎない。即ち、他のバッフル形状も想定される。例えば、図9A~9Gは、様々なバッフル形状を持つマフラを示し(バッフル構成部分を示すために各図はマフラの片方の半体を取り除いてある)、図9Aは、図6~8に示すのと同様の山形バッフル形状を示す。図9Bは、不連続バッフル形状を示し、別個の離間したバッフルセグメント212-1及び212-2は、その間の開口部217をガスが通過できるようにする。別の実施形態において、バッフルセグメント212-1及び212-2は、単一バッフルセグメントであり、開口部217は、バッフルセグメントを貫通する開口によって形成される。図9Cにおいて、バッフルセグメント212-3は、マフラ軸線216からオフセットし、図9Dは、穿孔又は開口が形成される同様のバッフル構成部分(又は別個の離間したバッフルセグメント212-4,212-5が開口部217を作る)を示す。図9Eは、バッフルセグメント212-6が平面状要素ではなく湾曲又は蛇行要素として構成されるマフラを示す。図9A~9Dの平面状要素は、斜角でマフラ軸線216に交差する平面を各々画定するが、図9Fは、軸線216に対して直交する向きの一連のオフセット平面状バッフルセグメント212-7を示し、図9Gは、膨張室全体で様々な角度を向く山形及び平面状バッフルセグメント212-9を画定するバッフルセグメント212-8を示す。他のバッフル構成部分も確実に可能である。事実、膨張室内の与圧ガスの流れを効果的に破壊するほとんどどのようなバッフル構成部分も想定される。
【0034】
これらのバッフル構成部分のいくつかは明確に二方向であり(例えば、図9E、9F及び9G)、他は、一方向の流れのために最適化できる。但し、後者の構成の場合でも、音響捕捉(例えば音響減衰)の利点は流れが逆転しても実現できる。即ち、いくつかのマフラは、一方向作動のために設計できるが(即ち、指定された入口ポートと指定された出口ポートを持つ)、流れの方向が逆転しても利点を与えることができる。
【0035】
バッフル構成部分に関わりなく、半体210は、許容可能なプロセスを使用して相互に固定できる。例えば、半体は、図10Aに示すようにスナップ嵌め係合部によって固定できる。本明細書において使用する場合、「スナップ嵌め」は、一方の可撓性部品のインターロック要素が他方の部品の関連する要素と係合するとき撓みによって可撓性部品が相互に結合し、その後撓んだ部品がその非撓み位置へ戻ることを意味する。図10Aは、対向する半体の耳232、230に係合するように構成される係合耳230、232を持つ各半体210を示す。図10Dは、別のスナップ嵌め係合部を示す(半体210bのみ図示)。図10Aの実施形態に示す耳232、230は、半体210a、210bの縁のほとんど又は全部に沿って延びることができ、図10Dに示す実施形態は、離散的スナップ嵌め要素(例えば、タブ281(半体210bの片側のタブのみが見える)とラッチ282)を利用できる。図10Dの実施形態は、例えば製造/組み立ての単純化など、10Aの実施形態に比べて様々な利点を提供できる。図において半体210b(又は210a)の各横行縁に沿ってタブ281及びラッチ282を持つが、他の実施形態は、これと異なる(例えば、一方の横行縁に複数のタブ、他方の縁に複数のラッチを持つ)ことができる。
【0036】
他の実施形態において、半体210は、ステップジョイント又はU字形ジョイントシール(後者を図10Bに示す)を使用して固定できる。他の実施形態においては、その代わりに又はこれに加えて、締結具(例えばネジ式締結具)、ドエルピン、リベット及び結合剤(例えば、エポキシ、シリコン、接着剤)を使用して半体を接合できる。更に別の実施形態においては、半体は、オーバーモールドプロセスによって相互に固定できる。図示しないが、本明細書において説明する接合プロセスのいずれでも、例えば空気漏出を減少するために半体の間に配置される圧縮性シールの使用を組み込むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、半体210は、超音波溶接によって相互に固定できる。例えば、図10Cは、マフラ200の拡大図であり、2つの半体を相互に超音波溶接する前の入口ポート202を示す。この図において明らかなように、各半体は、一方の合せ縁に沿ってオフセット段付き面234、235及び他方の合せ縁に沿ってオフセット面236、237を持つことができ、これらの面は、2つの部品の構造的合せ面を効果的に画定する。例えば、各半体の面234、235は、組み立て時にそれぞれ対向する半体の面236、237に当接/係合できる。超音波溶接術で知られているように、1つの面(例えば、面237)は、溶接作業を助けるためにエネルギーディレクタ239を含むことができる。更に、実践において、各半体のバッフルセグメント212の遠位端(例えば、図5の遠位端215)は、例えば溶接時の振動障害を最小限に抑えるために、組み立て後に対向する半体の対応するバッフル要素に達することなく終端できる。
【0038】
特定の材料に拘束されることを望まないが、本開示に実施形態に従ったマフラは、プラスチック(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE),アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、複数の材料の混合物(例えば、ABS/PC混合物)、ポリプロピレン(PP)又は他の剛性又は半剛性射出成形材料)で構成できる。このようなプラスチックは、射出成形への適合性だけでなく不透過性特性があるので、有利である。その結果として、このようなプラスチックで構成された好ましいマフラは、使用後に簡単に清浄でき、湿ったPAP装置と一緒に使用さえできる。
【0039】
(実施例)
2つの好ましいマフラ300及び400を、それぞれ図11及び12に示す。マフラ300は、134ミリメートル(mm)の全体長さ340、17mmの入口ポート及び出口ポートの直径342、87mmの膨張室長さ344、及び35mmの膨張室直径346を持つ。本明細書において説明するマフラは、更に、標準的呼吸要素を収容するように構成されるインレット及びアウトレット外径を与えることができる。例えば、インレット及び出口ポートの外径は、国際標準化機構(ISO)5356-1において指定されるように22mmとすることができる。但し、マフラ300の外径並びに他の寸法は、本開示の範囲から逸脱することなく修正できる。
【0040】
マフラ300は、図示するようにマフラ軸線316に交差する頂点を持つ対の平面状バッフルセグメント312によって各々形成される一連の4つの90°山形バッフル314(1つのバッフルは他の3つより小さい)と、図示するようにマフラ軸線からオフセットするが山形バッフルセグメントと同じ角度(例えば合せ平面に対して垂直に見たときマフラ軸線316に対して45°)を向く8つの側面平面状バッフルセグメント312と、を含む。様々なバッフルセグメントの間の直交オフセット348は7.7mmであり、(2つの半体の合せ平面に対して垂直に見たとき)膨張室の内壁からの山形バッフルの各々の大きい方の平面状バッフルセグメントのオフセット350は、6.4mmである。
【0041】
図11に示すように、インレットに近接する山形バッフル314は、残りのバッフルより小さくすることができる。更に、この小さい山形バッフルは、図示するように少なくとも部分的に膨張室の外部に位置付けできる。この好ましい実施形態において、この最初の(小さい)山形バッフルは、流路を横切る10mmの幅352を持ち、全ての平面状バッフルセグメント312の厚み354は、1.5mmである。小さい山形バッフルに近接するより大きい山形バッフル314は、小さい山形バッフルから(マフラ軸線316に沿ってそれぞれの頂点から計測して)19mmの距離356だけ離間でき、大きい方の山形バッフルは、相互に23mmの距離358だけ離間する。又、側面平面状バッフルセグメントは、各々、側面平面状バッフルセグメントの遠位端が10.5mmの距離360だけ離間するように、マフラ軸線に対して45°の角度で内壁から延びることができる側面バッフルを形成する。
【0042】
この場合にも、マフラの全体形状が最終的に騒音捕捉に対する効果を決められることを注記しておく。例えば、ガス経路の有効断面積、経路を形成する壁の表面積(即ち、ガス流に対する壁/山形の影響)及びバッフルによって生成された「ターン」の鋭角度の組合せは、全て、音響エネルギーを捕捉するためのマフラの能力に影響を与えることができる。言い換えると、ガス流抵抗と、マフラが与圧ガスの流れからいかに効果的に音響エネルギーを捕捉できるかとの間には相関関係がある。
【0043】
次に図12を参照すると、マフラ400は、104mmの全体長さ440、17mmの入口ポート及び出口ポートの直径442、57mmの膨張室長さ444、及び35mmの膨張式直径446を持つ。マフラ400は、図示するようにマフラ軸線416に交差する頂点を持つ平面状バッフルセグメント412によって各々形成される一連の4つの90°山形バッフル414(図示するように交互のサイズを持つ)と、マフラ軸線からオフセットするが山形バッフルセグメントと同じ角度(例えば、合せ平面に対して垂直に見たときマフラ軸線416に対して45°)を向く4つの側面平面状バッフルセグメント412と、を含む。様々なバッフルセグメント間の直交オフセット448は7mmであり、膨張室の内壁からの山形バッフルの各々の平面状バッフルセグメントのオフセット450は、6.5mmである。
【0044】
更に図12に示すように、山形バッフル414のサイズは、第1及び第3山形バッフル(空気流の方向401に)が第2及び第4山形バッフルより大きいように、交互とすることができる。この好ましい実施形態において、(小さい方の)山形バッフルは、流路を横切る10mmの幅452を持ち、全ての平面状バッフルセグメント412の厚み454は1.5mmである。第1と第2山形バッフル並びに第3と第4山形バッフルの間の距離456(マフラ軸線416に沿ってそれぞれの頂点から計測して)は、19mmであり、第2と第3の山形バッフルの間の距離458は、9mmである。また、側面平面状バッフルセグメント412は、側面平面状バッフルセグメントの遠位端が内壁から12.5mmの距離460だけ離間するように、マフラ軸線416に対して45°で内壁から延びることができる側面バッフルを形成する。
【0045】
マフラ300及び400の初期テストを、図2に示すような構成を使用して実行した。この構成において、ホース107は200mmの長さを持ち、導管106は1220mmの長さを持つ。ユーザーインターフェイス108は、米国カリフォルニア州サンディエゴのResMed Inc.が販売する“AirFit F20”フルフェイスマスクシールであり、マネキンヘッドに接続された。PAPブロワは、米国ミネソタ州フリドリーのSomnetics, International, Inc.が製造したモデル“Transcend3 miniCPAP Auto”連続気道陽圧(CPAP)機器である。マイクロフォンのセットアップは、マネキンヘッド及びユーザーインターフェイスに関してISO3744§7.2(ISO 80601-2-70により)に従って配列された。マネキンヘッドは、ユーザーの呼吸を模倣するように構成される空気流システムを利用した。下の表1は、マフラが設置されない、空気流の方向301でマフラ300が設置される、及び空気流の方向401でマフラ400が設置されるときのテスト結果を示す。「動的音響レベル」は、表1に示すように、合計10秒間、関連する換気量及び分当たり呼吸数で正弦波呼吸シミュレータを実行して検出され、3回を平均した音響パワーレベルである。
【0046】
【表1】
*マフラーをマネキンの頭部から105±5センチ離した状態で、ユーザーインターフェース周辺を測定。
【0047】
これらのデータが示すように、マフラ300及び400は、ユーザーインターフェイスにおいて検出される動的音響レベルは著しく減少した。また、少なくともマフラ300に関して、空気流の方向を逆転させたとき(例えば、方向303の空気流)、検出された騒音に同様の減少が生じた。したがって、上述のように、特定の方向に設置するために設計されたマフラでも、逆に設置した場合に利点を生じ得る。
【0048】
同様のテストを、図8のマフラ200及び図9Gのマフラと概ね同様のマフラを使用して行った。実現されたノイズ捕捉レベルは上の表1に示すマフラで実現された減少より小さいが、これらの代替的マフラが生じた圧力低下は、より小さかった。
【0049】
図13は、更に下で説明するように様々なマフラと関連付けられる音響出力レベル減少を評価するために設計された具体的なテストセットアップ例800を示す。このテストセットアップは、CPAPを分離しその後送達導管(ホース及びマスク)に沿って進行する即ちマフラを通過して進行する雑音を計測することによってマフラ性能をより良く測定するために設計された。この好ましいセットアップにおいて、CPAP機器802(この場合にもモデル“Transcend3 miniCPAP Auto”)及びマフラ803を、無響室804の外部に配置し、AirFit F20マスク808を装着した擬似気道マネキン806(本明細書において使用する場合、「マネキン」は、米国ウィスコンシン州フォートアトキンソンのNasco Education, LLCが販売するモデルLF03667Uなどのヒト型頭部及び頸部マネキンを意味する)を、無響室内に位置付けた。CPAP機器802及びマフラ803-図示しかつ/本明細書において説明するマフラのいずれでも代表できる-を無響室外部に配置したので、マネキン付近で検出される音響出力レベルは、概ね送達導管(例えば、導管106及びマスク808)に沿って伝播する音響に制限される。このセットアップは、したがって本開示の好ましい実施形態に従って構成されたものなどマフラを使用することに起因する音響出力レベルの変化を測定できる。テスト構成部分及び方法は、ISO3744:2010において説明されるものに合致する。
【0050】
図13に示すように、呼吸シミュレータ810も、無響室804外部に配置し、導管812を介してマネキン806の人工気道に接続した。このような特定のテスト構成部分において、マネキン806は、人工の鼻、口及び気管通路を含む。更に、マネキン806は、マスク808の典型的なフィットに対応するために人間の顔を真似た容貌/構造を含む。
【0051】
マネキン806を、仰臥位で寝ている人間を模倣するために「顔を上向き」にして台の上に横たえた。次に、導管812を、マネキンの「首」において接続することによってマネキンの模擬気管気道又は「風管」に接続した。
【0052】
音響出力レベルを検出するために、マイクロフォン814の配列を、マネキン806を取り囲むほぼ半球形ドーム上に配列した。配列は、合計で10個のマイクロフォンを含み、10個のマイクロフォンの配置場所は、ISO3744:2010図B2において指定する通りのマイクロフォン設置場所1~10を使用して選択した。ほぼ半球形のドームは、1メートルの半径を持ち、各マイクロフォン814は、半球形ドームの中心へ向け、ドームの中心は、概ね仰臥マネキン806の頭部の幾何学的中心と一致する。
【0053】
使用した呼吸シミュレータ810は米国カリフォルニア州ベンチューラのVacuMedが販売するモデル17050であり、各呼吸の換気量は500ミリリットルで、20回呼吸/分の正弦波擬似呼吸を発生するように構成された。このテスト構成部分において、送達導管に沿ったマスク漏出は与えられなかった。
【0054】
この構成を使用して、マフラなしで、本明細書において説明するマフラ200、300及び400を使用して、及び図14A及び14Bに示すマフラ500及び図15A及び15Bに示すマフラ600を使用して、テストを行った。マフラ500及び600について、次に簡略に説明する。
【0055】
図14A及び14B(個別に及び合わせて本明細書において「図14」と呼ぶ)に図示するマフラ500は、134mmの全体長さ540、18mmの入口ポート及び出口ポートの直径542、84mmの膨張室長さ544、及び35mmの膨張室直径546を持つ。この実施形態において、マフラは、山形バッフル514の各々の平面状バッフルセグメント512がマフラ軸線516に対して45°の角度で延びるように、図示するようにマフラ軸線516に対して対称的に向く(即ち、マフラ軸線に交差する(かつこれを中心とする)頂点を持つ)2つの平面状バッフルセグメント(脚)512によって各々形成される一連の6つの90°山形バッフル514を含む。山形バッフルの3つ(インレットに近いもの)は、図示するようにマフラインレットへ向かって集束し(即ち、これを指し)、3つ(アウトレットに近いもの)は、マフラアウトレットへ向かって集束する。
【0056】
マフラ500は、更に、膨張室の内壁付近からマフラ軸線へ向かって延びる(但しそれまで達せずに終端する)6対の側面平面状バッフルセグメント512(合計12)を含むことができる。図14Aに示す実施例において、側面平面状バッフルセグメント512は、各山形バッフルの平面状バッフルセグメント512の各々に近接して位置付けられ、これに対して平行に(同じ角度で)延びる。即ち、各山形バッフル514は、その平面状バッフルセグメント又は脚512の各々と関連付けられる側面平面状バッフルセグメント512を持つことができる。
【0057】
更に、マフラ500は、膨張室の中央付近(例えば、2組の山形バッフル514の間)に位置付けられる中央バッフルを各々画定する1つ又は複数の中央バッフルセグメント518、520を含む。中央バッフルは、図示するようにマフラ軸線に沿って延びて2つの最も内側の山形バッフル514から離間した場所で終端するバッフルセグメント518によって画定される中央長手バッフルと、中央長手バッフルセグメント518に対して直交するバッフルセグメント520によって画定される2つのオフセット中央横行バッフルと、を含む。中央横行バッフルセグメント520は、バッフルセグメント518とバッフルセグメント520との間に空気通路を与えるために、図示するように中央長手バッフルセグメント518から離間した場所で終端できる。図14Bに示すように、側面バッフルセグメント512は膨張室の内面の一部分にのみ当接できる。例えば、空気通路519が、側面バッフルセグメント512(及び中央横行バッフルセグメント520)と膨張室の内壁との間に存在できる。
【0058】
様々なバッフルセグメント512、518及び520の間の間隔は、本開示の範囲から逸脱することなく変動できるが、2組の山形バッフル514の各々は、12mmの距離530だけ相互から離間でき(マフラ軸線に沿って頂点間を計測して)、各々が、19mmのバッフルセグメント又は脚長さ531を持つことができ、結果として各山形バッフルセグメントと膨張室の内壁との間の最大ギャップ533は14mmとなる。更に、各側面バッフルセグメント512(この場合にも関連付けられる山形バッフル514のバッフルセグメントの一方に対して平行に延びる)は、3mmの距離532だけ山形バッフル脚からオフセットできる。
【0059】
図15A~15B(単独で及びまとめて「図15」と呼ぶ)は、本開示の実施形態に従った更に別のマフラ600を示し、図15Aは、平面図(マフラの一方の対称的半体を取り除いて、合せ平面に対して垂直に見て)であり、図15Bは、その斜視図である。マフラ600は、134mmの全体長さ640、18mmの入口ポート及び出口ポートの直径642、88mmの膨張室長さ644及び36mmの膨張室直径646を持つ。この実施形態において、マフラ600は、膨張室内で22mmの距離630だけ概ね均等に離間し、合せ平面に対して垂直に見たときマフラ軸線616を軸として対称的な(即ち、各山形バッフルは、山形バッフル614の各々の平面状要素又は脚612がマフラ軸線に対して45°の角度で延びるようにマフラ軸線616に交差する(及びこれを中心とする)頂点を持つ)一連の4つの90°山形バッフル614(対の平面状バッフルセグメント612によって形成される)を含む。マフラ500の山形バッフルと異なり、図15Bに示すように、山形バッフル614は、膨張室を通過して流れる空気の通過を概ね全て(下で説明する開口を除いて)ブロックする。即ち、山形バッフル614は、膨張室の全体円周に概ね広がる膨張室の内壁に当接する。
【0060】
図15Bに示すように、山形バッフル614は、各々これを貫通する1つ又は一連の開口を画定する又は形成している。具体的には、各山形バッフルは、マフラ軸線616と一致する軸線を持つ中央開口622と、中央開口の両側に位置付けられる側方開口623と、を持つ。限定的ではないが、開口は、(半体が組み立てられたとき)マフラ軸線に対して平行に見て概ね円形とすることができる。各中央開口622は、10mmの有効直径(マフラ軸線616と同軸に見たとき)を持ち、各側方開口623は、5mmの有効直径(同様に見たとき)を持つことができる。
【0061】
下の表2は、図13に図示し上で説明するテストセットアップを使用する様々なマフラについて計測した音響出力レベル計測値を提示する。基準線として、テストは、マフラ803(図13参照)を取り除いて(即ち、ホース106をCPAP機器802に直接接続して)行った。マフラ無しで基準音響出力レベルを測定した後、マフラ200、300、400、500及び600を評価した(図13のマフラ803の場所に位置付けて)。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
図2に示すように、本開示の実施形態に従ったマフラは、ユーザーインターフェイス/マスク(即ち、ユーザーの頭部)において検出される音響出力レベルを著しく減少できる。
【0064】
本発明の態様を特許請求の範囲に列記されている。但し、下に、非限定的実施例の非網羅的リストを示す。これらの実施例の特徴の任意の1つ又はそれ以上は、本明細書において説明する別の実施例、実施形態又は形態の任意の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0065】
(実施例1)
気道陽圧装置であって、ブロワを収容するハウジングを備えるフロージェネレータであって、ブロワがブロワ出口において与圧ガスの流れを生成するように構成される、フロージェネレータと、ユーザーインターフェイスと、フロージェネレータとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられる細長送達導管であって、送達導管がブロワからユーザーインターフェイスまで与圧ガスの流れを通すように構成される、細長送達導管と、ブロワと送達導管との間に位置付けられるインラインマフラと、を備える気道陽圧装置。マフラは、ガスがマフラを通過するとき与圧ガスの流れと関連付けられるノイズを減衰するように構成される管状部材を備え、マフラは、ブロワ出口に作動上結合されるように構成される入口ポートと、送達導管の近位端に作動上結合されるように構成される出口ポートと、入口ポートと出口ポートとの間に延びる本体と、を備え、本体は、入口ポート及び出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、本体の内壁は、内向きに延びる複数のバッフルを備え、バッフルは、膨張室を通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される。
【0066】
(実施例2)
バッフルがマフラの本体と一体的に形成される、実施例1の装置。
【0067】
(実施例3)
音響エネルギーの捕捉が、音響エネルギーの破壊的干渉、音響エネルギーの拡散、音響エネルギーの減衰、音響エネルギーの抑制、音響エネルギーの吸収及び音響エネルギーの再指向の1つ又はそれ以上を含む、実施例1又は2の装置。
【0068】
(実施例4)
入口ポートと出口ポートがマフラ軸線を画定し、バッフルの1つ又はそれ以上が、山形を画定する2つの交差する平面状バッフルセグメントを備える、実施例1~3の何れか一つの装置。
【0069】
(実施例5)
2つの交差する平面状バッフルセグメントが、マフラ軸線に交差する線に沿って相互に交差する、実施例1~4の何れか一つの装置。
【0070】
(実施例6)
入口ポートと出口ポートがマフラ軸線を画定し、バッフルの1つ又はそれ以上が、内壁と一体的に形成される平面状バッフルセグメントを備える、実施例1~5の何れか一つの装置。
【0071】
(実施例7)
平面状バッフルセグメントが、斜角でマフラ軸線に交差する平面を画定する、実施例1~6の何れか一つの装置。
【0072】
(実施例8)
マフラが相互に固定された2つの半体を備える、実施例1~7の何れか一つの装置。
【0073】
(実施例9)
2つの半体の各々が射出成形プロセスによって生産される、実施例1~8の何れか一つの装置。
【0074】
(実施例10)
2つの半体が、超音波溶接、接着、スナップ嵌め係合、締結及びオーバーモールドを含む群から選択されるプロセスで相互に固定される、実施例1~9の何れか一つの装置。
【0075】
(実施例11)
バッフルが不透過性材料を含む、実施例1~10の何れか一つの装置。
【0076】
(実施例12)
バッフルがプラスチック材料を含む、実施例1~11の何れか一つの装置。
【0077】
(実施例13)
気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラであって、マフラが相互に固定された第1と第2半体によって画定される管状ハウジングを備え、ハウジングが、入口ポートを画定する第1端と、出口ポートを画定する第2端と、第1端と第2端との間に延びる本体と、を備え、本体が、ハウジングの第1端と第2端との間に膨張室を画定する、インラインマフラ。複数のバッフルが、膨張室の対向する内壁の間に延び、複数のバッフルの少なくとも1つは、第2半体と一体的に形成される第2バッフルセグメントとこれと整列する第1半体と一体的に形成される第1バッフルセグメントによって形成され、2つのバッフルセグメントは、膨張室内で相互において又はその付近で終端する遠位部分を備える。
【0078】
(実施例14)
複数のバッフルが、入口ポートから出口ポートまで通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーに干渉するように構成される、実施例13のマフラ。
【0079】
(実施例15)
複数のバッフルの1つ又はそれ以上が、平面状バッフルセグメント及び湾曲バッフルセグメントの一方又は両方から選択された形状を備える、実施例13又は14のマフラ。
【0080】
(実施例16)
第1及び第2バッフルセグメントが、第1と第2半体の合せ平面に対して垂直に見たとき山形を形成する、実施例13~15の何れか一つのマフラ。
【0081】
(実施例17)
複数のバッフルの1つ又はそれ以上が開口を画定する、実施例13~16の何れか一つのマフラ。
【0082】
(実施例18)
第1と第2半体が、超音波溶接、接着、スナップ嵌め係合、締結及びオーバーモールドを含む群から選択されたプロセスによって相互に固定されるように構成される、実施例13~17の何れか一つのマフラ。
【0083】
(実施例19)
更に、第1半体と第2半体との間に圧縮性シールを備える、実施例13~18の何れか一つのマフラ。
【0084】
(実施例20)
第1及び第2半体が各々不透過性材料を含む、実施例13~19の何れか一つのマフラ。
【0085】
(実施例21)
第1及び第2半体が各々プラスチック材料を含む、実施例13~20の何れか一つのマフラ。
【0086】
(実施例22)
気道陽圧装置のガス送達経路内でブロワとユーザーインターフェイスとの間に位置付けられるように構成されるインラインマフラであって、マフラが、ブロワによって生成された与圧ガスの流れと関連付けられるユーザーインターフェイスにおいて検出されるノイズを減衰するように構成される管状部材であって、マフラが、ブロワのアウトレットに作動上結合されるように構成される入口ポートと、ユーザーインターフェイスと流動的に流通する送達導管の近位端に作動上結合するように構成される出口ポートと、入口ポートと出口ポートとの間に延びる本体と、を備える、インラインマフラ。本体は、入口ポート及び出口ポートの両方の有効内径より大きい有効内径を持つ膨張室を画定し、本体の内壁は、内向きに延びる複数のバッフルを備え、バッフルは、膨張室を通過する与圧ガスの流れと関連付けられる音響エネルギーを捕捉するように構成される。
【0087】
例示的実施形態について説明し、その可能な変形を参照した。これらの及びその他の変形、組合せ及び修正が、当業者には明らかであり、本開示は、本明細書において示す例示的実施形態に限定されないことが分かるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
【国際調査報告】