(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】置換心臓弁の予測可能な交連部位置合わせのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501568
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022036781
(87)【国際公開番号】W WO2023287759
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520020100
【氏名又は名称】アンテリス テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Anteris Technologies Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】クイル、ジェイソン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ディーン、ダナ
(72)【発明者】
【氏名】ムルト、キャメロン ジェームズ アルビン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、エドワード ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】トレーガー、ブラッド ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】パルメ、ペイトン クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】ペンサ、ニコラス ウェルドン
(72)【発明者】
【氏名】デュール、ジョセフ アレン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC03
4C097DD04
4C097DD15
4C097EE06
4C097EE08
4C097EE11
4C097EE19
(57)【要約】
置換心臓人工弁は、カテーテルシステムのバルーンシャフト上に取り付けられたバルーン上に装填される。バルーンシャフトは、カテーテルシステムのハンドル上のアクチュエータと回転自在に係合される。アクチュエータを第1の方向に第1の量だけ回転させると、処置中に心臓人工弁を既知の量だけ回転させることが可能であり、置換弁の交連と既存の弁の交連との位置合わせを予測可能に達成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経カテーテル的送達システムであって、
カテーテルアセンブリであって、
バルーンシャフト、
バルーンシャフト上に取り付けられ、送達直径を有しているバルーンであって、送達直径から展開直径にバルーンを拡張させるための流体源と流体連通しているバルーン、及び
バルーンシャフトと回転自在に係合しているアクチュエータを有するハンドル、を有している、カテーテルアセンブリと、
人工弁の装填構成においてバルーン上に装填される人工弁であって、送達直径から展開直径にバルーンを拡張させることにより、装填構成から展開構成に拡張可能である、人工弁と
を備え、
アクチュエータを、少なくとも第1の方向にアクチュエータ回転量だけ回転させると、人工弁が、アクチュエータ回転量に比例する弁回転量だけ第1の方向に予測可能に回転する、経カテーテル的送達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
バルーンシャフトは編組シャフトである、経カテーテル的送達システム。
【請求項3】
請求項2に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
編組シャフトは、放射線不透過性マーカを含む、経カテーテル的送達システム。
【請求項4】
請求項2に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
バルーンシャフトは、ポリマーコーティングを有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項5】
請求項2に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
バルーンシャフトは、エラストマーコーティングを有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項6】
請求項5に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
エラストマーコーティングは、熱可塑性エラストマーを有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項7】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
弁回転量は、相対的にアクチュエータ回転量の約70~100%である、経カテーテル的送達システム。
【請求項8】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1の比率である、経カテーテル的送達システム。
【請求項9】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
弁回転量に対するアクチュエータ量の比率は、10:8の比率である、経カテーテル的送達システム。
【請求項10】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
人工弁は、フレームに取り付けられた弁構成部を備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項11】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
弁構成部は、無縫合単一部品3次元構造体状に成形された3つの弁尖を有する無縫合単一部品3次元構造体を備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項12】
請求項10に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
フレームは、放射線不透過性マーカである、経カテーテル的送達システム。
【請求項13】
請求項12に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
放射線不透過性マーカは、フレームの交連部柱上に配置される、経カテーテル的送達システム。
【請求項14】
請求項12に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
放射線不透過性マーカは、交連部柱に隣接した少なくとも1つの支柱又は少なくとも1つの節点に配置される、経カテーテル的送達システム。
【請求項15】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ハンドルは、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を含む、経カテーテル的送達システム。
【請求項16】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、ロック部材を含み、
ロック部材がアクチュエータと係合しているとき、バルーンシャフトは回転できない、経カテーテル的送達システム。
【請求項17】
請求項1に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
アクチュエータは、第1の方向にも、第1の方向とは反対の第2の方向にも回転可能である、経カテーテル的送達システム。
【請求項18】
カテーテルハンドルを使用して患者の既存の弁の交連部との交連部位置合わせを提供するための、置換弁の経カテーテル的送達の方法であって、
バルーンシャフトに取り付けられたバルーン上に置換弁を装填することであって、バルーンシャフトはカテーテルハンドルのアクチュエータと回転自在に係合している、ことと
置換弁を送達位置に送達することと、
アクチュエータをアクチュエータ回転量だけ回転させることにより、置換弁を弁回転量だけ回転させて、置換弁を位置合わせ位置に位置決めすることであって、アクチュエータ回転量は弁回転量に比例する、ことと、
バルーンを送達直径から展開直径に拡張させることによって置換弁を展開することと
を備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
弁回転量は、アクチュエータ回転量の約70~100%である、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1の比率である、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、
弁回転量に対するアクチュエータ量の比率は、10:8の比率である、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、
アクチュエータは、第1の方向とは反対の第2の方向にも回転可能である、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法は、更に、
置換弁が位置合わせ位置にあるときに置換弁の更なる回転を防止するために、アクチュエータをロック位置にロックすること
を備える、方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法において、
バルーンシャフトは編組シャフトである、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
バルーンシャフトは、エラストマーコーティングでコーティングされる、方法。
【請求項26】
経カテーテル的送達システムであって、
カテーテルアセンブリであって、
内側シャフト、
外側シャフト、及び
ロック位置とロック解除位置とを有するロック、を有するカテーテルアセンブリと、
内側シャフト上に装填される人工弁と
を備え、
内側シャフトを、少なくとも第1の方向にシャフト回転量だけ回転させると、人工弁が、シャフト回転量に比例する弁回転量だけ第1の方向に予測可能に回転し、
ロックがロック位置にあるときには、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動が防止される、経カテーテル的送達システム。
【請求項27】
請求項26に記載の経カテーテル的送達システムは、更に、
ロックをロック位置に係合するロックスイッチを備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項28】
請求項27に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ロックスイッチは、ロックをロック位置からロック解除位置に係合解除する、経カテーテル的送達システム。
【請求項29】
請求項26に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ロック位置では、内側シャフトは、第1の方向に回転することができる、経カテーテル的送達システム。
【請求項30】
請求項29に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ロック位置では、内側シャフトは、第2の方向に回転することができる、経カテーテル的送達システム。
【請求項31】
請求項26に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ロック解除位置では、内側シャフトは外側シャフトに対して軸方向に移動することができ、内側シャフトは少なくとも第1の方向に回転することができる、経カテーテル的送達システム。
【請求項32】
請求項29に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
バルーンシャフトは編組シャフトである、経カテーテル的送達システム。
【請求項33】
請求項29に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
人工弁は、少なくとも1つの位置合わせマーカを有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項34】
請求項33に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
人工弁は、3つの位置合わせマーカを有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項35】
請求項33に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
少なくとも1つの位置合わせマーカは、数字8の形を形成する2つの重なり合った蛇行支柱を備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項36】
請求項33に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
数字8の形は、2つの開口部を有している、経カテーテル的送達システム。
【請求項37】
請求項29に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、少なくとも1つのアクチュエータを備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項38】
請求項37に記載の経カテーテル的送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を備える、経カテーテル的送達システム。
【請求項39】
カテーテルハンドルを使用して患者の既存の弁の交連部との交連部位置合わせを提供するような、置換弁の経カテーテル的送達の方法であって、
内側シャフト上に置換弁を装填することと、
内側シャフトを外側シャフト内で前進させることにより置換弁を送達位置に送達することであって、内側シャフトが外側シャフトに対してロック位置にあり、ロックがロック位置に係合している、ことと、
ロックをロック位置からロック解除位置に係合解除して、内側シャフトに対する外側シャフトの軸方向移動を可能にすることと、
外側シャフトを、内側シャフトに対して近位方向に移動させることと、
外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動を防止するために、ロックをロック位置に係合することと、
内側シャフトをシャフト回転量だけ回転させることにより、置換弁を弁回転量だけ回転させて、置換弁を位置合わせ位置に位置決めすることであって、シャフト回転量が、弁回転量に対して相対的である、ことと、
置換弁を展開することと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、展開中に、人工弁の交連部柱と患者の現在の弁(自己弁又は以前に置換された弁であり得る)の既存の交連との位置合わせに関して施術者を支援するための新規かつ有利なシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を大まかに提示することを目的とする。本発明者らの研究は、この背景技術の項に記載されている限りにおいて、出願時に従来技術として認定されていないであろう記載の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0003】
経カテーテル的弁置換術(TVR)は、カテーテルを介して患者の自己弁に送達される植込み型人工弁を使用することによって心臓の弁を修復又は置換するための低侵襲心臓処置である。植込み型人工弁は、典型的には、拡張可能なフレームであって、その拡張可能なフレームの内側に弁尖が取り付けられている。人工弁尖は、より健康な自己弁尖の作用を模倣するように意図されている。経カテーテル的弁置換術用の人工装具は、大動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁用に開発されている。TVR処置は、典型的には、患者の血管系への経大腿動脈的なカテーテルの導入を伴い、人工弁をカテーテル内に装填し、患者の血管系を通して自己弁まで前進させる。
【0004】
これらの低侵襲経カテーテル的弁置換処置が開発される以前は、心臓弁の修復を必要とするほとんどの患者の選択肢は、極めて侵襲的な外科的置換処置に限定されていた。しかし、心臓弁修復を必要とする多くの患者にとって、外科的修復は比較的高いリスクを伴ったり、患者が手術の適格な候補者ではなかったりした。大動脈弁に関しては、経カテーテル的大動脈弁置換(TAVR)処置が、重度の大動脈弁狭窄症又は同様の状態を有するこれらの高リスク患者を治療するための外科的置換処置に代わるものとして、世界中の臨床医に広く採用されている。数十年にわたる多くの処置により、TAVRは、これらの患者の長期生存率を改善することが示されている。加えて、近年、バルーン拡張型TAVR人工装具及び自己拡張型TAVR人工装具の両方に関係するいくつかの研究において、TAVR処置が手術リスクの低い患者に対して有効性を示すことが実証され、2019年には、米国食品医薬品局がTAVR適応を、これら低リスク患者を含むように拡大した。
【0005】
TAVR人工装具及び関連する従来技術の開発は、弁輪に対する人工装具の位置決め又は再位置決めを含む、自己弁に人工装具を送達するための機構及び方法に大きく焦点を当ててきた。しかしながら、施術者が展開中にしばしば直面する課題の1つは、患者を疾患前の状態に戻すことができる置換弁のより自然な機能を作り出すように、弁を既存の弁の交連と位置合わせする能力である。外科的修復処置における交連の位置合わせは、弁を患者の血管系を通して(典型的には経大腿動脈的に)誘導するために施術者が実際の展開部位から非常に離れており、弁の位置決めを画像に頼る低侵襲経カテーテル的処置よりもはるかに容易に達成される。画像を使用したとしても、交連を位置合わせする能力は、施術者の技能、処置の継続時間、及び任意の他の合併症、並びに処置中に置換弁の位置を制御する施術者の唯一の手段であるハンドルの機能によって、大きく変動する可能性がある。これは、既存の損傷した又は脆弱化した置換弁に第2の置換弁が挿入されるバルブインバルブ置換プロセスにおいて更により顕著な懸念となり得、結果を向上させるために第2の弁の交連を第1の弁の交連と位置合わせすることが望ましいであろう。プロセスを簡略化し、施術者の制御を向上させる、より予測可能な交連部位置合わせ処置が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
以下は、本開示の1つ以上の実施形態の基本的な理解を提供するために、そのような実施形態の簡略的な概要を示す。この概要は、企図される全ての実施形態の広範な概要ではなく、全ての実施形態の主要又は重要な要素を特定することも、いずれか又は全ての実施形態の範囲を詳述することも意図していない。
【0007】
本開示は、経カテーテル的送達及び患者の自己弁又は既存の弁内における置換弁の展開中の置換弁の交連部位置合わせのための新規かつ有利なシステム及び方法に関する。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、経カテーテル的送達システムは、バルーンシャフトであって、バルーンがバルーンシャフト上に取り付けられているバルーンシャフトを備える、カテーテルアセンブリを備える。バルーンは、送達直径から展開直径にバルーンを拡張させるための流体源と流体連通している。拡張可能なフレームに取り付けられた弁構成部を備え得る人工弁は、人工弁の装填構成において、バルーン上に装填される。人工弁は、送達直径から展開直径にバルーンを拡張させることにより、装填構成から展開構成に拡張可能である。カテーテルアセンブリは、少なくとも1つのアクチュエータを有するハンドルを更に備え、アクチュエータは、バルーンシャフトと回転自在に係合している。換言すれば、アクチュエータの回転により、バルーンシャフトを回転させる。アクチュエータを、少なくとも第1の方向にアクチュエータ回転量だけ回転させると、人工弁が、アクチュエータ回転量に比例する弁回転量だけ、第1の方向に回転する。したがって、人工弁を、施術者が予測可能に回転させることができる。他の実施形態では、アクチュエータを介してではなく、ハンドルの近位側から突出するバルーンシャフトの近位端の回転によって、弁回転を達成することができる。いくつかの実施形態では、ロック機構が、外側シャフト又はステアリング可能カテーテルに対する少なくとも軸方向位置に、バルーンカテーテルをロックし得る。これにより、ロック位置にあるとき、交連位置合わせ中、又はバルーンカテーテルの他の望ましい回転中の、バルーンカテーテルの軸方向運動が防止される。ロック解除位置において、外側シャフト又はステアリング可能カテーテルに対するバルーンカテーテルの軸方向運動は可能になる。いくつかの実施形態では、ロック機構は、ハンドルに対して少なくとも軸方向位置に、バルーンカテーテルをロックし得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、バルーンシャフトは編組シャフトである。いくつかの実施形態では、バルーンシャフトは、ポリマーコーティング、エラストマーコーティング、又はこれらの組み合わせを有する。少なくとも1つの実施形態では、バルーンシャフトは、Pebax(登録商標)の商品名で知られるポリエーテルブロックアミドなどの熱可塑性エラストマーでコーティングされている。
【0010】
弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、任意の所望の量の既知の回転であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1の比率である。別の実施形態では、弁回転量に対するアクチュエータ量の比率は、10:8の比率である。いくつかの実施形態では、弁回転量は、相対的にアクチュエータ回転量の約70~100%であってもよい。換言すれば、アクチュエータの半径方向移動は、弁の70~100%の半径方向移動を生じさせる。いくつかの実施形態では、弁回転量は、相対的にアクチュエータ回転量の約50~100%であってもよい。換言すれば、アクチュエータの半径方向移動は、弁の50~100%の半径方向移動を生じさせる。
【0011】
人工弁は、少なくとも、1つ以上の弁尖を有する弁構成部と、拡張可能なフレームとを備える。いくつかの実施形態では、弁構成部は、拡張可能なフレームに個々に取り付けられた1つ以上の別個の弁尖を備え得る。いくつかの実施形態では、人工弁の弁構成部は、複数の弁尖を有する無縫合単一部品3次元構造体を備える。一実施形態では、無縫合単一部品3次元構造体は、無細胞性の架橋生体材料の単一シートから作製され得るが、他の実施形態では、他の好適な材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、節点で互いに接続され、交連部柱を更に含み得る複数の相互接続された支柱で構成される拡張可能なフレームは、既存の交連に対する人工弁の配置を支援する放射線不透過性マーカを有し得る。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、交連部柱のうちの1つに配置され得る。他の実施形態では、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームの少なくとも1つの支柱又は少なくとも1つの節点に配置され得る。
【0012】
アクチュエータは、第1の方向に回転可能であり得るが、第1の方向とは反対の第2の方向にも回転可能であってよい。いくつかの実施形態では、ハンドルは、人工弁の過回転及び過少回転を防止するために又は方向のうちの一方における回転を防止するために回転の制御を支援し得る、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を更に含み得る。更に他の実施形態では、ハンドルはロック部材を更に含み得、ロック部材がアクチュエータと係合しているとき、バルーンシャフトは回転することができない。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテルハンドルを使用して患者の既存の弁の交連部との交連部位置合わせを提供するための、置換弁の経カテーテル的送達の方法が提供される。本方法は、少なくとも1つの実施形態では、バルーンシャフトに取り付けられたバルーン上に置換弁を装填することを含み、バルーンシャフトは、カテーテルハンドルのアクチュエータと回転自在に係合している。バルーンシャフトは、編組シャフトであってもよい。バルーンシャフトはまた、エラストマーコーティングでコーティングされてもよい。本方法は、置換弁を送達位置に送達することと、アクチュエータをアクチュエータ回転量だけ回転させることにより、置換弁を弁回転量だけ回転させて、置換弁を位置合わせ位置に位置決めすることであって、アクチュエータ回転量は弁回転量に比例する、ことと、バルーンを送達直径から展開直径に拡張させることによって置換弁を展開することと、を更に含む。一実施形態では、弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1である。第1の方向の回転に加えて又はその代わりに、アクチュエータは、第1の方向とは反対の第2の方向に回転可能であってもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、バルーンシャフト又は内側シャフトをロックして、ロック位置において、バルーンシャフト又は内側シャフトの長手方向軸線の周りの回転を可能にしながら、軸方向運動を防止することを更に含み得る。ロック解除位置では、バルーンシャフト又は内側シャフトは、軸方向に近位及び遠位に移動することができるとともに、長手方向軸線の周りを回転することができる。他の実施形態では、本方法は、置換弁が位置合わせ位置にあるときに置換弁の更なる回転を防止するために、アクチュエータをロック位置にロックすることを更に含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、経カテーテル的送達システムは、内側シャフトと、外側シャフトと、ロック位置とロック解除位置とを有するロックと、を有するカテーテルアセンブリを備える。人工弁は、内側シャフト上に装填されてもよい。内側シャフトを少なくとも第1の方向にシャフト回転量だけ回転させると、人工弁が、シャフト回転量に比例する弁回転量だけ、第1の方向に予測可能に回転する。ロックは、ロック位置とロック解除位置とを有し、ロック位置では、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動が防止される。いくつかの実施形態では、ロック位置では、内側シャフトは、第1の方向又は第1の方向とは反対の第2の方向に回転することができる。ロック解除位置では、内側シャフトは外側シャフトに対して軸方向に移動することができ、内側シャフトは少なくとも第1の方向に回転することができる。いくつかの実施形態では、経カテーテル的送達システムは、ロックをロック位置に係合し、ロックをロック位置からロック解除位置に係合解除するロックスイッチを有する、ハンドルを更に備える。内側シャフトは、編組シャフトであり得る。人工弁は、少なくとも1つの位置合わせマーカを有し得る。一実施形態では、人工弁は、そこでの位置合わせを行うための位置合わせマーカを有する。そのような実施形態では、位置合わせマーカは120度間隔で配置されてもよく、他の実施形態では、位置合わせマーカは等間隔に配置されてもよい。少なくとも1つの位置合わせマーカは、2つの開口部を有し得る数字8の形状又は「8」の字形又は「数字8」の形を形成し得る、2つの重なり合った蛇行支柱を備える。ハンドルは、少なくとも1つのアクチュエータを更に備えてもよく、いくつかの実施形態では、アクチュエータの回転又は移動を防止する、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を有してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、カテーテルハンドルを使用して患者の既存の弁の交連部との交連部位置合わせを提供するような、置換弁の経カテーテル的送達の方法が提供される。本方法は、内側シャフト上に置換弁を装填することと、内側シャフトを外側シャフト内で前進させることにより置換弁を送達位置に送達することであって、内側シャフトが外側シャフトに対してロック位置にあり得る又はロック位置にあり、ロックがロック位置に係合している、ことと、ロックをロック位置からロック解除位置に係合解除して、内側シャフトに対する外側シャフトの軸方向移動を可能にすることと、外側シャフトを、内側シャフトに対して近位方向に移動させることと、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動を防止するために、ロックをロック位置に係合することと、内側シャフトをシャフト回転量だけ回転させることにより、置換弁を弁回転量だけ回転させて、置換弁を位置合わせ位置に位置決めすることであって、シャフト回転量が、弁回転量に対して相対的である、ことと、置換弁を展開することと、を含む。
【0016】
複数の実施形態が開示されているが、本開示の例示的な実施形態を示し説明する以下の「発明を実施するための形態」から、本発明の更に他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、全て本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様において改変が可能である。したがって、図面及び「発明を実施するための形態」は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。疑義の回避のために、図面及び他に示されるものを含む、フレーム上の1つ以上の特有の特徴は、以下で更に議論され得るように、位置合わせマーカとして弁の位置合わせのために望ましい場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書は、本開示の様々な実施形態を形成すると見なされる主題を特に指摘し、明確に請求している請求項により結論とするが、本開示は、添付図面と併せて解釈される以下の説明により更に理解できるであろうと考えられる。
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による経カテーテル的送達システムの概略図を示す。
【
図2】
図1に示す経カテーテル的送達システムのハンドルの断面図を示す。
【
図3A】
図3Aに示す第1の位置から
図3Bに示す第2の位置に回転させた、
図1に示す経カテーテル的送達システム上に装填された人工弁を示す。
【
図3B】
図3Aに示す第1の位置から
図3Bに示す第2の位置に回転させた、
図1に示す経カテーテル的送達システム上に装填された人工弁を示す。
【
図4A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、展開のために拡張状態に拡張された、
図3A~
図3Bに示す人工弁を示す。
【
図4B】バルーンが収縮し、送達システムを引き抜く準備が整った、展開状態の
図4Aの人工弁を示す。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による経カテーテル的送達システムのカテーテルアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【
図7】人工弁が自己拡張型弁である、経カテーテル的送達システムの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、弁構成部を取り付けるためのフレームを有する新規かつ有利な人工弁、並びに弁構成部をフレームに取り付けるための方法を記載する。以下に記載する実施形態及び技術は、大動脈弁置換術に関して論じられる又は示される場合があるが、本開示の発明が、僧帽弁及び三尖弁などの他の弁修復又は置換における使用に適し得ることは、本開示の範囲内である。更に、以下で説明する図及び実施形態は、典型的には3つの弁尖を有する大動脈弁について記述する場合があるが、本開示の発明が、大動脈二尖弁で使用される人工装具に適し得ることは、本開示の範囲内である。
【0019】
以下の発明を実施するための形態では、いくつかの実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細が記載される。しかしながら、いくつかの実施形態はこれらの具体的詳細なくして実施され得ることが、当業者には理解されよう。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の方法、手順、及び/又は構成要素は詳細に示されていない。
【0020】
図1~
図4Bは、カテーテルアセンブリ103を使用して、患者の自己弁又は既に送達された置換弁に人工弁102を送達するための、本開示の経カテーテル的送達システム100の一実施形態を示す。
【0021】
人工弁102は、自己拡張型人工弁又はバルーン拡張型人工弁であり得る。人工弁102は、弁輪上配置又は弁輪内配置のいずれかのために設計され得る。人工弁102は、拡張可能なフレーム104と、拡張可能なフレームに取り付けられた弁構成部106とを備えてもよい。少なくとも1つの実施形態では、拡張可能なフレームは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Expandable Frame for Improved Hemodynamic Performance of Transcatheter Replacement Heart Valve」という名称の共通所有の同時係属出願PCT/US2021/040592号、又は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Exteriorly Mounted Tissue on Expandable Frame for Improved Hemodynamic Performance」という名称の共通所有の同時係属出願PCT/US2021/040596号に記載されているような拡張可能なフレームの1つ以上の特徴を備え得る。
【0022】
弁構成部106は、生体材料を含んでもよい。生体材料は、組織材料、人工組織、ポリマー、プラスチック、絹、繊維質材料、布類、又は他の織布材料の1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織材料は、心血管組織、心臓組織、心臓弁、大動脈起始部、大動脈壁、大動脈弁尖、心膜組織、結合組織、硬膜、皮膚組織、血管組織、軟骨、心膜、靭帯、腱、血管、臍帯組織、骨組織、筋膜、並びに粘膜下組織及び皮膚からなる群から選択される無細胞組織又は細胞組織を含む架橋コラーゲンベースの生体材料であってもよい。いくつかの実施形態では、組織材料は、2005年12月21日に出願された、「Implantable Biomaterial and Method of Producing Same」という名称の、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる共通所有の米国特許第9,205,172号の開示に記載されている生体材料などの植込み型生体材料である。いくつかの実施形態では、架橋コラーゲンベースの生体材料は、ADAPT(登録商標)処理プロセスによって処理される。このプロセスは、残留DNAがゼロであり、心臓手術で使用される場合、検出可能なレベルの石灰化がないことを実証する10年超の臨床データを有する生体材料の抗石灰化処理プロセスである。いくつかの実施形態では、組織材料は人工組織であってもよい。いくつかの実施形態では、人工組織は、単一片で成形又は形成されたポリマーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、人工組織は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、他のポリマー、及び他のポリマーコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、弁構成部106は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Replacement Heart Valve with Reduced Suturing」という名称の共通所有され同時係属中の米国特許出願第16/129,235号の開示に記載されている弁などの単一片の組織材料から構築された単一片の3次元弁構成部である。他の実施形態では、弁構成部は、1つ以上の別個の弁尖又は一体型構造を備え得る。いくつかの実施形態では、弁構成部は、型を使用して形成されてもよく、ダイカットされてもよく、又は溶融エレクトロライティング若しくは類似の方法を含むがこれらに限定されない付加製造を使用して、構築されてもよい。
【0023】
図1~
図4Bに示すように、人工弁102はバルーン拡張型人工弁であり、カテーテルアセンブリ103は、バルーン110と、バルーンシャフト112と、ノーズコーン114と、外側シース116と、少なくとも1つのアクチュエータ120と少なくとも1つの流体ポート122とを有するハンドル118とを備え得る。カテーテルアセンブリ103は、遠位端124及び近位端126を有する。ノーズコーン114は、概して、カテーテルアセンブリの遠位端にあり、ハンドル118は近位端126の近傍の位置にある。本開示の目的では、「近位に」移動するとは、近位端126に向かう方向に移動することを意味し、「遠位に」移動するとは、遠位端124に向かう方向に移動することを意味する。
【0024】
バルーンシャフト112は、ノーズコーン114から少なくともハンドル118まで近位に延びてもよい。バルーン110は、バルーンシャフト112上に取り付けられており、バルーンシャフト112は、人工弁102の展開時に流体ポート122から送られる流体又はガスがバルーン110を拡張させることを可能にするため、ハンドル118と流体連通している。更に、いくつかの実施形態では、バルーンシャフト112は、少なくとも1つのアクチュエータ120と回転自在に係合していてもよい。他の実施形態では、バルーンシャフト112は、ハンドル118から近位に延びてもよく、アクチュエータを介してではなく、ハンドルから近位に延びるバルーンシャフト112の部分を回転させることによって回転可能である。少なくとも1つの実施形態では、バルーンシャフト112は編組シャフトである。いくつかの実施形態では、バルーンシャフト112はダイヤモンド編組シャフトであってもよい。バルーンシャフト112は、ポリマーコーティング、エラストマーコーティング、又はこれらの組み合わせでコーティングされてもよい。少なくとも1つの実施形態では、バルーンシャフトは、Pebax(登録商標)の商品名で知られるポリエーテルブロックアミドなどであるがこれに限定されない熱可塑性エラストマーでコーティングされている。いくつかの実施形態では、バルーンシャフトは、少なくとも部分的に布類、編物、又は他の材料で被覆されていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、バルーンシャフトは、少なくとも部分的にナイロンで被覆されていてもよい。いくつかの実施形態では、バルーンシャフトは、ポリマー、エラストマー、布類、編物、又は他の材料を含むオーバージャケットを有してもよい。
【0025】
外側シース116は、進退可能なシースであってもよい。少なくとも1つの実施形態では、外側シース116は、ステアリング可能な外側シース又はステアリング可能な外側カテーテルであり得る。いくつかの実施形態では、外側シース116は、ハンドル118から、バルーンシャフト112、バルーン110、及び人工弁102を覆って延び、人工弁102が修復又は置換のために血管系を通して弁の弁輪に送達される間、ノーズコーン114の近位端に当接し得る。外側シース116を後退させて人工弁102を露出させ、送達部位における人工弁102の拡張を可能にするために、外側シース116は、ハンドル118上の少なくとも1つのアクチュエータ120と係合する。外側シース116は、1つのアクチュエータ120と摺動可能に係合してもよく、アクチュエータ120の回転又はアクチュエータ120の摺動動作のいずれかによってシース11を近位方向又は遠位方向に移動させてもよい。好ましい実施形態では、進退可能な外側シース116を進退させるために使用されるアクチュエータ120は、交連位置合わせに使用されるものと同じアクチュエータではない。バルーンシャフト112は、外側シース(又はいくつかの実施形態では中間カテーテルシャフト)に対して遊合し、バルーンシャフト112と外側シース(又は中間カテーテルシャフト)との間の低い摩擦を可能にし、バルーンシャフト112の巻き上がりの影響を防止又は低減するのに役立つ。
【0026】
図1に示すように、人工弁102は、カテーテルアセンブリ103に対して装填構成で配置される。人工弁102は、展開前にバルーン104上に装填構成で装填されてもよく、又は、例えば、本出願と同日に出願され、参照により本明細書中に組み込まれる「Systems and Methods for Positioning a Valve onto a Catheter During Deployment and Maintaining Such Position」という名称の同時係属中及び共通所有のPCT出願に記載されているように、送達手順中にバルーン上に装填されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、装填構成において、人工弁102は、バルーン104の作業セクション上に配置されている。いくつかの実施形態では、バルーン104の作業セクションは、バルーンの最大拡張能を持つ領域である。人工弁がバルーン上に装填された状態で、修復を必要とする患者の自己弁又は不全置換弁内の望ましい位置に配置されると、人工弁102は、拡張する準備が整う。装填構成において、人工弁102は、交連部位置合わせのために、バルーンシャフト112の回転により回転させることが可能である。いくつかの実施形態では、人工弁102は、ハンドル118に対する既知の周方向の向きを有してバルーン104上に装填され得る。
【0027】
図2は、バルーンシャフト112と回転自在に係合している少なくとも1つのアクチュエータ120を有するハンドル118の一実施形態の断面図を示す。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120の回転により、バルーンシャフト112の回転を可能にしてもよく、これにより人工弁102がバルーンシャフト112の長手方向軸線の周りを回転することを可能にする。アクチュエータ120は、ハンドルの近位端若しくはその近傍に、ハンドルの中間に、又はハンドルの遠位端若しくはその近傍にあってもよい。アクチュエータ120は、回転ホイール、つまみ、又はスイッチであってもよい。アクチュエータ120がスイッチである場合、スイッチは2つ以上の位置を有してもよい。アクチュエータがスイッチであるいくつかの実施形態では、スイッチは3つの位置を有してもよく、一実施形態では、スイッチは、互いに120度の間隔で配置され得る3つの位置を有するロータリスイッチである。いくつかの実施形態では、スイッチは、4つ以上の位置を有してもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、段階的な予め決められた回転のみを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、一方向にのみ回転することが可能である。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、第1の方向及び第2の方向に回転することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、バルーンシャフトひいては人工弁が特定の度数だけ回転できるように、アクチュエータ120の完全な回転を防止するアクチュエータ停止部を有してもよい。この限定されたスイープ角度は、60度、90度、120度、又は180度であってもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120の回転は、バルーンシャフト112の回転、したがって人工弁102の回転を生じさせる。この段落では、アクチュエータを使用してバルーンシャフトを回転させることを記述しているが、バルーンシャフトは、施術者が手で回転させてもよい。換言すれば、バルーンシャフトは、外側シャフト若しくはステアリング可能なカテーテルに対して回転可能である、又はハンドルの内側ルーメンに対して回転可能であり得る。より具体的には、バルーンシャフトは、ハンドルの近位端から近位に延びてもよく、バルーンシャフトのこの部分は、人工弁102を回転させるために回転可能であってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、修復を必要とする患者の自己弁又は不全置換弁への弁の送達中にカテーテルを偏向させるためにステアリング可能カテーテルシャフト内のプルワイヤと回転自在に係合する、1つ以上の偏向アクチュエータを更に備えてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、ハンドル118は、いくつかの実施形態では、アクチュエータ120の回転を防止する(したがって、バルーンシャフト112の回転を防止する)ように構成された少なくとも1つのアクチュエータロック130を更に備えてもよく、又はいくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータロック130は、送達中におけるステアリング可能カテーテル116に対するバルーンシャフト112の軸方向移動を防止するように構成されている。換言すれば、ハンドル118は、回転ロック及び/又は軸方向ロックを備えてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、ロック130のうちの少なくとも1つのアクチュエータロック係合は、いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルに対するステアリング可能カテーテルの軸方向運動を防止し得る。ロック130のうちの少なくとも1つの係合解除は、いくつかの実施形態では、ステアリング可能カテーテルをバルーンカテーテル及び人工弁に対して近位に引き抜くことを可能にし得る。ロックが軸方向運動を防止するいくつかの実施形態では、そのような軸方向ロックが係合されているか係合解除されているかにかかわらず、バルーンカテーテル及び人工弁の回転が依然として可能となり得る。
図2は、ステアリング可能カテーテル若しくはハンドルに対するバルーンカテーテルの軸方向移動、又は送達デバイスのバルーンカテーテルの回転の少なくとも一方を可能にする又は防止するための、ロックスイッチ132及びコレット134を備えるロック130の一実施形態を示す。いくつかの他の実施形態では、ロックは、ハンドル内に含まれる物理的スナップ、ねじ、ハードストップ、プル又はプッシュロック機構の1つ以上を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ロックは、ハンドル及びバルーンカテーテルの両方の上に嵌合構成要素を含んでもよい。そのような実施形態では、ロックは、ハンドルロック構成要素及びバルーンカテーテルロック構成要素を備えてもよい。ハンドルロック構成要素は、機械的停止部、シール、Oリング、ブラダ、コレット、又は回転をロック及びロック解除するための同様の機構を介してバルーンカテーテルロック構成要素と相互作用してもよい。したがって、ハンドルロック構成要素がバルーンカテーテルロック構成要素と係合すると、バルーンカテーテルの軸方向移動が可能にされ得る又は防止され得る。
【0030】
少なくとも1つの回転ロックを有するいくつかの実施形態では、回転ロックが係合されると、バルーンシャフトの回転運動を防止することができ、係合解除されると、バルーンシャフトの回転運動が可能になる。交連部位置合わせが達成されたことを施術者が確信すると、送達時の更なる回転を防止するために、回転ロックを再度係合させることができる。少なくとも1つの実施形態では、回転ロックは、バルーンの膨張前に係合させなければならない。
【0031】
いくつかの実施形態では、ロックは、カテーテルハンドル内に含まれる物理的スナップ、ねじ、ハードストップ、プル又はプッシュロック機構を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ロックは、ハンドル及びバルーンカテーテルの両方の上にインタラクティブ構成要素を含んでもよい。カテーテルロックは、機械的停止部、シール、Oリング、ブラダ、コレット、又は回転をロック及びロック解除するための同様の機構を介してバルーンカテーテルと相互作用してもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータロック機構は、カテーテルハンドル内に含まれる物理的スナップ、ねじ、ハードストップ、プル又はプッシュロック機構を備えてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータロック機構は、ハンドル及びバルーンカテーテルの両方の上にインタラクティブ構成要素を含んでもよい。カテーテルハンドルロック機構は、機械的停止部、シール、Oリング、ブラダ、コレット、又は回転をロック及びロック解除するための同様の機構を介してバルーンカテーテルと相互作用してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、修復を必要とする患者の自己弁又は不全置換弁への弁の送達中にカテーテルを偏向させるためにステアリング可能カテーテルシャフト内のプルワイヤと回転自在に係合する、1つ以上の偏向アクチュエータを更に備えてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、弁の回転は、カテーテルハンドルによって制御される。一実施形態では、ハンドルは、バルーンカテーテルと相互作用して回転を変換し、弁の位置合わせを達成する。この相互作用では、ボタン、スイッチ、回転ダイヤル、回転ホイール、又は手動調整を弁の回転に変換する任意の他の手段を介して運動を導入することができる。いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルとハンドルは、弁の回転を達成するために、互いに係合及び係合解除し得る。構成要素間の係合は、カテーテルハンドル内に含まれる物理的スナップ、ねじ、ハードストップ、プル又はプッシュロック機構を含んでもよい。カテーテルハンドルロック機構は、機械的停止部、シール、Oリング、ブラダ、コレット、又は回転をロック及びロック解除するための同様の機構を介してバルーンカテーテルと相互作用してもよい。
【0034】
交連部位置合わせアクチュエータ120を第1の方向にアクチュエータ回転量だけ回転させると、人工弁がアクチュエータ回転量に比例する又はこれに関する弁回転量だけ、第1の方向に予測可能に回転する。弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、任意の所望の量の既知の回転であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、弁回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1の比率である。別の実施形態では、弁回転量に対するアクチュエータ量の比率は、10:8の比率である。いくつかの実施形態では、弁回転量は、相対的にアクチュエータ回転量の約70~100%であってもよい。換言すれば、アクチュエータの半径方向移動は、弁の70~100%の半径方向移動を生じさせる。一実施形態では、弁回転は、ハンドルスピンホイール、つまみ、又はスイッチの回転によって導入される。一実施形態では、弁の回転は、近位端を介してバルーンカテーテルを回転させることによって導入される。
図3A~
図3Bは、一実施形態によるこの回転を示す。
【0035】
図3A~
図3Bに示すように、人工弁のフレーム104は、少なくとも1つの位置合わせマーカ150を有する。いくつかの実施形態では、位置合わせマーカは、フレームの交連部柱上に配置されてもよい。
図3A~
図3Bに示すように、位置合わせマーカ150は、2つの開口部を有する「8」の字形を形成し得る2つの重なり合った蛇行支柱153、154を備える。いくつかの実施形態では、位置合わせマーカ150は、位置合わせマーカの穴若しくは開口部内又はフレームの支柱若しくは交連部柱155の周りに配置され得る放射線不透過性マーカを更に備えてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、フレームの交連部柱上に配置されてもよい。他の実施形態では、位置合わせマーカは、フレームの支柱又は柱の1つ以上の内に、あるパターンの一連のスリットを備えてもよい。例えば、スリットは、フレームの支柱又は柱の1つに小文字「d」を形成してもよいが、パターンはまた、大文字「D」又は任意の他の好適な若しくは望ましい構成を形成してもよい。他の実施形態では、位置合わせマーカは、穴、ディスク、スロット、又は他の位置合わせ特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、人工弁102は、単一の位置合わせマーカ150を有する。いくつかの実施形態では、人工弁102は、1つより多い位置合わせマーカを有してもよい。人工弁102は、それぞれ人工弁102の周囲に等間隔に配置された3つの位置合わせマーカを有してもよい。いくつかの実施形態では、位置合わせマーカは同一であってもよく、他の実施形態では、位置合わせマーカは、周方向に隣接するマーカと形状が異なっていてもよい。位置合わせマーカ150は、送達手順中に施術者が視覚的に識別可能であってもよく、したがって、施術者は、アクチュエータを既知の量だけ回転させて、弁の交連部位置合わせを達成することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、施術者は、特定の画像ビューを使用して、位置合わせマーカ150を患者の自己弁又は不全置換弁の交連と位置合わせすることができる。イメージングとしては、X線、コンピュータ断層撮影法、蛍光透視法、又は他の好適なイメージング技術が挙げられ得る。位置合わせマーカが、2つの開口部を有する「8」の字形を形成し得る重なり合った蛇行支柱153、154を備える場合、かつ大動脈弁修復を実施するとき、位置合わせマーカ150は、各大動脈弁尖の底又は一般に弁尖の腹と呼ばれるものと位置合わせされ得る。弁尖の底と位置合わせすることにより、人工弁の交連柱は、自己大動脈弁尖(又はバルブインバルブ修復時の不全修復弁の場合、不全修復弁の修復弁尖)の交連と確実に位置合わせされる。位置合わせを支援するために、患者は、処置前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンを受けてもよい。このCTスキャンの解析により、環状平面と位置合わせされた蛍光透視角度が植え込み施術者に提供される。環状平面は、大動脈弁尖の3つの底によって定義される。一般に、2つの一般的に使用されるビュー、すなわち3カスプビュー及びカスプオーバーラップビューがある。3カスプビューでは、位置合わせマーカ150は、それが例えば右冠尖の底と位置合わせされるように、画像の中央に特定され得る。適切に配向された人工弁をカスプオーバーラップビューで見ると、位置合わせマーカ150の2つが、典型的には右冠状動脈口及び左冠状動脈口の近傍で互いに重なる又は重なり合う。他の位置合わせマーカから120度に配置され、非冠状動脈尖に関連付けられる第3の位置合わせマーカ150は、観察が困難である。なぜなら、第3の位置合わせマーカ150は観察平面から90度であるからである。これは、位置合わせマーカが、2つの開口部を有する「8」の字形を形成し得る重なり合った蛇行支柱153、154を備える場合に特に当てはまるが、他の位置合わせマーカ構成にも当てはまる場合がある。この段落では大動脈弁修復又は置換処置に関するイメージング及び位置決めについて論じているが、僧帽弁又は三尖弁修復又は置換処置における人工弁の位置合わせに同様の技法を適用することは本発明の範囲内である。
【0037】
弁が所望の位置に来ると、
図4A~
図4Bに示すように、人工弁を、その後、バルーンを拡張させることによって、装填構成から拡張構成に拡張させることができる。バルーンは、その後、収縮させることができ、経カテーテル的送達システムは血管系から引き抜かれ得る。
【0038】
図1~
図4Bに示す実施形態などのいくつかの実施形態では、経カテーテル的送達システム100は、ノーズコーンとバルーンの近位端との間で人工弁が装填構成にある状態(換言すれば、人工弁がバルーン上に縮められた状態)で、開始される又は体内に導入される。少なくとも1つの実施形態では、ステアリング可能カテーテルの遠位部(遠位端を含む)は、装填構成における人工弁の少なくとも近位端を覆っている。処置中のこの時点で、ハンドル上のアクチュエータロックの少なくとも1つが係合され、特に、軸方向アクチュエータロックが係合され得る。更に、いくつかの実施形態では、人工弁の近位端、より具体的には、縮められた人工弁の近位頂部又は端部は、装填構成において、ステアリング可能カテーテルの遠位端上の保持機能と係合される。保持機能は、人工弁の近位端又はその近傍の支柱間の開口部と係合する隆起部、突起、柱、フィンガ、ロッド、又は他の類似の構造であってもよく、他の実施形態では、人工弁の近位端又はその近傍の1つ以上の支柱と嵌合するスロット、穴、又は開口部であってもよい。いくつかの実施形態では、縮められた弁の遠位端は、ノーズコーンの近位部又は近位端によって保持、捕捉、又は被覆されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、縮められた弁の遠位頂部又は遠位端は、ノーズコーンの近位部又は近位端によって保持、捕捉、又は被覆されてもよい。人工弁が装填構成にある間、かつ人工弁の送達中、アクチュエータロックの少なくとも1つは係合されていてもよい。例えば、一実施形態では、軸方向アクチュエータロックが係合されていてもよく、他の実施形態では、回転アクチュエータロックが係合されていてもよく、又は更に他の実施形態では、軸方向アクチュエータロック及び回転アクチュエータロックの両方が係合されていてもよい。人工弁は、大動脈弓部の周囲及び自己大動脈弁又は不全置換デバイスを横断するナビゲーションを含む送達中は装填構成のままであり、使用者は、ナビゲーションのために必要に応じてステアリング可能カテーテルに偏向を加えることができる。カテーテルアセンブリの遠位端が弁を横断すると、軸方向ロックが係合解除されてもよく、バルーンカテーテルシャフトを前進させてもよい。保持機構は、人工装具をステアリング可能カテーテルに対して所定の位置に保持する。バルーンは、人工装具がバルーンの中間部すなわち作業セクションに達するまで前進させる。この位置に達すると、保持機構は係合解除され、ステアリング可能カテーテルが人工装具から分離される。その後、ステアリング可能カテーテルは引き抜かれてもよく、膨張バルーンの近位端が露出する。その後、軸方向ロックを再係合させ、バルーンカテーテルの回転によって交連位置合わせが実施される。回転(交連部)位置合わせが達成され、弁が正しい植え込み深さに配置されると、デバイスは展開の準備が整う。高率ペーシングが開始され、バルーンが拡張され、人工装具が自己大動脈弁内に固定される。その後、バルーンを収縮させ、高率ペーシングをオフにする。その後、カテーテルアセンブリを体から引き抜き、人工弁を所定の位置に残す。
【0039】
図5は、請求された発明の1つ以上の実施形態による経カテーテル的送達システム500の断面図を示し、
図6は、
図5に示す経カテーテル的送達システム500のハンドル518の一実施形態の断面図を示す。経カテーテル的送達システム500は、備える。少なくとも1つの実施形態では、経カテーテル的送達システム500は、人工弁が装填構成にある状態で、開始される又は体内に導入される。装填構成において、人工弁はバルーン上に縮められる又は別様に装填され、いくつかの実施形態では、ステアリング可能カテーテルの遠位端は人工弁の近位端を覆っていてもよい。いくつかの実施形態では、人工弁は、ノーズコーンの近位でバルーン上に縮められ、更に他の実施形態では、人工弁は、バルーンの膨らんだ部分の近位で縮められる。装填構成において、ハンドル上の軸方向ロックは係合されていてもよい。経カテーテル的送達システムは、大動脈弓部の周囲及び自己大動脈弁を横断する送達ナビゲーション中はこの装填構成に維持され、使用者は、ナビゲーションのために必要に応じてシステムに偏向を加えることができる。弁を横断し、展開のための所望の軸方向位置に達すると、軸方向ロックは係合解除され、ステアリング可能カテーテルは引き抜かれ、膨張バルーンの近位端が露出する。その後、軸方向ロックを再係合させ、バルーンカテーテルの回転によって交連位置合わせが実施される。回転(交連部)位置合わせが達成され、弁が正しい植え込み深さに配置されると、デバイスは展開の準備が整う。その後、高率ペーシングが開始されてもよく、バルーンが拡張され、それにより人工弁が拡張される。バルーンの拡張により、修復を必要とする患者の自己弁に又は不全置換弁内に人工装具を固定するその固定を可能にし得る。その後、バルーンを収縮させ、高率ペーシングを使用した場合には、その後、これをオフにしてもよい。その後、送達システムデバイスを体から引き抜いてもよく、人工弁を自己弁又は不全置換弁内のその送達位置の所定の位置に残す。
【0040】
図5の経カテーテル的送達システムは、遠位端504と近位端505とを有するカテーテルアセンブリ503を備える。カテーテルアセンブリ503は、ノーズコーン506と、バルーン510と、内側シャフト512と、外側シャフト514と、ハンドル518と、流体又はガスを用いてバルーンを拡張及び収縮させるためにバルーン510と連通する流体ポート520とを備える。ノーズコーン506は、遠位端522及び近位端524を有する。いくつかの実施形態では、ノーズコーン506は中実であり、他の実施形態では、ノーズコーン506は、拡張可能又は膨張可能であってもよい。ノーズコーン506は、いくつかの実施形態では、ポリマー、ゴム、プラスチック、エラストマー、又は他の材料を含んでもよい。ノーズコーン506の近位端524は、内側シャフト512の遠位端525に接続されていてもよい。内側シャフト512は、以下で更に記載するように、ノーズコーン506とハンドル518との間に1つ以上のマーカバンド又は放射線不透過性マーカを有してもよい。バルーン510は遠位端526及び近位端528を有し、遠位端526は、少なくとも1つの実施形態において、ノーズコーン506の近位端524に当接する。バルーン510は、遠位端526の近傍に膨らんだ部分540を有してもよい。外側シャフト514は、ステアリング可能シャフト、進退可能なシャフト、又は中間シャフトであってもよい。外側シャフト514は、内側シャフト512よりも大きな直径を有する。外側シャフト514は、遠位端532及び近位端534を有し得る。いくつかの実施形態では、外側シャフト514は、遠位端532に放射線不透過性マーカを有してもよい。ハンドル518は、遠位端546及び近位端548を有する。
図5に示すように、内側シャフト512はそれ自体が、ハンドル518の近位端548から近位に延びてもよい又は回転自在に延びてもよい。
図6は、ハウジング550と、少なくとも1つの実施形態ではアクチュエータ552と、を備え得るハンドル518の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、アクチュエータ552は、遠位端546の近傍にあってもよく、他の実施形態では、アクチュエータ552は、ハウジング550に沿った他の場所に位置してもよい。アクチュエータは、外側シースの偏向のために使用されてもよく、又はいくつかの実施形態では、内側シャフトの回転のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドル518は、一端で外側シャフト又はステアリング可能シャフトと、他端でリング558と係合したプルワイヤ556を備える、偏向用のプルワイヤリングアセンブリ554を更に備えてもよい。プルワイヤリングアセンブリ554は、アクチュエータ552と係合させてもよい。プルワイヤリングアセンブリ554に加えて又はプルワイヤリングアセンブリ554の代わりに、ハンドル518は、外側シャフト又はステアリング可能シャフトの偏向用のラックアンドピニオンギアアセンブリ558を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドル518は、ステアリング可能カテーテル若しくはハンドルに対するバルーンカテーテルの軸方向移動、又は送達デバイスのバルーンカテーテルの回転の少なくとも一方を可能にする又は防止するためのロックコレット572及びロックスイッチ574を備える、ロック570を更に備えてもよい。いくつかの実施形態では、ロックスイッチ574を、そのスイッチを第1の位置から第2の位置に回転させることによって作動、係合、又は係合解除させて、ロック570をロック位置又はロック解除位置にしてもよい。他の実施形態では、ロックスイッチ574を、そのロックスイッチを近位に引く(又は遠位に押す)ことによって作動、係合、又は係合解除させて、ロック570をロック位置又はロック解除位置にしてもよい。
【0041】
上記の開示ではバルーン拡張型弁に関して説明しているが、概念及び特徴は自己拡張型弁に同様に適用可能である。いくつかの実施形態では、バルーン拡張型弁と自己拡張型弁の展開手段は異なるため、自己拡張型弁に関しては、バルーン拡張型弁に関して上述したシステム及び方法に対する改変が必要となる場合がある。例えば、自己拡張型弁は、一般に、人工弁の拡張のためにバルーンを必要としない。
【0042】
図7は、自己拡張型人工弁702と、その展開及び送達中に自己拡張型人工弁702を交連部位置合わせするためのカテーテルアセンブリ703を備える経カテーテル的送達システム700の一実施形態の概略図を示す。人工弁702は、上述した人工弁に類似し、フレーム705と、フレーム705に取り付けられた弁構成部706とを備える。カテーテルアセンブリ703は近位端704及び遠位端707を有し、カテーテルアセンブリ703は、少なくとも、近位端704の近傍のハンドル708と、遠位端707の近傍のノーズコーン709と、遠位先端709とハンドル708との間に延びるステアリング可能外側シャフト710と内側シャフト712とを備える。ステアリング可能外側シャフト710は遠位端713を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ703は、内側シャフト712とステアリング可能外側シャフト710との間に進退可能なシース714を更に備える。いくつかの実施形態では、進退可能なシース714は、ステアリング可能外側シャフト710の遠位端713から遠位に延びて、装填構成にある人工弁702を覆ってもよい。他の実施形態では、進退可能なシース714は、ノーズコーン709から近位に延びて、装填構成にある人工弁702を覆ってもよい。更に別の実施形態では、進退可能なシースは、装填構成にある弁を覆うための要素をステアリング可能外側シャフトと内側シャフトの両方の上に有する分割式シースを備えてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、内側シャフト712は、人工弁702と解放可能に係合し、人工弁702を内側シャフト712に対して軸方向位置及び/又は回転位置に保持するペグ、突起、つまみ、ロッド、フィンガ、又は延長部などの1つ以上の弁保持機能716を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル内の制御機構は、弁を解放するように弁保持機能を回転又は進退させるために弁保持機能に接続されてもよい。他の実施形態では、人工弁702は、人工弁の拡張時に弁保持機能716から解放されてもよい。弁保持機能716はまた、大動脈弓部周囲でのナビゲーション中に人工弁702の所望の拡張プロファイル及び/又は人工弁702の所望の送達プロファイルを可能にするように構成されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、ステアリング可能外側シャフト710は、ステアリング可能外側シャフト710の遠位端又はその近傍にシース保持機能718を有してもよい。シース保持機能718は、ステアリング可能外側シャフト710に対する内側シャフト712の回転を可能にする。
【0045】
装填構成にある人工弁702は、内側シャフト712の周りに配置され、ステアリング可能外側シャフト710又は進退可能なシース714のいずれかによって被覆される、拡張を防止するために人工弁702を覆う。システム700は、送達中かつ自己弁又は不全置換弁を横断する間に大動脈弓部の周囲でナビゲートされる間、この被覆された構成のままであり、施術者は、そのようなナビゲーションのために必要に応じてシステムに、上述したようなハンドル上の偏向アクチュエータを使用することによるものを含む偏向を加えることができる。患者の自己弁又は不全置換弁を横断し、施術者が人工弁を展開する準備ができると、上記のバルーンシャフトのように、内側シャフト712を回転させて、人工弁702を自己弁又は不全置換弁の交連と位置合わせすることができる。より具体的には、内側シャフト712を回転させて、人工弁702の交連部柱を、自己弁又は不全置換弁の交連と位置合わせすることができる。弁が展開のための位置に位置合わせされると、ステアリング可能外側シャフト710及び/又は進退可能なシース714を引き抜くことができ、これにより、人工弁702の自己拡張フレームはシース714として外側に向かって拡張され、人工弁702が自己の解剖学的構造内又は不全置換弁内に固定される。人工弁702は、内側シャフト712上の1つ以上の弁保持機能716から解放することができ、解放は、人工弁702の機械的な拡張によって、又は弁保持機能716を内側シャフト712内に後退させるハンドル上の制御機構の解除によって、行われてもよい。人工弁702が患者の自己弁又は不全置換弁内で完全に展開されると、カテーテルアセンブリ703は、その後、患者の体から取り除かれてもよい。
【0046】
少なくとも1つの実施形態では、バルーン拡張型人工弁であるか自己拡張型人工弁であるかを問わず、人工弁は、最初に、内側シャフト上で装填構成又は縮められた構成にある。大動脈弁修復処置において、アクセス部位から下行胸部大動脈の頂部まで前進させ始めるときに、内側シャフトは、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動を防止するために、外側シャフトとの相対位置にロックされ得る。同じく大動脈弁修復処置において、その後、送達システムを大動脈弓部の周囲に前進させてもよい。ハンドル上の1つ以上のアクチュエータを使用したステアリング可能カテーテルの関節運動を用いて、血管系を通して送達システムを無外傷的に偏向又は操舵してもよい。蛍光透視可視化の下で前進させる間、施術者は、血管系を通して送達システムを偏向又は操舵するために、アクチュエータの1つ以上を第1の方向又は第2の方向に回転させてもよい。施術者の準備が整うと、内側シャフトは外側シャフトに対してロック解除されてもよく、ステアリング可能カテーテルを近位に引き、バルーンの残り部分を露出させ、近位端(又は近位流出頂部)をステアリング可能カテーテルのフレア部分から解放することを可能にしてもよい。内側シャフトを外側シャフトに対してロック解除するために、ロックスイッチをロック位置からロック解除位置に回してロックを係合解除してもよく、又はいくつかの実施形態では、ハンドルの近位端の近傍のロックを近位に引き(又は他の実施形態では遠位に押し)、ロックを係合解除し、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動を可能にしてもよい。少なくとも1つの実施形態では、内側シャフト上の最近位放射線不透過性マーカバンドが、ステアリング可能カテーテル又は外側シャフトを近位方向にどれほど引くべきかを施術者に対して示す。ステアリング可能カテーテル又は外側シャフトが所望の位置に達すると、外側シャフトに対する内側シャフトの軸方向移動を防止するために、ロックを再度係合させることができる。施術者は、その後、手動又はハンドル上のアクチュエータのいずれかで内側シャフトを回転させることによって弁を回転させ、人工弁の交連を患者の自己弁又は不全置換弁と位置合わせすることができる。中央に又は施術者が所望する位置に配置されると、及びいくつかの実施形態では、交連と位置合わせされると、カテーテルアセンブリをガイドワイヤに対して近位若しくは遠位に移動させること、又はカテーテルアセンブリに小さな偏向を加えることによって、任意の更なる微調整が行われてもよい。その後、人工弁を拡張させ、自己大動脈弁尖及び/又は不全置換弁の弁尖を押しのけて、患者の現在の弁輪と係合させることができる。人工弁がバルーン拡張型弁である場合、バルーンは、その後、流体、ガス、又は空気圧を放出することによって収縮させてもよい。人工弁は機能し始める。いくつかの実施形態では、ロックは再度係合解除させることができ、内側シャフトは、外側シャフト又はステアリング可能カテーテル内に近位に引き戻すことができる。その後、ロックは、シャフトの相対的な軸方向移動を防止するために再度係合させることができ、内側シャフト及び外側シャフト又はステアリング可能カテーテルは、同時に引き抜くことができる。他の実施形態では、外側シャフト又はステアリング可能カテーテルは、内側シャフトと別々に患者の血管系から引き出すことができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「実質的に」または「概して」という用語は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の完全な若しくはほぼ完全な範囲若しくは程度を指す。例えば、「実質的に」又は「概して」封入されている物体は、物体が完全に封入されているか、ほぼ完全に封入されているかのいずれかであることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容可能度は、場合によっては、特定の文脈に依存し得る。しかしながら、一般的に言えば、完全に近いことは、絶対的かつ全体的な完全性が得られるかのようなものと概して同じ結果を有するようなものである。「実質的に」又は「概して」の使用は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の完全な若しくはほぼ完全な欠如を指すために否定的な意味合いで使用される場合にも等しく適用可能である。例えば、ある成分若しくは要素を「実質的に含まない」若しくは「概して含まない」要素、組み合わせ、実施形態、又は組成物は、その測定可能な効果が概してない限り、そのような項目を依然として実際に含むことがある。
【0048】
本明細書で使用される場合、「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、実施形態と関連して記載する特定の要素、特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態では」という記述の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、又はそれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含を含むことが意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。更に、明示的に反対の記載がない限り、「又は」は、包含的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又は条件Bは、以下、すなわち、Aが真(又は存在する)かつBが偽(又は存在しない)、Aが偽(又は存在しない)かつBが真(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真(又は存在する)、のいずれか1つによって満たされる。
【0050】
更に、「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素及び構成要素を説明するために採用される。これは単に便宜上のためであり、説明の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、それが他のことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0051】
更に、図面は、例示のみを目的として好ましい実施形態を示す。当業者であれば、本明細書の説明から、本明細書に例示された構造及び方法の代替的な実施形態が、本明細書に記載の原理から逸脱することなく採用され得ることを容易に認識するであろう。
【0052】
特定の実施形態及び用途を図示及び記載してきたが、開示される実施形態は、本明細書中に開示される厳密な構造及び構成要素に限定されないことを理解されたい。添付の特許請求の範囲で定義される趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される方法及び装置の配置、動作、及び詳細において、当業者には明らかな様々な改変、変更、及び変形を行うことができる。
【0053】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、いくつかの例示的な実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は限定するものではなく、必ずしも互いに排他的ではなく、様々な実施形態の特定の特徴は、本発明の範囲内にとどまりながら、他の実施形態の特徴とともに使用するために省略する又は組み合わせることができることが企図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経カテーテル的
人工心臓弁送達システムであって
、
バルーンシャフト
と、
バルーンシャフト上に取り付けられ、送達直径を有しているバルーンであって、送達直径から展開直径にバルーンを拡張させるための流体源と流体連通しているバルーン
と、
バルーンシャフト
と係合しているアクチュエータを有するハンド
ルと、
を備え、
アクチュエータを、少なくとも第1の方向にアクチュエータ回転量だけ回転させると、人工弁が、アクチュエータ回転量に比例する
バルーン回転量だけ第1の方向に予測可能に回転する、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーンシャフトは編組シャフトである、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項3】
請求項2に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
編組シャフトは、放射線不透過性マーカを含む、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項4】
請求項2に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーンシャフトは、ポリマーコーティングを有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項5】
請求項2に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーンシャフトは、エラストマーコーティングを有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項6】
請求項5に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
エラストマーコーティングは、熱可塑性エラストマーを有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項7】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーン回転量は、相対的にアクチュエータ回転量の約70~100%である、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項8】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーン回転量に対するアクチュエータ回転量の比率は、1:1の比率である、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項9】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーン回転量に対するアクチュエータ量の比率は、10:8の比率である、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項10】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システム
は、
更に、
バルーン上に装填された心臓弁人工装具を備え、
心臓弁人工
装具は、フレームに取り付けられた弁構成部を備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項11】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
弁構成部は、無縫合単一部品3次元構造体状に成形された3つの弁尖を有する無縫合単一部品3次元構造体を備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項12】
請求項10に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
フレームは、放射線不透過性マーカである、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項13】
請求項12に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
放射線不透過性マーカは、フレームの交連部柱上に配置される、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項14】
請求項12に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
放射線不透過性マーカは、交連部柱に隣接した少なくとも1つの支柱又は少なくとも1つの節点に配置される、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項15】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ハンドルは、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を含む、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項16】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、ロック部材を含み、
ロック部材がアクチュエータと係合しているとき、バルーンシャフトは回転できない、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項17】
請求項1に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
アクチュエータは、第1の方向にも、第1の方向とは反対の第2の方向にも回転可能である、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項18】
経カテーテル的
人工心臓弁送達システムであって
、
内側シャフト
と、
内側シャフトの遠位端に結合したバルーンと、
外側シャフト
と、
ロック位置とロック解除位置とを有するロック
と、
を備え、
内側シャフトを
、第1の方向にシャフト回転量だけ回転させると、人工弁が、シャフト回転量に比例する
バルーン回転量だけ第1の方向に予測可能に回転し、
ロックがロック位置にあるときには、外側シャフトに対する内側シャフト
及びバルーンの移動が防止される、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項19】
請求項
18に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムは、更に、
ロックをロック位置に係合するロックスイッチを備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項20】
請求項
19に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ロックスイッチは、ロックをロック位置からロック解除位置に係合解除する、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項21】
請求項
18に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ロック位置では、内側シャフトは、第1の方向に回転することができる、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項22】
請求項
21に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ロック位置では、内側シャフトは、第2の方向に回転することができる、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項23】
請求項
18に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ロック解除位置では、内側シャフトは外側シャフトに対して軸方向に移動することができ、内側シャフトは少なくとも第1の方向に回転することができる、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項24】
請求項
21に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
バルーンシャフトは編組シャフトである、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項25】
請求項
21に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
人工弁は、少なくとも1つの位置合わせマーカを有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項26】
請求項
25に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
人工弁は、3つの位置合わせマーカを有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項27】
請求項
25に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
少なくとも1つの位置合わせマーカは、数字8の形を形成する2つの重なり合った蛇行支柱を備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項28】
請求項
25に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
数字8の形は、2つの開口部を有している、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項29】
請求項
21に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、少なくとも1つのアクチュエータを備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【請求項30】
請求項
29に記載の経カテーテル的
人工心臓弁送達システムにおいて、
ハンドルは、更に、少なくとも1つのアクチュエータ停止部を備える、経カテーテル的
人工心臓弁送達システム。
【国際調査報告】