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特表2024-523737ロック解除が選択可能であるプラグコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ロック解除が選択可能であるプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20240621BHJP
   H01R 13/633 20060101ALI20240621BHJP
   H01R 13/625 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/633
H01R13/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501898
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022068947
(87)【国際公開番号】W WO2023285288
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】BE2021/5544
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンチェ・スコウラネク
(72)【発明者】
【氏名】フーベルト・レーディゲ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ベック
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ・ヴェリゲ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ブリンクマン
(72)【発明者】
【氏名】リナ・クリスティーン・リーデル
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ザウアーヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】コリンナ・スティーンズ
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FC31
5E021HC04
5E021HC11
5E021HC31
5E021HC35
(57)【要約】
プラグコネクタ(1)は、ハウジング(10)と、相手側プラグコネクタ(2)に接続するための差し込み部(11)と、ロック要素(12)とを含んでいる。この際、ロック要素(12)は、第1のロック部(120A)及び第2のロック部(120B)を有しており、第1のロック部(120A)又は第2のロック部(120B)を選択的に、ハウジング(10)に対して、相手側プラグコネクタ(2)の相手側ロック要素(22)とロック可能な位置にもたらすことができるように、移動可能にハウジング(10)に取り付けられていると規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(10)、
相手側プラグコネクタ(2)に接続するための差し込み部(11)、及び
ロック要素(12)、
を含むプラグコネクタ(1)において、
前記ロック要素(12)は、第1のロック部(120A)及び第2のロック部(120B)を有し、前記第1のロック部(120A)又は前記第2のロック部(120B)のいずれかを選択的に、前記ハウジング(10)に対して、前記相手側プラグコネクタ(2)の相手側ロック要素(22)とロック可能な位置にもたらすことができるように、移動可能に前記ハウジング(10)に取り付けられていることを特徴とするプラグコネクタ(1)。
【請求項2】
前記ロック要素(12)が、回転可能に前記ハウジング(10)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項3】
第1のロック部(120A)と第2のロック部(120B)とが、前記ロック要素(12)の向かい合う側に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項4】
第1のロック部(120A)と第2のロック部(120B)とが異なる構成を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項5】
第1のロック部(120A)が工具(4)のための工具開口部(121)を有し、第2のロック部(120B)が使用者の指のための指開口部(122)を有しており、前記指開口部(122)は前記工具開口部(121)より大きいことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項6】
前記工具開口部(121)及び前記指開口部(122)には、相手側プラグコネクタ(2)のラッチエッジ(220)とラッチするための、それぞれ少なくとも1つのラッチ突起(124)が形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項7】
ハウジング(10)が、少なくとも1つの突起(101)を有しており、前記突起は、前記ハウジング(10)に対するロック要素(12)の動きをブロックするために、前記ロック要素(12)の突起(125)と接触させられ得ることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項8】
ロック要素(12)が、ブロックとして作用しているハウジング(10)の突起(101)と前記ロック要素(12)の突起(125)との間の接触を解除するために、弾性的に変形可能であることを特徴とする、請求項7に記載のプラグコネクタ(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(1)と相手側プラグコネクタ(2)とを含むプラグイン接続部(3)。
【請求項10】
前記相手側プラグコネクタ(2)の相手側ロック要素(22)が工具係合部(221)を有しており、前記工具係合部は、第1のロック部(120A)が、ハウジング(10)に対して、前記相手側プラグコネクタ(2)の前記相手側ロック要素(22)とロック可能な位置に配置され、プラグコネクタ(1)が差し込みによって前記相手側プラグコネクタ(2)に接続されている場合、工具開口部(121)を通じてアクセス可能であることを特徴とする、請求項5を引用する場合の請求項9に記載のプラグイン接続部(3)。
【請求項11】
相手側プラグコネクタ(2)の相手側ロック要素(22)が作動面(222)を有しており、前記作動面は、第2のロック部(120B)が、ハウジング(10)に対して、前記相手側プラグコネクタ(2)の前記相手側ロック要素(22)とロック可能な位置に配置され、前記プラグコネクタ(1)が差し込みによって前記相手側プラグコネクタ(2)に接続されている場合、指開口部(121)を通じてアクセス可能であることを特徴とする、請求項5を引用する場合の請求項9又は10に記載のプラグイン接続部(3)。
【請求項12】
第1のロック部(120A)が、前記ハウジング(10)に対して、前記相手側プラグコネクタ(2)の前記相手側ロック要素(22)とロック可能な位置に配置され、前記プラグコネクタ(1)が差し込みによって前記相手側プラグコネクタ(2)に接続されている場合、作動面(222)がロック要素(12)によって覆われることを特徴とする、請求項10及び11に記載のプラグイン接続部(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のプラグコネクタ及び当該プラグコネクタを用いたプラグイン接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなプラグコネクタは、ハウジングと、相手側プラグコネクタとプラグイン接続するための差し込み部と、ロック要素とを含んでいる。
【0003】
このようなプラグコネクタは、特許文献1に記載されている。ラッチ要素を備えたユニオンナットの形に構成されたロック要素と、相手側ラッチ要素との間のラッチを解除するために、工具のための工具挿入開口部が設けられている。
【0004】
特許文献2及び特許文献3はそれぞれ、ロックが工具を用いて解除可能であるプラグコネクタを記載している。
【0005】
ロックを手動で解除できるプラグコネクタが使用される場合もある。ロック解除のタイプ(手動又は工具を用いた)の要件は、それぞれの使用目的によって、例えば規格又は基準によって定期的に決定される。使用目的が工具を用いたロック解除を必要とするか、又は、手動でのロック解除を許容するか、若しくは必要とするかによって、適切なプラグコネクタが使用される。これによって、ロック可能なプラグコネクタは、規則的に、特定の使用分野に限定されている。
【0006】
特許文献4には、手動で締め付けることができるが、工具を使用しないと再び緩めることができない振動ロックを備えたプラグコネクタが記載されている。当該解決策は、非常に限られた適用事例にのみ適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許発明第102010034630号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102010047216号明細書
【特許文献3】独国特許発明第102009007298号明細書
【特許文献4】独国特許発明第102014224450号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、可能な限り多方面にわたって使用可能であるプラグコネクタを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、請求項1の特徴を備えた物体によって解決される。
【0010】
ロック要素が、第1のロック部と第2のロック部とを有し、第1のロック部又は第2のロック部のいずれかを選択的に、ハウジングに対して、相手側プラグコネクタの相手側ロック要素とロック可能な位置にもたらすことができるように、移動可能にハウジングに取り付けられていることが規定されている。
【0011】
したがって、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに接続される際、第1のロック部のみ、又は第2のロック部のみが、相手側ロック要素とロックされる。この際、相手側プラグコネクタに対するハウジング及びプラグコネクタの差し込み部の配置は同じままであり、ハウジング及び相手側プラグコネクタに対する可動ロック要素の位置のみが異なっている。
【0012】
これによって、特定の適用事例における必要に応じて、第1のロック部又は第2のロック部を選択することが可能になる。これによって、ロック解除が選択可能であるプラグコネクタが提供される。第1のロック部をある用途に関して最適化し、第2のロック部を別の用途に関して最適化することが可能である。プラグコネクタをいずれの用途に使用するかに応じて、第1のロック部又は第2のロック部のいずれかを選択して設定することが可能である。これによって、プラグコネクタは特に多方面において使用可能になる。
【0013】
任意で、ロック要素は、特に差し込み方向に対して平行な回転軸の周りに回転できるようにハウジングに取り付けられている。これによって、省スペースの設計と同時に、直感的な操作が可能になる。
【0014】
一実施形態において、第1のロック部及び第2のロック部はロック要素の向かい合う側に配置されている。これによって、選択されたロック部のみがつねに直接視界に入るので、混同が回避され、特に直感的な使用が可能になる。さらに、ロック要素も回転可能にハウジングに取り付けられている場合、ロック要素を半回転させることによって、第1のロック部と第2のロック部とが入れ替えられる。
【0015】
第1のロック部と第2のロック部とは、互いに比較した場合に異なるように構成されていてよい。つまり、2つのロック部を異なる適用事例に関して最適化することが可能である。例えば、これらのロック部は、それぞれのロック解除のタイプ及び/又はその形状において異なっている。これに対して、2つのロック部が同じ構成を有する場合、プラグコネクタは、例えば、プラグコネクタを非常に頻繁に着脱する必要があるような、比較的摩耗しやすい用途に使用され得る。ロック部の一方が故障しても、プラグコネクタを交換する必要なく、他方のロック部を選択することが可能である。
【0016】
任意で、第1のロック部は、工具、例えばドライバー、特にマイナスドライバーのための工具開口部を有している。代替的又は付加的に、第2のロック部は、使用者の指のための指開口部を有することができる。指開口部を通して、使用者は、例えば、指又は指の一部で、その下に位置する要素を作動させることができる。この際、指開口部は、製造公差の範囲外で、工具開口部よりも大きく、特にはるかに大きく、例えば2倍以上大きくてよい。
【0017】
工具開口部上及び/又は指開口部には、例えば(それぞれ)相手側プラグコネクタのラッチエッジとラッチするための少なくとも1つのラッチ突起が形成されている。これによって、特に容易なロックが可能になる。
【0018】
任意で、ハウジングは少なくとも1つの突起を有しており、当該突起は、ロック要素の突起と接触可能であり、ハウジングに対するロック要素の少なくとも1つの位置で接触する。この際、これらの突起の接触が、ハウジングに対するロック要素の動き、特に回転をブロックするか、又は少なくとも困難にすると規定してよい。任意で、このような突起の対が2つ設けられ、反対方向への動き(例えば回転)をブロックする。例えば、第1のロック部又は第2のロック部が、ハウジングに対して相手側プラグコネクタの相手側ロック要素とロック可能な位置に配置された場合、1対又は2対の突起は、ロック要素の動きを困難にするか又はブロックする。これによって、ロック要素が誤ってロックできない位置に移動することが防止され得る。
【0019】
任意で、ロック要素は、ブロックとして作用しているハウジングの突起とロック要素の突起との間の接触を解除するために弾性変形し得る。これによって、2つのロック部を安全かつ直感的に切り替えることができる。
【0020】
一態様によると、プラグイン接続部が提供される。プラグイン接続部は、本明細書に記載された任意の実施形態に係るプラグコネクタと、差し込みによって接続され得る相手側プラグコネクタとを含んでいる。利点に関しては、プラグコネクタに関する上記の説明を参照されたい。
【0021】
相手側プラグコネクタの相手側ロック要素は、例えば、第1のロック部又は第2のロック部とのロックを解除するために弾性によって曲げられ得る。任意で、相手側プラグコネクタの相手側ロック要素は、工具係合部を有しており、工具係合部は、第1のロック部がハウジングに対して相手側プラグコネクタの相手側ロック要素とロック可能な位置に配置され、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに差し込みによって接続されている場合、工具開口部を通じてアクセス可能である。当該構成では、プラグコネクタの相手側プラグコネクタとのロックは、指での接触によっては解除できず、ドライバーなどの工具を用いなければ解除できない。
【0022】
代替的又は付加的に、相手側プラグコネクタの相手側ロック要素は作動面を有しており、当該作動面は、指開口部を通じてアクセス可能であり、特に、第2のロック部がハウジングに対して相手側プラグコネクタの相手側ロック要素とロック可能な位置に配置され、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに差し込みによって接続されている場合、指開口部を通じて使用者の指によって接触可能である。当該構成では、プラグコネクタの相手側プラグコネクタとのロックは、指での接触によって解除可能である。
【0023】
任意で、第1のロック部がハウジングに対して相手側プラグコネクタの相手側ロック要素とロック可能な位置に配置され、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに差し込みによって接続されている場合、作動面がロック要素によって覆われると規定される。したがって、当該構成では手動による操作が防止される。
【0024】
以下において、本発明の基礎となる思想について、図に示す実施例を参照してさらに詳細に説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の構成におけるプラグコネクタ及び相手側プラグコネクタを含むプラグイン接続部と、相手側プラグコネクタとのプラグコネクタのロックを解除するための工具とを示す図である。
図2A図1に係るプラグイン接続部を示す図であり、プラグコネクタが、第2の構成において、相手側プラグコネクタから分離されている状態を示す図である。
図2B図1に係るプラグイン接続部を示す図であり、プラグコネクタが、第2の構成において、相手側プラグコネクタとプラグイン接続され、これによってロックされている状態を示す図である。
図3図1に係るプラグコネクタの第1のロック部を示す図である。
図4図1に係るプラグコネクタの第2のロック部を示す図である。
図5図1に係るプラグコネクタを示す図であり、第2の構成におけるプラグコネクタを示す図である。
図6図1に係るプラグコネクタを示す図であり、第2の構成におけるプラグコネクタを示す図である。
図7図6に示された横断面A‐Aに対応する、図1に係るプラグコネクタの横断面図である。
図8図1に係るプラグコネクタのハウジング及び差し込み部を示す図である。
図9図1に係るプラグコネクタのロック要素を示す図である。
図10図9に係るロック要素を示すさらなる図である。
図11図9に係るロック要素を示すさらなる図である。
図12図9に係るロック要素を示すさらなる図である。
図13図11に示された横断面B‐Bに対応する、図9に係るロック要素の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、共にプラグイン接続部3を形成する、プラグコネクタ1及び相手側プラグコネクタ2が示されている。この場合、プラグコネクタ1はプラグとして、相手側プラグコネクタ2はソケットとして構成されているが、逆の構成も同様に考えられ、プラグ及びカップリングとしての構成も考えられる。
【0027】
相手側プラグコネクタ2は、例えば壁5に取り付けられる。プラグコネクタ1も相手側プラグコネクタ2も、それぞれ接続領域13、23を有している。各接続領域13、23には、一般に例えば電気ケーブル又は光ケーブルなどのケーブルを接続することが可能であり、図示された例では電気ケーブルが接続されている。プラグコネクタ1は、差し込み方向Eに沿った差し込みによって相手側プラグコネクタ2に接続可能であり、これによって、それぞれ接続されたケーブルの接続、この場合はそれぞれ接続された電気ケーブルの電気的接続を確立することができる。この際、プラグコネクタ1及び相手側プラグコネクタ2はそれぞれ、差し込み部11、21を含んでおり、差し込み部11、21は、差し込みによって互いに接続可能であり、具体的には、互いの中へ差し込み可能である。
【0028】
差し込み部11、21はそれぞれ、プラグコネクタ1又は相手側プラグコネクタ2のハウジング10、20に保持され、特に当該ハウジング上に取り付けられるか、又は少なくとも部分的に当該ハウジング上に形成されている。
【0029】
プラグコネクタ1はさらに、相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22と解除可能にロックするためのロック要素12を含んでいる。ロック要素12は、差し込まれた状態を、意図しない解除から保護するために、相手側ロック要素22とロック可能である。
【0030】
ロック要素12は、ハウジング10に対して移動可能であるように、ここではハウジング10に対して回転可能に、図示された例では、差し込み方向Eに対して平行な回転軸の周りに回転可能に、ハウジング10に取り付けられている。ロック要素12はスリーブの形状を有している。
【0031】
図1において、ロック要素12は、ハウジング10に対して第1の位置に示されており、第1の位置では、ロック要素12の第1のロック部120Aが、ハウジング10に対して、相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22とロック可能な位置に配置されている。具体的には、プラグコネクタ1は、ハウジング10に対するロック領域Vにおいて、相手側プラグコネクタ2とロックされ得る。図1に係るプラグコネクタ1の構成では、第1のロック部120Aがロック領域Vに配置されており、相手側ロック要素22とロック可能、より正確にはラッチ可能である。
【0032】
相手側ロック要素22は、弾性によって曲げることができる。相手側ロック要素22は、相手側プラグコネクタのハウジング20から突出しており、ロック要素12とのロックを解除するために、一端をハウジング20から突出させた状態で、ハウジング20に向かって弾性的に曲げられ得る。ラッチングエッジ220は、以下に詳細に説明するように、相手側ロック要素22に形成されている。
【0033】
図1はさらに、プラグコネクタ1の相手側プラグコネクタ2とのロックを解除するための工具4、ここでは先端40を備えたマイナスドライバーの形の工具4を示している。このために、相手側ロック要素22は、工具係合部221、又は一般に工具4が協働できる工具インターフェースを含んでいる。この場合、工具4の先端40を工具係合部221に係合させることができる。工具4の先端40の工具係合部221に対する押圧は、相手側ロック要素を弾性的に曲げるので、ロック要素12との既存のロックは解除される。
【0034】
第1のロック部120Aは、工具開口部121を有している。工具開口部121は、差し込まれた状態において、工具係合部221と位置合わせされている。このようにして、工具4の先端40を、工具開口部121を通じて、工具係合部221に接触させることができる。相手側ロック要素22の他の部分、特に(少なくとも)後述する1つの作動面は、差し込まれた状態では、ロック要素12によって覆われており、したがってアクセスできない。
【0035】
図3に詳細に示された工具開口部121は、ロック要素12を(ロック要素12の回転軸に対して径方向に)外側面から内側面へ貫通している。さらに、工具開口部121は、ロック要素12の端面に向かって開いている。工具開口部121は、限定する3つの端面によって画定されている。
【0036】
図2Aは、相手側プラグコネクタ2及びプラグコネクタ1を含むプラグイン接続部3を示しており、プラグコネクタ1は、図1とは異なる構成を有している。具体的には、ロック要素12が、ハウジング10に対して異なる第2の位置に配置されている。この場合、ロック要素12は、この第2の位置において、図1に示された位置と比較して、ハウジング10に対して180度回転して配置されている。
【0037】
図2Aに係る構成では、第2のロック部120Bがロック領域Vに配置されており、相手側ロック要素22とロック可能、より正確にはラッチ可能である。
【0038】
図4に詳細に示された第2のロック部120Bは、指開口部122を有している。指開口部122は、第1のロック部120Aの工具開口部121よりもはるかに大きい。工具開口部121は指(指の一部でも)には小さすぎるが、使用者は自身の指の少なくとも一部を指開口部122に押し通すことができる。
【0039】
指で相手側ロック要素22を作動させるために、相手側ロック要素22は上述した作動面222を有している。
【0040】
図2Bは、差し込まれてロックされた状態を示しており、相手側ロック要素22の作動面222が指開口部122を通じてアクセス可能であることがわかる。差し込まれた状態において、指開口部122は作動面222と位置合わせされている。したがって、使用者は指開口部122を通じて作動面222を指で押し、相手側ロック要素22のロック要素12とのロックを解除することができる。
【0041】
つまり、ロック要素12は、相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22とロックするために、第1のロック部120A又は第2のロック部120Bのいずれかを選択的に、ハウジング10に対するロック領域Vにもたらすことができるように、移動可能にハウジング10に取り付けられている。したがって、使用者の選択に応じて、第1のロック部120A又は第2のロック部120Bのいずれかを、ハウジング10に対して、相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22とロック可能な位置にもたらすことができる。したがって、プラグコネクタ1は特に多方面にわたって柔軟に使用可能である。
【0042】
単純な回転(この場合は180度回転)によって、2つの異なるタイプのロック解除、ここでは具体的に工具による解除と手動による解除とを、例えば付加的な部材を取り付ける、又は取り外すという手間を要することなく、切り替えることが可能である。このような部材は容易に紛失し得るか、又は容易に破損し得る。
【0043】
プラグコネクタ1が相手側プラグコネクタ2に接続される際、ロック領域Vでは、対応して、第1のロック部120A又は第2のロック部120Bが相手側ロック要素22とロックする。
【0044】
図3及び図4を併せて見ると、第2のロック部120Bが同様に工具開口部121を有していることがわかる。当該例では、工具開口部121と指開口部122とは互いに合わさり、つながった、より大きな開口部の部分を形成している。工具開口部121が指開口部122に移行する位置で、つながった開口部の幅が大きくなる。したがって、指開口部122は、2つのアーム123によって限定されている。これら2つのアームは、互いに位置合わせされており、工具開口部121によって互いに隔てられている。しかしまた、代替的に、第2のロック部120Bが工具開口部121を有さず、アーム123がその端部で互いに接触し、これによって、連続的なウェブが形成され、指開口部122が連続的な、すなわち途切れることのない周方向の側面によって限定されることも考えられる。
【0045】
図5ではさらに、ロック部120A、120Bのそれぞれがラッチ突起124を有し、本図では工具開口部121の両側に1つずつラッチ突起124を有していることもわかる。第2のロック部120Bでは、2つのアーム123のそれぞれにラッチ突起124が形成されている。ラッチ突起124は、ロック要素12の内側面において、内側に向かって突出している。ロック領域V内の相手側ロック要素22とロック可能な位置に配置されたロック部120A、120Bのラッチ突起124は、プラグコネクタ1が相手側プラグコネクタ2に接続される際に、相手側ロック要素22のラッチエッジ220とロックする。この際、ラッチ突起124がラッチエッジ220を越えるように摺動し、ラッチエッジ220は弾性的にロックされた状態でラッチ突起124の奥にスナップする。例えば図2Aから認識できるように、ラッチエッジ220は、作動面222の中央部分の両側に配置されている。
【0046】
図5はさらに、複数の導電性プラグコンタクト110を備えた差し込み部11を示している。差し込み部11は、回転防止装置111を含んでおり、当該回転防止装置によって、プラグコネクタ1は、相手側プラグコネクタ2に対する所定の回転位置においてのみ、相手側プラグコネクタ2に差し込まれ得る。ロック領域Vは、ハウジング10及び回転防止装置111に対して固定された空間配置を有している。
【0047】
例えば、図5図6図9図10及び図13から明らかであるように、第1のロック部120A及び第2のロック部120Bは、ロック要素12の向かい合う側に形成されている。したがって、相手側プラグコネクタ部材2に差し込まれていない状態において、ロック要素12を半回転させることによって、工具による作動と指による作動とを切り替えることが可能である。つまり、作動のタイプは、相手側プラグコネクタ部材2に差し込まれる前に選択される。
【0048】
特に図8及び図9から明らかであるように、ロック要素12はラッチ接続によってハウジング10に保持されている。このために、ハウジング10は、外側に突出したラッチ要素102を含んでおり、ラッチ要素102には、ロック要素12を取り付けるための差し込み斜面が設けられている。ロック要素12は内側に突出したラッチ要素127を有しており、取り付けの際にハウジング10のラッチ要素102の奥に係合する。ハウジング10のラッチ要素102は、ロック要素12のラッチ要素127のための摺動面100を画定している。ロック要素12の回転の際、そのラッチ要素127は摺動面100に沿って摺動する。ここではそれぞれ、4つのラッチ要素127がロック要素12に形成され、4つのラッチ要素102がハウジング10に形成されている。
【0049】
ここでは、摺動面100は、2つの外側に向かって突出した突起101によって中断されている。ロック要素12は内側に向かって突出した突起125を有している。
【0050】
図7によると、ロック要素12の突起125は互いに対して180度オフセットして配置されており、ハウジング10の突起101は、180度未満オフセットして配置されている。この際、ロック要素12の突起125はそれぞれ、ハウジング10の突起101に当接している。これら2つの対のうちの一方は、ハウジング10に対するロック要素12の一回転方向における回転をブロックし、他方の対は、他方の回転方向における回転をブロックする。ハウジング10が、(図7に示すように)ロック要素12の各突起125のためのストッパとして、それぞれ(正確に)1つのみの突起101を有すると規定されていてもよい。代替的に(例えば、公差位置がどのように許容するかによって)、しかしまた、ハウジング10が、ロック要素12の各突起125のためのストッパとして、それぞれ2つの突起101を有し、突起101は、例えば、ロック要素12の突起125の左右に配置されていると規定してよい。突起101、125は、ロック要素12を、ハウジング10に対する回転位置に保持し、具体的には、第1のロック部120Aが相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22とロック可能である回転位置、又は、第2のロック部120Bが相手側プラグコネクタ2の相手側ロック要素22とロック可能である回転位置のいずれかにおいて保持する。これによって、意図しない切り替えが防止される。
【0051】
相手側プラグコネクタ2は、片側にのみ、相手側ロック要素22を有している。これに対して、反対側には相手側ロック要素は設けられていない。したがって、ロック領域Vには配置されていないロック部120A、120Bは、プラグコネクタ1が相手側プラグコネクタ2に差し込まれる際にロックされない。
【0052】
差し込まれていない状態においてロック要素12を回転させるために、ロック要素12を、ブロックとして作用している突起101、125の2つの対に対してそれぞれ約四分円オフセットして配置されている2つの向かい合う位置において共に押すことによって、突起101、125によるブロックを解除することができる。ロック要素12は弾性を有しているので、この際、突起125はハウジング10の突起102から持ち上がる。これら2つの位置は、ロック要素上にマーキング126によって示されている。ここでは、マーキング126は、触知性を有するくぼみによって形成されている。
【0053】
特に図11及び図12から認識されるように、突起125は、同一平面上に配置されたラッチ要素127を越えて内側に向かって突出している。したがって、ラッチ要素127は、摺動面100上でハウジング10の突起102の奥に回転させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 プラグコネクタ部材
10 ハウジング
100 摺動面
101 突起
102 ラッチ要素
11 差し込み部
110 プラグコンタクト
111 回転防止装置
12 ロック要素
120A、120B ロック部
121 工具開口部
122 指開口部
123 アーム
124 ラッチ突起
125 突起
126 マーキング
127 ラッチ要素
13 接続領域
2 相手側プラグコネクタ部材
20 ハウジング
21 差し込み部
22 相手側ロック要素
220 ラッチエッジ
221 工具係合部
222 作動面
23 接続領域
3 プラグイン接続部
4 工具
40 先端
5 壁
E 差し込み方向
V ロック領域
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】