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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】線形スピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20240621BHJP
   H04R 9/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H04R9/02 102A
H04R9/04 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520512
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 KR2022001547
(87)【国際公開番号】W WO2022265179
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078670
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318006262
【氏名又は名称】デホン テクニュー 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン・クワン
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012BA01
5D012BB03
5D012BB04
5D012CA02
5D012CA07
5D012GA01
(57)【要約】
本発明は、線形スピーカーに関するものであって、一方向に延びる形状の振動板を有する駆動部に対して最適化された磁気回路を有する線形スピーカーを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に振動し、前記上下方向に垂直な第1方向に延びる振動板と、
前記振動板の下側面に上端部が結合され、前記第1方向に延びるコイル基板と、
前記上下方向及び前記第1方向に平行な前記コイル基板の一側面に螺旋形の配線で印刷されるコイル部と、
前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の前記一側面と対面する位置に前記上下方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第1磁石と、
前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の他側面と対面する位置に前記第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第2磁石と、
前記第1磁石及び前記第2磁石の上端と下端とのそれぞれに結合される複数のヨークと、を含む、線形スピーカー。
【請求項2】
前記複数のヨークは、
前記第1磁石の上端に結合される第1ヨークと、
前記第1磁石の下端に結合される第2ヨークと、
前記第2磁石の上端に結合される第3ヨークと、
前記第2磁石の下端に結合される第4ヨークと、を含み、
前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記第3ヨーク及び前記第4ヨークは、前記上下方向に垂直な平面のプレート状に形成され、
前記第1ヨークの一側エッジは、前記第3ヨークの一側エッジと互いに離隔して対面し、
前記第2ヨークの一側エッジは、前記第4ヨークの一側エッジと互いに離隔して対面する、請求項1に記載の線形スピーカー。
【請求項3】
前記コイル部は、
前記第1ヨーク及び前記第3ヨークと対面する位置に印刷される複数の第1直線配線と、
前記第2ヨーク及び前記第4ヨークと対面する位置に印刷される複数の第2直線配線と、を含み、
前記複数の第1直線配線は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板に形成された第1直線領域に印刷され、
前記複数の第2直線配線は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板に形成された第2直線領域に印刷される、請求項2に記載の線形スピーカー。
【請求項4】
前記第1ヨーク及び前記第3ヨークの厚さは、前記第1直線領域の前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成され、
前記第2ヨーク及び前記第4ヨークの厚さは、前記第2直線領域の前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成される、請求項3に記載の線形スピーカー。
【請求項5】
前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記第3ヨーク及び前記第4ヨークの厚さは、1.5~5mmに形成される、請求項2に記載の線形スピーカー。
【請求項6】
前記第1直線領域の前記上下方向の幅と前記第2直線領域の前記上下方向の幅は、同一であり、
前記第1磁石または前記第2磁石の上下方向への長さは、前記第1直線領域の前記上下方向の幅の92.25~112.75%に形成される、請求項3に記載の線形スピーカー。
【請求項7】
前記第1磁石及び前記第2磁石は、ネオジム素材で設けられる、請求項6に記載の線形スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月17日付の大韓民国特許出願10-2021-0078670号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、線形スピーカーに係り、一方向に延びる形状の振動板を有する駆動部に対して最適化された磁気回路を有する線形スピーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
線形スピーカーは、典型的なポイントソーススピーカーに比べて音を拡声するに際して、構造と性能とに大きな差があり、空間が広がるほどラインアレイスピーカーの使用がポイントソーススピーカーの使用よりもさらに有利である。
【0004】
線形スピーカーは、無指向性放射スピーカー素子のグループであって、具体的には、一方向に延びる直線状の振動板を有するスピーカー装置である。線形スピーカーは、音の長距離放射に非常に効果的である。
【0005】
線形スピーカーは、既存のディスク状の振動板を有するスピーカーと駆動部の磁気回路が異なって形成され、これにより、最適化された磁気回路が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、線形スピーカーに関するものであって、一方向に延びる形状の振動板を有する駆動部に対して最適化された磁気回路を有する線形スピーカーを提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の線形スピーカーは、上下方向に振動し、前記上下方向に垂直な第1方向に延びる振動板;前記振動板の下側面に上端部が結合され、前記第1方向に延びるコイル基板;前記上下方向及び前記第1方向に平行な前記コイル基板の一側面に螺旋形の配線で印刷されるコイル部;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の前記一側面と対面する位置に前記上下方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第1磁石;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の他側面と対面する位置に前記第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第2磁石;及び前記第1磁石及び前記第2磁石の上端と下端とのそれぞれに結合される複数のヨーク;を含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の線形スピーカーは、一方向に延びる振動板を駆動する駆動部の磁気回路が最適化されることにより、線形スピーカーを効率的で安定した駆動が可能である。
【0010】
本発明の線形スピーカーは、音源自体をライン状の波面に放射することにより、装置の構成とサイズとを最小化することができ、広い空間で音を効果的に伝播することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の線形スピーカーを示す斜視図である。
図2】本発明の線形スピーカーを示す断面図である。
図3】コイル基板とコイル部とを示す平面図である。
図4】本発明の線形スピーカーの他の実施形態を示す断面図である。
図5】第1ヨーク、第2ヨーク、第3ヨーク及び第4ヨークの厚さとコイル基板に加えられる力との関係を示すグラフである。
図6】磁気回路を示す断面図である。
図7】第1磁石及び第2磁石の上下方向への長さとコイル基板に加えられる力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の線形スピーカーは、上下方向に振動し、前記上下方向に垂直な第1方向に延びる振動板;前記振動板の下側面に上端部が結合され、前記第1方向に延びるコイル基板;前記上下方向及び前記第1方向に平行な前記コイル基板の一側面に螺旋形の配線で印刷されるコイル部;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の前記一側面と対面する位置に前記上下方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第1磁石;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板の他側面と対面する位置に前記第2方向に前記コイル基板と離隔して位置する第2磁石;及び前記第1磁石及び前記第2磁石の上端と下端とのそれぞれに結合される複数のヨーク;を含むものである。
【0013】
本発明の線形スピーカーで、前記複数のヨークは、前記第1磁石の上端に結合される第1ヨークと、前記第1磁石の下端に結合される第2ヨークと、前記第2磁石の上端に結合される第3ヨークと、前記第2磁石の下端に結合される第4ヨークと、を含み、前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記第3ヨーク及び前記第4ヨークは、前記上下方向に垂直な平面のプレート状に形成され、前記第1ヨークの一側エッジは、前記第3ヨークの一側エッジと互いに離隔して対面し、前記第2ヨークの一側エッジは、前記第4ヨークの一側エッジと互いに離隔して対面するものである。
【0014】
本発明の線形スピーカーで、前記コイル部は、前記第1ヨーク及び前記第3ヨークと対面する位置に印刷される複数の第1直線配線と、前記第2ヨーク及び前記第4ヨークと対面する位置に印刷される複数の第2直線配線と、を含み、前記複数の第1直線配線は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板に形成された第1直線領域に印刷され、前記複数の第2直線配線は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板に形成された第2直線領域に印刷されるものである。
【0015】
本発明の線形スピーカーで、前記第1ヨーク及び前記第3ヨークの厚さは、前記第1直線領域の前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成され、前記第2ヨーク及び前記第4ヨークの厚さは、前記第2直線領域の前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成されるものである。
【0016】
本発明の線形スピーカーで、前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記第3ヨーク及び前記第4ヨークの厚さは、1.5~5mmに形成されるものである。
【0017】
本発明の線形スピーカーで、前記第1直線領域の前記上下方向の幅と前記第2直線領域の前記上下方向の幅は、同一であり、前記第1磁石または前記第2磁石の上下方向への長さは、前記第1直線領域の前記上下方向の幅の92.25~112.75%に形成されるものである。
【0018】
本発明の線形スピーカーで、前記第1磁石及び前記第2磁石は、ネオジム素材で設けられるものである。
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明による実施例を詳しく説明する。この過程で図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示されうる。また、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、ユーザ、運用者の意図または慣例によって変わりうる。このような用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0020】
本発明の説明において、留意しなければならない点は、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」、「一面」、「他面」などが指示する方位または位置関係は、図面で示す方位または位置関係、あるいは、通常、本発明の製品使用時に配置する方位または位置関係に基づいたものであり、単に本発明の説明と簡略な説明のためのものであり、表示された装置または素子が、必ずしも特定の方位をもって特定の方位で構成されるか、操作されなければならないということを提示または暗示するものではないので、本発明を制限すると理解してはならない。
【0021】
以下、図1ないし図7を参照して、本発明の線形スピーカーについて詳しく説明する。
【0022】
図1及び図2に示したように、本発明の線形スピーカーは、上下方向に振動し、前記上下方向に垂直な第1方向に延びる振動板100;前記振動板100の下側面に上端部が結合され、前記第1方向に延びるコイル基板200;前記上下方向及び前記第1方向に平行な前記コイル基板200の一側面に螺旋形の配線で印刷されるコイル部210;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板200の前記一側面と対面する位置に前記上下方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に前記コイル基板200と離隔して位置する第1磁石310;前記上下方向に磁気分極され、前記コイル基板200の他側面と対面する位置に前記第2方向に前記コイル基板200と離隔して位置する第2磁石320;及び前記第1磁石310及び前記第2磁石320の上端と下端とのそれぞれに結合される複数のヨーク;を含むものである。
【0023】
図1ないし図5において、z軸方向は、上下方向であり、x軸方向は、第1方向、y軸方向は、第2方向である。
【0024】
本発明の線形スピーカー装置は、フレーム500をさらに含み、前記振動板100、第1磁石310、第2磁石320及び複数のヨークは、フレーム500に固定される。
【0025】
振動板100は、上下方向に垂直な平面プレート状に設けられうる。
【0026】
振動板100は、ハニカム(honeycomb)材質の板であって、軽量で反り応力が強い。また、ハニカム材質の振動板100は、音の直進性に利点がある。振動板100の材質は、ハニカム材質に限定されず、剛性と重量とを考慮して選択されうる。
【0027】
振動板100の枠に沿って可撓性固定手段110が連結され、振動板100は、可撓性固定手段110を通じてフレーム500に結合されうる。したがって、振動板100は、フレーム500に対して相対的に上下移動が可能な状態でフレーム500に結合されうる。可撓性固定手段110は、閉ループの環状に設けられて内周に振動板100の枠が連結され、外周がフレーム500の上面に連結される。可撓性固定手段110は、曲面に形成されて小さな応力で形状が変化する。可撓性固定手段110は、TPU(thermo plastic polyurethane)、NBR(nitrile-butadiene rubber)などの材質で設けられうる。可撓性固定手段110は、前述した材質に限定されず、復元力と可撓性とを考慮して選択されうる。
【0028】
例えば、可撓性固定手段110には、上部に向かって振動板100の枠に沿ってメイン凸部111が形成され、メイン凸部111には、複数の補助凸部が形成されうる。メイン凸部111と補助凸部は、可撓性固定手段の応力を弱化させて振動板100が上下方向に円滑な反復直線運動ができるように助ける。
【0029】
振動板100は、第2方向よりも第1方向にさらに長く形成されて、ライン状の波面を形成して音を生成することができる。例えば、振動板100は、第1方向に20~150mmの長さに形成され、第2方向に5~60mmの長さに形成されうる。例えば、振動板100の第1方向の長さは、第2方向の長さよりも2倍以上長い。
【0030】
コイル基板200は、第2方向に垂直な平面を有し、第1方向に延びる形状に形成しうる。コイル基板200の上端部は、振動板100の下側面に結合されうる。コイル基板200の下端部は、可撓性支持部220に結合されうる。コイル基板200は、第1磁石310及び第2磁石320に非接触状態で第1磁石310及び第2磁石320の間に位置しうる。具体的に、第2方向上で第1磁石310、コイル基板200、第2磁石320の順に配列される。コイル基板200の上下方向上の長さは、第1磁石310及び第2磁石320の上下方向上の長さよりも長く形成されて、コイル基板200の上端部は、第1磁石310及び第2磁石320の上端部よりもさらに上側に突出し、コイル基板200の下端部は、第1磁石310及び第2磁石320の下端部よりもさらに下側に突出する。
【0031】
コイル基板200の第1方向への長さも、第1磁石310及び第2磁石320の第1方向への長さよりも長く形成されうる。コイル基板200に形成された螺旋形の配線のコイル部210は、第1方向に延びる第1直線配線211及び第2直線配線212の区間と共に、第1直線配線211及び第2直線配線212の両端部には、第1直線配線211及び第2直線配線212を電気的に連結する曲線配線213を含みうる。曲線配線213が第1磁石310及び第2磁石320と対面しないようにコイル基板200の第1方向への長さは、第1磁石310及び第2磁石320の第1方向への長さよりもさらに長く形成されうる。
【0032】
前記第1磁石310及び前記第2磁石320は、ネオジム(neodymium)磁石で設けられ、直方体状に設けられるものである。本発明の線形スピーカーで、振動板100及びコイル基板200の重量、可撓性固定手段110及び支持部の弾性などを考慮すれば、磁気回路によってコイル基板200には約20N以上の力が印加可能であることが望ましい。前記事項と共に、コイル部210の電流、スピーカーの規格などを考慮すれば、前記第1磁石310及び前記第2磁石320は、ネオジム磁石で設けられうる。例えば、第1磁石310及び前記第2磁石320は、N35、N38、N48及びこれらの組み合わせのうちから選択されるものである。
【0033】
第1磁石310及び第2磁石320は、第1方向に延びる直方体棒状に設けられうる。第1磁石310及び第2磁石320は、上下方向に磁気分極され、具体的に、第1磁石310の磁気分極方向と第2磁石320の磁気分極方向は、互いに反対である。例えば、第1磁石310のN極が上側に向かい、S極が下側に向かえば、第2磁石320のS極は、上側に向かい、N極は、下側に向かう。コイル部210は、第1磁石310のNと第2磁石320のS極とが形成する磁場及び第1磁石310のS極と第2磁石320のN極とが形成する磁場と共に相互作用して力を生成することができる。第1磁石310及び第2磁石320は、複数のヨークによって第2方向に磁場を形成しうる。
【0034】
図4に示したように、コイル基板200は、複数設けられて互いに積層され、コイル部210も、複数設けられて複数のコイル基板200のそれぞれに設けられうる。
【0035】
前記複数の第1直線配線211は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板200に形成された第1直線領域211aに印刷され、前記複数の第2直線配線212は、前記上下方向に互いに一定間隔離隔して前記コイル基板200に形成された第2直線領域212aに印刷されるものである。本発明の線形スピーカーで、コイル部210は、コイル基板200に金属素材が印刷されて形成されるものである。すなわち、コイル部210は、第2方向に垂直な2次元平面上に形成されるものである。したがって、コイル部210の配線は、さらに長い回りで内側配線と離隔した状態で取り囲み、螺旋で巻線される形態に形成され、複数の第1直線配線211は、互いに離隔した状態で印刷され、複数の第2直線配線212も、互いに離隔した状態で印刷される。第1直線領域211aでの電流の流れ方向と第2直線領域212aでの電流の流れ方向は、互いに逆方向である。
【0036】
前記複数のヨークは、前記第1磁石310の上端に結合される第1ヨーク410と、前記第1磁石310の下端に結合される第2ヨーク420と、前記第2磁石320の上端に結合される第3ヨーク430と、前記第2磁石320の下端に結合される第4ヨーク440と、を含みうる。
【0037】
図4に示したように、前記コイル部210は、前記第1ヨーク410及び前記第3ヨーク430と対面する位置に印刷される複数の第1直線配線211と、前記第2ヨーク420及び前記第4ヨーク440と対面する位置に印刷される複数の第2直線配線212と、を含みうる。
【0038】
前記第1ヨーク410、前記第2ヨーク420、前記第3ヨーク430及び前記第4ヨーク440は、前記上下方向に垂直な平面のプレート状に形成され、前記第1ヨーク410の一側エッジは、前記第3ヨーク430の一側エッジと互いに離隔して対面し、前記第2ヨーク420の一側エッジは、前記第4ヨーク440の一側エッジと互いに離隔して対面するものである。
【0039】
第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440は、第1磁石310または第2磁石320よりもコイル基板200に隣接するように第1磁石310または第2磁石320に結合されうる。
【0040】
前記第1ヨーク410、前記第2ヨーク420、前記第3ヨーク430及び前記第4ヨーク440の厚さは、1.5~5mmに形成されるものである。前記第1ヨーク410、前記第2ヨーク420、前記第3ヨーク430及び前記第4ヨーク440の厚さは、上下方向のサイズを意味する。前記第1ヨーク410、前記第2ヨーク420、前記第3ヨーク430及び前記第4ヨーク440の厚さの程度は、第2方向に形成される磁場の収斂程度と関連する。第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さが厚ければ、磁場が広がって力が分散され、第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さが薄ければ、上下方向に位置が可変するコイル部210と生成する平均的な力を減少させることができる。したがって、前記第1ヨーク410、前記第2ヨーク420、前記第3ヨーク430及び前記第4ヨーク440の厚さは、1.5~5mmに形成されることが望ましい。
【0041】
前記第1ヨーク410及び前記第3ヨーク430の厚さは、前記第1直線領域211aの前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成され、前記第2ヨーク420及び前記第4ヨーク440の厚さは、前記第2直線領域212aの前記上下方向の幅の62.5~82.5%に形成されるものである。前述したように、複数の第1直線配線211または複数の第2直線配線212は、2次元平面上で互いに離隔して印刷されるために、第1直線領域211aまたは第2直線領域212aは、上下方向に一定の幅を有しうる。第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さは、第1直線領域211aまたは第2直線領域212aの上下方向上の幅を考慮して決定される。
【0042】
第1直線領域211aの上下方向上の幅は、最上端に位置した第1直線配線211から最下端に位置した第1直線配線211までの距離を意味する。第2直線領域212aの上下方向上の幅は、最上端に位置した第2直線配線212から最下端に位置した第2直線配線212までの距離を意味する。第1直線領域211aの最下端は、第2直線領域212aの最上端よりも上向きに一定距離離隔して位置しうる。
【0043】
図5は、第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さとコイル基板200に加えられる力との関係を示すグラフである。具体的に、図5は、4mmの幅を有する第1直線領域211a及び第2直線領域212aに21個ずつ第1直線配線211及び第2直線配線212が形成されたコイル部210に10W基準、下記数式1の電流Iを印加した時、コイル基板200に加えられる力を示すグラフである。
【0044】
【数1】
【0045】
は、印加電流Iの振幅値であって、0.3Aである。tは、時間であって、秒単位である。
【0046】
図5の結果は、ANSYS MechanicalプログラムのMaxwellモードの模写を通じて獲得された結果値である。第1磁石310及び第2磁石320の材質は、ネオジム磁石で設定され、複数のヨークの素材は、鉄板で設定された。第1磁石310及び第2磁石320の上下方向の長さ(厚さ)をT5、T10に2つのセット設けて、それぞれ測定した。図6に表われる力(Force)は、コイル基板200に加えられる力の二乗平均平方根(root mean square;rms)値である。
【0047】
第1磁石310及び第2磁石320の上下方向への長さと無関係に、第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さが、第1直線領域211a及び第2直線領域212aの上下方向上の幅の72.5%になる時、最大力を示し、72.5%を基準に+10~-10%で最大力の90%以上の力を示す。すなわち、第1ヨーク410、第2ヨーク420、第3ヨーク430及び第4ヨーク440の厚さが、第1直線領域211a及び第2直線領域212aの上下方向上の幅の62.5~82.5%で最大力の90%の以上の力を示す。
【0048】
前記第1直線領域211aの前記上下方向の幅と前記第2直線領域212aの前記上下方向の幅は、同一であり、前記第1磁石310または前記第2磁石320の上下方向への長さは、前記第1直線領域211aの前記上下方向の幅の92.25~112.75%に形成されるものである。
【0049】
具体的に、図6に示したように、第1直線領域211aと第2直線領域212aとの隔離距離Bは、磁気回路内での干渉などを考慮すれば、第1直線領域211aの上下方向の長さAの約75%になることが望ましい。第1ヨーク410または第3ヨーク430の中心と第1直線領域211aの中心とが一致することを仮定すれば、第1磁石310または第2磁石320の上下方向への長さCは、下記数式2で表現される。
【0050】
【数2】
【0051】
Dは、第1ヨーク410または第3ヨーク430の上下方向の長さである。
【0052】
前述したように、第1ヨーク410または第3ヨーク430の上下方向の長さDが第1直線領域211aの上下方向の長さAの72.5%で最大効率を示すことを考慮し、BがAの75%であることを考慮すれば、第1磁石310または第2磁石320の上下方向への長さCは、第1直線領域211aの上下方向の長さAの102.5%になることが望ましい。例えば、前記第1磁石310または前記第2磁石320の上下方向への長さは、前記第1直線領域211aの前記上下方向の幅の92.25~112.75%に形成されるものである。
【0053】
例えば、第1直線領域211aが約4mmである時、前記第1磁石310及び前記第2磁石320の前記上下方向への長さは、5~25mmに形成されるものである。第1磁石310及び第2磁石320の上下方向への長さは、磁場の強度と関連する。
【0054】
図7は、第1磁石310及び第2磁石320の上下方向への長さとコイル基板200に加えられる力との関係を示すグラフである。具体的に、図7は、4mmの幅を有する第1直線領域211a及び第2直線領域212aに21個ずつ第1直線配線211及び第2直線配線212が形成されたコイル部210に10W基準、前記数式1の電流Iを印加した時、コイル基板200に加えられる力を示すグラフである。
【0055】
図7の結果は、ANSYS MechanicalプログラムのMaxwellモードの模写を通じて獲得された結果値である。第1磁石310及び第2磁石320の材質は、ネオジム磁石で設定され、複数のヨークの素材は、鉄板で設定された。第1磁石310及び第2磁石320の上下方向の長さ(厚さ)をT10に設けて、それぞれ測定した。図7に表われる力は、コイル基板200に加えられる力の二乗平均平方根(rms)値である。
【0056】
図7を見れば、コイル基板200に加えられる力は、第1磁石310及び第2磁石320の上下方向への長さが25mmである時、30Nに到達して収斂し、5mmである時、最大収斂値の80%に該当する24Nであることが見られる。したがって、前記第1磁石310及び前記第2磁石320の前記上下方向への長さは、5~25mmに形成されることが望ましい。
【0057】
以上、本発明による実施例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な範囲の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の線形スピーカーは、一方向に延びる振動板を駆動する駆動部の磁気回路が最適化されることにより、線形スピーカーを効率的で安定した駆動が可能である。
【0059】
本発明の線形スピーカーは、音源自体をライン状の波面に放射することにより、装置の構成とサイズとを最小化することができ、広い空間で音を効果的に伝播することができる。
【符号の説明】
【0060】
100 :振動板
110 :可撓性固定手段
111 :メイン凸部
200 :コイル基板
210 :コイル部
211 :第1直線配線
211a:第1直線領域
212 :第2直線配線
212a:第2直線領域
213 :曲線配線
220 :可撓性支持部
310 :第1磁石
320 :第2磁石
410 :第1ヨーク
420 :第2ヨーク
430 :第3ヨーク
440 :第4ヨーク
500 :フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】