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特表2024-523754エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法、通信システム及び関連デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法、通信システム及び関連デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/32 20090101AFI20240621BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240621BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20240621BHJP
   H04W 36/04 20090101ALI20240621BHJP
【FI】
H04W36/32
H04W84/06
H04W36/30
H04W36/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522593
(86)(22)【出願日】2023-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2023090537
(87)【国際公開番号】W WO2023207957
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202210444502.8
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515003145
【氏名又は名称】チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHINA TELECOM CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】31, JINRONG STREET, XICHENG DISTRICT, BEIJING 100033, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ジャシアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ショー, シャオミン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067DD20
5K067DD43
5K067DD44
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067EE54
5K067FF03
5K067JJ39
(57)【要約】
本開示は、無線通信技術に関し、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法、通信システム及び関連デバイスを提供する。該方法は、端末がブロードキャストメッセージをリッスンし、ブロードキャストメッセージから現在の常駐セルと隣接セルのカバー情報を取得し、現在の常駐セルと隣接セルとが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることと、現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルである場合、端末が現在の常駐セルのカバー情報に基づいて端末と現在の常駐セルとの位置関係情報を決定し、端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることと、現在の常駐セルが陸上ネットワークセルである場合、端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることと、端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うこととを含む。これにより、端末は、エア-スペース-グランド一体化ネットワークから、適合な陸上ネットワークセル又は非陸上ネットワークセルを選択して常駐する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法であって、
端末がブロードキャストメッセージをリッスンし、前記ブロードキャストメッセージから現在の常駐セルと隣接セルのカバー情報を取得し、現在の常駐セルと隣接セルとが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることと、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルである場合、前記端末が現在の常駐セルのカバー情報に基づいて前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報を決定し、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることと、
前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うこととを含むことを特徴とするエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項2】
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルである場合、前記端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項3】
前記セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定情報と前記端末の移動情報を含み、前記端末の移動情報は、移動方向、移動速度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項4】
前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うことは、
前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することと、
前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することとを含むことを特徴とする請求項3に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項5】
前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することは、
前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて、R基準を満たしている隣接セルを第1の候補セルセットとして決定することを含むことを特徴とする請求項4に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項6】
前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択すること、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末がR基準に従って前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとすること、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む場合、端末が前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含むことを特徴とする請求項4に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項7】
前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択すること、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末がR基準に従って前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとすること、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルとを含む場合、端末が前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含むことを特徴とする請求項4に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項8】
前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
前記端末の移動速度が速度閾値よりも高いかどうかを判断し、速度閾値よりも高い場合、前記第2の候補セルセットから非陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、又は、速度閾値以下である場合、前記第2の候補セルセットから陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択することを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項9】
前記カバー情報は、セルの境界を記述するために使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項10】
前記カバー情報は、セルのタイプを暗黙的に指示するためにさらに使用され、又は、
前記ブロードキャストメッセージは、セルのタイプを指示するための指示信息をさらに含み、
セルのタイプは、非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルとを含むことを特徴とする請求項9に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項11】
前記カバー情報は、セル中心位置とセル半径を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項12】
前記端末が前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、
前記端末と現在の常駐セルとの距離が距離閾値より大きい場合、セル再選択測定をトリガーすることを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項13】
前記端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、
現在の常駐セルの無線信号強度が強度閾値よりも低い場合、セル再選択測定をトリガーすることを含むことを特徴とする請求項2に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項14】
前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
端末が前記端末の移動方向及び隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記第2の候補セルセットから現在の常駐セルのタイプと異なる候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、現在の常駐セルのタイプが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることを含むことを特徴とする請求項4に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項15】
エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法であって、
端末がブロードキャストメッセージに基づいてセル再選択を行うように、前記ブロードキャストメッセージを送信することを含み、前記ブロードキャストメッセージは、現在セルと隣接セルのカバー情報を含み、現在セルと隣接セルとは、非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることを特徴とするエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項16】
前記カバー情報は、セルの境界を記述するために使用されることを特徴とする請求項15に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項17】
前記カバー情報は、セルのタイプを暗黙的に指示するためにさらに使用され、又は、前記ブロードキャストメッセージは、セルのタイプを指示するための指示信息をさらに含み、セルのタイプは、非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルとを含むことを特徴とする請求項16に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法。
【請求項18】
メモリと、前記メモリに接続されるプロセッサとを含む端末であって、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、請求項1~14のいずれか1項に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行することを特徴とする端末。
【請求項19】
メモリと、前記メモリに接続されるプロセッサとを含む通信デバイスであって、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、請求項15~17のいずれか1項に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行することを特徴とする通信デバイス。
【請求項20】
請求項18に記載の端末と、請求項19に記載の通信デバイスとを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項21】
プロセッサによって実行されたときに請求項1~17に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実現するためのステップを実行するコンピュータプログラムが格納されたことを特徴とする非瞬時コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに請求項1~17のいずれか1項に記載のエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本願は、CN出願番号が202210444502.8、出願日が2022年4月26日の出願を基礎とし、その優先権を主張し、その開示内容が本願全体として組み込まれている。
本開示は、無線通信技術分野に関し、特に、エア-スペース-グランド(Air-Space-Ground)一体化ネットワークのセル再選択方法、通信システム、端末及び通信デバイス等の関連デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エア-スペース-グランド一体化は、将来のネットワーク進化の趨勢として、既存のネットワークアーキテクチャと通信過程に深い影響を与える。従来のセルラーネットワークとは異なり、エア-スペース-グランド一体化ネットワークには、陸上ネットワーク(TerrestrialNetwork、TN)と非陸上ネットワーク(Non-TerrestrialNetwork、NTN)の2つの部分が含まれている。陸上ネットワークは、例えばセルラネットワークなどを含み、非陸上ネットワークは、例えば、衛星ネットワークなどを含む。
【0003】
いくつかの関連技術では、端末のアイドル状態におけるモビリティ管理は、主にセル選択/再選択によって行われ、無線測定信号強度によって目標セルを選択する。
【0004】
研究により、エア-スペース-グランド一体化ネットワークでは、NTNセルの中心とNTNセルのエッジにおけるユーザーの無線信号強度の差が明らかではないため、無線測定信号強度に基づいてセル再選択を行う方法は、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択のニーズに適用できないことが分かった。
【発明の概要】
【0005】
本開示のいくつかの実施例は、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を提供し、
端末がブロードキャストメッセージをリッスンし、前記ブロードキャストメッセージから現在の常駐セルと隣接セルのカバー情報を取得し、現在の常駐セルと隣接セルとが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることと、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルである場合、前記端末が現在の常駐セルのカバー情報に基づいて前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報を決定し、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることと、
前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うこととを含む。
【0006】
いくつかの実施例では、現在の常駐セルが陸上ネットワークセルである場合、前記端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーする。
【0007】
いくつかの実施例では、前記セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定情報と前記端末の移動情報を含み、前記端末の移動情報は、移動方向、移動速度のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うことは、
前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することと、
前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することとを含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することは、前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて、R基準を満たしている隣接セルを第1の候補セルセットとして決定することを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択すること、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末がR基準に従って前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとすること、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む場合、端末が前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択すること、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末がR基準に従って前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとすること、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルとを含む場合、端末が前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、前記端末の移動速度が速度閾値よりも高いかどうかを判断し、速度閾値よりも高い場合、前記第2の候補セルセットから非陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、速度閾値以下である場合、前記第2の候補セルセットから陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択することを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、セルの境界を記述するために使用される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、セルのタイプを暗黙的に指示するためにさらに使用され、又は、前記ブロードキャストメッセージは、セルのタイプを指示するための指示信息をさらに含み、セルのタイプは、非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、セル中心位置とセル半径を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記端末が前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、前記端末と現在の常駐セルとの距離が距離閾値より大きい場合、セル再選択測定をトリガーすることを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、現在の常駐セルの無線信号強度が強度閾値よりも低い場合、セル再選択測定をトリガーすることを含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、端末が前記端末の移動方向及び隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記第2の候補セルセットから現在の常駐セルのタイプと異なる候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、現在の常駐セルのタイプが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであることを含む。
【0019】
本開示のいくつかの実施例は、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を提供し、
端末がブロードキャストメッセージに基づいてセル再選択を行うように、前記ブロードキャストメッセージを送信することを含み、前記ブロードキャストメッセージは、現在セルと隣接セルのカバー情報を含み、現在セルと隣接セルとは、非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルである。
【0020】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、セルの境界を記述するために使用される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、セルのタイプを暗黙的に指示するためにさらに使用され、又は、前記ブロードキャストメッセージは、セルのタイプを指示するための指示信息をさらに含み、ここで、セルのタイプは、非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む。
【0022】
本開示のいくつかの実施例は、メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサとを含む端末を提供し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行する。
【0023】
本開示のいくつかの実施例は、メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサとを含む通信デバイスを提供し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、エア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行する。
【0024】
本開示のいくつかの実施例は、通信システムを提供し、端末と通信デバイスとを含む。
【0025】
本開示のいくつかの実施例は、プロセッサによって実行されたときにエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実現するためのステップを実行するコンピュータプログラムを格納した非瞬時コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、実施例または関連技術の説明において使用する必要がある図面について簡単に説明する。添付図面を参照した以下の詳細な説明によれば、本開示をより明確に理解することができる。
【0027】
明らかに、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本開示のいくつかの実施例におけるエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法のフローチャートである。
図2】本開示のいくつかの実施例における各非陸上ネットワークセル間でのセル再選択の模式図である。
図3】本開示のいくつかの実施例におけるNTNとTNとの境界でのセル再選択の模式図である。
図4】本開示のいくつかの実施例における通信システムの模式図である。
図5】本開示のいくつかの実施例における端末の模式図である。
図6】本開示のいくつかの実施例における通信デバイスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本開示の実施例における技術的アプローチについて、本開示の実施例における図面を用いて明確かつ完全に説明する。
【0029】
特に断らない限り、本開示の「第1」、「第2」などの記述は、異なるオブジェクトを区別するために使用され、サイズやタイミングなどの意味を表すために使用されない。
【0030】
本開示の実施例は、ブロードキャストメッセージに関連セルのカバー情報を追加することにより、端末は、現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることを選択することができるだけでなく、端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることも選択することができ、端末はエア-スペース-グランド一体化ネットワークにおいて適当な陸上ネットワークセルまたは非陸上ネットワークセルを選択して常駐することができ、セル再選択の精度と成功率を向上させるとともに、端末のエネルギー消費とシグナリングオーバヘッドを低減する。
【0031】
図1は本開示のいくつかの実施例におけるエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法のフローチャートである。
【0032】
図1に示すように、この実施例におけるエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法は、ステップ110~150を含む。
【0033】
ステップ110において、セルの通信デバイスは、ブロードキャストメッセージを送信し、前記ブロードキャストメッセージは、現在セルと隣接セルのカバー情報を含む。エア-スペース-グランド一体化ネットワークでは、現在セルと隣接セルとは、非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであっても良い。
【0034】
前記カバー情報は、セルの境界を記述するために使用することができ、また、セルのタイプを暗黙的に示すこともでき、ここで、セルのタイプは、非陸上ネットワークセル、陸上ネットワークセルを含む。これは、非陸上ネットワークセルのカバー範囲が陸上ネットワークセルのカバー範囲よりもはるかに大きく、セルのカバー範囲に基づいてセルのタイプが非陸上ネットワークセルまたは陸上ネットワークセルであることが決定できるからである。
【0035】
必要に応じて、前記ブロードキャストメッセージは、明示的な方法を用いてセルのタイプを示すように、セルのタイプを示すための指示情報をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施例では、前記カバー情報は、例えば、セル中心位置及びセル半径などの情報を含むが、前記カバー情報はこの表現に限定されない。
【0037】
ブロードキャストメッセージを送信する陸上ネットワークセルの通信デバイスは、例えば基地局などであってもよい。ブロードキャストメッセージを送信する非陸上ネットワークセルの通信デバイスは、例えば衛星などであってもよいが、挙げた例に限定されない。
【0038】
ステップ120において、端末がブロードキャストメッセージをリッスンし、前記ブロードキャストメッセージから現在の常駐セルと隣接セルのカバー情報を取得し、現在の常駐セルと隣接セルとが非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルである。
【0039】
端末は、定期的にブロードキャストメッセージをリッスンすることができる。ブロードキャストメッセージに含まれる情報に基づいて、端末は、現在の常駐セルと隣接セルのオバー情報をブロードキャストメッセージから取得することができ、また、各セルのタイプの指示情報を取得することができる。
【0040】
ステップ130において、現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルである場合、前記端末は、現在の常駐セルのカバー情報に基づいて、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報(ステップ130a)を決定し、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定(ステップ130b)をトリガーする。
【0041】
前記端末が前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、前記端末と現在の常駐セルとの距離が距離閾値よりも大きい場合、端末が現在常駐している非陸上ネットワークセルのエッジに位置することを分かり、セル再選択測定をトリガーすることを含む。距離閾値は、非陸上ネットワークセルのカバー情報によって設定されても良い。
【0042】
ステップ140において、現在の常駐セルが陸上ネットワークセルである場合、前記端末は、現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーする。
【0043】
前記端末が現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることは、現在の常駐セルの無線信号強度が強度閾値よりも低い場合、端末が現在常駐している陸上ネットワークセルのエッジに位置することを分かり、セル再選択測定をトリガーすることを含む。強度閾値は、陸上ネットワークセルの信号強度によって設定されても良い。
【0044】
ステップ150において、前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行う。
【0045】
端末がセル再選択測定を行ったセル再選択測定結果には、隣接セルの無線信号の測定情報と、前記端末の移動情報などが含まれる。ここで、無線信号の測定情報は、例えば、無線信号強度である。前記端末の移動情報は、例えば、移動方向、移動速度、移動加速度などを含む。
【0046】
いくつかの実施例では、前記端末がセル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行うことは、前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することと、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することとを含む。
【0047】
いくつかの実施例では、前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて第1の候補セルセットを決定することは、前記端末が隣接セルの無線信号の測定情報に基づいて、R基準を満たしている隣接セルを第1の候補セルセットとして決定することを含む。
【0048】
R基準は、以下の通りであり、
Rs=Qmeas_s+Qhysts
Rn=Qmeas_n-Qoffsets_n
ここで、
Qmeas_sは、サービスセル受信信号品質測定値、すなわちP-CCPCH(PrimaryCommon Control PhysicalChannel、プライマリ共通制御物理チャネル)のRSRP(ReferenceSignal Receiving Power、参照信号受信電力)、
Qmeas_nは、隣接セル受信信号品質測定値であり、
Qhystsは、セル再選択遅延、
Qoffsets_nは、2つのセル(サービスセルと隣接セル)の受信信号品質要求の差である。
【0049】
Rパラメータ(Rs(サービスセルのR値)、Rn(隣接セルのR値))の大きさに従って優先度配列を行い、R値が大きいほど優先度が高くなる。セル再選択時間内に隣接セルが現在のサービスセルより優先度が高い場合、現在のサービスセルは条件を満たす隣接セルに再選択される。
【0050】
いくつかの実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末は、前記端末の移動情報(例えば、移動方向、移動速度等)及び隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから、予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末は、R基準に従って、前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、又は、
現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む場合、端末は、前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから、前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて、前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含む。
【0051】
ここで、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、前記端末の移動速度が速度閾値よりも高いかどうかを判断し、速度閾値よりも高い場合、前記第2の候補セルセットから非陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、これにより、頻繁なセル再選択を回避し、速度閾値以下である場合、前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルとして陸上ネットワークセルを選択し、それによって優先的に陸上ネットワークセルから端末にサービスを提供し、端末の電力を節約することを含む。
【0052】
他の実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、端末は、前記端末の移動情報(例えば、移動方向、移動速度等)及び隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから、予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルのいずれも陸上ネットワークセルである場合、端末は、R基準に従って、前記第1の候補セルセットのうちの優先度が最大である候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、又は、
現在の常駐セルが陸上ネットワークセルであり、隣接セルが非陸上ネットワークセルと陸上ネットワークセルを含む場合、端末は、前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから、前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記端末の移動速度に基づいて、前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することを含む。
【0053】
ここで、前記端末の移動速度に基づいて前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、前記端末の移動速度が速度閾値よりも高いかどうかを判断し、速度閾値よりも大きい場合、前記第2の候補セルセットから、非陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、頻繁なセル再選択を回避し、速度閾値以下である場合、前記第2の候補セルセットから、陸上ネットワークセルを常駐予定のターゲットセルとして選択し、これにより、優先的に陸上ネットワークセルから端末にサービスを提供し、端末の電力を節約することを含む。
【0054】
他の実施例では、前記端末が前記端末の移動情報と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルを選択することは、端末が前記端末の移動方向と隣接セルのカバー情報に基づいて、前記第1の候補セルセットから、前記端末の移動方向と同じ方向の候補セルを第2の候補セルセットとして選択し、前記第2の候補セルセットから、現在の常駐セルのタイプと異なる候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択することを含む。例えば、端末が都市部から郊外部に移動する場合、都市部の陸上ネットワークセルから郊外部の非陸上ネットワークセルに再選択することができ、又は、端末が郊外部から都市部に移動する場合、郊外部の非陸上ネットワークセルから都市部の陸上ネットワークセルに再選択することができる。
【0055】
この実施例は、ブロードキャストメッセージに関連セルのカバー情報を追加することにより、端末は現在の常駐セルの無線信号強度に基づいてセル再選択測定をトリガーすることを選択することができるだけでなく、端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいてセル再選択測定をトリガーすることも選択することができ、端末はエア-スペース-グランド一体化ネットワークから適当な陸上ネットワークセルまたは非陸上ネットワークセルを選択して常駐することができ、セル再選択の精度と成功率を向上させるとともに、端末のエネルギー消費とシグナリングオーバヘッドを低減する。また、端末は端末の移動方向/速度とセルのカバー情報に基づいて、常駐予定のターゲットセルを選択し、セル再選択の正確性をさらに高め、セル再選択回数を減少させた。
【0056】
以下に、エア-スペース-グランド一体化ネットワークセル再選択の例をいくつか挙げる。
【0057】
現在の常駐セルと隣接セルのいずれも非陸上ネットワークセルである場合、各非陸上ネットワークセルの間でセル再選択が行われる。図2は各非陸上ネットワークセル間でセル再選択を行う概略図を示す。
【0058】
ステップ1:NTNセルは、そのサービス範囲内で現在セルと隣接NTNセルの中心位置とセル半径情報をブロードキャストする。
【0059】
ステップ2:端末は周期的にブロードキャストメッセージをリッスンし、端末位置と常駐NTNセルの中心位置関係を計算し、閾値を超えるとセル再選択測定をトリガーし、セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定及び端末移動方向、移動速度などの情報を含む。
【0060】
ステップ3:再選択セルの決定:
端末は、無線信号の測定結果に基づいてR基準を満たす候補セルセットS1を選定し、端末は、端末の移動情報(例えば移動方向、移動速度など)と隣接セルのカバー情報に基づいて、セットS1から、予定常駐の時間が最も長い候補セルを常駐予定のターゲットセルとして選択する。
【0061】
以下に、各非陸上ネットワークセル間でセル再選択を行うための応用例を挙げる。
【0062】
NTNセルは、そのサービス範囲内でセル中心の緯度情報(X,Y)及びセル半径Rをブロードキャストする。上記の情報は、元のSIB(SystemInfoRmationBlock、システムブロック)メッセージに追加したり、新しいSIBメッセージを定義したりすることができる。
【0063】
端末がブロードキャストメッセージを周期的にリッスンし、端末位置と現在サービスのNTNセル中心位置との距離D0を計算し、端末位置とi番目の隣接NTNセル中心位置との距離Di(図2に示すD1とD2)を計算し、閾値を超えるとセル再選択隣接セル測定をトリガーする。この閾値は、端末と現在のサービスNTNセルとの距離閾値がTH0であり、端末とi番目の隣接NTNセルとの距離閾値がTHiであり、ここで、TH0=a0×R0、THi=ai×Ri、a0及びaiはスケーリング係数、R0は現在のサービスNTNセルの半径、Riはi番目の隣接NTNセルの半径、例えば、図2において2つの隣接NTNセルを例とし、TH1=a1×R1、TH2=a2×R2、セル再選択測定をトリガーする条件は、以下のいずれかである:(1)端末とサービスNTNセルとの距離D0が閾値TH0より大きい場合、セル再選択測定をトリガーし、(2)端末と隣接NTNセルとの距離Diが閾値THiより小さい場合、セル再選択測定をトリガーし、(3)D0がサービスNTNセルとの距離閾値TH0より大きく、Diが隣接NTNセルとの距離閾値THiより小さい場合、セル再選択測定をトリガーする。ここで、セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定及び端末の移動方向/速度などの情報を含む。
【0064】
端末が無線チャネル測定結果を通じてR基準を満たす候補セルがすべてNTNセルである場合:{NTNセル1、NTNセル2、NTNセル3、NTNセル4、NTNセル5、NTNセル6}であり、さらに、所定の最大滞留時間に基づいて最終的な再選択セルを選択する。
【0065】
NTNとTNの境界では、NTNセルとTNセルは互いに隣接している。図3は、NTNとTNの境界におけるセル再選択の概略図を示す。
【0066】
ステップ1:NTNセルはそのサービス範囲内で現在セルと隣接TNセルの中心位置情報、及び現在セルの半径情報をブロードキャストし、TNセルは、そのサービス範囲内で隣接するNTNセルの中心位置及びセル半径情報をブロードキャストする。
【0067】
ステップ2:端末が周期的にブロードキャストメッセージをリッスンし、(1)現在NTNセルに常駐している場合、端末位置と常駐NTNセルの中心位置関係を計算し、閾値を超えるとセル再選択測定をトリガーし、セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定及び端末移動方向/速度などの情報を含み、(2)現在TNセルに常駐している場合、無線信号強度が閾値未満である場合にセル再選択測定をトリガーし、セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定及び端末移動方向/速度などの情報を含む。
【0068】
ステップ3:再選択セルの決定:
端末は、無線信号の測定結果に基づいてR基準を満たす候補セルセットS1を選定し、端末は、端末の移動方向と隣接セルのカバー情報とに基づいて、セットS1の中から、端末の移動方向と同じ方向の候補セルセットS2を選択し、次に、端末の移動速度に基づいて、セットS2から常駐予定のターゲットセルを選択する。例えば、端末の移動速度が速度閾値よりも高い場合、前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルとして非陸上ネットワークセルを選択し、頻繁にセル再選択を回避し、端末の移動速度が速度閾値よりも高くない場合、前記第2の候補セルセットから常駐予定のターゲットセルとして陸上ネットワークセルを選択し、それによって、優先的に陸上ネットワークセルから端末にサービスを提供し、終端の電力を節約する。
【0069】
以下に、NTNとTNの境界でセル再選択を行うための応用例を挙げる。
【0070】
NTNセルは、そのサービス範囲内で現在セル中心の緯度経度情報(X1、Y1)、セル半径R0及びTN隣接セルの中心緯度経度情報(X2、Y2)をブロードキャストする。上記の情報は、元のSIBメッセージに追加するか、新しいSIBメッセージを定義することができる。
【0071】
端末が現在NTNセルに常駐し、周期的にブロードキャストメッセージをリッスンする場合、端末位置とサービスセル中心位置距離D0を計算し、閾値を超えるとセル再選択隣接セル測定をトリガーする。セル再選択測定結果は、隣接セルの無線信号の測定、及び端末の移動方向/速度などの情報を含む。
【0072】
端末が無線チャネル測定結果によりR基準を満たす候補セルセットS1が、{NTNセル1、NTNセル2、NTNセル3、NTNセル4、TNセル5、TNセル6}である場合、移動方向に応じて候補セルセットS2が{NTNセル2、TNセル5}に縮小され、端末の移動速度に基づいて選択し、端末の移動速度が比較的速い場合、例えば、高速走行中の列車の中である場合、セットS2からNTNセル2を常駐予定のターゲットセルとして選択し、頻繁にセル再選択を回避し、端末の移動速度が速くなければ、セットS2からTNセル5を常駐予定のターゲットセルとして選択することにより、優先的に陸上ネットワークセルから端末にサービスを提供し、端末電力量を節約する。
【0073】
図4は本開示のいくつかの実施例における通信システムの模式図である。図4に示すように、この実施例における通信システム400は、端末410と通信デバイス420を含む。
【0074】
通信デバイス420は、ブロードキャストメッセージを送信し、前記ブロードキャストメッセージは、現在セルと隣接セルのカバー情報を含む。
【0075】
端末410は、ブロードキャストメッセージをリッスンし、前記ブロードキャストメッセージから、現在の常駐セルと隣接セルのカバー情報を取得し、現在の常駐セルと隣接セルとは、非陸上ネットワークセル又は陸上ネットワークセルであり、現在の常駐セルが非陸上ネットワークセルである場合、前記端末410は、現在の常駐セルのカバー情報に基づいて、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報を決定し、前記端末と現在の常駐セルとの位置関係情報に基づいて、セル再選択測定をトリガーし、現在の常駐セルが陸上ネットワークセルである場合、前記端末410は、現在の常駐セルの無線信号強度に基づいて、セル再選択測定をトリガーし、前記端末410は、セル再選択測定結果に基づいてセル再選択を行う。
【0076】
図5は、本開示のいくつかの実施例の端末の概略図を示す。端末は、例えば携帯電話、タブレットなどのユーザーデバイスである。
【0077】
図5に示すように、この実施例の端末410は、メモリ510と、メモリ510に接続されたプロセッサ520とを含み、プロセッサ520は、メモリ510に記憶された命令に基づいて、前述の任意の実施例におけるエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行する。
【0078】
図6は本開示のいくつかの実施例に係る通信デバイスの概略図である。ブロードキャストメッセージを送信する陸上ネットワークセルの通信デバイスは、例えば基地局などであってもよい。ブロードキャストメッセージを送信する非陸上ネットワークセルの通信デバイスは、例えば衛星などであってもよい。ここで、挙げた例に限定されない。
【0079】
図6に示すように、この実施例の通信デバイス420は、メモリ610と、メモリ610に結合されたプロセッサ620とを含み、プロセッサ620は、メモリ610に記憶された命令に基づいて、前述の任意の実施例におけるエア-スペース-グランド一体化ネットワークのセル再選択方法を実行する。
【0080】
ここで、メモリ510、610は、例えば、システムメモリ、固定不揮発性記憶媒体などを含むことができる。システムメモリには、例えばオペレーティングシステム、アプリケーション、ブートローダー(BootLoadeR)、その他のプログラムなどが格納されている。
【0081】
ここで、プロセッサ520、620は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DigitalSignal PRocessoR、DSP)、アプリケーション専用集積回路(ApplicationSpecificIntegRateDCiRcuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FielDPRogRammableGate ARRay、FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタなどのディスクリートハードウェアコンポーネント方式で実装することができる。
【0082】
端末410、通信デバイス420は、入出力インタフェース、ネットワークインタフェース、記憶インタフェースなどを含むこともできる。これらのインタフェースとメモリとプロセッサとの間は、例えばバスで接続することができる。ここで、入出力インタフェースはディスプレイ、マウス、キーボード、タッチスクリーンなどの入出力デバイスに接続インタフェースを提供する。ネットワークインタフェースは、さまざまなネットワークデバイスに接続インタフェースを提供する。ストレージインタフェースは、SDカード、Uディスクなどの外付けストレージデバイスに接続インタフェースを提供する。バスは、複数のバス構造のうち任意のバス構造を使用することができる。例えば、バス構造は、産業標準アーキテクチャ(IndustRyStandaRDARchitectuRe、ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MicRoChannel ARchitectuRe、MCA)バス、ペリフェラルコンポーネント相互接続(PeRipheRalComponentInteRconnect、PCI)バスを含むが、これらに限定されない。
【0083】
当業者は、本開示の実施例が方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解するであろう。したがって、本開示は、完全ハードウェア実施例、完全ソフトウェア実施例、またはソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施例の形態を採用することができる。また、本開示は、磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限定されない1つまたは複数のコンピュータプログラムコードを含む非瞬時コンピュータ可読記憶媒体上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0084】
本開示は、本開示の実施例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/またはブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/またはブロック図の各フロー及び/またはブロック、ならびにフローチャート及び/またはブロック図のフロー及び/またはブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実装されうると理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令によって、フローチャートの1つまたは複数のフロー及び/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに指定された機能を実現するための手段を生成する機械を生成することができる。
【0085】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方法で動作させることができるコンピュータ可読メモリに格納することもでき、それにより、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、フローチャートの1つまたは複数のフロー及び/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに指定された機能を実装する命令デバイスを含む製造品を生成する。
【0086】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてもよく、コンピュータまたは他のプログラム可能なデバイス上で一連の動作ステップを実行してコンピュータ実装の処理を生成することができ、したがって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデバイス上で実行される命令は、フローチャートの1つまたは複数のフロー及び/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックで指定された機能を実装するためのステップを提供する。
【0087】
上記は本開示の好適な実施例にすぎず、本開示を制限する必要はなく、本開示の精神と原則の中で行われたいかなる修正、等価置換、改善などは、本開示の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】