(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
H01B7/00 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522715
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067406
(87)【国際公開番号】W WO2023274886
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102021116629.2
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524001798
【氏名又は名称】ラップ エンジニアリング アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヒルセンベック
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー ケルナー
【テーマコード(参考)】
5G309
【Fターム(参考)】
5G309KA02
5G309KA09
(57)【要約】
複数の、特に3つの相心線と、少なくとも1つの他の心線、特に保護心線とを有するケーブル、特に電気エネルギを少なくとも部分的に伝送するためのケーブルが提案され、このケーブル内において、複数の相心線が少なくとも1つの相束に撚り合わされ、かつ少なくとも1つの他の心線が少なくとも1つの相束の外部に延びている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の、特に3つの、相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線、とを有するケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するためのケーブル(100)において、
複数の相心線(142)は少なくとも1つの相束(144)を形成するために撚り合わされ、かつ前記少なくとも1つの他の心線(222、264)は前記ケーブル(100)内で前記少なくとも1つの相束(144)の外側に延びている、ことを特徴とするケーブル(100)。
【請求項2】
前記相束(144)の前記複数の相心線(142)が、前記相束内で、特に相束軸線(162)に対して、少なくとも電気的に対称に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル(100)。
【請求項3】
前記複数の相心線(142)は、前記相束(144)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横断面内で、前記複数の相心線(142)のそれぞれの相導体(146)が仮想の幾何学的等辺多角形のそれぞれの角部に配置され、特に前記仮想の幾何学的等辺多角形の各角部にそれぞれ前記複数の相心線(142)のうちの1つの相導体(146)が配置されるように、前記相束(144)内で対称に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に前記ケーブル(100)内の他の全ての心線が、前記複数の相心線(142)の前記少なくとも1つの相束(144)の周りに巻かれている、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に前記ケーブル(100)内の全ての他の心線が、前記相束(144)内の前記複数の相心線(142)の撚り方向(158)に対して反対の撚り方向(232)で、前記相束(144)の周りに巻かれ、特に撚り合わされている、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項6】
前記相束(144)内の前記複数の相心線(142)の撚り長さ(SP)と、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)が前記相束(144)の周りに巻かれている、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の撚り長さ(SA)との、撚り長さ比の絶対値は、0.1以上及び/又は5以下、特に3以下である、ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの他の心線(222、264)は、交差箇所(234)において前記複数の相心線(142)の少なくとも1つと、特にそれぞれの交差箇所(234)において前記複数の相心線(142)の各々と交差するように、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)は前記ケーブル(100)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1の前提部分、又は請求項1~6の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの他の心線(222、264)がそれぞれの交差箇所(234)において相心線と交差する、交差角度(W)は、65°以下であり、及び/又は5°以上である、ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項9】
前記ケーブル(100)は、該ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる、前記ケーブル(100)の横方向(114)に関して内側に位置する内側層(172)と、少なくとも1つの外側層(212)であって、前記横方向(114)に関して前記内側層(172)のさらに外部に配置されている外側層(212)と、を有し、
前記複数の相心線(142)が前記内側層(172)内に配置され、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)が前記少なくとも1つの外側層(212)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1の前提部分、又は請求項1~8の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項10】
前記ケーブル(100)の前記内側層(172)内に、相心線(142)のみが配置されている、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項11】
前記内側層(172)内に、前記ケーブル(100)の全ての相心線(142)が配置されている、ことを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項12】
前記内側層(172)内で前記複数の相心線(142)が少なくとも1つの相束(144)を形成するために撚り合わされている、ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項13】
前記内側層(172)は、特に前記ケーブル(100)の前記横方向(114)に関して、ケーブル内部(132)で最も内側に位置する層である、ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項14】
相心線(144)ではない、付加的な心線(222、264)は、特に前記横方向(114)に関して、前記ケーブル(100)のケーブル内部(132)で前記内側層(172)の外側に配置されている、ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項15】
前記ケーブル(100)は、少なくとも、前記複数の相心線(142)の特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、互いに対して少なくとも電気的に対称に形成され、
それにより特に、前記複数の相心線(142)のうちの2つの相心線(142)間の、特に容量性及び/又は誘導性結合は少なくとも近似的に等しい大きさである、ことを特徴とする請求項1の前提部分、又は請求項1~14の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項16】
前記ケーブル(100)は、少なくとも前記複数の相心線(142)のそれぞれ1つとの、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に形成され、
特に、前記少なくとも1つの他の心線(222、264)と前記複数の相心線(142)のそれぞれ1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は少なくとも近似的に等しい大きさである、ことを特徴とする請求項1の前提部分、又は請求項1~15の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項17】
前記ケーブル(100)は、次のように、すなわち前記内側層(172)内のそれぞれ1つの心線と、前記少なくとも1つの外側層(212)内の少なくとも1つの他の心線(222、264)との間の結合、特に容量性及び/又は誘導性結合が、少なくとも近似的に等しいように、対称に形成されている、ことを特徴とする請求項1~16の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項18】
前記複数の相心線(142)と前記少なくとも1つの他の心線(222、264)との間に、結合層(182)が配置されている、ことを特徴とする請求項1~17の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項19】
前記結合層(182)は、前記内側層(172)と前記外側層(212)との間に配置されている、ことを特徴とする請求項1~18の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項20】
前記結合層(182)は、3以下、特に2.3以下である実効誘電率を有する結合層材料から形成されている、ことを特徴とする請求項1~19の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項21】
前記結合層(182)を形成する結合層材料はプラスチックである、ことを特徴とする請求項1~20の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項22】
前記結合層(182)は多数の空気封入物を有し、及び/又は前記結合層(182)は織物及び/又はニット製品及び/又はストリップ、特にフリース、から形成されている、ことを特徴とする請求項1~21の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項23】
前記ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)において測定した、前記結合層(182)の厚みは、0.01mm以上、特に0.02mm以上、及び/又は1.5mm以下、特に0.8mm以下である、ことを特徴とする請求項1~22の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項24】
特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)、特に請求項1~23の何れか一項に記載のケーブル(100)であって、
複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つのシールド層(252)を有し、
前記ケーブル(100)は、少なくとも、前記複数の相心線(142)のそれぞれ1つとの、前記少なくとも1つのシールド層(252)のそれぞれの特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されている、ことを特徴とするケーブル(100)。
【請求項25】
シールド層(252)は、前記ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、前記複数の相心線(142)及び前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の外部において、前記複数の相心線(142)及び前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の周りに配置され、特に前記ケーブル(100)の全ての心線(142、222、264)の周りに配置されている、ことを特徴とする請求項1~24の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項26】
前記ケーブル(100)は、次のように、すなわち前記複数の相心線(142)のそれぞれ1つと前記シールド層(252)との間の少なくとも1つの結合、特に容量性及び/又は誘導性結合が、近似的に等しいように、対称に構成されている、ことを特徴とする請求項1~25の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項27】
前記シールド層(252)は、前記ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)において、前記外側層(212)の外部で該外側層(212)の周りに配置されている、ことを特徴とする請求項1~26の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項28】
前記ケーブル(100)はシース(122)を有し、該シース(122)は、前記長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して前記ケーブル(100)の外側に配置され、かつ特に前記ケーブル(100)のケーブル内部(132)を包囲し、及び/又は前記ケーブル(100)の外側(252)を形成している、ことを特徴とする請求項1~27の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項29】
特に前記ケーブル(100)の前記長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、前記シース(122)と外側層(212)との間にいかなる他の層も配置されていない、ことを特徴とする請求項1~28の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項30】
前記外側層(212)内の前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の間の隙間を埋めるために、付加的な材料、特に絶縁材料が前記外側層(212)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1~29の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項31】
前記シース(122)がその内側において前記外側層(212)内へ進入し、かつ前記外側層(212)内の前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の間の隙間を少なくとも部分的に充填する、ことを特徴とする請求項1~30の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項32】
前記複数の相心線(142)、特に全ての相心線(142)が、実質的に等しく形成され、特に少なくとも実質的に等しい絶縁材料を有し、該絶縁材料が好ましくは着色顔料を持たないか、又はそれぞれ等しい着色顔料を有している、ことを特徴とする請求項1~31の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項33】
それぞれの相心線(142)のそれぞれの絶縁シース(148)の絶縁材料が、プラスチック、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又はポリ塩化ビニル(PVC)を有し、特にこれらのプラスチックの1つである、ことを特徴とする請求項1~32の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項34】
各相回線は、1つの相に対して1つの相心線(142)のみから形成されている、ことを特徴とする請求項1~33の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項35】
前記複数の相心線(142)からなる前記相束(144)及び/又は前記内側層(172)は、前記ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、前記ケーブル(100)の前記内部(132)に、前記ケーブル(100)の長手方向(112)に少なくとも近似的に長手方向の全範囲に沿ってセンタリングして配置されている、ことを特徴とする請求項1~34の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項36】
前記複数の相心線(142)からなる前記相束(144)及び/又は前記内側層(172)は、前記ケーブル(100)の前記長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に対して偏心して、前記ケーブル(100)の前記内部(132)に配置され、特に前記相束(144)が前記ケーブル(100)のケーブル軸線(118)を中心に巻いて配置されている、ことを特徴とする請求項1~35の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項37】
前記ケーブル(100)が、少なくとも1つの他の心線(222、264)として、又は複数の他の心線(222、264)として、少なくとも1つの保護心線及び/又は少なくとも1つのデータ信号線を有している、ことを特徴とする請求項1~36の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項38】
2つの他の心線(222、264)、特に2つの信号線が、1つの心線対にまとめられており、及び/又は
少なくとも2つの他の心線(222、264)、特に2つの信号線が、1つの心線束に撚り合わされている、ことを特徴とする請求項1~37の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項39】
少なくとも1つの心線対及び/又は少なくとも1つの心線束が、自身によって、特に金属のシールド(274)によって前記ケーブル内部の中でシールドされ、特に前記複数の相心線(142)に対してシールドされている、ことを特徴とする請求項1~38の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【請求項40】
前記少なくとも1つの他の心線(222、264)の、特に少なくとも1つの保護心線及び/又は少なくとも1つの信号伝送心線の、それぞれの絶縁シースの絶縁材料は、プラスチックを有し、特に前記プラスチックがポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、特に前記絶縁材料が発泡プラスチックを有している、ことを特徴とする請求項1~39の何れか一項に記載のケーブル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するためのケーブルに関する。このケーブルは、複数の、例えば3つの相心線を有し、それらは特にそれぞれ相導体を有し、かつ好ましくは、電流の1相を伝送するように構成されている。このケーブルは、少なくとも1つの他の心線を有し、それが特に導体を有し、この少なくとも1つの他の心線は、特に、例えば接地及び/又は電位平衡のための、保護導体を備えた保護心線である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題はケーブルを改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態によれば、この課題は、複数の相心線と少なくとも1つの他の心線とを有するケーブルにおいて、相心線が少なくとも1つの相束に撚り合わされており、かつ少なくとも1つの他の心線がケーブル内で少なくとも1つの相束の外部に延びていることによって、解決される。
【0004】
本発明の利点は、特に、少なくとも1つの他の心線が、ケーブル内で相心線の相束に対して結合して、延びており、したがって相心線と少なくとも1つの他の心線との間の特に容量性及び/又は誘導性結合が減少することに見られる。
【0005】
特に結合によって、少なくとも1つの他の心線の導体内の望ましくない電流が少なくとも減少するので、例えば法律的及び/又は他の規制的な準則を少なくともより良く守ることができ、及び/又は例えばより大きい、利用可能な最大のケーブル長さが可能になる。
【0006】
好ましくは、相心線が相束に撚り合わされていることによって、少なくとも1つの他の心線への、及び/又はケーブル内のシールドへの干渉の影響が減少する。
【0007】
特に、ケーブル内部の構造に起因する干渉性結合が減少するため、コスト的により好ましい絶縁材料を、特に他の心線において使用することができ、及び/又は例えば外側へ向かうケーブル内部のシールド及び/又はケーブル内部内のシールドを削減又は完全に省略することができるので、好ましくはこのケーブルは、より簡単かつコスト的により好ましく製造可能である。
【0008】
特にこのケーブルは、三相の電気モータ、特に同期ドライブ及び/又は非同期ドライブの給電に適するように設計されている。
【0009】
例えばパルス電流の場合に、例えば周波数変換制御されるモータのための駆動においては、ケーブルの他の心線内のパルス駆動によって、例えば約3kHzから50kHzの領域内の、干渉電流がもたらされるので、例えばこの種の適用のために、本発明に係るケーブルが効果的である。というのは、電流を伝送する相心線と他の心線との間の結合及び/又は電流を伝送する相心線とシールドとの間の結合が、少なくとも減少するからである。
【0010】
すなわち特に、ケーブルの他の心線の導体内及び/又はケーブルの中のシールド内に、より小さい結合によって少なくともより小さい干渉電流が誘導されるので、例えばより小さい電流は接地電位の方向に流れ、及び/又は心線に接続されている、及び/又はシールドと接続されているハウジング部品が保護されて、例えばモータの駆動軸又は玉軸受などの導電性部品に対する火花浸食及び/又はその他の損傷のリスクは少なくとも低下される。
【0011】
例えば、ケーブル内の、例えば保護導体内の、干渉性結合の減少によって、ケーブルが使用されるネットワーク内のネットワーク安定性が向上する。
【0012】
好ましくはケーブルが、例えばネットワーク及び/又は機械内において使用される場合に、ケーブルにおける干渉性結合が少なくとも低減されるため、保護装置、特にフィルタ及び/又はエラー保護スイッチを、少なくとも減少された程度において、使用することができる。
【0013】
特に、本発明に係るケーブルは、例えば信号導体への干渉が低減するため、改良されたデータ通信も可能にする。
【0014】
特に、例えばデータ回線などの隣接するケーブルへのケーブルの干渉性結合も、少なくとも減少されている。これは例えば少なくともよりわずかな干渉電流が接地保護導体内に発生し、かつ例えば隣接するケーブルのシールド内の少なくともよりわずかな干渉電流がアース電位の方向へ流れるためである。したがって干渉電流及び/又はアースループ内の循環電流が回避され、あるいは少なくとも減少される。
【0015】
少なくとも1つの他の心線及び/又は相心線の好ましい配置に関して、これまで詳しく説明されていない。
【0016】
特に少なくとも1つの相束内で、相心線のみが撚り合わされている。
【0017】
特に相心線は心線であって、その導体が電気エネルギ、特に電流の1相を伝送するための相導体として提供及び設計されている。
【0018】
例えば、相心線の相導体は、230V又は400Vネットワーク内及び/又は3相ネットワーク内での送電のために設けられている。
【0019】
好ましい実施形態において、相心線のそれぞれの相導体は、kV領域までの電圧のため、特に6kVまでであり、例えば1kVまでの電圧用に設計されている。
【0020】
好ましくは相束の複数の相心線、特に3つの相心線は、相束内で、特に相束軸線に対して少なくとも電気的に対称に配置されており、好ましくは相束軸線を中心に対称に巻かれている。
【0021】
特に複数の相導体は、相束の長手方向に対して垂直に延びる横断面内で、相束内の複数の相導体のそれぞれの相導体、特にその導体中心点が、仮想の幾何学的等辺多角形のそれぞれの角部に配置されるように、相束内で対称に配置されている。
【0022】
特に、仮想の幾何学的等辺多角形の各角部に、それぞれ、複数の相導体のうちの1つの相導体が相束内に配置されている。
【0023】
特にそれぞれの相導体、特にその導体中心点は、3つの相導体の場合に、仮想の幾何学的等辺三角形のそれぞれの角部に配置されている。
【0024】
特に相束内の3つの相導体は、次のように、すなわち1つの相導体の場合において、この相導体から隣接して配置された2つの相導体への2つのそれぞれの幾何学的接続線が交わる角度が、相導体の各々において等しい大きさであるように、対称に配置されている。特に、この角度は、3つの相導体が1本の相束に撚り合わされている実施形態において、少なくとも近似的に60°の大きさである。
【0025】
好ましくは、複数の、例えば3つの相導体は、相束内において、次のように、すなわち複数の相導体のそれぞれの相導体と相束軸線との径方向の間隔が、相導体の各々について、かつ特に相束の長手方向の範囲に沿って、等しい大きさであるように、対称に配置されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、ケーブルは、複数の相束を有し、複数の相導体が撚り合わされている。
【0027】
その場合に好ましくは、複数の相束も、互いに対して対称に互いに撚り合わされている。
【0028】
特に好ましい実施形態において、少なくとも1つの相束は、ケーブル内で複数の相心線を有する唯一の相束である。
【0029】
例えばそれによって、ケーブルを容易にアセンブリすることを容易にする。
【0030】
特に唯一の相束の場合に、対称の、特に少なくとも電気的に対称の、構造は、複数の相導体の配置に関してケーブルの内部で達成され、及び好ましくは、干渉性結合、特に誘導干渉性結合の減少が達成可能である。
【0031】
少なくとも1つの他の心線が、複数の相心線の少なくとも1つの相束の周りに巻き付けられていると、特に効果的である。
【0032】
例えば、ケーブル内の全ての他の心線が、複数の相心線の少なくとも1つの相束の周りに巻かれている。
【0033】
特にそれによって、ケーブル内部のコンパクトな構造が達成される。
【0034】
少なくとも1つの他の心線が、複数の相心線の各々に対して平行に延びていないと、特に効果的である。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線、特にいくつかの、例えば全ての、他の心線が、相束内の複数の相心線の撚り方向に相当する撚り方向で、相束の周りに巻かれ、特にそれと撚り合わされている。
【0036】
少なくとも1つの他の心線、特にいくつかの、例えばケーブル内の全ての他の心線が、少なくとも1つの相束内の複数の相心線の撚り方向とは反対の撚り方向で、相束の周りに巻かれていると、特に効果的である。
【0037】
特に、少なくとも1つの他の心線、例えば全ての他の心線と相束内の複数の相心線とが反対の巻き方向で撚り合わされている。
【0038】
それによって特に、相心線と少なくとも1つの他の心線が互いに接近する箇所が確実に減少し、それによって干渉性結合も減少する。
【0039】
特に複数の相心線と少なくとも1つの他の心線、好ましくは複数の、例えば全ての他の心線が反対に撚られることによって、相心線に対する他の心線の少なくとも電気的に対称な配置が得られ、それによって好ましくは他の心線への相心線の特に誘導干渉性結合が減少する。というのは、特に干渉の影響が破壊的干渉によって減少するか、又は少なくとも近似的に除去されるからである。
【0040】
特に、複数の相心線は相束内で撚り長さSPで撚り合わされている。
【0041】
例えば、相束内の複数の相心線の撚り長さSPは10mm以上である。
【0042】
特に、相束内の複数の相心線の撚り長さSPは、1,000mm以下であり、例えば500mm以下である。
【0043】
特に、相束内の複数の相導体の撚り長さSPは、相導体の横断面及び/又はケーブルの可撓性などのケーブルに求められる条件に応じて選択される。
【0044】
特に少なくとも1つの他の心線が、相束の周りに撚り長さSAで巻かれ、特に撚り合わされる。
【0045】
好ましくは、1つの層内で少なくとも1つの他の心線と相束の周りに巻かれ、特にそれと撚り合わされている、全てのケーブル要素は、少なくとも1つの他の心線と同じ撚り長さSAで相束の周りに巻かれ、特にそれと撚り合わされている。
【0046】
特に、1つの他のケーブル要素、あるいは複数のケーブル要素は、一つの他の心線及び/又は複数の心線及び/又は複数の心線からなるストランドアセンブリ及び/又は複数の心線からなる複数のストランドアセンブリである。
【0047】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線は、ストランド複合材アセンブリの心線であって、そのストランドアセンブリはケーブル内で少なくとも1つの相束の外側で延びており、特に、一つの心線として、少なくとも1つの相束の周りに巻かれ、特にその相束と撚り合わされている。
【0048】
特に好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線は、単一の心線としてケーブル内で少なくとも1つの相束の外側で延びており、かつ特に単一の心線として少なくとも1つの相束の周りに巻かれ、特に相束と撚り合わされている。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つの他の心線が、特に単一の心線として、あるいはストランドアセンブリの一部として、少なくとも1つの相束の周りに巻かれている、撚り長さSAは、2,000mm以下であり、例えば1,000mm以下である。
【0050】
特に、少なくとも1つの他の心線が、特に単一の心線として、又はストランドアセンブリの一部として、少なくとも1つの相束の周りに巻かれている、撚り長さは、10mm以上であり、例えば40mm以上である。
【0051】
少なくとも1つの他の心線が少なくとも1つの相束の周りに巻かれる、撚り長さSAは、特に少なくとも1つの他の心線の設計及び/又はその配置及び/又はケーブルの要件に関して選択される。
【0052】
特に少なくとも1つの他の心線の撚り長さSAは、相束内の相心線の撚り長さSPに応じて選択される。
【0053】
好ましい実施形態において、相束内の複数の相心線の撚り長さSPと、少なくとも1つの他の心線が相束の周りに巻かれている、少なくとも1つの他の心線の撚り長さSAと、の撚り長さ比の絶対値|SP/SA|は、0.1以上である。というのは、そうでないと例えば他の心線の撚り長さが大きくなりすぎ、ケーブルはあまり柔軟ではなくなり、例えば動的に移動する用途においてより短い寿命を有することになるからである。
【0054】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線の撚り長さSAと、少なくとも1つの他の心線が相束の周りに巻かれている、相束内の複数の相心線の撚り長さSPと、の撚り長さ比の絶対値|SP/SA|は、3以下である。それによって例えば少なくとも1つの他の心線のための材料使用、ひいては特にケーブルのためのコスト及び/又は重量は、相束の周りに少なくとも1つの他の心線を撚り合わすことによって過度に増大しない。
【0055】
特に、相束内の複数の相心線の撚り長さSPと、少なくとも1つの他の心線が相束の周りに巻かれている、少なくとも1つの他の心線の撚り長さSAと、の撚り長さ比SP/SAは、少なくとも1つの他の心線が相束内の相心線の撚りに対して反対に撚られているには負であって、相束内の相心線と相束の周りに少なくとも1つの他の心線の撚りが、相束の周りで同じ方向である場合には、撚り長さ比SP/SAは正である。
【0056】
したがって好ましい実施形態において、撚り長さ比SP/SAは、-0.1(含む)から-3(含む)までの領域内にある。
【0057】
代替的及び/又は補足的に、冒頭で挙げた課題は、複数の、特に3つの相心線と少なくとも1つの他の心線とを有するケーブルにおいて、少なくとも1つの他の心線がケーブル内に次のように、すなわち少なくとも1つの他の心線が交差箇所において複数の相心線の少なくとも1つと交差するように、配置されることによって、解決される。
【0058】
好ましくは、少なくとも1つの他の心線がケーブル内に次のように、すなわち少なくとも1つの他の心線が相束内の複数の相心線の各々と、例えばケーブル内の全ての相心線と、それぞれの交差箇所において交差するように、配置されている。
【0059】
特にそれによって、少なくとも1つの他の心線は交差箇所においてのみ、少なくとも1つの相心線又は複数の相心線の各々と、強い結合を可能にするやり方で接近し、すなわち全体として、少なくとも1つの他の心線と相心線との間の、干渉の影響をもたらすことができる結合が減少する。
【0060】
減少した結合の他の利点に関しては、上述した説明が内容全体で参照される。
【0061】
特に、特に個々の心線又は心線からなるストランドアセンブリである、他のケーブル要素の少なくともいくつか、好ましくは全てがケーブル内に次のように、すなわちこれらのケーブル要素が交差箇所において複数の相心線の少なくとも1つ、特に相束内の複数の相心線の各々と、例えばケーブル内の全ての相心線と、それぞれの交差箇所において交差するように、配置されていると、効果的である。
【0062】
特に少なくとも1つの他の心線及び/又は他のケーブル要素のこのように交差する配置は、上述したように撚ることによって可能にされている。
【0063】
特に、少なくとも1つの他の心線と例えば1つの他のケーブル要素又は複数の他のケーブル要素は、それぞれの交差箇所において交差角度を形成しながら相心線と交差する。
【0064】
好ましくは、交差角度は65°以下である。
【0065】
特にそれによって、ケーブルのコンパクトな構造が可能になり、及び/又は心線のための材料消費、ひいては特にケーブルのための重量及び/又はコストは、過度に上昇しない。
【0066】
好ましくは交差角度は、特に相心線に対して少なくとも1つの他の心線が反対撚り及び/又は等しい撚りである場合に、60°以下であり、例えば55°以下である。
【0067】
例えば、いくつかの好ましい実施形態において、相心線に対して少なくとも1つの他の心線が等しく撚られている場合に、交差角度は30°以下である。
【0068】
好ましくは、交差角度は、5°以上、特に10°以上である。それによって特に、少なくとも1つの他の心線及び/又は1つの他のケーブル要素及び/又は複数の他のケーブル要素は、相心線に対して充分斜めに延びており、したがって結合が小さく抑えられる。
【0069】
代替的及び/又は補足的に、本発明の実施形態において、冒頭で挙げた課題は、複数の、特に3つの相心線と少なくとも1つの他の心線を有するケーブルによっても、解決され、その場合にケーブルは、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる、ケーブルの横方向に関して、内側に位置する内側層と少なくとも1つの外側層を有し、その外側層は横方向に関して、特にケーブルのケーブル内部に、内側層よりもさらに外側に配置されており、かつ複数の相心線が内側層内に配置されており、かつ少なくとも1つの他の心線は少なくとも1つの外側層内に配置されている。
【0070】
特にそれによって、少なくとも1つの他の心線は、内側層に対する外側層内の空間的結合によって、内側層内の相心線からさらに離隔して配置されており、したがって少なくとも1つの他の心線内に相心線によってもたらされる干渉性結合が、少なくとも減少されている。
【0071】
相心線からの少なくとも1つの他の心線の空間的結合及び好ましくはそれに伴って減少する結合の他の利点に関して、上述した説明が参照される。
【0072】
特にケーブルの内側層内には、相導体、すなわち特に、上述したように、例えば200Vより高い電圧において、電気エネルギを伝送するために構成され、かつ設けられている、相導体を有する導体のみが、配置されている。
【0073】
好ましくはそれによって、内側層内には相心線とは異なる心線は配置されておらず、したがって相心線から他の心線への干渉性結合が減少される。
【0074】
特に好ましい実施形態において、ケーブルの全ての相導体は、内側層内に配置されている。
【0075】
特にそれによって、内側層内のみに、相導体が配置されており、したがって、特に少なくとも1つの外側層内の、他の導体へのその干渉の影響は少なくとも減少されている。
【0076】
内側層内で複数の相導体が少なくとも1つの、例えば唯一の、相束として撚り合わされていると、特に効果的である。
【0077】
好ましくは内側層内の少なくとも1つの相束は、相束との関連において上述した特徴の1つ又は複数を有している。
【0078】
特に、上述した少なくとも1つの相束は内側層内に配置されている。
【0079】
特に内側層は、特にケーブルの横方向に関して、ケーブルのケーブル内部でもっとも内側の層である。
【0080】
好ましい実施形態において、相心線ではない、付加的な心線は、特に横方向に関して、ケーブルのケーブル内部で内側層の外側に配置されている。
【0081】
好ましくは、例えば、付加的な心線は内側層内に相心線と一緒にではなく、内側層の外側に配置されており、したがって付加的な心線内の相心線による干渉性結合は、少なくとも減少されている。
【0082】
例えば、付加的な心線は、特に上述し、かつ他の好ましい特徴と共に後述するように、個々の心線又は、例えば2つの心線からなる、ケーブル要素の、特にストランドアセンブリである。
【0083】
特に付加的な心線は、例えば、個々の心線又はケーブル要素の部分、特にストランドアセンブリの部分として、少なくとも1つの外側層内に配置されている。
【0084】
いくつかの好ましい実施形態において、ケーブルは複数の外側層を有している。他の好ましい実施形態において、少なくとも1つの外側層は、ケーブルの唯一の外側層である。
【0085】
代替的及び/又は補足的に、本発明の好ましい実施形態において、冒頭で挙げた課題は、複数の、特に3つの相心線と、少なくとも1つの他の心線とを有するケーブルにおいて、ケーブルが少なくとも、複数の相心線の互いに対する特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されていることによっても解決される。したがって好ましくは、複数の相心線のそれぞれ2つの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0086】
代替的及び/又は補足的に、冒頭で挙げた課題は、本発明の好ましい実施形態において、複数の相導体、特に3つの相導体と、少なくとも1つの他の導体を有するケーブルによっても解決され、その場合にケーブルは、少なくとも1つの他の導体と複数の相導体のそれぞれ1つとのそれぞれ特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されている。
【0087】
好ましくは、少なくとも1つの他の心線と複数の相心線のそれぞれ1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0088】
その場合に特に、少なくとも1つの他の心線と複数の相心線の1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は、少なくとも1つの他の心線と複数の相心線の他の1つとの間の、同様の、したがって特に容量性及び/又は誘導性結合と比較して、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0089】
好ましくは少なくとも電気的に対称の配置によって、少なくとも1つの相心線と少なくとも1つの他の心線との間の過度に大きい結合が回避され、かつ好ましくは少なくとも1つの他の心線に対する複数の相心線の間の複数の結合が減少される。
【0090】
好ましくは、少なくとも電気的に対称に構成されている場合に、少なくとも1つの他の心線への相心線の誘導性干渉が破壊的に生じるので、この干渉の影響が少なくとも減少され、例えば少なくとも近似的に除去される。
【0091】
好ましくは、ケーブルは次のように、すなわち内側層内の1つの心線、したがって特に相心線と、特に保護心線及び/又は信号伝送心線であるが、特に相心線ではない、外側層内の心線との間の特に容量性及び/又は誘導性結合が少なくとも近似的に等しい大きさであるように、少なくとも電気的に対称に構成されている。
【0092】
特にケーブルは次のように、それぞれ1つの相心線と、例えば保護心線及び/又は信号伝達心線である、他の心線との間の特に容量性及び/又は誘導性結合が、例えば少なくとも近似的に同じ大きさであるように、少なくとも電気的に対称に構成されている。
【0093】
好ましくはケーブルの構造は次のように、すなわち、一つの心線及び/又はストランド導体である、それぞれ他のケーブル要素と、それぞれ1つの相心線との間の特に容量性及び/又は誘導性結合が、少なくとも近似的に等しい大きさであるように、少なくとも電気的に対称である。
【0094】
ケーブルの他の形態に関して、これまで詳細に記載していない。
【0095】
好ましい実施形態において、特に相束として撚り合わされている、複数の相心線と少なくとも1つの他の心線との間に、結合層が配置されている。
【0096】
好ましくは、特にケーブルの横方向に関して、ケーブルの全ての相導体が結合層によって包囲されており、かつ他のケーブル要素、したがって特に個々の導体及び/又は、例えば信号導体及び/又は保護導体を有する、ストランドアセンブリが、結合層によって包囲される領域の外部に配置されている。
【0097】
好ましくは、少なくとも1つの他の心線と相心線との間に結合層が配置されていることによって、これらの間の少なくとも容量性結合がさらに減少する。
【0098】
特に結合層はケーブルの長手方向において少なくとも近似的にケーブルの長手方向の範囲全体に沿って延びており、かつ周側において閉成して延びるように形成されているので、結合層は、特にケーブルの横方向に関して内側の領域を包囲する。
【0099】
好ましくは、結合層は内側層と外側層との間に配置されている。
【0100】
特に、結合層は結合層材料から形成されている。
【0101】
好ましくは、結合層材料は、3より小さいか、それと等しい、好ましくは2.3より小さいか、それと等しい実効誘電率を有している。
【0102】
特に、結合層材料の実効誘電率は、100Hz又はそれより大きく、及び/又は2MHz又はそれより小さい周波数領域内で測定される。
【0103】
好ましくは、結合層材料は絶縁材料である。
【0104】
特に、結合層材料はプラスチックである。
【0105】
特に、結合層が、特に結合層材料内に、多くの空気封入物を有し、それによって特に結合層の一方の側の心線、特に相心線と、結合層の他方の側の他の心線、特に保護心線及び/又は信号線との間の結合が減少されると、効果的である。
【0106】
好ましい実施形態において、結合層は織物及び/又はニット製品及び/又は編組繊維から形成されており、特にフリースから形成されている。
【0107】
好ましい実施形態において、結合層はストリップから、特に織られ及び/又は編まれ及び/又は絡み合ったストリップ、好ましくは多くの空気封入物を有するストリップから、形成されている。
【0108】
好ましい実施形態において、内側層は横方向に締めるように巻いたバンドによって包囲されている。
【0109】
他の好ましい実施形態において、内側層は、縦に締めるように巻かれたバンドによって包囲されている。
【0110】
特に、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向において測定された、結合層の厚みは、0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上である。
【0111】
好ましくは、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向において測定された、結合層の厚みは、1.5mm以下、特に0.8mm以下である。
【0112】
特に好ましい実施形態において、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向において測定された、結合層の厚みは、少なくとも近似的に0.1mmであり、例えば0.1mm±50%であり、例えば0.1mm±20%である。
【0113】
いくつかの好ましい実施形態において、ケーブルはシールド層を有している。
【0114】
代替的及び/又は補足的に、冒頭で挙げた課題は、本発明の好ましい実施形態において、複数の相導体、特に3つの相導体と少なくとも1つのシールド層を有するケーブルによっても解決され、このケーブルは少なくとも、少なくとも1つのシールド層と複数の相導体のそれぞれ1つとのそれぞれの特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されている。
【0115】
好ましくは、少なくとも1つのシールド層と複数の相導体のそれぞれ1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0116】
特に、少なくとも1つのシールド層と複数の相導体の1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合は、少なくとも1つのシールド層と複数の他の導体との間の同様な、したがって特に容量性及び/又は誘導性結合と比較して、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0117】
特にシールド層は、ケーブル内部を周囲に対して及びその反対にシールドするため、かつそのようにして特にケーブルの電磁互換性を改良するように、形成され、かつ設けられている。
【0118】
特にシールド層は、ケーブルの長手方向において、少なくとも近似的にケーブルの長手方向の範囲の全体に沿って延びており、かつ周側において閉成して延びるように形成されているので、ケーブル内部の少なくとも一部、好ましくはケーブル内部の全部は、シールド層によって、特にケーブルの横方向に関して、包囲されている。
【0119】
特に、シールド層は、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向に関して、複数の相心線の外部に、かつ少なくとも1つの他の心線がこれらの心線の周りに配置されている。
【0120】
特に、シールド層はケーブルの全ての心線の周りに配置されている。
【0121】
好ましくはシールド層は、ケーブル内部、特にケーブル内の心線の周りに次のように、すなわち心線及び/又はケーブル内部が、シールド層の内部に、ファラデーケージ内のように、配置されている。
【0122】
特にシールド層は、電気的に導通する、特に金属の材料から形成されている。
【0123】
好ましくはシールド層は、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向において、外側層の外部でその周りに配置されており、特に、例えば、ケーブルの長手方向及び/又はケーブル軸線に対して周方向に、外側層の周りに配置されている。
【0124】
特にケーブルはシースを有している。
【0125】
特に、シースはケーブルの長手方向において少なくとも近似的にケーブルの長手方向の範囲全体に沿って延びている。
【0126】
特に、シースは、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向において、ケーブルの外側の領域内に配置されている。
【0127】
特に、シースは、特にケーブルの横方向に関して、ケーブルの外側を形成している。
【0128】
好ましくはシースは、ケーブルの回転方向に関して、特に長手方向に対して、及び/又はケーブルのケーブル軸線の周りに、閉成して延びるように形成されている。
【0129】
好ましくはシースはケーブル内部を包囲している。
【0130】
特にその場合に、長手方向に対して垂直に延びる、ケーブルの横方向に関して、ケーブル内部はケーブル内の内部に配置されており、かつシースはケーブルの外側に配置されている。
【0131】
いくつかの好ましい実施形態において、特に横方向に関して、シールド層は外側層とシースの間に配置されている。
【0132】
他の特に好ましい実施形態において、ケーブル内部の構造により、特にケーブル内部の少なくとも部分的に対称の構造により、及び/又は1つの他の心線及び/又は複数の他の心線、特に1つの保護心線及び/又は複数の保護心線が、相心線を特に対称に包囲することによって、シールド層は必要とされない。
【0133】
他の好ましい実施形態において、特にシールド層が必要とされない実施形態において、シースと外側層の間に、特にケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向に関して、シースと外側層の間に、他の層は配置されていない。
【0134】
特に複数の外側層を有する実施形態において、特に横方向に関してもっとも外側に位置する外側層とシースの間に他の層は配置されておらず、その場合に少なくとも1つの外側層は、複数の外側層の1つである。
【0135】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの外側層内に材料、特に充填材料が、特に少なくとも1つの外側層内の心線の間の隙間を埋めるために、配置されている。
【0136】
特にそれによって、ケーブルが、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横断面に関して、少なくとも1つの円形及び/又は均一な形状を有し、かつそのようにして、例えばケーブルにおける、例えば制御ボックス内へ、及び/又は例えば機械のハウジング内へケーブルを挿通及び/又は導入する箇所における密閉をより確実に行うことができる。
【0137】
好ましい実施形態において、充填する材料は、絶縁材料である。
【0138】
例えば、隙間を充填するために、少なくとも1つの外側層内にダミーワイヤーが設けられている。
【0139】
いくつかの特に好ましい実施形態において、シースは内側で、特にケーブルの横方向に関して内側で、もっとも外側に位置する外側層内へ嵌入し、かつ外側層内の心線の間の隙間を少なくとも部分的に埋めて、そのようにして充填材料を提供する。
【0140】
相導体についての他の詳細は、これまで明らかにしていない。
【0141】
特に好ましい実施形態において、ケーブルの各相回線は、ケーブルによって伝送すべき電流のそれぞれ1つの相のために、1つの相導体のみから形成されている。
【0142】
特にそれによって、ケーブルの取付けが容易になる。というのは、ケーブルを接続する場合に各相のために、それぞれ1つの相心線を対応する接点と接続すれば済むからである。
【0143】
特にこのケーブルは3相電流を伝送するように構成されている。
【0144】
複数の相導体が実質的に同じであると、特に効果的である。
【0145】
複数の相心線が、少なくとも実質的に等しい絶縁材料を有し、その絶縁材料が特にそれぞれ、それぞれの相心線の絶縁シースを形成していると、効果的である。
【0146】
特に、相導体のそれぞれの絶縁シースが相導体を包囲している。
【0147】
特に相心線のそれぞれの絶縁シースがその外側を形成している。
【0148】
好ましくは、複数の相心線の絶縁シースの絶縁材料は、着色顔料を持たないか、それぞれ等しい着色顔料を有している。
【0149】
特にその場合に、相導体を同じくすることによって、結合が実質的に等しくなり、例えば、異なる着色顔料による容量性及び/又は誘導性結合内の差異が回避され、かつそのようにして好ましくは少なくとも電気的に対称の構造が得られ、かつ干渉の影響が減少する。
【0150】
特に、それぞれの相心線のそれぞれの絶縁シースの絶縁材料は、好ましくは非極性のプラスチックを有し、特にこのプラスチックの絶縁材料である。
【0151】
いくつかの好ましい実施形態において、絶縁材料のプラスチックは、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0152】
その利点は特に、PE及び/又はPP及び/又はPTFEが特に良好な絶縁特性を有することである。
【0153】
他の好ましい実施形態において、絶縁材料はコスト的に好ましい材料である。
【0154】
例えば、その場合に、絶縁材料のプラスチックはポリ塩化ビニル(PVC)である。
【0155】
特にそれによってコスト削減が達成され、かつコスト的により好ましい絶縁材料を使用することができる。というのは、ケーブルの構造によって相導体による干渉性結合が減少するからである。
【0156】
いくつかの好ましい実施形態において、複数の相導体からなる相束及び/又は内側層が、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向に関して、ケーブルの内部に、ケーブルの長手方向において少なくとも近似的に長手方向の範囲全体に沿ってセンタリングされて配置されている。
【0157】
例えば、その場合に、この種の実施形態においてケーブル軸線と相束軸線は少なくとも近似的に一致する。
【0158】
例えばそれによって、ケーブルのより簡単な構造を達成することができる。
【0159】
他の好ましい実施形態において、複数の相心線からなる相束及び/又は内側層は、ケーブルの長手方向に対して垂直に延びる横方向に偏心してケーブルの内部に配置されている。
【0160】
特に、相束及び/又は内側層は、特に横方向において1つ又は複数の外側層に対して、もっとも内側に位置する要素及び/又はもっとも内側に位置する層であるが、例えば、ケーブル軸線に関してはセンタリングされないで、ケーブルの内部に配置されている。
【0161】
特に相束の幾何学的軸線(これに対して相束が少なくとも近似的に対称に形成されている)及び/又は内側層の対称の軸線(これに対して内側層が少なくとも近似的に対称に形成されている)は、幾何学的ケーブル軸線に対して偏心している。
【0162】
好ましくは相束及び/又は内側層の偏心の方向付けは、ケーブルの長手方向に沿って変化し、特に長手方向の範囲に沿って、例えばケーブル軸線を中心に、回転する。
【0163】
いくつかの好ましい実施形態において、相束及び/又は内側層は、ケーブルのケーブル軸線の周りに巻いて配置されている。
【0164】
例えばそれによって、ケーブルのコンパクトな構造が得られ、その場合に横方向に関して対向する側に相束及び/又は内側層を偏心して配置することによって、少なくとも1つの他の心線を配置するための、より大きい隙間が形成される。
【0165】
特にその場合に、相束と少なくとも1つの他の心線は、互いにツイストされているので、ケーブル内部にこれに関して少なくとも電気的に対称の構造が得られ、かつ好ましくは干渉性結合が減少する。
【0166】
少なくとも1つの他の心線に関して、これまで詳細な説明はなされていない。
【0167】
特に少なくとも1つの他の心線及び/又はケーブル内の複数の他の心線の1つ又は少なくともいくつかが、保護心線、例えば接地心線及び/又は等電位接続心線であり、それらは特に、例えば接地又は等電位接続のための、特に保護導体及び好ましくはその保護導体を包囲する絶縁を有している。
【0168】
例えば、ケーブルはハイブリッド回線及び/又は集合回線として形成されている。
【0169】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線又はケーブルの複数の他の心線の1つ又は少なくともいくつかは、信号伝送心線、例えば、データ伝送心線及び/又は制御心線及び/又はリゾルバ心線であって、それらがそれぞれ特に信号伝送導体及び好ましくはその信号伝送導体を被覆する絶縁を有している。
【0170】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの他の心線及び/又は複数の他の心線の1つ又は少なくともいくつかが、ケーブル内に個々の心線として配置されている。
【0171】
例えば、少なくとも1つの保護導体がケーブル内に単一の心線として配置されている。
【0172】
いくつかの好ましい実施形態において、2つの他の心線、特に2つの信号線が、電線対を形成するために組み合わされている。
【0173】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも2つの他の電線、特に2つの信号電線、例えば電線対の2つの電線が電線束を形成するために撚り合わされている。
【0174】
好ましくは、少なくとも2つの電線は撚り線対として形成されている。
【0175】
いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの心線対及び/又は少なくとも1つの心線束が、特に少なくとも1つの外側層内で、自己シールド、特に金属のシールドによってケーブル内部の中でシールドされ、特にケーブル内の他の心線に対して、例えば相心線に対して、シールドされている。
【0176】
いくつかの好ましい形態において、少なくとも1つの電線束、及び/又は少なくとも1つの電線対は、少なくとも1つの外側層内で自己シールドを有していない。
【0177】
特にこの付加的なシールドは、干渉性結合を削減するためのケーブル内の好ましい構造によって省くことができる。
【0178】
特にそれぞれの絶縁シースの絶縁材料は、他の心線において、あるいは少なくともいくつかの他の心線において、例えば少なくとも1つの保護心線において、及び/又は少なくとも1つの信号伝送心線において、好ましくは非極性のプラスチックを有し、例えばそのプラスチックが絶縁材料である。
【0179】
好ましくは絶縁材料のプラスチックは、他の心線において、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0180】
特に好ましい実施形態において、絶縁材料は発泡材料、特に発泡プラスチックから、例えば上述した種類の発泡プラスチックから形成されている。
【0181】
上述し、かつ後述する中で、「少なくとも実質的に」という記載は、特徴との関連において特に、特徴の機能性及び/又は利点を本質的に損なわない、技術的に重要でない、及び/又は技術的にもたらされる、軽微な逸脱を、「少なくとも実質的に」という記載に含むものである。
【0182】
上述し、かつ後述する中で、「少なくとも近似的に」という文言は、記載に関連して特に、この表記が少なくとも実質的に満たされており、及び/又は少なくとも近似的に記述された表記の、±20%まで、好ましくは±10%まで、例えば±5%まで、特に±1%までのずれを共に含むものである。例えば少なくとも近似的に記載された方向において、±15°まで、特に±10°まで、例えば±5°までのずれが一緒に含むものである。
【0183】
上述し、かつ後述する中で、例えば及び/又は特に及び/又は好ましくは及び/又は優先され、及び/又は同種のものとして記述される要素と特徴は、例えば好ましい展開を定める選択的な特徴及び/又は利点であるが、本発明に係る成果にとって本質的ではなく、必ずしも必要とされないものである。
【0184】
したがって本発明に係る解決手段の上記説明には、特に以下で番号をつけた実施形態によって定義される特徴の様々な組み合せが含まれる。
【0185】
1.複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線、を有するケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、複数の相心線(142)は少なくとも1つの相束(144)を形成するために撚り合わされており、かつ少なくとも1つの他の心線(222、264)はケーブル(100)内で少なくとも1つの相束(144)の外部に延びている、ケーブル(100)。
【0186】
2.相束(144)の複数の相心線(142)が、この相束内で、特に相束軸線(162)に対して少なくとも電気的に対称に配置されている、実施形態1に記載のケーブル(100)。
【0187】
3.複数の相心線(142)が、相束(144)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横断面内で、複数の相心線(142)のそれぞれの相導体(146)が仮想の幾何学的等辺多角形のそれぞれの角部に配置され、特に仮想の幾何学的等辺多角形の各角部にそれぞれ複数の相心線(142)のうちの1つの相導体(146)が配置されように、相束(144)内に対称に配置されている、実施形態1又は2に記載のケーブル(100)。
【0188】
4.少なくとも1つの他の心線(222、264)、特にケーブル(100)内の全ての他の心線が、複数の相心線(142)の少なくとも1つの相束(144)の周りに巻かれている、実施形態1-3の何れかに記載のケーブル(100)。
【0189】
5.少なくとも1つの他の心線(222、264)、特にケーブル(100)内の全ての他の心線が、相束(144)内の複数の相心線(142)の撚り方向(158)とは反対の撚り方向(232)で、相束(144)の周りに巻かれ、特に撚り合わされている、実施形態1-4の何れかに記載のケーブル(100)。
【0190】
6.相束(144)内の複数の相心線(142)の撚り長さ(SP)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)が相束(144)の周りに巻きつけられている、少なくとも1つの他の心線(222、264)の撚り長さ(SA)と、の撚り長さ比の絶対値が、0.1以上及び/又は5以下、特に3以下である、実施形態1-5の何れかに記載のケーブル(100)。
【0191】
7.複数の、特に3つの、相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線、とを有する、特に実施形態1-6の何れかに記載のケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、少なくとも1つの他の心線(222、264)が交差箇所(234)において複数の相心線(142)の少なくとも1つと、特にそれぞれの交差箇所(234)において複数の相心線(142)の各々と、交差するように、少なくとも1つの他の心線(222、264)が、ケーブル(100)内に配置されている、ケーブル(100)。
【0192】
8.少なくとも1つの他の心線(222、264)がそれぞれの交差箇所(234)において相心線と交差する交差角度(W)が、65°以下及び/又は5°以上である、実施形態1-7の何れかに記載のケーブル(100)。
【0193】
9.複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線とを有する、特に実施形態1-8の何れかに記載のケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、該ケーブル(100)が、ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びるケーブル(100)の横方向(114)に関して内側に位置する内側層(172)と少なくとも1つの外側層(212)を有し、その外側層が横方向(114)に関して内側層(172)よりもさらに外側に配置されており、かつ複数の相心線(142)が内側層(172)内に配置されており、かつ少なくとも1つの他の心線(222、264)が少なくとも1つの外側層(212)内に配置されている。
【0194】
10.ケーブル(100)の内側層(172)内に相心線(142)のみが配置されている、実施形態1-9の何れかに記載のケーブル(100)。
【0195】
11.ケーブル(100)の全ての相心線(142)が内側層(172)内に配置されている、実施形態1-10の何れかに記載のケーブル(100)。
【0196】
12.複数の相心線(142)が内側層(172)内で少なくとも1つの相束(144)に撚り合わされている、実施形態1-11の何れかに記載のケーブル(100)。
【0197】
13.内側層(172)が、特にケーブル(100)の横方向(114)に関して、ケーブル内部(132)でもっとも内側に位置する層である、実施形態1-12の何れかに記載のケーブル(100)。
【0198】
14.相心線(144)ではない、付加的な心線(222、264)が、特に横方向(114)に関して、ケーブル(100)のケーブル内部(132)で内側層(172)の外側に配置されている、実施形態1-13の何れかに記載のケーブル(100)。
【0199】
15.複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線を有する、特に実施形態1-14の何れかに記載のケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、該ケーブル(100)が、少なくとも複数の相心線(142)の互いに対する特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されており、それにより特に複数の相心線(142)のそれぞれ2つのものの間の特に容量性及び/又は誘導性結合が、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0200】
16.複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つの他の心線(222、264)、特に保護心線とを有する、特に実施形態1-15の何れかに記載のケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、該ケーブル(100)が、少なくとも1つの他の心線(222、264)と複数の相心線(142)のそれぞれ1つとの特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されており、特に少なくとも1つの他の心線(222、264)と複数の相心線(142)の1つとの間の特に容量性及び/又は誘導性結合が、少なくとも近似的に等しい大きさである。
【0201】
17.ケーブル(100)が次のように、すなわち内側層(172)内のそれぞれの心線と少なくとも1つの外側層(212)内の心線(222、264)との結合、特に容量性及び/又は誘導性結合が、少なくとも近似的に等しい大きさであるように、対称に構成されている、実施形態1-16の何れかに記載のケーブル(100)。
【0202】
18.複数の相心線(142)と少なくとも1つの他の心線(222、264)との間に結合層(182)が配置されている、実施形態1-18の何れかに記載のケーブル(100)。
【0203】
19.結合層(182)が内側層(172)と外側層(212)の間に配置されている、実施形態1-18の何れかに記載のケーブル(100)。
【0204】
20.結合層(182)が、3以下、特に2.3以下である実効誘電率を有する結合層材料から形成されている、実施形態1-19の何れかに記載のケーブル(100)。
【0205】
21.結合層(182)を形成する結合層材料が、プラスチックである、実施形態1-20の何れかに記載のケーブル(100)。
【0206】
22.結合層(182)が多くの空気封入物を有し、及び/又は結合層(182)が織物及び/又はニット製品及び/又はストリップ、特にフリースから形成されている、実施形態1-21の何れかに記載のケーブル(100)。
【0207】
23.ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に測定された、結合層(182)の厚みが、0.01mm以上、特に0.02mm以上、及び/又は1.5mm以下、特に0.8mm以下である、実施形態1-22の何れかに記載のケーブル(100)。
【0208】
24.複数の、特に3つの相心線(142)と、少なくとも1つのシールド層(252)とを有する、特に実施形態1-23の何れかに記載のケーブル(100)、特に少なくとも部分的に電気エネルギを伝送するケーブル(100)であって、ケーブル(100)が少なくとも、少なくとも1つのシールド層(252)と複数の相心線(142)のそれぞれ1つとのそれぞれ特に容量性及び/又は誘導性結合に関して、少なくとも電気的に対称に構成されている。
【0209】
25.シールド層(252)がケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、複数の相心線(142)と少なくとも1つの他の心線(222、264)の外部でこれらの心線(142、222、264)の周りに配置されており、特にケーブル(100)の全ての心線(142、222、264)の周りに配置されている、実施形態1-24の何れかに記載のケーブル(100)。
【0210】
26.ケーブル(100)が次のように、すなわち複数の相心線(142)のそれぞれ1つとシールド層(252)との間の少なくとも1つの結合、特に容量性及び/又は誘導性結合が近似的に等しい大きさになるように、対称に構成されている、実施形態1-25の何れかに記載のケーブル(100)。
【0211】
27.シールド層(252)が、ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)において、外側層(212)の外部でこの外側層(212)の周りに配置されている、実施形態1-26の何れかに記載のケーブル(100)。
【0212】
28.ケーブル(100)がシース(122)を有し、そのシースが長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関してケーブル(100)の外側に配置され、かつ特にケーブル(100)のケーブル内部(132)を包囲し、及び/又はケーブル(100)の外側(252)を形成している、実施形態1-27の何れかに記載のケーブル(100)。
【0213】
29.特にケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、シース(122)と外側層(212)の間に、他の層は配置されていない、実施形態1-28の何れかに記載のケーブル(100)。
【0214】
30.外側層(212)内に付加的な材料、特に絶縁材料が、外側層(212)内の心線(222、264)の間の隙間を埋めるために、配置されている、実施形態の何れかに記載のケーブル(100)。
【0215】
31.シース(122)が内側において外側層(212)内へ嵌入し、かつ外側層(212)内の心線(222、264)の間の隙間を少なくとも部分的に充填する、実施形態1-30の何れかに記載のケーブル(100)。
【0216】
32.複数の相心線(142)、特に全ての相心線(142)が、実質的に等しく形成されており、特に少なくとも実質的に等しい絶縁材料を有し、その絶縁材料が好ましくは着色顔料を持たないか、あるいはそれぞれ等しい着色顔料を有している、実施形態1-31の何れかに記載のケーブル(100)。
【0217】
33.それぞれの相心線(142)のそれぞれの絶縁シース(148)の絶縁材料が、プラスチックの1つポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又はポリ塩化ビニル(PVC)を有し、特にこれらのプラスチックの1つである、実施形態1-32の何れかに記載のケーブル(100)。
【0218】
34.それぞれ相回線が、それぞれの場合において1つの相のための1つの相心線(142)のみから形成されている、実施形態1-33の何れかに記載のケーブル(100)。
【0219】
35.複数の相心線(142)からなる相束(144)及び/又は内側層(172)が、ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に関して、ケーブル(100)の内部(132)内にセンタリングされて、ケーブル(100)の長手方向(112)に少なくとも近似的に長手方向の範囲全体に沿って配置されている、実施形態1-34の何れかに記載のケーブル(100)。
【0220】
36.複数の相心線(142)からなる相束(144)及び/又は内側層(172)が、ケーブル(100)の長手方向(112)に対して垂直に延びる横方向(114)に対して偏心してケーブル(100)の内部(132)内に配置されており、その場合に特に相束(144)が、ケーブル(100)のケーブル軸線(118)の周りに巻いて配置されている、実施形態1-35の何れかに記載のケーブル(100)。
【0221】
37.ケーブル(100)が少なくとも1つの他の心線(222、264)として、あるいは複数の他の心線(222、264)として、少なくとも1つの保護心線及び/又は少なくとも1つのデータ信号線を有している、実施形態1-36の何れかに記載のケーブル(100)。
【0222】
38.2つの他の心線(222、264)、特に2つの信号線が、心線対にまとめられており、及び/又は少なくとも2つの他の心線(222、264)、特に2つの信号線が、心線束に撚り合わされている、実施形態1-37の何れかに記載のケーブル(100)。
【0223】
39.少なくとも1つの心線対及び/又は少なくとも1つの心線束が、ケーブル内部の中で自己シールド(274)によってシールドされており、特に複数の相心線(142)に対してシールドされている、実施形態1-38の何れかに記載のケーブル(100)。
【0224】
40.少なくとも1つの他の心線(222、264)の、特に少なくとも1つの保護心線及び/又は少なくとも1つの信号伝送心線の、それぞれの絶縁シースの絶縁材料が、プラスチックを有し、特にプラスチックがポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、特に絶縁材料が発泡プラスチックを有している、実施形態1-39の何れかに記載のケーブル(100)。
【0225】
本発明に係るケーブルの好ましい形態とその利点が、ケーブルの2つの実施形態についての以下の詳細な説明と図面表示の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0226】
【
図1】
図1は第1の実施形態のケーブルを部分的に切断した斜視図である。
【
図2】
図2はケーブルの第1の実施形態の変形例を示す横断面図である。
【
図3】
図3はケーブルの第1の実施形態の他の変形例を示す横断面図である。
【
図4】
図4はケーブルの変形例の横方向に締まるように巻き付けられた結合層を有する相束の図である。
【
図5】
図5はケーブルの変形例の長手方向に締まるように巻き付けられた結合層を有する相束の図である。
【
図6】
図6は相心線に対して横方向に延びる少なくとも1つの他の心線を有するケーブルの変形例を示す3つの平面図である。
【
図8】
図8はケーブルの他の実施形態の変形例を示す横断面図である。
【
図9】
図9はケーブルの他の実施形態の他の変形例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0227】
全体を符号100で示すケーブルの種々の変形例における第1の実施形態を、
図1から7に例として示す表示との関連において説明する。
【0228】
ケーブル100は、長手方向112に縦長に延び、かつ長手方向112に対して垂直に延びる横方向114に広がりを有し、その場合に横方向114における広がりは、
図1に例示するように、長手方向112におけるケーブル100の延びよりもずっと小さい。
【0229】
特にケーブル100は、長さに関し、かつ長手方向112に関して真っ直ぐ引っ張られるように方向付けされている場合に、幾何学的なケーブル軸線118に沿って延びており、その場合にこの状態において、ケーブル100の長手方向112は、ケーブル100の長手方向の範囲全体に沿って実質的に一定の方向に方位付けされており、かつケーブル軸線118の軸方向に相当し、かつ横方向114がケーブル軸線118の径方向に相当する。
【0230】
ケーブル100は、シース122を有し、そのシースは長手方向112にケーブル100の延び全体に沿って延び、かつ横方向114に関して外側へ向けられた、ケーブル100の外側面を備えたケーブル100の外側124を形成している。特にシース122は周方向126に閉成して形成されており、全体を符号132で示す、ケーブル100の内部を包囲しており、その場合にケーブル内部132は横方向114に、シース122によって、特にシース122の内部へ向けられた内側134によって、例えば、
図2と
図3の横断面表示における実施形態の種々の変形例について示されるように、構成される。
【0231】
特にシース122の内側134と、ケーブル100の外側124を形成するシース122の外側は、長手方向112に延びており、かつ横方向114に関して互いに対向している。
【0232】
特に周方向126は、幾何学的なケーブル軸線118を回って延びる周方向であって、横方向114は局所的に周方向126に対して垂直である。
【0233】
特に横方向114は、ケーブル内部132、例えばその中心から、特にケーブル軸線118から始まって、外側へ向かってシース122の、かつケーブル100を包囲する外側の、方向に向けられている。
【0234】
ケーブル100は、複数の相心線142、特に3つの相心線142I、142II、142IIIを有し、それらが相束144に撚り合わされている。
【0235】
その場合に相心線142の各々は、内側に位置する相導体146を有し、その相導体が絶縁シース148によって包囲されている。
【0236】
シース148の絶縁は、絶縁する材料から、特にコスト的に好ましい材料から、特にPVCから、形成されている。
【0237】
それぞれの相導体146は、電気的に導通する材料、特に金属の材料から、例えば銅又はアルミニウムから、形成されている。
【0238】
好ましくは、複数の相心線142の絶縁シース148、したがってここでは3つの相心線142I、142II、142IIIの絶縁シース148I、148II、148IIIは、同一の材料から形成されている。
【0239】
相心線142のそれぞれの相導体146は、電気エネルギを伝送するため、特に電流の1相を伝送するために形成されており、その場合に好ましくは電流のそれぞれ相のために正確に1つの相心線142の相導体146が設けられている。
【0240】
したがってケーブル100のこの実施形態は、特に3相の交流を伝送するために、特に3相の電気モータに供給するために構成されており、かつ特に230V及び/又は400V網内で使用するため、そして変形例においてはkV領域内の電圧のために、構成されている。
【0241】
相心線142の各々は、それぞれの長手方向152に縦長に延びており、かつそれぞれの相導体146は、相心線142の内部から外側へ向けられて長手方向152に対して垂直に延びる横方向154に関して内側に位置するように相心線142内に配置されており、かつ絶縁シース148によって包囲されている。
【0242】
相心線142の絶縁シース148が、この相心線142の外側を形成し、かつ相心線142の内部を包囲し、その内部に相導体146が配置されている。
【0243】
相心線142は相束144内に撚り方向158によって互いに撚り合わされているので、相心線142の長手方向152は、ケーブル100の長手方向112に対して平行ではなくそれに対して斜めに延びている。
【0244】
特に相束144は、長手方向159に縦長に延びており、かつ、長く延び、かつ真っ直ぐに延びている場合には、幾何学的な束軸線162に沿って延びており、その場合にこの状態において相束144の長手方向159は、一定の方向を示し、かつ束軸線162の軸方向に相当する。
【0245】
少なくとも相束144が長く引っ張られ、かつ真っ直ぐに引っ張られて方向付けされている場合に、束軸線162は相束144の長手方向152に延びており、かつ相束144の長手方向152に対して垂直に延びる、相束の横方向に関してセンタリングされて、相束144の内側の領域内に配置されている。
【0246】
特に相心線142は、相束144の撚り方向158に幾何学的な束軸線162を中心に巻かれている。
【0247】
特に相心線142のそれぞれの長手方向152は、相束144の長手方向159に対して斜めに、かつ束軸線162の回転方向に対して斜め、かつ好ましくは束軸線162を中心に対称に延びている。
【0248】
特に相束144の相心線142は、束内で互いに添接して配置されている。
【0249】
例えば、相心線142は相束144内にS撚りで撚られているので、相心線は、
図1~
図3に例示するように、相束144の長手方向に相束144を見る観察者に関して、反時計方向に観察者から離れるように巻かれている。
【0250】
実施形態の変形例において、相心線142は相束144内でZ撚りで撚られているので、相心線142は、相束144の長手方向に相束144をみる観察者に関して束軸線162を中心に時計方向に観察者から離れるように巻かれている。
【0251】
相束144内の相心線142の撚り長さSP、特に相束144の長手方向159における、相心線142が束軸線162を中心に完全に1回まわって延びる区間、すなわち束軸線162を中心に回転方向にしかるべき相心線142が1回完全に360°の角度回転した位置は、例えば10mmと1,000mmの間の領域内にある。
【0252】
特に相心線142は、相束144内に束軸線162を中心に対称に巻かれて配置されている。
【0253】
特に、相心線142の相導体146は、仮想の幾何学的に等辺の多角形のそれぞれの角部に、したがってここでは正三角形の角部に、配置されており、かつ幾何学的多角形の各角部に、相心線142の相導体146が配置されている。
【0254】
2つの隣接して配置された相心線142の2つの相導体146のそれぞれ幾何学的な接続線168、したがってここでは相導体146Iと146IIの間の接続線168I-II、相導体146Iと146IIIの間の接続線168I-III及び相導体146IIと146IIIの間の接続線168II-IIIが、等辺の多角形の、ここでは正三角形の、それぞれの辺を形成する。
【0255】
特に、隣接して配置された相心線142の2つの相導体146に対する1つの相導体146における2つの接続線168の間の角度は、多角形の1つの角部における内角と少なくとも近似的に等しい大きさであり、その多角形は相束144が相心線142を有するのと同じ数の角部を有し、したがってここでは3つの相心線142がある場合に角度は少なくとも近似的に60°の大きさである。
【0256】
相束144の相心線142は、ケーブル100の内側層172を形成する。
【0257】
変形例において、この内側層172は、特にケーブル内部132の中央領域174内に配置されており、その場合にこの中央領域174はケーブル100の横方向114に関して、
図2に例示するように、ケーブル内部132内の実質的に中心に配置されている。
【0258】
好ましくは内側層172、さらには相束144も、ケーブル100の横方向114に関して、結合層182によって包囲されている。
【0259】
特に結合層182は、ケーブルの長手方向112に縦長に延びており、かつ周方向126において少なくとも実質的に閉成して形成されている。
【0260】
好ましくは結合層182が内側層172を包囲し、その場合に内側層172はケーブル100の横方向114に関して、結合層182によって周側を包囲された領域の内部に位置する。
【0261】
結合層182は、特に内側184を有し、その内側は横方向114に関して内側へ向けられており、かつ内側層172へ向けられており、かつ周方向162に閉成されて延びており、かつ少なくとも近似的にケーブル100の長手方向112に延びている。結合層182の外側186は、結合層182の内側184に対向して配置されており、ケーブル100の横方向114に関して外側へ向かい、かつシース122へ向いて方向付けされており、その場合に外側186は周方向126に特に閉成して延びており、かつ少なくとも近似的にケーブル100の長手方向112に延びている。
【0262】
結合層182は、結合層材料から形成されており、その結合層材料は好ましくは2.3より小さいか、それと等しい実効誘電率を有している。
【0263】
特に結合層182の結合層材料は、プラスチックであって、例えば結合層182はフリースから形成されている。
【0264】
結合層182が結合層材料から次のように、すなわち結合層182内に多数の空気封入物、すなわち特に空気で満たされた中空領域が形成され、それが結合層材料によって包囲されるように、形成されていると、効果的である。
【0265】
特に、結合層182は織物又はニット製品から形成されている。
【0266】
例えば、結合層182はストリップから形成されている。
【0267】
特にストリップは結合層材料から形成されており、例えば空気封入物を有し、及び/又は織物又はニット製品として形成されている。
【0268】
その場合にストリップは相束144の周りに巻き付けられている。
【0269】
実施形態のいくつかの好ましい変形例において、このストリップは、
図4に例示するように、横方向に締まるように巻かれており、特にストリップは少なくとも実質的にその長手方向の範囲に沿って周方向に相束144の周りに、ひいては内側層172の周りに巻き付けられているので、ストリップの長手方向の範囲に対して少なくとも近似的に垂直に測定され、かつ長手方向の範囲よりも実質的に小さい、ストリップの横広がりは、少なくとも近似的に相束144の長手方向159の方向に整列している。
【0270】
他の好ましい変形例において、結合層182のストリップは、
図5に例示するように、長手方向に締まるように相束144の周りに、ひいては内側層172の周りに巻かれているので、ストリップの長手方向の範囲は少なくとも近似的に相束144の長手方向の範囲の方向に方向付けされ、かつ、ストリップの長手方向の範囲に対して少なくとも近似的に垂直に測定され、かつストリップの長手方向の範囲よりもずっと小さい、横の広がりをもって、ストリップは相束144、ひいては内側層172を周方向に包囲するように形成されている。
【0271】
特に少なくとも実質的にケーブル100の横方向114において測定され、かつ特に結合層182の内側184の内側面と結合層182の外側186の外側面との間の間隔に相当する、結合層182の厚みは、好ましくは0.02mmから0.8mmの範囲内にあり、例えば少なくとも近似的に0.1mmである。
【0272】
さらにケーブル内部132が外側層212を有し、その外側層がケーブル100の横方向117に関して内側層172の外部かつシース122の内部に配置されている。
【0273】
特に結合層182は内側層172と外側層212の間に配置されている。
【0274】
特に外側層212は、ケーブル100の横方向117において結合層182に直接連続しているので、結合層182の外側186は、外側層212へ向いているだけでなく、ケーブル100の横方向114に関してこの外側層の内側も画成している。
【0275】
外側層212内に、少なくとも1つの他の心線、ここでは例えば接地心線が保護心線222として配置されている。
【0276】
特に保護心線222は、保護導体224を有し、その保護導体が保護心線222の絶縁シース226によって包囲されている。接地導体において、その保護導体224は接地のための導体である。特に保護心線222は、保護心線222の長手方向228に縦長に延びるように形成されている。
【0277】
保護導体224と保護心線222の絶縁シース226は、同様に長手方向228に縦長に延びており、その場合に絶縁シース226が保護導体224を、長手方向228に対して垂直に延びる横方向において周側で包囲している。
【0278】
シース226は絶縁材料から形成されており、絶縁材料は、特に、例えばPP又はPE又はPTFEあるいはまたPVCのような、好ましくは非極性のプラスチックである。
【0279】
保護心線222は、撚り方向232で内側層172内の相束144の周り、ひいては相心線142の周りに巻いて配置されており、例えば相束144と撚られており、保護心線222の撚り方向232は、相束144内の相心線142の撚り方向158に対して反対に方向付けされている。
【0280】
すなわち、相束144の相心線142がS撚りである場合に、保護心線222はZ撚りで配置されており、かつ、相束144の相心線142がZ撚りされている変形例においては、保護心線222はS撚りで配置されている。
【0281】
保護心線222は撚り長さSAで撚られており、特に相心線142に対して反対に撚られているので、撚り長さSV=SP/SAの比は負になる。
【0282】
例えば、保護心線222の撚りの撚り長さSAは、10mm以上及び/又は1,000mm以下である。
【0283】
好ましくは、保護心線222の撚り長さSAに対する相束144内の相心線142の撚り長さSPの比SV=SP/SAは、大きさとして0.1以上及び/又は3以下である。
【0284】
定義に基づいて、S撚りで撚る場合に撚り長さは正であり、Z撚りで撚る場合の撚り長さは負であって、慣例においては、これはまったく反対になることがあり、したがってS撚りでよる場合の撚り長さが負と定義され、Z撚りで撚る場合に撚り長さが正と定義される。
【0285】
したがって特に付加的な心線、ここでは保護心線222は、
図6にもケーブル100の3つの異なる変形例の上面図で例示されるように、相束144内の相心線142の相導体146に対して横方向に延びており、特に相心線142と保護心線222のみは図面で表示されているが、例えばシース122と結合層182は図示されていない。
【0286】
心線222は、その長手方向の範囲に沿って次々と、それぞれの交差箇所234において相心線142と交差し、例えば、交差箇所234Iにおいて相心線142Iと、それに続く交差箇所234IIにおいては相心線142IIと、そしてそれに続く交差箇所234IIIにおいて相心線142IIIと交差し、それに続いてまた交差箇所234Iにおいて相心線142Iと交差する、というように続く。
【0287】
交差箇所234は、
図6に例示するように、ケーブルの平面図に関して、心線、ここでは保護心線222が相心線142の1つと交差するところにあって、
図2に例示する横断面図においては、横断面は、相心線142IIとの保護心線222の交差箇所234が位置決めされる箇所に延びており、
図3に例示する断面図においては、保護心線222はどの交差箇所においても相心線142のいずれとも交差しない。
【0288】
特に他の心線、ここでは保護心線222と相心線142とは、ケーブルの横方向114に関して対向する、結合層182の位置における交差箇所234において添接し、その場合に相心線142は結合層の内側184に、そして他の心線は結合層182の外側186に添接する。
【0289】
特に保護心線222はそれぞれの交差箇所234において相心線142の1つと交差角度Wを形成しながら交差し、その交差角度は特に交差箇所234における相心線142の長手方向152と交差箇所234における保護心線222の長手方向228との間で測定される。
【0290】
例えば、交差角度Wは、特に保護心線222が相心線142とは反対に撚られている、実施形態の変形例において、10°と55°との間の大きさである。
【0291】
図6の一番上の表示において、保護心線222の撚り長さSAに対する相束144内の相心線142の撚り長さSPの撚り長さ比SV=SP/SAは、1より小さく、
図6の中央の表示に示される変形例において、撚り長さ比SV=SP/SAは1より大きい。
【0292】
そして
図6の一番下の表示に、さらに実施形態の変形例が示されており、それにおいて保護心線222が撚り方向232を有し、その撚り方向は相束144内の相心線142の撚り方向158と同じ方向に方向付けされているが、保護心線222の撚り長さSAは、相束144内の相心線142の撚り長さSPとは異なるので、保護心線222は同様に交差箇所234において交差角度Wを形成しながら相心線142と交差する。
【0293】
例えば、等しく撚られた保護心線222を有するこの実施形態の好ましい変形例において、交差角度Wは、撚り長さ比SV=SP/SAが1より小さい場合に、15°までの大きさであり、撚り長さ比SV=SP/SAが1より大きい場合には、交差角度Wは好ましくは最大で35°までの大きさである。
【0294】
特に外側層212内に、さらに付加的な充填材料242が設けられており、その充填材料は外側層212内の、保護心線222によって埋められていない空間の少なくとも大部分を埋める。
【0295】
充填材料242は、
図3に例示されており、例えば、
図2に示されるような変形例においても、充填材料が設けられることが好ましいが、それは
図2には図示されていない。
【0296】
特に充填材料242は、絶縁する材料、好ましくはプラスチックである。
【0297】
例えば、外側層212内にさらにダミーワイヤー246が配置されており、これらは好ましくは保護心線222と共に内側層172の周りに、ひいては相束144の周りに撚り合わされており、それが
図3に例示されている。
【0298】
ダミーワイヤー246は、絶縁する材料、例えばプラスチック、特にPVC、PE及び/又はPPを、特に絶縁シースとして、有しており、ダミーワイヤー246は導体を有しておらず、特にそのシースはダミーワイヤー246の内部の中空空間を包囲している。
【0299】
その代わりに、あるいはそれに加えて、実施形態の変形例において、特にプラスチックから、特にナイロンからなる紐が外側層232内に配置されており、好ましくは内側層172の周り、ひいては相束144の周りで、保護心線222と撚り合わされている。
【0300】
また、実施形態の他の変形例において、代替的又は補足的に、少なくとも部分的にシース122の材料からなる充填材料242が準備され、その場合に特にシースが少なくとも部分的に外側層212内へ嵌入し、かつ特にシース122のこの嵌入する部分が、充填材料242の少なくとも一部を形成する。
【0301】
これは例えば、ケーブル100を形成する場合に、シース122を押し出し成形する際に増大された圧力がもたらされるので、その増大された圧力によってシース122の材料が部分的に外側層212内へも圧入されることによって、達成される。
【0302】
したがって特にシースは、ガセットを満たすように押し出される。
【0303】
実施形態のいくつかの好ましい変形例において、
図2に例示されるように、相束144とそれに伴って内側層172は、ケーブル100の横方向114に関して少なくとも実質的にケーブル内部132にセンタリングして配置されており、その場合に特にケーブル100の長手方向112における長手方向の範囲に沿って、ケーブル100の横方向114における相束144と内側層172の位置も、少なくとも実質的に変化しない。
【0304】
しかし、保護心線222の位置は、ケーブル100の長手方向112における長手方向の範囲に沿って、周方向126に沿って異なる。というのは、保護心線222は内側層172の周りに撚られているからである。したがってケーブル100の長手方向の範囲に沿って横方向114に、内側層172と相束144へ、外側層212から保護心線222及び/又は充填材料242によって異なる大きさの圧力がもたらされるので、それによって横方向114における内側層172と相束144の位置は、ケーブル100の長手方向112における長手方向の範囲に沿って容易に変化することができる。
【0305】
実施形態の他の好ましい変形例において、内側層172と相束144の位置は、ケーブル100の長手方向112内で長手方向の範囲に沿って変化する。
【0306】
特にいくつかの変形例において、相束144と内側層172は、
図3に例示するように、ケーブル内部132内で横方向114に非対称に配置されており、その場合に偏心の方向付けは、ケーブル100の長手方向の範囲に沿って変化し、特に保護心線222との撚りに応じて時計方向又は反時計方向に回転する。
【0307】
特に相束144を有する内側層172は次のように、すなわち内側層172がケーブル軸線118に対して偏心して変位する方向に対して反対方向に、外側層212の空間の少なくとも大部分が位置するように、そして特にそこに保護心線222が配置されるように、ケーブル軸線118に対して偏心して配置されており、その場合に特に外側層212の空間が、ケーブル軸線118に対して垂直に延びる横方向に三日月形状に形成されている。
【0308】
特に横断面における外側層212の空間の広がりは、ケーブル軸線118に関して、横方向114に内側層172に対向する領域内で最大になり、かつ外側層212の空間の広がりは、周方向126に外側層212の空間が延びるのにつれて減少する。
【0309】
例えば外側層212の異なる大きさの空間部分が充填材料242によって充填される場合に、好ましくはその横断面に関して異なる大きさの複数のダミーワイヤー246が外側層212内に配置されている。
【0310】
特に実施形態のこの変形例において、内側層172内の相束144と保護心線222が互いに撚り合わされるので、ケーブル100の長手方向の範囲に沿って周方向126のその位置は、それぞれ撚り方向に応じて時計方向又は反時計方向に回転する。
【0311】
いくつかの好ましい変形例において、外側層212はさらにシールド層252によって包囲されており、したがってそのシールド層は横方向114に関して外側層212とシース122の間に配置されており、かつケーブル100の長手方向112に延び、かつ周方向126においては外側層212の周りに閉成して延びている。
【0312】
特にシールド層252は、シース122のケーブル内部132へ向いた内側に添接して配置されている。
【0313】
特にシールド層252は、少なくとも部分的に、電磁シールドに適した材料、特に金属材料から、形成されている。
【0314】
例えば特に少なくとも部分的に金属メッシュ又はニット製品がシールド層252を形成している。
【0315】
変形例において、特に少なくとも部分的に金属被覆又は特に少なくとも部分的に金属の箔、例えば金属箔又はアルミニウム張りのプラスチックが、シールド層252を形成する。
【0316】
シールド層252は、例えば
図2に、中央の内側層172とセンタリングして配置された相束144とを有する変形例において示されており、その場合にこのセンタリングされた配置の他の好ましい変形例においては、シールド層252は設けられていない。同様に、内側層172と相束144の偏心した配置を有する変形例において、いくつかの好ましい変形例においては、
図3に示すようにシールド層252は設けられておらず、他の好ましい変形例においては、しかるべきシールド層252が設けられている。
【0317】
例えば
図7に、3つの相心線142I、142II、142IIIと保護心線222及びシールド層252を有するケーブル100のための等価回路が示されている。
【0318】
複数の相導体146のそれぞれ2つは容量性結合KPを有し、したがって特に、相導体146Iと146IIとは容量性結合KPI-II、相導体146Iと146IIIと容量性結合KPI-III、そして相導体146IIと146IIIとは容量性結合KPII-IIIによって互いに結合されており、相束144内の相心線142の対称配置によって、それぞれ2つの相導体146の間の容量性結合KP、したがってここでは容量性結合KPI-II、KPI-III及びKPII-IIIは、少なくとも実質的に等しい大きさを有している。
【0319】
外側層212内の保護心線222は、相束144内の相心線142の撚りに対して異なるように配置されて、特に撚られており、したがって長手方向112におけるケーブル100の長手方向の範囲にわたって平均して相心線142に対して対称に配置されているので、保護導体224と相導体146のそれぞれ1つとの間の容量性結合KPA、したがって特に保護導体224と相導体146Iの間の容量性結合KPI-A、保護導体224と相導体146IIとの間の容量性結合KPII-A及び保護導体224と相導体146IIIの間の容量性結合KPIII-Aは、少なくとも実質的に等しい大きさである。
【0320】
特に、シールド層252が存在する限りにおいて、このシールド層と相導体146のそれぞれ1つとの間の容量性結合KPS、すなわち、例えばシールド層252と相導体146Iの間の容量性結合KPI-S、シールド層252と相導体146IIの間の容量性結合KPII-S及びシールド層252と相導体146IIIの間の容量性結合KPIII-Sは、シールド層252に対する相心線142の対称配置によって実質的に等しい大きさであり、その場合にこれは特に、偏心の方向付けが少なくともケーブル100の長手方向の範囲に沿って、次のように、すなわち少なくとも長手方向112において平均して相導体146がシールド方向252に対して対称に配置されるように、変化する限りにおいて、相心線142の相束144がケーブル内部132内に少なくとも実質的にセンタリングして配置されている変形例についても、相心線142の相束144がケーブル内部132内に偏心して配置されている変形例においても、当てはまる。
【0321】
好ましくは、保護心線222及び/又はシールド層252と相導体146の間の容量性結合KPA、KPSと、保護心線222及び/又はシールド層252と他の相導体146の間の容量性結合KPA、KPSとの間の差異は、相心線142が少なくとも実質的に等しく形成されており、特にそれぞれの相導体146とそれぞれの絶縁シース148のためのその材料が等しいことによって、さらに減少している。
【0322】
特にインダクタンスLAを有する保護導体224とそれぞれインダクタンスLPを有する相導体146の間の誘導性結合は、ケーブル内部132の対称の構造によって少なくとも減少する。というのは、個々の相の結合は、例えば正弦波形状、三相交流において、破壊的に干渉し、かつそれによって好ましくは少なくとも近似的に相互に除去しあうからである。
【0323】
特に相導体146IはインダクタンスLPI、相導体146IIはインダクタンスLPII、そして相導体146IIIはインダクタンスLPIIIを有し、その場合にこれらのインダクタンスは好ましくは少なくとも実質的に同一の大きさである。
【0324】
特に、場合によっては存在する、インダクタンスLSを有するシールド層252との相導体146の誘導性結合は、対称構造によって少なくとも減少する。というのはここでも個々の相の影響が互いに破壊的に干渉し、好ましくは少なくとも近似的に除去されるからである。
【0325】
特にインダクタンスLAを有する保護導体224とインダクタンスLSを有するシールド層252との間の誘導性結合も、対称構造によって少なくとも減少する。
【0326】
したがって特に簡単に要約して、ケーブル100の構造、その機能方法及びその利点は、以下の如くである。
【0327】
ケーブル100は、電流、特に三相電流の1相を伝送するために、それぞれ相導体146を備えた複数の相心線142、特に3つの相心線142I、142II、142IIを有しており、その場合にこれらの相心線142は内側層172内に配置されており、かつ撚り方向158を有する相束144として撚られている。
【0328】
外側層212内には、少なくとも1つの他の心線、ここでは保護導体224を有する保護心線222が配置されており、その場合にこの少なくとも1つの他の心線は、特に相束144内の相心線142の撚り方向158に対して反対に方向付けされた撚り方向232によって、相束144を有する内側層172の周りに撚り合わされている。
【0329】
特に、場合によっては等しく方向付けされた、あるいは反対の撚り及び/又は内側層172内に全ての相心線142を、そして外側層212内に少なくとも1つの他の心線を配置することによって実現される、この対称の構造によって、相心線142と、保護導体224を有し、かつ例えばシールド層252を有する、少なくとも1つの他の心線との間の容量性及び/又は誘導性結合が減少する。
【0330】
特に保護導体224を有する少なくとも1つの他の心線を場合によっては同方向に、あるいは好ましくは反対方向に撚ることによって、それぞれの相心線142は保護導体224を有する少なくとも1つの他の心線と、交差箇所234によってのみ接近することが、達成される。
【0331】
特に、交差箇所234において相心線142と少なくとも1つの他の心線が、周方向126に関して同じ位置に、かつ横方向114においてのみ互いに変位して配置されており、特にそれらはそこで、例えば
図2の相心線142IIと保護心線222について例示されるように、結合層182の横方向114に対向する箇所において添接し、その場合にケーブル100の長手方向の範囲のさらなる推移において、撚ることにより周方向126におけるこれら2つの心線の位置は互いに離隔し、かつ長手方向112における所定の区間の後に、これら2つの心線は、例えば
図3に相心線142IIと保護心線222について示されるように、長手方向112に対して垂直に延びる横断面内で互いに対して最大の間隔を有する。
【0332】
特に相心線142と、保護導体224を有する少なくとも1つの他の心線との間の結合は、相心線142を内部に有する内側層172と少なくとも1つの他の心線を内部に有する外側層212との間に配置された結合層182によって、さらに減少される。
【0333】
撚り、好ましくは反対撚りによって、相導体146に対する保護導体224の平行な導体ガイドが回避され、それによってそれらの間の結合が減少する。
【0334】
特に上述したようにケーブル100内に種々の導体を配置すること、及びそれによって減少するそれらの間の結合によって、相心線142においては絶縁シース148のために、コスト的に好ましい材料、例えばPVCを設ければ、充分である。
【0335】
異なる結合を避け、対称性を高めるために、シース148の絶縁体を相心線142の各々に対して同一の材料から形成すること、すなわち、例えば、異なる色の導体を省くことが有利である。というのは、例えば様々な着色顔料は、場合によってはわずかな差異であっても、異なる影響を、特に心線とその導体との間の容量性及び/又は誘導性結合に与えるからである。
【0336】
特に外側層212内に充填材料242及び/又は複数のケーブル要素を配置することによって、特にシース122によって形成される、ケーブル100の外側が、長手方向112に対して垂直に延びる横断面内で少なくとも近似的に円形の形状を有し、かつ特にケーブル100が少なくとも実質的に円筒状であることが、保証される。
【0337】
以下で説明する他の実施形態において、上で説明した実施形態におけるのと、少なくとも実質的に等しく形成され、及び/又は少なくとも実質上基本的に等しい機能を満たす、部材と特徴には、等しい参照符号が付されており、かつこれらの特徴及び/又は部材に対する補足及び/又はずれが記述されない限りにおいて、その説明に関しては他の実施形態に関連する説明が全内容で参照される。特に、他の実施形態における特殊な形成を特に指摘しようとする場合に、それに応じた参照符号に、この実施形態を特徴づける文字がサフィックスとして付加される。
【0338】
例えば
図8及び
図9内の種々の変形例において示される、ケーブル100aの他の実施形態は、相束144を有し、その相束が撚られた相心線から形成され、かつケーブル100aの内側層172内に配置されている。
【0339】
さらにケーブル100aは外側層212を有し、その外側層は特にケーブル100aの横方向114に関してケーブル100aの内側層172とシース122との間に配置されている。
【0340】
この実施形態において、外側層212内に複数の心線及び/又は心線束が付加的なケーブル要素として配置されている。
【0341】
したがって、特にこのケーブル100aは、ハイブリッド回線及び/又は集合回線を形成し、例えば「ワンケーブルソリューション」を提供する。
【0342】
例えばケーブル100aは、2つの保護導体、例えば2つの接地心線222Iaと222IIa又は接地心線222Iaとポテンシャル補償導体を備えた保護心線222IIaを有し、それらはそれぞれ保護導体224と保護導体224を包囲する、絶縁シース226とを有している。
【0343】
2つの保護心線222Ia、222IIaは、相束144を中心とする撚り方向232で、したがってまた内側層172内へ巻かれており、その場合に好ましくはその撚り方向232は、相束144内の相心線142の撚り方向158に対して反対方向である。
【0344】
好ましくは保護心線222は、外側層212内に互いに対して対称に次のように、すなわち特にケーブル軸線118に対して垂直に延びる横断面内で保護心線222Iaと222IIaが、ケーブル100aの長手方向112に対して垂直に延びる横方向(ケーブル軸線118から保護心線222へ向かって方向付けされている)に関して互いに対向して配置されており、及び/又は特に2つの保護心線222Iaと222IIaがケーブル100aの長手方向112において撚り長さの半分だけ互いに変位して配置されるように、配置されている。
【0345】
特に保護心線222の各々において、保護心線222の撚りの撚り長さは等しい大きさである。
【0346】
特にケーブル100aは外側層212内にさらに複数の、それぞれ少なくとも1つの心線を有する、信号伝送のためのケーブル要素を有している。
【0347】
例えば、ケーブル100aは、例えばそれぞれ2つの信号線264Iと264IIからなる2つの信号線アセンブリ262Iと262IIを有している。したがって好ましくは2つの信号線264Iと264IIが信号対を形成するように組み合わされて、一緒になって特にツイスト対を形成する。信号線264の各々は、信号導体266と信号導体266を包囲する絶縁シース268を有している。
【0348】
いくつかの変形例において、信号伝送のための1つ又は複数のケーブル要素は、単に1つの信号線から形成されている。
【0349】
特に信号伝送のためのケーブル要素は、データ回線及び/又は制御回線及び/又はリゾルバ回線を形成する。
【0350】
いくつかの好ましい変形例において、1つ又は複数のケーブル要素は、さらに、少なくとも1つのその心線をケーブル内の他の心線に対してシールドするためのそれぞれのシールドを有し、その場合に例えばこのシールドは、金属材料から、及び/又は織物又はニット製品から形成されている。
【0351】
例えば、2つの心線264からなる2つの信号線アセンブリ262の少なくとも1つは、例えば
図9に信号線アセンブリ262IIについて例示されているように、一対の自己シールド274を有している。
【0352】
他の好ましい変形例においては、
図8と9に例示するように、ケーブル要素のための別体のシールドは設けられていない。特にケーブル要素は、ケーブル100の対称構造によって、他の心線の、特に相心線142の干渉性結合から充分に保護されている。したがってこれらの変形例において、構造的に著しく簡略化され、かつコスト的にさらに好ましい構造が得られる。
【0353】
信号伝送のためのケーブル要素、特に信号線アセンブリ262は、撚り方向232で相束144の周り、又は内側層172の周りにも巻き付けられており、その撚り方向は保護心線222の撚り方向232と等しく方向付けされており、かつ例えば相束144内の相心線142の撚り方向158とは反対方向である。その場合に特に信号伝送のためのケーブル要素の相束144を中心に撚る撚り長さは、保護心線222の撚りの撚り長さに等しい。
【0354】
信号線アセンブリ262の内部で、複数の、特に2つの信号線が、例えば少なくとも近似的に20mmから80mmまでの領域内にあり、及び/又は信号線アセンブリ262が相束144の周りに巻かれる撚り長さよりも短い、撚り長さで撚られている。
【0355】
信号線アセンブリ262内の信号線264の撚りの撚り方向は、例えばいくつかの変形例において、信号線アセンブリ262が相束144の周りに巻かれる撚り方向232と等しく方向付けされている。
【0356】
この実施形態の他の変形例において、信号線アセンブリ262内で信号線264が撚り合わされる撚り方向は、相束144の周りに信号線アセンブリ262が撚り合わされる撚り方向232に対して反対方向に配向される。
【0357】
したがって信号線アセンブリ262の長手方向の範囲に沿って、複数の相心線を有する好ましくは対称の相束144に対する信号線264の方向付けは、常に変化するので、好ましくは破壊的干渉によって、相心線内の電流から信号線内への磁気的干渉性結合が少なくとも減少する。
【0358】
好ましくは信号伝送のためのケーブル要素、したがって例えば信号線アセンブリ262Iと262IIは、特にケーブル軸線118に対して対称に配置されているので、例えばケーブル軸線に対して垂直に延びる横断面において、長手方向112に対して垂直に延び、かつケーブル軸線118から信号線アセンブリ262の1つへ方向付けされた横方向において、信号線アセンブリ262Iと262IIは互いに対向して配置されている。
【0359】
好ましくは信号伝送のためのケーブル要素、特に信号線アセンブリ262と保護心線222は、外側層212内で互いに対して対称に配置されている。
【0360】
特に、例えばケーブル軸線118に対して垂直にケーブル100aを通る横断面に関して、外側層212内に周方向126に交互に連続してそれぞれ信号伝送のためのケーブル要素と保護導体が配置されている。
【0361】
特に外側層212のケーブル要素、したがってここでは特に保護導体と信号伝送のためのケーブル要素が、ケーブル100aの長手方向112において互いに対してそれぞれ変位間隔だけ変位して配置されており、その場合に特に変位間隔は、外側層212内のケーブル要素の全数によって割った、相束144の周りにそれらが巻かれた、撚り長さに相当する。したがってこの実施形態において、4つのケーブル要素が互いに対して、特に保護導体が隣接して配置された信号伝送用のケーブル要素に対して、ケーブル100aの長手方向112において、撚り長さ232の4分の1に相当する変位間隔で、互いに変位して配置されている。
【0362】
実施形態のいくつかの好ましい変形例において、外側層212とシース122との間にさらに、特に上述した実施形態との関連において記述されるような、シールド層252が、例えば
図8に示すように、配置されている。特にこのシールド層252によって、ケーブル100aの周囲からのケーブル内部132の付加的なシールドが達成される。
【0363】
この実施形態のいくつかの好ましい変形例において、外側層212とケーブル100aのシース122との間には、
図9に例示するように、シールド層は配置されていない。特にシールド層は、必要とされない。というのは、ケーブル100aの好ましくは対称の構造によって、充分に良好な電磁互換が達成され、かつ干渉性結合を充分に回避できるからである。
【0364】
その他、この実施形態の変形例は、好ましくは少なくとも部分的に、例えば実質的に、第1の実施形態におけるとの等しく形成されているので、補足的な説明に関して、特にケーブル100a及び/又は心線及び/又は内側層と外側層及び/又は内側層172と外側層212の間の結合層182及び/又はシース122の構造及び/又は他の好ましい形成に関して、全ての内容で第1の実施形態に関連する説明が参照される。
100a100a
【符号の説明】
【0365】
100 ケーブル
112 ケーブルの長手方向
114 ケーブルの横方向
118 ケーブル軸線
122 シース
124 外側
126 周方向
132 ケーブル内部
134 シースの内側
142 相心線
144 相束
146 相導体
148 絶縁シース
152 相心線の長手方向
154 相心線の横方向
158 相束の撚り方向
159 相束の長手方向
162 束軸線
166 接続線
172 内側層
174 中央領域
182 結合層
184 結合層の内側
186 結合層の外側
212 外側層
222 保護心線
224 保護導体
226 絶縁シース
228 長手方向
232 撚り方向
234 交差箇所
242 充填材料
246 ダミーワイヤー
252 シールド層
262 信号線アセンブリ
264 信号線
266 信号導体
268 絶縁シース
274 自己シールド
【国際調査報告】