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特表2024-523773フレキシブル表示装置及び支持アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置及び支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240625BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240625BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240625BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240625BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240625BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
G09F9/00 351
H10K59/10
H10K77/10
H10K71/00 851
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526158
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2021096050
(87)【国際公開番号】W WO2022246688
(87)【国際公開日】2022-12-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】王 浩然
(72)【発明者】
【氏名】劉 陸
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC41
3K107DD17
3K107EE63
3K107FF15
3K107GG28
3K107GG54
5C094AA31
5C094BA23
5C094BA27
5C094DA06
5C094FB02
5C094HA08
5C094JA08
5G435AA14
5G435BB04
5G435BB05
5G435EE13
5G435EE16
5G435EE20
5G435HH20
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
本願は、表示技術の分野に関するものであり、ロールディスプレイの構造を改良し、ロールディスプレイのロール及び展開動作の信頼性を向上させるという目的で、フレキシブル表示装置及び支持アセンブリを開示する。フレキシブル表示装置は、ロールシャフトと、フレキシブルモジュールとを含み、前記フレキシブルモジュールは、ロール摺動エリア及び平面エリアを含み、前記ロール摺動エリアは、前記ロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブルモジュールの展開及び収納を実現するように構成され、前記フレキシブルモジュールは、フレキシブル表示スクリーン及び支持アセンブリを含み、前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記ロールシャフトの表面に向く側に設けられ、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、前記フレキシブルモジュールの移動方向に沿って配列され、各々の支持ストリップは、延在方向が前記ロールシャフトと一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示装置であって、
ロールシャフトと、
ロール摺動エリア及び平面エリアを含むフレキシブルモジュールであって、前記ロール摺動エリアは、前記ロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブルモジュールの展開及び収納を実現するように構成され、前記フレキシブルモジュールは、フレキシブル表示スクリーン及び支持アセンブリを含み、前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記ロールシャフトの表面に向く側に設けられ、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、前記フレキシブルモジュールの移動方向に沿って配列され、各々の支持ストリップは、延在方向が前記ロールシャフトと一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されているフレキシブルモジュールとを含む、フレキシブル表示装置。
【請求項2】
引張力印加アセンブリを更に含み、
前記支持アセンブリは、対向して設けられた第一端及び第二端を含み、前記支持アセンブリは、前記第一端から前記第二端の方向に沿って前記ロールシャフトを回るとともに、前記第一端が前記引張力印加アセンブリに繋がれている、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記引張力印加アセンブリは、牽引部、転向軸アセンブリ及び固定部を含み、
前記牽引部は、第三端及び第四端を含み、前記第三端が前記第一支持部材に繋がれ、前記第四端が前記転向軸アセンブリを回って前記固定部に繋がれ、
前記ロールシャフトは、前記フレキシブルモジュールが前記ロールシャフト回りに移動されて展開されるように、前記固定部に対して移動可能である、請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記転向軸アセンブリは、1つの可動軸及び1つの固定軸を含み、前記牽引部は、延在方向が2回反転されるように、前記固定軸及び前記可動軸を回っており、
前記固定軸の軸心と前記固定部との相対位置が固定され、前記可動軸の軸心と前記ロールシャフトの軸心との相対位置が固定されている、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記牽引部と前記第一支持部材との間に位置する第一接着層を更に含み、前記牽引部と前記第一支持部材とは、前記第一接着層を介して接着されている、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記第一支持部材における前記第一端に近い縁は、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁から食み出しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンから食み出した部分に繋がれている、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンに向く側の表面に接着されている、請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記牽引部は、二層構造を含み、前記二層構造は、前記第一支持部材の両側の表面にそれぞれ接着されている、請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記第一支持部材における前記第一端に近い縁と、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁とは、略整合しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側の表面に接着されている、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
前記第一支持部材の厚さ方向に沿って、前記第一支持部材に第一開口が設けられ、前記牽引部に第二開口が設けられ、前記第一支持部材と前記牽引部とは、前記第一開口及び前記第二開口に挿入された接続部材を介して繋がれており、前記接続部材は、高分子材料である、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記第一開口は、前記第一支持部材を貫通していないハーフスルーホール、又は、前記第一支持部材を貫通したスルーホールであり、前記第二開口は、前記牽引部を貫通したスルーホールである、請求項10に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項12】
ハウジングを更に含み、前記ロールシャフト及び前記引張力印加アセンブリは、前記ハウジング内に位置し、
前記支持アセンブリの第一端は、前記ハウジング内に位置し、前記支持アセンブリの第二端は、前記ロールシャフトを回って前記ハウジング外に突き出している、請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項13】
前記第一支持部材には、前記ロール摺動エリアに肉抜き開口が設けられている、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項14】
前記第一支持部材には、前記ロール摺動エリア及び前記平面エリアの両方に肉抜き開口が設けられている、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項15】
前記肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホールを含み、各々の列のスルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目の前記スルーホールと、偶数列目の前記スルーホールとは、少なくとも部分的にずらして設けられており、前記スルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である、請求項13又は14に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項16】
前記第二支持部材は、前記ロール摺動エリアに位置する、請求項1~14の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項17】
前記支持アセンブリは、補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面エリアに位置する、請求項16に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項18】
前記補強構造は、前記第一支持部材又は前記第二支持部材と同じ材料である、請求項17に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項19】
前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じである、請求項17に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項20】
前記第二支持部材と前記第一支持部材との間に位置する第二接着層を更に含み、前記第二支持部材と前記第一支持部材とは、前記第二接着層を介して接着され、
前記第二接着層は、基材層と、前記基材層の両側に位置する粘着層とを含み、前記基材層は、高分子材料である、請求項1~14の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項21】
前記第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、前記第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである、請求項1~14の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項22】
前記第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、前記第二支持部材における各々の前記支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の前記支持ストリップは、前記第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである、請求項1~14の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項23】
前記複数の支持ストリップのうち、少なくとも一部の支持ストリップに位置規制部が設けられており、前記少なくとも一部の支持ストリップとそれに隣り合う支持ストリップとの間の相対位置が前記位置規制部によって規制される、請求項1~14の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項24】
前記位置規制部は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含み、前記凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起を含み、前記凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む、請求項23に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項25】
前記複数の支持ストリップは、片側の端部に位置する第一支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップのうち、前記第一支持ストリップ以外の他の支持ストリップにおける前記第一支持ストリップに向く側には、何れも前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である、請求項24に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項26】
前記複数の支持ストリップは、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップと、2つの端部支持ストリップ間に位置する中間支持ストリップとを含み、各々の前記中間支持ストリップにおける前記2つの端部支持ストリップに向く両側には、ともに前記位置規制部が設けられており、各々の前記端部支持ストリップにおける中間支持ストリップに向く側には、前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である、請求項24に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項27】
各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、前記第一種の位置規制部と前記第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである、請求項24に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項28】
前記複数の支持ストリップには、少なくとも2列の位置規制部が設けられ、各々の列の位置規制部は、支持ストリップの配列方向に沿って整合するように設けられている、請求項24に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項29】
隣り合う列の位置規制部は、交互に設けられている、請求項28に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項30】
各々の支持ストリップは、2段以上のストリップ体を含み、前記複数の支持ストリップにおける各段のストリップ体が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体上には、少なくとも1列の位置規制部が設けられている、請求項28に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項31】
支持アセンブリであって、前記支持アセンブリは、フレキシブル表示スクリーンの非表示面側に設けられるように構成され、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、第一方向に沿って配列され、各前記支持ストリップは、延在方向が一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されている、支持アセンブリ。
【請求項32】
前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンとともにロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブル表示スクリーンの展開及び収納を実現するように構成され、前記第一支持部材は、ロール摺動部及び平面部を含み、前記ロール摺動部は、前記ロールシャフト回りに移動するように構成され、
前記ロール摺動部に肉抜き開口が設けられているか、又は、前記ロール摺動部及び前記平面部の両方に肉抜き開口が設けられている、請求項31に記載の支持アセンブリ。
【請求項33】
前記肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホールを含み、各々の列のスルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目の前記スルーホールと、偶数列目の前記スルーホールとは、少なくとも部分的にずらして設けられており、前記スルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である、請求項32に記載の支持アセンブリ。
【請求項34】
前記第二支持部材は、前記ロール摺動部に位置する、請求項32に記載の支持アセンブリ。
【請求項35】
補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面部に位置する、請求項34に記載の支持アセンブリ。
【請求項36】
前記補強構造は、前記第一支持部材又は前記第二支持部材と同じ材料である、請求項35に記載の支持アセンブリ。
【請求項37】
前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じである、請求項35に記載の支持アセンブリ。
【請求項38】
前記第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、前記第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである、請求項31に記載の支持アセンブリ。
【請求項39】
前記第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、前記第二支持部材における各々の前記支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の前記支持ストリップは、前記第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである、請求項31に記載の支持アセンブリ。
【請求項40】
前記複数の支持ストリップのうち、少なくとも一部の支持ストリップに位置規制部が設けられており、前記支持ストリップとそれに隣り合う支持ストリップとの間の相対位置が前記位置規制部によって規制される、請求項31~39の何れか一項に記載の支持アセンブリ。
【請求項41】
前記位置規制部は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含み、前記凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起を含み、前記凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む、請求項40に記載の支持アセンブリ。
【請求項42】
前記複数の支持ストリップは、片側の端部に位置する第一支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップのうち、前記第一支持ストリップ以外の他の支持ストリップにおける前記第一支持ストリップに向く側には、何れも前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である、請求項41に記載の支持アセンブリ。
【請求項43】
前記複数の支持ストリップは、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップと、2つの端部支持ストリップ間に位置する中間支持ストリップとを含み、各々の前記中間支持ストリップにおける前記2つの端部支持ストリップに向く両側には、ともに前記位置規制部が設けられており、各々の前記端部支持ストリップにおける中間支持ストリップに向く側には、前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である、請求項41に記載の支持アセンブリ。
【請求項44】
各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、前記第一種の位置規制部と前記第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである、請求項41に記載の支持アセンブリ。
【請求項45】
前記複数の支持ストリップには、少なくとも2列の位置規制部が設けられ、各々の列の位置規制部は、支持ストリップの配列方向に沿って整合するように設けられている、請求項41に記載の支持アセンブリ。
【請求項46】
隣り合う列の位置規制部は、交互に設けられている、請求項45に記載の支持アセンブリ。
【請求項47】
各々の支持ストリップは、2段以上のストリップ体を含み、前記複数の支持ストリップにおける各段のストリップ体が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体上には、少なくとも1列の位置規制部が設けられている、請求項45に記載の支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術の分野に関し、特に、フレキシブル表示装置及び支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール表示は、フレキシブル表示の新しい応用形態として、大きな注目を集めている。ロール動作は、継続的な引張力印加及び回動可能な軸の方式によって実現できる。ロールディスプレイに使用可能な表示スクリーンは、一般に、ロール及び展開動作の実現を支援する支持構造を必要とし、支持構造の設計は、ロールディスプレイのロール実現方式及び信頼性に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、ロールディスプレイの構造を改良し、ロールディスプレイのロール及び展開動作の信頼性を向上させるという目的で、フレキシブル表示装置及び支持アセンブリを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一局面において、本願の実施例は、フレキシブル表示装置であって、
ロールシャフトと、
ロール摺動エリア及び平面エリアを含むフレキシブルモジュールであって、前記ロール摺動エリアは、前記ロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブルモジュールの展開及び収納を実現するように構成され、前記フレキシブルモジュールは、フレキシブル表示スクリーン及び支持アセンブリを含み、前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記ロールシャフトの表面に向く側に設けられ、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、前記フレキシブルモジュールの移動方向に沿って配列され、各々の支持ストリップは、延在方向が前記ロールシャフトと一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されているフレキシブルモジュールとを含む、フレキシブル表示装置を提供している。
【0005】
選択的に、前記フレキシブル表示装置は、引張力印加アセンブリを更に含み、
前記支持アセンブリは、対向して設けられた第一端及び第二端を含み、前記支持アセンブリは、前記第一端から前記第二端の方向に沿って前記ロールシャフトを回るとともに、前記第一端が前記引張力印加アセンブリに繋がれている。
【0006】
選択的に、前記引張力印加アセンブリは、牽引部、転向軸アセンブリ及び固定部を含み、
前記牽引部は、第三端及び第四端を含み、前記第三端が前記第一支持部材に繋がれ、前記第四端が前記転向軸アセンブリを回って前記固定部に繋がれ、
前記ロールシャフトは、前記フレキシブルモジュールが前記ロールシャフト回りに移動されて展開されるように、前記固定部に対して移動可能である。
【0007】
選択的に、前記転向軸アセンブリは、1つの可動軸及び1つの固定軸を含み、前記牽引部は、延在方向が2回反転されるように、前記固定軸及び前記可動軸を回っており、
前記固定軸の軸心と前記固定部との相対位置が固定され、前記可動軸の軸心と前記ロールシャフトの軸心との相対位置が固定されている。
【0008】
選択的に、前記フレキシブル表示装置は、前記牽引部と前記第一支持部材との間に位置する第一接着層を更に含み、前記牽引部と前記第一支持部材とは、前記第一接着層を介して接着されている。
【0009】
選択的に、前記第一支持部材における前記第一端に近い縁は、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁から食み出しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンから食み出した部分に繋がれている。
【0010】
選択的に、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンに向く側の表面に接着されている。
【0011】
選択的に、前記牽引部は、二層構造を含み、前記二層構造は、前記第一支持部材の両側の表面にそれぞれ接着されている。
【0012】
選択的に、前記第一支持部材における前記第一端に近い縁と、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁とは、略整合しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側の表面に接着されている。
【0013】
選択的に、前記第一支持部材の厚さ方向に沿って、前記第一支持部材に第一開口が設けられ、前記牽引部に第二開口が設けられ、前記第一支持部材と前記牽引部とは、前記第一開口及び前記第二開口に挿入された接続部材を介して繋がれており、前記接続部材は、高分子材料である。
【0014】
選択的に、前記第一開口は、前記第一支持部材を貫通していないハーフスルーホール、又は、前記第一支持部材を貫通したスルーホールであり、前記第二開口は、前記牽引部を貫通したスルーホールである。
【0015】
選択的に、前記フレキシブル表示装置は、ハウジングを更に含み、前記ロールシャフト及び前記引張力印加アセンブリは、前記ハウジング内に位置し、
前記支持アセンブリの第一端は、前記ハウジング内に位置し、前記支持アセンブリの第二端は、前記ロールシャフトを回って前記ハウジング外に突き出している。
【0016】
選択的に、前記第一支持部材には、前記ロール摺動エリアに肉抜き開口が設けられている。
【0017】
選択的に、前記第一支持部材には、前記ロール摺動エリア及び前記平面エリアの両方に肉抜き開口が設けられている。
【0018】
選択的に、前記肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホールを含み、各々の列のスルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目の前記スルーホールと、偶数列目の前記スルーホールとは、少なくとも部分的にずらして設けられており、前記スルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である。
【0019】
選択的に、前記第二支持部材は、前記ロール摺動エリアに位置する。
【0020】
選択的に、前記支持アセンブリは、補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面エリアに位置する。
【0021】
選択的に、前記補強構造は、前記第一支持部材又は前記第二支持部材と同じ材料である。
【0022】
選択的に、前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じである。
【0023】
選択的に、前記フレキシブル表示装置は、前記第二支持部材と前記第一支持部材との間に位置する第二接着層を更に含み、前記第二支持部材と前記第一支持部材とは、前記第二接着層を介して接着され、
前記第二接着層は、基材層と、前記基材層の両側に位置する粘着層とを含み、前記基材層は、高分子材料である。
【0024】
選択的に、前記第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、前記第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである。
【0025】
選択的に、前記第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、前記第二支持部材における各々の前記支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の前記支持ストリップは、前記第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである。
【0026】
選択的に、前記複数の支持ストリップのうち、少なくとも一部の支持ストリップに位置規制部が設けられており、前記少なくとも一部の支持ストリップとそれに隣り合う支持ストリップとの間の相対位置が前記位置規制部によって規制される。
【0027】
選択的に、前記位置規制部は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含み、前記凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起を含み、前記凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む。
【0028】
選択的に、前記複数の支持ストリップは、片側の端部に位置する第一支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップのうち、前記第一支持ストリップ以外の他の支持ストリップにおける前記第一支持ストリップに向く側には、何れも前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である。
【0029】
選択的に、前記複数の支持ストリップは、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップと、2つの端部支持ストリップ間に位置する中間支持ストリップとを含み、各々の前記中間支持ストリップにおける前記2つの端部支持ストリップに向く両側には、ともに前記位置規制部が設けられており、各々の前記端部支持ストリップにおける中間支持ストリップに向く側には、前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である。
【0030】
選択的に、各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、前記第一種の位置規制部と前記第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである。
【0031】
選択的に、前記複数の支持ストリップには、少なくとも2列の位置規制部が設けられ、各々の列の位置規制部は、支持ストリップの配列方向に沿って整合するように設けられている。
【0032】
選択的に、隣り合う列の位置規制部は、交互に設けられている。
【0033】
選択的に、各々の支持ストリップは、2段以上のストリップ体を含み、前記複数の支持ストリップにおける各段のストリップ体が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体上には、少なくとも1列の位置規制部が設けられている。
【0034】
本願の実施例は、支持アセンブリであって、前記支持アセンブリは、フレキシブル表示スクリーンの非表示面側に設けられるように構成され、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、第一方向に沿って配列され、各前記支持ストリップは、延在方向が一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されている、支持アセンブリを更に提供している。
【0035】
選択的に、前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンとともにロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブル表示スクリーンの展開及び収納を実現するように構成され、前記第一支持部材は、ロール摺動部及び平面部を含み、前記ロール摺動部は、前記ロールシャフト回りに移動するように構成され、
前記ロール摺動部に肉抜き開口が設けられているか、又は、前記ロール摺動部及び前記平面部の両方に肉抜き開口が設けられている。
【0036】
選択的に、前記肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホールを含み、各々の列のスルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目の前記スルーホールと、偶数列目の前記スルーホールとは、少なくとも部分的にずらして設けられており、前記スルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である。
【0037】
選択的に、前記第二支持部材は、前記ロール摺動部に位置する。
【0038】
選択的に、前記支持アセンブリは、補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面部に位置する。
【0039】
選択的に、前記補強構造は、前記第一支持部材又は前記第二支持部材と同じ材料である。
【0040】
選択的に、前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じである。
【0041】
選択的に、前記第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、前記第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである。
【0042】
選択的に、前記第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、前記第二支持部材における各々の前記支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の前記支持ストリップは、前記第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである。
【0043】
選択的に、前記複数の支持ストリップのうち、少なくとも一部の支持ストリップに位置規制部が設けられており、前記支持ストリップとそれに隣り合う支持ストリップとの間の相対位置が前記位置規制部によって規制される。
【0044】
選択的に、前記位置規制部は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含み、前記凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起を含み、前記凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む。
【0045】
選択的に、前記複数の支持ストリップは、片側の端部に位置する第一支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップのうち、前記第一支持ストリップ以外の他の支持ストリップにおける前記第一支持ストリップに向く側には、何れも前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である。
【0046】
選択的に、前記複数の支持ストリップは、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップと、2つの端部支持ストリップ間に位置する中間支持ストリップとを含み、各々の前記中間支持ストリップにおける前記2つの端部支持ストリップに向く両側には、ともに前記位置規制部が設けられており、各々の前記端部支持ストリップにおける中間支持ストリップに向く側には、前記位置規制部が設けられており、前記位置規制部は、凸起構造である。
【0047】
選択的に、各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、前記第一種の位置規制部と前記第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである。
【0048】
選択的に、前記複数の支持ストリップには、少なくとも2列の位置規制部が設けられ、各々の列の位置規制部は、支持ストリップの配列方向に沿って整合するように設けられている。
【0049】
選択的に、隣り合う列の位置規制部は、交互に設けられている。
【0050】
選択的に、各々の支持ストリップは、2段以上のストリップ体を含み、前記複数の支持ストリップにおける各段のストリップ体が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体上には、少なくとも1列の位置規制部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の部分断面構造模式図である。
図2】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の収納状態での構造模式図である。
図3】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の展開状態での構造模式図である。
図4】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の表示モジュールと引張力印加アセンブリとの接続部位での断面構造模式図である。
図5】本願の別の一実施例によるフレキシブル表示装置の表示モジュールと引張力印加アセンブリとの接続部位での断面構造模式図である。
図6】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の第一支持部材と牽引部との接続箇所での断面構造模式図である。
図7】本願の別の一実施例によるフレキシブル表示装置の第一支持部材と牽引部との接続箇所での断面構造模式図である。
図8】本願の実施例によるフレキシブル表示装置の第一支持部材と牽引部との接続箇所でのトップビュー構造模式図である。
図9】本願の実施例によるフレキシブル表示装置における第一支持部材の構造模式図である。
図10】本願の実施例による支持アセンブリの構造模式図である。
図11】本願の実施例による支持アセンブリの断面構造模式図である。
図12】本願の実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図13】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図14】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図15】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図16】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図17】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図18】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図19】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図20】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図21】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図22】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
図23】本願の別の一実施例による支持アセンブリにおける第二支持部材の部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確且つ完全に説明するが、明らかなことに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、何れも本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0053】
理解されたいのは、本発明の実施例を説明するためにここで使用される用語は、本発明の範囲を制限及び/又は限定することを意図するものではない。例えば、特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる通常の意味を有する。本発明に使用される「第一」、「第二」及び類似した用語は、いかなる順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。脈上明確に別段の指示がない限り、単数形の「1つ」、「一」又は「当該」及び類似した用語も、数の制限を示すものではなく、少なくとも1つあることを示す。
【0054】
図1図2及び図3に示すように、本願の実施例は、フレキシブル表示装置を提供しており、当該フレキシブル表示装置は、
ロールシャフト1と、
ロール摺動エリア及び平面エリアをフレキシブルモジュール20であって、ロール摺動エリアは、ロールシャフト1回りに移動して、フレキシブルモジュール20の展開及び収納を実現するように構成されたフレキシブルモジュール20とを含む。
【0055】
「ロール摺動エリア」とは、フレキシブルモジュールにおけるロール及び展開運動時にロールシャフトを通過する領域であり、ロール部と称されてもよく、それに対応して、「平面エリア」とは、フレキシブルモジュールにおけるロール及び展開運動時にロールシャフトを通過しない領域であり、非ロール部と称されてもよい。
【0056】
フレキシブルモジュール20は、フレキシブル表示スクリーン2及び支持アセンブリ3を含み、支持アセンブリ3は、フレキシブル表示スクリーン2におけるロールシャフト1の表面に向く側に設けられ、第一支持部材31及び第二支持部材32を含み、第一支持部材31は、折り曲げ可能な板状構造であり、第二支持部材32は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーン2と反対側に設けられ、複数の支持ストリップ321を含み、複数の支持ストリップ321は、フレキシブルモジュール20の移動方向(図1における両矢印が指し示すような方向が、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに往復移動する方向であり)に沿って配列され、各々の支持ストリップ321は、延在方向がロールシャフト1と一致するとともに、第一支持部材31上に固定されている。
【0057】
本願の実施例によるフレキシブル表示装置は、支持アセンブリ3を用いてフレキシブル表示スクリーン2を支持し、支持アセンブリ3は、ロールシャフト1回りに移動して、フレキシブル表示スクリーン2に展開及び収納を実現させるようになっていることが可能であり、そして、支持アセンブリ3に継続的な引張力を印加するとともにロールシャフト1によって支持アセンブリ3を支持することで、支持アセンブリ3を張り切ったフラット状態に維持し、更にフレキシブルモジュール20の展開及び収納動作の信頼性を保証することができる。
【0058】
具体的に、支持アセンブリ3において、第一支持部材31は、板状構造であり、フレキシブル表示スクリーン2の裏面に近接し、その主な機能が、フレキシブル表示スクリーン2の寸法及び形状を固定し、フレキシブルモジュール20の支持性及び動的ロールの信頼性を高めることであり、選択的に、第二支持部材32は、互いに独立した複数の支持ストリップ321であってもよく、支持ストリップ321同士の間には、物理的な接続がなく、これらの支持ストリップ321は、ロールシャフト1の表面の近くに設けられ、互いに平行であるとともに延在方向がロールシャフト1と一致し、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りにロール移動する中には、独立した支持ストリップ321の設計によれば、フレキシブルモジュール20への応力の影響を可能な限り低減し、フレキシブルモジュール20のロールの信頼性を向上させることができるとともに、フレキシブルモジュール20全体の反発力を低減し、フレキシブル表示装置全体の組み立ての難度及びロール動作の実現の難度を低減することもでき、また、支持ストリップ321は、支持機能を提供しながら、フレキシブルモジュール20とロールシャフト1との間の摩擦力を強化し、更にフレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに移動して巻き取られたり、展開されたりする際の安定性及び信頼性を向上させることもできる。
【0059】
上記をまとめて、第一支持部材31と第二支持部材32との二層支持構造によれば、フレキシブル表示スクリーン2のフラット状態を維持するとともに、フレキシブルモジュール20のロールの信頼性を高め、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに移動して展開及び収納動作を実現する際の確実性を向上させ、更にフレキシブル表示装置の組み立ての歩留まり及び使用寿命を向上させることができる。
【0060】
いくつかの実施例において、フレキシブル表示スクリーン2と第一支持部材31とは、接着固定されてもよいし、第一支持部材31と第二支持部材32とも、接着固定されてもよく、又は、第一支持部材31と第二支持部材32とは、一体成形されてもよい。
【0061】
例示的に、図4及び図5に示すように、フレキシブル表示スクリーン2は、フレキシブルディスプレイ21及びカバープレート22を含んでもよく、カバープレート22は、フレキシブルディスプレイ21における支持アセンブリ3と反対側に位置し、フレキシブルディスプレイ21の表示面側を支持及び保護できる。
【0062】
いくつかの実施例において、本願の実施例によるフレキシブル表示装置は、引張力印加アセンブリ(例えば図1図3における牽引部4、転向軸アセンブリ5及び固定部6)を更に含んでもよい。図1図3に示すように、支持アセンブリ3は、対向して設けられた第一端及び第二端を含み、支持アセンブリ3は、第一端から第二端の方向に沿ってロールシャフト1を回るとともに、支持アセンブリ3の第一端が引張力印加アセンブリに繋がれている。
【0063】
具体的に、支持アセンブリ3の第一端は、引張力印加アセンブリに繋がれており、引張力印加アセンブリから印加された引張力及びロールシャフト1の支持によれば、フレキシブルモジュール20の固定及びロール動作を実現できる。
【0064】
例示的に、図1図3に示すように、引張力印加アセンブリは、牽引部4、転向軸アセンブリ5及び固定部6を含み、牽引部4は、第三端及び第四端を含み、第三端が支持アセンブリ3の第一支持部材31に繋がれ、第四端が転向軸アセンブリ5を回って固定部6に繋がれており、ロールシャフト1は、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに移動されて展開されるように、固定部6に対して移動可能である。
【0065】
例示的に、牽引部4は、フレキシブルバンド又はフレキシブルロープであってもよい。
【0066】
例示的に、転向軸アセンブリ5は、1つの可動軸52及び1つの固定軸51を含んでもよく、牽引部4は、その延在方向が2回反転されるように、順次に当該固定軸51及び可動軸52を回っており、固定軸51の軸心と固定部6との相対位置が固定され、例えば、固定軸51と固定部6とは、相対位置が固定されるように、ハウジングの同一部分に接続されていてもよく、可動軸52の軸心とロールシャフト1の軸心との相対位置が固定され、例えば、可動軸52の中心軸とロールシャフト1の中心軸とは、両者の相対位置が変わらないことを保証されるように、連接棒を介して繋がれていてもよく、可動軸52とロールシャフト1とは、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに移動されて展開されるように、同期移動可能である。
【0067】
例示的に、固定軸51は、転動可能な軸であってもよいし、転動不能な円柱ピンであってもよく、同様に、可動軸52は、転動可能な軸であってもよいし、転動不能な円柱ピンであってもよい。選択的に、固定軸51は、円柱ピンを用い、可動軸52は、転動可能な軸を用いる。
【0068】
例示的に、ロールシャフト1は、転動可能な軸であり、フレキシブルモジュール20とロールシャフト1とは、制振接触とされ、両者は、互いに連動可能であり、フレキシブルモジュール20がロールシャフト1回りに移動する中には、ロールシャフト1が同期転動する。
【0069】
具体的に、2回の反転において、毎回反転された後、牽引部4の延在方向は、反転前の延在方向に平行である。こうして、牽引部4を全体的に1つの次元方向に延在させ、即ち、ロールシャフト1と固定部6との間で延在させることができ、更に、ロールシャフト1、牽引部4、転向軸アセンブリ5及び固定部6によって占有される空間体積を減少させ、それらをモジュールハウジング7内に収容し易くすることができる一方で、固定部6から離れる方向への可動軸52とロールシャフト1との同期移動、及びロールシャフト1の転動によれば、フレキシブルモジュール20をロールシャフト1回りに移動させることができ、フレキシブルモジュール20の展開動作の実現に有利である。
【0070】
例示的に、牽引部4は、一定の引張り張力を維持でき、当該引張り張力によれば、フレキシブルモジュール20、可動軸52及びロールシャフト1を固定部6に近づく方向へ引っ張ることができる。それにより、フレキシブルモジュール20の収納が実現される。
【0071】
例示的に、図1に示すように、フレキシブル表示装置は、ハウジング7を更に含み、ロールシャフト1及び引張力印加アセンブリは、何れもハウジング7内に位置し、支持アセンブリ3の第一端は、ハウジング7内に位置するとともに引張力印加アセンブリに繋がれ、支持アセンブリ3の第二端は、ロールシャフト1を回ってハウジング7外に突き出しており、即ち、フレキシブルモジュール20は、一端がハウジング7内に位置し、他端がロールシャフト1を回ってハウジング7外に突き出している。
【0072】
例示的に、ハウジング7は、互いに移動可能な2つの部分を含んでもよく、第一部分とロールシャフト1及び可動軸52との相対位置が固定され、第二部分と固定部6及び固定軸51との相対位置が固定されており、ロールシャフト1及び可動軸52が固定部6に対して移動すると、ハウジング7の第一部分と第二部分とは、互いに移動可能である。
【0073】
具体的に、例えば、固定部6は、ハウジング7内の第二部分における1つの接続部位であってもよく、フレキシブルモジュール20は、一端が引張力印加アセンブリを介して固定部6に接続され、他端がロールシャフト1を回ってハウジング7外に突き出している。図1及び図2に示すように、可動軸52及びロールシャフト1が固定部6から離れる方向に向かって移動すると、ロールシャフト1の転動により、フレキシブルモジュール20がハウジング7外に突き出して展開可能となり、図1及び図3に示すように、フレキシブルモジュール20は、牽引部4に引かれることで固定部6に近づく方向に向かって移動可能であり、その結果、ハウジング7内へのフレキシブルモジュール20の退避が実現される。
【0074】
勿論、本願の実施例によるフレキシブル表示装置のロール移動は、上記で説明した駆動方式に限定されず、実際の需要に応じて調整可能である。例えば、固定部6とロールシャフト1との相対位置を固定し、ロールシャフト1に対する可動軸52の往復移動により、牽引部4を駆動してフレキシブルモジュール20を移動させるようにしてもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、図4図5図6及び図7に示すように、本願の実施例によるフレキシブル表示装置は、牽引部4と第一支持部材31との間に位置する第一接着層81を更に含んでもよく、牽引部4と第一支持部材31とは、第一接着層81を介して接着されている。
【0076】
例示的に、第一支持部材31における第一端に近い縁は、フレキシブル表示スクリーン2における第一端に近い縁から食み出しており、牽引部4は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーン2から食み出した部分に繋がれている。換言すれば、第一支持部材31の長さは、フレキシブル表示スクリーン2の長さよりも大きく、第一支持部材31における長さ方向に沿ってフレキシブル表示スクリーン2から食み出した部分は、引張力印加アセンブリに繋ぐために使用され、引張力印加アセンブリは、第一支持部材31に引張力を印加することで、フレキシブルモジュール20全体がフラットに維持され、そのロール動作も実現される。
【0077】
例示的に、図4に示すように、牽引部4は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーン2に向く側の表面に接着されている。即ち、牽引部4の接着部位とフレキシブル表示スクリーン2とは、第一支持部材31の同じ側に位置する。
【0078】
又は、図5に示すように、牽引部4は、二層構造を含み、当該二層構造は、第一支持部材31の両側の表面にそれぞれ接着されている。即ち、牽引部4は、第一支持部材31の両側の表面の何れにも接着されて繋がれている。
【0079】
勿論、第一支持部材31における第一端に近い縁は、フレキシブル表示スクリーン2における第一端に近い縁と略整合していてもよく、この際、牽引部4は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーン2と反対側の表面に接着される。具体的に、「略整合」とは、2つの縁の間隔が非常に小さくて設定範囲内であり、例えば、2つの縁の間隔は、±1mm範囲内である。
【0080】
いくつかの実施例において、図6図7及び図8に示すように、第一支持部材31の厚さ方向に沿って、第一支持部材31に第一開口が設けられ、牽引部4に第二開口が設けられ、第一支持部材31と牽引部4とは、第一開口及び第二開口に挿入された接続部材9を介して繋がれている。こうして、第一支持部材31と牽引部4との間の結合強度を増加させることができるため、結合領域の幅が低減される。
【0081】
具体的に、接続部材は、高分子材料であってもよい。例えば、接続部材は、樹脂、ゴム、プラスチック及び塗料等の一定の粘度を有する高分子材料を含んでもよく、具体的に、塗布、充填及びその後の硬化によって形成可能である。こうすれば、孔開け及びディスペンスプロセスを用いて接続部材の材料を第一開口及び第二開口内に配置してもよく、接続部材の材料が硬化すると、第一支持部材と牽引部とを緊密に接続可能となる。具体的に、接続部材の材料は、シリコンゴム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂等であってもよい。
【0082】
例示的に、第一開口は、第一支持部材31を貫通していないハーフスルーホール、又は、第一支持部材31を貫通したスルーホールであってもよく、第二開口は、牽引部4を貫通したスルーホールであってもよい。
【0083】
いくつかの実施例において、図4及び図5に示すように、フレキシブルモジュール20は、第二支持部材32と第一支持部材31との間に位置する第二接着層82を更に含んでもよく、第二支持部材32と第一支持部材31とは、第二接着層82を介して接着されている。
【0084】
例示的に、当該第二接着層は、基材層と、基材層の両側に位置する粘着層とを含んでもよく、基材層は、高分子材料である。換言すれば、第二接着層は、両面粘着構造を用いてもよい。
【0085】
勿論、第二接着層は、両面粘着のものに限定されず、糊等の形態の粘着材を用いてもよく、また、第一接着層は、接着プロセスが一括で行われ易くなるように、第二接着層と同じ材料であってもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、第一支持部材には、ロール摺動エリアに肉抜き開口が設けられており、図9及び図10に示すように、第一支持部材31は、ロール摺動エリアに位置するロール摺動部311と、平面エリアに位置する平面部312とを含んでもよく、ロール摺動部311は、ロールシャフト回りに移動するように構成され、且つロール摺動部311に肉抜き開口が設けられている。
【0087】
「ロール摺動部」とは、第一支持部材におけるロール及び展開運動時にロールシャフトを通過する領域であり、ロール部と称されてもよく、それに対応して、「平面部」とは、第一支持部材におけるロール及び展開運動時にロールシャフトを通過しない領域であり、非ロール部と称されてもよい。
【0088】
第一支持部材のロール摺動部に肉抜き開口が設けられているため、当該部分のフレキシビリティを向上させ、ロールの信頼性を高めることができる。
【0089】
又は、第一支持部材には、ロール摺動エリア及び平面エリアの両方に肉抜き開口が設けられていてもよく、即ち、第一支持部材のロール摺動部311及び平面部312の両方に対して、パターン化された設計が行われてもよい。
【0090】
例示的に、図9に示すように、肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホール310を含み、各々の列のスルーホール310は、ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目のスルーホール310と偶数列目のスルーホール310とは、少なくとも部分的にずらして設けられており、スルーホールは、ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である。
【0091】
いくつかの実施例において、図10に示すように、第二支持部材32は、ロール摺動エリアに位置し、即ち、第二支持部材32は、第一支持部材31のロール摺動部311上に設けられ、言い換えれば、第二支持部材32は、フレキシブルモジュールにおけるロールシャフト回りにロール移動する部分に設けられている。
【0092】
具体的に、第二支持部材32は、少なくとも3本の支持ストリップ321を含む必要がある。
【0093】
具体的に、第二支持部材32は、並列するように設けられている独立したストリップ状の部材であるため、第二支持部材32とロールシャフトとが接触することで、ロール摺動エリア311の部分におけるフレキシブル表示スクリーンへの支持性を向上させることができるとともに、フレキシブルモジュールとロールシャフトとの摩擦力を強化し、フレキシブルモジュールがロールシャフト回りに移動して巻き取られる際の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0094】
いくつかの実施例において、図11に示すように、支持アセンブリは、補強構造33を更に含んでもよく、補強構造33は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ平面エリアに位置し、即ち第一支持部材31の平面部312に位置する。
【0095】
例示的に、補強構造33は、第一支持部材31又は第二支持部材32と同じ材料である。例えば、補強構造33は、ステンレス鋼板(SUS)を用いてもよい。
【0096】
例示的に、補強構造33と第一支持部材31とは、第三接着層83を介して接着固定されてもよく、当該第三接着層83は、第二接着層82と同じ材料であってもよい。
【0097】
いくつかの実施例において、第一支持部材31に垂直な方向において、補強構造33の厚さと第二支持部材32の厚さとは、略同じであり、ここでの略同じとは、両者の厚さが同じであるか、又は両者の厚さの差が10%以下であることを指す。
【0098】
いくつかの実施例において、第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、かかる金属又は合金材料は、例えばステンレス鋼、構造用鋼、チタン合金等の比較的ヤング率の高い金属又は合金材料であってもよいし、例えば銅及び銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の比較的ヤング率の低い金属であってもよい。
【0099】
例示的に、第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである。例えば、具体的には、0.03mm、0.08mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.3mmであってもよい。
【0100】
又は、第一支持部材は、一定の機械的強度を有するとともにフレキシビリティの信頼性要件を満たせる高分子膜層又は無機非金属層であってもよい。例えば、ポリイミド膜、ポリウレタンフォーム等の有機高分子材質であってもよいし、ガラス、セラミックス等の無機非金属材質であってもよい。
【0101】
いくつかの実施例において、第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、例えば、具体的に、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金等、又はフェライト、酸化ニッケル等の金属酸化物を含んでもよい。例示的に、第二支持部材における各々の支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の支持ストリップは、第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである。
【0102】
具体的に、支持ストリップに位置規制部又は凸出部等の構造が含まれる場合、「各々の支持ストリップの幅」とは、支持ストリップの本体部分(位置規制部又は凸出部以外の部分)の幅を指す。
【0103】
いくつかの実施例では、図12図23に示すように、第二支持部材において、複数の支持ストリップ321のうち、少なくとも一部の支持ストリップ321に位置規制部320が設けられており、当該少なくとも一部の支持ストリップ321とそれに隣り合う支持ストリップ321との間の相対位置が位置規制部320によって規制される。
【0104】
例示的に、位置規制部320は、支持ストリップ321の一部に属し、製作の際、支持ストリップの本体と一体成形されてもよい。
【0105】
具体的に、本願における支持ストリップ321は、微細構造であり、且つ互いに独立して設けられており、更に、実際に設ける際、各本の支持ストリップ321の位置及び支持ストリップ321同士の間隔を保証することは困難である。本願の実施例では、支持ストリップ321上に位置規制部320を設け、位置規制部320によって隣り合う支持ストリップ321の間の相対位置を規制することで、隣り合う支持ストリップ321の位置の確定及び間隔の維持を容易にすることができ、実際のプロセスにおいて、独立した支持ストリップ321に対する配列及び位置固定の難度を低減できる。
【0106】
例示的に、位置規制部320は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含んでもよい。
【0107】
例えば、図12図20における位置規制部320は、凸起構造であり、図21図23における位置規制部320は、凸起構造及び凹溝構造の両方を含む。
【0108】
例示的に、凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起等を含んでもよく、例えば、図12図15図20における位置規制部320は、弧状凸起であり、図13における位置規制部320は、矩形凸起であり、図14における位置規制部320は、台形凸起であり、図22における位置規制部320は、凹字状凸起3203を含み、図23における位置規制部320は、凹字状凸起3206を含む。
【0109】
例示的に、凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む。例えば、図21における位置規制部320は、弧状凹溝3202を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、図12図14に示すように、複数の支持ストリップ321は、片側の端部に位置する第一支持ストリップ3211を含み、複数の支持ストリップ321のうち、当該第一支持ストリップ3211以外の他の支持ストリップ321における当該第一支持ストリップ3211に向く側には、何れも位置規制部320が設けられており、位置規制部320は、凸起構造である。
【0111】
具体的に、「片側の端部」とは、支持ストリップの配列方向に沿った片端であるため、第一支持ストリップとは、1つの端部支持ストリップを指し、換言すれば、本願の実施例では、その1つの端部支持ストリップを除き、他の支持ストリップにおける当該端部に向く側には、何れも位置規制部が設けられている。こうして、隣り合う2つずつの支持ストリップ間の相対位置が何れも位置規制部によって規制可能であることを保証できる。
【0112】
別のいくつかの実施形態において、図15及び図16に示すように、複数の支持ストリップ321は、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップ3212と、2つの端部支持ストリップ3212の間に位置する中間支持ストリップ3213とを含む。具体的に、「両側の端部」とは、支持ストリップの配列方向に沿った両端であるため、2つの端部支持ストリップとは、両端に位置する支持ストリップを指す。
【0113】
例示的に、各々の中間支持ストリップ3213における2つの端部支持ストリップ3212に向く両側には、ともに位置規制部320が設けられており、各々の端部支持ストリップ3212における中間支持ストリップ3213に向く側には、位置規制部320が設けられており、位置規制部320は、凸起構造である。
【0114】
上記のように設けることで、隣り合う2つずつの支持ストリップ間には、何れも2つの位置規制部320が備えられ、具体的に、これら2つの位置規制部320によれば、隣り合う2つの支持ストリップ間の隙間を規制できるだけでなく、当該2つの位置規制部320の相対位置関係(例えば2つの位置規制部320が、支持ストリップに垂直な方向に整合するか又はずらしていること)によれば、2つの支持ストリップが延在方向に整合して設けられることを維持するのに有利である。
【0115】
いくつかの実施形態において、各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである。
【0116】
具体的に、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とが相補的に協働することで、隣り合う2つの支持ストリップを互いに位置規制させ、更に、隣り合う支持ストリップ間の位置ずれの発生を回避することができ、支持ストリップを並べる難度の低減に有利であるとともに、支持ストリップ同士の相対位置関係の維持に有利である。
【0117】
例えば、図21において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ弧状凸起3201及び弧状凹溝3202であり、弧状凸起3201及び弧状凹溝3202を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持でき、図22において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ円弧状凸起3204及び凹字状凸起3203であり、凹字状凸起3202の凹溝部分は、円弧状溝であり、円弧状凸起3204及び凹字状凸起3203を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持でき、図23において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ台形凸起3205及び凹字状凸起3206であり、凹字状凸起3206の凹溝部分は、台形溝であり、台形凸起3205及び凹字状凸起3206を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持できる。
【0118】
いくつかの実施形態において、図17図19に示すように、複数の支持ストリップ321には、少なくとも2列の位置規制部320が設けられ、当該少なくとも2列の位置規制部320は、支持ストリップ321の延在方向に沿って設けられ、各々の列の位置規制部320は、支持ストリップ321の配列方向に沿って整合するように設けられている。例えば、図17における複数の支持ストリップ321には、2列の位置規制部320が設けられ、図18における複数の支持ストリップ321には、3列の位置規制部320が設けられている。
【0119】
具体的に、本実施例の設計によれば、複数列の位置規制部320により、支持ストリップ321の延在方向における支持ストリップ321同士の間隔の安定性及び一致性を向上させることができる。
【0120】
いくつかの実施例において、図19に示すように、隣り合う列の位置規制部320は、交互に設けられている。言い換えれば、支持ストリップ321の位置規制部320同士は、2列以上の位置規制部320が形成されるように、互いにずらしていてもよい。
【0121】
いくつかの実施例において、図20に示すように、各々の支持ストリップ321は、2段以上のストリップ体3210を含んでもよく、複数の支持ストリップ321における各段のストリップ体3210が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体3210上には、少なくとも1列の位置規制部320が設けられている。即ち、1列の支持ストリップ321は、2列以上のストリップ体3210に分割され、各々の列のストリップ体3210上には、当該列の各段のストリップ体3210間の隙間及び/又は相対位置が維持されるように、位置規制部320が備えられているともいえる。
【0122】
本願の実施例では、各支持ストリップ321の間欠的な設計によれば、湾曲又は他のフレキシブル運動時の支持ストリップ321の破断の問題を回避又は排除し、支持アセンブリ3自体の湾曲運動の信頼性を向上させることができる。そして、各々の列のストリップ体3210には、何れも少なくとも1列の位置規制部320が設けられているため、各列のストリップ体3210間の隙間及び/又は相対位置を維持できる。
【0123】
具体的に、本願の上記各実施例によるフレキシブル表示装置は、フレキシブルOLED、フレキシブルmini-LED、フレキシブルMicro-LED又はフレキシブルQLED等のフレキシブル表示製品に適用可能であり、具体的に、携帯電話、タブレットPC又はノートブック等のロール表示に使用可能な製品に適用可能である。
【0124】
別の局面において、図9に示すように、本願の実施例は、支持アセンブリ3を更に提供しており、当該支持アセンブリ3は、フレキシブル表示スクリーンの非表示面側に設けられるように構成され、当該支持アセンブリ3は、第一支持部材31及び第二支持部材32を含み、第一支持部材31は、折り曲げ可能な板状構造であり、第二支持部材32は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップ321を含み、複数の支持ストリップ321は、第一方向に沿って配列され、各支持ストリップ321は、延在方向が一致するとともに、第一支持部材31上に固定されている。
【0125】
具体的に、本願による支持アセンブリ3において、第一支持部材31は、板状構造であり、フレキシブル表示スクリーンの裏面に近接し、その主な機能が、フレキシブル表示スクリーンの寸法及び形状を固定し、フレキシブルモジュールの支持性及び動的ロールの信頼性を高めることであり、選択的に、第二支持部材32は、互いに独立した複数の支持ストリップ321であってもよく、各支持ストリップ321同士の間には、物理的な接続がなく、これらの支持ストリップ321は、互いに平行であるとともに延在方向が一致し、フレキシブル表示スクリーンのロール中には、独立した支持ストリップ321の設計によれば、フレキシブルモジュールへの応力の影響を可能な限り低減し、フレキシブルモジュールのフレキシビリティの信頼性を向上させることができるとともに、フレキシブルモジュール全体の反発力を低減し、ロール表示装置全体の組み立ての難度及びフレキシブル動作の実現の難度を低減することもでき、また、支持ストリップ321は、支持機能を提供しながら、フレキシブル表示スクリーンと裏側における他の構造(例えばロール用のロールシャフト)との間の摩擦力を強化し、更にフレキシブルモジュールのロール動作の確実性及び信頼性を向上させることもできる。
【0126】
上記をまとめて、本願による支持アセンブリ3では、第一支持部材31と第二支持部材32との二層支持構造によれば、フレキシブル表示スクリーンのフラット状態を維持するとともに、フレキシブル表示スクリーンのフレキシビリティの信頼性及びロールの信頼性を高め、フレキシブル表示スクリーンのフレキシブルなロール動作の確実性を向上させ、ロール表示装置の組み立ての歩留まり及び使用寿命を向上させることができる。
【0127】
例示的に、本願の実施例において、第一方向は、フレキシブル表示スクリーンの一方側の縁の延在方向に一致してもよく、例えば、複数の支持ストリップ321の配列方向は、フレキシブル表示スクリーンの一方側の縁の延在方向と一致し、各支持ストリップ321の延在方向は、フレキシブル表示スクリーンの他方側の縁の延在方向と一致し、フレキシブル表示スクリーンは、軸線回りにロール又は展開可能であり、各支持ストリップ321の延在方向は、当該軸線の延在方向と一致する。
【0128】
いくつかの実施例において、第一支持部材31は、フレキシブル表示スクリーンの裏面の全体を覆うためのものである。即ち、第一支持部材31は、フレキシブル表示スクリーンと略同じ形状及び面積であってもよく、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーンと反対側において、第二支持部材32は、第一支持部材31の全体に均一に分布してもよいし、第一支持部材31の一部の領域のみに位置してもよく、具体的に、実際の製品の需要に応じて決定可能である。
【0129】
例示的に、本願の実施例による支持アセンブリは、フレキシブル表示スクリーンとともにロールシャフト回りに移動して、フレキシブル表示スクリーンの展開及び収納を実現するように構成され、図9及び図10に示すように、本願の実施例による支持アセンブリにおいて、第一支持部材31は、ロール摺動部311及び平面部312を含んでもよく、ロール摺動部311は、ロールシャフト回りに移動するように構成され、且つロール摺動部311に肉抜き開口が設けられている。
【0130】
「ロール摺動部」とは、第一支持部材におけるフレキシブル表示スクリーンとともにロール及び展開運動する時にロールシャフトを通過する領域であり、ロール部と称されてもよく、それに対応して、「平面部」とは、第一支持部材におけるロール及び展開運動時にロールシャフトを通過しない領域であり、非ロール部と称されてもよい。
【0131】
ロール摺動部311に肉抜き開口が設けられているため、当該部分のフレキシビリティを向上させ、ロールの信頼性を高めることができる。
【0132】
又は、ロール摺動部311及び平面部312の両方に肉抜き開口が設けられており、即ち、第一支持部材21の全面に対して、パターン化された設計が行われてもよい。
【0133】
例示的に、図9に示すように、肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホール310を含み、各々の列のスルーホール310は、ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目のスルーホール310と偶数列目のスルーホール310とは、少なくとも部分的にずらして設けられており、スルーホールは、ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔である。
【0134】
例示的に、図10及び図11に示すように、第二支持部材32は、第一支持部材31のロール摺動部311上に設けられ、即ち、第二支持部材32は、フレキシブルモジュールにおけるロールシャフト回りにロール移動する部分に設けられている。
【0135】
具体的に、第二支持部材32は、少なくとも3本の支持ストリップ321を含む必要がある。
【0136】
具体的に、第二支持部材32は、並列するように設けられている独立したストリップ状の部材であるため、第二支持部材32とロールシャフトとが接触することで、ロール摺動エリア311の部分におけるフレキシブル表示スクリーンへの支持性を向上させることができるとともに、フレキシブルモジュールとロールシャフトとの摩擦力を強化し、フレキシブルモジュールがロールシャフト回りに移動して巻き取られる際の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0137】
いくつかの実施例において、フレキシブル表示スクリーンと第一支持部材31とは、接着固定されてもよいし、第一支持部材31と第二支持部材32とも、接着固定されてもよい。
【0138】
いくつかの実施例において、図11に示すように、支持アセンブリは、補強構造33を更に含んでもよく、補強構造33は、第一支持部材31におけるフレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ第一支持部材31の平面部312に位置する。
【0139】
例示的に、補強構造33は、第一支持部材31又は第二支持部材32と同じ材料である。例えば、補強構造33は、ステンレス鋼板(SUS)を用いてもよい。
【0140】
例示的に、第一支持部材31と第二支持部材32とは、第二接着層82を介して接着固定され、補強構造33と第一支持部材31とは、第三接着層83を介して接着固定され、第三接着層83は、第二接着層82と同じ材料であってもよい。
【0141】
いくつかの実施例において、第一支持部材31に垂直な方向において、補強構造33の厚さと第二支持部材32の厚さとは、略同じであり、ここでの略同じとは、両者の厚さが同じであるか、又は両者の厚さの差が10%以下であることを指す。
【0142】
いくつかの実施例において、第一支持部材は、金属又は合金材料を含み、かかる金属又は合金材料は、例えばステンレス鋼、構造用鋼、チタン合金等の比較的ヤング率の高い金属又は合金材料であってもよいし、例えば銅及び銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の比較的ヤング率の低い金属であってもよい。
【0143】
例示的に、第一支持部材の厚さは、0.02mm~0.5mmである。例えば、具体的には、0.03mm、0.08mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.3mmであってもよい。
【0144】
又は、第一支持部材は、一定の機械的強度を有するとともにフレキシビリティの信頼性要件を満たせる高分子膜層又は無機非金属層であってもよい。例えば、ポリイミド膜、ポリウレタンフォーム等の有機高分子材質であってもよいし、ガラス、セラミックス等の無機非金属材質であってもよい。
【0145】
いくつかの実施例において、第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、例えば、具体的に、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金等、又はフェライト、酸化ニッケル等の金属酸化物を含んでもよい。
【0146】
例示的に、第二支持部材における各々の支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の支持ストリップは、第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである。
【0147】
具体的に、支持ストリップに位置規制部又は凸出部等の構造が含まれる場合、「各々の支持ストリップの幅」とは、支持ストリップの本体部分(位置規制部又は凸出部以外の部分)の幅を指す。
【0148】
いくつかの実施例では、図12図23に示すように、第二支持部材において、複数の支持ストリップ321のうち、少なくとも一部の支持ストリップ321に位置規制部320が設けられており、当該少なくとも一部の支持ストリップ321とそれに隣り合う支持ストリップ321との間の相対位置が位置規制部320によって規制される。
【0149】
例示的に、位置規制部320は、支持ストリップ321の一部に属し、製作の際、支持ストリップの本体と一体成形されてもよい。
【0150】
具体的に、本願における支持ストリップ321は、微細構造であり、且つ互いに独立して設けられており、更に、実際に設ける際、各本の支持ストリップ321の位置及び支持ストリップ321同士の間隔を保証することは困難である。本願の実施例では、支持ストリップ321上に位置規制部320を設け、位置規制部320によって隣り合う支持ストリップ321の間の相対位置を規制することで、隣り合う支持ストリップ321の位置の確定及び間隔の維持を容易にすることができ、実際のプロセスにおいて、独立した支持ストリップ321に対する配列及び位置固定の難易度を低減できる。
【0151】
例示的に、位置規制部320は、凸起構造及び凹溝構造の少なくとも一方を含んでもよい。
【0152】
例えば、図12図20における位置規制部320は、凸起構造であり、図21図23における位置規制部320は、凸起構造及び凹溝構造の両方を含む。
【0153】
例示的に、凸起構造は、弧状凸起、方形凸起、台形凸起、凹字状凸起等を含んでもよく、例えば、図12図15図20における位置規制部320は、弧状凸起であり、図13における位置規制部320は、矩形凸起であり、図14における位置規制部320は、台形凸起であり、図22における位置規制部320は、凹字状凸起3203を含み、図23における位置規制部320は、凹字状凸起3206を含む。
【0154】
例示的に、凹溝構造は、弧状凹溝、方形凹溝、台形凹溝を含む。例えば、図21における位置規制部320は、弧状凹溝3202を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、図12図14に示すように、複数の支持ストリップ321は、片側の端部に位置する第一支持ストリップ3211を含み、複数の支持ストリップ321のうち、当該第一支持ストリップ3211以外の他の支持ストリップ321における当該第一支持ストリップ3211に向く側には、何れも位置規制部320が設けられており、位置規制部320は、凸起構造である。
【0156】
具体的に、「片側の端部」とは、支持ストリップの配列方向に沿った片端であるため、第一支持ストリップとは、1つの端部支持ストリップを指し、換言すれば、本願の実施例では、その1つの端部支持ストリップを除き、他の支持ストリップにおける当該端部に向く側には、何れも位置規制部が設けられている。こうして、隣り合う2つずつの支持ストリップ間の相対位置が何れも位置規制部によって規制可能であることを保証できる。
【0157】
別のいくつかの実施形態において、図15及び図16に示すように、複数の支持ストリップ321は、両側の端部に位置する2つの端部支持ストリップ3212と、2つの端部支持ストリップ3212の間に位置する中間支持ストリップ3213とを含み、各々の中間支持ストリップ3213における2つの端部支持ストリップ3212に向く両側には、ともに位置規制部320が設けられており、各々の端部支持ストリップ3212における中間支持ストリップ3213に向く側には、位置規制部320が設けられており、位置規制部320は、凸起構造である。
【0158】
具体的に、「両側の端部」とは、支持ストリップの配列方向に沿った両端であるため、2つの端部支持ストリップとは、両端に位置する支持ストリップを指す。
【0159】
上記のように設けることで、隣り合う2つずつの支持ストリップ間には、何れも2つの位置規制部320が備えられ、具体的に、これら2つの位置規制部320によれば、隣り合う2つの支持ストリップ間の隙間を規制できるだけでなく、当該2つの位置規制部320の相対位置関係(例えば2つの位置規制部320が、支持ストリップに垂直な方向に整合するか又はずらしていること)によれば、2つの支持ストリップが延在方向に整合して設けられることを維持するのに有利である。
【0160】
いくつかの実施形態において、各々の支持ストリップの第一側には、第一種の位置規制部が設けられ、各々の支持ストリップの第二側には、第二種の位置規制部が設けられており、第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、形状が相補的であり、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とは、相補的に協働するものである。
【0161】
具体的に、隣り合う2つの支持ストリップの第一種の位置規制部と第二種の位置規制部とが相補的に協働することで、隣り合う2つの支持ストリップを互いに位置規制させ、更に、隣り合う支持ストリップ間の位置ずれの発生を回避することができ、支持ストリップを並べる難度の低減に有利であるとともに、支持ストリップ同士の相対位置関係の維持に有利である。
【0162】
例えば、図21において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ弧状凸起3201及び弧状凹溝3202であり、弧状凸起3201及び弧状凹溝3202を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持でき、図22において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ円弧状凸起3204及び凹字状凸起3203であり、凹字状凸起3202の凹溝部分は、円弧状溝であり、円弧状凸起3204及び凹字状凸起3203を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持でき、図23において、各々の支持ストリップ321の両側には、それぞれ第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部が設けられており、当該第一種の位置規制部及び第二種の位置規制部は、それぞれ台形凸起3205及び凹字状凸起3206であり、凹字状凸起3206の凹溝部分は、台形溝であり、台形凸起3205及び凹字状凸起3206を用いてこれら2つの相補的な形状の位置規制部320を協働させることで、支持ストリップ321同士の相対位置関係を維持できる。
【0163】
いくつかの実施形態において、参考図17図19に示すように、複数の支持ストリップ321には、少なくとも2列の位置規制部320が設けられ、当該少なくとも2列の位置規制部320は、支持ストリップ321の延在方向に沿って設けられ、各々の列の位置規制部320は、支持ストリップ321の配列方向に沿って整合している。例えば、図17における複数の支持ストリップ321には、2列の位置規制部320が設けられ、図18における複数の支持ストリップ321には、3列の位置規制部320が設けられている。
【0164】
具体的に、本実施例の設計によれば、複数列の位置規制部320により、支持ストリップ321の延在方向における支持ストリップ321同士の間隔の安定性及び一致性を向上させることができる。
【0165】
いくつかの実施例において、図19に示すように、隣り合う列の位置規制部320は、交互に設けられている。言い換えれば、支持ストリップ321の位置規制部320同士は、2列以上の位置規制部320が形成されるように、互いにずらしていてもよい。
【0166】
いくつかの実施例において、図20に示すように、各々の支持ストリップ321は、2段以上のストリップ体3210を含んでもよく、複数の支持ストリップ321における各段のストリップ体3210が並列するように設けられ、各々の列のストリップ体3210上には、少なくとも1列の位置規制部320が設けられている。即ち、1列の支持ストリップ321は、2列以上のストリップ体3210に分割され、各々の列のストリップ体3210上には、当該列の各段のストリップ体3210間の隙間及び/又は相対位置が維持されるように、位置規制部320が備えられているともいえる。
【0167】
本願の実施例では、各支持ストリップ321の間欠的な設計によれば、湾曲又は他のフレキシブル運動時の支持ストリップ321の破断の問題を回避又は排除し、支持アセンブリ3自体の湾曲運動の信頼性を向上させることができる。そして、各々の列のストリップ体3210には、何れも少なくとも1列の位置規制部320が設けられているため、各列のストリップ体3210間の隙間及び/又は相対位置を維持できる。
【0168】
具体的に、本願の実施例による支持アセンブリは、例えばフレキシブルOLED、フレキシブルmini-LED、フレキシブルMicro-LED又はフレキシブルQLEDのようなフレキシブルディスプレイに適用可能である。例えば、具体的に、携帯電話、タブレットPC又はノートブック等のロール表示に使用可能な製品に適用可能である。
【0169】
説明すべきなのは、本開示のいくつかの実施例において、フレキシブル表示装置は、他の構造を更に含んでもよいが、これは、実際の需要に応じて決定可能であり、本開示の実施例は、これについて制限しない。また、本開示の各実施例は、具体的な実施態様について挙げられた例に過ぎず、本願の発明態様は、上記の実施例に限定されず、例えば、各実施例間は、分解又は組み合わせによって新しい実施例を形成可能であり、これらは、すべて本願の技術案による保護範囲に属する。更に、本願の実施例で提供された図面は、あくまでも模式図であり、各構造の実際の寸法及び比率は、図面における測定寸法に限定されない。
【0170】
明らかなことに、当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願の実施例に対して様々な修正及び変形を行うことが可能である。本願のこれらの修正及び変形は、本願の特許請求の範囲及びその均等な技術的範囲内であれば、本願は、これらの修正及び変形も含むことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示装置であって、
ロールシャフトと、
ロール摺動エリア及び平面エリアを含むフレキシブルモジュールであって、前記ロール摺動エリアは、前記ロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブルモジュールの展開及び収納を実現するように構成され、前記フレキシブルモジュールは、フレキシブル表示スクリーン及び支持アセンブリを含み、前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記ロールシャフトの表面に向く側に設けられ、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、前記フレキシブルモジュールの移動方向に沿って配列され、各々の支持ストリップは、延在方向が前記ロールシャフトと一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されているフレキシブルモジュールとを含む、フレキシブル表示装置。
【請求項2】
引張力印加アセンブリを更に含み、
前記支持アセンブリは、対向して設けられた第一端及び第二端を含み、前記支持アセンブリは、前記第一端から前記第二端の方向に沿って前記ロールシャフトを回るとともに、前記第一端が前記引張力印加アセンブリに繋がれている、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記引張力印加アセンブリは、牽引部、転向軸アセンブリ及び固定部を含み、
前記牽引部は、第三端及び第四端を含み、前記第三端が前記第一支持部材に繋がれ、前記第四端が前記転向軸アセンブリを回って前記固定部に繋がれ、
前記ロールシャフトは、前記フレキシブルモジュールが前記ロールシャフト回りに移動されて展開されるように、前記固定部に対して移動可能である、請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記転向軸アセンブリは、1つの可動軸及び1つの固定軸を含み、前記牽引部は、延在方向が2回反転されるように、前記固定軸及び前記可動軸を回っており、
前記固定軸の軸心と前記固定部との相対位置が固定され、前記可動軸の軸心と前記ロールシャフトの軸心との相対位置が固定されている、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記牽引部と前記第一支持部材との間に位置する第一接着層を更に含み、前記牽引部と前記第一支持部材とは、前記第一接着層を介して接着されている、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記第一支持部材における前記第一端に近い縁は、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁から食み出しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンから食み出した部分に繋がれている、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記第一支持部材における前記第一端に近い縁と、前記フレキシブル表示スクリーンにおける前記第一端に近い縁とは、略整合しており、前記牽引部は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側の表面に接着されている、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記第一支持部材の厚さ方向に沿って、前記第一支持部材に第一開口が設けられ、前記牽引部に第二開口が設けられ、前記第一支持部材と前記牽引部とは、前記第一開口及び前記第二開口に挿入された接続部材を介して繋がれており、前記接続部材は、高分子材料である、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記第一開口は、前記第一支持部材を貫通していないハーフスルーホール、又は、前記第一支持部材を貫通したスルーホールであり、前記第二開口は、前記牽引部を貫通したスルーホールである、請求項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
ハウジングを更に含み、前記ロールシャフト及び前記引張力印加アセンブリは、前記ハウジング内に位置し、
前記支持アセンブリの第一端は、前記ハウジング内に位置し、前記支持アセンブリの第二端は、前記ロールシャフトを回って前記ハウジング外に突き出している、請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記第二支持部材は、前記ロール摺動エリアに位置する、請求項1~10の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項12】
前記支持アセンブリは、補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面エリアに位置し、
前記補強構造は、前記第一支持部材又は前記第二支持部材と同じ材料であり、
前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じである、請求項11に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項13】
前記第二支持部材と前記第一支持部材との間に位置する第二接着層を更に含み、前記第二支持部材と前記第一支持部材とは、前記第二接着層を介して接着され、
前記第二接着層は、基材層と、前記基材層の両側に位置する粘着層とを含み、前記基材層は、高分子材料である、請求項1~10の何れか一項に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項14】
支持アセンブリであって、前記支持アセンブリは、フレキシブル表示スクリーンの非表示面側に設けられるように構成され、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、第一方向に沿って配列され、各前記支持ストリップは、延在方向が一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されており、
前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンとともにロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブル表示スクリーンの展開及び収納を実現するように構成され、前記第一支持部材は、ロール摺動部及び平面部を含み、前記ロール摺動部は、前記ロールシャフト回りに移動するように構成され、
前記ロール摺動部に肉抜き開口が設けられているか、又は、前記ロール摺動部及び前記平面部の両方に肉抜き開口が設けられており、
前記第二支持部材は、前記ロール摺動部に位置し、
補強構造を更に含み、前記補強構造は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、且つ前記平面部に位置し、
前記第一支持部材に垂直な方向に沿って、前記補強構造の厚さと前記第二支持部材の厚さとは、略同じであり、
前記第二支持部材は、金属、合金又は金属酸化物材料を含み、前記第二支持部材における各々の前記支持ストリップの幅は、0.1mm~1mmであり、各々の前記支持ストリップは、前記第一支持部材に垂直な方向に沿った厚さが、0.1mm~1mmである、支持アセンブリ。
【請求項15】
支持アセンブリであって、前記支持アセンブリは、フレキシブル表示スクリーンの非表示面側に設けられるように構成され、第一支持部材及び第二支持部材を含み、前記第一支持部材は、折り曲げ可能な板状構造であり、前記第二支持部材は、前記第一支持部材における前記フレキシブル表示スクリーンと反対側に設けられ、複数の支持ストリップを含み、前記複数の支持ストリップは、第一方向に沿って配列され、各前記支持ストリップは、延在方向が一致するとともに、前記第一支持部材上に固定されており、
前記支持アセンブリは、前記フレキシブル表示スクリーンとともにロールシャフト回りに移動して、前記フレキシブル表示スクリーンの展開及び収納を実現するように構成され、前記第一支持部材は、ロール摺動部及び平面部を含み、前記ロール摺動部は、前記ロールシャフト回りに移動するように構成され、
前記ロール摺動部に肉抜き開口が設けられているか、又は、前記ロール摺動部及び前記平面部の両方に肉抜き開口が設けられており、
前記肉抜き開口は、少なくとも2列のスルーホールを含み、各々の列のスルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って配列され、奇数列目の前記スルーホールと、偶数列目の前記スルーホールとは、少なくとも部分的にずらして設けられており、前記スルーホールは、前記ロールシャフトの延在方向に沿って延在するストリップ状の孔であり、
前記第二支持部材は、前記ロール摺動部に位置する、支持アセンブリ。
【国際調査報告】