IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アムジェン インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-523779薬物容器用の充填レシピを最適化する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】薬物容器用の充填レシピを最適化する方法
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/00 20060101AFI20240625BHJP
   B67C 3/20 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B67C3/00 E
B67C3/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569877
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022030014
(87)【国際公開番号】W WO2022246055
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,797
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500203709
【氏名又は名称】アムジェン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゴスワミ, デヴリシ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ピードモント, ディアドラ
(72)【発明者】
【氏名】パドマクマール, ヴィカシュニ
(72)【発明者】
【氏名】リー, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】サントス, マリア ラケル
(72)【発明者】
【氏名】チー, ウェイ
【テーマコード(参考)】
3E079
【Fターム(参考)】
3E079AA06
3E079AB06
(57)【要約】
バイアルに充填する方法。本方法は、バイアルに対応するポンプを用意することと、ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することとを含む。本方法はまた、バイアルの充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は少ない範囲又は範囲内にある、設定することを含み、充填サイクル全体を通してのバイアルについてのプロセス性能指数Cpk(Cpk)は最小値を超える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルに充填する方法であって、
バイアルに対応するポンプを用意することと、
前記ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、
前記バイアルの充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は少ない範囲又は範囲内にある、設定することと
を含み、
充填サイクル全体を通しての前記バイアルについてのプロセス性能指数Cpk(Cpk)は最小値を超える、
方法。
【請求項2】
前記ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することは、前記ポンプの前記液滴引き込みパラメータを10度、20度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つに設定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液滴引き込みパラメータを20度に設定したときに最終液滴引き込み値を290度に設定すること、又は前記液滴引き込みパラメータを10度に設定したときに最終液滴引き込み値を280度に設定することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
バイアルに対応するポンプを用意することは、ネスト式シリンジ及びバイアルラインのバイアルに対応するポンプを用意することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
バイアルに対応するポンプを用意することは、第1の充填セット又は第2の充填セットのうちの1つ以上を用意することを含み、前記第1の充填セットは、外径約2.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含み、前記第2の充填セットは、外径約3.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記バイアルについてのCpkが、充填サイクル全体を通して最小値を超えることは、(1)前記バイアルについての前記Cpkが1.33の値を超える、又は(2)前記バイアルについての前記Cpkが、前記充填サイクル全体を通して温度範囲にある間に前記最小値を超える、のうちの1つ以上を含み、前記温度範囲は、(1)摂氏5(±3)度、(2)摂氏20(±5)度、又は(3)摂氏10~19度のうちの1つである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプを介して薬物製品を前記バイアルに充填することを更に含み、前記薬物製品は、以下の特徴、即ち、(a)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(b)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び(c)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記薬物製品は、約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記薬物製品は、小分子薬物又は生物学的薬物を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
ネスト式シリンジ及びバイアルラインの複数のバイアルに充填する方法であって、
ネスト式シリンジ及びバイアルラインの複数のバイアルに対応する複数のポンプを用意することと、
前記複数のポンプの各ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、
前記複数のポンプのうちの対応するポンプを介して薬物製品を前記複数のバイアルの各バイアルに充填することと
を含み、
充填サイクル全体を通しての前記複数のバイアルの各バイアルについてのプロセス性能指数(Cpk)は最小値を超える、
方法。
【請求項11】
各バイアルの充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は少ない範囲又は範囲内にある、設定することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することは、前記ポンプの前記液滴引き込みパラメータを10度、20度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つに設定することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記液滴引き込みパラメータを20度に設定したときに最終液滴引き込み値を290度に設定すること、又は前記液滴引き込みパラメータを10度に設定したときに最終液滴引き込み値を280度に設定することを更に含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のポンプのうちの対応するポンプを介して薬物製品を前記複数のバイアルの各バイアルに充填することは、mAb製剤である薬物製品を前記複数のバイアルの各バイアルに充填することを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のバイアルの各バイアルについてのCpkが、充填サイクル全体を通して最小値を超えることは、(1)前記Cpkが1.33の値を超える、又は(2)前記複数のバイアルの各バイアルについての前記Cpkが、前記充填サイクル全体を通して温度範囲にある間に前記最小値を超える、のうちの1つ以上を含み、前記温度範囲は、(1)摂氏5(±3)度、(2)摂氏20(±5)度、又は(3)摂氏10~19度のうちの1つである、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のポンプのうちの対応するポンプを介して薬物製品を各バイアルに充填することは、前記ポンプを介して薬物製品を各バイアルに充填することを含み、前記薬物製品は、以下の特徴、即ち、(1)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(2)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び/又は(3)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記薬物製品は、約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記薬物製品は、生物学的薬物又は小分子薬物を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
ネスト式シリンジ及びバイアルライン用の充填レシピを最適化する方法であって、
少なくとも1つの容器に対応するオフライン製造システム内の少なくとも1つのポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、
20度以下の任意の値に設定された前記少なくとも1つのポンプの前記液滴引き込みパラメータを用いて前記少なくとも1つのポンプの性能を監視することと、
前記オフライン製造システム内の前記少なくとも1つのポンプを使用して、少なくとも1つの充填サイクル全体を通して前記少なくとも1つの容器について及び前記少なくとも1つの薬物製品についてのプロセス性能指数(Cpk)の少なくとも最小値を取得することと、
前記オフライン製造システム内の前記少なくとも1つのポンプを使用する前記少なくとも1つの薬物製品の充填サイクルからのデータを使用して、ネスト式シリンジ及びバイアルライン用の充填レシピを完成させることと
を含む、方法。
【請求項20】
前記ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおける前記充填レシピの性能を監視することと、前記ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおける複数のポンプの各ポンプに対する前記少なくとも1つの容器についての前記Cpkの少なくとも最小値を取得することとを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの容器に対応するオフライン製造システム内の少なくとも1つのポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することは、ポンプを含む第1の充填セット及びポンプを含む第2の充填セットの前記液滴引き込みパラメータを設定することを含み、前記オフライン製造システム内の前記第1の充填セット及び前記第2の充填セットの各々、前記第1の充填セット及び前記第2の充填セットの各々は、対応する充填容器を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの充填サイクル全体を通しての前記容器について及び少なくとも1つの薬物製品についてのCpkの少なくとも最小値を取得することは、充填サイクル全体を通して摂氏5(±3)度、摂氏20(±5)度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つ以上の温度の間に各容器についての前記Cpkの少なくとも最小値1.33を取得することを含み、前記Cpkの前記最小値は、各容器に対して1.33である、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
充填サイクル全体を通しての前記容器について及び少なくとも1つの薬物製品についてのCpkの少なくとも最小値を取得することは、少なくとも1つの充填サイクル全体を通しての前記容器について及び前記少なくとも1つの薬物製品についてのCpkの少なくとも最小値を取得することを含み、前記少なくとも1つの薬物製品は、(1)mAb製剤、又は(2)(a)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(b)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び(c)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する薬物製品のうちの1つ以上を含む、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記オフライン製造システム内の前記少なくとも1つのポンプの前記液滴引き込みパラメータを設定した後に、前記少なくとも1つのポンプを介して薬物製品を前記少なくとも1つの容器に充填することを更に含み、前記少なくとも1つのポンプを介して薬物製品を前記容器に充填することは、(1)mAb製剤、又は(2)(a)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(b)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び(c)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する薬物製品のうちの1つ以上を含む薬物製品を前記容器に充填することを含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記容器の充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、前記液滴引き込みパラメータを設定した後に対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は少ない範囲又は範囲内にある、設定することを更に含む、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
開始ポンプ投与を40度に設定すること、ポンプ投与開始勾配を90度に設定すること、ポンプ投与停止勾配を210度に設定すること、最終ポンプ投与を260度に設定すること、最終液滴引き込みパラメータを290度に設定すること、及び投与量当たりの走行距離パラメータを766度に設定することのうちの1つ以上を更に含む、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
バイアルに充填する方法であって、
バイアルに対応するポンプを用意することと、
前記ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、
前記バイアルの充填重量に対する無調整限界を対象物充填重量T0~T1の範囲内の任意の値に設定することであって、T1は前記対象物充填重量T0~T2の範囲又は範囲内にある、設定することと
を含み、
充填サイクル全体を通しての前記バイアルについてのプロセス性能指数Cpk(Cpk)の最小値を超える、
方法。
【請求項28】
前記ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することは、前記ポンプの前記液滴引き込みパラメータを10度、20度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つに設定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記液滴引き込みパラメータを20度に設定したときに最終液滴引き込み値を290度に設定すること、又は前記液滴引き込みパラメータを10度に設定したときに最終液滴引き込み値を280度に設定することを更に含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
バイアルに対応するポンプを用意することは、ネスト式シリンジ及びバイアルラインのバイアルに対応するポンプを用意することを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
バイアルに対応するポンプを用意することは、第1の充填セット又は第2の充填セットのうちの1つ以上を用意することを含み、前記第1の充填セットは、外径約2.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含み、前記第2の充填セットは、外径約3.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記バイアルについてのCpkが、充填サイクル全体を通して最小値を超えることは、(1)前記バイアルについての前記Cpkが1.33の値を超える、又は(2)前記バイアルについての前記Cpkが、前記充填サイクル全体を通して温度範囲にある間に前記最小値を超える、のうちの1つ以上を含み、前記温度範囲は、(1)摂氏5(±3)度、(2)摂氏20(±5)度、又は(3)摂氏10~19度のうちの1つである、請求項27~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ポンプを介して薬物製品を前記バイアルに充填することを更に含み、前記ポンプを介して薬物製品を前記バイアルに充填することは、(1)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(2)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び/又は(3)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を含む薬物製品を前記バイアルに充填することを含む、請求項27~32のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年5月21日に出願された米国仮特許出願第63/191,797号の出願日の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して薬物容器用の充填レシピに関し、より詳細には、薬物容器用の充填レシピを最適化する普遍的な方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおいてmAb製剤を充填するためのレシピ等の、薬物容器に充填するための既存の充填レシピが知られている。しかしながら、多くの既存の充填レシピは、充填重量最適化サイクルの延長、大量の不合格ユニット、製造歩留まりの低下を含む、いくつかの問題を生じさせる。加えて、既存の充填レシピは、多くの場合、例えばCpk<1.33の値等の、不十分なプロセス能力指数によって示される低いプロセス能力を有する。
【0004】
より具体的には、既存の充填レシピは、単一の薬物製品に合わせて個別に調整され、既存の充填レシピの各々は、固有の充填プロセスと一連の動作パラメータとを有する。その結果、新しい薬物製品に新しい充填レシピが必要になる度に、充填レシピを実行する製造施設内のポンプを較正しなければならない。加えて、特定の充填レシピに従って充填プロセスを開始する前に、製造施設内のポンプ又は関連機器を較正するのにかかる時間が非常に長い場合が多い。例えば、典型的には、ポンプが特定の充填レシピに従って動作できるようになるまで、ポンプの多数のストローク等の、多くのサイクルが必要となる。これにより、薬物製品用の特定の充填レシピを使用して、シリンジ又はバイアル等の、薬物容器に充填する全体の時間が増加し、製造及び充填プロセスの非効率につながる。加えて、既存の充填レシピは典型的には、容器の充填容積の所望の範囲から逸脱し、製造システム及びプロセスに問題を引き起こす。一例では、充填容積が所望の充填容積範囲外にある場合、ユニットは廃棄され、その範囲内で対象物に充填する方法をポンプに再度学習させなければならず、再び製造プロセスの非効率につながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、バイアルに充填する方法は、バイアルに対応するポンプを用意することと、ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することとを含む。本方法は、バイアルの充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は少ない範囲又は範囲内にある、設定することを更に含み、充填サイクル全体を通してのバイアルについてのプロセス性能指数Cpk(Cpk)は、最小値を超える。
【0006】
第2の態様によれば、ネスト式シリンジ及びバイアルラインの複数のバイアルに充填する方法は、ネスト式シリンジ及びバイアルラインの複数のバイアルに対応する複数のポンプを用意することと、複数のポンプの各ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することとを含む。本方法はまた、複数のポンプのうちの対応するポンプを介して薬物製品を複数のバイアルの各バイアルに充填することを含み、複数のバイアルの各バイアルについてのCpkは、充填サイクル全体を通して最小値を超える。
【0007】
更に別の態様によれば、ネスト式シリンジ及びバイアルライン用の充填レシピを最適化する方法は、少なくとも1つの容器に対応するオフライン製造システム内の少なくとも1つのポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、20度以下の任意の値に設定された少なくとも1つのポンプの液滴引き込みパラメータを用いて少なくとも1つのポンプの性能を監視することとを含む。本方法はまた、オフライン製造システム内の少なくとも1つのポンプを使用して、少なくとも1つの充填サイクル全体を通して少なくとも1つの容器について及び少なくとも1つの薬物製品についてのCpkの少なくとも最小値を取得することと、オフライン製造システム内の少なくとも1つのポンプを使用する少なくとも1つの薬物製品の充填サイクルからのデータを使用して、ネスト式シリンジ及びバイアルライン用の充填レシピを完成させることとを含む。
【0008】
更に別の態様によれば、バイアルに充填する方法は、バイアルに対応するポンプを用意することと、ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することと、バイアルの充填重量に対する無調整限界を対象物充填重量T0~T1の範囲内の任意の値に設定することであって、T1は対象物充填重量T0~T2の範囲又は範囲内にある、設定することとを含んでもよい。そのように構成すると、充填サイクル全体を通してのバイアルについてのプロセス性能指数Cpk(Cpk)の最小値を超える。
【0009】
いくつかの態様では、ポンプの液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することは、ポンプの液滴引き込みパラメータを10度、20度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つに設定することを含んでもよい。加えて、本方法は、液滴引き込みパラメータを20度に設定したときに最終液滴引き込み値を290度に設定すること、又は液滴引き込みパラメータを10度に設定したときに最終液滴引き込み値を280度に設定することを更に含んでもよい。加えて、バイアルに対応するポンプを用意することは、ネスト式シリンジ及びバイアルラインのバイアルに対応するポンプを用意することを含んでもよい。
【0010】
他の態様では、バイアルに対応するポンプを用意することは、第1の充填セット又は第2の充填セットのうちの1つ以上を用意することを含んでもよく、第1の充填セットは、外径約2.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含み、第2の充填セットは、外径約3.0mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを含む。
【0011】
更に他の態様では、バイアルについてのCpkが、充填サイクル全体を通して最小値を超えることは、(1)バイアルについてのCpkが1.33の値を超える、又は(2)バイアルについてのCpkが、充填サイクル全体を通して温度範囲にある間に最小値を超える、のうちの1つ以上を含んでもよく、温度範囲は、(1)摂氏5(±3)度、(2)摂氏20(±5)度、又は(3)摂氏10~19度のうちの1つである。
【0012】
他の態様では、本方法は、ポンプを介して薬物製品をバイアルに充填することを更に含んでもよく、薬物製品は、以下の特徴、即ち、(a)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(b)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び(c)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する。一例では、薬物製品は、約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力を有する。別の例では、薬物製品は、生物学的薬物(例えば、ペプチド、mAb、siRNA)又は小分子薬物を含む。
【0013】
更に他の態様において、本方法は、ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおける充填レシピの性能を監視することと、ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおける複数のポンプの各ポンプに対する少なくとも1つの容器についてのCpkの少なくとも最小値を取得することとを更に含んでもよい。
【0014】
本開示は、以下の説明を添付図面と併せて解釈することで、より完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択した要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面におけるそのような要素の省略は、対応する書面の記載で明示的に描写される場合を除いて、例示的な実施形態のいずれかにおける特定の要素の有無を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の充填レシピを利用するオフライン充填システムの一実施形態の概略図である。
図2A図1のシステムの充填装置の斜視図である。
図2B図2Aの充填装置の一部である。
図2C図1のシステムの充填セットの斜視図である。
図2D図1のシステムの別の充填セットの斜視図である。
図2E図1のシステムの例示的な充填対象物の斜視図である。
図3】(図3A図1の各充填セットのパラメータを示すチャートである。 (図3B図1の充填セットのインプロセス制御パラメータを示すチャートである。 (図3C)本開示の方法と共に使用するための薬物製品の製品特性を示すチャートである。
図4】本開示の充填レシピに対する充填レシピパラメータ最適化手順を示すフローチャートである。
図5】(図5A)様々な液滴引き込み値での充填後のバイアルの充填性能結果の斜視図である。 (図5B図5Aの充填性能結果と共に使用される例示的な充填レシピの態様を示すチャートである。
図6】(図6A)本開示の一態様による例示的な充填レシピを示す。 (図6B図6Aの充填レシピの充填性能結果を示すグラフである。 (図6C図6Bのグラフの充填性能結果を示すチャートである。
図7】(図7A)本開示の充填レシピと共に使用される針の針パラメータを示すチャートである。 (図7B)本開示の充填レシピと共に使用される少なくとも1つのポンプのポンプパラメータを示すチャートである。
図8】(図8A図1のシステムの第2の充填セットを使用した、摂氏10~11度の温度範囲での本開示の充填レシピの充填性能結果を示すグラフである。 (図8B図8Aのグラフの充填性能結果を示すチャートである。
図9】(図9A図1のシステムの第2の充填セットを使用した、摂氏約19度の温度での本開示の充填レシピの充填性能結果を示すグラフである。 (図9B図9Aのグラフの充填性能結果を示すチャートである。
図10】(図10A図1のシステムの第1の充填セットを使用した、摂氏約10~11度の温度での本開示の充填レシピの充填性能結果を示すグラフである。 (図10B図10Aのグラフの充填性能結果を示すチャートである。
図11】(図11A図1のシステムの第1の充填セットを使用した、摂氏約19度の温度での本開示の充填レシピの充填性能結果を示すグラフである。 (図11B図11Aのグラフの充填性能結果を示すチャートである。
図12】本開示の最適化された充填レシピを使用した製造工場内の製造ラインの概略図である。
図13A-1】図12の製造ラインのネスト式シリンジ及びバイアルラインの斜視図である。
図13A-2】同上。
図13B-1】図13Aのネスト式シリンジ及びバイアルラインの概略図である。
図13B-2】同上。
図13C図13A図13Bのネスト式シリンジ及びバイアルラインの複数のバイアルに対応する複数のポンプの斜視図である。
図14図12のネスト式シリンジ及びバイアルラインの少なくとも1つにおける本開示の充填レシピの充填性能結果を示すチャートである。
図15】ネスト式シリンジ及びバイアルラインで使用された、以前に使用した充填レシピの充填性能結果を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概して、ネスト式シリンジ及びバイアルラインにおいて治療用タンパク質を含む製剤を充填するための効率的な充填レシピが開示される。普遍的な充填レシピは、他の既存の既知の充填レシピと比較して著しく効率的な充填レシピをもたらす、所定値の範囲内での液滴引き込みパラメータ最適化を含む。特に、例えば、本開示の新しい充填レシピは、多くの異なる薬物製品と共に使用されてもよく、充填重量最適化サイクルの95%の削減をもたらす。これにより、ネスト式シリンジ及びバイアルラインの充填時間の利用が10~30%増加し、バイアル等の、かなりの数のユニットが不合格になるのを潜在的に防ぐという改善がもたらされた。少なくとも1つの例では、本明細書で言及される薬物製品は、以下に更に説明するように、モノクローナル抗体等の、治療用タンパク質を含む。
【0017】
より具体的には、ここで図1を参照すると、本開示の充填レシピを利用するオフライン製造システム10が示されている。一例では、オフライン製造システム10は、パイロット施設内の小規模ベンチセットアップであり、例えば、様々な試行的レシピについての試験結果に基づいて新しい充填レシピに関する様々な試験の評価及び更新をより容易にした。オフライン製造システム10は、充填装置12と、第1の充填セット14と、第2の充填セット16とを含む。第1の充填セット14は、バイアル等の、対応する第1の充填対象物18を含み、第2の充填セット16は同様に、同じくバイアル等の、対応する第2の充填対象物20を含む。一例では、充填装置12は、本開示の最適で普遍的な充填レシピに達する前に、多くの実験を含むレシピ最適化が実施された、Bausch+Strobel(B&S)スケールダウン充填装置である。特定のB&Sスケールダウン充填装置を使用したが、様々な他の充填装置が同様に又は代替的に使用され得ることが認識されるであろう。加えて、第1及び第2の充填対象物18、20の各々は、一例ではバイアルと称されるが、充填対象物18、20は、代替的に且つより一般的に、任意の他の同様の薬物容器であってもよく、本開示の範囲内に依然として含まれることを理解されたい。以下に更に説明するように、スケールダウン充填装置12と第1及び第2の充填セット12、16とからのレシピ最適化から選択された最適な充填レシピは、図13A及び図13Bにおけるネスト式シリンジ及びバイアルライン等の、製造ラインに移転可能である。
【0018】
ここで図2A図2Eを参照すると、図1の充填装置12、第1及び第2の充填セット14、16、並びに第1及び第2の充填対象物18、20の各々の斜視図が示されている。図2Aにおいて、充填装置12は、以下に更に説明するように、Bausch+Strobel充填装置、ベンチスケールダウン充填装置、より一般的には、臨床及び商業生産を支援するための開発用充填装置である。この充填装置と共に使用され得る例示的な容器としては、容量ISO 2R、6R、20R、3cc、5cc、10cc、20ccのバイアル、容量1mLのガラス製及び容量1mLのプラスチック製シリンジ、並びに容量5ccのプラスチック製カートリッジが挙げられる。充填装置12は、投与容器21と、蠕動ポンプ等のポンプ22と、製品バッグ23とを含む。図2Bは、図2Aの充填装置12の一部を示す。特に、ポンプ22は、第1の充填対象物18又は第2の充填対象物20等の、充填対象物と協働して示されている。この例では、第1及び第2の充填対象物18、20は、同じバイアルであるが、他の任意の容器であってもよく、本開示の範囲内に依然として含まれる。
【0019】
ここで図2Cを参照すると、図1の第1の充填セット14が示されている。第1の充填セット14は、蠕動ポンプであり、バッグ27と、チューブ28Aと、針29Aとを含む。チューブ28Aは、例えば、バッグ内の流体をチューブ内に且つ針29Aによって充填対象物18へ引き込むことができるように、一端部がバッグ27に結合され、他端部が充填対象物18に結合される。この例では、針29Aの外径は2.0mであり、針の内径は1.6mmであり、ポンプチューブ28Aの内径は1.6mmである。加えて、チューブ28Aは、2つのチューブに分岐し、再び合流する。2つのチューブは、この例では、同じ内径を有する。例えば、チューブ28Bの内径は、1.6mmである。同様に、図2Dは、図1の第2の充填セット16を示す。第1の充填セット14と同じように、第2の充填セット16は、蠕動ポンプであり、バッグ27と、チューブ28Bと、第1の充填セット14の針29Aと異なる、針29Bとを含む。具体的には、チューブ28Bは、チューブを通してバッグ内の流体を第2の充填対象物20内に針29Bによって引き込むことができるように、一端部がバッグ27に再び結合され、他端部が第2の充填対象物20に結合される。この例では、チューブ28Bは、再び2つのチューブに分岐し、次いで、再び合流するが、2つのチューブは、異なる内径を有する。例えば、チューブ28Bの内径は、それぞれ1.6mm及び3.2mmである。加えて、針29Bの外径は3.0mmであり、針の内径は2.6mmであり、ポンプチューブの内径は1.6mmである。
【0020】
ここで図2Eを参照すると、例示的な充填対象物が示されている。特に、例示的な充填対象物は、図1の第1及び第2の充填対象物18、20を含んでもよい。この例では、第1及び第2の充填対象物18、20は、ISO 2Rバイアル内の1.3mLの充填物を含む。この例示的な充填対象物について、対象物重量は1.365グラムであり、T2+は0.05グラムであり、対象物重量は1.415グラムであり、T2-は0.05グラムであり、対象物重量は1.315グラムである。また、T1+は0.03グラムであり、対象物重量は1.395グラムであり、T1-は0.03グラムであり、対象物重量は1.335グラムである。更に、正味重量無調整限界+は0.02グラムであり、対象物重量は1.385グラムであり、正味重量無調整限界-は0.02グラムであり、対象物重量は1.345グラムである。
【0021】
ここで図3Aを参照すると、図1の第1及び第2の充填セット14、16の例示的なパラメータを示すチャートが示されている。チャートに示すように、この例では、第1の充填セット14は、外径2.0mm及び内径1.6mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリである。加えて、蠕動ポンプ用充填アセンブリは、1.6mmの内径を有するチューブ(図2C)を含む。図3Aのチャートもまた、この例では、外径2.0mm及び内径2.6mmの針を有する蠕動ポンプ用充填アセンブリを同じく含む、第2の充填セット16に関する情報を含む。第1の充填セット14と同じように、第2の充填セット16もまた、上述のように、1.6mmの内径を有するチューブと、3.2mmの内径を有する別のチューブとを含む。
【0022】
ここで図3Bを参照すると、様々なインプロセス制御パラメータが最初に第2の充填セット16に対して設定されている。特に、バイアル等の、第2の充填対象物20の充填重量に対する無調整限界をT1に設定し、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は約2%少ない範囲又は範囲内にある。具体的には、図3Bのチャートで提示される一例では、対象物充填重量T0は、1.3mLの体積及び1.365グラムの質量を含む。この例では、無調整限界は、T1±0.03グラムの±0.02グラムであり得る、T1の80%であった。したがって、調整の必要がないバイアルの充填対象物質量は、この例では、1.345グラム~1.385グラムの範囲の任意の値である。別の例では、第2の充填対象物20等の、バイアルの充填重量に対する無調整限界は、対象物充填重量T0~T1の範囲内の任意の値に設定されてもよく、例えば、T1は、プロセス性能に基づいて対象物充填重量T0~T2の範囲又は範囲内にある。いくつかの例では、T1は、2%に設定されるが、変更されてもよい。
【0023】
ここで図3Cを参照すると、最適化プロセスで最初に使用される様々な薬物製品のパラメータをリスト化したチャートが示されている。特に、本開示の充填レシピは、ポンプを介して薬物製品を、第1及び第2の充填対象物18、20のバイアル等の、バイアルに充填することを含み、薬物製品は、mAb製剤を含む。この例では、使用されるmAb製剤は、薬物製品1(DP1)及び薬物製品1(DP2)である。チャートで提示されるように、摂氏5度において、DP1の密度は1.055g/cmであり、粘度は4.857である。摂氏25度において、DP1の密度は1.05g/cmであり、粘度は2.604cPであり、表面張力は41.63mN/mである。摂氏5度において、DP2の密度は1.054g/cmであり、粘度は4.07cPである。加えて、摂氏25度において、DP2の密度は1.049g/cmであり、粘度は2.19cPであり、表面張力は43.716mN/mである。したがって、この例では、充填レシピで使用される薬物製品は、(1)摂氏5度で約1.054~1.055g/cm又は摂氏25度で約1.049~1.05g/cmのいずれかの範囲の密度、(2)摂氏5℃で約4.07~4.857cP又は摂氏25℃で約2.19~2.604cPのいずれかの範囲の粘度、及び摂氏25度で約41.00~43.80mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を含むmAb製剤である。
【0024】
本明細書に開示される方法は、薬物製品が所定の物理的パラメータ範囲を有するという条件で、生物学的薬物(例えば、ペプチド、mAb、siRNA)及び小分子薬物を含む薬物製品等の、任意の液体薬物製品を充填するために使用することができる。より具体的には、一例において、薬物製品は、以下の特徴、即ち、(1)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、及び/又は(2)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び/又は(3)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ又は複数を含んでもよい。一例では、粘度の好ましい範囲は、1.0~8.0cP、1.0~6.0cP、1.0~5.0cP、及び1.0~4.0cPのうちの1つ以上である。別の例では、薬物製品は、1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力を有する。別の例では、薬物製品は、1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び表面張力の任意の値のうちの1つ以上を有する。換言すれば、一例では、充填レシピの決定因子は、密度と薬物製品の粘度であり、充填レシピは、いかなる表面張力でも機能し得る。これらのパラメータのいずれかを満たす薬物製品が本開示の方法及び充填レシピと共に使用され得ることが理解されるであろう。
【0025】
例えば、一例では、製造データは、約8.0cP以上の粘度を有する薬物製品が20度の液滴引き込み値で良好に作用したことを示唆している。加えて、別の例では、薬物製品の好ましい密度は、約1.0~1.1g/cmである。上で提示した密度、粘度、及び表面張力の範囲内の多くの他の値が、本開示の方法及び充填レシピと共に使用される薬物製品に対して使用され、本開示の範囲内に含まれ得ることが認識されるであろう。
【0026】
ここで図4を参照すると、薬物製品DP1についての充填パラメータ最適化手順を示すフローチャートが提供されている。具体的には、ステップ30において、既存の充填レシピNo.1と称される、既存の充填レシピに基づく初期最適化を、第2の充填セット16に対して実施した。次に、ステップ32において、第2の充填セット16に対してこの初期に最適化されたDP1充填レシピを用いて、0度~45度の範囲の液滴引き込みパラメータの範囲を試験した。ステップ34において、既存の充填レシピNo.2と称される、別の既存の充填レシピを開始し、10度~20度の液滴引き込みパラメータの範囲を試験した。次いで、ステップ36において、既存の充填レシピNo.1と既存の充填レシピNo.2とのハイブリッドを開発し、5度、10度、及び20度を含む、様々な液滴引き込みパラメータも試験した。ステップ38において、20度に設定された液滴引き込みパラメータを用いて、第2の充填セット16に対してハイブリッドレシピを完成させた。最後に、ステップ40において、第1の充填セット14に対して同じ充填レシピを使用し、液滴引き込みパラメータを10度及び20度に設定した。充填性能に基づいて、20度に設定された液滴引き込みパラメータを用いて、第1の充填セット14に対する充填レシピを完成させた。
【0027】
ここで図5Aを参照すると、様々な液滴引き込み値を有する充填レシピを利用した後の第2の充填セット16の、バイアル等の、第2の充填対象物20の充填性能結果が提供される。特に、試験を実施して、ポンプについての充填レシピの液滴引き込みパラメータを0度、10度、20度、30度、40度、及び45度の各々に設定したときのバイアルへの充填性能を監視した。図5Aに記載したように、充填対象物20又はバイアル内の空隙AGは、液滴引き込みパラメータの増加に伴って増大し、気液二重層をもたらし、より高い液滴引き込みパラメータが充填レシピにおいて設定されたときの不十分な充填性能についての考えられる理由を説明する。図5Bのチャートに記載したように、設定した液滴引き込みパラメータは、用意したバイアル毎に異なっていたが、この実験で使用した充填レシピの他のパラメータの全ては同じであった。特に、開始ポンプ投与を40度に設定し、ポンプ投与開始勾配を90度に設定し、ポンプ投与停止勾配を210度に設定し、最終ポンプ投与を260度に設定し、最終液滴引き込みを310度に設定し、投与量当たりの走行距離は766度であった。
【0028】
ここで図6Aを参照すると、例えば、図5Bに部分的に記載した最適化サイクルにおいて同じ一定のパラメータの多くを含む充填レシピが示されているが、液滴引き込みパラメータは第2の充填セット16に対して20度に設定されている。特に、充填レシピでは、開始ポンプ投与を40度に設定し、ポンプ投与開始勾配を90度に設定し、ポンプ投与停止勾配を210度に設定し、最終ポンプ投与を260度に設定し、最終液滴引き込みを290度に設定し、投与量当たりの走行距離は766度であった。
【0029】
ここで図6B及び図6Cを参照すると、第2の充填セット16におけるDP1の充填性能に対する20度に設定された液滴引き込みパラメータの影響が提供されている。具体的には、図6Aに記載した充填レシピを使用した第2の充填セット16での充填回数103については、最小充填重量は1.348グラムであり、最大充填重量は1.384グラムであり、平均充填重量は1.366グラムとなり、標準偏差は0.006であった。プロセス性能指数Cpk値は、2.69であり、45度の液滴引き込みパラメータを除いて同じパラメータでの充填レシピを使用する実験よりも大幅に高かった。換言すれば、プロセス性能指数は、液滴引き込みパラメータが、充填性能に対する液滴引き込みパラメータの影響を更に示す、45度等の、より高い値と比較して20度に設定された場合に、はるかに高かった。
【0030】
概して、プロセス性能指数Cpkは、特定のプロセスの効率を示す値を提供する。この例では、プロセス性能指数値Cpkは、バイアル等の、容器の実際の充填重量が対象物充填重量にどの程度近いかに関する。加えて、プロセス性能指数値Cpkはまた、追加の容器、例えばバイアルのその後の各充填速度が互いにどの程度近いかに関する。プロセス性能指数値Cpkの数値が高い場合、所与のポンプは、最適な性能を提供している。同様に、プロセス性能指数値Cpkの数値が低い場合、ポンプが能力不足であることを示す。製造プロセス中に一貫した投与量の薬物製品を各容器(例えば、バイアル)内に充填することが重要であるので、プロセス性能指数値Cpkは高いほど、充填プロセスの一貫性も示し、バイアルへの効率的且つ正確な充填の成功に対する臨界値である。
【0031】
ここで図7A及び図7Bを参照すると、第2の充填セット16における例示的な薬物製品DP1用の充填レシピに関して上で説明した最適化サイクル及び実験データに基づいて、本開示の普遍的な充填レシピ50を、以下でより詳細に説明するように、図1のオフライン製造システム10及び図12の製造工場100の製造ライン102の各々に対して完成させた。特に、図7Aに記載するように、充填レシピ50は、特定の針パラメータを含み、針設定寸法を134.5mm及び39.0mmの一方に設定することと、基本的な針位置を7.0mmに設定することと、開始針を25度下向きに設定することとを含む。加えて、充填レシピ50の針パラメータはまた、投与開始時の針を10mmに設定することと、針を60度及び23度の一方で下向きに設定することと、針を125度上向きに設定することとを含む。更に、充填レシピ50はまた、投与終了時の針を13.0mm及び310度に設定することと、開始針を315度の遮断位置に設定することと、達する遮断位置を13.0mm及び315度に設定することと、開始針を315度の基本位置に設定することとを含み、基本的な針位置は359度に達した。
【0032】
加えて、図7Bに記載するように、本開示の完成した充填レシピ50はまた、ポンプのいくつかのパラメータを設定することを含む。特に、充填レシピ50は、開始ポンプ投与を40度に設定することと、ポンプ投与開始勾配を90度に設定することと、ポンプ投与停止勾配を210度に設定することと、最終ポンプ投与を260度に設定することとを含む。更に、充填レシピは、液滴引き込みのためのポンプ走行距離を20度に、最終液滴引き込みパラメータを290度に、投与量当たりの走行距離パラメータを766度になど、液滴引き込みパラメータを20度に設定することを含む。別の例では、より一般的に、充填レシピ50は、液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することを含んでもよく、本開示の範囲内に依然として含まれる。一例では、液滴引き込みパラメータの最低値は0度である。別の例では、充填レシピ50は、ポンプの液滴引き込みパラメータを10度、20度、又は10度~20度の範囲の任意の値のうちの1つに設定することを含んでもよい。なお更に、充填レシピ50は、例えば、液滴引き込みパラメータが20度に設定されたときに最終液滴引き込みを290度に設定すること、又は液滴引き込みパラメータを10度に設定したときに最終液滴引き込み値を280に設定することを含み得る。換言すれば、液滴引き込みパラメータのために選択された値、例えば、20度以下の任意の値に応じて、最終液滴引き込みパラメータは、設定された液滴引き込みパラメータ値と一致するように相応に調整され設定される。加えて、完成した充填レシピ50はまた、任意のバイアルの充填重量に対する無調整限界をT1に設定することを含み、例えば、図3Bに関して上で説明したように、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は約2%少ない範囲又は範囲内にある。
【0033】
この充填レシピ50を第2の充填セット16における例示的な薬物製品DP1に対して完成させたが、同じ充填レシピ50はまた、例えば、mAb製剤プログラムにおいてDP1又は他の薬物製品を使用する第1の充填セット14に対して使用されてもよい。なお更に、以下により詳細に説明するように、同じ完成した充填レシピ50はまた、製造工場のネスト式シリンジ及びバイアルラインでも効果的に使用される。より一般的には、製造工場内のネスト式シリンジ及びバイアルライン又は他の製造ライン用の充填レシピを最適化する方法は、例えば、図1のオフライン製造システム10の第1及び第2の充填セット14、16を使用することを含む。
【0034】
ここで図8A図8Bを参照すると、第2の充填セット16の充填性能に対する温度の影響を有効性について評価し、その結果は、図8Aのグラフ及び図8Bの表中に提供されている。特に、この実験サイクルでは、温度は摂氏10~11度に設定され、充填サイクル全体を通してこの摂氏10~11度の温度範囲にある間のプロセス性能パラメータCpkは、最小値1.33を大きく上回った。特に、サイクルには103回の充填が含まれ、最小充填重量は1.340gであり、最大充填重量は1.393gであり、平均充填重量は1.362gであり、標準偏差は0.008グラムであった。更に、プロセス性能パラメータCpk値は、1.95であり、例えば、目標最小値1.33を大きく上回った。図8Aは、この温度範囲では時折の充填重量がT1限界に達しそうであったことを示すが、その後の充填重量は、プロセス性能指数Cpkに大きな影響を及ぼすことなく目標付近に戻ることができた。
【0035】
ここで図9A図9Bを参照すると、第2の充填セット16の充填性能に対する摂氏10~11度よりも高い温度の影響(図8A及び8Bと同様)を評価し、その結果は、図9Aのグラフ及び図9Bの表中に提供されている。特に、この実験サイクルでは、温度を摂氏約19度に設定し、充填サイクル全体を通してこの摂氏約19度の温度の間のプロセス性能パラメータCpkは、最小値1.33を大きく上回った。具体的には、サイクルには103回の充填が含まれ、最小充填重量は1.348gであり、最大充填重量は1.384gであり、平均充填重量は1.366gであり、標準偏差は0.006グラムであった。更に、T2に対するプロセス性能パラメータCpkは、2.69であり、この例では、目標最小値1.3と、摂氏10~11度の低温での充填性能についてのプロセス性能パラメータCpkとの両方を大きく上回った。これは、僅かに高い温度での完成した充填レシピについての更に良好な充填性能を示す。
【0036】
ここで図10A図10Bを参照すると、第1の充填セット14の充填性能に対する温度の影響を評価し、その結果は、図10Aのグラフ及び図10Bの表中に提示されている。特に、この実験サイクルでは、温度をおよそ摂氏10~11度の範囲に設定し、充填サイクル全体を通してこの温度の間のプロセス性能パラメータCpkは、1.33等の最小値を大きく上回った。具体的には、サイクルには100回の充填が含まれ、最小充填重量は1.354gであり、最大充填重量は1.380gであり、平均充填重量は1.365gであり、標準偏差は0.005グラムであった。更に、T2に対するプロセス性能パラメータCpkは、3.16であり、例えば、摂氏10~11度(図8A及び図8B)の低温と摂氏19度の高温(図9A及び図9B)の両方での第2の充填セット16の充填性能についてのプロセス性能パラメータCpkと目標最小値1.33の各々を大きく上回った。したがって、このような結果は、異なる充填セットに対する完成した充填レシピの普遍的な性質及び適用可能性を示し、この充填レシピもまた、例えば、うまく移転されて製造工場のネスト式シリンジ及びバイアルラインで使用されてもよい。
【0037】
ここで図11A図11Bを参照すると、第1の充填セット14の充填性能に対する摂氏10~11度よりも高い温度の影響(図10A及び10Bと同様)を評価し、その結果は、図11Aのグラフ及び図11Bの表中に提供されている。特に、この実験サイクルでは、温度を摂氏約19度に設定し、充填サイクル全体を通してこの摂氏約19度の温度の間のプロセス性能パラメータCpkは、最小値1.33を大きく上回った。具体的には、サイクルには120回の充填が含まれ、最小充填重量は1.352gであり、最大充填重量は1.373gであり、平均充填重量は1.362gであり、標準偏差は0.004グラムであった。更に、T2に対するプロセス性能パラメータCpkは、3.61であり、例えば、目標最小値1.33と、摂氏10~11度の低温での充填性能についての3.16のプロセス性能パラメータCpkとの両方を大きく上回った。
【0038】
したがって、結果は、第1のセット14と第2のセット16の両方の全ての温度範囲で最小プロセス性能指数Cpkを超えているが、図8A図9Bの第2の充填セット16の充填性能と比較して図10A図11Bの第1のセット14での充填重量性能が優れていることを示す。加えて、第2の充填セット16で観察された温度の影響は、第1の充填セット14ではあまり顕著ではない。
【0039】
ここで図12を参照すると、製造工場100内の製造ライン102の概略図が示されている。この例では、製造ライン102は、本開示の効率的で普遍的な充填レシピ50が効果的に使用される少なくとも1つのネスト式シリンジ及びバイアルライン104を含む。一例では、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104は、ISO 2R RTUバイアル等の、複数のバイアル105を有するネスト式シリンジ及びバイアルライン(NSVL)である。本開示の充填レシピ50は、他の様々なネスト式シリンジ及びバイアルラインで利用されてもよく、本開示の範囲内に依然として含まれることが理解されるであろう。また、バイアル105は、より一般的には、シリンジ等の、任意の容器105であってもよく、本開示の範囲内に依然として含まれることが理解されるであろう。加えて、他の例では、製造ライン102は、複数のネスト式シリンジ及びバイアルライン106を含んでもよく、複数のネスト式シリンジ及びバイアルライン106の各々は、例えば、少なくとも1つのネスト式シリンジ及びバイアルライン104を含む。製造ライン102はまた、少なくとも1つのネスト式シリンジ及びバイアルライン104の少なくとも1つのバイアルに対応し且つこのバイアルと協働する少なくとも1つのポンプ110を含む。加えて、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104の複数のバイアル114に対応する複数のポンプ112があってもよい。更に他の例では、本開示の充填レシピ50が実施される複数のネスト式シリンジ及びバイアルラインがあってもよい。
【0040】
ここで図13A及び図13Bを参照すると、図12の例示的なネスト式シリンジ及びバイアルライン104が図13Aに示されている。ネスト式シリンジ及びバイアルライン104は、半自動デバッガ104aと、自動デバッガ104bと、急速移送エアロック104cと、ネスト式充填装置(アイソレータ)104dと、キャッパ104eとを含む、B20ネスト式シリンジ及びバイアルライン(NSVL)である。様々な他の臨床又は商業生産用充填装置が代替的に使用されてもよく、本開示の範囲内に依然として含まれる。
【0041】
加えて、図13Bは、例えば、図12のネスト式シリンジ及びバイアルライン104の複数のバイアル114に対応する複数のポンプ112であり得る、複数のポンプを示す。この例では、複数のポンプ112は、複数のバイアル114の各バイアル105と協働する5つのポンプ110を含む。この例では、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104は、Bausch&Strobel充填装置等の、臨床生産用充填装置である。容器105は一般にバイアルと称されるが、容器105は、バイアル、シリンジ又はプラスチック製カートリッジのうちの1つ以上であってもよく、本開示の範囲内に依然として含まれることが理解されるであろう。例えば、容器105は、ネスト式のISO 2Rバイアル、ネスト式の1mLのガラス製及びプラスチック製シリンジ、又はネスト式の5ccのプラスチック製カートリッジを含んでもよい。加えて、複数のポンプは、この例では5つのポンプ110を含むが、より多い又は少ないポンプが代替的に使用されてもよく、本開示の範囲内に依然として含まれることが理解されるであろう。一例では、複数のポンプは、例えば、異なる充填装置に対する10台のポンプ若しくは2つのポンプ、又はこの範囲内の任意の他の数のポンプを含んでもよく、本開示の範囲内に依然として含まれる。
【0042】
ネスト式シリンジ及びバイアルライン104の複数のバイアル105に充填する方法は、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104のバイアル105又は複数のバイアル105の一方に対応するポンプ110又は複数のポンプ112の一方を用意することを含む。本方法はまた、各ポンプ110の液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することを含む。加えて、一例では、本方法はまた、バイアル105の充填重量に対する無調整限界をT1に設定することであって、T1は、対象物充填重量T0の充填重量よりも約2%多いか又は約2%少ない範囲又は範囲内にある、設定することを含む。本方法は、複数のポンプ112のうちの対応するポンプ110を介してmAb製剤等の薬物製品を、複数のバイアル105の各バイアル105に充填することをなお更に含んでもよい。本方法は更にまた、充填サイクル全体を通して温度範囲にある間に複数のバイアル105の各バイアル105についてのプロセス性能指数Cpkの最小値を超えることを含んでもよく、温度範囲は、(1)摂氏5(±3)度、(2)摂氏20(±5)度、又は(3)摂氏10~19度のうちの1つである。
【0043】
この例では、プロセス性能指数Cpkの最小値は、1.33である。他の例では、例えば臨床充填では、プロセス性能指数Cpkの最小値は1.0である。しかしながら、この例では、商用充填において一般に理解されるように、プロセス性能指数Cpkの最小値は1.33である。加えて、複数のポンプ112のうちの対応するポンプ110を介して薬物製品を各バイアル105に充填することは、薬物製品を各バイアル105に充填することを含み、薬物製品は、以下の特徴、即ち、(1)約1.0~1.2g/cmの範囲の密度、(b)約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び(c)約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力のうちの1つ以上を有する。一例では、薬物製品は、1.0~1.2g/cmの範囲の密度、約1.0~10.0cPの範囲の粘度、及び約40.0~72.7mN/mの範囲の表面張力を有する。
【0044】
ここで図14及び図15を参照すると、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104における本開示の新しい充填レシピの充填性能が提供される。特に、新しい充填レシピを使用してポンプ110に動作方法を学習させるために必要なポンプ110(又はポンプ112)のストローク数等の、総投与量最適化サイクルは、新しい充填レシピを使用して最小化される。具体的には、総投与量最適化サイクル値は4であり、この値は、例えば、図15に記載した以前の充填レシピの総投与量最適化サイクルの値と比較して大幅に低減される。加えて、(図12の)ネスト式シリンジ及びバイアルライン104の複数のポンプ112の各ポンプ110の各ノズル(図示せず)についてのプロセス性能指数Cpkは、望ましいプロセス性能指数Cpkの最小値1.33を超える。実際に、ポンプ110の全てのノズルについての平均的なプロセス性能指数Cpk値は1.4である。
【0045】
ここで図15を参照すると、古い充填レシピを使用したポンプのノズルのプロセス性能指数Cpkをリスト化したチャートが記載されている。具体的には、mAb製剤を含む、多種多様な異なる薬物製品に対して古い充填レシピを使用したときに、ポンプの全てのノズルについての平均的なプロセス性能指数Cpkは、所望のプロセス性能指数Cpk値1.33を大きく下回った。換言すれば、プロセス性能指数Cpk値は全て1.33未満であった。加えて、総投与量最適化サイクルは、新しい充填レシピ50を使用したときの図14にリスト化した投与量最適化サイクル値と比較して古い充填レシピを使用した各薬物製品に対してより優れていた。
【0046】
前述の内容を考慮すれば、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104のバイアル105等の、容器用の充填レシピを最適化する方法を、例えば、上で説明し図1に示したオフライン製造システム10の第1及び第2の充填セット14、16並びに対応する第1及び第2の充填対象物18、20を使用して完成させたことが認識されるであろう。オフラインシステム10等の、オフラインシステムを使用してレシピを完成させることによって、科学者のチームは、製造工場内の製造ラインが動かされない又は中断されないように、大規模製造工場内で実施できない実験及び試験を実行することができる。加えて、オフラインシステム10は、多くの場合、カメラを含み、必要とされるオペレータ用具の制限及び大規模製造工場の他の制約を含まない。更に、この同じ最適化された充填レシピは、上で説明したように、異なる薬物製品用に使用されてもよい。
【0047】
より具体的には、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104用の充填レシピを最適化する方法は、少なくとも1つの容器18、20に対応するオフライン製造システム10内の少なくとも1つのポンプ14、16、22の液滴引き込みパラメータを20度以下の任意の値に設定することを含む。本方法は、20度以下の任意の値に設定された少なくとも1つのポンプ14、16、22の液滴引き込みパラメータを用いて少なくとも1つのポンプ14、16、20の性能を監視することを更に含む。本方法は、オフライン製造システム10内の少なくとも1つのポンプ14、16、22を使用して、少なくとも1つの充填サイクル全体を通して少なくとも1つの容器18、20について及び少なくとも1つの薬物製品についてのプロセス性能指数(Cpk)の少なくとも最小値を取得することをなお更に含む。本方法はまた、オフライン製造システム10内の少なくとも1つのポンプ14、16、22を使用する少なくとも1つの薬物製品の充填サイクルからのデータを使用して、ネスト式シリンジ及びバイアルライン104用の充填レシピを完成させることを含む。
【0048】
したがって、製造工場内の製造ラインに適用可能である、mAb薬物製品等の、薬物製品用に最適化された充填レシピが開発されている。その結果、製造工場のネスト式シリンジ及びバイアルラインに対応するポンプのプログラミング(例えば、異なる薬物製品に対する異なるレシピに必要であることが多い)に関する多大な時間が節約される。
【0049】
上記の説明では、ネスト式シリンジ及びバイアルラインのバイアルに充填する様々なシステム及び方法について説明する。システム又は方法は、後述の薬剤の使用を更に含むことができる点を明確にすべきであるが、以下のリストは網羅的でも限定的でもないと考えるべきではないことに留意されたい。薬剤は、リザーバ内に収容される。いくつかの場合、リザーバは、治療のために薬剤が充填された一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はシリンジであり得る。
【0050】
例えば、本明細書に開示される方法と共に使用され得る薬物製品は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等の、コロニー刺激因子を含んでもよい。このようなG-CSF剤には、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されない。様々な他の実施形態において、本方法は、液体又は凍結乾燥形態であり得る、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)等の様々な医薬製品を使用してもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ等の、赤血球産生を刺激する任意の分子、並びに、各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、以下の特許又は特許出願:以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、及びPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレットに開示される分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0051】
ESAは、赤血球造血刺激タンパク質であり得る。本明細書で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体及びペプチド又は抗体(並びに各開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられる)並びに各開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許又は特許出願:米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書及び米国特許第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット及び国際公開第2006/29094号パンフレットに開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0052】
本明細書に開示される方法と共に使用され得る他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)等の抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)等の他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)等の小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本方法は、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は鉄、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、及び含糖酸化鉄等の他の化学物質と共に使用されてもよい。医薬品は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0053】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。PCT国際公開第03/002713号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報の図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は上記公報の図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、上記公報中に記載される配列を有するもので、具体的に、上記中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれる上記公報に記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0054】
米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリー、及び配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0055】
PCT国際公開第2005/047331号パンフレット又は国際出願PCT/US2004/37242号明細書及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に上記公報に記載されるような抗体等、特に、上記公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0056】
米国特許出願公開第2004/097712号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0057】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0058】
米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、上記公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0059】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むが、これに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むが、これに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むが、これに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、これに限定されない、特にヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,789,554号明細書に記載されているもの等の、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0060】
PCT国際公開第06/069202号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されているIGF-1特異抗体、即ち、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むが、これらに限定されない、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているもの等の、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0061】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある。
【0062】
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、同第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、同第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)、例えば、上記の公報に記載される抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及び同第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、並びにLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12及びIMC-A12を含むが、これらに限定されない。
【0064】
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、PCT国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、PCT国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、PCT国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及びPCT国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)。
【0065】
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM 607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むが、これらに限定されない。
【0066】
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2及びhuEM164 v1.3を含むが、これらに限定されない。
【0067】
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号明細書(2004年5月6日公開)並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むが、これらに限定されない、例えば抗体CP-751,871。
【0068】
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体とを含むが、これらに限定されない、並びに
【0069】
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4及びPINT-12A5を含むが、これらに限定されない。
【0070】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、上記の点の全てにおいて、以下の公報に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中にそれぞれ、軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列の配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの。
【0071】
例えば、146B7等の、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体等の、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0072】
IFNγ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、例えば、IFNγ特異抗体、特に、例えば、次の特許公開において1118、1118*、1119、1121、及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列とは、それぞれ前述の公開及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。それに加えて、上記の公開文献において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、その全体が参照によって本願に組み込まれる。特異抗体には、前述の公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119である。
【0073】
以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質。
【0074】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0075】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0076】
HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5とを中和する完全ヒトモノクローナル抗体等の、cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。
【0077】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。
【0078】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。
【0079】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。
【0080】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。考えられる1つの抗体は、上記の公開文献において開示されている配列番号8を含む重鎖可変領域と配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である。
【0081】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。
【0082】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに
【0083】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.ディフィシル(C. difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番を含む、他の例示的なタンパク質。
【0084】
ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS 804(Novartis)等であるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体もまた含まれ得る。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX又はXGEVA等の治療薬が更に含まれ得る。それに加えて、デバイスには、ヒトProprotein Convertase Subtilisin/Kexin Type 9(PCSK9)と結合するモノクローナル抗体(IgG)を含めることができ、例えば、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、同第2008/057458号パンフレット、同第2008/057459号パンフレット、同第2008/063382号パンフレット、同第2008/133647号パンフレット、同第2009/100297号パンフレット、同第2009/100318号パンフレット、同第2011/037791号パンフレット、同第2011/053759号パンフレット、同第2011/053783号パンフレット、同第2008/125623号パンフレット、同第2011/072263号パンフレット、同第2009/055783号パンフレット、同第2012/0544438号パンフレット、同第2010/029513号パンフレット、同第2011/111007号パンフレット、同第2010/077854号パンフレット、同第2012/088313号パンフレット、同第2012/101251号パンフレット、同第2012/101252号パンフレット、同第2012/101253号パンフレット、同第2012/109530号パンフレット、同第2001/031007号パンフレットである。
【0085】
黒色腫又は他の癌の治療用のタリモジーンラハーパレプベック又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143)、G207、1716、NV1020、NV12023、NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer Gene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
TIMPも含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現され、又は及び細胞外基質内に存在し、主要なあらゆる軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ様関節炎及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割、並びに癌及び心臓血管状態において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコード化するDNAの核酸配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号明細書において開示されており、その開示は、参照によって本願に組み込まれる。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及びPCT出願公開番号国際公開第2014/152012号パンフレットに見ることができる。
【0087】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これらの分子に関するより詳しい情報は、PCT出願番号国際公開第2010/075238号パンフレットに見ることができる。
【0088】
加えて、二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))分子、例えば、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)を、本明細書に開示される方法において使用することができる。或いは、APJ巨大分子作動薬、例えば、アペリン又はその類似体をデバイスに含めることができる。このような分子に関する情報は、国際出願公開第2014/099984号パンフレットに見ることができる。
【0089】
ある実施形態において、薬剤は、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用され得る抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好ましい実施形態において、薬剤は、治療的有効量の、米国特許第7,982,016号明細書内でA5と指定されている抗TSLP抗体を含む。
【0090】
前述の方法、及びそれらの要素を例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは、これらの例示的な実施形態に限定されない。詳細な説明は、例としてのみ解釈されるものとし、可能な実施形態の全てを説明することは、不可能ではないにしても非現実的であることから、本発明の全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを用いて、多くの代替的な実施形態を実施することができ、それは、本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0091】
本発明の法的範囲は、本特許の最後に記載されている特許請求の範囲の言葉によって定義されることを理解すべきである。添付の特許請求の範囲は、デバイス、システム、方法、及びそれらの要素の均等物の範囲を逸脱することなく当業者によって作製され得る他の変形形態及びその実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A-1】
図13A-2】
図13B-1】
図13B-2】
図13C
図14
図15
【国際調査報告】