(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】再利用可能な浄化空気呼吸デバイス
(51)【国際特許分類】
A62B 18/02 20060101AFI20240625BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A62B18/02 A
A62B18/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572521
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022030764
(87)【国際公開番号】W WO2022251246
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523440204
【氏名又は名称】ペゼシュキ,レザ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペゼシュキ,レザ
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CA03
2E185CB18
2E185CC14
2E185CC32
(57)【要約】
空気呼吸デバイスは、ケーシングと、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティと、を含む。本デバイスは、空気通路キャビティをケーシングの外側に接続する空気取入ポート及び空気排出ポートのセットを含む。本デバイスは、空気取入ポートを通して吸入中に空気が空気通路キャビティに流入することを可能にするダンパーのセットを含む。本デバイスは、空気排出ポートを通した吐き出し中に空気が空気通路キャビティから出ることを可能にするダンパーのセットを含む。本デバイスは、装着者にコンテンツを表示するための格納式表示画面を含む。本デバイスは、カメラレンズによって捕捉された、又は装着者の捕捉された声に基づいてシミュレートした、装着者の口の画像を表示するための固定表示画面を含む。本デバイスは、UV光、フィルタ、ネットワーク接続、カメラレンズ、スピーカー、マイクロフォン、イヤープラグ、及び加熱コイルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気呼吸デバイスであって、
ケーシングと、
前記ケーシングによって包囲された空気通路キャビティと
1つ以上の空気取入ポートのセットであって、各空気取入ポートは、空気取入ダンパーを通して前記空気通路キャビティを前記ケーシングの外側に接続し、各空気取入ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気取入ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、前記空気取入ダンパーを開けるために前記対応するヒンジの周りで第1の方向に回転するように構成され、各空気取入ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、前記空気取入ダンパーを閉じるために前記対応するヒンジの周りで第2の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気取入ポートのセットと、
1つ以上の空気排出ポートのセットであって、各空気排出ポートは、空気排出ダンパーを通して前記空気通路キャビティを前記ケーシングの前記外側に接続し、各空気排出ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気排出ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、前記空気排出ダンパーを開けるために前記対応するヒンジの周りで第3の方向に回転するように構成され、各空気排出ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、前記空気排出ダンパーを閉じるために前記対応するヒンジの周りで第4の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気排出ポートのセットと、
前記空気通路キャビティを、前記空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブと、
前記空気通路キャビティの内側の1つ以上の紫外線(UV)光源のセットと、
前記空気チューブの内側に位置する1つ以上のUV光スクリーンの第1のセットであって、前記空気通路キャビティを前記ヒトの口から分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第1のセットと、
1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットであって、前記UV光スクリーンの第2のセットにおける各UV光スクリーンは、前記空気通路キャビティを1つの空気取入ポート及び1つの空気排出ポートから分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットと、を備える、空気呼吸デバイス。
【請求項2】
前記UV光源のセットは、200ナノメートル~280ナノメートルの範囲の波長を有するUV光線を生成するように構成されている、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項3】
前記空気通路キャビティの内部表面の少なくとも一部分は、UV光線を反射する材料を含む、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項4】
前記UV光源のセットをオン又はオフにするためのスイッチを更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項5】
各空気取入ポートで前記ケーシングの内側に位置する交換可能な空気フィルタを更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項6】
各空気取入ポートにおける穿孔されたスクリーンと、
各空気排出ポートにおける穿孔されたスクリーンと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項7】
格納式表示画面と、
1つ以上の無線トランシーバのセットと、
プロセッサであって、
前記無線トランシーバのセットを通して、前記空気呼吸デバイスの外部の1つ以上の電子デバイスからコンテンツを受信することと、
前記格納式表示画面上に前記コンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項8】
前記格納式表示画面は、前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトにコンテンツを表示するように構成されている、請求項7に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項9】
前記格納式表示画面は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶オンシリコン(LCOS)、及び前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトの目に画像を向けるように構成された複数のレンズのうちの1つである、請求項7に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項10】
前記プロセッサ、前記格納式表示画面、及び前記無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える、請求項7に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項11】
前記ケーシング上に位置し、前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトに顔を向けているヒトが見ることができるように位置決めされた固定表示画面と、
プロセッサであって、
メディアコンテンツを受信することと、
前記固定表示画面上に前記メディアコンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項12】
前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトの前記口に方向付けられたカメラレンズを更に備え、
前記カメラレンズは、複数の画像及び1つ以上のビデオのセットのうちの1つを含むメディアコンテンツを捕捉するように構成されており、
前記プロセッサは、前記固定表示画面上に前記捕捉されたコンテンツを表示するように構成されている、請求項11に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項13】
前記空気呼吸デバイスの前記装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンを更に備え、
前記プロセッサは、前記捕捉された音を、シミュレートした唇の動きに変換し、
前記固定表示画面上に前記シミュレートした唇の動きを表示するように構成されている、請求項11に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項14】
フラッシュライトと、
前記フラッシュライトをオン又はオフにするためのスイッチと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項15】
前記空気呼吸デバイスの前記装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンと、
前記マイクロフォンによって捕捉された前記音を再生するように構成された1つ以上のスピーカーのセットと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項16】
前記空気取入ダンパーと前記空気通路キャビティとの間に位置する1つ以上の加熱コイルのセットと、
前記ケーシングの内側の空気温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサのセットと、
1つ以上のトランシーバのセットと、
プロセッサであって、
前記温度センサのセットから温度測定値を受信することと、
前記トランシーバのセットにおける前記トランシーバのうちの1つを通して前記プロセッサに通信可能に結合された外部電子デバイスから第1の温度閾値及び第2の温度閾値を受信することであって、前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも大きい、受信することと、
前記温度測定値が前記第1の閾値を下回るときに、前記加熱コイルのセットへの電力をオンにすることと、
前記温度測定値が前記第2の前記閾値を上回るときに、前記加熱コイルへの前記電力をオフにすることと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項17】
前記ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、前記USBポートは、外部電源に接続し、前記加熱コイルのセット、前記トランシーバのセット、前記プロセッサ、及び前記UV光源のセットに電力を供給するように構成されている、請求項16に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項18】
プロセッサと、
複数のモーターであって、各モーターは、空気取入ダンパー又は空気排出ダンパーに対応し、各モーターは、1つ以上の信号を受信し、前記信号を受信することに応答して、前記対応するダンパーを開けるか又は閉じるように構成されている、複数のモーターと、
前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧と前記ケーシングの外側の前記空気圧との間の差を測定するように構成された空気圧差センサと、を更に備え、
前記プロセッサは、
前記空気圧差センサから前記空気圧差読み取り値を受信することと、
前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧が前記ケーシングの外側の前記空気圧を第1の閾値だけ超えていると判定することに応答して、前記空気取入ダンパーを閉じるために前記空気取入ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信し、前記空気排出ダンパーを開けるために前記空気排出ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信することと、
前記ケーシングの外側の前記空気圧が前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧を第2の閾値だけ超えていると判定することに応答して、前記空気取入ダンパーを開けるために前記空気取入ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信し、前記空気排出ダンパーを閉じるために前記空気排出ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成されている、請求項1に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項19】
空気呼吸デバイスであって、
ケーシングと、
前記ケーシングによって包囲された空気通路キャビティと
1つ以上の空気取入ポートのセットであって、各空気取入ポートは、空気取入ダンパーを通して前記空気通路キャビティを前記ケーシングの外側に接続し、各空気取入ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気取入ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、前記空気取入ダンパーを開けるために前記対応するヒンジの周りで第1の方向に回転するように構成され、各空気取入ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、前記空気取入ダンパーを閉じるために前記対応するヒンジの周りで第2の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気取入ポートのセットと、
1つ以上の空気排出ポートのセットであって、各空気排出ポートは、空気排出ダンパーを通して前記空気通路キャビティを前記ケーシングの前記外側に接続し、各空気排出ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気排出ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、前記空気排出ダンパーを開けるために前記対応するヒンジの周りで第3の方向に回転するように構成され、各空気排出ダンパーブレードは、前記空気通路キャビティの内側の空気圧が前記ケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、前記空気排出ダンパーを閉じるために前記対応するヒンジの周りで第4の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気排出ポートのセットと、
前記空気通路キャビティを、前記空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブと、を備える、空気呼吸デバイス。
【請求項20】
プロセッサと、
複数のモーターであって、各モーターは、空気取入ダンパー又は空気排出ダンパーに対応し、各モーターは、1つ以上の信号を受信し、前記信号を受信することに応答して、前記対応するダンパーを開けるか又は閉じるように構成されている、複数のモーターと、
前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧と前記ケーシングの外側の前記空気圧との間の差を測定するように構成された空気圧差センサと、を更に備え、
前記プロセッサは、
前記空気圧差センサから前記空気圧差読み取り値を受信することと、
前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧が前記ケーシングの外側の前記空気圧を第1の閾値だけ超えていると判定することに応答して、前記空気取入ダンパーを閉じるために前記空気取入ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信し、前記空気排出ダンパーを開けるために前記空気排出ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信することと、
前記ケーシングの外側の前記空気圧が前記空気通路キャビティの内側の前記空気圧を第2の閾値だけ超えていると判定することに応答して、前記空気取入ダンパーを開けるために前記空気取入ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信し、前記空気排出ダンパーを閉じるために前記空気排出ダンパーに対応する前記モーターに1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成されている、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項21】
格納式表示画面と、
1つ以上の無線トランシーバのセットと、
プロセッサであって、
前記無線トランシーバのセットを通して、前記空気呼吸デバイスの外部の1つ以上の電子デバイスからコンテンツを受信することと、
前記格納式表示画面上に前記コンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項22】
前記格納式表示画面は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶オンシリコン(LCOS)、及び前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトの目に画像を向けるように構成された複数のレンズのうちの1つである、請求項21に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項23】
前記プロセッサ、前記格納式表示画面、及び前記無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える、請求項21に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項24】
前記ケーシング上に位置し、前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトに顔を向けているヒトが見ることができるように位置決めされた固定表示画面と、
プロセッサであって、
メディアコンテンツを受信することと、
前記固定表示画面上に前記メディアコンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項25】
前記空気呼吸デバイスを装着している前記ヒトの前記口に方向付けられたカメラレンズを更に備え、
前記カメラレンズは、複数の画像及び1つ以上のビデオのセットのうちの1つを含むメディアコンテンツを捕捉するように構成されており、
前記プロセッサは、前記固定表示画面上に前記捕捉されたコンテンツを表示するように構成されている、請求項24に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項26】
前記空気呼吸デバイスの前記装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンを更に備え、
前記プロセッサは、前記捕捉された音を、シミュレートした唇の動きに変換し、
前記固定表示画面上に前記シミュレートした唇の動きを表示するように構成されている、請求項24に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項27】
フラッシュライトと、
前記フラッシュライトをオン又はオフにするためのスイッチと、を更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項28】
前記空気呼吸デバイスの前記装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンと、
前記マイクロフォンによって捕捉された前記音を再生するように構成された1つ以上のスピーカーのセットと、を更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項29】
各空気取入ポートで前記ケーシングの内側に位置する交換可能な空気フィルタを更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項30】
前記空気取入ダンパーと前記空気通路キャビティとの間に位置する1つ以上の加熱コイルのセットと、
前記ケーシングの内側の空気温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサのセットと、
1つ以上のトランシーバのセットと、
プロセッサであって、
前記温度センサのセットから温度測定値を受信することと、
前記トランシーバのセットにおける前記トランシーバのうちの1つを通して前記プロセッサに通信可能に結合された外部電子デバイスから第1の温度閾値及び第2の温度閾値を受信することであって、前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも大きい、受信することと、
前記温度測定値が前記第1の閾値を下回るときに、前記加熱コイルのセットへの電力をオンにすることと、
前記温度測定値が前記第2の前記閾値を上回るときに、前記加熱コイルへの前記電力をオフにすることと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える、請求項19に記載の空気呼吸デバイス。
【請求項31】
前記ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、前記USBポートは、外部電源に接続し、前記加熱コイルのセット、前記プロセッサ、及び前記トランシーバのセットに電力を供給するように構成されている、請求項30に記載の空気呼吸デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行出願の利益の主張
本出願は、2022年5月23日に出願された米国特許出願第17/751,216号、2022年3月2日に出願された米国仮特許出願第63/315,686号、2021年5月25日に出願された米国仮特許出願第63/192,575号の利益を主張する。米国特許出願第17/751,216号、米国仮特許出願第63/315,686号、及び仮特許出願第63/192,575号の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
呼吸器は、空気中の有害なガス、微生物、及び微粒子を吸入することから装着者を保護するために使用されるデバイスである。一部の呼吸器は、煙霧、蒸気、及び粉塵粒子を濾過するように設計され得る。一部の呼吸器は、ウイルス、微生物、真菌などの微生物を濾過するように設計され得る。呼吸器は、使い捨てのフェイスマスクと、交換可能なフィルタカートリッジを備えた再利用可能なガス呼吸器と、を含む。呼吸器は、医療、製造、建設、鉱業、及び他の産業における労働者によって、並びに混雑した場所において他のヒトと接触するときに個人によって、健康及び安全上の理由のために使用されている。
【0003】
ここで、本再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの様々な実施形態について、有利な特徴を強調することに重点を置いて詳細に考察する。これらの実施形態は、例示のみを目的とした、添付の図面に示される新規かつ非自明な再利用可能な浄化空気呼吸デバイスを描写する。これらの図面は、以下の図を含み、これらの図では、同様の数字は同様の部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の様々な態様による、再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
【0005】
【
図2】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図である。
【
図3】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの背面斜視図である。
【
図4A】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【
図4B】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面斜視図である。
【
図4C】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの背面斜視図である。
【
図4D】
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの底面図である。
【0006】
【
図5A】本開示の様々な態様による、空気流制御デバイス又はダンパーの側面斜視図である。
【
図5B】本開示の様々な態様による、空気流制御デバイス又はダンパーの正面立面図である。
【0007】
【0008】
【
図6】本開示の様々な態様による、電動ダンパーの制御を示す電気機械的機能ブロック図である。
【0009】
【
図7A】本開示の様々な態様による、空気チューブの内側に位置するUVC光スクリーンの正面斜視図である。
【
図7B】本開示の様々な態様による、空気チューブの内側に位置するUVC光スクリーンの背面斜視図である。
【
図7C】本開示の様々な態様による、空気チューブの内側に位置するUVC光スクリーンの背面立面図である。
【0010】
【0011】
【
図8A】本開示の様々な態様による、UVC光が空気呼吸デバイスのケーシングの外側に漏れるのを防止し得るUVC光スクリーンの正面斜視図である。
【
図8B】本開示の様々な態様による、UVC光が空気呼吸デバイスのケーシングの外側に漏れるのを防止し得るUVC光スクリーンの背面斜視図である。
【
図8C】本開示の様々な態様による、UVC光が空気呼吸デバイスのケーシングの外側に漏れるのを防止し得るUVC光スクリーンの背面立面図である。
【0012】
【0013】
【
図9】本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0014】
【
図10】本開示の様々な態様による、
図9に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【0015】
【
図11】本開示の様々な態様による、
図9に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
【0016】
【
図12】本開示の様々な態様による、
図9に示される線C-Cに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【0017】
【
図13】本開示の様々な態様による、
図9に示される線D-Dに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
【0018】
【
図14】本開示の様々な態様による、ネットワーク接続、1つ以上のカメラ、1つ以上の表示画面、全地球測位システム(GPS)受信機、マイクロフォン、フラッシュライト、1つ以上の無線トランシーバ、及び/又は1つ以上のスピーカーを提供する再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
【0019】
【
図15】
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図である。
【
図16】
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの背面斜視図である。
【
図17B】
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面斜視図である。
【
図17C】
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの背面及び側面斜視図である。
【0020】
【
図18】本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0021】
【
図19】本開示の様々な態様による、
図18に示される線E-Eに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【0022】
【
図20】本開示の様々な態様による、再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
【0023】
【
図21】
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図である。
【
図22】
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面立面図である。
【
図23】
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0024】
【
図24】本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0025】
【
図25】本開示の様々な態様による、
図24に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【
図26】本開示の様々な態様による、
図24に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
【0026】
【
図27】本開示の様々な態様による、ネットワーク接続、1つ以上のカメラ、1つ以上の表示画面、GPS受信機、セルラー信号受信機、1つ以上のWi-Fi及び/若しくはBluetooth受信機、並びに/又は空気加熱モジュールを提供する再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
【0027】
【
図28】
図27の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面立面図である。
【
図29】
図27の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0028】
【
図30】本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの更なる構成要素を示す、
図27の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
【0029】
【
図31】本開示の様々な態様による、
図30に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【
図32】本開示の様々な態様による、
図30に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本実施形態の一態様は、長年にわたる課題が、ウイルス、細菌、空気微粒子、煙霧、及び揮発性化合物などの周囲汚染物質から呼吸空気を滅菌する呼吸器(又はフェイスマスク)を考案することであるという認識を含む。主に産業用途のために設計された既存の呼吸器は、ウイルス及び細菌などの微生物を破壊しない。他方、微生物を止めるために使用される呼吸器は、煙霧及び揮発性化合物を濾過しない。
【0031】
加えて、既存の産業用呼吸器は、呼吸を困難にする比較的高い空気圧降下を有するヘビーデューティフィルタで装備されている。高い空気圧降下は、空気が最小抵抗の経路を通って移動するため、既存の呼吸器の周辺の周りで空気漏れを引き起こす。高いフィルタ圧力降下のために、これらの呼吸器は、周辺の周りから呼吸器への空気の侵入を最小限に抑えるために、顔に対してしっかりと固定される必要があり、呼吸器の使用を不快にする。これらの呼吸器は、ユーザーが呼吸器を装着しながら、他のヒトと通話することを困難にし得る。本ユーザーは、携帯電話を使用することができず、並びに/又はインターネット及び/若しくはイントラネットなどの異なるネットワークへのアクセスを有することができない場合がある。
【0032】
以下に詳細に記載されるように、本実施形態は、望ましくない空気微粒子及び揮発性化合物を除去し、ユーザーの体内に入る前に呼吸空気を滅菌する再利用可能な浄化空気呼吸デバイスを提供することによって、上記の問題を解決する。加えて、本実施形態の浄化空気呼吸デバイスは、空気呼吸デバイスを出て環境に戻る前に排出される呼吸空気を滅菌し、病人から他のヒトへの病気の広がりを防止する。
【0033】
本実施形態の空気呼吸デバイスは、ユーザーによる空気の吸入及び吐き出し中に空気が空気呼吸デバイスに出入りする方向を制御し得るダンパー(又はルーバー)のセットを含み得る。本実施形態の空気呼吸デバイスは、ウイルス、細菌、及び真菌などの微生物を破壊し得る紫外線(UV)光源(又はランプ)を含み得る。本実施形態の空気呼吸デバイスは、空気がユーザーによって吸入される前に空気を加熱する加熱機構を含み得る。
【0034】
本実施形態の空気呼吸デバイスは、微粒子フィルタ及び/又は炭素フィルタなどの1つ以上の交換可能な空気フィルタを含み得る。いくつかの実施形態では、空気フィルタ及び炭素フィルタは、1つの交換可能なカートリッジに含まれるか、又は組み合わされ得る。微粒子フィルタは、繊維性又は多孔質材料で作られ得、粉塵、花粉、霧、煙霧、及び煙などの微粒子を捕捉するように構成され得る。微粒子フィルタは、油性粒子及び非油性粒子を濾過するように構成され得る。炭素フィルタは、活性炭素の床を通してガスを濾過するように構成され得る。炭素フィルタは、揮発性有機化合物又はオゾンなどの臭気及びガス状汚染物質を除去し得る。
【0035】
本実施形態の空気呼吸デバイスは、異なるネットワークへの接続及び/又は他のヒトとの通信を容易にするために、ネットワーク接続、カメラレンズ、スピーカー、マイクロフォン、イヤープラグなどを含み得る。本実施形態の空気呼吸デバイスは、空気呼吸デバイスを装着しているヒト及び/又は他のヒトに情報を表示するための1つ以上の表示画面を含み得る。
【0036】
残りの詳細な記載は、図面を参照して本実施形態を記載する。図面において、参照番号は、本実施形態の要素にラベル付けする。これらの参照番号は、対応する図面の特徴の考察に関連して以下に再現されている。
【0037】
I.浄化空気呼吸デバイス
本実施形態のいくつかは、再利用可能な浄化空気呼吸デバイスを提供する。
図1は、本開示の様々な態様による、再利用可能な浄化空気呼吸デバイス100の斜視図である。
図2は、
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図であり、
図3は、背面斜視図であり、
図4Aは上面図であり、
図4Bは、正面及び側面斜視図であり、
図4Cは、背面及び側面斜視図であり、
図4Dは、底面図である。
【0038】
図2~
図4Dは、空気呼吸デバイス100の外側から見える空気呼吸デバイス100の構成要素のみを示す。本開示における図のいくつかに描写されたヒトは、本実施形態の空気呼吸デバイス100がヒト(このヒトは、本明細書では装着者として呼称される)によってどのように装着され得るかを示すためのものである。
【0039】
図1~
図4Dを参照すると、空気呼吸デバイス100は、面体180、ケーシング102、いくつかのハーネスハンドル105、ハーネス106のセット(
図2)、1つ以上のUV光源108、UV光状態インジケータ196、1つ以上の充電式電池109、除染チャンバ(又は空気通路キャビティ)110、1つ以上のUVC光分離スクリーン111及び114、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117のいくつかのセット、UV光オン/オフスイッチ122、1つ以上の通信トランシーバ130(例えば、1つ以上の有線又は無線トランシーバ)、プロセッサ140、除染チャンバ110と面体180との間での空気移送のための空気チューブ147、1つ以上の電気加熱コイル136、及び空気圧差センサ139を含み得る。
【0040】
図1~
図4Dを更に参照すると、空気呼吸デバイスのケーシング102は、例えば、限定されないが、硬質プラスチックなどの材料で作られ得る。ケーシングの外部は、断熱材料の層によって、注入された発泡断熱材によって、又は他の材料及び方法によって断熱され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ケーシング102の本体は、ケーシング102の外部の近くにキャビティを含み得、発泡断熱材は、ケーシング102の製造中にキャビティに注入され得る。いくつかの実施形態では、ケーシング102の外部は、絶縁材料の層を含み得る。いくつかの実施形態では、装着者の顔に近い空気呼吸デバイスの裏側は、装着者に熱的快適性を提供するために絶縁されていなくてもよい。
【0041】
面体180は、装着者の顔及びあごに取り付けられ得る。面体180は、装着者の鼻を囲むための鼻エンクロージャ101を含み得る。空気呼吸デバイス100は、ケーシング102の縁部、及び/又は面体180の内側に裏張り(lining)を含み得、ここで、ケーシング102、及び/又は面体180は、装着者の顔と接触する。裏張りは、空気呼吸デバイス100を気密にし、装着者の顔を剛性ケーシング材料から保護するために、例えば、限定されないが、シリコーンなどの柔らかくて可撓性のある材料で作られ得る。
【0042】
ケーシング102、裏張り、及び/又は面体180は、いくつかの実施形態では、異なるヒトの顔に一致するように異なるサイズで作られ得る。例えば、限定されないが、空気呼吸デバイス100は、超小型、小型、中型、大型、超大型などの異なるサイズで作られ得る。各サイズは、適切なサイズのケーシング、裏張り、及び/又は鼻エンクロージャを伴い得る。
【0043】
裏張りは、いくつかの実施形態では、個々のヒトの顔の輪郭に適合するようにカスタマイズされ得る。例えば、販売場所、又は例えば、限定されないが、病院、工場などの施設の外部コンピュータシステムが、個々のヒトの顔の輪郭を測定するために使用され得る。次に、コンピュータのプロセッサは、個々のヒトの顔に最も適合する空気呼吸デバイスのサイズを識別し得る。次いで、コンピュータのプロセッサは、空気呼吸デバイスをヒトの顔に更に適合させるために、選択された空気呼吸デバイスサイズのための、多くの異なるサイズのケーシング、面体、及び裏張りのうちの1つを選択し得る。
【0044】
異なる実施形態におけるケーシング102は、異なる形状及び/又は異なる輪郭を有し得ることに留意されたい。例えば、
図1では、ケーシング102の正面及び/又は側面は、裏張りがヒトの顔の輪郭によりよく適合することを容易にするために、背面に向かって(装着者の顔に向かって)湾曲され得る。他の実施形態では、ケーシング102の正面及び4つの側面は、異なる形状で形成され得る。したがって、本実施形態は、
図1に示されるケーシング102の例示的な形状に限定されない。
【0045】
空気呼吸デバイス100は、1つ以上の空気取入ポート137を含み得る。異なる実施形態は、異なる数の空気取入ポート137を含み得、空気取入ポート137は、ケーシング102上の異なる場所に位置決めされ得る。
図1~
図4Dの実施形態は、
図3に示されるように、ケーシング102の裏側に2つの空気取入ポート137を含む。
【0046】
空気呼吸デバイス100は、1つ以上の空気排出ポート138を含み得る。異なる実施形態は、異なる数の空気排出ポート138を含み得、空気排出ポート138は、ケーシング102上の異なる場所に位置決めされ得る。
図1~
図4Dの実施形態は、ケーシング102の2つの側面上に2つの空気排出ポート138を含む(
図1の斜視図には、1つの空気排出ポート138のみが示されている)。
【0047】
空気取入ポート137は、空気フィルタカートリッジ112及び取入ダンパー113への大きな粒子及び破片の侵入を防止するために、穿孔された保護スクリーン157によって覆われ得る。空気排出ポート138は、排出ダンパー117への大きな粒子及び破片の侵入を防止するために、穿孔された保護スクリーン158によって覆われ得る。穿孔された保護スクリーン157及び158は、
図3にのみ示されている。穿孔された保護スクリーンは、明確性を維持するために、他の図には示されていない。
【0048】
空気呼吸デバイス100は、ダンパー113及び117のいくつかのセットを含み得る。ダンパー113及び117は、それぞれ、空気呼吸デバイス100への空気流及び空気呼吸デバイス100からの空気流を調節するために使用される。ダンパー113及び117は、いくつかの実施形態では、重力ダンパーであり得る。他の実施形態では、ダンパーは、電動ダンパーを調節するために、空気圧差センサ139の読み取り値に基づいて制御される電動ダンパーであり得る。
【0049】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では(例えば、
図1~
図32を参照して本明細書に記載される任意の実施形態では)、プロセッサ140及びコンピュータ可読媒体141を含み得る。コンピュータ可読媒体141は、読み取り専用メモリ、揮発性読み書きメモリ、及び/又は不揮発性読み書きメモリなどの異なるタイプのメモリユニットを含み得る。読み取り専用メモリは、プロセッサ140によって必要とされる静的データ及び命令を記憶し得る。不揮発性読み書きメモリは、不揮発性メモリへの電力がオフであるときでも、命令及びデータを記憶し得る。いくつかの実施形態は、不揮発性読み書きメモリとして、小型大容量記憶デバイス(磁気又は光学ディスク及びその対応するディスクドライブなど)を使用し得る。
【0050】
揮発性読み書きメモリデバイスは、ランダムアクセスメモリであり得、システムメモリとして使用され得る。システムメモリは、プロセッサが実行時に必要とする命令及びデータのうちのいくつかを記憶し得る。いくつかの実施形態では、本実施形態のプロセスは、システムメモリ、不揮発性メモリ、及び/又は読み取り専用メモリに記憶され得る。これらの様々なメモリユニットから、プロセッサ140は、空気呼吸デバイス100の異なる電子部品を実行及び制御し、いくつかの実施形態のプロセスを実行するために、実行するための命令及び処理するためのデータを取り出し得る。本明細書で使用されるように、コンピュータ可読媒体(単数)及びコンピュータ可読媒体(複数)という用語は、コンピュータによって読み取り可能な形式で情報を記憶する非一時的な有形の物理的物体に完全に限定される。これらの用語は、任意の無線信号、有線ダウンロード信号、及び任意の他の一過性の、又は一時的な信号を除外する。
【0051】
図5Aは、本開示の様々な態様による、空気流制御デバイス又はダンパー500の側面斜視図であり、
図5Bは、正面立面図である。
図5Cは、
図5Bに示される線A-Aに沿ったダンパー500の側面断面図である。
図5A~
図5Cを参照すると、ダンパー500は、上で記載された取入ダンパー113又は排出ダンパー117のいずれかであり得る。
【0052】
重力ダンパー又は重力ルーバーとも呼称されるダンパー500は、ケーシング510及び1つ以上のブレード520を含み得る。各ブレード520は、1つ以上のプレートを含み得る。描写された実施形態では、各ブレード520は、2つのプレート521及び522を含む。各ブレード520のプレート521及び522は、プレート520を隣接するプレートにしっかりと取り付けるために、ヒンジ530を横切って移動し得る。各ブレード520は、ヒンジ530によってケーシング510に接続され得る。プレート521及び522は、常に互いに対して一定の角度にあり、対応するヒンジ530の周りで一緒に回転する。明確性を維持するために、ブレード、プレート、及びヒンジの一部のみにラベル付けされている。いくつかの実施形態は、ブレードが空気の通過を遮断するために閉じられているときに、隣接するブレードの緊密な取り付けを更に確実にするために、各ヒンジ530の隣にバックプレート540を含み得る。
【0053】
空気流がない場合、重力ダンパーのブレード520は、閉位置にある。重力ダンパー500のブレード520は、空気呼吸デバイス100の外側と内側との間の空気圧差に応答して開けるか又は閉じるように構成されている。入口ポート137の取入ダンパー113及び排出ポート138の排出ダンパー117(
図5A、
図5B、及び
図5C)の物理的配設は、同一であり、互いに対してそれらの向きが異なるだけである。取入ダンパー113の向きは、排出ダンパー117とは反対である。
【0054】
取入ダンパー113のブレード520は、空気が、除染チャンバ110の内側の空気圧がケーシング102の外側の空気圧よりも小さいこと(例えば、内側空気圧が外側空気圧よりも小さいときの空気吸入中)に応答してのみケーシング102内に入ることができるように、空気呼吸デバイス100のケーシング102の内側に向かってヒンジ留めされる。空気吸入中、排出ダンパー117のブレードは、閉位置にあり、空気が空気排出ポート138を通して空気呼吸デバイス100に入る、又はそこから出ることを可能にしない。
【0055】
排出ダンパー117のブレード520は、空気が、除染チャンバ110の内側の空気圧がケーシング102の外側の空気圧よりも大きいこと(例えば、内側空気圧が外側空気圧よりも大きいときの吐き出し中)に応答してのみケーシング102から出ることができるように、空気呼吸デバイス100のケーシング102の外側に向かってヒンジ留めされる。空気の吐き出し中、取入ダンパー113のブレードは、閉位置にあり、空気が空気取入ポート137を通して空気呼吸デバイス100に入る、又はそこから出ることを可能にしない。
【0056】
したがって、ダンパー113及び117は、呼吸空気が空気取入ポート137を通してのみ空気呼吸デバイス100に入り得、排出ポート138を通して空気呼吸デバイス100を出ることができるように構成されている。ダンパー113及び117は、空気が吸入及び吐き出されているときに、除染チャンバ110の内側とケーシング102の外側との間の空気圧差に応答して、呼吸空気の経路を制御することの技術的利点を提供する。
【0057】
取入ダンパー113は、空気取入ダンパー113及び電気加熱コイル136の両方へのアクセスを提供するアクセスカバー184を取り外すことによって(例えば、保守又は交換のために)アクセスされ得る。排出ダンパー117は、排出ポート138を通して(例えば、保守又は交換のために)アクセスされ得る。
【0058】
いくつかの実施形態は、電動ダンパーを使用し得る。これらの実施形態では、呼吸空気の流れは、電動ダンパーの使用を通して制御されている。
図6は、本開示の様々な態様による、電動ダンパーの制御を示す電気機械的機能ブロック図である。電動ダンパー500は、空気圧差センサ139によって行われる測定に基づいて、空気呼吸デバイスのプロセッサ140によって制御され得る。
【0059】
図1を参照すると、空気圧差センサ139は、空気呼吸デバイス100のケーシング102の表面上に位置し得る。空気圧差センサ139は、ケーシング102の開口部181を通して、ケーシング102の内側と外側との間の空気圧の差を測定する。
【0060】
図6を参照すると、電動ダンパー500は、
図5A~
図5Cの重力ダンパーと同様の構成要素を有し得る。
図6を参照すると、電動ダンパー500は、上で記載された取入ダンパー113又は排出ダンパー117のいずれかであり得る。ダンパー500のヒンジ530(
図5A~
図5C)は、いくつかの実施形態では、回転直線運動変換器620を通してモーター600の回転シャフト610に接続され得る1つ以上のロッド660に接続され得る。他の実施形態では、ロッドは、ピストンのような直線運動によって移動され得る。
図6は、1つのダンパー500及び1つのモーター600のみを示す。いくつかの実施形態は、全ての空気取入ダンパー113及び全ての空気排出ダンパー117を制御するために1つのモーター600を使用し得、いくつかの実施形態は、ダンパー113又は117ごとに1つのモーター600を含み得、いくつかの実施形態は、全ての空気取入ダンパー113を制御するために1つのモーター600、及び全ての空気排出ダンパー117を制御するために別のモーター600を含み得、又は各々近い空気取入ダンパー113及び空気排出ダンパー117の各グループ(例えば、ケーシング102の同じ側にある空気取入ダンパー113及び空気排出ダンパー117)を制御するために1つのモーター600を使用し得ることを理解されたい。
【0061】
プロセッサ140は、空気圧差センサ139から空気圧差読み取り値を受信し得る。プロセッサ140は、空気圧差読み取り値に基づいてダンパー500を開けるか又は閉じるか、及びダンパー500が空気取入ダンパー113であるか又は排出ダンパー117であるかを判定し得る。
【0062】
例えば、空気圧差読み取り値が、空気呼吸デバイスのケーシング102の内側の空気圧がケーシング102の外側の空気圧よりも第1の閾値だけ大きいことを示すときに、プロセッサ140は、空気取入ダンパー113のブレード520を閉じるために、1つ以上の信号を(例えば、有線又は無線リンク630を通して)モーター600に送信し、装着者によって吐き出される空気がケーシング102から出ることを可能にするために、排出ダンパー117のブレード520を開き得る。空気圧差読み取り値が、空気呼吸デバイスのケーシング102の内側の空気圧がケーシング102の外側の空気圧よりも第2の閾値だけ低いことを示すときに、プロセッサ140は、空気取入ダンパー113のブレード520を開けるために、1つ以上の信号をモーター600に送信し、外側の空気がケーシング102に入ることを可能にするために、排出ダンパー117のブレード520を閉じ得る。
【0063】
モーター600は、プロセッサから信号を受信し得、信号に応答して、回転シャフト610を回転させ得る。回転直線運動変換器620は、シャフト620の回転運動を直線運動に変換し得、ブレード520の位置を制御するロッドを移動し得る(
図5A~
図5C)。これに応答して、ヒンジ530は、ブレード520を回転させて、ブレードを開けるか又は閉じ得る。
【0064】
本実施形態の空気呼吸デバイスの重力ダンパー及び電動ダンパーは、モジュール式で交換可能であることの技術的利点を提供する。本実施形態の重力ダンパー及び電動ダンパーが壊れているか、又は機能が損なわれている場合、それらは、空気呼吸デバイス全体を交換する必要なく、新しいダンパーに交換され得る。
【0065】
図1~
図4Dを引き続き参照すると、空気呼吸デバイス100は、各空気取入ポート137に交換可能な空気フィルタカートリッジ112を含み得る。空気フィルタカートリッジ112は、空気フィルタカートリッジカバー183を通して(例えば、交換のために)アクセスされ得る。空気フィルタカートリッジ112は、1つのカートリッジに組み合わされた微粒子フィルタ及び炭素フィルタを含み得る。微粒子フィルタは、繊維質又は多孔質材料で作られ得、粉塵、花粉、霧、煙霧、及び煙などの微粒子を捕捉する(例えば、限定されないが、例えば、ポリプロピレン、マイクロファイバー、ナノファイバー、又は他の材料などの静電的に帯電した繊維を通して)ように構成され得る。微粒子フィルタは、油性粒子及び非油性粒子を濾過するように構成され得る。
【0066】
炭素フィルタは、活性炭素(活性炭)の床を通してガスを濾過するように構成され得る。炭素フィルタは、揮発性有機化合物又はオゾンなどの臭気及びガス状汚染物質を除去し得る。粒子フィルタ及び炭素フィルタの両方を含む空気フィルタカートリッジ112に加えて、又はその代わりに、いくつかの実施形態は、個々の微粒子フィルタ及び/又は個々の炭素フィルタを含み得る。
【0067】
本実施形態のフィルタは、医療、産業、及び/又は個人的使用などの異なる用途に適合するように構成され得る。本実施形態のいくつかは、フィルタを一定期間後、例えば、数日後、数週間後、数ヶ月後などに交換することを必要とし得る。いくつかの実施形態では、空気圧差センサ139の測定値は、空気フィルタを交換する必要があるかどうかを判定するために使用し得る。例えば、空気フィルタは、空気圧差センサ139の測定値が一定期間にわたって閾値を超えるときに、変更される必要があり得る。以下に記載されるように、いくつかの実施形態は、空気圧差センサ139から受信した測定値に基づいて、空気フィルタ交換警告を提供し得、及び/又は電動ダンパーを制御し得るプロセッサを含み得る。
【0068】
従来技術の呼吸器は、空気を浄化及び消毒するためにヘビーデューティフィルタにのみ依存しているため、従来技術の呼吸器は、本質的に高い空気圧降下を有し、これは、装着者の呼吸を困難にする。本実施形態の呼吸空気デバイスは、UVC光を使用して空気を消毒し、有害な微生物を死滅させ、及び/又は無効にし、空気を消毒するためにヘビーデューティ空気フィルタに依存しない。UVC光を含む本実施形態の呼吸空気デバイスは、UVC光線の洗浄作用と併せて、比較的低い空気圧降下を有するナノファイバー空気フィルタなどの空気フィルタを使用することの技術的利点を提供し、これは、従来技術の呼吸器よりも装着者が呼吸することをより容易にする。
【0069】
図1~
図4C及び
図14~
図17Cを引き続き参照すると、取入ポート137、交換可能な空気フィルタカートリッジ112、及び取入ダンパー113は、いくつかの実施形態では、フィルタ媒体にわたって均一な空気速度プロファイルを確実にするために、実質的に同じ物理サイズに設計され得る。従来技術とは異なり、フィルタ媒体全体にわたる均一な空気速度プロファイルは、フィルタ媒体上に均一な粉塵粒子、煙霧、及び蒸気負荷をもたらすように維持され、したがって、全体的な空気濾過効率を増加させる。従来技術とは異なり、交換可能なカートリッジ112は、空気呼吸デバイス100の内側に位置し、したがって、雨及び雪のような環境条件から保護される。
【0070】
図1~
図4Dを更に参照すると、空気呼吸デバイス100は、除染チャンバ110の内側に1つ以上のUV光源108(
図1では小さな丸い円として示される)を含み得る。明確にするために、UV光源のうちの一部のみが、
図1においてラベル付けされており、及び/又は示されている。UV光線は、ウイルス、細菌、及び真菌などの微生物におけるDNA及びRNAの分子構造を破壊することによって、殺菌及び消毒効果を有し、その結果、成長細胞死及び/又は再生細胞死をもたらす。UV光線は、A、B、C、及びDバンドに分割され、微生物の消毒効果は、微生物のDNA及びRNAを破壊し得る200~280nm(ナノメートル)の範囲の波長を有するCバンド(UVC)において、最も効果的である。
【0071】
UV光源108は、いくつかの実施形態では、UVC光源であり得る。UVC光源108は、200~280nmの波長を有するUV光を生成し得る。例えば、いくつかの実施形態では、UVC光源は、実質的に265nmに近い波長を有するUV光線を生成し得る。いくつかの実施形態におけるUVC光源108は、UVC発光ダイオード(LED)であり得る。UVC光源108及び空気フィルタカートリッジ112は、空気呼吸デバイス100のケーシング102の内側に除染チャンバ110を作成し得る。除染チャンバ及び空気通路キャビティという用語は、空気呼吸デバイスケーシング102によって包含されるキャビティを指すために、本開示において互換的に使用されている。除染チャンバ(又は空気通路キャビティ)は、1つ以上の空気取入ポート137及び1つ以上の空気排出ポート138を通してケーシング102の外側に接続され得る。除染チャンバ(又は空気通路キャビティ)は、除染チャンバ(又は空気通路キャビティ)と装着者の口との間で空気を移送する空気チューブ147を通して装着者の口に接続され得る。
【0072】
除染チャンバ110の内部表面の少なくとも一部(例えば、限定されないが、75%、85%、95%、99%など)は、UVC光を反射する材料で構成され得る(例えば、作られ得、又は覆われ得る)。反射材料は、例えば、限定されないが、アルミ箔、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエチレンフィルムなどの材料を含む。反射表面は、微生物のUV光線への暴露を増加させることの技術的利点を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態では、空気呼吸デバイスのケーシング102の内部表面は、空気を滅菌及び消毒して、死亡の広がりを回避するために、(空気呼吸デバイス100の内に及び外に)入ってくる、並びに出る空気の両方をUV光線に暴露し得る、UV光源108のうちの1つ以上が埋め込まれ得る。以下に記載されるように、空気呼吸デバイス100は、装着者の皮膚、口、又は目がUV光線に暴露されず、UV光線がケーシング102を出て周囲の領域に入り得ないように、UV光線を完全に封入するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、空気呼吸デバイス100のUV光源の数及び照射フラックスは、空気呼吸デバイス100の内側の1つのタイプの微生物のパーセンテージ(例えば、限定されないが、90%、95%、99%など)又は複数の異なるタイプの微生物のパーセンテージがUV光線によって不活性化されるように選択され得る。以下は、COVID-19を引き起こす重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ウイルスを不活性化することにおける、265nmのピーク放射波長のUV光の有効性の計算例である。
【0075】
UV光源の照射用量は、式(1)に示されるように表され得る。
D=E×t 式(1)
【0076】
式中、Dは、平方センチメートル当たりのマイクロジュール単位の照射用量[μJ/cm2]であり、Eは、平方センチメートル当たりのマイクロワット単位の照射強度[μW/cm2]であり、tは、秒単位の暴露時間[s]である。
【0077】
Hiroshi Shimodaらの論文「Efficacy of 265-nm ultraviolet light in inactivating infectious SARS-CoV-2,」、Journal of Photochemistry and Photobiology、2021年6月17日、1~3頁は、異なるUV照射量及び異なるUV波長に対するSARS-CoV-2の不活性化率を提供している。この論文のコンテンツは、参照により本明細書に組み込まれる。265nmのピーク放射波長を有するUVC LEDを使用したSARS-CoV-2の99%不活性化のためのShimodaらによる必要な用量は、表1に表され得る。
【表1】
【0078】
表2は、本実施形態の空気呼吸デバイス100の2つのチャネル(各チャネルは、
図1の2つのUVC光分離スクリーン114のうちの1つと、UVC光分離スクリーン111の中心点との間に位置する除染チャンバ110の部分である)の各々における、265nmのピーク放射波長を有する、140,000μWの照射フラックスについて計算された暴露時間を表す。照射流入は、より多くのUVC光源を追加することによって、任意の所望の値に増加され得る。表2に示される必要な用量は、Shimodaらによる研究論文に基づいている。表2に表される照射強度は、Bolb社、V4.0、2021年3月によって「UV-C LED Product Specifications SMD 3535 Packaged LED」として刊行された市販のUVC光源の性能データに基づいて計算されている。この刊行物のコンテンツは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
製造業者は、1cmの距離に対する275nm波長光の照射強度の値を公表している。この値は、8100[μJ/cm2]である。製造業者はまた、275nm及び265nmの波長を有する光を放射するときの光の照射フラックスの値を公表している。275nmの波長に対する照射フラックスは、40000μWであり、265nmに対しては、35000μWである。照射強度は照射フラックスに比例するので、このUVC LED光から放射される265nmの光の照射強度は、以下のように計算され得る。
【0080】
Bolb社のUVC LED光モデルSMD3535の1cmにおける265nmの放射ピーク波長の照射強度は、3500/4000×8100=7087[μJ/cm2]
である。
【0081】
これらのUVC LED光のうちの4つが空気呼吸デバイス100の各チャネルの内側で使用され、各チャネルがePTFEなどのUVC反射材料で覆われた結果として93%の表面反射率を有すると仮定すると、各チャネルの内側の照射強度は、以下のように計算され得る。
【0082】
各チャネルの内側の照射強度は、
【数1】
である。
【0083】
空気呼吸デバイス100の各チャネルの内側を移動する微生物と、UVC LED光源及び反射表面との間が1cmの距離であるという仮定は、微生物が各チャネルの内側のUVC光に暴露される平均壁対壁の距離が1cm未満であるため、控えめな仮定である。
【表2】
【0084】
表3は、吸入又は吐き出しプロセスにおける本実施形態の空気呼吸デバイス100の内側のUVC光への空気暴露の持続時間を示す。表3のパラメータは、本実施形態の空気呼吸デバイス100の内側のUVC光線への空気暴露の持続時間の計算について使用され得る。
【表3】
【0085】
表3に基づいて、吸入又は吐き出された空気は、空気呼吸デバイス100の内側のUVC光線に0.153秒間暴露されている。この値は、140,000μWのUVC光照射フラックス(各チャネルの内側に波長265nmのUVC光を放射する4つのLED光源を有する空気呼吸デバイス100の容量)で99%の不活性化率を達成するために、表2における0.115秒の必要な暴露時間よりも約32%高い。この結果は、空気呼吸デバイス100が少なくとも99%のSARS-CoV-2不活性化率を達成することができることを示す。しかしながら、より多くのUVC光源を追加することによって、照射フラックスを増加させることも可能である。例えば、照射フラックスは、より高い不活性化率を達成するために、140,000μWから280,000μWに増加され得る。
【0086】
ウイルス、細菌、及び真菌などの様々な微生物の不活性化に必要なUV光照射量を判定するための研究努力は成功している。例えば、Do-Kyun Kimら、「UVC LED Irradiation Effectively Inactivates Aerosolized Viruses, Bacteria, and Fungi in a Chamber-Type Air Disinfection System」、Applied and Environment Microbiology、第84巻、第17号、2018年9月、1~11頁は、様々なウイルス、細菌、及び真菌の異なる不活化率について必要な用量に関するデータを有する。この論文のコンテンツは、参照により本明細書に組み込まれる。そのようなデータは、空気中に存在する特定の微生物を不活性化するために、空気呼吸デバイス100の除染チャンバ110の内側の照射フラックスを調整するために使用され得る。
【0087】
照射フラックスのこの調整は、チャンバの内側のUV光源のいくつかをオフにするか、又は各UV光源の照射電力を調整することによって実行され得る。例えば、市販のUV LED光は、定格照射フラックスの約10%まで放射することができる。
【0088】
空気中に存在し得る微生物は、外部電子デバイスのユーザーインターフェースから選択され得、空気呼吸デバイス100に伝達され得る。空気呼吸デバイス100のプロセッサ140は、選択された微生物をユーザー定義の速度、例えば、SARS-CoV-2の99%の不活性化率で不活性化するレベルに照射電力を設定し得る。様々な微生物を不活性化するために必要な照射量のデータは、新しいデータが利用可能になるか、又は新しい微生物が発見されると、空気呼吸デバイス100が、装着者にとって有用であり続け得るように、外部電子デバイスによって空気呼吸デバイス100にアップロードされ得る。
【0089】
UV光源108は、1つ以上のオンボード充電式電池(例えば、限定されないが、リチウムイオン電池)109によって電力供給され得、及び/又は、例えば、限定されないが、ケーシング102に取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポート410(
図4Dに示される)などの電気接続部を介して外部ソースを通して電力供給され得る。電池109は、いくつかの実施形態では、取り外され得、空気呼吸デバイス100は、空気呼吸デバイス100の重量を軽減し、装着者に対して更なる快適さを提供するために、外部電源を介して動作し得る。USBポート410を通る電力は、例えば、限定されないが、装着者が長期間にわたって飛行機の椅子又はオフィスの椅子に座っているときに、使用され得る。USBポート410を通る電力はまた、電池を再充電するために使用され得る。電気接続部(又はUSBポート410)はまた、空気呼吸デバイス100の外部にある電子デバイスとともに信号を送受信するために使用され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、UV光源108は、UV光オン/オフスイッチ122によってオン又はオフにされ得る。例えば、微生物暴露の危険性がほとんど又はまったくない環境では、UV光源108は、オフにされ得、空気呼吸デバイス100は、周囲に存在するか、又は様々なタスク中に生成される粉塵、煙霧、有害ガスなどから装着者を保護するために使用され得る。UV光状態インジケータ196は、UV光源108が動作しているかどうかを示すために、UV光を可視無害光に変換するガラスで覆われた窓であり得る。
【0091】
空気呼吸デバイス100のケーシング102は、ケーシング102の内部におけるUV光線を分離し、UV光線がケーシング102の裏側から装着者の顔に向かって漏れるのを防止するために、不透明な材料で作られ得る。UVC光分離スクリーン111は、装着者の口がUV光線に暴露されるのを防止するように構成され得る。空気呼吸デバイス100は、除染チャンバ110と面体180との間で空気を移送するための空気チューブ147を含み得る。空気チューブは、不透明な材料で作られ得る。空気は、空気チューブ147を通って、装着者の口へ、及び装着者の口から移送され得る。UVC光分離スクリーン111は、UV光線が除染チャンバ110から装着者の口に漏れるのを防止するために、空気チューブ147の内側に位置決めされ得る。
【0092】
UVC光分離スクリーン114は、UV光が空気取入ポート137及び空気排出ポート138を通してケーシング102の外側に漏れるのを防止するように構成され得る。ケーシング102並びにUVC光分離スクリーン111及び114は、UV光線をケーシング102の内側に完全に閉じ込め、空気フィルタカートリッジの交換中であっても、UV光線が装着者に到達すること、及び周囲領域に入ることから防止することの技術的利点を提供する。
【0093】
図7Aは、本開示の様々な態様による、
図1の空気チューブ147の内側に位置するUVC光スクリーン111の正面斜視図であり、
図7Bは、背面斜視図であり、
図7Cは、背面立面図である。
図7Dは、
図7Cに示される線B-Bに沿ったUVC光スクリーン111の側面断面図である。
【0094】
図7A~
図7Dを参照すると、UVC光スクリーン111は、空気チューブ147(
図1)の内側に位置し得る。UVC光スクリーン111は、空気が通過することを可能にしながら、UVC光が装着者の顔に到達するのを遮断する。UVC光スクリーン111は、UVC光に対して不透明であり、UVC光を反射しない材料で作られ得、又はそれによって覆われ得る。
【0095】
示されるように、UVC光スクリーン111は、1つ以上のプレート720、730、及び760の3つのセットを含み得る。描写される実施形態は、複数のプレート720、複数のプレート730、及び複数のプレート760を含む。プレート730のセットは、1つ以上の湾曲プレート730を含み得、プレート720のセットは、任意の形状となり得る1つ以上のプレート720を含み得、プレート760のセットは、任意の形状となり得る1つ以上のプレート760を含み得る。プレート720、730、及び760のセットは、UVC光に対して不透明であり、UVC光を反射しない材料で作られ得、又はそれらによって覆われ得る。
【0096】
図7Dの断面図に示されるように、不透明プレート720、730、及び760の3つのセットは、全てのUVC光740を集合的に遮断するが、空気がプレート720、730、及び760の間で開口部750を通過することを可能にする。プレート720の各々は、プレート730の曲率内に延在するように位置決めされ得る。プレート720、730、及び760のセットは、空気が、プレート720の周りにあり、プレート730の凹状側部内にある開口部750を通過し得ながら、UVC光740が装着者の顔に到達することを防止するように構成されている。
【0097】
プレート720、730、及び760のセットの反対側(
図7A及び
図7Bでは集合的に770とマークされる)は、空気呼吸デバイスのケーシングに接続され得る。プレート760のセットの機能は、描写された実施形態では、開口部750を通過するために斜めの角度でUVC光740を遮断することである。
図7Dに示されるように、各プレート720は、プレート730に接続され得、各プレート760は、プレート730に接続され得る。明確にするために、ケーシングに接続されているプレート720、730、760のいくつか、開口部750のいくつか、及び反対側の端部770のいくつかは、
図7A~
図7Dにおいてラベル付けされていない。
【0098】
プレート730のセットの集合的な形状は、空気チューブ147の断面の形状に実質的に適合し得る。例えば、空気チューブ147の断面が実質的に円形であるときに、プレート730のセットの集合的な形状は、実質的に円形であり得る。他の実施形態では、空気チューブ147の断面及びプレート730のセットの集合的な形状は、実質的に長方形であり得、又は任意の形状であり得る。
【0099】
図8Aは、本開示の様々な態様による、UVC光が空気呼吸デバイスのケーシング102の外側に漏れるのを防止し得るUVC光スクリーン114の正面斜視図であり、
図8Bは、背面斜視図であり、
図8Cは、背面立面図である。
図8Dは、
図8Cに示される線C-Cに沿ったUVC光スクリーン114の側面断面図である。
【0100】
図8A~
図8Dを参照すると、UVC光スクリーン114は、UVC光が空気呼吸デバイス100のケーシング102の外側に漏れるのを防止する。UVC光スクリーン114は、UVC光に対して不透明であり、UVC光を反射しない材料で作られ得、又はそれによって覆われ得る。
図1に示されるように、UVC光スクリーン114は、空気が通過することを可能にしながら、UVC光が空気取入ポート137又は空気排出ポート138に到達することを遮断するために使用され得る。
【0101】
図8A~
図8Dを更に参照すると、UVC光スクリーン114は、1つ以上のプレート820、830、及び860の3つのセットを含み得る。描写される実施形態は、複数のプレート820、複数のプレート830、及び複数のプレート860を含む。プレート830のセットは、1つ以上の湾曲プレート830を含み得、プレート820のセットは、任意の形状となり得る1つ以上のプレート820を含み得、プレート860のセットは、任意の形状となり得る1つ以上のプレート860を含み得る。プレート820、830、及び860のセットは、UVC光に対して不透明であり、UVC光を反射しない材料で作られ得、又はそれらによって覆われ得る。
【0102】
図8Dの断面図に示されるように、不透明プレート820、830、及び860の3つのセットは、全てのUVC光840を集合的に遮断するが、プレート820、830、及び860の間で開口部850の周りを空気が通過することを可能にする。プレート820の各々は、プレート830の曲率内に延在するように位置決めされ得る。プレート820、830、及び860のセットは、空気がプレート820の周りにあり、プレート830の凹状側部内にある開口部850を通過し得ながら、UVC光840が周囲の環境の中に空気叱責デバイスのケーシングの外側に到達することを防止するように構成されている。
【0103】
プレート820、830、及び860のセットの反対側(
図8A及び
図8Bでは集合的に870とマークされる)は、空気呼吸デバイスのケーシングに接続され得る。プレート860のセットの機能は、描写された実施形態では、開口部850を通過するために斜めの角度でUVC光840を遮断することである。
図8Dに示されるように、各プレート820は、プレート830に接続され得、各プレート860は、プレート830に接続され得る。明確にするために、ケーシングに接続されているプレート820、830、860のいくつか、開口部850のいくつか、及び反対側の端部870のいくつかは、
図8A~
図8Dにおいてはラベル付けされていない。
【0104】
光スクリーン111及び114は、いくつかの実施形態が空気を通過させ、UVC光を遮断することを可能にするために使用するUVC光スクリーンの2つの実施例であることに留意されたい。他の実施形態は、空気を通過させ、UVC光を遮断することを可能にするという同じ結果を達成するために、他のタイプのUVC光スクリーンを使用し得る。例えば、いくつかの実施形態は、UVC光を遮断するが、空気が穿孔の周りを通過することを可能にする格子状の穿孔を有する表面を使用し得る。
【0105】
空気呼吸デバイス100は、1つ以上のハーネスハンドル105を含み得る。ハーネスハンドル105は、ケーシング102へのハーネス(又はストラップ)106(
図2)のセットに使用され得る。明確にするために、ハーネスは、
図1及び
図3~
図4には示されていない。ハーネス106は、空気呼吸デバイス100を装着者の頭部及び首の後ろに固定するように構成され得る。ハーネス106は、いくつかの実施形態では、軟質かつ可撓性のある材料で作られ得る。ハーネス106は、他の実施形態では、以下で更に記載されるように、1つ以上の付属品がハーネス上に配置されることを可能にするために、半軟質材料で作られ得る。
【0106】
任意選択で、空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、装着者によって吸入される前に空気を暖めるための1つ以上の電気加熱コイル136を提供し得る。電気加熱コイル136の目的は、寒い環境において吸入空気を温めることである。呼吸する空気を温めることは、装着者が寒い季節に風邪又は肺炎にかかることを防止し得る。加熱コイル136は、空気取入ダンパー113と除染チャンバ110との間に位置し得る。
【0107】
電気加熱コイル136のための動力源は、オンボード充電式電池109であり得、又はケーシング102に取り付けられたUSBポート410(
図4D)を介した外部電源を通したものであり得る。USBポートを通る電力は、例えば、限定されないが、装着者が長時間にわたって椅子に座り、空気呼吸デバイス100を使用しているときに、使用され得る。空気呼吸デバイス100は、1つ以上の空気温度センサ131を含み得る。空気温度センサ131は、電気加熱コイル136の下流のケーシング102内に吸入される空気の温度、及び/又は空気フィルタカートリッジ112に到達する前の外部空気の温度を測定するように構成され得る。プロセッサ140は、空気温度センサ131の読み取り値を受信し得、ケーシング102の内側の空気温度を制御し得る。
【0108】
空気温度センサ131の測定値は、吸入される空気の温度を制御するために、空気呼吸デバイス100のプロセッサ140によって使用され得る。例えば、プロセッサは、電気加熱コイル136をオン若しくはオフに変調する(すなわち、温度を上若しくは下に調整する)か、又はオン若しくはオフにすることによって、吸入される空気の温度を調節し得る。プロセッサ140は、温度センサ131から温度測定値を受信し得、温度測定値をユーザーが選択可能な閾値と比較し得る。プロセッサ140は、トランシーバ130のうちの1つを通して、外部電子デバイス(例えば、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)から第1及び第2のユーザー選択可能な閾値を受信し得る。
【0109】
プロセッサ140は、ケーシング102の内側の温度が第1の閾値を下回るときに、加熱コイル136への電力をオンにし得る。プロセッサ140は、ケーシング102の内側の温度が第1の閾値よりも大きい第2の閾値を上回るときに、加熱コイル136への電力をオフにし得る。
【0110】
ケーシング102の内側の空気の温度は、いくつかの実施形態では、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、デスクトップコンピュータなどの外部電子デバイス上で実行されるアプリケーションプログラムによって制御され得る。例えば、アプリケーションプログラムは、ユーザーインターフェースを通して温度選択を受信し得、電気加熱コイル136をオン若しくはオフに変調する(すなわち、温度を上若しくは下に調整する)か、又はオン若しくはオフにするために、無線トランシーバ130のうちの1つを通して、空気呼吸デバイス100のプロセッサ140に温度選択を無線で送信し得る。いくつかの実施形態は、ケーシング102上に温度選択制御(図示せず)を提供し得る。温度選択制御は、ノブであり得る。温度選択制御は、温度を、例えば、低、中、又は高に制御するためのマルチポジションスイッチであり得る。空気呼吸デバイス100のプロセッサ140は、電気加熱コイル136を調節又はオン若しくはオフにすることによって、ケーシング102の内側の温度を制御するために、ノブ又はスイッチの選択を使用し得る。
【0111】
図1~
図4Dに描写される実施形態では、空気呼吸デバイス100は、対応する空気取入ポート137の近くに位置している2つの電気加熱コイル136を含む。他の実施形態は、ケーシング102の内側の他の場所に配置され得る異なる数の電気加熱コイルを含み得る。電気加熱コイル136は、いくつかの実施形態では、例えば、維持管理を行うために、又は暖かい季節の間に重量及び空気圧降下を低減するために、取り外され得る。電気加熱コイル136は、空気取入ダンパー113及び電気加熱コイル136の両方へのアクセスを提供するアクセスカバー184を通して取り外され得る。
【0112】
空気呼吸デバイス100の異なる構成要素の数及び場所は、異なる実施形態では異なり得ることに留意されたい。このように、図は、空気呼吸デバイス100の異なる構成要素の数及び場所の実施例のみを示す。例えば、UV光源108の数及び場所は、異なる実施形態では異なり得る。異なる実施形態は、1つ以上の空気取入ポート137を含み得、各空気取入ポートは、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112(組み合わせられた空気フィルタカートリッジ又は別個の微粒子フィルタ及び炭素フィルタのいずれか)、並びに空気取入ダンパー113のセットを含み得る。空気取入ポート137は、ケーシング102の正面、及び/又は4つの側(左側、右側、上側、又は下側)に位置し得る。
【0113】
異なる実施形態は、1つ以上の空気排出ポート138を含み得、各空気排出ポート138は、空気排出ダンパー117のセットを含み得る。空気排出ポート138は、ケーシング102の正面、及び/又は4つの側(左側、右側、上側、又は下側)に位置し得る。描写される実施形態は、空気取入ポート137及び空気排出ポート138の各対に対して1つのUVC光分離スクリーン114を含む。他の実施形態では、各空気取入ポート137及び空気排出ポート138は、別個のUVC光分離スクリーン114を含み得る。
【0114】
図9は、本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図1の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
図9は、面体180、鼻エンクロージャ101、ハーネスハンドル105、UV光源108、充電式電池109、UVC光分離スクリーン111及び114、空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117、電気加熱コイル136、空気温度センサ131、UV光オン/オフスイッチ122、並びに空気圧差センサ139などの、空気呼吸デバイス100の異なる構成要素を示す。明確にするために、UV光源108のうちのいくつかは、示されていない、及び/又はラベル付けされていない。
【0115】
図9に示されるように、UVC光分離スクリーン114は、対応する空気フィルタカートリッジ112とケーシング102の内部との間にあり、UV光源108がオンのときであっても、UV光がケーシング102の外側に漏れることなく、空気フィルタカートリッジ112を変更することを可能にする。
【0116】
図10は、本開示の様々な態様による、
図9に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図であり、
図11は、
図9に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
図10を参照すると、空気チューブ147は、除染チャンバ110と装着者の口との間で空気を移送し得る。
図10に示されるように、UVC光分離スクリーン111は、UV光が除染チャンバ110から装着者の口に漏れるのを防止するために、空気チューブ147の内側に位置決めされ得る。
【0117】
図11を参照すると、除染チャンバ110の内部表面は、UV光を反射し得る。反射材料は、例えば、限定されないが、アルミ箔、ePTFE、ポリエチレンフィルムなどの材料を含む。反射表面は、微生物のUV光線への暴露を増加させる。除染チャンバ110の内部の全ての側は、UV光源及び反射表面を含み得る。
【0118】
内部キャビティの内側(例えば、除染チャンバ110の内側)にUV光源108を配置することは、空気呼吸デバイスのケーシング102の外側にUV光源108を配置することとは対照的に、既に空気呼吸デバイス100に(環境の外側から又は装着者の口を通してのいずれかで)入った微生物を暴露することの技術的利点を提供し、並びに装着者及び装着者の近くのヒトがUV光線に暴露されるのを防止する。内部キャビティの内側(例えば、除染チャンバ110の内側)に配置された反射表面は、微生物のUV光線への暴露を増加させることの技術的利点を提供する。
【0119】
図12は、本開示の様々な態様による、
図9に示される線C-Cに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図であり、
図13は、
図9に示される線D-Dに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの正面断面図である。
図12の断面図は、空気取入ポート137、空気フィルタカートリッジ112、取入ダンパー113、電気加熱コイル136、空気温度センサ131、ハーネスハンドル105、UV光源108のいくつか、及びUVC光分離スクリーン114を示す。
【0120】
図13の断面は、UVC光分離スクリーン114及び排出ダンパー117を示す。UVC光分離スクリーン114の位置は、UV光源108がケーシング102の外部から分離されるような位置である。例えば、
図12に示されるように、UVC光分離スクリーン114は、UV光源108と空気排出ポート138との間にある。
図13に示されるように、UVC光分離スクリーン114は、空気が排出ダンパー117を通ってケーシング102の外側に排出される前に、吐き出された空気がUVC光分離スクリーン114を通過するように位置決めされている。
【0121】
II.代替的な実施形態
いくつかの実施形態の空気呼吸デバイスは、例えば、限定されないが、インターネットへの接続、セルラーネットワークへの接続、Wi-Fi接続、Bluetooth接続など、異なるネットワークへの接続を提供し得る。空気呼吸デバイスは、いくつかの実施形態では、モノのインターネット(IoT)デバイスとして機能し得る。
【0122】
図14は、本開示の様々な態様による、ネットワーク接続、1つ以上のカメラ、1つ以上の表示画面、GPS受信機、マイクロフォン、フラッシュライト、1つ以上の無線トランシーバ、及び1つ以上のスピーカーを提供する再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
図15は、
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図であり、
図16は、背面斜視図であり、
図17Aは、上面図であり、
図17Bは、正面及び側面斜視図であり、
図17Cは、背面及び側面斜視図である。
図15~
図17Cは、空気呼吸デバイス100の外側から見える空気呼吸デバイス100の構成要素のみを示す。
【0123】
図14~
図17Cを参照すると、空気呼吸デバイス100は、
図1~
図13の空気呼吸デバイス100と同様の構成要素を含み得る。例えば、
図14~
図17Cの空気呼吸デバイス100は、鼻エンクロージャ101、ケーシング102、いくつかのハーネスハンドル105、ハーネス106、1つ以上のUV光源108、UV光状態インジケータ196、1つ以上の充電式電池109、除染チャンバ110、1つ以上のUVC光分離スクリーン111及び114、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117のいくつかのセット、1つ以上の電気加熱コイル136、1つ以上の空気温度センサ131、UV光オン/オフスイッチ122、ハーネス(又はストラップ)106のセット、並びに/又は空気圧差センサ139を含み得る。空気呼吸デバイス100は、USBポート410(
図4D)を含み得る。
【0124】
図14~
図17Cの空気呼吸デバイス100は、1つ以上のイヤーポッド又は同様のオーディオデバイス123、リアカメラレンズ124、固定表示画面126、前方カメラレンズ127、格納式表示画面128、格納式画面のための開口部119、オーディオスピーカー120、マイクロフォン121、フラッシュライト125、プロセッサ140、コンピュータ可読媒体141、1つ以上の無線トランシーバ130、及び/又はGPS受信機129、及び/又は装着者の口に向けられたカメラレンズ197などの1つ以上の追加の構成要素を含み得る。
【0125】
図14~
図17Cを参照すると、空気呼吸デバイス100は、1つ以上の無線トランシーバ130を含み得る。無線トランシーバ130は、1つ以上のネットワーク並びに/又は1つ以上の外部電子デバイスへの接続を提供するために、セルラートランシーバ、Wi-Fiトランシーバ、及び/若しくはBluetoothトランシーバを含み得る。GPS受信機129は、1つ以上の衛星から空気呼吸デバイスの場所を受信するように構成され得る。空気呼吸デバイス100は、GPS受信機の起動性能を改善するために、及び/又は電力を節約するために、ネットワーク化されたサーバから支援データを受信するための支援GPS(A-GPS)(図示せず)を含み得る。ネットワーク接続は、プロセッサ140が1つ以上の外部電子デバイスと通信し、IoTデバイスとして機能することを可能にし得る。
【0126】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、1つ以上のイヤーポッド又は同様のオーディオデバイス123(
図17A)を含み得、これは、(示されるように)ハーネス106上に位置し得、又は(図示せず)ケーシング102上に位置し得る。空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、マイクロフォン121及び1つ以上のオーディオスピーカー120を含み得る。空気呼吸デバイス100は、装着者の口を覆うので、空気呼吸デバイス100を通しての会話は、理解するのが困難、又はハードであり得る。空気呼吸デバイス100を通して会話を容易にするために、マイクロフォン121は、空気呼吸デバイス100の内側に設置され得、1つ以上のオーディオスピーカー106は、空気呼吸デバイス100の外側に設置され得る。オーディオスピーカー106は、いくつかの実施形態では、マイクロフォン121によって捕捉された音を再生し得る。空気呼吸デバイス100はまた、1つ以上のフラッシュライト125(1つのみが示される)を含み得る。フラッシュライト125は、異なる実施形態では、異なる機構によってオン又はオフにされ得る。例えば、フラッシュライト125は、オン/オフスイッチ(図示せず)を回す、押す、又は使用することによってオン/オフされ得る。フラッシュライト125は、いくつかの実施形態では、外部電子デバイスから1つ以上の信号を受信することに応答して、オン又はオフにされ得る。
【0127】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、装着者に情報を表示するための格納式の平坦又は湾曲した表示画面128と、他のヒトに情報を表示するための固定表示画面126とを含み得る。格納式表示画面128は、装着者の目の高さまで伸長されているように、
図14~
図17Cに示されている。表示画面128は、表示画面128が使用されていないときに、対応する開口部119に格納され得る。
【0128】
格納式表示画面128は、装着者が、インターネットなどのネットワークを通してコンテンツを見ることを可能にし得る。例えば、プロセッサ140は、無線トランシーバ130を通してコンテンツ(例えば、テキスト、画像、ビデオなど)を受信し得、そのコンテンツを表示画面128上に表示し得る。
【0129】
以下は、いくつかの実施形態の格納式画面128、及び格納式画面上にコンテンツを投影するために使用される技術のいくつかの非限定的な実施例である。格納式表示画面128は、いくつかの実施形態では、装着者が画面128を通して見ることを可能にする透明なディスプレイ(例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD))であり得る。格納式表示画面128は、いくつかの実施形態では、小型化された反射アクティブマトリックスLCDである液晶オンシリコン(LCOS)であり得る。格納式表示画面128は、いくつかの実施形態では、空気呼吸デバイス100の装着者の目に画像を向けるいくつかのレンズを含み得る。
【0130】
格納式表示画面128は、いくつかの実施形態では、調整可能な不透明度を含み得、これは、ビデオに焦点を追加するのに役立ち得るか、又は明るい日の視認性を支援し得る。例えば、格納式表示画面128は、ポリマー分散液晶(PDLC)を含み得、これは、その間にポリマー分散液晶を有する透明導電性インジウムスズ酸化物(ITO)フィルムの2つの層を含み得る。不透明度は、スイッチ又はノブ(図示せず)によって制御され得る。
【0131】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、固定表示画面126(例えば、限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)画面)を含み得る。空気呼吸デバイス100は、装着者の口を覆い、他のヒトとの通話を困難にする。固定表示画面126は、装着者の唇を見るために空気チューブ147の内側に取り付けられたカメラレンズ197を通して装着者と他のヒトとの間の伝達を強化し得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、カメラレンズ197は、ヒトが話しながら、ビデオ又は画像を捕捉し得る。プロセッサ140は、カメラレンズ197からビデオ及び/又は画像を受信し得、固定表示画面126上にそのビデオ及び/又は画像を表示し得る。カメラレンズ197を使用することに加えて、又はその代わりに、プロセッサ140は、マイクロフォン121によって捕捉された装着者の声に基づいて、固定表示画面126上の装着者の唇の画像を生成し得る。例えば、マイクロフォン121は、装着者の声を捕捉し得、プロセッサ140は、音声をシミュレートした唇の動きに変換し得、プロセッサ140は、シミュレートした唇の動きを固定表示画面126に表示し得る。
【0133】
固定表示画面126は、空気呼吸デバイス100の正面に取り付けられ得る。例えば、固定表示画面126は、装着者の顔と反対のケーシングの表面の中心上に位置し得、装着者の顔に顔を向けているヒトによって見えるように位置決めされ得る。固定表示画面126はまた、テキストメッセージ、絵文字、拡張現実、マルチメディアコンテンツなどを表示するなど、他のコンテンツを表示するために使用され得る。例えば、プロセッサ140は、1つ以上のトランシーバ130を通して空気呼吸デバイスプロセッサ140と通信し得る外部電子デバイスから、テキストメッセージ、絵文字、拡張現実、マルチメディアコンテンツなどを受信し得る。プロセッサ140は、固定表示画面126上に受信したコンテンツを表示し得る。
【0134】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、ハーネス106に取り付けられた後向きカメラ124を含み得る。後向きカメラ124によって捕捉された後方視野は、格納式表示画面128を通して観察され得る。後向きカメラ124は、
図17Aに示されるように、ストラップ106に設置され得る。
【0135】
いくつかの実施形態の空気呼吸デバイスは、UV光源108を含まなくてもよく、ダンパー113、117を含まなくてもよく、又はUV光源108もダンパー113、117も含まなくてもよいことに留意されたい。これらの実施形態は、例えば、限定されないが、空気フィルタカートリッジ112、スピーカー120、マイクロフォン121、イヤーポッド(又は同様のオーディオデバイス)123、リアカメラレンズ124、フラッシュライト125、固定表示画面126、前方カメラレンズ127、格納式表示画面128、及び/又は加熱コイル134などの、本明細書に開示される他の構成要素のうちの1つ以上を含み得る。
【0136】
UV光源108を含まない実施形態は、UVC光分離スクリーン111、114、UVC光オン/オフスイッチ122、及びUV光状態インジケータ196を含まなくてもよい。電動ダンパー113、117を含まない実施形態は、任意選択のモーター600(
図6)、回転シャフト610、直線運動変換器620、及びロッド660)を含まなくてもよい。更に、ダンパー113、117を含まない実施形態は、別個の空気取入ポート137及び空気排出ポート138を含まなくてもよい。例えば、これらの実施形態のいくつかは、ポート137(ポート138ではない)を含み得、空気取入及び空気排出の両方のためにポート137を使用し得る。これらの実施形態のいくつかは、ポート138(ポート137ではない)を含み得、空気取入及び空気排出の両方のためにポート138を使用し得る。これらの実施形態では、空気フィルタカートリッジ112及び加熱コイル136は、ポート138の開口部と空気チューブ147との間の任意の場所に位置し得る。
【0137】
図18は、本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイス100の空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図14の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
図19は、本開示の様々な態様による、
図18に示される線E-Eに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図である。
【0138】
図18は、
図9の断面図と同様の構成要素を示す。加えて、
図18は、マイクロフォン121、固定表示画面126、格納式画面128、GPS受信機129、無線トランシーバ130、プロセッサ140、コンピュータ可読媒体141、及び装着者の口に向けられたカメラレンズ197を示す。GPS受信機129、無線トランシーバ130、プロセッサ140、及び可読媒体141などの
図18に示された構成要素のいくつかは、異なる実施形態では、空気呼吸デバイス100の外側又は内側に位置し得る。
【0139】
図19は、
図10の断面図と同様の構成要素を示す。加えて、
図19は、マイクロフォン121、固定表示画面126、格納式画面128、装着者の口に向けられたカメラレンズ197、及び光源199を示す。光源199は、例えば、限定されないが、装着者の装着者の口を照らし得る1つ以上のLEDであり得る。カメラ197は、装着者の唇の動きを捕捉し得る。空気呼吸デバイス100のプロセッサ140は、カメラ197によって捕捉されたライブビデオを固定ディスプレイ126に表示し得る。装着者の口はケーシング102の後ろに隠されているため、唇の動きを固定表示画面126上に表示することは、装着者が会話している言葉を他のヒトがよりよく理解するのに役立ち得る。
【0140】
空気呼吸デバイス100と通信する外部電子デバイスは、1つ以上のプロセッサ及びコンピュータ可読媒体を含み得ることに留意されたい。外部電子デバイスのコンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ、揮発性読み書きメモリ、及び/又は不揮発性読み書きメモリなどの異なるタイプのメモリユニットを含み得る。読み取り専用メモリは、プロセッサによって必要とされる静的データ及び命令を格納し得る。不揮発性読み書きメモリは、不揮発性メモリへの電力がオフであるときでも、命令及びデータを記憶し得る。いくつかの実施形態は、不揮発性読み書きメモリとして、小型大容量記憶デバイス(磁気又は光学ディスク及びその対応するディスクドライブなど)を使用し得る。
【0141】
外部電子デバイスの揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリであり得、システムメモリとして使用され得る。システムメモリは、プロセッサが実行時に必要とする命令及びデータのうちのいくつかを記憶し得る。これらの様々なメモリユニットから、外部電子デバイスのプロセッサは、外部電子デバイスの異なる電子部品を実行及び制御し、いくつかの実施形態のプロセスの一部に関与するために、実行するための命令及び処理するためのデータを取り出し得る。
【0142】
図1~
図19の実施形態では、空気呼吸デバイス100は、装着者の鼻、口、及びあごを覆うハーフフェイス空気呼吸デバイスである。他の実施形態では、空気呼吸デバイスは、フルフェイス空気呼吸デバイスであり得る。これらの実施形態では、空気呼吸デバイスは、装着者の頭部及び首を覆い得、装着者の頭部の周りにフード又はヘルメットを形成し得る。いくつかの実施形態のフルフェイス空気呼吸デバイスは、格納式画面128、格納式画面のための開口部119、ハーネス106、及び/又はハーネスハンドル105を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、イヤープラグ123は、フルフェイス空気呼吸デバイスのフード又はヘルメットの内側に設置され得る。いくつかの実施形態では、後方視野カメラレンズ124は、フルフェイス空気呼吸デバイスのフードの外側及び背面に設置され得る。
【0143】
以下は、本実施形態の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの別の代替的な実施形態である。
図20は、本開示の様々な態様による、再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
図21は、
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの側面立面図であり、
図22は、正面立面図であり、
図23は、上面図である。
図21~
図23は、空気呼吸デバイス100の外側から見える空気呼吸デバイス100の構成要素のみを示す。
【0144】
図20~
図23を参照すると、空気呼吸デバイス100は、鼻エンクロージャ101、ケーシング102、1つ以上の呼吸空気排出スクリーン103、1つ以上の呼吸空気入口スクリーン104、いくつかのハーネスハンドル105、ハーネス106(
図22)、1つ以上のUV光源108、1つ以上の充電式電池109、除染チャンバ110、1つ以上のUVC光分離スクリーン111及び114及び116、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117のいくつかのセット、1つ以上の排出空気フィルタ115、1つ以上の分離弾性膜118、1つ以上のオーディオスピーカー120、マイクロフォン121、UVC光オン/オフスイッチ122、フラッシュライト125、並びに/又は空気圧差センサ139を含み得る。
【0145】
図20~
図23を参照すると、空気呼吸デバイスのケーシング102は、例えば、限定されないが、硬質プラスチックなどの材料で作られ得る。ケーシングの外部は、断熱材料の層によって、注入された発泡断熱材によって、又は他の材料及び方法によって断熱され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ケーシング102の本体は、ケーシング102の外部に近いキャビティを含み得、発泡断熱材は、ケーシング102の製造中にキャビティに注入され得る。いくつかの実施形態では、ケーシング102の外部は、絶縁材料の層を含み得る。装着者の顔に近い空気呼吸デバイスの裏側は、絶縁されていなくてもよい。
【0146】
鼻エンクロージャ101は、空気呼吸デバイス100を装着するヒト(このヒトは、本明細書で装着者と呼称される)の鼻を囲むように構成され得る。空気呼吸デバイス100は、ケーシング102が装着者の顔と接触するケーシング102の縁部に裏張りを含み得る。裏張りは、空気呼吸デバイス100を気密にし、装着者の顔を剛性ケーシング材料から保護するために、例えば、限定されないが、シリコーンなどの柔らかくて可撓性のある材料で作られ得る。
【0147】
ケーシング102、裏張り、及び/又は鼻エンクロージャ101は、いくつかの実施形態では、異なるヒトの顔に一致するように異なるサイズで作られ得る。例えば、限定されないが、空気呼吸デバイス100は、超小型、小型、中型、大型、超大型などの異なるサイズで作られ得る。各サイズは、ケーシング、裏張り、及び/又は鼻エンクロージャの適切なサイズを伴い得る。
【0148】
裏張りは、いくつかの実施形態では、個々のヒトの顔の輪郭に適合するようにカスタマイズされ得る。例えば、販売場所、又は例えば、限定されないが、病院、工場、軍事施設などの施設の外部コンピュータシステムが、個々のヒトの顔の輪郭を測定するために使用され得る。次に、コンピュータは、個々のヒトの顔に最も適合する空気呼吸デバイスのサイズを識別し得る。次に、コンピュータは、空気呼吸デバイスをヒトの顔に更に適合させるために、選択された空気呼吸デバイスのサイズのための、多くの異なるサイズの裏張りのうちの1つを選択し得る。
【0149】
異なる実施形態におけるケーシング102は、異なる形状及び/又は異なる輪郭を有し得ることに留意されたい。例えば、
図20では、ケーシング102の正面及び4つの側面は、実質的に矩形の部分として示されている。他の実施形態では、ケーシング102の正面及び/又は側面は、裏張りがヒトの顔の輪郭によりよく適合することを容易にするために、背面に向かって(装着者の顔に向かって)湾曲され得る。したがって、本実施形態は、
図20に示されるケーシング102の例示的な形状に限定されない。
【0150】
空気呼吸デバイス100は、1つ以上の空気取入ポート137を含み得、各空気取入ポート137は、呼吸空気入口スクリーン104によって覆われ得る。空気呼吸デバイス100は、1つ以上の空気排出ポート138(1つの空気排出ポートのみが示されている)を含み得、各空気排出ポート138は、1つ以上の呼吸空気排出スクリーン103によって覆われ得る。
【0151】
空気呼吸デバイス100は、ダンパー113及び117のいくつかのセットを含み得る。
図20の斜視図では、ダンパー117は、呼吸空気排出スクリーン103の後ろに位置している。ダンパー117の更なる詳細が
図24及び
図25に示されている。ダンパー113及び117は、ケーシング102の内部の空気圧と空気呼吸デバイス100の外部の空気圧との間の差に応答して開ける及び閉じるように構成されている。取入ダンパー113は、ケーシング102の内側に向かってヒンジ留めされており、排出ダンパー117は、ケーシング102の外側に向かってヒンジ留めされている。空気吸入中、ケーシング102の内側の空気圧は、外部の空気圧よりも低い。取入ダンパー113は、吸入中に開き、空気が空気呼吸デバイス100に入ることのみを可能にする。排出ダンパー117は、吸入プロセス中、閉位置にあり、空気が空気排出ポート138を通して空気呼吸デバイス100に入る、又はそこから出ることを可能にしない。
【0152】
空気の吐き出し中、ケーシング102の内側の空気圧は、外部の空気圧よりも高い。排出ダンパー117は、吐き出し中に開き、空気が空気呼吸デバイス100から出ることのみを可能にする。取入ダンパー113は、吐き出し中に閉位置にあり、空気が空気取入ポート137を通して空気呼吸デバイス100に入る、又はそこから出ることを可能にしない。
【0153】
したがって、ダンパー113及び117は、呼吸空気が空気取入ポート137を通してのみ空気呼吸デバイス100に入り得、排出ポート138を通して空気呼吸デバイス100を出ることができるように構成されている。ダンパー113及び117は、空気が吸入及び吐き出されているときに、空気を呼吸する経路を制御することの技術的利点を提供する。
【0154】
いくつかの実施形態は、電動ダンパーを使用し得る。これらの実施形態では、呼吸空気の経路は、電動ダンパーの使用を通して制御されている。電動ダンパーは、ケーシング102の内側及び外側の両方に開口部を有する空気呼吸デバイス100のケーシング102上に位置する空気圧差センサ139によって行われる測定に基づいて制御され得る。空気圧差センサ139は、ケーシング102の内側と外側との間の空気圧の差を測定するように構成され得る。
【0155】
図20~
図23を引き続き参照すると、空気呼吸デバイス100は、各空気取入ポート137に1つの交換可能な空気フィルタカートリッジ112を含み得る。空気フィルタカートリッジ112は、1つのカートリッジに組み合わされた微粒子フィルタ及び炭素フィルタを含み得る。微粒子フィルタは、繊維質又は多孔質材料で作られ得、粉塵、花粉、霧、煙霧、及び煙などの微粒子を捕捉する(例えば、限定されないが、例えば、ポリプロピレン、又は他の材料などの静電的に帯電した繊維を通して)ように構成され得る。微粒子フィルタは、油性粒子及び非油性粒子を濾過するように構成され得る。
【0156】
炭素フィルタは、活性炭素(活性炭)の床を通してガスを濾過するように構成され得る。炭素フィルタは、揮発性有機化合物又はオゾンなどの臭気及びガス状汚染物質を除去し得る。粒子フィルタ及び炭素フィルタの両方を含む空気フィルタカートリッジ112に加えて、又はその代わりに、いくつかの実施形態は、個々の微粒子フィルタ及び/又は個々の炭素フィルタを含み得る。排出ポート138は、排出ダンパー117を周囲の微粒子から保護するために、交換可能な微粒子フィルタ115で装備され得る。
【0157】
本実施形態のフィルタは、医療、産業、及び/又は個人的使用などの異なる用途に適合するように構成され得る。本実施形態のいくつかは、フィルタを一定期間後、例えば、数日後、数週間後、数ヶ月後などに交換することを必要とし得る。いくつかの実施形態では、空気圧差センサ139の測定値は、空気フィルタを交換する必要があるかどうかを判定するために使用し得る。例えば、空気フィルタは、空気圧差センサ139の測定値が一定期間にわたって閾値を超えるときに、変更される必要があり得る。以下に記載されるように、いくつかの実施形態は、空気圧差センサ139から受信した測定値に基づいて、空気フィルタ交換警告を提供し得、及び/又は電動ダンパーを制御し得るプロセッサを含み得る。
【0158】
従来技術の呼吸器は、空気を浄化及び消毒するためにヘビーデューティフィルタにのみ依存しているため、従来技術の呼吸器は、高い空気圧降下を有し、これは、装着者の呼吸を困難にする。本実施形態の呼吸空気デバイスは、UVC光を使用して空気を消毒し、有害な微生物を死滅させ、及び/又は無効にし、空気を消毒するためにヘビーデューティ空気フィルタに依存しない。本実施形態の呼吸空気デバイスは、UVC光線の洗浄作用と併せて、比較的低い空気圧降下を有する空気フィルタを使用することの技術的利点を提供し、これは、従来技術の呼吸器よりも装着者の呼吸をより容易にする。
【0159】
図20~
図23を引き続き参照すると、空気呼吸デバイス100は、1つ以上のUV光源108(
図20では小さな丸い円として示されている)を含み得る。明確にするために、UV光源のうちの一部のみが、
図20においてラベル付けされており、及び/又は示されている。UV光線は、ウイルス、細菌、及び真菌などの微生物におけるDNA及びRNAの分子構造を破壊することによって、殺菌及び消毒効果を有し、その結果、成長細胞死及び/又は再生細胞死をもたらす。UV光線は、A、B、C、及びDバンドに分割され、微生物の消毒効果は、微生物のDNAを破壊し得る200~280nm(ナノメートル)の波長を有するCバンド(UVC)において、最も効果的である。UVC光並びに空気フィルタカートリッジ112及び115は、空気呼吸デバイス100のケーシング102の内側に除染チャンバ110を作成し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、空気呼吸デバイスのケーシング102の内部表面は、空気を滅菌及び消毒して、死亡の広がりを回避するために、空気(空気呼吸デバイスの内に及び外に)入ってくる、並びに出る空気の両方をUVC光に暴露し得る、UV光源108のうちの1つ以上が埋め込まれ得る。以下に記載されるように、空気呼吸デバイス100は、装着者の皮膚、口、又は目がUV光線に暴露されず、UV光線がケーシング102を出て周囲の領域に入り得ないように、UV光線を完全に封入するように構成されている。
【0161】
UV光源108は、1つ以上のオンボード充電式電池(例えば、限定されないが、リチウムイオン電池)109によって電力供給され得、及び/又はケーシング102に取り付けられたUSBポートを介して外部ソースを通して電力供給され得る。USBポートを通る電力は、例えば、限定されないが、装着者が長期間にわたって飛行機の椅子又はオフィスの椅子に座っているときに、使用され得る。
【0162】
UV光源108は、UV光オン/オフスイッチ122によってオン/オフにされ得る。例えば、微生物暴露の危険性がほとんど又はまったくない環境では、UV光源108は、オフにされ得、空気呼吸デバイス100は、様々なタスク中に生成され得る粉塵、煙霧、有害なガスなどから装着者を保護するために使用され得る。
【0163】
空気呼吸デバイス100は、UV光線をケーシング102の内側に閉じ込め、UV光線が装着者に到達することを防止し、UV光線が周囲の領域に入ることを防止するために、様々なスクリーン及び/又は膜を含み得る。空気呼吸デバイス100は、1つ以上のUVC光分離スクリーン111、114、及び116、並びに/又は1つ以上の分離弾性膜118を含み得る。分離弾性膜118は、ケーシング102の内部におけるUV光を分離し、UV光がケーシング102の裏側から装着者の顔に向かって漏れるのを防止するように構成され得る。分離弾性膜118は、いくつかの実施形態では、UV光源108のいくつかが分離弾性膜118に取り付けられることを可能にするために、半軟質材料で作られ得る。装着者の快適さのために、分離弾性膜118は、膜118と装着者の顔との間に小さな隙間があるように構成され得る。
【0164】
UVC光分離スクリーン111は、装着者の口がUV光に暴露されるのを防止するように構成され得る。空気呼吸デバイス100は、分離弾性膜118の開口部を通って装着者の口に空気をもたらすように構成され得る1つ以上のスロット開口部107(
図24~
図26に示される)を含み得る。UVC光分離スクリーン111は、UV光が装着者の口の中に漏れるのを防止するために、スロット開口部107とケーシング102の内部との間に位置決めされ得る。スロット開口部107、UVC光分離スクリーン111、及び分離弾性膜118の更なる詳細は、
図25を参照して以下に記載されている。
【0165】
UVC光分離スクリーン114は、UV光が空気取入ポート137を通してケーシング102の外側に漏れるのを防止するように構成され得る。UVC光分離スクリーン116は、UV光が空気排出ポート138を通してケーシング102の外側に漏れるのを防止するように構成され得る。
図20の斜視図では、呼吸空気排出スクリーン103、排出空気フィルタ115、UVC光分離スクリーン116、及びダンパー117は、それぞれ互いを覆うように示されている。ケーシング102、分離弾性膜118、UVC光分離スクリーン111、114、及び116は、ケーシング102の内側にUV光線を完全に閉じ込め、UV光線が装着者に到達すること、及び周囲の領域に入ることを防止する。
【0166】
空気呼吸デバイス100は、ハーネス106(
図22)を含み得る。明確にするために、ハーネスは、
図20~
図21及び
図23には示されていない。ハーネス106は、空気呼吸デバイス100を装着者の頭部及び首の後ろに固定するように構成され得る。ハーネス106は、1つのバンドを有するように示されているが、ハーネス106は、いくつかの実施形態では、2つ以上のバンドで作られ得る。ハーネス106は、いくつかの実施形態では、軟質かつ可撓性のある材料で作られ得る。ハーネス106は、他の実施形態では、以下に記載されるように、1つ以上の付属品がハーネス上に配置されることを可能にするために、半軟質材料で作られ得る。ハーネス106は、1つ以上のハーネスハンドル105によってケーシング102に接続され得る。
【0167】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、マイクロフォン121及び1つ以上のオーディオスピーカー120を含み得る。空気呼吸デバイス100は、装着者の口を覆うので、空気呼吸デバイス100を通しての会話は、理解するのが困難、又はハードであり得る。空気呼吸デバイス100を通して会話を容易にするために、マイクロフォン121は、空気呼吸デバイス100の内側に設置され得、1つ以上のオーディオスピーカー106は、空気呼吸デバイス100の外側に設置され得る。空気呼吸デバイス100はまた、1つ以上のフラッシュライト125(1つのみが示される)を含み得る。フラッシュライト125は、異なる実施形態では、異なる機構によってオン又はオフにされ得る。例えば、フラッシュライト125は、オン/オフスイッチ(図示せず)を回す、押す、又は使用することによってオン/オフされ得る。
【0168】
空気呼吸デバイス100の異なる構成要素の数及び場所は、異なる実施形態では異なり得ることに留意されたい。このように、
図20~
図32は、空気呼吸デバイス100の異なる構成要素の数及び場所の実施例のみを示す。例えば、UV光源108の数及び場所は、異なる実施形態では異なり得る。異なる実施形態は、1つ以上の空気取入ポート137を含み得、各空気取入ポートは、呼吸空気入口スクリーン104、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112(組み合わせられた空気カートリッジ又は別個の微粒子フィルタ及び炭素フィルタのいずれか)、UVC光分離スクリーン114、並びに空気取入ダンパー113のセットを含み得る。空気取入ポート137は、ケーシング102の正面、及び/又は4つの側(左側、右側、上側、又は下側)に位置し得る。
【0169】
異なる実施形態は、1つ以上の空気排出ポート138を含み得、各空気排出ポート138は、呼吸空気排出スクリーン103、1つ以上の空気フィルタカートリッジ115(組み合わせられた空気カートリッジ又は別個の微粒子フィルタ及び/又は炭素フィルタのいずれか)、UVC光分離スクリーン116、空気排出ダンパー117のセットを含み得る。空気排出ポート138は、ケーシング102の正面、及び/又は4つの側(左側、右側、上側、又は下側)に位置し得る。
【0170】
図24は、本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの空気濾過及び滅菌の異なる構成要素を示す、
図20の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
図24は、鼻エンクロージャ101、呼吸空気排出スクリーン103、呼吸空気入口スクリーン104、ハーネスハンドル105、スロット開口部107、UV光源108、充電式電池109、UVC光分離スクリーン114及び116、空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117、排出空気フィルタカートリッジ115、分離弾性膜118、マイクロフォン121、UV光オン/オフスイッチ122、並びに空気圧差センサ139などの、空気呼吸デバイス100の異なる構成要素を示す。明確にするために、UV光源108のうちのいくつかは、示されていない、及び/又はラベル付けされていない。
【0171】
図24に示されるように、分離スクリーン114(各々細線として示される)は、対応する空気フィルタカートリッジ112とケーシング102の内部との間にあり、UV光源108がオンのときであっても、UV光がケーシング102の外側に漏れることなく、空気フィルタカートリッジ112を変更することを可能にする。分離スクリーン116は、空気フィルタカートリッジ115とケーシング102の内部との間にあり、UV光源108がオンのときであっても、UV光がケーシング102の外側に漏れることなく、空気フィルタカートリッジ115を変更することを可能にする。
【0172】
図25は、本開示の様々な態様による、
図24に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図であり、
図26は、
図24に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
図25を参照すると、スロット開口部107は、分離弾性膜118上に位置し得、ここで、装着者は、スロット開口部107を通して空気を吸入し、及び吐き出し得る。
図25に示されるように、UVC光分離スクリーン111は、UV光が装着者の口の中に漏れるのを防止するために、スロット開口部107とケーシング102の内部との間に位置決めされ得る。空気排出ポート138は、呼吸空気排出スクリーン103、排出空気フィルタカートリッジ115、UVC光分離スクリーン116、及び排出ダンパー117を含み得る。あご支持プレート142は、軟質材料で作られ得、装着者のあごを支持するように構成され得る。
【0173】
図26を参照すると、各空気取入ポート137は、呼吸空気入口スクリーン104、空気フィルタカートリッジ112、UVC光分離スクリーン114、及び空気取入ダンパー113のセットを含み得る。UVC光分離スクリーン111は、スロット開口部107とケーシング102の内部との間に位置決められ得る。1つ以上のUV光源108(小さな円で示される)は、ケーシング102の内部に向かって面する分離弾性膜118に設置され得る。明確にするために、UV光源108のうちのいくつかは、
図25及び
図26に示されていない、及び/又はラベル付けされていない。
【0174】
図20~
図26を参照して上で記載された、フラッシュライト125、スピーカー120、マイクロフォン121などのいくつかの特徴に加えて、又はそれらの代わりに、いくつかの実施形態の空気呼吸デバイスは、例えば、限定されないが、インターネットへの接続、セルラーネットワークへの接続、Wi-Fi接続、Bluetooth接続など、異なるネットワークへの接続を提供し得る。空気呼吸デバイスは、いくつかの実施形態では、装着者によって吸入される前に空気を暖めるための空気加熱機構を提供し得る。空気呼吸デバイスは、いくつかの実施形態では、モノのインターネット(IoT)デバイスとして機能し得る。
【0175】
図27は、本開示の様々な態様による、ネットワーク接続、1つ以上のカメラ、1つ以上の表示画面、GPS受信機、セルラー信号受信機、1つ以上のWi-Fi及び/若しくはBluetooth受信機、並びに/又は空気加熱モジュールを提供する再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの斜視図である。
図28は、
図27の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面立面図であり、
図29は、上面図である。
図30は、本開示の様々な態様による、空気呼吸デバイスの更なる構成要素を示す、
図27の再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの上面図である。
図27の側面立面図は、
図21に示される側面立面図と類似している。
図28及び
図29は、空気呼吸デバイス100の外側から見える空気呼吸デバイス100の構成要素のみを示す。
【0176】
図27~
図30を参照すると、空気呼吸デバイス100は、
図20~
図26の空気呼吸デバイス100と同様の構成要素を含み得る。例えば、
図27~
図30の空気呼吸デバイス100は、鼻エンクロージャ101、ケーシング102、1つ以上の呼吸空気排出スクリーン103、1つ以上の呼吸空気入口スクリーン104、いくつかのハーネスハンドル105、ハーネス106、1つ以上のスロット開口部107、1つ以上のUV光源108、1つ以上の充電式電池109、除染チャンバ110、1つ以上のUVC光分離スクリーン111、114及び116、1つ以上の空気フィルタカートリッジ112、ダンパー113及び117のいくつかのセット、1つ以上の排出空気フィルタ115、1つ以上の分離弾性膜118、オーディオスピーカー120、マイクロフォン121、UV光オン/オフスイッチ122、フラッシュライト125、並びに/又は空気圧差センサ139を含み得る。
【0177】
図27~
図30の空気呼吸デバイス100は、熱回収スポンジ132、1つ以上の電気加熱コイル136、凝縮物ドレーンパン133、凝縮物パイプ134、取り外し可能な凝縮物アキュムレータタンク135、1つ以上のイヤーポッド若しくは同様のオーディオデバイス123、空気温度センサ131、リアカメラレンズ124、表示画面126、カメラレンズ127、格納式画面128、格納式画面のための開口部119、プロセッサ140、コンピュータ可読媒体141、セルラー信号受信機130、1つ以上のWi-Fi及び/若しくはBluetooth受信機(図示せず)、並びに/又はGPS受信機129などの、1つ以上の任意選択の構成要素を含み得る。
【0178】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では(例えば、
図20~
図32を参照して本明細書に記載される任意の実施形態では)、プロセッサ140及びコンピュータ可読媒体141を含み得る。コンピュータ可読媒体141は、読み取り専用メモリ、揮発性読み書きメモリ、及び/又は不揮発性読み書きメモリなどの異なるタイプのメモリユニットを含み得る。読み取り専用メモリは、プロセッサ140によって必要とされる静的データ及び命令を記憶し得る。不揮発性読み書きメモリは、不揮発性メモリへの電力がオフであるときでも、命令及びデータを記憶し得る。いくつかの実施形態は、不揮発性読み書きメモリとして、小型大容量記憶デバイス(磁気又は光学ディスク及びその対応するディスクドライブなど)を使用し得る。
【0179】
揮発性読み書きメモリデバイスは、ランダムアクセスメモリであり得、システムメモリとして使用され得る。システムメモリは、プロセッサが実行時に必要とする命令及びデータのうちのいくつかを記憶し得る。いくつかの実施形態では、本実施形態のプロセスは、システムメモリ、不揮発性メモリ、及び/又は読み取り専用メモリに記憶され得る。これらの様々なメモリユニットから、プロセッサ140は、空気呼吸デバイス100の異なる電子部品を実行及び制御し、いくつかの実施形態のプロセスを実行するために、実行する命令及び処理するデータを取り出し得る。
【0180】
図27及び
図30を参照すると、空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、呼吸空気を加熱するための加熱機構を含み得る。例えば、寒い環境では、空気呼吸デバイス100は、熱回収スポンジ132、及び/又は1つ以上の電気加熱コイル136、及び空気温度センサ131を含み得る加熱モジュールで装備され得る。
【0181】
熱回収スポンジ132は、暖かく湿った呼吸空気が装着者の肺から出る空気の吐き出しプロセスを通して熱を捕捉し得る。熱回収スポンジ132は、装着者の肺に入る前に入ってくる空気を温めるために、捕捉された熱を使用し得る。呼吸する空気を温めることは、装着者が寒い季節に風邪又は肺炎にかかるから防止し得る。熱回収スポンジ132は、例えば、限定されないが、銅などの高伝導性材料で作られ得る。
【0182】
ヒトの肺から出てくる排出された空気は、湿っている。排出された空気が熱回収スポンジ132の冷たい表面に暴露されているとき、空気は、除去する必要がある凝縮されたものを形成し得る。熱回収スポンジ132を含む実施形態は、熱回収スポンジ132から凝縮物を収集するために、熱回収スポンジ132の下に凝縮物ドレーンパン133を含み得る。凝縮物ドレーンパン133の底部は、凝縮物がパン133から流出するのを防止するために、凝縮物ドレーンパン133の中心に向かって傾斜し得る。凝縮されたものは、接続凝縮物パイプ134を介して取り外し可能な凝縮物アキュムレータタンク135に向かって送られ得る。
【0183】
加熱スポンジ132に加えて、又はその代わりに、いくつかの実施形態は、寒い環境で吸入空気を温めるために電気加熱コイル136を含み得る。電気加熱コイル136のための動力源は、オンボード充電式電池109であり得、又はケーシング102に取り付けられたUSBポート(図示せず)を介して外部電源を通してであり得る。USBポートを通る電力は、例えば、限定されないが、装着者が長期間にわたって椅子に座っているときに、使用され得る。空気温度センサ131は、電気加熱コイルの下流のケーシング102の内側に吸入されている空気の温度を測定するように構成され得る。空気温度センサ131の測定値は、吸入される空気の温度を制御するために、プロセッサ140によって使用され得る。例えば、プロセッサ140は、電気加熱コイル136を調節又はオン若しくはオフにすることによって、吸入される空気の温度を調節し得る。
【0184】
図27~
図30に描写される実施形態では、空気呼吸デバイス100は、スロット開口部107の近くに位置している1つの電気加熱コイル136を含む。他の実施形態は、ケーシング102の内側の他の場所に配置され得る1つ以上の電気加熱コイルを含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、2つの電気加熱コイル136を含み得、各電気加熱コイル136は、対応する空気フィルタ112の下流の空気取入ポート137のうちの1つに位置し得る。例えば、限定されないが、各電気加熱コイル136は、空気フィルタ112とダンパー113のセットとの間の空気取入ポート137のうちの1つに位置し得る。
【0185】
図27~
図30を参照すると、空気呼吸デバイス100は、1つ以上のネットワークへの接続を提供するために、セルラー信号受信機130並びに/又は1つ以上のWi-Fi及び/若しくはBluetooth受信機(図示せず)を含み得る。GPS受信機129は、1つ以上の衛星から空気呼吸デバイスの場所を受信するように構成され得る。空気呼吸デバイス100は、GPS受信機の起動性能を改善するために、及び/又は電力を節約するために、ネットワーク化されたサーバから支援データを受信するための支援GPS(A-GPS)(図示せず)を含み得る。ネットワーク接続は、プロセッサ140が1つ以上の外部電子デバイスと通信し、IoTデバイスとして機能することを可能にし得る。
【0186】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、移動可能な平坦又は湾曲した表示画面128を含み得る。表示画面128は、装着者の目の高さまで伸長されているように、
図27及び
図28に示されている。表示画面128は、表示画面128が使用されていないときに、対応する開口部119に格納され得る。表示画面128は、装着者が、インターネットなどのネットワークを通してコンテンツを表示することを可能にし得る。
【0187】
空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、ハーネス106上に位置し得る1つ以上のイヤーポッド又は同様のオーディオデバイス123を含み得る。空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、表示画面126(例えば、限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)画面)を含み得る。空気呼吸デバイス100は、装着者の口を覆い、他のヒトとの通話を困難にする。表示画面126は、装着者と他のヒトとの間の伝達を強化し得る。表示画面126は、空気呼吸デバイス100の正面に取り付けられ得る。装着者は、他のヒトにメッセージを送る、又はシグナルを送るために表示画面126を使用し得る。空気呼吸デバイス100は、いくつかの実施形態では、ハーネス106に取り付けられた後向きカメラ124を含み得る。後向きカメラ124によって捕捉された後方視野は、表示画面128を通して観察され得る。
【0188】
図31は、本開示の様々な態様による、
図30に示される線A-Aに沿った再利用可能な浄化呼吸空気デバイスの側面断面図であり、
図32は、
図30に示される線B-Bに沿った再利用可能な浄化空気呼吸デバイスの正面断面図である。
【0189】
図31は、
図25の断面図と同様の構成要素を示す。加えて、
図31は、熱回収スポンジ132、電気加熱コイル136、空気温度センサ131、凝縮物ドレーンパン133、凝縮物パイプ134、取り外し可能な凝縮物アキュムレータタンク135、格納式画面128、格納式画面のための開口部119、及びGPS受信機129を示す。
【0190】
図32は、
図26の断面図と同様の構成要素を示す。加えて、
図32は、熱回収スポンジ132、電気加熱コイル136、空気温度センサ131、凝縮物ドレーンパン133、凝縮物パイプ134、取り外し可能な凝縮物アキュムレータタンク135、格納式画面128、セルラー信号受信機130、GPS受信機129、及び/又はイヤーポッド123を示す。
【0191】
図20~
図32の実施形態では、空気呼吸デバイス100は、装着者の鼻、口、及びあごを覆うハーフフェイス空気呼吸デバイスである。他の実施形態では、空気呼吸デバイスは、フルフェイス空気呼吸デバイスであり得る。これらの実施形態では、空気呼吸デバイスは、装着者の頭部及び首を覆い得、装着者の頭部の周りにフード又はヘルメットを形成し得る。いくつかの実施形態のフルフェイス空気呼吸デバイスは、格納式画面128、格納式画面のための開口部119、ハーネス106、及び/又はハーネスハンドル105を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、イヤープラグ123は、フルフェイス空気呼吸デバイスのフードの内側に設置され得る。いくつかの実施形態では、後方視野カメラレンズ124は、フルフェイス空気呼吸デバイスのフードの外側に設置され得る。
【0192】
第1の態様では、空気呼吸デバイスが提供される。空気呼吸デバイスは、ケーシングを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気取入ポートのセットであって、各空気取入ポートは、空気取入ダンパーを通して空気通路キャビティをケーシングの外側に接続し、各空気取入ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気取入ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、空気取入ダンパーを開けるために対応するヒンジの周りで第1の方向に回転するように構成され、各空気取入ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、空気取入ダンパーを閉じるために対応するヒンジの周りで第2の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気取入ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気排出ポートのセットであって、各空気排出ポートは、空気排出ダンパーを通して空気通路キャビティをケーシングの外側に接続し、各空気排出ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気排出ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、空気排出ダンパーを開けるために対応するヒンジの周りで第3の方向に回転するように構成され、各空気排出ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、空気排出ダンパーを閉じるために対応するヒンジの周りで第4の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気排出ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティを、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティの内側の1つ以上の紫外線(UV)光源のセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気チューブの内側に位置する1つ以上のUV光スクリーンの第1のセットであって、空気通路キャビティをヒトの口から分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第1のセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットであって、UV光スクリーンの第2のセットにおける各UV光スクリーンは、空気通路キャビティを1つの空気取入ポート及び1つの空気排出ポートから分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットを備える。
【0193】
第1の態様の実施形態では、UV光源は、200ナノメートル~280ナノメートルの範囲の波長を有するUV光線を生成するように構成されている。
【0194】
第1の態様の別の実施形態では、空気通路キャビティの内部表面の少なくとも一部分は、UV光線を反射する材料を含む。
【0195】
第1の態様の実施形態は、UV光源のセットをオン又はオフにするためのスイッチを更に備える。
【0196】
第1の態様の別の実施形態は、各空気取入ポートでケーシングの内側に位置する交換可能な空気フィルタを更に備える。
【0197】
第1の態様の別の実施形態は、各空気取入ポートにある穿孔されたスクリーンと、各空気排出ポートにある穿孔されたスクリーンとを更に備える。
【0198】
第1の態様の別の実施形態は、格納式表示画面と、1つ以上の無線トランシーバのセットと、プロセッサであって、無線トランシーバのセットを通して、空気呼吸デバイスの外部の1つ以上の電子デバイスからコンテンツを受信することと、格納式表示画面上にコンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える。
【0199】
第1の態様の別の実施形態では、格納式表示画面は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトにコンテンツを表示するように構成されている。
【0200】
第1の態様の別の実施形態では、格納式表示画面は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶オンシリコン(LCOS)、及び空気呼吸デバイスを装着しているヒトの目に画像を向けるように構成された複数のレンズのうちの1つである。
【0201】
第1の態様の別の実施形態は、プロセッサ、UV光源のセット、格納式表示画面、及び無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0202】
第1の態様の別の実施形態は、ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、USBポートは、外部電源に接続し、プロセッサ、格納式画面、UV光源のセット、及び無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成されている。
【0203】
第1の態様の別の実施形態では、空気呼吸デバイスは、ケーシング上に位置し、空気呼吸デバイスを装着しているヒトに顔を向けているヒトが見ることができるように位置決めされた固定表示画面を備える。空気呼吸デバイスは、メディアコンテンツを受信することと、固定表示画面上にメディアコンテンツを表示することを、行うように構成されたプロセッサを備える。
【0204】
第1の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に方向付けられたカメラレンズを更に備える。カメラレンズは、複数の画像及び1つ以上のビデオのセットのうちの1つを含むメディアコンテンツを捕捉するように構成されている。プロセッサは、固定表示画面上に捕捉されたコンテンツを表示するように構成されている。
【0205】
第1の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスの装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンを更に備える。プロセッサは、捕捉された音を、シミュレートした唇の動きに変換し、固定表示画面にシミュレートした唇の動きを表示するように構成されている。
【0206】
第1の態様の別の実施形態は、フラッシュライトと、フラッシュライトをオン又はオフにするためのスイッチとを更に備える。
【0207】
第1の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスの装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンと、マイクロフォンによって捕捉された音を再生するように構成された1つ以上のスピーカーのセットとを更に備える。
【0208】
第1の態様の別の実施形態では、空気呼吸デバイスは、空気取入ダンパーと空気通路キャビティとの間に位置する1つ以上の加熱コイルのセットを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングの内側の空気温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上のトランシーバのセットを備える。空気呼吸デバイスは、温度センサのセットから温度測定値を受信することと、トランシーバのセットにおけるトランシーバのうちの1つを通してプロセッサに通信可能に結合された外部電子デバイスから第1の温度閾値及び第2の温度閾値を受信することであって、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい、受信することと、温度測定値が第1の閾値を下回るときに、加熱コイルのセットへの電力をオンにすることと、温度測定値が第2の閾値を上回るときに、加熱コイルへの電力をオフにすることと、を行うように構成されたプロセッサを備える。
【0209】
第1の態様の別の実施形態は、ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、USBポートは、外部電源に接続し、加熱コイルのセット、トランシーバのセット、プロセッサ、及びUV光源のセットに電力を供給するように構成されている。
【0210】
第1の態様の別の実施形態は、プロセッサと、複数のモーターであって、各モーターは、空気取入ダンパー又は空気排出ダンパーに対応し、各モーターは、1つ以上の信号を受信し、信号を受信することに応答して、対応するダンパーを開けるか又は閉じるように構成されている、複数のモーターと、空気通路キャビティの内側の空気圧とケーシングの外側の空気圧との間の差を測定するように構成された空気圧差センサと、を更に備え、プロセッサは、空気圧差センサから空気圧差読み取り値を受信することと、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧を第1の閾値だけ超えていると判定することに応答して、空気取入ダンパーを閉じるために空気取入ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信し、空気排出ダンパーを開けるために空気排出ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信することと、ケーシングの外側の空気圧が空気通路キャビティの内側の空気圧を第2の閾値だけ超えていると判定することに応答して、空気取入ダンパーを開けるために空気取入ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信し、空気排出ダンパーを閉じるために空気排出ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成されている。
【0211】
第2の態様では、空気呼吸デバイスが提供される。空気呼吸デバイスは、ケーシングを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気取入ポートのセットであって、各空気取入ポートは、空気取入ダンパーを通して空気通路キャビティをケーシングの外側に接続し、各空気取入ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気取入ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、空気取入ダンパーを開けるために対応するヒンジの周りで第1の方向に回転するように構成され、各空気取入ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、空気取入ダンパーを閉じるために対応するヒンジの周りで第2の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気取入ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気排出ポートのセットであって、各空気排出ポートは、空気排出ダンパーを通して空気通路キャビティをケーシングの外側に接続し、各空気排出ダンパーは、1つ以上のブレードのセット及び対応する1つ以上のヒンジのセットを備え、各空気排出ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも大きいことに応答して、空気排出ダンパーを開けるために対応するヒンジの周りで第3の方向に回転するように構成され、各空気排出ダンパーブレードは、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧よりも小さいことに応答して、空気排出ダンパーを閉じるために対応するヒンジの周りで第4の方向に回転するように構成されている、1つ以上の空気排出ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティを、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブを備える。
【0212】
第2の態様の実施形態は、プロセッサと、複数のモーターであって、各モーターは、空気取入ダンパー又は空気排出ダンパーに対応し、各モーターは、1つ以上の信号を受信し、信号を受信することに応答して、対応するダンパーを開けるか又は閉じるように構成されている、複数のモーターと、空気通路キャビティの内側の空気圧とケーシングの外側の空気圧との間の差を測定するように構成された空気圧差センサと、を更に備え、プロセッサは、空気圧差センサから空気圧差読み取り値を受信することと、空気通路キャビティの内側の空気圧がケーシングの外側の空気圧を第1の閾値だけ超えていると判定することに応答して、空気取入ダンパーを閉じるために空気取入ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信し、空気排出ダンパーを開けるために空気排出ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信することと、ケーシングの外側の空気圧が空気通路キャビティの内側の空気圧を第2の閾値だけ超えていると判定することに応答して、空気取入ダンパーを開けるために空気取入ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信し、空気排出ダンパーを閉じるために空気排出ダンパーに対応するモーターに1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成されている。
【0213】
第2の態様の別の実施形態は、プロセッサ及び複数のモーターに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0214】
第2の態様の別の実施形態は、格納式表示画面と、1つ以上の無線トランシーバのセットと、プロセッサであって、無線トランシーバのセットを通して、空気呼吸デバイスの外部の1つ以上の電子デバイスからコンテンツを受信することと、格納式表示画面上にコンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサと、を更に備える。
【0215】
第2の態様の実施形態では、格納式表示画面は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトにコンテンツを表示するように構成されている。
【0216】
第2の態様の別の実施形態では、格納式表示画面は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶オンシリコン(LCOS)、及び空気呼吸デバイスを装着しているヒトの目に画像を向けるように構成された複数のレンズのうちの1つである。
【0217】
第2の態様の別の実施形態は、プロセッサ、格納式画面、及び無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0218】
第2の態様の別の実施形態は、ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、USBポートは、外部電源に接続し、プロセッサ、格納式画面、及びトランシーバのセットに電力を供給するように構成されている。
【0219】
第2の態様の別の実施形態では、空気呼吸デバイスは、ケーシング上に位置し、空気呼吸デバイスを装着しているヒトに顔を向けているヒトが見ることができるように位置決めされた固定表示画面を備える。空気呼吸デバイスは、メディアコンテンツを受信することと、固定表示画面上にメディアコンテンツを表示することを、行うように構成されたプロセッサを備える。
【0220】
第2の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に方向付けられたカメラレンズを更に備える。カメラレンズは、複数の画像及び1つ以上のビデオのセットのうちの1つを含むメディアコンテンツを捕捉するように構成されている。プロセッサは、固定表示画面上に捕捉されたコンテンツを表示するように構成されている。
【0221】
第2の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスの装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンを更に備える。プロセッサは、捕捉された音を、シミュレートした唇の動きに変換し、固定表示画面にシミュレートした唇の動きを表示するように構成されている。
【0222】
第2の態様の別の実施形態は、フラッシュライトと、フラッシュライトをオン又はオフにするためのスイッチとを更に備える。
【0223】
第2の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスの装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンと、マイクロフォンによって捕捉された音を再生するように構成された1つ以上のスピーカーのセットとを更に備える。
【0224】
第2の態様の別の実施形態は、各空気取入ポートでケーシングの内側に位置する交換可能な空気フィルタを更に備える。
【0225】
第2の態様の別の実施形態では、空気呼吸デバイスは、空気取入ダンパーと空気通路キャビティとの間に位置する1つ以上の加熱コイルのセットを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングの内側の空気温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上のトランシーバのセットを備える。空気呼吸デバイスは、温度センサのセットから温度測定値を受信することと、トランシーバのセットにおけるトランシーバのうちの1つを通してプロセッサに通信可能に結合された外部電子デバイスから第1の温度閾値及び第2の温度閾値を受信することであって、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい、受信することと、温度測定値が第1の閾値を下回るときに、加熱コイルのセットへの電力をオンにすることと、温度測定値が第2の閾値を上回るときに、加熱コイルへの電力をオフにすることと、を行うように構成されたプロセッサを備える。
【0226】
第2の態様の別の実施形態は、ケーシングに取り付けられたユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを更に備え、USBポートは、外部電源に接続し、加熱コイルのセット、プロセッサ、及びトランシーバのセットに電力を供給するように構成されている。
【0227】
第3の態様では、空気呼吸デバイスが提供される。空気呼吸デバイスは、ケーシングを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気取入ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気排出ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティを、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティの内側の1つ以上の紫外線(UV)光源のセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティをヒトの口から分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第1のセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットであって、UV光スクリーンの第2のセットにおける各UV光スクリーンは、空気通路キャビティを1つの空気取入ポート及び1つの空気排出ポートから分離する、1つ以上のUV光スクリーンの第2のセットを備える。
【0228】
第3の態様の実施形態では、UV光源は、200ナノメートル~280ナノメートルの範囲の波長を有するUV光線を生成するように構成されている。
【0229】
第3の態様の実施形態は、UV光源のセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0230】
第4の態様では、空気呼吸デバイスが提供される。空気呼吸デバイスは、ケーシングを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気取入ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気排出ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティを、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブを備える。空気呼吸デバイスは、格納式表示画面を備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の無線トランシーバのセットを備える。空気呼吸デバイスは、プロセッサであって、無線トランシーバのセットを通して、空気呼吸デバイスの外部の1つ以上の電子デバイスからコンテンツを受信することと、格納式表示画面上にコンテンツを表示することと、を行うように構成されたプロセッサを備える。
【0231】
第4の態様の実施形態では、格納式表示画面は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトにコンテンツを表示するように構成されている。
【0232】
第4の態様の別の実施形態では、格納式表示画面は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶オンシリコン(LCOS)、及び空気呼吸デバイスを装着しているヒトの目に画像を向けるように構成された複数のレンズのうちの1つである。
【0233】
第4の態様の実施形態は、プロセッサ、格納式表示画面、及び無線トランシーバのセットに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0234】
第5の態様では、空気呼吸デバイスが提供される。空気呼吸デバイスは、ケーシングを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシングによって包囲された空気通路キャビティを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気取入ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、1つ以上の空気排出ポートのセットを備える。空気呼吸デバイスは、空気通路キャビティを、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に接続する空気チューブを備える。空気呼吸デバイスは、ケーシング上に位置し、空気呼吸デバイスを装着しているヒトに顔を向けているヒトが見ることができるように位置決めされた固定表示画面を備える。空気呼吸デバイスは、メディアコンテンツを受信することと、固定表示画面上にメディアコンテンツを表示することを、行うように構成されたプロセッサを備える。
【0235】
第5の態様の実施形態は、空気呼吸デバイスを装着しているヒトの口に方向付けられたカメラレンズを更に備える。カメラレンズは、複数の画像及び1つ以上のビデオのセットのうちの1つを含むメディアコンテンツを捕捉するように構成されている。プロセッサは、固定表示画面上に捕捉されたコンテンツを表示するように構成されている。
【0236】
第5の態様の別の実施形態は、空気呼吸デバイスの装着者によって話された音を捕捉するように構成されたマイクロフォンを更に備える。プロセッサは、捕捉された音を、シミュレートした唇の動きに変換し、固定表示画面にシミュレートした唇の動きを表示するように構成されている。
【0237】
第5の態様の別の実施形態は、プロセッサ、固定表示画面、及びマイクロフォンに電力を供給するように構成された1つ以上の電池のセットを更に備える。
【0238】
以上の記載は、本実施形態を実行するために企図された最良の形態、並びにそれらを実施する方式及びプロセスを、それらが関連する技術分野の当業者であれば誰でもこれらの実施形態を実施することができるように、完全、明瞭、簡潔、かつ正確な用語で提示するものである。しかしながら、本実施形態は、完全に同等である上で論じられたものからの修正及び代替構造の影響を受けやすい。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されない。対照的に、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内に入る全ての修正及び代替構造を包含する。
【国際調査報告】