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特表2024-523805効果コーティングのディスプレイ画像を生成するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】効果コーティングのディスプレイ画像を生成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20240625BHJP
   G01J 3/46 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G06T1/00 510
G01J3/46 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573670
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022063304
(87)【国際公開番号】W WO2022253566
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】21176903.9
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】390008981
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D-48165 Muenster,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ビショフ,グイド
【テーマコード(参考)】
2G020
5B057
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA06
2G020DA14
2G020DA34
2G020DA35
2G020DA45
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE17
5B057CE18
5B057DA17
5B057DC25
(57)【要約】
本明細書に記載される態様は、一般に、効果コーティングのディスプレイ画像を生成するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本明細書に記載される態様は、予め定義された照射条件及び仮想オブジェクトのオブジェクトデータを使用してレンダリング技術を使用することなく、効果コーティングの色及びテクスチャを表示する高品質画像をアドホックに生成するための方法及びシステムに関する。代わりに、視覚的な3D効果、すなわち効果コーティングに関連するカラートラベルは、カラー画像の軸を測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることにより、測定ジオメトリの順序付きリストと関連する測定値又はスケーリングされたCIEL値をカラー画像内の相関列にマッピングする前に得られる。テクスチャ層は、さまざまなアスペキュラ角度に関するテクスチャの外観を再現するために、アスペキュラ依存スケーリング関数を使用して、生成されたカラー画像に追加される。カラー画像生成中にスケーリングされたL値を使用することで、視覚的なカラーマッチング操作を実行するために不可欠な光沢領域の色相情報の損失を回避する。生成されたディスプレイ画像は、効果コーティングの特性を評価し、又は生成されたディスプレイ画像に基づいて2つ以上の効果コーティング間の色の違いを、水平方向に並べて配置することによって評価するのに特に適している。また、画像のx軸とy軸を交換することによって、ディスプレイ画像を、例えばモバイルデバイス向けに垂直方向に最適化された配置に置き換えることも可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置の画面上に少なくとも1つの効果コーティングの外観を表示するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は:
(i) 通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をコンピュータプロセッサに提供するステップであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、ステップと、
(ii) 前記コンピュータプロセッサにより、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現;
に基づいて、作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することにより、カラー画像を生成する、ステップと、
(iii) 前記コンピュータプロセッサにより、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にコントラストスケーリング係数sを用いて、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成する、ステップと、
(iv) ステップ(ii)で使用された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる測定ジオメトリの順序付きリストを用いて任意にステップ(ii)と(iii)を繰り返す、ステップと、
(v) プロセッサから受け取った前記生成された効果コーティングの外観データを前記ディスプレイ装置の画面に表示する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、
- 測定装置を用いて、複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのCIEL値及び任意でテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性を決定し、前記決定されたCIEL値とテクスチャ画像とテクスチャ特性、及びさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力と任意に組み合わされた使用された測定ジオメトリを、前記通信インタフェースを介して、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
- 提供され決定されたCIEL値に基づいて、及び任意で、決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を任意に取得し、前記取得された少なくとも1つの効果コーティングのさらなるデジタル表現を、前記通信インタフェースを介して、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、効果コーティング識別データを提供することと、前記提供された効果コーティング識別データに基づいて前記効果コーティングのデジタル表現を取得することと、前記取得されたデジタル表現を提供することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各作成された画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、各作成された画像の1つの軸を、前記生成された測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることと、前記測定ジオメトリの順序付きリスト及び関連するデジタル表現又はスケーリングされたデジタル表現、特に関連するCIEL値又はスケーリングされたCIEL値を、前記作成された画像の相関行にマッピングすることとを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記提供されたデジタル表現から、前記測定ジオメトリの順序付きリストを生成することは、
- 前記提供された各デジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリを選択し、複数の測定ジオメトリが選択された場合、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従って前記選択された測定ジオメトリを任意にソートすることと、
- 複数の測定ジオメトリが選択された場合、選択された各測定ジオメトリの累積デルタアスペキュラ角度を任意に計算することと、
含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記定義された測定ジオメトリの順序は、45°>25°>15°>25°>45°>75°、又は-15°>15°>25°>45°>75°>110°である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
デルタアスペキュラ角度は、選択された測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度と、次の測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度との間の絶対差角である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
各スケーリングされたデジタル表現は、少なくとも1つの明度スケーリング係数sを使用してステップ(i)で提供された前記デジタル表現に含まれるすべてのLカラー値をスケーリングすることにより、前記カラー画像を生成する前に得られる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、生成された測定ジオメトリの順序付きリストに存在する測定ジオメトリに対応するアスペキュラ角度に相関して、前記テクスチャ層の各ピクセルに重み付けを行う、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用してテクスチャ層をピクセル単位で、生成されたカラー画像に追加することは、
- 少なくとも1つの取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像を提供することと、
- 各提供されたテクスチャ画像の平均色を計算し、前記各提供されたテクスチャ画像から前記平均色を減算することによって、修正テクスチャ画像を生成することと、
- 前記明度スケーリング係数s、前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular及び任意に前記コントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされたそれぞれの修正テクスチャ画像を、それぞれの生成カラー画像に追加することと、
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(iii)及び(v)は、仮想オブジェクトの3Dオブジェクトデータを使用することを含まない、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するシステムであって、前記システムは:
- 効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をプロセッサに提供するための通信インタフェースであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、通信インタフェースと;
- 画面を備えるディスプレイ装置と;
- 任意で、ユーザ入力を検出するためのインタラクション要素と;
- 前記通信インタフェース、前記インタラクション要素、及び前記ディスプレイ装置と通信するプロセッサであって;
〇前記通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を受信し;
〇作成されたカラー画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を
■前記受信したデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
■前記受信したデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現と、
に基づいて計算することにより、カラー画像を生成し;
〇明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成するように;
プログラムされている、プロセッサと;
を備え、前記ディスプレイ装置が、前記効果コーティングの生成された外観データを前記プロセッサから受信し、前記効果コーティングの外観を表示する、システム。
【請求項13】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から12のいずれか1項に記載の方法に従ってステップを実行させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法に従って又は請求項13に記載のシステムを用いて、生成された外観データを、ボタン、アイコン、カラープレビューとして、色比較及び/又はカラーコミュニケーションのために使用する、外観データの使用。
【請求項15】
サーバ装置において効果コーティングの外観を決定する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記クライアント装置は、少なくとも1つの効果コーティング及び任意でテクスチャ層のデジタル表現をサーバ装置に提供するように構成される、クライアント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される態様は、一般に、効果コーティングのディスプレイ画像を生成するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本明細書に記載される態様は、予め定義された照射条件及び仮想オブジェクトのオブジェクトデータを使用してレンダリングする技術を使用することなく、効果コーティングの色及びテクスチャを表示する高品質画像をアドホックに生成するための方法及びシステムに関する。代わりに、視覚的な3D効果、すなわち効果コーティングに関連するカラートラベルは、測定ジオメトリの順序付きリストと関連する測定値又はスケーリングされたCIEL値をカラー画像内の相関列(correlated row)にマッピングする前に、カラー画像の軸を測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることによって、得られる。テクスチャ層は、異なるアスペキュラ角度に関するテクスチャの外観を再現するために、アスペキュラ依存スケーリング関数を使用して、生成されたカラー画像に追加される。カラー画像生成中にスケーリングされたL値を使用することで、視覚的なカラーマッチング操作を実行するために不可欠な光沢領域の色相情報の損失を回避する。生成されたディスプレイ画像は、効果コーティングの特性を評価し、又は生成されたディスプレイ画像に基づいて2つ以上の効果コーティング間の色の違いを、水平方向に並べて配置することによって評価するのに特に適している。また、画像のx軸とy軸を交換する(swap)ことによって、ディスプレイ画像を、例えばモバイルデバイス向けに垂直方向に最適化された配置に置き換える(transpose)ことも可能である。
【背景技術】
【0002】
メタリック効果顔料及び干渉顔料のなどの効果顔料(効果コーティングとも呼ばれる)を含む塗装仕上げ(Paint finishes)は、自動車産業において広く普及している。これらは、角度に応じた明度と色合いの変化などの付加的な特性を塗料に与える、すなわち、コーティング層の明度及び色合い(lightness and shade)が、観察者の見る角度、視覚的に認識できる粒度(granularity)又は粒状性(graininess)(粗さとも呼ばれる)、及び/又は輝き効果、に応じて変化する。視覚的に認識可能な粗さ及び輝き(sparkling)効果は、効果コーティングの視覚的テクスチャとも呼ばれる。
【0003】
一般に、効果コーティングの視覚的印象は、効果コーティング層を照射するために使用される条件に強く依存する。指向性照射条件(例えば太陽光条件)では、明度と色合い及び輝き特性(例えば輝き効果)の角度に応じた変化が支配的であるが、粗さ特性(例えば視覚的に認識可能な粒状性)は拡散性のある照射条件(例えば曇天条件)下で支配的である。
【0004】
現在、効果顔料を含むコーティングの特性評価には、2つの技術が使用されている。第1の技術は、光源を使用してコーティングの表面を照射し、異なる角度におけるスペクトル反射を測定するものである。次に、色度値、例えばCIEL値を、得られた測定結果と光源の放射関数から計算することができる(例えば、ASTM E2194-14(2017)及びASTM E2539-14(2017)を参照)。第2の技術では、コーティング表面の画像が、定義された光条件下及び定義された角度で撮影される。次いで、視覚的テクスチャを定量化するテクスチャパラメータが、得られた画像から計算される。このような計算されたテクスチャパラメータの例は、Byk-Gardner社(「Den Gesamtfarbeindruck objektiv messen」,Byk-Gardner GmbH,JOT 1.2009,49巻第1号50~52頁)によって紹介されているように、拡散照射条件下でのコーティング層の粗さ特性を表すテクスチャ値G diffuse又はGdiff(いわゆる粒状性又は粗さ又は粗さ値又は粗さ特性)、指向性照射条件下でのコーティング層の輝き特性を表すSi(輝き強度)及びSa(輝き面積)が挙げられる。Byk-Gardnerによって紹介されたテクスチャパラメータは、グレースケール画像から決定される。また、X-Rite社によって紹介されているように、MA-T6又はMA-T12マルチアングル分光光度計を用いてカラー画像からテクスチャパラメータを決定することも可能である。
【0005】
測色用途では、効果コーティングのディスプレイ画像が、コンピュータ画面などのデジタルディスプレイ装置上に、視覚的なテクスチャなどの重要な特性を表示するために、又は色及び/又はテクスチャの違いに関して、効果コーティングの少なくとも2つの表示された画像を視覚的に比較するために、一般的に使用される。多くの場合、低解像度の表現でも、例えば、効果コーティングの多くの画像が1つのデジタルディスプレイ装置に、例えば、色測定データを含む可能性のある表又はリストなどで同時に表示される場合は、効果コーティングの主な特性を視覚化するには十分である。しかし、少なくとも2つの効果コーティングをそれらの色及び/又は視覚的なテクスチャに関して視覚的に比較するには、通常、高品質の画像が必要である。このような視覚的比較は、補修領域が視覚的に明瞭な色を持たないように、ベストマッチングの効果コーティング材料を選択するために、補修プロセス中に一般的に実行される。既存の色許容差モデルは、ベストマッチングのソリッドシェードコーティング材料(すなわち、効果顔料を含まないコーティング材料)を確実に特定するために、測色用途において使用されることができるが、既存のテクスチャ許容差モデルは、効果コーティング材料の全範囲に普遍的に適用されることができず、したがって、ベストマッチングの効果コーティング材料を確実に特定するために使用されることができない。したがって、効果コーティングのカラーマッチングには、色と視覚的テクスチャの点でベストマッチングの効果コーティングを特定するために、高品質のディスプレイ画像を視覚的に比較する必要がある。
【0006】
今日、3Dレンダリング技術に基づいて、効果コーティングの高品質なディスプレイ画像を生成することを可能にする方法が利用可能である。しかし、3Dレンダリング技術では、高い計算能力だけでなく、仮想オブジェクトのオブジェクトデータ及び生成されたディスプレイ画像に対する予め定義された照射条件が必要である。さらに、出力される画像は、高精細で高解像度を含むことが多いため、適切に視覚化するためには、大きなサイズの画面が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、前述の欠点を伴わない、効果コーティングのディスプレイ画像を生成するためのリソース効率のよい方法及びシステムを提供することが望ましい。より具体的には、効果コーティングのディスプレイ画像を生成するためのコンピュータ実装方法及びシステムは、3Dレンダリング技術を使用することなく、低解像度又は高解像度を有し、効果コーティングのすべての重要な特性、すなわち角度依存カラートラベル及び視覚的テクスチャを含むディスプレイ画像をアドホックに生成できるようにする必要がある。アドホック生成は、必要なハードウェアリソースが少なく、ディスプレイ装置の標準的な画面、すなわち非HDR画面に表示されるように設計され、異なる効果コーティング間の信頼性の高い視覚的比較を可能にするように設計されたディスプレイ画像を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
定義
「外観」とは、観察者の目に対するコーティングされたオブジェクトの視覚的な印象を指し、表面のスペクトル的及び幾何学的側面がその照射環境及び視環境と統合された知覚を含む。一般に、外観は、色、効果顔料によって引き起こされる粗さ特性などの視覚的テクスチャ、輝き特性、光沢、又は特に変化する視野角及び/又は変化する照射角度で見た場合の表面の他の視覚効果を含む。「粒状性」、「粗さ」、「粗さ特性」及び「粗さ値」という用語は、本明細書内では同義語として使用される。「テクスチャ特性」という用語は、粗さ特性だけでなく、効果コーティング層の輝き特性も含む。
【0009】
「効果コーティング」とは、少なくとも1つの効果コーティング層を含むコーティング、特に硬化コーティングを指す。「効果コーティング層」とは、少なくとも1つの効果顔料を含むコーティング層、特に硬化した効果コーティング層を指す。「効果顔料」とは、コーティング材料及びコーティング材料から製造される硬化コーティング層において、光沢効果又は角度依存効果などの光学効果をもたらす顔料を指し、前記光学効果は主に光の反射に基づく。効果顔料の例としては、ラメラアルミニウム顔料、コーンフレーク及び/又はシルバーダラー形状を有するアルミニウム顔料、有機顔料で被覆されたアルミニウム顔料、ガラスフレーク、干渉層でコーティングされたガラスフレーク、ゴールドブロンズ、酸化ブロンズ、酸化鉄-アルミニウム顔料、真珠光沢顔料、微粉化酸化チタン、金属酸化物-雲母顔料、ラメラグラファイト、板状酸化鉄、PVDフィルムで構成される多層効果顔料、液晶ポリマー顔料及びそれらの組み合わせが含まれる。効果コーティングは、正確に1つのコーティング層、すなわち効果コーティング層からなっていてよく、少なくとも2つのコーティング層を含んでいてよく、該少なくとも1つのコーティング層は効果コーティング層である。効果コーティングのコーティング層は、空気圧スプレー塗布又はESTAなどの一般的に知られた塗布方法を用いて任意にコーティングされた基材上にコーティング材料を塗布し、コーティング膜を形成するために、任意に塗布されたコーティング材料を乾燥させることによって、それぞれのコーティング材料から調製されることができる。塗布されたコーティング材料又は形成されたコーティング膜は、例えば、塗布又は乾燥されたコーティング材料を加熱することによって硬化させるか、又は少なくとも1つのさらなるコーティング材料を、非硬化(すなわち「湿った」)コーティング材料又は膜上に前述のように塗布し、すべての非硬化コーティング材料又は膜を、最後のコーティング材料の塗布及び任意の乾燥後に共同で硬化させることができる。硬化後、得られた効果コーティングは、もはや軟らかくて粘着性ではなく、硬化条件にさらに曝されても、基材上の硬度又は接着性などの特性にさらなる大きな変化を生じない固体コーティングに変化する。
【0010】
「ディスプレイ装置」とは、視覚形式又は触覚形式(後者は視覚障害者用の触覚電子ディスプレイに使用され得る)で情報を提示するための出力装置を指す。「ディスプレイ装置の画面」とは、ディスプレイ装置の物理的画面と投影ディスプレイ装置の投影領域を同様に指す。
【0011】
「光沢測定ジオメトリ」とは、最大30°、例えば10°から30°の関連するアスペキュラ角度を有する測定ジオメトリを指し、アスペキュラ角度は、観察者の方向と測定ジオメトリの光沢方向との差である。これらのアスペキュラ角度を使用することで、効果コーティング層に存在する効果顔料によって生成される光沢色を測定することができる。「非光沢測定ジオメトリ」とは、30°を超える関連するアスペキュラ角度を有する測定ジオメトリ、すなわち、例えば、以下に説明するフロップ測定ジオメトリ及び中間測定ジオメトリなどの、光沢測定ジオメトリではないすべての測定ジオメトリを指す。「フロップ測定ジオメトリ」とは、70°を超える、例えば70°~110°の関連するアスペキュラ角度を有する測定ジオメトリを指し、効果コーティング層中に存在する効果顔料の角度依存色変化を測定することができる。「中間ジオメトリ」とは、30°を超えて70°までの関連するアスペキュラ角度、すなわち光沢測定ジオメトリ及びフロップ測定ジオメトリに対応しないアスペキュラ角度を有する測定ジオメトリを指す。
【0012】
「テクスチャ特性」とは、効果コーティング層の粗さ特性及び/又は輝き特性を指す。効果コーティング層の粗さ特性及び輝き特性は、以下に説明するように、マルチアングル分光光度計によって取得テクスチャ画像から決定されることができる。
【0013】
「デジタル表現」は、コンピュータ可読形式における効果コーティングの表現を指し得る。特に、効果コーティングのデジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた効果コーティングのCIEL値を含み、複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む。効果コーティングのデジタル表現は、効果コーティングのテクスチャ画像、粗さ特性及び/又は輝き特性などの効果コーティングのテクスチャ特性、効果コーティングの層構造、色名、色番号、カラーコード、一意のデータベースID、効果コーティングに関連する効果コーティング材料を調製するための指示(例えば、混合配合)、効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合、カラー評価、マッチングスコア又は品質スコア、価格、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0014】
「スケーリングされたデジタル表現」とは、デジタル表現に含まれるCIEL値のL値がスケーリング係数sでスケーリングされた、効果コーティングのデジタル表現を指す。したがって、スケーリングされたデジタル表現は、前記表現に含まれるすべてのL値にスケーリング係数sを乗じることによって、効果コーティングのデジタル表現から得られることができる。
【0015】
「通信インタフェース」は、信号又はデータの転送又は交換などの通信を確立するためのソフトウェア及び/又はハードウェアインタフェースを指し得る。ソフトウェアインタフェースは、例えば、関数呼び出し、APIであり得る。通信インタフェースは、トランシーバ及び/又はレシーバを備えることができる。通信は有線でも無線でもよい。通信インタフェースは、1つ以上の通信プロトコルに基づくか、又はそれをサポートしていてよい。通信プロトコルは、無線プロトコル、例えば、Bluetooth(登録商標)もしくはWIFIなどの近距離通信プロトコル、又は、例えば、第2世代セルラーネットワーク(「2G」)、3G、4G、Long-Term Evolution(「LTE」)、もしくは5Gなどのセルラー又はモバイルネットワークなどの長距離通信プロトコルであってよい。代替的に、又は追加的に、通信インタフェースは、専用の短距離又は長距離プロトコルに基づいていてよい。通信インタフェースは、任意の1つ以上の標準プロトコル及び/又は専用プロトコルをサポートすることができる。
【0016】
「コンピュータロセッサ」とは、コンピュータ又はシステムの基本動作を実行するように構成された任意の論理回路、及び/又は、一般に、計算又は論理演算を実行するように構成された装置を指す。特に、処理手段又はコンピュータプロセッサは、コンピュータ又はシステムを駆動する基本命令を処理するように構成されることができる。一例として、処理手段又はコンピュータプロセッサは、少なくとも1つの算術論理コンピューティングデバイス(「ALU」)、数学コプロセッサ又は数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(「FPU」)、複数のレジスタ、特に、オペランドをALUに供給し、演算結果を保存するように構成されたレジスタ、及びL1キャッシュメモリ及びL2キャッシュメモリなどのメモリを備えることができる。特に、処理手段、又はコンピュータプロセッサは、マルチコアプロセッサであってよい。具体的には、処理手段、又はコンピュータプロセッサは、中央処理装置(「CPU」)であってよく、又は中央処理装置を備えていてよい。処理手段又はコンピュータプロセッサは、(「GPU」)グラフィックス処理ユニット、(「TPU」)テンソルプロセッシングユニット、(「CISC」)複雑命令セットコンピュータマイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(「RISC」)マイクロプロセッサ、超長命令語(「VLIW」)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってよい。処理手段はまた、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、複合プログラマブルロジックデバイス(「CPLD」)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、ネットワークプロセッサ又はその類似物などの1つ以上の特殊用途処理装置であってよい。本明細書で説明される方法、システム、及び装置は、DSP、マイクロコントローラ、又はその他のサイドプロセッサ内のソフトウェアとして、あるいはASIC、CPLD、又はFPGA内のハードウェア回路として実装されることができる。処理手段又はプロセッサという用語は、複数のコンピュータシステム(例えばクラウドコンピューティング)にまたがって配置された処理装置の分散システムなど、1つ以上の処理装置を指し得、特に指定がない限り、単一の装置に限定されないことを理解されたい。
【0017】
「データ記憶媒体」とは、コンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を担持又は保存するための物理的媒体及びその他のコンピュータ可読媒体を指し得る。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ実行可能命令及び/又はデータ構造を保存する物理的記憶媒体を含めることができる。物理的記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージ装置などのコンピュータハードウェア、あるいは、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態でプログラムコードを保存するために使用され得る任意の他のハードウェアストレージ装置が含まれ、これらは、本発明の開示された機能を実装するために、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス及び実行されることができる。
【0018】
「データベース」は、検索及び取得が可能な関連情報の集合体を指し得る。データベースは、検索可能な電子数値、英数字、又はテキスト文書;検索可能なPDF文書;マイクロソフト(Microsoft Excel)(登録商標)スプレッドシート、又は最新技術において一般的に知られているデータベースであり得る。データベースは、検索及び取得が可能なコンピュータ可読記憶媒体に存在する電子文書、写真、画像、図、データ、又は図面のセットであり得る。データベースは、単一のデータベース、関連するデータベースのセット、又は関連しないデータベースの集合であってよい。「関連するデータベース」とは、そのようなデータベースを関連付けるために使用され得る関連するデータベースに少なくとも1つの共通の情報要素が存在することを意味する。
【0019】
「クライアント装置」とは、その動作の一部として、別のプログラムへリクエストを送信することに依存するコンピュータ又はプログラム、あるいはサーバによって提供されるサービスにアクセスするコンピュータのハードウェア又はソフトウェアを指し得る。
【0020】
概要
以上のような観点の問題を解決するために、次の提案をする:
ディスプレイ装置の画面上に少なくとも1つの効果コーティングの外観を表示するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は:
(i) 通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をコンピュータプロセッサに提供するステップであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、ステップと、
(ii) -前記コンピュータプロセッサにより-、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現;
に基づいて作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することにより、カラー画像を生成する、ステップと、
(iii) 前記コンピュータプロセッサにより、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを用いて、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成する、ステップと、
(iv) ステップ(ii)で使用された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる測定ジオメトリの順序付きリストを用いて任意にステップ(ii)と(iii)を繰り返す、ステップと、
(v) プロセッサから受け取った前記効果コーティングの生成された外観データを前記ディスプレイ装置の画面に表示する、ステップと、
を含む。
【0021】
本発明による方法の本質的な利点は、生成されたディスプレイ画像が、効果コーティングの主な特性、すなわち、角度依存カラートラベル(光沢及びフロップ観察者方向からの反射色を含む)ならびに異なる照射条件下での視覚的テクスチャ特性を示し、低ハードウェアリソースで、すなわち3Dレンダリング技術を使用せずに、アドホックに生成されることができることである。指向性照射条件下(例えば太陽光条件下)で観察される角度依存カラートラベルは、光沢測定ジオメトリ及び非光沢測定ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストを使用することによって得られ、拡散照射条件下(例えば曇天条件下)での効果コーティングの視覚的印象は、中間測定ジオメトリからなる測定ジオメトリの順序付きリストを使用することによって得られる。測定された明度が90より高い場合、高い光沢を有する領域ですべての色相情報が保持されるように、スケーリング係数を使用してL値をスケーリングする。このことは、保持された情報が色のマッチングの程度を判断するために不可欠であるため、ディスプレイ画像を効果コーティングの視覚的比較のために使用することを可能にする。測定されたテクスチャ画像をテクスチャ層として表示することは、テクスチャ値(輝きや粗さの値など)と比較して視覚的なテクスチャに関する追加情報を提供する、これは、これらのテクスチャ値は圧縮された情報のみを含み、空間的に分解された情報(分布、サイズ分布、明度分布など)又は色に関する情報を提供しないためである。表示される効果コーティングの外観は、比較される外観データの生成中に、同一のピクセル解像度、明度スケーリング係数、及び測定ジオメトリの順序付きリストを使用することによって、同一の照射条件下で異なる効果コーティングを最適に比較でき、及び、配置された外観データ(すなわちディスプレイ画像)の各行が同一のアスペキュラ角度に属するように、生成された外観データを水平方向に配置して並べて表示することができるように設計されている。ディスプレイ画像は、x軸とy軸を交換することによって、例えばスマートフォンの画面上で、垂直方向に配置した画像を比較できるように置き換えられることもできる。生成された外観データは、標準ダイナミックレンジ(SDR)形式を有し、したがって、データを表示するために追加のトーンマッピングが必要ない、なぜなら、トーンマッピングはハイダイナミックレンジ(HDR)の生データに必要だからである。
【0022】
さらに開示されているのは:
ディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するシステムであって、前記システムは:
- 効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をプロセッサに提供するための通信インタフェースであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、通信インタフェースと;
- 画面を備えるディスプレイ装置と;
- 任意で、ユーザ入力を検出するためのインタラクション要素と;
- 前記通信インタフェース、前記インタラクション要素、及び前記ディスプレイ装置と通信するプロセッサであって;
〇前記通信インタフェースを介して、効果コーティングの前記少なくとも1つのデジタル表現を受信し;
〇作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を
■前記受信したデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと
■前記受信されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現の明度Lが90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現と、
に基づいて計算することにより、カラー画像を生成し;
〇明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成するように;
プログラムされている、プロセッサと;
を備え、前記ディスプレイ装置が、前記効果コーティングの生成された外観データを前記プロセッサから受信し、前記効果コーティングの外観を表示する。
【0023】
本発明システムは、低いハードウェアリソースを必要とするため、コンピュータプロセッサをウェブサーバ上又はスマートフォンなどのモバイルデバイス上に配置することができる。これにより、生成されたディスプレイ画像を測色アプリケーションのプレビュー画像として統合し、又は高い計算能力もしくは特別なグラフィックリソースを有するクライアント装置を必要とせずに、測色アプリケーションでの修復作業中に生成されたディスプレイ画像をカラーマッチング作業のために使用することができる。
【0024】
さらに開示されているのは:
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータによって実行されると、本明細書に記載のコンピュータ実装方法によるステップをコンピュータに実行させる指示を含む。
【0025】
さらに開示されるのは、本明細書に開示される方法に従って生成された、又は本明細書に開示されるシステムで生成された外観データの、ボタン、アイコン、カラープレビューとしての、色比較のため及び/又は色通信のための使用である。
【0026】
さらに開示されるのは、サーバ装置において効果コーティングの外観を決定する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記クライアント装置は、少なくとも1つの効果コーティング及び任意にテクスチャ層のデジタル表現を、サーバ装置に提供するように構成される。
【0027】
本開示は、本明細書に開示される方法、システム、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に同様に適用される。したがって、方法、システム、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を区別することはない。本発明の方法に関連して開示されたすべての特徴は、本明細書に開示されたシステム及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体にも有効である。
【0028】
実施形態
本発明の方法の実施形態:
一態様では、ディスプレイ装置は、ステップ(ii)及び(iii)を実行するコンピュータプロセッサと画面とを収容するハウジングを備える。したがって、ディスプレイ装置は、コンピュータプロセッサと画面を備える。ハウジングは、プラスチック製、金属製、ガラス製、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0029】
別の態様では、ディスプレイ装置と、ステップ(ii)及び(iii)を実行するコンピュータプロセッサとは、別個のコンポーネントとして構成される。この態様によれば、ディスプレイ装置は、画面を収容するが、本発明の方法のステップ(ii)及び(iii)を実行するコンピュータプロセッサは収容しないハウジングを備える。したがって、本発明の方法のステップ(ii)及び(iii)を実行するコンピュータプロセッサは、ディスプレイ装置とは別個に、例えばさらなるコンピューティング装置内に存在する。ディスプレイ装置のコンピュータプロセッサとさらなるコンピュータプロセッサとは、データ交換を可能にするために通信インタフェースを介して接続される。ディスプレイ装置の外部に存在するさらなるコンピュータプロセッサの使用は、ディスプレイ装置のプロセッサによって提供されるよりも高い計算能力を使用することを可能にし、したがって、これらのステップを実行するのに必要な計算時間を短縮し、したがって、生成されたカラーデータがディスプレイ装置の画面上に表示されるまでの全体的な時間を短縮する。これにより、高い計算能力を有するディスプレイ装置を必要とすることなく、少なくとも1つの効果コーティング層、特に複数の効果コーティング層の外観をアドホックに表示することができる。さらなるコンピュータプロセッサは、本発明の方法のステップ(ii)及び(iii)がクラウドコンピューティング環境で実行されるように、サーバ上に配置されることができる。この場合、ディスプレイ装置はクライアント装置として機能し、インターネットなどのネットワークを介してサーバに接続される。好ましくは、サーバはHTTPサーバであってよく、従来のインターネットウェブベース技術を用いてアクセスされる。インターネットベースのシステムは、少なくとも1つの効果コーティング層の外観を表示するサービスが顧客又は大きな会社の構成で提供される場合に特に有用である。
【0030】
ディスプレイ装置は、モバイルディスプレイ装置又は固定ディスプレイ装置でよく、好ましくはモバイルディスプレイ装置である。固定ディスプレイ装置には、コンピュータモニター、テレビ画面、プロジェクターなどが含まれる。モバイルディスプレイ装置には、ラップトップ、スマートフォン及びタブレットなどのハンドヘルドデバイスが含まれる。
【0031】
ディスプレイ装置の画面は、適切な解像度と色域を有するように任意の放射型又は反射型ディスプレイ技術に従って構築されることができる。適切な解像度とは、例えば、72ドット/インチ(dpi)以上の解像度、例えば、300dpi、600dpi、1200dpi、2400dpi以上の解像度である。これにより、生成された外観データを高品質で表示できることが保証される。適切な広い色域は、標準赤緑青(sRGB)以上の色域である。さまざまな実施形態では、画面は、人間の視覚によって知覚可能な色域に近い色域を選択することができる。一態様では、ディスプレイ装置の画面は、液晶ディスプレイ(LCD)技術に従って、特にタッチ画面パネルをさらに含む液晶ディスプレイ(LCD)技術に従って構築される。LCDは、任意の適切な照射源によってバックライトを当てられてよい。しかしながら、LCD画面の色域は、発光ダイオード(LED)バックライトまたは複数のバックライトを選択することによって、広くするか、又は他の方法で改善されることができる。別の態様では、ディスプレイ装置の画面は、発光ポリマー又は有機発光ダイオード(OLED)技術に従って構築される。さらに別の態様では、ディスプレイ装置の画面は、電子ペーパー又はインクなどの反射型ディスプレイ技術に従って構築されることができる。電子インク/ペーパーディスプレイのメーカーとしては、E INK及びXEROXなどが知られている。好ましくは、ディスプレイ装置の画面は、ユーザが異なる角度から画面を見たときに、不鮮明になり、又は大きく変化しない画像を生成することができる、適度に広い視野も有する。LCD画面は偏光によって動作するため、いくつかのモデルは高い視野角依存性を示す。しかし、さまざまなLCDの構造は、比較的広い視野を有し、そのために好ましい場合がある。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)技術に従って構築されたLCD画面は、適切に広い視野を有することができる。また、電子ペーパー/インク技術及びOLED技術に従って構築された画面は、多くのLCD画面よりも広い視野を有することができ、このような理由のため選択されてよい。
【0032】
ディスプレイ装置は、ディスプレイ装置とのユーザインタラクションを容易にするためにインタラクション要素を含んでいてよい。一例では、インタラクション要素は、入力装置又は入力/出力装置、特にマウス、キーボード、トラックボール、タッチ画面又はそれらの組み合わせなどの物理的インタラクション要素であってよい。
【0033】
本発明の方法の一態様では、効果コーティングは単一の効果コーティング層からなる。効果コーティングは、任意に前処理された金属又はプラスチック基材に効果コーティング材料を直接塗布し、塗布された効果コーティング材料を任意に乾燥させ、形成された効果コーティング膜を硬化させることによって形成される。
【0034】
代替的な態様では、効果コーティングは、少なくとも2つのコーティング層を含み、少なくとも1つのコーティング層は、少なくとも1つの効果顔料を含むベースコート層などの効果コーティング層であり、少なくとも1つのさらなるコーティング層は、さらなるベースコート層及び/又は着色クリアコート層及び/又はクリアコート層である。「ベースコート層」は、自動車塗装及び一般工業塗装において一般的に使用される、硬化した色付与中間コーティング層を指し得る。「着色クリアコート層」は、クリアコーティングのように完全な無色透明でもなく、典型的な顔料ベースコートのように完全な不透明でもない、硬化したコーティング層を指し得る。したがって、着色クリアコート層は、透明で着色されているか、半透明で着色されている。着色は、ベースコートコーティング材料に一般的に使用される顔料を少量添加することによって実現できる。少なくとも1つの効果顔料を含むベースコート層を調製するために使用されるベースコート材料は、効果コーティング材料として配合される。効果コーティング材料は一般に、少なくとも1つの効果顔料と、任意に所望の色と効果を与える他の着色顔料又は球体を含む。さらなるベースコート層を調製するために使用されるベースコート材料は、効果コーティング材料として、又は固形コーティング材料(すなわち、着色顔料のみ含み、いかなる効果顔料を含まないコーティング材料)として配合される。一例では、効果コーティングは、効果ベースコート材料を、少なくとも1つの硬化コーティング層を含む金属又はプラスチック基材に塗布し、塗布した効果ベースコート材料を任意に乾燥させ、効果ベースコート材料を硬化させることによって形成される。別の例では、効果コーティングは、少なくとも1つの硬化したコーティング層を任意で含む金属又はプラスチック基材に効果ベースコート材料を塗布し、塗布した効果ベースコート材料を任意に乾燥させることによって形成される。その後、少なくとも1つのさらなるコーティング材料(すなわち、さらなるベースコート材料又は着色クリアコート材料又はクリアコート材料)を、非硬化又は「ウェット」な効果ベースコート層上に塗布し(「ウェット・オン・ウェット」塗布)、任意に乾燥させる。最後のコーティング材料がウェット・オン・ウェットで塗布された後、ベースコート層とさらなるすべてのコーティング層は、特に高温で共同硬化される。
【0035】
一態様では、ステップ(ii)、(iii)及び(v)は同時に実行される。「同時に」とは、コンピュータプロセッサにステップ(ii)及び(iii)を実行させ、ディスプレイ装置に生成された外観データを表示させる時間を指す。好ましくは、この時間は、外観データがアドホックに、つまり、ステップ(ii)の開始後数ミリ秒以内に、生成及び表示できるように、十分に小さい。
【0036】
本発明の方法のステップ(i)では、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現が提供される。したがって、このステップには、正確に1つの効果コーティングのデジタル表現を提供すること、又は効果コーティングの少なくとも2つのデジタル表現を提供することが含まれる。ステップ(i)で提供される効果コーティングのデジタル表現の数は、主に表示された外観データの使用によって導かれ、特に限定されない。ステップ(i)で提供される各デジタル表現は、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む複数の測定ジオメトリで得られたそれぞれの効果コーティングのCIEL値を含む。色がCIELABで表現される場合、「L」は明度を定義し、「a」は赤/緑の値を示し、「b」は黄/青の値を示す。
【0037】
一例では、効果コーティングの各デジタル表現は、前述のCIEL値とは別に、効果コーティングのテクスチャ画像、効果コーティングのテクスチャ特性(例えば粗さ特性及び/又は輝き特性)、効果コーティングの層構造、色名、カラーコード、一意のデータベースID、バーコード、QRコード、混合配合、効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合、カラーランキング、マッチングスコア又は品質スコア、価格、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる。テクスチャ画像ならびにテクスチャ特性、すなわち粗さ特性及び/又は輝き特性は、市販のマルチアングル分光光度計を使用して、定義された照射条件下及び定義された角度で効果コーティングのグレースケール画像又はカラー画像(すなわちテクスチャ画像)を取得し、取得されたテクスチャ画像から前述のように(例えば、Byk-Mac(登録商標)I又はXRite MA(登録商標)-T-ファミリーの分光計)粗さ特性及び/又は輝き特性を計算することによって、得ることができる。別の例では、テクスチャ画像、テクスチャ特性、色名、カラーコード、バーコード、QRコード、混合配合、効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合、カラーランキング、マッチングスコア又は品質スコア、価格は、データベースに保存されることができ、ユーザによって入力されたさらなるメタデータに基づいて、又は提供された効果コーティングのデジタル表現に基づいて、特に前記表現に含まれるCIEL値に基づいて、取得される。
【0038】
一態様では、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、
- 測定装置を用いて、複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのCIEL値及び任意でテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性を決定し、前記決定されたCIEL値、前記決定されたテクスチャ画像及びテクスチャ特性、ならびに、任意にさらなるメタデータと組み合わされた使用された測定ジオメトリ及び/又はユーザ入力を、通信インタフェースを介して、コンピュータプロセッサへ提供するステップと、
- 提供され決定されたCIEL値に基づいて、及び任意に決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を任意に取得し、前記取得された少なくとも1つの効果コーティングのさらなるデジタル表現を、前記通信インタフェースを介して、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む。
【0039】
複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのCIEL値は、Byk-Mac(登録商標)I又はXRite MA(登録商標)-Tファミリーの分光計など市販のマルチアングル分光計を使用して決定されることができる。この目的のために、それぞれの効果コーティングの反射率は、いくつかのジオメトリ、すなわち-15°、15°、25°、45°、75°及び110°の視野角で測定され、各測定ジオメトリは鏡面角に関する。マルチアングル分光光度計は、好ましくは、例えば、それぞれの測定ジオメトリにおける測定された反射率から各測定ジオメトリのCIEL値を計算することによって、測定された反射率データを処理するようにプログラムされたコンピュータプロセッサに接続される。決定されたCIEL値は、決定されたCIEL値を通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに提供される前に、内部メモリ又はデータベースなどのデータ記憶媒体に保存されることができる。これは、決定されたCIEL値を保存する前に、必要に応じてメタデータ及び/又はユーザ入力を使用して取得できるように、決定されたCIEL値をメタデータ及び/又はユーザ入力と相互関連付けることを含み得る。
【0040】
複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのテクスチャ画像は、Byk-Mac(登録商標)I又はXRiteMA(登録商標)-Tファミリーの分光計など、市販のマルチアングル分光計を使用して決定/取得され得る。次に、取得したテクスチャ画像(グレースケール画像又はカラー画像)を使用して、前述のように粗さ特性(Gdiffなど)及び輝き特性(Si、Saなど)を決定することができる。決定されたテクスチャ画像及び/又は決定されたテクスチャ特性は、通信インタフェースを介してテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性をコンピュータプロセッサに提供する前に、内部メモリ又はデータベースなどのデータ記憶媒体に記憶されてよい。これは、決定されたテクスチャ画像及びテクスチャ特性を、必要に応じてメタデータ及び/又はユーザ入力を使用して取得できるように、画像及び特性を保存する前にメタデータ及び/又はユーザ入力と決定されたテクスチャ画像及びテクスチャ特性を相互に関連付けることを含み得る。一例では、テクスチャ画像とテクスチャ特性が保存される。別の例では、決定されたテクスチャ特性のみが保存される。決定されたCIEL値、テクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性を記憶することは、それぞれの効果コーティングの外観がディスプレイ装置の画面上に表示されるたびにデータを取得する必要がないため、前記データを数回必要とする場合に好ましい。
【0041】
さらなるメタデータ及び/又はユーザ入力には、前に列挙した効果コーティングの層構造、色名、カラーコード、一意のデータベースID、バーコード、QRコード、混合配合、効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合、カラーランキング、品質スコア、又はそれらの組み合わせを含めることができる。
【0042】
少なくとも2つの効果コーティングの外観がカラーマッチングの目的で表示される場合、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現が、提供された決定されたCIEL値に基づいて、さらに任意で決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるユーザ入力及び/又はメタデータに基づいて取得され、通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに提供される。この場合、決定されたCIEL値はターゲットカラーに対応し、さらなるデジタル表現及び関連するCIEL値はマッチングカラー又はカラーソリューションに対応する。取得されたさらなるデジタル表現の数は、カラーマッチングの目的に応じて変化し得るが、一般に、少なくとも2つのさらなるデジタル表現、例えばベストマッチングのカラーに関連付けられるデジタル表現、及び、マッチングカラーに関連付けられ、ユーザによって頻繁に又は最近使用されるか、又は最近データベースに含まれるようになったデジタル表現、を含む。一例では、取得されるさらなるデジタル表現の数は、予め定義された色許容閾値及び/又は予め定義されたテクスチャ許容閾値に基づいて決定されてよい。別の例では、得られるさらなるデジタル表現の数は、予め定義された数、例えば2に固定される。
【0043】
提供された決定されたCIEL値に基づいて、及び任意で決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を取得することは、コンピュータプロセッサを用いて、ベストマッチングの測色値、特にベストマッチングのCIEL値を決定することを含み得る。一例では、ベストマッチングの測色値、特にCIEL値を決定するコンピュータプロセッサは、ステップ(ii)及び(iii)で使用されるコンピュータプロセッサである。別の例では、ベストマッチングの測色値を決定するコンピュータプロセッサは、さらなるコンピューティングデバイスに配置されたコンピュータプロセッサなど、異なるコンピュータプロセッサである。さらなるコンピューティングデバイスは、固定のローカルコンピューティングデバイスであってよく、又は前述のようにクラウド環境に配置されていてもよい。ベストマッチングの測色値を決定するためにさらなるコンピューティングデバイスを使用することにより、高い計算能力を必要とするステップを外部のコンピューティングデバイスに移行させることができ、したがって、外観データの生成とディスプレイ装置の画面上の表示を不当に長引かせることなく、低い計算能力を有するディスプレイ装置を使用することができる。
【0044】
ベストマッチングの測色値、特にCIEL値は、色差値を定義し、色差値が許容可能であるかどうかを決定するために、ベストマッチングのカラーソリューション及び関連するマッチング測色値、特にCIEL値を決定し、決定されたCIEL値と各マッチング測色値、特にマッチングCIEL値との間の色差を計算することによって、決定されてよい。ベストマッチングのカラーソリューション及び関連するマッチング測色値、特にCIEL値は、決定されたCIEL値及び/又は提供されたデジタル表現に基づいて、ベストマッチングのカラーソリューションについてデータベースを検索することによって決定され得る。一例では、色差値の許容性は、過去の測色値、特にCIEL値、及び過去の色差値でパラメータ化されたデータ駆動モデルを使用して決定されることができる。このようなモデルは、例えばUS2005/0240543A1に記載されている。別の例では、CIE94色許容差式、CIE2000色許容差式、DIN99色許容差式、又はWO2011/048147A1に記載されている色許容差式などの一般的に知られている色許容差式が、色差値を決定するために使用される。
【0045】
代替の態様では、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することが、効果コーティング識別データを提供することと、提供された効果コーティング識別データに基づいて効果コーティングのデジタル表現を取得することと、取得されたデジタル表現を提供することとを含む。この態様は、効果コーティングの外観データを生成するために、予め定義された又は予め決定された測色値が使用される場合に好ましい。効果コーティングのデジタル表現は、提供された効果コーティング識別データに基づいて効果コーティングのデジタル表現を取得し、取得されたデジタル表現を通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに提供することによって、得られることができる。効果コーティング識別データは、効果コーティングのカラーデータ、カラー及び/又はテクスチャオフセットを有する効果コーティングのカラーデータ、効果コーティングを示すデータ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。カラーデータは、CIEL値などの測色値、テクスチャ特性、又はそれらの組み合わせとすることができる。カラーデータは、前述したように、マルチアングル分光光度計を用いて決定されることができる。カラーデータは、カラー及び/又はテクスチャオフセットを使用して、例えば色を明るくしたり暗くしたりすることによって変更されることができる。効果コーティングを示すデータは、色名、カラーコード、効果コーティングの層構造、QRコード、バーコード、又はそれらの組み合わせを含むことができる。効果コーティングの識別データは、ディスプレイ装置の画面上に表示されるGUIを介してユーザによって入力されるか、QRコードなどのスキャンされたコードに基づいてデータベースから取得されるか、又は予め定義されたユーザアクションに関連付けられるかのいずれかである。予め定義されたユーザアクションは、例えば、関連する画像を含む保存された測定値のリストを表示すること、又は検索基準、ユーザプロファイル等に従って利用可能な効果コーティングのリストを表示することなど、ディスプレイ装置の画面上に表示されたGUI上で所望のアクションを選択することを含むことができる。
【0046】
ステップ(i)で提供される効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現は、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む複数の測定ジオメトリを含む。少なくとも1つの光沢測定ジオメトリは、好ましくは10°~30°、特に15°及び25°のアスペキュラ角度を含む。少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリは、好ましくは40°以上、好ましくは70°から110°、特に75°のアスペキュラ角度を含む。複数の測定ジオメトリは、好ましくは10°から110°、好ましくは10°から80°、特に15°、25°、45°及び75°のアスペキュラ角度を含む。
【0047】
一態様では、ステップ(i)は、提供された効果コーティングのデジタル表現をディスプレイ装置の画面上に表示することをさらに含む。一例では、これは、決定されたCIEL値及び任意でさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力をディスプレイ装置の画面上に表示することを含むことができる。別の例では、これは、決定されたCIEL値に関連する色、及び任意でさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力をディスプレイ装置の画面上に表示することを含むことができる。
【0048】
本発明の方法のステップ(ii)において、カラー画像は、測定ジオメトリの順序付きリストと、提供されたデジタル表現又はスケーリングされたデジタル表現に基づいて、作成された各画像の各ピクセルについて、対応するCIEL値を計算することにより、提供されたデジタル表現ごとに生成される。
【0049】
ある態様では、作成されたすべての画像、及びしたがってそこから生成されたカラー画像も、同一の解像度を有する。これは、生成された外観データがカラーマッチングの目的で使用される場合、又はリストに表示される各画像に予め定義された解像度を必要とするリストで表示される場合に特に好ましい。好ましくは、160×120ピクセルから720×540ピクセルの範囲の同一解像度、特に480×360ピクセルの同一解像度が使用される。定義された解像度を有する画像を作成することは、x方向とy方向のピクセル数を定義することによって空の画像を作成することを含む。次に、作成された画像は、以下に説明するようにカラー画像を生成するために使用される。
【0050】
一態様では、各作成画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、各作成画像の1つの軸を、生成された測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることと、測定ジオメトリの順序付きリスト及び関連するデジタル表現又はスケーリングされたデジタル表現を、特に関連するCIEL値又はスケーリングされたCIEL値を、作成された画像の相関列にマッピングすることとを含む。
【0051】
少なくとも2つの提供されたデジタル表現が互いに比較される場合、作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、前記提供されたデジタル表現について同一の生成された測定ジオメトリの順序付きリストを使用することを含むことができる。これにより、生成された外観データが水平配置で並んで表示される場合、表示された外観データ(例えば、ディスプレイ画像)の各ラインが同じ測定ジオメトリ(例えば、同じアスペキュラ角度)に属するため、生成された外観データを視覚的に比較することができる。
【0052】
測定ジオメトリの順序付きリストは、
- 提供された各デジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリを選択し、複数の測定ジオメトリが選択された場合は、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従って選択された測定ジオメトリを任意にソートすることと、
- 複数の測定ジオメトリが選択されている場合は、選択された各測定ジオメトリの累積デルタアスペキュラ角度を任意に計算することと、
によって、提供されたデジタル表現から生成されることができる。
【0053】
好ましくは、少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリ及び少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリ、又は少なくとも1つの、特に正確に1つの中間測定ジオメトリを含む。少なくとも1つの中間測定ジオメトリは、好ましくは45°のアスペキュラ角度に対応する。最初の場合では、少なくとも2つの予め定義された測定ジオメトリは、各提供されたデジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリ、すなわち、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリから選択される。この場合、選択された測定ジオメトリは、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従ってソートされる。後者の好ましい場合には、正確に1つの予め定義された測定ジオメトリ、すなわち中間測定ジオメトリは、各提供されたデジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから選択される。この場合、予め定義された測定ジオメトリのソートは必要ない。
【0054】
少なくとも1つの予め定義されたソート基準は、定義された測定ジオメトリの順序を含むことができる。この定義された測定ジオメトリの順序は好ましくは、ステップ(ii)から得られるカラー画像がディスプレイ装置の画面上に表示される場合は視覚的な3D印象が得られるように選択される。適切な3D印象の例としては、曲げ金属シートの視覚的印象が含まれる。
【0055】
定義された測定ジオメトリの順序の例には、45°>25°>15°>25°>45°>75°、及び-15°>15°>25°>45°>75°>110°が含まれる。これらの定義された測定ジオメトリの順序を使用することにより、指向性照射条件下での効果コーティング層のカラートラベルを表示するカラー画像が得られる。
【0056】
少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリ及び/又は少なくとも1つの予め定義されたソート基準は、提供された効果コーティングのデジタル表現及び/又はさらなるデータに基づいて、コンピュータプロセッサによってデータ記憶媒体から取得されてよい。さらなるデータは、ユーザプロファイルに関するデータ、又は、測定装置及び測定装置に関連する測定ジオメトリを示すデータを含み得る。
【0057】
測定ジオメトリの順序付きリスト、関連するアスペキュラ角度、デルタアスペキュラ角度、及び累積アスペキュラ角度の例を次の表に示す:
【表1】
【0058】
各測定ジオメトリのデルタアスペキュラ角度は、選択された測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度、例えば45°のアスペキュラ角度と、次の選択された測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度、この例では25°のアスペキュラ角度との間の絶対差角である。累積デルタアスペキュラ角度は、選択された測定ジオメトリに関連するデルタアスペキュラ角度、例えば25°に関連するデルタアスペキュラ角度を、次の選択された測定ジオメトリに関連するデルタアスペキュラ角度、この場合は15°に関連するデルタアスペキュラ角度に加算し、順序付きリスト内の各測定ジオメトリについてこのステップを繰り返すことによって得られることができる。
【0059】
本発明の方法のステップ(ii)は、提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合に、カラー画像を生成するためにスケーリングされたデジタル表現を使用することを含むことができる。好ましくは、ステップ(ii)は、提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が95より高い場合、特に99より高い場合に、スケーリングされたデジタル表現を使用することを含むことができる。各スケーリングされたデジタル表現は、少なくとも1つの明度スケーリング係数sを使用して、ステップ(i)で提供されたデジタル表現に含まれるすべてのLカラー値をスケーリングすることにより、カラー画像を生成する前に得られることができる。このスケーリング係数を使用することにより、既存のカラー距離を一定に保ちながら、色空間を圧縮することによって、光沢測定ジオメトリに含まれるカラー情報を保持することができる。色空間の圧縮を行われない場合、90を超えるL値、好ましくは95を超えるL値、特に99を超えるL値は、色相が切り取られほぼ白色又は純粋な白色として表示され、つまり、これらのL値に関連付けられたa値とb値に存在する可能性のあるカラー情報の等距離性が欠ける。しかし、光沢測定ジオメトリに含まれるカラー情報は、例えば再仕上げ作業中に視覚的なカラーマッチングを行う際に、ベストマッチングのカラーソリューションを特定するために不可欠である。
【0060】
少なくとも2つの提供されたデジタル表現が互いに比較される場合、同じ明度スケーリング係数sが、好ましくは、前記提供されたデジタル表現に含まれるすべてのL色値をスケーリングするために使用される。これにより、生成された外観データ、特に光沢測定ジオメトリに関連する領域におけるいかなる視覚的な差異も、異なる明度スケーリング係数sの使用に起因するものではないことが保証され、その結果、生成された外観データは、少なくとも2つの異なる効果コーティング層の視覚的な比較のために最適化される。
【0061】
明度スケーリング係数sは、提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値に基づいてよく、又は互いに比較される提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値に基づいてもよい。これにより、前述したように、90を超えるL値を含むデジタル表現の光沢領域のカラー情報を保持することができる。
【0062】
明度スケーリング係数sは、式(1)に従って得ることができ、
【数1】
ここで、
xは90から100、好ましくは95から100、非常に好ましくは95から99、そして
maxは、提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値、又は互いに比較されるべき提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値である。
【0063】
ある態様では、作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、補間法、特にスプライン補間法を使用することを含む。この補間法により、中間的CIEL値、すなわち測定されたジオメトリに関連しないピクセルのCIEL値を計算することができる。スプライン補間法を使用することにより、測定されたジオメトリに関連するピクセルのCIEL値と中間的なCIEL値との間の滑らかな遷移を得られる。
【0064】
ステップ(ii)は、計算されたCIEL値をsRGB値に変換し、任意にsRGB値をデータ記憶媒体、特に内部メモリに保存することをさらに含むことができる。計算されたCIEL値をsRGB値に変換することにより、sRGBファイルを使用して画面上に情報を表示する一般的に利用可能なディスプレイ装置によって、計算されたカラー情報を表示することができる。
【0065】
ステップ(ii)は、生成されたカラー画像を、任意でさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力と組み合わせて、ディスプレイ装置の画面上に表示することをさらに含むことができる。
【0066】
本発明の方法のステップ(iii)では、効果コーティングの外観データは、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び、任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより生成される。テクスチャ層と生成されたカラー画像の組み合わせは、カラー画像とテクスチャ値(輝きと粗さの値のような)の組み合わせと比較して視覚的なテクスチャに関する追加情報を提供し、これは、これらのテクスチャ値は圧縮された情報のみを含み、空間的に分解された情報(分布、サイズ分布、明度分布など)又は色に関する情報を提供しないためである。したがって、本発明の方法のステップ(v)においてディスプレイ装置の画面上に表示される効果コーティング層の外観データは、効果コーティングの主な特性、すなわち、視野角度依存のカラートラベル及び視覚的テクスチャを含み、したがって、視覚的カラーマッチングのための、又はリスト内の表示のための高品質のディスプレイ画像を生成するのに特に適している。
【0067】
ステップ(iii)において使用される明度スケーリング係数sは、好ましくは、ステップ(ii)において使用される明度スケーリング係数sに対応する、すなわち、同じ明度スケーリング係数sがステップ(ii)及び(iii)において好ましく使用され、又はステップ(ii)において明度スケーリング係数sが使用されない場合は1である。ステップ(iii)において同じ明度スケーリング係数sを使用することにより、テクスチャ画像の明度をカラー画像の明度に調整することができ、明度に関するカラー情報とテクスチャ情報のミスマッチを防ぐことができる。
【0068】
このステップで使用されるアスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、生成された測定ジオメトリの順序付きリストに存在する測定ジオメトリに対応するアスペキュラ角度に相関して、テクスチャ層の各ピクセルに重み付けを行う。これにより、異なる測定ジオメトリ下での効果コーティング層の視覚的印象に相関してテクスチャ層のピクセルを重み付けすることができ、したがって、観察者がさまざまな視角から見たときの効果コーティング層の視覚的印象によく似た生成された外観データを得られる。一般に、視覚的テクスチャ、すなわち粗さ特性及び輝き特性は、フロップジオメトリよりも光沢測定ジオメトリにおいてより顕著である。これを考慮すると、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、好ましくは、光沢測定ジオメトリに対しては1に近いスケーリング係数saspecを出力し、フロップ測定ジオメトリに対しては0に近いスケーリング係数saspecを出力する。
【0069】
少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの光沢測定ジオメトリを含む順序付きリストの適切なアスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularの例には、式(2a)又は(2b)の関数が含まれ、
【数2】
式中、
aspecularmaxは、最も高いアスペキュラ角度に対応する順序付きリストの測定ジオメトリであり
aspecularは、テクスチャ層のピクセルのそれぞれの測定ジオメトリである。
【0070】
1つの測定ジオメトリのみ、又は中間測定ジオメトリ(すなわち、光沢測定ジオメトリとフロップ測定ジオメトリを含まない)からなる順序付きリストについては、sfaspecular=1のアスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularが使用される。
【0071】
テクスチャの視覚的コントラストを制御するハイパーパラメータとして機能するテクスチャコントラストスケーリング係数sの使用は、本発明の方法のステップ(iii)では一般に任意である。テクスチャコントラストスケーリングが望まれない場合、スケーリング係数は使用されないか、又は1の固定値を有する。特に好ましくは、1のテクスチャコントラストスケーリング係数sが使用され、取得されたテクスチャ画像の元の「固有」テクスチャコントラストがステップ(iii)で使用される。「固有」テクスチャコントラストのスケーリングが、例えば、テクスチャコントラストを増加又は減少させることによって所望される場合、コントラストスケーリング係数は、1より低い値(例えば、コントラストを減少させる)又は1より高い値(例えば、コントラストを増加させる)を想定することができる。テクスチャコントラストの増加又は減少は、例えば、それぞれの効果コーティングを調製するために使用される効果コーティング材料中に存在する成分の少なくとも一部を変更することによって、色の違いを視覚化するために実行され得る。さらに、生成された外観データが、提案されたカラーマッチングソリューションに関する顧客フィードバックの取得のなかで使用され、フィードバックの質問に対する回答中に顧客により良いガイダンスを提供する場合、テクスチャコントラストの増減がステップ(iii)において実行されてよい。
【0072】
一態様では、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成されたカラー画像に、テクスチャ層をピクセル単位で追加することは、
- 少なくとも1つの取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像を提供することと、
- 各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色を計算し、前記各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像から平均色を減算することによって、修正テクスチャ画像を生成することと、
- 明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular及び任意にコントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされたそれぞれの修正テクスチャ画像を、それぞれの生成カラー画像に追加することと、
を含む。
【0073】
「取得テクスチャ画像」とは、前述のようにマルチアングル分光光度計を用いて取得されたグレースケール画像又はカラー画像などのテクスチャ画像を指す。これに対して、「合成テクスチャ画像」という用語は、前述のように取得テクスチャ画像から決定することができる粗さ及び/又は輝き特性などのテクスチャ特性から生成されたテクスチャ画像を指す。
【0074】
少なくとも1つの取得テクスチャ画像は、取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を、提供された効果コーティング層のデジタル表現から取得することによって、又は取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を、提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体から取得し、任意に取得テクスチャ画像を提供することによって提供され得る。15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を使用することが、視覚的テクスチャがこの測定ジオメトリで最も顕著であるため好ましい。しかしながら、他の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を取得することも可能である。取得テクスチャ画像が利用可能である場合、本発明の方法では、取得テクスチャ画像、好ましくは15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を使用することが好ましく、これは、効果コーティング層の表示された外観が、以下に記載されるように生成された合成テクスチャ画像の使用によって得られる表示された外観と比較してより現実的であるためである。
【0075】
少なくとも1つの合成テクスチャ画像は、
- 空の画像を作成することと、
- ターゲットテクスチャコントラストcを提供することと、
- 作成された画像の各ピクセルについて、-cと+cの間で一様乱数発生器又はガウス乱数発生器により乱数を生成し、生成された乱数を作成された画像の各ピクセルに加えることと、
- ぼかしフィルタ、特にガウシアンぼかしフィルタを用いて、得られた画像をぼかすことと、
- 任意に得られた合成テクスチャ画像を提供することと、
によって提供される。
【0076】
したがって、合成テクスチャ画像は、テクスチャ特性から「再構築」されたテクスチャ画像に相当する。外観データを生成するために合成テクスチャ画像を使用すると、効果コーティング層の現実的な外観が低下するため、取得テクスチャ画像が好ましくは使用される。しかしながら、取得テクスチャ画像が利用できない場合、合成テクスチャ画像は、空間的に分解されたテクスチャ情報(例えば、分布、サイズ分布、明度分布)などの、数値テクスチャ特性以外の追加情報を提供するためにテクスチャ層として使用される。合成テクスチャ画像は、ステップ(iii)を実行するコンピュータプロセッサで作成されてよく、又はローカルコンピューティングユニット又はクラウド環境に配置されたさらなるコンピュータプロセッサで作成されてもよい。後者の場合、生成された合成テクスチャ画像は、通信インタフェースを介して、本発明の方法のステップ(iii)を実行するコンピュータプロセッサに提供されなければならない。
【0077】
作成された空の画像は、生成されたカラー画像へのテクスチャ層の追加時にテクスチャ層のミスマッチを防ぐために、ステップ(ii)で生成されたカラー画像と同じ解像度を有することが好ましい。これにより、カラー画像に当該層を追加する前にテクスチャ層をダウンスケールする必要がなくなる。
【0078】
一例では、ターゲットテクスチャコントラストcは、決定された粗さ及び/又は輝き特性を、提供された効果コーティング層のデジタル表現から取得し、任意に、取得された粗さ及び/又は輝き特性、特に粗さ特性を、ターゲットテクスチャコントラストcとして提供することによって提供される。この例では、粗さ特性及び/又は輝き特性は、したがって、テクスチャコントラストcと相関する。
【0079】
別の例では、ターゲットテクスチャコントラストcは、提供された効果コーティング層のデジタル表現に基づいて、データ記憶媒体からターゲットテクスチャコントラストcを取得し、任意に取得されたターゲットテクスチャコントラストcを提供することによって提供される。これは、提供されたデジタル表現が粗さ及び/又は輝き特性を含む/含まず、それぞれの効果コーティング層の粗さ及び/又は輝き特性もデータベースなどの他のデータソースから入手できない場合に好ましい。ターゲットテクスチャコントラスト値cは、データベースに保存されてよく、それぞれのデジタル表現と相互に関連してよい。適切なターゲットテクスチャコントラスト値cは、異なるカテゴリーを定義することによって得られることができ、各カテゴリーは、特定のターゲットテクスチャコントラストcに関連付けられる。一例では、カテゴリーは、それぞれの効果コーティング層を調製するために使用されるコーティング配合物中に存在するアルミニウム顔料の量に基づいてよい。
【0080】
提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像は、各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色を計算し、計算された平均色をそれぞれの提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像から減算することによって修正される。一例では、各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色は、提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像のすべてのピクセル色を合計し、この合計を提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像のピクセル数で割ることによって計算される。別の例では、各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色は、ピクセル単位の局所平均色を計算することによって、特に正規化ボックス線形フィルタを用いてピクセル単位の局所平均色を計算することによって計算されることができる。ピクセルの局所平均色は、特定の画像カーネル領域下のすべてのピクセル色にわたる合計をカーネル領域のピクセル数で割ったものに相当し、画像処理において一般的に使用される(例えば、P.Getreuer,ガウス畳み込みアルゴリズム、オンライン画像処理の概要(A Survey of Gaussian Convolution Algorithms, Image Processing On Line),3(2013),286~310頁,http://dx.doi.org/10.5201/ipol.2013.87を参照されたい)。ピクセル単位の局所平均色の使用は、例えば、提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像が、使用された測定条件により中央部よりも端部で暗い場合、照射の不規則性を補正することを可能にし、したがって、観察者が異なる照射条件下で見たときに効果コーティング層の実際の外観により近い修正テクスチャ画像を提供する。
【0081】
それぞれの修正されたテクスチャ画像は、その後、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされて生成されたカラー画像に追加される。この加算は、式(3)に従って実行されることができ、
【数3】
ここで、
AI(X,Y)は、それぞれの生成されたカラー画像にテクスチャ層を追加した結果の画像であり、
CI(X,Y)は生成されたカラー画像であり、
は、それぞれのカラー画像を生成するために使用される明度スケーリング係数に対応するか、又はそれぞれのカラー画像を生成するために明度スケーリング係数が使用されない場合には1であり、
はコントラストスケーリング係数であり、
sfaspecularはアスペキュラ依存スケーリング関数であり
modifiedTI(X,Y)は修正されたテクスチャ画像である。
【0082】
本発明の方法の任意のステップ(iv)では、ステップ(ii)及び(iii)は、ステップ(ii)の最初の実行中に生成された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる測定ジオメトリの順序付きリストが状態で繰り返され、すなわち、ステップ(ii)の繰り返し時に生成される測定ジオメトリの順序付きリストは、ステップ(ii)の最初の実行中に生成された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる。一例では、少なくとも1つの非光沢ジオメトリと少なくとも1つの光沢ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストが最初の実行で使用され、中間ジオメトリからなる測定ジオメトリの順序付きリストがステップ(ii)と(iii)の繰り返し時に使用される。別の例では、中間ジオメトリからなる測定ジオメトリの順序付きリストが最初の実行で使用され、少なくとも1つの非光沢ジオメトリと少なくとも1つの光沢ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストがステップ(ii)と(iii)を繰り返し時に使用される。これにより、指向性照射条件(光沢及びフロップ測定ジオメトリを含む)及び拡散照射条件(中間測定ジオメトリのみを含む)など、異なる照射方向の下で外観データを生成することができる。このように、外観データは、太陽光条件と曇天条件とを含む異なる照射条件に対して生成され表示されることができ、ユーザは、異なる実際の照射条件下での効果コーティング層の外観に関する印象を得ることができるので、ユーザの快適性を高めることができる。異なる照射条件下で外観データを生成して表示することで、表示された外観データを異なる照射条件下で比較することができるため、視覚的なカラーマッチングの精度を高めることもでき、すべての実際の照射条件を考慮して最適なマッチングを特定することができる。
【0083】
本発明の方法のステップ(v)では、プロセッサから受け取った効果コーティング層の生成された外観データは、ディスプレイ装置の画面上に表示される。データは、ディスプレイ装置の画面上に存在するGUI内に表示されてよい。GUIは、例えば、コメント、品質スコア、ランキングなどのデータを入力すること、入力されたデータと任意に組み合わせて生成された外観データを保存こと、又は表示された外観データを生成するために使用された提供されたデジタル表現に基づいてデータベースからさらなる情報、例えば、ユーザによってベストカラーマッチとして選択された外観データに関連付けられた混合配合を取得するなどのさらなるアクションをユーザが実行することを可能にする。
【0084】
特に好ましくは、ステップ(iii)及びステップ(v)のいずれも、仮想オブジェクトの3Dオブジェクトデータ及び任意に予め定義された照射条件を使用することを含まない、すなわち、ステップ(iii)及びステップ(v)は、画像ベースの照射などの一般的に知られているレンダリング技術を使用して実行されない。ステップ(iii)及び(v)が一般に知られているレンダリング技術を使用して実行されないにもかかわらず、3D印象は本発明の方法によって得られる。しかし、3D印象は、仮想オブジェクトデータの使用によるものではなく、効果コーティングの各提供されたデジタル表現に対してカラー画像を生成するために、少なくとも1つの非光沢ジオメトリと少なくとも1つの光沢ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストの使用から生じる。
【0085】
一態様では、ステップ(v)は、比較されるべき生成された外観データを水平配置で表示すること、又は比較されるべき生成された外観データを置き換えること、及び置き換えられた外観データを垂直配置で表示することを含む。比較すべき生成された外観データを水平方向に並べて表示することにより、少なくとも2つの効果コーティングの外観を最適に比較することができ、これは表示された外観データ(すなわちディスプレイ画像)の各行が同じ測定ジオメトリ(すなわち同じアスペキュラ角度)に属するためである。生成された外観データを水平配置で表示する代わりに、生成された外観データ(すなわちディスプレイ画像)をx軸とy軸を交換することによって置き換え、スマートフォンの画面上などの垂直配置で視覚的に比較することができる。
【0086】
一態様では、ステップ(v)は、ステップ(ii)及び(iii)を繰り返す場合に、生成された外観データの少なくとも一部を表示することを含む。これにより、ステップ(ii)及び(iii)を繰り返した後に得られる生成された外観データをすべて表示するか、又は生成された外観データの一部のみを表示するかを定義することができる。一例では、ステップ(ii)及び(iii)を繰り返す際に生成された外観データのみを表示して、ユーザが現在生成されている外観データのみを見るようにしてもよい。しかし、ステップ(ii)及び(iii)の以前の実行で生成された外観データは、データ記憶媒体に保存されていてよく、ユーザは、GUI上のそれぞれのボタンをクリックすることによって、以前に表示された外観データに戻ることができる。
【0087】
一態様では、ステップ(v)は、ステップ(ii)~(iv)が繰り返される場合に、表示された外観データを更新することを含む。これにより、例えば、順序付けられた測定ジオメトリの異なるリストを使用することによって、又は異なるテクスチャ層を使用することによって、外観データの変更を表示することができる。
【0088】
ある態様では、ステップ(v)は、効果コーティングに関連するデータを表示することを含む。効果コーティングに関連するデータには、例えば、色名、色識別番号又はカラーコード、効果コーティングの層構造、カラーランキング、マッチングスコア又は品質スコア、混合配合、効果コーティングを調製するのに必要なコーティング材料の配合、価格、色又はテクスチャの許容範囲(カラーマッチングが実行される場合)、又はそれらの組み合わせを含む。このデータは、提供されたデジタル表現に含まれるか、効果コーティングの提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体から取得されるか、又は外観データの生成中に生成されるかのいずれかである。データは、GUI上に表示されてよく、GUIは、ユーザの快適性を高めるために、前述した追加の機能を含んでいてよい。さらなるデータの表示には、予め定義された基準に従ってデータを強調表示すること、又はグループ化基準に従ってデータをグループ化することが含まれ得る。
【0089】
一態様では、ステップ(v)はさらに、生成された外観データを、任意で、効果コーティングのそれぞれの提供されたデジタル表現と、任意でさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力とに相互に関連付けて、データ記憶媒体、特にデータベースに保存することを含む。生成された外観データを、提供されたデジタル表現と、任意にさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力と任意に相互に関連付けて保存することにより、保存された外観データを次に必要なときに取得することができ、したがって、生成された外観データを表示する速度を向上させることができる。保存されたデータは、ユーザプロファイルに関連付けられてよく、ユーザプロファイルに基づいて取得されてよい。さらなるメタデータ及び/又はユーザ入力は、ユーザコメント、ユーザランキング、お気に入りリストなどのソート基準に従ってユーザによって生成された外観データのソートなどを含むことができる。さらなるメタデータ及び/又はユーザ入力は、生成された外観データをデータベースから取得するために使用されてよい。
【0090】
ステップ(i)から(v)は、ステップ(i)の最初の実行で提供された効果コーティングのデジタル表現とは異なる効果コーティングのデジタル表現を使用して繰り返されてよい。この場合、ステップ(i)から(v)を繰り返す際に生成された外観データの一部のみが表示されてよく、又は表示された外観データが、前述のようにステップ(i)から(v)を繰り返す際に更新されてよい。
【0091】
本発明の方法は:
- 生成されたすべてのカラー画像について、同じ測定ジオメトリの順序付きリスト、同じ明度スケーリング係数s、及び同じピクセル解像度を使用することと、
- 空間的に分解された情報(例えば、分布、サイズ分布、明度分布)又はカラー情報を伝えないカラー画像とテクスチャ値の組み合わせを使用する代わりに、得られるディスプレイ画像が効果コーティングの主な特性、すなわち角度依存カラートラベルと視覚的テクスチャを含むように、カラー画像をテクスチャ層と結合することと、
- 表示された外観データの各行が同じアスペキュラ角度に関連する同じ測定ジオメトリに属し、水平に表示されたすべての外観データを1対1で比較することができるように、生成された外観データを水平配置に並べて表示することと、
により、異なる効果コーティング層を最適に比較できる方法であって、効果コーティングの外観データを生成し、表示することができる。
【0092】
生成された外観データを水平表示の代わりに、生成された外観データは、x軸とy軸を交換することにより置き換えられ得、例えばスマートフォンの画面上で、垂直配置での比較を可能にすることができる。カラーマッチング用のディスプレイ画像は、少ないハードウェアリソースを必要とするアドホックに生成することができ、カラーマッチング目的で使用される測色アプリケーション又はウェブアプリケーションに容易に組み込むことができる。
【0093】
さらに、本発明の方法により、測色アプリケーション及びウェブアプリケーションでプレビュー画像、アイコンなどとして使用できる、少ないハードウェアリソースで定義された解像度の効果コーティングの高品質画像を、アドホックに生成することができる。
【0094】
本発明のシステムの実施形態:
システムは、少なくとも1つの色測定装置、特に、前述のマルチアングル分光光度計などの分光光度計をさらに備えることができる。複数の測定ジオメトリにおいてそのような分光光度計を用いて決定された反射率データ及びテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性は、通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに提供されてよく、本発明の方法に関連して前述したようにコンピュータプロセッサによって処理されてもよい。コンピュータプロセッサは、ステップ(ii)及び(iii)を実行する同じコンピュータプロセッサであってよく、又は異なるコンピュータプロセッサであってもよい。通信インタフェースは、有線であってよく、又は無線であってもよい。
【0095】
システムは、効果コーティングのデジタル表現を含む少なくとも1つのデータベースをさらに含んでよい。さらに、前述したような色許容方程式及び/又はデータ駆動モデル及び/又はカラーソリューションを含むさらなるデータベースが、通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに接続されてよい。
【0096】
色比較及び/又はカラーコミュニケーションのための本発明の使用の実施形態:
カラーコミュニケーションには、色開発中又は品質管理チェック中に顧客と色(例えば色の視覚的印象)について議論することが含まれ得る。生成された外観データは、顧客が異なる照射条件下で効果コーティングの外観の印象を得ることができ、その色が視覚的要件及び/又は要求される品質を満たすかどうかを決定することができるように、高品質の画像を顧客に提供するために使用されることができる。生成された外観データの色は、テクスチャコントラストスケーリング係数を調整することによって容易に調整できるため、わずかな色の変化を即座に顧客に提示し、顧客と話し合うことができる。
【0097】
生成された外観データは、ボタン、アイコン、カラープレビューとして、測色アプリケーション及び/又はウェブアプリケーションにおける、色比較のため、及び/又はカラーコミュニケーションのために使用されることができる。
【0098】
本発明のクライアント装置の実施形態:
サーバ装置は、好ましくは、本発明の方法のステップ(ii)~(iv)を実行するように構成されたコンピューティング装置である。
【0099】
さらなる実施形態又は態様は、以下の番号付き項に記載されている:
1.ディスプレイ装置の画面上に少なくとも1つの効果コーティングの外観を表示するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は:
(i) 通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をコンピュータプロセッサに提供するステップであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、ステップと、
(ii) -前記コンピュータプロセッサにより-、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現、又は-少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL*値が90より高い場合-スケーリングされたデジタル表現;
に基づいて作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することにより、カラー画像を生成する、ステップと、
(iii) -前記コンピュータプロセッサにより-、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを用いて、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成する、ステップと、
(iv) ステップ(ii)で使用された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる測定ジオメトリの順序付きリストを用いて任意にステップ(ii)と(iii)を繰り返す、ステップと、
(v) プロセッサから受け取った前記効果コーティングの生成された外観データを前記ディスプレイ装置の画面に表示する、ステップと、
を含む、方法。
【0100】
2.前記ディスプレイ装置は、ステップ(ii)及び(iii)を実行する前記コンピュータプロセッサと前記画面とを収容するハウジングを備える、項1に記載の方法。
【0101】
3.ステップ(ii)及び(iii)を実行する前記ディスプレイ装置と前記コンピュータプロセッサは、別個のコンポーネントとして構成される、項1に記載の方法。
【0102】
4.前記効果コーティングは、単一の効果コーティング層からなり、又は前記効果コーティングは、少なくとも2つのコーティング層を含み、少なくとも1つのコーティング層は、効果コーティング層であり、前記少なくとも1つのさらなるコーティング層は、ベースコート層及び/又は着色クリアコート層及び/又はクリアコート層である、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
5.ステップ(ii)、(iii)及び(v)は同時に実行される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
6.前記効果コーティングの各デジタル表現は、前記効果コーティングのテクスチャ画像、前記効果コーティングのテクスチャ特性、例えば粗さ特性及び/又は輝き特性、前記効果コーティングの層構造、色名、カラーコード、一意のデータベースID、バーコード、QRコード、混合配合、前記効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合、カラーランキング、マッチングスコア又は品質スコア、価格、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0105】
7.前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、
- 測定装置を用いて、複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのCIEL値及び任意でテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性を決定し、前記決定されたCIEL値、前記決定されたテクスチャ画像及びテクスチャ特性、ならびに、前記コンピュータプロセッサへの前記通信インタフェースを介したさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力と任意に組み合わせた、使用された測定ジオメトリとを提供するステップと、
- 任意に、提供され決定されたCIEL値に基づいて、及び任意で、決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を取得し、前記取得された少なくとも1つの効果コーティングのさらなるデジタル表現を、前記通信インタフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0106】
8.前記提供され決定されたCIEL値に基づいて、及び任意で、決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を取得することは、前記コンピュータプロセッサを使用してベストマッチングの測色値、特にベストマッチングのCIEL値を決定することを含む、項7に記載の方法。
【0107】
9.ベストマッチングの測色値、特にCIEL値を決定するコンピュータプロセッサは、ステップ(ii)及び(iii)で使用されるコンピュータプロセッサである、項8に記載の方法。
【0108】
10.ベストマッチングの測色値、特にCIEL値は、ベストマッチングのカラーソリューション及び関連するマッチング測色値、特にマッチングCIEL値を決定し、決定されたCIEL値と各マッチング測色値、特にCIEL値との間の色差を計算し、色差値を定義し、前記色差値が許容可能であるかどうかを決定することを含む、項8又は9に記載の方法。
【0109】
11.ベストマッチングのカラーソリューション及び関連するマッチング測色値、特にCIEL値は、決定されたCIEL値及び/又は提供されたデジタル表現に基づいて、ベストマッチングのカラーソリューションについてデータベースを検索することとして定義される、項10に記載の方法。
【0110】
12.前記色差値が許容できるかどうかを決定することは、過去の測色値、特にCIEL値、及び過去の色差値でパラメータ化されたデータ駆動モデルを使用することを含み、又は色許容方程式を使用することを含む、項10又は11に記載の方法。
【0111】
13.前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、効果コーティング識別データを提供することと、前記提供された効果コーティング識別データに基づいて前記効果コーティングのデジタル表現を取得することと、前記取得されたデジタル表現を提供することとを含む、項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【0112】
14.前記効果コーティングのデジタル表現は、前記提供された効果コーティング識別データに基づいて前記効果コーティングのデジタル表現を取得し、前記取得されたデジタル表現を前記通信インタフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供することによって得られることができる、項13に記載の方法。
【0113】
15.効果コーティング識別データは、前記効果コーティングのカラーデータ、カラー及び/又はテクスチャオフセットを有する前記効果コーティングのカラーデータ、前記効果コーティングを示すデータ、又はそれらの組み合わせを含むことができる、項13又は14に記載の方法。
【0114】
16.前記少なくとも1つの光沢測定ジオメトリは、10°~30°、特に15°及び25°のアスペキュラ角度を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0115】
17.前記少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリは、40°以上、好ましくは70°から110°、特に75°のアスペキュラ角度を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0116】
18.前記複数の測定ジオメトリは、10°から110°、好ましくは10°から80°、特に15°、25°、45°及び75°のアスペキュラ角度を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0117】
19.ステップ(i)は、前記提供された効果コーティングのデジタル表現を前記ディスプレイ装置の画面上に表示することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0118】
20.すべての作成された画像は同じ画像を有し、好ましくは、160×120ピクセルから720×540ピクセルの範囲の同一解像度、特に480×360ピクセルの同一解像度である、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0119】
21.各作成画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、各作成画像の1つの軸を、生成された測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることと、前記測定ジオメトリの順序付きリスト及び関連するデジタル表現又はスケーリングされたデジタル表現、特に関連するCIEL値又はスケーリングされたCIEL値を、前記作成された画像の相関行にマッピングすることとを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0120】
22.作成された各画像の各ピクセルについて前記対応するCIEL値を計算することは、互いに比較される、前記提供されたデジタル表現について同一の生成された測定ジオメトリの順序付きリストを使用することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0121】
23.前記提供されたデジタル表現から、前記測定ジオメトリの順序付きリストを生成することは、
- 前記提供された各デジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリを選択し、複数の測定ジオメトリが選択された場合、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従って前記選択された測定ジオメトリを任意にソートすることと、
- 複数の測定ジオメトリが選択されている場合、選択された各測定ジオメトリの累積デルタアスペキュラ角度を任意に計算することと、
含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0122】
24.前記予め定義された測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリ及び少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリ、又は少なくとも1つの、特に正確に1つの中間測定ジオメトリを含む、項23に記載の方法。
【0123】
25.前記少なくとも1つの中間測定ジオメトリは、45°のアスペキュラ角度に対応する、項24に記載の方法。
【0124】
26.少なくとも1つの予め定義されたソート基準は、定義された測定ジオメトリの順序を含む、項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【0125】
27.定義された測定ジオメトリの順序は、ステップ(ii)から得られるカラー画像が前記ディスプレイ装置の前記画面上に表示された場合に視覚的な3D印象が得られるように選択される、項26に記載の方法。
【0126】
28.前記定義された測定ジオメトリの順序は、45°>25°>15°>25°>45°>75°、又は-15°>15°>25°>45°>75°>110°である、項26又は27に記載の方法。
【0127】
29.前記少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリ及び/又は前記少なくとも1つの予め定義されたソート基準は、前記提供された効果コーティングのデジタル表現及び/又はさらなるデータに基づいて、データ記憶媒体から前記コンピュータプロセッサによって取得される、項23~28のいずれか1項に記載の方法。
【0128】
30.デルタアスペキュラ角度は、選択された測定ジオメトリに関連する前記アスペキュラ角度と、次の選択された測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度との間の絶対差角である、項23~29のいずれか1項に記載の方法。
【0129】
31.少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が95より高い場合、特に99より高い場合に、スケーリングされたデジタル表現に基づいてカラー画像が生成される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0130】
32.各スケーリングされたデジタル表現は、少なくとも1つの明度スケーリング係数sを使用してステップ(i)で提供された前記デジタル表現に含まれるすべてのLカラー値をスケーリングすることにより、前記カラー画像を生成する前に得られる、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0131】
33.同じ明度スケーリング係数sは、互いに比較される、前記提供されたデジタル表現に含まれるすべてのL色値をスケーリングするために使用される、項32に記載の方法。
【0132】
34.前記明度スケーリング係数sは、提供されるすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値に基づいて、又は互いに比較される提供されるすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値に基づく、項32又は33に記載の方法。
【0133】
35.前記明度スケーリング係数sは、式(1)に従って得られ、
【数4】
その中で、
xは90から100、好ましくは95から100、非常に好ましくは95から99、そして
maxは、提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値、又は互いに比較されるべき提供されたすべてのデジタル表現に含まれるCIEL値の最大測定L値である、項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【0134】
36.作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、補間法、特にスプライン補間法を使用することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0135】
37.ステップ(ii)は、計算されたCIEL値をsRGB値に変換し、任意にsRGB値をデータ記憶媒体、特に内部メモリに保存することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0136】
38.前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、生成された測定ジオメトリの順序付きリストに存在する測定ジオメトリに対応する前記アスペキュラ角度に相関して、前記テクスチャ層の各ピクセルに重み付けを行う、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
39.前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、光沢測定ジオメトリに対しては1に近いスケーリング係数saspecを出力し、フロップ測定ジオメトリに対しては0に近いスケーリング係数saspecを出力する、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
40.式(2a)又は(2b)のアスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、ステップ(ii)において少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの光沢測定ジオメトリを含む順序付きリストに使用され、
【数5】
その中で
aspecularmaxは、最も高いアスペキュラ角度に対応する順序付きリストの測定ジオメトリであり、
aspecularは、テクスチャ層のピクセルのそれぞれの測定ジオメトリであり、
sfaspecular=1のアスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、測定ジオメトリを1つだけ含む、又は光測定ジオメトリ沢とフロップ測定ジオメトリを含まない順序付きリストに使用される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
41.ステップ(iii)で使用される明度スケーリング係数sは、ステップ(ii)で使用される明度スケーリング係数sLに対応するか、又はステップ(ii)で使用される明度スケーリング係数sが存在しない場合には1である、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
42.テクスチャコントラストスケーリング係数は、1、1より小さい、又は1より大きい値を想定する、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0141】
43.テクスチャ層をピクセル単位で、生成されたカラー画像に、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して追加することは、
- 少なくとも1つの取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像を提供することと、
- 各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色を計算し、前記各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像から平均色を減算することによって、修正テクスチャ画像を生成することと、
- 前記明度スケーリング係数s、前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular及び任意に前記コントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされたそれぞれの修正テクスチャ画像を、それぞれの生成カラー画像に追加することと、
を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0142】
44.前記少なくとも1つの取得テクスチャ画像は、取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を、提供された効果コーティング層のデジタル表現から取得することによって、又は前記取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得テクスチャ画像を、提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体から取得し、任意に取得テクスチャ画像を提供することによって提供され得る、項43に記載の方法。
【0143】
45.少なくとも1つの合成テクスチャ画像を提供することは、
- 空の画像を作成することと、
- ターゲットテクスチャコントラストcを提供することと、
- 一様乱数発生器又はガウス乱数発生器により、作成された画像の各ピクセルについて、-cと+cの間で乱数を生成し、生成された乱数を作成された画像の各ピクセルに加えることと、
- ぼかしフィルタ、特にガウシアンぼかしフィルタを用いて、得られた画像をぼかすことと、
- 任意に得られた合成テクスチャ画像を提供することと、
を含む、項43に記載の方法。
【0144】
46.前記ターゲットテクスチャコントラストcは、決定された粗さ及び/又は輝き特性、特に粗さの特性を、前記提供された効果コーティング層のデジタル表現から取得し、前記取得された粗さ及び/又は輝き特性、特に粗さ特性を、ターゲットテクスチャコントラストcとして提供することによって提供される、項45に記載の方法。
【0145】
47.前記ターゲットテクスチャコントラストcは、前記提供された効果コーティング層のデジタル表現に基づいて、データ記憶媒体から前記ターゲットテクスチャコントラストcを取得し、任意に前記取得されたターゲットテクスチャコントラストcを提供することによって提供される、項46に記載の方法。
【0146】
48.各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色を計算することは、前記ピクセル単位の局所平均色を計算することによって、特に正規化ボックス線形フィルタを用いて前記ピクセル単位の局所平均色を計算することによって計算されることを含む、項43~47のいずれか1項に記載の方法。
【0147】
49.それぞれの修正されたテクスチャ画像は、前記明度スケーリング係数s、前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意に前記テクスチャコントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされて、式(3)を使用して生成されたカラー画像に追加され、
【数6】
その中で
AI(X,Y)は、前記それぞれの生成されたカラー画像に前記テクスチャ層を追加した結果の画像であり、
CI(X,Y)は前記生成されたカラー画像であり、
は、前記それぞれのカラー画像を生成するために使用される前記明度スケーリング係数に対応するか、又はそれぞれのカラー画像を生成するために明度スケーリング係数が使用されない場合には1であり、
は前記コントラストスケーリング係数であり、
sfaspecularは前記アスペキュラ依存スケーリング関数であり
modifiedTI(X,Y)は前記修正されたテクスチャ画像である、項43~48のいずれか1項に記載の方法。
【0148】
50.少なくとも1つの非光沢ジオメトリと少なくとも1つの光沢ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストがステップ(ii)で使用され、ステップ(ii)を繰り返すと、中間ジオメトリからなる測定ジオメトリの順序付きリストが使用され、又は、中間ジオメトリからなる測定ジオメトリの順序付きリスト
がステップ(ii)で使用され、ステップ(ii)を繰り返すと、少なくとも1つの非光沢ジオメトリと少なくとも1つの光沢ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストが使用される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0149】
51.ステップ(iii)及び(v)は、仮想オブジェクトの3Dオブジェクトデータを使用することを含まない、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0150】
52.ステップ(v)は、比較されるべき前記生成された外観データを水平配置で表示すること、又は比較されるべき前記生成された外観データを置き換えること、及び前記置き換えられた外観データを垂直配置で表示することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0151】
53.ステップ(v)は、ステップ(ii)及び(iii)を繰り返す場合に、前記生成された外観データの少なくとも一部を表示することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0152】
54.ステップ(v)は、ステップ(ii)~(iv)が繰り返される場合に、前記表示された外観データを更新することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
55.ステップ(v)は、前記効果コーティングに関連するデータを表示することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0154】
56.前記効果コーティングに関連するデータは、前記提供されたデジタル表現に含まれるか、又は前記効果コーティングの提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体から取得される、項55に記載の方法。
【0155】
57.ステップ(v)はさらに、前記生成された外観データを、任意で、前記効果コーティングの前記それぞれの提供されたデジタル表現と、任意でさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力とに相互に関連付けて、データ記憶媒体、特にデータベースに保存することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0156】
58.ステップ(i)で提供された前記効果コーティングのデジタル表現とは異なる前記効果コーティングのデジタル表現を使用してステップ(i)から(v)を繰り返すステップをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0157】
59.ディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するシステムであって、前記システムは:
- 効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をプロセッサに提供するための通信インタフェースであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、通信インタフェースと;
- 画面を備えるディスプレイ装置と;
- 任意で、ユーザ入力を検出するためのインタラクション要素と;
- 前記通信インタフェース、前記インタラクション要素、及び前記ディスプレイ装置と通信するプロセッサであって;
〇前記通信インタフェースを介して、効果コーティングの前記少なくとも1つのデジタル表現を受信し;
〇作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を
■前記受信したデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと
■前記受信されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現と、
に基づいて計算することにより、カラー画像を生成し;
〇明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成するように;
プログラムされている、プロセッサと;
を備え、前記ディスプレイ装置が、前記効果コーティングの生成された外観データを前記プロセッサから受信し、前記効果コーティングの外観を表示する、システム。
【0158】
60.少なくとも1つの色測定装置、特に、マルチアングル分光光度計をさらに備える、第59項に記載のシステム。
【0159】
61.効果コーティングのデジタル表現を含む少なくとも1つのデータベースをさらに含む、条項59又は60に記載のシステム。
【0160】
62.非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに第1項から第58項のいずれか1項に記載の方法に従ってステップを実行させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0161】
63.色比較及び/又はカラーコミュニケーションのための、第1項から第58項のいずれか1つの方法に従って、又は第59項から第61項のいずれか1項のシステムを用いて生成された外観データの、ボタン、アイコン、カラープレビューとしての使用。
【0162】
64.外観データが測色アプリケーション及び/又はウェブアプリケーションで使用される、第63項に記載の使用。
【0163】
65.サーバ装置において効果コーティングの外観を決定する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記クライアント装置は、少なくとも1つの効果コーティング及び任意でテクスチャ層のデジタル表現をサーバ装置に提供するように構成される、クライアント装置。
【0164】
66.前記サーバ装置は、第1項から第58項のいずれか1項に記載の方法のステップ(ii)乃至(iv)を実行するように構成されている、第65項に記載のクライアント装置。
【図面の簡単な説明】
【0165】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、本発明の例示的な実施形態に関する以下の説明においてより完全に説明される。任意の特定の要素又は行為の議論を容易に識別するために、参照番号の最上位桁又は数字は、その要素が最初に導入される図番号を指す。この説明は、添付図面を参照して提示される:
図1図1a~図1dは、ディスプレイ装置の画面上に少なくとも1つの効果コーティングの外観を表示するための本発明の方法の一実施形態のブロック図である。
図2】本発明によるシステムを示す図である。
図3】本発明の方法のクライアントサーバのセットアップを示す図である。
図4】測定ジオメトリの順序付きリストに対する累積デルタアスペキュラ角度の計算(上)と、測定ジオメトリの順序付きリストと対応する累積デルタアスペキュラ角度の正規化Y座標へのマッピング(下)を示す図である。
図5】測定ジオメトリの順序付きリストと480×360ピクセルの解像度を有する画像の対応する画像列との昇順にソートされた測定ジオメトリへのマッピングを示す図である。
図6】指向性照射条件(上)と拡散性照射条件(下)の測定ジオメトリの順序付きリストを用いて得られたカラー画像を示す図である。
図7図6のそれぞれのカラー画像に、測定されたテクスチャ画像から生成されたテクスチャ層を追加することによって生成された表示された外観データを示す図である。
図8図6のそれぞれのカラー画像に、ターゲットテクスチャコントラストcを使用して生成された合成テクスチャ層を追加することによって生成された表示された外観データを示す図である。
図9a】ターゲット効果コーティングの生成された外観データ、及び指向性照射条件及びさらなるメタデータを使用して本発明の方法及びシステムで生成されたベストマッチング効果コーティングの生成された外観データが入力された画面を含むディスプレイ装置の平面図である。
図9b】ターゲット効果コーティングの生成された外観データ、及び拡散照射条件及びさらなるメタデータを使用して本発明の方法及びシステムで生成されたベストマッチング効果コーティングが入力された画面を含むディスプレイ装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0166】
図面の詳細な説明
以下に述べる詳細な説明は、本主題のさまざまな態様の説明として意図したものであり、本主題が実施され得る唯一の構成を表すことを意図したものではない。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明には、本主題を完全に理解することを目的として具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても主題を実施できることは当業者には明らかであろう。
【0167】
図1は、本発明によるディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示する方法100の非限定的な実施形態を示す。この例では、効果コーティングは、少なくとも1つの効果顔料を含むベースコート層とクリアコート層とを含む多層コーティングであり、ディスプレイ装置は、タブレット又はラップトップなどのLCD画面を有するモバイルディスプレイ装置である。別の例では、ディスプレイ装置は固定コンピュータなどの固定装置である。この例では、カラー画像及び外観データを生成するために使用されるプロセッサは、ディスプレイ装置とは別に、例えば、図3に示すように、無線通信インタフェースを介してディスプレイ装置に接続されているクラウドコンピューティング装置上に存在する。別の例では、カラー画像及び外観データを生成するために使用されるプロセッサは、ディスプレイ装置内に存在する。
【0168】
方法100のブロック102では、ルーチン101は、効果コーティングの色及び/又はテクスチャを決定するか否かを、例えば前述したようにマルチアングル分光光度計を用いて色及び/又はテクスチャを測定することにより決定する。一例では、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が表示され、ユーザが適切な選択を行うことができ、ルーチン101は選択を検出し、ユーザの選択に応じてブロック104又は136に進む。別の例では、ルーチン101は測定データの取得又は決定されたCIEL値及び任意にテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性の提供を検出し、自動的にブロック104に進む。
【0169】
ブロック102では、色及び/又はテクスチャが決定されると決定された場合、ルーチン101はブロック104に進む。効果コーティングの色及び/又はテクスチャが決定されない場合、-例えば、既存のCIEL及びテクスチャ画像又はテクスチャ特性に基づく異なる効果コーティングのプレビュー画像が、リスト内のプレビュー画像として、アイコン又はボタンとして表示される場合-、ルーチン101は、後述するブロック136に進む。
【0170】
ブロック104では、効果コーティングの色及び/又はテクスチャは、前述のようにマルチアングル分光光度計を使用して決定され、決定されたCIEL値及び/又はテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性ならびに使用された測定ジオメトリは、任意で、さらなるメタデータ及び/又はユーザ入力とともに、通信インタフェースを介してプロセッサに提供される。CIEL値は、それぞれの測定ジオメトリで取得された反射率データから、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリ及び非光沢測定ジオメトリを含む各測定ジオメトリで決定されることができる。Byk-Mac(登録商標)I又はXRiteMA(登録商標)-Tファミリーの分光光度計など、市販のマルチアングル分光光度計の適切な測定ジオメトリには、鏡面角に対してそれぞれ測定された-15°、15°、25°、45°、75°、110°の視野角が含まれる。一例では、分光光度計は通信インタフェースを介してディスプレイ装置に接続され、ディスプレイ装置のプロセッサがCIEL値及び/又はテクスチャ特性を決定する。テクスチャ特性、すなわち拡散条件下での粗さ特性(以下、粗さ値とも呼ばれる)及び/又は指向性照射条件下での輝き特性は、例えば、「Den Gesamtfarbeindruck objektiv messen」,Byk-Gardner GmbH,JOT 1.2009,49巻第1号50~52頁に記載されているように、前記分光光度計で取得されたグレースケール画像から決定されることができる。別の例では、取得されたデータ(すなわち反射率データ及びテクスチャ画像)は、ディスプレイ装置及び/又はカラー画像及び外観データを生成するために使用されるプロセッサとは異なる処理ユニットによって処理される。この場合、決定されたCIEL値及び/又はテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性ならびに使用された測定ジオメトリは、通信インタフェースを介して、カラー画像及び外観データを生成するために使用されるディスプレイ装置及び/又はプロセッサに提供される。
【0171】
方法100のブロック106では、ルーチン101は、カラーマッチング操作が実行されるかどうか、すなわち、少なくとも1つのマッチングカラーソリューションが、提供されたCIEL値及び任意でテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて決定されるかどうかを決定する。一例では、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が表示され、ユーザが適切な選択を行うことができ、ルーチン101は選択を検出し、ユーザの選択に応じてブロック108又は138に進む。
【0172】
ブロック106においてカラーマッチング操作が実行されると判定された場合、ルーチン101はブロック108に進む。カラーマッチングが実行されない場合、-例えば、決定されたCIEL値及びテクスチャ画像又はテクスチャ特性のみが、外観データを生成し、生成されたデータを表示するために使用される場合-ルーチン101は、後述するように、ブロック138に進む。
【0173】
ブロック108では、ルーチン101は、CIEL値に基づいて、任意にブロック104において提供されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力(すなわち、ターゲット効果コーティングに関連するデータ)に基づいて、少なくとも1つのさらなるデジタル表現(以下、drfと呼ぶ)を取得し、得られたデジタル表現(すなわち、カラーソリューションに関連するデータ)をプロセッサに提供する。ブロック108において得られるさらなるデジタル表現の数は、予め定義された色許容閾値及び/又は予め定義されたテクスチャ許容閾値及び/又は予め定義された数に基づいて決定され得る。一例では、正確に2つのさらなるデジタル表現が提供され、ベストマッチングのデジタル表現と、マッチングする色と関連付けられ、ユーザによって頻繁にもしくは最近使用されるか、又は最近データベースに含まれたデジタル表現とを含む。提供されるさらなるデジタル表現には、CIEL値、及び任意に、効果コーティングのデジタル表現に関連して説明されるさらなるデータが含まれる。この例では、少なくとも1つのさらなるデジタル表現は、コンピュータプロセッサを用いてベストマッチングするCIEL値を決定することによって得られる。コンピュータプロセッサは、カラー画像及び外観データを生成するために使用されるのと同じコンピュータプロセッサであってよく、又はクラウド環境に配置され得るさらなるコンピュータプロセッサであってよい(例えば図3参照)。ベストマッチングするCIEL値は、ベストマッチングのカラー ソリューション及び関連するマッチングCIEL値を決定し、色差値を定義するために決定されたCIEL値と各マッチングCIEL値との差を計算し、色差値が許容可能かどうかを決定することによって決定される。一例では、色差値の許容可能性は、前述した色許容方程式を用いて決定される。別の例では、色差値の許容可能性は、例えばUS2005/0240543A1に記載されているように、過去の測色値、特にCIEL値、及び過去の色差値をパラメータとするデータ駆動モデルを使用して決定される。さらなるデジタル表現が、カラー画像及び外観データを生成するために使用されるプロセッサとは異なるプロセッサを使用して決定される場合、決定されたさらなるデジタル表現は、通信インタフェースを介してこのプロセッサに提供される。同じプロセッサを使用してさらなるデジタル表現を決定し、カラー画像及び外観データを生成する場合、決定されたさらなるデジタル表現は、以下に説明するブロックを実行する前にプロセッサに提供される必要はない。
【0174】
ブロック110では、ルーチン101は、ブロック104で提供された測定ジオメトリから測定ジオメトリの順序付きリストを生成する。測定ジオメトリの順序付きリストは、提供された各デジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリを選択し、複数の測定ジオメトリが選択された場合、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従って選択された測定ジオメトリを任意にソートし、複数の測定ジオメトリが選択された場合、選択された各測定ジオメトリについて累積デルタアスペキュラ角度を任意に計算することによって生成される。一例では、予め定義された測定ジオメトリは、45°などの中間測定ジオメトリである。この場合、選択される測定ジオメトリは1つだけであり、ソートの必要はない。中間測定ジオメトリを選択することは、拡散照射条件下(曇天条件など)で外観データを生成することができる。
【0175】
別の例では、予め定義された測定ジオメトリは、15°及び25°などの少なくとも1つの光沢ジオメトリと、45°及び/又は75°及び/又は110°などの少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリとを含む。次に、選択された予め定義された測定ジオメトリは、定義された測定ジオメトリの順序など、予め定義されたソート基準に従ってソートされる。一例では、45°>25°>15°>25°>45°>75°の予め定義された順序が使用される。別の例では、15°>15°>25°>45°>75°>110°の予め定義された順序が使用される。予め定義された測定ジオメトリ及び/又は予め定義されたソート基準は、順序付けされたリストを生成する前に、ブロック104で提供されたデータ又はユーザプロファイルなどのさらなるデータに基づいてデータベースから取得されることができる。予め定義されたソート基準に従って選択された予め定義された測定ジオメトリをソートした後、デルタアスペキュラ角度は、前述のように選択された各測定ジオメトリについて計算される(例えば、前述の表を参照)。
【0176】
ブロック112では、ルーチン101は、ターゲットコーティング層(ブロック104で提供されたCIEL値に対応する)及び提供された各カラーソリューション(すなわち、ブロック108で提供されたさらなるデジタル表現)について定義された解像度を有する空の画像を生成する。すべての生成された空の画像は、ターゲットとソリューションの異なる解像度の使用に起因する生成された外観データへの悪影響なしに、ターゲットコーティング層とカラーソリューションを1:1での比較で可能にするために、好ましくは同じ解像度を有する。解像度は大きく変化する可能性があり、一般的にはマルチアングル分光光度計を使用して取得されたカラーデータ及びテクスチャデータの解像度に依存する。一例では、生成されたすべての空画像の解像度は480×360ピクセルである。ブロック110と112の順序は逆でもよく、すなわちブロック112はブロック110の前に実行されてもよいことに留意されたい。
【0177】
ブロック114では、ルーチン101は、ブロック104で提供されたターゲットコーティングのCIEL値に含まれる、又はブロック108で提供されたカラーソリューションに含まれる少なくとも1つのL値が95より高いかどうかを決定する。ブロック114では、ブロック104及び108において提供されたすべてのL値のうちの少なくとも1つのL値が95より高いと決定された場合、ルーチン101はブロック116に進む。すべての提供されたL値が95より低い場合、ルーチン101はブロック118に進む。
【0178】
ブロック116では、ルーチン101は、提供されたすべてのL値を、前述の明度スケーリング係数sを用いてx=95を用いてスケーリングし、スケーリングされたデジタル表現を得る。この明度スケーリング係数を使用すると、既存のカラー距離を一定に保ちながら、色空間を圧縮することによって、光沢測定ジオメトリに含まれるカラー情報を保持することができる。この例では、同じ明度スケーリング係数sがブロック104及び108で提供されるすべてのLカラー値のスケーリングするために使用される。これにより、外観データ、特に光沢測定ジオメトリに関連する領域における視覚的な差異は、異なる明度スケーリング係数sの使用によるものではないことが保証され、その結果、カラーマッチング操作中の視覚的な比較のために最適化された外観データが生成される。
【0179】
ブロック118では、ルーチン101は、ブロック110において生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、ブロック104及び108において提供されたCIEL値又はブロック116において得られたスケーリングされたデジタル表現とに基づいて、ブロック112において生成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することにより、ターゲット効果コーティングのカラー画像及び提供された各カラーソリューションのカラー画像を生成する。計算されたCIEL値は、次にsRGB値に変換され、このブロックを実行する処理装置の内部メモリに保存される。この例では、生成された画像の各ピクセルの対応するCIEL値は、各画像の1つの軸をブロック110で生成された測定ジオメトリの順序付きリストと相関させ、生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、ターゲット効果コーティング及びカラーソリューションの関連するCIEL値又はスケーリングされたCIEL値を、それぞれの作成された画像の画像列にマッピングすることによって計算される。例えば、ターゲット効果コーティングのカラー画像、すなわちブロック104で決定され提供されたCIEL値のカラー画像は、ブロック112で生成された画像のy軸をブロック110で生成された測定ジオメトリのリストと相関させ、生成された測定ジオメトリの順序付きリストとブロック104で提供された関連するCIEL値又はブロック116で得られたスケーリングされたCIEL値を生成された画像の画像列にマッピングすることによって得られる。このプロセスは、ブロック112で生成された画像と同じ測定ジオメトリの順序付きリストを使用することによって、ブロック108で提供された各カラーソリューションに対して繰り返される。一例では、ブロック118はディスプレイ装置のプロセッサによって実行される。別の例では、ブロック118は、例えばクラウドコンピューティング環境内に位置するなど、ディスプレイ装置とは別に位置するプロセッサによって実行される。より大量のコンピューティングリソース及び/又は異なるデータベースへのアクセスを必要とする処理を、さらなるコンピューティングデバイスにシフトすることにより、ハードウェアリソースが少ない、及び/又はアクセス権が制限されたディスプレイ装置を使用することが可能になる。ブロック118の終わりには、ターゲット効果コーティングのカラー画像と、ブロック108で提供された各カラーソリューションのカラー画像がルーチン101で生成されている。
【0180】
ブロック120では、ルーチン101は、ブロック104及び/又はブロック108において提供されたターゲット効果コーティング及び各カラーソリューションについて、取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像を提供するかを決定する。取得テクスチャ画像が提供される場合、ルーチン101はブロック122に進む。そうでない場合、ルーチン101は、例えば、ブロック104及び/又はブロック108において提供されたデータが取得テクスチャ画像を含まないか、又はブロック104及び/又はブロック108において提供されたデータに基づいてデータベースからテクスチャ画像を取得できない場合、後述するブロック124に進む。
【0181】
ブロック122では、ルーチン101は、ブロック104及び/又は108において提供されたデジタル表現からそれぞれの取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得されたテクスチャ画像を取得することによって、又は、ブロック104及び/又は108において提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体からそれぞれの取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリで取得されたテクスチャ画像を取得することによって、取得テクスチャ画像を提供する。
【0182】
ブロック124では、ルーチン101は、
- ブロック112で生成された画像と同じ解像度を有する空の画像を作成することと、
- ターゲットテクスチャコントラストcを得ることと、
- 作成された画像の各ピクセルについて、-cと+cの間で一様乱数発生器又はガウス乱数発生器により乱数を生成し、生成された乱数を作成された画像の各ピクセルに加えることと、
- ぼかしフィルタ、特にガウシアンぼかしフィルタを用いて、得られた画像をぼかすことと、
によって合成テクスチャ画像を提供する。
【0183】
一例では、ターゲットテクスチャコントラストcは、ブロック104及び/又は108において提供されたデジタル表現から決定された粗さ及び/又は輝き特性を取得し、取得された粗さ及び/又は輝き特性、特に粗さ特性をターゲットテクスチャコントラストcとして提供することによって提供される。ブロック104及び/又はブロック108で提供されたデジタル表現がテクスチャ特性を含まない場合、ターゲットテクスチャコントラストcは、ブロック104及び/又はブロック108で提供されたデータに基づいて、データベースからターゲットテクスチャコントラストcを取得することによって得られることができる。データベースに保存されたターゲットテクスチャコントラストcは、例えば、定義されたテクスチャターゲットコントラストcを、それぞれの効果コーティング層を調製するために使用されるコーティング配合物中に存在するアルミニウム顔料の量又は量の範囲と関連付け、ブロック104及び/又はブロック108で提供されるデータに含まれる配合物データに基づいてそれぞれのテクスチャターゲットコントラストcを取得することによって得られることができる。
【0184】
ブロック126では、ルーチン101は、ブロック122及び/又は124において提供された各取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色を計算し、計算された平均色をそれぞれの提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像から減算することによって、ブロック122及び/又は124において提供された各取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像に対して修正テクスチャ画像を生成する。各提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像の平均色は、提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像のすべてのピクセル色を合計し、この合計を提供された取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像のピクセル数で割ることによって、又はピクセル単位の局所平均色を計算することによって、前述のように計算され得る。
【0185】
ブロック128では、ルーチン101は、ブロック118において生成されたそれぞれのカラー画像に、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でコントラストスケーリング係数sでピクセル単位で重み付けされた、ブロック126において生成されたそれぞれの修正テクスチャ画像を追加することによって、外観データを生成する。このステップは、ブロック126で生成されたそれぞれの修正テクスチャ画像を使用して、ブロック118で生成されたすべてのカラー画像に対して繰り返される。
【0186】
このステップで使用されるアスペキュラ依存スケーリング関数は、前述したとおりであり、生成された測定ジオメトリの順序付きリストに存在する測定ジオメトリに対応するアスペキュラ角度に相関して、テクスチャ層の各ピクセルに重み付けを行う。これにより、異なる測定ジオメトリの下で観察者が見たときの効果コーティング層の視覚的印象に相関してテクスチャ層のピクセルを重み付けすることができ、したがって、実際の条件の下で見たときの効果コーティングの視覚的印象に近い外観データが生成される。
【0187】
一例では、前述の式(3)に従って加算が行われる。このように、外観データの生成は、画像ベースの照射などのレンダリングプロセスの場合のように、仮想3Dオブジェクトデータと予め定義された照射条件の使用を含まず、したがって、低い計算能力でアドホックに実行することができる。その代わりに、指向性照射条件に対して生成された外観データの視覚的な3D効果は、予め定義された順序で、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む測定ジオメトリの順序付きリストを使用することによるものである。
【0188】
ブロック128で使用される明度スケーリング係数sは、ブロック116で使用される明度スケーリング係数sに対応し、すなわち、同じ明度スケーリング係数sがブロック116及び128で使用されることが好ましく、又は明度スケーリング係数sが使用されない(すなわち、ブロック116が実行されない)場合には1である。ブロック128で同じ明度スケーリング係数sを使用すると、テクスチャ画像の明度をカラー画像の明度に調整することができ、明度に関するカラー情報とテクスチャ情報の不一致を防ぐことができる。
【0189】
テクスチャコントラスト係数の使用は一般に任意であり、例えば、効果コーティングを調製するために使用されるコーティング材料の配合を変更することによって、色の違いを視覚化するためにテクスチャのコントラストをスケーリングすることができる。より高い又はより低いテクスチャコントラストが所望される場合、テクスチャコントラスト係数は、前述のように、1より高い又は低い値に設定されることができる。一例では、ブロック122から128又は124から128を実行するプロセッサは、ブロック110から118を実行するのに使用されるのと同じプロセッサである。このプロセッサは、ディスプレイ装置のプロセッサであってよく、又はクラウドコンピューティング環境上に配置され得る別個のコンピューティング装置に含まれてもよい。同じプロセッサを使用することにより、外観データを生成する前に、生成されたカラー画像を別のプロセッサに転送する必要性が低減される。別の例では、ブロック122から128又は124から128を実行するプロセッサは、ブロック110から118を実行するために使用されるプロセッサとは異なる。この場合、生成されたカラー画像は、ブロック122から128を実行する前に、さらなるプロセッサに転送される。
【0190】
ブロック128の後、ルーチン101は、ブロック110に戻り、ブロック110で生成された測定ジオメトリの異なる順序付きリストを使用してカラー画像を生成するか、又はブロック130に進むことができる。ブロック110に戻ると、指向性照射条件(例えば太陽光条件)だけでなく、拡散性照射条件(例えば曇天条件)についてもカラー画像を生成することができる。したがって、ユーザは、実際の照射条件下での効果コーティングの外観に関する印象を得ることができ、したがって、指向性照射条件だけでなく拡散性照射条件も考慮することによって最適なカラーマッチングを選択することができる。これにより、異なる照射条件下での元のコーティングと再仕上げコーティングの外観の違いを視覚的に低減し、再仕上げプロセスの品質を向上させることができる。OEM用途では、生成された外観データが異なる照射条件下で所望の視覚的印象をもたらすかどうかを決定することができる。
【0191】
ブロック130では、ルーチン101は、ブロック128で生成された外観データが水平に表示されるかどうかを決定する。この場合、ルーチン101はブロック132に進み、そうでなければルーチン101はブロック134に進む。この決定は、ディスプレイ装置の画面のサイズ及び/又はアスペクト比に基づいてルーチン101によって行われてよい。この目的のために、ルーチン101は、ディスプレイ装置の画面のサイズ及び/又はアスペクト比を決定してよく、又は決定された解像度に応じてブロック132又は134に進んでよい。
【0192】
ブロック132では、ルーチン101は、ブロック128の後に得られたsRGBファイルをディスプレイ装置に提供し、ターゲット効果コーティングの外観データ及びブロック128で生成された各カラーソリューションの外観データをディスプレイ装置の画面上に水平に並べて表示するようにディスプレイ装置に指示する。この水平配置では、水平に整列して表示された外観データの各行は、同じアスペキュラ角度に関連する同じ測定ジオメトリに属し、したがって、ターゲット効果コーティングと提供された各カラーソリューションとの1:1の比較を可能にする(図9a及び図9bも参照)。一例では、さらなるデータが外観データの隣に表示されることができる。さらなるデータには、マッチングスコア、ターゲットと各ソリューションとの間の色及び/又はテクスチャの許容誤差、メタデータ(色名、色番号、ブランド名、色年など)が含まれ得る。例えばコンピュータ画面(モバイル又は固定)、タブレット画面、テレビ画面など、ディスプレイ装置の画面が10インチを超えるサイズ及び/又は16:9又は16:10のアスペクト比を有する場合、水平表示が好ましい。一例では、ユーザは、それぞれの照射条件について生成された外観データを表示する前に、所望の照射条件を選択することができる。別の例では、予め定義された照射条件(例えば、指向性照射又は拡散条件)を使用して生成された外観データが標準として表示され、ユーザは、ディスプレイ装置の画面上でそれぞれのアイコンを選択すると、さらに利用可能な条件に関連付けられた外観データを表示することができる。
【0193】
ブロック134では、ルーチン101は、ブロック128の後に得られたsRGBファイルのx軸とy軸を交換することによってブロック128で生成された外観データを置き換え、置き換えられたsRGBファイルをディスプレイ装置に提供し、ターゲット効果コーティングの外観データと、ブロック128で生成された各提供されたカラーソリューションの外観データが互いに垂直に表示されるようにディスプレイ装置に指示し、ターゲット効果コーティングと各提供されたカラーソリューションの1:1の比較を可能にする。一例では、ブロック132で説明するように、さらなるデータを表示することができる。スマートフォンを使用して生成された外観データを表示する場合、すべての関連情報が、ターゲット効果コーティングと提供された各カラーソリューションについての生成された外観データの比較中にスクロールすることなく、画面上に表示され得ることを確実にするために、縦方向表示が好ましい。一例では、ユーザは、ブロック132で説明するように、生成された外観データを表示する前に、所望の照射条件を選択することができる。別の例では、外観データは、予め定義された照射条件を使用して生成され、ユーザは、ブロック132に記載されるように、他の利用可能な照射条件を選択することができる。
【0194】
外観データは、ブロック104から132/142では、
- ブロック118で生成されたすべてのカラー画像について、同じ測定ジオメトリの順序付きリスト、同じ明度スケーリング係数(必要な場合)、及び同じピクセル解像度を使用することと、
- 空間的に分解された情報又はカラー情報を含まないテクスチャ値を使用する代わりに、視覚的テクスチャに関する追加情報を提供するために、テクスチャ層を介して決定されたテクスチャ特性を表示することと、
- 水平に配置されたデータの各行が同じ測定ジオメトリと関連するアスペキュラ角度に対応するように、ターゲット効果コーティングの生成された外観データと、提供されたカラーソリューションを水平に並べて表示することと、
- 縦方向に配置できるように、生成された外観データのx軸とy軸を置き換えることと、
によって、色とテクスチャに関してさまざまな効果コーティングの最適な比較を可能にする方法で生成され、表示される。
【0195】
ブロック132又は134の後、ルーチン101は、ユーザの要求に応じてブロック102に戻ることができる。ルーチン101は、ブロック132の終了後に自動的にブロック102に戻るようにプログラムされることもできる。
【0196】
ブロック136では、ルーチン101は、提供された効果コーティング識別データに基づいてデータベースから効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を取得し、取得されたデジタル表現を、通信インタフェースを介してコンピュータプロセッサに提供する。このブロックは、ルーチン101がブロック102で、例えばマルチアングル分光光度計を用いて、効果コーティングの色及び/又はテクスチャを決定しないと決定した場合に実行される。一例では、効果コーティング識別データは、効果コーティングのカラーデータ(例えば色空間データ、テクスチャ特性)、修正された色及び/又はテクスチャデータ(例えばカラー及び/又はテクスチャオフセットを有するカラー/テクスチャデータ)、効果コーティングを示すデータ(例えば効果コーティングの層構造、色名、カラーコード、QRコード、バーコードなど)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。このデータは、GUIを介してユーザによって入されるか、内部メモリ又はデータベースなどのデータ記憶媒体から取得されることができる。
【0197】
ブロック136では、ルーチン101は、ブロック110に関連して説明したように、ブロック104又は136で提供されたデジタル表現に含まれる測定ジオメトリから、測定ジオメトリの順序付きリストを生成する。
【0198】
ブロック138では、ルーチン101は、ブロック112に関連して説明したように、定義された解像度を有する空の画像を生成する。
【0199】
ブロック142で、ルーチン101はブロック104又は136で提供された少なくとも1つのL値が95より高いかどうかを決定する。はいの場合、ルーチン101はブロック144に進み、そうでない場合、ルーチン101はブロック146に進む。
【0200】
ブロック144では、ルーチン101は、ブロック116に関連して説明したように、明度スケーリング係数sを使用して、ブロック104又は136で提供されたすべてのL値をスケーリングする。
【0201】
ブロック146では、ルーチン101は、ブロック118に関連して説明したように、ブロック104又は136で提供された各デジタル表現に対してカラー画像を生成する。
【0202】
ブロック148では、ルーチン101は、ブロック104又は136において提供されたデジタル表現に対して、取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像が提供されるべきかを決定する。取得テクスチャ画像が提供される場合、ルーチンはブロック150に進み、そうでない場合、ルーチン101はブロック152に進む。
【0203】
ブロック150では、ルーチン101は、ブロック104及び/又は136において提供されたデジタル表現からそれぞれの取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリにおいて取得されたテクスチャ画像を取得することによって、又はブロック104及び/又は136において提供されたデジタル表現に基づいてデータ記憶媒体からそれぞれの取得テクスチャ画像、特に15°の測定ジオメトリにおいて取得されたテクスチャ画像を取得することによって、取得テクスチャ画像を提供する。
【0204】
ブロック152では、ルーチン101は、ブロック124に関連して説明したように、合成テクスチャ画像を提供する。
【0205】
ブロック154では、ルーチン101は、ブロック126に関連して説明したように、ブロック150及び/又は152において提供された各取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像に対して修正テクスチャ画像を生成する。
【0206】
ブロック156では、ルーチン101は、ブロック128に関連して説明したように、ブロック146において生成されたそれぞれのカラー画像に、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でコントラストスケーリング係数sでピクセル単位で重み付けされた、ブロック154において生成されたそれぞれの修正テクスチャ画像を追加することによって、外観データを生成する。
【0207】
ブロック156の後、ルーチン101は、ブロック138に戻り、ブロック138で生成された異なる測定ジオメトリの順序付きリストを使用してカラー画像を生成するか、又はブロック158に進むことができる。ブロック138に戻ると、前述したように、指向性照射条件(例えば太陽光条件)だけでなく、拡散性照射条件(例えば曇天条件)についてもカラー画像を生成することができる。
【0208】
ブロック158では、ルーチン101は、ブロック156の後に得られたsRGBファイルをディスプレイ装置に提供し、ディスプレイ装置に指示してブロック156において生成された外観データを表示する。生成された外観データは、メタデータ(色名、色番号、ブランド名、色年、測定データ、オフセット値など)などのさらなるデータを含むリストの形式で表示されてよい。
【0209】
外観データは、
- ブロック146で生成されたすべてのカラー画像に対して、同じ測定ジオメトリの順序付きリスト、同じ明度スケーリング係数(必要な場合)、及び同じ定義されたピクセル解像度を使用することと、
- 空間的に分解された情報又はカラー情報を含まないテクスチャ値を使用する代わりに、視覚的なテクスチャに関する追加情報を提供するために、テクスチャ層を介して決定されたテクスチャ特性を表示することと、
によって、効果コーティング層の主な特徴を示す外観データのアドホックな生成及び表示を可能にする方法で、ブロック136から158で生成及び表示される。
【0210】
ブロック158の後、ルーチン101はユーザの要求に応じてステップ102に戻ることができる。ルーチン101は、ブロック158の終了後、自動的にブロック102に戻るようにプログラムされることもできる。
【0211】
図2は、図1に関連して説明した方法100のブロック102及び136から156又はブロック102から106及び136から156を実施するために使用することができる、ディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するためのシステム200の一例を示す。システム200は、コンピュータプロセッサ204及びメモリ206を収容するコンピューティングデバイス202を備える。プロセッサ204は、例えばメモリ206から取得された命令を実行し、コンピュータシステム200に関連する動作を実行するように、すなわち、
- 通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を受信し;
- 作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を
〇前記受信したデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと
〇前記受信されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現と、
に基づいて計算することにより、カラー画像を生成し;
- 明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でテクスチャコントラストスケーリング係数scを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、少なくとも1つの効果顔料を含む効果コーティングの外観データを生成し;
- 生成された外観データをディスプレイ装置に提供するように、
構成される。
【0212】
プロセッサ204は、シングルチッププロセッサであってよく、又は複数のコンポーネントで実装されてもよい。ほとんどの場合、プロセッサ204は、オペレーティングシステムとともに動作し、コンピュータコードを実行し、データを生成し使用する。この例では、コンピュータコードとデータは、プロセッサ204に動作可能に結合されたメモリ206内に存在する。メモリ206は一般に、コンピュータシステム200によって使用されるデータを保持する場所を提供する。一例として、メモリ206は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ及び/又は同様のものを含むことができる。別の例では、コンピュータコード及びデータは、リムーバブル記憶媒体上に存在し、必要なときにコンピュータシステムにロード又はインストールされることができる。リムーバブル記憶媒体には、例えば、CD-ROM、PC-CARD、フロッピーディスク、磁気テープ、及びネットワークコンポーネントが含まれる。プロセッサ204は、ローカルコンピューティングデバイス上、又はクラウド環境に配置することもできる(例えば図3を参照)。後者の場合、ディスプレイ装置208はクライアント装置として機能することができ、ネットワーク(すなわち通信インタフェース216)を介してサーバ(すなわちコンピューティング装置202)にアクセスすることができる。
【0213】
システム200は、通信インタフェース218を介してコンピューティングデバイス202に結合される、ディスプレイ装置206をさらに含む。ディスプレイ装置206は、プロセッサ204から効果コーティングの生成された外観データを受信し、受信されたデータを画面上に、特にグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して、ユーザに表示する。この目的のために、ディスプレイ装置206は、通信インタフェース218を介してコンピューティングデバイス202のプロセッサ204に動作可能に結合される。この例では、ディスプレイ装置206は、画面を備え、プロセッサ及びメモリ(図示せず)と一体化されて、デスクトップコンピュータ(オールインワンマシン)、ラップトップ、ハンドヘルド又はタブレットなどを形成する入出力装置であり、また、データベース210から効果コーティングのデジタル表現を取得するために使用されるコーティング層識別データに関するユーザ入力を可能にするために使用される。別の例では、ディスプレイ装置206の画面は、別個のコンポーネント(周辺装置、図示せず)であってよい。一例として、ディスプレイ装置206の画面は、モノクロディスプレイ、カラーグラフィックスアダプタ(CGA)ディスプレイ、拡張グラフィックスアダプタ(EGA)ディスプレイ、可変グラフィックスアレイ(VGA)ディスプレイ、スーパーVGAディスプレイ、液晶ディスプレイ(例えば、アクティブマトリックス、パッシブマトリックスなど)、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイなどであってよい。
【0214】
コンピューティングデバイス202は、通信インタフェース220を介してデータベース210に接続されている。データベース210は、通信インタフェース220を介してプロセッサ204によって取得され得る効果コーティングのデジタル表現を保存する。前記データベースに保存されたデジタル表現は、少なくとも1つの光沢及び非光沢測定ジオメトリを含む複数の測定ジオメトリで決定されたCIEL値を含む。一例では、デジタル表現は、前述したようにさらなるデータを含むことができる。それぞれのデジタル表現は、ディスプレイ装置206を介してユーザによって入力された効果コーティング識別データ、又は、例えば、ディスプレイ装置206のGUI上で所望のアクション(例えば、測定データから本発明の方法によって生成されたディスプレイ画像を含む保存された測定値のリストの表示、利用可能な効果色のリストの表示など)を選択することによって、ディスプレイ装置206上で実行される予め定義されたユーザアクションに関連付けられた効果コーティング識別データに基づいて、プロセッサ204によってデータベース210から取得される。
【0215】
システムは、図1に関連して説明した方法100のブロック102から132/134を実施するためにシステムが使用され得るように、例えばマルチアングル分光光度計などの測定装置212をさらに含み得る。測定装置は、測定データがディスプレイ装置206のプロセッサによって処理され得るように、通信インタフェース224を介してディスプレイ装置206に結合される。しかしながら、測定データが測定装置212に含まれるプロセッサによって処理され、処理されたデータが通信インタフェース224を介してディスプレイ装置206に提供されることも可能である。測定装置212によって取得されたデータは、ディスプレイ装置206を介してコンピューティングデバイス202に提供され、カラー画像及び外観データを生成するために使用される。
【0216】
システムは、通信インタフェース222を介してコンピューティングデバイス202のプロセッサ204に結合されるデータベース214をさらに含むことができる。データベース214は、過去の測色値、特にCIEL値、及び過去の色差値をパラメータとする色許容方程式及び/又はデータ駆動モデルを含む。データベース214に保存されたデータは、前述したように、データベース210又はさらなるデータベース(図示せず)に保存されたデジタル表現からベストマッチングのカラーソリューションを決定するために使用されることができる。
【0217】
図3に目を向けると、図1に関連して説明した方法100を実施するために使用されることができるディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するためのインターネットベースのシステム300が示されている。システム300は、インターネットなどのネットワーク304を介して、1つ又は複数のクライアント306.1~306.nによってアクセス可能なサーバ302を備える。好ましくは、サーバはHTTPサーバであり、従来のインターネットウェブベース技術を介してアクセスされる。クライアント306は、ユーザによってアクセス可能なコンピュータ端末であり、データ入力キオスクなどのカスタマイズされた装置であってよく、又はパーソナルコンピュータなどの汎用装置であってもよい。クライアントは画面を備え、生成された外観データを表示するために使用される。プリンタ308をクライアント端末306に接続することができる。インターネットベースのシステムは、サービスが顧客に提供される場合、又はより大きな会社のセットアップにおいて特に有用である。クライアントは、効果コーティングのデジタル表現又は効果コーティングのデジタル表現を取得するために使用される効果コーティング識別データをサーバのコンピュータプロセッサに提供するために使用されることができる。
【0218】
図4は、測定ジオメトリの順序付きリストに対する累積デルタアスペキュラ角度の計算(上)と、測定ジオメトリの順序付きリストと対応する累積デルタアスペキュラ角度の正規化Y座標へのマッピング(下)を示している。測定ジオメトリの順序付きリストの累積デルタアスペキュラ角度、すなわち45°>25°>15°>25°>45°>75°の計算は、リスト内のすべての測定ジオメトリについて、それぞれの測定ジオメトリのアスペキュラ角度と次の測定ジオメトリのアスペキュラ角度との絶対差を計算することによって実行される。例えば、リストの2番目の測定値(すなわち25°)に関連するデルタ累積角度は、最初の測定ジオメトリ(すなわち45°)と2番目の測定ジオメトリとの間の絶対差を計算することによって得られる。累積デルタアスペキュラ角度は、リスト内のすべてのジオメトリについて、次の測定ジオメトリのデルタアスペキュラ角度にそれぞれのデルタアスペキュラ角度を加算することによって得られる。例えば、リスト内の3番目の測定ジオメトリ(すなわち15°)に関連する累積デルタアスペキュラ角度は、リスト内の3番目のジオメトリ(すなわち15°)に関連するデルタアスペキュラ角度を、リスト内の2番目のジオメトリ(すなわち25°)に関連する累積デルタアスペキュラ角度に加算することによって得られる。作成された画像のピクセルをそれぞれのアスペキュラ角度(図5参照)に関連付けるために使用できる正規化Y座標は、それぞれのアスペキュラ角度に関連付けられた累積デルタアスペキュラ角度を最大累積デルタアスペキュラ角度(すなわち、リスト内の最後の測定ジオメトリに関連付けられた累積アスペキュラ角度-この例では75°)で割ることによって得られることができる。例えば、2番目の測定ジオメトリ(すなわち25°)に関連する正規化Y座標は、この測定ジオメトリの累積デルタアスペキュラ角度(すなわち20)を最大累積デルタアスペキュラ角度(すなわち90)で割ることによって得られることができる。
【0219】
前述のように得られた正規化Y座標を累積デルタアスペキュラ角度又はアスペキュラ角度にマッピングすると、線形関係が得られる。この線形関係により、図5に関連して説明したように、測定ジオメトリの順序付きリストを対応する画像列にマッピングすることができる。
【0220】
図5は、図4の測定ジオメトリの順序付きリストと480×360ピクセルの解像度を有する画像の対応する画像列との昇順にソートされた測定ジオメトリへのマッピングを示す図である。測定ジオメトリの順序付きリスト、すなわち関連するアスペキュラ角度と正規化されたY軸座標(図4参照)は、順序付きリストの各アスペキュラ角度に関連する正規化されたY軸座標と、画像のX軸上に存在するピクセルの総量を乗算することによって、まず画像のX軸の各ピクセルにマッピングされる。例えば、順序付きリストの2番目のアスペキュラ角度(すなわち25°のアスペキュラ角度)には、0.22の正規化Y座標が関連付けられている。X軸の総ピクセル数(つまり360)にこの値を乗算すると、79.2の値になり、これは80に切り上げられる。したがって、順序付きリストの位置2の25°のアスペキュラ角度は、0.22の正規化されたY軸座標と80の画像列に関連付けられる。その後、順序付きリストに含まれる測定ジオメトリが昇順にソートされる。そして、図5は、順序付きリストの正規化Y座標、得られた画像列、及びアスペキュラ角度を、昇順にソートされた測定ジオメトリにマッピングすることにより得られる。図5は、測定ジオメトリのソートされたリストを使用することにより、視覚的な3D効果を得ることができ、したがって、照射された3Dオブジェクトを得るための仮想オブジェクトデータの使用及びレンダリング処理が不要になることを示している。
【0221】
図6は、指向性照射条件(上)及び拡散照射条件(下)に対する測定ジオメトリの順序付きリストを使用して生成されたカラー画像を示す。指向性照射に対する測定ジオメトリの順序付きリストは、図4に描かれた順序付きリストに対応する。下のカラー画像を生成するために使用された拡散照射条件の測定ジオメトリの順序付きリストには、45°のアスペキュラ角度(測定ジオメトリ)のみが含まれる(すなわち、単一の測定ジオメトリ)。カラー画像は、それぞれ480×360ピクセルの解像度を有する空の画像を作成し、それぞれの測定ジオメトリの順序付きリスト及びスケーリングされたCIEL値に基づいて、作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することによって生成された(カラー画像を生成するために使用される効果コーティング層に関連するCIEL値は、95を超えるL値を含むため)。対応するCIEL値は、測定ジオメトリの順序付きリストに存在するアスペキュラ角度に関連しないピクセルのCIEL値を計算するための、図5に示すマッピング及びスプライン補間法を使用することによって得られる。そして、計算されたCIEL値はsRGB値に変換され、図6のディスプレイ画像はそれぞれのsRGB値をディスプレイ装置の画面上に表示することにより得られる。指向性照射条件下でのカラー画像の視覚的な3D効果は、測定ジオメトリの順序付きリストの使用によるものであり、予め定義された照射条件(例えば画像ベースの照射)と組み合わせて仮想3Dオブジェクトデータを使用してレンダリング処理を必要としない。したがって、高品質のカラー画像は、大規模な計算能力を必要とせずにアドホックに生成されることができ、レンダリング処理中に生成されたHDR生データを処理することなく、ディスプレイ装置の一般的に使用される画面によって表示されることができる。
【0222】
図7は、測定されたテクスチャ画像から生成されたテクスチャ層を図6のそれぞれのカラー画像に追加することによって生成された表示された外観データを示す。この目的のために、前述のように測定されたテクスチャ特性からテクスチャ画像が生成され、生成されたテクスチャ画像のピクセル単位の局所平均色を計算し、生成されたテクスチャ画像からピクセル単位の局所平均色を減算することによって、生成されたテクスチャ画像が修正される。得られた修正テクスチャ画像は、次に、表示された外観データを生成するために、(3)に従って、図6のそれぞれのカラー画像に、先に説明した明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularにより、ピクセル単位で重み付けされて追加される。図7の上部のディスプレイ画像からわかるように、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularを使用することにより、高い光沢を有する領域(すなわち、ディスプレイ画像の中央部)では、フロップ領域(すなわち、ディスプレイ画像の上部)よりも顕著な視覚的テクスチャが得られる。ディスプレイ画像には、効果コーティング層の主な特性、すなわち角度依存カラートラベルと視覚的テクスチャが含まれており、これは、空間情報とカラー情報がない数値の代わりに視覚的テクスチャ層が使用されるためである。テクスチャ層の使用は、視覚的カラーマッチングのプロセスを大幅に改善し、視覚的テクスチャのために数値と組み合わせてカラー画像を使用するよりも、より確実にマッチングする色を識別することができる。
【0223】
図8は、図6のそれぞれのカラー画像にターゲットテクスチャコントラストcを使用して生成された合成テクスチャ層を追加することによって生成された表示された外観データを示す。この目的のために、480×360ピクセルの解像度を有する空の画像が作成され、提供されたデジタル表現から決定された粗さ特性を取得し、取得された粗さ特性をターゲットテクスチャコントラストcとして使用することにより、ターゲットテクスチャコントラストcが提供される。その後、作成された画像内の各ピクセルに対して、-cから+cの間で一様乱数発生器により乱数が生成され、作成された画像内の各ピクセルに追加される。次に、得られた画像は、ガウスぼかしフィルタでぼかされる。次に、得られたテクスチャ画像が、図7に関連して説明したように、図6のそれぞれのカラー画像にテクスチャ層として修正及び追加され、図8の外観データが生成される。
【0224】
図9aは、グラフィカルユーザインタフェース904を有する画面902を備えるディスプレイ装置900の平面図である。グラフィカルユーザインタフェース904には、ターゲット効果コーティング908.1、908.2及びベストマッチング効果コーティング910.1、910.2の生成された外観データが入力される。表示された外観データは、例えば図1に関連して説明したブロック102から132を実行する本発明の方法と、例えば図2に関連して説明したシステムである本発明システムとを用いて、指向性照射条件(すなわち図4の測定ジオメトリの順序付きリスト)を用いて生成される。記号906は、表示された外観データが指向性照射条件(例えば太陽光条件)を使用して生成されたことをユーザに示すために使用される。ターゲットコーティング908.1/908.2(すなわち、図1のブロック104で決定され提供されたCIEL値)及び各識別されたソリューション910.1及び910.2(すなわち、ブロック108で提供されたカラーソリューション)の生成された外観データは、それぞれ表示された画像908.1~910.1及び908.1~910.2の各行が同じ測定ジオメトリ及び関連するアスペキュラ角度に属するように、水平に並んで表示される。これにより、識別されたカラーソリューションとターゲット効果コーティングの視覚的な1:1の比較が可能になり、視覚的なカラーマッチング中のユーザの快適性が向上する。さらに、表示された画像には、ターゲット効果コーティングとカラーソリューションの主な特性、すなわち角度依存カラートラベルと視覚的テクスチャが含まれているため、利用可能な効果色の全範囲にわたって信頼できる結果が得られないテクスチャ許容方程式を使用する代わりに、表示された画像に基づいてベストマッチングのカラーソリューションを視覚的に識別することができる。この例では、全体的なマッチング品質、ターゲットとソリューションの間の色とテクスチャの差、及びさらなるメタデータ(色名、ブランド名、年など)などのさらなるデータが、ターゲット効果コーティングとカラーソリューションの各水平表示外観データの隣の領域912、914に表示される。
【0225】
図9bは、グラフィカルユーザインタフェース904’を有する画面902’を備えるディスプレイ装置901の平面図である。グラフィカルユーザインタフェース904’には、拡散照射条件(すなわち、測定ジオメトリの順序付きリストには45°の中間測定ジオメトリのみが含まれる)を使用して、本発明の方法、例えば図1に関連して説明したブロック110から132を繰り返すことによって、及び本発明のシステム、例えば図2に関連して説明したシステムで生成された、ターゲット効果コーティング908.1’、908.2、及びベストマッチングの効果コーティング910.1’、910.2’の生成された外観データが入力される。記号906’は、表示された外観データが拡散照射条件(例えば曇天条件)を使用して生成されたことをユーザに示すために使用される。ターゲットコーティング908.1’/908.2’(すなわち、図1のブロック104で決定され提供されたCIEL値)及び各識別されたソリューション910.1’及び910.2’(すなわち、ブロック108で提供されたカラーソリューション)の生成された外観データは、図9aに関連して説明したように、水平に並んで表示される。図9aに関連して説明したように、さらなるデータが領域912’、914’に表示される。ユーザは、指向性照射条件下で生成された外観データと拡散照射条件下で生成された外観データ間を変更して、指向性照射条件下でのベストカラーマッチングが拡散照射条件下で要求されるマッチング品質を提供するかどうかを決定することができる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置の画面上に少なくとも1つの効果コーティングの外観を表示するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は:
(i) 通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をコンピュータプロセッサに提供するステップであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、ステップと、
(ii) 前記コンピュータプロセッサにより、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
●ステップ(i)で提供されたデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現;
に基づいて、作成された各画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することにより、カラー画像を生成する、ステップと、
(iii) 前記コンピュータプロセッサにより、明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にコントラストスケーリング係数sを用いて、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成する、ステップと、
(iv) ステップ(ii)で使用された測定ジオメトリの順序付きリストとは異なる測定ジオメトリの順序付きリストを用いて任意にステップ(ii)と(iii)を繰り返す、ステップと、
(v) プロセッサから受け取った前記生成された効果コーティングの外観データを前記ディスプレイ装置の画面に表示する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、
- 測定装置を用いて、複数の測定ジオメトリにおける効果コーティングのCIEL値及び任意でテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性を決定し、前記決定されたCIEL値とテクスチャ画像とテクスチャ特性、及びさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力と任意に組み合わされた使用された測定ジオメトリを、前記通信インタフェースを介して、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
- 提供され決定されたCIEL値に基づいて、及び任意で、決定されたテクスチャ画像及び/又はテクスチャ特性及び/又はさらなるメタデータ及び/又はユーザ入力に基づいて、効果コーティングの少なくとも1つのさらなるデジタル表現を任意に取得し、前記取得された少なくとも1つの効果コーティングのさらなるデジタル表現を、前記通信インタフェースを介して、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を提供することは、効果コーティング識別データを提供することと、前記提供された効果コーティング識別データに基づいて前記効果コーティングのデジタル表現を取得することと、前記取得されたデジタル表現を提供することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各作成された画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を計算することは、各作成された画像の1つの軸を、前記生成された測定ジオメトリの順序付きリストと相関させることと、前記測定ジオメトリの順序付きリスト及び関連するデジタル表現又はスケーリングされたデジタル表現、特に関連するCIEL値又はスケーリングされたCIEL値を、前記作成された画像の相関行にマッピングすることとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記提供されたデジタル表現から、前記測定ジオメトリの順序付きリストを生成することは、
- 前記提供された各デジタル表現に含まれる複数の測定ジオメトリから少なくとも1つの予め定義された測定ジオメトリを選択し、複数の測定ジオメトリが選択された場合、少なくとも1つの予め定義されたソート基準に従って前記選択された測定ジオメトリを任意にソートすることと、
- 複数の測定ジオメトリが選択された場合、選択された各測定ジオメトリの累積デルタアスペキュラ角度を任意に計算することと、
含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記定義された測定ジオメトリの順序は、45°>25°>15°>25°>45°>75°、又は-15°>15°>25°>45°>75°>110°である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
デルタアスペキュラ角度は、選択された測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度と、次の測定ジオメトリに関連するアスペキュラ角度との間の絶対差角である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
各スケーリングされたデジタル表現は、少なくとも1つの明度スケーリング係数sを使用してステップ(i)で提供された前記デジタル表現に含まれるすべてのLカラー値をスケーリングすることにより、前記カラー画像を生成する前に得られる、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecularは、生成された測定ジオメトリの順序付きリストに存在する測定ジオメトリに対応するアスペキュラ角度に相関して、前記テクスチャ層の各ピクセルに重み付けを行う、請求項に記載の方法。
【請求項10】
明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意にテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用してテクスチャ層をピクセル単位で、生成されたカラー画像に追加することは、
- 少なくとも1つの取得テクスチャ画像又は合成テクスチャ画像を提供することと、
- 各提供されたテクスチャ画像の平均色を計算し、前記各提供されたテクスチャ画像から前記平均色を減算することによって、修正テクスチャ画像を生成することと、
- 前記明度スケーリング係数s、前記アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular及び任意に前記コントラストスケーリング係数sでピクセル単位に重み付けされたそれぞれの修正テクスチャ画像を、それぞれの生成カラー画像に追加することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(iii)及び(v)は、仮想オブジェクトの3Dオブジェクトデータを使用することを含まない、請求項に記載の方法。
【請求項12】
ディスプレイ装置の画面上に効果コーティングの外観を表示するシステムであって、前記システムは:
- 効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現をプロセッサに提供するための通信インタフェースであって、各デジタル表現は、複数の測定ジオメトリで得られた前記効果コーティングのCIEL値を含み、前記複数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの光沢測定ジオメトリと少なくとも1つの非光沢測定ジオメトリを含む、通信インタフェースと;
- 画面を備えるディスプレイ装置と;
- 任意で、ユーザ入力を検出するためのインタラクション要素と;
- 前記通信インタフェース、前記インタラクション要素、及び前記ディスプレイ装置と通信するプロセッサであって;
〇前記通信インタフェースを介して、効果コーティングの少なくとも1つのデジタル表現を受信し;
〇作成されたカラー画像の各ピクセルについて対応するCIEL値を
■前記受信したデジタル表現から生成された測定ジオメトリの順序付きリストと、
■前記受信したデジタル表現、又は、少なくとも1つの提供されたデジタル表現に含まれる少なくとも1つのL値が90より高い場合は、スケーリングされたデジタル表現と、
に基づいて計算することにより、カラー画像を生成し;
〇明度スケーリング係数s、アスペキュラ依存スケーリング関数sfaspecular、及び任意でテクスチャコントラストスケーリング係数sを使用して、生成された各カラー画像にテクスチャ層をピクセル単位で追加することにより、前記効果コーティングの外観データを生成するように;
プログラムされている、プロセッサと;
を備え、前記ディスプレイ装置が、前記効果コーティングの生成された外観データを前記プロセッサから受信し、前記効果コーティングの外観を表示する、システム。
【請求項13】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1からのいずれか1項に記載の方法に従ってステップを実行させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
請求項1からのいずれか1項に記載の方法に従って、生成された外観データを、ボタン、アイコン、カラープレビューとして、色比較及び/又はカラーコミュニケーションのために使用する、外観データの使用。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムを用いて、生成された外観データを、ボタン、アイコン、カラープレビューとして、色比較及び/又はカラーコミュニケーションのために使用する、外観データの使用。
【請求項16】
サーバ装置において効果コーティングの外観を決定する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記クライアント装置は、少なくとも1つの効果コーティング及び任意でテクスチャ層のデジタル表現をサーバ装置に提供するように構成される、クライアント装置。
【国際調査報告】