(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】内視鏡的ナビゲーションポインタ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20240625BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B1/045 623
A61B1/00 552
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575483
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2022064645
(87)【国際公開番号】W WO2022258419
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021114586.4
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523290953
【氏名又は名称】ビー.ブラウン ニュー ベンチャーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】B. Braun New Ventures GmbH
【住所又は居所原語表記】Berliner Allee 2, 79110 Freiburg Im Breisgau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミール サルベスタニ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161HH55
4C161JJ09
4C161WW04
(57)【要約】
本発明は、医療、詳細には外科用器具(1)に関し、当該器具(1)は、近位のハンドリング部、詳細にはハンドル(2)と、患者(P)の体腔内に挿入されるように適合され、患者(P)の体腔内組織を触診するように適合された遠位先端部(6)を有する遠位端部(4)であって、詳細には先の丸い遠位端部(4)と、近位ハンドリング部を遠位端部(4)に接続するシャフト(8)であって、器具(1)、詳細にはハンドリング部が、遠位先端部(6)に対して所定の姿勢を有する幾何学的基準システム(10)を有し、それにより遠位先端部(6)の位置および/または向きが幾何学的基準システム(10)を介して決定可能である、シャフト(8)、を備えており、シャフト(8)の、詳細には遠位側の一部、および/または遠位端部(4)が、捕捉方向(16)に体腔内画像(IA)を作成するための捕捉センサ(14)と、体腔内画像(IA)を照明するためのランプ(18)とを有する少なくとも1つの画像捕捉ユニット(12)を備えており、画像捕捉ユニット(12)はコンピュータ読み取り可能に体腔内画像(IA)を提供するように適合されており、画像捕捉ユニット(12)は好ましくは、基準システム(10)に関して、および/または遠位先端部(6)に関して、決定可能な、詳細には予め決定された捕捉位置および/または捕捉向きを有すること、および医療器具(1)はデータインターフェース(20)を備え、データインターフェース(20)は、少なくとも体腔内画像(IA)、好ましくは幾何学的基準システム(10)に対する遠位先端部の所定の位置および/または少なくとも1つの画像捕捉ユニット(12)の所定の位置を制御ユニットに提供するために、データを送信するように詳細にはデータを送受信するように適合されている。本発明は、手術支援システム、表示方法、および記憶メディアにも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療、詳細には外科用器具(1)であって、
近位のハンドリング部、詳細にはハンドル(2)と、
患者(P)の体腔内に挿入されるように適合され、前記患者(P)の体腔内組織を触診するように適合された遠位先端部(6)を有する遠位端部(4)であって、詳細には先の丸い遠位端部(4)と、
前記近位ハンドリング部を前記遠位端部(4)に接続するシャフト(8)であって、前記器具(1)、詳細には前記ハンドリング部が、前記遠位先端部(6)に対して所定の姿勢を有する幾何学的基準システム(10)を有し、それにより前記遠位先端部(6)の位置および/または向きが前記幾何学的基準システム(10)を介して決定可能であるシャフト(8)と、
を備えており、
前記シャフト(8)の、詳細には遠位側の一部、および/または前記遠位端部(4)が、捕捉方向(16)に体腔内画像(IA)を作成するための捕捉センサ(14)と、前記体腔内画像(IA)を照明するためのランプ(18)とを有する少なくとも1つの画像捕捉ユニット(12)を備えており、
前記画像捕捉ユニット(12)は、コンピュータ読み取り可能な方法で前記体腔内画像(IA)を提供するように適合されており、
前記画像捕捉ユニット(12)は、好ましくは、前記基準システム(10)に関して、および/または前記遠位先端部(6)に関して、決定可能な、詳細には予め決定された捕捉位置および/または捕捉向きを有すること、および、前記医療器具(1)はデータインターフェース(20)を備え、
前記データインターフェース(20)は、少なくとも前記体腔内画像(IA)、好ましくはさらに前記幾何学的基準システム(10)に対する前記遠位先端部の所定の姿勢および/または少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)の決定可能な前記捕捉位置および/または前記捕捉向きを提供するために、データを送信するように詳細にはデータを送受信するように適合されていることを特徴とする、医療器具(1)。
【請求項2】
前記画像捕捉ユニット(12)の少なくとも1つの前記捕捉センサ(14)は、CCDセンサおよび/またはCMOSセンサであることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具(1)。
【請求項3】
前記ランプ(18)がLEDの形態であり、好ましくは前記遠位端部(4)、詳細には前記遠位先端部(6)に一体化されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療器具(1)。
【請求項4】
前記遠位端部(4)の2つの異なる、詳細には互いに背を向けた径方向外面から、2つの異なる、詳細には互いに反対の捕捉方向(16)の体腔内画像(IA)を作成するために、2つの画像捕捉ユニット(12)が前記遠位端部(4)、詳細には前記遠位先端部(6)に一体化され、前記遠位端部(4)の長手方向軸(L)に対して、好ましくは正反対に、互いに角度をなして配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項5】
前記画像捕捉ユニット(12)は、2D画像および/または3D画像を作成するように適合され、詳細には前記捕捉センサ(14)として2Dセンサおよび/または3Dセンサを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)、詳細には前記捕捉センサ(14)および/または前記ランプ(18)が、蛍光体腔内画像(IA)を作成するように適合されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項7】
前記シャフト(8)および/または前記遠位端部(4)が、前記シャフト(8)の長手方向軸(L)を中心として回転可能に取り付けられた径方向外側のシース(32)を有し、少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)が、詳細には、捕捉方向(16)が径方向外側を向いた状態で前記シース(32)内に一体化され、これにより、前記体腔内画像(IA)のための検出可能な領域を拡張するために、前記画像捕捉ユニット(12)が前記長手方向軸(L)を中心として回転可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項8】
回転可能な前記シース(32)は、好ましくは遠位キャップを有する中空の円筒の形態に構成され、この円筒は、詳細にはシャフト(34)、好ましくは中空のシャフトの形態の中心支持部周りに回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項7に記載の医療器具(1)。
【請求項9】
患者(P)に対する外科処置に使用するための手術支援システム(100)であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の医療器具(1)と、
視覚的コンテンツを表示するための少なくとも1つの表示装置、詳細には手術用モニタ(102)と、
前記医療器具(1)の前記基準システム(10)の位置および向きの検出を介して、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きを決定するように適合された幾何学的追跡システム(104)と、
前記患者(P)のデジタル3D画像データ(3DA)、詳細には術前3D画像データ(3DA)を提供するように適合されたデータ提供ユニット(106)、詳細には記憶ユニット(108)と、
制御ユニット(110)であって、前記データインターフェース(20)を介して提供される前記体腔内画像(IA)および前記3D画像データ(3DA)を処理するように、および、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きが好ましくは含まれ前記表示装置によって視覚的に出力される、前記体腔内画像(IA)の少なくとも1つの表現と前記3D画像データ(3DA)のビューの表現との両方を有する複合表現(K)、詳細には相関表現を生成するように適合された制御ユニット(110)と、
を備える手術支援システム(100)。
【請求項10】
前記基準システム(10)が、好ましくは少なくとも3つの互いに間隔をおいて配置された、詳細には球状の、赤外線反射マーカ(22)を備えており、前記幾何学的追跡システム(104)が、前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを決定するために前記赤外線反射マーカを空間的に検出するように適合された、少なくとも1つの3Dカメラ(112)またはステレオカメラを有する3Dカメラシステムを備えることを特徴とする、請求項9に記載の手術支援システム(100)。
【請求項11】
前記基準システム(10)は、光学パターン、詳細にはQRマーカを有する剛体を備え、前記追跡システム(104)は、光学パターンを有する前記剛体を検出するように適合された少なくとも1つのカメラを有するカメラシステムを備えることを特徴とする、請求項9または10に記載の手術支援システム(100)。
【請求項12】
前記基準システム(10)は電磁センサ(24)を備え、前記追跡システム(104)は電磁センサシステムを備え、前記電磁センサシステムは前記センサシステムに対して前記電磁センサ(24)を空間的に検出するためのものであることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項13】
前記追跡システム(104)が、前記医療器具(1)、詳細には前記ハンドリング部(2)を捕捉するために、少なくとも1つのカメラ、詳細には手術用顕微鏡のカメラをさらに備えており、
前記医療器具(1)、詳細には前記ハンドリング部(2)は、記憶ユニット(108)に記憶されている基準システム(10)として所定の形状を有しており、
前記追跡システム(104)、詳細には前記制御ユニット(110)は、詳細にはマシンビジョンを用いて、前記所定の形状に基づいて前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを決定する、ことを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項14】
前記医療器具(1)が、詳細には前記遠位先端部(6)に、神経モニタリングを行うように適合された電極をさらに備え、前記制御ユニット(110)が、前記神経モニタリングに基づいて、前記体腔内画像(IA)と前記3D画像データ(3DA)との相関を行うように適合されていることを特徴とする、請求項9から13のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項15】
前記3D画像データ(3DA)は、MRI画像データ、CT画像データおよび/または3D超音波データを備えることを特徴とする、請求項9から14のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項16】
前記制御ユニット(110)が、
前記体腔内画像(IA)と前記3D画像データ(3DA)のビューを並べて表示する形式の複合表現を作成する、または、前記体腔内画像(IA)と、相関された前記3D画像データ(3DA)の重ね合わせ表現の形式で、詳細には正しい姿勢での相関表現を作成するように適合されていることを特徴とする、請求項9から15のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項17】
前記制御ユニット(110)は、光学的パラメータ、詳細には少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)の焦点軸および/または可動範囲および/または視野を、前記複合表現の前記3D画像データ(3DA)において徐々に増加させる(fade in)ように適合されていることを特徴とする請求項9から16のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
【請求項18】
請求項9から17のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)において、
複合表現、詳細には相関表現を視覚化するための画像表現方法であって、
前記医療器具(1)の前記画像捕捉ユニット(12)によって体腔内画像(IA)を作成するステップと、
前記追跡システム(104)によって前記基準システム(10)の姿勢を検出するステップと、
前記制御ユニット(110)によって、前記基準システム(10)の検出された姿勢と、前記基準システム(10)に対する前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の所定の姿勢とを介して、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きを計算するステップと、
前記制御ユニット(110)によって、前記体腔内画像の少なくとも1つの表現(IA)と前記3D画像データのビューの表現(3DA)の両方を有する、複合表現(K)、詳細には相関表現を生成するステップと、
好ましくは、前記複合表現(K)の前記3D画像データ(3DA)のビューにおける前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを追加する、詳細には重ね合わせるステップと、
前記表示装置によって前記複合表現(K)を出力するステップ、を備えることを特徴とする、画像表現方法。
【請求項19】
コンピュータによって実行されると、請求項18に記載の画像表現方法の方法ステップを前記コンピュータに実行させる命令を備える、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用、特に外科用器具に関し、器具は近位ハンドリング部、詳細にはハンドルと、患者の体腔内に挿入されるように適合されており、患者の体腔内組織を損傷することなくサンプリング/触診するように適合された遠位先端部を有する、詳細には先が丸い遠位端部と、および近位ハンドリング部と遠位端部とを、好ましくは剛性的に連結するシャフト、を備える。詳細には、遠位先端部は、ハンドリング部に剛性的に/不動に固定/接続される。ハンドリング部は、遠位(サンプリング)先端部に対して所定の姿勢、すなわち位置および向きを有する幾何学的基準システムを有し、これにより、三次元空間における遠位先端部の位置および/または向きが、幾何学的基準システムを介して(間接的に)検出可能であり、決定可能である。さらに、本開示は、外科支援システム、外科(画像)表現方法、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
神経外科や脊椎外科などの多くの外科手技において、内視鏡的可視化または表示とナビゲーションは、手術に不可欠で重要な技術である。一方では可視化、他方ではナビゲーションという両方の技術様式により、外科医は組織をターゲットとし、それを安全かつ正確に特定し、操作することができる。これは、外科医の直接の視界が厳しく制限される低侵襲手術において特に重要である。
【0003】
しかし、内視鏡とナビゲーションを交互に行わなければならないため、この2つの様式は外科医を疲れさせる。特に、外科医は、ナビゲーションのために先端が丸いいわゆるポインタと、所望の可視化のためのかさばり、重く、大きい内視鏡という形の、2つの異なる器具を交互に使用しなければならない。ポインタまたはナビゲーションポインタでは、ポインタの遠位先端部の位置または姿勢が、ナビゲーション用に割り当てられたディスプレイ上の3D画像データで表示されるため、外科医は先端部を使用して、遠位先端部が現在、患者のどの位置にあるか正確に決定することができる。外科医はこのディスプレイを見なければならないが、このディスプレイは手術室内でカスタマイズされた位置決めができるように可動式に構成されていることが多い。内視鏡の体腔内画像は別の手術用モニタに表示される。その結果、外科医と医療従事者は、これら2つのディスプレイ(表示)装置を常に行ったり来たりしながら見なければならない。
【0004】
内視鏡は体内のビュー/観測によって組織をターゲットし接近することを可能にする一方、ナビゲーションは、3D画像データ、詳細には磁気共鳴映像法(MRI)やコンピュータ断層撮影(CT)のような術前画像を参照しながら組織に接近/移動することを可能にする。特に、ナビゲーションと視覚化の2つの技術が頻繁に使用される内視鏡アシスト脳外科手術では、外科医は対応する器具と器具、すなわち内視鏡とナビゲーションポインタ/ナビゲーションインジケータを常に入れ替えたり、切り替えたりしなければならない。
【0005】
ナビゲーショントラッカ/エレメントが内視鏡の遠位端部に取り付けられ、例えば赤外線追跡カメラ(NDI)または電磁(EM)追跡システム(NDI)を用いて追跡される、ナビゲーション付き可撓性内視鏡も知られているが、可撓性シャフトを有するこのようなナビゲーション付き内視鏡は、特に重く、嵩張り、扱いにくく、そして何よりも、ナビゲーションの点で不正確である。そのため、これらの内視鏡は、あまり多くの手技には使用することができない。
【0006】
例えば、US2017/0238790 A1は、可撓性シャフトを有するナビゲーション付き気管支鏡を開示しており、その遠位端/末端部分には、複数のトラッカが設けられており、これらのトラッカは、対応する追跡システムによって検出することができる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示の目的および目的は、従来技術の欠点を回避するか、または少なくとも低減することであり、詳細には、手術参加者/医療従事者、特に(上級)外科医に、対象部位の体腔内画像の情報と、対象部位の3D画像データにおけるナビゲーションの表現との中央的な直感的かつ支援的な融合を一目で提供する医療器具、手術支援システム、(画像)表現方法、および記憶媒体を提供することである。詳細には、医療器具は、正確なナビゲーションを可能にし、使いやすく、安価に製造できることを意図している。器具に関するさらなる副次的な目的は、体腔内画像の可能な視野を広げることである。手術支援システムに関するさらなる副次的な目的は、3D画像データの体腔内画像を、医療スタッフが追加の精神的作業を行うことなく、直感的かつ補完的に表示することができる相関表現オプションを提供することである。
【0008】
目的は、請求項1の特徴により医療器具に関して、請求項9の特徴により手術支援システムに関して、請求項18の特徴により画像表現方法に関して、請求項19の特徴により汎用コンピュータ読み取り可能記憶媒体に関して解決される。
【0009】
原理的には、特に術前の3Dデータセット/3D画像データ、例えば磁気共鳴画像法(MRI)からの3D画像データを参照することによって組織をターゲットとし、同時に手術中に視覚的な体内(ピクチャ)画像/体内ピクチャを提供するように適合された医療器具が提供される。この医療器具は、内視鏡的ナビゲーションポインタ(ENP)または内視鏡的ナビゲーションポインタ/内視鏡ナビゲーションポインタと呼ばれる。この内視鏡的ナビゲーションポインタは、少なくとも1つの画像センサ/捕捉センサと、光源/ランプとを有し、これらは、好ましくは、遠位端部、特に遠位先端部に一体化されている。さらに、この器具は、空間における先端部の位置および/またはアライメント(向き)を定位させるための追跡エレメント/追跡センサ(基準システム)を有する。内視鏡的ナビゲーションポインタは、手術中に組織を触診するために、小さいが丸い遠位先端部を有し、画像センサは、体腔内画像を作成するために、遠位先端部の近傍またはその領域に配置される。内視鏡的ナビゲーションポインタは、さらに、外科医が内視鏡的ナビゲーションポインタを手で、詳細にはそれ以上の支持なしに把持して保持することができるハンドリング部、詳細にはハンドルを有する。内視鏡的ナビゲーションポインタは、遠位先端部、好ましくは画像センサと、追跡センサ/基準システムとの間に、剛性または決定可能な基準(すなわち、少なくとも1つの所定の位置;変換行列)を有し、これにより、遠位先端部、好ましくは画像センサの位置および/または向きが、詳細には基準システムおよび静的または剛性の基準を介して推測可能である。画像センサのデータ、さらに好ましくは追跡センサ/基準システムのデータは、データインターフェースを介してコンピュータ/コンピュータシステム/制御ユニットに送信することができ、この制御ユニットは視覚的出力のためのディスプレイを制御することができる。
【0010】
医療器具を使用し、データインターフェースを介してデータを(外部の)コンピュータに転送することにより、外科医は、体内からの視覚画像(体腔内画像)と、3D画像データ、詳細には術前の3Dデータセットに対する内視鏡的ナビゲーションポインタの現在位置を示すピクチャを同時に生成し、見ることができる。
【0011】
換言すれば、医療器具は、組織を触診またはサンプリングするように適合された遠位端の先端部を備える。この器具は、少なくとも1つの捕捉センサ/画像センサと少なくとも1つの光源とを備え、これらは、遠位先端部の近傍またはその領域において医療器具内に配置され、詳細には一体化され、好ましくは、遠位先端部に対して所定のまたは決定可能な位置および/または向きを有する。器具はまた、使用者が器具を保持できるようにするためのハンドリング部、詳細にはハンドルを有する。さらに、器具は、三次元空間において遠位先端部の位置および/または向きを決定することを可能にするために、遠位先端部に対して(特に位置および向きに関して)既知の基準を有する幾何学的基準システムを有する。最後に、器具は、捕捉センサの画像(体腔内画像)、詳細には3D画像データ、詳細には術前の3D画像データに対する遠位先端部の位置および/または向きを表示するために、(ディスプレイ用の画面を備えた)(外部の)コンピュータ、または外部の制御ユニットへのインターフェースも有する。
【0012】
「2つの装置」、またはナビゲーションと視覚化の2つの異なる技術的様式をたった1つの器具に組み合わせることで、1つの器具のみを使用して1つのステップのみで処置をさらに良好に行うことができるという利点がある。本開示による器具は、両方の様式が同時に利用可能であり、詳細には組織を識別するために使用することができるので、処置を加速し、安全性を高める。この組み合わせはまた、内視鏡手術、詳細には神経外科手術における使用者の学習曲線を加速させ、また、内視鏡ピクチャが提供されるかまたは使用可能である処置中の時間を増加させる。外科医は、2つの装置の間を行ったり来たりする必要がなくなり、可視化とナビゲーションの両方の様式を処置中に継続的に提供することができる。
【0013】
特に、内視鏡的ナビゲーションポインタは、小さいが丸い先端で組織を正確に触診することができる。詳細には、この新しいタイプの内視鏡的ナビゲーションポインタでは、画像センサを遠位端に直接組み込んだチップインチップ(CIT)技術を使用することができる。詳細には、この技術により、このような軽量でかさばらない器具を製造することが可能になる。
【0014】
さらに換言すれば、本開示によれば、医療、詳細には外科用器具であって、近位のハンドリング部、詳細にはハンドルと、患者の体腔内に挿入されるように適合され、患者の体腔内組織を触診するように適合された遠位先端部を有する遠位端部であって、詳細には先の丸い遠位端部と、近位ハンドリング部を遠位端部に接続するシャフトであって、器具、詳細にはハンドリング部が、遠位先端部に対して所定の姿勢を有する幾何学的基準システムを有し、それにより遠位先端部の(3次元空間における)位置および/または向きが幾何学的基準システムを介して(検出可能および)決定可能である、シャフト、を備えている。シャフトの、詳細には遠位側の一部、および/または遠位端部が、捕捉方向に体腔内画像を作成するための捕捉センサと、体腔内画像を照明するためのランプ/光源(ランプは画像捕捉ユニットの画像を照らすように適合されている)とを有する少なくとも1つの画像捕捉ユニットを備えており、画像捕捉ユニットはコンピュータ読み取り可能な方法で体腔内画像を提供するように適合されており、画像捕捉ユニットは好ましくは、基準システムに関して、および/または遠位先端部に関して、決定可能な、捕捉位置および/または捕捉向きを有し、および医療器具は(データ)ポート/データインターフェースを備え、(データ)ポート/データインターフェースは、少なくとも体腔内画像、好ましくは遠位先端部に対するおよび/または少なくとも1つの画像捕捉ユニットに対する幾何学的基準システムの所定の姿勢を制御ユニット/コンピュータへ提供するために、コンピュータ読み取り可能/デジタルデータを送信するように詳細にはデータを送受信するように適合されている。
【0015】
本開示において、用語「遠位」は、外科医などの使用者から離れる(患者に近づく)側または方向を定義する。対照的に、用語「近位」は、外科医に近づく(患者から離れる)側または方向を定義する。
【0016】
「位置」という用語は、三次元空間における幾何学的な位置を指し、特に直交座標系の座標を用いて特定される。詳細には、位置は3つの座標X、Y、Zで特定することができる。
【0017】
「向き」とは、今度は、空間における(例えばその位置における)アライメントを示す。また、向きは3次元空間における方向や回転でのアライメントを示すとも言える。詳細には、向きは3つの角度を用いて特定することができる。
【0018】
「姿勢」という用語には、位置と向きの両方が含まれる。詳細には、姿勢は、3つの位置座標X、Y、Zと3つの角度座標の6つの座標を用いて特定することができる。
【0019】
「遠位先端部」という用語は、器具の遠位領域を表し、この領域は、長手方向軸に垂直な距離をおいた基本形状からいわば先細りになり、詳細には直径が減少し、連続的な先細りを介して組織を触診するための遠位端面を形成する。
【0020】
用語「遠位端部」とは、器具の遠位領域/部分を意味し、これは、ハンドリング部から遠位先端部までの長手方向軸に沿って、器具の全長(ハンドリング部の近位端から遠位先端部まで)の詳細には25%、特に好ましくは10%、最も好ましくは5%である。遠位端部は、シャフト自体の一部であるだけでなく、器具の独立した組立品であってもよい。
【0021】
有利な実施形態は、従属請求項に記載され、以下に特に説明される。
【0022】
好ましい実施形態によれば、画像捕捉ユニットの少なくとも1つの捕捉センサは、CCDセンサおよび/またはCMOSセンサ/チップであってもよい。詳細には、捕捉センサは、遠位端部、特に遠位先端部に直接組み込まれる(チップインチップ技術)。これは、器具を小型に作ることができ、正確にガイドすることができ、体腔内画像のデータ伝送を行うだけでよいという利点を有する。
【0023】
さらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのランプはLEDの形態であってよく、このLEDは、好ましくは、医療器具の遠位端部、特に遠位先端部に直接組み込まれる。このようにすると、例えば光ガイドを通して光を損失することなく、画像の照明に必要な位置に直接照明を供給することができる。LEDはエネルギー効率が高く、暖かくならず、小さな部品として遠位端に直接取り付けることができ、例えば捕捉方向と平行に光を照射することができる。このため、器具は、ハンドリング部から照明用の電源を供給するだけでよい。詳細には、医療器具は、制御ユニットを介して(自動的に)および/またはハンドリング部の手動制御装置を介して照明強度を設定するように適合させることができる。
【0024】
好ましくは、少なくとも2つの画像捕捉ユニット(各々が捕捉センサおよびランプを有する)が、遠位端部、詳細には遠位先端部に、提供され、詳細には一体化されてもよい。好ましくは、2つの画像捕捉ユニットは、遠位端部の2つの異なる、詳細には互いに背を向けた側から2つの異なる捕捉方向で体腔内画像を作成するために、遠位端部の長手方向軸に関して、詳細には互いに正反対に回転して配置される。詳細には、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のCCDまたはCMOSチップ/センサが遠位端部、詳細には遠位先端部に一体化され、器具の捕捉領域を拡大するために、それぞれが異なる捕捉方向/視認方向を有する。
【0025】
詳細には、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のランプ、詳細にはLEDの形態のランプが、器具の遠位端部に一体化されており、これらのランプは、詳細にはCCDチップおよび/またはCMOSチップの形態の少なくとも1つの捕捉センサに十分な照明を提供する。
【0026】
本開示のさらなる態様によれば、画像捕捉ユニットは、2D画像および/または3D画像を捕捉するように適合されてよく、および、詳細には捕捉センサとして2Dセンサおよび/または3Dセンサを備えてもよい。2D(捕捉)センサを用いると、2次元の体腔内画像を作成することができ、一方、3Dセンサを用いると、空間的な3次元構造も捕捉することができ、体腔内捕捉画像として提供することができる。3Dセンサの助けを借りて、器具は外科医に、処置中にさらに優れた視覚的表現のためのさらに多くの情報を提供することができる。好ましくは、この空間情報はナビゲーションにも使用できる。
【0027】
詳細には、少なくとも1つの画像捕捉ユニット、詳細には捕捉センサおよび/またはランプは、機能画像として蛍光体腔内捕捉画像/蛍光画像を作成するように適合されてもよい。好ましくは、画像捕捉ユニットの少なくともランプは、蛍光の光、詳細にはUV光を発生するように構成可能である。さらに、捕捉センサは、外科医に機能画像を提供するために、放出された蛍光光を検出するように適合され、詳細には、電磁放射の所定の周波数スペクトル、詳細には、可視光線または紫外線に感度を有するようにしてもよい。好ましくは、体腔内画像を処理する処理制御ユニットは、蛍光画像の視覚的処理/最適化調整を実行するように適合させることができる。
【0028】
本開示の任意選択的に独立して請求可能な態様によれば、遠位端部、詳細には遠位先端部は、ハンドリング部、詳細には近位シャフト部に対して長手方向軸を中心に回転可能/回動可能に適合されてもよく、遠位端部は、画像捕捉ユニットを有してもよい。このような構成では、遠位先端部の端面の位置は一定のままであるが、捕捉方向を調整することができる。
【0029】
詳細には、器具は、ハンドリング部と遠位先端部との間に剛性/固定長手方向軸を有する。このようにして、ハンドリング部に対する遠位先端部の位置は常に同じであり、基準システムを介して検出可能であるが、詳細にはシャフトの一部はその長手方向軸を中心に回転可能である。好ましくは、遠位端部は、その長手方向軸を中心に回転させることができる。さらに好ましくは、遠位端部を含むシャフトの一部分は、剛性の長手方向軸を中心に回転させることができる。
【0030】
本開示のさらなる態様によれば、シャフトおよび/または遠位端部は、シャフトの長手方向軸周り/に対して回転可能に取り付けられ、したがってハンドリング部に対して回転可能な半径方向外側のシースを備えてもよく、少なくとも1つの画像捕捉ユニットは、体腔内画像の検出可能領域を拡張するために、画像捕捉ユニットが長手方向軸に対して回転可能であるように、シース内に一体化されている。詳細には、シースは、その近位端に、手動で把持して回転させるためのハンドル面を有する。好ましくは、このハンドル面は、周方向に配置された波形構造および/または周方向に配置された長手方向における凹部および/または径方向においての突起である。
【0031】
本開示の任意に独立して請求可能な態様によれば、器具は、長手方向軸を中心に、詳細には360°だけ、ハンドリング部に対して回転可能なシャフトの(少なくとも)一部を備え、この部分は、画像捕捉ユニットを備え、この画像捕捉ユニットは、詳細には、画像捕捉ユニットの捕捉センサが長手方向軸を中心に回転可能であり、視覚捕捉領域を拡張するように一体化されている。
【0032】
好ましくは、回転可能なシースは、好ましくは遠位キャップを有する中空の円筒/スリーブの形態で構成されてもよく、この中空の円筒/スリーブは、詳細にはシャフト、好ましくは中空のシャフトの形態で、中央の支持体の周りに回転可能に取り付けられる。詳細には、中空シャフトの実施形態では、画像捕捉ユニットのケーブルをその中に案内することができる。詳細には、回転可能なシースは、データを伝送するためのシャフトへの円周方向に摺動可能な接触を有することができ、これにより、シースは、停止することなく所望のように長手方向軸を中心に回転することができ、シャフト内の少なくとも1つのデータ線と常に接触し、体腔内画像の画像データを伝送することができる。この時点で、シースが遠位キャップを備えて構成されている場合、ある程度遠位先端部も形成しているキャップの遠位先端部は、長手方向軸周りを回転可能であり、従って、遠位(シース)キャップの(長手方向軸に対する)向きは変化するが、遠位先端部自体の位置は、ハンドリング部および基準システムに対して常に不動/固定/同じままであることに言及しておく。したがって、遠位キャップの向きにかかわらず、正確なナビゲーションを確実にするために、遠位先端部を使用して組織を触診することができる。器具は、(基準システムを介して)捕捉センサの捕捉位置および捕捉向きを、捕捉センサの予め知られた/所定の捕捉位置を介して、回転角を介して、好ましくはまた、長手方向軸に対する捕捉センサの距離を介して決定するために、シースの回転角を検出し、それを(制御ユニットの)データインターフェースを介して提供するように適合させてもよい。このようにして、三次元空間のどの位置で、詳細には三次元画像データに関連して、どの捕捉方向で体腔内捕捉が行われるかを正確に計算することが可能である。この場合、自由に変更できる画像捕捉ユニットまたは捕捉センサのパラメータはこれだけであるため、単一の回転角度で十分である。
【0033】
詳細には、回転可能なシースは、周方向に密閉されたシースとして構成されてもよく、このシースは、特に径方向において、流体密閉されるように構成される。
【0034】
詳細には、シャフトは、その長手方向軸の剛性のあるS字形状の延在部を有し、この延在部において、第1のシャフト部は、第2のシャフト部と平行に延在するが、互いにオフセットしており、これらは、(S字形状の)カーブ部によって互いに接続されている。詳細には、シャフトは円形の径方向外側の輪郭を有する。好ましくは、シャフトは、その長手方向軸に沿って同じ直径の円形外輪郭を有し、遠位先端部でのみ先細りになっている。
【0035】
本開示のさらなる態様によれば、ハンドリング部の近位端と遠位先端部との間の距離(「全長」)は、50cm未満、より好ましくは40cm未満、最も好ましくは30cm未満であってもよい。
【0036】
詳細には、シャフトは、ハンドリング部に剛性的に/固定的に接続され、好ましくは、遠位端部は、ハンドリング部、したがって基準システムに固定的に/剛性的に接続され、これにより、基準システムに対する遠位先端部の位置、および詳細には向きは、常に動かず、変化しない(すなわち、常に所定の基準を有する)。
【0037】
本開示の目的は、患者に対する外科処置において使用するための手術支援システムに関して解決され、この手術支援システムは、本開示に記載の医療器具と、視覚的コンテンツを表示するための少なくとも1つの表示装置、詳細には手術用モニタと、医療器具の基準システムの位置および向きの検出を介して、遠位先端部および/または画像捕捉ユニットの位置および/または向きを決定するように適合された幾何学的追跡システム/センサシステムと、患者のデジタル3D画像データ、詳細には術前3D画像データを提供するように適合されたデータ提供ユニット、詳細には記憶ユニットと、制御ユニットであって、データインターフェースを介して提供される体腔内捕捉画像および3D画像データを処理するように、および、遠位先端部の位置および/または向きが好ましくは含まれ/表現され、表示装置によって視覚的に出力される、体腔内捕捉画像の少なくとも1つの表現と3D画像データのビューの表現との両方を有する、体腔内画像および3D画像データの複合表現、詳細には相関表現を生成するように適合された制御ユニット、を備える。したがって、手術支援システムの支援により、単一の器具を使用して、体腔内画像を複合(combined)表現で表示することと、表示装置を介して患者の3D画像データで「仮想」ナビゲーションを実行することの両方を行うことが可能である。基準システムは追跡システムの一部または補助的な部分である。
【0038】
一実施形態によれば、基準システムは、好ましくは少なくとも3つの互いに間隔をおいて配置された、詳細には球状の、赤外線反射マーカを備えてもよく、幾何学的追跡システムは、赤外線反射マーカを空間的に検出/追跡するように、および遠位先端部の位置および/または向きを(基準システムから遠位先端部への所定のまたは決定可能な姿勢を介して)決定するように適合された、少なくとも1つの3Dカメラまたはステレオカメラを有する3Dカメラシステムを備えてもよい。詳細には、追跡システムの一部として、基準システムの位置および向きを制御ユニットに提供することができ、制御ユニットは、基準システムから遠位先端部までの所定の姿勢を介して、遠位先端部の位置および/または向きを計算または決定することができる。詳細には、基準システムから遠位先端部および/または画像捕捉ユニットへの所定の姿勢は、変換行列の形態で利用可能であり、これにより制御ユニットは、単純な数学的計算によって、遠位先端部および/または画像捕捉ユニットの位置および/または向きを推測することができる。詳細には、幾何学的追跡システムは、3Dカメラシステムによって捕捉される赤外線反射マーカを有する剛体を有し、これにより3Dカメラシステムに対する基準システムの姿勢が検出可能である。
【0039】
本開示のさらなる態様によれば、基準システムは、明瞭な光学パターン、詳細にはQRマーカを有する剛体/装置を備えてもよく、さらに追跡システムは、光学パターンを有する剛体を検出するように適合された少なくとも1つのカメラを有するカメラシステムを備えてもよい。詳細には、基準システムは、したがって、追跡システムのカメラシステムによって検出されるQRマーカ/トラッカなどの光学的に検出可能な剛体パターンを有してもよく、これにより、詳細には、追跡システムの一部として制御ユニットによって外部カメラシステムに対する相対姿勢が決定される。
【0040】
一実施形態によれば、基準システムは電磁センサ(EMセンサ)を備えてもよく、追跡システムは電磁センサシステムを備えてもよい。詳細には基準システムの電磁センサは、センサシステム/追跡システムによって生成される電磁場を検出し、この電磁場を介してセンサシステムに対する相対的な姿勢を決定するように適合されてもよい。あるいは、基準システムの電磁センサは、センサシステムに対する三次元空間内の姿勢を決定するために、対応するように適合された電磁センサシステム/追跡システムによって検出可能な2つの垂直な電磁場を生成してもよい。詳細には、幾何学的基準システムは、したがって、電磁センサシステムを介して追跡される電磁センサを有してもよい。
【0041】
本開示のさらなる態様によれば、追跡システムは、医療器具、詳細にはハンドリング部を捕捉するために、少なくとも1つのカメラ、詳細には手術用顕微鏡のカメラをさらに備えてもよい。医療器具、詳細にはハンドリング部は、記憶ユニットに記憶されている基準システムとして所定の形状を有しており、これにより追跡システム、詳細には制御ユニットは、詳細にはマシンビジョンを用いて、所定の形状に基づいて遠位先端部の位置および/または向きを決定できる。マシンビジョンのような方法を用いて空間における(カメラに対する)器具の姿勢を検出し決定するには、記憶ユニットに記憶された器具、詳細にはハンドルの事前にわかっている形状だけで十分であるため、器具は、追加のマーカ/トラッカなしで追跡システムのカメラによって追跡可能である。
【0042】
好ましくは、場合によっては独立して請求可能であるが、医療器具は、神経モニタリングを実行するように適合された電極をさらに備えていてもよい。制御ユニットは、神経モニタリングに基づいて、体腔内画像と3D画像データとの相関を実現または実行するように適合されていてもよい。詳細には、器具は、したがって、体腔内画像と3D画像データとをこれらの信号を介して3D画像データ内の対応する神経経路と相関させるために、神経活動に関連する信号(電圧パルス)を制御ユニットに提供する遠位電極を有する。
【0043】
特に、3D画像データは、MRI画像データおよび/またはCT画像データおよび/または3D超音波データを備えてもよい。この3D画像データは、特に低侵襲処置のための正確なナビゲーションを実行するために使用することができる。
【0044】
好ましくは、制御ユニットは、体腔内画像と3D画像データを並べて表示する形式の複合表現を作成する、または体腔内画像と、相関された3D画像データの重ね合わせ表現の形式で、相関表現を作成するように適合されていてもよい。詳細には、相関表示には、コンピュータ支援拡張現実法を使用することができる。このようにして、制御ユニットと表示装置は、生成され出力される複合表現において、体腔内画像と3D画像データのビューとを並べて、または相関させ重ね合わせて表示する。詳細には相関表示では、体腔内画像を位置正しく、詳細には正しい位置で、すなわち仮想3D画像データに対する実際の位置または姿勢で表示することができ、または部分的に透過的に重ね合わせることができる(拡張現実)。
【0045】
本開示のさらなる態様によれば、制御ユニットは、光学的パラメータ、詳細には少なくとも1つの画像捕捉ユニットの焦点軸および/または可動範囲および/または視野を、複合表現の3D画像データにおいて徐々に増加させる(fade in)ように適合されていてもよい。このようにして、制御ユニットは、外科医が単一の表示装置上で、処置に関連する全てのパラメータを視覚的に見ることができるように、光学パラメータも表示されるこのような複合表現を生成する。これにより、ナビゲートされた処置のよりよいサポートが提供される。
【0046】
好ましくは、データインターフェースは有線または無線であってもよく、詳細にはWLANおよび/またはBluetoothのような無線インターフェースを有してもよい。無線インターフェースを使用すると、基地局へのケーブルが不要になるため、器具を移動可能で、より扱いやすく構成できる。この場合、器具は、特に充電式バッテリの形で内部エネルギー源を持ち、自律的に動作可能である。
【0047】
本開示の手術支援システムにおいて、特に相関表現である結合表現を視覚化するための画像表現方法に関して、本開示の目的および目的は、本方法が、医療器具の画像捕捉ユニットによって体腔内画像を作成するステップと、追跡システムによって基準システムの姿勢を検出するステップと、制御ユニットによって、基準システムの検出された姿勢と、基準システムに対する遠位先端部または画像捕捉ユニットの所定の姿勢とを介して、遠位先端部および/または画像捕捉ユニットの位置および/または向きを計算するステップと、制御ユニットによって、体腔内画像の少なくとも1つの表現と3D画像データのビューの表現の両方を有する、複合表現、詳細には相関表現を生成するステップと、好ましくは、複合表現の3D画像データのビューにおける遠位先端部の位置および/または向きを追加する、詳細には重ね合わせるステップと、表示装置によって複合表現を出力するステップと、を備えるという点で解決される。この方法は、外科医に、処置に関する全ての関連情報を一目で提供する。好ましくは、外科医は、体腔内画像の永続的な表現と3D画像データのナビゲーションとを同時に利用できる。詳細には、3D画像データ/3Dデータセットに対する遠位先端部の位置および/または向きを記録し、表示装置を介して(複合表現で)表示することができる。
【0048】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関して、本開示の目的および目的は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が、コンピュータによって実行されたときに、コンピュータに本開示による画像表現方法の方法ステップを実行させる命令を備えることによって解決される。
【0049】
本開示の医療器具および本開示の手術支援システムの特徴は、互換的に使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示を、添付図を用いて好ましい実施形態を参照しながら以下に説明する。以下の通りに示す。
【0051】
【
図1】赤外線トラッカがハンドリング部に配置されている、第1の実施形態による内視鏡的ナビゲーションポインタの形態の医療器具を備えた好ましい実施形態の手術支援システムの概略上面図。
【
図2】ハンドリング部がEMセンサを有する、さらなる好ましい実施形態による医療器具の模式的な上面図。
【
図3】画像捕捉ユニットが遠位先端部に一体化されている、さらに好ましい実施形態の医療器具の遠位端部を有する遠位シャフト部の詳細な部分図。
【
図4】複数の画像捕捉ユニットが一体化された、さらに好ましい実施形態の器具の遠位端部の詳細な部分図。
【
図5】捕捉センサと照明手段がシャフトの回転可能なシース内に設けられている、さらなる好ましい実施形態の医療器具の斜視部分図。
【
図6】遠位部が回転可能である、さらに好ましい実施形態の医療器具の斜視部分図。
【
図7】手術支援システムの表示装置の表示を示す模式図。
【0052】
図は単に概略的なものであり、本開示の理解を助けることのみを意図している。同一の要素には同一の参照符号が付されている。様々な実施形態の特徴は互いに入れ替え可能である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、内視鏡的ナビゲーションインジケータ/内視鏡的ナビゲーションポインタ/内視鏡ナビゲーションポインタ1として構成された第1の好ましい実施形態による医療器具を備えた好ましい実施形態の手術支援システム100の概略図である。
【0054】
内視鏡的ナビゲーションポインタ1は、ハンドル2の形態の近位ハンドリング部を有し、このハンドリング部は、外科医のような医療従事者によって手で把持され、案内されるように適合されている。あるいは、ハンドリング部はまた、ロボットアームによって案内されるように適合されてもよい。
【0055】
内視鏡的ナビゲーションポインタ1の遠位端部4は、患者Pに体腔内に挿入されるように適合されており、患者Pの体腔内組織を不可逆的に損傷することなく正確かつ選択的に触診するように適合された先の丸い遠位先端部6を有する。シャフト8は、遠位端部4とハンドル2とを剛性的に/固定的に連結し、長手方向軸Lに沿って実質的に円筒状で閉じた外郭を有し、この外郭はS字形状である。この実施形態では、遠位端部4は、シャフト8の遠位の一部分である。
【0056】
ハンドル2は幾何学的な基準システム10を有し、遠位先端部6は基準システム10に対して固定の幾何学的関係を有するので、遠位先端部6の姿勢は、ハンドル2の姿勢(すなわち、位置および向き)の決定を介して決定可能である。また、遠位先端部6と基準システム10との間の変換行列は予め決定された変動しないものであるため、三次元空間における遠位先端部6の姿勢の対応する決定は、検出可能な基準システム10を介して決定可能である、とも言える。
【0057】
この遠位先端部6、シャフト8、および基準システム10を備えたハンドル2を有する設計は、遠位先端部6を介して三次元空間内の特定の点を標的にし、三次元画像データに関して三次元空間内で幾何学的にその点を検出するために使用されるナビゲーションインジケータ/ナビゲーションポインタの設計に実質的に一致する。しかしながら、公知の先行技術とは対照的に、この実施形態の内視鏡的ナビゲーションポインタ1は、捕捉方向16に体腔内(ピクチャ)画像を作成するために、その遠位端部4上、または(本ケースでは遠位端部はシャフト8の一部であるため)シャフト8の遠位部上に、CCDチップ(CCD、電荷結合素子、すなわち感光電子部品)の形態の(ピクチャ)捕捉センサ14を有する画像捕捉ユニット/撮像装置12も備えている。小型捕捉センサ14が遠位端部4に直接一体化されているので、内視鏡的ナビゲーションポインタ1のサイズを小型またはコンパクトに保つことができる。
【0058】
体腔内画像IAを照明するため、または画像捕捉ユニット12の画像を照明するための光を供給するために、LEDの形態のランプ18も遠位端部4に設けられる。換言すれば、画像捕捉ユニット12は、遠位端部4に一体化され、画像を捕捉するための捕捉センサ14と、照明のためのLEDとを有する。捕捉センサ14とLEDは、捕捉方向16がランプ18の照明方向と実質的に平行になるように、シャフト8の遠位部分または遠位端部4に配置され、一直線に配置される。
【0059】
ハンドル2がシャフト8を介して遠位端部4に剛性的/不動に接続されているため、基準システム10もハンドル2に剛性的に取り付けられており、基準システム10に対する画像捕捉ユニット12の所定の静的な姿勢(位置および向き;変換行列)が既知であるので、画像捕捉ユニット12、詳細には対応する捕捉方向16を有する捕捉センサ14、したがって体腔内画像IAの姿勢も、基準システム10の捕捉された姿勢から推測することができる。画像捕捉ユニット12はまた、遠位先端部6に対する所定の姿勢(変換行列)も有するので、これにより先端部6の姿勢を使用して画像捕捉ユニット12の姿勢を推論することができ、逆もまた同様である。したがって、画像捕捉ユニット12は、基準システム10に対して、および遠位先端部6に対して、決定可能な、ここでは前もって決められた、捕捉位置および捕捉向きを有する。従って、基準システム10、(ハンドル2)、遠位先端部6および画像捕捉ユニット12の間の姿勢は、全て予め決定され、既知である。この実施形態では、基準システム10は、3つの間隔をあけた赤外線反射マーカ22を有する。
【0060】
さらに、画像捕捉ユニット12は、体腔内画像をコンピュータ可読形式またはデジタル形式で提供するように適合されており、内視鏡的ナビゲーションポインタ1は、体腔内画像をコンピュータ可読形式で制御ユニット110に提供するために、コンピュータ可読/デジタルデータを手術支援システム100の制御ユニット110に送信するデータインターフェース20、この実施形態ではデータケーブルを有している。さらに、制御ユニット110は、例えばランプ18の照明強度を設定するためのデータも制御ユニットから受信する。手術支援システム100はさらに、表示用の手術用モニタ102の形態の少なくとも1つの表示装置を有する。
【0061】
3Dカメラ112と赤外線エミッタ114を有する手術支援システムの(幾何学的)追跡システム104は、3つの赤外線反射マーカ22を3次元空間で検出し、したがって基準システム10の姿勢を検出する。基準システム10の姿勢と、基準システム10から遠位先端部6および対応する捕捉方向16を有する捕捉センサ14への記憶ユニット108に記憶された関係/基準とを検出することにより、追跡システム104は、遠位先端部6および捕捉センサ14の実際の現在の姿勢を推測することができる。具体的には、この実施形態では、制御ユニット110は、対応する決定または計算を実行するように適合されており、したがって、追跡システム104の一部として機能する。
【0062】
患者Pの術前のデジタル3D画像データ3DAがデータ提供ユニット、ここでは記憶ユニット108に記憶されている。これらは、例えば磁気共鳴映像法(MRI)やコンピュータ断層撮影(CT)などを用いて術前に記録されたものである。
【0063】
制御ユニット110は、データインターフェース20を介して提供される体腔内捕捉画像IAと3D画像データ3DAとを処理し、体腔内画像IAの表現と3D画像データ3DAのビューの表現との複合表現、詳細には相関表現を生成し、それを手術用モニタ102を介して視覚的に出力するように特別に適合されている。さらに、遠位先端部6の位置と向きが3D画像データ3DAのビューに表示されるので、外科医はすべての情報を一目で得ることができる。このようにして、遠位先端部6の実際の姿勢が3D画像データの仮想空間に転送され、そこに表示される。
【0064】
さらに、体腔内画像IAも、3D画像データ3DA(相関関係)のビュー内において正しい位置に表示されるため、外科医は、両画像データの情報を一目で得ることができ、患者Pに対して対応する処置をより一層容易に、安全に、疲労なく行うことができる。
【0065】
図1は、固定/剛性シャフト8を有し、赤外線反射マーカ22(赤外線トラッカ)を備えた内視鏡的ナビゲーションポインタ1を示しているが、
図2は、基準システム10として電磁トラッカ/センサを備えた内視鏡的ナビゲーションポインタ1の更なる第2の好ましい実施形態を示している。第2の実施形態の内視鏡的ナビゲーションポインタ1は、電磁センサ/EMセンサ24を備えた異なる構成の追跡システム104においてのみ、
図1のものと異なる。
【0066】
具体的には、基準システム10の姿勢を決定するために、2つの垂直コイルの形をしたEMセンサ24がハンドル2に設けられている。カメラと赤外光の代わりに、追跡システム104は、電磁場を発生させるための対応する装置を有する。EMセンサ24からの信号は、データインターフェース20を介して制御ユニット110に供給され、これにより制御ユニット110は、基準システム10の(相対的な)姿勢、ひいては遠位先端部6および捕捉センサ14の(相対的な)姿勢を決定することができる。
【0067】
図3は、更なる第3の好ましい実施形態による内視鏡的ナビゲーションポインタ1の形態の医療器具の斜視部分図である。先の実施形態とは対照的に、画像捕捉ユニット12は、遠位先端部6、すなわちシャフト8の直径が縮小された場所に直接一体化されている。具体的には、遠位先端部6は、2つの先端部分26、28、すなわち、一定の直径を有するシャフト部分に直接接しており、画像捕捉ユニット12がその径方向外側に一体化されている第1の円錐形または錐体状の先端部分26と、第1の先端部分26に直接隣接しており、第1の先端部分26よりも尖っており、錐体状の尖端を形成している第2の先端部分28とを有している。
【0068】
画像捕捉ユニット12は、シャフト8の長手方向軸に対して遠位前方へ60°傾斜した捕捉方向16を有し、これにより体腔内画像IAが遠位前方への領域と径方向側への領域の両方を備え、内視鏡的観察方向がある程度拡大されるようになっている。第1の円錐台状先端部分の外側には、LEDが円周に沿って、詳細には長手方向軸Lの周りの約50°の円周セクション周りに一体化され、CCD捕捉センサ14が、同じく円周に沿って、同じく長手方向軸Lの周りの約50°の円周周りに、遠位側でこれに直接接続されている。捕捉センサ14もLEDも、透明な保護層によって周囲から分離されているので、器具1は汚れがつきにくく、清掃が容易である。
図30には、捕捉方向16に沿った捕捉センサ14の視円錐30が概略的に示されている。詳細には、制御ユニット110は、歪んだ体腔内画像IA(極端な広角;平面センサなし)から補正された体腔内画像を逆算し、対応する補正された形態で複合表現に表示するように適合させることができる。
【0069】
図4は、器具1の第3の実施形態とは対照的に、遠位先端部に1つの捕捉ユニット12だけでなく2つの捕捉ユニット12が一体化され、それぞれが捕捉センサ14とLEDの形態の照明手段18とを備えているさらに好ましい実施形態を示す。2つの捕捉方向は、長手方向軸Lを中心として互いに相対的に回転されており、または長手方向軸Lに関して互いに背をむけており、これにより内視鏡の視野がいわば2つの反対方向に拡大されるようになっている。2つの捕捉方向16は異なる。一方の画像捕捉ユニット12の捕捉センサ14は、他方の捕捉センサ14と正反対側に配置されるか、または、他方の捕捉センサ14から背を向けて配置される。同様に、LEDと捕捉センサ14の配置は、長手方向軸Lに沿って反対側になっており、これにより本実施形態では、2つのLEDが遠位(長手方向軸Lレベルで)に配置され、2つのCCD捕捉センサ14がLEDの反対側で近位に配置されている。このようにして、2つのLEDは、体腔内組織を照明するために遠位方向でさらに輝く。
【0070】
図5は、シャフト8の回転可能なシース32を備えた内視鏡的ナビゲーションポインタ1の更なる、第5の特定の実施形態を示す。遠位端部4がさらにシャフト8を介してハンドル2に剛性的に固定/接続されており、シャフト8の遠位の一部分は、径方向外側のシース32を備え、このシース32は、長手方向軸Lまわりに回転可能に取り付けられており、手で把持されて回転される近位の幾何学的構造のハンドル面を有している。回転可能なシース32のハンドル面36は、近位端から手で容易に回転させることができ、一方、遠位先端部6はハンドル2に対して剛性的に固定されている。
【0071】
画像捕捉ユニット12はシース内に一体化されており、捕捉方向16は長手方向軸Lに垂直で径方向外側を向いている。この設計により、画像捕捉ユニット12は長手方向軸L周りに回転可能であり、体腔内画像IAの検出可能領域は広範囲に拡大される。外科医は、画像を作成したい位置まで画像捕捉ユニット12を回転させるだけでよい。
【0072】
シース32は径方向/円周方向に閉じており、密閉して流体密に構成されている。この実施形態では、シース32は中空円筒/スリーブとして構成され、円筒シャフト34の形でシャフト8の中心支持部の周りに回転可能に取り付けられている。
【0073】
図6は、更なる、第6の好ましい実施形態の内視鏡的ナビゲーションポインタ1を示し、
図5の第5の実施形態とは対照的に、シース32は遠位先端部6で終わらず、遠位先端部を含み、従ってキャップを形成する。キャップ付きシースが回転すると、遠位先端部6の径方向外側のシースも回転する。
【0074】
代替的に、シャフト8の遠位部分全体と遠位端部4とを、シャフト8の近位部分に回転可能に取り付けられた一体的な組立体またはユニットとして構成することもできる。しかし、長手方向軸Lを中心に回転しても、遠位先端部6の位置はハンドル2に対して固定されたままである。
【0075】
図7は、患者Pの3D画像データ3DAのビューに統合的に表示される、器具1の2つの画像捕捉ユニット12を介した(2つの)体腔内画像IAの相関表示の形態での複合表現を有する手術用モニタ102の例示的な表現を示す。仮想の遠位先端部6と2つの体腔内画像IAとの両方が、正しい姿勢で3D画像データ3DAに重畳表示されている。手術支援システム100では、遠位先端部6に対する捕捉センサ14の視体積(visual volume)が、3次元画像データと重畳して表示される。
【符号の説明】
【0076】
1:医療器具/内視鏡的ポインタ器具
2:ハンドル
4:端部分
6:遠位先端部
8:シャフト
10:基準システム
12:画像捕捉ユニット
14:捕捉センサ
16:捕捉方向
18:ランプ
20:データインターフェース
22:赤外線反射マーカ
24:電磁センサ
26:第1の先端部分
28:第2の先端部分
30:視円錐
32:回転(シャフト)シース
34:シャフト
36:ハンドル面
100:手術支援システム
102:手術用モニタ
104:追跡システム
106:データ提供ユニット
108:記憶ユニット
110:制御ユニット
112:3Dカメラ
P:患者
L:長手方向軸
IA:体腔内画像
K:複合表現
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医
療器具であって、
近位のハンドリング
部と、
患
者の体腔内に挿入されるように適合され、前記患
者の体腔内組織を触診するように適合された遠位先端
部を有する遠位端
部と、
前記近位ハンドリング部を前記遠位端
部に接続するシャフ
トであって
、前記ハンドリング部が、前記遠位先端
部に対して所定の姿勢を有する幾何学的基準システ
ムを有し、それにより前記遠位先端
部の位置および/または向きが前記幾何学的基準システ
ムを介して決定可能であるシャフ
トと、
を備えており、
前記シャフ
トの一部、および/または前記遠位端
部が、捕捉方
向に体腔内画
像を作成するための捕捉セン
サと、前記体腔内画
像を照明するためのラン
プとを有する少なくとも1つの画像捕捉ユニッ
トを備えており、
前記画像捕捉ユニッ
トは、コンピュータ読み取り可能な方法で前記体腔内画
像を提供するように適合されており、
前記画像捕捉ユニッ
トは、前記基準システ
ムに関して、および/または前記遠位先端
部に関して、決定可能
な捕捉位置および/または捕捉向きを有すること、および、前記医療器
具はデータインターフェー
スを備え、
前記データインターフェースは、少なくとも前記体腔内画像
と前記幾何学的基準システ
ムに対する前記遠位先端部の所定の姿勢および/または少なくとも1つの前記画像捕捉ユニッ
トの決定可能な前記捕捉位置および/または前記捕捉向きを提供するために、データを送信するよう
に適合されていることを特徴とする、医療器
具。
【請求項2】
前記画像捕捉ユニッ
トの少なくとも1つの前記捕捉セン
サは、CCDセンサおよび/またはCMOSセンサであることを特徴とする、請求項1に記載の医療器
具。
【請求項3】
前記ラン
プがLEDの形態であり
、前記遠位端
部に一体化されていることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器
具。
【請求項4】
前記遠位端
部の2つの異な
る径方向外面から、2つの異な
る捕捉方
向の体腔内画
像を作成するために、2つの画像捕捉ユニッ
トが遠位先端
部に一体化され、前記遠位端
部の長手方向軸に対し
て互いに角度をなして配置されていることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器
具。
【請求項5】
前記画像捕捉ユニッ
トは、2D画像および/または3D画像を作成するように適合され
、前記捕捉セン
サとして2Dセンサおよび/または3Dセンサを備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器
具。
【請求項6】
少なくとも1つの前記画像捕捉ユニッ
トが、蛍光体腔内画
像を作成するように適合されていることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器
具。
【請求項7】
前記シャフ
トおよび/または前記遠位端
部が、前記シャフ
トの長手方向
軸を中心として回転可能に取り付けられた径方向外側のシー
スを有し、少なくとも1つの前記画像捕捉ユニッ
トが前記シー
ス内に一体化され、これにより、前記体腔内画
像のための検出可能な領域を拡張するために、前記画像捕捉ユニット
が前記長手方向
軸を中心として回転可能であることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器
具。
【請求項8】
回転可能な前記シー
スは、中空の円筒の形態に構成され、この円筒は
、シャフ
トの形態の中心支持部周りに回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項7に記載の医療器
具。
【請求項9】
患
者に対する外科処置に使用するための手術支援システ
ムであって、
請求項
1に記載の医療器
具と、
視覚的コンテンツを表示するための少なくとも1つの表示装
置と、
前記医療器
具の前記ハンドリング部の前記基準システ
ムの位置および向きの検出を介して、前記遠位先端
部および/または前記画像捕捉ユニッ
トの位置および/または向きを決定するように適合された幾何学的追跡システ
ムと、
デジタル3D画像デー
タを提供するように適合されたデータ提供ユニッ
トと、
制御ユニッ
トであって、前記データインターフェー
スを介して提供される前記体腔内画
像および前記3D画像デー
タを処理するよう
に前記表示装置によって視覚的に出力される、前記体腔内画
像の少なくとも1つの表現と前記3D画像デー
タのビューの表現との両方を有する複合表
現を生成するように適合された制御ユニッ
トと、
を備える手術支援システ
ム。
【請求項10】
前記基準システ
ムが、少なくとも3つの互いに間隔をおいて配置され
た赤外線反射マー
カを備えており、前記幾何学的追跡システ
ムが、前記遠位先端
部の位置および/または向きを決定するために前記赤外線反射マーカを空間的に検出するように適合された、少なくとも1つの3Dカメ
ラまたはステレオカメラを有する3Dカメラシステムを備えることを特徴とする、請求項9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項11】
前記基準システ
ムは、光学パター
ンを有する剛体を備え、前記追跡システ
ムは、光学パターンを有する前記剛体を検出するように適合された少なくとも1つのカメラを有するカメラシステムを備えることを特徴とする、請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項12】
前記基準システ
ムは電磁セン
サを備え、前記追跡システ
ムは電磁センサシステムを備え、前記電磁センサシステムは前記センサシステムに対して前記電磁セン
サを空間的に検出するためのものであることを特徴とする、請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項13】
前記追跡システ
ムが前記ハンドリング
部を捕捉するために、少なくとも1つのカメ
ラをさらに備えており、
前記ハンドリング
部は、記憶ユニッ
トに記憶されている基準システ
ムとして所定の形状を有しており、
前記追跡システ
ムは、前記所定の形状に基づいて前記遠位先端
部の位置および/または向きを決定する、ことを特徴とする請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項14】
前記医療器具
の前記遠位先端部が神経モニタリングを行うように適合された電極をさらに備え、前記制御ユニッ
トが、前記神経モニタリングに基づいて、前記体腔内画
像と前記3D画像デー
タとの相関を行うように適合されていることを特徴とする、請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項15】
前記3D画像デー
タは、MRI画像データ、CT画像データおよび/または3D超音波データを備えることを特徴とする、請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項16】
前記制御ユニッ
トが、
前記体腔内画
像と前記3D画像デー
タのビューを並べて表示する形式の複合表現を作成する、または、前記体腔内画
像と、相関された前記3D画像デー
タの重ね合わせ表現の形式
で相関表現を作成するように適合されていることを特徴とする、請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項17】
前記制御ユニッ
トは、少なくとも1つの前記画像捕捉ユニットの焦点軸および/または可動範囲および/または視野
の光学的パラメータを、前記複合表現の前記3D画像デー
タにおいて徐々に増加させる(fade in)ように適合されていることを特徴とする請求項
9に記載の手術支援システ
ム。
【請求項18】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項
9に記載の手術支援システ
ムにおいて複合表
現を視覚化するための画像表現方法
を実行させる命令を備えるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記医療器
具の前記画像捕捉ユニッ
トによって体腔内画
像を作成するステップと、
前記追跡システ
ムによって前記基準システ
ムの姿勢を検出するステップと、
前記制御ユニッ
トによって、前記基準システ
ムの検出された姿勢と、前記基準システムに対する前記遠位先端
部および/または前記画像捕捉ユニッ
トの所定の姿勢とを介して、前記遠位先端
部および/または前記画像捕捉ユニッ
トの位置および/または向きを計算するステップと、
前記制御ユニッ
トによって、前記体腔内画像の少なくとも1つの表
現と前記3D画像データのビューの表
現の両方を有する、複合表
現を生成するステップと
、
前記表示装置によって前記複合表
現を出力するステップ、を備えることを特徴とする、画像表現方法。
【請求項19】
前記医療器具は、前記ハンドリング部と前記遠位先端部の間に剛性長手方向軸を有していることを特徴とする、請求項1に記載の医療機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
図7は、患者Pの3D画像データ3DAのビューに統合的に表示される、器具1の2つの画像捕捉ユニット12を介した(2つの)体腔内画像IAの相関表示の形態での複合表現を有する手術用モニタ102の例示的な表現を示す。仮想の遠位先端部6と2つの体腔内画像IAとの両方が、正しい姿勢で3D画像データ3DAに重畳表示されている。手術支援システム100では、遠位先端部6に対する捕捉センサ14の視体積(visual volume)が、3次元画像データと重畳して表示される。
本明細書で開示する技術は、以下の事項を含む。
事項1
医療、詳細には外科用器具(1)であって、
近位のハンドリング部、詳細にはハンドル(2)と、
患者(P)の体腔内に挿入されるように適合され、前記患者(P)の体腔内組織を触診するように適合された遠位先端部(6)を有する遠位端部(4)であって、詳細には先の丸い遠位端部(4)と、
前記近位ハンドリング部を前記遠位端部(4)に接続するシャフト(8)であって、前記器具(1)、詳細には前記ハンドリング部が、前記遠位先端部(6)に対して所定の姿勢を有する幾何学的基準システム(10)を有し、それにより前記遠位先端部(6)の位置および/または向きが前記幾何学的基準システム(10)を介して決定可能であるシャフト(8)と、
を備えており、
前記シャフト(8)の、詳細には遠位側の一部、および/または前記遠位端部(4)が、捕捉方向(16)に体腔内画像(IA)を作成するための捕捉センサ(14)と、前記体腔内画像(IA)を照明するためのランプ(18)とを有する少なくとも1つの画像捕捉ユニット(12)を備えており、
前記画像捕捉ユニット(12)は、コンピュータ読み取り可能な方法で前記体腔内画像(IA)を提供するように適合されており、
前記画像捕捉ユニット(12)は、好ましくは、前記基準システム(10)に関して、および/または前記遠位先端部(6)に関して、決定可能な、詳細には予め決定された捕捉位置および/または捕捉向きを有すること、および、前記医療器具(1)はデータインターフェース(20)を備え、
前記データインターフェース(20)は、少なくとも前記体腔内画像(IA)、好ましくはさらに前記幾何学的基準システム(10)に対する前記遠位先端部の所定の姿勢および/または少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)の決定可能な前記捕捉位置および/または前記捕捉向きを提供するために、データを送信するように詳細にはデータを送受信するように適合されていることを特徴とする、医療器具(1)。
事項2
前記画像捕捉ユニット(12)の少なくとも1つの前記捕捉センサ(14)は、CCDセンサおよび/またはCMOSセンサであることを特徴とする、事項1に記載の医療器具(1)。
事項3
前記ランプ(18)がLEDの形態であり、好ましくは前記遠位端部(4)、詳細には前記遠位先端部(6)に一体化されていることを特徴とする、事項1または2に記載の医療器具(1)。
事項4
前記遠位端部(4)の2つの異なる、詳細には互いに背を向けた径方向外面から、2つの異なる、詳細には互いに反対の捕捉方向(16)の体腔内画像(IA)を作成するために、2つの画像捕捉ユニット(12)が前記遠位端部(4)、詳細には前記遠位先端部(6)に一体化され、前記遠位端部(4)の長手方向軸(L)に対して、好ましくは正反対に、互いに角度をなして配置されていることを特徴とする、事項1から3のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
事項5
前記画像捕捉ユニット(12)は、2D画像および/または3D画像を作成するように適合され、詳細には前記捕捉センサ(14)として2Dセンサおよび/または3Dセンサを備えることを特徴とする、事項1から4のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
事項6
少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)、詳細には前記捕捉センサ(14)および/または前記ランプ(18)が、蛍光体腔内画像(IA)を作成するように適合されていることを特徴とする、事項1から5のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
事項7
前記シャフト(8)および/または前記遠位端部(4)が、前記シャフト(8)の長手方向軸(L)を中心として回転可能に取り付けられた径方向外側のシース(32)を有し、少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)が、詳細には、捕捉方向(16)が径方向外側を向いた状態で前記シース(32)内に一体化され、これにより、前記体腔内画像(IA)のための検出可能な領域を拡張するために、前記画像捕捉ユニット(12)が前記長手方向軸(L)を中心として回転可能であることを特徴とする、事項1から6のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
事項8
回転可能な前記シース(32)は、好ましくは遠位キャップを有する中空の円筒の形態に構成され、この円筒は、詳細にはシャフト(34)、好ましくは中空のシャフトの形態の中心支持部周りに回転可能に取り付けられることを特徴とする、事項7に記載の医療器具(1)。
事項9
患者(P)に対する外科処置に使用するための手術支援システム(100)であって、
事項1から8のいずれか一項に記載の医療器具(1)と、
視覚的コンテンツを表示するための少なくとも1つの表示装置、詳細には手術用モニタ(102)と、
前記医療器具(1)の前記基準システム(10)の位置および向きの検出を介して、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きを決定するように適合された幾何学的追跡システム(104)と、
前記患者(P)のデジタル3D画像データ(3DA)、詳細には術前3D画像データ(3DA)を提供するように適合されたデータ提供ユニット(106)、詳細には記憶ユニット(108)と、
制御ユニット(110)であって、前記データインターフェース(20)を介して提供される前記体腔内画像(IA)および前記3D画像データ(3DA)を処理するように、および、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きが好ましくは含まれ前記表示装置によって視覚的に出力される、前記体腔内画像(IA)の少なくとも1つの表現と前記3D画像データ(3DA)のビューの表現との両方を有する複合表現(K)、詳細には相関表現を生成するように適合された制御ユニット(110)と、
を備える手術支援システム(100)。
事項10
前記基準システム(10)が、好ましくは少なくとも3つの互いに間隔をおいて配置された、詳細には球状の、赤外線反射マーカ(22)を備えており、前記幾何学的追跡システム(104)が、前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを決定するために前記赤外線反射マーカを空間的に検出するように適合された、少なくとも1つの3Dカメラ(112)またはステレオカメラを有する3Dカメラシステムを備えることを特徴とする、事項9に記載の手術支援システム(100)。
事項11
前記基準システム(10)は、光学パターン、詳細にはQRマーカを有する剛体を備え、前記追跡システム(104)は、光学パターンを有する前記剛体を検出するように適合された少なくとも1つのカメラを有するカメラシステムを備えることを特徴とする、事項9または10に記載の手術支援システム(100)。
事項12
前記基準システム(10)は電磁センサ(24)を備え、前記追跡システム(104)は電磁センサシステムを備え、前記電磁センサシステムは前記センサシステムに対して前記電磁センサ(24)を空間的に検出するためのものであることを特徴とする、事項9から11のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項13
前記追跡システム(104)が、前記医療器具(1)、詳細には前記ハンドリング部(2)を捕捉するために、少なくとも1つのカメラ、詳細には手術用顕微鏡のカメラをさらに備えており、
前記医療器具(1)、詳細には前記ハンドリング部(2)は、記憶ユニット(108)に記憶されている基準システム(10)として所定の形状を有しており、
前記追跡システム(104)、詳細には前記制御ユニット(110)は、詳細にはマシンビジョンを用いて、前記所定の形状に基づいて前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを決定する、ことを特徴とする事項9から12のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項14
前記医療器具(1)が、詳細には前記遠位先端部(6)に、神経モニタリングを行うように適合された電極をさらに備え、前記制御ユニット(110)が、前記神経モニタリングに基づいて、前記体腔内画像(IA)と前記3D画像データ(3DA)との相関を行うように適合されていることを特徴とする、事項9から13のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項15
前記3D画像データ(3DA)は、MRI画像データ、CT画像データおよび/または3D超音波データを備えることを特徴とする、事項9から14のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項16
前記制御ユニット(110)が、
前記体腔内画像(IA)と前記3D画像データ(3DA)のビューを並べて表示する形式の複合表現を作成する、または、前記体腔内画像(IA)と、相関された前記3D画像データ(3DA)の重ね合わせ表現の形式で、詳細には正しい姿勢での相関表現を作成するように適合されていることを特徴とする、事項9から15のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項17
前記制御ユニット(110)は、光学的パラメータ、詳細には少なくとも1つの前記画像捕捉ユニット(12)の焦点軸および/または可動範囲および/または視野を、前記複合表現の前記3D画像データ(3DA)において徐々に増加させる(fade in)ように適合されていることを特徴とする事項9から16のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)。
事項18
事項9から17のいずれか一項に記載の手術支援システム(100)において、
複合表現、詳細には相関表現を視覚化するための画像表現方法であって、
前記医療器具(1)の前記画像捕捉ユニット(12)によって体腔内画像(IA)を作成するステップと、
前記追跡システム(104)によって前記基準システム(10)の姿勢を検出するステップと、
前記制御ユニット(110)によって、前記基準システム(10)の検出された姿勢と、前記基準システム(10)に対する前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の所定の姿勢とを介して、前記遠位先端部(6)および/または前記画像捕捉ユニット(12)の位置および/または向きを計算するステップと、
前記制御ユニット(110)によって、前記体腔内画像の少なくとも1つの表現(IA)と前記3D画像データのビューの表現(3DA)の両方を有する、複合表現(K)、詳細には相関表現を生成するステップと、
好ましくは、前記複合表現(K)の前記3D画像データ(3DA)のビューにおける前記遠位先端部(6)の位置および/または向きを追加する、詳細には重ね合わせるステップと、
前記表示装置によって前記複合表現(K)を出力するステップ、を備えることを特徴とする、画像表現方法。
事項19
コンピュータによって実行されると、事項18に記載の画像表現方法の方法ステップを前記コンピュータに実行させる命令を備える、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】