(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】デュアル回転軸アンキャッパを備える自動サンプラーシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240625BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G01N35/02 B
G01N35/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575643
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022032502
(87)【国際公開番号】W WO2022261096
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516257707
【氏名又は名称】エレメンタル・サイエンティフィック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ELEMENTAL SCIENTIFIC, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,マシュー,アール
(72)【発明者】
【氏名】メインツ,ジェレミア
(72)【発明者】
【氏名】ヨスト,タイラー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CA02
2G058CB15
2G058EA02
2G058EA07
2G058ED03
2G058GB10
(57)【要約】
自動サンプラーシステムを備える自動化されたキャップ取り外しのシステムおよび方法が説明される。一態様では、自動サンプラーシステムは、サンプルラックと、サンプルラックをロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるように構成されたサンプル容器スタビライザと、第1のz軸支持体によって支持されるアンキャッパと、第2のz軸支持体によって前記支持されたサンプルプローブと、を含むが、限定されない。アンキャッパは、サンプルラックがロック状態にある場合、サンプルラックに保持されたサンプル容器からキャップを取り外すように構成される。アンキャッパは、取り外されたキャップの位置を変更するように構成されており、サンプル容器をサンプルラックから除去することなくサンプルプローブがサンプル容器の内部にアクセスできるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルラックと、
前記サンプルラックをロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるように構成されたサンプル容器スタビライザと、
第1のz軸支持体によって支持されたアンキャッパと、
第2のz軸支持体によって支持されたサンプルプローブと、を備え、
前記アンキャッパは、前記サンプルラックが前記ロック状態にある場合、前記サンプルラックによって保持されたサンプル容器からキャップを取り外すように構成されており、前記アンキャッパは、前記サンプル容器を前記サンプルラックから除去することなく、前記サンプルプローブによる前記サンプル容器の内部へのアクセスを可能にするように、取り外された前記キャップの位置を変更するように構成されている、自動サンプラーシステム。
【請求項2】
前記第1のz軸支持体および前記第2のz軸支持体の各々に少なくとも回転運動および並進運動を提供するように構成されたモーターシステムをさらに備える、請求項1に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項3】
前記モーターシステムは、前記第1のz軸支持体に結合されるとともに、前記アンキャッパを移動させるために前記第1のz軸支持体に回転運動および並進運動を提供するように構成された第1のキャリッジを含む、請求項2に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項4】
前記モーターシステムは、前記第2のz軸支持体に結合されるとともに、前記サンプルプローブを前記移動させるために前記第2のz軸支持体に回転運動および並進運動を提供するように構成された第2のキャリッジを含む、請求項3に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項5】
前記サンプルラックの少なくとも一部を支持するように構成されたデッキをさらに含み、前記デッキは、前記第1のz軸支持体または前記第2のz軸支持体の少なくとも一方が並進運動中に通過するように構成された少なくとも1つのチャネルを画定する、請求項2に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項6】
前記デッキは、前記第1のz軸支持体および前記第2のz軸支持体の各々が並進運動中に通過するように構成された共通チャネルを画定する、請求項5に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項7】
前記アンキャッパは、アンキャッパ本体と、前記アンキャッパ本体に回転可能に結合されたキャップインターフェースと、を含み、前記アンキャッパ本体が前記第1のz軸支持体に結合されている、請求項1に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項8】
前記アンキャッパ本体は、前記キャップに運動を提供するために前記アンキャッパ本体に対して前記キャップインターフェースを回転させるように構成されたモーターを支持する、請求項7に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項9】
前記キャップインターフェースは、前記キャップの少なくとも一部を前記キャップインターフェースの内部領域に受け入れる場合、取り外された前記キャップに対して真空吸引を行うように構成された真空構造を含む、請求項7に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項10】
前記真空構造は、前記キャップインターフェースに対する前記キャップの有無の少なくとも一方を記録するように構成された真空センサを含む、請求項9に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項11】
前記真空センサが前記キャップの状態を示す信号を生成するように構成され、前記自動サンプラーシステムが前記信号に応答して前記サンプルプローブを移動させるように構成される、請求項10に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項12】
前記サンプルラックは、前記サンプル容器を受け入れる第1の複数の開口部を含み、前記サンプル容器スタビライザは、前記サンプル容器を受け入れる第2の複数の開口部を含む、請求項1に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項13】
前記サンプル容器スタビライザが前記ロード状態/アンロード状態にある場合、前記第1の複数の開口部は前記第2の複数の開口部と整列され、前記サンプル容器スタビライザが前記ロック状態にある場合、前記第1の複数の開口部は前記第2の複数の開口部から部分的にオフセットされる、請求項1に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項14】
サンプルラックと、
前記サンプルラックをロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるように構成されたサンプル容器スタビライザと、
第1のz軸支持体に支持されて、アンキャッパ本体と、前記アンキャッパ本体に回転可能に結合されたキャップインターフェースとを含み、前記アンキャッパ本体が前記第1のz軸支持体に結合されているアンキャッパと、
第2のz軸支持体によって支持されたサンプルプローブと、
前記第1のz軸支持体および前記第2のz軸支持体の各々に少なくとも回転運動および並進運動を提供するように構成されており、前記アンキャッパは、前記サンプルラックが前記ロック状態にある場合、前記キャップインターフェースとキャップとの間での相互作用を介して、前記サンプルラックによって保持されたサンプル容器からキャップを取り外すように構成され、前記アンキャッパは、前記アンキャッパ本体の回転運動を介して、取り外された前記キャップの位置を変更して、前記サンプル容器を前記サンプルラックから除去することなく、前記サンプルプローブによる前記サンプル容器の内部へのアクセスを可能にするように構成されたモーターシステムと、を備える自動サンプラーシステム。
【請求項15】
前記モーターシステムは、前記第1のz軸支持体に結合されるとともに、前記第1のz軸支持体に回転運動および並進運動を提供して前記アンキャッパを移動させるように構成された第1のキャリッジを含み、前記モーターシステムは、前記第2のz軸支持体に結合されるとともに、前記第2のz軸支持体に回転運動および並進運動を提供して前記サンプルプローブを移動させるように構成された第2のキャリッジを含む、請求項14に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項16】
前記サンプルラックの少なくとも一部を支持するように構成されたデッキをさらに含み、前記デッキは、前記第1のz軸支持体または前記第2のz軸支持体の少なくとも一方が並進運動中に通過するように構成された少なくとも1つのチャネルを画定する、請求項14に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項17】
前記デッキは、前記第1のz軸支持体および前記第2のz軸支持体の各々が並進運動中に通過するように構成された共通チャネルを画定する、請求項16に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項18】
前記アンキャッパ本体は、前記キャップに運動を提供するために前記アンキャッパ本体に対して前記キャップインターフェースを回転させるように構成されたモーターを支持する、請求項14に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項19】
前記キャップインターフェースは、前記キャップの少なくとも一部を前記キャップインターフェースの内部領域に受け入れる場合、取り外された前記キャップに対して真空吸引を行うように構成された真空構造を含む、請求項14に記載の自動サンプラーシステム。
【請求項20】
前記真空構造は、前記キャップインターフェースに対する前記キャップの有無の少なくとも一方を記録するように構成された真空センサを含み、前記真空センサは、前記キャップの状態を示す信号を生成するように構成され、前記自動サンプラーシステムは、前記信号に応答して前記サンプルプローブを移動させるように構成される、請求項19に記載の自動サンプラーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年6月8日に出願され、「デュアル回転軸アンキャッパを備える自動サンプラーシステム」というタイトルの米国仮出願第63/208302号の優先権の利益を主張する。米国仮出願第63/208302号は、参照によりその全体がこの明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの実験室環境では、一度に多数の化学サンプルまたは生化学サンプルを分析する必要があることが多い。このようなプロセスを合理化するために、サンプルの操作は機械化されている。このような機械化されたサンプリングは、一般に自動サンプリングと呼ばれ、自動サンプリング装置または自動サンプラーを使用して実行される。
【発明の概要】
【0003】
自動サンプラーシステムを備える自動化されたキャップ取り外しのためのシステムおよび方法が説明される。一態様では、自動サンプラーシステムは、サンプルラックと、サンプルラックをロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるように構成されたサンプル容器スタビライザと、第1のz軸支持体によって支持されるアンキャッパ(uncapper)と、第2のz軸支持体によって支持されるサンプルプローブと、を含むが、限定されない。アンキャッパは、サンプルラックがロック状態にある場合、サンプルラックに保持されたサンプル容器からキャップを取り外すように構成される。アンキャッパは、取り外されたキャップの位置を変更するように構成されており、サンプル容器をサンプルラックから除去することなくサンプルプローブがサンプル容器の内部にアクセスできるようになる。
【0004】
一態様では、自動サンプラーシステムは、サンプルラックと、サンプルラックをロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるように構成されたサンプル容器スタビライザと、第1のz軸支持体によって支持されて、アンキャッパ本体と、アンキャッパ本体に回転可能に結合されたキャップインターフェースとを含み、アンキャッパ本体が第1のz軸支持体に結合されるアンキャッパと、第2のz軸支持体によって支持されるサンプルプローブと、第1のz軸支持体および第2のz軸支持体のそれぞれに少なくとも回転運動および並進運動を提供するように構成されるモーターシステムと、を含むが、限定されない。アンキャッパは、サンプルラックがロック状態にある場合、キャップインターフェースとキャップとの間での相互作用を介して、サンプルラックによって保持されたサンプル容器からキャップを取り外すように構成されている。アンキャッパは、アンキャッパ本体の回転運動を介して取り外されたキャップの位置を変更するように構成され、サンプル容器をサンプルラックから除去することなくサンプルプローブがサンプル容器の内部にアクセスできるようになる。
【0005】
この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化した形式で紹介するために提供される。この概要は、請求された主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、請求された主題の範囲を決定する際の援助として使用されることを意図したものでもない。
【0006】
添付図面を参照して詳細な説明を説明する。説明および図面における異なる場合における同じ参照番号の使用は、類似または同一の項目を示す場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この開示の例示的な実施形態に係る、デュアル回転軸アンキャッパを備える自動化されたキャップ取り外しおよびサンプルの調製のための自動サンプラーシステムの概略図である。
【
図2A】この開示の例示的な実施形態に係る、デュアル回転軸アンキャッパを備える自動化されたキャップ取り外しおよびサンプル調製のための自動サンプラーシステムの斜視図である。
【
図2B】
図2Aの自動サンプラーシステムの部分平面図である。
【
図3】
図2Aの自動サンプラーシステムのアンキャッパの部分側面図であり、サンプル容器のキャップとの相互作用を示す。
【
図4】
図2Aの自動サンプラーシステムのアンキャッパの部分側面図であり、この開示の例示的な実施形態に係るサンプルラックにおいてサンプル容器のキャップを回転する様子を示す。
【
図5】
図2Aの自動サンプラーシステムのアンキャッパの部分側面図であり、サンプルラックにおいてサンプル容器からキャップを持ち上げる様子を示す。
【
図6A】この開示の例示的な実施形態に係る、ロード方向/アンロード方向においてサンプル容器スタビライザを備えたサンプルラックの斜視図である。
【
図6B】
図6Aのサンプル容器スタビライザを備えたサンプルラックの斜視図であり、この開示の例示的な実施形態に係るロックされた方向で示される。
【
図7A】
図6Aのサンプル容器スタビライザを備えたサンプルラックの部分底面図であり、サンプルラックの一部をロード方向/アンロード方向とロック方向との間で摺動させるための空気圧アクチュエータを備えた状態を示す。
【
図7B】
図6Aのサンプル容器スタビライザを備えたサンプルラックの部分端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
自動サンプリング装置すなわち自動サンプラーは、1つまたは複数の移動方向に沿ってまたは1つまたは複数の移動方向に交差してサンプルプローブを移動させる垂直方向に向いたロッドに対して、サンプルプローブを支持できる。例えば、サンプルプローブは、自動サンプラーのデッキ上において、サンプル容器(例えば、チューブまたは他の容器)、リンス容器、標準化学容器、希釈剤容器等の内外にプローブを位置決めするように、垂直方向にプローブを移動させるために、プローブ支持アームまたは他の装置によってロッドの垂直方向に移動可能な部分に結合されることができる。他の状況では、ロッドを回転させて、プローブを水平面に対して移動しやすくでき、例えば、他のサンプル容器やデッキ上に配置された他の容器の上方にプローブを配置できる。
【0009】
デッキ上に配置されたサンプル容器は、サンプルプローブがアクセスできるようにサンプル容器を分散した位置に配置するために、サンプルラックまたはサンプルホルダーによって支持されることができる。サンプル容器内に保持されたサンプルの外部汚染を防止するために、サンプルの一部がサンプル容器から蒸発またはその他の方法で出ていくことを防止するために、近くの人(例えば、研究室のスタッフ)とサンプル容器に含まれる潜在的に危険な物質との間に分離を提供するために、サンプル容器は、キャップ、蓋、セプタム、またはその他の構造によって覆われることができる。サンプルプローブが密封されたサンプル容器内に含まれるサンプルと相互作用するためには、密封装置(例えば、キャップ、蓋、セプタムなど)をサンプルプローブによって取り外しまたは貫通させることができる。例えば、自動化されたキャップ取り外しシステムは、密封されたサンプル容器をサンプルラックから除去し、密封されたサンプル容器をサンプルラックから離れたアンキャッパステーションに再位置決めし、キャップまたは他の密封を除去する。その後、露出したサンプル容器をサンプルラックまたは別のサンプルラックに戻し、サンプル容器から物質を添加または除去することができる。密封または非密封のサンプル容器が移動するたびに、分析エラーや安全上の懸念が増大する。例えば、サンプル容器は、誤ったサンプルラックに移されたり、誤ったラベルが貼られたり、誤った物質がサンプル容器に添加されたり、環境汚染物質に汚染されたり、潜在的に危険な物質が近隣の人々に暴露されたりする可能性がある。
【0010】
したがって、自動サンプラーシステムを備える自動化されたキャップ取り外しのためのシステムおよび方法が開示される。一態様では、自動サンプラーシステムは、自動サンプラーシステムでサンプル容器を所定の位置にロックするロック状態と、サンプル容器支持構造からのサンプル容器の導入または除去を可能にするロード状態/アンロード状態とを有するサンプル容器スタビライザを有するサンプル容器支持構造を含む。自動サンプラーシステムはまた、サンプル容器支持構造に保持されたサンプル容器にアクセスするために配置されたアンキャッパおよびサンプルプローブ支持体を含む。アンキャッパは、サンプル容器スタビライザがロック状態にある場合に、キャップ、蓋または他のシールをサンプル容器から取り外すように構成され、別のアンキャッパステーションへの搬送のためにサンプル容器を取り外すことなくキャップの取り外しを提供する。キャップが取り外されると、アンキャッパがサンプル容器と相互作用した場合と同様のサンプル容器支持体の位置にサンプル容器が留まりながら、サンプルプローブ支持体は、サンプルプローブをサンプル容器の内にまたはサンプル容器の上方の位置に移動させて、サンプル容器から物質を添加または除去することができる。実施態様において、アンキャッパおよびサンプルプローブ支持体は、それぞれの構造の回転運動、横方向運動および垂直方向運動の1つ以上を提供する別個の垂直支持体に結合される。実施態様では、別個の垂直支持体は、自動サンプラーシステムのデッキに形成された共通のチャネルを通じて垂直支持体を移動させる共通のレールシステムを備えた別個のモーターキャリッジを介して移動される。
【0011】
実施形態
図1Aから
図7Bを参照する。この開示の例示的な実施形態に係る、自動化されたキャップ取り外しおよびサンプルプローブ導入のための自動サンプラーシステム(「システム100」)が示される。システム100は、一般に、サンプルラック102、サンプル容器スタビライザ104、アンキャッパ106、サンプルプローブ108およびシステムコントローラ110を含む。サンプルラック102は、複数の開口部112(例えば、
図6Aおよび
図6Bに示される)を画定して、複数のサンプル容器114をそれぞれの開口部112に受け入れる。サンプルラック102は、サンプル容器114をシステム100のデッキ116上に支持する安定したプラットフォームを提供し、アンキャッパ106およびサンプルプローブ108の各々にアクセス可能である。サンプル容器114は、試験管、バイアル、ボトル、および固体、液体、流体、および他のサンプル材料を保持するための他の容器を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、サンプル容器114は、相補的なねじ切りまたは他の固定構造などを通じて、ボトルに回転可能に固定される対応するキャップ118を有するサンプルボトルとして
図1に示されている。しかしながら、システム100は、サンプル容器114のキャップおよびボトルの構成に限定されず、サンプル容器114の様々な構成に対応できる。
【0012】
アンキャッパ106は、一般に、z軸支持体120、アンキャッパ本体122およびキャップインターフェース124を含む。z軸支持体120は、システム100のデッキ116に対するアンキャッパ本体122の回転運動、並進運動および垂直運動を提供する。実施態様では、z軸支持体120は、z軸支持体120の垂直運動および回転運動を提供し、またシステム100のデッキ116を貫通して形成されたチャネル128を通してz軸支持体120の並進運動を提供する第1のキャリッジ126を介して駆動される。アンキャッパ本体122は、z軸支持体120およびキャップインターフェース124の各々に結合されており、z軸支持体120の運動がアンキャッパ本体122およびキャップインターフェース124の各々に変換され、キャップインターフェース124をサンプルラック102によって保持されたサンプル容器114のキャップ118に対して位置決めするようになっている。サンプルプローブ108は、一般に、z軸支持体130、プローブ支持アーム132およびプローブ134を含む。実施態様では、z軸支持体130は、z軸支持体130の垂直運動および回転運動を提供し、システム100のデッキ116を貫通して形成されたチャネル128を通るz軸支持体130の並進運動も提供する第2のキャリッジ136を介して駆動される。プローブ支持アーム132は、z軸支持体130およびプローブ134の各々に結合され、z軸支持体130の運動がプローブ支持アーム132およびプローブ134の各々に並進され、サンプルラック102によって保持されたサンプル容器114に対してプローブ134を位置決めし(例えば、キャップ118がアンキャッパ106によって取り外されると、サンプル容器114の内部に流体を導入し、またはそこから流体を除去し)、システム100のリンスステーションまたは他の部分にプローブ134を位置決めするようにする。キャリッジ駆動式のz軸支持体120および130の実施例は、米国特許出願第14/525531号および米国特許出願第17/208136号に提供されており、これらの各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0013】
図3から
図5を参照する。例示的な実施形態に従って、アンキャッパ106を介してサンプル容器114からキャップ118を取り外す手順が示されている。システム100は、z軸支持体120を位置決めしてキャップインターフェース124を所望のサンプル容器114の上方にもたらし、キャップインターフェース124を(例えば、z軸支持体120に沿ってアンキャッパ本体122を下降させて)所望のサンプル容器114のキャップ118に近接させる。例えば、システムコントローラ110は、サンプルスケジュールにアクセスして、どのボトルが分析のための次のサンプルを含むかを決定し、キャップインターフェース124を、次のサンプルを保持するサンプル容器114の上方に位置決めできる(例えば、インデックスまたは他の位置決めシステムを介して)。実施態様では、キャップインターフェース124は、内部領域300の内面302とキャップ118の外面との間の物理的相互作用を提供するために、キャップ118の少なくとも一部がフィットする内部領域300を画定する。例えば、キャップインターフェース124は、キャップ118の外面に対応するかまたは物理的に相互作用する、内面302の一部から延在するかまたは内面302の一部を形成する1つまたは複数の突起、隆起、表面特徴など、キャップ118の1つまたは複数の突起、隆起、表面特徴などおよびそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、
図3は、キャップインターフェース124の回転により突起304が突起306に物理的に接触してキャップ118を回転させるように、キャップ118の外面上の突起306と連携するように位置決めされた突起304を含むキャップインターフェース124の内面302を示す。
【0014】
実施態様において、アンキャッパ本体122は、キャップインターフェース124の回転を提供するためのモーターを収容し、キャップインターフェース124の回転は、サンプル容器114に対してキャップ118を緩めるため、またはサンプル容器114に対してキャップ118を締めるために、キャップ118の対応する回転を提供する。ユーザーは、(例えば、システムコントローラ110と通信可能に結合されたユーザーインターフェースを介して)キャップ118に適用される最大トルク値を設定し、最大トルク値を満たすかまたは超えるトルクを達成する際にキャップ118の回転を防止できる。例えば、システム100は、キャップ118に加えられるトルクを監視するトルクセンサ(例えば、アンキャッパ106に結合される)を含むことができ、ここで、最大トルク値を満たすかまたは超えるトルクを感知すると、システム100は、キャップインターフェース124の回転を停止する(例えば、サンプル容器114、キャップ118などへの損傷を防止するために)。
【0015】
実施態様では、アンキャッパ102は、キャップインターフェース124内に配置された真空構造138を含み、キャップ118に対して真空吸引を行い、緩んだキャップ118をキャップインターフェース124内に保持する。例えば、真空構造138は、サンプル容器114からキャップ118を取り外すためのアンキャッパ106(例えば、
図5に示す)の上方動作の間、緩んだキャップ118(例えば、キャップインターフェース124の回転によるキャップ118の回転緩みの後)をキャップインターフェース124内に保持できる。その後、アンキャッパ106は、サンプルプローブ108によるサンプル容器114内部へのアクセスを提供するために、取り外されたキャップ118をサンプル容器114から離して配置できる。例えば、z軸支持体120は、キャップ118による障害なしにサンプルプローブ108がサンプル容器114の内部に導入されることを可能にするために、取り外されたキャップ118をサンプル容器114の開口部から離して配置するために、アンキャッパ本体122をサンプル容器114の垂直軸から離して回転させることができる。
【0016】
実施態様では、アンキャッパ106は、キャップインターフェース124に対するキャップ118の有り、キャップインターフェース124に対するキャップ118の無し、またはそれらの組み合わせを登録するように構成された真空センサを含む。真空センサは、キャップ118の状態(例えば、締められた、緩められた、サンプル容器114の所定位置にある、サンプル容器114の上方に垂直に配置された、回転させられた、または他の方法でサンプル容器114から離れて配置されたなど)に関する情報をシステム100に提供するために、キャップ118の有無を示す検出信号を生成できる。例えば、検出信号は、サンプル容器114の内部が利用可能である場合にサンプルプローブ108の移動をトリガーするなど、キャップ118の状態に基づいてシステム100の側面を制御するためにシステムコントローラ110に送ることができる。実施態様では、真空センサは、キャップインターフェース124がキャップ118の上の位置にあるか、キャップ118に接触しているか、キャップ118に対して真空吸引を行っているかなどを検出するために、真空構造138と統合されている。
【0017】
システム100は、サンプルラック102におけるサンプル容器114のロード、アンロードおよびロックを制御するためのサンプル容器スタビライザ104を含む。実施態様において、サンプルラックは、サンプルラック102の開口部112内の所定位置にサンプル容器114をロックするロック状態と、サンプルラック102からのサンプル容器114の導入または除去を可能にするロード状態/アンロード状態との間でサンプルラックを移行させるサンプル容器スタビライザ104を含む。例えば、ロック状態にある場合、サンプル容器114は、アンキャッパ106がキャップインターフェース124を回転させてキャップ118を緩め、ロックされたサンプル容器114から取り外すことができるように(例えば、開口部112内でのサンプル容器114の実質的な回転を伴って)サンプルラック102内に固定される。実施態様では、サンプル容器スタビライザ104は、空気圧ピストン、電気駆動または他の動力駆動構造の作動などを通じて、ロック状態とロード状態/アンロード状態との間で駆動される構造を含む。
【0018】
サンプル容器スタビライザ104の実施形態が、
図6Aから
図7Bに示されている。サンプル容器スタビライザ104は、サンプル容器スタビライザ104のロード状態/アンロード状態を提供する第1の位置(例えば、
図6Aに示す)と、サンプル容器スタビライザ104のロック状態を提供する第2の位置(例えば、
図6Bに示す)との間で摺動する摺動可能な支持構造140を含むことができる。摺動可能な支持構造140は、サンプル容器スタビライザ104の幅を横方向に摺動することも、サンプル容器スタビライザ104の長さを横切って縦方向に摺動することも、異なる向きを横切って摺動することも、あるいはそれらの組み合わせを横切って摺動することもできる。実施態様において、摺動可能な支持構造140は、第1の位置にある場合、摺動可能な支持構造140の開口部がサンプルラック102の開口部112と重なり、サンプル容器114をサンプルラック102に導入するか、またはサンプル容器114をサンプルラック102から除去するために、各開口部を通じてサンプル容器114の垂直アクセスを提供するように、サンプルラック102の開口部112に対応する複数の開口部を含む。第2の位置にある場合、摺動可能な支持構造140の開口部は、サンプルラック102の開口部112から部分的にオフセットされ、摺動可能な支持構造140、サンプル容器114およびサンプルラック102の間の摩擦干渉により、サンプル容器114の垂直方向運動および回転運動を制限する。例えば、摺動可能な支持構造140は、サンプル容器114をサンプルラック102に押し付けて摩擦干渉を与えることができる。
【0019】
実施態様では、サンプルラック102は、ロード状態/アンロード状態とロック状態との間でサンプルラック102の全体を移行させるための単一の摺動可能な支持構造140、またはロード状態/アンロード状態とロック状態との間でサンプルラック102の1つ以上のセクションを移行させるための複数の摺動可能な支持構造140を含むことができる(例えば、
図6Aおよび
図6Bに示すように)。例えば、複数の摺動可能な支持構造140は、サンプルラック102の単一の行、複数の行、単一の列、複数の列、またはサンプルラック102の開口部112の他の構成に対するロックまたはアクセスを提供するように、サンプルラック102の状態を制御できる。
【0020】
実施態様では、サンプルラック102は、摺動可能な支持構造140または摺動可能な支持構造140の個々のピースをサンプルラック102に対して相対的に押圧して、サンプルラック102をロード状態/アンロード状態とロック状態との間で移行させるための1つまたは複数のピストン142(例えば、空気圧駆動ピストン、電気駆動ピストンなど)を含み、その例が
図7Aおよび
図7Bに示されている。例えば、サンプルラック102は、摺動可能な支持構造140または摺動可能な支持構造140の個々のピースを第1の方向に押圧するための第1のピストン142を含むことができ、摺動可能な支持構造140または摺動可能な支持構造140の個々のピースを第2の方向(例えば、第1の方向の反対方向)に押圧して、サンプルラック102に対する摺動可能な支持構造140の位置決めを制御するための第2のピストン142を含むことができる。システム100は、サンプル容器スタビライザ104の操作を操作するために使用されるピストン142とともに示されているが、システム100は、ピストンの使用に限定されず、この開示の範囲から逸脱することなく、キャップ118の取り外しまたは追加中にサンプル容器114に安定性を提供するための他の構造(例えば、機械的、電気機械的、磁気的またはその他の構造)を含むことができる。
【0021】
電気機械デバイス(例えば、電気モーター、サーボ、アクチュエータなど)は、システム100内に埋め込まれた制御ロジックまたは外部からシステム100を駆動する制御ロジックを介した自動操作を容易にするために、システム100の構成要素と結合されるか、またはシステム100の構成要素内に埋め込まれてもよい。電気機械デバイスは、本明細書に記載される手順などの様々な手順に従ってデバイスおよび流体の移動を引き起こすように構成されてもよい。システム100は、非一過性のキャリア媒体(例えば、フラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、SDカード、光ディスクなどの記憶媒体)からコンピュータ可読プログラム命令(すなわち、制御ロジック)を実行するように構成されたプロセッサまたは他のコントローラを有するコンピューティングシステムを含むか、またはコンピューティングシステムによって制御されてもよい。コンピューティングシステムは、直接接続、または1つ以上のネットワーク接続(例えば、ローカルエリアネットワーキング(LAN)、ワイヤレスエリアネットワーキング(WANまたはWLAN)、1つ以上のハブ接続(例えば、USBハブ)など)を介して、システム100の様々な構成要素に接続できる。例えば、コンピューティングシステムは、システムコントローラ110、第1のキャリッジ126、第2のキャリッジ136、流体処理システム(例えば、バルブ、ポンプなど)、本明細書に記載される他の構成要素、それらの制御を指示する構成要素、またはそれらの組み合わせに通信可能に結合されることができる。プログラム命令は、プロセッサまたは他のコントローラによって実行されると、コンピューティングシステムに、本明細書に記載されるように、1つ以上の動作モードに従ってシステム100を制御(例えば、アンキャッパ106およびサンプルプローブ108の位置決めの制御、サンプルプローブを介した流体の移動の制御など)させることができる。
【0022】
この開示の全体を通じて説明される様々な機能、制御動作、処理ブロック、またはステップは、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組み合わせによって実行されることが認識されるべきである。いくつかの実施形態において、様々なステップまたは機能は、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブルロジックデバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ/マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステムのうちの1つ以上によって実行される。コンピューティングシステムには、パーソナルコンピューティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス、メインフレームコンピューティングシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、または当該技術分野で知られている他のデバイスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、「コンピューティングシステム」という用語は、キャリア媒体から命令を実行する1つまたは複数のプロセッサまたは他のコントローラを有する任意のデバイスを包含するように広く定義される。
【0023】
本明細書で説明する実施形態によって明示されるような機能、制御動作、処理ブロック、またはステップを実行するプログラム命令は、キャリア媒体を介して送信されるか、またはキャリア媒体に格納されてもよい。キャリア媒体は、有線、ケーブルまたは無線伝送リンクなどの伝送媒体であってもよいが、これらに限定されない。キャリア媒体はまた、非一過性の信号担持媒体、または、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクまたは光ディスク、ソリッドステートまたはフラッシュのメモリデバイス、または磁気テープなどの記憶媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0024】
結論
主題は、構造的特徴および/またはプロセス操作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に規定される主題は、必ずしも上述の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【国際調査報告】