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特表2024-523835(長)骨断片の位置及び向きを再生するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】(長)骨断片の位置及び向きを再生するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240625BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240625BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20240625BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B6/03 577
A61B6/03 560G
A61B6/03 560J
A61B6/50 500Z
A61B8/14
A61B34/10
A61B6/03 560T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575657
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2021055019
(87)【国際公開番号】W WO2022259017
(87)【国際公開日】2022-12-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521535973
【氏名又は名称】ストライカー ヨーロピアン オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Stryker European Operations Limited
【住所又は居所原語表記】Anngrove, IDA Business & Technology Park, Carrigtwohill, County Cork, T45HX08 Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ケンパー,ヤーコブ
(72)【発明者】
【氏名】メス,ラーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューグル,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ペテルジク,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ゴシュリング,ヘイコ
(72)【発明者】
【氏名】シュレイダー,マニュエル
【テーマコード(参考)】
4C093
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA25
4C093AA26
4C093CA18
4C093DA10
4C093FF16
4C093FF42
4C601BB03
4C601DD10
4C601EE09
(57)【要約】
骨及び長骨断片の位置及び向きを再生するための方法及び装置であって、特に、骨及び長骨断片の改善された再位置決め及び再配向を可能にする骨及び長骨断片の位置及び向きを再生するための方法及び装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患側の肢の外傷骨の骨断片の位置及び向きを再生する方法であって、前記方法は:
患側の肢の外傷骨の複数の骨断片をイメージングするステップと、
前記イメージングするステップに基づいて、前記患側の肢の前記外傷骨の前記複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを特定するステップと、
特定された前記複数の骨断片の少なくとも1つに基づいて、3次元骨モデルの骨データベース中の対応する非外傷骨を特定するステップと、
前記特定された複数の骨断片を、前記3次元骨モデルの前記骨データベースの特定された前記非外傷骨の対応する輪郭及び位置に割り当てるステップと、
前外傷状態の前記患側の肢の前記外傷骨の前記複数の骨断片の各々の再構成された位置及び向きが認識できるように、前記3次元骨モデルの前記骨データベースの前記特定された非外傷骨の対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた前記複数の骨断片の各々の前記輪郭、位置及び向きを可視化するステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
患側の肢の外傷骨の骨断片の位置及び向きを再生する方法であって、前記方法は:
健側の対側肢の骨をイメージングするステップと、
前記イメージングするステップに基づいて、前記健側の対側肢の前記骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップと、
患側の肢の外傷骨の複数の骨断片をイメージングするステップと、
前記複数の骨断片をイメージングするステップに基づいて、前記患側の肢の前記外傷骨の前記複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを特定するステップと、
特定された前記複数の骨断片を、前記健側の対側肢の前記骨の特定された前記輪郭、位置及び向きの対応する輪郭及び位置に割り当てるステップと、
前外傷状態の前記患側の肢の前記骨の前記複数の骨断片の各々の再構成された位置及び向きが認識できるように、前記健側の対側肢の前記骨の前記特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた前記複数の骨断片の各々の前記輪郭、位置及び向きを可視化するステップと、を含む、
方法。
【請求項3】
前記特定された複数の骨断片のうちの少なくとも1つに基づいて、3次元骨モデルの骨データベース中の対応する非外傷骨を特定することにより割り当てを確認するステップと、前記健側の対側肢の前記骨の前記特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた前記複数の骨断片の各々の可視化された前記輪郭、位置及び向きを前記3次元骨モデルの前記骨データベースの対応する前記非外傷骨と比較するステップとをさらに含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記患側の肢の骨の複数の骨断片をイメージングするステップは3次元イメージングとして行われる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記イメージングするステップは、健側の肢の健側の骨をイメージングすることを含み、3次元イメージングとして行われる、
請求項2乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記患側の肢の骨の複数の骨断片の前記3次元イメージングは、コンピュータ断層撮影スキャン、2つ以上の2次元画像を撮影すること及びそこから3次元画像を生成すること、並びに超音波イメージングからなるグループから選択される、
請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
前記特定された複数の骨断片を、前記3次元骨モデルの前記骨データベースの前記特定された骨の対応する輪郭及び位置に割り当てるステップは、反復最近点アルゴリズムを用いたベストフィット輪郭アルゴリズムを含む、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記特定された複数の骨断片を、前記3次元骨モデルの前記骨データベースの前記特定された骨の対応する輪郭及び位置に割り当てるステップは、特徴的な解剖学的ランドマーク及び/又は特徴的な軸の特定に基づき、それらを一致させるベストフィットアルゴリズムを含む、
請求項1、3乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記健側の対側肢又は前記骨データベースの前記骨の前記特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた前記複数の骨断片の各々の前記輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、前記複数の骨断片の各々に異なる色を割り当てることを含む、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
再構成前の状態で前記患側の肢の前記骨の前記特定された複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップをさらに含む、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記再構成前の状態で前記患側の肢の前記外傷骨の前記特定された複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、再構成された前記複数の骨断片の割り当てられた色に対応する異なる色で、前記複数の骨断片の各々を可視化することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記骨断片の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、それぞれの可視化された前記骨断片及び骨の特徴的なランドマーク及び/又は特徴的な軸を可視化するステップを含む、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の骨断片の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、前記骨断片のうちの1つと、前記健側の肢及び前記骨データベースの少なくとも1つの前記対応する骨の対応する輪郭、位置及び向きとの一致を確立するステップと、前記骨断片のうちの不一致の他のものの空間的偏差を可視化するステップとを含む、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記健側の肢及び前記骨データベースの少なくとも1つの前記対応する骨の前記対応する輪郭、位置及び向きから、前記の可視化された不一致の骨断片の空間的偏差の量を決定するステップをさらに含む、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記不一致の骨断片と、前記健側の肢及び前記骨データベースの少なくとも1つの前記対応する骨とのより可視化された一致に到達するように、どのように前記不一致の骨断片の位置及び向きを変更するかのユーザへの指示を出力するステップをさらに含む、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記健側の肢及び前記骨データベースの少なくとも1つの前記対応する骨の対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた前記複数の骨断片の各々の前記輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;前記健側の肢及び前記骨データベースの少なくとも1つの前記対応する骨の前記対応する輪郭、位置及び向きから前記可視化された不一致の骨断片の空間的偏差の量を決定するステップ;及び前記健側の肢又は前記骨データベースからの前記対応する骨との前記不一致の骨断片のより可視化された一致に到達するように、どのように前記不一致の骨断片の位置及び向きを変更するかのユーザへの指示を出力するステップの少なくとも1つは、それぞれ、前記健側の肢又は前記骨データベースからの前記対応する骨との前記不一致の骨断片のそれぞれの可視化された一致の所定量が達成されるまで繰り返される、
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
実行されるとき、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品の実行コードを記憶したデータ記憶媒体。
【請求項19】
骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行するための装置であって、前記装置は、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、装置。
【請求項20】
患側の肢の長骨の長骨断片の位置及び向きを再生する方法であって、前記方法は:
健側の対側肢の長骨をイメージングするステップと、
それに基づいて前記健側の対側肢の前記長骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップと、
患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップと、
長骨断片の位置及び向きの偏差が認識できるように、前記患側の肢の前記長骨の前記長骨断片の可視化と共に、前記腱側の対側肢の前記長骨の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップと、を含む、
方法。
【請求項21】
前記健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、前記健側の対側肢の前記長骨の第1の端部をイメージングするステップと、前記健側の対側肢の前記長骨の第2の端部を別個にイメージングするステップを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、前記長骨の第1の側面から第1の画像を撮影するステップ及び前記第1の側面とは異なる前記長骨の第2の側面から第2の画像を撮影するステップを含む、
請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の画像を撮影するステップは前記長骨上の第1の側面ビューからであり、前記第2の画像を撮影するステップは、前記第1の側面ビューに対して60°から120°の間の角度だけ回転された長骨上の第2の側面ビューからであり、特に前記第1の画像を撮影するステップは内外方向から行われ、前記第2の画像を撮影するステップは前後方向から行われる、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、外科用基準体の各方向に対して固有の放射線投影を有する放射線不透過性ジオメトリを備えた前記外科用基準体が取り付けられた健側の対側肢の長骨をイメージングするステップ及び前記健側の対側肢の前記長骨の明確な位置及び向きを表すステップを含む、
請求項20乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングするステップ及び第2の端部をイメージングするステップは、前記健側の対側肢の前記長骨の第1の端部を、前記外科用基準体の前記放射線不透過性ジオメトリの第1の放射線不透過性サブジオメトリとともにイメージングするステップ及び前記健側の対側肢の前記長骨の第2の端部を、前記外科用基準体の前記放射線不透過性ジオメトリの第2の放射線不透過性サブジオメトリとともにイメージングするステップを含み、前記第1の放射線不透過性サブジオメトリ及び前記第2の放射線不透過性サブジオメトリの各々は、前記外科用基準体の各方向に対して固有の放射線投影を有し、前記腱側の肢の前記長骨の第1の端部及び第2の端部の輪郭、位置及び向きを別々に且つ互いに対して特定することを可能にする、
請求項21乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記健側の対側肢の前記長骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップは、対応する長骨の輪郭、位置及び向きの少なくとも1つを含む3次元長骨モデルの骨データベース中の対応する長骨を特定するステップを含む、
請求項20乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップは、反対側の健側の肢の前記長骨の第1の端部に対応する前記患側の肢の長骨の第1の断片をイメージングするステップ及び反対側の健側の肢の長骨の第2の端部に対応する前記患側の肢の前記長骨の第2の断片を別個にイメージングするステップを含む、
請求項20乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記患側の肢の前記長骨断片の輪郭、位置及び向きを特定するステップ及びそれに基づいて対応する長骨の輪郭、位置及び向きを含む3次元長骨モデルの骨データベース中の長骨断片を特定するステップをさらに含む、
請求項20乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記患側の肢の長骨の長骨断片の可視化と共に、前記腱側の対側肢の前記長骨の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、それぞれの可視化された前記長骨の特徴的なランドマーク及び特徴的な軸の少なくとも1つを可視化するステップを含む、
請求項20乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記患側の肢の長骨の長骨断片の可視化とともに、前記健側の対側肢の前記長骨の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、前記患側の肢の前記長骨の前記第1の長骨断片及び前記第2の長骨断片のうちの1つと、前記健側の肢の前記長骨の前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの対応する1つとの一致を確立するステップ、及び、前記健側の肢の前記長骨の前記対応する端部からの前記患側の肢の前記長骨の前記第1の断片及び前記第2の断片のうちの不一致の他の1つの偏差を可視化するステップを含む、
請求項20乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記患側の肢の長骨の長骨断片の可視化と共に、前記腱側の対側肢の前記長骨の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、前記患側の肢の前記長骨の前記第1の長骨断片及び前記第2の長骨断片のうちの1つと、3次元骨モデルのデータベースの長骨の第1の端部及び第2の端部のうちの対応する1つとの一致を確立するステップ、及び、前記3次元骨モデルのデータベースの前記長骨の前記対応する端部からの前記患側の肢の前記長骨の前記第1の断片及び前記第2の断片のうちの不一致の他の1つの偏差を可視化するステップを含む、
請求項20乃至30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記腱側の肢の前記長骨の前記対応する端部からの前記患側の肢の前記長骨の前記第1の断片及び前記第2の断片のうちの可視化された前記不一致な他の1つの空間的偏差の量を決定するステップをさらに含む、
請求項20乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記腱側の肢の前記長骨の前記対応する端部へのより可視化された一致に到達するように、前記患側の肢の前記長骨の前記骨断片及び前記第2の断片のうちの前記不一致の他の1つの位置及び向きをどのように変更するかについてのユーザへの指示を出力するステップをさらに含む、
請求項20乃至32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記患側の肢の長骨の長骨断片の画像と共に、前記腱側の肢の前記長骨の前記特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;前記腱側の肢の前記長骨の前記対応する端部からの前記患側の肢の前記長骨の前記第1の断片及び前記第2の断片のうちの前記可視化された不一致の他の1つの空間的偏差の量を決定するステップ;及び、前記腱側の肢の前記長骨の前記対応する端部へのより可視化された一致に到達するように、前記患側の肢の前記第1の断片及び前記第2の断片のうちの前記不一致の他の1つの位置及び向きをどのように変更するかについてのユーザへの指示を出力するステップの少なくとも1つは、前記患側の肢の前記長骨の前記第1の断片及び前記第2の断片の前記他の1つと前記健側の肢の前記長骨の前記対応する端部との所定量の可視化された一致が達成されるまで繰り返される、
請求項20乃至33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
実施されるとき、請求項20乃至34のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
請求項35に記載のコンピュータプログラム製品の実行可能コードを記憶したデータ記憶媒体。
【請求項37】
長骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行するための装置であって、前記装置は、請求項20乃至34のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨及び長骨断片(long bone fragments)の位置及び向きを再生するための方法及び装置、特に、骨及び長骨断片の改善された再位置決め及び再配向(re-orientation)を可能にする骨及び長骨断片の位置及び向きを再生するための方法及び装置、並びに、対応するコンピュータプログラム製品及びコンピュータプログラム製品を記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術は近年進歩している。臨床的個人、特に手術中の外科医を支援するための支援システムにより著しい改善が達成されている。特に骨折は、外科医に機器を提供する外科医のための支援システムの恩恵を受け、機器は、外科医が、骨部分の再位置決めと、ねじ、釘、骨プレートのようなインプラント、並びにツールとターゲッティング(targeting)及び誘導装置の位置決めの正確性を改善することを可能にする。
【0003】
外傷骨、すなわち骨折は、限られた視覚的アクセスしかないので、モニタリングは、通常、X線イメージング又はコンピュータ断層撮影CT画像、又は磁気共鳴断層撮影MRT画像のような放射原理に基づく。すべてのこれらの原理及び方法は、放射線集約的であり、大きな装置を必要とし、かなりの時間を要するという欠点の少なくとも1つを含む。手術中の各モニタリングステップは、手術時間を延長し、したがって麻酔薬の影響の持続時間を延長し、費用と放射線影響を増加させる。それにもかかわらず、骨断片を再位置決め及び再配向するとき、骨断片を外傷前と同じように再構成及び再建しないリスクが残っている。
【0004】
外傷後の(長)骨に対する整形外科手術の主な目標は、可能な限り完全な機能への復帰を可能にするように解剖学的アライメント(anatomical alignment(解剖学的配置))を再確立することである。特に下肢では、生理学的歩行を(再)確立することが目標である。外科医は骨のアライメント(bone alignment(骨の配置))を外傷前の状態に戻そうとする。実際には常に正確な外傷前の形状は不明であるため、(健側の(unaffected))対側肢(contra-lateral limb)との比較は、患者の生理学的解剖学的構造の良い利用可能な指標となる。ここでの最良の例は大腿骨骨幹部骨折である。この骨折を整復するとき、主な課題は、大腿骨の回転((前)捻((Ante-)version)又は(前)捻転((Ante-)torsion))としても知られる)を正しく調整すること(dialing)である。いくつかの骨折パターン(例えば斜めの)では、ピースの単純なアライメントを使用して回転を再確立できるが、直線横又は粉砕骨折パターンでは、他の指標を使用して正しい回転を調整する必要がある。現在、一部の外科医は、結果として生じる骨の回転を手術中に評価しようとするが、これらの方法の信頼性は低く、しばしば再手術又は回転不良による整復に起因する患者の歩行問題を生じる。
【0005】
外傷外科医のための別の一般的な技術は、手術の最初に反対側の回転(version of the contra-lateral side)を決定しようとし、これを指針として使用することである。CTなしで大腿骨の前捻を決定することは簡単ではない。近位及び遠位大腿骨の両方の「完全な側方」画像を取得する必要があり、外科医は例えばこれら2つの画像のCアーム角度を比較することができる。完全な側方の獲得は非常に時間と放射線を消費し、現在の方法ではまだかなり不正確である。これはまた、患側(affected side)でも行われなければならず、これらのビューを健側の手足と同様に正しく獲得するのと同様の課題を伴う。さらに、短縮及び/又は内反/外反を評価するために、複雑な外傷ナビゲーションシステムの使用以外で、反対側の手足と適切に比較するための方法は現在知られていない。大腿骨の完全な長さのX線は、ORでは現在得られないため、長骨の近位部分と遠位部分を接続することは、現在のところ実用的な解決策がない。本発明では、これに対処する。
【0006】
したがって、骨断片の再構成の正確性のレベルを増加させる手術支援方法及び装置の必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、独立請求項の主題に係る骨断片及び長骨断片の位置及び向きを再生し、骨断片の位置特定(localization)及び位置決めの改善を可能にする方法及び装置、並びに対応するコンピュータプログラム製品及び中にコンピュータプログラム製品(複数可)を格納した記憶媒体を提供する。更なる実施形態は、独立請求項に組み込まれる。
【0008】
本発明の一態様によれば、患側の肢の外傷骨の骨断片の位置及び向きを再生する(reproducing)方法が提供され、この方法は:患側の肢の外傷骨の複数の骨断片をイメージングする(imaging)ステップ;前記イメージングするステップに基づいて、患側の肢の外傷骨の複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを特定する(identifying)ステップ;複数の特定された骨断片の少なくとも1つに基づいて、3次元骨モデルの骨データベース中の対応する非外傷骨を特定するステップ;複数の特定された骨断片を、3次元骨モデルの骨データベースの特定された非外傷骨の対応する輪郭及び位置に割り当てるステップ;前外傷状態(pre-traumatized state)の患側の肢の外傷骨の複数の骨断片の各々の再構成された位置及び向きが認識できるように、3次元骨モデルの骨データベースの特定された非外傷骨の対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;を含む。
【0009】
したがって、外科医は、かなり複雑で複数の破片の骨断片を元の位置及び向きに割り当てることができる。外科医は、骨折の位置への限られた光学的アクセスしかなく、外科医が放射線(radio(ラジオ))画像、超音波画像又は蛍光透視画像で断片を識別することはしばしば困難であるため、この方法は、外科医が骨断片を識別するだけでなく、それを互いに対する元の相対位置及び向きに割り当てることを支援することができる。骨データベースは、健側の骨又は健側の肢の骨の骨形状(bone geometry(骨ジオメトリ))を提供する。骨データベースは、骨モデルのコレクションであり得る。骨モデルは、実際の骨から取得された3次元骨形状画像のコレクション、実際の骨の2次元画像からの3次元骨形状再建のコレクション、又は、断片の輪郭の識別、及び/又は個々の患者からの他の関連パラメータに基づいて適切な骨モデルを生成し得るモデリングアルゴリズムによって表される骨モデルから生成され得る。データベースはまた、上記の異なるソースから生成される骨モデルを含み得る。視覚的な支援だけでなく、回転/長さ/内反角度などのような解剖学的尺度の比較が可能である。
【0010】
本発明の一態様によれば、患側の肢の外傷骨の骨断片の位置及び向きを再生する方法が提供され、方法は:健側の対側肢の骨をイメージングするステップ;前記イメージングするステップに基づいて、健側の対側肢の骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップ;患側の肢の外傷骨の複数の骨断片をイメージングするステップ;複数の骨断片の前記イメージングするステップに基づいて患側の肢の外傷骨の複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを特定するステップ;健側の対側肢の骨の特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭及び位置に複数の特定された骨断片を割り当てるステップ;損傷を受ける前の状態の患側の肢の骨の複数の骨断片の各々の再構成された位置及び向きを認識できるように、損傷を受けていない対側肢の骨の特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;を含む。
【0011】
したがって、対側骨は、以前の健側の状態の外傷を受けた又は患側の骨と同じ形状を有すると仮定できるので、比較のために対側骨を使用することが可能である。鏡像化された形態(mirrored form)の反対側の健側の肢の骨は、再構成された状態で患側の骨が鏡像化された健側の骨に対応するように、外傷を受けた患側の骨の骨断片を元の位置及び向きに割り当てるために使用することができる。上記に概説されたステップは、本発明の目的から逸脱することなく、少なくとも部分的に順序を変更することができることが留意されるべきである。例えば、健側の骨又は健側の肢の骨のイメージングするステップは、本発明の目的から逸脱することなく、患側の又は患側の肢の骨をイメージングするステップの前に、又は後に実行することができる。
【0012】
一実施形態によれば、本方法は、さらに、複数の特定された骨断片のうちの少なくとも1つに基づいて、3次元骨モデルの骨データベース中の対応する非外傷骨を特定することにより割り当てを確認するステップ、及び、健側の対側肢の骨の特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片の各々の可視化された輪郭、位置及び向きを、3次元骨モデルの骨データベースの対応する非外傷骨と比較するステップを含む。
【0013】
したがって、比較の根拠をダブルチェックして確認することができる。対側肢に基づいて特定することは、骨モデルのデータベースに基づいて特定するステップの前又は後に実行され得る。同様に、骨モデルのデータベースからの骨モデルとの比較は、対側骨又は肢の比較と同じ比較することによってダブルチェックすることができることが留意されるべきである。
【0014】
一実施形態によれば、患側の肢の骨の複数の骨断片をイメージングすることは、3次元イメージングとして行われる。
【0015】
したがって、より正確なイラスト及び形状が患側の骨において特定され得、位置ずれ(misalignments)につながる可能性があるアーチファクトを回避することができる。3次元画像は、骨又は骨断片の3次元輪郭を提供し得、これはその後、比較のために使用することができる。
【0016】
一実施形態によれば、健側の肢の骨の複数の骨断片をイメージングするステップは、3次元イメージングとして行われる。
【0017】
したがって、より正確なイラスト及び形状が健側の肢の骨において特定され得、アーチファクトを回避することができる。3次元画像は、骨又は骨断片の3次元輪郭を提供し得、これはその後、比較のために使用することができる。
【0018】
一実施形態によれば、患側の肢の骨の複数の骨断片の3次元イメージングは、コンピュータ断層撮影スキャン、2つ以上の3次元画像を撮影すること及びそこから3次元画像を生成すること並びに超音波イメージングからなるグループから選択される。
【0019】
従って、外科医は、必要に応じて及び利用可能性に応じて適切なイメージング方法を選択し得る。超音波法はより低い放射線照射を提供し得、一方、X線ベースの方法はより詳細な構造を提供し得る。超音波法で十分な詳細が得られる場合、外科医は放射線照射を減らすために超音波法を選択し得る。
【0020】
一実施形態によれば、3次元骨モデルの骨データベースの特定された骨の対応する輪郭及び位置に複数の特定された骨断片を割り当てるステップは、反復最近点アルゴリズムを用いたベストフィット輪郭アルゴリズムを含む。
【0021】
したがって、割り当ては様々な異なる点及び輪郭に基づいてもよく、ベストフィットを計算してもよい。アルゴリズムは、十分な一致が達成されるまで交互に繰り返し適用され得る。割り当て及びアルゴリズムの適用は、所定の許容レベルを下回る十分な一致が達成されるまで交互に繰り返し行われ得ることが留意されるべきである。
【0022】
一実施形態によれば、3次元骨モデルの骨データベースの特定された骨の対応する輪郭及び位置に複数の特定された骨断片を割り当てるステップは、特徴的な解剖学的ランドマーク及び/又は特徴的な軸の特定に基づき、それらを一致させるベストフィットアルゴリズムを含む。
【0023】
したがって、割り当ては、容易に識別することができ、ベストフィットを計算し得る様々な特徴的なランドマーク及び軸に基づき得る。アルゴリズムは、十分な一致が達成されるまで繰り返し反復的に適用され得る。割り当て及びアルゴリズムの適用は、所定の許容レベルを下回る十分な一致が達成されるまで交互に繰り返し行われ得ることが留意されるべきである。
【0024】
一実施形態によれば、健側の対側肢又は骨データベースの骨の特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、位置及び向きは、複数の骨断片の各々を異なる色に割り当てることを含む。
【0025】
したがって、外科医は、異なる一致する輪郭を容易に特定し、それを再建される順序に割り当て得る。カラーコードはまた、複数の断片をどのように再建するかに関する順序を含み得、また、より大きな断片の背後に隠れていたために割り当てることができなかった欠損断片の特定を含み得る。
【0026】
一実施形態によれば、方法はさらに、再構成前の状態における患側の肢の骨の複数の特定された骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップを含む。
【0027】
したがって、外科医は、特定された断片を認識するだけでなく、元の位置及び向きへの断片の再配置することを支援され得る。
【0028】
一実施形態によれば、再構成前の状態における患側の肢の外傷骨の特定された複数の骨断片の各々の輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、複数の再構成された骨断片の割り当てられた色に対応する異なる色で複数の骨断片の各々を可視化することを含む。
【0029】
したがって、外科医は、再建される骨において患側の骨のどの断片が位置決めされるべきかを直ちに認識し、特定し得る。
【0030】
一実施形態によれば、骨断片の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、各々の可視化された骨断片及び骨の特徴的なランドマーク及び/又は特徴的な軸を可視化することを含む。
【0031】
したがって、外科医は、再構成された骨が対応する隣接する骨と一致するかどうかをダブルチェックし得る。これは、関節、例えば膝関節にとって重要であり得る。その後、外科医は、患側であるが再構成された骨の軸が隣接する骨の軸と一致するかどうかを比較し得る。この方法はまた、骨の再建だけでは隣接する骨の軸にベストフィットしない(最適に適合しない)場合に、ベストマッチを計算し得る。
【0032】
一実施形態によれば、複数の骨断片の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、骨断片の1つと、健側の肢及び骨データベースの少なくとも1つの対応する骨の対応する輪郭、位置及び向きとの一致を確立すること、及び骨断片の不一致の他のものの空間的偏差(spatial deviation)を可視化することを含む。
【0033】
したがって、外科医は、偏差を認識することができ、それに基づいて、どの程度断片の位置及び向きをさらに補正及び再建するか及びそれが必要かどうかを決定し得る。
【0034】
一実施形態によれば、この方法はさらに、健側の肢及び骨データベースの少なくとも1つの対応する骨の輪郭、位置及び向きから、可視化された不一致の骨断片の空間的偏差の量を決定するステップを含む。
【0035】
したがって、外科医は、骨断片の位置及び向きの補正がどの程度必要であるかを決定するのに役立ち得る定量的なずれの量を受け取り得る。
【0036】
一実施形態によれば、この方法はさらに、不一致の骨断片と、健側の肢及び骨データベースの少なくとも1つの対応する骨とのより可視化された一致に到達するように、どのように不一致の骨断片の位置及び向きを変更するかのユーザへの指示を出力するステップを含む。
【0037】
したがって、外科医は、各々の骨断片がどの量だけ移動させるべきか及びどの骨断片が最初に置換されるべきかについての詳細な指示を受け取り得る。
【0038】
一実施形態によれば、健側の肢及び骨データベースの少なくとも1つの対応する骨の対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片のそれぞれの輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;健側の肢及び骨データベースの少なくとも1つの対応する骨の対応する輪郭、位置及び向きから可視化された不一致の骨断片の空間的偏差の量を決定するステップ;及び健側の肢の又は骨データベースからの対応する骨との不一致の骨断片のより可視化された一致に到達するように、不一致の骨断片の位置及び向きをどのように変更するかについてのユーザへの指示を出力するステップの少なくとも1つは、それぞれ、健側の肢の又は骨データベースからの対応する骨との不一致の骨断片のそれぞれの可視化された一致の所定量が達成されるまで繰り返される。
【0039】
したがって、より良い再建結果につながり得る反復プロセスが達成され得る。反復は、所定の許容範囲内の一致が達成されるまで各ステップの反復が行われるように、自動的に反映され得る。この方法はまた、どのステップがどの順序で反復されるべきかを選択的に決定し得る決定アルゴリズムを含み得る。
【0040】
一実施形態によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、これは、実行されるとき、上述したような骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行する。
【0041】
一実施形態によれば、上述したようなコンピュータプログラム製品の実行可能コードが記憶されたデータ記憶媒体が提供される。
【0042】
一実施形態によれば、骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行する装置が提供され、前記方法を実行するように構成される。装置は、画像を提供するためのイメージングインターフェースを有し得、外科医と対話するためのユーザインターフェースを有し得、このユーザインターフェースは、方法によって提案されたパラメータ、パラメータ選択又は選択オプションを入力すること、及び、スクリーン又は拡張現実メガネのような外科医が着用するディスプレイ装置にグラフィカルなプレゼンテーションを出力することを含み得る。
【0043】
本発明の一態様によれば、患側の肢の長骨の長骨断片の位置及び向きを再生するための方法が提供され、この方法は:健側の対側肢の長骨をイメージングするステップと;それに基づいて健側の対側肢の長骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップと;患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップと;長骨断片の位置及び向きの偏差を認識できるように、患側の肢の長骨断片の可視化とともに、健側の対側肢の長骨の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップと、を含む。
【0044】
したがって、対側骨は、以前の罹患していない状態で、外傷骨又は患側の骨と同じ形状を有すると仮定できるので、比較のために対側骨を使用することが可能である。鏡像化された形態の反対側の健側の肢の骨は、再構成された状態で、患側の骨が鏡像化された健側の骨に対応するように、外傷を受けた患側の骨の骨断片を元の位置及び向きへの割り当てのために使用することができる。上記に概説されたステップは、本発明の目的から逸脱することなく、少なくとも部分的に順序を変更することができることが留意されるべきである。例えば、健側の骨又は健側の肢の骨をイメージングするステップは、本発明の目的から逸脱することなく、患側の患側の骨又は患側の肢の骨をイメージングするステップの前に又は後に実行することができる。視覚的支援だけでなく、回転/長さ/内反角度などのような解剖学的尺度の比較も可能である。
【0045】
一実施形態によれば、健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングするステップと、及び健側の対側肢の長骨の第2の端部を別個にイメージングするステップとを含む。
【0046】
したがって、健側の骨又は健側の肢の骨の向きを特定することができ、患側の骨又は患側の肢の骨の位置及び向きを再建することができる。この目的のために、長骨全体の画像を撮影する必要はないことに留意すべきであるが、イメージングすることは、長骨が隣接骨と接する両端における長骨の関連部分に限定することができる。これにより、特に3次元画像を撮影する際の放射線被曝が有意に減少した。
【0047】
一実施形態によれば、健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、長骨の第1の側面から第1の画像を撮影するステップ及び第1の側面とは異なる長骨の第2の側面から第2の画像を撮影するステップを含む。
【0048】
したがって、3次元画像を再構成するために少なくとも2つの2次元画像を撮影するとき、異なるビュー方向(viewing directions)は、位置及び向き、特に長骨の長手方向軸に関する回転配向(rotational orientation)の信頼できる特定に役立ち得る。
【0049】
一実施形態によれば、第1の画像を撮影するステップは、長骨上の第1の側面ビューからであり、第2の画像を撮影するステップは、第1の側面ビューに対して60°から120°の間の角度だけ回転された長骨上の第2の側面ビューからであり、特に、第1の画像を撮影するステップは、内外(medio-lateral)ML方向から行われ、第2の画像を撮影することは、前後(anterior-posterior)AP方向から行われる。
【0050】
したがって、3次元画像を再構成するために少なくとも2つの2次元画像を撮影するとき、大きな角度の異なるビュー方向は、位置及び向きの信頼できる特定のために役立つ。ML及びAPビュー(ML and AP views)は、解剖学上の最も関連のあるビューを示し、位置及び向き、特に長骨の長手方向軸に関する回転配向の再建を可能にする。
【0051】
一実施形態によれば、健側の対側肢の長骨をイメージングするステップは、外科用基準体(surgical reference body)の各向きに対して固有の放射線投影(radio projection)を有する放射線不透過性ジオメトリ(radio dense geometry)を備えた外科用基準体が取り付けられた、健側の対側肢の長骨をイメージングするステップ及び健側の対側肢の長骨の明確な位置及び向きを表すステップを含む。
【0052】
したがって、基準体は、ビューと骨の空間的な向きに対する信頼できる指標を提供する。基準体は、関連する各ビュー方向に対して一意の投影を提供するように空間的に配置された複数の放射線不透過性又はX線不透過性基準マーカーから構成され得る。これは、外科医にとって、これらのビュー方向が他の理由、例えば他のビュー方向が無意味であるために区別できることが明らかである限り、基準体が異なるビュー方向からの同じ投影を有することを排除しない。
【0053】
一実施形態によれば、健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングすること及び第2の端部をイメージングすることは、健側の対側肢の長骨の第1の端部を外科用基準体の放射線不透過性ジオメトリの第1の放射線不透過性サブジオメトリと共にイメージングするステップ及び健側の対側肢の長骨の第2の端部を外科用基準体の放射線不透過性ジオメトリの第2の放射線不透過性サブジオメトリと共にイメージングするステップを含み、第1の放射線不透過性サブジオメトリ及び第2の放射線不透過性サブジオメトリの各々は、外科用基準体の各方向に対して固有の放射線投影を有し、健側の肢の長骨の第1の端部及び第2の端部の輪郭、位置及び向きを別々に且つ互いに対して特定することを可能にする。
【0054】
したがって、画像の各々は、そのビュー方向に関して特定することができるので、骨部分及び基準体のサブジオメトリの向きが再現可能になる。2つ以上の放射線不透過性サブジオメトリが既知の位置及び向きを基準に位置決めされている場合、骨部分の位置と向きはそれに基づいて決定することができる。
【0055】
一実施形態によれば、基準体は光学パターンを有し得、それは基準体又はその部分の光学的識別又は位置と向きを可能にする。基準体は、2つ以上の部分に分離され得、それらは、例えば、定義された回転、定義された変位又はそれらの組み合わせによって、互いに対して再現可能に変位させることができる。
【0056】
したがって、回転及び変位の尺度(measure)が既知である場合、放射線不透過性サブジオメトリの相対位置及び向きも決定することができ、したがって、骨部分の位置及び向きも決定することができる。基準体のそれぞれの部分を骨のそれぞれの部分に固定することによって、それぞれの骨部分との固有の放射線投影を有する放射線不透過性サブジオメトリの相対位置が確立されると、位置及び向きを、基準体、特に基準体のそれぞれの変位可能及び回転可能な部分に接着されたそれぞれの光学パターンによって監視することができる。
【0057】
一実施形態によれば、健側の対側肢の長骨の輪郭、位置及び向きを特定するステップは、対応する長骨の輪郭、位置及び向きの少なくとも1つを含む3次元長骨モデルの骨データベース中の対応する長骨を特定するステップを含む。
【0058】
したがって、外科医を長骨部分の元の位置及び向きを再構成する際に支援することができる。骨データベースは、骨部分を互いに対する元の相対的な位置及び向きに割り当てる際に外科医を支援し得る。骨データベースは、健側の骨又は健側の肢の骨の骨形状を提供する。骨データベースは、骨モデルのコレクションであり得る。骨モデルは、実際の骨から取得された3次元骨形状画像のコレクション、実際の骨の2次元画像からの3次元の骨形状再構成のコレクション、又は、モデル化アルゴリズムによって表され、断片の輪郭の特定に基づいて適切な骨モデルを生成し得る骨モデルから、及び/又は個々の患者からの他の関連パラメータによって生成され得る。データベースはまた、上記の異なるソースから生成された骨モデルを含も含み得る。
【0059】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップは、反対側の健側の肢の長骨の第1の端部に対応する患側の肢の長骨の第1の断片をイメージングするステップ、及び、反対側の健側の肢の長骨の第2の端部に対応する患側の肢の長骨の第2の断片を別個にイメージングするステップを含む。
【0060】
したがって、健側の骨又は健側の肢の骨の向きを特定することができ、患側の骨又は患側の肢の骨の位置及び向きを再建することができる。イメージングを長骨の両端における関連部分に限定することにより、特に3次元画像を撮影するときに、放射線被曝が有意に減少する。
【0061】
一実施形態によれば、この方法はさらに、患側の肢の長骨断片の輪郭、位置及び向きを特定するステップ、及び、それに基づいて、対応する長骨の輪郭、位置及び向きを含む3次元長骨モデルの骨データベース中の長骨断片を特定するステップを含む。
【0062】
したがって、長骨部分の元の位置及び向きを再構成する際に外科医を支援することができる。骨データベースは、患側の骨又は患側の肢の骨の骨形状を提供する。
【0063】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片の可視化と共に、健側の対側肢の長骨の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、それぞれの可視化された長骨の特徴的なランドマーク及び特徴的な軸の少なくとも1つを可視化することを含む。
【0064】
したがって、外科医は、骨部分又は断片の必要な再建された位置及び向きを特定するための追加的な支援を受け得る。したがって、割り当ては、容易に特定できる様々な特徴的なランドマーク及び軸に基づき得る。外科医は、再構成された骨が対応する隣接骨と一致するかどうかをダブルチェックし得る。これは、関節、例えば膝関節にとって重要であり得る。その後、外科医は、患側であるが再構成された骨の軸が隣接する骨の軸と一致するかどうかを比較し得る。
【0065】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片の可視化と共に、健側の対側肢の長骨の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、患側の肢の長骨の第1の長骨断片及び第2の長骨断片のうちの1つと、健側の肢の長骨の第1の端部及び第2の端部のうちの対応する1つとの一致を確立するステップ、及び、健側の肢の長骨の対応する端部からの患側の肢の長骨の第1の断片及び第2の断片のうちの不一致の他の1つの偏差を可視化するステップを含む。
【0066】
したがって、外科医は、偏差を認識し得、それに基づいて、患側の骨と健側の骨との間の一致を達成するために、どの程度第1及び第2の長骨断片の位置及び向きをさらに補正及び再建するか及びそれが必要であるかどうかを決定し得る。
【0067】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片の可視化と共に健側の対側肢の長骨の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップは、患側の肢の長骨の第1の長骨断片及び第2の長骨断片のうちの1つと、3次元骨モデルのデータベースの長骨の第1の端部及び第2の端部の対応する1つとの一致を確立するステップ、及び、3次元骨モデルのデータベースの長骨の対応する端部からの患側の肢の長骨の第1の断片及び第2の断片のうちの不一致の他の1つの偏差を可視化するステップを含む。
【0068】
したがって、外科医は、偏差を認識し得、それに基づいて、患側の骨と骨データベースから特定された骨との間の一致を達成するために、どの程度第1及び第2の長骨断片の位置及び向きをさらに補正及び再建するか及びそれが必要であるかどうかを決定し得る。
【0069】
一実施形態によれば、この方法は、さらに、健側の肢の長骨の対応する端部からの患側の肢の長骨の第1の断片及び第2の断片の可視化された不一致の他の1つの空間的偏差の量を決定するステップを含む。
【0070】
したがって、外科医は、長骨断片の位置及び向きの補正がどの程度必要であるかを決定するのに役立つ偏差の定量的量を受け取り得る。
【0071】
一実施形態によれば、この方法は、さらに、健側の肢の長骨の対応する端部へのより可視化された一致に到達するように、患側の肢の長骨及び第2の断片の不一致の他の1つの位置及び向きをどのように変更するかに関するユーザへの指示を出力するステップを含む。
【0072】
したがって、外科医は、それぞれの長骨部分又は断片がどの程度の量及びどの方向に移動されるべきかについての詳細な指示を受け得る。
【0073】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片のイメージングと共に、健側の対側肢の長骨の特定された輪郭、位置及び向きを可視化するステップ;健側の肢の長骨の対応する端部からの、患側の肢の長骨の第1の断片及び第2の断片の可視化された不一致の他の1つの空間的偏差の量を決定するステップ;及び、健側の肢の長骨の対応する端部へのより可視化された一致に到達するように、患側の肢の第1の断片及び第2の断片の不一致の他の1つの位置及び向きをどのように変更するかについてのユーザへの指示を出力するステップの少なくとも1つは、患側の肢の長骨の第1の断片及び第2の断片の他の1つと健側の肢の長骨の対応する端部との所定量の可視化された一致が達成されるまで繰り返される。
【0074】
したがって、より良い再建結果につながる可能性のある反復プロセスが達成され得る。反復は自動的に反映されるので、所定の許容範囲内の一致が達成されるまでそれぞれのステップの反復が行われる。この方法はまた、どのステップがどのシーケンスで反復されるべきかを選択的に決定し得る決定アルゴリズムを含み得る。
【0075】
一実施形態によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、これは実行されるとき、上述したような患側の肢の長骨の長骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行する。
【0076】
一実施形態によれば、上述したようなコンピュータプログラム製品の実行コードを記憶したデータ記憶媒体が提供される。
【0077】
一実施形態によれば、患側の肢の長骨の長骨断片の位置及び向きを再生する方法を実行するための装置が提供され、この装置は、上述した方法を実施するように構成される。装置は、画像を提供するための画像インターフェースを有し得、外科医と対話するためのユーザインターフェースを有し得、これは、方法によって提案されたパラメータ、パラメータ選択又は選択オプションを入力すること、及び、スクリーン又は拡張現実メガネのような外科医着用ディスプレイ装置上にグラフィカルなプレゼンテーションを出力することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明は、以下の図面を用いて説明される。
【0079】
図1】例示的な実施形態による元の(変位した)状態の骨折のセグメント化CTスキャンを示す。
図2】例示的な実施形態による仮想的に整復された(reduced)(補正された(corrected))状態の骨折のセグメント化CTスキャンを示す。
図3】例示的な実施形態による術中蛍光透視装置における仮想的に整復された目標(target)輪郭のオーバーレイ(overlay)を示す。
図4】放射線不透過性マーキングパターンを有する基準体(放射線透過性)の例示的な実施形態を斜視図示す。
図5】基準パターン(複数可)を有するX線ビューにおける基準体の例示的な実施形態を示す。
図6】例示的な実施形態による2Dから3Dの可視化を示す。
図7】例示的な実施形態による長骨の3D再構成を示す。
図8】例示的な実施形態による対側輪郭の画像オーバーレイによる整復支援を示す。
図9】例示的な実施形態による2つの異なるビューにおける対側輪郭の画像オーバーレイによる整復支援を示す。
図10】例示的な実施形態による関節内整復支援のための鏡像対側輪郭の輪郭オーバーレイを示す。
図11】向かい合っている健側の骨(左)と患側の骨(右)を示す。
図12】例示的な実施形態による方法を示す。
図13】さらに例示的な実施形態による方法を示す。
図14】さらに例示的な実施形態による方法を示す。
図15】さらに例示的な実施形態による方法を示す。
図16】さらに例示的な実施形態による方法を示す。
【0080】
同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の構成要素を示すことに留意されたい。これらの図に沿って、本発明の例示的な実施形態を以下のように説明する。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は、例示的な実施形態による元の(変位した)状態の骨折のセグメント化されたCTスキャンを示す。外傷骨135の形態の患者の解剖学的構造100は、いくつかの断片131、132a-dを有する。ここで、大きな断片130は、骨構造を再建するための方法の適用の基礎として役立つ。外傷骨135は、特徴的な軸137を有する。骨断片、特にここでは大きな骨断片131は、軸137及び特徴的なランドマーク137によって特定することができる。これらの両方の特徴的なアイテムは、骨データベース中のそれぞれの骨の特定を可能にし、これは、その後、再建のための基準として役立ち得る。図1の小さな骨断片132a、132b、133c、132dは、すでに特定され、特定の色に割り当てられている(図の異なる塗りつぶしパターンによって示されている)。
【0082】
図2は、例示的な実施形態による仮想的に整復(補正)された状態の骨折のセグメント化されたCTスキャンを示す。図1からの骨断片132a、132b、133c、132dは、外傷骨135の形態の患者の解剖学的構造が再建されるように、基準断片131に対して補正され整復された、すなわち再建された位置と向きにされる。
【0083】
図3は、基準体20によって支援された、手術中の透視/放射線画像における仮想的に整復された目標輪郭のオーバーレイを示す。基準マーカー24、64は、下の骨の大きい方である脛骨上のドットとして見える。図1及び図2の骨断片132a、132b、133c、132dは、放射線画像、ここではX線透視画像においてそれぞれの輪郭及び構造を特定することによって特定される。したがって、外科医は、異なる骨断片132a、132b、133c、132dを認識し得る。特定後の骨断片は、輪郭のすべてのエッジが2次元画像で見えない場合でも、異なる輪郭を外科医が識別することができるように、特定の色に割り当てられることができる。
【0084】
図4は、放射性密マーキングパターン(ここでは図示せず)を有する基準体50(放射線透過性)を示す。大腿骨用のここに示す例は、長さ調節可能であり、そのため、第1の脚51は、基準体の第2の脚52に対して変位及び/又は回転し得る。パターン認識光学(PRO)技術のための基準としての光学パターン80を、両方の脚51、52上に組み込むことができる。基準体とは、ここでは、放射線イメージングにおいてビュー方向を特定することを目的として特定されることができ、様々な画像を相互に関連付けることができる構造を指す。異なる骨の長さを考慮するために、基準体は、図4に示すように拡張可能、又は、例えば、異なる長さの遠位コンポーネントを用いて、モジュール化されることができる。X線で固有の特定可能な基準を確立するために、固有の放射線/X線投影を有する放射線不透過性サブジオメトリ、例えば、ポリマー体中の鋼球の不規則なパターンが使用される。鋼マークのパターンは、基準マーカーとしても示され、任意のビュー方向から固有の(一意に)特定可能に設計される。しかし、X線において可視の任意の形状が、ソフトウェアに相対投影角度と位置を認識させる能力を与えるように選択されることができる。図4に示すように、基準体の両方の部分の相対位置は、光学イメージング装置を外科用基準体の部分の一方に接続することによって決定され得ることが留意されるべきである。外科用基準体の部分の他方の光学パターンが既知であり、外科用基準体の接続された部分に対するパターンの相対位置及び向きも既知である場合、外科用基準体の一方の部分に対する光学イメージング装置の位置及び向きも既知であり、光学イメージング装置と光学パターンの、したがって外科用基準体の両方の部分の相対位置を決定することができる。光学パターンがその構造とサイズに関して既知である場合、その画像は、画像がどこから撮影されたかを決定することを可能にする。パターンのイメージングされた部分がパターン全体で固有(一意)である限り、パターン全体の画像を撮影する必要はない。光学イメージング装置及び光学パターンの両方は、外科用基準体の第1の部分又は外科用基準体の第2の部分のいずれかを表す。また、外科的追跡システム全体が1つ以上の光学イメージング装置をサポートすることも可能であり、また、外科用基準体の2つ以上の部分の相対的な空間的な位置及び向きを決定するために、1つより多い光学パターンをサポートすることも可能である。光学パターンは、外科用基準体のそれぞれの部分に印刷され得る。外科用基準体の部分に印刷される、埋め込まれる、又は固定される場合、パターンは、光学的参照を可能にするので、外科用基準体の部分を基準体にする。相対的な位置及び向きの光学的決定のために、外科用基準体の部分に対する光学イメージング装置の相対的な位置及び相対的なイメージング又はビュー方向が知られていることが必要であり、これは光学イメージング装置によって表される。同様に、そのような光学パターン自体が知られていることが必要であり、また、外科用基準体の部分に対するその相対的な位置及び相対的な向きが知られていることが必要であり、これは光学パターンによって表される。光学イメージング装置と光学パターンとの互いに対する相対的な位置及び向きを決定することができ、かつ、光学イメージング装置及び光学パターンの各々のそれらによって表される外科用基準体のそれぞれの部分に対する相対的な位置及び向きが知られている場合、外科用基準体の部分の互いに対する相対的な位置及び向きを決定することができる。これは、一方が光学パターンを備え、他方が光学イメージング装置を備えた少なくとも2つの部分を有する抽出可能な外科用基準体に適用され得る。外科用基準体の2つ以上の部分は、非常に大きく、単一の放射線画像によってイメージングすることができない患者の解剖学的構造に適合させるために使用され得る。各部分は、放射線画像中にそれぞれ固有の投影を有する放射線不透過性ジオメトリ又はサブジオメトリを有し得、別々の放射線画像に示され得る。空間的位置及び向きは、基準体の一方の部分に結合された光学イメージング装置及び外科用基準体の他方の部分に結合された光学パターンを用いて実施することができ、したがって、相対的空間的位置の光学的決定とともに、外科用基準体の部分で参照される、例えば長骨の骨部分を含む放射線不透過性(サブ)ジオメトリの空間的位置も決定することができる。外科用基準体の部分は、互いに対する外科用基準体の部分の固定及び解放を選択的に可能にする機械的構造によって互いに結合され得る。これは、それぞれが1つの自由度のみを有するレール又はヒンジを介して、又は1つより多い自由度を可能にする1つより多いレール及び1つより多いヒンジの組み合わせによって行うことができる。以下に外科用器具及び基準体について説明することは、外科用基準体の第1の部分及び外科用基準体の第2の部分にも適用されることが留意されるべきである。
【0085】
これらの基準体は、1つの解剖学的領域の複数のビューを相互に関連付けることを可能にし、その結果、大腿骨、例えば大腿骨頭、大腿骨頸部、近位大腿骨幹軸、顆、遠位関節軸などの解剖学的ランドマーク及び/又は構造の空間的関係の3D再構成を可能にする。これは、ユーザに画面上で大腿骨頭の輪郭、骨幹、転子、顆などの骨のランドマーク及び/又は境界を選択させることによって手動で行うことができる。この情報は、例えば、骨データベースツールからの統計的骨形状モデルにこれらのランドマークを一致させることによって、骨形状の3D近似に処理することができる。これは、再び骨データベースデータを利用する機械学習ネットワークの使用によって自動的に行うことができる。基準体はまた、解剖学的ランドマークを単一又はオーバーラップするc-アームビューでカバーできない領域の相互に関連付けるために画像を関連付けることを可能にする。これにより、近位及び遠位の骨部分の関係を確立し、骨の長さ、前傾、内反/外反などの情報を生成することができる。1つの解剖学的領域の複数のビューを関連付けることと、解剖学的ランドマークを相互に関連付けるために画像を関連付けることとの組み合わせは、図7に示すように、完全な長骨の3Dモデルを確立することを可能にする。重要な側面は、2つの関節周囲領域(近位及び遠位)の空間的関係を決定することである。この場合、骨の近位及び遠位部分の空間的位置は、骨にまたがる外部基準体を介して与えられるため、骨の中心領域を再建することは重要ではない。関連部分の3Dモデルが作成されると、すべての典型的な解剖学的ランドマークと軸を、特にアクティブな形状モデルを介して自動的に特定することが可能である。近位及び遠位幹軸、頸部軸、大腿骨頭の中心などのような解剖学的軸を3Dモデルに含めることができる。
【0086】
患者への基準体の取り付け/固定は様々な方法で達成できる。1つの方法は、装置を患者に取り付けるために皮膚ステッカーを使用することであり、患者は、例えば、装置にプッシュボタン機構で、そして粘着面で患者に接続されることができる。代替として、肢の周囲の面ファスナーストラップ若しくは同様のもの、又は基準体を患者の骨に直接かつ強固に接続する(多軸)ハーフピンを使用することができる。基準体の大部分は、ロボットCアーム又は患者に対するCアームの位置を外部から追跡する他の手段を使用することによって置き換えることができることに留意すべきである。基準体を患者の解剖学的構造に固定したとき、骨の両端は、固有の放射線投影を有するそれぞれの放射線不透過性サブジオメトリによって基準にされる。回転と変位の測定値が既知である場合、放射線不透過性サブジオメトリの相対的な位置及び向き、したがって、骨部分の位置及び向きも決定できる。基準体のそれぞれの部分を骨のそれぞれの部分に固定することによって、それぞれの骨部分とともに固有の放射線投影を有する放射線不透過性サブジオメトリの相対位置が確立されると、位置及び向きは、基準体、特に基準体のそれぞれの変位可能及び回転可能な部分に接着されたそれぞれの光学パターン80によって監視することができる。
【0087】
中外ML方向は、側面から中心へ又は中心から側面への方向として理解される。前後AP方向は、前面から背面へ又は背面から前面への方向として理解される。
【0088】
図5は、参照パターンが見えるX線ビューにおける基準体を示している。基準体50の体の輪郭は、明るいが、あまりコントラストのない輪郭として認識できる。したがって、基準体50は、固有の放射線投影65を有する放射線不透過性ジオメトリ60を含む。放射線投影は、2次元アレイ上のジオメトリの投影画像と見なされる。放射線不透過性ジオメトリ60は、いくつかの放射線不透過性サブジオメトリ61、62、63を有し得、それぞれが固有の放射線投影66、67、68を有し得るため、空間的な位置及び向きの決定は、放射線不透過性サブジオメトリのうちの1つのみで可能である。放射線不透過性(サブ)ジオメトリ60、61、62、63は、図4に関して上述したように、いくつかの基準マーカー64を有し得る。
【0089】
図6は、2次元から3次元への可視化を示す。3次元近似は、既知の相対的位置の画像を持つ2つ以上の2次元蛍光透視/放射線画像に基づいて生成され、通常は、ここには示されていない画像の基準体を介して生成される。3次元近似は、骨S140をイメージングすることに基づいて実行される。1つの画像は、中外ML方向S140MLから撮影され、さらなる画像は、前後方向S140APから撮影される。近似は、ML及びAPビューに限定されるものではなく、ML及びAPビューとは異なる複数のビューを用いて行われても良いことが留意されるべきである。しかしながら、MLビュー及びAPビューは当技術分野において確立されている。ML及びAPビューから解剖学的構造/骨の3D再構成を行うことができる。これは、患側の骨及び健側の骨をイメージングするために行うことができる。
【0090】
図7は、例示的な実施形態による長骨の3D再構成を示す。長骨125、ここでは健側の長骨125は、遠位端121(ここでは左)及び近位端122(ここでは右)のみでイメージングされる。中間部分自体は再建に関連しないので、中間部分はイメージングされず、再建に関しては遠位及び近位端部分の両方の相対的な位置及び向きのみが関連する。長骨125の向き特徴的な軸127及びの特徴的なランドマーク126が使用される。特徴的な軸127、特に特徴的な長手方向軸127は、ML(下)ビューの図7に示すように、湾曲していてもよいし、直線セグメントで構成されていてもよいことが留意されるべきである。同じことが、患側の骨(ここには図示せず)についても準用される。詳細については、図11も参照されたい。骨断片、特に長骨の骨断片の位置決めは、髄内釘で支持することができる。この目的のために、髄内釘を髄内管に導入して、骨断片、特に近位断片と遠位断片の相対位置を、その回転位置及び長手方向位置に関して安定させることができる。髄内釘は、患側の骨と健側の骨との間の比較に基づいて再位置決めする前に導入してもよいが、安定化の目的で再位置決めした後に導入してもよい。
【0091】
図8は、例示的な実施形態による対側輪郭(contra-lateral outlines)の画像オーバーレイによる整復支援を示す。蛍光透視/放射線画像は、2つの断片111,112を有する外傷骨115と、その特徴的な軸117及び特徴的なランドマーク116とを有する肢110を示す。位置及び向きは、基準体50とその基準マーカー24,64によって決定することができる。放射線画像は、その特徴的な軸127,147と特徴的なランドマーク126,146によって、健側の骨125,145の輪郭を増強している(augmented)。外科医は、健側の骨125,145の増強された輪郭に到達するために、外傷骨115の主断片111に増強を整列させ(align)、その後さらに主断片111に更なる断片112を整列させ得る。
【0092】
図9は、例示的な実施形態による2つの異なるビューにおける対側輪郭の画像オーバーレイによる整復支援を示す。右図は、図8の図に対応する。両方の図は、図8に関して説明されているように、基準体の放射線不透過性ジオメトリの一意の投影を通して位置及び向きの特定を可能にする。
【0093】
図10は、例示的な実施形態による関節内整復支援のための、健側の骨125,145の鏡像化された対側輪郭の輪郭オーバーレイを示す。図に示すように、主断片111,131は、増強された対側骨125,145の輪郭に対応する。増強された輪郭は、同じ目的のために骨データベースからも導出され得ることが留意されるべきである。さらなる断片112、132a又は任意の追加の(ここでは図示せず)断片132b、132c、132dは、図10においてまだ再位置決めされていないが、外科医は、どこにさらなる断片112、132aが、健側の骨125,145の輪郭又は骨データベースからの対応する輪郭に合致するように位置決めされ且つ向きを合わせられるか(oriented)を明確に認識し得る。
【0094】
図11は、健側の骨(左)及び患側の骨(右)を対比して示している。健側の肢120の健側の長骨125は、その遠位端121及び近位端122においてのみイメージングされている。再建に関しては遠位及び近位端部分の両方の相対的な位置及び向きのみが関連し、中間部分自体は再建に関連しないので、中間部分はイメージングされていない。向きについて、長骨125の特徴的な軸127及び特徴的なランドマーク126が使用する。同様に、患側の肢110の患側の長骨115は、その遠位端111及び近位端112においてのみイメージングされる。再建に関しては遠位及び近位端部分の両方の相対的な位置及び向きのみが関連し、中間部分自体は再建に関連しないので、中間部分はイメージングされない。向きについて、患側の長骨115、特にその主断片の特徴的な軸117及び特徴的なランドマーク116が使用される。ここで、外科医は、患側の骨115を健側の骨125と比較することにより、主断片131に対してさらなる断片132aを再配置し得る。次に、健側の骨125の輪郭は、図8及び図10に関して図示及び記述されているように、患側の骨に対して鏡像化及び増強される。
【0095】
同様に、患側の骨115の近位端111(上部)全体をその遠位端112(下部)上に再位置決めすることが実行され得、骨折線は患側の骨115の中央部分のどこかにあるが、ここではイメージングされていない。手順は、図8に関して図示及び記述するものと同じである。
【0096】
このような長さ及び回転アライメントの長骨の整復支援の手順は、概して次のように説明される。この目的のために、2Dから3D再構成と組み合わせた基準体が、提案された手術シーケンスによる大腿骨整復支援の例で使用される。最初に、図6及び図7に関して記述された3Dモデルが、健側の(対側)骨/肢から生成される。このために、対象となる骨125の長さにまたがる基準体50が、健側の肢120に配置される。骨の近位領域の少なくとも2つの画像が撮影される(理想的な結果のためには、図6に関して記述されているように、角度は90度、特にAP及びMLに近くなるべきである)。骨の遠位部分122の少なくとも2つの画像が撮影される。画像の両方のグループは、骨の3D近似(2Dから3D又は手動法)に処理され、ランドマーク126及び軸/軸(複数)127は、3Dモデルに基づいて自動的に計算される。対象の骨の長さにまたがる図4に関して説明される基準体50が、患側の肢110に配置される。肢の少なくとも1つの部分(近位部分又は遠位部分)の2枚以上の画像が撮影される。骨の基準部分(大腿骨骨折では典型的に近位部分)の3Dモデルが確立され、軸117が決定される。遠位部分を整復する際の支援が望まれる場合、鏡像化された対側完全骨モデル(図6及び図7からの)は、近位軸117,127(例えば、近位幹軸及び頸部軸)をベストフィット一致で配置することにより、骨の近位部分の位置に仮想的に一致させることができる。近位基準を遠位蛍光透視イメージングに持ち込むために基準体50を使用して、輪郭及び/又は軸/ランドマーク116/117,126/127を、図9に示すように画像にオーバーレイする(重ねる)ことができる。これは外科医が整復のための基準として使用することができる。必要に応じて、対側(目標)輪郭を任意のその後の画像に表示することができる。オーバーレイの調整は、短縮又は角度偏差を受け入れること又は調節することを含むことができる。達成された整復の質に関するより詳細な比較及び情報のために、外科医は骨の遠位部分の2枚以上の画像を撮影することも選択できる。このようにして、折れた骨に対しても、図7のような3Dモデルを確立することができ、システムは、対側の同等の値又は例えば文献からの解剖学的平均と直接比較することができる前傾角、内反角及び骨の長さとして物事を示すことができる。主に長さ/回転/アライメントで整復支援を提供することができることは、特にこれが術前CT又は術前の全長X線又は放射線画像なしで達成できることを考慮すると、大きな医学的利益である。
【0097】
長骨の整復に加えて、鏡像化された対側骨の輪郭を重ねることは、図10に示すような単純な骨折パターンの場合でも、より複雑な骨折パターンの場合でも、関節内の整復を支援するのに有用であり得る。この使用例では、鏡像化されたCl-モデル125,147は、手動又は自動のいずれかで、最大/基準断片131と一致させることができる。後続画像における画像/輪郭オーバーレイにより、断片の整復を容易にすることができる。これまでのすべての記述は術前の3Dイメージング(CT)に依存していないが、CTイメージングデータは関連性の高い技術で利用することができる。健側の肢のセグメント化CTは、3Dモデルを確立し、上述のように再位置合わせステップの代替として使用することができる。ランドマーク/軸検出は、蛍光透視法ベースの技術と同じ方法を使用して実行することができた。骨折骨のセグメント化CTスキャンは、対側へのベストフィット形状マッチング又は仮想骨データベースとの比較による完全な形状モデリングのいずれかを使用して、仮想的に整復することができた(パズル)。バックグラウンドでの骨折骨のセグメント化CTスキャンにより、システムは、図1及び図2に関して記述されているように、1つ以上の画像を使用して、個々の断片の位置と姿勢を特定することができた。前述の基準体は、正確な空間的な位置/姿勢の特定のために、ここでも複数のビューを結合することを可能にする。これは、次に、画像オーバーレイ又は数値によって、対側からの又は仮想整復から来る目標と比較されることができる。
【0098】
図12は、例示的な実施形態による方法を示す。この方法は:患側の肢130の外傷骨135の複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dをイメージングするステップS160と、前記イメージングするステップに基づいて、患側の肢130の外傷骨135の複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dのそれぞれの輪郭、位置及び向きを特定するステップS150と、複数の特定された骨断片131、132a、132b、132c、132dの少なくとも1つに基づいて3次元骨モデルの骨データベース中の対応する非外傷骨を特定するステップS155と、複数の特定された骨断片131、132a、132b、132c、132dを3次元骨モデルの骨データベースの特定された非外傷骨の対応する輪郭及び位置に割り当てるステップS200と、前外傷状態の患側の肢132の外傷骨131の複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dのそれぞれの再構成された位置及び向きが認識できるように、3次元骨モデルの骨データベースの特定された非外傷骨の対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dのそれぞれの輪郭、位置及び向きを可視化するステップS180と;を含む。
【0099】
図13は、さらなる例示的な実施形態による方法を示す。方法のこの実施形態は、健側の対側肢140の骨145をイメージングするステップS140と、前記イメージングするステップに基づいて健側の対側肢140の骨145の輪郭、位置及び向きを特定するステップS150と、患側の肢130の外傷骨135の複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dをイメージングするステップS160と、前記複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dをイメージングするステップに基づいて、患側の肢130の外傷骨135の複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dのそれぞれの輪郭、位置及び向きを特定するステップS170と、特定された複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dを健側の対側肢140の骨145の特定された輪郭、位置及び向きの対応する輪郭及び位置に割り当てるステップS200と、前外傷状態の患側の肢132の骨135の複数の骨断片131、132a,132b,132c,131dのそれぞれの再構成された位置及び向きが認識できるように、健側の対側肢140の骨145の特定された輪郭の位置及び向きの対応する輪郭、位置及び向きに割り当てられた複数の骨断片131、132a、132b、132c、132dのそれぞれの輪郭、位置及び向きを可視化するステップS180と、を含む。
【0100】
図14は、さらなる例示的な実施形態による方法を示す。プロセスステップは、必要に応じて変えられ得る。図12及び図13に関して説明されていることに加えて、本方法は、健側の対側肢の長骨をイメージングするステップS140において、MLから画像を撮影するステップS140ML及びAPから画像を撮影するステップS140APを選択的かつ任意に含んでよく、これは、健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングするステップS141及び健側の対側肢の長骨の第2の端部をイメージングするステップS142の両方に適用される。さらに、本方法は、健側の対側肢の長骨の特性を特定するステップS150だけでなく、実際の骨の画像、実際の画像によってトレーニングされた人工知能アルゴリズムから生成された画像及び/又は統計的形状モデルに基づき得る、骨データベース155中の対応する骨を特定するステップも含み得る。この方法はさらに、再構成前の状態における特定された骨断片を可視化するステップS158を含み得る。さらに、この方法は、患側の肢の(長)骨の断片の特性を特定するステップS170を含み得る。長骨断片とともに健側の肢の長骨の特性を可視化するステップS180では、さらに、健側の長骨断片の対応する端部との断片の一致を確立するステップS184が含まれ得る。さらに、この方法は、長骨の断片及び端部の空間的な偏差量を決定するステップS190及び長骨の端部に関して不一致の断片を変更する命令を出力するステップを含み得る。
【0101】
図15は、さらに例示的な実施形態による方法を示しており、それによると、この方法は、健側の対側肢120の長骨125をイメージングするステップS140と、それに基づいて健側の対側肢120の長骨125の輪郭、位置及び向きを特定するステップS150と、患側の肢110の長骨115の長骨断片111,112をイメージングするステップS160と、長骨断片111,112の位置及び向きの偏差が認識できるように、健側の対側肢120の長骨125の特定された輪郭、位置及び向きを、患側の肢110の長骨115の長骨断片111,112の可視化と共に可視化するステップS180と、を含む。
【0102】
図16は、さらなる例示的な実施形態による方法を示す。プロセスステップは、必要に応じて変えられ得る。図15に関して説明されていることに加えて、この方法は、さらに選択的かつ任意に、健側の対側肢S140の長骨をイメージングするステップが、MLから画像を撮影するステップS140ML及びAPから画像を撮影するステップS140APを含み得ることを含み得る。これは、健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングするステップS141及び健側の対側肢の長骨の第2の端部をイメージングするステップS142に適用し得る。患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップS160は、さらに、患側の肢の長骨の第1の断片をイメージングするステップS161化及び患側の肢の長骨の第2の断片をイメージングするステップS162を含み得る。さらに、この方法は、患側の肢の(長)骨の断片の特性を特定するステップS170を含み得る。長骨断片とともに患側の肢の長骨の特性を可視化するステップS180は、さらに、可視化された長骨のランドマーク及び軸を可視化するステップS182と、患側の長骨の対応する端部と断片の一致を確立するステップS184と、不一致の断片及び長骨の対応する端部の偏差を可視化するステップS186とを含み得る。本方法は、さらに、断片及び長骨端部の空間的偏差の量を決定するステップS190と、長骨の端部に関して不一致の断片を変更する命令を出力するステップS195と、を含み得る。
【符号の説明】
【0103】
20 外科用誘導装置の放射線不透過性ジオメトリ
24 基準マーカー
50 外科用基準体
51 外科用基準体の第1の脚
52 外科用基準体の第2の脚
60 外科用基準体の放射線不透過性ジオメトリ
61 外科用基準体の第1の放射線不透過性サブジオメトリ
62 外科用基準体の第2の放射線不透過性サブジオメトリ
63 外科用基準体の第3の放射線不透過性サブジオメトリ
64 基準マーカー
65 外科用基準体の放射線不透過性ジオメトリの固有の放射線投影
66 外科用基準体の第1のサブジオメトリの固有の放射線投影
67 外科用基準体の第2のサブジオメトリの固有の放射線投影
68 科用基準体の第3のサブジオメトリの固有の放射線投影
80 光学パターン
100 患者の解剖学的構造
110 患側の肢
111 患側の肢の第1の長骨断片
112 患側の肢の第2の長骨断片
115 患側の肢の長骨
116 患側の肢の長骨の特徴的なランドマーク
117 患側の肢の長骨の特徴的な軸
120 反対側の健側の肢
121 健側の肢の長骨の第1の端部
122 健側の肢の長骨の第2の端部
125 健側の肢の長骨
126 健側の肢の長骨の特徴的なランドマーク
127 健側の肢の長骨の特徴的な軸
130 患側の肢
131 患側の肢の骨の骨断片
132a-d 患側の肢の骨の骨断片
135 患側の肢の外傷骨
136 外傷骨の特徴的なランドマーク
137 外傷骨の特徴的な軸
140 骨断片の反対側の健側の肢
145 健側の肢の骨
146 反対側の健側の骨の特徴的なランドマーク
147 反対側の健側の骨の特徴的な軸
S140 健側の対側肢の長骨をイメージングするステップ
S140ML MLから画像を撮影するステップ
S140AP APから画像を撮影するステップ
S141 健側の対側肢の長骨の第1の端部をイメージングするステップ
S142 健側の対側肢の長骨の第2の端部をイメージングするステップ
S150 健側の対側肢の長骨の特性を特定するステップ
S155 骨データベース中の対応する骨を特定するステップ
S158 再構成前の状態の特定された骨断片を可視化するステップ
S160 患側の肢の長骨の長骨断片をイメージングするステップ
S161 患側の肢の長骨の第1の断片をイメージングするステップ
S162 患側の肢の長骨の第2の断片をイメージングするステップ
S170 患側の肢の(長)骨の断片の特性を特定するステップ
S175 骨データベース中の長骨断片を特定するステップ
S180 健側の長骨の特性を長骨断片とともに可視化するステップ
S182 可視化された長骨のランドマーク及び軸を可視化するステップ
S184 健側の長骨の対応する端部との断片の一致を確立するステップ
S186 長骨の不一致断片及び対応する端部の偏差を可視化するステップ
S190 長骨の断片及び端部の空間的な偏差の量を決定するステップ
S195 長骨の端部に関して不一致の断片を変更する命令を出力するステップ
S200 骨データベースの対応する特定された骨に骨断片を割り当てるステップ
ML 第1の側面、第1のビュー、内外側面/ビュー
AP 第2の側面、第2のビュー、前後側面/ビュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】