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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】抗MASP-2抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/40 20060101AFI20240625BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240625BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240625BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240625BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240625BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240625BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240625BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240625BHJP
   C12Q 1/00 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240625BHJP
   G01N 33/573 20060101ALI20240625BHJP
   G01N 33/531 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C07K16/40 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C12Q1/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K31/7088
A61K35/76
G01N33/573 A
G01N33/531 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575981
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022097268
(87)【国際公開番号】W WO2022257900
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110638145.4
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521155852
【氏名又は名称】シャンハイ ジェミンケア ファーマシューティカル カンパニー,リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】521155863
【氏名又は名称】チアンシー ジェミンケア グループ カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 小五
(72)【発明者】
【氏名】曹 暁丹
(72)【発明者】
【氏名】宋 剣秋
(72)【発明者】
【氏名】王 宗達
(72)【発明者】
【氏名】劉 培培
(72)【発明者】
【氏名】張 建建
(72)【発明者】
【氏名】顧 春銀
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 俗俊
(72)【発明者】
【氏名】潘 忠宗
(72)【発明者】
【氏名】王 学萍
【テーマコード(参考)】
4B063
4B064
4B065
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ36
4B063QR01
4B063QS33
4B063QX02
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD88
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA05
4C087NA14
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
約2E-09M以下のK値でヒトMASP-2タンパク質に特異的に結合され、約2E-09M以下のK値でカニクイサルMASP-2タンパク質に特異的に結合される抗MASP-2抗体及びその使用。前記抗MASP-2抗体を含む免疫コンジュゲート、前記抗MASP-2抗体の製造方法、及び抗MASP-2抗体の使用。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の性質のうちの1つ又は複数を有する、単離された抗原結合タンパク質。
a)Octet検出において、約2E-09M以下のK値でヒトMASP-2タンパク質に特異的に結合されること
b)Octet検出において、約2E-09M以下のK値でカニクイサルMASP-2タンパク質に特異的に結合されること
c)補体の古典経路及び副経路に影響を与えることなくヒト補体系レクチン経路を特異的にブロックできること
【請求項2】
SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含む、請求項1に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項3】
SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項4】
SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項5】
SEQ ID NO: 67で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項6】
SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項7】
前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項8】
C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項9】
前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項10】
前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項11】
前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項12】
前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項13】
前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項14】
N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項15】
前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項16】
H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項17】
前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項18】
前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項16~17のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)H-FR1:SEQ ID NO: 14、H-FR2:SEQ ID NO: 16、H-FR3:SEQ ID NO: 18、及びH-FR4:SEQ ID NO: 20
b)H-FR1:SEQ ID NO: 27、H-FR2:SEQ ID NO: 28、H-FR3:SEQ ID NO: 29、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
【請求項19】
SEQ ID NO: 67で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項20】
前記VHは、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項21】
SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項22】
SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項23】
SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項24】
SEQ ID NO: 66で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項25】
SEQ ID NO: 5、及び21のいずれかで示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項26】
前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項27】
C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項28】
前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項27に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項29】
前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項30】
前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項31】
前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項32】
前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項33】
N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項34】
前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項35】
L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項36】
前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項35に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項37】
前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項35~36のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)L-FR1:SEQ ID NO: 6、L-FR2:SEQ ID NO: 8、L-FR3:SEQ ID NO: 10、及びL-FR4:SEQ ID NO: 12
b)L-FR1:SEQ ID NO: 22、L-FR2:SEQ ID NO: 23、L-FR3:SEQ ID NO: 24、及びL-FR4:SEQ ID NO: 25
【請求項38】
前記VLは、SEQ ID NO: 66で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項39】
前記VLは、SEQ ID NO: 5、及びSEQ ID NO: 21のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項38に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項40】
VHとVLを含み、前記VH及びVLは、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)VH:SEQ ID NO: 13、及びVL:SEQ ID NO: 5
b)VH:SEQ ID NO: 26、及びVL:SEQ ID NO: 21
【請求項41】
SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含む、請求項1に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項42】
SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含む、請求項1及び41のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項43】
SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含む、請求項1及び41~42のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項44】
SEQ ID NO: 77で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む、請求項1及び41~43のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項45】
SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む、請求項1及び41~44のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項46】
前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1及び41~45のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項47】
C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含む、請求項1及び41~46のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項48】
前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項49】
前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含む、請求項1及び41~48のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項50】
前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項51】
前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含む、請求項1及び41~50のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項52】
前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項51に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項53】
N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含む、請求項1及び41~52のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項54】
前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項53に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項55】
H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1及び41~54のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項56】
前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項55に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項57】
前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項55~56のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)H-FR1:SEQ ID NO: 40、H-FR2:SEQ ID NO: 42、H-FR3:SEQ ID NO: 44、及びH-FR4:SEQ ID NO: 46
b)H-FR1:SEQ ID NO: 53、H-FR2:SEQ ID NO: 54、H-FR3:SEQ ID NO: 55、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
【請求項58】
SEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含む、請求項1及び41~57のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項59】
前記VHは、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項58に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項60】
SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む、請求項1及び41~59のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項61】
SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含む、請求項1及び41~60のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項62】
SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含む、請求項1及び41~61のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項63】
SEQ ID NO: 76で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、請求項1及び41~62のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項64】
SEQ ID NO: 31、及びSEQ ID NO: 47で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、請求項1及び41~63のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項65】
前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1及び41~64のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項66】
C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含む、請求項1及び41~65のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項67】
前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項68】
前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含む、請求項1及び41~67のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項69】
前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項70】
前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含む、請求項1及び41~69のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項71】
前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項70に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項72】
N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含む、請求項1及び41~71のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項73】
前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項72に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項74】
L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1及び41~73のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項75】
前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項74に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項76】
前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項74~75のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)L-FR1:SEQ ID NO: 32、L-FR2:SEQ ID NO: 34、L-FR3:SEQ ID NO: 36、及びL-FR4:SEQ ID NO: 38
b)L-FR1:SEQ ID NO: 48、L-FR2:SEQ ID NO: 49、L-FR3:SEQ ID NO: 50、及びL-FR4:SEQ ID NO: 51
【請求項77】
SEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項1及び41~76のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク。
【請求項78】
前記VLは、SEQ ID NO: 31、及び47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項77に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項79】
VHとVLを含み、前記VH及びVLは、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項1及び41~78のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)VH:SEQ ID NO: 39、及びVL:SEQ ID NO: 31
b)VH:SEQ ID NO: 52、及びVL:SEQ ID NO: 47
【請求項80】
IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含む重鎖定常領域を含む、請求項1~79のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項81】
前記重鎖定常領域はIgG由来の定常領域を含む、請求項80に記載の単離された抗体結合タンパク質。
【請求項82】
前記重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4由来の定常領域を含む、請求項80~81のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項83】
前記重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含む、請求項80~82のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項84】
Igκ由来の定常領域又はIgλ由来の定常領域を含む軽鎖定常領域を含む、請求項1~83のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項85】
前記軽鎖定常領域はヒトIgκ由来の定常領域を含む、請求項84に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項86】
前記軽鎖定常領域は、SEQ ID NO: 57で示されるアミノ酸配列を含む、請求項84~85のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項87】
抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項1~86のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項88】
前記抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv断片、F(ab’)2、scFv、di-scFv、VHH及び/又はdAbからなる群から選択される、請求項87に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項89】
前記抗体は、モノクローナル抗、一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び完全ヒト抗体からなる群から選択される、請求項87~88のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項90】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質を含む、ポリペプチド。
【請求項91】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドを含む、免疫コンジュゲート。
【請求項92】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、又は請求項90に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
【請求項93】
請求項92に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項94】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項90に記載のポリペプチド、請求項91に記載の免疫コンジュゲート、請求項92に記載の単離された核酸分子及び/又は請求項93に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項95】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドを製造する方法であって、
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドを発現させる条件で、請求項94に記載の細胞を培養することを含む、方法。
【請求項96】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項90に記載のポリペプチド、請求項91に記載の免疫コンジュゲート、請求項92に記載の単離された核酸分子、請求項93に記載のベクター、請求項94に記載の細胞、及び/又は薬学的に許容されるアジュバント及び/又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項97】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドを用いることを含む、MASP-2を検出又は測定するための方法。
【請求項98】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドを含む、MASP-2の検出キット。
【請求項99】
MASP-2の存在及び/又は含有量を検出するために用いられるキットの製造における、請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項90に記載のポリペプチドの使用。
【請求項100】
疾患又は障害を予防及び/又は治療する薬物の製造における、請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項90に記載のポリペプチド、請求項91に記載の免疫コンジュゲート、請求項92に記載の単離された核酸分子、請求項93に記載のベクター、請求項94に記載の細胞及び/又は請求項96に記載の医薬組成物の使用。
【請求項101】
疾患又は障害の予防、寛解及び/又は治療における、請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項90に記載のポリペプチド、請求項91に記載の免疫コンジュゲート、請求項92に記載の単離された核酸分子、請求項93に記載のベクター、請求項94に記載の細胞及び/又は請求項96に記載の医薬組成物の使用。
【請求項102】
請求項1~89のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項90に記載のポリペプチド、請求項91に記載の免疫コンジュゲート、請求項92に記載の単離された核酸分子、請求項93に記載のベクター、請求項94に記載の細胞及び/又は請求項96に記載の医薬組成物の有効量を、これを必要とする被験者に投与することを含む、疾患又は障害を予防及び/又は治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、生物医薬の分野に関し、具体的には、抗MASP-2抗体及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫グロブリンA腎症(IgAN)(Berger病とも呼ばれる)は、メサンギウム増殖性糸球体腎炎(GN)であり、IgAが腎メサンギウム内にびまん性沈着することを特徴とする。現在、IgA腎症の治療について、KIDGOガイドラインでは、尿タンパク質を低下させ、腎臓機能を改善するためにACEi/ARBの使用が推奨され、また、免疫蛍光研究により、糸球体局所補体C3活性化は予後不良に繋がり、これは、IgA腎症が補体系の活性化と関係があることを示唆し、補体系は、1)古典経路(CP classical pathway)、2)副経路(AP alternative pathway)、3)レクチン経路(LP lectin pathway)の3つの経路を含んでいる。以前は、医学界では、この疾患の予後は良好であり、健康に害を及ぼすことはないと一般に考えられていたが、IgA腎症に対する理解が経時的に深まるにつれて、医師たちは、すべてのIgA腎症の患者が良い予後を有するわけではなく、IgA腎症患者のかなりの割合は予後が良好ではなく、発症後10~20年で尿毒症に進行することを発見した。適切にコントロールされず、急速に進行するIgA腎症であれば、家族や社会に多大な負担をもたらすことになる。しかし、現在、IgA腎症を治療するための「武器」は比較的少なく、RASブロッカー(サルタン薬とプリル薬)やホルモンでIgA腎症患者の状態をコントロールすることはできるが、かなりの割合の患者がこれらの薬剤に対する応答が乏しい。補体の異常な活性化によって引き起こされる腎臓の損傷は、現在基礎研究において非常に重要な方向であり、IgA腎症の悪化の一部は補体の異常な活性化によって引き起こされる。
【0003】
MASP-2は補体系(complement system)におけるレクチンシグナル経路のエフェクター酵素(effector enzyme)で、補体の異常な活性化を阻止するのに好適な標的の1つである。
【0004】
そのため、MASP-2に対する親和性が高く、特異性が高い新規抗MASP-2抗体の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【0005】
本願は、以下の性質のうちの1つ又は複数を有する、単離された抗原結合タンパク質を提供する。
1)Octet検出において、約2E-09M以下のKD値でヒトMASP-2タンパク質に特異的に結合されること、
2)Octet検出において、約2E-09M以下のKD値でサルMASP-2タンパク質に特異的に結合されること、
3)補体の古典経路及び副経路に影響することなくヒト補体系レクチン経路を特異的にブロックできること
【0006】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 67で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含み、及び前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)H-FR1:SEQ ID NO: 14、H-FR2:SEQ ID NO: 16、H-FR3:SEQ ID NO: 18、及びH-FR4:SEQ ID NO: 20
b)H-FR1:SEQ ID NO: 27、H-FR2:SEQ ID NO: 28、H-FR3:SEQ ID NO: 29、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
【0023】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 67で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 66で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 5、及び21のいずれかで示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)L-FR1:SEQ ID NO: 6、L-FR2:SEQ ID NO: 8、L-FR3:SEQ ID NO: 10、及びL-FR4:SEQ ID NO: 12
b)L-FR1:SEQ ID NO: 22、L-FR2:SEQ ID NO: 23、L-FR3:SEQ ID NO: 24、及びL-FR4:SEQ ID NO: 25
【0042】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記VLは、SEQ ID NO: 66で示されるアミノ酸配列を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記VLは、SEQ ID NO: 5、及びSEQ ID NO: 21のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記VH、及びVLは、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)VH:SEQ ID NO: 13、及びVL:SEQ ID NO: 5
b)VH:SEQ ID NO: 26、及びVL:SEQ ID NO: 21
【0045】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 77で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)H-FR1:SEQ ID NO: 40、H-FR2:SEQ ID NO: 42、H-FR3:SEQ ID NO: 44、及びH-FR4:SEQ ID NO: 46
b)H-FR1:SEQ ID NO: 53、H-FR2:SEQ ID NO: 54、H-FR3:SEQ ID NO: 55、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
【0062】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記VHは、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 76で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 31、及びSEQ ID NO: 47のいずれかで示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)L-FR1:SEQ ID NO: 32、L-FR2:SEQ ID NO: 34、L-FR3:SEQ ID NO: 36、及びL-FR4:SEQ ID NO: 38
b)L-FR1:SEQ ID NO: 48、L-FR2:SEQ ID NO: 49、L-FR3:SEQ ID NO: 50、及びL-FR4:SEQ ID NO: 51
【0081】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、SEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記VLは、SEQ ID NO: 31、及び47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、VHとVLを含み、前記VH及びVLは、以下から選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む。
a)VH:SEQ ID NO: 39、及びVL:SEQ ID NO: 31
b)VH:SEQ ID NO: 52、及びVL:SEQ ID NO: 47
【0084】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含む重鎖定常領域を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗体結合タンパク質において、前記重鎖定常領域は、IgG由来の定常領域を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4由来の定常領域を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、Igκ由来の定常領域又はIgλ由来の定常領域を含む軽鎖定常領域を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記軽鎖定常領域は、ヒトIgκ由来の定常領域を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記軽鎖定常領域は、SEQ ID NO: 57で示されるアミノ酸配列を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質は、抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv断片、F(ab’)2、scFv、di-scFv、VHH及び/又はdAbからなる群から選択される。
【0093】
いくつかの実施形態では、前記単離された抗原結合タンパク質において、前記抗体は、モノクローナル抗、一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び完全ヒト抗体からなる群から選択される。
【0094】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質を含む、1種又は複数種のポリペプチドを提供する。
【0095】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを含む、1種又は複数種の免疫コンジュゲートを提供する。
【0096】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質、又は前記ポリペプチドをコードする、1種又は複数種の単離された核酸分子を提供する。
【0097】
別の態様では、本願は、前記単離された核酸分子を含む、1種又は複数種のベクターを提供する。
【0098】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子及び/又は前記ベクターを含む、1種又は複数種の細胞を提供する。
【0099】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを発現させる条件下で、前記細胞を培養することを含む、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを製造する方法を提供する。
【0100】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞、及び/又は薬学的に許容されるアジュバント及び/又は賦形剤を含む、1種又は複数種の医薬組成物を提供する。
【0101】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを用いることを含む、MASP-2を検出又は測定するための方法を提供する。
【0102】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを含む、MASP-2の検出キットを提供する。
【0103】
別の態様では、本願は、MASP-2の存在及び/又は含有量を検出するために用いられるキットの製造における、単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドの使用を提供する。
【0104】
別の態様では、本願は、疾患又は障害を予防及び/又は治療する薬物の製造における、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞及び/又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0105】
別の態様では、本願は、疾患又は障害の予防、寛解及び/又は治療における、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞及び/又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0106】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、及び/又は前記細胞の有効量を、これを必要とする被験者に投与することを含む、疾患又は障害を予防及び/又は治療する方法を提供する。
【0107】
当業者は、以下の詳細な説明から本願の他の態様及び利点を容易に把握することができる。以下の詳細な説明では、本願の例示的な実施形態のみが示され、説明される。当業者が認識するように、本願の内容は、当業者が、本願に係る発明の精神及び範囲を逸脱することなく、開示された具体的な実施形態を変更することを可能にする。対応的に、本願の図面及び明細書の説明は、単に例示的なものであって、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
本願に係る発明の特定の特徴は、添付の特許請求の範囲に示されている。本願に係る発明の特徴及び利点は、以下に詳細に説明される例示的な実施形態及び添付の図面を参照することにより、よりよく理解することができる。図面について以下のように簡単に説明する
【0109】
図1】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体50A6のヒトMASP-2への結合を示す。
図2】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体47A1のヒトMASP-2への結合を示す。
図3A】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体50A6のカニクイザルMASP-2への結合を示す。
図3B】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体50A6のマウスMASP-2への結合を示す。
図4A】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体47A1のカニクイザルMASP-2への結合を示す。
図4B】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体47A1のマウスMASP-2への結合を示す。
図5】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体による補体系レクチン経路のブロック結果を示す。
図6】本願に係る例示的なヒト化抗MASP-2抗体による補体系レクチン経路のブロック結果を示す。
図7】本願に係る例示的な抗MASP-2抗体のヒト化FcRnマウスモデルにおける薬物動態(PK)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0110】
以下では、本願の実施形態を特定の具体的な実施例によって説明するが、当業者であれば、本明細書に開示されている内容から本願の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
用語定義
【0111】
本願において、「単離された」という用語は、通常、自然状態から人工的手段によって得られたものを意味する。もし自然界にある「単離」された物質や成分が現れたら、それが置かれている天然環境が変化したか、天然環境下から当該物質が単離したか、あるいは両方の状況が発生したかもしれない。例えば、生きているある動物の体内に、ある種の単離されていないポリヌクレオチド又はポリペプチドが天然に存在し、その天然状態から単離された高純度の同一のポリヌクレオチド又はポリペプチドを単離されたものと呼ぶ。「単離された」という用語は、人工的又は合成的な物質が混在していること、又は物質の活性に影響を及ぼさないその他の不純物質の存在を排除するものではない。
【0112】
本願において、「抗原結合タンパク質」という用語は、通常、特定の抗原を特異的に認識及び/又は中和することができるポリペプチド分子を意味する。例えば、本願において、「抗原結合タンパク質」という用語は、「抗体」又は「抗原結合断片」を含んでもよい。例えば、前記抗体は、ジスルフィド結合を介して互いに連結された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖からなる免疫グロブリンを含んでいてもよく、その抗原結合部分を含む任意の分子を含んでいてもよい。「抗体」という用語は、マウス由来抗体、ヒト抗体(全ヒト抗体)、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体(例えば、scFv)、及び抗原に結合する抗体断片(例えば、Fab、Fab’、VHH及び(Fab)2断片)を含むが、これらに限定されないモノクローナル抗体、抗体断片又は抗体誘導体を含んでもよい。「抗体」という用語はまた、原核細胞で発現される抗体、非グリコシル化抗体、及び本明細書で説明される抗原に結合する任意の抗体断片及びその誘導体など、抗体のすべての組換え体の形態を含んでもよい。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域から構成されてもよい。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)と軽鎖定常領域から構成されてもよい。VH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域としてさらに区別されてもよく、これらは、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存的な領域に散在している。各VH及びVLは、3つのCDR領域と4つのFR領域から構成されていてもよく、アミノ末端からカルボキシル末端までFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4の順に配列されていてもよい。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原(例えば、ヒトMASP-2)と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の複数種の細胞(例えばエフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の成分(Clq)を含む宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。前記CDRの正確な境界は、異なるシステムに従って異なるように定義されている。Kabat(Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)及び(1991))によって記述されたシステムは、抗原結合断片の任意の可変領域に適用可能な明確な残基ナンバリングシステムを提供するだけでなく、CDRを限定する正確な残基境界を提供する。これらのCDRはKabat CDRと呼ぶことができる。Chothiaと同僚(Chothia及びLesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)、及びChothiaら,Nature 342:877-883(1989))は、アミノ酸配列レベルでは大きな多様性があるにもかかわらず、Kabat CDR内の一部のサブセクションがほぼ同じペプチド主鎖立体構造をとることを発見した。これらのサブセクションはL1、L2及びL3、又はH1、H2及びH3と命名され、ここで「L」及び「H」はそれぞれ軽鎖及び重鎖領域を指す。これらの領域は、Kabat CDRと重なる境界を有するChothia CDRと呼ばれ得る。Kabat CDRと重なり、CDRを限定する他の境界はPadlan(FASEB J.9:133-139(1995))及びMacCallum(J Mol Biol 262(5):732-45(1996))によって記述されている。また、他のCDR境界の定義は、上記のシステムの1つに厳密に従わないかもしれないが、依然としてKabat CDRと重なる。ただし、特定の残基又は残基のグループ、あるいはCDR全体が抗原結合に有意な影響を及ぼさないという予測又は実験的発見に従えば、それらは短縮又は延長することができる。本願では、前記CDRは、Chothiaナンバリングシステムを使用して定義されてもよい。
【0113】
本願において、「抗原結合断片」という用語は、一般に、抗原に特異的に結合する機能を発揮する抗体の1つ又は複数の断片を意味する。抗体の抗原結合機能は、抗体の全長断片によって達成され得る。抗体の抗原結合機能は、Fv、ScFv、dsFv、Fab、Fab’若しくはF(ab’)2の断片を含む重鎖、又はFv、scFv、dsFv、Fab、Fab’又はF(ab’)2の断片を含む軽鎖によっても達成され得る。(1)一般に、VL、VH、CL及びCHドメインからなる1価断片であるFab断片、2)ヒンジ領域でジスルフィド結合を介して連結された2つのFab断片を含む2価断片であるF(ab’)2断片、(3)VH及びCHドメインからなるFd断片、(4)抗体シングルアームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(5)VHドメインからなるdAb断片(Wardら,(1989)Nature 341:544-546)、(6)単離された相補性決定領域(CDR)、及び(7)任意にリンカーを介して連結され得る2つ以上の単離されたCDRの組み合わせ。例えば、VLとVHの対合から形成された1価の一本鎖分子Fv(scFv)も含んでもよい(Birdら(1988)Science 242:423-426;及びHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci. 85:5879-5883を参照)。例えば、抗体の軽鎖が欠損し、重鎖の可変領域のみを有する抗体VHH(例えば、康暁センら、バイオエンジニアリングジャーナル2018, 34(12): 1974-1984を参照)。前記「抗原結合部位」は、以下の結合ドメインを含む免疫グロブリン融合タンパク質をさらに含み得る。(1)免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドと融合した結合ドメインポリペプチド、(2)ヒンジ領域と融合した免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、及び(3)CH2定常領域と融合した免疫グロブリン重鎖CH3定常領域。
【0114】
本願において、「モノクローナル抗体」という用語は、一般に、実質的に相同な抗体の集合を意味し、すなわち、この集合に含まれる個々の抗体は、微量で存在する可能性のある自然に発生する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、直接単一の抗原性部位を標的とする。例えば、前記モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術により調製され得るか、又は組換えDNA法を用いて細菌、真核動物又は植物細胞中で産生され得る。モノクローナル抗体は、例えばClackson etal. , Nature, 352:624-628(1991)及びMarks et al., Mol.Biol.,222:581-597(1991)に記載された技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーから得られてもよい。
【0115】
本願において、「キメラ抗体」という用語は、一般に、各重鎖又は軽鎖のアミノ酸配列の一部が特定の種由来の抗体の対応するアミノ酸配列と相同であるか、又は特定のクラス類に属し、その鎖の残りの部分が他の種の対応する配列と相同である抗体を意味する。例えば、軽鎖及び重鎖の可変領域はいずれも同一の動物種(例えば、マウス、ラットなど)の抗体の可変領域に由来し、定常部分は別の種(例えば、ヒト)由来の抗体配列と相同である。例えば、キメラ抗体を得るために、非ヒト由来のB細胞又はハイブリドーマ細胞を用いて可変領域を産生することができ、それと組み合わされる定常領域はヒト由来である。前記可変領域は、容易に調製できるという利点を有し、その特異性は、それと組み合わされる定常領域の由来によって影響されない。一方、キメラ抗体の定常領域はヒト由来であることがあるため、キメラは、定常領域が非ヒト由来である抗体を使用するよりも、注射時に抗体が免疫応答を誘導する可能性が低くなる。
【0116】
本願において、「ヒト化抗体」という用語は、一般に、非ヒト免疫グロブリン由来の配列が少なく、それによって異種抗体がヒトに導入された場合の免疫原性を低下させると同時に、抗体の完全な抗原結合親和性及び特異性を維持するキメラ抗体を意味する。例えば、CDR移植(Jones et al., Nature 321:522(1986))及びその変異体、「再構成」(reshaping)(Verhoeyen, et al., 1988 Science 239:1534-1536; Riechmann, et al., 1988 Nature 332:323-337; Tempest, et al., Bio/Technol 1991 9:266-271)、「超キメラ化」(hyperchimerization)(Queen, et al., 1989 Proc Natl Acad Sci USA 86:10029-10033; Co, et al., 1991 Proc Natl Acad Sci USA 88:2869-2873; Co, et al., 1992 J Immunol 148:1149-1154)、及び「ベニヤリング」(veneering)(Mark, et al., “Derivation of therapeutically active humanized and veneered anti-CD18 antibodies.” In: Metcalf B W, Dalton B J, eds. Cellular adhesion: molecular definition to therapeutic potential. New York: Plenum Press, 1994: 291-312)、表面再構築(米国特許第US5639641号)等の技術的手段を用いて、非ヒト由来の結合ドメインをヒト化する。ヒンジ領域及び定常領域ドメインなどの他の領域も非ヒト由来である場合には、これらの領域もヒト化することができる。
【0117】
本願において、「マウス由来抗体」という用語は、一般に、可変領域フレームワーク及びCDR領域がマウス生殖系列免疫グロブリン配列に由来する抗体を意味する。また、抗体が定常領域を含む場合、マウス生殖系列免疫グロブリン配列からも得られる。本願のマウス由来抗体は、マウス生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基を含むことができ、例えば、インビトロでのランダム突然変異又は点突然変異によって、又はインビボでの体細胞突然変異によって導入された突然変異を含むことができる。
【0118】
本願、「生殖系列(Germline)配列」という用語は、通常、再配列されていない免疫グロブリンDNA配列の配列を意味する。
【0119】
本願において、「…の間にある」という用語は、一般に、ある種のアミノ酸断片のC末端が第1のアミノ酸断片のN末端に直接又は間接的に連結され、そのN末端が第2のアミノ酸断片のC末端に直接又は間接的に連結されていることを意味する。軽鎖では、例えば、前記L-FR2のN末端は、前記LCDR1のC末端に直接又は間接的に連結され、前記L-FR2のC末端は、前記LCDR2のN末端に直接又は間接的に連結される。さらに、例えば、前記L-FR3のN末端は、前記LCDR2のC末端に直接又は間接的に連結され、前記L-FR3のC末端は、前記LCDR3のN末端に直接又は間接的に連結される。重鎖では、例えば、前記H-FR2のN末端は、前記HCDR1のC末端に直接又は間接的に連結され、前記H-FR2のC末端は、前記HCDR2のN末端に直接又は間接的に連結される。さらに、例えば、前記H-FR3のN末端は、前記HCDR2のC末端に直接又は間接的に連結され、前記H-FR3のC末端は、前記HCDR3のN末端に直接又は間接的に連結される。
【0120】
本願において、「MASP-2タンパク質」、「MASP-2」、又は「MASP-2抗原」という用語は、交換して使用することができ、MASP-2の任意の機能的に活性な断片、変異体、及び相同体を含み、細胞によって天然に発現されるか、MASP-2の遺伝子がトランスフェクトされた細胞上で発現される。本願において、MASP-2は、UniProt/Swiss-Protにおけるログイン番号O00187であるヒトMASP-2としてもよい。例えば、MASP-2は、ヒトMASP-2の機能的に活性な断片であり得る。本願において、MASP-2はカニクイサルMASP-2又はその機能的に活性な断片であり得る。例えば、前記「機能的に活性な断片」は、少なくとも1種の天然に存在するタンパク質の内因性機能(例えば、本願に係る抗原結合タンパク質に結合する)を保持する断片を含んでもよい。例えば、前記「機能的に活性な断片」は、本願の抗原結合タンパク質に結合するドメインを含んでもよい。本願において、MASP-2は、補体系レクチン経路における重要な調節因子である。血漿中のマンナン結合レクチン(MBL:mannan-binding lectin、)やフィコリン(FCN:ficolin)は多種の病原微生物表面にあるマンノース、N-アセチルマンノース、N-アセチルグルコサミン、フコースなどの末端糖基を持つ糖構造を直接認識する。MBL-MASP複合体は病原体表面にある糖構造に結合し、MASP-1、MASP-2を独立して活性化させる。活性化されたMASP-2は、そのSP活性を発揮し、C4を切断し、産生されたC4b断片は、病原体表面に共有結合し、C2との相互作用により、後者もMASP-2に切断されてC3転化酵素C4b2aを形成し、続いて補体経典経路を活性化させ、活性化されたMASP1はC3を直接切断してC3bを産生することができ、タンパク質因子Dとタンパク質因子Pの作用下で、C3転換酵素C3bBb又はC3bBbPを形成し、そしてC5転換酵素C3bBb3bを産生し、補体副経路を活性化させる。
【0121】
本願において、「IgA腎症」という用語は、通常、糸球体メサンギウム領域の原発性糸球体症を意味する。例えば、前記「IgA腎症」は、糸球体メサンギウム領域における他の免疫グロブリンの沈着を伴うか又は伴わないIgA又はIgAの沈着を主とする原発性糸球体症を含んでもよい。例えば、前記「IgA腎症」の病変タイプは、局所性分節性病変、毛細血管内増殖性病変、メサンギウム増殖性病変、新月体病変及び硬化性病変などを含んでもよい。臨床症状には、程度の異なるタンパク尿を伴う反復発作性肉眼的血尿や顕微鏡的血尿が含まれ、一部の患者では重度の高血圧や腎不全を発症することがある。
【0122】
本明細書に記載された特定のタンパク質及びヌクレオチドに加えて、本願には、その機能的に活性な断片、誘導体、類似体、相同体、及びそれらの断片を含めることができる。
【0123】
「機能的に活性な断片」という用語は、天然に存在する配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するか、又は実質的に同一のヌクレオチド配列によってコードされ、天然に存在する配列の1つ又は複数の活性を有することができるポリペプチドを意味する。本願の文脈において、任意の所与の配列の機能的に活性な断片とは、その残基の特定の配列(アミノ酸残基又はヌクレオチド残基を問わず)が、前記ポリペプチド又はポリヌクレオチドが少なくとも1つの内因性機能を実質的に保持するように修飾された配列を意味する。天然に存在するタンパク質及び/又はポリヌクレオチド中に存在する少なくとも1つのアミノ酸残基及び/又はヌクレオチド残基の付加、欠失、取り換え、修飾、置換及び/又は変異により、機能的に活性な断片をコードする配列を得ることができ、本来の機能活性を維持できればよい。
【0124】
本願において、「誘導体」という用語は、一般に、配列からの/への1つ(又は複数)のアミノ酸残基の任意の取り換え、変異、修飾、置換、欠失、及び/又は付加を含む、本願のポリペプチド又はポリヌクレオチドを意味し、ただし、得られるポリペプチド又はポリヌクレオチドがその少なくとも1つの内因性機能を実質的に保持できればよい。
【0125】
本願において、「類似体」という用語は、一般に、ポリペプチド又はポリヌクレオチドについては、ポリペプチド又はポリヌクレオチドのいずれかのアナログ、すなわち、アナログによってアナログ化されたポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも1つの内因性機能を有する化学化合物を含む。
【0126】
一般に、アミノ酸置換、例えば、少なくとも1個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は20個以上)のアミノ酸置換は、修飾された配列が実質的に所望の活性又は能力を維持する限り行うことができる。アミノ酸置換は、天然に存在していない類似体の使用を含んでもよい。
【0127】
本願において、「相同体」という用語は、一般に、天然に存在する配列と一定の相同性を有するアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を意味する。「相同性」という用語は、配列「同一性」と同等であってもよい。相同配列は、対象配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%又は少なくとも99.9%相同であり得るアミノ酸配列を含んでもよい。一般に、相同体は、対象アミノ酸配列と同一の活性部位などを含む。相同性は、類似性(すなわち、化学的性質・機能が類似するアミノ酸残基)に基づいて考えることができ、配列同一性においても相同性を発現することができる。本願において、言及されるアミノ酸配列又はヌクレオチド配列のSEQ ID NOの何れかと所定の百分率の同一性を有する配列とは、係るSEQ ID NOの全長にわたって前記同一性の百分率を有する配列をいう。配列同一性を決定するために、配列アライメントを行うことができ、配列アライメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、NEEDLE又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどを使用して、当業者に公知されている様々な方法で行うことができる。当業者は、比較された全長配列において最適なアライメントを実現するために必要なアルゴリズムを含むアライメントのための適切なパラメータを決定することができる。
【0128】
本願に使用されるタンパク質又はポリペプチドは、サイレントな変化を生じて機能的に同等のタンパク質をもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入又は置換を有していてもよい。内因性機能を保持する限り、残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性及び/又は両性特性の類似性に応じて意図的なアミノ酸置換を行ってもよい。例えば、負に帯電しているアミノ酸にはアスパラギン酸やグルタミン酸が含まれており、正に帯電しているアミノ酸にはリジンやアルギニンが含まれている。また、同様の親水性値を持ち、かつ極性頭部基を持たないアミノ酸には、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシンが含まれている。
【0129】
本願において、「免疫コンジュゲート」という用語は、一般に、前記他の治療薬が前記単離された抗原結合タンパク質と複合化(例えば、連結分子により共有結合)して形成されたコンジュゲートを意味し、このコンジュゲートは、前記単離された抗原結合タンパク質の標的細胞上の抗原への特異的結合によって、前記他の治療薬を標的細胞に送達することができる。また、前記抗原は、前記標的細胞から分泌され、前記標的細胞外の間隙に位置することもできる。
【0130】
本願において、「被験者」という用語は、一般に、ヒト又は非ヒト動物を指し、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、乳牛、羊、ウサギ、マウス、ラット、又はサルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0131】
本願において、「核酸分子」という用語は、一般に、その天然環境から単離された又は人工的に合成された任意の長さの単離された形態のヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド又はそれらの類似体を意味する。
【0132】
本願において、「ベクター」という用語は、一般に、それに連結された別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。前記ベクターは、挿入された核酸分子を細胞内及び/又は細胞間に導入することができる。前記ベクターは、主としてDNA又はRNAを細胞に挿入するためのベクター、主としてDNA又はRNAを複製するためのベクター、及び主としてDNA又はRNAの転写及び/又は翻訳のための発現のためのベクターを含んでもよい。前記ベクターは、適切な細胞が導入されたときに、ポリペプチドに転写及び翻訳することができるポリヌクレオチドであってもよい。一般に、ベクターは、前記ベクターを含む適切な細胞を培養することにより、所望の発現産物を産生することができる。本願において、前記ベクターはレンチウイルスベクターを含んでもよい。
【0133】
本願において、「細胞」という用語は、一般に、本願に係る核酸分子を含むプラスミド又はベクター、又は本願に係るポリペプチド又は抗原結合タンパク質を発現することができる個体細胞、細胞株又は細胞培養物を含むことができるか、又は既に含んでいるものを意味する。前記細胞は、単一細胞の子孫を含んでもよい。天然の、予期せぬ、又は意図的な突然変異により、子孫細胞は親細胞と形態的にもゲノム的にも必ずしも完全に同一であるとは限らないかもしれないが、本願に係るポリペプチド又は抗原結合タンパク質を発現できればよい。前記細胞は、本願に係るベクターを用いてインビトロで細胞をトランスフェクションすることにより得られ得る。前記細胞は、原核細胞(例えば、大腸菌)であってもよく、真核細胞(例えば、酵母細胞、例えば、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、HEK293細胞、COS-1細胞、NS0細胞、又は骨髄腫細胞)であってもよい。いくつかの実施形態では、前記細胞は免疫細胞であってもよい。例えば、前記免疫細胞は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、NKT細胞、単球、樹状細胞、顆粒球、リンパ球、白血球及び/又は末梢血単球から選択され得る。
【0134】
本願において、「治療」という用語は、一般に、(i)罹患しやすい可能性があるが、罹患と診断されていない患者の疾患、障害又は症状の罹患を予防すること、(ii)当該疾患、障害又は症状を抑制すること、すなわち、その進行を抑制すること、(iii)当該疾患、障害又は症状を緩和すること、すなわち、当該疾患、障害及び/又は症状及び/又は当該疾患、症状及び/又は症状に関連する症状をなくすことを指す。
【0135】
本願において、「ポリペプチド」、「ペプチド」、「蛋白」及び「タンパク質」という用語は、交換して使用され、通常、任意の長さのアミノ酸を有するポリマーを意味する。このポリマーは、直鎖又は分岐鎖であってもよく、修飾アミノ酸を含んでいてもよく、非アミノ酸によって中断されていてもよい。これらの用語はまた、修飾されたアミノ酸ポリマーを含む。これらの修飾は、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化(lipidation)、アセチル化、リン酸化、又は(標識成分との結合のような)任意の他の操作を含んでもよい。「アミノ酸」という用語は、グリシン、D及びL旋光異性体、ならびにアミノ酸類似体及びペプチドアナログを含む、天然アミノ酸及び/又は非天然アミノ酸又は合成アミノ酸を含む。
【0136】
本願において、「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸」、及び「オリゴヌクレオチド」という用語は交換して使用され、通常、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、又はそれらの類似体のような任意の長さを有するヌクレオチドの重合形態を意味する。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有していてもよく、既知又は未知の任意の機能を実行してもよい。ポリヌクレオチドの非限定的な例として、遺伝子又は遺伝子断片のコード領域又は非コード領域、ジャンクション解析によって定義された複数の遺伝子座(1遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、ショート干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーがある。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体のような1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。ヌクレオチド構造の修飾は、存在する場合、ポリマーのアセンブリの前又は後に行われてもよい。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識された成分とのコンジュゲーションなどによって、重合後にさらに修飾されてもよい。
【0137】
本願において、「K」(同様に、「K」や「K」)という用語は、一般に、「親和定数」又は「平衡解離定数」をいい、滴定測定において平衡時の値又は解離速度定数(kd)を結合速度定数(ka)で除算した値をいう。結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)及び平衡解離定数(K)は、結合タンパク質(例えば、本願に係る単離された抗原結合タンパク質)の抗原(例えば、MASP-2タンパク質)に対する結合親和性を表す。結合及び解離速度定数を決定する方法は、当業者によく知られている。蛍光ベースの技術を用いることにより、高感度を提供し、かつ生理的緩衝液中で平衡になったときにサンプルを検査することを可能にする。前記K値は、例えば、Biacore(生体分子相互作用分析)により(例えば、BIAcoreInternationalAB、aGEHealthcarecompany、Uppsala、スウェーデンから入手可能な装置で)測定することができ、Octet検出などの他の実験経路や機器を使用しても検出できる。また、前記K値は、SapidyneInstruments(Boise、Idaho)から入手されたKinExA(速度論的排除アッセイ(KineticExclusionAssay))を用いて測定することもでき、表面プラズモン共鳴装置(SPR)を用いて測定することもできる。前記K値は、例えば、アミンカップリングキットによって測定することもできる。
【0138】
本願において、「及び/又は」という用語は、オプションのいずれか又はオプションの2つの項を意味するものとして理解される。
【0139】
本願において、「含む」という用語は、一般に、他の要素を除外しないが、明確に指定された特徴を含むことを意味する。場合によっては、「含む」は、指定された成分のみを含む場合もある。例えば、であるという意味があり、又は、「~からなる」という意味もある。
【0140】
本願において、「約」という用語は、一般に、指定された値の0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、又は10%以上又は以下など、指定された値の0.5%~10%以上又は以下の範囲内での変動を意味する。
【0141】
本願において、「含む」という用語は、一般に、「包含」、「含む」、「含有」、又は「カバー」という意味を指す。場合によっては、「である」又は「からなる」という意味もある。
【0142】
本願に係る単離された抗原結合タンパク質
一態様では、本願は、Octet検出において、約2E-09M以下(例えば、前記Kは、約2E-09M以下、約1.5E-09M以下、約1E-09M以下、約9E-10M以下、約8E-10M以下、約7E-10M以下、約6E-10M以下、約5E-10M以下、約2E-10M以下、約1E-10M以下、約5E-11M以下、約1E-11M以下、又は5E-12M以下)のK値でヒトMASP-2タンパク質に特異的に結合され得る単離された抗原結合タンパク質を提供する。
【0143】
一態様では、本願は、Octet検出において、約2E-09M以下(例えば、前記Kは、約2E-09M以下、約1.5E-09M以下、約1E-09M以下、約9E-10M以下、約8E-10M以下、約7E-10M以下、約6E-10M以下、約5E-10M以下、約2E-10M以下、約1E-10M以下、約5E-11M以下、約1E-11M以下又は5E-12M以下)のK値でカニクイサルMASP-2タンパク質に特異的に結合され得る、単離された抗原結合タンパク質を提供する。
【0144】
一態様では、本願は、抗体の重鎖可変領域VH内の少なくとも1つのCDRを含んでもよい単離された抗原結合タンパク質であって、前記VHは、SEQ ID NO: 67又はSEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含んでもよい、単離された抗原結合タンパク質を提供する。
【0145】
例えば、前記VHは、SEQ ID NO: 13、26、39、及び52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。本願において、前記単離された抗原結合タンパク質のHCDRは、任意の形で分けられてもよく、VHがSEQ ID NO: 13、26、39、及び52のいずれかで示されるアミノ酸配列と相同であれば、いずれの形で分けられたHCDRも本願の特許範囲内である。
【0146】
抗体のCDRは、相補性決定領域とも呼ばれ、可変領域の一部である。この領域のアミノ酸残基は、抗原又は抗原エピトープに接触してもよい。抗体CDRは、CCG、Kabat、Chothia、IMGT、AbM、Kabat/Chothiaの両方など、様々なナンバリングシステムによって決定されてもよい。これらのナンバリングシステムは、本分野に知られており、具体的には、例えば、http://www.bioinf.org.uk/abs/index.html#kabatnumを参照する。当業者であれば、抗体の配列及び構造に応じて、様々なナンバリングシステムでCDR領域を決定してもよい。使用されるナンバリングシステムによって、CDR領域には違いがある場合がある。本願において、前記CDRは、任意のCDRの分割方式によって分けられたCDR配列、その変異体を含み、前記変異体は、前記CDRのアミノ酸配列に対して1つ又は複数のアミノ酸を置換、欠失及び/又は付加したものを含む、例えば、1~30個、1~20個又は1~10個、さらに、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個又は9個のアミノ酸を置換、欠失及び/又は挿入したものを含み、また、その相同体を含み、前記相同体は、前記CDRのアミノ酸配列とは少なくとも約85%(例えば、少なくとも約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又はそれ以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列であってもよい。いくつかの実施形態では、本願に係る単離された抗原結合タンパク質はChothiaナンバリングシステムによって定義される。
【0147】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域VHを含んでもよく、前記VHは、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3のうちの少なくとも1つ、2つ又は3つを含んでもよい。
【0148】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR3配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0149】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR2配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0150】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0151】
例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれらと同じHCDR3(例えば、これらと同じHCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0152】
例えば、前記抗原結合タンパク質のVHは、フレームワーク領域H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含んでもよい。
【0153】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 62で示される配列と比べて、X16及びX19からなる群から選択された1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0154】
EVQLVESGGGLVQPGX16SLX19LSCAAS(SEQ ID NO: 62)(ここで、X16は、G又はRであってもよく、X19は、R又はSであってもよい)
【0155】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0156】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 63で示される配列と比べて、X及びX10からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0157】
NMAWVRQXPX10KGLEWVATI(SEQ ID NO: 63)(ここで、Xは、A又はTであってもよく、X10は、G又はKであってもよい)
【0158】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0159】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 64で示される配列と比べて、X16、X20、X21、X27、X31及びX36からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0160】
TYYRDSVKGRFTISRX16NAKX2021LYLQMX27SLRX31EDTAX36YYCST(SEQ ID NO: 64)(ここで、X16は、D又はEであってもよく、X20は、N又はSであってもよく、X21は、S又はTであってもよく、X27は、D又はNであってもよく、X31は、A又はSであってもよく、X36は、T又はVであってもよい)
【0161】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0162】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 65で示される配列と比べて、X及びXからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0163】
WGQGXVTVSS(SEQ ID NO: 65)(ここで、Xは、T又はVであってもよく、Xは、L又はMであってもよい)
【0164】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0165】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0166】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0167】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 14で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6又はこれと同じH-FR1-4を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0168】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 27で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 28で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 29で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 30で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A63又はこれと同じH-FR1-4を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0169】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 67で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、VHを含み、前記VHは、SEQ ID NO: 67で示される配列と比べて、X16、X19、X40、X42、X73、X77、X78、X84、X88、X93、X119、X120からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0170】
EVQLVESGGGLVQPGX16SLX19LSCAASGFTFNDYNMAWVRQX40PX42KGLEWVATILFDGSRTYYRDSVKGRFTISRX73NAKX7778LYLQMX84SLRX88EDTAX93YYCSTESPYYSEGYYQGYFDYWGQGX119120VTVSS(SEQ ID NO: 67)(ここで、X16は、G又はRであってもよく、X19は、R又はSであってもよく、X40は、A又はTであってもよく、X42は、G又はKであってもよく、X73は、D又はEであってもよく、X77は、N又はSであってもよく、X78は、S又はTであってもよく、X84は、D又はNであってもよく、X88は、A又はSであってもよく、X93は、T又はVであってもよく、X119は、T又はVであってもよく、X120は、L又はMであってもよい)
【0171】
本願において、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0172】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖定常領域を含んでもよく、前記重鎖定常領域は、IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含んでもよい。
【0173】
例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0174】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、抗体軽鎖可変領域VL内の少なくとも1つのCDRを含んでもよく、前記VLは、SEQ ID NO: 66又はSEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0175】
例えば、前記VLは、SEQ ID NO: 66又はSEQ ID NO: 76のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。本願において、前記単離された抗原結合タンパク質のLCDRは、任意の方式で分けられてもよく、VLがSEQ ID NO: 66又はSEQ ID NO: 76のいずれかで示されるアミノ酸配列と相同であれば、いずれの方式で分けられたLCDRも本願の特許範囲内である。
【0176】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つを含んでもよい。
【0177】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0178】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0179】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0180】
例えば、本願前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれと同じLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0181】
例えば、前記抗原結合タンパク質のVLは、フレームワーク領域L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含んでもよい。
【0182】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 58で示される配列と比べて、X、X13、X14、X18、X19及びX20からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0183】
IVLTQSPATLSX1314PGEX181920LSC(SEQ ID NO: 58)(ここで、Xは、E又はNであってもよく、X13は、L又はVであってもよく、X14は、S又はTであってもよく、X18は、R又はSであってもよく、X19は、A又はVであってもよく、X20は、S又はTであってもよい)
【0184】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0185】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 59で示される配列と比べて、X、X、X、X及びXからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0186】
WYQQXPRLLIK(SEQ ID NO: 59)(ここで、Xは、K又はRであってもよく、Xは、P又はSであってもよく、Xは、G又はNであってもよく、Xは、E又はQであってもよく、Xは、A又はSであってもよい)
【0187】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0188】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 60で示される配列と比べて、X、X18、X20、X21、X22、X24、X28及びX29からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0189】
GIPXRFSGSGSGTDFTLX18IX202122EX24EDFX2829YYC(SEQ ID NO: 60)(ここで、Xは、A又はSであってもよく、X18は、S又はTであってもよく、X20は、N又はSであってもよく、X21は、R又はSであってもよく、X22は、L又はVであってもよく、X24は、P又はSであってもよく、X28は、A又はSであってもよく、X29は、I又はVであってもよい)
【0190】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0191】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 61で示される配列と比べて、X、X及びX10からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0192】
FGXGTKLEX10(SEQ ID NO: 61)(ここで、Xは、A又はQであってもよく、Xは、I又はLであってもよく、X10は、K又はRであってもよい)
【0193】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0194】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0195】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0196】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 6で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6又はこれと同じL-FR1-4を有する抗体を含んでもよい。
【0197】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 22で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 23で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 24で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 25で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A63又はこれと同じH-FR1-4を有する抗体を含んでもよい。
【0198】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、SEQ ID NO: 66で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のVLは、SEQ ID NO: 66で示される配列と比べて、X、X13、X14、X18、X19、X20、X39、X40、X41、X42、X43、X60、X74、X76、X77、X78、X80、X84、X85、X100、X106、X107からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0199】
IVLTQSPATLSX1314PGEX181920LSCRASQSVSTSIHWYQQX3940414243PRLLIKYASRSISGIPX60RFSGSGSGTDFTLX74IX767778EX80EDFX8485YYCQQSYSSLYTFGX100GTKLEX106107(SEQ ID NO: 66)(ここで、Xは、E又はNであってもよく、X13は、L又はVであってもよく、X14は、S又はTであってもよく、X18は、R又はSであってもよく、X19は、A又はVであってもよく、X20は、S又はTであってもよく、X39は、K又はRであってもよく、X40は、P又はSであってもよく、X41は、G又はNであってもよく、X42は、E又はQであってもよく、X43は、A又はSであってもよく、X60は、A又はSであってもよく、X74は、S又はTであってもよく、X76は、N又はSであってもよく、X77は、R又はSであってもよく、X78はL又はVであってもよく、X80は、P又はSであってもよく、X84は、A又はSであってもよく、X85は、I又はVであってもよく、X100は、A又はQであってもよく、X106は、I又はLであってもよく、X107は、K又はRであってもよい)
【0200】
本願において、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 5、及びSEQ ID NO: 21のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0201】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖定常領域を含んでもよく、前記軽鎖定常領域は、Igκ由来の定常領域又はIgλ由来の定常領域を含んでもよい。
【0202】
例えば、前記軽鎖定常領域は、Igκ由来の定常領域を含んでもよい。
【0203】
例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖定常領域は、SEQ ID NO: 57で示されるアミノ酸配列を含む。
【0204】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、HCDR1-3及びLCDR1-3を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のHCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のHCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)及びLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0205】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、HCDR1-3及びH-FR1-4を含んでもよい。前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、LCDR1-3及びL-FR1-4を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 13で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 5で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体50A6又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0206】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、HCDR1-3及びH-FR1-4を含んでもよい。前記軽鎖可変領域は、LCDR1-3及びL-FR1-4を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 27で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 28で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 29で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 30で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 22で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 23で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 24で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 25で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 26で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A63又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 21で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A63又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0207】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域VHを含んでもよく、前記VHは、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3のうちの少なくとも1つ、2つ又は3つを含んでもよい。
【0208】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR3配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0209】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR2配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0210】
本願において、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0211】
例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0212】
例えば、前記抗原結合タンパク質のVHは、フレームワーク領域H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含んでもよい。
【0213】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 72で示される配列と比べて、X、X17及びX25からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0214】
VQLQESGPGLVKPSQX17LSLTCTVX25(SEQ ID NO: 72)(ここで、Xは、D又はQであってもよく、X17は、S又はTであってもよく、X25は、S又はTであってもよい)
【0215】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0216】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 73で示される配列と比べて、X、X11、X12及びX16からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0217】
AWNWIRQXPGX1112LEWX16GYI(SEQ ID NO: 73)(ここで、Xは、F又はPであってもよく、X11は、K又はNであってもよく、X12は、G又はKであってもよく、X16は、I又はMであってもよい)
【0218】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0219】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 74で示される配列と比べて、X11、X12、X14、X16、X19、X23、X25、X27、X31、X32、X36及びX38からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0220】
TSYNPSLKSRX1112IX14RX16TSX19NQFX23LX25LX27SVTX3132DTAX36YX38CAR(SEQ ID NO: 74)(ここで、X11は、I又はVであってもよく、X12は、S又はTであってもよく、X14は、S又はTであってもよく、X16は、D又はNであってもよく、X19は、K又はTであってもよく、X23は、F又はSであってもよく、X25は、K又はQであってもよく、X27は、N又はSであってもよく、X31は、A又はTであってもよく、X32は、A又はEであってもよく、X36は、T又はVであってもよく、X38は、F又はYであってもよい)
【0221】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0222】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 75で示される配列と比べて、X及びXからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0223】
WGQGTXTVSS(SEQ ID NO: 75)(ここで、Xは、L又はTであってもよく、Xは、L又はVであってもよい)
【0224】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0225】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0226】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0227】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 40で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1又はこれと同じH-FR1-4を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0228】
本願において、前記抗原結合タンパク質のH-FR1は、SEQ ID NO: 53で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 54で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 55で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 30で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A13又はこれと同じH-FR1-4を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0229】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、VHを含み、前記VHは、SEQ ID NO: 77で示される配列と比べて、X、X17、X25、X41、X44、X45、X49、X68、X69、X71、X73、X76、X80、X82、X84、X88、X89、X93、X95、X109及びX110からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0230】
VQLQESGPGLVKPSQX17LSLTCTVX25GYSITSDYAWNWIRQX41PGX4445LEWX49GYISYSGRTSYNPSLKSRX6869IX71RX73TSX76NQFX80LX82LX84SVTX8889DTAX93YX95CARYWGDYWGQGTX109110TVSS(SEQ ID NO: 77)(ここで、Xは、D又はQであってもよく、X17は、S又はTであってもよく、X25は、S又はTであってもよく、X41は、F又はPであってもよく、X44は、K又はNであってもよく、X45は、G又はKであってもよく、X49は、I又はMであってもよく、X68は、I又はVであってもよく、X69は、S又はTであってもよく、X71は、S又はTであってもよく、X73は、D又はNであってもよく、X76は、K又はTであってもよく、X80は、F又はSであってもよく、X82は、K又はQであってもよく、X84は、N又はSであってもよく、X88は、A又はTであってもよく、X89は、A又はEであってもよく、X93は、T又はVであってもよく、X95は、F又はYであってもよく、X109は、L又はTであってもよく、X110は、L又はVであってもよい)
【0231】
本願において、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0232】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖定常領域を含んでもよく、前記重鎖定常領域は、IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含んでもよい。
【0233】
例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0234】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つを含んでもよい。
【0235】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0236】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0237】
本願において、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0238】
例えば、本願前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0239】
例えば、前記抗原結合タンパク質のVLは、フレームワーク領域L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含んでもよい。
【0240】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 68で示される配列と比べて、X、X、X、X10、X11、X13、X20及びX21からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0241】
DIXMTQSX1011SX13SVGDRVX2021TC(SEQ ID NO: 68)(ここで、Xは、Q又はVであってもよく、Xは、P又はQであってもよく、Xは、K又はSであってもよく、X10は、F又はSであってもよく、X11は、L又はMであってもよく、X13は、A又はTであってもよく、X20は、S又はTであってもよく、X21は、I又はVであってもよい)
【0242】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0243】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 69で示される配列と比べて、X及びXからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0244】
WFQQKPGXPKPLIY(SEQ ID NO: 69)(ここで、Xは、K又はQであってもよく、Xは、A又はSであってもよい)
【0245】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0246】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 70で示される配列と比べて、X、X、X21、X22、X24、X27及びX29からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0247】
GVPXRFXGSGSGTDFTLTISX2122QX24EDX27AX29YFC(SEQ ID NO: 70)(ここで、Xは、D又はSであってもよく、Xは、S又はTであってもよく、X21は、N又はSであってもよく、X22は、L又はVであってもよく、X24は、P又はSであってもよく、X27は、F又はLであってもよく、X29は、E又はTであってもよい)
【0248】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0249】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 71で示される配列と比べて、X、X、X、X10からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0250】
FGXGTKXEX10(SEQ ID NO: 71)(ここで、Xは、A又はGであってもよく、Xは、L又はVであってもよく、Xは、I又はLであってもよく、X10は、K又はNであってもよい)
【0251】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0252】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0253】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0254】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 32で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1又はこれと同じL-FR1-4を有する抗体を含んでもよい。
【0255】
本願において、前記抗原結合タンパク質のL-FR1は、SEQ ID NO: 48で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 49で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 50で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 51で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A13又はこれと同じH-FR1-4を有する抗体を含んでもよい。
【0256】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、SEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のVLは、SEQ ID NO: 76で示される配列と比べて、X、X、X、X10、X11、X13、X20、X21、X42、X43、X60、X63、X77、X78、X80、X83、X85、X100、X104、X106、X107からなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸にアミノ酸置換(例えば、保存アミノ酸置換等)が存在する。
【0257】
DIXMTQSX1011SX13SVGDRVX2021TCKASQNVGSNVAWFQQKPGX4243PKPLIYSASYRYSGVPX60RFX63GSGSGTDFTLTISX7778QX80EDX83AX85YFCHQYNTYPLTFGX100GTK X104EX106107(SEQ ID NO: 76)(ここで、Xは、Q又はVであってもよく、Xは、P又はQであってもよく、Xは、K又はSであってもよく、X10は、F又はSであってもよく、X11は、L又はMであってもよく、X13は、A又はTであってもよく、X20は、S又はTであってもよく、X21は、I又はVであってもよく、X42は、K又はQであってもよく、X43は、A又はSであってもよく、X60は、D又はSであってもよく、X63は、S又はTであってもよく、X77は、N又はSであってもよく、X78は、L又はVであってもよく、X80は、P又はSであってもよく、X83は、F又はLであってもよく、X85は、E又はTであってもよく、X100は、A又はGであってもよく、X104は、L又はVであってもよく、X106は、I又はLであってもよく、X107は、K又はNであってもよい)
本願において、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 31、及び47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0258】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、軽鎖定常領域を含んでもよく、前記軽鎖定常領域は、Igκ由来の定常領域又はIgλ由来の定常領域を含んでもよい。
【0259】
例えば、前記軽鎖定常領域は、Igκ由来の定常領域を含んでもよい。
【0260】
例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖定常領域は、SEQ ID NO: 57で示されるアミノ酸配列を含む。
【0261】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、HCDR1-3とLCDR1-3を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質のHCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のHCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のHCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記抗原結合タンパク質のLCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じHCDR3(例えば、同じHCDR1-3)及びLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合断片を含んでもよい。
【0262】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、HCDR1-3及びH-FR1-4を含んでもよい。前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、LCDR1-3及びL-FR1-4を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 39で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 31で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体47A1又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0263】
本願において、前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、HCDR1-3及びH-FR1-4を含んでもよい。前記軽鎖可変領域は、LCDR1-3及びL-FR1-4を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 53で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 54で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 55で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 30で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 48で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 49で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 50で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 51で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 52で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A13又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 47で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記抗原結合タンパク質は、抗体JYB1931A13又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0264】
本願において、前記単離された抗原結合タンパク質は、参照抗体と前記ヒトMASP-2タンパク質に競争的に結合してもよく、前記参照抗体は、重鎖可変領域VHを含んでもよく、前記VHは、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3のうちの少なくとも1つ、2つ又は3つを含んでもよい。
【0265】
本願において、前記参照抗体のHCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR3の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0266】
本願において、前記参照抗体のHCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR2の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0267】
本願において、前記参照抗体のHCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR1の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0268】
例えば、前記参照抗体のHCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0269】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 67で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0270】
EVQLVESGGGLVQPGX16SLX19LSCAASGFTFNDYNMAWVRQX40PX42KGLEWVATILFDGSRTYYRDSVKGRFTISRX73NAKX7778LYLQMX84SLRX88EDTAX93YYCSTESPYYSEGYYQGYFDYWGQGX119120VTVSS(SEQ ID NO: 67)(ここで、X16は、G又はRであってもよく、X19は、R又はSであってもよく、X40は、A又はTであってもよく、X42は、G又はKであってもよく、X73は、D又はEであってもよく、X77は、N又はSであってもよく、X78は、S又はTであってもよく、X84は、D又はNであってもよく、X88は、A又はSであってもよく、X93は、T又はVであってもよく、X119は、T又はVであってもよく、X120は、L又はMであってもよい)
【0271】
本願において、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0272】
本願において、前記参照抗体は、重鎖定常領域を含んでもよく、前記重鎖定常領域は、IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含んでもよい。
【0273】
例えば、前記参照抗体の重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0274】
本願において、前記参照抗体は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含んでもよい。
【0275】
本願において、前記参照抗体のLCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR3の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0276】
本願において、前記参照抗体のLCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR2の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0277】
本願において、前記参照抗体のLCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR1の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0278】
例えば、本願前記参照抗体のLCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれと同じLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0279】
本願において、前記参照抗体は、軽鎖可変領域を含んでもよく、前記軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 66で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0280】
IVLTQSPATLSX1314PGEX181920LSCRASQSVSTSIHWYQQX3940414243PRLLIKYASRSISGIPX60RFSGSGSGTDFTLX74IX767778EX80EDFX8485YYCQQSYSSLYTFGX100GTKLEX106107(SEQ ID NO: 66)(ここで、Xは、E又はNであってもよく、X13は、L又はVであってもよく、X14は、S又はTであってもよく、X18は、R又はSであってもよく、X19は、A又はVであってもよく、X20は、S又はTであってもよく、X39は、K又はRであってもよく、X40は、P又はSであってもよく、X41は、G又はNであってもよく、X42は、E又はQであってもよく、X43は、A又はSであってもよく、X60は、A又はSであってもよく、X74は、S又はTであってもよく、X76は、N又はSであってもよく、X77は、R又はSであってもよく、X78は、L又はVであってもよく、X80は、P又はSであってもよく、X84は、A又はSであってもよく、X85は、I又はVであってもよく、X100は、A又はQであってもよく、X106は、I又はLであってもよく、X107は、K又はRであってもよい)
【0281】
本願において、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 5、及びSEQ ID NO: 21のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0282】
本願において、前記参照抗体は、HCDR1-3及びLCDR1-3を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6、JYB1931A63又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)及びLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0283】
本願において、前記単離された抗原結合タンパク質はまた、参照抗体と前記ヒトMASP-2タンパク質に競争的に結合してもよく、前記参照抗体は、重鎖可変領域VHを含んでもよく、前記VHは、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3のうちの少なくとも1つ、2つ又は3つを含んでもよい。
【0284】
本願において、前記参照抗体のHCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR3の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0285】
本願において、前記参照抗体のHCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR2の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0286】
本願において、前記参照抗体のHCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のHCDR1の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0287】
例えば、前記参照抗体のHCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0288】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域を含んでもよく、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0289】
VQLQESGPGLVKPSQ X17LSLTCTV X25GYSITSDYAWNWIRQX41PGX4445LEWX49GYISYSGRTSYNPSLKSRX6869IX71RX73TSX76NQFX80LX82LX84SVTX8889DTAX93YX95CARYWGDYWGQGTX109110TVSS(SEQ ID NO: 77)(ここで、Xは、D又はQであってもよく、X17は、S又はTであってもよく、X25は、S又はTであってもよく、X41は、F又はPであってもよく、X44は、K又はNであってもよく、X45は、G又はKであってもよく、X49は、I又はMであってもよく、X68は、I又はVであってもよく、X69は、S又はTであってもよく、X71は、S又はTであってもよく、X73は、D又はNであってもよく、X76は、K又はTであってもよく、X80は、F又はSであってもよく、X82は、K又はQであってもよく、X84は、N又はSであってもよく、X88は、A又はTであってもよく、X89は、A又はEであってもよく、X93は、T又はVであってもよく、X95は、F又はYであってもよく、X109は、L又はTであってもよく、X110は、L又はVであってもよい。
【0290】
本願において、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0291】
本願において、前記参照抗体は、重鎖定常領域を含んでもよく、前記重鎖定常領域は、IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含んでもよい。
【0292】
例えば、前記参照抗体の重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0293】
本願において、前記参照抗体は、軽鎖可変領域VLを含んでもよく、前記VLは、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含んでもよい。
【0294】
本願において、前記参照抗体のLCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR3の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0295】
本願において、前記参照抗体のLCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR2の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0296】
本願において、前記参照抗体のLCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体のLCDR1の配列は、Chothiaナンバリングシステムによって定義されてもよい。
【0297】
例えば、本願前記参照抗体のLCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0298】
本願において、前記参照抗体は、軽鎖可変領域を含んでもよく、前記軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0299】
DIXMTQSX1011SX13SVGDRVX2021TCKASQNVGSNVAWFQQKPGX4243PKPLIYSASYRYSGVPX60RFX63GSGSGTDFTLTISX7778QX80EDX83AX85YFCHQYNTYPLTFGX100GTKX104EX106107(SEQ ID NO: 76)(ここで、Xは、Q又はVであってもよく、Xは、P又はQであってもよく、Xは、K又はSであってもよく、X10は、F又はSであってもよく、X11は、L又はMであってもよく、X13は、A又はTであってもよく、X20は、S又はTであってもよく、X21は、I又はVであってもよく、X42は、K又はQであってもよく、X43は、A又はSであってもよく、X60は、D又はSであってもよく、X63は、S又はTであってもよく、X77は、N又はSであってもよく、X78は、L又はVであってもよく、X80は、P又はSであってもよく、X83は、F又はLであってもよく、X85は、E又はTであってもよく、X100は、A又はGであってもよく、X104は、L又はVであってもよく、X106は、I又はLであってもよく、X107は、K又はNであってもよい)
【0300】
本願において、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 31、及び47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0301】
本願において、前記参照抗体は、HCDR1-3とLCDR1-3を含んでもよい。例えば、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含んでもよく、前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1、JYB1931A13又はこれと同じHCDR3(例えば、これと同じHCDR1-3)及びLCDR3(例えば、これと同じLCDR1-3)を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0302】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 13で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 5で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体50A6又はこれと同じ重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0303】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 26で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A63又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 21で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A63又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A63又はこれと同じ重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0304】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 39で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 31で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体47A1又はこれと同じ重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
【0305】
本願において、前記参照抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 52で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A13又はこれと同じ重鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 47で示されるアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A13又はこれと同じ軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記参照抗体は、抗体JYB1931A13又はこれと同じ重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗原結合タンパク質を含んでもよい。
ポリペプチド及び免疫コンジュゲート
【0306】
別の態様では、本願はまた、本願の単離された抗原結合タンパク質を含み得る、1種又は複数種のポリペプチドを提供する。例えば、前記ポリペプチドは、融合タンパク質を含んでもよい。例えば、前記ポリペプチドは、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)を含んでもよい。
【0307】
別の態様では、本願は、本願の単離された抗原結合タンパク質を含み得る、1種又は複数種の免疫コンジュゲートを提供する。いくつかの実施形態では、前記免疫コンジュゲートは、薬学的に許容される治療薬、マーカー及び/又は検出剤をさらに含んでもよい。
核酸、ベクター及び細胞
【0308】
別の態様では、本願は、また、本願に係る単離された抗原結合タンパク質をコードすることができる単離された1種又は複数種の核酸分子を提供する。例えば、前記1種又は複数種の核酸分子の各々は、完全な前記抗原結合タンパク質をコードしてもよく、その一部(例えば、HCDR1-3、重鎖可変領域の1つ又は複数)をコードしてもよい。
【0309】
例えば、核酸分子が前記抗原結合タンパク質の一部をそれぞれコードする場合、核酸分子がコードする生成物は結合して、機能性を有する(例えば、MASP-2に結合し得る)本願の単離された抗原結合タンパク質を形成してもよい。
【0310】
本願に係る核酸分子は、単離されたものであってもよい。例えば、(i)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅などのインビトロ増幅、(ii)クローニング組換え、(iii)酵素切断及びゲル電気泳動による分画分離などの精製、又は(iv)化学合成などの合成によって製造又は合成することができる。例えば、前記単離された核酸は、組換えDNA技術によって製造された核酸分子であってもよい。
【0311】
本願において、前記単離された抗原結合タンパク質をコードする核酸は、逆転写PCR及びPCRを用いて本願に係る単離された抗原結合タンパク質の核酸分子を取得することを含むがこれに限定されない、当業者に知られた様々な方法によって製造することができる。
【0312】
別の態様では、本願は、本願に係る1種又は複数種の核酸分子を含む1種又は複数種のベクターを提供する。各ベクターには、1種又は複数種の前記核酸分子が含まれていてもよい。さらに、前記ベクターは、他の遺伝子、例えば、適切な宿主細胞において、及び適切な条件下で当該ベクターを選択することを可能にするマーカー遺伝子も含まれていてもよい。さらに、前記ベクターは、適切な宿主におけるコード領域の正確な発現を可能にする発現制御要素をさらに含んでもよい。このような制御要素は、当業者に周知であり、例えば、プロモーター、リボソーム結合部位、エンハンサー、及び遺伝子転写又はmRNA翻訳を調節する他の制御要素などを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記表現制御配列は調整可能な要素である。前記発現制御配列の特定の構造は、種又は細胞型の機能に応じて変化してもよいが、通常、それぞれ転写及び翻訳の開始に関与する5’非転写配列、及びTATAボックス、キャップ配列、CAAT配列などの5’及び3’非翻訳配列を含む。例えば、5’非転写発現制御配列は、機能的に連結された核酸を転写制御するためのプロモーター配列を含み得るプロモーター領域を含んでもよい。前記発現制御配列は、エンハンサー配列又は上流アクチベーター配列を含んでもよい。本願において、適切なプロモーターは、例えば、SP6、T3及びT7ポリメラーゼ用のプロモーター、ヒトU6RNAプロモーター、CMVプロモーター及びそれらの人工ハイブリッドプロモーター(例えば、CMV)を含んでもよく、ここで、プロモーターのある部分は、他の細胞タンパク質(例えば、ヒトGAPDH、グリセリルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)遺伝子プロモーターのある部分と融合してもよく、追加のイントロンを含むことも含まないこともできる。本願に係る1種又は複数種の核酸分子は、前記発現制御要素に動作可能に連結されていてもよい。
【0313】
前記ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス、ファージ、又は、例えば、遺伝子工学において一般的に使用される他のベクターを含んでもよい。前記ベクターは、例えば、発現ベクターであってもよい。例えば、前記ベクターはウイルスベクターであってもよい。ウイルスベクターは、患者に直接(インビボ)投与されてもよいし、間接的な形態で、例えば、インビトロでウイルスを用いて細胞を処理し、その後、処理された細胞を患者に投与してもよい(エクスビボ)。ウイルスベクター技術は当技術分野では公知であり、例えばSambrookら(2001 ,Molecular Cloning:A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratory ,New York)及び他のウイルス学及び分子生物学マニュアルに記載されている。従来のウイルスベースのシステムは、遺伝子導入のためのレトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及び単純ヘルペスウイルスベクターを含んでもよい。場合によっては、遺伝子導入は、レトロウイルス、レンチウイルス、及びアデノ随伴ウイルスの方法を用いて宿主ゲノムに組み込まれ、挿入された遺伝子を長期的に発現させることができる。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞への導入又は感染が可能であり、典型的にはより高いウイルス力価を産生するレトロウイルスベクターである。レンチウイルスベクターは、長い末端反復配列5’LTR及び切断された3’LTR、RRE、rev応答要素(cPPT)、中央終端配列(CTS)、及び/又は翻訳後調節要素(WPRE)を含んでもよい。本願に係るベクターは、細胞に導入されてもよい。
【0314】
別の態様では、本願は細胞を提供する。前記細胞は、本願に係る単離された抗原結合タンパク質、本願に係るポリペプチド、本願に係る免疫コンジュゲート、1種又は複数種の核酸分子、及び/又は本願に係る1種又は複数種のベクターを含んでもよい。例えば、各種の細胞又は各細胞は、本願に係る核酸分子又はベクターを1つ又は1種含んでもよい。例えば、各種の細胞又は各細胞は、複数(例えば、2つ以上)又は複数種(例えば、2種以上)の本願に係る核酸分子又はベクターを含んでもよい。例えば、本願に係るベクターは、原核細胞(例えば、細菌細胞)、CHO細胞、NS/0細胞、HEK293T細胞、293F細胞又はHEK293A細胞などの宿主細胞、又は植物由来の細胞、真菌細胞又は酵母細胞などの他の真核細胞に導入されてもよい。本願に係るベクターは、エレクトロポレーション、lipofectineトランスフェクション、lipofectaminトランスフェクションなど、当業者が公知の方法で宿主細胞に導入されてもよい。例えば、前記細胞は、酵母細胞を含んでもよい。例えば、前記細胞は、大腸菌細胞を含んでもよい。例えば、前記細胞は哺乳動物細胞を含んでもよい。例えば、前記細胞は、免疫細胞を含んでもよい。
【0315】
前記細胞は、免疫細胞を含んでもよい。場合によっては、前記細胞は免疫細胞を含んでもよい。例えば、前記細胞は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、NKT細胞、単球、樹状細胞、顆粒球、リンパ球、白血球、及び/又は末梢血単球を含んでもよい。
医薬組成物
【0316】
別の態様では、本願は、医薬組成物を提供する。前記医薬組成物は、本願に係る単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞、及び/又は薬学的に許容されるアジュバント及び/又は賦形剤を含んでもよい。本願において、前記薬学的に許容されるアジュバントは、緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、低分子量ポリペプチド、タンパク質、親水性ポリマー、アミノ酸、糖、キレート剤、対イオン、金属複合体、及び/又は非イオン性界面活性剤を含んでもよい。本願に係る細胞と適合性がない場合を除き、従来の媒体又は試薬は、本願の医薬組成物に使用することを考慮することができる。本願において、前記薬学的に許容される賦形剤は、薬学的製剤中の主薬以外の追加物を含んでもよく、補助物質とも呼ばれる。例えば、前記賦形剤は、錠剤中のバインダー、充填剤、崩壊剤、潤滑剤を含んでもよい。前記賦形剤としては、例えば、漢方薬の丸薬中の酒、酢、液汁等を含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、半固形製剤としての軟膏剤、クリーム剤のマトリックス部分を含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、液体剤形中の防腐剤、酸化防止剤、矯味剤、芳香剤、助溶剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整剤、着色剤を含んでもよい。
キット、使用及び方法
【0317】
別の態様では、本願は、MASP-2を検出又は測定するための方法を提供し、前記方法は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを用いることを含んでもよい。
【0318】
本願において、前記方法は、インビトロ方法、エクスビボ方法、非診断又は非治療目的の方法を含んでもよい。
【0319】
例えば、前記方法は、非診断目的のためにMASP-2の存在及び/又は含有量を検出する方法を含んでもよく、この方法は、
サンプルを本願の抗原結合タンパク質と接触させるステップ1)と、
サンプルが結合する前記抗原結合タンパク質の存在及び/又は含有量を検出して、被験者からのサンプル中のMASP-2の存在及び/又は発現レベルを決定するステップ2)と、を含んでもよい。
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドを用いることを含んでもよい、MASP-2のキットを提供する。
【0320】
本願において、前記キットは、取扱書を含んでもよく、前記取扱書には、MASP-2の存在及び/又は含有量を検出するための方法が記載されている。例えば、前記方法は、インビトロ方法、エクスビボ方法、非診断又は非治療目的の方法を含んでもよい。
【0321】
別の態様では、本願は、MASP-2の存在及び/又は含有量を検出する方法に用いられ得るキットの製造における、前記単離された抗原結合タンパク質又は前記ポリペプチドの使用を提供する。例えば、前記方法は、インビトロ方法、エクスビボ方法、非診断又は非治療目的の方法を含んでもよい。
【0322】
別の態様では、本願は、疾患又は障害の予防、寛解及び/又は治療における、単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記医薬組成物の使用を提供する。
【0323】
別の態様では、本願は、疾患又は障害を予防、寛解及び/又は治療するための薬物の製造における、前記単離された抗原結合タンパク質、前記ポリペプチド、前記免疫コンジュゲート、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞及び/又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0324】
別の態様では、本願は、前記単離された抗原結合タンパク質、前記単離された核酸分子、前記ベクター、前記細胞、前記医薬組成物を、これを必要とする被験者に投与することを含む、疾患又は障害を予防及び/又は治療する方法を提供する。
【0325】
本願の医薬組成物、医薬組合せ及び方法は、化学療法、手術療法、放射線療法、遺伝子療法などの他の種類の癌療法と組み合わせて使用することができる。本願に記載された医薬組成物及び方法は、炎症、免疫疾患及び感染性疾患のような免疫反応に依存する他の疾患状態に有用である。
【0326】
本願において、前記被験者は、ヒト又は非ヒト動物を含んでもよい。前記非ヒト動物は、例えば、サル、ニワトリ、ガチョウ、ネコ、イヌ、マウス及びラットからなる群から選択されてもよい。また、非ヒト動物は、家畜動物、げっ歯類、霊長類、飼養動物、家禽類など、ヒト以外の動物種を含むこともできる。前記ヒトは、白人、アフリカ人、アジア人、セム族、その他の人種、又は人種の混合であってもよい。さらに、例えば、前記ヒトは、高齢者、成年者、青少年、子供、又は乳児であってもよい。
【0327】
実験動物における有効量からヒトにおける有効量を推定することができる。例えば、Freireichらは動物とヒトの用量の相互関係(体表面1平方メートルあたりのミリグラム数に基づく)を記述している(Freireich et al.,Cancer Chemother. Rep. 50,219 (1966))。体表面積は、患者の身長及び体重から近似的に決定することができる。たとえばScientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardsley,N.Y.,537(1970)を参照する。
【0328】
如何なる理論にも限定されることなく、以下の実施例は、本願の融合タンパク質、その製造方法及び使用等を説明するためにのみ使用されるものであって、本願の発明の範囲を限定するために使用されるものではない。
実施例
実施例1 抗原の製造
【0329】
ヒトMASP-2タンパク質(O00187)は6つの機能領域(domain)を含み、本実施例では、機能領域4(CPP1)、機能領域5(CPP2)、及び機能領域6(SP)を選んで、大腸菌で組み換え発現を行った。発現されるタンパク質が封入体として存在するため、活性タンパク質を得るために封入体をリフォールディングした後、タンパク質断片C末端Hisにより精製した。得られた組換えヒトMASP-2タンパク質は、それぞれ、hMASP2-D456(SEQ ID NO: 1で示されるアミノ酸配列)、hMASP2A-D456(SEQ ID NO: 2で示されるアミノ酸配列)であった。
同じ製造方法によって、カニクイザル(SEQ ID NO: 4で示されるアミノ酸配列を有するA0A2K5UJY0、cMASP2-D456)とマウス(SEQ ID NO: 3で示されるアミノ酸配列を有するQ91WP0、mMASP2-D456)のMASP-2を製造した。
実施例2 マウス抗ヒトMASP-2モノクローナル抗体の製造
【0330】
2.1 動物免疫
初回免疫時に、完全フロイントアジュバントを用いて、上記hMASP2A-D456及びPADREを1:1の割合で乳化した後、50μg hMASP2A-D456/匹で、6~8週齢雌SDラットに腹腔内注射し、6~8週齢雌Balb/cマウスの腹腔及び皮下の複数の部位に注射した。その後、2週間から3週間の間隔で追加免疫を行い、各ラットに、抗原と不完全フロイントアジュバントを50μg腹腔内注射し、マウスの腹腔及び皮下の複数の部位に注射し、各マウスは抗原と不完全フロイントアジュバントを50μg腹腔内注射した。計3回免疫し、最後の免疫2週間後に動物の尾から採血し、血清の抗ヒトMASP-2抗体力価を測定した。フロイントアジュバントを含まないタンパク質50μgを融合させる動物に腹腔内注射して、ショック免疫を行った後、3日目に脾臓細胞を摘出した。
2.2 脾臓細胞融合
ラット/マウス安楽死後、解剖、脾臓摘出、粉砕を行い、細胞を収集し、1500rpmで5min遠心分離し、細胞を収集し、5~10ミリリットルの赤血球溶解液で細胞を懸濁させ、4℃で10min放置し、DMEM+10%FBSで反応を停止し、計数した。遠心分離後、40mlのDMEMで細胞を懸濁させ、2~3min静置した後、上澄みを別の50ml遠心管に移した。SP2/0細胞を収集し、SP2/0:脾臓細胞=1:2の割合で混合し、遠心分離し、上澄みを十分に吸引した後、ピペッティングし、混合細胞を沈殿させ、混合細胞をDMEMで2回洗浄し、常法でPEG融合を行った。融合後、DMEM培地で細胞を洗浄し、DMEM+10%FBS+1×HATのスクリーニング培地に再懸濁させた。融合した細胞を96ウェル細胞培養プレートに加え、37℃、湿度75%、5%COインキュベータに入れて9~10日間培養した。
2.3 マウスモノクローナル抗体のスクリーニング
(1)ELISAによるハイブリドーマ単クローン培養上澄みのhMASP2-D456への結合機能の同定
炭酸塩緩衝液でhMASP2-D456を1.0μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで高結合透明ポリスチレン96ウェルプレート(Nunc)に加え、4℃で一晩コーティングした。翌日、ELISAプレートを自動洗浄機で洗浄緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma))を用いて2回洗浄した。1ウェルあたり300μLのブロック緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma)+1%BSA)を加え、室温で1時間ブロックした。その後、自動洗浄機で洗浄緩衝液を用いて2回洗浄し、1000μLのハイブリドーマ上澄みをELISAプレートの各ウェルに移し、室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。1ウェル当たり、ブロック緩衝液で1:5000希釈したヤギ抗マウスHRP(Sigma、品番:M4280)、ウサギ抗ラットFc-HRP(Sigma、品番:A5795)100μLを加えた。室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。TMB基質液を100μL/ウェルで加え、次いで、1.0M塩酸終止液をウェルごとに50μL加えて、反応を停止し、Thermo Multiscan FCにおいて450nmで読み取った。結合実験により、ハイブリドーマクローニングラットとして50A6、ハイブリドーマクローニングマウスとして47A1をスクリーニングした。無血清による培養及び従来の抗体精製法を用いて、ハイブリドーマモノクローナル抗体を作製し、抗体機能の確認を行った。
実施例3 マウス抗ヒトMASP-2モノクローナル抗体の同定
【0331】
3.1 ELISAによるマウス抗ヒトMASP-2モノクローナル抗体のヒトMASP-2への結合機能の同定
炭酸塩緩衝液(CBS)でhMASP2-D456を1.0μg/mLと0.5μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで高結合透明ポリスチレン96ウェルプレート(Nunc)に加え、4℃で一晩コーティングした。翌日、ELISAプレートを自動洗浄機で洗浄緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma))を用いて2回洗浄した。1ウェルあたり300μLのブロック緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma)+1%BSA)を加え、室温で1時間ブロックした。その後、自動洗浄機で洗浄緩衝液を用いて2回洗浄し、ブロック緩衝液を用いてモノクローナル抗体を8勾配希釈した。ELISAプレートの各ウェルに順次加え、室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。1ウェル当たり、ブロック緩衝液で1:5000希釈したヤギ抗マウスHRP(Sigma、品番:M4280)、ウサギ抗ラットFc-HRP(Sigma、品番:A5795)100μLを加えた。室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。TMB基質液を100μL/ウェルで加え、次いで、1.0M塩酸終止液をウェルごとに50μL加えて、反応を停止し、Thermo Multiscan FCにおいて450nmで読み取った。Graphpadを用いてプロットし、EC50を計算した。その結果、図1に示すように、50A6抗体は、ヒトMASP-2に結合することができた。図2に示すように、47A1抗体は、ヒトMASP-2に結合することができ、本願のマウス抗ヒトMASP-2モノクローナル抗体は、すべてヒトMASP-2に結合することができた。
3.2 ELISAによるマウス抗ヒトMASP-2モノクローナル抗体のマウスmMASP2-D456、サルcMASP2-D456への交差結合機能の同定
炭酸塩緩衝液でマウスmMASP2-D456、カニクイザルcMASP2-D456を1.0μg/mLと0.5μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで高結合透明ポリスチレン96ウェルプレート(Nunc)に加え、4℃で一晩コーティングした。翌日、ELISAプレートを自動洗浄機で洗浄緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma))を用いて2回洗浄した。1ウェルあたり300μLのブロック緩衝液(PBS+0.05%トウェイン20(sigma)+1%BSA)を加え、室温で1時間ブロックした。その後、自動洗浄機で洗浄緩衝液を用いて2回洗浄し、ブロック緩衝液でモノクローナル抗体50A6を15.0μg/mL、11勾配に希釈した。ELISAプレートの各ウェルに順次加え、室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。1ウェル当たり、ブロック緩衝液で1:5000希釈したヤギ抗マウスHRP(Sigma、品番:M4280)、ウサギ抗ラットFc-HRP(Sigma、品番:A5795)100μLを加えた。室温で1時間インキュベートした後、上記の方法でプレートを3回洗浄した。TMB基質液を100μL/ウェルで加え、次いで、1.0M塩酸終止液をウェルごとに50μL加えて、反応を停止した。Thermo Multiscan FCにおいて450nmで読み取った。Graphpadを用いてプロットし、EC50を計算した。50A6のカニクイサルcMASP2-D456への結合の結果を図3Aに、50A6のマウスmMASP2-D456への結合の結果を図3Bに示した。47A1のカニクイサルcMASP2-D456への結合の結果を図4Aに、47A1のマウスmMASP2-D456への結合の結果を図4Bに示した。
結合やブロックなどの機能の同定により、50A6をラット由来候補抗体としてヒト化し、47A1をマウス由来候補抗体としてヒト化した。
実施例4 ハイブリドーマモノクローナル抗体のヒト化
【0332】
4.1 配列アライメントによりマウス由来抗体50A6と最も相同なヒト生殖系列(Germline)配列(データ出所:IMGT)をヒト化設計フレームワーク(軽鎖はGKV6-21*02、IGKJ2*01をフレームワークとし、重鎖はIGHV3-7*01、IGH4*01をフレームワークとした)とした。マウス由来抗体47A1は、それぞれ、IGKV1-16*01、IGKJ4*01、及びIGHV4-30-4*01、IGHJ4*01を軽鎖及び重鎖のフレームワークとした。抗体の軽鎖及び重鎖の可変領域は、Chothiaナンバリング(Chothia&Lesk,1987を参照)により、抗体のCDR領域:CDRL1(L24-L34、すなわちVLの24~34位のアミノ酸)、CDRL2(L50-L56)、CDRL3(L89-L97)、CDRH1(H26-H32、すなわちVHの26~32位のアミノ酸)、CDRH2(H52-H56)、CDRH3(H95-H97)を定義した。配列アライメント及び可変領域の構造情報に基づいて抗体の軽鎖及び重鎖の可変領域のアミノ酸に対してヒト化突然変異を行った。
4.2 発現ベクターを設計し、遺伝子を合成し、哺乳細胞で組換え抗体を発現させて精製し、ヒト化改変後の抗体活性、理化学的性質の違いを比較し、ヒト化最適化を1~2回行った。
4.3 上記の生殖系列(Germline)抗体をフレームワークとしてCDR移植を行い、まず、以下のキメラ抗体の可変領域アミノ酸配列:50A6の軽鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 5で示されるアミノ酸配列)、50A6の重鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 13で示されるアミノ酸配列)を得た。
47A1の軽鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 31で示されるアミノ酸配列)、47A1の重鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 39で示されるアミノ酸配列)。
さらに、上記キメラ抗体の可変領域アミノ酸配列に基づいてアミノ酸突然変異を行い、JYB1931A63の軽鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 21で示されるアミノ酸配列)、JYB1931A63の重鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 26で示されるアミノ酸配列)のヒト化最適化アミノ酸配列を得た。
JYB1931A13の軽鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 47で示されるアミノ酸配列)、JYB1931A13の重鎖可変領域配列(SEQ ID NO: 52で示されるアミノ酸配列)。
4.4 抗体の発現及び精製
上記のヒト化最適化アミノ酸配列を設計した後、それぞれコドン最適化を行い、対応するDNA遺伝子断片(Genscript)を合成し、合成した前記遺伝子断片を発現ベクターpcDNA3.4(Life Technologies)に増幅した。発現プラスミド増幅とプラスミド抽出後に、二重プラスミドをExpiCHO細胞(ThermoFisher Scientific、A29133)に同時トランスフェクトし、供給者ExpiCHO発現システムの方法に従って、以下のように抗体の一過性発現を行った。すなわち、培養総体積25mL培地中、36.5℃、8%二酸化炭素の濃度でExpiCHO細胞を密度6×10/mLまで培養し、ExpiFectamineトランスフェクション試薬を用いて、抗体の軽重鎖発現プラスミドを10μgずつ細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション1日後、それぞれ150μLを取り、4mLのExpiCHOエンハンサーとExpiCHOアジュバントとともに培養細胞に添加し、引き続き9日間まで培養を行い、4℃、3500rpmで遠心分離し、上澄みを採取した。AmMagTM Protein Aビーズ(Genscript、L00695)と抗体発現上澄みを混合し、室温で2時間インキュベートし、PBSで2回洗浄して、上澄みを捨て、適量の溶出緩衝液プロテインG又はA SefinoseTMElution緩衝液(Sangon、C600481)を加え、十分に混合した後、試験管ラックに置いて静置し、5minインキュベートし、インキュベート期間磁気ビーズを2~3回再懸濁させ、2回繰り返し溶出し、溶出直後、適量の中和液1M Tris-HCl、pH7.5(Sangon、B548124)を加えて中和した。
実施例5 抗MASP-2マウス由来抗体によるヒト補体系レクチン経路のブロック
【0333】
5.1 WIESLAB(登録商標)補体系レクチン経路(Svar Life Science AB、品番:AS 1327)キットを用いて、抗体によるヒト血清補体シグナル経路のブロックを検出した。3種類の希釈液でヒト血清と抗体50A6と47A1を希釈し、ここで、ヒト血清の希釈方法は、CP:80ul/4ml、MP:80ul/4ml、及びAP:444.7/4mlであり、抗体は、500nMから10倍希釈した。
5.2 実験ステップ
まず、希釈したサンプルと血清を50μLずつプレートに加え、37℃で1時間インキュベートした。2)洗浄緩衝液でプレートを3回洗浄した。3)1ウェル当たり100μLのカップリングを加えて、室温で30min放置した。4)プレートを洗浄し、すなわち、洗浄緩衝液でプレートを3回洗浄した。5)1ウェル当たり100μLの基質溶液を加えて、室温で30min放置した。6)1ウェル当たり5 mM EDTAを100μL加えて、発色を停止した。7)発色を停止した後、マルチモードマイクロプレートリーダー(マイクロプレートリーダ)で450nmの吸光値を読み取った。
5.3 データ処理:データはGraphPad Prismソフトウェアで処理した。図5に示すように、本願の抗体は、ヒト補体系レクチン経路をブロックすることができる。
実施例6 抗MASP-2抗体の親和性測定
【0334】
6.1 サンプル希釈
候補抗体JYB1931A63及びJYB1931A13の、ヒトhMASP2-D456(KACTUS、ロット番号:080203)、カニクイサルcMASP2-D456(KACTUS、ロット番号:030301)及びマウスmMASP2-D456(KACTUS、ロット番号:030401)との親和性をOctet RED96e(Fortebio社製)で測定し、抗原及び抗体の両方を、1×PBST(1×PBS:Sangon Biotech、B548117-0500;0.02%トウェイン20:sigma-aldrich、P1379)で希釈し、抗原の濃度を30 nM、抗体の濃度を5μg/mLとした。
6.2 サンプルのオンマシン検出(Octet Data Acquisition 11.1.0.11)
まず、サンプルを96ウェルプレート(Greiner bio-one、655209)に加え、200μL/ウェルとした。次に、ソフトウェアパラメータを設定し、プレート温度を30℃に設定し、標準的な動力学シグナルを収集する周波数を5.0Hzとした。次に、1×PBSTでAHCセンサ(Fortebio社製、品番:18-0015)を予め10min濡らしてから、マシンで検出を行った。各サイクルは以下のステップを含む。1)緩衝液に60s浸漬する。2)抗原がセンサに非特異的に結合しているか否かを検出する。3)10mM pH1.7のグリシン溶液で再生させる。4)緩衝液に60s浸漬する。5)抗体をセンサに60sで固相化する。6)センサを緩衝液に180s浸漬する。7)抗原と抗体を180s結合させる。8)抗原と抗体を5min解離する。9)センサを再生させる。
6.3 データ分析
Fortebio社製のData Analysis 12.0ソフトウェアを用いて、抗原-抗体が1:1で結合する形態について、結合速度(Ka)と解離速度(Kd)を測定することにより、抗体の平衡解離定数(K)を計算した。結果を表1に示した。
【表1】
実施例7 抗MASP-2ヒト化抗体による補体系レクチン経路のブロック
【0335】
WIESLAB(登録商標)補体系レクチン経路(Svar Life Science AB、品番:AS 1327)キットを用いて、抗体によるヒト血清とサル血清の補体シグナル経路のブロックを検出した。3種類の希釈液でヒト血清とサル血清を希釈し、ここで、ヒト血清の希釈手段は、CP:80ul/4ml、MP:80ul/4ml、及びAP:444.7/4mlであった。サル血清の希釈手段は、CP:2/100、MP:2/100、及びAP:11.1/100であった。サンプルごとに、3種類の希釈液で、500nMから、10倍希釈した。実験ステップ及びデータ処理は、実施例5と同様であった。図6に示すように、本願のヒト化抗体は、補体系レクチン経路をブロックすることができた。
実施例8 抗体の物理化学的性質の検出
【0336】
8.1 SEC-HPLC純度分析
(1)サンプルを1mg/mLに希釈し、均一に混合し、12000rpmで5min遠心分離し、上澄みを取ってバイアルに移し、HPLCサンプル皿に入れた。クロマトグラフィー条件を表2に示すように設定した。
【表2】
(2)カラムに移動相(200mM リン酸塩緩衝液、pH6.8)を用いて平衡化させた後、サンプルを注入して分析を行い、クロマトグラフィーソフトでデータ分析を行い、ピーク面積正規化法で各ピークのピーク面積パーセンテージを計算した。
8.2 HIC-HPLC分析
(1)サンプルを1mg/mlに希釈し、遠心分離して、測定のために上澄みを採取した。クロマトグラフィー条件を以下のように設定した(表3)。
【表3】
(2)移動相A(50mM リン酸緩衝液/1M 硫酸アンモニウム、pH7.0)と移動相B(50mM リン酸緩衝液、pH7.0)でグラジエント溶出を行い、主ピーク保持時間を記録した。
8.3 融解温度(Tm)値の分析
被験品をサンプル緩衝液で1mg/mLに希釈した後、Protein Thermal ShiftTMStarter Kitの取扱書に従い、被験品溶液13μLをPCRチューブに加え、Protein Thermal shiftTMバッファー5μLを加え、反応体積が20μLになるように10×染色液2μLを加え、均一に混合した後、12000rpmで5min遠心分離して気泡を除去した。検出サンプルをPCR装置内に置き、サンプル分析を行い、サンプルのTm値を記録した。
8.4 iCIEF分析
1%メチルセルロース(MC)70μl、尿素5M 80μl、両性電解質Pharmalyte pH3~10 8μl、各1μlのpI marker 5.5及びpI marker 9.5を十分に混合した系にサンプル溶液を加えた。200μlまで超純水を適当な量で補充して、均一に混合した。遠心分離して上澄みを採取し、注入して分析した。分析終了後、結果ファイルをChromPerfectソフトウェアにインポートしてスペクトル積分処理を行い、各ピークの等電点及び各ピークのパーセンテージを計算したものを表4に示す。
【表4】
実施例9 ヒト化FcRnマウスモデルにおける抗体分子の薬物動態(PK)研究
【0337】
ヒト化FcRnマウスを被験動物とし、2つの被験薬物陽性対照(Narsoplimab)、JYB1931A63の単回腹腔投与後の薬物動態学の指標をそれぞれ研究した。すべての動物実験プログラムはIACUCによって審査され、承認された。hFcRnマウスは、北京百奥賽図社から購入した雄6~8週齢、体重23~26gのもので、SPFグレート動物室で飼育し、標準的な顆粒飼料で飼育し、餌と飲水を自由に摂取させ、室温18~24℃、相対湿度40%~50%とし、毎日、昼と夜を12時間ずつ交替させた。実験動物は、計16匹で、4匹ずつ無作為に4群に分け、1回腹腔内投与し、投与量は10mg/kg、投与体積は10mL/kgとした。採血時点は投与前、投与後2h、6h、24h(1日目)、2日目、3日目、4日目、7日目、10日目、14日目、21日目、28日目、35日目、及び42日目とした。眼窩から全血60μL/匹をEP管に採取し、室温で30min静置し、その後、遠心分離し(2000g、4℃、5min)、血清を分離し、各サンプルを2部(検出管とバックアップ管)、10μL/本に分け、-80℃で保存した。
Elisa間接法を用いて、4種類の薬物の各時点の薬物動態を分析した。組換えヒトMASP-2タンパク質を抗原として、1μg/mL、100μL/ウェルでコーティングし、4℃で一晩放置した。プレートを洗浄した後、200μL/ウェルで、ブロック液を用いて、4℃で一晩ブロックした。血清サンプルを50μL/ウェルで加え、37℃、1hとした。検出抗体をマウスモノクローナル抗体[H2]抗ヒトIgG F(ab)’2(HRP)(abcam,ab87422,GR3246767-11)+Streptavidin-peroxidase(Sigma,lot:SLCB5784)とし、100μl/ウェル、37℃、0.5hとした。TMB発色液(KPL、品番:52-00-03)で発色させ、マイクロプレートリーダ(Molecular Devices、SpectraMax M3)でOD450値を読み取った。検量線から薬物濃度を取得し、PK Solverのノンコンパートメント解析を使用してPKパラメータを取得した。血中濃度曲線を図7に示した。
【0338】
陽性対照を投与した場合、半減期(t1/2)=4.93日、ピーク時点(Tmax)0.45日、最高濃度(Cmax)9393ng/mlであり、JYB1931A63を投与した場合、半減期(t1/2)=18.6日、ピーク時点(Tmax)4.53日、最高濃度(Cmax)86934ng/mlであった。
【0339】
前述の詳細な説明は、説明及び例示として提供されたものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。本願に挙げられている実施形態の様々な変化は、当業者にとって明らかなことであり、添付の特許請求の範囲及びその均等な態様の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
【配列表】
2024523846000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の性質a~cのうちの1つ又は複数の性質を有する、単離された抗原結合タンパク質であって、
a)Octet検出において、約2E-09M以下のK値でヒトMASP-2タンパク質に特異的に結合され
b)Octet検出において、約2E-09M以下のK値でカニクイサルMASP-2タンパク質に特異的に結合され
c)補体の古典経路及び副経路に影響を与えることなくヒト補体系レクチン経路を特異的にブロックできる、単離された抗原結合タンパク。
【請求項2】
SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含
または、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含
または、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含
または、SEQ ID NO: 67で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含
または、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含
または、前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、そのうち前記HCDR3は、SEQ ID NO: 19で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 17で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 15で示されるアミノ酸配列を含
または、C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含
または、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、かつSEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含
または、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、
または、前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、かつSEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含
または、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、
または、N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含
または、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、
または、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、そのうち前記H-FR1は、SEQ ID NO: 62で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 63で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 64で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 65で示されるアミノ酸配列を含
または、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、そのうち前記H-FR1は、SEQ ID NO: 14、及びSEQ ID NO: 27のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 16、及びSEQ ID NO: 28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 18、及びSEQ ID NO: 29のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 20、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含
a)H-FR1:SEQ ID NO: 14、H-FR2:SEQ ID NO: 16、H-FR3:SEQ ID NO: 18、及びH-FR4:SEQ ID NO: 20
b)H-FR1:SEQ ID NO: 27、H-FR2:SEQ ID NO: 28、H-FR3:SEQ ID NO: 29、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
または、SEQ ID NO: 67で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含
または、前記VHは、SEQ ID NO: 13、及びSEQ ID NO: 26のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項3】
SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含
または、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含
または、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含
または、SEQ ID NO: 66で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含
または、SEQ ID NO: 5、及び21のいずれかで示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含
または、前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、そのうち前記LCDR3は、SEQ ID NO: 11で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 9で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 7で示されるアミノ酸配列を含
または、C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含
または、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、かつSEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含
または、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、かつSEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含
または、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含
または、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、そのうち前記L-FR1は、SEQ ID NO: 58で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 59で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 60で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 61で示されるアミノ酸配列を含
または、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 6、及びSEQ ID NO: 22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 8、及びSEQ ID NO: 23のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 10、及びSEQ ID NO: 24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 12、及びSEQ ID NO: 25のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含
a)L-FR1:SEQ ID NO: 6、L-FR2:SEQ ID NO: 8、L-FR3:SEQ ID NO: 10、及びL-FR4:SEQ ID NO: 12
b)L-FR1:SEQ ID NO: 22、L-FR2:SEQ ID NO: 23、L-FR3:SEQ ID NO: 24、及びL-FR4:SEQ ID NO: 25
または、前記VLは、SEQ ID NO: 66で示されるアミノ酸配列を含
または、前記VLは、SEQ ID NO: 5、及びSEQ ID NO: 21のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項4】
VHとVLを含み、前記VH及びVLは、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)VH:SEQ ID NO: 13、及びVL:SEQ ID NO: 5
b)VH:SEQ ID NO: 26、及びVL:SEQ ID NO: 21
【請求項5】
SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含むHCDR3を含
または、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含むHCDR2を含
または、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含むHCDR1を含
または、SEQ ID NO: 77で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含
または、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52で示される重鎖可変領域VHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含
または、前記HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域VHを含み、そのうち前記HCDR3は、SEQ ID NO: 45で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR2は、SEQ ID NO: 43で示されるアミノ酸配列を含み、前記HCDR1は、SEQ ID NO: 41で示されるアミノ酸配列を含
または、C末端が前記HCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含むH-FR1を含
または、前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記HCDR1と前記HCDR2との間に位置し、かつSEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含むH-FR2を含
または、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記HCDR2と前記HCDR3との間に位置し、かつSEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含むH-FR3を含
または、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、N末端が前記HCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含むH-FR4を含
または、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、そのうち前記H-FR1は、SEQ ID NO: 72で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 73で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 74で示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 75で示されるアミノ酸配列を含
または、H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4を含み、そのうち前記H-FR1は、SEQ ID NO: 40、及びSEQ ID NO: 53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR2は、SEQ ID NO: 42、及びSEQ ID NO: 54のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR3は、SEQ ID NO: 44、及びSEQ ID NO: 55のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記H-FR4は、SEQ ID NO: 46、及びSEQ ID NO: 30のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記H-FR1、H-FR2、H-FR3、及びH-FR4は、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含
a)H-FR1:SEQ ID NO: 40、H-FR2:SEQ ID NO: 42、H-FR3:SEQ ID NO: 44、及びH-FR4:SEQ ID NO: 46
b)H-FR1:SEQ ID NO: 53、H-FR2:SEQ ID NO: 54、H-FR3:SEQ ID NO: 55、及びH-FR4:SEQ ID NO: 30
または、SEQ ID NO: 77で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域VHを含
または、前記VHは、SEQ ID NO: 39、及びSEQ ID NO: 52のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項6】
SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含
または、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含むLCDR2を含
または、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含むLCDR1を含
または、SEQ ID NO: 76で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含
または、SEQ ID NO: 31、及びSEQ ID NO: 47で示される軽鎖可変領域VLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含
または、前記LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域VLを含み、そのうち前記LCDR3は、SEQ ID NO: 37で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR2は、SEQ ID NO: 35で示されるアミノ酸配列を含み、前記LCDR1は、SEQ ID NO: 33で示されるアミノ酸配列を含
または、C末端が前記LCDR1のN末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含むL-FR1を含
または、前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記LCDR1と前記LCDR2との間に位置し、かつSEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含むL-FR2を含
または、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記LCDR2と前記LCDR3との間に位置し、かつSEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含むL-FR3を含
または、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、N末端が前記LCDR3のC末端に直接又は間接的に連結され、かつSEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含むL-FR4を含
または、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、そのうち前記L-FR1は、SEQ ID NO: 68で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 69で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 70で示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 71で示されるアミノ酸配列を含
または、L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4を含み、そのうち前記L-FR1は、SEQ ID NO: 32、及びSEQ ID NO: 48のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR2は、SEQ ID NO: 34、及びSEQ ID NO: 49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR3は、SEQ ID NO: 36、及びSEQ ID NO: 50のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記L-FR4は、SEQ ID NO: 38、及びSEQ ID NO: 51のいずれかで示されるアミノ酸配列を含
または、前記L-FR1、L-FR2、L-FR3、及びL-FR4は、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含
a)L-FR1:SEQ ID NO: 32、L-FR2:SEQ ID NO: 34、L-FR3:SEQ ID NO: 36、及びL-FR4:SEQ ID NO: 38
b)L-FR1:SEQ ID NO: 48、L-FR2:SEQ ID NO: 49、L-FR3:SEQ ID NO: 50、及びL-FR4:SEQ ID NO: 51
または、SEQ ID NO: 76で示されるアミノ酸配列を含むVLを含
または、前記VLは、SEQ ID NO: 31、及び47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項7】
VHとVLを含み、前記VH及びVLは、以下のa~bから選択されるいずれか1組のアミノ酸配列を含む、請求項1及びのいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
a)VH:SEQ ID NO: 39、及びVL:SEQ ID NO: 31
b)VH:SEQ ID NO: 52、及びVL:SEQ ID NO: 47
【請求項8】
IgG由来の定常領域又はIgY由来の定常領域を含む重鎖定常領域を含み、
または、前記重鎖定常領域はIgG由来の定常領域を含
または、前記重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4由来の定常領域を含
または、前記重鎖定常領域は、SEQ ID NO: 56で示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項9】
Igκ由来の定常領域又はIgλ由来の定常領域を含む軽鎖定常領域を含
または、前記軽鎖定常領域はヒトIgκ由来の定常領域を含
または、前記軽鎖定常領域は、SEQ ID NO: 57で示されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項10】
抗体又はその抗原結合断片を含み、
前記抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv断片、F(ab’)2、scFv、di-scFv、VHH及び/又はdAbからなる群から選択され
前記抗体は、モノクローナル抗、一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び完全ヒト抗体からなる群から選択される、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質を含む、ポリペプチド。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項11に記載のポリペプチドを含む、免疫コンジュゲート。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、又は請求項11に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
【請求項14】
請求項13に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項11に記載のポリペプチド、請求項12に記載の免疫コンジュゲート、請求項13に記載の単離された核酸分子及び/又は請求項14に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項16】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項11に記載のポリペプチドを製造する方法であって、
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項11に記載のポリペプチドを発現させる条件で、請求項15に記載の細胞を培養することを含む、方法。
【請求項17】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項11に記載のポリペプチド、請求項12に記載の免疫コンジュゲート、請求項13に記載の単離された核酸分子、請求項14に記載のベクター、請求項15に記載の細胞、及び/又は薬学的に許容されるアジュバント及び/又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項11に記載のポリペプチドを用いることを含む、MASP-2を検出又は測定するための方法。
【請求項19】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質又は請求項11に記載のポリペプチドを含む、MASP-2の検出キット。
【請求項20】
疾患又は障害の予防、寛解及び/又は治療における、請求項1~10のいずれか1項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項11に記載のポリペプチド、請求項12に記載の免疫コンジュゲート、請求項13に記載の単離された核酸分子、請求項14に記載のベクター、請求項15に記載の細胞及び/又は請求項17に記載の医薬組成物の使用。
【国際調査報告】