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特表2024-523851フィジカルエクササイズ、特に運動リハビリテーションエクササイズを行うための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】フィジカルエクササイズ、特に運動リハビリテーションエクササイズを行うための装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/16 20060101AFI20240625BHJP
   A61B 5/22 20060101ALI20240625BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A63B23/16
A61B5/22 220
A63B24/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576060
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2022055297
(87)【国際公開番号】W WO2022259146
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021000014858
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523462480
【氏名又は名称】レドラゴンマ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】LEDRAGOMMA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ドンデ,アレッサンドロ
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一部が半透明の柔軟な材料で形成されたケーシング(21)で形成され、内部チャンバー(22)および少なくとも1つの開口部(24)を有する本体(20)と、開口部(24)内に収容される閉鎖要素(30)と、その上の少なくとも圧力センサー(40)と、光源(50)と、制御ユニット(70)と、バッテリー(80)と、を備える運動リハビリテーションのフィジカルエクササイズ用の装置(10)に関し、圧力センサー(40)は内部チャンバー(22)内の圧力(P)を検出するように配置され、制御ユニット(70)は圧力値(P)の測定値を受信し、パラメータに応じて、光源(50)の作動状態を制御するよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィジカルエクササイズ用の、特に、運動リハビリテーションエクササイズ用の装置(10)であって、
加圧したガスで満たされるよう設計された内部チャンバー(22)を画定するケーシング(21)を有する本体(20)であって、前記ケーシング(21)が半透明または透明な材料で形成された少なくとも一部と柔軟な材料で形成された少なくとも一部とを含み、前記内部チャンバー(22)と連通する少なくとも開口部(24)を有する本体(20)と、
前記ケーシング(21)の前記開口部(24)に結合するよう設計された前記開口部(24)に収容された閉鎖要素(30)であって、ヘッド部分(31)とサポート部分(32)とを含み、前記サポート部分が前記ヘッド部分(31)から前記内部チャンバー(22)に向かって延びる、閉鎖要素(30)と、
を備え、
前記装置(10)はさらに、前記サポート部分(32)に取り付けられた、
少なくとも1つの圧力センサー(40)と、
少なくとも1つの光源(50)と、
前記光源と前記圧力センサーとに接続された制御ユニット(70)と、
上述の構成要素に電力を供給するバッテリー(80)と、
を備え、
前記圧力センサー(40)は、前記内部チャンバー(22)内の圧力値(P)を検出するよう配置され、
前記制御ユニット(70)は、前記圧力値(P)の測定値を受信し、パラメータに応じて前記光源(50)の作動状態を制御するよう構成される、
装置(10)。
【請求項2】
前記ケーシング(21)は、部分的にまたは全体的に半透明の柔軟な材料により形成される、
請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記制御ユニット(70)に接続された、好ましくは無線タイプの通信モジュール(60)、を備える、
請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記制御ユニット(70)は、制御マップ、を備え、
前記制御ユニット(70)は、検出された前記圧力値(P)および前記制御マップのパラメータに応じて前記光源(50)の作動を制御するよう構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記制御ユニット(70)は、閾値圧力値(Px)を格納するよう構成された初期較正機能を含み、
前記制御ユニット(70)は、さらに、装置の使用中に、所定の色または所定の点滅シーケンスまたは所定の光強度で、格納された前記閾値圧力値(Px)に応じて、検出された前記圧力値(P)のエンティティを信号で通知するために、前記光源(50)の作動を制御するよう構成される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記制御ユニット(70)は、プログラマブルタイプである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記制御ユニット(70)は、検出された圧力値(P)に応じて前記装置の前記本体(20)にかかる力の計算機能を含み、
前記計算機能は、前記制御ユニット(70)に格納された較正曲線を含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
光(50)は、RGB LEDタイプまたはRGBW LEDタイプであり、
前記制御ユニット(70)は、前記制御マップのパラメータまたは前記閾値圧力値(Px)に応じて、前記光源(50)により放射された色を駆動するよう構成される、
請求項4または5に記載の装置(10)。
【請求項9】
閉鎖要素(30)のヘッド部分(31)に配置された導電性材料により形成された少なくとも1つのコイルまたはループ、または前記ヘッド部分(31)の外面から突出した電気接点(electric contacts)を含むバッテリー(80)用の充電回路(90)を備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のフィジカルエクササイズ用の装置(10)と前記装置用のサポート(100)とを備えるキット(1)であって、
前記サポート(100)は、使用していないときに前記装置(10)の前記本体の少なくとも一部を受け入れるまたは収容するよう設計された本体(101)を備え、
前記サポート(100)は、さらに、前記装置(10)の前記バッテリー(80)を充電するための電源回路を備える、
キット(1)。
【請求項11】
請求項3、6、または9に記載の装置(10)を備えるキット(1)であって、
サポート(100)は、制御ユニット(130)および無線タイプの通信モジュール(14)を備え、
前記サポート(100)の前記制御ユニット(130)は、前記装置(10)の制御ユニット(70)と通信し、制御ユニット(70)の動作パラメータをプログラムするよう構成される、
キット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィジカルエクササイズ、特に運動リハビリテーションエクササイズ(motor rehabilitation exercises)のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体活動および運動活動(physical and motor activity)の分野では、実施した動作(movement)のパラメータに関するフィードバックが有用であるか、または、必要に応じて、フィジカルエクササイズを実施することが一般的である。
【0003】
運動リハビリテーション(motor rehabilitation)の分野では、リハビリ中の患者の経過を評価するため、あるいは運動障害を持つ人の運動状態および能力を評価するために、上述のパラメータは特に有用である。
【0004】
下肢および上肢、さらに一般的には身体のあらゆる部位にかかわるフィジカルエクササイズのために、さまざまな種類の機械(machines)や装置(devices)が市販されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの装置または機械は、かなり複雑で高価な器具であることが多いため、専らプロフェッショナルユースに限定されている。さらに、購入コストが高いため、この分野のすべてのセンターおよび/または専門家が、これらの機械を1台以上備えることができるわけではない。
【0006】
さらに、運動リハビリテーションおよびフィットネスの分野では、ボールや棒など、ごく単純な器具(instruments)または用具(equipment)で実行することができる動作(movements)およびアクション(actions)を伴うフィジカルエクササイズが数多くある。通常、このような単純で安価な器具では、例えば、発揮される力、動作など、アクションに関連する情報またはパラメータを提供する器具データ(instrumental data)を得ることはできない。
【0007】
米国特許出願公開第2010/130315号明細書には、電子部品を備えた、特にフットボールの試合用の、ボール用ブラダー(bladder)が記載されている。ボールのバランスが崩れないように、また、ボールが受ける応力によって内部の接続ワイヤーが損傷しないように、ブラダー内に対称的に配置されたさまざまなタイプの電子部品を接続するという問題が提起されている。ブラダーには、1つの極(pole)に配置されたバルブが設けられ、様々な色のLEDが組み込まれている。ブラダーの反対側の極には、圧力センサーとバッテリーとを備えた電子部品が配置されている。LEDが点灯し、ボールの使用に適した圧力範囲を示す。バルブのLEDと電子部品とは、ブラダー内壁の配線により接続されている。
【0008】
米国特許第5888156号明細書には、内部に光源を備えたボールが記載されている。ボールの一実施形態は、半透明部分を有する外側シェル(outer shell)と、外側シェルの内側に配置された膨張可能な内側ブラダーと、を含む。内側膨張式ブラダーと外側シェルとの間には照明要素が配置されている。別の実施形態において、装置は、半透明部分を有する外側シェルと、外側シェルの内側に配置され、半透明部分を有する、または半透明部分を有する外側シェルのみを有する膨張可能な内側ブラダーと、を備える。照明要素は、内側膨張式ブラダー内に配置された第1部分と、内側膨張式ブラダーまたは外側シェルに密封状態で係合する第2部分と、を有する。照明エレメントは、ライト、バッテリー、スイッチ、およびワイヤー、を備える。スイッチは、照明要素の本体にねじ込むことができる要素で構成され、バッテリーの極の接点を押して回路を閉じるように設計されている。
【0009】
このような背景から、フィジカルエクササイズ、特に運動リハビリテーションのための装置であって、使用が簡単で、ユーザーが行った動作について少なくとも質の高いフィードバックを提供する装置が必要とされている。
【0010】
したがって、本発明の目的は、公知技術の限界を克服するフィジカルエクササイズ用装置を提案することである。
【0011】
特に、本発明の目的は、上肢または下肢でつかむことができ、装置本体にかかる「つかむ(squeezzing)」力を表示するように設計された装置を提案することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、ユーザーが類似する従来の装置と同じように使用することのできる装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、ユーザーと、例えばトレーナー、理学療法士などのコントローラーとの両方が容易に知覚できるフィードバックを提供する装置を提案することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、簡単で安価な装置を提供することである。
【0015】
最後に、本発明のさらなる目的は、使いやすく、頑丈で信頼できる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、請求項1に記載の運動リハビリテーションのためのフィジカルエクササイズ装置によって達成される。
【0017】
本発明によれば、装置は、内部チャンバーを画定するケーシングを有する本体を備える。内部チャンバーには、加圧された空気、または、必要であれば、例えば窒素のような他の適切なガスが含まれていてもよい。ケーシングは、少なくとも一部が半透明または必要に応じて透明な材料で形成され、少なくとも一部が柔軟な材料で形成されている。
【0018】
内部チャンバーの圧力は、外力がないときは本体の柔軟な部分がその形状を安定的に維持することを可能にするが、同時に、人により加えられるつかむ力(squeezing force)を受けた場合には本体の柔軟な部分が変形することを可能にするようなものである。
【0019】
通常、柔軟な部分の特徴的な寸法(例えば、直径、長さなど)が基準値(reference value)に近い値の範囲になるように、内部チャンバーの圧力が調整される。
【0020】
好ましくは、ケーシングの少なくとも一部分は、柔軟性と半透明性とを併せ持つ材料で作られている。本発明の変形例によれば、ケーシング全体が、必要に応じて完全に半透明または透明でもある柔軟な材料で形成されている。
【0021】
本発明の文脈では、「半透明(translucent)」という定義は、少なくとも拡散的に光を通過させることのできるケーシング材料の性質を指す。したがって、ケーシング材料は完全には不透明ではない。以下では、簡潔にするため、材料を指す「半透明(translucent)」という用語は、同じものが透明であってもよいことを示す。
【0022】
ケーシングは、本体のチャンバーと連通する開口部を有し、この開口部にはチャンバーを密封する閉鎖要素が収容されている。
【0023】
閉鎖要素は、開口部が設けられた領域のカバーとして機能するヘッド部分と、ヘッド部分から内部チャンバーに向かって延びるサポート部分と、を備える。上述部品の1つ、好ましくはサポート部分は、ケーシングの開口部と結合し、内部チャンバーの気密シールを提供するように設計されている。
【0024】
本発明によれば、少なくとも1つの圧力センサーと、光源と、光源および圧力センサーに接続された制御ユニットと、上述の構成要素に電力を供給するバッテリーとが、閉鎖要素のサポート部分に取り付けられている。
【0025】
光源は支持体に取り付けられており、作動すると、ケーシングの半透明部分を通して、放射された光が装置の外側に見えるようになっている。
【0026】
圧力センサーは、チャンバー内の空気圧を検出するように配置されている。制御ユニットは、圧力センサーに接続されており、圧力センサーによって測定された内圧の測定値を受信し、測定された値に応じて光源の作動状態を制御するように構成されている。
【0027】
例えば、上肢または下肢の間に挟まれると、または壁、床、テーブルなどの固定されたアバットメント(abutment)に押し付けるなど、装置の本体がユーザーによって外圧を受けると、内圧が上昇し、この変動が圧力センサーによって検知される。
【0028】
制御ユニットは、チャンバー内の内圧が1つまたは複数の処置の圧力値に達するかまたはそれを超える場合に、少なくとも1つの光源の作動状態を変更するように構成される。
【0029】
光刺激は、ケーシングの少なくとも1つの半透明または透明部分を通して見えるので、装置のケーシングに加えられた圧力またはつかむ力に関連して、ユーザーに対するフィードバック機能を果たす。
【0030】
こうして考案された装置により、実施された運動(motor exercise)、特に装置のケーシングに加えられた力に関する情報を、定性的ではあるが、即座に直感的な方法でユーザーに提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、装置の本体の形態(form)は、使用モード、実施するエクササイズのタイプおよび/または関係する身体の部位に応じて、最も適したものから選択することができる。実際、装置は手で握ったり、腕または脚の間につかんだり、手足で身体の別の部分に、または、壁、表面、または床などのアバットメント要素に押し当てたりできる。
【0032】
好ましい実施形態によれば、本体は、球形、半球形、円筒形、円板形、または楕円形を有する。
【0033】
ケーシングは、例えばプラスチックまたは金属などの硬い材料で形成された、サポートベースとして機能することができる部分と、ユーザーにより操作される柔軟な材料で作られた部分とを備えていてもよく、好ましくは、全体を柔軟な材料で形成してもよい。
【0034】
最初の場合、硬い部分と柔軟な部分とは、内部チャンバーの気密性を保証するように接合される。
【0035】
ケーシングの柔軟な部分に適した材料は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)または同様のポリマー材料である。
【0036】
本発明の好ましい変形例によれば、本体のケーシングには、例えばスポーツボールなどに使用されるタイプのバルブが設けられ、チャンバーの内圧、したがってケーシングの柔軟な部分の剛性を変化させることができる。
【0037】
あるいは、バルブを閉鎖要素に直接取り付けることもできる。
【0038】
前述したように、ケーシングは部分的に半透明または透明であってもよく、その結果、光源が発する光を外部から見ることができし、全体を上述の材料で形成することもできる。
【0039】
本発明の一態様によれば、装置はさらに、制御ユニットに接続された、好ましくはBluetooth(登録商標)タイプの通信モジュールを備えている。
【0040】
通信モジュールを介して、装置は外部デバイス、例えばモバイルデバイス、コンピュータ、または専用アクセサリーと通信して、例えば圧力センサーによって取得されたデータを転送するなどのデータ交換を行うことができる。
【0041】
制御ユニットがプログラマブルタイプである場合、通信モジュールを介して、外部デバイスとデータを交換することができ、この外部デバイスによって、圧力センサーにより検出された圧力値に応じて制御ユニットと光源との間の相互作用(interaction)をプログラムすることが可能である。
【0042】
好ましくは、制御ユニットは、例えばスマートフォンまたはタブレット上のアプリケーションによって、外部デバイスを介してユーザーから提供された指示(装置の較正、エクササイズのタイプ、考慮すべき量-圧力/力、加速度など)に応じて装置の使用をプログラムするように構成されている。
【0043】
追加的または代替的に、本発明の別の態様によれば、制御ユニットは、ユーザーによって実行された検出された動作の数、例えば装置上で連続して実行された押圧動作の数に応じて、所定の動作モード(operating mode)、例えば較正モード(後述)またはエクササイズモードを起動するように構成される。
【0044】
このモードでは、ユーザーは、外部の電子機器を必要とせず、単独でデバイスと対話(interact)することができる。
【0045】
本発明によれば、光源は、単色光または異なる色の光を生成する1つまたは複数の光素子、典型的にはLEDを備えていてもよい。
【0046】
本発明の一態様によれば、制御ユニットは、光源の点滅(点滅回数、継続時間、頻度)または様々な色の活性化を制御し、ユーザーまたはコントローラーに、実施中のエクササイズに関するフィードバック情報を送信するように構成することができる。例えば、点滅の回数や色によって、ユーザーにより到達した圧力/力のレベルまたは、ボールの特定の機能状態(例えば、較正プロセスの開始または終了、またはバッテリーの残量低下)を示すことができる。
【0047】
装置の設定パラメータは、制御マップ(control map)の形態であってもよく、制御マップは、制御ユニットに予め定義されプリロードされてもよく、または外部デバイスを介してプログラムされてもよい。
【0048】
制御ユニットはさらに、装置が使用されていなとき、すなわちユーザーによってつかまれていないときにも、上述の方法で光源を制御してユーザーまたはコントローラーに実施されるエクササイズに関する指示(instructions)を提供してもよい。
【0049】
本発明の一態様によれば、制御ユニットは、装置の本体がつかまれていないときにチャンバー内部の圧力値Pを検出することを伴う動作モードを備える。制御ユニットは、初期の圧力値が設定された最適動作範囲外であるかを信号で通知し、光源の作動を指令するよう構成されてもよい。
【0050】
初期値は、一般的に、装置の起動の初期段階で検出される。
【0051】
好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、エクササイズ中に圧力センサーにより検出された圧力値Pと初期値Pとの差としてユーザーにより加えられた圧縮する/つかむ力を検出するよう構成される。
【0052】
可能な実施形態によれば、制御ユニットは、ユーザーにより加えられた力の計算機能を含んでもよい。力の計算機能は、制御ユニットに記憶された較正曲線(calibration curve)にリンクされていてもよい。
【0053】
本発明の一態様によれば、制御ユニットは、所定のユーザーにより加えられる、または必要に応じて、エクササイズ中に超えてはならない閾値または参照圧力値P(または力)を記憶し設定するよう構成されてもよい。
【0054】
この値は、通常、エクササイズの開始前に記録される。この変形例によれば、ユーザーが可能な限り大きな力でまたは所定のレベルの力で装置の本体を圧縮するよう要求される較正機能が実装され、相対的な閾値圧力値Pが制御ユニットにより記録される。この変形例によれば、制御ユニットは、光源の作動を制御して、色または所定の点滅シーケンスまたは所定の光強度で、記憶された閾値Pに応じて検出された圧力値Pのエンティティ(entitiy)を信号で通知するよう構成されてもよい。
【0055】
本発明の別の態様によれば、装置は周囲光センサーを備えていてもよい。変形例によれば、制御ユニットは、光源によって生成される光強度を管理するように構成され、ケーシングの内部で知覚される周囲光に応じて光強度を調節する。こうすることで、照明部分の消費電力をきめ細かく管理することが可能になる。
【0056】
本発明の別の態様によれば、装置は、運動センサー(movement sensor)、好ましくは加速度計または同等のものを備えていてもよい。
【0057】
センサーは制御ユニットに接続されており、制御ユニットは、運動センサーによって測定されたパラメータに応じて光源も制御するように構成されていてもよい。動作のパラメータは、通信モジュールを介して外部デバイスに送信することもできる。
【0058】
本発明の別の態様によれば、フィジカルエクササイズ用装置は、バッテリー充電回路(battery recharge circuit)を備えていてもよい。好ましい変形例によれば、充電回路(recharge circuit)は、誘導充電装置(inductive recharge device)と動作可能に関連付けることができる導電性材料により形成された巻線を備える。巻線は、閉鎖要素、好ましくはヘッド部分に配置される。あるいは、充電回路は、閉鎖要素のヘッド部分に配置され、外部からアクセス可能な接点(contacts)を備えていてもよい。
【0059】
本発明の別の態様によれば、フィジカルエクササイズ用装置は、使用していないときに装置を載せることができるサポート要素も含むキットで供給することができる。
【0060】
サポートは、フィジカルエクササイズ用装置が部分的に収容されるハウジングを備え、サポート上に載置されているときにその位置を安定して維持するために装置上の対応する保持手段と結合するように設計された、例えば磁気式またはインターロック式の保持手段を備えていてもよい。
【0061】
本発明の別の態様によれば、サポートは、装置のバッテリーを充電するための電力供給手段を備えていてもよい。好ましくは、充電手段は、誘導型であり、装置には対応する誘導型または電気接触型の充電回路が装備されている。
【0062】
フィジカルエクササイズ用装置が通信モジュールを備えている変形例において、サポートもまた、制御ユニットを備えていてもよく、装置の制御ユニットとデータを交換するように、例えば、装置から圧力センサーまたは運動センサーにより収集されたデータを受信するように構成された通信モジュールを備えていてもよい。この目的のために、サポートの制御ユニットは、好ましくはメモリモジュールを備えている。
【0063】
フィジカルエクササイズ用装置の制御ユニットがプログラマブルタイプである変形例において、サポートの制御ユニットによって直接プログラムする(be programmed directly)ことができ、例えば、ユーザー専用のエクササイズのためのプログラムをロードするため、および/または、動作パラメータを設定するため、例えば、閾値圧力値Pを設定し、より低い圧力値または中間の圧力値と、光源の点滅または色の所定の組み合わせとを関連付けることができる。
【0064】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示されるような、フィジカルエクササイズ用装置の可能な実施形態の例の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明によるフィジカルエクササイズ用装置を示す概略側面断面図
図2図1の詳細を示す概略側面断面図
図3図1の装置のサポートおよび充電要素を示す概略側面断面図
図4】本発明による装置の動作を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0066】
添付の図面を参照すると、符号1は、フィジカルエクササイズ用装置10と、その装置を使用していないときに載せるサポート100とを備えるキットの全体を示している。
【0067】
装置は、ポリ塩化ビニルまたは同様の材料により形成され、半透明または透明であるケーシング21で形成された本体20を備える。
【0068】
図示された例では、使用状態において、すなわち内部チャンバー22内の圧力の値が適切な範囲内にあるとき、本体20は、球体の形状を有している。しかし、上述したように、本体20は、半球形、楕円形、またはフィットネスまたはリハビリのためのフィジカルエクササイズを実施するのに適した、または有用な他の任意の形状であってもよい。ケーシング21には、空気、または必要に応じて他の適切な気体を内部チャンバー22に導入または内部チャンバー22から排出するためのバルブ23が設けられていることが好ましい。
【0069】
本体20内には、より正確にはケーシング21内には、円形の開口部24が設けられ、その中に全体を符号30で示す閉鎖要素が収容されている。
【0070】
図2を参照すると、閉鎖要素30は、ヘッド部分31とサポート部分32とを備える。ヘッド部分31に近いサポート要素32の領域は、内部チャンバー22の気密性を保証するように、開口部24の端と結合するように設計されている。気密結合は、好ましくは、シーラント、接着剤などを使用しない形状結合(shape coupling)によって得られる。
【0071】
サポート部分32は、ヘッド部分31から、チャンバー22の内部に向かって発展する。
【0072】
閉鎖要素30は、通常、好ましくは硬質ポリマー材料で形成される。
【0073】
サポート部分32には、以下の構成要素が取り付けられている。少なくとも1つの圧力センサー40、少なくとも1つの光源50、通信モジュール60、光源、圧力センサー、および通信モジュールに接続された制御ユニット70、および、上述の構成要素に電力を供給するバッテリー80。
【0074】
光源50は、放射された光ビームがチャンバー内でできるだけ均一に拡散されるように、サポート30の端部32bの領域に配置されることが好ましい。ケーシング21の半透明材料は、ケーシングの表面全体にわたって光の拡散効果を生み出すのに寄与する。
【0075】
光源50は、異なる色の光を生成するために、RGBまたはRGBWタイプの1つまたは複数のLED51を備えることが好ましい。通常、光源50はLED51の駆動回路52をさらに備える。
【0076】
通信モジュール60は、好ましくは、Bluetooth、Wi-Fi、NFC、または他の無線通信規格を介して動作する。
【0077】
好ましい変形例によれば、閉鎖要素30のヘッド部分31のエリアに、バッテリー80に接続された銅または同等の材料で形成されたループまたはコイルを含む充電回路90が取り付けられている。
【0078】
図3には、フィジカルエクササイズ用装置10のサポート100が、概略的ではあるがより詳細に示されている。
【0079】
サポート100は、装置10を収容できる台座102を有するベース101を備える。図示された例では、台座102は、装置10の本体20が部分的に収容される中空を形成する。
【0080】
サポート100には、支持体に搭載された電子部品に電力を供給するように設計された、外部電源に接続可能な電流駆動装置(current drive device)110が装備されている。
【0081】
より詳細には、サポートには、台座102の領域に配置されたループまたはコイルを備える電源回路120が設けられる。装置10がサポート100上に載置されているとき、閉鎖要素30は、それぞれの電源120および充電90回路の2つのループ/コイルが、一方によって生成された磁場が他方と相互作用するよう、約2~5mmの最適な距離にあるように、サポートの座部102に面している。
【0082】
サポート100は、通信モジュール140に接続された制御ユニット130、好ましくは上述のタイプの無線(wireless)をさらに備える。好ましくは、サポートは、制御ユニット130の入出力インターフェース150をさらに備える。インターフェース140は、好ましくは、装置10の動作パラメータを設定することを可能にするタッチスクリーンディスプレイを備え、後者は、プログラマブル制御ユニットを備え、また、バッテリー充電レベル、内部チャンバー22の初期圧力P、さらに、進行中のエクササイズのパラメータなどの有用な情報をリアルタイムで表示することを可能にする。
【0083】
好ましくは、サポート100の台座102の領域には、閉鎖要素30のヘッド部分31に配置されたそれぞれの磁石34と相互作用するように設計された磁石103が設けられている。
【0084】
図4を参照すると、純粋に例として、本発明の可能な変形例によるフィジカルエクササイズ用装置の動作を示すブロック図が示されている。
【0085】
装置の始動時、制御ユニットは初期内部圧力Pを計算する。好ましくは、値は、装置の始動後、予め定められた時間間隔において圧力センサーによって検出された圧力値の平均を計算することによって測定される。好ましくは、値は、極端な値に起因する誤差を低減するために適切にフィルタリングされる。
【0086】
初期圧力値Pは、装置の制御ユニットに格納される。
【0087】
初期圧力の検出が完了すると、装置は、閾値圧力Pを設定する準備が整う。可能な実施形態によれば、閾値圧力は、ユーザーによって実施されるエクササイズのサイクルまたは繰り返しの間、あるいは入出力インターフェースによって与えられる特定の較正コマンドに従って測定される。この段階では、ユーザーは、エクササイズの種類および目的に応じて、最大限の力をかけるか、それ以下の力をかける。到達した最大圧力値は、制御ユニットにより閾値Pとして格納される。
【0088】
所定の瞬間に測定された閾値と圧力値Pに応じて、制御ユニットは、光源を制御するようにプログラムされる。図示された例では、制御ユニットは、閾値Pに対する圧力値Pの割合に応じて所定の色で光源のスイッチオンを制御することができるプログラムされたマップ(カラーマップ)を備える。このマップは固定されていてもよく、つまり制御ユニットにプリロードされていてもよく、または、制御ユニットがプログラマブルタイプであればプログラム可能であってもよい。
【0089】
光源が単色(monochrome)である場合、マップは、その異なる点滅シーケンスおよび/または光源の異なる光強度を含んでもよい。
【0090】
ユーザーによるエクササイズの実施中、所定の瞬間に検出された圧力値Pが閾値Pより高い場合、制御ユニットは、光源を通じて信号を生成し、ユーザーに適宜通知することができる。信号は、ユーザーが事前に知っている光源の特定の色または点滅の形式である。
【0091】
検出された圧力値Pが閾値Pより低い場合、制御ユニットは、ユーザーおよび/またはコントローラーに、装置の本体に加えられる圧力/つかむ力に関する定性的フィードバックを提供するために、プリロードされたまたはプログラムされたマップに基づいて光源の作動を指令する。
【0092】
予定されている場合、制御ユニットは、較正曲線を用いて装置の本体に加えられる力の瞬時値を計算する計算機能を備えていてもよい。
【0093】
上述のものは、装置の可能な実施形態を純粋に例示したものである。上述したように、装置は、例えば、光源をメッセージキャリアとして使用することにより、実施すべきエクササイズに関する指示をユーザーに提供したり、または、装置の他の運動パラメータも測定および提示したりするような、さらなる付属機能を備えていてもよい。
【0094】
いくつかの好ましい実施形態に従って、本発明について説明したが、これは非限定的な目的で説明されるものである。当業者であれば、多くの他の実施形態を見つけるであろうが、それらはすべて特許請求の範囲の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】