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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】女性生殖器用の陰茎プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
   A61H 19/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A61H19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576166
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022065765
(87)【国際公開番号】W WO2022258784
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】2106080
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523463719
【氏名又は名称】ジュヌー,デレク
【氏名又は名称原語表記】GENOUD,Derek
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ジュヌー,デレク
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074CC01
4C074DD01
4C074EE02
4C074FF01
4C074GG11
(57)【要約】
本発明は、- 選択された材料製の男根形状の本体(1)、- 接触モジュール(3)、および- 接触モジュール(3)に対して選択された位置にしたがって配置され、着用者の陰核刺激を可能にする動作を行うように構成されている陰核刺激モジュール(4)、を含む女性生殖器用の陰茎プロテーゼに関しており、プロテーゼはさらに、- 陰核刺激モジュール(4)に接続され、選択されたパラメータにしたがってプロテーゼによってされた動きを検出するように構成されている、使用中の前記プロテーゼの動きの検出手段(40)、および- 動きの検出手段および陰核刺激モジュール(4)に接続され、プロテーゼによって検出された動きの周波数に応じて陰核刺激の強度を比例して変動させるように構成されている処理手段(50)を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性生殖器用の陰茎プロテーゼであって、
- 選択された材料製の男根形状の本体(1)、
- 接触モジュール(3)であって、本体(1)の一端に配置され、使用者の生殖器に装着して覆うように構成されており、使用者の恥丘の表面と接触してプロテーゼを使用者の生殖器のその使用位置において固定することを可能にするように構成されている接触表面(31)を有している接触モジュール、および
- 陰核刺激モジュール(4)であって、接触モジュール(3)に対して選択された位置にしたがって配置され、着用者の陰核刺激を可能にする動作を行うように構成されている陰核刺激モジュール、
を含み、
プロテーゼがさらに、
- 使用中の前記プロテーゼの動きの検出手段(40)であって、陰核刺激モジュール(4)に接続しており、選択されたパラメータにしたがってプロテーゼによってされた動きを検出するように構成されている動きの検出手段、および
- 処理手段(50)であって、動きの検出手段および陰核刺激モジュール(4)に接続しており、検出された動きの周波数および/または振幅に応じて陰核刺激の強度を比例して変動させるように構成されている処理手段、
を含むことを特徴とする、陰茎プロテーゼ。
【請求項2】
動きの検出手段(40)が、前記プロテーゼの使用中の動きの時の加速度を測定するように構成されている加速度計タイプで形成されるグループに属し、本体(1)に搭載された少なくとも1つの圧力センサーが、前記本体(1)にかかる圧力に応じて陰核刺激を比例して変動させるように構成され、加速度計タイプが、本体(1)に搭載された少なくとも1つの圧力センサーと組み合わされていることを特徴とする、請求項1に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項3】
加速度計が、自動制御装置のついていないタイプであり、また圧電検出式、圧抵抗検出式、ひずみゲージ式/伸び計、容量検出式、誘導検出式、光学検出式、振動ビーム型、表面波型で形成されるグループに属することを特徴とする、請求項2に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項4】
加速度計が、1~3つの直交軸に沿った動きの検出を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項5】
処理手段(50)が、着用者の女性生殖器に陰核刺激モジュール(4)によって適用される陰核刺激の強度の変動を命じることができ、変動は、選択された閾値を超える周波数および/または振幅を有する少なくとも1つの動きを加速度計(50)が検出するときに測定される加速度に比例していることを特徴とする、請求項3または4に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項6】
陰核刺激モジュール(4)が、さらに以下の、
- 少なくとも1つの電源(41)、
- 電動モーター(42)、
- 刺激モジュール(4)の少なくとも1つの起動/停止用電気ボタン(43)、
- 陰核領域の周りに押しつけられて勃起モジュール(2)の基部と接触することができる、陰核口(45)を形成する環状またはほぼ環状の部分を有する振動膜(44)と、環状部分の内側表面全体にわたって仕切壁を形成する膜(45)とであって、前記膜が、覆われた前記陰核領域の方へ勃起モジュール(2)の振動を伝達することを可能にしつつ、使用中にモーターによって繰り返し前後に動くように構成されており、このように覆われた陰核表面の吸引効果を生むことができる膜、
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項7】
プロテーゼが、さらに以下の、
- 勃起モジュール(2)であって、男性生殖器を形成する構造を有し、静止位置から勃起位置へまた勃起位置から静止位置の方へ移行することができ、以下を有する勃起モジュール、
- 変形可能な選択された材料製の男根形状の本体(1)、
- 膨張手段(22)であって、本体(1)の内部空間の長さにわたって配置され、ポンピング手段(21)から来る少なくとも1つの選択された液体を受け取るように構成され、いわゆる静止位置からいわゆる勃起位置へのまた勃起位置から静止位置の方への勃起モジュール(2)の移行を可能にするように構成されている膨張手段、
- 睾丸構造物であって、勃起モジュール(2)の基部に突き出ており、ポンピング手段(21)を有する睾丸構造物、
- ポンピング手段(21)であって、ポンピングタンク(23)を含み、ポンピングタンクは、少なくとも1つの選択された液体を入れることができ、一方では弾性手動ポンプ(24)に他方では膨張手段(22)に接続しており、前記ポンピングタンク(23)は、手動の圧縮が前記ポンプ(24)に加えられるときにタンク内に入っている液体を膨張手段(22)の方へ排出するように構成されているポンピング手段、および、
- 弾性手動ポンプ(24)であって、さらに、前記ポンプ(24)とタンクとの間に配置された逆止弁を形成する少なくとも1つのバルブを含み、バルブが、液体を勃起位置の膨張手段(22)の中に排出された状態のままに保つように構成されており、前記バルブはさらに、圧縮が前記バルブに加えられるときに膨張手段(22)の液体をポンピングタンク(23)の方へ戻すことを可能にするように構成されている弾性手動ポンプ、
を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項8】
接触モジュール(3)がさらに、使用中に排尿生成物を収集することができる採尿カップを含み、前記カップが、勃起モジュール(2)の中に組み込まれた尿排泄管(33)に一体的に接続されており、前記勃起モジュール(2)の長さをその遠位端まで経て、採尿カップからの尿の排泄を可能にするように構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一つに記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項9】
本体(1)の内部空間の長さにわたって配置される膨張手段(22)が、少なくとも2つの膨張可能な管状構造物を含み、それらの管状構造物が、互いとの関係において側方にかつ平行に配置され、静止位置から勃起位置への移行の際に同時に膨張するように構成されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項10】
膨張手段(22)が、膨張手段(22)の長さ全体にわたって配置された変形可能な選択された材料製の外骨格を有するものであり、外骨格が、勃起位置の勃起モジュール(2)を堅くするように構成されていることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一つに記載の陰茎プロテーゼ。
【請求項11】
接触モジュール(3)の下部が、着用者の膣または肛門への挿入を可能にするように構成されている挿入器具を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一つに記載の陰茎プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性生殖器用の陰茎プロテーゼに関する。
【0002】
本発明はより詳細には、プロテーゼの受容者の刺激と組み合わせたプロテーゼの着用者の女性生殖器の同時刺激に関する。
【0003】
陰茎プロテーゼとは、着用者が身につけるように構成され、パートナーへの挿入を可能にすることができる、男根形状の構造物を意味する。
【背景技術】
【0004】
一方では、マッサージ、振動または送風による陰核刺激の装置が知られている。これらの装置は、使用者による手動使用専用であり、1人の使用者だけの刺激しか可能にしない。
【0005】
また、これらの装置は、使用者の手で装置を保持しなければ、着用者の満足のゆく、現実的で適切な陰核刺激を可能にしない。
【0006】
これらのマッサージ、振動または送風による陰核刺激の装置は、リモコン式の、または制御ボタンを押すことを必要とする、陰核刺激の変動手段を含む。
【0007】
これらの陰核刺激の変動手段には、刺激の強度を手で調整することを使用者に余儀なくさせるという欠点がある。
【0008】
他方では、着用者のパートナーへの挿入を可能にするプロテーゼタイプの装置が知られている。これらの装置は、時には、振動またはマッサージにより着用者の陰核刺激の構成要素を有する。
【0009】
これらのプロテーゼタイプの装置は、着用者の満足のゆく陰核刺激を提案しないという大きな欠点を有しており、これらの装置の刺激領域は、着用者の刺激すべき性感帯から刺激モジュールを周期的に遠ざける動きを受ける。
【0010】
これらのプロテーゼタイプの装置は、本質的に、着用者のパートナーへの挿入専用である。これらの装置の主な役割は、使用者のパートナーへの挿入を可能にすること、または着用者に振動または摩擦による軽い刺激を与えることだけである。
【0011】
これらのプロテーゼタイプの装置では、一般に、勃起位置を効果的にシミュレートすることはできない。
【0012】
これらの装置はまた、使用が容易ではなく、かつ、使用中に引き起こされる摩擦および発汗のせいで、着用者にとって炎症の原因となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、これらの欠点を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、女性生殖器用の陰茎プロテーゼに関しており、以下を含む。
- 選択された材料製の男根形状の本体、
- 接触モジュールであって、本体の一端に配置され、使用者の生殖器に装着して覆うように構成されており、使用者の恥丘の表面と接触してプロテーゼを使用者の生殖器のその使用位置において固定することを可能にするように構成されている接触表面を有している接触モジュール、および
- 陰核刺激モジュールであって、接触モジュールに対して選択された位置にしたがって配置され、着用者の陰核刺激を可能にする動作を行うように構成されている陰核刺激モジュール。
【0015】
本発明の一般的な定義によると、陰茎プロテーゼは、以下を含む。
- 使用中の前記プロテーゼの動きの検出手段であって、陰核刺激モジュールに接続しており、選択されたパラメータにしたがってプロテーゼによってされた動きを検出するように構成されている動きの検出手段、および
- 処理手段であって、動きの検出手段および陰核刺激モジュールに接続しており、検出された動きの周波数および/または振幅に応じて陰核刺激の強度を比例して変動させるように構成されている処理手段。
【0016】
有利には、本発明は、性行為の際に、プロテーゼを受容するパートナーの刺激と組み合わせたプロテーゼの着用者の女性生殖器の同時刺激を、前記プロテーゼにかかる圧力および動きに変動性が依存する刺激レベルで可能にし、ひいては着用者に対して現実的な刺激をふんだんに与える。
【0017】
実際には、動きの検出手段は、前記プロテーゼの使用中の動きの時の加速度を測定するように構成されている加速度計タイプで形成されるグループに属し、そして、本体に搭載された少なくとも1つの圧力センサーは、本体にかかる圧力に応じて陰核刺激を比例して変動させるように構成され、加速度計タイプは、本体に搭載された少なくとも1つの圧力センサーと組み合わされている。
【0018】
本発明の第一の実施形態によると、加速度計は、自動制御装置のついていないタイプであり、また圧電検出式、圧抵抗検出式、ひずみゲージ式/伸び計、容量検出式、誘導検出式、光学検出式、振動ビーム型、表面波型で形成されるグループに属する。
【0019】
実際には、加速度計は、1~3つの直交軸に沿った動きの検出を含む。
【0020】
使用中、処理手段は、着用者の女性生殖器に陰核刺激モジュールによって適用される陰核刺激の強度の変動を命じ、変動は、選択された閾値を超える周波数を有する少なくとも1つの動きを加速度計が検出するときに測定される加速度に比例している。
【0021】
実際には、陰核刺激モジュールは、さらに以下を含み、
- 少なくとも1つの電源、
- 電動モーター、
- 少なくとも1つの刺激モジュールの起動/停止用電気ボタン、
- 陰核領域の周りに押しつけられて勃起モジュールの基部と接触することができる、陰核口を形成する環状またはほぼ環状の部分を有する振動膜と、環状部分の内側表面全体にわたって仕切壁を形成する膜とであって、前記膜は、覆われた前記陰核領域の方へ勃起モジュールの振動を伝達することを可能にしつつ、使用中にモーターによって繰り返し前後に動くように構成されて、このように覆われた陰核表面の吸引効果を生むことができ、
また陰核刺激モジュールは、使用者が、刺激の強度の変動を含む最大強度の閾値を定義することを可能にするように構成されている。
【0022】
言い換えれば、加速度計を介しての刺激変動は、使用者によって選択された強度範囲に制限されることになる。
【0023】
有利には、使用者は、予め記録された速度閾値、動きおよび/または圧力に適応できる速度を選択することにより、刺激変動の閾値を設定することができる。
【0024】
本発明の特定的な一実施形態によると、プロテーゼはさらに、以下を含む。
- 勃起モジュールであって、男性生殖器を形成する構造を有し、静止位置から勃起位置へまた勃起位置から静止位置の方へ移行することができ、以下を有する勃起モジュール、
- 変形可能な選択された材料製の男根形状の本体、
- 膨張手段であって、本体の内部空間の長さにわたって配置され、ポンピング手段から来る少なくとも1つの選択された液体を受け取るように構成され、いわゆる静止位置からいわゆる勃起位置へのまた勃起位置から静止位置の方への勃起モジュールの移行を可能にするように構成されている膨張手段、
- 睾丸構造物であって、勃起モジュールの基部に突き出ており、ポンピング手段を有する睾丸構造物、
- ポンピング手段であって、ポンピングタンクを含み、ポンピングタンクは、少なくとも1つの選択された液体を入れるのに適しており、一方では弾性手動ポンプに他方では膨張手段に接続しており、前記ポンピングタンクは、手動の圧縮が前記ポンプに加えられるときにタンク内に入っている液体を膨張手段の方へ排出するように構成されているポンピング手段、および
- 弾性手動ポンプであって、前記ポンプとタンクとの間に配置された逆止弁を形成する少なくとも1つのバルブをさらに含み、バルブは、液体を勃起位置の膨張手段の中に排出された状態のままに保つように構成されており、前記バルブはさらに、圧縮が前記バルブに加えられるときに膨張手段の液体をポンピングタンクの方へ戻すことを可能にするように構成されている弾性手動ポンプ。
【0025】
有利には、陰茎プロテーゼは、使用者への前記プロテーゼを容易に押しつけることを可能にしつつ、単純で、安全で、現実的な方法で、男性生殖器の機能性勃起特性を再現することができる。
【0026】
本発明の特定的な一実施形態によると、膨張手段は、膨張手段の長さ全体にわたって配置された変形可能な選択された材料製の外骨格を有するものであり、外骨格は、勃起位置の勃起モジュールを堅くするように構成されている。
【0027】
本発明の特定的な一実施形態によると、陰核刺激モジュールはさらに、以下を含み、
- 少なくとも1つの電源、
- 電動モーター、
- 少なくとも1つの刺激モジュールの起動/停止用電気ボタン、
- 陰核領域の周りに押しつけられて勃起モジュールの基部と接触することができる、環状またはほぼ環状の部分を有する振動膜と、環状部分の内側表面全体にわたって仕切壁を形成する膜とであって、前記膜は、覆われた前記陰核領域の方へ勃起モジュールの振動を伝達することを可能にし、使用中にモーターによって繰り返し前後に動くように構成されて、このように覆われた陰核表面の吸引効果を生むことができる。
【0028】
本発明の特定的な一実施形態によると、接触モジュールはさらに、使用中に排尿生成物を収集することができる採尿カップを含み、前記カップは、勃起モジュールの中に組み込まれた尿排泄管に一体的に接続されており、前記勃起モジュールの長さをその遠位端まで経て、静止位置および勃起位置において採尿カップからプロテーゼの外の方への尿の排泄を可能にするように構成されている。
【0029】
本発明に係る別の実施形態によると、本体の内部空間の長さにわたって配置される膨張手段は、少なくとも2つの膨張可能な管状構造物を含み、それらの管状構造物は、互いとの関係において側方にかつ平行に配置され、静止位置から勃起位置への移行の際に同時に膨張するように構成されている。
【0030】
実際には、膨張手段は、変形可能な選択された材料製の外骨格を有するものであり、外骨格は、膨張手段の長さ全体にわたって配置され、勃起位置の勃起モジュールを堅くするように構成されている。
【0031】
本発明の特定的な一実施形態によると、接触モジュールの下部は、着用者の膣または肛門への挿入を可能にするように構成されている挿入器具を含む。
【0032】
驚くべきことに、本発明による陰茎プロテーゼは、排尿するために取り外す必要なく、継続して使用することを可能にし、使用者がプロテーゼの勃起位置および静止位置を制御しつつ、使用中の性的関係の際に現実的な性的刺激のシミュレーションを可能にする。
【0033】
本発明は、添付の図面によって示される非制限的な例として採用されるいくつかの実施形態を詳細に検討することによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係るプロテーゼの外観図を示している。
図2】本発明に係るプロテーゼの背面外観図を示している。
図3】本発明に係るプロテーゼの内部構成要素の分解組立図を示している。
図4】本発明に係るプロテーゼの刺激用機械的および電子的内部構成要素の背面分解組立図を概略的に示している。
図5】本発明に係るプロテーゼの内部構成要素の背面分解組立図を示している。
図6】本発明に係るプロテーゼの横断面図を示している。
図7】本発明に係るプロテーゼの勃起モジュールの組立図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[図面の詳細な説明]
図1~7を参照して、本発明による陰茎プロテーゼは、本体1を含み、本体は、男性生殖器をシミュレートすることができる男根形状の構造物を形成し、接触モジュール3によって使用者の恥丘に接触するように構成されており、さらに、動きの検出手段40および処理手段50に接続された陰核刺激モジュール4を含む。
【0036】
本発明によるプロテーゼはさらに、接触モジュール3を含み、モジュールは、本体1の一端に配置され、使用者の生殖器に装着して覆うように構成されている。
【0037】
接触モジュール3はさらに、接触表面31を含み、接触表面は、使用者の恥丘表面と接触して、それによってプロテーゼを使用者の生殖器のその使用位置において固定することを可能にするように、ひいては装置を着用者の恥丘の正確な位置に置くことを可能にするように構成されており、装置は、選択された保持手段によって装着されることになる。
【0038】
本発明の第一の実施形態によると、接触モジュール3は、前記プロテーゼを使用者の使用位置のあるべき場所に保持するように構成されている保持手段を含む。
【0039】
非制限的な例として、保持手段は、プロテーゼ用の粘着材料、ベルトまたは類似物、ハーネスで形成されるグループに属する。
【0040】
本発明の代替的な一実施形態によると、接触モジュール3の接触表面31は、前記プロテーゼを使用者に半永久的に装着することができる、プロテーゼ用接着剤タイプの粘着手段を受けることができる。
【0041】
本発明の代替的な第二の実施形態によると、プロテーゼは、補強下着によってあるべき場所に保持され、補強下着は孔を有し、孔は、本発明によるプロテーゼの勃起モジュール2を受け入れることができ、また接触モジュール3を使用者の恥丘に対してあるべき場所に保持することを可能にすることができる。
【0042】
有利には、着用者の恥丘の装置の「固定」を可能にし、ひいては刺激モジュールの動きが刺激すべき性感帯を外れることなく連続的な陰核刺激を可能にする。
【0043】
本発明によるプロテーゼはさらに、陰核刺激モジュール4を含み、モジュールは、接触モジュール3の選択された位置にしたがって配置され、使用者の陰核と接触するのに適し、前記陰核刺激を可能にする選ばれる動作を行うように構成されている。
【0044】
実際には、陰核刺激モジュール4は取り外すことができ、また接触モジュール3の選択された位置にしたがって固定手段の中に組み入れられるように構成されている。
【0045】
接触モジュール3の陰核刺激モジュール4はさらに、電動モーターに電気的に接続される少なくとも1つの電源を含み、前記刺激モジュール4はさらに、少なくとも1つの起動/停止用電気ボタンを含み、使用者が手動でプロテーゼの陰核刺激を開始および停止することを可能にする。
【0046】
実際には、本発明による装置は、陰核刺激モジュール4による陰核刺激の最大強度の閾値を使用者が定義することを可能にするように構成されているものであり、その中には刺激の強度の変動も含まれる。言い換えれば、加速度計を介しての刺激変動は、使用者によって選択された強度範囲に制限されることになる。
【0047】
特定的な一実施形態によると、起動停止ボタン43は、少なくとも1つの予め記録されるコマンドを含み、コマンドは、前記装置の陰核刺激の強度の最大閾値を使用者が選択することを可能にするように構成されている。
【0048】
非制限的な例として、刺激の最大閾値の選択は、プロテーゼの制御ボタン、リモコン装置、スマートフォン、または類似物で形成されるグループに属するコマンド手段によって行われる。
【0049】
例として、強度は、以下のグループに属し得る。
- 最大強度の0~33%、
- 最大強度の0~66%、および
- 最大強度の0~100%。
【0050】
驚くべきことに、陰核刺激モジュール4による陰核刺激の最大強度の閾値の選択は、検出手段40によって検出される動きと相関する着用者の感度に応じて適合される。
【0051】
有利には、使用者は、予め記録された速度閾値、動きおよび/または圧力に適応できる速度を選択することにより、刺激変動の閾値を設定することができる。
【0052】
非制限的な例として、陰核刺激モジュール4は、充電式または非充電式電池または充電式電気バッテリタイプの少なくとも1つの電源を含む。
【0053】
本発明による一実施形態によると、陰核刺激モジュール4は、変動しかつ調整できる強度の刺激を与えるように構成されている。
【0054】
非制限的な例として、陰核刺激モジュール4は、送風、マッサージ、振動式で形成されるグループに属する。
【0055】
本発明によるプロテーゼはさらに、使用中の動きの検出手段40を含み、検出手段は、処理手段50を介して陰核刺激モジュール4に接続されるものであり、選択されたパラメータにしたがってプロテーゼが受ける動きおよび/または圧力を検出するように構成されている。
【0056】
本発明の第一の実施形態によると、動きの検出手段40は、加速度計タイプであり、使用中の往復運動の際の前記プロテーゼの加速度を測定するように構成されている。
【0057】
非制限的な例として、陰核刺激モジュール4に接続された加速度計は、自動制御装置のついていないタイプであり、また圧電検出式、圧抵抗検出式、ひずみゲージ式/伸び計、容量検出式、誘導検出式、光学検出式、振動ビーム型、表面波型で形成されるグループに属する。
【0058】
さらに、加速度計は、1~3つの直交軸に沿って行われる動きの検出を可能にするように構成されており、それによって空間の3次元における前記プロテーゼの加速度を測定することを可能にする。
【0059】
実際には、測定された加速度は、性行為と無関係の動きの際の変動を避けるために、加速度計が選択された閾値を超える周波数または振幅を有する少なくとも1つの動きを検出するときだけ、陰核刺激に影響を及ぼす。
【0060】
本発明の第二の実施形態によると、動きの検出手段40は、圧力センサータイプであり、このタイプは、本体1に搭載され、プロテーゼの本体1に加えられるあらゆる圧力変化を検出するように構成されている。
【0061】
実際には、本体の構造物にかかる圧力が強ければ強いほど、着用者の陰核刺激の強度はより大きくなり、そして、制御ボタンを介して使用者が選択した最大刺激の閾値に適合することになる。
【0062】
本発明の第三の実施形態によると、動きの検出手段40は、使用中の往復運動の際の前記プロテーゼの加速度を測定するように構成されている加速度計と組み合わせた本体1に搭載される圧力センサータイプである。
【0063】
非制限的な例として、予め記録される強度の閾値は、刺激モジュール4が生成することが可能な最大強度の33%、66%および100%である。
【0064】
本発明のプロテーゼはさらに、処理手段50を含み、処理手段は、動きの検出手段40と陰核刺激モジュール4とに接続されている。
【0065】
処理手段50は、プロテーゼの動きの検出手段40によって検出される圧力および/または動きの周波数および/または振幅に応じて、陰核刺激の強度を比例して変動させるように構成されている。
【0066】
刺激の強度とは、適用される送風/マッサージ/振動の周波数および/または振幅、適用される送風/マッサージ/振動の力、適用される送風/マッサージ/振動の力と組み合わせて適用される送風/マッサージ/振動の周波数および/または振幅で形成されるグループに属するパラメータのうちの少なくとも1つを意味する。
【0067】
この組み合わせは、本実施形態にしたがって送風、マッサージまたは振動による着用者の陰核刺激の強度を変動させることを可能にする。
【0068】
実際には、処理手段50は、着用者の女性生殖器に陰核刺激モジュール4によって加えられる陰核刺激の強度を増加させるが、増加は、加速度計50が選択された閾値を超える周波数または振幅を有する少なくとも1つの動きを検出するときに測定される加速度に比例している。
【0069】
代替的には、処理手段50は、着用者の女性生殖器に陰核刺激モジュール4によって加えられる陰核刺激の強度を増加させるが、増加は、動きの検出手段40が選択された閾値を超える力を有する少なくとも1つの圧力を検出するときに測定される、本体1にかかる圧力に比例している。
【0070】
本発明の第三の実施形態によると、処理手段50は、着用者の女性生殖器に陰核刺激モジュール4によって加えられる陰核刺激の強度を増加させるが、増加は、動きの検出手段40が選択された閾値を超える力を有する少なくとも1つの圧力を検出するときに測定される、本体1にかかる圧力に、かつ、動きの検出手段40が選択された閾値を超える力を持つ少なくとも1つの圧力を検出するときに測定される、本体1にかかる圧力に比例している。
【0071】
例として、処理手段50は、陰核刺激の強度を管理するプリント基板に搭載された加速度計(または、本発明によるプロテーゼの本体1にかかる圧力および/または動きとの関連において電気信号を送ることを可能にするあらゆる他のセンサー)に接続された電子基板から成る。
【0072】
有利には、刺激の様々な速度および強度が、動きの検出手段40を介して管理されることができ、本発明による前記プロテーゼを着用することによって行われる運動の際の使用者の全身の動きにこの陰核刺激の強度を適合させるための、陰核のマッサージ、振動または送風を生み出すモーター42への処理手段50による信号の伝達が可能になる。
【0073】
本発明の一実施形態によると、動きの検出手段40によって記録される動きは、直線的に陰核刺激モジュール4による刺激の比例した変動を誘発することができる。強度はその場合、より激しくまたより急速な動きを伴って次第に増加および減少する。
【0074】
本発明の一実施形態によると、動きの検出手段40によって記録される動きは、陰核刺激モジュール4による刺激の比例した変動を、予め定義される閾値を通して誘発することができる。
【0075】
非制限的な例として、閾値は、着用者の好みおよび感度によって、1~33%の可能な最大強度、33%~66%、66%~100%の可能な最大強度で形成されるグループに属する。
【0076】
実際には、これらの閾値は、使用者が手動で変更することができる。
【0077】
実際には、刺激の強度は、少なくとも1つの起動/停止ボタン43の操作によって調整できる。
【0078】
非制限的な例として、刺激が有効であるときに起動/停止ボタン43を押したままの位置に保つことは、陰核刺激モジュール4を起動/停止すること、および/または刺激モード(処理手段50によって変動式/固定式に)を替えることを可能にする。
【0079】
代替的な一実施形態によると、少なくとも1つの刺激の強度の調整用追加ボタンが、プロテーゼに配置される。
【0080】
本発明の特定的な一実施形態によると、刺激モジュール4は、陰核領域の周りに押しつけられ勃起モジュール2の基部と接触することができる、陰核口45を形成する環状またはほぼ環状の部分を有する振動膜44と、環状部分の内側表面全体にわたって仕切壁を形成する膜とを含み、前記膜は、使用中にモーター42によって繰り返し前後に動くように構成されており、覆われた陰核表面の吸引効果を生むことができる。
【0081】
一実施形態によると、陰核口45を形成する環状またはほぼ環状の部分は、前記陰核刺激モジュール4から取り外し可能である。
【0082】
実際には、陰核口45は、さまざまな大きさおよび形状を有することができ、使用者が、陰核を包み込む部分の形状および大きさを選択することを可能にする。
【0083】
陰核の大きさおよび形状は、人によって大いに異なり、また治療の可能性に応じていっそう多様であることができる。
【0084】
したがって、陰核口は、平均を超える長さの陰核に適応可能な選択された奥行きを持つことができる。
【0085】
有利には、陰核刺激モジュール4の固定構造物および配置は、プロテーゼへのその組込みおよびプロテーゼからのその取り外しを可能にする。
【0086】
本発明によるプロテーゼはさらに、勃起モジュール2を含み、モジュールは、静止位置から勃起位置へ、また勃起位置から静止位置の方へ移行することができ、変形可能な選択された材料製の男根形状の本体1を有する。
【0087】
勃起モジュール2はさらに、膨張手段22を含み、手段は、本体1の内部空間の長さにわたって配置され、ポンピング手段21から来る少なくとも1つの選択された液体を受け取るように構成されており、それによって、選択された液体が前記膨張手段22の中に注入されるときに静止位置から勃起位置へ、また選択された液体が前記膨張手段22からポンピング手段21の方へ排出されるときに勃起位置から静止位置の方へ移行することを可能にするように構成されている。
【0088】
実際には、本発明によるプロテーゼはさらに、睾丸構造物11を含み、構造物は、勃起モジュール2の基部に突き出ており、前記ポンピング手段21を有しており、ポンピング手段は、膨張手段22とポンピング手段21との間の選択された液体の注入および排出を可能にするために手動で圧縮されるように構成されている。
【0089】
本発明によるプロテーゼのポンピング手段21は、ポンピングタンク23を含み、ポンピングタンクは、少なくとも1つの選択された液体を入れることができ、一方では弾性手動ポンプ24に、他方では膨張手段22に接続している。
【0090】
本発明の特定的な一実施形態によると、膨張手段22は、本体1の内部空間の長さにわたって配置され、少なくとも2つの膨張可能な管状構造物を含み、それらの管状構造物は、互いとの関係において側方にかつ平行に配置され、静止位置から勃起位置の方への移行の際に同時に膨張されるように構成されている。
【0091】
非制限的な例として、勃起モジュールの本体1は、選択された大きさである。
【0092】
実際には、膨張手段22は、選択された材料の外骨格25を有し、外骨格は、膨張手段22の長さ全体にわたって配置され、本体1の構造物を静止位置に保つことを可能にしつつ、勃起位置の勃起モジュール2を堅くするように構成されている。
【0093】
非制限的な例として、外骨格25は、金属材料、複合材料、プラスチック材料で形成されるグループに属する選択された材料で構成されている。
【0094】
実際には、ポンピングタンク23は、手動の圧縮が前記ポンプ24に加えられて、膨張手段22の中に真空を作り出すために、前記ポンピング手段21の中に入っている空気を外の方へ排出して、タンク23の中に入っている液体を膨張手段22の方へ排出するように構成されており、前記真空は、ポンピングタンク23の液体を膨張手段22の方へ注入することを可能にする。
【0095】
非制限的な例として、選択された液体は、水、または類似の密度の任意の液体で形成されるグループに属する。
【0096】
弾性手動ポンプ24はさらに、前記ポンプ24とタンク23と膨張手段22との間に配置された逆止弁を形成する少なくとも1つのバルブを含み、バルブは、前記勃起位置を保つために液体を膨張手段22の中に排出した状態のままに保つように構成されている。
【0097】
バルブはさらに、圧縮が前記バルブに加えられて、それによって手動ポンプ24の中への空気の注入を可能にし、膨張用液体のポンピングの際に膨張手段22の中に作り出された真空を破壊して、膨張手段22の液体をポンピングタンク23の方へ戻すことを可能にするように構成されている。
【0098】
特定的な一実施形態によると、本発明によるプロテーゼはさらに、接触モジュール3の下部に挿入器具(英語で「plug(プラグ)」とも呼ばれる)を含み、器具は、本発明によるプロテーゼの着用者の膣または肛門への挿入を可能にして、それによって着用者の追加の刺激を可能にするように構成されている。
【0099】
接触モジュール3はさらに、採尿カップ32を含み、採尿カップは、接触表面31と睾丸構造物との間に配置され、使用中に排尿生成物を取り入れることができる。
【0100】
採尿カップ32は、尿排泄管33に一体的に接続されており、尿排泄管は、勃起モジュール2の中に組み込まれて、その遠位端まで前記勃起モジュール2の長さを経て、使用者がプロテーゼを取り外すことなく採尿カップ32からプロテーゼの外の方への尿の排泄を可能にするように構成されている。
【0101】
実際には、外骨格25を有する膨張手段22の膨張は、尿排出管33を開いた状態に保ちつつ勃起位置に移行することを可能にし、ひいては使用者が前記プロテーゼを取り外す必要なく排尿することを可能にする。
【0102】
本発明の特定的な一実施形態によると、本装置はさらに、着用者の膣および/または肛門の補足の刺激モジュールを含む。
【0103】
有利には、本発明によるプロテーゼは、人間工学的に、女性生殖器を持つ使用者に自分自身の性的器官を用いてパートナーへ挿入して、そのためプロテーゼによって挿入された第2の使用者へのプロテーゼの本体1による挿入に基づいた現実的な性的刺激をシミュレートする印象を与えつつ、着用者の陰核刺激を同時に可能にするものである。
【0104】
さらに、適合したデザイン(着用者の恥丘を支えにした人間工学的で快適な表面)を介して着用者の刺激の維持を保証しつつ、着用者のパートナーへの挿入を可能にするものである。
【0105】
本発明はしたがって、着用者の恥丘を支えにした本発明の人間工学的で快適な表面と組み合わせた特有のハーネスの使用を介してパートナーへの挿入の動きによって誘発される制約にもかかわらず、性行為の間中ずっと陰核刺激を保証することを可能にする。
【符号の説明】
【0106】
1 本体
3 接触モジュール
4 陰核刺激モジュール
40 検出手段
50 処理手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】