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特表2024-523863X線画像計測を術中に使用する患者位置のための調整システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】X線画像計測を術中に使用する患者位置のための調整システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20240625BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B6/00 570
A61B6/00 550Z
A61B6/00 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576442
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022033270
(87)【国際公開番号】W WO2022261548
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/209,656
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/279,481
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPad
(71)【出願人】
【識別番号】523465171
【氏名又は名称】アキュプレディクト,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ボエトナー,フリードリヒ
(72)【発明者】
【氏名】プレムクマー,アジャイ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA25
4C093DA10
4C093EC16
4C093FF20
4C093FF21
4C093FF22
4C093FF23
(57)【要約】
システム及び方法は、外科的処置中の少なくとも1枚の術中画像に応じた画像誘導によるインプラント設置を提供する。少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、少なくとも1枚の術前画像を処理して、軸回転及び/または矢状面骨盤傾斜角を評価する、非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される。さらに、少なくとも1枚の術前画像における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つが測定される。その後、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、少なくとも1枚の画像と関連する軸回転が測定される。その後、外科的処置中のインプラントの設置と関連する少なくとも1つの値が調整され、それと関連する情報がグラフィカルユーザインターフェースを介して提供される。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、軸回転を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのシステムであって、
少なくとも1枚の術前画像を処理して、
側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも1枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定し、
前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、絶対骨盤軸回転を表す値を決定し、
前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整し、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイス
を含む、前記システム。
【請求項2】
側面像を示す前記少なくとも1枚の骨盤画像が術前画像であり、AP像を示す前記少なくとも1枚の骨盤画像が術中画像である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記解剖学的ランドマークが、機械学習及び人工知能に応じて自動的に同定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記骨盤画像のうちの少なくとも1枚において同定された仙腸関節の下面を結ぶ第1の線を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
前記少なくとも1枚の術前画像において同定された寛骨臼涙痕の下面を結ぶ第2の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
坐骨の2つの最下面を結ぶ第3の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第1の線、前記第2の線及び前記第3の線の中点の間の距離のうちの少なくとも1つを測定する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、軸回転の変化を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのシステムであって、
少なくとも1枚の術前画像を処理して、
側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定し、
前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、骨盤軸回転の変化を表す値を決定し、
前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整し、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイス
を含む、前記システム。
【請求項7】
前記解剖学的ランドマークが、機械学習及び人工知能に応じて自動的に同定される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記骨盤画像のうちの少なくとも1枚において同定された仙腸関節の下面を結ぶ第1の線を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
前記少なくとも1枚の術前画像において同定された寛骨臼涙痕の下面を結ぶ第2の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
坐骨の2つの最下面を結ぶ第3の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第1の線、前記第2の線及び前記第3の線の中点の間の距離のうちの少なくとも1つを測定する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、矢状面骨盤傾斜角の変化を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのシステムであって、
少なくとも1枚の術前画像を処理して、
側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定し、
前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、AP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像間の骨盤矢状面傾斜角の変化を表す値を決定し、
前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整し、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイス
を含む、前記システム。
【請求項11】
前記決定された値が、術前画像から術中画像までの骨盤矢状面傾斜角の変化の程度の量を表す、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
機械学習及び人工知能に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのシステムであって、
少なくとも1枚の術前画像を処理して、
側面像及び少なくとも1つのそれぞれのAP像を示す複数のトレーニング骨盤画像を処理して、例えば、前記トレーニング画像における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定し、
前記トレーニング画像における前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、絶対骨盤軸回転を表すそれぞれの値、骨盤矢状面傾斜角を表すそれぞれの値、または絶対骨盤軸回転と骨盤矢状面傾斜角の両方を表すそれぞれの値を決定する、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイス
を含み、
さらに、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
AP像を示す単一の骨盤画像を処理して、前記トレーニング画像からの人工知能及び機械学習に応じて、例えば前記AP像を示す前記単一の骨盤画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて、絶対軸回転を表す値を予測する、ならびに/または
AP像を示す複数の画像を処理して、前記トレーニング画像からの人工知能及び機械学習に応じて、例えば前記AP像を示す前記複数の骨盤画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて、矢状面骨盤傾斜角の変化を表す値を予測する、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される、
前記システム。
【請求項13】
側面像を示す前記少なくとも1枚の骨盤画像が術前画像であり、AP像を示す前記少なくとも1枚の骨盤画像が術中画像である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記解剖学的ランドマークが、機械学習及び人工知能に応じて自動的に同定される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記骨盤画像のうちの少なくとも1枚において同定された仙腸関節の下面を結ぶ第1の線を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
前記少なくとも1枚の術前画像において同定された寛骨臼涙痕の下面を結ぶ第2の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供し、
坐骨の2つの最下面を結ぶ第3の線を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第1の線、前記第2の線及び前記第3の線の中点の間の距離のうちの少なくとも1つを測定する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、軸回転を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のための方法であって、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも1枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、絶対骨盤軸回転を表す値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整することと、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供することと
を含む、前記方法。
【請求項18】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、軸回転の変化を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のための方法であって、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、骨盤軸回転の変化を表す値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整することと、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供することと
を含む、前記方法。
【請求項19】
外科的処置中に少なくとも1枚の術中画像を使用する、矢状面骨盤傾斜角の変化を表す決定された値に応じた画像誘導によるインプラント設置のための方法であって、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理して、例えば、前記画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、AP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像間の骨盤矢状面傾斜角の変化を表す値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記決定された値を使用して、インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値を前記外科的処置中に調整することと、
前記少なくとも1つの調整された値と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供することと
を含む、前記方法。
【請求項20】
機械学習及び人工知能に応じた画像誘導によるインプラント設置のための方法であって、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、側面像及び少なくとも1つのそれぞれのAP像を示す複数のトレーニング骨盤画像を処理して、例えば、前記トレーニング画像における複数の同定された解剖学的ランドマークに応じて、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記トレーニング画像における前記距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、絶対骨盤軸回転を表すそれぞれの値、骨盤矢状面傾斜角を表すそれぞれの値、または絶対骨盤軸回転と骨盤矢状面傾斜角の両方を表すそれぞれの値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、AP像を示す単一の骨盤画像を処理して、前記トレーニング画像からの人工知能及び機械学習に応じて、例えば前記AP像を示す前記単一の骨盤画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて、絶対軸回転を表す値を予測することと
を含む、前記方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、AP像を示す複数の画像を処理して、前記トレーニング画像からの人工知能及び機械学習に応じて、例えば前記AP像を示す前記複数の骨盤画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて、矢状面骨盤傾斜角の変化を表す値を予測すること
をさらに含む、請求項20に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、外科手術の分野、より詳細には、画像誘導による人工股関節全置換術における特定の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術は一般的に、X線画像、例えば術中X線画像を利用して行われる。残念なことに、X線画像は画像捕捉時の患者の配置の影響を受ける可能性があり、X線画像を使用して得られた測定値、特に経時的な変化は誤認を引き起こすおそれがある。これは、寛骨臼及び大腿骨コンポーネントを含むインプラントの精密な配置が首尾よい転帰に最も重要となる人工関節全置換術の分野に特に当てはまる。
【0003】
本明細書においてなされる開示によって提示されるものは、これらの及び他の検討事項に関するものである。
【発明の概要】
【0004】
システム及び方法は、画像誘導によるインプラント設置を提供する。本開示の1つまたは複数の実施態様では、少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも1枚の骨盤画像を処理することによって絶対軸回転を表す値を決定する、非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される。例えば、少なくとも1枚の側面画像は術前画像であり、少なくとも1枚のAP画像は術中画像である。これらの画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークを使用して、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つについて測定が行われ得る。その後、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、骨盤の絶対軸回転を表す値が決定され得る。骨盤画像は、X線撮影、透視撮影、またはその両方を介して提供され得る。
【0005】
本開示の1つまたは複数の実施態様では、少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理することによって軸回転の変化を表す値を決定する、非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される。例えば、AP画像のうちの少なくとも1枚は術前画像であり、AP画像のうちの少なくとも1枚は術中画像である。これらの画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークを使用して、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つについて測定が行われ得る。その後、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、軸回転の変化を表す値が決定され得る。
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施態様では、少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、側面像を示す少なくとも1枚の骨盤画像及びAP像を示す少なくとも2枚の骨盤画像を処理することによって矢状面骨盤傾斜角の変化を表す値を決定する、非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される。例えば、少なくとも1枚の側面画像は術前画像であり、少なくとも2枚の骨盤画像はAP像を示す。これらの画像のうちの少なくとも1枚における複数の同定された解剖学的ランドマークを使用して、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つの測定が行われ得る。その後、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、それぞれのAP画像間の骨盤矢状面傾斜角の変化を表す値が決定され得る。例えば、この値は、術前AP画像から術中AP画像までの骨盤矢状面傾斜角の変化の程度の量を表すことができる。
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施態様では、少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、機械学習及び人工知能を使用して、予測された絶対軸回転を表す値を、少なくとも1枚のAP画像を処理することによって、及び/または骨盤矢状面傾斜角の予測された変化を表す値を、少なくとも2枚のAP画像を処理することによって決定する、非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される。例えば、複数のトレーニング画像(側面画像及びそれぞれのAP画像を含む)は、上に記載した絶対軸回転及び骨盤矢状面傾斜角を決定するトレーニングのために処理される。次いで、トレーニング画像における解剖学的ランドマークは、同定され、距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つを測定するために使用され得る。その後、トレーニング画像における距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つと関連する計算結果に応じて、絶対軸回転及び骨盤矢状面傾斜角の変化を表す値が決定され得る。トレーニングされた場合、絶対軸回転を表す値は、単一の骨盤AP画像を使用して、人工知能及び機械学習に応じて、例えば単一の骨盤AP画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて予測することができる。加えて、矢状面骨盤傾斜角の変化を表す値は、2枚の骨盤AP画像を使用して、人工知能及び機械学習に応じて、例えば2枚の骨盤AP画像において測定された距離、角度、及び面積のうちの少なくとも1つに基づいて予測することができる。
【0008】
本開示の他の特徴は本明細書に示され記載される。
【0009】
本開示の態様は、以下に記載される本開示の態様の様々な実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて検討することで、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】3本の線(線1、線2、及び線3)が引かれているAP骨盤X線画像を示す図である。
図2A】本開示の一実施態様に従って骨盤軸回転を評価する方法におけるステップを示す図である。
図2B】本開示の一実施態様に従って骨盤軸回転を評価する方法におけるステップを示す図である。
図3A】例示的な骨盤側面X線画像を示す図である。
図3B】例示的な骨盤側面X線画像を示す図である。
図3C】例示的な骨盤側面X線画像を示す図である。
図4図3に示され記載された側面X線画像における3つの点の図形表示である。
図5A】軸回転と骨盤傾斜との相互関係を示す例示的なX線画像及び他の変数を示す図である。
図5B】軸回転と骨盤傾斜との相互関係を示す例示的なX線画像及び他の変数を示す図である。
図5C】軸回転と骨盤傾斜との相互関係を示す例示的なX線画像及び他の変数を示す図である。
図5D】軸回転と骨盤傾斜との相互関係を示す例示的なX線画像及び他の変数を示す図である。
図5E】軸回転と骨盤傾斜との相互関係を示す例示的なX線画像及び他の変数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要及び導入として、本開示は、外科用インプラントの配置に関連する画像誘導のための特別に構成されたハードウェアを備えるユーザコンピューティングデバイスに関する複数の技術的特徴を含む。本開示に記載される特徴の組み合わせは、例えば、術前画像または予期された術後画像における患者位置ではなく術中の患者位置の変化を決定した後にインプラントの配置を決定及び調整するシステム及び方法を提供することを含む。さらに、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、本明細書の教示に応じて、3次元空間の変化を検出するように構成することができる。1つまたは複数の実施態様では、例えば骨盤の術前画像、術中画像、及び/または予期された術後画像を表すX線画像または他の画像の解析が行われる。1枚または複数のX線画像に示される、自動的に同定された解剖学的ランドマークを使用して、それぞれの距離、角度、及び面積が求められ、患者の配置の変化を決定するため、及びより正確なインプラントの配置を算出するために使用することができる。例えば、同定された解剖学的ランドマークの位置に基づく測定値を使用して、インプラント設置に対する調整が行われ、それによって正確度を高めることができる。
【0012】
1つまたは複数の実施態様では、寛骨臼カップ位置調整のための1つまたは複数のデバイスと、例えばカップがデータと一致する(位置が合う)までインターフェースすることができる少なくとも1つのコンピューティングデバイスを含むシステム及び方法が提供される。加えて、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、例えば、1枚または複数の画像(例えば、X線画像)を表示するように構成することができるグラフィカルユーザインターフェース、及び例えばインプラント位置に達したときにユーザにアラートするためのツールを提供することができる。1つまたは複数のナビゲーション機器は、例えば参照によって本明細書に組み込まれる本出願人所有の米国特許第11,241,287号に示され記載されているように、ハードウェアと通信することができ、寛骨臼カップの位置を調整するように構成することができる。1つまたは複数のナビゲーション機器は、ナビゲートされる機器の位置、したがってそれに連結することができるカップの位置を算出するために使用することができるナビゲーションマーカーを含むかまたは提供することができる。したがって、寛骨臼カップの移動を実質的にリアルタイムに検出及び測定することができる。したがって、制御コンソールまたは本明細書に記載される他のハードウェアは、ユーザに指示(ディスプレイに表示可能)を提供し、寛骨臼カップを患者に対してどのように配置すべきか、及び/または配置し直すべきかを導くことができる。
【0013】
サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)、または1つもしくは複数のデータ通信ネットワークにアクセスするように構成されており、そのネットワークを介して、コンテンツ、データ、及び指示を送受信するように構成されている様々な機械と通信することができる他の好適なデバイスを含む様々な形態のコンピューティングデバイスが本開示に従って使用及び提供可能であることが認識される。1つまたは複数のコンピューティングデバイスを介して提供されるコンテンツ及びデータとしては、テキスト、音、画像、及び動画を非限定的な例として含む様々な形式の情報を挙げることができ、また、ネットワーク上の他のリソースへのリンク、メタデータ、及び/または機械実行可能命令などの埋め込み情報を挙げることができる。各コンピューティングデバイスは、従来の構成のものとすることができ、モバイルコンピューティングデバイス、1つまたは複数のサーバコンピューティングデバイスなどの他のデバイスに異なるコンテンツ及びサービスを提供するように構成されていてもよい。デバイスは、当業者によって理解されるように、同じ機械を構成していても、大規模な実装ではいくつかの機械に分散していてもよい。関連する部分において、各コンピュータサーバは、1つまたは複数のプロセッサ、少なくとも1つの関数を実施するプロセッサを構成するコードを格納するコンピュータ可読記憶装置、及びネットワークに接続するための通信ポートを有する。コードは、本明細書の目的のために複数のモジュールとして記載することができ、代表的なコード/命令ストレージに存在し、本明細書に記載されるプロセスの異なる部分を実装する、1つまたは複数のプログラム、ライブラリ、関数またはルーチンを含むことができる。
【0014】
さらに、イメージングソフトウェアなどのコンピュータプログラム(本明細書では全般に、コンピュータ制御論理またはコンピュータ可読プログラムコードとも称される)は、メイン及び/または二次記憶装置に格納され、1つまたは複数のプロセッサ(コントローラなど)によって実行されて、1つまたは複数のプロセッサに、本明細書に記載される本発明の機能を実施させることができる。本文書において、「記憶装置」、「機械可読媒体」、「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ使用可能媒体」という用語は概して、媒体、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リムーバブルストレージユニット(例えば、磁気または光ディスク、フラッシュメモリデバイスなど)、ハードディスクなどを指すために使用される。モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレット)の場合、イメージングソフトウェアなどのコンピュータプログラムはモバイルコンピューティングデバイス上で実行されるアプリの形態であり得ることが理解されるべきである。
【0015】
同様の参照番号が同様の要素を指す図面を参照すると、図1は、本開示の1つまたは複数の実施態様に従って提供される例示的なグラフィカルユーザインターフェースを示す。図1に示すように、3本の線(線1、線2、及び線3)が引かれている骨盤の前後(「AP」)X線画像が示される。図1に示す例では、線1は仙腸関節の下面を結んでいる。線2は寛骨臼涙痕の下面を結んでいる。線3は坐骨の2つの最下面を結んでおり、過剰な骨棘の存在などの著しい骨異常の場合は調整することができる。これらの線の中点の間の距離を各AP骨盤画像に記録し、2枚のAP骨盤X線画像などの画像間の骨盤矢状面傾斜の変化の測定に役立てるために使用する。
【0016】
以下の表記が図面に表される。
【0017】
術前距離Wは、術前画像であるAP骨盤画像における、恥骨結合の中心に対応する線2上の点と、この線から90度の角度で上に向けられ、線1と交わる点との間の距離を表す。
【0018】
術前距離Vは、術前AP骨盤画像における、恥骨結合の中心に対応する線2上の点と、この線から90度の角度で下に向けられ、線3と交わる点との間の距離を表す。
【0019】
術前距離Uは、術前距離Wと術前距離Vとの合計を表す。
【0020】
同様の測定は、術中または術後に行われてもよい。
【0021】
一例として、術中測定の場合、
術中距離Wは、術中画像であるAP骨盤画像における、恥骨結合の中心に対応する線2上の点と、この線から90度の角度で上に向けられ、線1と交わる点との間の距離を表す。
術中距離Vは、術中AP骨盤画像における、恥骨結合の中心に対応する線2上の点と、この線から90度の角度で下に向けられ、線3と交わる点との間の距離を表す。
術中距離Uは、術中距離Wと術中距離Vとの合計を表す。
【0022】
図2A図2Bは、本開示の一実施態様に従って骨盤軸回転を評価する方法におけるステップを示す。例えば、図2Aでは、AP骨盤X線画像を取得し、図1を参照して示され記載されるように線1及び線2を引く。次に、図2Aに示すように、線1から線2へ伸びる線を引く。線1上の交叉点は、線1と仙尾骨脊椎の中心との交点に対応する。この線は、垂直に下へ線2まで伸びている。次いで、この線の交点と線2上の恥骨結合の中心との間の距離を測定する(術前画像における術前距離X、術中画像における術中距離Xなど)。この測定は、骨盤軸回転及び画像間の骨盤軸回転の変化の測定に寄与し得る。図2Bは、別のAP骨盤X線画像を示し、本開示の1つまたは複数の実施態様に従った線1及び線2を示す。
【0023】
図3A図3B及び図3Cは、例示的な骨盤側面X線画像を示す。図3Aは、X線画像における3つの点:恥骨結合の前面、坐骨の下面、及び仙骨が後腸骨と接する点を示す。図3Bは、較正されたAP骨盤画像(図1)からの測定値を使用して画像を較正する方法を示す。図3Cは、これらの点の間の距離(距離A、B、C)が、測定され、骨盤軸回転及びX線画像間の骨盤矢状面傾斜の変化についての測定の成分として使用されることを示す。
【0024】
術前画像の軸回転を算出するために、Zを
【数1】
として算出する。軸回転は、
【数2】
として算出する。
【0025】
同様に、任意の連続(術中または術後)画像であるAP骨盤X線画像またはCアーム(透視撮影)画像における軸回転は、次のように算出することができる:
【数3】
【0026】
加えて、術前画像における骨盤傾斜に対する術中または術後画像における骨盤矢状面傾斜の変化は、以下のように算出することができる。この変化は、術前骨盤側面画像(図3A)での測定値に基づいて算出される。
【0027】
3つの距離(距離A、距離B及び距離C)全てが測定される場合、変化は以下のように算出することができる:
【数4】
として算出される。
【0028】
これらの距離のうち1つのみが利用可能である場合、術前画像における傾斜と比較した骨盤傾斜の変化は、変化A、変化B及び変化Cの平均ではなく、変化A、変化Bまたは変化Cのいずれかとして算出される。
【0029】
本明細書の教示によれば、骨盤の軸回転及び骨盤の矢状面傾斜の量が既知になると、X線イメージング(透視撮影)を使用しながら大腿骨コンポーネントを挿入する場合における大腿骨オフセット及び脚長の測定値と同様に、全人工股関節形成術中の寛骨臼コンポーネントの測定値を補正することができる。骨盤の反対側の部位への軸回転は、X線画像において寛骨臼コンポーネントの前捻角を増加させ、傾斜角を減少させる。さらに、前方への矢状面傾斜の増加は寛骨臼コンポーネントの傾斜角及び前捻角を減少させ、後方への矢状面傾斜(骨盤のロールバック)の増加は寛骨臼コンポーネントの傾斜角及び前捻角を増加させる。骨盤軸回転の変化は、脚長及び両股関節のオフセットの測定にも影響を及ぼす。この変化は、骨盤矢状面傾斜及び軸回転の変化に基づいて算出することができ、測定値の補正のために使用することができる。
【0030】
図4は、図3に関して示され記載されたような側面X線画像における3つの点の図形表示である。図4は、3つの点の間の測定距離、及びAP骨盤X線画像においてこれまでに得られた様々な距離を使用して、2枚のX線画像間の矢状面骨盤傾斜の変化を算出し得る方法を示す。例えば、算出された角度x、y、及びz(図4)の間の変化を使用して、AP X線画像間の矢状面骨盤位置の変化を決定することができる。
【0031】
1つまたは複数の実施態様では、人工知能画像認識アルゴリズムが、ある特定の解剖学的ランドマークを認識するために使用されて、X線画像または透視/Cアーム画像における角度、距離または表面積の測定を容易にすることができる(図5A図5E)。初めに、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、数ある距離のうち、距離1及び距離2、距離3及び距離4、距離5及び距離6、距離7及び距離8を決定するために使用可能な解剖学的ランドマークを同定するように構成することができる。さらに、同定された解剖学的ランドマークは、数ある角度及び面積のうち、角度1及び角度2、面積1、面積2及び面積3を決定するために使用可能である。そのような距離、角度、及び面積は、例えば画像のピクセル認識に基づき得る。マーカーは、そのような認識に従って、画像内に実質的に自動的に配置することができる。
【0032】
本明細書にさらに示され記載されるものを含む機械学習は、1つまたは複数のマーカーの位置を補正して1つまたは複数の測定及び/または設置の正確度を高めることができる人間の専門家によって行われた補正を含むことができる。経時的に、機械学習は改善及び補正を実現し、それによって、画像認識アルゴリズムに関連する画像認識、測定、及びマーカー設置の正確度を高める。正確度は、人間の専門家の範囲内となるまで改善される。したがって、本開示は、本明細書に示され記載される変数を測定するために使用可能な患者の解剖学的ランドマークの完全に自動でかつ独立した認識を提供することができる。
【0033】
1つまたは複数の実施態様では、例えば画像に存在する、自動的に認識される解剖学的ランドマークを使用することによって誘導された画像認識に関連して、人工知能が使用される。機械学習の間、恥骨結合などの特定の点の位置を特定するために骨盤AP X線画像が解析される。いくつかのAP骨盤画像は、例えば長方形(その角のうちの1つが結合の位置となる)を使用して結合の位置を示すために使用可能な、GUIによって提供されるツールを使用することによるトレーニングのために提出され得る。例えば、長方形は、エラーの可能性を最小限にするために、1組の固有の(またはそれに近い)ピクセルを定義するように選択される。長方形は、全てのトレーニングAP骨盤画像に描くことができ、データセットとしてエクスポートすることができる。1つまたは複数の実施態様では、CREATE MLをモデリングのために使用することができ、それぞれの入力ファイル(例えば、CREATE MLと互換性のある)が生成及び/または提供される。CREATE MLは、CORE MLフレームワークを使用するモデルのトレーニングに使用可能なビジュアルインターフェースを提供する。モデルは、モデルがなければプログラミングコードを記述するのが困難または非現実的であるような多種多様なタスクを達成するために、本開示に関連して使用可能である。したがって、画像を分類するかまたは他のタスクを行う、例えば画像(例えば、AP骨盤X線画像)内の特定の解剖学的ランドマーク(例えば、結合)をピクセルに応じて検出するようにモデルをトレーニングした。それに伴って、1つまたは複数の実施態様では、IOSアプリケーションがコンピューティングデバイスIOS、例えばIPAD上で実行される。ある特定のパラメータ、例えば使用される画像の数、ピクセルが認識可能である程度、画像の色、または他の変数に基づくパラメータは、CREATE MLにおいて、特定の場合におけるトレーニングプロセスを最適化するために利用される。
【0034】
CORE MLは、IOSを実行するハードウェアに対して使用可能であり、最適化され、円滑で望ましいユーザ経験を実現する。当然、当業者は、機械学習、人工知能、及びアプリケーション(例えば、モバイルアプリ)開発に関連して使用可能な他のモデリング技術及びアプリケーション開発環境が存在することを認識しているだろう。機械学習プロセスは、1組のトレーニング画像に対してアルゴリズムを実行してモデルを作成することを含む。1組のピクセルを同定(例えば、長方形選択)するため、及びトレーニングの特徴を同定するために特定の入力が提供される。トレーニングは反復プロセスであり得、ここで、モデルは、例えば選択から決定される情報を入力として提供された1つまたは複数の値と比較することによって、長方形の位置の予測を試みる。さらに、所望の出力に近づく方法をモデルに教えるために、1つまたは複数のエントリを使用することができる。
【0035】
トレーニング後、モデルは、解剖学的ランドマークの自動検出、及び新たな入力データの処理に関連する予測能力のために使用可能となり得る。モデルは、例えばユーザによって提供される、新たに入力されたAP骨盤画像を解析することができ、モデルは、学習したことに基づいて、解剖学的ランドマーク(例えば、結合)の1組の座標を報告する。座標は、生成され、その後、グラフィカルユーザインターフェースを介して、例えば、モバイルデバイス(例えば、IPAD)上で実行されるモバイルアプリなどのコンピューティングデバイスにおいて提供される1つまたは複数のインターフェースを介して、ソフトウェアが必要とするものに基づいて直線または楕円を描くため、及び基本的な式を使用して角度を算出し距離を測定するために使用されることができる。
【0036】
骨盤の軸回転の増加は、AP骨盤X線画像または透視撮影/CアームX線画像における、患者の骨盤の外観の変化をもたらし得ることが本明細書において認識される。例えば、骨盤の軸回転により、骨盤の左側と右側とは非対称になる。これは、結果として、距離1と距離2との間、距離3と距離4との間、距離5と距離6との間、及び/または距離7と距離8との間の差を増加し得る(例えば、図5A図5E)。さらに、これは、結果として、角度1と角度2との間、及び/または面積1と面積2との間の差を増加し得る。これらの差は、本明細書に示され記載されるように、算出された軸回転に相関し得る。
【0037】
本明細書で述べたように、本開示は、それぞれの実装に応じて複数の画像を適用すること、複数の画像にわたって表される変動の妥当な統計的または人工知能的相関関係の確立のため、及び単一の画像と比較した測定のためにトレーニングすることを含む機械学習を提供する。本開示は、それぞれの解剖学的ランドマークを自動的に及び正確に認識し、1つまたは複数のそれぞれの計算結果を本明細書に示され記載されるように適用して、軸回転の量、矢状面のドリフト、または他のそれぞれの変化もしくは状態を予測するように特別に構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含む。
【0038】
本開示の1つまたは複数の実施態様では、距離1と距離2との間、距離3と距離4との間、距離5と距離6との間、及び/または距離7と距離8との間の差(例えば、図5A図5E)は、測定され、骨盤の軸回転を予測及び補正するために使用することができる。さらに、そのように構成されたコンピューティングデバイス(複数可)は、角度1と角度2との間、及び/または面積、例えば面積1と面積2との間の差(例えば、図5A図5E)に基づいて、回転の量を予測及び補正することができる。本開示は、例えば骨盤の側面画像(例えば、図3A図3C及び図4)において算出された測定値に応じて、有意に改善された正確度を提供する。したがって、本開示は、AP骨盤X線画像またはCアーム/透視撮影画像の軸回転を決定する必要をなくすことができる。
【0039】
さらに、連続するX線画像/透視撮影/Cアーム画像間の矢状面骨盤傾斜の変化は、距離W、V及びU(例えば、図1)、距離1及び距離2、距離3及び距離4、距離5及び距離6(例えば、図5A図5E)の変化をもたらし得る。さらに、ある画像から次の画像までの(例えば、連続画像における)測定の間で、角度1及び角度2、ならびに面積3に対する面積1及び面積2の変化が生じる(例えば、図5A図5E)。例えば、そのような変化は、同じ患者の術前AP X線画像及び術中透視撮影/Cアーム画像において同定することによって決定することができる。次いで、これらの差を比較し相関させて、骨盤傾斜の変化を算出し、インプラント設置のために調整することができる。
【0040】
十分に多い数の画像を使用した機械学習及びトレーニングに応じて提供される人工知能は、本明細書に示され記載される種類の変化の間の妥当な相関関係を効果的に確立する。さらに、同じ連続画像に対する測定値を使用して、本明細書の教示に従って構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、ある画像から次の画像まで(同じ患者の連続画像)の矢状面骨盤傾斜の変化を、例えば、距離W、V及びU(例えば、図1)に応じて、及び距離1と距離2、距離3と距離4、距離5と距離6(例えば、図5A図5E)に応じて表される変化、ならびに角度1と角度2、及び面積3に対する面積1と面積2(例えば、図5A図5E)の変化に基づいて予測することができる。高い正確度が実現された場合、同じ患者の連続するAP骨盤X線画像及び/またはCアーム/透視撮影画像の矢状面骨盤傾斜の変化を決定するために骨盤の側面画像(例えば、図3A図3C及び図4)において測定することは、もはや不要となり得る。代わりに、本明細書に記載されるような変数の変化が、矢状面骨盤傾斜の変化を予測するのに十分となり得る。
【0041】
さらに、1つまたは複数の実施態様では、度数における軸回転の量及び度数における矢状面骨盤傾斜の変化は、距離1、距離2、距離3、距離4、距離5、距離6、距離7、及び/もしくは距離8、及び/または角度1、角度2の変化(図5A図5E)、ならびに/あるいは図5A図5Eに表示される面積1、面積2及び面積3を含むがこれらに限定されない表面積の変化に相関し得る。1つまたは複数の特別に構成されたコンピューティングデバイスは、人工知能及び/または機械学習を含むアルゴリズムを実行して距離の変化を検出することができ、AP骨盤画像の2次元骨表面積または「外観」は、軸回転または矢状面骨盤傾斜の変化を予測するために使用することができる。
【0042】
したがって、本明細書に示され記載される方法は、前後(AP)及び側面骨盤X線画像において特定のX線画像計測を利用して、3次元での骨盤位置の変化を決定する。これは、外科医によって、骨盤位置の変化及び骨盤X線画像間の骨盤位置の変化を術前に予想するかまたは代替的に(もしくは付加的に)術中に評価するために使用可能である。
【0043】
本発明は、その好ましい実施形態を参照して詳細に示され、記載されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に対して様々な変更を行うことができることが当業者によって理解されるだろう。したがって、本発明は、上記の考察によって定義されるのではなく、以下の点、それらの点に記載されたそれぞれの特徴、及びそのような特徴の均等物によって定義される。
【0044】
本明細書に示され記載された例の多くは、複数のユーザに対応する提示を与えていると考えられるが、本発明はそのように限定されるものではない。本発明の例示された実施形態が示され、記載されているが、様々な変化、代用、及び変更を、当業者が、本発明の範囲を逸脱することなく行うことができることが理解されるべきである。

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者位置の変化に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのコンピュータベースのシステムであって、前記システムが、
第1の時間に捕捉された、骨盤の2次元(「2-D」)前後(「AP」)像を示す画像にアクセスし、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において、解剖学的ランドマークを、ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定し、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第1の距離及び角度を自動的に測定し、
第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像にアクセスし、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像において、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において同定された解剖学的ランドマークを、前記ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定し、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第2の距離及び角度を自動的に測定し、
少なくとも前記測定された第1の距離及び角度ならびに前記測定された第2の距離及び角度に応じて、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において前記骨盤の絶対軸回転を自動的に決定し、
前記測定された第2の距離及び角度に応じて、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像において前記骨盤の矢状面傾斜を自動的に決定し、
第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像にアクセスし、
前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において同定された解剖学的ランドマークを、前記ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定し、
前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第3の距離及び角度を自動的に測定し、
少なくとも前記測定された第2の距離及び角度ならびに前記測定された第3の距離及び角度に応じて、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において前記骨盤の絶対軸回転を自動的に決定し、
前記測定された第1の距離及び角度、前記測定された第2の距離及び角度、ならびに前記測定された第3の距離及び角度に応じて、3次元(「3-D」)空間における前記骨盤の位置の変化、例えば、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像から前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像までの前記骨盤の矢状面傾斜の変化を自動的に決定し、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における前記骨盤の決定された絶対軸回転、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像における前記骨盤の決定された絶対矢状面傾斜、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における前記骨盤の第2の決定された絶対軸回転、及び前記骨盤の決定された矢状面傾斜の変化のうちの少なくとも1つに応じて、インプラントの位置の調整を自動的に決定し、
前記インプラントの位置の決定された調整と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
ように非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイス
を含む、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像のうちの少なくとも1枚において同定された仙腸関節の下面を結ぶ第1の線
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像のうちの少なくとも1枚において同定された寛骨臼涙痕の下面を結ぶ第2の線と、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す少なくとも1枚の画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像において同定された2つの坐骨最下面を結ぶ第3の線と、
を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第1の線、前記第2の線及び前記第3の線のの間の距離のうちの少なくとも1つを測定する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記インプラントと共に提供される少なくとも1つのナビゲーションマーカーに応じて、前記インプラントの設置を自動的に決定する
コードを実行することによってさらに構成され、
少なくとも1つの値を調整することが、少なくとも、3-D空間における前記骨盤の自動的に決定された位置に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの調整された値と関連する情報が、前記インプラントを配置すること及び配置し直すことのうちの少なくとも一方を含み、
さらに、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、前記インプラントと共に提供される少なくとも1つのナビゲーションマーカーに応じて、前記インプラントを配置する間及び配置し直す間のうちの少なくとも一方における前記インプラントの移動を自動的に決定するコードを実行することによってさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記インプラントの設置と関連するアラートを、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供する
コードを実行することによってさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アラートが、少なくともテキスト、音、動画、画像、及び埋め込み情報として形式化される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示す画像における、恥骨結合前面と関連する第1の点と、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示画像における、坐骨下面と関連する第2の点と、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示す前画像における、後腸骨と接する仙骨と関連する第3の点と、
を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供するコードを実行することによってさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記点の間の距離を測定する
コードを実行することによってさらに構成され、
前記矢状面骨盤傾斜の変化を表す値を決定することが、さらに、前記測定された距離に従って行われる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスが、
前記点の間の距離を測定する
コードを実行することによってさらに構成され、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像における前記骨盤の絶対軸回転を表す第1の値、及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像における前記骨盤の絶対軸回転を表す第2の値のうちの少なくとも一方を決定することが、さらに、前記測定された距離に従って行われる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
患者位置の変化に応じた画像誘導によるインプラント設置のためのコンピュータベースの方法であって、前記方法が、
非一時的プロセッサ可読媒体に格納されたコードを実行することによって構成される少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、第1の時間に捕捉された、骨盤の2次元(「2-D」)前後(「AP」)像を示す画像にアクセスすることと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において、解剖学的ランドマークを、ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第1の距離及び角度を自動的に測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像にアクセスすることと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像において、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において同定された解剖学的ランドマークを、前記ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第2の距離及び角度を自動的に測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、少なくとも前記測定された第1の距離及び角度ならびに前記測定された第2の距離及び角度に応じて、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において前記骨盤の絶対軸回転を自動的に決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記測定された第2の距離及び角度に応じて、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像において前記骨盤の矢状面傾斜を自動的に決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像にアクセスすることと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において同定された解剖学的ランドマークを、前記ピクセルベースの人工知能画像認識モデルを介して自動的に同定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における同定された解剖学的ランドマークを使用して、第3の距離及び角度を自動的に測定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、少なくとも前記測定された第2の距離及び角度ならびに前記測定された第3の距離及び角度に応じて、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像において前記骨盤の絶対軸回転を自動的に決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記測定された第1の距離及び角度、前記測定された第2の距離及び角度、ならびに前記測定された第3の距離及び角度に応じて、3次元(「3-D」)空間における前記骨盤の位置の変化、例えば、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像から前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像までの前記骨盤の矢状面傾斜の変化を自動的に決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における前記骨盤の決定された絶対軸回転、前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D側面像を示す画像における前記骨盤の決定された絶対矢状面傾斜、前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤の2-D AP像を示す画像における前記骨盤の決定された絶対軸回転、及び前記骨盤の決定された矢状面傾斜の変化のうちの少なくとも1つに応じて、インプラントの位置の調整を自動的に決定することと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記インプラントの位置の決定された調整と関連する情報を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供することと、
を含む、方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像のうちの少なくとも1枚において同定された仙腸関節の下面を結ぶ第1の線と、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像のうちの少なくとも1枚において同定された寛骨臼涙痕の下面を結ぶ第2の線と、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す少なくとも1枚の画像及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像において同定された2つの坐骨最下面を結ぶ第3の線と、
を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記第1の線、前記第2の線及び前記第3の線上の点の間の距離のうちの少なくとも1つを測定すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記インプラントと共に提供される少なくとも1つのナビゲーションマーカーに応じて、前記インプラントの設置を自動的に決定することをさらに含み、
少なくとも1つの値を調整することが、少なくとも、3-D空間における前記骨盤の自動的に決定された位置に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの調整された値と関連する情報が、前記インプラントを配置すること及び配置し直すことのうちの少なくとも一方を含み、
前記方法が、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記インプラントと共に提供される少なくとも1つのナビゲーションマーカーに応じて、前記インプラントを配置する間及び配置し直す間のうちの少なくとも一方における前記インプラントの移動を自動的に決定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記インプラントの設置と関連するアラートを、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記アラートが、少なくともテキスト、音、動画、画像、及び埋め込み情報として形式化される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示す画像における、恥骨結合前面と関連する第1の点と、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示す画像における、坐骨下面と関連する第2の点と、
前記第2の時間に捕捉された、前記骨盤の側面像を示す画像における、後腸骨と接する仙骨と関連する第3の点と、
を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記点の間の距離を測定することをさらに含み、
前記矢状面骨盤傾斜の変化を表す値を決定することが、さらに、前記測定された距離に従って行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記点の間の距離を測定することをさらに含み、
前記第1の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像における前記骨盤の絶対軸回転を表す第1の値、及び前記第3の時間に捕捉された、前記骨盤のAP像を示す画像における前記骨盤の絶対軸回転を表す第2の値のうちの少なくとも一方を決定することが、さらに、前記測定された距離に従って行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記インプラントの設置と関連する少なくとも1つの値が、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、傾斜角及び前捻角のうちの少なくとも一方を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの傾斜角及び前捻角を決定することが、前記骨盤の軸回転の変化もしくは絶対軸回転、及び/または前記骨盤の骨盤傾斜の変化もしくは絶対骨盤傾斜に基づく、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の時間及び前記第2の時間が前記第3の時間よりも前である、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】