(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】非空気入りタイヤのための硬化金型アセンブリ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/02 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B29D30/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577287
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-03
(86)【国際出願番号】 US2022072999
(87)【国際公開番号】W WO2022266663
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツ,ザカリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス,スティーブン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4F501
【Fターム(参考)】
4F501TA01
4F501TB07
4F501TE22
4F501TH02
4F501TL34
4F501TL35
4F501TL36
(57)【要約】
【解決手段】 非空気入りタイヤを硬化させるために使用される金型アセンブリは、金型セクションと、金型セクション上に支持された硬化シューアセンブリとを含む。硬化シューアセンブリは、金型軸と半径方向にオフセットして位置合わせされた状態で金型セクション上に支持された第1の作動部材を含む。第2の作動部材は、第1の作動部材に対して軸方向変位するように支持される。第1の硬化シュー及び第2の硬化シューは、第1の作動部材及び第2の作動部材から横方向に離間している。第1の硬化シュー及び第2の硬化シューは、第1の作動部材及び第2の作動部材の互いに向かう移動が第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させるように、第1の作動部材及び第2の作動部材に動作可能に接続される。ある場合には、第1の作動部材及び第2の作動部材の互いから離れる移動は、第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させる。非空気入りタイヤの製造方法も含まれる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤの製造方法であって、
長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクション上に硬化シューアセンブリを支持することであって、前記硬化シューアセンブリが、
前記第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材であって、前記第1の作動部材が前記金型軸と半径方向にオフセットして位置合わせされて配置されるようになっている第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に対する軸方向変位のために前記第1の作動部材に対して同軸関係で支持された第2の作動部材と、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から横方向に離間した第1の硬化シューと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から前記第1の硬化シューとは反対側の方向に横方向に離間された第2の硬化シューであって、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の互いに対する第1の軸方向の移動が前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させ、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の互いに対する前記第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向の移動が前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させるように前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材に動作可能に接続された、第2の硬化シューと、を含む、支持することと、
互いに周方向に離間した関係で配置された複数の支持構造体であって、複数の空間が互いに周方向に離間した関係で配置され、前記複数の空間のうちの1つが前記複数の支持構造体のうちの隣接する支持構造体の間にある、複数の支持構造体を含む、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することと、
前記硬化シューアセンブリが前記複数の空間のうちの1つの中に配置され、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと軸方向に同延に、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを前記第1の金型セクションに沿って配置することと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に互いに対して変位させ、それによって、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させて、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと係合させ、前記非空気入りタイヤアセンブリに圧力を印加することと、
前記非空気入りタイヤアセンブリを硬化させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第2の軸方向に互いに対して変位させ、それによって前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に引き込み、前記非空気入りタイヤアセンブリを前記第1の硬化シューアセンブリ及び前記第2の硬化シューアセンブリに沿って取り外すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非空気入りタイヤアセンブリを硬化させることが、前記硬化シューアセンブリが配置される前記複数の空間のうちの前記1つに加熱流体を導入することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に変位させることが、第2の金型セクションを前記第2の作動部材と動作可能に係合させることと、前記第1の金型セクション及び前記第2の金型セクションの一方を前記第1の金型セクション及び前記第2の金型セクションの他方に向かって変位させることとを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化シューアセンブリが、前記金型軸を中心にして互いに周方向に離間した関係で配置された複数の硬化シューアセンブリのうちの1つであり、前記第1の金型セクションに沿って前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを配置することが、前記複数の硬化シューアセンブリのうちの異なる1つの周囲に前記複数の空間の各々を配置することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の金型セクションが、ある量の加圧流体を収容するチャンバを含み、前記第2の金型セクションを前記第2の作動部材と動作可能に係合させることが、前記ある量の加圧流体を介して前記第2の作動部材に力を印加することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の金型セクションが、前記ある量の加圧流体と流体連通するピストンを含み、前記第2の作動部材に力を印加することが、前記ピストンを前記第2の作動部材と動作可能に係合させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
方法であって、
前記硬化シューアセンブリを前記第1の金型セクション上に支持することが、前記第1の作動部材と前記第1の硬化シューとの間に第1の第1のリンク部材を枢動可能に接続することと、前記第2の作動部材と前記第1の硬化シューとの間に第1の第2のリンク部材を枢動可能に接続することとを含み、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に互いに対して変位させることが、前記第1の硬化シューに対して第1の回転方向に前記第1の第1のリンク部材を回転させることと、前記第1の第1のリンク部材の前記第1の回転方向とは反対側の第2の回転方向に前記第1の第2のリンク部材を回転させることとを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
方法であって、
前記硬化シューアセンブリを前記第1の金型セクション上に支持することが、前記第1の作動部材と前記第2の硬化シューとの間に第2の第1のリンク部材を枢動可能に接続することと、前記第2の作動部材と前記第2の硬化シューとの間に第2の第2のリンク部材を枢動可能に接続することとを含み、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に互いに対して変位させることが、前記第2の硬化シューに対して第1の回転方向に前記第2の第1のリンク部材を回転させることと、前記第2の第1のリンク部材の前記第1の回転方向とは反対側の第2の回転方向に前記第2の第2のリンク部材を回転させることとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の作動部材が第1の円筒面部分を含み、前記第2の作動部材が第2の円筒面部分を含み、前記第1の円筒面部分及び前記第2の円筒面部分が互いに軸方向に同延に、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が互いに伸縮自在に係合され、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に変位させることが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を互いに対して伸縮自在に並進させることを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
方法であって、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することが、
長手方向軸を有する第1の環状リングであって、前記第1の環状リングが、第1の第1のリング端部と、前記第1の第1のリング端部から軸方向に離間された第2の第1のリング端部との間に軸方向に延在し、前記第1の環状リングが、半径方向外側に面し、前記第1の第1のリング端部と前記第2の第1のリング端部との間に配置された第1のリング外面部分を含む、第1の環状リングを提供することと、
前記第1の環状リングの少なくとも前記第1のリング外面部分に沿って、完全には硬化していないエラストマー材料の第1の層を適用することと、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することが、
第1の第2のリング端部と、前記第1の第2のリング端部から軸方向に離間された第2の第2のリング端部との間に軸方向に延在する第2の環状リングであって、前記第2の環状リングが、半径方向内側に面し、前記第1の第2のリング端部と前記第2の第2のリング端部との間に配置された第2のリング内面部分を含む、第2の環状リングを提供することと、
前記第2の環状リングの少なくとも前記第2のリング内面部分に沿って、完全には硬化していないエラストマー材料の第2の層を適用することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することが、前記第2の環状リングを前記第1の環状リングと同心かつ同延に配置することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することが、複数の支持構造体を提供することを含み、前記複数の支持構造体の各々が、第1の支持構造体縁部と、前記第1の支持構造体縁部の反対側の第2の支持構造体縁部と、第1の支持構造体端部と、前記第1の支持構造体端部の反対側の第2の支持構造体端部と、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することが、前記複数の支持構造体の前記第1の支持構造体端部が完全には硬化していないエラストマー材料の前記第1の層に沿って互いに離間して配置され、前記複数の支持構造体の前記第2の支持構造体端部が完全には硬化していないエラストマー材料の前記第2の層に沿って互いに離間した関係で配置されるように、前記複数の支持構造体を前記第1の環状リングの前記長手方向軸を中心として互いに周方向に離間して配置することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
非空気入りタイヤを硬化させるための金型アセンブリであって、前記金型アセンブリが、
長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクションと、
前記第1の金型セクション上に支持された硬化シューアセンブリと、を備え、前記硬化シューアセンブリが、
前記第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材であって、前記第1の作動部材が前記金型軸と半径方向にオフセットして位置合わせされて配置されるようになっている第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に対して同軸関係で支持され、前記第1の作動部材に対して軸方向変位する第2の作動部材と、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から横方向に離間した第1の硬化シューと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から前記第1の硬化シューとは反対側の方向に横方向に離間された第2の硬化シューと、を含み、
前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の第1の軸方向における互いに対する移動が、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから離れるように横方向に変位させ、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の前記第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向における互いに対する移動が、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させるように、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材に動作可能に接続されている、金型アセンブリ。
【請求項17】
前記第1の金型セクションに対して変位可能な第2の金型セクションを更に備え、前記第2の金型セクションが、ある量の加圧流体を収容するチャンバを含む、請求項16に記載の金型アセンブリ。
【請求項18】
前記第2の金型セクションが、前記ある量の加圧流体と流体連通するピストンを含み、前記ピストンが、前記第2の作動部材と動作可能に係合するように寸法決めされる、請求項17に記載の金型アセンブリ。
【請求項19】
金型アセンブリであって、前記硬化シューアセンブリが、
前記第1の作動部材と前記第1の硬化シューとの間に枢動可能に接続された第1の第1のリンク部材と、
前記第2の作動部材と前記第1の硬化シューとの間に枢動可能に接続された第1の第2のリンク部材と、
前記第1の作動部材と前記第2の硬化シューとの間に枢動可能に接続された第2の第1のリンク部材と、
前記第2の作動部材と前記第2の硬化シューとの間に枢動可能に接続された第2の第2のリンク部材と、を含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の金型アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の作動部材が第1の円筒面部分を含み、前記第2の作動部材が第2の円筒面部分を含み、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が互いに伸縮自在に係合して、前記第1の円筒面部分及び前記第2の円筒面部分が互いに軸方向に同延である、請求項16から19のいずれか一項に記載の金型アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の主題は、広くは、車両タイヤ製造の技術に関し、より詳細には、非空気入りタイヤを硬化させるための金型アセンブリ、並びにそのような金型アセンブリを使用して非空気入りタイヤを製造する方法に関する。
【0002】
本開示の主題は、車輪付き車両のための構成要素と併せて特定の用途及び使用を見出すことができ、それを参照して本明細書に示され、説明される。しかしながら、本開示の主題は、他の用途及び環境での使用にも適しており、本明細書で示され説明される特定の使用は単に例示的なものであることを理解されたい。
【0003】
従来の空気入りタイヤは、路面又は他の地面に係合するように構成されたトレッドがタイヤケーシングの外面上に又は外面に沿って形成されたタイヤケーシングを含む。タイヤケーシングは、複数の層又はプライ(例えば、放射状プライ、ベルトプライ)から形成された環状本体を含み、対向する側壁は、環状本体の肩部に沿って半径方向内側に延在し、側壁の半径方向内側の範囲を形成するビードまで延在する。環状本体の内面及び対向する側壁は、空気入りタイヤのタイヤチャンバを画定するインナーライナによって覆われている。
【0004】
従来のタイヤ製造プロセスでは、未硬化タイヤカーカス及びトレッドアセンブリが、タイヤ硬化プレス上の金型アセンブリ内に装填される。金型アセンブリは、トレッドパターンのセクションを含む内面部分を有する複数のダイセグメントを含む。金型アセンブリはタイヤ硬化プレスによって閉じられ、タイヤ硬化プレスはダイセグメントを未硬化タイヤアセンブリのトレッド材料と当接係合するように配置する。タイヤ硬化プレスはまた、未硬化タイヤアセンブリが硬化ブラダの膨張していない状態で硬化ブラダの外側に離間して配置されるように金型アセンブリの内側に配置された硬化ブラダを含む。硬化プロセス中、硬化ブラダは、硬化ブラダが未硬化タイヤアセンブリのタイヤチャンバ内に延在してインナーライナと当接係合するように膨張される。タイヤ硬化プレスは、金型アセンブリ及び膨張した硬化ブラダからの圧力下にある間に、未硬化タイヤアセンブリに熱を導入し、未硬化タイヤ材料を加硫又は架橋して完成タイヤを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のタイプ及び種類のタイヤ金型アセンブリ及び製造方法の幅広い使用及び全体的な成功にもかかわらず、既知のプロセスには、例えばいわゆる非空気入りタイヤなどの他の構想的構成を有するタイヤアセンブリの製造に関連してその適用性及び/又は使用を制限する可能性がある特定の欠点が存在することが認識されている。したがって、既知の技術の前述及び/又は他の問題及び/又は欠点を克服するのを助け得、及び/又は非空気入りタイヤの製造を別様に進歩させ得、金型アセンブリ及び製造方法を開発することが望ましいと考えられる。
【0006】
本開示の主題による非空気入りタイヤの製造方法の一例は、長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクション上に硬化シューアセンブリを支持することを含むことができる。硬化シューアセンブリは、第1の作動部材が金型軸と半径方向にオフセットされ位置合わせされて配置されるように、第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材を含むことができる。第2の作動部材は、第1の作動部材に対して同軸関係で、かつそれに対して軸方向変位するように支持することができる。第1の硬化シューは、第1の作動部材及び第2の作動部材から横方向に離間され得、第2の硬化シューは、第1の硬化シューと反対側の方向に第1の作動部材及び第2の作動部材から横方向に離間され得る。第1の硬化シュー及び第2の硬化シューは、1)第1の軸方向における第1の作動部材及び第2の作動部材の互いに対する移動が、第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いから離れるように横方向に変位させ、2)第1の軸方向と反対側の第2の軸方向における第1の作動部材及び第2の作動部材の互いに対する移動が、第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させるように、第1の作動部材及び第2の作動部材に動作可能に接続することができる。本方法はまた、互いに周方向に離間した関係で配置された複数の支持構造体を含み、複数の空間が互いに周方向に離間した関係で配置され、複数の空間のうちの1つが複数の支持構造体のうちの隣接するものの間にある、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することを含むことができる。本方法は、硬化シューアセンブリが複数の空間のうちの1つの中に配置され、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと軸方向に同延に、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを第1の金型セクションに沿って配置することを更に含むことができる。本方法はまた、第1の作動部材及び第2の作動部材を第1の軸方向に互いに対して変位させ、それによって、第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いから離れるように横方向に変位させて、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと係合させ、それに圧力を印加することを含むことができる。本方法は、非空気入りタイヤアセンブリを硬化させることを更に含むことができる。
【0007】
非空気入りタイヤを硬化させるために使用され得るような、本開示の主題による金型アセンブリの一例は、長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクションと、第1の金型セクション上に支持された硬化シューアセンブリとを含むことができる。硬化シューアセンブリは、第1の作動部材が金型軸と半径方向にオフセットされ位置合わせされて配置されるように、第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材を含むことができる。第2の作動部材は、第1の作動部材に対して同軸関係で、かつそれに対して軸方向変位するように支持することができる。第1の硬化シューは、第1の作動部材及び第2の作動部材から横方向に離間され得、第2の硬化シューは、第1の硬化シューと反対側の方向に第1の作動部材及び第2の作動部材から横方向に離間され得る。第1の硬化シュー及び第2の硬化シューは、第1の作動部材及び第2の作動部材の第1の軸方向における互いに対する移動が第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させるように、第1の作動部材及び第2の作動部材に動作可能に接続することができる。加えて、場合によっては、第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向における第1の作動部材及び第2の作動部材の互いに対する移動は、第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、組み立て前に示された例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの構成要素の分解上面斜視図である。
【
図2】
図2は、組み立てられた状態にあり、硬化のために準備された例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの底面斜視図である。
【
図3】
図3は、タイヤ硬化プレスの正面図であり、金型アセンブリが開状態にあり、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤが装填されている状態を示す。
【
図4】
図4は、
図3のタイヤ硬化プレスの正面図であり、金型アセンブリが閉鎖状態にあり、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤが硬化のために装填されている状態を示す。
【
図5】
図5は、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤを装填する前の例示的な間隙硬化システムを示す金型アセンブリの分解上面斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5の例示的な間隙硬化システムの分解底面斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4の線7-7に沿って切り取られた、
図3~
図6の金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの断面上面図である。
【
図8】
図8は、
図7の詳細8として識別される、金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの一部分の拡大図である。
【
図9】
図9は、
図8の線9-9に沿って切り取られた、
図1~
図8の金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの側断面図である。
【
図12】
図12は、本開示の主題による製造方法の一例のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照すると、図示は、本開示の主題の例を例示する目的であり、そのような例は限定することを意図するものではないことを理解されたい。加えて、図面は縮尺通りではなく、特定の特徴部及び/又は要素の部分は、明確にするため、及び理解を容易にするために誇張され得ることが理解されよう。
【0010】
図1及び
図2は、本開示の主題による、及び/又は本開示の主題による製造方法によって、金型アセンブリ内で硬化するように寸法決めされ、及び/又は別の態様で構成された、完全には硬化していない非空気入りタイヤの一例を例示する。様々なタイプ、種類及び/又は構造の非空気入りタイヤが開発され、かつ/又は様々な用途及び/又は環境で使用されてきたことが理解されよう。1つの非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ(又はタイヤアセンブリ)100は、長手方向軸AXを有するものとして
図1~
図7に示されており、端部102から端部102の反対側の端部104まで軸方向に延在することができる。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXを中心として周方向に延在する環状リング106と、環状リング106の少なくとも一部分の外側に配置され、軸AXを中心として周方向に延在する構造体108と、を含むことができる。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100はまた、軸AXの周方向に延在する環状リング110を含むことができ、環状リング110の少なくとも一部分は、環状リング106及び/又は構造体108の外側に配置される。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXの周りに周方向に延在するトレッド本体112を更に含むことができ、トレッド本体112の少なくとも一部分は、環状リング110の外側に配置される。
【0011】
本開示の主題による金型アセンブリ及び製造方法は、完全には硬化していないエラストマー材料から形成された1つ以上の部分を有する非空気入りタイヤを、その全て又は実質的に全ての部分が実質的に完全に架橋され、加硫され、かつ/又は他の方法で硬化された非空気入りタイヤに移行させるために使用されることが理解されよう。したがって、非空気入りタイヤ100の前述の構成要素のうちの任意の1つ以上は、完全には硬化していない状態から少なくとも実質的に完全に硬化された状態に移行されるエラストマー材料を含むことができ、本明細書に示され説明される非空気入りタイヤ100の構成は、単に例示的なものであり、限定することを意図するものではないことが認識及び理解されるであろう。
【0012】
環状リング106は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成であり得、任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リングは、
図1及び
図2において参照符号VRMによって表されるように、車両ホイール又はリムの外壁又は外壁部分の一部分であってもよく、又はそうでなければ少なくとも部分的に形成してもよい。このような例示的な構成では、環状リング106は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁(又はリング壁部分)114を含むことができる。任意選択的に、環状リング106は、リング壁部分114の内側に配置されたハブ壁(又はハブ壁部分)HUBを含むことができる。含まれる場合、ハブ壁部分HUBは、リング壁部分114に動作可能に接続され得る。加えて、ハブ壁部分HUBは、含まれる場合、任意選択的に、例えば、ボルト穴BHLによって、関連する車両の車軸などの関連する構成要素又はデバイス上に又はそれに沿って従来の方法で取り付けるように寸法決め及び/又は他の方法で適合させることができる。
【0013】
環状リング106のリング壁部分114は、端部102に向かって配置されたリング縁部116と、リング縁部118に対して軸方向に離間した関係で端部104に向かって配置されたリング縁部116との間で軸方向に延在することができる。リング壁部分114は、半径方向外側に面し、長手方向軸AXを中心として周方向に、かつ端部102と104との間で軸方向に延在する、外面部分120を含むことができる。場合によっては、リング壁部分114は、長手方向軸AXを中心として周方向に延在し、端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で軸方向に半径方向内側に面する内面部分122を任意選択的に含むことができる。
【0014】
構造体108は、内側ラップ又は内側層124と、内側層124の半径方向外側に配置された外側ラップ又は外側層126と、を含むことができる。内側層124及び外側層126は、端部102と104との間で軸方向に延在し、内側層124は、縁部128と130との間で軸方向に延在し、外側層126は、縁部132と134との間で軸方向に延在する。場合によっては、内側層124及び外側層126は、縁部128及び132が端部102に沿って互いに少なくともおおよそ位置合わせされ、縁部130及び134が端部104に沿って互いに少なくともおおよそ位置合わせされるように、互いに実質的に同延にすることができる。内側層124は、長手方向軸AXの周方向に、かつ端部102と104との間に軸方向に延在する構造体108の内面部分136を少なくとも部分的に画定することができる。外側層126は、長手方向軸AXの周方向に、かつ端部102と104との間に軸方向に延在する構造体108の外面部分138を少なくとも部分的に画定することができる。
【0015】
構造体108はまた、内側層124と外側層126との間に延在し、それらを動作可能に相互接続する複数の支持構造体140を含む。支持構造体140は、任意の好適な形状、構成、及び/又は配置であってもよく、任意の好適な方法で内側層124及び外側層126に動作可能に接続されてもよいことが理解されよう。1つの非限定的な例として、支持構造体140は、端部102に向かって配置された縁部142から端部104に向かって配置された縁部144まで軸方向に延在することができる。支持構造体140はまた、内側層124に向かって配置された端部146と、端部146に対して離間した関係で外側層126に向かって配置された端部148と、を含むことができる。支持構造体140は、長手方向軸AXに対して横方向に取られた平面に沿って湾曲した又は別様に非線形プロファイルを有するものとして本明細書に示され、説明されている。支持構造体140は、長手方向軸AXを中心として1つの周方向に面する凹面部分150と、反対側の周方向に面する凸面部分152とを有するものとして示され、説明される。しかしながら、そのような構成は単なる例示であり、本開示の主題から逸脱することなく、他の形状及び/又はプロファイルを有する支持構造体を交互に使用することができることが理解されよう。
【0016】
支持構造体140は、複数の空間154も長手方向軸の周りに互いに周方向に離間した関係で配置され、空間154のうちの1つが支持構造体140のうちの隣接するものの間に配置されるように、長手方向軸AXの周りに互いに周方向に離間した関係で配置される。そのような構成では、空間154は、弓形、湾曲、又はそうでなければほぼ三日月形の断面プロファイル又は構成を有することができ、1つの支持構造体140の凹面部分150及び隣接する支持構造体140の凸面部分152が、空間154の周方向に離間した側部を少なくとも部分的に画定する。場合によっては、支持構造体140は、内側層124及び/又は外側層126内に延在するか、又は別様に少なくとも部分的に埋め込まれ得る。そのような場合、内側層124の一部分156は、空間154の端面部分158を少なくとも部分的に画定することができ、例えば、湾曲した又は別様に非線形の断面形状及び/又は構成を有してもよい。追加的に又は代替的に、外側層126の一部分160は、空間154の端面部分162を少なくとも部分的に画定することができ、例えば、湾曲した又は別の方法で非線形の断面形状及び/又は構成を有し得る。
【0017】
環状リング110は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成であり得、任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リング110は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁部分(又はリング壁部分)164を含むことができる。リング壁部分164は、端部102に向かって配置されたリング縁部166と、リング縁部166に対して軸方向に離間した関係で端部104に向かって配置されたリング縁部168との間で軸方向に延在することができる。リング壁部分164は、半径方向内側に面し、長手方向軸AXを中心として周方向に、かつ端部102及び104に沿って軸方向に、及び/又は別様にそれらの間に延在する、内面部分170を含むことができる。リング壁部分164はまた、長手方向軸AXを中心として周方向に延在し、端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で軸方向に半径方向外側に面する外面部分172を含むことができる。
【0018】
トレッド本体112は、端部102と104との間で軸方向に延在することができ、トレッド縁部174は端部102に沿って配置され、トレッド縁部176は端部104に沿って配置される。トレッド本体112はまた、半径方向内側に面する内面部分178と、半径方向外側に面する外面部分180と、を含むことができる。1つ以上のトレッド構造182(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)は、任意選択的に、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の外面部分180に沿ってトレッド本体112上に予め形成され得、又はそうでなければトレッド本体内に延在してもよく、そのようなトレッド構造は、硬化プロセス中に、硬化された非空気入りタイヤ上に地面係合トレッド(又はトレッドパターン)を少なくとも部分的に画定するように適合される。
【0019】
上述したように、非空気入りタイヤ100の1つ以上の壁及び/又は壁部分は、少なくともこれらの壁及び/又は壁部分が本開示の主題による金型アセンブリ及び/又は製造方法を使用して硬化可能であるように、完全には硬化していない状態にあるエラストマー材料から形成することができる。例えば、トレッド本体112は、完全には硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成することができる。追加的に又は代替的に、構造体108の内側層124及び/又は外側層126のうちの1つ以上は、完全には硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成され得る。更なる例として、及び/又は別の代替として、支持構造体140は、任意選択的に、完全には硬化していないエラストマー材料の1つ以上の層を含むことができる。そのような構造の非限定的な例として、支持構造体140は、場合によっては、その端部146及び148がそれぞれ構造体108の内側層124及び外側層126内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、又は他の方法で配置され得る比較的剛性の材料(例えば、金属、繊維強化複合材)のシートから少なくとも部分的に形成され得る。追加的に又は代替的に、完全には硬化していないエラストマー材料の層は、凹面部分150及び/又は凸面部分152に沿って延在し、及び/又は少なくとも部分的に画定することができる。別の非限定的な例として、支持構造体140は、互いに隣接して配置された複数の比較的剛性のワイヤ及び/又はフィラメントから少なくとも部分的に形成され、シート状構造体を少なくとも部分的に形成するために、完全には硬化していないエラストマー材料のある量で少なくとも部分的に埋め込まれ得る。
【0020】
完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、例えば、天然ゴム、合成ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーなどの任意の好適なエラストマー材料又はエラストマー材料の組み合わせを含むことができることが理解されよう。更に、場合によっては、様々な構成要素が、一般的な完全には硬化していないエラストマー材料から形成され得ることが認識及び理解されるであろう。しかしながら、他の場合には、2つ以上の組成物、化合物及び/又はグレードの完全には硬化していないエラストマー材料を使用することができる。本明細書で使用される「完全硬化未満」などの用語は、「完全には硬化していない」エラストマー材料とは実質的に異なる材料及び/又は機械的特性を示す「完全に硬化された」又は「実質的に完全に硬化された」エラストマー材料を有する、熱、圧力及び/又は化学化合物にさらされたときに架橋又は他の方法で結合されるポリマー鎖を有するエラストマー材料を指す。好適な硬化プロセスの1つの非限定的な例には、天然ゴムエラストマー及び合成ゴムエラストマーの加硫が含まれる。
【0021】
1つ以上の完全には硬化していないエラストマー材料の任意の組み合わせが、完全には硬化していない非空気入りタイヤ例えば、(非空気入りタイヤ100)に使用され得るか、又は別様に含まれ得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができ、その各々の実質的に全てが「未硬化」又は実質的に完全に未硬化の状態にある。別の非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、「未硬化」又は実質的に完全に未硬化の状態にある1つ以上の量のエラストマー材料と、少なくとも部分的に硬化された状態にある1つ以上の量のエラストマー材料と、を含むことができる。更なる非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、部分的に硬化されているが完全には硬化していない状態にある1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができる。したがって、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、1つ以上の量の「未硬化」又は実質的に完全に未硬化のエラストマー材料、又は、1つ以上の量の部分的に硬化されているが完全には硬化していないエラストマー材料、又は、1つ以上の量の「未硬化」又は実質的に完全に未硬化のエラストマー材料と、1つ以上の量の部分的に硬化しているが完全には硬化していないエラストマー材料との両方を含むことができるが、これらに限定されないことを認識及び理解されたい。
【0022】
図3及び
図4は、ベース取付面BMSを有するプレスベースPRBを含む、他の点では従来のタイヤ硬化プレスTCPを概略的に例示する。タイヤ硬化プレスTCPはまた、ヘッド取付面HMSを有するプレスヘッドPRHを含む。プレスヘッドPRHは、例えば従来の方法で、線形ガイドロッドLGRに沿ってなど、プレスベースPRBに対して移動可能である。プレスヘッドPRHは、
図4に示す第2の位置すなわち下降位置に移動可能な第1の位置すなわち上昇位置に配置されているものとして
図3に示されており、この移動は
図3において矢印MVTによって表されている。タイヤ硬化プレスTCPは、それぞれ破線ボックスPFS、HFS、及びVCSによって
図3及び4に概略的に表されるような、1つ以上の加圧流体源、1つ以上の加熱流体源、及び/又は1つ以上の真空源を含むことができ、当技術分野で周知のように、プレスベースPRB及び/又はプレスヘッドPRH上に、それに沿って、又はそれと動作可能に関連付けられて含まれ得る。
【0023】
本開示の主題による金型アセンブリ200は、タイヤ硬化プレスTCP内に、或いはその上に、又はそれに沿って動作可能に支持されるものとして
図3~
図9に示されている。金型アセンブリ200は、プレスベースPRBのベース取付面BSM上に又はそれに沿って支持される金型セクション202と、プレスヘッドPRHのヘッド取付面HMS上に又はそれに沿って支持される金型セクション204と、を含む。金型セクション202及び/又は204は、例えば、1つ以上の導管又は通路206などを経由して、加圧流体を金型セクションに及び/又は金型セクションから移送するために好適な任意の様式で、加圧流体源PFS及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続されることができる。加えて、又は代替として、金型セクション202及び204は、例えば、導管又は通路208のうちの1つ以上を経由するなど、流体(加熱又は別様)を金型セクションに及び/又は金型セクションから移送するために好適な任意の様式で、加熱流体源HFS及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続されることができる。
【0024】
金型アセンブリ200は、タイヤ硬化プレスTCPの移動方向MVTに、又はそうでなければそれに沿って延在する金型軸MAXを含む。したがって、金型セクション202及び204は、タイヤ硬化プレスの動作中に互いに対して軸方向に変位可能であり、金型セクション202及び204は、金型アセンブリの開状態を表す
図3において離間して示されており、金型セクション202及び204は、金型アセンブリの閉鎖状態を表す
図4において互いに同延に係合して示されている。金型セクション202は、間隙硬化システム210と、金型セクション202内に金型キャビティ214を少なくとも部分的に画定するように間隙硬化システム210を中心に周方向に配置された複数のトレッドダイセグメント212と、を含む。金型セクション204は、金型セクション内に金型キャビティ218を少なくとも部分的に画定する表面部分216を含む。金型キャビティ218は、金型アセンブリの閉鎖状態において金型セクション202の少なくとも一部分を受容するように寸法決めされる。場合によっては、トレッドダイセグメント212の外面部分220は、金型セクションが閉鎖状態に向かって移動する際に、金型セクション204の表面部分216に当接係合することができる。
【0025】
例えば、
図3に矢印LOAで表され、
図4に示されるように、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に装填されるか、又は少なくとも部分的に金型キャビティ内に配置された状態で、トレッドダイセグメント212は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100のトレッド本体112と係合するように半径方向内側に変位される。このような半径方向の圧縮は、トレッド本体112の内面部分178を環状リング110の外面部分172と係合させる。加えて、そのような半径方向の圧縮は、環状リング110の内面部分170を付勢して、構造体108の外面部分138と係合させる。場合によっては、そのような半径方向圧縮はまた、構造体108の内面部分136を環状リング106の外面部分120と係合するように付勢することができる。更に、トレッドダイセグメント212は、非空気入りタイヤ100上に又はそれに沿って地面係合トレッドパターン(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)を少なくとも部分的に画定するために、そのような半径方向圧縮下でその外面部分180に沿ってトレッド本体112と係合するように延在する、概して反対側の表面部分220に沿って形成された特徴部を含む。
【0026】
図2~
図4に示すように、場合によっては、支持プレート222は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の端部102に沿って配置することができる。追加的に又は代替的に、支持プレート224は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の端部104に沿って配置することができる。含まれる場合、支持プレート222及び/又は224は、タイヤ硬化プレスTCPへの搬送中、非空気入りタイヤ100の金型アセンブリ200(又はその金型セクション)への装填/取り外し中、並びに/或いは支持構造体140及び/又は空間154を間隙硬化システム210及び/又は金型アセンブリ200の他の特徴部に対して長手方向軸AXの周りに回転的に位置指定する間、そうでなければ配置する間など、環状リング106、構造体108、環状リング110及び/又はトレッド本体112を互いに対して所望の軸方向位置(例えば、おおよその軸方向の位置合わせ)に維持するのを助けることができる。含まれる場合、支持プレート222及び/又は224は、それぞれ、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の支持構造体140及び/又は空間154に相補的な形状、構成、及び/又は構成を有する複数の開口部226及び228を含むことができる(例えば、軸AXから半径方向にオフセットされ、共通の周辺間隔で配置される)。したがって、支持プレート222及び/又は224は、含まれる場合、非空気入りタイヤ100と共に、金型キャビティ214内に配置され得、及び/又は間隙硬化システム210と同延に動作可能に係合されることができる。支持プレート222及び224はまた、好ましい構成において、非空気入りタイヤ100の(例えば、トレッド本体112を直径方向に横切る)おおよそ最外断面寸法以下である外側断面寸法を有する外周縁部230を含む。加えて、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択的に、内周縁部232を含むことができる。更に、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択で、位置合わせ隆起部234が非空気入りタイヤの一部分と軸方向に同延に、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の一部分(例えば、環状リング106の内面部分122)に動作可能に係合するように寸法決めされた位置合わせ隆起部234を含むことができる。
【0027】
図5~
図11に示すように、間隙硬化システム210は、
図7において破線で表される複数の硬化シューアセンブリ236を含み、これらは、金型軸MAXから半径方向にオフセットされ、金型軸の周りに互いに周方向に離間した関係で配置される。好ましい構成では、硬化シューアセンブリ236は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に配置されたときに、硬化シューアセンブリのうちの1つ以上が空間154のうちの1つの中に配置されるように構成される。このような構成では、硬化シューアセンブリ236は、硬化シューアセンブリが構造体108の1つ以上の壁及び/又は壁部分に対応して係合及び係合解除するように、選択的に作動及び作動停止(又は別様に解放)され得る。係合状態では、硬化シューアセンブリは、表面圧力を印加し、及び/又は熱を構造体108に伝達することができ、例えば、完全には硬化していないエラストマー材料から形成される構造体の1つ以上の壁及び/又は壁部分を実質的に硬化したエラストマー材料に移行させるように動作し得る。
【0028】
すなわち、作動状態では、硬化シューアセンブリ236は、当接係合し、それによって構造体108の内側層124に圧力を印加し、かつ/又は熱を伝達することができる。このような構成では、硬化シューアセンブリによる圧力の印加は、内側層を環状リング106に向かって付勢する。加えて、又は代替的に、硬化シューアセンブリ236は、作動状態において、当接係合し、それによって構造体108の外側層126に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達することができる。そのような構成では、硬化シューアセンブリによる圧力の印加は、外側層を環状リング110に向かって付勢する。更に、及び/又は別の代替例として、硬化シューアセンブリ236は、作動状態において、当接係合し、それによって支持構造体140に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達することができ、隣接する硬化シューアセンブリ236は、それらの間に配置された支持構造体に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達する。場合によっては、硬化シューアセンブリ236は、圧力及び/又は熱を支持構造体の端部146及び/又は148沿って圧力及び/又は熱を印加することができ、それによって、端部146及び/又は148がそれぞれ内側層124及び外側層126と埋め込まれた係合状態にあることを確実にする。
【0029】
本開示の主題による硬化シューアセンブリは、任意の好適なタイプ、種類、及び/又は構成であり得、任意の好適な様式で金型セクション202及び/又は204上に、及び/又はそれに沿って動作可能に接続され得ることが理解されるであろう。場合によっては、硬化シューアセンブリ236の各々は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持され得る。他の場合には、硬化シューアセンブリ236の各々は、金型セクション204上に又はそれに沿って支持され得る。更に他の場合では、硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持され得、硬化シューアセンブリ236の残りは、例えば、交互配置又はインターリーブ配置などで、金型セクション204上に又はそれに沿って支持され得る。
【0030】
1つの非限定的な例として、間隙硬化システム210は、支持プレート238を含むことができ、その上に又はそれに沿って、硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上を固定するか又は別様に支持することができる。加えて、間隙硬化システム210は、支持プレート238の反対側の硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上と動作可能に関連付けられた流体圧移送(又は分配)システム240を含むことができる。
図5~
図9に示す例示的な配置では、支持プレート238は、金型セクション202上又はそれに沿って支持することができ、流体圧移送システム240は、金型セクション204上又はそれに沿って支持することができる。このようにして、支持プレート238は、その上に支持された任意の1つ以上の硬化シューアセンブリ236及び流体圧移送システム240と共に、金型アセンブリ200の開状態で互いに分離されて、非空気入りタイヤ100の装填及び取り外しを可能にすることができる。次いで、支持プレート238は、その上に支持された任意の1つ以上の硬化シューアセンブリ236及び流体圧移送システム240と共に、金型アセンブリ200の閉鎖状態で互いに係合するように移動することができる。
【0031】
硬化シューアセンブリ236は、本開示の主題に従って、製造プロセス中に硬化シューアセンブリを作動及び作動停止させる(又は別の方法で解放若しくは後退させる)ように動作可能な構成要素の任意の好適な組み合わせを含むことができる。例えば、硬化シューアセンブリ236は、
図10及び
図11に示される後退位置(すなわち、作動停止状態)と、
図8に示され、
図11の破線EXTで表される伸長位置(すなわち、作動状態)との間の側方変位のために支持プレート238上に、又はそれに沿って支持される硬化シュー242、244を含むことができる。後退位置(すなわち、非作動状態)は、非空気入りタイヤ100を金型アセンブリ200に装填及び取り外しをするのに好適であり、伸長位置(すなわち、作動状態)は、非空気入りタイヤを硬化させる本製造プロセスを実行するのに好適であることが認識され、理解されるであろう。したがって、硬化シュー242、244は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の硬化可能な特徴に対応し得るような、互いに対して任意の好適な配向で、支持プレート上に又はそれに沿って支持され得ることが理解されるであろう。好ましい構成では、硬化シュー242、244は、硬化シューが完全に又は部分的に(例えば、鈍角の夾角で作用して)反作用力(例えば、硬化シュー244から層124への半径方向内側の圧力及び硬化シュー242から層126への半径方向外側の圧力)を生成するように、対向する方向に変位される。
【0032】
硬化シュー242及び/又は244は、任意の好適な数の壁、壁部分、表面及び/又は表面部分を含むことができる。場合によっては、硬化シュー242及び244は、例えば、支持構造体140及び/又は他の壁及び/又は非空気入りタイヤ100の壁部分の特徴及び/又は特性に相補的であるか、或いは少なくとも部分的に対応し得るような、異なるサイズ、形状及び/又はプロファイルであり得る。非限定的な例として、硬化シュー242及び244は、金型軸MAXとオフセットして位置合わせされて配置されたシュー軸SAXと、端面部分248と端面部分250との間で軸方向に延在するシュー本体壁246と、を含むことができる。シュー本体壁246は、端面部分248と250との間に軸方向に延在する外側縁部表面部分252を含み、外側縁部表面部分は、対向する硬化シューから概して離れて外側に面する。外側縁部表面部分252は、シュー軸SAXに対して横方向に取られた湾曲した断面プロファイルを有する。好ましい構成では、外側縁部表面部分252は、構造体108の内側層124の端面部分158及び/又は外側層126の端面部分162に相補的な又は別様に対応するプロファイル又は形状を有することができる。内側縁部表面部分254は、端面部分248と250との間で軸方向に延在し、対向する硬化シューに向かって内側に面する。シュー本体壁246はまた、端面部分248と250との間で軸方向に延在し、外側縁部表面部分252と内側縁部表面部分254との間で横方向に延在する側面部分256及び258を含む。側面部分256及び258は、シュー軸SAXに対して横方向に取られた湾曲した断面プロファイルを有し、側面部分256は、支持構造体140の凹面部分150に相補的であるか、又はそうでなければ対応することができる凸形状を有し、側面部分258は、支持構造体140の凸面部分152に相補的であるか、又はそうでなければ対応することができる凹形状を有する。
【0033】
硬化シュー242、244は、任意の好適な方法で、支持プレート238及び流体圧移送システム240上、支持プレートに沿って、又は支持プレートと流体圧移送システムとの間で動作可能に支持され得ることが理解されよう。1つの非限定的な例として、硬化シューアセンブリ236は、金型軸MAXとオフセットして位置合わせされて配置された部材軸RAX(
図10)、支持プレート238に沿って配置された端部262から、支持プレート238から軸方向に離れて端部262に対して離間した関係で配置された端部264に向かって軸方向に延在する作動部材260を含むことができる。好ましい構成では、作動部材260は、それに沿って軸方向に延在する1つ以上の円筒形ロッド部分260Rを含むことができ、作動部材上に又はそれに沿って支持された他の構成要素が部材軸RAXを中心に回転することを可能にする。作動部材260の端部262は、任意の好適な方法で支持プレート238上に又はそれに沿って固定することができる。1つの非限定的な例として、支持プレート238は、複数の穴又は通路266を含むことができ、作動部材260の端部262は、作動部材を支持プレート238上に又はそれに沿って固定するために、その中に少なくとも部分的に延在することができる。作動部材260の端部264は、金型アセンブリ200の閉鎖状態で流体圧移送システム240と協働して係合するように寸法決めすることができる。非限定的な例として、流体圧移送システム240は、複数の穴又は通路268を含むことができ、その中に作動部材260の端部264が少なくとも部分的に延在して、金型アセンブリの閉鎖状態で作動部材を軸方向及び/又は横方向に支持すると共に、以下に説明するように、他の動作特徴を提供することができる。
【0034】
硬化シュー242及び244は、硬化シューアセンブリ236の作動状態及び作動停止状態にそれぞれ対応する伸長位置と後退位置との間で硬化シューを変位させるのに好適である任意の方法で、作動部材260上に又はそれに沿って動作可能に接続することができる。例えば、硬化シューアセンブリ236は、シュー本体壁246内の通路274及びシューマウント270内の通路276を通って軸方向に延在して各シューマウントを対応する硬化シューに枢動可能に接続する取付けロッド272などによって、硬化シュー242及び244に動作可能に接続されるシューマウント270を含むことができる。場合によっては、シューマウント270は、対向する端部278と280との間で長さ方向に延在することができ、通路276がそれらの間で長さ方向に延在する。このような構成では、シューマウントの細長い構成により、硬化シューとシューマウントとの間の枢動接続が、1つ以上の取付けロッド272などによって互いに軸方向に離間した関係で配置され、これにより、硬化シューの表面部分252、256、及び/又は258に沿って均一にシューマウントに作用する伸長力を分散させて、構造体108の壁及び/又は壁部分の軸方向長さに沿ってほぼ均一に表面圧力を印加するのを助けることができる。
【0035】
伸長力及び/又は後退力は、任意の好適な様式で、及び/又は構成要素の任意の好適な組み合わせによって、シューマウント270を通して硬化シュー242及び244に伝達され得ることが理解されるであろう。非限定的な一例として、シューマウント270は、シュー軸SAXを横断する方向に貫通して延在する1つ以上の穴又は通路を含むことができる。非限定的な例として、シューマウント270は、端部278に沿ってそこを通って延在する穴又は通路282と、端部280に沿ってそこを通って延在する穴又は通路284とを含むことができる。場合によっては、シューマウント270は、通路282と284との間に軸方向に配置された、シューマウントを通って延在する穴又は通路286を任意選択的に含むことができる。
【0036】
硬化シュー242、244は、それに固定されたシューマウント270と共に、任意の好適な方法で作動部材260上に又はそれに沿って動作可能に接続され得る。例えば、硬化シューアセンブリ236は、作動部材260のロッド部分260R上に又はそれに沿って支持され、硬化シュー242に固定されたシューマウント270に動作可能に接続されたピボットヨーク288、290を含むことができる。加えて、硬化シューアセンブリ236は、作動部材260のロッド部分260R上に又はそれに沿って支持され、硬化シュー244に固定されたシューマウント270に動作可能に接続されたピボットヨーク292、294を含むことができる。
【0037】
ピボットヨーク288~294は、いくらか異なる幾何学的形状を有するものとして示されているが、ピボットヨークは、場合によっては、壁及び/又は壁部分の実質的に同様の構成を有することができる。例えば、ピボットヨーク288~294は、スリーブ壁部分298を含むヨーク壁296と、スリーブ壁部分から半径方向外側に延在するフランジ壁部分300とを含むことができる。場合によっては、スリーブ壁部分298は、軸方向に離間したスリーブ壁部分の間に空間(番号なし)が含まれるように、スリーブ壁部分を動作可能に接続するフランジ壁部分300によって互いに軸方向に離間することができる。そのような場合、ピボットヨーク288、292は、任意選択的に、互いに軸方向に相互係合することができ、及び/又はピボットヨーク290、294は、任意選択的に、互いに軸方向に相互係合することができる。いずれの場合でも、スリーブ壁部分298は、ピボットヨーク288~294が作動部材に対して及び部材軸RAXの周りで互いに対して枢動又は別様に回転することができるように、作動部材260のロッド部分260Rに沿って延在するように寸法決めされたヨーク壁296を通る通路(番号なし)を少なくとも部分的に画定する。部材軸RAXに対して横方向に配向された1つ以上の穴又は通路は、ピボットヨーク288-294のフランジ壁部分を通って延在することができる。例えば、ピボットヨーク288、292は、そのフランジ壁部分を通って延在する穴又は通路302を含むものとして示されている。一方、ピボットヨーク290、294は、そのフランジ壁部分を通って延在する複数の穴又は通路304、306を含むものとして示されている。しかしながら、他の構成及び/又は配置が交互に使用され得ることが理解されよう。
【0038】
ピボットヨーク288、290は、作動部材のロッド部分260R上に又はそれに沿って互いに別個に支持される。したがって、ピボットヨーク288、290は、ロッド部分上で、又はロッド部分に沿って、互いに向かって、及び互いから離れるように軸方向に変位することができる。同様に、ピボットヨーク292、294は、作動部材のロッド部分260R上に又はそれに沿って互いに別個に支持される。したがって、ピボットヨーク292、294は、ロッド部分上で、又はロッド部分に沿って、互いに向かって、及び互いから離れるように軸方向に変位することができる。上述したように、ピボットヨーク288、292が互いに相互係合され、及び/又はピボットヨーク290、294が互いに相互係合される場合、硬化シューアセンブリの作動及び/又は作動停止中などに、ピボットヨーク288、292が一緒に軸方向に移動し、及び/又はピボットヨーク290、294が一緒に軸方向に移動することが理解されよう。
【0039】
シューマウント270は、ピボットヨーク288~294のフランジ壁部分300に、それらの間に枢動可能に取り付けられた1つ以上のリンク部材などの任意の好適な方法で枢動可能に接続され得る。例えば、硬化シューアセンブリ236は、ピボットヨーク288、292のフランジ壁部分300を対応するシューマウント270と枢動可能に相互接続するリンク部材308を含むことができる。リンク部材308は、そこを通って延在する穴又は通路310、312を含むことができ、これらはそれぞれ、穴282、302とおおよそ位置合わせされて配置され、それにより、ピボットピン314、316がそれぞれそこを通って延在して、フランジ壁部分と対応するシューマウントとの間でリンク部材を動作可能に接続することができる。別の例として、硬化シューアセンブリ236は、ピボットヨーク290、294のフランジ壁部分300を対応するシューマウント270と枢動可能に相互接続するリンク部材318を含むことができる。リンク部材318は、そこを通って延在する穴又は通路320、322を含むことができ、これらはそれぞれ、穴284、304とおおよそ位置合わせされて配置され、それにより、ピボットピン324、326がそれぞれそこを通って延在して、フランジ壁部分と対応するシューマウントとの間でリンク部材を動作可能に接続することができる。更なる例として、硬化シューアセンブリ236は、任意選択的に、ピボットヨーク290、294のランド壁部分300を対応するシューマウント270と枢動可能に相互接続するリンク部材328を含むことができる。リンク部材328は、そこを通って延在する穴又は通路330、332を含むことができ、これらはそれぞれ、穴286、306とおおよそ位置合わせされて配置され、それにより、ピボットピン334、336がそれぞれそこを通って延在して、フランジ壁部分と対応するシューマウントとの間でリンク部材を動作可能に接続することができる。場合によっては、ピボット接続部に更なる強度及び/又は安定性を提供するために、シューマウントの対向する側部及び対応するフランジ壁部分に沿ってなど、2つ以上のリンク部材を使用することができる。しかしながら、そのような構造は単なる例示であり、本開示の主題から逸脱することなく他の構成及び/又は配置が使用され得ることが理解されるであろう。
【0040】
硬化シューアセンブリ236は、アクチュエータ部材260に対して軸方向変位するように支持されたアクチュエータ部材338を含み、アクチュエータ部材260、338が互いに対して第1の軸方向に(例えば、互いに向かって)移動すると、ピボットヨーク288/292、290/294が互いに対して第1の軸方向に(例えば、互いに向かって)移動するようになっている。そのような変位は、硬化シュー242、244を作動状態と作動停止状態との間に、作動状態から、及び/又は作動状態と作動停止状態との間で移行させるように動作可能である。少なくともリンク部材308、318の互いに対する構成及び配置は、アクチュエータ部材260、338が互いに向かって又は互いから離れて移動する間に硬化シューが外側に拡張するかどうかを制御することができることが理解されよう。例えば、本明細書に示され説明される構成では、リンク部材308、318は、
図10に角度寸法AG1によって表されるように、互いに対して鋭角の夾角で配置される。このような構成では、穴312、322は、硬化シューアセンブリ236の作動停止状態において、穴310、312よりも互いに大きな距離だけ離間している。したがって、アクチュエータ部材260、338が互いに向かって変位すると、リンク部材308、318は互いに対して逆回転し、硬化シュー242、244を半径方向外側に押しやる。アクチュエータ部材260、338が互いから離れるように変位されると、硬化シューは、リンク部材の相対回転によって互いに向かって引き込まれる。
【0041】
上述したように、硬化シューアセンブリ236は、1つ以上の力アプリケータの任意の好適な組み合わせによって作動及び/又は作動停止され得る。例えば、金型アセンブリ200及び/又はその間隙硬化システム210は、例えば、加圧流体源PFSと連通可能に連結され得る。そのような場合、加圧流体源PFSからの加圧流体(例えば、空気、蒸気、水、油)は、硬化シューアセンブリの作動状態及び作動停止状態にそれぞれ対応し得るように、硬化シューアセンブリが伸長位置と後退位置との間で選択的に変位されるとき、硬化シューアセンブリへの力の印加を印加、平衡化、及び/又は別の様態で制御することができる。
【0042】
加圧流体源PFSによって印加、平衡化、及び/又は別の態様で制御される力は、任意の好適な方法で硬化シューアセンブリ236に選択的に印加、平衡化、及び/又は別の態様で伝達され得ることが理解されよう。1つの例示的な構成では、アクチュエータ部材338は、少なくともほぼ円筒形の内面部分を含むことができ、それにより、アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材260のロッド部分260R上又はロッド部分260Rに沿って同軸かつ同延に(例えば、伸縮自在に)変位することができる。金型アセンブリ200及び/又は間隙硬化システム210は、導管206を介して加圧流体源PFSと流体連通し、硬化シューアセンブリ236のアクチュエータ部材338と動作可能に関連付けられた流体圧力分配システム240を含むことができる。流体圧力分配システム240は、金型セクション204上に又はそれに沿って支持することができるベースプレート342を含むことができる。流体圧力分配システム240はまた、内側側壁344及び外側側壁346を含み、これらはベースプレート342上に支持され、外側側壁は内側側壁の半径方向外側に離間している。端壁348は、流体チャンバ350がそれらの間に少なくとも部分的に画定されるように、内側及び外側側壁344、346上に支持される。流体チャンバ350は、例えば導管206によるなど、任意の好適な方法で加圧流体源と流体連通して配置することができる。
【0043】
流体圧力分配システム240はまた、端壁348に沿って互いに周方向に離間した関係で支持される複数のピストンアセンブリ352を含む。ピストンアセンブリ352は、ピストンヘッド部分354とピストン端部分356との間に延在する。ピストンアセンブリ352は、ピストンヘッド部分354が流体チャンバ350と流体連通して配置され、ピストン端部分356が端壁を通って流体チャンバ350の外に延在するように、端壁348上に支持される。ピストン端部分356は、任意の好適な様式で硬化シューアセンブリの1つ以上のアクチュエータ部材338と動作可能に係合されることができる。1つの非限定的な例として、硬化シューアセンブリ236は、ピストンアセンブリ352のうちの1つ以上に動作可能に接続されたアクチュエータキャップ本体358を含むことができ、作動部材260及び/又はアクチュエータ部材338の端部264が延在するか又は別の態様で動作可能に係合され得る穴又は通路268を含むことができる。このような構成では、ほぼ均一な及び/又は別様に均衡のとれた流体圧力が、ピストンアセンブリ352の実質的に全てに印加され、ピストンアセンブリは、ほぼ共通かつ均一な作動力を、アクチュエータキャップ本体358の実質的に全て及びアクチュエータ部材338の実質的に全てに伝達する。
【0044】
使用及び動作中、金型セクション202、204が互いに向かって移動されるにつれて、アクチュエータキャップ本体358は、アクチュエータ部材338に動作可能に係合し、
図9において矢印AR1によって表されるように、アクチュエータ部材及びピボットヨーク288~294を部材軸RAXに沿って互いに向かって変位させる。このようなピボットヨーク288、292のピボットヨーク290、294側への変位は、
図9、
図11に矢印AR2で表されるように、硬化シュー242、244の外側方向及び/又は伸長位置への変位を生じさせる。アクチュエータ部材260、338がピボットヨーク288~294と共に部材軸RAXに沿って互いから離れるように変位されると、硬化シューアセンブリ236は作動停止され、硬化シュー242及び/又は244は、例えば、ピボットヨーク及び/又はシューマウントと動作可能に接続されたばね又は他の付勢部材などによって、後退位置に戻ることができる。
【0045】
硬化シューアセンブリ236によって、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100に圧力が印加されると、本発明の主題による方法は、完全には硬化していない非空気入りタイヤに熱を印加することも含むことができる。熱は、任意の好適な様式で、並びに/又は熱伝達機構及び/若しくはプロセスの任意の好適な組み合わせを通して、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100に伝達され得ることが理解されるであろう。一例として、金型アセンブリ200は、加熱流体源HFSと連通可能に連結することができる。そのような場合、加熱流体(例えば、空気、蒸気、水)は、金型アセンブリ200の通路及び/又はチャンバの任意の好適な組み合わせの中に循環され得る。例えば、金型アセンブリ200及び/又は間隙硬化システム210は、加熱流体源HFSに流体接続された加熱流体分配システム360を含むことができる。
【0046】
加熱流体分配システム360は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持することができるベースプレート362を含むことができる。加熱流体分配システム360はまた、ベースプレート362上に支持された内側側壁364及び外側側壁366を含むことができ、外側側壁は内側側壁の半径方向外側に離間している。支持壁238は、加熱流体チャンバ368を少なくとも部分的に画定するように、内側及び/又は外側側壁364、366上に、又はそれに沿って支持されることができる。そのような構成では、加熱流体は、例えば導管208などを介して、支持プレート238の通路370を通って構造体108の空間154の内外に移送され得る。加えて、場合によっては、硬化シュー242及び/又は244のシュー本体壁246は、加熱流体分配システム360と流体連通して配置され得、それを通って延在する熱伝達通路370を含むことができる。
【0047】
図12に示される非空気入りタイヤを製造する本開示の主題による製造方法400は、例えば、参照番号402によって
図12に表されるように、金型セクション202及び204のうちの1つなどの金型軸MAXを有する金型セクションを提供することを含むことができる。方法400はまた、例えば、硬化シューアセンブリ236などの1つ以上の硬化シューアセンブリを、
図12において参照番号404によって表されるように、金型軸MAXに対して半径方向にオフセットされた関係で金型セクション上に支持することを含むことができる。好ましい構成では、複数の硬化シューアセンブリ236が、少なくとも部分的に間隙硬化システム210を形成するように、金型軸MAXを中心として互いに離間した関係で配置される。方法400は、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100を提供することと、完全には硬化していない非空気入りタイヤを、
図12にそれぞれ参照番号406及び408で表されるように、1つ以上の硬化ブラダアセンブリと軸方向に同延の構成で金型セクション上又は金型セクションに沿って配置することとを更に含むことができる。方法400はまた、参照番号410及び412によってそれぞれ
図12に表されるように、1つ以上の硬化シューアセンブリを作動させ、次いで、非空気入りタイヤを硬化させることを含むことができる。
【0048】
特定の特徴部、要素、構成要素、及び/又は構造に関連して本明細書で使用されるとき、序数(例えば、第1、第2、第3、第4など)は、複数の異なる単数を示す、ないしは別の方法で特定の特徴部、要素、構成要素及び/又は構造を識別するために使用されてよく、請求項の用語によって具体的に規定されない限りは、いずれの順序又はシーケンスも示唆しない。更に、「横断」などの用語は、広く解釈されるべきである。したがって、「横断方向」などの用語は、ほぼ垂直な角度方向を含むがこれに限定されない、広範囲の相対的な角度方向を含むことができる。加えて、用語「周方向の」、「周方向に」などは広義に解釈されるべきであり、円形の形状及び/又は構成を含み得るが、これらに限定されない。これに関連して、用語「周方向の」、「周方向に」などは、「周縁の」、「周方向に」などの用語と同義であり得る。
【0049】
更に、「流動材料接合部」などの語句は、本明細書で使用される場合、液体又は他の流動性材料(例えば、溶融金属又は溶融金属の組み合わせ)が隣接する構成部品間に堆積又は他の方法で提示され、それらの間に固定された実質的に流体密封の接続を形成するように動作する任意の接合部又は接続を含むと解釈されるべきである。そのような流動材料接合部を形成するために使用することができるプロセスの例には、溶接プロセス、ろう付けプロセス、及びはんだ付けプロセスが含まれるが、これらに限定されない。そのような場合、構成部品自体からの任意の材料に加えて、1つ以上の金属材料及び/又は合金を使用して、そのような流動材料接合部を形成することができる。流動材料接合部を形成するために使用することができるプロセスの別の例は、隣接する構成部品間に固定された実質的に流体密封の接続を形成するように動作可能である接着剤を隣接する構成部品間に塗布すること、堆積させること、又は他の方法で提供することを含む。そのような場合、例えば、一液型及び/又は二液型エポキシなど、任意の好適な接着剤料又は材料の組み合わせを使用することができることが理解されよう。
【0050】
多数の異なる特徴部及び/又は構成要素が、本明細書に示され、記載される実施形態に示されているが、いずれの実施形態も全てのかかる特徴部及び構成要素を含むものとして具体的に示され、記載されていないことが認められよう。したがって、本開示の主題は、本明細書において示され、記載される、異なる特徴部及び構成要素の任意、かつ全ての組み合わせを包含することを意図しており、制限なく、任意の組み合わせで、特徴部及び構成要素の任意の好適な配置を使用できることが理解されるべきである。したがって、機構及び/又は構成要素の任意のかかる組み合わせを目的とする請求項は、本明細書に具体的に表現されているかどうかにかかわらず、本開示において根拠を見出すことを意図することが明確に理解されるべきである。本明細書に添付された特許請求の範囲を解釈する際に、特許庁及び本出願及び結果として得られる特許の読者を支援するために、出願人は、「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という単語が特定の請求項において明示的に使用されない限り、添付の請求項のいずれか又はいずれかの請求項要素が35 U.S.C.112(f)を行使することを意図しない。
【0051】
本開示の主題は前述の実施形態を参照して記載されており、構造及び開示された実施形態の構成部品間の構造上の相互関係がかなり強調されてきたが、他の実施形態を考案することができ、本明細書に記載の原則から逸脱することなく、例示され、記載された実施形態に多数の変更を加え得ることが理解されよう。明らかに、前述の「発明を実施するための形態」を読み、理解すると、他についての修正及び変更を思い付くであろう。したがって、前述の説明的事項は、本開示の主題の単なる説明であり、制限ではないと解釈されるべきであることが明確に理解されるべきである。したがって、本開示の主題は、そのような修正及び変更を全て含むものとして解釈されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤの製造方法であって、
長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクション上に硬化シューアセンブリを支持することであって、前記硬化シューアセンブリが、
前記第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材であって、前記第1の作動部材が前記金型軸と半径方向にオフセットして位置合わせされて配置されるようになっている第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に対する軸方向変位のために前記第1の作動部材に対して同軸関係で支持された第2の作動部材と、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から横方向に離間した第1の硬化シューと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から前記第1の硬化シューとは反対側の方向に横方向に離間された第2の硬化シューであって、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の互いに対する第1の軸方向の移動が前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させ、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の互いに対する前記第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向の移動が前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させるように前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材に動作可能に接続された、第2の硬化シューと、を含む、支持することと、
互いに周方向に離間した関係で配置された複数の支持構造体であって、複数の空間が互いに周方向に離間した関係で配置され、前記複数の空間のうちの1つが前記複数の支持構造体のうちの隣接する支持構造体の間にある、複数の支持構造体を含む、完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを提供することと、
前記硬化シューアセンブリが前記複数の空間のうちの1つの中に配置され、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと軸方向に同延に、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを前記第1の金型セクションに沿って配置することと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第1の軸方向に互いに対して変位させ、それによって、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように変位させて、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリと係合させ、前記非空気入りタイヤアセンブリに圧力を印加することと、
前記非空気入りタイヤアセンブリを硬化させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を前記第2の軸方向に互いに対して変位させ、それによって前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に引き込み、前記非空気入りタイヤアセンブリを前記硬化シューアセンブリに沿って取り外すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化シューアセンブリが、前記金型軸を中心にして互いに周方向に離間した関係で配置された複数の硬化シューアセンブリのうちの1つであり、前記第1の金型セクションに沿って前記完全には硬化していない非空気入りタイヤアセンブリを配置することが、前記複数の硬化シューアセンブリのうちの異なる1つの周囲に前記複数の空間の各々を配置することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
非空気入りタイヤを硬化させるための金型アセンブリであって、前記金型アセンブリが、
長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクションと、
前記第1の金型セクション上に支持された硬化シューアセンブリと、を備え、前記硬化シューアセンブリが、
前記第1の金型セクション上に支持された第1の作動部材であって、前記第1の作動部材が前記金型軸と半径方向にオフセットして位置合わせされて配置されるようになっている第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に対して同軸関係で支持され、前記第1の作動部材に対して軸方向変位する第2の作動部材と、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から横方向に離間した第1の硬化シューと、
前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材から前記第1の硬化シューとは反対側の方向に横方向に離間された第2の硬化シューと、を含み、
前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の第1の軸方向における互いに対する移動が、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから離れるように横方向に変位させ、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材の前記第1の軸方向とは反対側の第2の軸方向における互いに対する移動が、前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いに向かって横方向に変位させるように、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材に動作可能に接続されている、金型アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の作動部材が第1の円筒面部分を含み、前記第2の作動部材が第2の円筒面部分を含み、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が互いに伸縮自在に係合して、前記第1の円筒面部分及び前記第2の円筒面部分が互いに軸方向に同延である、請求項4に記載の金型アセンブリ。
【国際調査報告】