(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】pH調整されたアスコルビン酸溶液の調製
(51)【国際特許分類】
A61K 47/22 20060101AFI20240625BHJP
A61K 31/50 20060101ALI20240625BHJP
A61K 51/04 20060101ALI20240625BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240625BHJP
C07D 237/16 20060101ALN20240625BHJP
【FI】
A61K47/22
A61K31/50
A61K51/04
A61K9/08
C07D237/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577510
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022066481
(87)【国際公開番号】W WO2022263592
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】305040710
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100131990
【氏名又は名称】大野 玲恵
(72)【発明者】
【氏名】マクロビー,グレイム
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル,トーグリム
(72)【発明者】
【氏名】ウィケネ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】カーン,イムティアズ アハメド
(72)【発明者】
【氏名】グリッグ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,アラン
(72)【発明者】
【氏名】シェールズ,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076CC11
4C076DD59Q
4C076FF11
4C076FF63
4C076FF65
4C085HH03
4C085JJ02
4C085KA29
4C085KB20
4C085KB55
4C085KB56
4C085LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC41
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA17
4C086NA03
4C086ZC78
(57)【要約】
2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製する方法であって、アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液を用意するステップであり、初期溶液が5.0~8.0のpHを有する、ステップと、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るステップとを含む方法が提供される。放射性標識化合物の放射線安定剤としての、記載される方法によって調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の使用も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製する方法であって、
アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液を用意するステップであり、初期溶液が5.0~8.0のpHを有する、ステップと、
前記初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記初期溶液が5.8~6.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期溶液中のアスコルビン酸濃度が1mg/mL~100mg/mLである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記初期溶液中の前記塩基が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記塩基が水酸化ナトリウムである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の酸が鉱酸である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記鉱酸が、リン酸、硝酸、硫酸、塩酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記鉱酸がリン酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得る前に、前記初期溶液が少なくとも12時間の期間保存される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
放射性標識化合物の放射線安定剤としての、請求項1から9のいずれかに記載の方法によって調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の使用。
【請求項11】
放射性標識化合物を安定化させる方法であって、
請求項1から9のいずれかに記載の方法に従って、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製するステップと、
前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を放射性標識化合物と組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項12】
放射性標識化合物の精製中に前記放射性標識化合物を安定化させる方法である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記精製が、固相抽出(SPE)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による放射性標識化合物の精製であり、
2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液を前記放射性標識化合物と組み合わせるステップが、
a)前記放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードする前に、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を前記放射性標識化合物と混合すること、または
b)前記放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードし、前記SPEカートリッジまたはHPLCカラムを、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄すること、または
c)前記放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードする前に、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の一部を前記放射性標識化合物と混合し、前記放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードし、前記SPEカートリッジまたはHPLCカラムを、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の一部で洗浄すること
によって行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
精製が自動精製システムにおいて実行される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
放射性標識化合物を含む反応混合物の精製のためのシステムであって、
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であり、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含み、
前記構成要素が、
a)反応混合物を受け取るための組成物バイアル、
b)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルで、前記初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
c)第2の酸のバイアル、
d)1つまたは複数のSPEカートリッジ、ならびに
e)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含む、システム。
【請求項16】
前記初期溶液および/または前記第2の酸が、請求項2から8のいずれかに記載の通りである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のシステムを使用した放射性標識化合物の精製中に、前記放射性標識化合物を安定化させるための方法であって、
(i)前記第2の酸を初期のアスコルビン酸溶液と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を得るステップ、
(ii)放射性標識化合物を含む反応混合物を前記組成物バイアルから前記1つまたは複数のSPEカートリッジのうちの少なくとも1つに移すステップ、
(iii)SPEカートリッジから精製される化合物を溶出するステップ
を含み、
a)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を前記反応混合物と混合するステップ、
b)ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、前記1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ、または
c)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の一部を前記反応混合物と混合し、ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、前記1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ
をさらに含む、方法。
【請求項18】
2.0~4.0のpHを有する前記水性アスコルビン酸溶液が、精製された放射性標識化合物中に存在しない、請求項12、13または17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
2.0~4.0のpHを有する前記アスコルビン酸溶液が、2.0~3.2、2.0~3.0、または2.1~2.6のpHを有する、請求項1から14または17に記載の使用または方法。
【請求項20】
前記放射性標識化合物が放射性医薬品である、請求項10から19のいずれかに記載の使用、方法、またはシステム。
【請求項21】
前記放射性標識化合物が、
(i)F-18標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)C-11標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)C-14標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)I-123標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)I-124標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)I-125標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)I-131標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)Br-75標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(ix)Br-76標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(x)Br-77標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xi)Br-78標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xii)O-15標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xiii)N-13標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xiv)P-32標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xv)Cu-62標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xvi)Ga-67標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xvii)Ga-68標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xviii)Rb-82標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xix)Sr-89標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xx)Tc-99m標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xxi)In-111標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xxii)Sm-153標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xxiii)Re-186標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
(xxiv)Tl-201標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、
またはそれらの組合せ
を含む、請求項20に記載の使用、方法、またはシステム。
【請求項22】
前記放射性標識化合物が、F18標識放射性医薬品またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項21に記載の使用、方法、またはシステム。
【請求項23】
前記放射性標識化合物が、[F-18]FDG(2-デオキシ-2-[18F]フルオロ-D-グルコース)、[F-18]FMAU(2’-デオキシ-2’-[18F]フルオロ-5-メチル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルウラシル)、[F-18]FMISO([18F]フルオロミソニダゾール)、[F-18]FHBG(9-(4-[18F]-フルオロ-3-[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン)、[18F]FES(16a-[18F]-フルオロ-17b-エストラジオール)[F-18]AV-45、[F-18]AV-19、[F-18]AV-1、[F-18]フルテメタモル、[F-18]フルルピリダズ、[F-18]K5、[F-18]HX4、[F-18]W372、[F-18]VM4-037、[F-18]CP18、[F-18]ML-10、[F-18]T808、[F-18]T807、2-[F-18]フルオロメチル-L-フェニルアラニン、[F-18]フルシクラチド、GE-212、GE-226、またはそれらの組合せを含む、請求項22に記載の使用、方法、またはシステム。
【請求項24】
前記放射性標識化合物が[F-18]フルルピリダズ:
【化1】
を含む、請求項23に記載の使用、方法、またはシステム。
【請求項25】
a)
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であって、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含むカセット、
b)1つまたは複数の組成物バイアル、
c)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルであり、前記初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
d)第2の酸のバイアル、
e)1つまたは複数のSPEカートリッジ、ならびに
f)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、pH調整されたアスコルビン酸溶液を調製する方法、放射性標識化合物の安定剤としてのそのような溶液の使用、ならびに放射性標識化合物を含む反応混合物を精製するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスコルビン酸は、多くの産業用途を有する。しかし、それは、溶液中で化学的に不安定であることが公知である。例えば、水性アスコルビン酸溶液(pH2の領域内)は、数時間後に黄色に変わる。薬局方は、光、金属イオン、および高温からの保護を確実にした、アスコルビン酸溶液のほんの短期間の保存を推奨する。これは、水性アスコルビン酸溶液が使用当日に調製されることが典型的には必要であることを意味する。
【0003】
アスコルビン酸の1つの用途は放射線安定剤としてである。放射線安定剤は、放射性核種を含有する医薬化合物である放射性医薬品の製造において使用され得る。特にアスコルビン酸は、低pHで、すなわち、そのプロトン化状態において、より効率的な放射線安定剤である。比較的高い濃度で、放射線は、放射線分解による放射性医薬品の分解を引き起こし得るので、放射線安定剤は必要である。これは、放射能が密なバンドでカラムに濃縮され得る精製中に特に可能性が高い。放射線分解を最小限にし、プロセス収率および放射化学的純度(RCP)を改善するために、放射性医薬品は、アスコルビン酸で安定化され得る。
【0004】
自動合成システムは、放射性医薬品の生成に重要である。先行技術の合成システムは、国際公開第2007/042781号パンフレットおよび国際公開第2011/097649号パンフレットに記載される。
【0005】
FASTlab(登録商標)(GE Healthcare)などの合成システムは、臨床用途のための放射性医薬品の用量の生成を提供する。FASTlab合成装置は、放射性医薬品を生成するためのデバイスにより方法を作動させる。
【0006】
そのような合成システム/デバイスは、特定の放射性医薬品のためにカスタマイズされたカセットと共に使用される。そのようなカセットは、典型的には、流路、および必要な試薬バイアル、反応容器、精製カートリッジ、シリンジ、配管、コネクターなどの特定の放射性医薬品を合成するために使用されるいくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、前記流路に沿って方向付けられた弁を含む。デバイスは、ポンプ、シリンジ、弁などを作動させ、ならびに原動ガス(例えば窒素)の供給および真空の適用を制御することによって、デバイスにより放射性同位体を有する源流体を駆動して、化学合成プロセスを達成できるように、カセットの構成要素を協同的に係合するように構成される。
【0007】
完全自動の単回使用カセットタイプ合成製品は、全ての必要な合成および精製構成要素を組み込むであろう。合成および精製のための全ての必要な試薬を有し、すぐに使用できる放射性医薬品を提供するために使用者からの最低限の投入を必要とする、最終使用者に提供され得るシステムは、商業的に魅力的である。アスコルビン酸は、商業的に実現可能となるのに長い十分な貯蔵寿命を有しないので、有効な放射線安定剤であるにもかかわらず、自動の単回使用カセットタイプ製品においてアスコルビン酸を使用することに課題がある。使用前のアスコルビン酸分解に起因する短い貯蔵寿命によってもたらされる課題を克服する酸性の水性アスコルビン酸溶液(pH2~4の領域内)の生成を可能にする方法を提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様では、本発明は、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製する方法であって、アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液を用意するステップであり、初期溶液が5.0~8.0のpHを有する、ステップと、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るステップとを含む方法を提供する。
【0009】
第2の態様では、本発明は、放射性標識化合物の放射線安定剤としての、本発明の第1の態様の方法によって調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の使用を提供する。
【0010】
第3の態様では、本発明は、放射性標識化合物を安定化させる方法であって、本発明の第1の態様の方法に従って、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製するステップと、水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を放射性標識化合物と組み合わせるステップとを含む方法を提供する。
【0011】
第4の態様では、本発明は、放射性標識化合物を含む反応混合物の精製のためのシステムであって、
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であり、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含み、
構成要素が、
a)反応混合物を受け取るための組成物バイアル、
b)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルで、初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
c)第2の酸のバイアル、
d)1つまたは複数の固相抽出(SPE)カートリッジ、ならびに
e)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含む、システムを提供する。
【0012】
第5の態様では、本発明は、本発明の第4の態様で定義されたようなシステムを使用した放射性標識化合物の精製中に放射性標識化合物を安定化させるための方法であって、
(i)第2の酸を初期のアスコルビン酸溶液と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を得るステップ、
(ii)放射性標識化合物を含む反応混合物を組成物バイアルから1つまたは複数のSPEカートリッジのうちの少なくとも1つに移すステップ、
(iii)SPEカートリッジから精製される化合物を溶出するステップ
を含み、
a)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を反応混合物と混合するステップ、
b)ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ、または
c)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の一部を反応混合物と混合し、ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ
をさらに含む、方法を提供する。
【0013】
2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液は、放射性標識化合物の精製のプロセスの前および/またはその最中にのみ存在し得る。2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液は、放射性標識化合物を含む精製された生成物の部分を形成しない。
【0014】
第6の態様では、本発明は、
a)
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であって、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含むカセット、
b)1つまたは複数の組成物バイアル、
c)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルであり、初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
d)第2の酸のバイアル、
e)1つまたは複数のSPEカートリッジ、ならびに
f)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明と共に使用され得るFASTlabカセットレイアウトの例を示す図である。
【
図2】精製プロセスにおいてアスコルビン酸の使用を伴って(下)および伴わずに(上)調製された[
18F]フルルピリダズの放射化学的純度を示すクロマトグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
用語「放射性医薬品」は、その従来の意味を有し、診断または治療における使用のためのin vivo哺乳動物投与に適した放射性化合物を指す。本明細書で言及されるような放射性医薬品は、PETトレーサーであり得る。
【0017】
用語「放射線安定剤」は、水の放射線分解から生じる酸素含有フリーラジカルなどの反応性の高いフリーラジカルを捕捉することによって、酸化還元プロセスなどの分解反応を阻害する化合物を意味する。放射線安定剤は、放射性標識化合物を放射線分解から保護し、したがって、放射性標識化合物の純度の低下をそれらの貯蔵寿命にわたって低減/防止する。放射性標識化合物を安定化させることへの本明細書における言及は、放射性標識化合物を放射線分解から保護することを指す。
【0018】
放射化学的純度(RCP)は、ラジオ薄層クロマトグラフィー(ラジオ-TLC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定され、クロマトグラムにおける(放射性標識された)原薬のピークの全体の(放射性標識された)ピークに対する比と定義され得る。高い放射能濃度(RAC)を有する放射性医薬品を製造する場合、保存中のRCPの低下は、より多くの放射線分解により、より低いRACより高くなる可能性が高い。高い放射能は、原薬それ自体の破壊(すなわち放射線分解)をもたらす。
【0019】
用語「含む」は、この出願全体を通してその従来の意味を有し、方法、システム、生成物などが、列挙された構成要素を有しなければならないが、他の特定されていない構成要素がさらに存在し得ることを暗示する。
【0020】
本明細書で言及されるような「バイアル」は、液体を含有するために使用され得る容器である。バイアルは、キャップ、栓または両方を使用して密封され得る。バイアルは、ガラスまたはプラスチックでできていてもよく、プラスチックもしくはゴムの栓、金属キャップ、または両方の組合せで密封され得る。バイアル内に含有される液体は、例えば、密封されたバイアルからシリンジで抜き取ることによって(例えば栓を通して)取り出され得る。バイアルは、透き通ったまたは透き通っていない(有色)ガラスまたはプラスチックで形成され得る。透明で非有色である透き通ったバイアルは、バイアルの中身を見えるようにして、例えば、溶液の色を調べることを可能にする。透き通っていない(または有色の)バイアルは、バイアルの中身を光から遮断するために、例えば、光による分解を防止するためにこれが必要である状況において使用され得る。本明細書で言及されるような「アンプル」は、アンプルの中身を放出するために首をポキッと折ることが必要であるように、密封された首を形成するためのコンテナの上部の溶融によって密封されたガラスコンテナである。本明細書で言及されるようなバイアルは、好ましくはアンプルではない。
【0021】
本明細書で言及されるような「不活性ガス」は、例えば、窒素、アルゴン、またはそれらの混合物であり得る。不活性ガスは、欧州薬局方品質のものであり得る。
【0022】
第1の態様では、本発明は、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製する方法であって、アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液を用意するステップであり、初期溶液が5.0~8.0のpHを有する、ステップと、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るステップとを含む方法を提供する。
【0023】
塩基の添加により5.0~8.0のpHにpH調整されたアスコルビン酸の水性溶液は、良好な安定性を示すことが決定された。低pHアスコルビン酸溶液に見られる分解は、5.0~8.0のpHを有する溶液には観察されない。したがって、このプロセスは、アスコルビン酸溶液が安定なpH調整された形態で保存されることを可能にすることによって、短い貯蔵寿命の問題を軽減しながら、低pHアスコルビン酸溶液(例えば、pH2.0~4.0、好ましくは2.0~3.0の)が使用前に調製されることを可能にする。そのような方法は、例えば、使用前に低pHアスコルビン酸溶液(例えば、pH2.0~4.0、好ましくは2.0~3.0の)を調製するために使用され得る、予め混合されたpH調整されたアスコルビン酸溶液を利用する自動システムにおいて使用され得る。
【0024】
初期溶液のpHは、5.5~7.5、好ましくは5.8~6.7、より好ましくは5.8~6.5、より好ましくは6.0~6.5であり得る。
【0025】
初期溶液中のアスコルビン酸濃度は、1mg/mL~100mg/mLであり得る。濃度は10mg/mL~100mg/mLであり得る。濃度は10mg/mL~30mg/mLであり得る。
【0026】
初期水性溶液は、アスコルビン酸を水に溶解し、pHを塩基で調整することによって調製され得る。
【0027】
塩基は、金属水酸化物、金属炭酸塩、またはそれらの混合物であり得る。塩基は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選択され得る。塩基は水酸化ナトリウムであり得る。
【0028】
初期の水性アスコルビン酸溶液は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスでパージされ得る。
【0029】
第2の酸は、好ましくはアスコルビン酸ではないことが、当業者によって理解されるであろう。第2の酸は鉱酸であり得る。鉱酸は、リン酸、硝酸、硫酸、塩酸、およびそれらの混合物から選択され得る。鉱酸は、塩酸ではない鉱酸であり得る。鉱酸はリン酸であり得る。第2の酸は、例えば200~250mg/mLの酸濃度の水性溶液で提供され得る。
【0030】
初期溶液は、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得る前に、少なくとも12時間の期間保存され得る。初期溶液は、第2の酸と組み合わせる前に、少なくとも24時間、少なくとも7日、少なくとも6カ月または少なくとも1年、好ましくは少なくとも2年の期間保存され得る。
【0031】
初期溶液は、溶液および不活性ガスを含むバイアルで提供され得る。不活性ガスは、バイアルのヘッドスペースを満たし得る。バイアルは、透き通ったガラスバイアルであり得る。バイアルは栓および/またはキャップで密封され得る。初期溶液は、シリンジを使用して、例えば、第2の酸をバイアルにシリンジで注入することによって、第2の酸と組み合わせられ得る。
【0032】
2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るために、初期溶液は第2の酸と組み合わせられる。2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を提供するために、適切な量の第2の酸が使用され得ることが理解されるであろう。本発明の第1の態様の方法は、2.0~3.2、好ましくは2.0~3.0、より好ましくは2.1~2.6、例えば2.5のpHを有するアスコルビン酸溶液を調製するためのものであり得る。したがって、2.0~3.2、好ましくは2.0~3.0、より好ましくは2.1~2.6、例えば2.5のpHを有するアスコルビン酸溶液を得るために、初期のアスコルビン酸溶液は第2の酸と組み合わせられ得る。
【0033】
初期の水性アスコルビン酸溶液は、任意の追加の安定剤または保存剤を含めることを必要とすることなく、分解からの良好な安定性を示し得る。初期溶液は、金属錯化(キレート)剤を含まなくてもよい。例えば、溶液は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、ジメルカプトプロパノール、8-ヒドロキシキノリンおよびアミノポリカルボン酸(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)などの)、ならびにそれらの塩を含まなくてもよい。初期溶液は、いずれの放射性標識化合物も含まなくてもよい。溶液は、水に溶解されたアスコルビン酸および塩基から本質的になり得る。溶液内に、アスコルビン酸は、アスコルビン酸塩として、例えば、塩基が水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムである場合、アスコルビン酸ナトリウムとして存在し得ることが理解されるであろう。
【0034】
第2の態様では、本発明は、放射性標識化合物の放射線安定剤としての、本発明の第1の態様の方法によって調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の使用を提供する。使用は、放射性標識化合物の精製のプロセスの前またはその最中に、本発明の第1の態様の方法に従って調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を放射性標識化合物と組み合わせるステップを含み得る。精製は、SPEまたはHPLC精製であり得る。使用は、本発明の第1の態様の方法に従って調製される2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を放射性標識化合物と組み合わせて、放射性標識化合物およびアスコルビン酸を含む放射性医薬組成物を得るステップを含み得る。2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液は、放射性標識化合物の精製の前および/またはその最中にのみ存在し得る。
【0035】
第3の態様では、本発明は、放射性標識化合物を安定化させる方法であって、本発明の第1の態様の方法に従って、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を調製するステップと、水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を放射性標識化合物と組み合わせるステップとを含む方法を提供する。
【0036】
放射性標識化合物を安定化させる方法は、放射性標識化合物の精製中に放射性標識化合物を安定化させる方法であり得る。精製は、固相抽出(SPE)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による放射性標識化合物の精製であり得る。好ましくは、精製はSPEによる精製であり得る。精製は、1種または複数の不純物との混合物中の放射性標識化合物を含む反応混合物に実行され得る。2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を放射性標識化合物と組み合わせるステップは、a)放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードする前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を放射性標識化合物と混合すること、b)放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードし、SPEカートリッジまたはHPLCカラムを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄すること、またはc)放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードする前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の一部を放射性標識化合物と混合し、放射性標識化合物をSPEカートリッジまたはHPLCカラムにロードし、SPEカートリッジまたはHPLCカラムを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の一部で洗浄することによって行われ得る。放射性標識化合物の精製は、自動精製システムにおいて実行され得る。
【0037】
第4の態様では、本発明は、放射性標識化合物を含む反応混合物の精製のためのシステムであって、
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であり、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含み、
構成要素が、
a)反応混合物を受け取るための組成物バイアル、
b)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルで、初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
c)第2の酸のバイアル、
d)1つまたは複数のSPEカートリッジ、ならびに
e)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含む、システムを提供する。
【0038】
本発明のシステムは流路を有する。流路は、材料、特に流体、例えば、溶媒および反応混合物を輸送するのに適したチャネルである。流路は、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得ることを可能にするように構成され得る。「反応混合物」は、1種または複数の不純物との混合物中の放射性標識化合物を含み得る。
【0039】
2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液は、放射性標識化合物の精製の前および/またはその最中にのみ存在し得る。
【0040】
「流体接続される」は、流体がバイアルに入り、バイアルから出て、(選択的に)弁を通してシステムの他の部分に移ることができることを意味する。適した弁は、3つのポートおよび3つの関連するポートのうちの任意の2つを互いに流体連結させる一方で、第3のポートを流体隔離するための手段を有する三方弁であり得る。適した弁は、回転可能なストップコックを含むストップコック弁でもあり得る。
【0041】
システムはカセットを含み得る。カセットは、システムの構成要素のうちの1つまたは複数を収容する。カセットは、それに収容されていないシステムの任意の構成要素と接続するように構成され得る。
【0042】
システムは、放射性標識化合物の合成のためのシステムまたはデバイス、例えばFASTlabシステムにつなげられ得るか、またはそれに適合し得る。放射性標識化合物の合成のためのシステムまたはデバイスは、例えば国際公開第2011/097649号パンフレットに記載されるような放射性標識化合物前駆体からの放射性標識化合物の合成を提供し得る。したがって、放射性標識化合物の合成および精製のための統合されたシステムが提供されるように、システムは、放射性標識化合物の合成のためのシステムまたはデバイスと統合され得る。統合されたシステムは、完全に自動化され得る。
【0043】
システムは、溶出した放射性標識化合物を受け取るための生成物バイアル、溶出した不純物を受け取るための廃棄物バイアル、および移送ラインのうちの1つまたは複数も含み得る。
【0044】
初期溶液を含有するバイアルは、アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液であって、5.0~8.0のpHを有する初期水性溶液を用意し、溶液を不活性ガスで脱気し、溶液をバイアルに分注し、バイアルヘッドスペースを不活性ガスで脱気することによって調製され得る。次いでバイアルは、例えば、栓および/またはキャップを使用して密封され得る。
【0045】
溶液を不活性ガスで脱気するステップは、溶液を不活性ガスでバブリングすることを含む。溶液を通した不活性ガスのバブリングは、溶液を撹拌しながら実行され得る。このプロセスは、酸素および二酸化炭素などの望まれない溶解した反応性ガスを溶液から除去するのに有用である。不活性ガスは、窒素、アルゴン、またはそれらの混合物であり得る。不活性ガスは窒素であり得る。
【0046】
バイアルヘッドスペースを脱気するステップは、酸素および二酸化炭素などの望まれない反応性ガスをバイアルヘッドスペースから除去するのに有用である。バイアルのヘッドスペースは、アスコルビン酸および塩基の水性溶液によって占領されていないバイアル内の任意のスペースを指す。脱気は、不活性ガスをバイアルヘッドスペースに分注して、その中に存在する任意の他のガスを置き換えることを含む。不活性ガスは、窒素、アルゴン、またはそれらの混合物であり得る。不活性ガスは窒素であり得る。
【0047】
初期溶液は、アスコルビン酸を水に溶解し、pHを塩基で調整することによって調製され得る。
【0048】
初期溶液のpHは、5.5~7.5、好ましくは5.8~6.7、より好ましくは5.8~6.5、より好ましくは6.0~6.5であり得る。
【0049】
初期溶液中のアスコルビン酸濃度は、1mg/mL~100mg/mLであり得る。濃度は10mg/mL~100mg/mLであり得る。濃度は10mg/mL~30mg/mLであり得る。
【0050】
初期の水性アスコルビン酸溶液中の塩基は、金属水酸化物、金属炭酸塩、またはそれらの混合物であり得る。塩基は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選択され得る。塩基は水酸化ナトリウムであり得る。
【0051】
初期の水性アスコルビン酸溶液は、任意の追加の安定剤または保存剤を含めることを必要とすることなく、分解からの良好な安定性を示し得る。初期溶液は、金属錯化(キレート)剤を含まなくてもよい。例えば、溶液は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、ジメルカプトプロパノール、8-ヒドロキシキノリンおよびアミノポリカルボン酸(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)などの)、ならびにそれらの塩を含まなくてもよい。初期溶液は、いずれの放射性標識化合物も含まなくてもよい。溶液は、水に溶解されたアスコルビン酸および塩基から本質的になり得る。溶液内では、アスコルビン酸は、アスコルビン酸塩として、例えば、塩基が水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムである場合、アスコルビン酸ナトリウムとして存在し得ることが理解されるであろう。
【0052】
第2の酸は、好ましくはアスコルビン酸ではない。第2の酸は鉱酸であり得る。鉱酸は、リン酸、硝酸、硫酸、塩酸、およびそれらの混合物から選択され得る。鉱酸は、塩酸ではない鉱酸であり得る。鉱酸はリン酸であり得る。
【0053】
1つまたは複数の溶媒バイアルは、溶離液、例えば、水中アセトニトリル(例えば40%アセトニトリル)、水中エタノール(例えば45%エタノール溶液)、またはSPE溶出に適した別の溶媒系を含有する溶媒バイアルであり得る。
【0054】
第5の態様では、本発明は、本発明の第4の態様で定義されたようなシステムを使用した放射性標識化合物の精製中に放射性標識化合物を安定化させるための方法であって、
(i)第2の酸を初期のアスコルビン酸溶液と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液を得るステップ、
(ii)放射性標識化合物を含む反応混合物を組成物バイアルから1つまたは複数のSPEカートリッジのうちの少なくとも1つに移すステップ、
(iii)SPEカートリッジから精製される化合物を溶出するステップ
を含み、
a)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部を反応混合物と混合するステップ、
b)ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ、または
c)ステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の一部を反応混合物と混合し、ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、1つまたは複数のSPEカートリッジを、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄するステップ
をさらに含む、方法を提供する。
【0055】
2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液は、場合により、精製された放射性標識化合物中に存在しない。
【0056】
用語「溶出する」は、固相に結合した目的の1種または複数の化合物を放出する目的で、溶液をSPEカートリッジに通すことを指す。溶出は、有機溶媒をSPEカートリッジに通すことによって実行され得る。溶出するステップは、有機溶媒を収集のための移送ラインに通すことをさらに含み得る。有機溶媒は、有機溶媒と水の混合物であり得る。
【0057】
上記の方法は、1つまたは複数のSPEカートリッジをコンディショニングするステップ、すなわち、反応混合物を1つまたは複数のSPEカートリッジに移す前にSPE吸着剤をリンスするステップをさらに含み得る。コンディショニングステップは、ステップ(i)の後およびステップ(ii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液で行われ得る。
【0058】
上記の方法は、不純物を溶出するステップをさらに含み得る。不純物の溶出は、所望の生成物を溶出する上記のステップ(iii)の前および/または後に実行され得る。好ましくは、不純物の溶出は、所望の生成物を溶出する上記のステップ(iii)の前および後に実行され得る。
【0059】
1つまたは複数のSPEカートリッジが、ステップ(ii)の後およびステップ(iii)の前に、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄される場合、この洗浄は、1種もしくは複数の不純物(例えば、親水性化学的および放射化学的不純物)を溶出する、および/または反応混合物に使用された元の溶媒を洗い流すように作用し得る。1つまたは複数の溶出ステップは、追加の不純物を溶出し、および/または所望の放射性標識化合物をあるSPEカートリッジから別のSPEカートリッジに移送するために、水中アセトニトリル(例えば40%アセトニトリル)などの異なる溶媒系で行われ得る。1つまたは複数の溶出ステップは、1つまたは複数のSPEカートリッジが、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄された後に行われ得る。1つまたは複数の溶出ステップのいずれかの後に、1つまたは複数のSPEカートリッジが、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液の少なくとも一部で洗浄される溶媒交換ステップが続き得る。
【0060】
溶出ステップ(iii)は、水中エタノール溶液(例えば45%エタノール溶液)などの適当な溶離液で行われ得る。
【0061】
放射性標識化合物の精製は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%のRCPで放射性標識化合物を提供し得る。
【0062】
本発明の第4の態様の全ての構成は、本発明の第5の態様に準用する。本発明は、本発明の第5の態様に従って精製されるような化合物も提供する。
【0063】
本発明の様々な態様は、2.0~4.0のpHを有する水性アスコルビン酸溶液に言及する。これらの態様のいずれにおいても、水性アスコルビン酸溶液は、2.0~3.2、好ましくは2.0~3.0、より好ましくは2.1~2.6のpHを有し得る。
【0064】
本発明の任意の態様において言及されるような放射性標識化合物は放射性医薬品であり得る。放射性標識化合物はPETトレーサーであり得る。
【0065】
放射性標識化合物は、様々な放射性同位体を含み得る。例えば、放射性標識化合物は、(i)F-18標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(ii)C-11標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(iii)C-14標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(iv)I-123標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(v)I-124標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(vi)I-125標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(vii)I-131標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(viii)Br-75標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(ix)Br-76標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(x)Br-77標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xi)Br-78標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xii)O-15標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xiii)N-13標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xiv)P-32標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xv)Cu-62標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xvi)Ga-67標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xvii)Ga-68標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xviii)Rb-82標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xix)Sr-89標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xx)Tc-99m標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xxi)In-111標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xxii)Sm-153標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xxiii)Re-186標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xxiv)Tl-201標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの組合せであり得る。
【0066】
放射性標識化合物は、(i)F-18標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(ii)C-11標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(iii)C-14標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(iv)I-123標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(v)I-124標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(vi)I-125標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(vii)I-131標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(viii)Br-75標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(ix)Br-76標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(x)Br-77標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xi)Br-78標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xii)O-15標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xiii)N-13標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xiv)P-32標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xv)Cu-62標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xvi)Ga-67標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、(xvii)Ga-68標識放射性医薬品もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの組合せであり得る。
【0067】
放射性標識化合物は、F18標識放射性医薬品またはその薬学的に許容される塩であり得る。そのようなF18標識放射性医薬品の例は、[F-18]FDG(2-デオキシ-2-[18F]フルオロ-D-グルコース)、[F-18]FMAU(2’-デオキシ-2’-[18F]フルオロ-5-メチル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルウラシル)、[F-18]FMISO([18F]フルオロミソニダゾール)、[F-18]FHBG(9-(4-[18F]-フルオロ-3-[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン)、[18F]FES(16a-[18F]-フルオロ-17b-エストラジオール)、[F-18]AV-45、[F-18]AV-19、[F-18]AV-1、[F-18]フルテメタモル、[F-18]フルルピリダズ、[F-18]K5、[F-18]HX4、[F-18]W372、[F-18]VM4-037、[F-18]CP18、[F-18]ML-10、[F-18]T808、[F-18]T807、2-[F-18]フルオロメチル-L-フェニルアラニン、[F-18]フルシクラチド、GE-212、GE-226、またはそれらの組合せを含む。
【0068】
放射性標識化合物は、式(I):
【0069】
【化1】
(式中、Aは、N(R
7)、S、O、C(=O)、C(=O)O、NHCH
2CH
2O、結合、またはC(=O)N(R
7)から選択され、
存在する場合、Bは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキル、ヘテロアリール、およびイメージング部分から選択され、
存在する場合、Cは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキル、ヘテロアリール、およびイメージング部分から選択され、
Dは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキル、ヘテロアリール、およびイメージング部分から選択されるか、または
CおよびDは、それらが結合している原子と一緒になって3または4員の炭素環を形成し、
Gは、ハロまたはハロアルキルであり、
nは、0、1、2、または3であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7は、独立して、水素、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキル、およびイメージング部分から選択され、
R
8は、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキルであり、
Eは、結合、炭素、および酸素から選択され、但し、Eが結合である場合、BおよびCは存在せず、Dはアリールおよびヘテロアリールから選択されることとし、但し、Eが酸素である場合、BおよびCは存在せず、Dは水素、アルコキシアルキル、アリール、イメージング部分で場合により置換されているC
1~C
6アルキル、およびヘテロアリールから選択されることとし、
但し、少なくとも1つのイメージング部分が式(I)に存在することとする)の化合物であり得る。
【0070】
式(I)の置換基AはOであり得る。R8はtert-ブチルであり得る。Gはクロロであり得る。イメージング部分は、本明細書で言及されるような任意の放射性同位体、例えばF-18であり得る。
【0071】
放射性標識化合物は、以下の構造:
【0072】
【化2】
を有する[F-18]フルルピリダズであり得る。
【0073】
第6の態様では、本発明は、
a)
(i)流路、および
(ii)前記流路に沿って方向付けられた複数の弁であって、前記複数の弁の各々が、いくつかの構成要素のうちの1つに選択的に流体接続されている、複数の弁
を含むカセット、
b)1つまたは複数の組成物バイアル、
c)アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアルであり、初期水性溶液が5.0~8.0のpHを有する、バイアル、
d)第2の酸のバイアル、
e)1つまたは複数のSPEカートリッジ、ならびに
f)1つまたは複数の溶媒バイアル
を含むキットを提供する。
【0074】
初期溶液および/または第2の酸は、本発明の前述の態様のいずれかに関して定義された通りであり得る。流路は、初期溶液を第2の酸と組み合わせて、2.0~4.0のpHを有するアスコルビン酸溶液を得ることを可能にするように構成され得る。キットは、溶出した放射性標識化合物を受け取るための生成物バイアル、溶出した不純物を受け取るための廃棄物バイアル、および移送ラインのうちの1つまたは複数も含み得る。
【0075】
本発明の方法、システムおよびキットは、使用の準備ができるまで保存することができ、次いで、使用時にその場でpH調整され得る安定したアスコルビン酸溶液を、例えば有効な放射線安定剤として提供する。
【0076】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに記載される。
【実施例】
【0077】
[実施例1]
アスコルビン酸を用いたSPE精製による[
18
F]フルルピリダズの放射性合成
このプロセスは、
図1に示されるようなFASTlab(商標)カセットの仕組みを使用して実行した。この仕組みの構成要素は、アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアル1、第2の酸、この実施例ではリン酸のバイアル2、および2つのSPEカートリッジ3、4を含む。
【0078】
FASTlab(商標)プロセスの準備ステップ([18F]フッ化物の添加前)において、リン酸の溶液(225mg/mL、3.7mL)をアスコルビン酸の溶液(20mg/mL、pH6.5、61.5mL)に添加した。組み合わされた溶液は、2.5のpHおよび18.9mg/mLのアスコルビン酸濃度を有し、これを自動FASTlab(商標)合成において使用した。
【0079】
銀ターゲットを有するGE Medical Systems PETtraceサイクロトロンを使用して、[18O](p,n)[18F]核反応により、[18F]フッ化物(約345GBq)を生成した。3.2~4.8mLの総ターゲット体積を使用した。放射性フッ化物をWaters QMAカートリッジ(炭酸塩でプレコンディショニングした)に捕捉し、フッ化物を水(100μL)およびアセトニトリル(400μL)中の炭酸水素テトラブチルアンモニウム(22mg)の溶液で溶出した。窒素を使用して、溶液をQMAカートリッジから反応器容器に追いやった。窒素の定常流および真空下で、3×0.5mLアセトニトリル共沸乾燥ステップを含めて、[18F]フッ化物を110℃で約20分間乾燥した。アセトニトリル(1.7mL)中の前駆体(10.2mg)を乾燥した[18F]フッ化物に添加し、反応混合物を110℃で3分間加熱した。粗生成物を2MのNaOH(2.0mL)および水性アスコルビン酸(3.8mL)で希釈し、3分間静置した。次いで、粗生成物をtC18 SPEカートリッジ(Waters、製品番号WAT036800)にロードし、下記の方法を使用して精製した。
【0080】
SPEカートリッジを水性アスコルビン酸(13.4mL)で洗浄して、アセトニトリル、NaOHならびに親水性化学的および放射化学的不純物を洗い流した。次いで、SPEカートリッジを40%アセトニトリル(11.9mL)で洗浄してヒドロキシ不純物を除去した。この後、第1のSPEカートリッジを直列で第2のSPEカートリッジ(Waters、製品番号WAT036800)に接続し、2つをさらなる40%アセトニトリル(22.2mL)で洗浄して、[18F]フルルピリダズを第2のカートリッジに移送し、より親油性の化学的および放射化学的不純物を第1のSPEカートリッジに捕捉した。次いで、第2のSPEカートリッジをさらなる40%アセトニトリル(5.1mL)で洗浄した。次いで、第2のカートリッジを水性アスコルビン酸(20.1mL)で洗浄し、45%エタノール溶液(7mL)で溶出して、[18F]フルルピリダズを生成物バイアルに溶出した。45mLの生成物バイアルは、エタノール(約7%v/v)およびアスコルビン酸(35mg/mL)からなった。
【0081】
表1は合成の結果をまとめる。
【0082】
【0083】
[実施例2]
アスコルビン酸を用いないSPE精製による[
18
F]フルルピリダズの放射性合成
粗生成物を希釈し、SPEカートリッジを洗浄し、生成物バイアルを構成するために、アスコルビン酸の代わりに水を使用して、実施例1で概説したのと同じ手順を行った。
【0084】
表2は合成の結果をまとめる。
【0085】
【0086】
図2は、アスコルビン酸が存在するおよび存在しないSPE精製された生成物のクロマトグラムを示す。
【0087】
実施例1および2の結果は、精製ステップの部分としてアスコルビン酸を含めることは、より良好なプロセス収率(すなわち、精製中の生成物のより少ない放射線分解)およびより良好なRCPをもたらすことを示す。RCPが、生成物放出時に少なくとも95%であることが望ましい。
【0088】
[実施例3]
アスコルビン酸滴定
初期のアスコルビン酸溶液をリン酸と組み合わせることによって得られた溶液のpHがpH3以下であることを確実にするために、初期のアスコルビン酸溶液および第2の酸のバイアルの規格を合わせる必要がある。これは、以下の2つのシナリオによって説明される。初期のアスコルビン酸溶液および第2の酸のバイアルの規格、ならびに組み合わされた溶液のpHは表3に詳述される。
【0089】
【0090】
[実施例4]
アスコルビン酸(20.0mg/mL)バイアルの典型的な27.3Lバッチのための製造プロセス
本明細書に開示される方法における使用に適したアスコルビン酸および塩基の初期水性溶液を含有するバイアルは、以下に概説されるようなプロセスを使用して調製され得る。
【0091】
1.10分間マグネチックスターラー上で、122.85gの水酸化ナトリウムを3277.15gの注入用水に溶解する。
2.20分間マグネチックスターラー上で、546.0gのL-(+)-アスコルビン酸を22.5kgの注入用水に溶解する。混合しながら、溶液中を窒素ガスでバブリングし、光から保護する。
3.水酸化ナトリウム溶液をアスコルビン酸溶液に添加する。溶液を組み合わせた直後に、または好ましくは溶液を組み合わせながら混合を開始する。溶液中を窒素ガスでバブリングしながら10分間混合する。溶液は、これ以上光からの保護を必要としない。
4.溶液のpHを測定する。pHは5.8~6.5であるべきである。
5.注入用水を27.3Lまで適量添加することによってバッチの最終体積を調整する。
6.窒素でバブリングしながら15分間混合する。
7.0.2μmのフィルターを通して溶液を濾過してバイオバーデンを低減する。
8.100mLのタイプIガラスバイアルに分注する:窒素でいっぱいになるまで空のバイアルを窒素で脱気し(典型的には2秒)、アスコルビン酸(20.0mg/mL)をバイアルに分注し、バイアルヘッドスペースを脱気し(典型的には2秒)、栓およびキャップを付ける。
【0092】
本明細書に記載の本発明の実施形態が、広い実用および用途が可能であることは、当業者によって容易に理解されるであろう。したがって、本発明は、例示的な実施形態に関連して詳細に本明細書に記載されるが、この開示は、実施形態の説明および例示であり、例示的な実施形態の実施可能な開示を提供するために作成されることが理解されるべきである。本開示は、本発明の実施形態を限定する、または任意の他のそのような実施形態、適応、変形、修正および同等の構成を排除すると解釈されることを意図しない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0093】
1 アスコルビン酸および塩基の初期水性溶液のバイアル
2 リン酸のバイアル
3 SPEカートリッジ
4 SPEカートリッジ
【国際調査報告】