IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ システム デシュヤージュの特許一覧

<>
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図1
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図2
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図3
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図4
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図5
  • 特表-ワイパーシステムのワイパー 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ワイパーシステムのワイパー
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B60S1/46 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579388
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022067454
(87)【国際公開番号】W WO2022269086
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】2106852
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ミシェル、ジャラソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AF07
(57)【要約】
本発明は、支持体によって保持され、車両(1)のガラス張り面(4)を拭き取るように構成される少なくとも1つのワイパーブレード(24)を備える、車両(1)用のワイパーシステム(2)のワイパー(8)に関し、ワイパー(8)は、洗浄液を散布する洗浄システム(12)に接続されるように構成されたスポイラ(22)を含み、前記スポイラ(22)は、洗浄システム(12)に接続されるように構成された、洗浄液のための噴霧マニホールド(18)が提供される本体部(32)を含み、前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の主要延長方向(A)に沿って延び、少なくとも1つの列(48)の噴霧孔(30)を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)用のワイパーシステム(2)のワイパー(8)であって、
支持体によって保持され、車両(1)のガラス張り面(4)を拭き取るように構成される少なくとも1つのワイパーブレード(24)を含み、
前記ワイパー(8)は、洗浄液を散布する洗浄システム(12)に接続されるように構成されるスポイラ(22)を含み、
前記スポイラ(22)は、前記洗浄液のための噴霧マニホールド(18)が提供される本体部(32)を含み、前記噴霧マニホールドは、前記洗浄システム(12)に接続されるように構成され、
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の主要延長方向(A)に延び、噴霧孔(30)の少なくとも1つの列(48)を含み、
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つが、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有すること、および列(48)あたりの噴霧孔(30)の数が、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~60個であることを特徴とする、ワイパー(8)。
【請求項2】
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つは、0.01mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、前記列(48)あたりの噴霧孔(30)の数は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~10個である、請求項1に記載のワイパー(8)。
【請求項3】
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つは、0.02mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、前記列(48)あたりの噴霧孔(30)の数は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~5個である、請求項1または2に記載のワイパー(8)。
【請求項4】
前記噴霧孔の前記少なくとも1つの列(48)の少なくとも1つの噴霧孔(30)は、略円形形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項5】
前記噴霧孔の前記少なくとも1つの列(48)の少なくとも1つの噴霧孔(30)は、略矩形形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項6】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に整列される噴霧孔(30)の列(48)を1つだけ含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項7】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に整列される噴霧孔(30)の少なくとも2つの別個の列(48)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項8】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の主要延長方向(A)に延びる分配管(26)、および前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に沿って分布される複数のチャネル(28)を含み、前記チャネル(28)の各々は、前記分配管(26)と前記複数の噴霧孔(30)のうちの前記噴霧孔(30)との間に延びる、請求項1~7のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項9】
前記複数のチャネル(28)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に交差する方向に整列されるチャネル(28)の少なくとも2つの別個の整列(46)を含む、請求項8に記載のワイパー(8)。
【請求項10】
前記噴霧マニホールド(18)は、5°~30°の角度セクタにわたって前記分配管(26)の周りに径方向に分布されるチャネル(28)の複数の列(48)を含む、請求項8または9に記載のワイパー(8)。
【請求項11】
前記複数のチャネル(28)のうちの少なくともいくつかのチャネル(28)は、前記スポイラ(22)の前記本体部(32)にわたって千鳥状に配置される、請求項8~10のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項12】
噴霧孔の少なくとも1つの列(48)の前記噴霧孔(30)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に沿って均一に分布される、請求項1~11のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【請求項13】
前記噴霧孔(30)の合計区域は、1mm~3mmである、請求項1~12のいずれか一項に記載のワイパー(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス張り面のための、とりわけ車両のフロントガラスまたはリアウインドウのためのワイパーシステムの分野に関する。より具体的には、本発明は、洗浄システムと連携したそのようなワイパーシステムのワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両は、車両の前部に位置するガラス張り面を含み、故に運転者は、車両の前部の環境を見ることができる。ガラス張り面は、運転者が車両の前部の環境をはっきりと見ることができるように、透明かつ光学的にニュートラルでなければならない。その位置のために、車両が静止しているにしろ、路上を走行しているにしろ、ガラス張り面は、例えば、雨などの天候条件に曝されるだけでなく、特定の粒子または汚れにも曝され、これが、車両の前部における環境の運転者の視界を少なくとも部分的に妨害し得る。これらの様々な要素を取り除くため、車両は、車両のガラス張り面の外側の車両のガラス張り面上に存在する水および様々な要素を拭き取ること、故にこれを取り除くことができるワイパーシステムを含む。
【0003】
そのようなワイパーシステムが少なくともアームおよびワイパーを含むことは既知の慣例であり、アームは、その端の一方において車両に固定され、その反対端においてワイパーを保持する。アームは、より詳細には、車両に設置されるモータのシャフトに接続され、アームは、シャフトの主要延長方向の周りの往復運動で駆動されることができる。アーム自体が、ワイパーを車両のガラス張り面に対して駆動して、運転者の視界を妨害する水および要素を取り除く。
【0004】
これらの車両に、ガラス張り面上に存在する粒子または汚れの拭き取りを促進するために車両のガラス張り面に対して洗浄液を噴霧するように構成される洗浄システムを装備することは既知の慣例である。そのような洗浄システムは、洗浄されるべきガラス張り面のできる限り近くに車両のフードに設置される洗浄液噴霧ノズルを含み得、ならびに/または、洗浄液をさらにより近くかつさらにより均等に噴霧するためにワイパーシステムのアームおよび/もしくはワイパーに直接的に設置される噴霧マニホールドを含み得る。そのような噴霧マニホールドは、洗浄液噴霧孔の列を含む。
【0005】
ワイパーに沿って噴霧孔の列を設置することは既知の慣例である。このやり方では、噴霧孔の列は、ワイパーが通過するガラス張り面の拭き取られるべき領域の全体にわたって洗浄液を散布する。しかしながら、噴霧孔の形状は、ワイパーに沿ったそれらの分布と共に、ガラス張り面の最適なぬれ性を提供せず、このことが、ワイパーが通過した後のガラス張り面上の洗浄液の筋、またはガラス張り面の特定の領域における液体の不在を結果としてもたらす。
【0006】
本発明は、噴霧マニホールドを装備した既に存在するシステムと比較してガラス張り面のぬれ性を改善することを可能にする噴霧マニホールドを含むシステムを提案することにより、この文脈の範囲に入る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の主たる主題は、車両用のワイパーシステムのワイパーであって、支持体によって保持され、車両のガラス張り面を拭き取るように構成される少なくとも1つのワイパーブレードを含み、本ワイパーは、洗浄液を散布する洗浄システムに接続されるように構成されるスポイラを含み、スポイラは、洗浄液のための噴霧マニホールドが提供される本体部を含み、噴霧マニホールドは、洗浄システムに接続されるように構成され、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に延び、噴霧孔の少なくとも1つの列を含み、噴霧孔のうちの少なくとも1つが、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有すること、および列あたりの噴霧孔の数が、スポイラの主要延長方向において測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~60個であることを特徴とする、ワイパーである。
【0008】
言い換えると、本発明によるワイパーのスポイラは、洗浄液を散布する洗浄システムに接続されるように構成され、スポイラは、一方ではワイパーブレードの支持体のためのハウジングを区切り、他方ではハウジングと反対に突き出るフィンを含む本体部を含み、スポイラは、本体部を通って配設される洗浄液のための噴霧マニホールドを含み、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に延びる少なくとも1つの分配管を含み、分配管は、洗浄システムに接続されるように構成され、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に沿って分布される複数のチャネルを含み、噴霧マニホールドは、複数の噴霧孔を含み、チャネルの各々は、分配管と複数の噴霧孔のうちの噴霧孔との間に延び、チャネルのうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を含み、チャネルの数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~60個である。
【0009】
ワイパーは、一方ではスポイラ、および他方では車両のガラス張り面と接触状態にあることが意図されるワイパーブレードを含むということが上記から理解されるものとする。ワイパーブレードは、ワイパーブレードがスポイラに固定されるようなやり方でスポイラの本体部によって区切られるハウジングと相互作用することが意図される支持体を含む。
【0010】
噴霧マニホールドは、分配管、およびスポイラの外側に向かって分配管から径方向に延びる複数のチャネルを含む。各チャネルは、分配管内を流れる洗浄液がまた、専用の噴霧孔へ向かって各チャネルを通って流れるように、分配管と噴霧孔との間に延びる。
【0011】
本発明の任意選択の特徴によると、0.002mm~0.070mmのチャネルの通過区域は、噴霧孔に近い。
【0012】
0.002mm~0.070mmの通過区域は、洗浄液の霧化を促進し、この霧化が、車両のガラス張り面上での洗浄液のぬれ性を増加させる。
【0013】
さらには、1~60個のチャネルの数、および故に噴霧孔の数は、車両のガラス張り面に対する霧化洗浄液の散布を最適化する。具体的に言うと、噴霧孔は、故に、スポイラ全体に沿って配置され、スポイラ全体に沿った霧化洗浄液の規則的な散布を確実にする。
【0014】
本発明の任意選択の特徴によると、ワイパーのスポイラは、洗浄液を散布する洗浄システムに接続されるように構成され、スポイラは、一方ではワイパーブレードの支持体のためのハウジングを区切り、他方ではハウジングと反対に突き出るフィンを含む本体部を含み、スポイラは、本体部を通って配設される洗浄液のための噴霧マニホールドを含み、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に延びる少なくとも1つの分配管を含み、分配管は、洗浄システムに接続されるように構成され、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に沿って分布される複数のチャネルを含み、噴霧マニホールドは、複数の噴霧孔を含み、チャネルの各々は、分配管と複数の噴霧孔のうちの噴霧孔との間に延び、チャネルのうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を含み、チャネルの数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、3~100個である。
【0015】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.004mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0016】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.008mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0017】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.01mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0018】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.02mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0019】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.050mmの洗浄液通過区域を有する。
【0020】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.008mm~0.050mmの洗浄液通過区域を有する。
【0021】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~50個である。
【0022】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~40個である。
【0023】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~30個である。
【0024】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~20個である。
【0025】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~10個である。
【0026】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~5個である。
【0027】
本発明の任意選択の特徴によると、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、3~60個である。
【0028】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.01mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~10個である。
【0029】
本発明の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの列の噴霧孔のうちの少なくとも1つは、0.02mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、列あたりの噴霧孔の数は、スポイラの主要延長方向に測定される、10mmのスポイラの一部分にわたって、1~5個である。
【0030】
本発明の任意選択の特徴によると、噴霧孔の少なくとも1つの列の少なくとも1つの噴霧孔は、略円形形状を有する。
【0031】
言い換えると、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、分配管から円形形状を有する噴霧孔まで延びる。
【0032】
本発明の任意選択の特徴によると、噴霧孔の少なくとも1つの列の少なくとも1つの噴霧孔は、略矩形形状を有する。
【0033】
言い換えると、少なくとも1つのチャネルは、分配管から矩形形状を有する噴霧孔まで延びる。
【0034】
本発明の任意選択の特徴によると、噴霧孔の少なくとも1つの列の少なくとも1つの噴霧孔は、星形状を有する。
【0035】
言い換えると、少なくとも1つのチャネルは、分配管から星形状を有する噴霧孔まで延びる。
【0036】
本発明の別の任意選択の特徴によると、複数のチャネルは、分配管と各チャネル専用の噴霧孔との間に同じ区域を有する。
【0037】
本発明の別の任意選択の特徴によると、少なくとも1つの噴霧孔は、別の噴霧孔と異なる形状を有する。
【0038】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に整列される噴霧孔の列を1つだけ含む。
【0039】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に整列される噴霧孔の少なくとも2つの別個の列を含む。
【0040】
本発明の別の任意選択の特徴によると、複数の噴霧孔は、第1の形状を有する噴霧孔の第1のセット、および第2の形状を有する噴霧孔の第2のセットを含み、噴霧孔の第1のセットは、噴霧孔の第2のセットと交互にスポイラの主要延長方向に沿って分布される。
【0041】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に延びる分配管、およびスポイラの主要延長方向に沿って分布される複数のチャネルを含み、チャネルの各々は、分配管と複数の噴霧孔のうちの噴霧孔との間に延びる。
【0042】
本発明の別の任意選択の特徴によると、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に整列されるチャネルの少なくとも2つの別個の列を含む。チャネルの別個の列の数は、少なくとも2つであり、3つ、4つ、またはそれ以上であってもよいということに留意されたい。
【0043】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、スポイラの主要延長方向に沿って分布される複数のチャネルを含み、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に交差する方向に整列されるチャネルの少なくとも2つの別個の整列を含む。
【0044】
言い換えると、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に交差する方向に整列されるチャネルの少なくとも2つの別個の整列を含む。
【0045】
本発明の別の任意選択の特徴によると、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に対して垂直の方向に整列されるチャネルの少なくとも2つの整列を含む。
【0046】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、5°~30°の角度セクタにわたって分配管の周りに径方向に分布されるチャネルの複数の列を含む。この角度セクタは、ワイパーによって拭き取られるべきガラス張り面の領域に面するセクタである。
【0047】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧マニホールドは、5°~30°の角度セクタにわたって分配管の周りに径方向に分布される噴霧孔の複数の列を含む。
【0048】
本発明の別の任意選択の特徴によると、複数のチャネルのうちの少なくともいくつかのチャネルは、スポイラの本体部にわたって千鳥状に配置される。
【0049】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧孔の少なくとも1つの列の噴霧孔は、スポイラの主要延長方向に沿って均一に分布される。
【0050】
言い換えると、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に沿って均一に分布される。用語“均一”は、複数のチャネルが、スポイラの主要延長方向に沿って数回繰り返されるパターンを形成することを意味し、パターンは少なくとも1つの噴霧孔によって形成される。
【0051】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧孔の少なくとも1つの列の噴霧孔は、スポイラの主要延長方向に沿って不規則に分布される。
【0052】
言い換えると、複数のチャネルは、スポイラの主要延長方向に沿って不規則に分布される。
【0053】
本発明の別の任意選択の特徴によると、噴霧孔の合計区域は、1.0mm~3mmである。噴霧孔の合計区域は、すべての噴霧孔の区域の総和に相当する。
【0054】
第1の例によると、噴霧マニホールドは、規定の通過区域を有する特定の数のチャネルを含み得る。
【0055】
第2の例によると、噴霧マニホールドは、第1の例よりも大きい数のチャネルを含み得、チャネルは、第1の例における孔のものよりも小さい通過区域を有する。
【0056】
第3の例によると、噴霧マニホールドは、第1の例よりも小さい数のチャネルを含み得、チャネルは、第1の例における孔のものよりも大きい通過区域を有する。
【0057】
本発明の別の任意選択の特徴によると、ワイパーブレードの支持体は、スポイラのハウジング内に配置される。
【0058】
本発明の更なる特徴、詳細、および利点は、添付の概略図を参照して、以下の説明を読むことにより、および非限定的な指示を用いて与えられるいくつかの例示的な実施形態から、より明白に明らかになるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明によるワイパーを含むワイパーシステムを装備した車両を概略的に描写する図である。
図2】本発明によるワイパーシステムの詳細を示す図である。
図3】本発明によるワイパーのスポイラの透視図である。
図4図3に示されるスポイラの詳細を示す図である。
図5図3に示されるスポイラの複数の噴霧孔の第1の実施形態を描写する図である。
図6図3に示されるスポイラの複数の噴霧孔の第2の実施形態を描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明の特徴、変異形、および異なる実施形態は、それらが相容れない、または相互排他的でない限り、様々な組み合わせで、互いと組み合わされ得る。特に、これ以降に説明される特徴の選択のみを、説明される他の特徴とは別個に含む本発明の変異形を考え出すことは、このような特徴の選択が、技術的利点を与える、および/または本発明を先行技術と区別するのに十分である場合、可能である。
【0061】
以下の説明において、用語“縦”、“横”、および“垂直”は、本発明によるスポイラの向きを指す。縦方向は、スポイラの主要延長方向に相当し、この縦方向は、図に示される座標系L、V、Tの縦軸Lに平行である。垂直方向は、スポイラのフィンが延びる方向に相当し、この垂直方向は、座標系L、V、Tの垂直軸Vに平行であり、この垂直軸Vは、縦軸Lに対して垂直である。最後に、横方向は、座標系L、V、Tの横軸Tに平行の方向に相当し、この横軸Tは、縦軸Lおよび垂直軸Vに対して垂直である。
【0062】
図1に示されるように、車両1は、車両1のガラス張り面4上に配置されるワイパーシステム2を装備される。ワイパーシステム2は、第1のワイパー8および第1のワイパーアーム10からなる少なくとも第1のワイパーデバイス6を含む。第1のワイパーアーム10は、その端の一方で車両1に、その端の他方で第1のワイパー8に固定され、第1のワイパー8は、車両1のガラス張り面4上に配置される。より詳細には、第1のワイパーアーム10は、電気モータを構成する駆動アームに固定され、駆動アームおよび電気モータは、図のすべてにおいて示されない。
【0063】
電気モータは、第1のワイパーアーム10を往復運動で駆動する傾向があり、こうして第1のワイパーアーム10は、第1のワイパー8を車両1のガラス張り面4上でのこの往復運動で駆動する。この運動のおかげで、第1のワイパー8は、車両1のガラス張り面4をこすってそれを洗浄する。ワイパーシステム2は、第2のワイパー8および第2のワイパーアーム10を含む、第1のワイパーデバイス6と同じ特徴を有する第2のワイパーデバイス6を含む。
【0064】
さらには、用語“ワイパーデバイス6”は、第2のワイパーデバイス6に関して第1のワイパーデバイス6を等しく指し得る。同様に、用語“ワイパーアーム10”は、第2のワイパーアーム10に関して第1のワイパーアーム10を等しく指し得る一方、用語“ワイパー8”もまた、第2のワイパー8に関して第1のワイパー8を等しく指し得る。
【0065】
加えて、第2のワイパーデバイス6の構成要素は、第1のワイパーデバイス6の構成要素と同一である。故に、第1のワイパーデバイス6の構成要素の特徴の以下の説明は、第2のワイパーデバイス6の、特に、第2のワイパー8および第2のワイパーアーム10のための、構成要素に適用可能である。
【0066】
車両1はまた、ワイパーシステム2によるガラス張り面4の拭き取りを最適化するために洗浄液を車両1のガラス張り面4上に噴霧する洗浄システム12を装備される。この目的のため、洗浄システム12は、洗浄液を貯蔵容器から、分配ネットワーク16を通じて少なくとも1つの噴霧マニホールド18の方へ前進させるポンプ14を含む。分配ネットワーク16は、ポンプ14を、第1のワイパー8に提供される少なくとも第1の噴霧マニホールド18に接続する。分配ネットワーク16は、ポンプ14を、第1の噴霧マニホールド18と同様に、第2の噴霧マニホールド18に接続し、この第2の噴霧マニホールド18は、第2のワイパー8上に配置される。説明の残りでは、用語“噴霧マニホールド18”は、第1および第2の噴霧マニホールド18のうちの一方および/または他方を等しく指す。
【0067】
図1および図2に概略的に示されるように、本発明によるワイパー8は、少なくとも1つのスポイラ22およびワイパーブレード24を含み、これらは両方とも主に縦方向Lに延びる。ワイパーブレード24は、車両1のガラス張り面4と直接接触状態にあるワイパー8の要素である。スポイラ22は、ワイパーブレード24を押圧して、車両1のガラス張り面4と接触状態にしたままにするために、車両1が走行しているとき、風によって生成される力を使用することによってワイパー8の空気力学を最適化する要素である。さらには、ワイパーブレード24は、スポイラ22によって保持されることが意図される支持体を含み、スポイラ22は、支持体のためのハウジング25を含む。ワイパーブレード24の支持体は、ワイパーブレード24をスポイラ22に固定するためにスポイラ22のハウジング25と相互作用するということに留意されたい。
【0068】
スポイラ22は、これより、図2図6を特に参照してより詳細に説明される。
【0069】
図2図4には、本発明によるワイパー8のスポイラ22が、より具体的に例証される。ワイパー8は、洗浄液を噴霧するために少なくとも噴霧マニホールド18を含み、噴霧マニホールド18は、洗浄液のための少なくとも1つの分配管26、および分配管26と複数の噴霧孔30との間に延びる複数のチャネル28を含む。より具体的には、分配管26は、洗浄システム12の分配ネットワーク16に接続され、後者のポンプ14は、洗浄液の流れを分配管26へと強いる。次いで、洗浄液は、分配管26からチャネル28を通って、各チャネル28に割り当てられる噴霧孔30の方へ流れる。洗浄液は、噴霧孔30において車両1のガラス張り面4に対して噴霧されるということに留意されたい。この構成では、洗浄システム12のポンプ14は、洗浄液の流れを貯蔵容器20から噴霧孔30へ強いることを可能にする。
【0070】
噴霧マニホールド18のより詳細な説明は、図2図4に言及する以下に明記されるスポイラ22の一般的な説明の後に提供される。
【0071】
スポイラ22は、少なくとも1つの上壁34からなる本体部32を含み、少なくとも1つの上壁34から少なくとも1つのフィン36および噴霧マニホールド18が突き出る。
【0072】
図2図4に例証される例によると、本体部32は、少なくとも2つの側壁38および上壁34を含み、これが、ワイパーブレード24の支持体のためのハウジング25を区切るのに役立つ。より具体的には、上壁34は、縦方向Lおよび横方向Tに平行の平面に主に延びる。側壁38は各々、縦方向Lおよび垂直方向Vに平行の平面に延び、各々、上壁34の横端のうちの一方から延びる。側壁38の各々は、上壁34から、フィン36とは反対に、他方の側壁38を向いて延びる。
【0073】
言い換えると、スポイラ22の側壁38および上壁34は、側壁38の区域および上壁34の区域が“U”形状を有するように延び、この区域は、スポイラ22の主要延長方向Aに対して垂直の平面において見られ、この主要延長方向Aは、縦方向Lに実質的に平行である。側壁38が“U”のアームを形成すること、および上壁34が“U”の底を形成することに留意されたい。
【0074】
側壁38の各々は、一方の自由端において、固定爪40を有し、これは上記自由端から他の固定爪40へ向かって延びる。各固定爪40は、一方では、ワイパーブレードの支持体のためのハウジング25を区切ること、および他方では、ワイパーブレード24の支持体をスポイラ22に固定することを助ける。
【0075】
フィン36は、縦方向Lおよび垂直方向Vに平行の平面において上壁34まで延びるフィン36の一部分を接続する基部42を含む。より具体的には、フィン36は、その基部42において湾曲部44を有し、この湾曲部44は、上壁34をフィン36の自由端に接続し、こうして、上壁34の主要延長平面とフィン36の主要延長平面とを結び付ける。フィン36の基部42における湾曲部44は、特に、車両が走行しているときに、ワイパーブレード24が車両1のガラス張り面4に対して押圧されたままにすることを可能にする空気力学的利点をスポイラ22に与える。
【0076】
図2図4内でより具体的に見ることができるように、噴霧マニホールド18は、スポイラ22の本体部32を通って、例えば、本体部32の側壁38のうちの一方に、主に主要延長方向Aに延びる。
【0077】
図2の実施形態において、噴霧マニホールド18は、噴霧孔30の単一の列を含む。
【0078】
図3図6の実施形態において、噴霧マニホールド18は、噴霧孔30の少なくとも2つの列を含む。
【0079】
本発明によると、噴霧マニホールド18の噴霧孔30のうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、列あたりの噴霧孔30の数は、スポイラ22の主要延長方向に測定される、10mmのスポイラ22の一部分にわたって、1~60個である。
【0080】
言い換えると、チャネル28のうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、チャネル28の数は、スポイラの主要延長方向Aにおいて測定される、10mmのスポイラ22の一部分にわたって、1~60個である。本発明の任意選択の特徴によると、スポイラの10mm長部分のチャネルのすべては、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。本発明の任意選択の特徴によると、スポイラのチャネルのすべては、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0081】
0.002mm~0.070mmの表面積を有するチャネル28の区域は、洗浄液がチャネル28を通って分配管26から噴霧孔30の方へ流れるとき、洗浄液の霧化を最適化する。洗浄液は、チャネル28内の洗浄液の流れの方向にチャネル28の入口において液体状態で流れ、液体状態にある洗浄液は、次いで、噴霧孔30において霧の形態で排出される前に、0.002mm~0.070mmの表面積を有する区域において霧化されるということが上記から理解されるものとする。さらには、この霧化は、車両1のガラス張り面4の、特に、ワイパー8によって拭き取られるべき領域における、ぬれ性を増加させる。
【0082】
0.002mm~0.070mmのチャネル28の通過区域は、好ましくは、噴霧孔30に近い。チャネル28のこの区域によってもたらされる霧化効果は、この区域が噴霧孔30のできる限り近くに設置されるときに最適化されるということに留意されたい。
【0083】
本発明によると、0.002mm~0.070mmのチャネル28の通過区域は、噴霧孔30と一致する。言い換えると、噴霧孔30が0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有するということである。
【0084】
本発明の代替案によると、0.002mm~0.070mmのチャネル28の通過区域は、噴霧孔30と一致しない。
【0085】
ここに例証される例によると、複数のチャネル28の各チャネル28は、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0086】
本発明の任意選択の特徴によると、チャネル28のうちの少なくとも1つは、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有する。
【0087】
さらには、1~60個のチャネル28の数、および故に噴霧孔30の数は、車両のガラス張り面4に対する霧化洗浄液の散布を最適化する。具体的に言うと、噴霧孔30は、故に、スポイラ22全体に沿って配置され、スポイラ22全体に沿った霧化洗浄液の規則的な散布を確実にする。スポイラ22全体に沿った霧化洗浄液の散布は、スポイラ22全体に沿ったより良好なぬれ性を促進し、スポイラ22の均質な散布を可能にし、以て、車両1のガラス張り面4上に跡が残るのを防ぐということが上記から理解される。
【0088】
複数のチャネル28の特徴のこのような組み合わせは、故に、一方では、スポイラ22に沿った洗浄液の霧化の現象、および他方では、同様にスポイラ22全体に沿った車両1のガラス張り面4のより良好なぬれ性を最適化することを可能にする。
【0089】
本発明の1つの特徴によると、噴霧孔30の合計区域は、1mm~3mmである。用語“合計区域”は、噴霧マニホールド18の噴霧孔30のすべての通過区域の総和を意味する。
【0090】
本発明の第1の例示的な実施形態によると、噴霧マニホールド18は、規定の通過区域を有する噴霧孔30を伴う特定の数のチャネル28を含み得、各噴霧孔30の通過区域は、例えば、1mm~3mmである。この場合に言及される噴霧孔30の通過区域の総和は、上で述べた合計区域に相当する。
【0091】
本発明の第2の例示的な実施形態によると、噴霧マニホールド18は、第1の例よりも大きい数のチャネル28を含み得、チャネル28の各々専用の噴霧孔30は、第1の例における噴霧孔30のものよりも小さい通過区域、すなわち、例えば1mm未満の通過区域を有する。
【0092】
本発明の第3の例示的な実施形態によると、噴霧マニホールド18は、第1の例よりも小さい数のチャネル28を含み得、チャネル28の各々専用の噴霧孔30は、第1の例における噴霧孔30のものよりも大きい通過区域、すなわち、例えば3mmより大きい通過区域を有する。
【0093】
図2図4に示されるように、複数のチャネル28は、スポイラ22の主要延長方向Aに沿って均一に分布される。用語“均一”は、複数のチャネル28が、スポイラ22の主要延長方向Aに沿って数回繰り返されるパターンを形成することを意味し、パターンは少なくとも1つの噴霧孔30によって形成される。
【0094】
図2図4内のここで例証される例では、チャネル28のパターンは、分配管26の周りに少なくとも部分的に径方向に延びるスロットの形状を有する。このスロット状のパターンは、分配管26に沿って、すなわち、スポイラ22の主要延長方向Aに沿って、一定の間隔で複製される。
【0095】
本発明の別の代替案によると、複数のチャネル28は、スポイラ22の主要延長方向Aに沿って不規則に分布される。少なくとも1つのチャネル28によって形成されるパターンは、主要延長方向Aに沿って複製されず、互いに隣り合う2つの第1のチャネル28を分離する第1の距離は、互いに隣り合う2つの他のチャネル28を分離する第2の距離とは異なるということを理解されたい。
【0096】
加えて、複数の噴霧孔30、転じて、複数のチャネル28は、本発明の任意選択の特徴によると、5°~30°の角度セクタにわたって分配管26の周りに径方向に分布される。この角度セクタは、ワイパー8によって拭き取られるべきガラス張り面4の領域に面するセクタに相当する。この角度セクタは、例えば、側壁38の主要延長平面から測定され、この平面は、縦方向Lおよび垂直方向Vに平行である。このやり方では、霧化洗浄液は、噴霧孔30において車両1のガラス張り面4上へ直接的に噴霧され、故に、車両1の外部環境における霧化洗浄液の損失を制限する。
【0097】
図5に例証される本発明の第1の実施形態は、これより、図6を参照して本発明の第2の実施形態を説明する前に、より詳細に説明される。
【0098】
本発明の第1の実施形態によると、および図5に示されるように、複数のチャネル28のうちの少なくとも1つのチャネル28は、分配管26から円形形状を有する噴霧孔30まで延びる。
【0099】
チャネル28は、分配管26と噴霧孔30との間に中空円筒の形態で延びる。故に、チャネル28は、分配管26と噴霧孔30との間に単一の同じ区域を有するということを理解されたい。
【0100】
本発明の代替案によると、チャネル28は、分配管26と噴霧孔30との間に円錐の形態で延びる。故に、チャネル28の通過区域は、外側に向かって開いていてもよく、すなわち、チャネル28の通過区域は、噴霧孔30に近づくにつれて増加する傾向がある。逆に、チャネル28の通過区域は、外側に向かって閉じていてもよく、すなわち、チャネル28の通過区域は、噴霧孔30に近づくにつれて減少する傾向がある。
【0101】
本発明の任意選択の特徴によると、複数のチャネル28は、分配管26と各チャネル28専用の噴霧孔30との間に同じ区域を有する。より詳細には、各チャネル28は、同様の形状を有し、分配管26と、同じ形状を有する噴霧孔30との間に延びる。
【0102】
さらには、また図5に示されるように、複数のチャネル28は、スポイラ22の主要延長方向Aに交差する方向に整列されるチャネル28の少なくとも2つの整列46を含む。
【0103】
少なくとも2つの第1のチャネル28は、主要延長方向Aに交差する方向に整列されて、第1の整列46を形成すること、および少なくとも2つの他のチャネル28は、主要延長方向Aに交差する方向に整列されて、第2の整列46を形成し、第1の整列46および第2の整列46は、互いに平行に延びるということに留意されたい。
【0104】
本発明の任意選択の特徴によると、第1の整列46および第2の整列46は、スポイラ22の主要延長方向Aに対して垂直に延びる。
【0105】
さらには、また図5においてより具体的に見ることができるように、複数のチャネル28のうちの少なくともいくつかのチャネル28は、スポイラ22の本体部32にわたって千鳥状に分布される。用語“千鳥状”は、噴霧孔30の第1の群が、主要延長方向Aに平行の第1の方向に整列されること、および噴霧孔30の第2の群が、主要延長方向Aに平行の第2の方向に整列され、第1の方向は第2の方向とは異なることを意味する。言い換えると、噴霧孔30は、互いと整列されながら、互いと径方向にオフセットされる。
【0106】
図6に示される本発明の第2の実施形態は、これより、より詳細に説明される。
【0107】
本発明の第2の実施形態によると、および図6に示されるように、少なくとも1つのチャネル28は、分配管26から矩形形状を有する噴霧孔30まで延びる。この構成では、チャネル28は、分配管26から噴霧孔30までずっと、同じ区域を有する中空直方体の形態で延び得る。しかしながら、分配管26と噴霧孔30との間で変化するチャネル28区域を伴う中空直方体の形態で延びるチャネル28は、本発明の範囲から逸脱しない。
【0108】
図6においてより具体的に見ることができるように、複数のチャネル28は、スポイラ22の主要延長方向Aに整列されるチャネル28の少なくとも2つの列48を含む。このやり方では、複数のチャネル28は、互いに平行に、およびスポイラ22の主要延長方向Aに平行に配置される列48に編成される。複数の噴霧孔30もまた、スポイラ22の主要延長方向Aに平行の方向に列48内に延びる。
【0109】
累積的に、複数のチャネル28および複数の噴霧孔30はまた、先に説明した列48に加えて、スポイラ22の主要延長方向Aに交差する、またはこれに対して垂直の方向に、整列46の形態で編成され得る。チャネル28および噴霧孔30は、互いと整列されて、格子を形成するということを理解されたい。
【0110】
本発明の代替案によると、少なくとも1つのチャネル28は、分配管26から星形状を有する噴霧孔30まで延びる。チャネル28はまた、分配管26から噴霧孔30まで星形状の区域を有して延び得る。
【0111】
さらには、少なくとも1つの噴霧孔30は、別の噴霧孔30とは異なる形状を有する。噴霧孔30の大半は、第1の形状、例えば、円形で延びること、また少なくとも1つの噴霧孔30は、第2の形状、例えば、矩形で延びることをここでは理解されたい。
【0112】
この構成では、複数の噴霧孔30は、第1の形状を有する噴霧孔30の第1のセット、および第2の形状を有する噴霧孔30の第2のセットを含み、噴霧孔の第1のセットは、噴霧孔30の第2のセットと交互にスポイラ22の主要延長方向Aに沿って分布されることが企図され得る。この交互構成は、例えば、第1の形状を有する噴霧孔30の第1の整列46と第2の形状を有する噴霧孔30の第2の整列46との交互構成であり得る。
【0113】
しかしながら、本発明は、本文書に説明および例証される手段および構成に限定されず、すべての等価の手段および構成、ならびにそのような手段の任意の技術的に動作可能な組み合わせにも及ぶ。特に、孔の列48および整列46は、本説明において先に説明されるように、千鳥状配置で編成され得る。さらには、噴霧孔30は、少なくとも1つのチャネル28の区域のように、本発明により設定される目的を達成する限り、上に説明されたものとは異なる形状を有し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)用のワイパーシステム(2)のワイパー(8)であって、
支持体によって保持され、車両(1)のガラス張り面(4)を拭き取るように構成される少なくとも1つのワイパーブレード(24)を含み、
前記ワイパー(8)は、洗浄液を散布する洗浄システム(12)に接続されるように構成されるスポイラ(22)を含み、
前記スポイラ(22)は、前記洗浄液のための噴霧マニホールド(18)が提供される本体部(32)を含み、前記噴霧マニホールドは、前記洗浄システム(12)に接続されるように構成され、
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の主要延長方向(A)に延び、噴霧孔(30)の少なくとも1つの列(48)を含み、
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つが、0.002mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有すること、および列(48)あたりの噴霧孔(30)の数が、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~60個であることを特徴とする、ワイパー(8)。
【請求項2】
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つは、0.01mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、前記列(48)あたりの噴霧孔(30)の数は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~10個である、請求項1に記載のワイパー(8)。
【請求項3】
前記噴霧孔(30)のうちの少なくとも1つは、0.02mm~0.070mmの洗浄液通過区域を有し、前記列(48)あたりの噴霧孔(30)の数は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)において測定される、10mmの前記スポイラ(22)の一部分にわたって、1~5個である、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項4】
前記噴霧孔の前記少なくとも1つの列(48)の少なくとも1つの噴霧孔(30)は、略円形形状を有する、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項5】
前記噴霧孔の前記少なくとも1つの列(48)の少なくとも1つの噴霧孔(30)は、略矩形形状を有する、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項6】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に整列される噴霧孔(30)の列(48)を1つだけ含む、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項7】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に整列される噴霧孔(30)の少なくとも2つの別個の列(48)を含む、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項8】
前記噴霧マニホールド(18)は、前記スポイラ(22)の主要延長方向(A)に延びる分配管(26)、および前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に沿って分布される複数のチャネル(28)を含み、前記チャネル(28)の各々は、前記分配管(26)と前記複数の噴霧孔(30)のうちの前記噴霧孔(30)との間に延びる、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項9】
前記複数のチャネル(28)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に交差する方向に整列されるチャネル(28)の少なくとも2つの別個の整列(46)を含む、請求項8に記載のワイパー(8)。
【請求項10】
前記噴霧マニホールド(18)は、5°~30°の角度セクタにわたって前記分配管(26)の周りに径方向に分布されるチャネル(28)の複数の列(48)を含む、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項11】
前記複数のチャネル(28)のうちの少なくともいくつかのチャネル(28)は、前記スポイラ(22)の前記本体部(32)にわたって千鳥状に配置される、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項12】
噴霧孔の少なくとも1つの列(48)の前記噴霧孔(30)は、前記スポイラ(22)の前記主要延長方向(A)に沿って均一に分布される、請求項に記載のワイパー(8)。
【請求項13】
前記噴霧孔(30)の合計区域は、1mm~3mmである、請求項に記載のワイパー(8)。
【国際調査報告】