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特表2024-523930抗糖尿病活性を持つペプチド及びその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】抗糖尿病活性を持つペプチド及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/47 20060101AFI20240625BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240625BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20240625BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C07K14/47 ZNA
C12N15/12
A61P3/10
A61K38/06
A61K38/08
A61K38/10
A61K38/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579484
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 KR2022009198
(87)【国際公開番号】W WO2023277508
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0084286
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523236515
【氏名又は名称】メディアンドジーン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シン ミン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イン ヒョク
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA01
4C084BA15
4C084BA17
4C084BA18
4C084BA19
4C084MA52
4C084MA55
4C084NA14
4C084ZC351
4C084ZC352
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA12
4H045BA14
4H045BA16
4H045BA18
4H045CA40
4H045EA20
(57)【要約】
本発明は、抗糖尿病活性を持つ新規なペプチドに関し、前記ペプチドは、糖代謝及びインスリン抵抗性を改善し、筋肉量を増加させながら筋萎縮は抑制し、腎機能を保護するため、糖尿病及び糖尿病合併症の治療及び改善用途として使用されてもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1~14からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のペプチドを暗号化するポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記配列番号1、2、3及び5からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むペプチドを有効成分として含む糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
前記配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドは、配列番号1、4、6、7または8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項3に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
前記ペプチドは、インスリン抵抗性を改善するものである、請求項3に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項6】
前記ペプチドは、糖代謝を促進するものである、請求項3に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項7】
前記ペプチドは、細胞のブドウ糖吸収を促進するものである、請求項3に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項8】
前記ペプチドは、筋肉生合成を促進するか、または筋萎縮を抑制するものである、請求項3に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の糖尿病の予防または治療用薬学的組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、糖尿病の治療方法。
【請求項10】
配列番号1、2、3及び5からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むペプチドを有効成分として含む糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項11】
前記配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドは、配列番号1、4、6、7または8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであるものである、請求項10に記載の糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項12】
前記糖尿病合併症は、筋減少症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性心筋梗塞、糖尿病網膜症、糖尿病性白内障、高脂血症、脂肪肝及び糖尿病性足潰瘍からなる群から選ばれるものである、請求項10に記載の糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項13】
請求項10に記載の糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、糖尿病合併症の治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗糖尿病活性を持つペプチド及びそれを含む糖尿病治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病(diabetes mellitus)は、インスリンの分泌量が不足するか、または正常に機能しなくなるなどの代謝疾患の一種で、血液中のブドウ糖の濃度が高くなる高血糖を特徴としており、高血糖により様々な症状及び徴候を起こし、尿中へブドウ糖を排出することになる。糖尿病は、インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)及び栄養不良関連糖尿病(malnutrition related diabetes mellitus,MRDM)に分類される。韓国の糖尿病患者の90%以上を占める2型糖尿病は、高血糖を特徴とする代謝疾患で、遺伝的、代謝的、環境的な要因による膵臓β細胞のインスリン分泌の低下または末梢組織におけるインスリン抵抗性の増加により発生するものと報告されている。これに関して、肥満によって体脂肪が増加すると、インスリン感受性が低下する症状を示し、特に腹部脂肪の蓄積は、ブドウ糖耐性(glucose intolerance)と関連があることが知られている。そして、2型糖尿病が発生した患者において肥満とインスリン抵抗性は密接な相関関係があり、ひどい肥満ほど、インスリン抵抗性もひどくなることが知られている。また、糖尿病は狭心症、心筋梗塞、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症などの合併症を引き起こす。したがって、糖尿病の治療は、血糖コントロールだけでなく合併症も管理することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような背景の下、本発明者らは、新規な機能性ペプチドを発掘し、このペプチドがインスリン抵抗性を改善し、糖代謝を促進する抗糖尿効能を有することを確認した。
【0004】
したがって、本発明の目的は、抗糖尿病活性を持つペプチド及びそれを含む糖尿病の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の一態様は、配列番号1~14からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドを提供する。
【0006】
本発明の一例によれば、配列番号1、4、6、7及び8のアミノ酸配列は、配列番号1の配列を共通に含み、配列番号2、4、7及び8のアミノ酸配列は、配列番号2の配列を共通に含む。また、配列番号3、7及び8の配列は、配列番号3の配列を共通に含む。配列番号5及び6の配列は、配列番号5の配列を共通に含む。
【0007】
本明細書に開示されたペプチドは、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列相同性を有するペプチドを含んでもよい。また、本明細書に開示されたペプチドは、配列番号1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその断片と、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、3つ以上のアミノ酸、4つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、6つ以上のアミノ酸または7つ以上のアミノ酸が変化したペプチドを含んでもよい。
【0008】
一方、前記配列番号1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列に相当するマウス配列は、下記表1の通りである。
【0009】
【表1】
【0010】
前記表1に示すように、配列番号1の配列はヒトとマウスが同一であり、配列番号1の配列は配列番号10、12~14の配列にも含まれる。また、配列番号9の配列は、配列番号10、13及び14の配列に含まれる。配列番号10の配列は配列番号13及び14の配列に含まれ、配列番号11の配列は配列番号12に含まれる。一方、配列番号3の配列もヒトとマウスが同一であり、配列番号13及び14の配列に含まれる。本発明の一態様において、アミノ酸の変化は、ペプチドの物理化学的特性を変化させる性質に属する。例えば、ペプチドの熱安定性を向上させ、基質特異性を変更させ、最適なpHを変化させるなどのアミノ酸の変化が行われてもよい。
【0011】
本明細書において「アミノ酸」とは、自然的にペプチドに統合される22個の標準アミノ酸だけでなく、D-isomer及び修飾されたアミノ酸を含む。したがって、本発明の一態様において、ペプチドは、D-アミノ酸を含むペプチドであってもよい。一方、本発明の他の態様において、ペプチドは、翻訳後修飾(post-translational modification)された非標準アミノ酸などを含んでもよい。翻訳後修飾の例としては、リン酸化(phosphorylation)、糖化(glycosylation)、アシル化(acylation)(例えば、アセチル化(acetylation)、ミリストイル化(myristoylation)及びパルミトイル化(palmitoylation)を含む)、アルキル化(alkylation)、カルボキシル化(carboxylation)、ヒドロキシル化(hydroxylation)、糖化反応(glycation)、ビオチニル化(biotinylation)、ユビキチン化(ubiquitinylation)、化学的性質の変化(例えば、ベータ除去脱イミド化、脱アミド化)及び構造的変化(例えば、二硫化物ブリッジの形成)を含む。また、ペプチドコンジュゲートを形成するための架橋剤(crosslinker)との結合過程で起こる化学反応によって生じるアミノ酸の変化、例えばアミノ基、カルボキシル基またはサイドチェーンにおける変化などのアミノ酸の変化も含まれる。
【0012】
本明細書に開示されたペプチドは、自然のままの供給源から同定及び分離された野生型ペプチドであってもよい。一方、本明細書に開示されたペプチドは、配列番号1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドと比較して、1つ以上のアミノ酸が置換、欠失及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む、人工変異体であってもよい。人工変異体だけでなく野生型ポリペプチドにおけるアミノ酸の変化は、タンパク質のフォールディング(folding)及び/又は活性に有意な影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換を含む。保存性置換の例としては、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン及びメチオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン)の群の範囲内である。一般的に特異的活性を変更させないアミノ酸置換が当技術分野で知られている。最もよく発生する交換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Gly、及びこれらと反対のものである。
【0013】
ペプチドの生物学的特性における実際的な変形は、(a)置換領域内のポリペプチド骨格の構造、例えば、シートまたはらせん立体構造を維持する上でそれらの効果、(b)標的部位における前記分子の電荷または疎水性を維持する上でそれらの効果、または(c)側鎖のバルクを維持する上でそれらの効果がかなり異なる置換基を選択することによって行われる。天然残基は、通常の側鎖特性に基づいて、以下のグループに分けられる。
【0014】
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile、
【0015】
(2)中性親水性:cys、ser、thr、
【0016】
(3)酸性:asp、glu、
【0017】
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg、
【0018】
(5)鎖配向に影響を与える残基:gly、pro、及び
【0019】
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
【0020】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーをさらに他のクラスに交換することによって行われる。ペプチドの適切な立体構造を維持することに関連のないいかなるシステイン残基も一般的にセリンに置き換えられて前記分子の酸化的安定性を向上させ、異常な架橋結合を防止しうる。逆に言えば、システイン結合を前記ペプチドに加えてその安定性を向上させることができる。
【0021】
ペプチドの他のタイプのアミノ酸変異体は、グリコシル化パターンが変化したものである。変化とは、ペプチドから発見された1つ以上の炭水化物残基の欠失及び/又はペプチド内に存在しない1つ以上のグリコシル化部位の付加を示す。
【0022】
ペプチドのグリコシル化は、典型的にはN結合またはO結合されたものである。N結合とは、炭水化物残基がアスパラギン残基の側鎖に付着したものをいう。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-トレオニン(ここで、Xはプロリンを除く任意のアミノ酸である)は、炭水化物残基をアスパラギン側鎖に酵素的に付着させるための認識配列である。したがって、これらのトリペプチド配列のいずれかがポリペプチドに存在することにより、潜在的なグリコシル化部位が生成される。O結合型グリコシル化は、糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースのいずれかをヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンに付着させることを意味するが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリシンを使用してもよい。
【0023】
ペプチドへのグリコシル化部位の付加は、1つ以上の前述したトリペプチド配列を含むようにアミノ酸配列を変化させることによって便利に行われる(N結合型グリコシル化部位の場合)。そのような変化は、1つ以上のセリンまたはトレオニン残基を最初の抗体の配列に付加するか、またはこれらの残基に置換することによって行われてもよい(O結合型グリコシル化部位の場合)。
【0024】
本発明の他の態様は、配列番号1、2、3及び5からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むペプチド(「抗糖尿病ペプチド」)を有効成分として含む糖尿病の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0025】
本発明者らは、配列番号1~8から選ばれるペプチドを筋肉細胞に処理した結果、糖代謝を促進するAmpk及びAktのリン酸化が増加し、糖耐性が改善され、脂質代謝も改善されることを確認した。
【0026】
AMPK(AMP-activated protein kinase)は、細胞のエネルギー恒常性維持に重要な役割を果たす酵素で、細胞においてAMP/ATPの割合を感知するAMPセンサーである。ATPの消費によってADPに続いてAMPが増加すると、AMPはAMPKのγサブユニットの結合部位に結合し、これはαサブユニットの触媒領域を露出させる。その後、AMPKの上流リン酸化酵素であるAMPKKがthreonine-172をリン酸化してAMPKが活性化される。AMPKは脂肪酸酸化、ブドウ糖流入などの作用を促進する。
【0027】
Aktは、インスリンシグナル伝達の中間過程に存在するタンパク質で、リン酸化によって活性化されると、糖代謝を促進する。
【0028】
したがって、Ampk及びAktのリン酸化を増加させる配列番号1~8から選ばれるペプチドは、糖尿病の改善/治療用途として有用に使用されてもよい。
【0029】
本発明で使用される用語の「予防」とは、本発明による薬学的組成物の投与によって疾患の進行を抑制させるか、または発症を遅らせるすべての行為を意味する。
【0030】
本発明で使用される用語の「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与によって疾患の症状が好転したり有利に変更されるすべての行為を意味する。
【0031】
本発明の一具体例によれば、前記配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドは、配列番号1、4、6、7または8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
【0032】
また、前記配列番号2、3及び5からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むペプチドは、それぞれ2、3及び5からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。
【0033】
一方、本発明の一具体例によれば、前記配列番号1及び配列番号3の配列は、抗糖尿病活性を持つ。したがって、配列番号1または配列番号3の配列を含む配列番号10及び12~14の配列も抗糖尿病活性を有してもよい。
【0034】
本発明の一例によれば、前記薬学的組成物は、配列番号1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド、またはその断片であるペプチドを含んでもよい。
【0035】
本発明の一例による薬学的組成物は、ヒト、イヌ、ニワトリ、ブタ、ウシ、ヒツジ、モルモットまたはサルを含むすべての動物に適用されてもよい。
【0036】
本発明の一例による薬学的組成物は、必要に応じて希釈剤、賦形剤、滑沢剤、結合剤、ホウ解剤、緩衝剤、分散剤、界面活性剤、着色剤、香料または甘味剤などの添加剤を含んでもよい。本発明の一例による薬学的組成物は、当業界の通常の方法によって製造されてもよい。
【0037】
本発明において、前記薬学的組成物に含まれてもよい担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱物油が挙げられる。
【0038】
本発明の一例による薬学的組成物は、経口、直腸、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、骨髄内、硬膜内または皮下などで投与されてもよい。
【0039】
経口投与用剤形としては錠剤、丸剤、軟質または硬質カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤または乳濁剤であってもよいが、これに制限されるものではない。非経口投与用剤形としては、注射剤、点滴剤、ゲル、懸濁剤、乳剤、坐剤、パッチまたは噴霧剤であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0040】
前記薬学的組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液として滅菌注射用製剤の形態であってもよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween80)及び懸濁化剤を使用して当分野で公知の技術に従って剤形化されてもよい。滅菌注射用製剤は、さらに非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液)であってもよい。許容的に使用可能なビヒクル及び溶媒としては、マンニトール、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。また、滅菌不揮発性オイルが、通常、溶媒または懸濁化媒質として使用される。このような目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含めて刺激性の少ないいかなる不揮発性オイルも使用してもよい。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸が薬剤学的に許容される天然オイル(例えば、オリーブ油またはヒマシ油)、特にこれらのポリオキシエチル化されたものと同様に注射製剤に有用である。
【0041】
本発明による薬学的組成物の非経口投与は、所望の治療が局所適用でアクセスが容易な部位または器官に関連した場合に特に有用である。本発明の組成物を局所投与するための担体としては、これに限定されるものではないが、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水が挙げられる。
【0042】
本発明による薬学的組成物の有効成分は、投与される対象の年齢、性別、体重、病理的状態及びその深刻度、投与経路または処方者の判断によって異なりうる。これらの因子に基づく適用量の決定は当業者のレベル内であり、その1日投与量は、例えば、10ng/kg/日~10mg/kg/日、具体的には0.1μg/kg/日~1mg/kg/日、より具体的には1μg/kg/日~100μg/kg/日、さらに具体的には2μg/kg/日~50μg/kg/日であってもよいが、用量による効果の差がある場合、これを適切に調節してもよい。本発明の一例による薬学的組成物は、1日1回~3回投与されてもよいが、これに制限されるものではない。
【0043】
本明細書で使用される用語は、特定の具体例を説明するための目的でのみ意図されており、本発明を限定することを意図していない。名詞の前に個数が省略された用語は、数量を制限しようとするのではなく、言及された名詞物品が1つ以上存在することを示すものである。用語の「含む」、「有する」、及び「含有する」とは、包括的な用語として解釈される(すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味)。
【0044】
数値の範囲を言及することは、単にその範囲内に属するそれぞれの別個の数値を個別に言及することに代わる簡単な方法であるためであり、それでないことが明示されていない、各別個の数値は、あたかも個別的に明細書に言及されているもののように本明細書に統合される。すべての範囲の終了値はその範囲内に含まれ、独立して組み合わせ可能である。
【0045】
本明細書に言及されるすべての方法は、特に明示されているか、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な順序で行われてもよい。いずれかの実施例及びすべての実施例または例示的な言語(例えば、「~のような」)を使用することは、請求範囲に含まれていない限り、単に本発明をよりよく記述するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。明細書のどの言語も、いかなる非請求の構成要素も本発明の実施に不可欠なものと解釈されてはならない。特に定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0046】
本発明の他の態様は、前記糖尿病の予防または治療用薬学的組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む糖尿病の治療方法を提供する。前記薬学的組成物及びその投与方法は、前述のとおりである。
【0047】
一方、糖尿病患者は、長期間の高血糖状態のため、狭心症、心筋梗塞、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症などの合併症が現れる。特に、最近では、筋減少症が糖尿病の合併症として浮上している(Lancet Diabetes Endocrinol 2013;1:106-14)。
【0048】
本発明の一具体例によれば、前記抗糖尿病ペプチドは、糖尿病による糸球体サイズの増加を抑制し、腎機能を保護、筋肉組織内の脂肪蓄積を抑制する活性を有する。したがって、本発明の抗糖尿病ペプチドは、糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物、糖尿病合併症の予防または改善用健康機能性食品組成物として使用されてもよい。
【0049】
本発明において、前記糖尿病合併症は、筋減少症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性心筋梗塞、糖尿病網膜症、糖尿病性白内障、高脂血症、脂肪肝及び糖尿病性足潰瘍からなる群から選ばれてもよい。
【0050】
本発明の一具体例によれば、前記糖尿病合併症は、筋減少症または糖尿病性腎症(diabetic nephropathy)であってもよい。
【0051】
また、本発明の他の態様は、前記糖尿病合併症の予防または治療用薬学的組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む糖尿病合併症の治療方法を提供する。前記薬学的組成物及びその投与方法は、前述の通りである。
【発明の効果】
【0052】
本発明によるペプチドは、糖尿病及び肥満マウスモデルにおける糖代謝を改善し、インスリン抵抗性を改善し、筋肉量を増加させながら筋萎縮を抑制する。また、筋肉細胞と脂肪細胞における脂質代謝及びエネルギー代謝因子を調節し、糖尿病による糸球体サイズの増加を抑制し、腎機能を保護、筋肉組織内の脂肪蓄積を抑制し、糖尿病及び糖尿病合併症の治療及び改善効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】筋肉細胞(L6 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.1-5,7~8)を処理した後、Ampkのリン酸化変化を観察したものである。
図2】筋肉細胞(L6 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.1~8)を処理した後、Aktのリン酸化変化を観察したものである。
図3】筋肉細胞(C2C12 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.1~8)及びインスリンを処理した後、ブドウ糖吸収(glucose uptake)変化を観察したものである(*p<0.05 compared with control)。
図4】肥満マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.8)を投与した後に確認した(左)時間による血糖変化の推移及び(右)血糖変化の定量グラフである(*p<0.05 compared with control)。
図5】肥満マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.1)を投与した後、耐糖能改善度を定量グラフで示す結果である。
図6】糖尿病マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.7及び8)を投与した後、血中の糖代謝関連指標を確認したもので、(A)HbA1c(糖化血色素)レベル、(B)HbA1c変化度、(C)空腹時血糖、(D)インスリンレベル、及び(E)相対的HOMA-IR(Homeostatic Model Assessment for Insulin Resistance)値を比較したものである(* p<0.05 compared with control)。
図7】糖尿病マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.7及び8)を投与した後、筋肉量の変化を確認したものである(*p<0.05 compared with control)。
図8】筋肉細胞(L6 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.3,6及び7)を処理した後、S6のリン酸化変化を観察したものである。
図9】筋肉細胞(L6 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.1~8)を処理した後、FoxO1のリン酸化変化を観察したものである。
図10】筋肉細胞(L6 skeletal muscle cell line)に抗糖尿病ペプチド(No.1,3及び8)を処理した後、脂質代謝を改善するPGC-1α及びLPL遺伝子の発現変化を観察したものである。
図11】糖尿病マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.7及び8)を投与した後、血中のレニン及びクレアチニン変化を確認したものである(*p<0.05 compared with control)。
図12】糖尿病マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.7及び8)を投与した後、筋肉組織内の脂肪を染色した結果で、(左)脂肪染色代表イメージ及び(右)脂肪面積を定量したグラフである。(**p<0.01 compared with control)。
図13】糖尿病マウスモデルに抗糖尿病ペプチド(No.7及び8)を投与した後の糸球体サイズの変化を組織染色により確認した結果で、(左)糸球体染色の代表イメージ及び(右)糸球体面積を定量したグラフである(**p<0.01 compared with control)。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、1つ以上の具体例を実施例を通じてより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、1つ以上の具体例を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
ペプチド
本発明で発掘した抗糖尿病ペプチドを下記表2に記載した。
【0056】
【表2】
【0057】
実施例1:筋肉細胞における糖代謝促進シグナル経路の活性化の確認
L6骨格筋細胞株(skeletal muscle cell line)を6ウェルプレートで培養した後、0.5%FBSでstarvationした。その後、抗糖尿病ペプチドを100nMの濃度で処理した。1時間後に細胞を回収してタンパク質を分離し、ウェスタンブロットでAmpk(Amp-activated protein kinase)とAktシグナル経路の活性化の有無を確認した。
【0058】
その結果、抗糖尿病ペプチド処理により、Ampk(図1)及びAkt(図2)の両方がリン酸化の程度が増加することが分かった(図1及び2)。これを通じて抗糖尿病ペプチドの糖代謝促進機能を確認した。
【0059】
これと同様に、抗糖尿病ペプチド処理による糖代謝促進機能をさらに検証するためにブドウ糖吸収(glucose uptake)に主要な役割を果たすGLUT4(glucose transporter type 4)ブドウ糖受容体の細胞膜内の発現度を測定した。GLUT4は、糖代謝を促進させるために細胞質から細胞膜に移動し、その発現量が増えることが知られている。これを確認するために、C2C12骨格筋細胞を0.5%FBSでstarvationさせた後、ペプチド及び陽性対照群であるインスリンを100nM濃度で1時間処理した。細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、GLUT4特異的抗体と37℃で30分間インキュベーションさせた後、OPD(o-phenylenediamine)溶液と反応させて吸光度を測定、対照群と比較した。その結果、インスリンを含むペプチド処理群においてすべて対照群に対して有意なGLUT4translocationを観察し、抗糖尿病ペプチドによるブドウ糖吸収増加効能を観察した(図3)。
【0060】
実施例2:耐糖能障害改善の確認
2-1.肥満マウスモデルの構築
C57BL/6N 5週齢の雄をオリエントバイオから分譲を受け、1週間の普通食を提供し、適応期間を経た後に使用した。飼育環境は18~24℃、50~60%の湿度を維持し、適応期間及び実験期間ともに飼料と水に自由にアクセス可能な自由給食を行った。1週間の適応期を経たマウスは、耐糖能障害を誘導するために高脂肪食を介して肥満を誘導した。正常食と高脂肪食は、下記表3のように製造して提供した。
【0061】
【表3】
【0062】
2-2.耐糖能(glucose tolerance)改善の有無の確認
肥満が誘導されたマウスを対照群(control)と実験群に分類した。すべてのマウスを12時間絶食させ、対照群にはPBSを、実験群にはNo.1、7または8のペプチド(2.5mg/kg)を投与した。1時間後、20%ブドウ糖溶液を腹腔内注射し、各時間帯に採血した血液を血糖器で分析した。その結果、対照群と比較してペプチド(No.8)を投与した実験群では、baselineに対してcorrectionを行った際に有意な血糖代謝改善効果が観察された(図4左)。これと同様に、baseline correction後の経時的な血糖変化度(GLUAUC)を定量して比較した結果、配列番号7に該当するペプチドにより対照群に対して31.1%減少した血糖変化を観察し、この結果を通じて抗糖尿ペプチドが耐糖能を改善することが分かる。
【0063】
実施例3:抗糖尿効能の確認(インビボ)
3-1.糖尿病マウスモデルの構築
抗糖尿病ペプチドがレプチン(leptin)受容体の欠陥によって誘導される糖尿病を改善するかどうかを確認した。動物モデルとしてC57BLKS/J-db/db5週齢の雄を中央実験動物から分譲を受け、1週間の普通食を提供し、適応期間を経た後に使用した。飼育環境は18~24℃、50~60%の湿度を維持し、適応期間及び実験期間ともに飼料と水に自由にアクセスできる自由給食を行った。適応期を終えたマウスは、対照群(Control、腹腔注射)及びペプチド投与群に分類した。対照群にはPBS、ペプチド投与群には抗糖尿病ペプチド(No.7及び8;2.5mg/kg)を合計8週間腹腔に注射した。
【0064】
3-2.抗糖尿効能の確認(組織検査)
8週間後、糖尿病マウスモデルにおいて様々な試験を行った。
【0065】
血液検査を行って血液内の糖代謝関連指標を確認した。HbA1c(糖化血色素)レベルと変化量を測定した結果、ペプチド投与群において有意に減少することが分かり(図6A及び6B)、空腹時血糖及びインスリンレベルも低下したことが観察された(図6C及び6D)。また、糖尿病に誘導されるインスリン抵抗性が改善されるかどうかを確認するために、当該指標であるHOMA-IR(Homeostatic Model Assessment for Insulin Resistance)のレベルを確認した結果、ペプチド処理により減少することを確認した(図6E)。図6の結果から抗糖尿病ペプチドが糖尿病関連血液指標を全般的に改善することが分かった。
【0066】
一方、糖尿病の進行は様々な合併症をもたらす。筋肉組織は人体内で糖代謝に最も主要な役割を果たす器官で、糖尿病の進行によって筋減少や筋機能の弱化が現れることがある。そこで筋組織の変化を観察した結果、ペプチド処理により筋肉量(四頭筋、quadriceps)が増加することが分かった(図7)。
【0067】
実施例4:抗糖尿効能の確認(インビトロ)
4-1.筋肉生合成及び筋萎縮抑制効果の検証
L6骨格筋細胞(skeletal muscle cell)を6ウェルプレートで培養した後、0.5%FBSでStarvationさせた。その後、抗糖尿病ペプチドを100nM濃度で1時間処理し、タンパク質を回収した後、ウェスタンブロットを行った。
【0068】
行った結果、筋肉生合成の主要な指標として細胞シグナル経路を活性化することが知られているS6(mTORマーカー)(No3、6、7、図8)とともに筋萎縮抑制機能を発揮するFoxO1(図9)タンパク質のリン酸化がペプチドによって増加することを観察し、筋肉生合成の促進及び筋萎縮の抑制による筋減少改善の効能を確認できた。具体的には、S6タンパク質のリン酸化は、ペプチドNo.1によって188%、No.2によって365%、No.4によって224%、No.5によって494%、No.8によって414%増加した。また、No.1のペプチドは、FoxO1のリン酸化を増加させるとともに、total FoxO1の発現量も減少させた。
【0069】
4-2.脂質代謝関連遺伝子発現の確認
筋肉細胞に抗糖尿病ペプチド(No.1、3及び8)を処理した後、エネルギー代謝活性化、脂質代謝活性化、糖代謝改善の指標であるPGC-1α(peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha)及びLPL(lipoprotein lipase)遺伝子の発現変化をRT-PCRで確認した
【0070】
確認の結果、抗糖尿病ペプチド処理により、PGC-1α、LPL遺伝子の発現が増加することが分かった(図10)。
【0071】
実施例5:糖尿病合併症の改善効果の検証
db/db糖尿病マウスモデルにおいて糖尿病合併症の改善効能を確認するために、様々な組織検査を行った。まず、筋減少関連効果を確認するために筋肉組織からRNAを分離し、筋肉減少関連遺伝子の発現レベルを確認した。その結果、No.7または8のペプチド処理により脂質蓄積に関連したAP2 (adipocyte protein 2)及びC/EBPα(CCAAT enhancer binding protein α)遺伝子の発現は減少し、脂肪酸酸化に関連したPPARα(peroxisome proliferator-activated receptor α)遺伝子の発現が増加することを確認した。また、筋減少及び筋萎縮に寄与するMurf-1(Muscle RING Finger-1)遺伝子の減少を確認し、筋減少改善効果をさらに検証した(表4)。
【0072】
【表4】
【0073】
血液検査は、腎機能が低下するにつれて排出されるレニン(renin)及びクレアチニン(creatinine)を観察し、抗糖尿病ペプチド処理によってレニン及びクレアチニンのレベルが有意に減少することを確認した(図11)。
【0074】
最終組織病態の様相を確認するために、H&E組織染色を行った。その結果、抗糖尿病ペプチド処理により糖尿病に伴う筋肉組織内の脂質蓄積が改善され(図12左)、さらに定量的に有意であることが確認された(図12右)。また、抗糖尿病ペプチド処理により、腎内の糸球体の過負荷によるサイズの増加が抑制され(図13左)、定量的に有意にサイズが減少することを確認した(図13右)。本実施例の結果を通じて抗糖尿病ペプチドの糖尿病合併症の改善効果を検証した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【配列表】
2024523930000001.app
【国際調査報告】