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特表2024-523940マルチマテリアル構造を有するゴルフクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】マルチマテリアル構造を有するゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240625BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240625BHJP
【FI】
A63B53/04 C
A63B53/04 J
A63B53/04 G
A63B53/04 K
A63B53/04 F
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580738
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022035872
(87)【国際公開番号】W WO2023278803
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/218,214
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コール ディ. ブリュベーカー
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ビー. マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002AA03
2C002AA04
2C002CH01
2C002MM02
2C002MM04
(57)【要約】
金属-複合材-金属構造から構成される部品を有するゴルフクラブヘッドの実施形態が本明細書に記載されている。金属-複合材-金属構造は、ゴルフクラブヘッドの一部を構成する。金属-複合材-金属構造は、フェースプレート、フェースインサート、内部リブ、タービュレータ、クラウンインサート、又はウェイトチャンネルのうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせを構成してよい。金属-複合材-金属構造の複合材層は、強化ファイバで構成されている。金属-複合材-金属構造は、耐久性、強度、剛性、及び性能を維持しながら、ゴルフクラブヘッドの軽量化を可能にする。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ボディ及びフェースプレートと、
第1の層と第2の層と第3の層とを備える金属-複合材-金属構造と、を備え、
前記第1の層は金属材料で構成されており、
前記第2の層はファイバ強化複合材料で構成されており、
前記第3の層は金属材料で構成されており、
前記金属-複合材-金属構造は前記ゴルフクラブヘッドの少なくとも一部を構成している、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記金属-複合材-金属構造で構成されるフェースプレート、フェースインサート、内部リブ、タービュレータ、クラウンインサート、又はウェイトチャンネルのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記金属-複合材-金属のフェースプレートをさらに備え、
前記金属-複合材-金属のフェースプレートは、金属材料で作られた同一のフェースプレートの質量よりも最大50%小さい質量を備える、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記金属-複合材-金属の内部リブをさらに備え、
前記金属-複合材-金属の内部リブは、金属材料で作られた同一のリブの質量よりも最大25%小さい質量を備える、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記金属-複合材-金属のウェイトチャンネルをさらに備え、
前記金属-複合材-金属のウェイトチャンネルは、金属材料で作られた同一のウェイトチャンネルの質量よりも最大40%小さい質量を備える、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記第2の層が、複数の一方向ファイバ、複数の多方向ファイバ、又は一方向ファイバと多方向ファイバの組合せをさらに備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記第1の層及び前記第3の層が、金属外周縁を備え、
前記第2の層が、複合材外周縁を備え、
前記金属-複合材-金属構造は、前記金属外周縁と前記複合材外周縁との間で測定されるオフセット距離をさらに備え、
前記オフセット距離によって、外周領域が画定されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記オフセット距離は0.75インチ以下である、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記第1の層と前記第3の層は、前記外周領域内で互いに当接している、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記オフセット領域には前記第2の層が存在しない、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第1の層及び前記第3の層が、前記第2の層を収容するポケットを画定している、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料が、ファイバ強化複合材料の複数のシートから形成された積層体であり、
前記第2の層が、前方シートと、中間シートと、後方シートとを備え、
前記前方シートが前記第1の層に当接し、前記後方シートが前記第3の層に当接し、前記中間シートが前記前方シートと前記後方シートとの間に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ゴルフクラブヘッドが、前記フェースインサートの幾何学的中心に接するロフト平面と、前記ロフト平面に垂直なz軸とを画定し、
前記ファイバ強化複合材料の前記強化ファイバの一部が、前記z軸の0度~45度の間で配向されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記クラブヘッドは、前記z軸に垂直で接地面に平行なx軸を画定し、
前記ファイバ強化複合材料の残りの強化ファイバは、概ね前記x軸方向に配向されている、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1の層及び前記第3の層の前記金属材料は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、又は錫合金のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1の層と前記第3の層は、同じ金属材料で構成されている、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記第1の層の材料は第1の層密度を有し、前記第2の層の材料は第2の層密度を有し、前記第3の層の材料は第3の層密度を有し、
前記第2の層密度は、前記第1の層密度及び前記第3の層密度よりも小さい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料は、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、ナイロン6(6-6、11、12)、ポリフェニレン(PPS)から選択される材料の組み合わせのうちの1つを備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料は、炭素ファイバ、ガラスファイバ、ケブラーファイバ、天然ファイバ、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ファイバ、又は任意の適切なファイバから選択される天然ファイバ及び合成ファイバを備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記金属-複合材-金属構造から形成される前記ゴルフクラブヘッドの前記部分は、前記ゴルフクラブヘッドの総質量を最大20%減少させる、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(クロスリファレンス優先順位)
本件は、2021年7月2日に出願された米国仮出願第63/218,214号の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般にゴルフクラブヘッドに関し、より詳細には、層状のマルチマテリアル構造を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブヘッドの質量特性は性能に大きく影響する。裁量質量(discretionary mass)を増やすことによって、重心(CG)や慣性モーメント(MOI)等のクラブヘッド特性を変化させ得る質量配置を改善でき、それによって、ボール速度、打ち出し角、飛距離、寛容性などの要因の改善につながる。クラブヘッドの質量を減らすことによって質量を望むように自由に再配置できるようにする一つの方法は、クラブヘッドの特定領域の材料をより軽量な材料に置き換えることである。しかしながら、ゴルフクラブヘッドの軽量化を可能にする設計及び材料を追求するには、クラブヘッドの強度、剛性、性能、及び耐久性を維持することが必要となる。
【0004】
最も重要な物理的パラメータの1つはゴルフクラブヘッドの総質量である。ゴルフクラブヘッドの総質量は総構造質量と総裁量質量との合計である。理想的なクラブ設計では、オプション配置のための十分な裁量質量を提供して、クラブ性能をカスタマイズ及び最大化するために、構造質量は(弾性を損なうことなく)最小化されている。構造質量とは、一般的に、衝撃の繰り返しに耐える構造的弾性をクラブヘッドに与えるために必要な材料の質量のことをいう。特定の質量分布に関して、構造質量が設計者に与える裁量は比較的低い。逆に、裁量質量とは、クラブの性能及び/又は寛容性をカスタマイズするためだけにクラブヘッド設計に追加されてよい(最低限の構造的要件を超えた)追加の質量のことである。ゴルフクラブヘッドの部品に関して、より軽量で、耐久性があり、可鍛性のある材質の選択肢を提供することによって、構造質量の値をより制御し、操ることが可能になるであろう。構造質量部品の重量を低減するという選択肢があることによって、より多くの重量を裁量質量部品に再配分することが可能となり、その結果、ゴルフクラブヘッドのMOI及びCGなどのスピン特性及び打出し特性を最適化することができる。
【発明の概要】
【0005】
先行技術の設計に関して、ゴルフクラブヘッドの構造質量部品は、非常に薄いチタン壁、複合シェル及び層、又はゴルフクラブヘッドの別個の金属部品と複合材部品の組み合わせである。これらの材料オプションは、質量を最小限に抑えるのには役立ったが、凹みやすく、ゴルフクラブが受ける高い応力及び衝撃レベルに関しても他の耐久性の問題がある。従って、当技術分野では、強度、剛性及び耐久性を維持しながら、クラブヘッドの特定領域に的を絞って質量低減を可能にする材料の組み合わせへの必要性が存在している。
【0006】
実施形態のさらなる説明を容易にするために、以下の図面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態による、ウッド型ゴルフクラブヘッドボディとフェースプレートの分解斜視図である。
【0008】
図2A】一実施形態による、水平ファイバ及びz方向配向ファイバを含むMCMパネルの断面図の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
【0009】
図2B】一実施形態による、z方向配向ファイバを含むMCMパネルの断面図のSEM画像を示す。
【0010】
図3A】第1の実施形態によるMCMパネルの断面図である。
【0011】
図3B】第2の実施形態によるMCMパネルの断面図である。
【0012】
図3C】第3の実施形態によるMCMパネルの断面図である。
【0013】
図3D】第4の実施形態によるMCMパネルの断面図である。
【0014】
図3E】第5の実施形態によるMCMパネルの断面図である。
【0015】
図4】第2の実施形態による、ウッド型ゴルフクラブヘッドボディ、クラウンインサート、及びフェースプレートの分解斜視図である。
【0016】
図5A図4のゴルフクラブヘッドのMCM構造のフェースプレートの分解図を示す。
【0017】
図5B図4のゴルフクラブヘッドのフェースプレートの斜視図である。
【0018】
図6A】一実施形態による、様々な厚さを有する従来のフェースプレートを備えるゴルフクラブヘッドの前部領域を上から見た断面図を示す。
【0019】
図6B】第4の実施形態による、MCM構造のフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域を上から見た断面図である。
【0020】
図6C】第5の実施形態による、MCM構造のフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域を上から見た断面図である。
【0021】
図6D】第6の実施形態による、MCM構造のフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域を上から見た断面図である。
【0022】
図7A図6Aのフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの断面側面図である。
【0023】
図7B図6Bのフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域の断面側面図を示す。
【0024】
図7C図6Cのフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域の断面側面図を示す。
【0025】
図7D図6Dのフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの前部領域の断面側面図を示す。
【0026】
図8】第7の実施形態による、MCMフェースプレート、クラウンインサート、内部リブ、及びウェイトポートを備えるゴルフクラブヘッドの断面側面図を示す。
【0027】
図9A】第1の実施形態による、MCM構造のウェイトポートの分解図である。
【0028】
図9B図9AのMCM構造のウェイトポートの斜視図である。
【0029】
図10】第8の実施形態による、MCM構造のウェイトポートを備えるゴルフクラブヘッドの後方斜視図である。
【0030】
図11図10のゴルフクラブヘッドの断面側面図である。
【0031】
図12】第1の実施形態による、フェースプレートを備えるアイアンの正面図である。
【0032】
図13】第2の実施形態による、MCM構造のフェースプレートを備えるアイアン型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0033】
図14図13のアイアン型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0034】
図15】第1の実施形態による、MCMパターフェースインサートの斜視図である。
【0035】
図16】第1の実施形態による、パター型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0036】
図17図15のMCMパターフェースインサートを備える図16のパター型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0037】
図18図17のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0038】
図19】一実施形態による、フェースカップを備えるウッド型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0039】
本開示の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。説明を簡略化し明瞭にするために、図面は、構造の一般的な態様を例示し、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は省略されることがある。さらに、図中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、本開示の実施形態のより良い理解のために、図中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図中の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、フェースプレート、フェースカップ、ウェイトチャンネル、チャンネル、及びリブなどの部品において、金属-複合材-金属構造、又は金属内に複合材が封入された構造を積層することによって重量を削減する方法を説明する。以下に説明する実施形態では、金属の第1の層と、複合材の封入層と、金属の第2の層とを有する多層構造を備えるゴルフクラブヘッドのバリエーションが、ゴルフクラブヘッドの全金属構造又は同様の全金属部品と比べて重量を削減しつつ、強度や耐久性などの機械的特性を向上させるために製造されてきた。本明細書に記載の金属-複合材-金属材料の複合材層は、複数の一方向ファイバ又は複数の多方向ファイバを含む。複合材のファイバ配向は、ゴルフクラブヘッドによくある高い応力及び衝撃に耐えるのに必要な強度、耐久性及び曲げ特性に寄与する場合がある。金属-複合材-金属構造によって、金属構造だけ又は複合材構造だけでは得られない弾性と重量比が得られる。特にフェースプレートに金属-複合材-金属を使用することによって、純正チタン(Ti)と比較して、強度と耐久性を最大115%(破損するまでの総打数)向上することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、金属-複合材-金属パネルは、フェースプレート、チャンネル、スリット、リブ、タービュレータ、ウェイトチャンネル支持構造及びインサートなどの構成又は構造のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせにおいて使用される従来の材料に取って代わってよい。金属-複合材-金属材料は、強度のために通常は強化材料を必要とするゴルフクラブヘッドの任意の領域、又は質量の削減が望まれる任意の領域で使用される従来の材料に取って代わってよい。金属-複合材-金属を1つ又は複数の構造で使用するすることによって、全金属構造と比較して、質量を最大50%削減することができる。
【0042】
多方向ファイバ複合材を実装することによって、一方向ファイバ複合材だけでは得られない新しい剛性、強度、耐久性の利点をもたらすことができる。複合材のファイバの向き、分子的見地からの組成、及び複合材の側鎖の化学的性質も、特定の剛性と強度を生み出すために使用されてよい。多方向ファイバ複合材を金属シートと組み合わせることで、総質量を削減しながら、ゴルフクラブヘッドに使用される金属と同様の材料特性をもたらすことができる。本開示では、これらの層を調整することが考えられる。
【0043】
裁量質量は、クラブヘッド内外の様々な場所に配置されてよい。ゴルフクラブヘッドの場合、裁量質量部品を調整することで、重心(CG)の位置が良くなり、慣性モーメント(MOI)を大きくすることができる。ドライバ型クラブヘッドでは、クラブヘッドのMOIを最大にし、CGを下方及び後方に移動させることが望ましい場合がある。アイアン型クラブヘッド及びフェアウェイウッドクラブヘッドでは、重心が低くて前方にあるとボール速度及びスピン特性が向上することが知られているので、クラブヘッドの重心が低く前方にあると望ましい場合がある。Tiなどの従来の構造質量要素と同様の性能特性を有する軽量材料を実装することによって、裁量質量要素を実装するチャンスが増え、ドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン、及びパターにおいてゴルフクラブの性能を改善することができるであろう。
【0044】
(定義)
説明を簡略化し明瞭にするために、図面は構造の一般的な態様を例示し、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は省略されることがある。さらに、図中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、本開示の実施形態のより良い理解のために、図中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図中の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【0045】
本明細書において「1つの」、「1つの」、「前記」、「少なくとも1つの」、及び「1つの又は複数の」は、入れ替えても同じであり、アイテムの少なくとも1つが存在することを示しており、特段のことわりがない限り、そのようなアイテムが複数存在してもよい。添付の特許請求の範囲を含む本明細書中のパラメータ(例えば、量又は条件)のすべての数値は、数値の前に「約」が実際に付いているか否かにかかわらず、すべての場合において「約」という語で修飾されていると理解されるべきである。「約」は、記載された数値が若干の不正確さを許容することを示す(数値の正確さにある程度近い;ほぼほぼあるいはまあまあ近い;ほぼ)。「約」によって与えられる不正確さが、この通常の意味で当技術分野で他に理解されない場合は、本明細書で使用される「約」は、そのようなパラメータを測定し使用する通常の方法から生じ得る変動を少なくとも示す。さらに、範囲の開示には、全範囲内のすべての値及びさらに分割された範囲の開示が含まれる。範囲内の各値及び範囲の端点は、すべて別個の実施形態としてここに開示される。「備える」、「備えた」、「含む」、及び「有する」という語は、包括的なものであり、記載されたアイテムの存在を特定するものであるが、他のアイテムの存在を排除するものではない。本明細書で使用される「又は」という語は、列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数の任意のあらゆる組み合わせを含む。様々なアイテムを互いに区別するために第1の、第2の、第3のなどの語が使用される場合、これらの呼称は単に便宜上のものであり、アイテムを限定するものではない。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの語は、使用されている場合、類似の要素を区別するために使用されており、必ずしも特定の順序又は時系列的順序を説明するために使用されるものではない。このように使用される語は、適切な状況下において入れ替えても同じであり、本明細書で説明される実施形態は、例えば、本明細書で図示又はその他の方法で説明される順序以外の順序で動作可能であるということを理解されたい。さらに、「含む」及び「有する」という語、並びにそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は装置は、必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列挙されていない他の要素、又はそのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は装置に固有の他の要素を含んでもよい。
【0047】
本明細書及び特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」などの語は、使用されている場合、説明上の目的で使用されているものであり、必ずしも恒久的な相対位置を説明するために使用されているわけではない。このように使用される語は適切な状況下では入れ替えても同じであり、本明細書で説明されるMCM構造の実施形態は、例えば、本明細書で図示又はその他の方法で説明される向き以外の向きでも動作可能であることを理解されたい。
【0048】
「連結する」、「連結した」、「連結する」、「連結している」等の語は、広く理解されるべきであり、2つ以上の要素又は信号を電気的、機械的及び/又はその他の方法で接続することを指す。
【0049】
「特性時間」(以下「CT」)という語は、本明細書では、マイクロ秒(μs)単位で測定されるゴルフボールがインパクトの瞬間にクラブフェースと接触する時間量を特定するために使用される尺度を意味する。特性時間は、小型のスチール振り子を用いて、打撃面上の特定の場所に数回インパクトを与えることによって測定される。特性時間の測定は、ドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッドなどのウッド型クラブヘッドが対象である。コンピュータプログラムが、インパクトの瞬間にスチール振り子がクラブフェースに接触する時間を測定する。CT値は、全米ゴルフ協会のゴルフクラブヘッドの可撓性を測定する手順(Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead)に概説されている方法に基づく。例えば、全米ゴルフ協会のゴルフクラブヘッドの可撓性を測定する手順(USGA-TPX3004、Rev.2.0、2019年4月9日)のセクション2(「ゴルフクラブヘッドの可撓性を測定するためのプロトコル(「Protocol For Measuring The Flexibility of A Golf Club Head)」)に基づく。
【0050】
本明細書において、「反発係数」又は「COR」という語は、インパクト時にクラブヘッドからゴルフボールに伝達されるエネルギーを特定するために使用される尺度を意味する。押し出される較正されたゴルフボールのクラブヘッドでの入射速度と出射速度が記録される。これらの速度とクラブヘッドとボールの質量を用いて、クラブヘッドのCORが計算される。COR値は、全米ゴルフ協会のゴルフクラブヘッドの反発係数を測定する手順(Procedure for Measuring the Coefficient of Restitution of Golf Clubhead)に概説されている方法に基づく。例えば、全米ゴルフ協会のゴルフクラブヘッドの反発係数を測定する手順(USGA-TPX3009、Rev.2.0、2019年4月9日)のセクション2(「ベースラインプレートに対してクラブヘッドの反発係数を測定するプロトコル(Protocol for Measuring the Coefficient of Restitution of a Clubhead Relative to a Baseline Plate)」)に基づく。
【0051】
本明細書における「フェースカップ」という語は、ゴルフクラブヘッドボディの前部に位置する開口部に恒久的に固定されるように構成された部品として定義される。
【0052】
本明細書で使用される「フェース高さ」という語は、打撃面外周の上端と打撃面外周の下端との間でロフト平面に平行に測定される距離として定義される。
【0053】
本明細書で使用される「フェース平面」という語は、打撃面の幾何学的中心点に接する基準面として定義される。
【0054】
本明細書で使用される「曲げ弾性率」という語は、曲げ変形における応力とひずみの比である。曲げ弾性率は、材料の剛性及び曲げに対する材料の抵抗力を表すのに使われる。
【0055】
本明細書で使用される「幾何学的中心点」という語は、打撃面外周の幾何学的中心点、及び打撃面のフェース高さの中間点を指す場合がある。同じ例又は他の例では、幾何学的中心点は、打撃面上の溝領域によって画定され得る工学的インパクトゾーンに関して中心であってもよい。
【0056】
本明細書で使用される「接地面」という語は、ゴルフボールが置かれる表面に関する基準面として定義される。接地面は、アドレス位置においてソールに接する水平面であってよい。
【0057】
本明細書で使用される「リーディングエッジ」という語は、打撃面外周の最もソール側の部分として定義される。例えば、フェアウェイ型ゴルフクラブヘッドのリーディングエッジは、フェアウェイ型ゴルフクラブヘッドの打撃面のロール及びバルジからソールへの移行部である。
【0058】
本明細書で使用される「ライ角」という語は、ホーゼルを通って延びるホーゼル軸と接地面との間の角度として定義される。ライ角は正面から見て測定される。
【0059】
本明細書で使用される「ロフト平面」という語は、打撃面の幾何学的中心点に接する基準面として定義される。
【0060】
本明細書で使用される「ロフト角」という語は、接地面とロフト平面の間で測定される角度として定義される。
【0061】
本明細書で述べられる「弾性率」又は「ヤング率」という語は、応力とひずみの比であり、弾性領域における応力-ひずみ曲線の傾き(E)である。弾性率は材料の剛性を表すのに用いられる。
【0062】
「慣性モーメント」(以下「MOI」)という語は、CGに関して測定された値を指すことがある。「Ixx」という語は、X軸に平行な、ヒールからトウへの方向で測定されるMOIを指してよい。「Iyy」という語は、Y軸に平行な、ソールからトップレールへの(又はソールからクラウンへの)方向で測定されるMOIを指してよい。「Izz」という語は、Z軸に平行な、前部から後部への方向に測定されたMOIを指してよい。MOI値であるIxx、Iyy、Izzは、ゴルフボールとのオフセンターインパクトに対するクラブヘッドの寛容度を特定するものである。
【0063】
本明細書で使用される「打撃面」という語は、ゴルフボールを打撃するように構成されたクラブヘッドの前面を指す。打撃面という語は、「フェース」と互換的に使用されてよい。
【0064】
本明細書で使用される「打撃面外周」という語は、打撃面の縁を指してよい。打撃面外周は、曲率が打撃面のバルジ及び/又はロールから逸脱する打撃面の外縁に沿って位置してよい。
【0065】
本明細書で定義され以下で使用される、ゴルフクラブヘッドの「打撃面の厚さ」は、打撃面の前面から打撃面の後面までで測定される。打撃面の厚さは、トウからヒールへの方向及びクラウンからソールへの方向で変化し得る。
【0066】
本明細書に記載されるゴルフクラブヘッドの「XYZ」座標系は、打撃面の幾何学的中心に基づいている。本明細書に記載されるクラブヘッドの寸法は、以下に定義される座標系に基づいて測定されてよい。打撃面の幾何学的中心は、打撃面の幾何学的中心に位置する原点を有する座標系を画定する。座標系は、X軸、Y軸、及びZ軸を画定する。X軸は、クラブヘッドのヒールからトウへの方向に打撃面の幾何学的中心を通って延びる。Y軸は、クラブヘッドのクラウンからソールへの方向に打撃面の幾何学的中心を通って延びる。Y軸はX軸に垂直である。Z軸は、クラブヘッドの前端から後端への方向に打撃面の幾何学的中心を通って延びる。Z軸はX軸とY軸の両方に垂直である。
【0067】
本明細書に記載のゴルフクラブヘッドのXYZ座標系は、X軸及びY軸を通って延びるXY平面を画定する。座標系は、X軸及びZ軸を通って延びるXZ平面を画定する。座標系は、Y軸及びZ軸を通って延びるYZ平面をさらに画定する。XY平面、XZ平面、及びYZ平面はすべて、互いに垂直であり、打撃面の幾何学的中心に位置する座標系の原点で交差する。XY平面は、ホーゼル軸に平行に延び、クラブヘッドのロフト平面からのロフト角に対応する角度で配置される。
【0068】
本明細書で使用される「ドライバゴルフクラブヘッド」のロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、又は約10度未満である。さらに、多くの実施形態において、本明細書で使用される「ドライバゴルフクラブヘッド」の体積は、約400ccより大きい、約425ccより大きい、約445ccより大きい、約450ccより大きい、約455ccより大きい、約460ccより大きい、約475ccより大きい、約500ccより大きい、約525ccより大きい、約550ccより大きい、約575ccより大きい、約600ccより大きい、約625ccより大きい、約650ccより大きい、約675ccより大きい、又は約700ccより大きい。いくつかの実施形態では、ドライバの体積は、約400cc~600cc、425cc~500cc、約500cc~600cc、約500cc~650cc、約550cc~700cc、約600cc~650cc、約600cc~700cc、又は約600cc~800ccであってよい。
【0069】
本明細書で使用される「フェアウェイウッドゴルフクラブヘッド」のロフト角は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、又は約30度未満である。さらに、いくつかの実施形態では、フェアウェイウッドクラブヘッドのロフト角は、約12度より大きく、約13度より大きく、約14度より大きく、約15度より大きく、約16度より大きく、約17度より大きく、約18度より大きく、約19度より大きく、又は約20度より大きくてよい。例えば、他の実施形態では、フェアウェイウッドのロフト角は、12度~35度の間、15度~35度の間、20度~35度の間、又は12度~30度の間であってよい。
【0070】
さらに、本明細書で使用される「フェアウェイウッドゴルフクラブヘッド」の体積は、約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、又は約200cc未満である。いくつかの実施形態では、フェアウェイウッドの体積は、約150cc~200cc、約150cc~250cc、約150cc~300cc、約150cc~350cc、約150cc~400cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250cc~350cc、又は約275cc~375ccであってよい。
【0071】
本明細書で使用される「ハイブリッドゴルフクラブヘッド」のロフト角は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、又は約30度未満である。さらに、多くの実施形態において、ハイブリッドのロフト角は、約16度より大きく、約17度より大きく、約18度より大きく、約19度より大きく、約20度より大きく、約21度より大きく、約22度より大きく、約23度より大きく、約24度より大きく、又は約25度より大きくてよい。
【0072】
さらに、本明細書で使用される「ハイブリッドゴルフクラブヘッド」の体積は、約200cc未満、約175cc未満、約150cc未満、約125cc未満、約100cc未満、又は約75cc未満である。いくつかの実施形態では、ハイブリッドの体積は、約100cc~150cc、約75cc~150cc、約100cc~125cc、又は約75cc~125ccであってよい。
【0073】
本明細書で使用される「アイアン」という語は、いくつかの実施形態では、約60度未満、約59度未満、約58度未満、約57度未満、約57度未満、約56度未満、約55度未満、約54度未満、約53度未満、約52度未満、約51度未満、約50度未満、約49度未満、約48度未満、約47度未満、約46度未満、約45度未満、約44度未満、約43度未満、約42度未満、約41度未満、又は約40度未満のロフト角を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドを指すことがある。さらに、多くの実施形態において、クラブヘッドのロフト角は、約16度より大きい、約17度より大きい、約18度より大きい、約19度より大きい、約20度より大きい、約21度より大きい、約22度より大きい、約23度より大きい、約24度より大きい、又は約25度より大きい。
【0074】
アイアンの体積は、20立方センチメートル(cc)以上、80立方センチメートル(cc)以下であってよい。いくつかの実施形態では、アイアンの体積は、20~50ccの範囲内、又は50~80ccの範囲内であってよい。他の実施形態では、アイアンの体積は、20~60ccの範囲内、30~70ccの範囲内、又は40~80ccの範囲内であってもよい。例えば、アイアンの体積は、20cc、30cc、40cc、50cc、60cc、70cc、又は80ccであってよい。
【0075】
「パター」という語は、いくつかの実施形態では、10度未満のロフト角を有するパター型クラブヘッドを指すことがある。多くの実施形態において、パターのロフト角は、0度~5度の間、0度~6度の間、0度~7度の間、又は0度~8度の間であってよい。例えば、クラブヘッドのロフト角は、10度未満、9度未満、8度未満、7度未満、6度未満、又は5度未満であってよい。さらなる例として、クラブヘッドのロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、又は10度であってよい。パター型ゴルフクラブヘッドは、ブレード型パター、ミッドマレット型パター、マレット型パターであってよい。ミッドマレット型パターについて説明される原理及び構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、ブレード型パター及び/又はマレット型パターにも適用できることを理解されたい。
【0076】
金属-複合材-金属パネル326の構造
本明細書で説明されるのは、複合材料層332が金属層(330、334)の間に挟まれた金属-複合材-金属構造(以下、「MCM」構造、構成、材料、パネル326、部、又はサンドイッチと称する)326である。MCMパネル326は、ゴルフクラブヘッドの様々な部品で使用可能であり、金属と複合材料の組み合わせを備えてよい。複合材料層332において一方向ファイバ、多方向ファイバ、又は一方向ファイバと多方向ファイバの組み合わせを使用することは、全金属構造と比べてゴルフクラブヘッドの重量を削減しつつ、特定の機械的引張性を導入し、強度、耐久性、剛性などの機械的特性を維持する方法である。ファイバは、x方向、y方向、z方向、又はこれらの方向の任意の組み合わせで配向されてよい。z方向に配向されたファイバを組み込むと、MCMパネル326の強度及び剛性をさらに高めることができる。MCMパネル326の構造のおかげで、複合材は、最小限の応力を受け、構造の曲げ挙動に与える影響は最小限であり、全純正金属構造の曲げ特性を再現するので、ゴルフクラブヘッドの部品に現在使われている金属の理想的な重量削減の代替物である。一実施例では、厚さが0.05インチ、又は0.025~0.0925インチのTi6-4の層と、厚さが0.025インチ、又は0.020~0.275インチのファイバ強化PEIの層と、厚さが0.05インチ、又は0.025~0.0925インチのTi6-4の別の層とを備えるMCMパネル326は、純正Tiサンプルと同等の特性及び特徴を有していた。
【0077】
MCMパネル326は3つの層を備えてよい。第1の層330は金属材料を備えてよく、第2の層332は複合材料を備えてよく、第3の層334は金属材料を備えてよい。いくつかの実施形態では、第1及び第3の(金属材料)層(330、334)は同じ材料である。他の実施形態では、第1及び第3の金属層(330、334)の材料は互いに異なってもよい。第2の層332の材料は、第1及び第3の層(330、334)の材料とは異なる。
【0078】
MCMパネルの層1-金属
(第1の層の材料)
第1の層330(「層1」とも呼ぶ)は金属材料で構成されている。第1の層330の材料は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、錫合金、又は他の任意の適切な金属材料のうちの1つ又は任意の組み合わせであってよい。一例では、第1の層330の材料はチタン合金Ti-6-4であり、クラブヘッドボディ162の材料はチタン合金Ti-8-1-1である。
【0079】
(第1の層の厚さ)
第1の層330は第1の層厚さを有してよい。多くの実施形態において、第1の層330の厚さは、パネル326にわたって均一であってよい。他の実施形態では、第1の層330の厚さは、パネル326にわたって異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1の層330の厚さは、0.0025~0.0925インチの間であってよい。いくつかの例では、第1の層330は、0.0025~0.0075インチの間、0.0075~0.0125インチの間、0.0125~0.0175インチの間、0.0175~0.0225インチの間、0.0225~0.0275インチの間、0.0275~0.0325インチの間、0.0325~0.0375インチの間、0.0375~0.0425インチの間、0.0425~0.0475インチの間、0.0475~0.0525インチの間、0.0525~0.0575インチの間、0.0575~0.0625、0インチの間.0625~0.0675インチの間、0.0675~0.0725インチの間、0.0725~0.0775インチの間、0.0775~0.0825インチの間、0.0825~0.0875インチの間、又は0.0875~0.0925インチの間であってよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1の層330の厚さは、最大0.0025インチ、最大0.0075インチ、最大0.0125インチ、最大0.0175インチ、最大0.0225インチ、最大0.0275インチ、最大0.0325インチ、最大0.0375インチ、最大0.0425インチ、最大0.0475インチ、最大0.0525インチ、最大0.0575インチ、最大0.0625インチ、最大0.0675インチ、最大0.0725インチ、最大0.0775インチ、最大0.0825インチ、最大0.0875インチ、又は最大0.0925インチであってよい。いくつかの実施形態では、第1の層330の厚さは、最小0.0025インチ、最小0.0075インチ、最小0.0125インチ、最小0.0175インチ、最小0.0225インチ、最小0.0275インチ、最小0.0325インチ、最小0.0375インチ、最小0.0425インチ、最小0.0475インチ、最小0.0525インチ、最小0.0575インチ、最小0.0625インチ、最小0.0675インチ、最小0.0725インチ、最小0.0775インチ、最小0.0825インチ、最小0.0875インチ、又は最小0.0925インチであってよい。いくつかの実施形態では、第1の層330の厚さは、0.0025インチ以上、0.0075インチ以上、0.0125インチ以上、0.0175インチ以上、0.0225インチ以上、0.0275インチ以上、0.0325インチ以上、0.0375インチ以上、0.0425インチ以上、0.0475インチ以上、0.0525インチ以上、0.0575インチ以上、0.0625インチ以上、0.0675インチ以上、0.0725インチ以上、0.0775インチ以上、0.0825インチ以上、0.0875インチ以上、又は0.0925インチ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の層330の厚さは、0.0025インチ以下、0.0075インチ以下、0.0125インチ以下、0.0175インチ以下、0.0225インチ以下、0.0275インチ以下、0.0325インチ以下、0.0375インチ以下、0.0425インチ以下、0.0475インチ以下、0.0525インチ以下、0.0575インチ以下、0.0625インチ以下、0.0675インチ以下、0.0725インチ以下、0.0775インチ以下、0.0825インチ以下、0.0875インチ以下、又は0.0925インチ以下であってもよい。例えば、第1の層330の厚さは、0.0025インチ、0.0075インチ、0.0125インチ、0.0175インチ、0.0225インチ、0.0275インチ、0.0325インチ、0.0375インチ、0.0425インチ、0.0475インチ、0.0525インチ、0.0575インチ、0.0625インチ、0.0675インチ、0.0725インチ、0.0775インチ、0.0825インチ、0.0875インチ、又は0.0925インチであってよい。他の例では、第1の層330の厚さは、0.005インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、又は0.090インチであってもよい。
【0081】
MCMパネルの層2-複合材
(第2の層の概要)
第2の層332(「層2」とも呼ぶ)は、x軸、y軸、又はz軸に関して並べられ積層された複数の一方向ファイバ、多方向ファイバ、又は一方向ファイバと多方向ファイバの組み合わせを備える複合材料で構成されてよい。複合材ファイバ224の材料及び配向は、ゴルフクラブヘッドに特有の高い応力及び衝撃に耐えることができる強度重量比特性を有する。第2の層332の材料は、第1及び第3の層(330、334)の材料と比べて密度が低く、重量が軽く、及び/又は柔軟性が高くてよい。第2の層332は、使用される重い金属材料の体積を減らすために使用されてよく、そうすることで、強度及び耐久性を維持しながら、パネル326の重量を低減できる。
【0082】
(第2の層の材料)
いくつかの実施形態において、第2の層のファイバ強化複合材料の一部を構成するポリマーは、次の材料のうちのいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせであってよい:ポリエチレンイミン(PEI)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレン(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ナイロン6(6-6、11、12)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PSU)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリアミド46(P46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6.6(PA6.6)、ポリアミド6.6/6(PA6.6/6)、非晶性ポリアミド(PA6-3-T)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、スチレン・アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリパラフェニレンコポリマー(PPP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、又はポリメチルペンテン(PMP)。
【0083】
複合材は、ポリマーファイバ、合成ファイバ、及び天然ファイバのうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせを含み得るファイバを備える。いくつかの実施形態において、ファイバは、炭素ファイバ、ガラスファイバ、ケブラー(登録商標)ファイバ、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ファイバ、玄武岩ファイバ、シリコンファイバ、カーバイドファイバ、アラミドファイバ、ジルコニアファイバ、ホウ素ファイバ、アルミナファイバ、シリカファイバ、ホウケイ酸ファイバ、ムライトファイバ、綿ファイバ、又は他の任意の適切な天然ファイバもしくは合成ファイバであってよい。一例では、第2の層332の材料は、炭素ファイバで強化された熱可塑性ポリマーマトリックスである。
【0084】
複合材の組成は、上記で特定されたポリマーファイバと他の適切なファイバとの間でファイバ材料の体積が異なることに伴って、様々であってよい。いくつかの実施形態では、複合材の体積の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%が、ポリマー材料で構成されてよく、残りの体積パーセントは、適切な天然ファイバ材料又は合成ファイバ材料で構成されている。他の例では、複合材中に存在するポリマーの体積は、30%~35%の間、35%~40%の間、40%~45%の間、45%~50%の間、50%~55%の間、55%~60%の間、60%~65%の間、65%~70%の間、70%~75%の間、75%~80%の間、80%~85%の間、85%~90%の間、90%~95%の間、又は95%~100%の間であってよい。
【0085】
(ファイバの向き)
図2A及び図2Bを参照すると、同様の参照番号が第2の層332の要素を識別するために使用されている。第2の層のファイバは、一方向性、多方向性、又は一方向性と多方向性の両方の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、複数組の一方向性ファイバが、複数の方向の組み合わせで配向されてよい。
【0086】
一実施形態では、第2の層332は、水平ファイバ222及びz方向配向ファイバ220を備える。水平ファイバ222は、水平ファイバの軸、つまりx方向(x軸に平行)又はy方向(y軸に平行)のいずれかに配向されてよい。一例では、水平ファイバ222は、一方向テープとして構成されてよい。いくつかの実施形態では、水平ファイバ222は、ロール・ツー・ロール・プロセスによって形成されてよい。図示の実施形態では、水平ファイバ222はx方向に配向されている。他の実施形態では、水平ファイバ222はy方向に配向されてもよい。さらに他の実施形態では、水平ファイバ222の1つの層がx方向に配向され、水平ファイバ222の別の層がy方向に配向されてもよい。MCMサンドイッチ326の複合材層332は、3つ以上のファイバ層で構成されている。いくつかの実施形態では、長い水平ファイバ222の2枚の薄いシートが、金属層(MCMサンドイッチ326の層1及び層3)(330,334)と接触する複合材層332の面を覆っている。水平方向に並べられた一方向ファイバとz方向配向ファイバ220との複合層は、複合積層体を形成する。複数の複合積層体を組み合わせて、所望の厚さまで厚さを増やしてよい。
【0087】
x方向又はy方向に配向された2つの水平ファイバシートの間に、z方向(z軸に平行)に配向された複数の短いファイバが存在してよい。ファイバは、水平ファイバの軸に対して約45度~90度の範囲内で磁気的にz方向に並べられている。いくつかの例では、ファイバの70%~100%が、(水平ファイバの軸に対して)約45度~90度の範囲内でz方向に配向されている。z方向配向ファイバ220は、互いに実質的に平行であってよく、水平ファイバ222に対して実質的に垂直であってよい。一部のファイバは、製造中に滑ってしまい、z方向配向ファイバ220に対してほぼ垂直に配向されてしまうこともある。z方向配向ファイバ220各々の端部は、x方向又はy方向に配向された水平ファイバ222のシートのうちの一方に接触してよい、又はほぼ接触してよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも70%は、水平ファイバの軸(例えばx軸又はy軸)に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0089】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも75%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0090】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも80%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0091】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも85%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0092】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも90%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0093】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも95%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0094】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも97%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0095】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の少なくとも100%は、水平ファイバの軸に対して、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度傾いている。
【0096】
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220は、複合材の総質量のうち様々な割合を占めてよい。いくつかの例において、z方向配向ファイバ220は、複合材の総質量組成のうちの少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を構成してよい。一例では、z方向配向ファイバ220は複合材の総質量の50%を構成する。別の例では、z方向配向ファイバ220は複合材の総質量の67%を構成する。
【0097】
(ファイバの寸法)
いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の長さは、0.050~0.20mmの間であってよい。いくつかの実施形態では、ファイバの長さは、0.050~0.055mmの間、0.055~0.060mmの間、0.060~0.065mmの間、0.065~0.070mmの間、0.070~0.075mmの間、0.075~0.080mmの間、0.080~0.085mmの間、0.085~0.090mmの間、0.090~0.095mmの間、0.095~0.100mmの間、0.100~0.105mmの間、0.105~0.110mmの間、0.110~0.115mmの間、0.115~0.120mmの間、0.120~0.125mmの間、0.125~0.130mmの間、0.130~0.135mmの間、0.135~0.140mmの間、0.140~0.145mmの間、0.145~0.150mmの間、0.150~0.155mmの間、0.155~0.160mmの間、0.160~0.165mmの間、0.165~0.170mmの間、0.170~0.175mmの間、0.175~0.180mmの間、0.180~0.185mmの間、0.185~0.190mmの間、0.190~0.195mmの間、又は0.195~0.200mmの間であってよい。いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の長さは、少なくとも0.050mm、少なくとも0.060mm、少なくとも0.070mm、少なくとも0.080mm、少なくとも0.090mm、少なくとも0.100mm、少なくとも0.110mm、少なくとも0.120mm、少なくとも0.130mm、少なくとも0.140mm、少なくとも0.150mm、少なくとも0.160mm、少なくとも0.170mm、少なくとも0.180mm、少なくとも0.190mm、又は少なくとも0.200mmであってよい。いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の長さは、最大0.050mm、最大0.060mm、最大0.070mm、最大0.080mm、最大0.090mm、最大0.100mm、最大0.110mm、最大0.120mm、最大0.130mm、最大0.140mm、最大0.150mm、最大0.160mm、最大0.170mm、最大0.180mm、最大0.190mm、又は最大0.200mmであってよい。いくつかの実施形態において、z方向配向ファイバ220の長さは、0.050mm以上、0.060mm以上、0.070mm以上、0.080mm以上、0.090mm以上、0.100mm以上、0.110mm以上、0.120mm以上、0.130mm以上、0.140mm以上、0.150mm以上、0.160mm以上、0.170mm以上、0.180mm以上、0.190mm以上、又は0.200mm以上であってもよい。いくつかの実施形態では、z方向配向ファイバ220は、0.050mm以下、0.060mm以下、0.070mm以下、0.080mm以下、0.090mm以下、0.100mm以下、0.110mm以下、0.120mm以下、0.130mm以下、0.140mm以下、0.150mm以下、0.160mm以下、0.170mm以下、0.180mm以下、0.190mm以下、又は0.200mm以下であってもよい。一例では、z方向配向ファイバ220の長さは、0.085~0.115mmの間である。
【0098】
x方向又はy方向に配向されたファイバの長さは、概して、z方向に配向されたファイバと比較して平均的に長い。いくつかの実施形態において、x方向配向ファイバ及びy方向配向ファイバ(水平ファイバ222)の長さは、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも9cm、又は少なくとも10cmであってよい。いくつかの実施形態において、x方向配向ファイバ及びy方向配向ファイバ(水平ファイバ222)の長さは、最大5mm、最大1cm、最大2cm、最大3cm、最大4cm、最大5cm、最大6cm、最大7cm、最大8cm、最大9cm、又は最大10cmであってよい。いくつかの実施形態において、x方向配向ファイバ及びy方向配向ファイバ(水平ファイバ222)の長さは、5mm以上、1cm以上、2cm以上、3cm以上、4cm以上、5cm以上、6cm以上、7cm以上、8cm以上、9cm以上、又は10cm以上であってもよい。いくつかの実施形態において、x方向配向ファイバ及びy方向配向ファイバ(水平ファイバ222)の長さは、5mm以下、1cm以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、6cm以下、7cm以下、8cm以下、9cm以下、又は10cm以下であってもよい。これらのファイバの平均長さをより長くすることも可能である。いくつかの例では、x方向配向ファイバ又はy方向配向ファイバ(水平ファイバ222)は、それらが平行な面の全長と同程度の長さを有してよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、x方向配向ファイバ、y方向配向ファイバ、及びz方向配向ファイバは、0.010mm~0.250mmの間の平均直径を有してよい。いくつかの例では、ファイバは、0.010mm~0.020mmの間、0.020mm~0.030mmの間、0.030mm~0.040mmの間、0.040mm~0.050mmの間、0.050mm~0.060mmの間、0.060mm~0.070mmの間、0.070mm~0.080mmの間、0.080mm~0.090mmの間、0.090mm~0.100mmの間、0.100mm~0.110mmの間、0.110mm~0.120mmの間、0.120mm~0.130mmの間、0.130mm~0.140mmの間、0.140mm~0.150mmの間、0.150mm~0.160mmの間、0.160mm~0.170mmの間、0.170mm~0.180mmの間、0.180mm~0.190mmの間、0.190mm~0.200mmの間、0.200mm~0.210mmの間、0.210mm~0.220mmの間、0.220mm~0.230mmの間、0.230mm~0.240mmの間、0.240mm~0.250mmの間であってよい。他の例では、x方向配向ファイバ、y方向配向ファイバ、及びz方向配向ファイバの平均直径は、少なくとも0.010mm、少なくとも0.020mm、少なくとも0.030mm、少なくとも0.040mm、少なくとも0.050mm、少なくとも0.060mm、少なくとも0.070mm、少なくとも0.080mm、少なくとも0.090mm、少なくとも0.100mm、少なくとも0.110mm、少なくとも0.120mm、少なくとも0.130mm、少なくとも0.140mm、少なくとも0.150mm、少なくとも0.160mm、少なくとも0.170mm、少なくとも0.180mm、少なくとも0.190mm、少なくとも0.200mm、少なくとも0.210mm、少なくとも0.220mm、少なくとも0.230mm、少なくとも0.240mm、又は少なくとも0.250mmであってよい。
【0100】
通常、ファイバの長さは、平均して、断面直径よりも実質的に長い。したがって、いくつかの実施形態では、ファイバの長さは、ファイバの断面直径の10倍、50倍、100倍、250倍、500倍、又は1000倍である。
【0101】
(第2の層の厚さ)
いくつかの実施形態では、第2の層332の厚さは、0.020~0.275インチの間であってよい。いくつかの実施形態では、第2の層332は、0.020~0.050インチの間、0.045~0.075インチの間、0.070~0.100インチの間、0.095~0.125インチの間、0.120~0.150インチの間、0.145~0.175インチの間、0.170~0.200インチの間、0.195~0.225インチの間、0.220~0.250インチの間、又は0.245~0.275インチの間であってよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、所定の厚さを有する複合積層体を積層及び結合して、所望の厚さを有する積層体を形成してよい。いくつかの実施形態では、積層体層の各々は0.025インチであってよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、第2の層332の厚さは、約0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、0.250インチ、又は0.275インチであってよい。いくつかの実施形態において、第2の層332の厚さは、少なくとも0.025インチ、少なくとも0.050インチ、少なくとも0.075インチ、少なくとも0.100インチ、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.150インチ、少なくとも0.175インチ、少なくとも0.200インチ、少なくとも0.225インチ、少なくとも0.250インチ、又は少なくとも0.275インチであってよい。いくつかの実施形態では、第2の層332の厚さは、0.025インチ以上、0.050インチ以上、0.075インチ以上、0.100インチ以上、0.125インチ以上、0.150インチ以上、0.175インチ以上、0.200インチ以上、0.225インチ以上、0.250インチ以上、又は0.275インチ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の層332の厚さは、0.025インチ以下、0.050インチ以下、0.075インチ以下、0.100インチ以下、0.125インチ以下、0.150インチ以下、0.175インチ以下、0.200インチ以下、0.225インチ以下、0.250インチ以下、又は0.275インチ以下であってもよい。例えば、第2の層332の厚さは、0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、0.250インチ、又は0.275インチであってよい。
【0103】
MCMパネルの層3-金属
(層3の材料)
第3の層334(「層3」とも呼ぶ)の材料は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、錫合金、又は他の任意の適切な金属材料のうちの1つ又はこれらの任意の組み合わせであってよい。一例では、第3の層334の材料はチタン合金Ti-6-4であり、ボディの材料はチタン合金Ti-8-1-1である。いくつかの実施形態では、第3の層334は第1の層と同じ材料を有してよい。他の実施形態では、第1及び第3の層(330、334)は異なる材料で構成されている。
【0104】
(層3の厚さ)
この第3の層334の厚さは、パネル326にわたって均一であってもよいし、パネル326にわたって異なっていてもよい。第3の層334の厚さは、第1の層330の厚さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。いくつかの実施形態(図3D)では、第1の層330は均一な厚さを有するが、第3の層334は様々な厚さを有する。他の実施形態(図3C)では、第1の層は様々な厚さを有するが、第3の層は均一な厚さを有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、第3の層334の厚さは、0.0025~0.0925インチの間であってよい。いくつかの実施形態において、第3の層334は、0.0025~0.0075インチの間、0.0075~0.0125インチの間、0.0125~0.0175インチの間、0.0175~0.0225インチの間、0.0225~0.0275インチの間、0.0275~0.0325インチの間、0.0325~0.0375インチの間、0.0375~0.0425インチの間、0.0425~0.0475インチの間、0.0475~0.0525インチの間、0.0525~0.0575インチの間、0.0575~0.0625インチの間、0.0625~0.0675インチの間、0.0675~0.0725インチの間、0.0725~0.0775インチの間、0.0775~0.0825インチの間、0.0825~0.0875インチの間、又は0.0875~0.0925インチの間であってよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、第3の層334の厚さは、最大0.0025インチ、最大0.0075インチ、最大0.0125インチ、最大0.0175インチ、最大0.0225インチ、最大0.0275インチ、最大0.0325インチ、最大0.0375インチ、最大0.0425インチ、最大0.0475インチ、最大0.0525インチ、最大0.0575インチ、最大0.0625インチ、最大0.0675インチ、最大0.0725インチ、最大0.0775インチ、最大0.0825インチ、最大0.0875インチ、又は最大0.0925インチであってよい。いくつかの実施形態では、第3の層334の厚さは、少なくとも0.0025インチ、少なくとも0.0075インチ、少なくとも0.0125インチ、少なくとも0.0175インチ、少なくとも0.0225インチ、少なくとも0.0275インチ、少なくとも0.0325インチ、少なくとも0.0375インチ、少なくとも0.0425インチ、少なくとも0.0475インチ、少なくとも0.0525インチ、少なくとも0.0575インチ、少なくとも0.0625インチ、少なくとも0.0675インチ、少なくとも0.0725インチ、少なくとも0.0775インチ、少なくとも0.0825インチ、少なくとも0.0875インチ、又は少なくとも0.0925インチであってよい。いくつかの実施形態では、第3の層334の厚さは、0.0025インチ以上、0.0075インチ以上、0.0125インチ以上、0.0175インチ以上、0.0225インチ以上、0.0275インチ以上、0.0325インチ以上、0.0375インチ以上、0.0425インチ以上、0.0475インチ以上、0.0525インチ以上、0.0575インチ以上、0.0625インチ以上、0.0675インチ以上、0.0725インチ以上、0.0775インチ以上、0.0825インチ以上、0.0875インチ以上、又は0.0925インチ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、第3の層334の厚さは、0.0025インチ以下、0.0075インチ以下、0.0125インチ以下、0.0175インチ以下、0.0225インチ以下、0.0275インチ以下、0.0325インチ以下、0.0375インチ以下、0.0425インチ以下、0.0475インチ以下、0.0525インチ以下、0.0575インチ以下、0.0625インチ以下、0.0675インチ以下、0.0725インチ以下、0.0775インチ以下、0.0825インチ以下、0.0875インチ以下、又は0.0925インチ以下であってもよい。例えば、第3の層334の厚さは、0.0025インチ、0.0075インチ、0.0125インチ、0.0175インチ、0.0225インチ、0.0275インチ、0.0325インチ、0.0375インチ、0.0425インチ、0.0475インチ、0.0525インチ、0.0575インチ、0.0625インチ、0.0675インチ、0.0725インチ、0.0775インチ、0.0825インチ、0.0875インチ、又は0.0925インチであってよい。他の例では、第3の層334の厚さは、0.005インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、又は0.090インチであってもよい。
【0107】
MCMパネル326
(MCMパネル326の概要)
上述した第1、第2及び第3の層(330、332、334)を組み合わせて、MCMパネル326を形成することができる。第2の(複合材)層332は、第1及び第3の(金属)層(330、334)の内側に配置されてよい、接着されてよい、又は包み込まれてよい。いくつかの実施形態では、第1の(金属)層330及び第3の(金属)層334の形状は同じであってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、2つの金属層は同一になるように形成されてよいが、スタンピング、プレス、又は機械加工などの後続の形成ステップによって、2つの金属層の間に差異が生じる可能性がある。他の実施形態では、第1及び第3の層(330、334)は異なる形状を有するが、それでも第2の層332を包み込むか又は挟みこむように協働する。
【0108】
(MCMパネル326の厚さ)
各MCM層の厚さは、サンドイッチ326全体の厚さに影響する。異なる層厚さが協働して、ゴルフクラブヘッドに要求される最適な強度及び耐久特性がもたらされるので、サンドイッチの厚さはその用途及び実施形態に応じて異なる。いくつかの実施形態では、MCM部326は、0.025~0.500インチの間(コメント)であってよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は、0.025~0.05インチの間、0.05~0.075インチの間、0.075~0.100インチの間、0.100~0.125インチの間、0.125~0.150インチの間、0.150~0.175インチの間、0.175~0.200インチの間、0.200~0.225インチの間、0.225~0.250インチの間、0.250~0.275インチの間、0.275~0.300インチの間、0.300~0.325インチの間、0.325~0.350インチの間、0.350~0.375インチの間、0.375~0.400インチの間、0.400~0.425インチの間、0.425~0.450インチの間、0.450~0.475インチの間、又は0.475~0.500インチの間であってよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、MCM部326は、最大0.025インチ、最大0.050インチ、最大0.075インチ、最大0.100インチ、最大0.125インチ、最大0.150インチ、最大0.175インチ、最大0.200インチ、最大0.225インチ、最大0.250インチ、最大0.275インチ、最大0.300インチ、最大0.325インチ、最大0.350インチ、最大0.375インチ、最大0.400インチ、最大0.425インチ、最大0.450インチ、最大0.475インチ、又は最大0.500インチであってよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は、少なくとも0.025インチ、少なくとも0.050インチ、少なくとも0.075インチ、少なくとも0.100インチ、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.150インチ、少なくとも0.175インチ、少なくとも0.200インチ、少なくとも0.225インチ、少なくとも0.250インチ、少なくとも0.275インチ、少なくとも0.300インチ、少なくとも0.325インチ、少なくとも0.350インチ、少なくとも0.375インチ、少なくとも0.400インチ、少なくとも0.425インチ、少なくとも0.450インチ、少なくとも0.475インチ、又は少なくとも0.500インチであってよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は、0.025インチ以上、0.050インチ以上、0.075インチ以上、0.100インチ以上、0.125インチ以上、0.150インチ以上、0.175インチ以上、0.200インチ以上、0.225インチ以上、0.250インチ以上、0.275インチ以上、0.300インチ以上、0.325インチ以上、0.350インチ以上、0.375インチ以上、0.400インチ以上、0.425インチ以上、0.450インチ以上、0.475インチ以上、又は0.500インチ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は、0.025インチ以下、0.050インチ以下、0.075インチ以下、0.100インチ以下、0.125インチ以下、0.150インチ以下、0.175インチ以下、0.200インチ以下、0.225インチ以下、0.250インチ以下、0.275インチ以下、0.300インチ以下、0.325インチ以下、0.350インチ以下、0.375インチ以下、0.400インチ以下、0.425インチ以下、0.450インチ以下、0.475インチ以下、又は0.500インチ以下であってもよい。例えば、MCM部326は、0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、0.250インチ、0.275インチ、0.300インチ、0.325インチ、0.350インチ、0.375インチ、0.400インチ、0.425インチ、0.450インチ、0.475インチ、又は0.500インチであってよい。
【0110】
(MCMパネル326の重量)
MCM部326の重量は実施形態の全金属構造よりも軽いので、ゴルフクラブヘッドの部品の全金属構造の代わりにMCM材料326を組み込むことによって、全体的な質量を削減しながら、必要な耐久性及び剛性を提供することができる。断面積、層の厚さ、及び各層に使用される材料は、MCMで構築された実施形態の全体的な重量及び軽量性に影響を与える。以下の軽量範囲は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、錫合金、又は他の任意の適切な金属を使用する構造に関するものである。いくつかの実施形態では、全金属構造に対するMCM構造326の軽量化率は、3%~50%の間であってよい。他の実施形態では、全金属構造に対するMCM構造326の軽量化率は、最大70%であってよい。いくつかの実施形態では、MCM構造326は全金属構造よりも、最大3%、最大5%、最大10%、最大12%、最大14%、最大16%、最大18%、最大20%、最大22%、最大24%、最大26%、最大28%、最大30%、最大32%、最大34%、最大36%、最大38%、最大40%、最大42%、最大44%、最大46%、最大48%、又は最大50%軽くてよい。いくつかの実施形態では、MCM構造326は全金属構造よりも、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも24%、少なくとも26%、少なくとも28%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも34%、少なくとも36%、少なくとも38%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも46%、少なくとも48%、又は少なくとも50%軽くてよい。いくつかの実施形態では、MCM構造326は全金属構造よりも、3%以上、5%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、18%以上、20%以上、22%以上、24%以上、26%以上、28%以上、30%以上、32%以上、34%以上、36%以上、38%以上、40%以上、42%以上、44%以上、46%以上、48%以上、又は50%以上軽くてもよい。いくつかの実施形態では、MCM構造326は全金属構造よりも、3%以下、5%以下、10%以下、12%以下、14%以下、16%以下、18%以下、20%以下、22%以下、24%以下、26%以下、28%以下、30%以下、32%以下、34%以下、36%以下、38%以下、40%以下、42%以下、44%以下、46%以下、48%以下、50%以下、52%以下、54%以下、56%以下、58%以下、60%以下、62%以下、64%以下、66%以下、68%以下、又は70%以下軽くてもよい。例えば、MCM構造326は全金属構造よりも、3%、5%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、又は50%軽くてよい。
【0111】
MCM構造326をゴルフクラブヘッドの1つ又は複数の部品に組み込むことによって、同一又は同様の構造を有するが、MCM部品326の代わりに全金属部品を有するゴルフクラブヘッドと比較して、クラブヘッドを最大20%軽くすることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのMCM部品を有するゴルフクラブヘッドは純正作りのゴルフクラブヘッドよりも、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大8%、最大10%、最大12%、最大14%、最大16%、最大18%、又は最大20%軽くてよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのMCM部品を有するゴルフクラブヘッドは標準的な作りのゴルフクラブヘッドよりも、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、又は少なくとも20%軽くてよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのMCM部品を有するゴルフクラブヘッドは純正作りのゴルフクラブヘッドよりも、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、18%以上、又は20%以上軽くてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのMCM部品を有するゴルフクラブヘッドは標準的な作りのゴルフクラブヘッドよりも、1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、6%以下、8%以下、10%以下、12%以下、14%以下、16%以下、18%以下、又は20%以下軽くてもよい。例えば、少なくとも1つのMCM部品を有するゴルフクラブヘッドは標準的な作りのゴルフクラブヘッドよりも、1%、2%、3%、4%、5%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、又は20%軽くてよい。上述の軽量化率は、MCM部品からなるクラブヘッドを、MCM部品の代わりに全金属部品からなる同一のクラブヘッドと比較する場合に適用される。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドの残りの部分はすべて金属で構成されてよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドの残りの部分は金属と複合材との組み合わせで構成されてもよい。
【0112】
軽量化率は、MCM部326の各層の厚さ、各層に使用される材料、及び断面の表面積に依存し得る。例えば、チタンで形成された厚さが0.05インチの金属層とPEEKで形成された厚さが0.05インチの複合材層とを有するMCM構造326は、全チタン構造よりも23.7%軽い。断面積と層の厚さは前述の例と同じままでPEEK複合材料をPPSに置き換えた場合、全チタン構造に対するMCM構造の軽量化率は23.4%である。チタン-PEEK-チタンのMCM材料構造において金属層を厚さが0.025インチの金属層に置き換えた別の例では、全チタン構造よりも35.6%軽い構造が得られる。このように、異なる実施形態に関して層材料組成を調整することにより、MCM部326の機械的特性を最適化しながら、様々な軽量化の機会をもたらすことができる。
【0113】
(MCMパネル326の形状)
MCM部326は、典型的に鋳造又は鍛造される任意の形状を取り、所望の構造を形成してよい。いくつかの実施形態において、MCM部326は、二次元の多角形状に形成されてよく、この形状はわずかな湾曲を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。MCM部326は、長方形、三角形、六角形、ハニカム、円形、ひし形、正方形、又は他の任意の適切な形状を含む二次元形状に類似する形状であってよい。他の実施形態では、MCM部326は、1つ又は複数の湾曲領域又は屈曲領域、及び/又は様々な厚さの領域を含む複雑な三次元形状に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、MCM構造326は、強度を必要とするが、MCM構造326の軽量化から利益を得るゴルフクラブヘッドのフェースプレート402、ウェイト支持構造、スリット又はチャンネル、リブ、又は他の任意の構造の形状であってよい。
【0114】
(MCMパネル326の機械的特性)
MCM部326の耐久性は、その用途によって変わり得る。多方向配向ファイバを使用することによって、クラブヘッドの様々な部品の耐久性を向上させることができる。いくつかの実施形態では、MCM部326は、破損するまでにエアキャノンで900~2300打数の間の総打数に耐えてよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は、900打数まで、950打数まで、1000打数まで、1050打数まで、1100打数まで、1150打数まで、1200打数まで、1250打数まで、1300打数まで、1350打数まで、1400打数まで、1450打数まで、1500打数まで、1550打数まで、1600打数まで、1650打数まで、1700打数まで、1750打数まで、1800打数まで、1850打数まで、1900打数まで、1950打数まで、2000打数まで、2050打数まで、2100打数まで、2150打数まで、2200打数まで、2250打数まで、又は2300打数まで耐えてよい。いくつかの実施形態において、MCM部326は、少なくとも900打数、少なくとも950打数、少なくとも1000打数、少なくとも1050打数、少なくとも1100打数、少なくとも1150打数、少なくとも1200打数、少なくとも1250打数、少なくとも1300打数、少なくとも1350打数、少なくとも1400打数、少なくとも1450打数、少なくとも1500打数、少なくとも1550打数、少なくとも1600打数、少なくとも1650打数、少なくとも1700打数、少なくとも1750打数、少なくとも1800打数、少なくとも1850打数、少なくとも1900打数、少なくとも1950打数、少なくとも2000打数、少なくとも2050打数、少なくとも2100打数、少なくとも2150打数、少なくとも2200打数、少なくとも2250打数、又は少なくとも2300打数に耐えてよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は純正金属よりも、最大10%、最大20%、最大30%、最大40%、最大50%、最大60%、最大70%、最大80%、最大90%、最大100%、最大110%、又は最大120%多くの打数に耐えてよい。いくつかの実施形態では、MCM部326は純正金属よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、又は少なくとも120%多い打数に耐えてよい。一例では、チタン(Ti6-4)とPEIとで構成されたMCMパネル326はエアキャノン試験で2150打数に耐えたが、これは、純正チタンサンプルがエアキャノンで耐えたのと比較して115%多い打数である。
【0115】
MCM部326の曲げ弾性率は、複合材ファイバの配向及び分布の影響を受けるので、その用途、材料特性及び材料性質に応じて変わり得る。MCMパネル326の利点は、所望の曲げ弾性率値をもたらすように容易に調整できることである。例えば、複合材層332の材料組成及び厚さを金属層(330、334)と調節することによって、チタン、鋼、又は他の任意の適切な金属と同等の曲げ弾性率を有するパネル326を得ることができる。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、14000ksi~27000ksiの間であってよい。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、14000~15000ksiの間、15000~16000ksiの間、16000~17000ksiの間、17000~18000ksiの間、18000~19000ksiの間、19000~20000ksiの間、20000~21000ksiの間、21000~22000ksiの間、22000~23000ksiの間、23000~24000ksiの間、24000~25000ksiの間、25000~26000ksiの間、又は26000~27000ksiの間であってよい。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、最大14000ksi、最大15000ksi、最大16000ksi、最大17000ksi、最大18000ksi、最大19000ksi、最大20000ksi、最大21000ksi、最大22000ksi、最大23000ksi、最大24000ksi、最大25000ksi、最大26000ksi、又は最大27000ksiであってよい。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、少なくとも14000ksi、少なくとも15000ksi、少なくとも16000ksi、少なくとも17000ksi、少なくとも18000ksi、少なくとも19000ksi、少なくとも20000ksi、少なくとも21000ksi、少なくとも22000ksi、少なくとも23000ksi、少なくとも24000ksi、少なくとも25000ksi、少なくとも26000ksi、又は少なくとも27000ksiであってよい。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、14000ksi以上、15000ksi以上、16000ksi以上、17000ksi以上、18000ksi以上、19000ksi以上、20000ksi以上、21000ksi以上、22000ksi以上、23000ksi以上、24000ksi以上、25000ksi以上、26000ksi以上、又は27000ksi以上であってもよい。いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326の曲げ弾性率は、14000ksi以下、15000ksi以下、16000ksi以下、17000ksi以下、18000ksi以下、19000ksi以下、20000ksi以下、21000ksi以下、22000ksi以下、23000ksi以下、24000ksi以下、25000ksi以下、26000ksi以下、又は27000ksi以下であってもよい。一例では、MCMサンドイッチ326は16072ksiの曲げ弾性率を有する。別の例では、MCMサンドイッチ326は15239ksiの曲げ弾性率を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、MCMサンドイッチ326のヤング率は、14Mpsi~20Mpsiの間、14.0Mpsi~14.25Mpsiの間、14.25Mpsi~14.5Mpsiの間、14.5Mpsi~14.75Mpsiの間、14.75Mpsi~15.0Mpsiの間、15.0Mpsi~15.25Mpsiの間、15.25Mpsi~15.5Mpsiの間、15.5Mpsi~15.75Mpsiの間、15.75Mpsi~16.0Mpsiの間、16.0Mpsi~16.25Mpsiの間、16.25Mpsi~16.5Mpsiの間、16.5Mpsi~16.75Mpsiの間、16.75Mpsi~17.0Mpsiの間、18.0Mpsi~18.25Mpsiの間、18.25Mpsi~18.5Mpsiの間、18.5Mpsi~18.75Mpsiの間、18.75Mpsi~18.0Mpsiの間、19.0Mpsi~19.25Mpsiの間、19.25Mpsi~19.5Mpsiの間、19.5Mpsi~19.75Mpsiの間、19.75Mpsi~20.0Mpsiの間であってよい。
【0117】
ゴルフクラブヘッド
上述のMCMパネル326は、ゴルフクラブヘッドの複数の部品のいずれかに製造されてよい。例えば、限定されないが、MCM構成326は、フェースプレート402、フェースカップ436、ウェイトチャンネル又はウェイトチャンネル支持構造560、チャンネル、又はリブ550に製造されてよい。そして、これらの構成物は、ゴルフクラブヘッドの特定の設計及び物理的目標のために調整され、必要とされる強度、耐久性、及び可撓性を維持しながら、所望の軽量化を提供するように、ゴルフクラブヘッドに配置されてよい。
【0118】
図1図4図6図7図8図10、及び図11を参照すると、以下に説明するフェースプレート402、リブ、及び/又はウェイトチャンネルを有するゴルフクラブヘッドボディは、ドライバ型のゴルフクラブヘッドである。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドボディ162は、任意のウッド型のゴルフクラブヘッド(すなわち、ドライバ、フェアウェイウッド、又はハイブリッド)、アイアン型のゴルフクラブヘッド700、又はパター型のゴルフクラブヘッド800であってよい。
【0119】
ウッド型クラブの特徴
ウッド型ゴルフクラブヘッドアセンブリは、クラブヘッドボディ162及びフェースプレート102を備えてよい。同様の特徴を有するゴルフクラブヘッド部品は、100の値だけ間隔をあけた同様の参照番号によって示される(例えば、ゴルフクラブヘッドフェースプレートは、参照番号102、202、302などによって記載され得る)。「100」番台の数字(例えば、102、104、106など)を参照して説明される多くの特徴は、同様の参照番号に適用することができる。フェースプレート(102、402)を含むゴルフクラブヘッドボディ162を参照して以下に説明される詳細は、特に指定されない限り、フェースカップ902を含むゴルフクラブヘッドボディ962にも適用できる。ウッド型ゴルフクラブヘッドボディ162は、前端112と、後部110と、ヒール端108と、ヒール端108に対向するトウ端106と、クラウン104と、クラウン104に対向するソール114と、リーディングエッジ116と、ホーゼル118とをさらに備えてよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ100は、(a)ゴルフクラブヘッド100、(b)シャフト(図示せず)、及び(c)シャフトに接続されたホーゼル118を含んでよい。別の実施形態では、ゴルフクラブは、ホーゼル118の代わりに、シャフトが接続される穴を有する。シャフトの第1の端部とホーゼル118は、接着接合プロセス(例えば、エポキシ)及び/又は他の適切な接合プロセス(例えば、機械的接合、はんだ付け、溶接、及び/又はろう付け)によって互いに固定されてよい。ゴルフクラブを完成させるために、グリップ(図示せず)がシャフトの第2の端部又は反対側の端部を受け入れてよい。シャフトとグリップは、接着接合プロセス及び/又は他の適切な接合プロセスによって互いに固定されてよい。いくつかの例では、ホーゼル118又は穴は、ゴルフクラブヘッド100のヒール端又はゴルフクラブヘッド100の中心に位置してよい。
【0121】
ゴルフクラブヘッド100は、(a)ゴルフボールと係合するクラブフェース102(すなわち、打撃面)、(b)クラブフェース102に接続されたソール114、(c)クラブフェース102及びソール114に接続されたトウ106、(d)トウ端106に対向し、クラブフェース102及びソール114に接続されたヒール端108、及び(e)クラブフェース102、トウ端106、及びヒール端108に接続された上面(例えば、クラウン104、又はトップレール704)を含んでよい。
【0122】
いくつかの例では、ゴルフクラブヘッド100は、鋳造プロセス、鍛造プロセス、これらの組み合わせ、又は1つ又は複数の他の適切な製造プロセスによって、鋼材料、他の金属、又は1つ又は複数の他の材料から製造されてよい。多くの例では、ゴルフクラブヘッド100は単一ボディとして形成されてよい。他の例では、ゴルフクラブヘッド100は、複数の部品(例えば、別体のフェースプレート402及び/又は溝を形成するための別体のインサート、クラウンインサート、又は別個に取り付け可能なタービュレータ442、リブ550、支持構造446、又はウェイト構造560などの他の部品)で構成されてよい。
【0123】
MCM構造のフェースプレート402
一実施形態では、ゴルフクラブヘッドのフェースプレート402にMCM構成326を使用する。フェースプレート402は、クラブヘッドの性能(すなわち、軽重量、CT、CG)を最適化する機械的特性を保持しつつ、衝撃の繰り返しに耐えるのに十分な耐久性を有する必要がある。例えば、フェースプレート402に高密度金属を使用すると、クラブのCGがフェース側にシフトしてしまい、ゴルフボールのスピン及び打ち出し特性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、MCM材料326でフェースプレート402を作ることによって、複合材層のファイバ配向特性により強度及び耐久性を維持しながら、クラブヘッドの前部の重量を減らすことができる。
【0124】
フェースプレート102を含むゴルフクラブヘッドボディを参照して以下に説明される詳細は、特に指定されない限り、フェースカップ436を含むゴルフクラブヘッドボディ402にも適用することができる。一実施形態では、ゴルフクラブヘッドボディ102は、鋳造材料、又は鋳造材料と軽量化材料との組み合わせから形成される。
【0125】
図1を参照すると、フェースプレート102は、ヒール端と、ヒール端に対向するトウ端とを含む。ヒール端は、シャフトがクラブヘッドアセンブリに接続されるホーゼル部(ホーゼルとホーゼル移行部)に近接して配置されている。フェースプレート402は、クラウンエッジと、クラウンエッジに対向するソール114エッジとをさらに含む。クラウンエッジはクラブヘッドボディの上縁に隣接しており、ソール114エッジはクラブヘッドボディの下縁に隣接している。フェースプレート102は、ヒール端とトウ端との間を延びる方向にバルジ曲率を有してよい。フェースプレート102は、クラウンとソール114との間を延びる方向にロール曲率を有してよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、フェースプレート402はフェースカップ436であってよい。図19に示されるゴルフクラブヘッドボディ400のフェースカップ436は、上述のフェースプレート402と多くの点で類似している。図19に示されるように、クラブヘッドボディ462は、フェースカップ436を受容するための凹部又は開口436をさらに画定している。図示の実施形態では、開口436は、開口436の外周上を延びるリップ449を含む。フェースカップ436は開口436と位置合わせされ、リップ449に当接する。フェースカップ436は溶接によってボディ462に固定され、クラブヘッドアセンブリ400を形成する。フェースカップ436は、パルスプラズマ溶接プロセス、連続レーザー溶接、又は他の任意の適切な溶接プロセスで、ボディ462に固定されてよい。
【0127】
フェースカップ436は、トウ部406と、ヒール部408と、クラウンエッジと、クラウンエッジに対向するソールエッジとを備える。フェースカップ436は、ボディの開口436内に受容され、開口436に恒久的に固着されるように構成されており、ゴルフカブヘッド400の前部を形成する。クラウン返し438、ソール返し440、及びトウ部406が、フェースカップ打撃面部436を取り囲んでいる。クラウンエッジは、クラウン返し438に沿って周縁部448の一部を画定している。ソールエッジは、ソール返し440に沿って周縁部448の一部を画定している。クラウンエッジはクラブヘッドボディ462の上縁に隣接しており、ソールエッジはクラブヘッドボディ462の下縁に隣接している。フェースカップ436のクラウンエッジ及びソール114エッジは、開口436のリップ449に当接するように構成されている。代替実施形態は、クラウン返し438を備えないがソール114の返し440を備えるバージョンのフェースカップ436、又はソール114の返し440を備えないがクラウン返し438を備えるバージョンのフェースカップ436を含んでよい。さらなる実施形態は、ソール114の返し440の一部のみ(ヒール-トウ方向においてソール114の全幅に沿って延びていない)、及び/又はクラウン返し438の一部のみ(ヒール-トウ方向においてクラウンの全幅に沿って延びていない)を備えるバージョンのフェースカップ436を含んでもよい。
【0128】
フェースカップ436を備える多くの実施形態において、複合材層332の寸法及び形状はフェースプレート402の寸法及び形状と同じであってよい。図3Eを参照すると、これらの実施形態のいくつかでは、クラウン返し438及びソール返し440は、金属からなり、複合材層332を欠いている。他の実施形態では、複合材層332は、クラウン返し部438及びソール返し部440まで延びてもよい。これらの実施形態のいくつかでは、第2の層332は、フェースカップ436の端部まで延びてよい。他の実施形態では、複合材層332は、クラウン返し438の一部及び/又はソール返し440の一部まで延びてよいが、端部までは延びない。
【0129】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるMCMサンドイッチ326を備えるフェースプレート402又はフェースカップ436の最小肉厚及び最大肉厚は、0.075~0.150インチの間であってよい。いくつかの実施形態では、肉厚は、最大0.075インチ、最大0.080インチ、最大0.085インチ、最大0.090インチ、最大0.095インチ、最大0.100インチ、最大0.105インチ、最大0.110インチ、最大0.115インチ、最大0.120インチ、最大0.125インチ、最大0.130インチ、最大0.135インチ、最大0.140インチ、最大0.145インチ、又は最大0.150インチであってよい。いくつかの実施形態では、肉厚は、少なくとも0.075インチ、少なくとも0.080インチ、少なくとも0.085インチ、少なくとも0.090インチ、少なくとも0.095インチ、少なくとも0.100インチ、少なくとも0.105インチ、少なくとも0.110インチ、少なくとも0.115インチ、少なくとも0.120インチ、少なくとも0.125インチ、少なくとも0.130インチ、少なくとも0.135インチ、少なくとも0.140インチ、少なくとも0.145インチ、又は少なくとも0.150インチであってよい。MCM材料326の厚さは、フェースプレート402又はフェースカップ436全体にわたって均一であってもよいし、異なってもよい。例えば、フェースプレート402の外縁での厚さが0.084インチで、フェースプレート402の中心での厚さが0.134インチであってよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるMCMサンドイッチ326を備えるフェースプレート402の最小質量及び最大質量は、純正金属構成を備えるフェースプレート402のものよりも、3%~40%軽くてよい。いくつかの実施形態では、MCMフェースプレート402は純正金属のフェースプレート402よりも、最大3%、最大5%、最大8%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、又は最大40%軽くてよい。いくつかの実施形態では、MCMフェースプレート402は純正金属のフェースプレート402よりも、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、又は少なくとも40%軽くてよい。
【0131】
一例では、第1の層330の厚さが0.05インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.05インチであるチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも23.7%軽い。別の例では、第1の層330の厚さが0.025インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.025インチのチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも35.6%軽い。別の例では、第1の層330の厚さが0.025インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.025インチ~0.059インチの間で変化するチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも31.4%軽い。別の例では、第1の層330の厚さが0.05インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.05インチのチタン-PPS-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも23.4%軽い。別の例では、第1の層330の厚さが0.025インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.025インチのチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも33.5%軽い。別の例では、第1の層330の厚さが0.025インチ、第2の層332の厚さが0.05インチ、及び第3の層334の厚さが0.025インチ~0.059インチの間で変化するチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも31.0%軽い。
【0132】
いくつかの実施形態では、フェースプレート402は緩衝ゾーン328を備えてよい。緩衝ゾーン328は、金属材料のみで構成され、複合材料を含まなくてよい。緩衝ゾーン328は、中央層に損傷を与えうる方法でフェースをクラブヘッドボディに固定することを可能にする。緩衝ゾーン328を備える実施形態では、第2の層332は、第1の層330と第3の層334の内側で完全に包み込まれていてよい。これらの実施形態において、第2の層332のヒールからトウまでの長さ及びトップからボトムまでの高さは、第1の層及び第3の層334のものよりも小さくてよい。
【0133】
緩衝ゾーン328を備える実施形態では、フェースの周縁部付近で、第1の層及び第3の層334の一方又は両方が他方に向かって曲げられていてよく、これによって、第1の層及び第3の層334が互いに対して実質的に平坦になっている。第1の層330と第3の層334が互いに当接している緩衝ゾーン328は、第2の層332の周縁部を超えていてよい。換言すれば、第2の層332は、緩衝ゾーン328の境界で終端しており、緩衝ゾーン328内には延びていない。このように、中央材料を含まず、フェースの周縁と中央層の周縁との間で測定される幅を有する緩衝ゾーン328が形成される。緩衝ゾーン328の幅は、周縁部全体に沿って一定であってよく、0.35インチ~1.5インチの間であってよい。いくつかの実施形態では、緩衝ゾーン328は、0.40インチ未満、0.50インチ未満、0.60インチ未満、0.70インチ未満、0.80インチ未満、0.90インチ未満、1.0インチ未満、1.1インチ未満、1.2インチ未満、1.3インチ未満、1.4インチ未満、又は1.5インチ未満であってよい。一例では、緩衝ゾーン328の幅は0.75インチであってよい。外層及び内層の外縁は、フェースをクラブヘッドボディに取り付ける前に、溶接によって互いに接合されてよい。その後、溶接又は他の適切な方法でフェースがボディに固定されてよい。多くの実施形態において、フェースに関するすべての溶接はレーザー溶接の形態であってよい。
【0134】
他の実施形態では、フェースプレート402は緩衝ゾーン328を備えていない。これらの実施形態において、第1の層330、第2の層332及び第3の層334はすべて、フェースプレート402の縁部の一部又はすべての周りで同一平面に沿って終端する。
【0135】
MCM構成のリブ
MCM構造326の別の実施形態は、ゴルフクラブヘッドのリブ550に存在する。リブ550は、クラブヘッドの肉薄領域(例えば、クラウン、フェースプレート402)のため、応力及びインパクト撓みのため、又は音制御のためにサポートを提供する。しかしながら、これらの用途のためにリブ550を追加することによって、クラブヘッドの特定の場所で質量が増加してしまい、これによって、CGがシフトして、スピンや打ち出し特性に悪影響を及ぼす可能性がある。MCM構造326で構成されたリブ550は、強度と音制御機能を提供するが、従来のTiで構成されたリブ550よりも最大25%軽い。
【0136】
クラブヘッドは、全てのクラブヘッド部品(すなわち、金属ボディ、複合材シェル、及びリア110ボディ)にわたって固定されたリブ550を備えてよい。リブ550は、各クラブヘッド部品に構造的剛性を提供するために、強度と耐久性のある材料から形成される必要がある。内部リブ550は質量部において不要な振動を低減することができ、これは望ましいことである。なぜなら、ゴルフクラブヘッドの質量の大部分がゴルフクラブヘッドの後部110にまで位置するからである。MCMサンドイッチパネル326を用いてリブ550部品の重量を低減することによって、リブ550に必要とされる強い材料特性を提供しながら、ゴルフクラブヘッドの特定の位置に重量を再分配することができる。
【0137】
リブ550は、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許出願第15/076,511号に記載されているように、ゴルフクラブヘッド内で構造化及び配置されてよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブの内部は、内部リブ550の幅を有する複数の内部リブ550を備えてよい。複数の内部リブ550は、2つのリブ550、3つのリブ550、4つのリブ550、5つのリブ550、又は6つ以上のリブ550を備えてよい。リブ550は、クラブヘッドの閉じた内部容積内で固定されており、より詳細には、ソール114の内面に固定されている。他の実施形態では、リブ550は、クラウンの内面、又はソール114の内面とクラウンの内面との組み合わせに固定されてよい。内部リブ550は、リブ550の高さとリブ550の長さとをさらに備える。
【0138】
内部リブ550の幅は、0.025インチ~0.100インチの範囲内であってよい。例えば、内部リブ550の幅は、0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、又は0.100インチである。内部リブ550の長さは、0.100インチ~1.500インチの範囲内であってよい。例えば、内部リブ550の長さは、0.100インチ、0.200インチ、0.300インチ、0.400インチ、0.500インチ、0.600インチ、0.700インチ、0.800インチ、0.900インチ、1.000インチ、1.100インチ、1.200インチ、1.300インチ、1.400インチ、又は1.500インチであってよい。
【0139】
純正金属リブ550に対するMCM構成のリブ550の軽量化率は、リブ当たり最大25%であってよい。軽量化率は、使用される層材料及び寸法によって変わる。いくつかの実施形態では、MCMリブ550は純正金属リブよりも、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大8%、最大10%、最大12%、最大15%、最大17%、最大20%、最大22%、又は最大25%軽い。いくつかの実施形態では、MCMリブ550は純正金属リブよりも、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも17%、少なくとも20%、少なくとも22%、又は少なくとも25%軽い。
【0140】
MCM構造のウェイトチャンネル支持部
調整可能なウェイトシステムを有するゴルフクラブヘッドでは、ボールの飛行特性(すなわち、ボールのスピン又は軌道)に影響を与えて性能を最適化するために、ユーザがクラブヘッドの重心を調整することができる。このウェイトシステムのチャンネルの支持構造はゴルフクラブヘッドの他の領域に比べて分厚いので、クラブヘッドの構造質量に大きく寄与する。より軽いウェイトチャンネル支持構造560を有することによって、ウェイトチャンネルに取り付け可能なウェイトがクラブヘッドに与える影響をより大きくすることができる。MCM構造326で構成されたウェイトチャンネル支持部560は、強度及び支持性能を提供するが、従来の金属で構成された支持構造よりも最大45%軽い。
【0141】
ウェイトチャンネルは、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許出願第16/185,923号に記載されているように、ゴルフクラブヘッド内で構造化及び配置されてよい。いくつかの実施形態において、ゴルフクラブヘッドは、ボディに配置される調整可能なウェイトシステムを含み、調整可能なウェイトシステム560は、1つのチャンネルと、1つのチャンネル内にある複数の取り付け位置とを含み、複数の取り付け位置の各々は、ウェイトを受容するように構成されている。チャンネルは、クラブヘッドの外周部、より具体的には、ソール114に配置され、クラウンに隣接するクラブの後部110に配置される。さらに、チャンネルは、クラブヘッドのヒール端からトウ端へと延びており、チャンネルの両端は、クラブヘッドの打撃面から等距離にある。さらに、クラブヘッドのチャンネルは、側壁と床壁とを備える。
【0142】
純正金属ウェイトチャンネル支持部に対するMCM構成のウェイトチャンネル支持部の軽量化率は、最大45%であってよい。軽量化率は、使用される層材料と寸法によって変わる。いくつかの実施形態では、MCMウェイトチャンネル支持部は全金属構造のチャンネル支持部よりも、最大5%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、又は最大45%軽い。他の実施形態では、全金属構造のウェイトチャンネル支持部に対するMCMウェイトチャンネル支持部の軽量化率は、5%~10%の間、10%~15%の間、15%~20%の間、20%~25%の間、25%~30%の間、30%~35%の間、35%~40%の間、40%~45%の間である。
【0143】
一例では、厚さが0.020インチの第1の層330、厚さが0.05インチの第2の層332、及び厚さが0.020インチの間の第3の層334を有するチタン-PEEK-チタンMCM構成のウェイトチャンネル構造560は、全チタン構造よりも39.4%軽い。別の例では、厚さが0.020インチの第1の層330、厚さが0.05インチの第2の層332、及び厚さが0.020インチの間の第3の層334を有するチタン-PPS-チタンMCM構成のウェイトチャンネル構造560は、全チタン構造よりも38.9%軽い。
【0144】
MCM構成のタービュレータ442
本明細書には、空気流の分離距離を大きくすることによって抗力を減少させることで、ゴルフクラブヘッドの空気力学的特性を向上させるためのタービュレータ442を備えるゴルフクラブヘッドの様々な実施形態が記載されている。タービュレータ442を配置することによって、ゴルフクラブヘッドの上方及び前方にさらに質量が追加されてしまう場合があるが、これは、ゴルフボールの性能特性を最適化するには理想的なことではない。タービュレータ442に軽量材料を実装することによって、質量の追加を最小限に抑えながら、空気力学的利点を得られるであろう。
【0145】
タービュレータ442は、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許出願第16/724,021号に記載されているように、ゴルフクラブヘッドに構造化及び配置されてよい。いくつかの実施形態では、タービュレータ442は、クラウンの前領域112に配置されてよく、タービュレータ442の少なくとも一部は、リーディングエッジと頂点の間にある。他の実施形態では、タービュレータ442は、ソール114に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドXXは、ソール114とクラウンの両方にタービュレータ442を備える。
【0146】
いくつかの実施形態では、MCMパネル326を備えるタービュレータ442は、タービュレータ442の一般的な形状を取り得る内部複合材料を有してよい。金属層は、複合材の内側及び複合材の外側に存在してよい。金属層は、複合材層上のコーティングとして機能してよく、したがって、複合材層は金属層間で封入されている。
【0147】
純正金属タービュレータ442に対するMCM構成のタービュレータ442の軽量化率は、最大25%であってよい。軽量化率は、使用される層材料及び寸法によって変わる。いくつかの実施形態では、MCMタービュレータ442は、純正金属タービュレータ442よりも、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大8%、最大10%、最大12%、最大15%、最大17%、最大20%、最大22%、又は最大25%軽い。いくつかの実施形態では、MCMタービュレータ442は純正金属タービュレータ442よりも、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも17%、少なくとも20%、少なくとも22%、又は少なくとも25%軽い。
【0148】
音響用途のためのMCM構造
MCMパネル326は、重量削減に加えて音及び振動の減衰を提供するために、ゴルフクラブヘッド内又はゴルフクラブヘッド上に戦略的に配置されてよい。このように使用される場合、MCMパネル326を備えていることによって、ゴルフボールとのインパクト時の音及び感触を良くすることができる。いくつかの例では、MCM構成326から構成された場合に音及び感触を改善し得る構造は、クラウンインサート444、ソール114のインサート、クラウン及びソール114の少なくとも一部を構成するラップアラウンドインサート、内部リブ550、ウェイトポート、又はフェースインサート802を含み得る。これらの実施形態では、MCMパネル326のより柔軟な複合材層が振動吸収体として機能してよく、これによって、ゴルフクラブヘッドの残りの部分が受けるピーク振幅振動周波数が最小化される。上述したz方向配向ファイバ220を備えるMCMの実施形態は、剛性特性を向上させることができ、それによって振動及び音の同調特性が向上する。
【0149】
以下に説明される音と振動の減衰の実施形態は、本明細書で説明される他のゴルフクラブヘッドのMCM部品及び構造のいずれかと組み合わせて実施されてよい。振動減衰を提供するためのクラウンインサート444は、任意の適切な形状を有してよい。いくつかの例では、クラウンインサート444は、長方形、正方形、三角形、台形、ひし形、円形、楕円形、又は他の多角形のうちのいずれか1つを有してよい。他の実施形態では、クラウンインサート444は、概してクラウンの形状に沿う形状を有してよい。
【0150】
振動減衰を提供するための内部リブ550は、ピーク振幅振動周波数を受けるクラブヘッドの領域内に配置されてよい。いくつかの例では、リブ550は、クラウンの内面、ソール114の内面、又はクラウンとソール114の間のスカートの内面のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせに配置されてよい。リブ550は、ピーク振幅周波数領域を最も広くカバーするように、フェース平面に対して傾いていてよい。リブ550は、ゴルフクラブヘッドの長さ、幅、及び/又は深さにわたって部分的又は全体的に延びていてよい。
【0151】
アイアンの特徴
図12図14を参照すると、様々な図において、同様の参照番号が、同様の又は同一の部品を識別するために使用されている。クラブヘッド700は、トップレール704と、トップレール704に対向するソール714と、トウ端706と、トウ端706に対向するヒール端708とを有するボディ762を備える。クラブヘッド700は、打撃面702と、打撃面702に対向する後部110とをさらに含む。一実施形態では、打撃面702、トップレール704、ソール114、トウ端706、ヒール端708、及び後部110は、互いに一体となっており、閉じた/中空の内部容積を形成してよい。別の実施形態では、打撃面702とボディ762が別々に形成され、互いに固定されて閉じた/中空の内部容積を形成してもよい。これらの実施形態では、閉じた/中空の内部容積はキャビティを画定している。
【0152】
いくつかの実施形態では、打撃面の少なくとも一部、後部710の少なくとも一部、トップレールの少なくとも一部、及びソール714の少なくとも一部が、MCMパネル構造326から形成されてよい。いくつかの実施形態では、中空体のアイアンゴルフクラブヘッド700の大部分がMCM構造326から形成されてもよい。他の実施形態では、トップレール、ヒール領域、又は後部110の壁などのエリアを含むゴルフクラブヘッドの従来分厚い領域が、選択的にMCM構造326から形成されてよく、ゴルフクラブヘッド700の残りの部分は、金属材料から形成される。
【0153】
打撃面はさらに、幾何学的中心を画定してよい。いくつかの実施形態では、幾何学的中心は、打撃面周縁部の幾何学的中心点に位置してよい。別のアプローチでは、打撃面702の幾何学的中心は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ統括団体の定義に従って位置してよい。例えば、打撃面XXの幾何学的中心XXは、USGAのゴルフクラブヘッドの可撓性を測定する手順のセクション6.1(Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead)(USGA-TPX3004、Rev.1.0.0、2008年5月1日)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/で閲覧可能)(「可撓性手順(Flexibility Procedure)」)に従って決められてよい。
【0154】
MCM構造のアイアンの打撃面
一実施形態において、MCM構成326は、アイアン型ゴルフクラブヘッドの打撃面に使用されてよい。アイアン型ゴルフクラブヘッド700の打撃面の特徴の多くは、ウッド型ゴルフクラブヘッドの打撃面の特徴と類似していることがある。打撃面702は、ロフト平面又はフェース平面に垂直に延びる方向で打撃表面から裏面までで測定される厚さを備える。打撃面702の厚さは、打撃面702の最大厚さが幾何学的中心付近に位置し、打撃面702の最小厚さが周縁部付近に位置するように、一定でなくてよい。打撃面702の厚さは、0.05~0.20インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、打撃面702の厚さは、0.05~0.125の範囲内、又は0.12~0.20インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、打撃面702の厚さは、0.05~0.10インチの範囲内、0.06~0.11インチの範囲内、0.07~0.12インチの範囲内、0.08~0.13インチの範囲内、0.09~0.14インチの範囲内、又は0.10~0.15インチの範囲内であってよい。例えば、打撃面XXの厚さは、0.05インチ、0.06インチ、0.065インチ、0.07インチ、0.075インチ、0.08インチ、0.085インチ、0.09インチ、0.095インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、又は0.20インチであってよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるMCMサンドイッチ326を備える打撃面XXの最小質量及び最大質量は、純正金属構成を備える打撃面702のものよりも、最大30%軽くてよい。いくつかの例では、MCM打撃面は純正金属の打撃面よりも、最大2%、最大4%、最大6%、最大8%、最大10%、最大12%、最大14%、最大16%、最大18%、最大20%、最大22%、最大24%、最大26%、最大28%、又は最大30%軽くてよい。
【0156】
一例では、厚さが0.05インチの第1の層330、厚さが0.025インチの第2の層332、及び厚さが0.05インチの第3の層334を有するチタン-PEEK-チタン構成の打撃面の構造は、全チタン構造よりも13.6%軽い。別の例では、厚さが0.05インチの第1の層330、厚さが0.025インチの第2の層332、及び厚さが0.05インチの第3の層334を有するチタン-PPS-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも13.5%軽い。別の例では、厚さが0.05インチの第1の層330、厚さが0.05インチの第2の層332、及び厚さが0.05インチの第3の層334を有するチタン-PEEK-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも22.8%軽い。別の例では、厚さが0.05インチの第1の層330、厚さが0.05インチの第2の層332、及び厚さが0.05インチの第3の層334を有するチタン-PPS-チタン構成のフェースプレート402の構造は、全チタン構造よりも22.5%軽い。
【0157】
パターの特徴
MCM構成326は、パター型ゴルフクラブヘッド800の一部と置換されてよい。いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド800の部品であるフェースインサート802、フェースプレート402、クラウン、又はソール114のうちの1つ又はこれらの組み合わせが、MCM構成326から構成されてよい。いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド800の大部分がMCM構成326から構成されてもよい。
【0158】
MCM構成のパターの打撃面
図15図18を参照すると、一実施形態では、打撃面402又はインサート802が、MCM構成326を備えてよい。パター型のフェースインサート802は、ウッド型ゴルフクラブヘッドのフェースプレート402と多くの点で類似していることがある。打撃面インサート802の寸法及び形状は、典型的なパター型ゴルフクラブヘッド800のフェースインサート802を反映してよい。パター型ゴルフクラブヘッド800の従来の金属材料の打撃面インサート802をMCMパネル326に置き換えることによって、クラブヘッドの前領域112の質量を削減できるので、裁量質量を増やすことができ、CG位置やMOIなどの特性の改善が見込まれる。
【0159】
打撃面はクラブヘッドボディに固定されてよい。これらの実施形態では、上部にインサートキャビティ870が設けられてよい。インサートキャビティ870は、フェースインサート802を受容するように構成されてよい。打撃面802は、のり、超強力接着(VHB(登録商標))テープ、エポキシ、又は他の接着剤などの接着剤によって固定されてよい。あるいは又はさらに、打撃面802は、溶接、はんだ付け、ねじ、リベット、ピン、機械的インターロック構造、又はその他の締結方法によって固定されてもよい。
【0160】
ボール打撃フェースプレート402又はフェースインサート802は厚さを備えてよい。多くの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.015~0.115インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.015~0.045インチの範囲内、0.020~0.050インチの範囲内、0.025~0.055インチの範囲内、0.050~0.100インチの範囲内、0.055~0.105インチの範囲内、0.060~0.110インチの範囲内、又は0.065~0.115インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、少なくとも0.015インチ、少なくとも0.020インチ、少なくとも0.025インチ、少なくとも0.030インチ、少なくとも0.035インチ、少なくとも0.040インチ、少なくとも0.045インチ、少なくとも0.050インチ、少なくとも0.055インチ、少なくとも0.060インチ、少なくとも0.065インチ、少なくとも0.070インチ、少なくとも0.075インチ、少なくとも0.080インチ、少なくとも0.085インチ、少なくとも0.090インチ、少なくとも0.095インチ、少なくとも0.10インチ、少なくとも0.105インチ、少なくとも0.110インチ、又は少なくとも0.115インチであってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.015インチ以上、0.020インチ以上、0.025インチ以上、0.030インチ以上、0.035インチ以上、0.040インチ以上、0.045インチ以上、0.050インチ以上、0.055インチ以上、0.060インチ以上、0.065インチ以上、0.070インチ以上、0.075インチ以上、0.080インチ以上、0.085インチ以上、0.090インチ以上、0.095インチ以上、0.10インチ以上、0.105インチ以上、0.110インチ以上、又は0.115インチ以上であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.015インチ以下、0.020インチ以下、0.025インチ以下、0.030インチ以下、0.035インチ以下、0.040インチ以下、0.045インチ以下、0.050インチ以下、0.055インチ以下、0.060インチ以下、0.065インチ以下、0.070インチ以下、0.075インチ以下、0.080インチ以下、0.085インチ以下、0.090インチ以下、0.095インチ以下、0.10インチ以下、0.105インチ以下、0.110インチ以下、又は0.115インチ以下であってもよい。例えば、フェースインサート802の厚さは、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、0.090インチ、0.095インチ、0.10インチ、0.105インチ、0.110インチ、又は0.115インチであってよい。
【0161】
他の実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.115~0.40インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.115~0.20インチの範囲内、0.15~0.30インチの範囲内、0.20~0.30インチの範囲内、0.25~0.35インチの範囲内、又は0.30~0.40インチの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、少なくとも0.15インチ、少なくとも0.20インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.30インチ、少なくとも0.35インチ、又は少なくとも0.40インチであってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、又は0.40以上であってよい。いくつかの実施形態では、フェースインサート802の厚さは、0.15インチ以下、0.20インチ以下、0.25インチ以下、0.30インチ以下、0.35インチ以下、又は0.40インチ以下であってもよい。例えば、フェースインサート802の厚さは、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、又は0.40インチであってよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるMCMサンドイッチ326を備えるフェースインサート802の最小質量及び最大質量は、純正金属構成を備える打撃面インサート802のものよりも、最大70%軽くてよい。いくつかの例では、MCM打撃面インサート802は純正金属の打撃面よりも、最大2%、最大4%、最大6%、最大8%、最大10%、最大12%、最大14%、最大16%、最大18%、最大20%、最大22%、最大24%、最大26%、最大28%、最大30%、最大32%、最大34%、最大36%、最大38%、最大40%、最大42%、最大44%、最大46%、最大48%、最大50%、最大52%、最大54%、最大56%、最大58%、最大60%、最大62%、最大64%、最大66%、最大68%、又は最大70%軽くてよい。一例では、MCM打撃面インサート802は、全メタル構造よりも69.2%軽い。
【0163】
一例では、厚さが0.08インチの第1の層330、厚さが0.04インチの第2の層332、及び厚さが0.08インチの第3の層334を有するチタン-PEEK-チタン構成の打撃面インサート802の構造は、全チタン構造よりも14.2%軽い。別の例では、厚さが0.08インチの第1の層330、厚さが0.04インチの第2の層332、及び厚さが0.08インチの第3の層334を有するチタン-PPS-チタン構成の打撃面インサート802の構造は、全チタン構造よりも14.0%軽い。
【0164】
ゴルフのルールは時々変更されることがあるので(例えば、米国ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)などのゴルフ標準組織及び/又は統括団体によって、新しい規則が採用されたり、古い規則が廃止又は変更されたりすることがある)、本明細書に記載される装置、方法、及び製造品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時点で、ゴルフのルールに適合しているかもしれないし、不適合であるかもしれない。従って、本明細書に記載される装置、方法、及び製造品に関連するゴルフ用品は、適合又は不適合のゴルフ用品として広告され、販売のために提供され、及び/又は販売され得る。本明細書に記載される装置、方法、及び製造品は、この点で限定されない。
【0165】
(製造方法)
多くの実施形態において、ゴルフクラブヘッドボディは金属材料から鋳造されてよい。金属材料は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、錫合金、又は他の任意の適切な金属材料の中から選択される任意の1つ又は任意の組み合わせであってよい。ボディは、フェースプレート102を受容するように構成された孔又は開口136を備えるように鋳造又は機械加工されてよい。フェースプレート102の金属層(330、334)は、鍛造されるか、鋳造されるか、又は鋳造後に鍛造されてよい。その後、第1及び第3の金属層(330、334)のいずれか一方又は両方に、溝及び他の特徴を機械加工で形成してよい。
【0166】
第2の(複合材)層332は、圧縮成形によって形成されてよい。複合材層332は、上述の材料のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを有するポリマー及びファイバ224を含んでよい。多くの実施形態において、複合材層332は複数の層で形成されてよく、ポリマーとファイバ224の単一の層が形成され、もう1つの、同一又はほぼ同一の層が加えられる前に硬化される。いくつかの実施形態では、不連続ファイバ又は短ファイバが使用される。他の実施形態では、一方向ファイバのシートが使用される。さらなる実施形態では、編まれたファイバシートも使用されてよい。ファイバ224は、各層内で一方向又は複数方向に配向されてよい。いくつかの実施形態では、ファイバ224は、いくつかの層又は全ての層において異なる方向に配向される。これらの層を所望の厚さが得られるまで積み上げて、ファイバ強化複合材を形成してよい。層はそれぞれ、同じ厚さを有してもよいし、異なる厚さを有してもよい。層は積層及び接続されて、積層体を形成する。1つ又は複数の積層体が、MCMパネル326の第2の層332を形成してよい。
【0167】
第1、第2及び第3の層(330、332、334)は、接続される前に、必要に応じて個々に成形されてよい。切断、プレス、スタンピング、機械加工などの加工ステップを3つの層のいずれかに使用して、所望の形状、構造、及びサイズを形成してよい。多くの実施形態では、熱と圧力の組み合わせを使用して3つの層を結合し、MCMパネル326を形成してよい。
【0168】
これらの実施形態において、50psi~1000psiの範囲の圧力を使用して、層(330、332、334)を互いに押圧してよい。いくつかの実施形態において、層(330、332、334)を結合するために使用される圧力は、50psi~100psiの間、100psi~150psiの間、150psi~200psiの間、200psi~250psiの間、300psi~350psiの間、350psi~400psiの間、400psi~450psiの間、450psi~500psiの間、500psi~550psiの間、550psi~600psiの間、600psi~650psiの間、650psi~700psiの間、700psi~750psiの間、750psi~800psiの間、800psi~850psiの間、850psi~900psiの間、900psi~950psiの間、又は950psi~1000psiの間であってよい。いくつかの実施形態において、層(330、332、334)を結合するために使用される圧力は、100psi未満、200psi未満、300psi未満、400psi未満、500psi未満、600psi未満、700psi未満、800psi未満、900psi未満、又は1000psi未満であってよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、3つの層(330、332、334)を結合するために、エポキシ又は他の接着剤が使用される。エポキシ又は接着剤は、上述した熱及び圧力と共に使用されてもよいし、共に使用されなくてもよい。他の実施形態では、1つ又は複数のリベットなどの機械的締結具を使用して、3つの層(330、332、334)を互いに固定してもよい。いくつかの実施形態では、エポキシ又は接着剤が、機械的締結具と組み合わせて使用されてもよい。
【0170】
MCMパネル326の製造及び成形の後、形成された部品がゴルフクラブヘッドに取り付けられる。この取り付けは、溶接、機械的締結、接着、又はこれらの任意の組み合わせによって実施されてよい。多くの実施形態において、ゴルフクラブヘッドボディに当接する部品の縁部は、部品を所定の位置に固定するために、ゴルフクラブヘッドボディに溶接されてよい。パルスプラズマ溶接、連続レーザー溶接、レーザーハイブリッド溶接、アーク溶接、又は他の任意の適切な溶接方法のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせを使用して、MCMパネル326の部品をゴルフクラブヘッドボディに接続してよい。
【0171】
(例)
I.例1:MCMサンドイッチサンプルと純正Tiシートの特性比較
【表1】
MCMサンドイッチパネルをTiのみのシートサンプルと比較した。350PSIのTi/ポリエチレンイミン(PEI)からなるMCMサンドイッチパネル、700PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、純正Tiシートという3種類のサンプルに対して一連の試験を行った。本例のMCMサンドイッチパネルは3層で構成されている。第1の層は、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。第2の層は、厚さが0.025インチのPEIのz軸強化複合材である。第3の層は、第1の層と同じで、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。1つのサンプルでは、これらの3つの層部品を350PSIで圧縮形成し、もう1つのサンプルでは、3つの層部品を700PSIで圧縮成形する。3つのサンプルの質量と厚さの特性を表1に示す。重要なのは、各Ti/PEI MCMサンドイッチの厚みが純正Tiサンプルより厚いにもかかわらず、重量が削減されたことである。350PSIのTi/PEIサンプルは、純正Tiよりも17.6%厚いが、それでも5.1%軽い。700PSIのTi/PEIサンプルは、純正Tiよりも8.4%厚いが、それでも7.0%軽い。重量を増やすことなく厚さのより大きいパネルを有することができるということは、MCMのCTとCOR測定の可能性を示唆している。厚みと重量の測定は、重量を削減しながら、金属と同等の強度と曲げ特性を得ることにつながる。
【0172】
II.例2:MCMサンドイッチサンプルと純正Tiシートの3点曲げ試験比較
【表2】
350PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、700PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、及び2枚の純正Tiシート(例えばTi AとTi B)に対して3点曲げ試験を行った。本例のMCMサンドイッチパネルは3つの層からなる。第1の層は、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。第2の層は、厚さが0.025インチのPEIのz軸強化複合材である。第3の層は、第1の層と同じで、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。1つのサンプルでは、これらの3つの層部品を350PSIで圧縮形成し、もう1つのサンプルでは、3つの層部品を700PSIで圧縮成形する。4つのサンプル(MCMサンドイッチと純正Ti)すべてを装置に入れて、曲げ応答を評価した。MCMサンドイッチサンプルは両方とも、純正Tiサンプルよりも最大力が高い結果となった。MCMサンドイッチサンプルは両方とも、純正Tiサンプルと比べて曲げ弾性率の値が低かった。目標は、純正Tiや他の純正金属と同等の曲げ弾性率を有するMCMサンドイッチを作ることである。2つのMCMサンドイッチサンプル間の曲げ弾性率の差は、圧縮圧力を利用して望ましい弾性率値を得ることができることを示している。データは、重量を削減しながら、金属と同等の強度と曲げ特性を得ることができることを示している。2つのMCMサンドイッチサンプルでは平均最大力がTiサンプルよりも大きいので、MCMサンドイッチはパネルの強度を維持する又は増大する。MCMサンドイッチサンプルとTiサンプルとの間の平均曲げ弾性率の差が最小であるということは、MCMサンドイッチサンプルがパネルの可撓性を維持するということを示している。
【0173】
III.例3:MCMサンドイッチサンプルと純正TiシートのCOR試験比較
【表3】
350PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、700PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、及び純正Tiシートに対してCOR(反発係数)試験を行った。本例のMCMサンドイッチパネルは、3つの層で構成されている。第1の層は、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。第2の層は、厚さが0.025インチのPEIのz軸強化複合材である。第3の層は、第1の層と同じで、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。1つのサンプルでは、これら3つの層部品は350PSIで圧縮形成され、もう1つのサンプルでは、3つの層部品は700PSIで圧縮成形される。3つのサンプル(MCMサンドイッチと純正Ti)すべてを試験にかけて、CORを得た。Ti/PEI複合材サンプル両方のCOR値は、純正Ti基準よりも僅かに低かった。重要なのは、350PSIのTi/PEI及び700PSIのTi/PEIはそれぞれ、純正Tiより17.6%及び8.4%厚いにもかかわらず、それらのCOR値はそれぞれ、純正Tiよりたったの2.9%及び2.2%低いだけであるということである。これらの結果は、ゴルフボールのスピード及び性能を向上させるために、MCMパネルの構造(厚さ、形状、材料構成など)を変える余地があることを示している。データは、重量を削減しながら、金属と同等の強度と曲げ特性を得ることができることを示している。MCMサンドイッチサンプルとTiサンプルとの間のCORの差が最小であることは、MCMサンドイッチサンプルがパネルのCORを維持するということを示している。
【0174】
IV.例4:MCMサンドイッチサンプルと純正TiシートのCT試験比較
【表4】
350PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、700PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、及び純正Tiシートに対して特性時間(CT)試験を行った。本例のMCMサンドイッチパネルは、3つの層で構成されている。第1の層は、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。第2の層は、厚さが0.025インチのPEIのz軸強化複合材である。第3の層は、第1の層と同じで、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。1つのサンプルでは、これらの3つの層部品は350PSIで圧縮形成され、もう1つのサンプルでは、3つの層部品は700PSIで圧縮成形される。3つのサンプル(MCMサンドイッチと純正Ti)すべてを試験にかけて、CTを得た。純正Tiサンプルに比べて、MCMサンドイッチサンプルの両方でCTが大幅に減少した。これらの結果は、CTを改善するためにMCMパネルの構造(厚さ、形状、材料構成など)を変える余地があることを示している。CT値を改善することにより、ボールスピード及びクラブの全体的な性能を最適化することができる。データは、重量を削減しながら、金属と同等の強度と曲げ特性を得ることができることを示している。MCMサンドイッチサンプルとTiサンプルとの間のCTの差が最小であるということは、MCMサンドイッチサンプルがパネルのCTを維持するということを示している。
【0175】
V.例5:MCMサンドイッチサンプルと純正Tiシートの耐久性試験比較
【表5】
350PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、700PSIのTi/PEIからなるMCMサンドイッチパネル、及び純正Tiシートに対して行った耐久性試験では、耐久性の向上が見られた。本例のMCMサンドイッチパネルは、3つの層から構成されている。第1の層は、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。第2の層は、厚さが0.025インチのPEIのz軸強化複合材である。第3の層は、第1の層と同じで、厚さ0.05インチのTi6-4シートである。1つのサンプルでは、これらの3つの層部品は350PSIで圧縮成形され、もう1つのサンプルでは、3つの層部品は700PSIで圧縮成形される。3つのサンプル(MCMサンドイッチと純正Ti)すべてをエアキャノンに入れ、耐久性試験をした。エアキャノンでの耐久性試験は、MCMサンドイッチが純正Tiシートと同様の寿命を有することを確認するために行った。表5は、各サンプルが破損するまでに耐えることができた総打数を示している。MCMサンドイッチパネルが耐えた打数は、純正Tiシートの2倍以上であった(破損までの打数が115%増加)。MCMサンドイッチサンプルの破損までの総打数がTiサンプルより増加したことは、パネルの耐久性向上を示している。
【0176】
VI.例6:ドライバのMOI比較
表6:質量特性-ドライバの実施例
【表6】
表7:純正構造に対する質量特性
【表7】
ドライバ構造のゴルフクラブヘッドを、MCM構造の配置と用途に基づいて重量を再分配してシミュレートした。MCMフェースプレートを備えたドライバヘッド、MCMウェイトチャンネル支持部を備えたドライバヘッド、及びMCMフェースプレートとMCMウェイトチャンネル支持部とを備えたドライバヘッドという3つの構造を純正構造と比較した。これら3つの構造で残った質量は裁量質量として再割り当てされ、クラブヘッド後部のタングステンウェイト取付部に加えられた。これら3つの構造例と純正クラブの質量特性が表6に示されている。純正品に対する質量特性は表7に示されている。重要なのは、MCM構造が使用された場合に、3つの全ての例示構造において純正クラブヘッド構造よりもMOIが増加するということである。クラブヘッドの性能を最適化するためには、MOIが高い(USGAの規定内のもの)ゴルフクラブヘッドを有することが理想的である。なぜなら、オフセンターの打撃によるクラブフェースへのねじれの影響を減らすことができるからである。また、特にy方向とz方向でのCGの位置が、純正構造と比較して、より低く且つより後方に移動していることに注意することも重要である。低く且つ後方へCGをバランスよく配置することによって、より良いゴルフボールのスピン値をもたらすことができる。このように、低く後方に配置されたCGによって、寛容性が向上し、最適化されたゴルフボールの飛行性能特性が提供される。金属構造よりもMCMサンドイッチ構造のMOIが増加したことは、寛容性の向上を示している。
【0177】
VII.例7:アイアンでのMOI比較
表8:質量特性-アイアンの実施形態
【表8】
MCM構造が、アイアンボディのゴルフクラブヘッドの打撃面に実装された。純正全鋼構造、質量が低減された全鋼構造、及びMCM打撃面構造という3つの異なるアイアン構造の質量特性が表8に示されている。質量が低減されたアイアン構造は、MCM構造で構成されたアイアンのための直接比較ツールとして機能する。MCM打撃面は、他の2つのアイアンの鋼製打撃面よりも49.6%軽い。その削減された質量をアイアンのボディに再分配することによって、特にアイアンの周縁部に重量を再配分することによって、同じ重量の全鋼アイアンよりもMOIを大きくすることができ、MOIxxは5.6%増加し、MOIyyは9.8%増加した。ヘッド全体の質量の変化がMOIに影響するので、部品ごとに質量分布が異なる同じ全体質量のゴルフクラブヘッド同士を直接比較することが重要である。同じ全体質量のクラブヘッド同士を比較することによって、軽量のMCMの使用がゴルフクラブヘッドの性能に与える改善が際立つ。金属構造よりもMCMサンドイッチ構造のMOIが大きいということは、寛容性の向上を示している。
【0178】
VIII.例8:パターのMOI比較
表9:質量特性-パターの実施形態
【表9】
MCM構造が、パターゴルフクラブヘッドの打撃面インサートに実装された。純正全鋼フェースインサート構造、質量が低減された全鋼フェースインサート構造、及びMCMフェースインサート構造という3つの異なるパター構造の質量特性が表9に示されている。質量が低減されたパター構造は、MCM構造で構成されたパターのための直接比較ツールとして機能する。MCMフェースインサートは、他の2つのパターのス鋼製フェースより69.2%軽い。その削減された質量をパターのボディ、特にカスタムウエイトシステムの要素に再分配することによって、同じ重量の全鋼フェースインサートパターよりもMOIを大きくすることができ、MOIxxは3.4%増加し、MOIyyは4.4%増加した。パターのMOIを大きくすることによって、オフセンターのねじれの影響やパットのミスを減らして、寛容性を向上させることができる。従って、金属構造よりもMCMサンドイッチ構造のMOIが大きいということは、寛容性の向上を示している。
【0179】
(項目)
項目1.ゴルフクラブヘッドであって、ボディ及びフェースプレートと、金属-複合材-金属構造とを備え、金属-複合材-金属構造は、第1の層と第2の層と第3の層とを備え、第1の層は金属材料で構成されており、第2の層はファイバ強化複合材料で構成されており、第3の層は金属材料で構成されており、金属-複合材-金属構造が、ゴルフクラブヘッドの少なくとも一部を構成している、ゴルフクラブヘッド。
項目2.ゴルフクラブヘッドは、金属-複合材-金属構造で構成されるフェースプレート、フェースインサート、内部リブ、タービュレータ、クラウンインサート、又はウェイトチャンネルのうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目3.金属-複合材-金属のフェースプレートをさらに備え、金属-複合材-金属のフェースプレートは、金属材料で作られた同一のフェースプレートの質量よりも最大50%小さい質量を備える、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
項目4.金属-複合材-金属の内部リブをさらに備え、金属-複合材-金属の内部リブは、金属材料で作られた同一のリブの質量よりも最大25%小さい質量を備える、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
項目5.金属-複合材-金属のウェイトチャンネルをさらに備え、金属-複合材-金属のウェイトチャンネルは、金属材料で作られた同一のウェイトチャンネルの質量よりも最大40%小さい質量を備える、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
項目6.第2の層が、複数の一方向ファイバ、複数の多方向ファイバ、又は一方向ファイバと多方向ファイバの組合せをさらに備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目7.第1の層及び第3の層が金属外周縁を備え、第2の層が複合材外周縁を備え、金属-複合材-金属構造が、金属外周縁と複合材外周縁との間で測定されるオフセット距離をさらに備え、オフセット距離によって外周領域が画定される、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目8.オフセット距離は0.75インチ以下である、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
項目9.第1の層及び第3の層が、外周領域内で互いに当接している、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
項目10.オフセット領域には第2の層が存在しない、項目6に記載のゴルフクラブヘッド。
項目11.第1の層及び第3の層が、第2の層を収容するポケットを画定している、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目12.第2の層のファイバ強化複合材料は、ファイバ強化複合材料の複数のシートから形成された積層体であり、第2の層は、前方シートと、中間シートと、後方シートとを備え、前方シートは第1の層に当接し、後方シートは第3の層に当接し、中間シートは前方シートと後方シートの間に配置されている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目13.ゴルフクラブヘッドが、フェースインサートの幾何学的中心に接するロフト平面と、ロフト平面に垂直なz軸とを画定し、ファイバ強化複合材料の強化ファイバの一部がz軸の0度~45度の間で配向されている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目14.クラブヘッドが、z軸に垂直で接地面に平行なx軸を画定し、ファイバ強化複合材料の残りの強化ファイバが、概ねx軸方向に配向されている、項目10に記載のゴルフクラブヘッド。
項目15.第1の層及び第3の層の金属材料は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、又は錫合金のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせである、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目16.第1の層及び第3の層は同じ金属材料で構成されている、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
項目17.第1の層の材料は第1の層密度を有し、第2の層の材料は第2の層密度を有し、第3の層の材料は第3の層密度を有し、第2の層密度が、第1の層密度及び第3の層密度よりも小さい、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目18.第2の層のファイバ強化複合材料は、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、ナイロン6(6-6、11、12)、ポリフェニレン(PPS)から選択される材料の組み合わせのうちの1つを備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目19.第2の層のファイバ強化複合材料は、炭素ファイバ、ガラスファイバ、ケブラーファイバ、天然ファイバ、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ファイバ、又は任意の適切なファイバから選択される天然ファイバ及び合成ファイバを備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目20.金属-複合材-金属構造から形成されるゴルフクラブヘッドの部分が、ゴルフクラブヘッドの総質量を最大20%減少させる、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
項目21.ボディとフェースインサートとを備えるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、ボディが、前端と、後端と、クラウンと、ソールと、スカートと、ヒール面と、おトウ面とを備え、ボディが中空内部を画定し、フェースインサートがボディに固定されるように構成されており、フェースインサートが、外側金属層と、内側金属層と、外側金属層と内側金属層との間に配置された複合材パネルとを備え、複合材パネルが、熱可塑性樹脂及び強化ファイバから形成されている、ウッド型ゴルフクラブヘッド。
項目22.複合材パネルが、前方部と、中間部と、後方部とを備え、前方部が外側金属層に当接し、後方部が内側金属層に当接し、中間部が前方部と後方部との間に配置されている、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目23.クラブヘッドが、フェースインサートの幾何学的中心に接するロフト平面と、ロフト平面に垂直なz軸とを画定し、中間部の強化ファイバがz軸の0度~45度の間で配向されている、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目24.フェースインサートは外周縁をさらに備え、フェースインサートは外周縁からのオフセット距離によって画定される外周領域をさらに備える、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目25.オフセット距離が0.75インチ以下である、項目24に記載のゴルフクラブヘッド。
項目26.オフセット距離の少なくとも一部によって外周領域が画定され、外側金属層と内側金属層が外周領域内で互いに当接する、項目25に記載のゴルフクラブヘッド。
項目27.オフセット領域には複合材パネルが存在しない、項目26に記載のゴルフクラブヘッド。
項目28.外側金属層及び内側金属層が、複合材層を収容するポケットを画定する、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目29.オフセット領域は0.35インチである、項目25に記載のゴルフクラブヘッド。
項目30.内側金属層は様々な厚さを備える、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目31.複合材パネルは、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、ナイロン6(6-6、11、12)、ポリフェニレン(PPS)から選択されるポリマーを備える、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目32.複合材パネルはポリエチレンイミン(PEI)からなるポリマーを備える、項目31に記載のゴルフクラブヘッド。
項目33.ファイバは、炭素ファイバ、ガラスファイバ、ケブラーファイバ、天然ファイバ、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ファイバ、又は任意の適切なファイバから選択される、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目34.フェースインサートはボディにレーザー溶接されている、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目35.金属層は、チタン(Ti)、チタン合金(例えば、Ti-6-4、Ti-8-1-1、T-9S、又はBEα-βTi合金)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、又は鋼合金の材料のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせから形成されている、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目36.外側金属層、内側金属層、及び複合材パネルが、フェースインサートの外周縁を画定し、外側金属層、内側金属層、及び複合材層が、単一平面に沿って終端して外周縁を形成している、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
項目37.フェースインサートはフェースカップである、項目21に記載のゴルフクラブヘッド。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ボディ及びフェースプレートと、
第1の層と第2の層と第3の層とを備える金属-複合材-金属構造と、を備え、
前記第1の層は金属材料で構成されており、
前記第2の層はファイバ強化複合材料で構成されており、
前記第3の層は金属材料で構成されており、
前記ゴルフクラブヘッドは、前記金属-複合材-金属構造で構成されるウェイトチャンネルを備え、
前記金属-複合材-金属構造で構成される前記ウェイトチャンネルは、金属材料のみで作られた同一形状のウェイトチャンネルの質量よりも最大40%小さい質量を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記金属-複合材-金属構造で構成されるフェースプレート、フェースインサート、内部リブ、タービュレータ、又はクラウンインサートのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記金属-複合材-金属で構成される前記フェースプレートをさらに備え、
前記金属-複合材-金属で構成される前記フェースプレートは、金属材料のみで作られた同一形状のフェースプレートの質量よりも最大50%小さい質量を備える、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記金属-複合材-金属で構成される内部リブをさらに備え、
前記金属-複合材-金属で構成される前記内部リブは、金属材料のみで作られた同一形状の内部リブの質量よりも最大25%小さい質量を備える、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記第2の層が、複数の一方向ファイバ、複数の多方向ファイバ、又は一方向ファイバと多方向ファイバの組合せをさらに備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記第1の層及び前記第3の層が、金属外周縁を備え、
前記第2の層が、複合材外周縁を備え、
前記金属-複合材-金属構造は、前記金属外周縁と前記複合材外周縁との間で測定されるオフセット距離をさらに備え、
前記オフセット距離によって、前記金属-複合材-金属構造の外周領域が画定されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記オフセット距離は0.75インチ以下である、請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記第1の層と前記第3の層は、前記外周領域内で互いに当接している、請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記外周領域には前記第2の層が存在しない、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記第1の層及び前記第3の層が、前記第2の層を収容するポケットを画定している、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料が、ファイバ強化複合材料の複数のシートから形成された積層体であり、
前記第2の層が、前方シートと、中間シートと、後方シートとを備え、
前記前方シートが前記第1の層に当接し、前記後方シートが前記第3の層に当接し、前記中間シートが前記前方シートと前記後方シートとの間に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記ゴルフクラブヘッドが、前記フェースプレートの幾何学的中心に接するロフト平面と、前記ロフト平面に垂直なz軸とを画定し、
前記ファイバ強化複合材料の強化ファイバの一部が、前記z軸の0度~45度の間で配向されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記z軸に垂直で接地面に平行なx軸を画定し、
前記ファイバ強化複合材料の残りの強化ファイバは、概ね前記x軸方向に配向されている、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記第1の層及び前記第3の層の前記金属材料は、チタン(Ti)、チタン合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鋼、鋼合金、錫、又は錫合金のうちのいずれか1つ又は任意の組み合わせである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1の層と前記第3の層は、同じ金属材料で構成されている、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1の層の材料は第1の層密度を有し、前記第2の層の材料は第2の層密度を有し、前記第3の層の材料は第3の層密度を有し、
前記第2の層密度は、前記第1の層密度及び前記第3の層密度よりも小さい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料は、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフタルアミド(PPA)、ナイロン6(6-6、11、12)、ポリフェニレン(PPS)から選択される材料のうちの一つ又は組み合わせを備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記第2の層の前記ファイバ強化複合材料は、炭素ファイバ、ガラスファイバ、ケブラーファイバ、天然ファイバ、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ファイバ、又は任意の適切なファイバから選択される天然ファイバ及び合成ファイバの少なくとも一方を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
記ゴルフクラブヘッドの前記金属-複合材-金属構造から構成される部分は、金属材料のみで作られた同一形状のゴルフクラブヘッドの総質量よりも前記ゴルフクラブヘッドの総質量を最大20%減少させる、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【国際調査報告】