(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】運動データ較正方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20240625BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B5/11 200
A61B5/107 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500107
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2021134421
(87)【国際公開番号】W WO2023097447
(87)【国際公開日】2023-06-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514156013
【氏名又は名称】深▲セン▼市韶音科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHOKZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floors 1-4,Factory Building 26,Shancheng Industrial Park,Shiyan Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518108,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】黎 美▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】蘇 雷
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB11
4C038VB12
4C038VB14
4C038VB28
4C038VB29
4C038VC20
(57)【要約】
本出願による運動データ較正方法及びシステムは、運動中のユーザの動作データを互いに直交する三つの座標軸における三次元姿勢データから目標座標系における二次元データ、即ち水平面内の姿勢データ及び鉛直面内の姿勢データに変換して、運動中のユーザの動作を水平方向での運動及び鉛直方向での運動に分けることによって、ユーザの異なる向きによるデータの差異を回避することができる。前記方法及びシステムは、ユーザの向きが運動データに与える影響を除去することができる。そのため、前記方法及びシステムは、ユーザによる較正動作を必要とせずに、運動データを較正することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動データ較正方法であって、
運動中のユーザの動作データを取得するステップであって、
前記動作データは、前記ユーザの体の上の少なくとも一つの測定位置に対応する少なくとも一つの姿勢信号を含み、
前記少なくとも一つの姿勢信号のうちの各姿勢信号は、その対応する測定位置の固有座標系における三次元姿勢データを含む、
ステップと、
X軸、Y軸、Z軸という互いに直交する三つの座標軸を含む目標座標系を作成するステップと、
前記各姿勢信号を前記目標座標系における二次元姿勢データに変換するステップと、
を含む、
ことを特徴とする運動データ較正方法。
【請求項2】
前記各姿勢信号は、姿勢センサにより測定されたデータを含み、
前記固有座標系は、前記姿勢センサが位置する座標系を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運動データ較正方法。
【請求項3】
前記姿勢センサは、加速度センサ、角度センサ及び磁気センサのうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の運動データ較正方法。
【請求項4】
前記各姿勢信号は、画像センサにより測定されたデータを含み、
前記固有座標系は、前記画像センサが位置する座標系を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運動データ較正方法。
【請求項5】
前記三次元姿勢データは、互いに直交する三つの座標軸における角度データ及び角速度データを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運動データ較正方法。
【請求項6】
前述した、前記各姿勢信号を前記目標座標系における二次元姿勢データに変換するステップは、
予め記憶された前記目標座標系と前記固有座標系との間の変換関係を取得するステップと、
前記各姿勢信号を、前記変換関係に基づいて、少なくとも前記X軸における角速度データ、前記Y軸における角速度データ及び前記Z軸における角速度データを含む、前記目標座標系における三次元運動データに変換するステップと、
前記目標座標系における前記三次元運動データを前記目標座標系における前記二次元姿勢データに変換するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運動データ較正方法。
【請求項7】
前記目標座標系の前記Z軸は、重力加速度がある鉛直方向の逆方向である、
ことを特徴とする請求項6に記載の運動データ較正方法。
【請求項8】
前記目標座標系における前記二次元姿勢データは、
前記Z軸に垂直な水平面内で運動する時の水平角度データ及び水平角速度データを含む水平姿勢データと、
前記水平面に垂直な任意の鉛直面内で運動する時の鉛直角度データ及び鉛直角速度データを含む鉛直姿勢データと、
を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の運動データ較正方法。
【請求項9】
前述した、前記目標座標系における前記三次元運動データを前記目標座標系における前記二次元姿勢データに変換するステップは、
前記X軸における角速度データ及び前記Y軸における角速度データをベクトルの法則によって前記鉛直角速度データに変換するステップと、
前記運動中のユーザの開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、前記鉛直角速度データに対して時間積分を行い、前記鉛直角度データを取得するステップと、
前記Z軸の角速度データを前記水平角速度データとするステップと、
前記運動中のユーザの開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、前記水平角速度データに対して時間積分を行い、前記水平角度データを取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の運動データ較正方法。
【請求項10】
前記各姿勢信号に対応する前記二次元姿勢データに基づいて、前記少なくとも一つの測定位置の間の相対的な運動を決定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運動データ較正方法。
【請求項11】
運動データ較正システムであって、
運動データを較正するための少なくとも一つの命令セットが記憶されている少なくとも一つの記憶媒体と、
前記少なくとも一つの記憶媒体と通信可能に接続される少なくとも一つのプロセッサとを含み、
ここで、前記運動データ較正システムが作動する場合、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記少なくとも一つの命令セットを読み取り、請求項1~10のいずれか一項に記載の運動データ較正方法を実施する、
ことを特徴とする運動データ較正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ウェアラブルデバイス技術分野に関し、特に運動データ較正方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
科学的な運動及び体の健康に対する人々の関心が高まっている中、運動監視装置は非常に発展している。現在、運動監視装置は、主に、センサによってユーザの運動中の動作パラメータを監視する。従来技術における運動監視装置は、センサの座標較正を行う場合、運動監視装置が較正動作に応じてセンサ座標系における姿勢データを人体座標系における姿勢データに変換することができるために、ユーザが一連の較正動作(例えば、両手を前に水平に伸ばす動作、両手を横に水平に伸ばす動作など)を行う必要がある。ユーザが運動監視装置の位置を調整する度に、座標較正をやり直す必要があり、さもなければ計算結果が影響を受け、ユーザ体験が悪くなる。
そのため、ユーザによる較正動作を必要とせずに、運動データを較正することのできる運動データ較正方法及びシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、ユーザによる較正動作を必要とせずに、運動データを較正することのできる運動データ較正方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、本出願は、運動データ較正方法を提供し、前記方法は、運動中のユーザの動作データを取得するステップであって、前記動作データは、前記ユーザの体の上の少なくとも一つの測定位置に対応する少なくとも一つの姿勢信号を含み、前記少なくとも一つの姿勢信号のうちの各姿勢信号は、その対応する測定位置の固有座標系における三次元姿勢データを含むステップと、X軸、Y軸、Z軸という互いに直交する三つの座標軸を含む目標座標系を作成するステップと、前記各姿勢信号を前記目標座標系における二次元姿勢データに変換するステップとを含む。
【0005】
いくつかの実施例において、前記各姿勢信号は姿勢センサにより測定されたデータを含み、前記座標系は前記姿勢センサが位置する座標系を含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記姿勢センサは、加速度センサ、角度センサ及び磁気センサのうちの少なくとも一つを含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記各姿勢信号は画像センサにより測定されたデータを含み、前記固有座標系は前記画像センサが位置する座標系を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記三次元姿勢データは、互いに直交する三つの座標軸における角度データ及び角速度データを含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前述した、前記各姿勢信号を前記目標座標系における二次元姿勢データに変換するステップは、予め記憶された前記目標座標系と前記固有座標系との間の変換関係を取得するステップと、前記各姿勢信号を、前記変換関係に基づいて、少なくとも前記X軸における角速度データ、前記Y軸における角速度データ及び前記Z軸における角速度データを含む、前記目標座標系における三次元運動データに変換するステップと、前記目標座標系における前記三次元運動データを前記目標座標系における前記二次元姿勢データに変換するステップとを含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記目標座標系の前記Z軸は、重力加速度がある鉛直方向の逆方向である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記目標座標系における前記二次元姿勢データは、前記Z軸に垂直な水平面内で運動する時の水平角度データ及び水平角速度データを含む水平姿勢データと、前記水平面に垂直な任意の鉛直面内で運動する時の鉛直角度データ及び鉛直角速度データを含む鉛直姿勢データとを含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前述した、前記目標座標系における前記三次元運動データを前記目標座標系における前記二次元姿勢データに変換するステップは、前記X軸における角速度データ及び前記Y軸における角速度データをベクトルの法則によって前記鉛直角速度データに変換するステップと、前記運動中のユーザの開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、前記鉛直角速度データに対して時間積分を行い、前記鉛直角度データを取得するステップと、前記Z軸の角速度データを前記水平角速度データとするステップと、前記運動中のユーザの開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、前記水平角速度データに対して時間積分を行い、前記水平角度データを取得するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記運動データ較正方法は、前記各姿勢信号に対応する前記二次元姿勢データに基づいて、前記少なくとも一つの測定位置の間の相対的な運動を決定するステップをさらに含む。
【0014】
第2の態様によれば、本明細書は、運動データ較正システムをさらに提供し、前記システムは、少なくとも一つの記憶媒体と少なくとも一つのプロセッサとを含み、前記少なくとも一つの記憶媒体には、運動データを較正するための少なくとも一つの命令セットが記憶されており、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記少なくとも一つの記憶媒体と通信可能に接続され、ここで、前記運動データ較正システムが作動する場合、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記少なくとも一つの命令セットを読み取り、本明細書の第1の態様に記載の運動データ較正方法を実行する。
【0015】
以上の技術案から分かるように、本出願による運動データ較正方法及びシステムは、運動中のユーザの動作データを互いに直交する三つの座標軸における三次元姿勢データから目標座標系における二次元データ、即ち水平面内の姿勢データ及び鉛直面内の姿勢データに変換して、運動中のユーザの動作を水平方向での運動及び鉛直方向での運動に分けることによって、ユーザの異なる向きによるデータの差異を回避することができる。前記方法及びシステムは、ユーザの向きが運動データに与える影響を除去することができる。そのため、前記方法及びシステムは、ユーザによる較正動作を必要とせずに、運動データを較正することができる。
【0016】
本出願は、例示的な実施例にてさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例において、同じ符号は同じ構造を表する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本出願のいくつかの実施例による運動監視システムの応用シナリオの概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例によるウェアラブルデバイスの例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアの概略図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例による計算機器の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアの概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例によるウェアラブルデバイスの例示的な構造図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例による運動監視方法の例示的なフローチャートである。
【
図6】本出願のいくつかの実施例による運動データ較正方法の例示的なフローチャートである。
【
図7】本出願のいくつかの実施例による目標座標系の概略図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施例による二次元姿勢データへの変換の例示的なフローチャートである。
【
図9】本出願のいくつかの実施例による運動中のユーザの座標系の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本出願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、また、創造的な労力を払うことなく、これらの図面に基づいて本出願を他の類似するシナリオに適用することができる。文脈から明らかではない限り、又は別途説明しない限り、図中の同じ符号は、同じ構造又は操作を表す。
【0019】
理解すべきこととして、本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、異なるレベルの様々なコンポーネント、素子、部品、部分又はアセンブリを区別するための方法である。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、前記用語の代わりに他の表現を用いてもよい。
【0020】
本出願及び特許請求の範囲に示されるように、文脈が例外的な状況を明らかに示さない限り、「一」、「一つ」、「一種」及び/又は「該」などの用語は、単数形を特に指すものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、「含む」及び「包含」という用語は、明確に特定されたステップ及び要素が含まれることを示唆するだけであり、これらのステップ及び要素は、排他的な列挙を構成せず、方法又は機器には他のステップ又は要素が含まれる場合もある。
【0021】
本出願では、本出願の実施例によるシステムが実行する操作は、フローチャートを用いて説明される。理解すべきこととして、先行及び後続の操作は、必ずしも順番通りに正確に実行されるとは限らない。逆に、各ステップを逆の順序で又は同時に処理してもよい。それとともに、これらの手順に他の操作を追加したり、これらの手順からある一つ又は複数の操作を削除したりしてもよい。
【0022】
本出願は、運動監視システムを提供し、該運動監視システムは、運動中のユーザの動作信号を取得することができ、ここで、動作信号は、少なくとも筋電信号、姿勢信号、心電信号、呼吸数信号などを含む。該システムは、少なくとも筋電信号に対応する特徴情報又は姿勢信号に対応する特徴情報に基づいて、ユーザの運動動作を監視することができる。例えば、筋電信号に対応する周波数情報、振幅情報、並びに姿勢信号に対応する角速度、角速度方向及び角速度の角速度値、角度、変位情報、応力などに基づいて、ユーザの動作タイプ、動作回数、動作の良否、動作時間、又はユーザが動作を実施する時の生理学的パラメータ情報などを決定する。いくつかの実施例において、運動監視システムは、またユーザのフィットネス動作の分析結果に基づいて、ユーザのフィットネス動作に対するフィードバックを生成ことにより、ユーザのフィットネスを指導することができる。例えば、ユーザのフィットネス動作が標準的でない場合、運動監視システムは、ユーザに提示情報(例えば、音声提示、振動提示、電流刺激など)を出すことができる。該運動監視システムは、ウェアラブルデバイス(例えば、衣服、リストバンド、ヘルメット)、医療検査機器(例えば、筋電計)、フィットネス機器などに適用することができ、該運動監視システムは、運動中のユーザの動作信号を取得することによって、専門家の関与なしにユーザの動作を正確に監視しフィードバックすることができ、ユーザのフィットネス効率を向上させるとともにユーザのフィットネスコストを削減することができる。
【0023】
図1は、本出願のいくつかの実施例による運動監視システムの応用シナリオの概略図である。
図1に示すように、運動監視システム100は、処理機器110、ネットワーク120、ウェアラブルデバイス130及びモバイル端末機器140を含んでもよい。いくつかの実施例において、運動監視システム100は、運動データ較正システム180をさらに含んでもよい。運動監視システム100は、ユーザの運動動作を表すための動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号、心電信号、呼吸数信号など)を取得し、ユーザの動作信号に基づいて運動中のユーザの動作を監視しフィードバックすることができる。
【0024】
例えば、運動監視システム100は、フィットネス中のユーザの動作を監視しフィードバックすることができる。ユーザがウェアラブルデバイス130を着用してフィットネス運動を行う場合、ウェアラブルデバイス130はユーザの動作信号を取得することができる。処理機器110又はモバイル端末機器140は、ユーザの動作信号を受信し分析して、ユーザのフィットネス動作が標準的であるか否かを判断することによって、ユーザの動作を監視することができる。具体的には、ユーザの動作を監視することは、動作の動作タイプ、動作回数、動作の良否、動作時間、又はユーザが動作を実施する時の生理学的パラメータ情報などを決定することを含んでもよい。さらに、運動監視システム100は、ユーザのフィットネス動作の分析結果に基づいて、ユーザのフィットネス動作に対するフィードバックを生成することにより、ユーザのフィットネスを指導することができる。
【0025】
さらに例えば、運動監視システム100は、ランニング中のユーザの動作を監視しフィードバックすることができる。例えば、ユーザがウェアラブルデバイス130を着用してランニング運動を行う場合、運動監視システム100は、ユーザのランニング動作が標準的であるか否か、ランニング時間が健康基準を満たすか否かなどを監視することができる。ユーザのランニング時間が長すぎるか又はランニング動作が正しくない場合、フィットネス機器は、ユーザにその運動状態をフィードバックすることにより、ランニング動作又はランニング時間を調整する必要があるようユーザに警告することができる。
【0026】
いくつかの実施例において、処理機器110は、ユーザの運動に関連する情報及び/又はデータを処理するために用いられてもよい。例えば、処理機器110は、ユーザの動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号、心電信号、呼吸数信号など)を受信し、さらに動作信号に対応する特徴情報(例えば、動作信号における筋電信号に対応する特徴情報、姿勢信号に対応する特徴情報)を抽出することができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、ウェアラブルデバイス130により収集された筋電信号又は姿勢信号に対して特定の信号処理、例えば、信号セグメンテーション、信号前処理(例えば、信号補正処理、フィルタリング処理など)などを行うことができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、ユーザの動作信号に基づいてユーザの動作が正しいか否かを判断することもできる。例えば、処理機器110は、筋電信号に対応する特徴情報(例えば、振幅情報、周波数情報など)に基づいてユーザの動作が正しいか否かを判断することができる。また例えば、処理機器110は、姿勢信号に対応する特徴情報(例えば、角速度、角速度方向、角速度の加速度、角度、変位情報、応力など)に基づいてユーザの動作が正しいか否かを判断することができる。さらに例えば、処理機器110は、筋電信号に対応する特徴情報及び姿勢信号に対応する特徴情報に基づいてユーザの動作が正しいか否かを判断することができる。いくつかの実施例において、処理機器110はまた、運動中のユーザの生理学的パラメータ情報が健康基準を満たすか否かを判断することができる。いくつかの実施例において、処理機器110はまた、ユーザの運動状況をフィードバックするように、対応する命令を出すことができる。例えば、ユーザがランニング運動を行う場合、運動監視システム100が、ユーザのランニング時間が長すぎることを監視すると、処理機器110は、モバイル端末機器140に命令を出することにより、ランニング時間を調整するようユーザに警告することができる。注意すべきこととして、姿勢信号に対応する特徴情報は、上記の角速度、角速度方向、角速度の加速度、角度、変位情報、応力などに限定されるものではなく、他の特徴情報であってもよく、ユーザの体に相対的な運動が発生したことを示すために利用可能なパラメータ情報は、いずれも姿勢信号に対応する特徴情報であり得る。例えば、姿勢センサが歪みセンサである場合、引張長さに伴って変化する歪みセンサの抵抗の大きさを測定することによって、ユーザの関節の屈曲角度及び屈曲方向を取得することができる。
【0027】
いくつかの実施例において、処理機器110は、ローカルであってもよく、又はリモートであってもよい。例えば、処理機器110は、ネットワーク120を介して、ウェアラブルデバイス130及び/又はモバイル端末機器140に記憶される情報及び/又は資料にアクセスすることができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、ウェアラブルデバイス130及び/又はモバイル端末機器140に直接接続されて、それらに記憶される情報及び/又は資料にアクセスすることができる。例えば、処理機器110は、ウェアラブルデバイス130内に配置され、ネットワーク120を介してモバイル端末機器140との情報インタラクションを実現することができる。さらに例えば、処理機器110は、モバイル端末機器内140に配置され、ネットワークを介してウェアラブルデバイス130との情報インタラクションを実現することができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、クラウドプラットフォームで実行され得る。
【0028】
いくつかの実施例において、処理機器110は、運動監視に関連するデータ及び/又は情報を処理して、本出願に記載の一つ又は複数の機能を実行することができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、ウェアラブルデバイス130により収集された運動中のユーザの動作信号を取得することができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、ウェアラブルデバイス130又はモバイル端末機器140に制御命令を送信することができる。制御命令は、ウェアラブルデバイス130及びその各センサのオンオフ状態を制御することができ、またモバイル端末機器140を制御して提示情報を出させることができる。いくつかの実施例において、処理機器110は、一つ又は複数の副処理機器(例えば、シングルコア処理機器又はマルチコア処理機器)を含んでもよい。
【0029】
ネットワーク120は、運動監視システム100におけるデータ及び/又は情報の交換を促進することができる。いくつかの実施例において、運動監視システム100における一つ又は複数のコンポーネントは、ネットワーク120を介して、運動監視システム100における他のコンポーネントにデータ及び/又は情報を送信することができる。例えば、ウェアラブルデバイス130により収集された動作信号は、ネットワーク120を介して処理機器110に伝送され得る。また例えば、処理機器110における、動作信号に関する確認結果は、ネットワーク120を介してモバイル端末機器140に伝送され得る。いくつかの実施例において、ネットワーク120は、任意のタイプの有線又は無線ネットワークであってもよい。
【0030】
ウェアラブルデバイス130は、着用機能を有する衣服又は機器を指す。いくつかの実施例において、ウェアラブルデバイス130は、上着装置130-1、ズボン装置130-2、リストバンド装置130-3及び靴130-4などを含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、ウェアラブルデバイス130は、複数のセンサを含んでもよい。センサは、運動中のユーザの様々な動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号、温度情報、心拍数、心電信号など)を取得することができる。いくつかの実施例において、センサは、筋電センサ、姿勢センサ、温度センサ、湿度センサ、心電センサ、血中酸素飽和度センサ、ホールセンサ、皮膚電位センサ、回転センサなどのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。例えば、人の筋肉位置(例えば、上腕二頭筋、上腕三頭筋、広背筋、斜方筋など)に対応する上着装置130-1における位置には、ユーザの皮膚にフィットして運動中のユーザの筋電信号を収集できる筋電センサが設置されてもよい。また例えば、人の左側胸筋の近傍に対応する上着装置130-1における位置には、ユーザの心電信号を収集できる心電センサが設置されてもよい。さらに例えば、人の筋肉(例えば、大臀筋、外側広筋、内側広筋、腓腹筋など)に対応するズボン装置130-2における位置には、ユーザの姿勢信号を収集できる姿勢センサが設置されてもよい。いくつかの実施例において、ウェアラブルデバイス130はまた、ユーザの動作をフィードバックすることができる。例えば、ユーザが運動する時に体のある部位の動作が標準的でない場合、該部位に対応する筋電センサは、刺激信号(例えば、電流刺激又は打撃信号)を生成してユーザの注意を喚起することができる。
【0031】
注意すべきこととして、ウェアラブルデバイス130は、
図1に示される上着装置130-1、ズボン装置130-2、リストバンド装置130-3及び靴装置130-4に限定されるものではなく、運動監視に使用可能な他の機器、例えば、ヘルメット装置、膝当て装置などをさらに含んでもよく、本明細書において限定されず、本出願に含まれる運動監視方法を使用できる任意の機器は、いずれも本出願の保護範囲内にある。
いくつかの実施例において、モバイル端末機器140は、運動監視システム100における情報又はデータを取得することができる。いくつかの実施例において、モバイル端末機器140は、処理機器110により処理された運動データを受信し、処理された運動データに基づいて運動記録などをフィードバックすることができる。例示的なフィードバック方式は、音声提示、画像提示、ビデオ表示、文字提示などを含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、ユーザは、モバイル端末機器140により自身の運動中の動作記録を取得することができる。例えば、モバイル端末機器140は、ネットワーク120を介してウェアラブルデバイス130と接続されてもよく(例えば、有線接続、無線接続)、ユーザは、モバイル端末機器140によりユーザの運動中の動作記録を取得することができ、該動作記録はモバイル端末機器140により処理機器110に伝送され得る。いくつかの実施例において、モバイル端末機器140は、モバイル装置140-1、タブレットコンピュータ140-2、ノートパソコン140-3などのうちの一つ又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、モバイル装置140-1は、携帯電話、スマートホーム装置、スマートモバイル装置、仮想現実装置、拡張現実装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、スマートホーム装置は、スマート家電の制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートカメラなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、スマートモバイル装置は、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置、POS装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実アイマスク、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実アイマスクなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施例において、運動監視システム100は、運動データ較正システム180をさらに含んでもよい。運動データ較正システム180は、ユーザの運動に関連する動作データを処理するために用いられてもよく、本明細書に記載の運動データ較正方法を実行することができる。具体的には、運動データ較正システム180は、運動中のユーザの動作データを受信し、前記動作データを互いに直交する三つの座標軸における三次元姿勢データから目標座標系における二次元姿勢データ、即ち水平面内の姿勢データ及び鉛直面内の姿勢データに変換することによって、運動中のユーザの動作を水平方向での運動及び鉛直方向での運動に分け、ユーザの異なる向きによるデータの差異を回避することができる。運動データ較正システム180は、ユーザの向きが運動データに与える影響を除去することができ、ユーザによる較正動作を必要とせずに、運動データを較正することができる。前記動作データは、運動時の前記ユーザの体の上の測定位置の三次元姿勢データであってもよい。前記動作データ及び前記運動データ較正方法については、後の説明で詳しく説明する。
【0033】
いくつかの実施例において、運動データ較正システム180は、処理機器110上に集積されてもよい。いくつかの実施例において、運動データ較正システム180はまた、モバイル端末機器140上に集積されてもよい。いくつかの実施例において、運動データ較正システム180はまた、処理機器110及びモバイル端末機器140から独立して単独に存在してもよい。運動データ較正システム180は、処理機器110、ウェアラブルデバイス130及びモバイル端末機器140と通信可能に接続されて、情報及び/又はデータの伝送及び交換を行うことができる。いくつかの実施例において、運動データ較正システム180は、ネットワーク120を介して、処理機器110、ウェアラブルデバイス130及び/又はモバイル端末機器140に記憶される情報及び/又は資料にアクセスすることができる。いくつかの実施例において、ウェアラブルデバイス130は、処理機器110及び/又はモバイル端末機器140に直接接続されて、それらに記憶される情報及び/又は資料にアクセスすることができる。例えば、運動データ較正システム180は、処理機器110に配置され、ネットワーク120を介してウェアラブルデバイス130及びモバイル端末機器140との情報インタラクションを実現することができる。さらに例えば、運動データ較正システム180は、モバイル端末機器140に配置され、ネットワークを介して処理機器110及びウェアラブルデバイス130との情報インタラクションを実現することができる。いくつかの実施例において、運動データ較正システム180は、クラウドプラットフォーム上で実行され、ネットワークを介して処理機器110、ウェアラブルデバイス130及びモバイル端末機器140との情報インタラクションを実現することができる。
【0034】
説明の便宜上、以下の説明では、本発明者らは、運動データ較正システム180が処理機器110に配置されることを例として説明する。
【0035】
いくつかの実施例において、運動監視システム100は、データベースをさらに含んでもよい。データベースは、資料(例えば、初期設定された閾値条件など)及び/又は命令(例えば、フィードバック命令)を記憶することができる。いくつかの実施例において、データベースは、ウェアラブルデバイス130及び/又はモバイル端末機器140から取得された資料を記憶することができる。いくつかの実施例において、データベースは、処理機器110によって実行又は使用される情報及び/又は命令を記憶することにより、本出願に記載の例示的な方法を実行することができる。いくつかの実施例において、データベースは、運動監視システム100の一つ又は複数のコンポーネント(例えば、処理機器110、ウェアラブルデバイス130、モバイル端末機器140など)と通信するように、ネットワーク120に接続されてもよい。運動監視システム100の一つ又は複数のコンポーネントは、ネットワーク120を介して、データベースに記憶される資料又は命令にアクセスすることができる。いくつかの実施例において、データベースは、運動監視システム100における一つ又は複数のコンポーネントと直接接続されるか又は通信することができる。いくつかの実施例において、データベースは、処理機器110の一部であってもよい。
【0036】
図2は、本出願のいくつかの実施例によるウェアラブルデバイス130の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアの概略図である。
図2に示すように、ウェアラブルデバイス130は、取得モジュール210、処理モジュール220(プロセッサとも呼ばれる)、制御モジュール230(主制御器、MCU、コントローラとも呼ばれる)、通信モジュール240、給電モジュール250及び入力/出力モジュール260を含んでもよい。
【0037】
取得モジュール210は、運動中のユーザの動作信号を取得するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、取得モジュール210は、センサユニットを含んでもよく、センサユニットは、運動中のユーザの一つ又は複数の動作信号を取得するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、センサユニットは、筋電センサ、姿勢センサ、心電センサ、呼吸センサ、温度センサ、湿度センサ、慣性センサ、血中酸素飽和度センサ、ホールセンサ、皮膚電位センサ、回転センサなどのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、動作信号は、筋電信号、姿勢信号、心電信号、呼吸数、温度信号、湿度信号などのうちの一つ又は複数を含んでもよい。センサユニットは、取得しようとする動作信号のタイプに応じて、ウェアラブルデバイス130の異なる位置に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施例において、筋電センサ(電極素子とも呼ばれる)は、人の筋肉位置に設置されてもよく、筋電センサは、運動中のユーザの筋電信号を収集するように構成されてもよい。筋電信号及びその対応する特徴情報(例えば、周波数情報、振幅情報など)は、運動中のユーザの筋肉の状態を反映することができる。姿勢センサは、人の異なる位置(例えば、胴体、四肢、関節に対応するウェアラブルデバイス130における位置)に設置されてもよく、姿勢センサは、運動中のユーザの姿勢信号を収集するように構成されてもよい。姿勢信号及びその対応する特徴情報(例えば、角速度方向、角速度値、角速度加速度値、角度、変位情報、応力など)は、ユーザの運動の姿勢を反映することができる。心電センサは、人の胸元の周りの位置に設置されてもよく、心電センサは、運動中のユーザの心電データを収集するように構成されてもよい。呼吸センサは、人の胸元の周りの位置に設置されてもよく、呼吸センサは、運動中のユーザの呼吸データ(例えば、呼吸数、呼吸振幅など)を収集するように構成されてもよい。温度センサは、運動中のユーザの温度データ(例えば、体表温度)を収集するように構成されてもよい。湿度センサは、運動中のユーザの外部環境の湿度データを収集するように構成されてもよい。
【0038】
処理モジュール220は、取得モジュール210、制御モジュール230、通信モジュール240、給電モジュール250及び/又は入力/出力モジュール260からのデータを処理することができる。例えば、処理モジュール220は、取得モジュール210からのユーザの運動中の動作信号を処理することができる。いくつかの実施例において、処理モジュール220は、取得モジュール210により取得された動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号)に対して前処理を行うことができる。例えば、処理モジュール220は、運動中のユーザの筋電信号又は姿勢信号に対してセグメンテーション処理を行う。また例えば、処理モジュール220は、運動中のユーザの筋電信号を前処理(例えば、フィルタリング処理、信号補正処理)を行うことにより、筋電信号の品質を向上させることができる。さらに例えば、処理モジュール220は、運動中のユーザの姿勢信号に基づいて、姿勢信号に対応する特徴情報を決定することができる。いくつかの実施例において、処理モジュール220は、入力/出力モジュール260からの命令又は操作を処理することができる。いくつかの実施例において、処理されたデータは、メモリ又はハードディスクに記憶されてもよい。いくつかの実施例において、処理モジュール220は、それにより処理されたデータを通信モジュール240又はネットワーク120により運動監視システム100における一つ又は複数のコンポーネントに伝送することができる。例えば、処理モジュール220は、ユーザ運動の監視結果を制御モジュール230に送信することができ、制御モジュール230は、動作決定結果に基づいて後続の操作又は命令を実行することができる。
【0039】
制御モジュール230は、ウェアラブルデバイス130における他のモジュールに接続されてもよい。いくつかの実施例において、制御モジュール230は、ウェアラブルデバイス130における他のモジュールの作動状態を制御することができる。例えば、制御モジュール230は、給電モジュール250の給電状態(例えば、通常モード、節電モード)、給電時間などを制御することができる。また例えば、制御モジュール230は、ユーザの動作決定結果に基づいて、入力/出力モジュール260を制御することができ、さらにモバイル端末機器140がユーザにその運動のフィードバック結果を送信するように制御することができる。運動中のユーザの動作に問題がある(例えば、動作が標準的でない)場合、制御モジュール230は、入力/出力モジュール260を制御することができ、さらにモバイル端末機器140がユーザにフィードバックするように制御することができ、それにより、ユーザは、自身の運動状態をリアルタイムに把握し、動作を調整することができる。いくつかの実施例において、制御モジュール230は、さらに、取得モジュール210における一つ又は複数のセンサ又は他のモジュールが人にフィードバックするように制御することができる。例えば、ユーザの運動中に、ある筋肉が過度に力を入れると、制御モジュール230は、該筋肉位置の電極モジュールがユーザに対して電気刺激を行うように制御して、動作をリアルタイムに調整するようユーザに警告することができる。
【0040】
いくつかの実施例において、通信モジュール240は、情報又はデータを交換するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、通信モジュール240は、ウェアラブルデバイス130の内部コンポーネントの間の通信に用いられてもよい。例えば、取得モジュール210は、ユーザの動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号など)を通信モジュール240に送信することができ、通信モジュール240は、前記動作信号を処理モジュール220に送信することができる。いくつかの実施例において、通信モジュール240は、さらに、ウェアラブルデバイス130及び運動監視システム100におけるコンポーネントの間の通信に用いられてもよい。例えば、通信モジュール240は、ウェアラブルデバイス130の状態情報(例えば、オンオフ状態)を処理機器110に送信することができ、処理機器110は、前記状態情報に基づいてウェアラブルデバイス130を監視することができる。通信モジュール240は、有線、無線及び有線/無線混在技術を用いてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、給電モジュール250は、運動監視システム100における他のコンポーネントに電力を供給することができる。
【0042】
入力/出力モジュール260は、信号を取得し、伝送し、送信することができる。入力/出力モジュール260は、運動監視システム100における他のコンポーネントと接続されるか又は通信することができる。運動監視システム100における他のコンポーネントは、入力/出力モジュール260により接続又は通信を実現することができる。
【0043】
注意すべきこととして、運動監視システム100及そのモジュールに対する以上の説明は、単に説明の便宜のためであり、本出願の一つ又は複数の実施例を、挙げられた実施例の範囲内に限定することができない。当業者であれば、該システムの原理を理解した上で、この原理から逸脱することなく、各モジュールを任意に組み合わせたり、サブシステムを形成して他のモジュールに接続したり、そのうちの一つ又は複数のモジュールを省略したりすることができる、ということが理解されるであろう。例えば、取得モジュール210及び処理モジュール220は、一つのモジュールであってもよく、該モジュールは、ユーザの動作信号を取得し処理する機能を有してもよい。また例えば、処理モジュール220は、さらに、ウェアラブルデバイス130に設置されず、処理機器110に集積されてもよい。このような変形は、いずれも本出願の一つ又は複数の実施例の保護範囲内にある。
【0044】
図3は、本出願のいくつかの実施例による計算機器300の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアの概略図である。いくつかの実施例において、処理機器110及び/又はモバイル端末機器140は、計算機器300上で実現され得る。いくつかの実施例において、運動データ較正システム180は、計算機器300上で実現され得る。
図3に示すように、計算機器300は、内部通信バス310、少なくとも一つのプロセッサ320、少なくとも一つの記憶媒体、通信ポート350、入力/出力インタフェース360及びユーザインタフェース380を含んでもよい。
【0045】
内部通信バス310は、計算機器300における各コンポーネントの間のデータ通信を実現することができる。例えば、少なくとも一つのプロセッサ320は、内部通信バス310によりデータを少なくとも一つの記憶媒体又は入力/出力ポート360などの他のハードウェアに送信することができる。いくつかの実施例において、内部通信バス310は、業界標準アーキテクチャー(ISA)バス、拡張業界標準アーキテクチャー(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(VESA)バス、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスなどであってもよい。いくつかの実施例において、内部通信バス310は、
図1に示される運動監視システム100における各モジュール(例えば、取得モジュール210、処理モジュール220、制御モジュール230、通信モジュール240、入力出力モジュール260)を接続するために用いられてもよい。
【0046】
計算機器300の少なくとも一つの記憶媒体は、データ記憶装置を含んでもよい。前記データ記憶装置は、非一時的な記憶媒体であってもよいし、一時的な記憶媒体であってもよい。例えば、前記データ記憶装置は、リードオンリーメモリ(ROM)330、ランダムアクセスメモリ(RAM)340、ハードディスク370などのうちの一つ又は複数を含んでもよい。例示的なROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(PEROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、光ディスクROM(CD-ROM)及びデジタル多用途ディスクROMなどを含んでもよい。例示的なRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)及びゼロキャパシタ(Z-RAM)などを含んでもよい。記憶媒体は、運動監視システム100の任意の他のコンポーネントから取得されたデータ/情報を記憶することができる。記憶媒体は、前記データ記憶装置に記憶されている少なくとも一つの命令セットをさらに含む。前記命令は、コンピュータプログラムコードであり、前記コンピュータプログラムコードは、本明細書による運動データ較正方法を実行するプログラム、ルーチン、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、プロセス、モジュールなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、計算機器300の記憶媒体は、ウェアラブルデバイス130に配置されてもよいし、処理機器110に配置されてもよい。
【0047】
少なくとも一つのプロセッサ320は、少なくとも一つの記憶媒体と通信可能に接続され得る。少なくとも一つのプロセッサ320は、上記少なくとも一つの命令セットを実行するためのものである。計算機器300が作動する場合、少なくとも一つのプロセッサ320は、前記少なくとも一つの命令セットを読み取り、且つ前記少なくとも一つの命令セットの指示に従って計算命令(プログラムコード)を実行することによって、本出願に記載の運動監視システム100の機能を実行することができる。プロセッサ320は、データ処理方法に含まれる全てのステップを実行することができる。前記計算命令は、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、プロセス、モジュール及び機能(前記機能は、本出願に記載の特定の機能を指す)を含んでもよい。例えば、プロセッサ320は、運動監視システム100のウェアラブルデバイス130又は/及びモバイル端末機器140から取得した運動中のユーザの動作信号(例えば、筋電信号、姿勢信号)を処理し、運動中のユーザの動作信号に基づいてユーザの運動動作を監視することができる。例えば、プロセッサ320は、運動監視システム100のウェアラブルデバイス130又は/及びモバイル端末機器140から取得した運動中のユーザの動作データを処理し、前記少なくとも一つの命令セットの指示に従って本明細書に記載の運動データ較正方法を実行し、前記動作データを二次元姿勢データに変換するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、プロセッサ320は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、専用集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、物理処理ユニット(PPU)、マイクロコントローラユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アドバンスド縮小命令セットコンピュータ(ARM)、プログラマブルロジックデバイス及び一つ又は複数の機能を実行できる任意の回路もしくはプロセッサなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。単に説明するために、
図3における計算機器300には一つだけのプロセッサ320が説明されたが、注意すべきこととして、本出願における計算機器300はまた、複数のプロセッサ320を含んでもよい。
【0048】
ハードディスク370は、処理機器110により生成されたか又は処理機器110から受信した情報及びデータを記憶するために用いられてもよい。例えば、ハードディスク370は、ユーザのユーザ識別情報を記憶することができる。いくつかの実施例において、ハードディスク370は、処理機器110内又はウェアラブルデバイス130内に設置されてもよい。
【0049】
ユーザインタフェース380は、計算機器300とユーザとの間のインタラクション及び情報交換を実現することができる。いくつかの実施例において、ユーザインタフェース380は、運動監視システム100により生成された運動記録をユーザに提示することに用いられてもよい。いくつかの実施例において、ユーザインタフェース380は、物理的なディスプレイ、例えば、スピーカー付きのディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、電子インクディスプレイ(E-Ink)などを含んでもよい。
【0050】
入力/出力インタフェース360は、信号、データ又は情報の入力又は出力に用いられてもよい。いくつかの実施例において、入力/出力インタフェース360は、ユーザと運動監視システム100とのインタラクションを可能にすることができる。
【0051】
図4は、本出願のいくつかの実施例によるウェアラブルデバイスの例示的な構造図である。ウェアラブルデバイスをさらに説明するために、上着を例示として説明する。
図4に示すように、ウェアラブルデバイス400は、上着410を含んでもよい。上着410は、上着ベース4110、少なくとも一つの上着処理モジュール4120、少なくとも一つの上着フィードバックモジュール4130、少なくとも一つの上着取得モジュール4140などを含んでもよい。上着ベース4110は、人の上半身に着用される衣類を指してもよい。いくつかの実施例において、上着ベース4110は、半袖Tシャツ、長袖Tシャツ、ワイシャツ、ジャケットなどを含んでもよい。少なくとも一つの上着処理モジュール4120、少なくとも一つの上着取得モジュール4140は、上着ベース4110上の人の異なる部位にフィットする領域に配置されてもよい。少なくとも一つの上着フィードバックモジュール4130は、上着ベース4110の任意の位置に配置されてもよく、少なくとも一つの上着フィードバックモジュール4130は、ユーザの上半身の運動状態情報をフィードバックするように構成されてもよい。例示的なフィードバック方式は、音声提示、文字提示、圧力提示、電流刺激などを含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、少なくとも一つの上着取得モジュール4140は、姿勢センサ、心電センサ、筋電センサ、温度センサ、湿度センサ、慣性センサ、酸/塩基センサ、音波トランスデューサなどのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。上着取得モジュール4140におけるセンサは、測定される信号によってユーザの体の異なる位置に配置されてもよい。例えば、姿勢センサは、ユーザの運動中の姿勢信号を取得するためのものである場合、人の胴体、双腕、関節に対応する上着ベース4110における位置に配置されてもよい。また例えば、筋電センサは、ユーザの運動中の筋電信号を取得するためのものである場合、ユーザの測定される筋肉の近傍に配置されてもよい。いくつかの実施例において、姿勢センサは、3軸加速度センサ、3軸角速度センサ、磁気センサなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、それらに限らない。例えば、一つの姿勢センサは、3軸加速度センサ、3軸角速度センサを含んでもよい。いくつかの実施例において、姿勢センサは、歪みセンサをさらに含んでもよい。歪みセンサは、被測定物が力を受けて変形することによる歪みに基づくセンサであってもよい。いくつかの実施例において、歪みセンサは、歪みゲージ式ロードセル、歪みゲージ式圧力センサ、歪みゲージ式トルクセンサ、歪みゲージ式変位センサ、歪みゲージ式加速度センサなどのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。例えば、歪みセンサは、ユーザの関節位置に設置されてもよく、引張長さに伴って変化する歪みセンサの抵抗の大きさを測定することによって、ユーザの関節の屈曲角度及び屈曲方向を取得することができる。注意すべきこととして、上着410は、上記の上着ベース4110、上着処理モジュール4120、上着フィードバックモジュール4130、上着取得モジュール4140を加えて、他のモジュール、例えば、給電モジュール、通信モジュール、入力/出力モジュールなどをさらに含んでもよい。上着処理モジュール4120は
図2における処理モジュール220と類似し、上着取得モジュール4140は
図2における取得モジュール210と類似し、上着410における各モジュールについての具体的な説明は、本出願の
図2における関連説明を参照することができ、ここでは、これ以上説明しない。
【0052】
図5は、本出願のいくつかの実施例による運動監視方法の例示的なフローチャートである。
図5に示すように、フロー500は、以下のステップ510~ステップ520を含んでもよい。
【0053】
ステップ510において、運動中のユーザの動作信号を取得する。
いくつかの実施例において、該ステップ510は、取得モジュール210により実行されてもよい。動作信号は、運動中のユーザの人体パラメータ情報を指す。いくつかの実施例において、人体パラメータ情報は、筋電信号、姿勢信号、心電信号、温度信号、湿度信号、血中酸素濃度、呼吸数などのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、取得モジュール210における筋電センサは、ユーザの運動中の筋電信号を収集することができる。例えば、ユーザがチェストプレスを行う場合 、人の胸筋、広背筋などの位置に対応するウェアラブルデバイスにおける筋電センサは、ユーザの対応する筋肉位置の筋電信号を収集することができる。また例えば、ユーザがスクワット動作を行う場合、人の大臀筋、大腿四頭筋などの位置に対応するウェアラブルデバイスにおける筋電センサは、ユーザの対応する筋肉位置の筋電信号を収集することができる。さらに例えば、ユーザがランニング運動を行う場合、人の腓腹筋などの位置に対応するウェアラブルデバイスにおける筋電センサは、人の腓腹筋などの位置の筋電信号を収集することができる。いくつかの実施例において、取得モジュール210における姿勢センサは、運動中のユーザの姿勢信号を収集することができる。例えば、ユーザがベンチプレス運動を行う場合、人の上腕三頭筋などの位置に対応するウェアラブルデバイスにおける姿勢センサは、ユーザの上腕三頭筋などの位置の姿勢信号を収集することができる。また例えば、ユーザがダンベルフライ動作を行う場合、人の三角筋などの位置に設置された姿勢センサは、ユーザの三角筋などの位置の姿勢信号を収集することができる。いくつかの実施例において、取得モジュール210における姿勢センサの数は、複数であってもよく、複数の姿勢センサは、ユーザの運動中の複数の部位の姿勢信号を取得することができ、複数の部位姿勢信号は、人の異なる部位の間の相対的な運動状況を反映することができる。例えば、腕の姿勢信号及び胴体の姿勢信号は、胴体に対する腕の運動状況を反映することができる。いくつかの実施例において、姿勢信号は、姿勢センサのタイプに関連する。例えば、姿勢センサが3軸角速度センサである場合、取得された姿勢信号は角速度情報である。また例えば、姿勢センサが3軸角速度センサ及び3軸加速度センサである場合、取得された姿勢信号は角速度情報及び加速度情報である。さらに例えば、姿勢センサが歪みセンサである場合、歪みセンサは、ユーザの関節位置に設置されてもよく、引張長さに伴って変化する歪みセンサの抵抗の大きさを測定することによって、取得された姿勢信号は変位情報、応力などであってもよく、これの姿勢信号によって、ユーザの関節の屈曲角度及び屈曲方向を表すことができる。注意すべきこととして、ユーザの体の相対運動を示すために利用可能なパラメータ情報は、いずれも姿勢信号に対応する特徴情報であってもよく、特徴情報のタイプに応じて異なるタイプの姿勢センサを用いて取得してもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、前記動作信号は、ユーザの体の特定部位の筋電信号及び該特定部位の姿勢信号を含んでもよい。筋電信号及び姿勢信号は、ユーザの体の特定部位の運動状態を異なる角度から反映することができる。簡単に言えば、ユーザの体の特定部位の姿勢信号は、該特定部位の動作タイプ、動作幅、動作頻度などを反映することができる。筋電信号は、運動中の該特定部位の筋肉状態を反映することができる。いくつかの実施例において、体の同じ部位の筋電信号及び/又は姿勢信号により、該部位の動作が標準的であるか否かより良く評価することができる。
【0055】
ステップ520において、少なくとも筋電信号に対応する特徴情報又は姿勢信号に対応する特徴情報に基づいて、ユーザの運動動作を監視する。
【0056】
いくつかの実施例において、該ステップは、処理モジュール220及び/又は処理機器110により実行されてもよい。いくつかの実施例において、筋電信号に対応する特徴情報は、周波数情報、振幅情報などのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。姿勢信号に対応する特徴情報は、ユーザの体に相対的な運動が発生したことを表すためのパラメータ情報を指す。いくつかの実施例において、姿勢信号に対応する特徴情報は、角速度方向、角速度値、角速度の加速度値などのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、姿勢信号に対応する特徴情報は、角度、変位情報(例えば、歪みセンサジにおける引張長さ)、応力などをさらに含んでもよい。例えば、姿勢センサが歪みセンサである場合、歪みセンサは、ユーザの関節位置に設置されてもよく、引張長さに伴って変化する歪みセンサの抵抗の大きさを測定することによって、取得された姿勢信号は変位情報、応力などであってもよく、これの姿勢信号によって、ユーザの関節の屈曲角度及び屈曲方向を表すことができる。いくつかの実施例において、処理モジュール220及び/又は処理機器110は、筋電信号に対応する特徴情報(例えば、周波数情報、振幅情報)又は姿勢信号に対応する特徴情報(例えば、角速度方向、角速度値、角速度の加速度値、角度、変位情報、応力など)を抽出し、筋電信号に対応する特徴情報又は姿勢信号に対応する特徴情報に基づいて、ユーザの運動動作を監視することができる。ここでは、ユーザの運動動作を監視することは、ユーザの動作に関連する情報を監視することを含む。いくつかの実施例において、動作に関連する情報は、ユーザの動作タイプ、動作回数、動作の良否(例えば、ユーザの動作が標準的であるか否か)、動作時間などのうちの一つ又は複数を含んでもよい。動作タイプとは、運動中のユーザのフィットネス動作を指す。いくつかの実施例において、動作タイプは、チェストプレス、スクワット運動、デッドリフト運動、プランク、ランニング、水泳などのうちの一つ又は複数を含んでもよいが、それらに限らない。動作回数とは、ユーザの運動中に動作を実行する回数を指す。例えば、ユーザが運動中に10回のチェストプレスを行い、ここでの10回は、動作回数である。動作の良否とは、ユーザが行うフィットネス動作の標準的なフィットネス動作に対する度合いを指す。例えば、ユーザがスクワット動作を行う場合、処理機器110は、特定の筋肉位置(大臀筋、大腿四頭筋など)の動作信号(筋電信号及び姿勢信号)に対応する特徴情報に基づいて、ユーザの動作の動作タイプを判断し、標準的なスクワット動作の動作信号に基づいて、ユーザのスクワット動作の良否を判断することができる。動作時間とは、ユーザの一つ又は複数の動作タイプに対応する時間又は運動の総時間を指す。
【0057】
前述のように、姿勢信号に対応する特徴情報は、ユーザの体に相対的な運動が発生したことを示すために利用可能なパラメータ情報を含んでもよい。運動中のユーザの動作に対する監視を実現するために、運動監視システム100は、ユーザの体の異なる部位の間の相対的な運動を取得する必要がある。以上のように、姿勢信号は、姿勢センサにより測定された姿勢データであってもよい。姿勢センサは、ユーザの体の複数の異なる部位に分布してもよい。ユーザの体の複数の異なる部位の間の相対的な運動を取得するために、運動監視システム100は、ユーザの体の上の複数の異なる部位の間の姿勢信号を較正してもよい。
【0058】
図6は、本出願のいくつかの実施例による運動データ較正方法3000の例示的なフローチャートである。以上のように、運動データ較正システム180は、本出願による運動データ較正方法3000を実行することができる。具体的には、運動データ較正システム180は、処理機器110上で運動データ較正方法3000を実行することができ、モバイル端末機器140上で運動データ較正方法3000を実行することもできる。説明の便宜上、本発明者らは、運動データ較正システム180が処理機器110上で運動データ較正方法3000を実行することを例として説明する。具体的には、処理機器110におけるプロセッサ320は、そのローカル記憶媒体に記憶されている命令セットを読み取り、そして命令セットの指示に従って、本出願による運動データ較正方法3000を実行することができる。運動データ較正方法3000は、以下のS3020~S3060を含んでもよい。
【0059】
S3020:運動中のユーザの動作データを取得する。
いくつかの実施例において、該ステップは、処理モジュール220及び/又は処理機器110により実行されてもよい。動作データは、運動中のユーザの人体運動パラメータ情報を指す。いくつかの実施例において、動作データは、ユーザの体の上の少なくとも一つの測定位置に対応する少なくとも一つの姿勢信号を含んでもよい。姿勢信号及びその対応する特徴情報(例えば、角速度方向、角速度値、角速度加速度値、角度、変位情報、応力など)は、ユーザの運動の姿勢を反映することができる。少なくとも一つの測定位置は少なくとも一つの姿勢信号と一対一で対応する。測定位置は、ユーザの体の上の異なる部位であってもよい。少なくとも一つの姿勢信号は、ユーザが運動している時のユーザの体の上の少なくとも一つの測定位置の実際の姿勢に対応する。少なくとも一つの姿勢信号のうちの各姿勢信号は、その対応する測定位置の固有座標系における三次元姿勢データを含んでもよい。固有座標系は、姿勢信号が位置する座標系であってもよい。ユーザの姿勢が変化しない場合、固有座標系の変化は姿勢信号の変化を引き起こすこともある。各姿勢信号は、一つ又は複数の三次元姿勢データを含んでもよい。例えば、三次元角度データ、三次元角速度データ、三次元角加速度データ、三次元速度データ、三次元変位データ、三次元応力データなどである。
【0060】
いくつかの実施例において、姿勢信号は、ウェアラブルデバイス130上の姿勢センサにより取得され得る。前述のように、ウェアラブルデバイス130における取得モジュール210のセンサユニットは、姿勢センサを含んでもよい。具体的には、ウェアラブルデバイス130は、少なくとも一つの姿勢センサを含んでもよい。少なくとも一つの姿勢センサは、ユーザの体の少なくとも一つの測定位置に配置されてもよい。姿勢センサは、ユーザの体の上のその対応する測定位置の姿勢信号を収集することができる。ウェアラブルデバイス130上の姿勢センサは、人の四肢部位(例えば、腕、脚など)、人の胴体部位(例えば、胸部、腹部、背中、腰部など)及び人の頭部などに分布してもよい。姿勢センサは、人の四肢部位、胴体部位などの他の部位の姿勢信号の収集を実現することができる。姿勢センサは、人の異なる位置に対応する姿勢信号を測定するように、取得しようとする姿勢信号に応じて、ウェアラブルデバイス130の異なる位置に配置されてもよい。いくつかの実施例において、姿勢センサは、さらに、姿勢融合アルゴリズムの姿勢測定ユニット(AHRS)を有するセンサであってもよい。姿勢融合アルゴリズムは、3軸加速度センサ、3軸角度センサ、3軸地磁センサを有する9軸慣性測定ユニット(IMU)のデータをオイラー角又はクォータニオンに融合することによって、姿勢センサが位置するユーザの身体部位の姿勢信号を取得することができる。いくつかの実施例において、処理モジュール220及び/又は処理機器110は、姿勢信号に基づいて、姿勢に対応する特徴情報を決定することができる。いくつかの実施例において、姿勢信号に対応する特徴情報は、角速度値、角速度方向、角速度の加速度値などを含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施例において、姿勢センサは、歪みセンサであってもよく、歪みセンサは、ユーザ関節の屈曲方向及び屈曲角度を取得することによって、運動中のユーザの姿勢信号を取得することができる。例えば、歪みセンサはユーザの膝関節に設置されてもよく、ユーザが運動すると、ユーザの身体部位が歪みセンサに作用し、歪みセンサの抵抗又は長さ変化状況に基づいて、ユーザの膝関節の屈曲方向及び屈曲角度を計算することによって、ユーザの腿の姿勢信号を取得することができる。いくつかの実施例において、姿勢センサは、光ファイバセンサをさらに含んでもよく、姿勢信号は、光ファイバセンサの光の屈曲後の方向変化により表され得る。いくつかの実施例において、姿勢センサは、さらに磁束センサであってもよく、姿勢信号は、磁束の変化状況により表され得る。注意すべきこととして、姿勢センサのタイプは、上記のセンサに限定されるものではなく、他のセンサであってもよく、ユーザ姿勢信号を取得できるセンサが、いずれも本出願の姿勢センサの範囲内にある。
【0061】
前述のように、各姿勢信号は、一つ又は複数の三次元姿勢データを含んでもよい。姿勢センサは、複数のタイプのセンサを含んでもよい。いくつかの実施例において、姿勢センサは、加速度センサ、角度センサ及び磁気センサのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0062】
姿勢信号が姿勢センサにより測定されたデータである場合、固有座標系は、姿勢センサが位置する座標系であってもよい。いくつかの実施例において、固有座標系は、人に設置される姿勢センサに対応する座標系を指す。ユーザがウェアラブルデバイス130を使用する場合、ウェアラブルデバイス130上の各姿勢センサが人の異なる部位に分布し、それにより各姿勢センサの人における取り付け角度が異なり、異なる部位の姿勢センサがそれぞれ自体の座標系を固有座標系とするため、異なる部位の姿勢センサは、異なる固有座標系を有する。いくつかの実施例において、各姿勢センサにより取得された姿勢信号は、その対応する固有座標系における表現であってもよい。姿勢センサにより取得された姿勢信号は、予め設定された固定座標系の固有座標系における姿勢信号であってもよい。前記予め設定された固定座標系は、測地座標系であってもよいし、予め設定された他の任意の座標系であってもよい。運動データ較正システム180には、固有座標系と前記予め設定された固定座標系との変換関係が予め記憶されていてもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、姿勢信号は、姿勢センサにより直接取得された信号であってもよいし、姿勢センサにより直接取得された信号に対して規則的なフィルタリング、整流、ウェーブレット変換、グリッジ処理などの信号処理プロセスを行って形成した姿勢信号、又は以上の任意の一つ又は複数の処理フローを組み合わせて得られた信号であってもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、姿勢信号は、画像センサにより測定されたデータであってもよい。画像センサは、深度情報を取得できる画像センサ、例えば、3Dストラクチャライトカメラ、双眼カメラなどであってもよい。画像センサは、ユーザの運動画像を撮影可能な任意の位置に取り付けられてもよい。画像センサの数は、一つであってもよいし、複数であってもよい。画像センサが複数ある場合、複数の画像センサは、複数の異なる位置に取り付けられてもよい。画像センサは、運動中のユーザの深度画像を取得することができる。深度画像には、画像センサが位置する座標系に対するユーザの体の上の少なくとも一つの測定位置の深度情報が含まれていてもよい。ユーザが運動する場合、運動データ較正システム180は、複数フレームの深度画像の変化に基づいて、少なくとも一つの測定位置のうちの各測定位置の姿勢信号を計算することができる。前述のように、各姿勢信号は、一つ又は複数の三次元姿勢データを含んでもよい。運動データ較正システム180は、異なる三次元姿勢データを計算することができる。
【0065】
姿勢信号が画像センサにより測定されたデータである場合、固有座標系は、画像センサ自体が位置する座標系であってもよい。いくつかの実施例において、画像センサにより取得された姿勢信号は、その対応する画像センサ自体の座標系(固有座標系)における表現であってもよい。画像センサは、予め較正されてもよい。即ち運動データ較正システム180には、画像センサ自体の座標系と前述の予め設定された固定座標系との変換関係が予め記憶されていてもよい。
【0066】
説明の便宜上、以下の説明では、本発明者らは、動作データが少なくとも一つの姿勢センサにより測定されたデータであることを例として説明する。説明の便宜上、本発明者らは、固有座標系をo-xyz座標系として定義する。ここで、oは固有座標系o-xyzの座標原点であり、x軸、y軸及びz軸は、それぞれ固有座標系o-xyzの互いに直交する三つの座標軸である。
【0067】
前述のように、各姿勢信号は、その対応する測定位置の固有座標系o-xyzにおける三次元姿勢データであってもよい。いくつかの実施例において、三次元姿勢データは、それが位置する座標系における互いに直交する三つの座標軸における姿勢データであってもよい。いくつかの実施例において、姿勢データは、角度データ及び角速度データを含んでもよい。いくつかの実施例において、固有座標系o-xyzにおける三次元姿勢データは、互いに直交する三つの座標軸x軸、y軸及びz軸における角度データ及び角速度データを含んでもよい。説明の便宜上、本発明者らは、各姿勢信号の固有座標系o-xyzにおける三次元姿勢データを、それぞれ三次元角度(Euler)データEsens及び三次元角速度(Gyro)データGsensとしてマークする。三次元角度データEsensは、x軸における角度データEsens_x、y軸における角度データEsens_y及びz軸における角度データEsens_zを含んでもよい。三次元角速度データGsensは、x軸における角速度データGsens_x、y軸における角速度データGsens_y及びz軸における角速度データGsens_zを含んでもよい。
【0068】
S3040:目標座標系を作成する。
いくつかの実施例において、該ステップは、処理モジュール220及び/又は処理機器110により実行されてもよい。説明の便宜上、本発明者らは、目標座標系をO-XYZとして定義する。ユーザの異なる部位の間の相対的な運動を容易に決定するために、運動データ較正システム180は、動作データを同一の既知の座標系(例えば、目標座標系がO-XYZとして定義される)における姿勢データに変換してもよい。目標座標系O-XYZは、X軸、Y軸、Z軸という互いに直交する三つの座標軸を含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施例において、目標座標系O-XYZは、較正された任意の座標系であってもよい。いくつかの実施例において、目標座標系O-XYZは、前述の予め設定された固定座標系であってもよい。いくつかの実施例において、目標座標系O-XYZと前述の予め設定された固定座標系は、異なる座標系であってもよい。運動データ較正システム180には、前述の予め設定された固定座標系と目標座標系O-XYZとの変換関係が予め記憶されていてもよい。
【0070】
運動データ較正システム180は、運動中のユーザの動作データを較正するためのものであり、その測定対象がユーザである。そのため、いくつかの実施例において、目標座標系O-XYZは、人が立っている時の胴体の長手方向をZ軸としてもよい。即ちZ軸は、重力加速度がある鉛直方向の逆方向である。即ちZ軸は、地面に垂直で空に向かう座標軸である。X軸及びY軸で構成される平面は、Z軸に垂直な水平面である。いくつかの実施例において、X軸及びY軸は、Z軸に垂直な水平面内の互いに垂直な任意の二つの座標軸であってもよい。いくつかの実施例において、X軸は、東西方向の座標、例えば、東に向く座標軸であってもよく、Y軸は、南北方向の座標、例えば、北に向く座標軸であってもよい。
図7は、本明細書の実施例による目標座標系O-XYZの概略図を示した。ここで、X軸方向は、ちょうどユーザ001が立っている時の前方である。
【0071】
S3060:前記各姿勢信号を前記目標座標系における二次元姿勢データに変換する。
図8は、本出願のいくつかの実施例による二次元姿勢データへの変換の例示的なフローチャートである。
図8はステップS3060に対応する。
図8に示すように、ステップS3060は、以下のS3062~S3066を含んでもよい。
【0072】
S3062:予め記憶された目標座標系O-XYZと固有座標系o-xyzとの間の変換関係を取得する。
前述のように、各姿勢センサにより取得された姿勢信号は、その対応する固有座標系における表現であってもよい。具体的には、姿勢センサにより取得された姿勢信号は、予め設定された固定座標系の、現在の姿勢信号に対応する測定位置の固有座標系における姿勢信号であってもよい。運動データ較正システム180は、各姿勢信号に基づいて、その対応する姿勢センサの固有座標系o-xyzの、予め設定された固定座標系における表現を逆変換によって取得することができる。前述のように、運動データ較正システム180には、予め設定された固定座標系と目標座標系O-XYZとの変換関係が予め記憶されていてもよい。運動データ較正システム180は、予め設定された固定座標系と目標座標系O-XYZとの変換関係に基づいて、各固有座標系o-xyzと目標座標系O-XYZとの変換関係を計算して決定することができる。運動データ較正システム180は、前記変換関係に基づいて、固有座標系o-xyzにおける姿勢情報を目標座標系におけるO-XYZの姿勢情報に変換することができる。いくつかの実施例において、該変換関係は、一つ又は複数の回転行列として表され得る。運動データ較正システム180には、前記回転行列が予め記憶されていてもよい。
【0073】
S3064:目標座標系O-XYZと固有座標系o-xyzとの間の変換関係に基づいて、前記各姿勢信号を前記目標座標系O-XYZにおける三次元運動データに変換する。
【0074】
前述のように、各姿勢信号は、その対応する固有座標系o-xyzにおける三次元姿勢データEsens_x、Esens_y、Esens_z、Gsens_x、Gsens_y及びGsens_zを含んでもよい。運動データ較正システム180は、目標座標系O-XYZと固有座標系o-xyzとの間の変換関係に基づいて、各姿勢信号に対応する測定位置がある固有座標系0-xyzの目標座標系O-XYZにおける三次元運動データを決定することができる。いくつかの実施例において、前記三次元運動データは、少なくともX軸における角速度データGglobal_X、Y軸における角速度データGglobal_Y及びZ軸における角速度データGglobal_Zを含む。
【0075】
S3066:目標座標系O-XYZにおける前記三次元運動データを目標座標系O-XYZにおける二次元姿勢データに変換する。
【0076】
前記二次元姿勢データは、二次元座標系におけるデータである。目標座標系O-XYZにおける二次元座標系は、ユーザ001の四肢が揺れる時の運動平面と、ユーザ001の胴体が回転する時の運動平面とを含んでもよい。いくつかの実施例において、目標座標系O-XYZにおける二次元姿勢データは、水平姿勢データ及び鉛直姿勢データを含んでもよい。水平姿勢データは、Z軸に垂直な水平面内で運動する時の水平角度データEglobal_Z及び水平角速度データGglobal_Zを含んでもよい。鉛直姿勢データは、水平面に垂直な任意の鉛直面内で運動する時の鉛直角度データEglobal_XY及び鉛直角速度データGglobal_XYを含んでもよい。前記鉛直面は、水平面に垂直ないずれかの平面であってもよい。水平角度データEglobal_Zは、目標座標系O-XYZにおける水平面内での測定位置の回転角度であってもよい。水平角速度データGglobal_Zは、目標座標系O-XYZにおける水平面内での測定位置の回転角速度であってもよい。鉛直角度データEglobal_XYは、目標座標系O-XYZにおけるいずれか一つの鉛直面内での測定位置の回転角度であってもよい。鉛直角速度データGglobal_XYは、目標座標系O-XYZにおけるいずれか一つの鉛直面内での測定位置の回転角速度であってもよい。
【0077】
ほとんどのジム内のフィットネス動作については、ユーザ001の動作の主な部分は、いずれも二つの平面上の運動に分解され得る。例えば、水平面上のその場の運動及びいずれか一つの鉛直面上の運動である。そのため、運動中のユーザ001が行う異なる動作は、水平面での運動及び鉛直面での運動だけで区別することができる。例えば、ユーザ001がトレッドミルでランニングする時、ユーザ001のランニング動作は、主に水平面に平行な関節を中心とした回転運動である。この場合、回転運動は、前記水平面に垂直な鉛直面内で発生し、前記鉛直面がユーザ001の体の向きに沿って延伸する。この鉛直面では、ユーザ001の重心は上下方向に直線的に移動し、ユーザの四肢は重心に合わせてそれぞれ揺動する。例えば、ユーザ001がアームカール動作を行う場合、アームカールの動作には鉛直面内の運動のみが発生する。さらに例えば、ユーザ001がチェストプレス動作を行う場合、チェストプレスの動作には水平面内の運動のみが発生する。
【0078】
図9は、本出願のいくつかの実施例による運動中のユーザ001の座標系図である。
図9では、ユーザ001がアームカールを行う時、ユーザ001の向きはほとんど変わらない。アームカールの動作は、主に前腕AO’及び上腕O’Bにより形成される鉛直面Pにある。ダンベルの重力を克服する動作であるため、平面Pは、概ね水平面X-Y平面に垂直である。鉛直面P内では、上腕O’Bの姿勢はほぼ一定であり、前腕AO’は肘O’を中心に往復揺動する。揺動のベクトル方向は、鉛直面Pの法線方向である。これ以外に、ユーザ001のアームカール動作は、他の方向での重みが小さくて無視してもよい。上記分析に基づいて、次に、運動データ較正システム180は、前記三次元運動データを二次元姿勢データに変換する。
【0079】
図8に示すように、ステップS3066は、以下のS3066-2~S3066-8を含んでもよい。
【0080】
S3066-2:X軸における角速度データG
global_X及びY軸における角速度データG
global_Yをベクトルの法則によって鉛直角速度データG
global_XYに変換する。
鉛直角速度データG
global_XYは以下の式で表されてもよい。
【数1】
【数2】
ここで、
【数3】
【0081】
S3066-4:運動中のユーザ001の開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、鉛直角速度データG
global_XYに対して時間積分を行い、鉛直角度データE
global_XYを取得する。
ここで、鉛直角度データE
global_XYは以下の式で表されてもよい。
【数4】
【0082】
ここで、startpos及びendposは、一つの動作の開始位置(start position)及び終了位置(end position)に対応する開始時間及び終了時間である。
【0083】
S3066-6:Z軸における角速度データGglobal_Zを前記水平角速度データGglobal_Zとする。
【0084】
S3066-8:運動中のユーザ001の開始位置及び終了位置に対応する時間に基づいて、水平角速度データGglobal_Zに対して時間積分を行い、水平角度データEglobal_Zを取得する。
【0085】
ここで、水平角度データE
global_Zは以下の式で表されてもよい。
【数5】
ここで、startpos及びendposは、一つの動作の開始位置(start position)及び終了位置(end position)に対応する開始時間及び終了時間である。
【0086】
いくつかの実施例において、前記運動データ較正方法3000は、
S3080:前記各姿勢信号に対応する前記二次元姿勢データに基づいて、前記少なくとも一つの測定位置の間の相対的な運動を決定するステップをさらに含んでもよい。
【0087】
運動データ較正システム180は、ユーザ001の体の少なくとも一つの測定位置に対応する少なくとも一つの姿勢信号に対応する少なくとも一つの二次元姿勢データにより、ユーザ001の体の異なる運動部位間の相対的な運動を判断することができる。例えば、ユーザ001の腕における姿勢センサに対応する特徴情報及びユーザ001の胴体部位における姿勢センサに対応する特徴情報により、運動中のユーザ001の腕と胴体との間の相対的な運動を判断することができる。
【0088】
以上のように、本出願による運動データ較正方法3000及びシステム180は、運動中のユーザ001の動作データを互いに直交する三つの座標軸における三次元姿勢データから目標座標系における二次元データ、即ち水平面内の姿勢データ及び鉛直面内の姿勢データに変換して、運動中のユーザ001の動作を水平方向での運動及び鉛直方向での運動に分けることによって、ユーザ001の異なる向きによるデータの差異を回避することができる。前記方法3000及びシステム180は、ユーザ001の向きが運動データに与える影響を除去することができる。そのため、前記方法3000及びシステム180は、ユーザ001による較正動作を必要とせずに、運動データを較正することができる。
【0089】
以上、基本概念を説明したが、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本出願を限定するものではないことは当業者にとって明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本出願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本出願において提案されているため、本出願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
それとともに、本出願の実施例を説明するために、本出願において特定の用語が使用されている。例えば、「一つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本出願の少なくとも一つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。そのため、本出願の様々な部分で二回以上言及されている「一実施例」又は「一つの実施例」又は「一つの代替的な実施例」は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。なお、本出願の一つ又は複数の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【国際調査報告】