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特表2024-523946車両コントローラ及びそれを有する車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-03
(54)【発明の名称】車両コントローラ及びそれを有する車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/00 20060101AFI20240626BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240626BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240626BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
B60L15/00 H
B60L50/60
H02M7/48 Z
H05K9/00 L
H05K9/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558972
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022084265
(87)【国際公開番号】W WO2022262361
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202110681270.3
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼▲鳳▼▲伝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼星春
(72)【発明者】
【氏名】范彦▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】曾▲慶▼▲暉▼
【テーマコード(参考)】
5E321
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
5E321AA05
5E321AA11
5E321GG05
5E321GG09
5E321GG11
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC22
5H770AA05
5H770AA21
5H770AA28
5H770BA02
5H770CA06
5H770CA10
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA41
5H770HA02Y
5H770JA17Z
5H770LA10Z
5H770QA01
5H770QA02
5H770QA06
5H770QA27
5H770QA35
(57)【要約】
本開示は、車両コントローラ及びそれを有する車両を開示し、車両コントローラは、筐体と、制御基板と、駆動基板と、オンオフ素子とを含み、制御基板は、筐体内に取り付けられ、通信モジュールと、車両制御モジュールと、充電制御モジュールと、モータ制御モジュールとを含み、車両制御モジュールが通信モジュールの信号に基づいて車両の運行を制御し、駆動基板は、筐体内に取り付けられ、制御基板が駆動基板に接続され、モータ制御モジュールが駆動基板により車両のモータを制御し、オンオフ素子は、筐体内に取り付けられるとともに、制御基板に接続され、入力端及び出力端を有し、充電制御モジュールが入力端及び出力端のオンオフを制御し、出力端が車両のエネルギ貯蔵素子の電池に接続され、入力端がエネルギ貯蔵素子の充電線に接続される。本開示の実施例に係る車両コントローラは、車両制御機能、充電制御機能及びモータ制御機能を同一の制御基板に集積することができ、集積度が高く、部品数が少なく、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、制御基板と、駆動基板と、オンオフ素子とを含み、
前記制御基板は、前記筐体内に取り付けられ、通信モジュールと、車両制御モジュールと、充電制御モジュールと、モータ制御モジュールとを含み、前記車両制御モジュールが前記通信モジュールの信号に基づいて車両の運行を制御し、
前記駆動基板は、前記筐体内に取り付けられ、前記制御基板に接続され、前記モータ制御モジュールが前記駆動基板により車両のモータを制御し、
前記オンオフ素子は、前記筐体内に取り付けられるとともに、前記制御基板に接続され、入力端及び出力端を有し、前記充電制御モジュールが前記入力端及び前記出力端のオンオフを制御し、前記出力端が車両のエネルギ貯蔵素子に接続され、前記入力端が前記エネルギ貯蔵素子の充電線に接続される、ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項2】
前記通信モジュールは、信号プラグコネクタを含み、前記信号プラグコネクタは、前記筐体から露出し、信号伝送用のプラグイン領域を有し、前記制御基板に、信号遮蔽カバーが取り付けられ、前記信号遮蔽カバーは、前記信号プラグコネクタのプラグイン領域以外の部分を包む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項3】
前記入力端に、正極充電ピン及び負極充電ピンが接続され、前記充電線の正極は、前記正極充電ピンに接続され、前記充電線の負極は、前記負極充電ピンに接続され、前記充電線は、前記筐体を貫通し、
前記出力端に、正極直流ピン及び負極直流ピンが接続され、前記筐体に、直流プラグコネクタが取り付けられ、前記直流プラグコネクタは、前記筐体から露出し、前記正極直流ピン及び前記負極直流ピンは、いずれも前記直流プラグコネクタの一端に接続され、前記直流プラグコネクタの他端は、前記エネルギ貯蔵素子に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項4】
前記筐体に、第1磁気リングが取り付けられ、前記正極直流ピン及び前記負極直流ピンは、いずれも前記第1磁気リングを貫通し、
前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、
コンデンサと、IGBTモジュールとをさらに含み、
前記コンデンサは、前記筐体に取り付けられるとともに、コンデンサ入力端及びコンデンサ出力端を有し、前記直流プラグコネクタが前記コンデンサ入力端に接続され、
前記IGBTモジュールは、前記筐体に取り付けられるとともに、直流入力端、交流出力端及び信号出力端を有し、前記直流入力端が前記コンデンサ出力端に接続され、前記信号出力端が前記駆動基板に接続され、前記交流出力端が車両のモータ三相入力端に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の車両コントローラ。
【請求項5】
電磁遮蔽板をさらに含み、
前記電磁遮蔽板は、前記筐体に取り付けられ、前記制御基板が前記電磁遮蔽板の前記筐体に背向する側に位置し、前記駆動基板、前記コンデンサ及び前記IGBTモジュールが前記電磁遮蔽板の前記筐体に向かう側に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の車両コントローラ。
【請求項6】
前記筐体に、三相中継ピン及び三相導電部材が取り付けられ、前記三相導電部材の外部に、絶縁部材が包まれ、前記三相中継ピンの両端は、それぞれ前記交流出力端及び前記三相導電部材の一端に接続され、前記三相導電部材の他端は、前記モータ三相入力端に接続され、
前記駆動基板に、ホール素子が取り付けられ、前記三相中継ピンは、前記ホール素子を貫通する、ことを特徴とする請求項4に記載の車両コントローラ。
【請求項7】
前記制御基板に、レゾルバプラグコネクタが接続され、前記レゾルバプラグコネクタは、前記筐体を貫通して車両の前記モータに接続され、前記モータの角変位及び角速度を検出する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項8】
直流プラグコネクタと、電源基板と、交流出力プラグコネクタと、直流出力プラグコネクタとをさらに含み、
前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、
前記電源基板は、正極電源線、負極電源線、電源信号線、交流中継端及び直流中継端が接続され、前記正極電源線及び前記負極電源線がいずれも前記直流プラグコネクタに接続され、前記電源信号線が前記通信モジュールに接続され、
前記交流出力プラグコネクタは、前記交流中継端に接続されるとともに、前記筐体に取り付けられ、前記筐体から露出し、
前記直流出力プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、直流中継ピン及び直流フィルタ板が接続され、前記直流フィルタ板が前記直流中継端に接続され、前記直流出力プラグコネクタが前記筐体から露出する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項9】
前記電源基板は、前記筐体の厚さ方向の一方側に隣接して設置され、前記制御基板及び前記駆動基板は、前記筐体の厚さ方向の他方側に隣接して設置され、
第1蓋板と、第2蓋板とをさらに含み、
前記第1蓋板は、前記筐体の厚さ方向の前記一方側に取り付けられるとともに、前記電源基板をカバーし、
前記第2蓋板は、前記筐体の厚さ方向の前記他方側に位置するとともに、前記制御基板及び前記駆動基板をカバーする、ことを特徴とする請求項8に記載の車両コントローラ。
【請求項10】
前記正極電源線に、第1電気保護素子が接続され、前記第1電気保護素子は、前記直流プラグコネクタに接続され、
前記直流中継ピンの外周面に、第2磁気リングが取り囲まれる、ことを特徴とする請求項8に記載の車両コントローラ。
【請求項11】
前記筐体の前記電源基板に向かう側面に、交流遮蔽チャンバ、電源線遮蔽チャンバ、電源信号線遮蔽チャンバ及び直流出力遮蔽チャンバが設置され、
前記交流出力プラグコネクタの導線は、前記交流遮蔽チャンバに位置し、前記筐体に、交流遮蔽板が取り付けられ、前記交流遮蔽板は、前記交流遮蔽チャンバをカバーし、
前記正極電源線及び前記負極電源線は、前記電源線遮蔽チャンバ内に位置し、前記電源信号線は、前記電源信号線遮蔽チャンバ内に位置し、前記筐体に、電源線蓋板及び信号線蓋板が取り付けられ、前記電源線蓋板は、前記電源線遮蔽チャンバをカバーし、前記信号線蓋板は、前記電源信号線遮蔽チャンバをカバーし、
前記直流中継ピン及び前記直流フィルタ板は、前記直流出力遮蔽チャンバ内に位置し、前記筐体に、直流遮蔽板が取り付けられ、前記直流遮蔽板は、前記直流出力遮蔽チャンバをカバーする、ことを特徴とする請求項8に記載の車両コントローラ。
【請求項12】
前記電源基板は、基板本体と、交流インダクタ及び直流インダクタと、変圧器インダクタと、変圧器と、MOSトランジスタとを含み、
前記正極電源線、前記負極電源線、前記電源信号線、前記交流中継端及び前記直流中継端がいずれも前記基板本体に設置され、
前記交流インダクタ及び前記直流インダクタは、前記基板本体の幅方向の両側に取り付けられ、前記交流インダクタ、前記直流インダクタ及び前記電源信号線が前記基板本体の長さ方向に前記基板本体の同一端に位置し、
前記変圧器は、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の幅方向に前記交流インダクタと前記直流インダクタとの間に位置し、
前記変圧器は、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の前記電源信号線から離れた一端に位置し、
前記MOSトランジスタは、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の幅方向に前記変圧器の両側に位置する、ことを特徴とする請求項8に記載の車両コントローラ。
【請求項13】
前記筐体の前記電源基板に向かう側面に、直流インダクタ遮蔽チャンバ、交流インダクタ遮蔽チャンバ、変圧器インダクタ遮蔽チャンバ及びMOSトランジスタ遮蔽チャンバが設置され、
前記直流インダクタは、前記直流インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記交流インダクタは、前記交流インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記変圧器インダクタは、前記変圧器インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記MOSトランジスタは、MOSトランジスタ遮蔽チャンバ内に位置し、
前記基板本体は、前記直流インダクタ遮蔽チャンバ、前記交流インダクタ遮蔽チャンバ、前記変圧器インダクタ遮蔽チャンバ及び前記MOSトランジスタ遮蔽チャンバをカバーする、ことを特徴とする請求項12に記載の車両コントローラ。
【請求項14】
前記筐体に、取り外し可能なメンテナンス板が取り付けられ、前記メンテナンス板に、第1電気コネクタが取り付けられ、前記筐体に、前記第1電気コネクタと接触して導電する第2電気コネクタが取り付けられ、前記制御基板は、前記第1電気コネクタ及び前記第2電気コネクタのオンオフを検出して前記エネルギ貯蔵素子の回路のオンオフを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項15】
直流プラグコネクタと、給電プラグコネクタとをさらに含み、
前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、
前記給電プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記筐体から露出し、正極加熱線及び負極加熱線が接続され、前記正極加熱線及び前記負極加熱線は、いずれも前記直流プラグコネクタに接続され、前記給電プラグコネクタは、前記エネルギ貯蔵素子を加熱するための加熱部材に接続され、
前記筐体に、第3磁気リングが取り付けられ、前記正極加熱線及び前記負極加熱線は、いずれも前記第3磁気リングを貫通し、
前記正極加熱線に、第2電気保護素子が接続され、前記第2電気保護素子は、前記直流プラグコネクタに接続され、前記給電プラグコネクタは、車両のエアコンのコンプレッサに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の車両コントローラ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の車両コントローラと、動力ボックスと、モータ及び変速機と、エネルギ貯蔵素子とを含み、
前記動力ボックスは、前記車両コントローラの前記筐体に取り付けられ、
前記モータ及び変速機は、伝動可能に接続されるとともに、いずれも前記動力ボックス内に位置し、前記モータが前記駆動基板に電気的に接続され、
前記エネルギ貯蔵素子は、前記オンオフ素子の前記出力端に接続される、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照出願)
本開示は、2021年6月18日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202110681270.3で、出願名称が「車両コントローラ及びそれを有する車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に、車両コントローラ及びそれを有する車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における車両コントローラは、通常、筐体と、制御基板と、駆動基板と、車両制御ユニットと、充電コントローラとを含み、車両制御機能、モータ制御機能及び充電制御機能を実現する。上記複数の制御コンポーネントは、それぞれ異なる筐体内に取り付けられ、各筐体は、独立して設置され、車両コントローラの部品数が多い。また、複数の制御コンポーネントの間には、導線又はプラグコネクタなどの導電部材を設置して電気的接続を実現する必要があり、これらの導電部材は、通常、筐体の外に少なくとも部分的に露出するため、接続しにくく、電気的接続の信頼性が低く、筐体の上記導電部材に対する遮蔽効果が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。そのため、本開示は、車両コントローラ及びそれを有する車両を提供し、該車両コントローラは、車両制御機能、充電制御機能及びモータ制御機能を同一の制御基板に集積することができ、集積度が高く、部品数が少なく、遮蔽効果に優れ、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【0005】
本開示は、上記車両コントローラを有する車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様の実施例は、車両コントローラを提供し、前記車両コントローラは、筐体と、制御基板と、駆動基板と、オンオフ素子とを含み、前記制御基板は、前記筐体内に取り付けられ、通信モジュールと、車両制御モジュールと、充電制御モジュールと、モータ制御モジュールとを含み、前記車両制御モジュールが前記通信モジュールの信号に基づいて車両の運行を制御し、前記駆動基板は、前記筐体内に取り付けられ、前記制御基板に接続され、前記モータ制御モジュールが前記駆動基板により車両のモータを制御し、前記オンオフ素子は、前記筐体内に取り付けられるとともに、前記制御基板に接続され、入力端及び出力端を有し、前記充電制御モジュールが前記入力端及び前記出力端のオンオフを制御し、前記出力端が車両のエネルギ貯蔵素子に接続され、前記入力端が前記エネルギ貯蔵素子の充電線に接続される。
【0007】
本開示の実施例に係る車両コントローラは、車両制御機能、充電制御機能及びモータ制御機能を同一の制御基板に集積することができ、集積度が高く、部品数が少なく、遮蔽効果に優れ、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【0008】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記通信モジュールは、信号プラグコネクタを含み、前記信号プラグコネクタは、前記筐体から露出し、信号伝送用のプラグイン領域を有し、前記制御基板に、信号遮蔽カバーが取り付けられ、前記信号遮蔽カバーは、前記信号プラグコネクタのプラグイン領域以外の部分を包む。
【0009】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記入力端に、正極充電ピン及び負極充電ピンが接続され、前記充電線の正極は、前記正極充電ピンに接続され、前記充電線の負極は、前記負極充電ピンに接続され、前記充電線は、前記筐体を貫通し、前記出力端に、正極直流ピン及び負極直流ピンが接続され、前記筐体に、直流プラグコネクタが取り付けられ、前記直流プラグコネクタは、前記筐体から露出し、前記正極直流ピン及び前記負極直流ピンは、いずれも前記直流プラグコネクタの一端に接続され、前記直流プラグコネクタの他端は、前記エネルギ貯蔵素子に接続される。
【0010】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記筐体に、第1磁気リングが取り付けられ、前記正極直流ピン及び前記負極直流ピンは、いずれも前記第1磁気リングを貫通し、前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、前記車両コントローラは、コンデンサと、IGBTモジュールとをさらに含み、前記コンデンサは、前記筐体に取り付けられるとともに、コンデンサ入力端及びコンデンサ出力端を有し、前記直流プラグコネクタが前記コンデンサ入力端に接続され、前記IGBTモジュールは、前記筐体に取り付けられるとともに、直流入力端、交流出力端及び信号出力端を有し、前記直流入力端が前記コンデンサ出力端に接続され、前記信号出力端が前記駆動基板に接続され、前記交流出力端が車両のモータ三相入力端に接続される。
【0011】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記車両コントローラは、電磁遮蔽板をさらに含み、前記電磁遮蔽板は、前記筐体に取り付けられ、前記制御基板が前記電磁遮蔽板の前記筐体に背向する側に位置し、前記駆動基板、前記コンデンサ及び前記IGBTモジュールが前記電磁遮蔽板の前記筐体に向かう側に位置する。
【0012】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記筐体に、三相中継ピン及び三相導電部材が取り付けられ、前記三相導電部材の外部に、絶縁部材が包まれ、前記三相中継ピンの両端は、それぞれ前記交流出力端及び前記三相導電部材の一端に接続され、前記三相導電部材の他端は、前記モータ三相入力端に接続され、前記駆動基板に、ホール素子が取り付けられ、前記三相中継ピンは、前記ホール素子を貫通する。
【0013】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記制御基板に、レゾルバプラグコネクタが接続され、前記レゾルバプラグコネクタは、前記筐体を貫通して車両のモータに接続され、前記モータの角変位及び角速度を検出する。
【0014】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記車両コントローラは、直流プラグコネクタと、電源基板と、交流出力プラグコネクタと、直流出力プラグコネクタとをさらに含み、前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、前記電源基板は、正極電源線、負極電源線、電源信号線、交流中継端及び直流中継端が接続され、前記正極電源線及び前記負極電源線がいずれも前記直流プラグコネクタに接続され、前記電源信号線が前記通信モジュールに接続され、前記交流出力プラグコネクタは、前記交流中継端に接続されるとともに、前記筐体に取り付けられ、前記筐体から露出し、前記直流出力プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、直流中継ピン及び直流フィルタ板が接続され、前記直流フィルタ板が前記直流中継端に接続され、前記直流出力プラグコネクタが前記筐体から露出する。
【0015】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記電源基板は、前記筐体の厚さ方向の一方側に隣接して設置され、前記制御基板及び前記駆動基板は、前記筐体の厚さ方向の他方側に隣接して設置され、前記車両コントローラは、第1蓋板と、第2蓋板とをさらに含み、前記第1蓋板は、前記筐体の厚さ方向の前記一方側に取り付けられるとともに、前記電源基板をカバーし、前記第2蓋板は、前記筐体の厚さ方向の前記他方側に位置するとともに、前記制御基板及び前記駆動基板をカバーする。
【0016】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記正極電源線に、第1電気保護素子が接続され、前記第1電気保護素子は、前記直流プラグコネクタに接続され、前記直流中継ピンの外周面に、第2磁気リングが取り囲まれる。
【0017】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記筐体の前記電源基板に向かう側面に、交流遮蔽チャンバ、電源線遮蔽チャンバ、電源信号線遮蔽チャンバ及び直流出力遮蔽チャンバが設置され、前記交流出力プラグコネクタの導線は、前記交流遮蔽チャンバに位置し、前記筐体に、交流遮蔽板が取り付けられ、前記交流遮蔽板は、前記交流遮蔽チャンバをカバーし、前記正極電源線及び前記負極電源線は、前記電源線遮蔽チャンバ内に位置し、前記電源信号線は、前記電源信号線遮蔽チャンバ内に位置し、前記筐体に、電源線蓋板及び信号線蓋板が取り付けられ、前記電源線蓋板は、前記電源線遮蔽チャンバをカバーし、前記信号線蓋板は、前記電源信号線遮蔽チャンバをカバーし、前記直流中継ピン及び前記直流フィルタ板は、前記直流出力遮蔽チャンバ内に位置し、前記筐体に、直流遮蔽板が取り付けられ、前記直流遮蔽板は、前記直流出力遮蔽チャンバをカバーする。
【0018】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記電源基板は、基板本体と、交流インダクタ及び直流インダクタと、変圧器インダクタと、変圧器と、MOSトランジスタとを含み、前記正極電源線、前記負極電源線、前記電源信号線、前記交流中継端及び前記直流中継端がいずれも前記基板本体に設置され、前記交流インダクタ及び前記直流インダクタは、前記基板本体の幅方向の両側に取り付けられ、前記交流インダクタ、前記直流インダクタ及び前記電源信号線が前記基板本体の長さ方向に前記基板本体の同一端に位置し、前記変圧器は、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の幅方向に前記交流インダクタと前記直流インダクタとの間に位置し、前記変圧器は、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の前記電源信号線から離れた一端に位置し、前記MOSトランジスタは、前記基板本体に取り付けられるとともに、前記基板本体の幅方向に前記変圧器の両側に位置する。
【0019】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記筐体の前記電源基板に向かう側面に、直流インダクタ遮蔽チャンバ、交流インダクタ遮蔽チャンバ、変圧器インダクタ遮蔽チャンバ及びMOSトランジスタ遮蔽チャンバが設置され、前記直流インダクタは、前記直流インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記交流インダクタは、前記交流インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記変圧器インダクタは、前記変圧器インダクタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記MOSトランジスタは、MOSトランジスタ遮蔽チャンバ内に位置し、前記基板本体は、前記直流インダクタ遮蔽チャンバ、前記交流インダクタ遮蔽チャンバ、前記変圧器インダクタ遮蔽チャンバ及び前記MOSトランジスタ遮蔽チャンバをカバーする。
【0020】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記筐体に、取り外し可能なメンテナンス板が取り付けられ、前記メンテナンス板に、第1電気コネクタが取り付けられ、前記筐体に、前記第1電気コネクタと接触して導電する第2電気コネクタが取り付けられ、前記制御基板は、前記第1電気コネクタ及び前記第2電気コネクタのオンオフを検出して前記エネルギ貯蔵素子の回路のオンオフを制御する。
【0021】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、前記車両コントローラは、直流プラグコネクタと、給電プラグコネクタとをさらに含み、前記直流プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記エネルギ貯蔵素子に接続され、前記給電プラグコネクタは、前記筐体に取り付けられるとともに、前記筐体から露出し、正極加熱線及び負極加熱線が接続され、前記正極加熱線及び前記負極加熱線は、いずれも前記直流プラグコネクタに接続され、前記給電プラグコネクタは、前記エネルギ貯蔵素子を加熱するための加熱部材に接続され、前記筐体に、第3磁気リングが取り付けられ、前記正極加熱線及び前記負極加熱線は、いずれも前記第3磁気リングを貫通し、前記正極加熱線に、第2電気保護素子が接続され、前記第2電気保護素子は、前記直流プラグコネクタに接続される。前記給電プラグコネクタは、車両のエアコンのコンプレッサに接続される。
【0022】
本開示の第2態様の実施例に係る車両は、本開示の第1態様の実施例に記載の車両コントローラと、動力ボックスと、モータ及び変速機と、エネルギ貯蔵素子とを含み、前記動力ボックスは、前記車両コントローラの筐体に取り付けられ、前記モータ及び変速機は、伝動可能に接続されるとともに、いずれも前記動力ボックス内に位置し、前記モータが前記駆動基板に電気的に接続され、前記エネルギ貯蔵素子は、前記オンオフ素子の出力端に接続される。
【発明の効果】
【0023】
本開示の第2態様の実施例に係る車両は、本開示の第1態様の実施例に記載の車両コントローラを用いることにより、集積度が高く、部品数が少なく、遮蔽効果に優れ、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【0024】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【0025】
本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり理解されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の実施例に係る車両コントローラの概略構成図である。
図2】本開示の実施例に係る車両コントローラの分解図である。
図3】本発明の実施例に係る車両コントローラの断面図である。
図4】本開示の実施例に係る車両コントローラ及び動力ボックスの分解図である。
図5】本開示の実施例に係る車両コントローラの筐体及び電源基板の分解図である。
図6】本開示の実施例に係る車両コントローラの筐体の概略構成図である。
図7】本開示の実施例に係る車両コントローラの筐体及び第1蓋板の分解図である。
図8】本開示の実施例に係る車両コントローラの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0028】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0029】
本開示の説明では、「第1の特徴」、「第2の特徴」は、1つ以上の該特徴を含んでもよい。
【0030】
本開示の説明において、「複数」とは、2つ以上を意味し、「いくつか」とは、1つ以上を意味する。
【0031】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る車両コントローラ1を説明する。
【0032】
図1図8に示すように、本開示の実施例に係る車両コントローラ1は、筐体100と、制御基板200と、駆動基板300と、オンオフ素子400とを含む。
【0033】
制御基板200は、筐体100内に取り付けられ、通信モジュールと、車両制御モジュールと、充電制御モジュールと、モータ制御モジュールとを含み、車両制御モジュールは、通信モジュールの信号に基づいて車両の運行を制御する。駆動基板300は、筐体100内に取り付けられ、制御基板200は、駆動基板300に接続され、モータ制御モジュールは、駆動基板300により車両のモータを制御する。オンオフ素子400は、筐体100内に取り付けられるとともに、制御基板200に接続され、オンオフ素子400は、入力端及び出力端を有し、充電制御モジュールは、入力端及び出力端のオンオフを制御し、出力端は、車両のエネルギ貯蔵素子(図示せず)に接続され、入力端は、エネルギ貯蔵素子の充電線430に接続される。オンオフ素子400は、リレー又は接触器であってもよく、エネルギ貯蔵素子は、蓄電池であってもよい。
【0034】
例えば、車両制御モジュールの機能は、駆動トルク制御、制動エネルギの最適化制御、車両のエネルギ管理、車両ネットワークのメンテナンスと管理、故障診断と処理及び車両状態監視などを含んでもよく、車両制御モジュールは、車両のコンソールに接続される。充電制御モジュールは、エネルギ貯蔵素子を保護でき、エネルギ貯蔵素子をチャージするように制御するとともに、エネルギ貯蔵素子への過剰なチャージを回避することができる。
【0035】
本開示の実施例に係る車両コントローラ1において、制御基板200は、筐体100内に取り付けられ、通信モジュールと、車両制御モジュールと、充電制御モジュールと、モータ制御モジュールとを含み、車両制御モジュールは、通信モジュールの信号に基づいて車両の運行を制御し、通信モジュールは、車両の様々な運行信号を送受信し、車両制御モジュール、充電制御モジュール及びモータ制御モジュールにそれぞれ接続でき、車両制御モジュールは、さらに充電制御モジュール及びモータ制御モジュールにそれぞれ接続される。
【0036】
理解できるように、本開示の実施例における通信モジュール、車両制御モジュール、充電制御モジュール及びモータ制御モジュールは、いずれも同一の制御基板200に集積され、即ち、制御基板200は、車両制御機能、充電制御機能及びモータ制御機能を同時に有し、制御基板200の集積度が高く、かつ機能がより多いため、制御基板200を着脱するだけで、通信モジュール、車両制御モジュール、充電制御モジュール及びモータ制御モジュールの着脱を完了でき、関連技術における別体で設置された通信モジュール、車両制御モジュール、充電制御モジュール及びモータ制御モジュールと比較して、本開示の実施例に係る車両コントローラ1は、着脱効率がより高く、かつ上記4つの制御モジュールの間に接続のために導線又は導電ピンなどの導電部材を設置する必要がなく、部品数が減少し、着脱ステップがさらに簡素化される。かつ、1つの筐体100だけで上記4つのモジュールを同時に取り付けることができ、筐体100の数を減少させるとともに、全体の体積を減少させ、筐体100の一体化設置を実現でき、車両コントローラ1の小型化の実現に役立つ。
【0037】
また、エネルギ貯蔵素子が制御基板200に給電する場合、通信モジュール、車両制御モジュール、充電制御モジュール及びモータ制御モジュールの4つのモジュールに同時に給電でき、4つのモジュールにそれぞれ給電する必要がないため、部品数を減少させ、コストを低減することに役立つ。
【0038】
また、駆動基板300は、筐体100内に取り付けられ、制御基板200は、駆動基板300に接続され、モータ制御モジュールは、駆動基板300により車両のモータを制御する。例えば、制御基板200は、駆動基板300に制御信号を送信し、駆動基板300は、異なる回転速度で運行するように車両のモータを駆動でき、制御基板200は、通信モジュールにより車両のモータが運行する時にフィードバックした信号を受信して、車両のモータへの回転速度制御をタイムリーに調整することができる。制御基板200と駆動基板300との間は、導線又はプラグコネクタなどの導電部材により接続されてもよい。
【0039】
制御基板200及び駆動基板300は、電気的接続をより確実にするように、それぞれ筐体100に接続され固定されてもよく、同時に、制御基板200と駆動基板300とを接続するための導電部材は、筐体100内に隠蔽でき、電気的接続の安全性がより高く、かつ筐体100は、制御基板200に電磁遮蔽効果を提供して、制御基板200が送受信した信号の変動を小さくすることができる。
【0040】
また、オンオフ素子400は、筐体100内に取り付けられるとともに、制御基板200に接続され、オンオフ素子400は、入力端及び出力端を有し、充電制御モジュールは、入力端及び出力端のオンオフを制御し、出力端は、車両のエネルギ貯蔵素子に接続され、入力端は、エネルギ貯蔵部材の充電線430に接続される。車両のエネルギ貯蔵素子は、蓄電池であってもよく、エネルギ貯蔵素子は、車両コントローラ1に電気エネルギを送って、車両コントローラ1の正常な運行を実現することができる。
【0041】
具体的には、エネルギ貯蔵素子を充電する場合、入力端と出力端がオンになり、エネルギ貯蔵素子への充電を停止する場合、入力端と出力端がオフになる。通信モジュールは、エネルギ貯蔵素子の充電状況を受信でき、車両制御モジュールは、充電制御モジュールにより入力端及び出力端のオンオフを制御し、例えば、エネルギ貯蔵素子の満充電又は充電故障の場合、充電制御モジュールは、入力端及び出力端をオフにさせて、エネルギ貯蔵素子の充電を中断し、エネルギ貯蔵素子を保護でき、充電安全性が高い。
【0042】
充電線430は、車載充電器により車両外部の充電スタンドに接続されてもよい。
【0043】
このように、本開示の実施例に係る車両コントローラ1は、車両制御機能、充電制御機能及びモータ制御機能を同一の制御基板200に集積することができ、集積度が高く、部品数が少なく、遮蔽効果に優れ、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【0044】
本開示のいくつかの具体的な実施例によれば、図1及び図2に示すように、通信モジュールは、信号プラグコネクタ210を含み、信号プラグコネクタ210は、筐体100から露出し、信号伝送用のプラグイン領域211を有し、具体的には、プラグイン領域211は、筐体100から露出して、制御基板200と車両の他の構造との間の信号伝送に役立つ。
【0045】
また、制御基板200に、信号遮蔽カバー220が取り付けられ、信号遮蔽カバー220は、電子ノイズの減衰を加速でき、信号プラグコネクタ210のプラグイン領域211以外の部分を包み、これにより、他の電子デバイスによるノイズの、信号プラグコネクタ210が送受信した信号への干渉を回避し、信号プラグコネクタ210の信号伝送の変動を低減して、制御基板200に車両を効果的に制御させ、走行安全性を向上させることができる。
【0046】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図2に示すように、入力端に、正極充電ピン411及び負極充電ピン412が接続され、充電線430の正極は、正極充電ピン411に接続され、充電線430の負極は、負極充電ピン412に接続され、充電線430は、筐体100を貫通する。出力端に、正極直流ピン421及び負極直流ピン422が接続され、筐体100に、直流プラグコネクタ110が取り付けられ、直流プラグコネクタ110は、筐体100から露出し、正極直流ピン421及び負極直流ピン422は、いずれも直流プラグコネクタ110の一端に接続され、直流プラグコネクタ110の他端は、エネルギ貯蔵素子に接続される。
【0047】
例えば、直流プラグコネクタ110は、筐体100に固定接続されてもよく、直流プラグコネクタ110の筐体100から露出した一端は、エネルギ貯蔵素子に接続され、エネルギ貯蔵素子は、直流プラグコネクタ110に着脱可能に接続されてもよく、エネルギ貯蔵素子が筐体100の外部に設置されるため、直流プラグコネクタ110を設置することで、エネルギ貯蔵素子と車両コントローラ1との間の電気的接続がより安定する。また、正極充電ピン411及び負極充電ピン412は、一体成形されるとともに、非電気的に接続されてもよく、例えば、正極充電ピン411及び負極充電ピン412は、射出成形され、正極直流ピン421及び負極直流ピン422は、一体成形されるとともに、非電気的に接続されてもよく、例えば、正極直流ピン421及び負極直流ピン422は、射出成形されてもよい。正極充電ピン411、負極充電ピン412、正極直流ピン421及び負極直流ピン422は、いずれも金属銅で製造されてもよい。
【0048】
正極充電ピン411、負極充電ピン412、正極直流ピン421及び負極直流ピン422を設置することにより、充電線430とエネルギ貯蔵素子との電気的接続を実現できるだけでなく、上記導電ピンの剛性が導線の剛性よりも大きいため、筐体100と上記4つの導電ピンとの相対位置の安定性を向上させることにより、車両コントローラ1の構造及び電気的接続信頼性を向上させることができる。
【0049】
本開示のいくつかの実施例において、図2に示すように、筐体100に、第1磁気リング120が取り付けられ、正極直流ピン421及び負極直流ピン422は、いずれも第1磁気リング120を貫通し、即ち、正極直流ピン421及び負極直流ピン422を流れる電流は、いずれも第1磁気リング120を通過する必要がある。第1磁気リング120を増設することにより、正極直流ピン421及び負極直流ピン422を流れる電流によるノイズを効果的に抑制して、電磁両立性を最適化することができる。
【0050】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図2に示すように、車両コントローラ1は、直流プラグコネクタ110と、コンデンサ500と、IGBTモジュール530(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)とをさらに含む。
【0051】
直流プラグコネクタ110は、筐体100に取り付けられるとともに、エネルギ貯蔵素子に接続され、コンデンサ500は、筐体100に取り付けられるとともに、コンデンサ入力端510及びコンデンサ出力端を有し、直流プラグコネクタ110は、コンデンサ入力端510に接続され、エネルギ貯蔵素子は、直流プラグコネクタ110を介して電気エネルギをコンデンサ500内に入力でき、コンデンサ500を設置することで、IGBTモジュール530に流れる直流電流の変動をより小さくし、電流の変動が大き過ぎてIGBTモジュール530を破損することを回避し、IGBTモジュール530の耐用年数を延長することができる。
【0052】
IGBTモジュール530は、筐体100に取り付けられるとともに、直流入力端、交流出力端及び信号出力端を有し、直流入力端は、コンデンサ出力端に接続され、コンデンサ500は、コンデンサ出力端及び直流入力端を介してIGBTモジュール530に直流電流を出力し、信号出力端は、駆動基板300に接続され、IGBTモジュール530は、信号出力端及び駆動基板300を介して互いに電気信号を伝送でき、交流出力端は、車両のモータ三相入力端に接続され、IGBTモジュール530は、直流電流を交流電流に逆変換でき、IGBTモジュール530は、交流出力端を介して車両のモータに三相交流電流を出力することにより、モータの運転を駆動し、車両を正常に運行させる。
【0053】
本開示のいくつかの実施例において、図2及び図3に示すように、車両コントローラ1は、電磁遮蔽板600をさらに含み、電磁遮蔽板600は、筐体100に取り付けられ、制御基板200は、電磁遮蔽板600の筐体100に背向する側に位置し、駆動基板300、コンデンサ500及びIGBTモジュール530は、電磁遮蔽板600の筐体100に向かう側に位置する。
【0054】
言い換えれば、電磁遮蔽板600は、制御基板200と駆動基板300、コンデンサ500及びIGBTモジュール530の3者とを分離でき、即ち、駆動基板300、コンデンサ500及びIGBTモジュール530の3者と制御基板200とは、それぞれ電磁遮蔽板600の反対する両側に設置される。電磁遮蔽板600は、金具であってもよく、電磁遮蔽板600は、電子ノイズの減衰を加速し、駆動基板300、コンデンサ500及びIGBTモジュール530の制御基板200への干渉を回避することができ、制御基板200の信号伝送信頼性が高く、また、電磁遮蔽板600は、制御基板200を支持し、さらに制御基板200の車両コントローラ1での位置を固定することができる。
【0055】
好ましくは、図2に示すように、筐体100に三相中継ピン130及び三相導電部材140が取り付けられ、三相導電部材140の外部に、絶縁部材141が包まれる。三相中継ピン130の両端は、それぞれIGBTモジュール530の交流出力端及び三相導電部材140の一端に接続され、三相導電部材140の他端は、モータ三相入力端に接続される。
【0056】
例えば、三相中継ピン130及び三相導電部材140は、金属銅で製造されてもよく、三相中継ピン130及び三相導電部材140は、剛性が高く、導線と比較して、上記導電ピンと筐体100との相対位置がより安定し、それにより電気的接続がより確実である。絶縁部材141は、三相導電部材140上に射出成形されてもよく、三相導電部材140の両端は、いずれも絶縁部材141から露出し、電気的接続の実現に役立ち、また、絶縁部材141は、三相導電部材140の両端間の本体部分を包み、三相導電部材140と他の部品との電気的導通を回避でき、電気的接続の安全性がより高い。
【0057】
また、駆動基板300に、ホール素子310が取り付けられ、三相中継ピン130は、ホール素子310を貫通する。ホール素子310は、モータに入力された電流及び電圧を検出でき、駆動基板300は、ホール素子310が検出した信号を制御基板200に伝達して、制御基板200にモータへの制御をタイムリーに調整させ、制御精度を向上させることができる。
【0058】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図4に示すように、制御基板200に、レゾルバプラグコネクタ230が接続され、レゾルバプラグコネクタ230は、筐体100を貫通して車両のモータに接続され、レゾルバプラグコネクタ230は、モータの角変位及び角速度を検出する。
【0059】
レゾルバプラグコネクタ230は、車両コントローラ1の構造を安定させるように、筐体100に固定されてもよく、レゾルバプラグコネクタ230によりモータのリアルタイム動作状態を検出し、該動作状態を制御基板200にフィードバックすることにより、制御基板200が駆動基板300によりモータの角変位及び角速度をタイムリーに調整して、車両の走行を安定させることができる。
【0060】
本開示のいくつかの具体的な実施例によれば、図2に示すように、車両コントローラ1は、直流プラグコネクタ110と、電源基板700と、交流出力プラグコネクタ800と、直流出力プラグコネクタ814とをさらに含む。
【0061】
直流プラグコネクタ110は、筐体100に取り付けられるとともに、エネルギ貯蔵素子に接続され、電源基板700に、正極電源線、負極電源線、電源信号線780、交流中継端及び直流中継端が接続され、正極電源線及び負極電源線は、いずれも直流プラグコネクタ110に接続され、エネルギ貯蔵素子は、正極電源線及び負極電源線を介して電源基板700に電流を入力し、電源信号線780は、通信モジュールに接続されて、電源基板700の電気エネルギ状態を制御基板200にリアルタイムにフィードバックする。
【0062】
また、交流出力プラグコネクタ800は、交流中継端に接続されるとともに、筐体100に取り付けられ、交流出力プラグコネクタ800は、筐体100から露出して、交流出力プラグコネクタ800と筐体100外にある電気デバイスとの接続を容易にし、電源基板700は、エネルギ貯蔵素子が入力した直流電流を交流電流に変換して、交流出力プラグコネクタ800により車両内の交流電流を必要とする電子デバイスに給電することができる。同時に、直流出力プラグコネクタ814は、筐体100に取り付けられるとともに、直流中継ピン811及び直流フィルタ板813が接続され、直流フィルタ板813は、電子ノイズを抑制して、直流出力プラグコネクタ814が出力した直流電流をより安定させることができる。
【0063】
具体的には、直流フィルタ板813は、直流中継端に接続され、電流が直流フィルタ板813から直流中継ピン811に流れて、直流出力プラグコネクタ814を介して出力され、即ち、直流出力プラグコネクタ814は、直流中継ピン811及び直流フィルタ板813により電源基板700の他の部分に間接的に接続され、直流出力プラグコネクタ814は、筐体から露出して、直流出力プラグコネクタ814と筐体100外にある電子デバイスとの接続を容易にする。
【0064】
電源基板700は、エネルギ貯蔵素子が入力した直流電流を異なる電力の直流電流に変換でき、即ち、電源基板700に入力された直流電流の電力と電源基板700が出力した直流電流の電力とは異なり、さらに、直流出力プラグコネクタ814を介して車両内の該電力の直流電流を必要とする電気デバイスに給電する。
【0065】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図3に示すように、電源基板700は、筐体100の厚さ方向の一方側に隣接して設置され、制御基板200及び駆動基板300は、筐体100の厚さ方向の他方側に隣接して設置される。
【0066】
具体的には、筐体100は、その厚さ方向の対向する両側に部品を収容可能な空間を構築でき、このように、筐体100に電源基板700、制御基板200及び駆動基板300を収容できるとともに、電源基板700と制御基板200及び駆動基板300との距離を増加でき、それにより電源基板700の制御基板200及び駆動基板300への電磁干渉を減少させ、電磁両立性を改善することができる。
【0067】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図1図3に示すように、車両コントローラ1は、第1蓋板900と、第2蓋板910とをさらに含む。
【0068】
第1蓋板900は、筐体100の厚さ方向の一方側に取り付けられるとともに、電源基板700をカバーし、第2蓋板910は、筐体100の厚さ方向の他方側に位置するとともに、制御基板200及び駆動基板300をカバーする。
【0069】
第1蓋板900及び第2蓋板910を設置することにより、電源基板700、制御基板200及び駆動基板300の着脱を容易にすることができ、かつ第1蓋板900が電源基板700をカバーし、第2蓋板910が制御基板200及び駆動基板300をカバーすることにより、電源基板700、制御基板200及び駆動基板300が筐体100から離脱することを防止できるだけでなく、電源基板700、制御基板200及び駆動基板300が衝突して損傷することを防止し、電源基板700、制御基板200及び駆動基板300の車両コントローラ1外にある電子デバイスへの干渉を回避することができる。
【0070】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図8に示すように、電源基板700の正極電源線に、第1電気保護素子710が接続され、第1電気保護素子710は、直流プラグコネクタ110に接続される。
【0071】
例えば、第1電気保護素子710は、ヒューズであってもよく、このように、正極電源線が伝送した電流又は電圧が大き過ぎると、第1電気保護素子710自体は、溶断して回路を切断し、電流の電源基板700への伝送を切断することにより、電源基板700を保護し、電流が大き過ぎることによる電源基板700の損傷を回避することができる。
【0072】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図5に示すように、直流中継ピン811の外周面が第2磁気リング812によって取り囲まれる。第2磁気リング812は、直流中継ピン811に嵌設されてもよく、第2磁気リング812を増設することにより、直流中継ピン811に流れる電流によるノイズを効果的に抑制して、直流出力プラグコネクタ814が出力した直流電流の変動をより小さくすることができる。
【0073】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図6及び図7に示すように、筐体100の電源基板700に向かう側面に、交流遮蔽チャンバ154、電源線遮蔽チャンバ151、電源信号線遮蔽チャンバ152及び直流出力遮蔽チャンバ153が設置される。
【0074】
交流出力プラグコネクタ800の導線は、交流遮蔽チャンバ154に位置し、交流遮蔽チャンバ154は、交流出力プラグコネクタ800の導線を収容し、該導線と他の部品との物理的干渉を回避し、電気的接続をより安定させることができる。筐体100に、交流遮蔽板が取り付けられ、交流遮蔽板は、交流遮蔽チャンバ154をカバーし、即ち、交流遮蔽チャンバ154は、交流遮蔽板とともに該導線を収容し、該導線が交流遮蔽チャンバ154から離脱することを回避できるだけでなく、該導線による交流遮蔽チャンバ154外への電子ノイズを減少させる。
【0075】
正極電源線及び負極電源線は、電源線遮蔽チャンバ151内に位置し、電源信号線780は、電源信号線遮蔽チャンバ152内に位置し、電源線遮蔽チャンバ151は、正極電源線及び負極電源線を収容し、2つの電源線と他の部品との物理的干渉を回避し、電気的接続をより安定させることができる。電源線蓋板155は、電源線遮蔽チャンバ151をカバーし、信号線蓋板156は、電源信号線遮蔽チャンバ152をカバーし、2つの電源線が電源線遮蔽チャンバ151から離脱することを回避できるだけでなく、電源線遮蔽チャンバ151による電源線遮蔽チャンバ151外への電子ノイズを減少させる。
【0076】
直流中継ピン811及び直流フィルタ板813は、直流出力遮蔽チャンバ153内に位置し、直流出力遮蔽チャンバ153は、直流中継ピン811及び直流フィルタ板813を収容し、直流中継ピン811及び直流フィルタ板813と他の部品との物理的干渉を回避し、電気的接続をより安定させることができる。筐体100に、直流遮蔽板171が取り付けられ、直流遮蔽板171は、直流出力遮蔽チャンバ153をカバーして、直流出力遮蔽チャンバ153の遮蔽効果を保証し、直流中継ピン811及び直流フィルタ板813が直流出力遮蔽チャンバ153から離脱することも防止する。
【0077】
間隔をおいて複数のチャンバを設置することにより、上記複数の電子デバイス間の相互干渉を回避して、電磁両立性をさらに最適化することもできる。
【0078】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図5に示すように、電源基板700は、基板本体720と、交流インダクタ730と、直流インダクタ740と、変圧器インダクタ750と、変圧器760と、MOSトランジスタ770とを含む。
【0079】
正極電源線、負極電源線、電源信号線780、交流中継端及び直流中継端は、いずれも基板本体720に設置される。交流インダクタ730及び直流インダクタ740は、基板本体720の幅方向の両側に取り付けられる。交流インダクタ730、直流インダクタ740及び電源信号線780は、基板本体720の長さ方向に基板本体720の同一端に位置し、変圧器760は、基板本体720に取り付けられるとともに、基板本体720の幅方向に交流インダクタ730と直流インダクタ740との間に位置する。変圧器760は、基板本体720に取り付けられるとともに、基板本体720の電源信号線780から離れた一端に位置する。MOSトランジスタ770は、基板本体720に取り付けられるとともに、基板本体720の幅方向に変圧器760の両側に位置する。
【0080】
上記複数の電源線、複数のインダクタ、電源信号線780及び複数のMOSトランジスタ770を基板本体720に集積し、即ち、1つの基板本体720に、複数の電子デバイスを同時に取り付けることができ、電源基板700の集積度が高く、かつ基板本体720を着脱するだけで、電源基板700全体の着脱を完了することができる。
【0081】
変圧器760及び電源信号線780を基板本体720の両端に設置することにより、変圧器760と電源信号線780との距離を増加させ、変圧器760の電源信号線780への電磁干渉を減少させることができる。また、電源基板700の配置方式は、電源基板700の構造をよりコンパクトにすることができ、電源基板700の体積を小さくすることに役立つ。
【0082】
このように、電源基板700は、直流電流及び交流電流を出力できるだけでなく、出力した直流電流と入力した直流電流とは、電圧が異なる。
【0083】
本開示のいくつかの実施例において、図6に示すように、筐体100の電源基板700に向かう側面に、直流インダクタ遮蔽チャンバ160、交流インダクタ遮蔽チャンバ161、変圧器インダクタ遮蔽チャンバ162及びMOSトランジスタ遮蔽チャンバ163が設置される。
【0084】
直流インダクタ740は、直流インダクタ遮蔽チャンバ160内に位置し、交流インダクタ730は、交流インダクタ遮蔽チャンバ161内に位置し、変圧器インダクタ750は、変圧器インダクタ遮蔽チャンバ162内に位置し、MOSトランジスタ770は、MOSトランジスタ遮蔽チャンバ163内に位置する。複数の独立した遮蔽チャンバを設置することにより、交流インダクタ730、直流インダクタ740、変圧器インダクタ750及びMOSトランジスタ770は、それぞれ異なる遮蔽チャンバ内に位置できるため、交流インダクタ730と、直流インダクタ740と、変圧器インダクタ750と、MOSトランジスタ770との間の電磁干渉が小さく、かつ外界への電磁干渉もより小さく、全体の電磁両立性を改善することに役立つ。
【0085】
また、基板本体720は、直流インダクタ遮蔽チャンバ160、交流インダクタ遮蔽チャンバ161、変圧器インダクタ遮蔽チャンバ162及びMOSトランジスタ遮蔽チャンバ163をカバーし、上記変圧器、複数のインダクタ及び複数のMOSトランジスタ770がそれぞれの遮蔽チャンバから離脱することを回避でき、位置安定性が高い。
【0086】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図1及び図2に示すように、筐体100に、取り外し可能なメンテナンス板180が取り付けられ、メンテナンス板180に、第1電気コネクタ181が取り付けられ、筐体100に、第1電気コネクタ181と接触して導電する第2電気コネクタ182が取り付けられ、制御基板200は、第1電気コネクタ181及び第2電気コネクタ182のオンオフを検出してエネルギ貯蔵素子の回路のオンオフを制御する。
【0087】
例えば、メンテナンス板180は、第2蓋板910に取り外し可能に取り付けられ、第1電気コネクタ181は、メンテナンス板180の筐体100に向かう側に取り付けられ、第2電気コネクタ182は、コンデンサ500に取り付けられてもよく、このように、メンテナンス板180が筐体100に取り付けられると、第1電気コネクタ181及び第2電気コネクタ182は、電気的に導通し、車両コントローラ1は、正常に動作する。車両コントローラ1にメンテナンス又は検出などを行う必要がある場合、まずメンテナンス板180を取り外し、この時、第1電気コネクタ181と第2電気コネクタ182とが分離され、制御基板200は、第1電気コネクタ181と第2電気コネクタ182とが切断されたことを検出でき、エネルギ貯蔵素子と直流プラグコネクタ110との間にリレー又は接触器などの電磁スイッチが設置されてもよく、制御基板200は、第1電気コネクタ181と第2電気コネクタ182とが切断されたことを検出した後、エネルギ貯蔵素子と直流プラグコネクタ110との間のリレー又は接触器を制御して切断させ、車両コントローラ1全体の電源遮断を実現し、これにより、サービスマンの安全を保護し、車両コントローラ1へのメンテナンス及び検出を容易にすることができる。
【0088】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図1に示すように、車両コントローラ1は、直流プラグコネクタ110と、給電プラグコネクタ920とをさらに含む。
【0089】
直流プラグコネクタ110は、筐体100に取り付けられるとともに、エネルギ貯蔵素子に接続される。給電プラグコネクタ920は、筐体100に取り付けられるとともに、筐体100から露出し、給電プラグコネクタ920に、正極加熱線及び負極加熱線が接続され、正極加熱線及び負極加熱線は、いずれも直流プラグコネクタ110に接続される。給電プラグコネクタ920は、エネルギ貯蔵素子を加熱するための加熱部材に接続される。
【0090】
給電プラグコネクタ920がエネルギ貯蔵素子及び加熱部材に接続されて導通した後、エネルギ貯蔵素子は、給電プラグコネクタ920により加熱部材に給電して、加熱部材を発熱させることができ、加熱部材の位置をエネルギ貯蔵素子に近づけてもよく、これによりエネルギ貯蔵素子を加熱することができる。理解できるように、エネルギ貯蔵素子について、低温環境において、例えば、冬に、エネルギ貯蔵素子の貯蔵特性及び給電特性などの特性が低下して、車両の走行に影響を与える可能性があり、加熱部材を増設することにより、エネルギ貯蔵素子の温度が適切であることを保証して、エネルギ貯蔵素子の使用特性を保証することができる。
【0091】
本開示のいくつかの具体的な実施例において、図8に示すように、筐体に、第3磁気リング190が取り付けられ、正極加熱線及び負極加熱線は、いずれも第3磁気リング190を貫通する。これにより、正極加熱線及び負極加熱線に流れる電流によるノイズを抑制し、加熱部材に出力された電流をより安定させ、加熱部材の損傷を回避することができる。
【0092】
また、正極加熱線に、第2電気保護素子921が接続され、第2電気保護素子921は、直流プラグコネクタ110に接続される。第2電気保護素子921は、ヒューズであってもよく、このように、正極加熱線に流れる電流が大き過ぎると、第2電気保護素子921自体は、溶断して回路を切断し、電流伝送を切断して、加熱部材を保護し、電流が大き過ぎることによる加熱部材の損傷を回避することができる。
【0093】
好ましくは、給電プラグコネクタ920は、車両のエアコンのコンプレッサに接続される。このように、エネルギ貯蔵素子は、給電プラグコネクタ920とコンプレッサとの接続により、即ち、エネルギ貯蔵素子は、給電プラグコネクタ920により同時にコンプレッサ及び加熱部材に給電できることにより、コンプレッサを正常に動作させて車両の内部温度を調整するだけでなく、加熱部材に加熱を行わせることができるため、給電プラグコネクタ920の利用率が向上し、車両コントローラ1の部品数が減少する。
【0094】
以下、図面を参照して本開示の実施例に係る車両を説明する。
【0095】
本開示の実施例に係る車両は、本開示の上記実施例に係る車両コントローラ1と、動力ボックス2と、モータと、変速機と、エネルギ貯蔵素子とを含む。
【0096】
動力ボックス2は、車両コントローラ1の筐体100に取り付けられ、モータ及び変速機は、伝動可能に接続されるとともに、動力ボックス2に取り付けられ、モータは、IGBTモジュール530に接続され、例えば、動力ボックス2は、電源基板700の筐体100に背向する側に位置し、動力ボックス2は、モータ及び変速機を固定し遮蔽し、モータ及び変速機の損傷を回避することができる。
【0097】
モータは、駆動基板300に電気的に接続され、駆動基板300は、モータの運転を駆動でき、エネルギ貯蔵素子は、オンオフ素子400の出力端に接続され、外部電源の電流は、オンオフ素子400を介してエネルギ貯蔵素子に流れて、エネルギ貯蔵素子を充電し、オンオフ素子400は、エネルギ貯蔵素子と外部電源との間に設置され、外部電源とエネルギ貯蔵素子との間のオンオフを効果的に制御して、エネルギ貯蔵素子が過充電されないように保護することができる。
【0098】
本開示の実施例に係る車両によれば、本開示の上記実施例に係る車両コントローラ1を利用することにより、集積度が高く、部品数が少なく、遮蔽効果に優れ、電気的接続が信頼できるなどの利点を有する。
【0099】
本開示の実施例に係る車両コントローラ1及びそれを有する車両の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0100】
本明細書の説明において、用語「具体的な実施例」、「具体例」などを参照する説明は、当該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書における、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0101】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 車両コントローラ
100 筐体
110 直流プラグコネクタ
120 第1磁気リング
130 三相中継ピン
140 三相導電部材
141 絶縁部材
151 電源線遮蔽チャンバ
152 電源信号線遮蔽チャンバ
153 直流出力遮蔽チャンバ
154 交流遮蔽チャンバ
155 電源線蓋板
156 信号線蓋板
160 直流インダクタ遮蔽チャンバ
161 交流インダクタ遮蔽チャンバ
162 変圧器インダクタ遮蔽チャンバ
163 MOSトランジスタ遮蔽チャンバ
171 直流遮蔽板
180 メンテナンス板
181 第1電気コネクタ
182 第2電気コネクタ
190 第3磁気リング
200 制御基板
210 信号プラグコネクタ
211 プラグイン領域
220 信号遮蔽カバー
230 レゾルバプラグコネクタ
300 駆動基板
310 ホール素子
400 オンオフ素子
411 正極充電ピン
412 負極充電ピン
421 正極直流ピン
422 負極直流ピン
430 充電線
500 コンデンサ
510 コンデンサ入力端
530 IGBTモジュール
600 電磁遮蔽板
700 電源基板
710 第1電気保護素子
720 基板本体
730 交流インダクタ
740 直流インダクタ
750 変圧器インダクタ
760 変圧器
770 MOSトランジスタ
780 電源信号線
800 交流出力プラグコネクタ
811 直流中継ピン
812 第2磁気リング
813 直流フィルタ板
814 直流出力プラグコネクタ
900 第1蓋板
910 第2蓋板
920 給電プラグコネクタ
921 第2電気保護素子
2 動力ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】