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特表2024-523950エネルギ・プロファイル調整導波管およびこの導波管を有するレーザ・ベースの医療用装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-04
(54)【発明の名称】エネルギ・プロファイル調整導波管およびこの導波管を有するレーザ・ベースの医療用装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/22 20060101AFI20240627BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20240627BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240627BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20240627BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B18/22
G02B6/00 326
G02B6/02 421
G02B6/02 Z
A61N5/067
A61B1/018 515
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572515
(86)(22)【出願日】2022-05-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IL2022050534
(87)【国際公開番号】W WO2022249166
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/192,239
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523439954
【氏名又は名称】スクアルス・メッド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】エシュコル,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】シャピラ,ギル
【テーマコード(参考)】
2H038
2H250
4C026
4C082
4C161
【Fターム(参考)】
2H038AA61
2H038BA44
2H038BA45
2H250AC06
2H250AC17
2H250AC31
2H250AH37
4C026DD03
4C026DD05
4C026FF17
4C026FF33
4C026HH04
4C026HH06
4C082RA05
4C082RE17
4C082RE33
4C082RG03
4C082RG05
4C161FF35
4C161FF46
4C161HH56
(57)【要約】
エネルギ・プロファイル調節導波管、及びそのような導波管を有するレーザ・ベースの医療用デバイス。医療用デバイスにおいて、光ファイバ又は導波管は、その内部側に、屈折用光エレメント又は偏向用光エレメント又はこれらの双方を含み、この光エレメントは、光ファイバ又は導波管に沿って伝播するレーザ・エネルギの向きを変えて、レーザ・エネルギが側壁を通って光エレメントの横から出るようにして、レーザ・エネルギを、光ファイバ又は導波管の中のレーザ・エネルギの全般的伝播方向の横方向に位置する生体内の位置へ提供する。オプションとして、光ファイバ又は導波管の中を伝播するレーザ・ビームの幾つかは、そこから横方向に出て、レーザ・ベースの医療手順が行われるところである焦点または焦点領域で交差または重畳する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用デバイスであって、
人間の体へ少なくとも部分的に挿入されるように構成された光ファイバ
を含み、
前記光ファイバは、柔軟性があり、前記人間の体の外側に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により前記人間の体の中で制御可能に移動できる遠位端とを有し、前記1以上の動作は、押すことと、引くことと、折り曲げることと、回すことと、方向を変えることと、曲げることとを含むグループから選択され、
前記光ファイバは、前記近位端で、前記光ファイバと動作的に関連するレーザ・ビーム発生器で生成される1以上のレーザ・ビームを受けるように構成され、
前記光ファイバの少なくとも1つの領域は、前記光ファイバの内部側に、少なくとも1つの光エレメントを含み、前記少なくとも1つの光エレメントは、(i)前記光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームを屈折させる屈折用光エレメントと、(ii)前記光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向を行う偏向用光エレメントと、(iii)前記光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向を行い且つ前記光ファイバ内を伝播する1以上の他のレーザ・ビームを屈折させる光エレメントとを含むグループから選択され、
前記光ファイバの前記内部側に配される前記少なくとも1つの光エレメントは、特定のレーザ・エネルギの分布および放射のスキームに従って、前記光ファイバを通って伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向と屈折との一方または双方を行い、少なくとも1つのレーザ・ビームの方向付けを行って、前記光ファイバの長軸に対して横に、前記光ファイバの側壁を通って前記光ファイバを出るようにし、前記光ファイバに対して横に位置する生体内位置へレーザ・エネルギを提供する、
医療用デバイス。
【請求項2】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの前記内部側に位置する前記少なくとも1つの光エレメントは、2以上のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバの長軸に対して横に出て行くように、且つ、前記光ファイバの前記長軸に対して横の特定の距離のところで交差および重畳するように構成される、
医療用デバイス。
【請求項3】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの前記内部側に位置する前記少なくとも1つの光エレメントは、1以上のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバから横に、第1の方向へと出て行くように構成され、且つ、1以上の他のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバから横に、第2の異なる方向へと出て行くように構成される、
医療用デバイス。
【請求項4】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、
(I)前記光ファイバの内部側の第1の位置に配され、1以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第1の方向へと出て行くように方向付けするように構成される第1光エレメントと、
(II)前記光ファイバの前記内部側の第2の異なる位置に配され、1以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第2の異なる方向へと出て行くように方向付けするように構成される第2光エレメントと
を含む、
医療用デバイス。
【請求項5】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、
(I)前記光ファイバの内部側の第1の位置に配され、2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第1の方向へと出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第1の距離のところに位置する第1の交差領域で交差および重畳させるように構成される第1光エレメントと、
(II)前記光ファイバの内部側の第2の異なる位置に配され、2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第2の異なる方向へと出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第2の異なる距離のところに位置する第2の異なる交差領域で交差および重畳させるように構成される第2光エレメントと
を含む、
医療用デバイス。
【請求項6】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、
(I)第1光エレメントであって、
前記光ファイバの内部側の第1の位置に配され、
2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第1の方向へと出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第1の距離のところに位置する第1の交差領域で交差および重畳させるようにし、且つ、
前記近位端を介して前記光ファイバへ入ったレーザ・エネルギ全体のNパーセントを、横に、前記第1の方向へと出力する
ように構成される第1光エレメントと、
(II)第2光エレメントであって、
前記光ファイバの内部側の第2の異なる位置に配され、
2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバから横に、第2の異なる方向へと出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第2の異なる距離のところに位置する第2の異なる交差領域で交差および重畳させるようにし、且つ
前記近位端を介して前記光ファイバへ入ったレーザ・エネルギ全体のMパーセントを、横に、前記第2の方向へと出力する
ように構成される第2光エレメントと
を含み、
Nは100より小さく、Mは100より小さく、
NはMとは異なる、
医療用デバイス。
【請求項7】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの前記遠位端はキャップ・エレメントまたは先端部エレメントを含み、
レーザ・エネルギEは前記近位端を介して前記光ファイバへ入り、
前記光ファイバの内部側に位置する前記少なくとも1つの光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN1パーセントの向きを変えて前記光ファイバに対して横に出て行くように構成され、
前記レーザ・エネルギのN2パーセントは、前記光ファイバにより送られ、前記光ファイバに対して横方向ではなく順方向に、前記キャップ・エレメントまたは先端部エレメントを介して前記光ファイバから前記遠位端において出て行き、
N1は100より小さく、N2は100より小さく、
N1はN2とは異なる、
医療用デバイス。
【請求項8】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの前記遠位端はキャップ・エレメントまたは先端部エレメントを含み、
レーザ・エネルギEは前記近位端を介して前記光ファイバへ入り、
前記少なくとも1つの光エレメントは、前記光ファイバ内の2つの異なる位置に配された第1光エレメントと第2光エレメントとを含み、
前記光ファイバ内の前記第1光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN1パーセントの向きを変えて、前記光ファイバに対して横に、第1の横方向へと出て行かせるように構成され、
前記光ファイバ内の前記第2光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN2パーセントの向きを変えて、前記光ファイバに対して横に、第2の異なる横方向へと出て行かせるように構成され、
前記レーザ・エネルギのN3パーセントは、前記光ファイバにより送られて、前記光ファイバ対して横方向ではなく順方向に、前記キャップ・エレメントまたは前記先端部エレメントを介して前記光ファイバから前記遠位端において出て行き、
N1は100より小さく、N2は100より小さく、
N3は100より小さく、
N1はN2とは異なる、
医療用デバイス。
【請求項9】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、前記光ファイバへ入るレーザ・ビームの少なくとも幾つかの向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバから横に出ていくようにする内向きのウェッジまたは内向きの突出部を含む、
医療用デバイス。
【請求項10】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、
(I)前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバの第1の横方向へと、前記光ファイバから横に出ていくようにする第1の内向きの傾斜したウェッジと、
(II)前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の異なる部分の向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバの第2の異なる横方向へと、前記光ファイバから横に出ていくようにする第2の内向きの傾斜したウェッジと
を含む、
医療用デバイス。
【請求項11】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、
内向きの全般的にスパイラルまたは全般的にヘリカルの延びた突出部
を含み、
前記突出部は、内部側スパイラル突出部または内部側ヘリカル突出部として前記光ファイバ内で螺旋状になっており、(i)前記光ファイバ内を伝播するレーザ・エネルギの光学的特性の変更のための連続体と、(ii)前記光ファイバ内を内部で伝播するレーザ・ビームの案内のための連続体とのうちの少なくとも1つを提供し、
前記突出部は、前記光ファイバへ入るレーザ・ビームの少なくとも幾つかの向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバから横に出ていくようにする、
医療用デバイス。
【請求項12】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは2以上の光エレメントを含み、
前記2以上の光エレメントは、前記光ファイバの内部に配され、且つ、レーザ・エネルギの向きを変えて非対称的に且つ前記光ファイバから横に出て行くようにし、
前記近位端を介して前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分は、前記光ファイバの前記遠位端を介してではなく前記光ファイバから横に、第1の横方向へと出て行き、
前記近位端を介して前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の異なる部分は、前記光ファイバの前記遠位端を介してではなく前記光ファイバから横に、前記第1の横方向に対して非対称の第2の異なる横方向へと出て行く、
医療用デバイス。
【請求項13】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、前記光ファイバの内部に位置し、前記近位端を介して前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて、前記光ファイバから横に出るように、且つ、前記光ファイバの前記遠位端を介さずに前記光ファイバの側壁を介して、レーザ・エネルギを介しての医療処置を可能とするようにし、
前記少なくとも1つの光エレメントはまた、前記近位端を介して前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の部分の向きを変えて、順方向に前記光ファイバの前記遠位端を介して前記光ファイバから出て行くようにする、
医療用デバイス。
【請求項14】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブ
を更に含み、
前記光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することを意図されており、
前記封入スリーブは、非膨張式の流体保持用のカナルを含み、
前記カナルは、流体の流入を受けるように構成され、流体の流入は、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記流体保持用のカナルを介して横に出た後に交差および重畳するところである焦点を変更させ、
前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上を含む、
医療用デバイス。
【請求項15】
請求項14の医療用デバイスであって、
生体外で前記光ファイバと接続される制御ユニット
を更に含み、前記制御ユニットは、
特定の流体を、前記非膨張式の流体保持用のカナルへと、または、前記非膨張式の流体保持用のカナルから、選択的または一時的にポンピングし、
2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記非膨張式の流体保持用のカナルを介して横に出た後に交差および重畳するところである焦点を、選択的または一時的に変更させる、
医療用デバイス。
【請求項16】
請求項14の医療用デバイスであって、
生体外で前記光ファイバと接続される制御ユニット
を更に含み、前記制御ユニットは、
特定の材料を、前記非膨張式の流体保持用のカナルへと、または、前記非膨張式の流体保持用のカナルから、選択的または一時的にポンピングし、それにより、前記非膨張式の流体保持用のカナル内に保持される溶液の濃度を変化させ、
2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記非膨張式の流体保持用のカナルを介して横に出た後に交差および重畳するところである焦点を、選択的または一時的に変更させる、
医療用デバイス。
【請求項17】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブ
を更に含み、
前記光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することを意図されており、
前記封入スリーブは、前記セグメントにおいて膨張式バルーン・チャンバを含み、
前記膨張式バルーン・チャンバは、流体の流入を受けることにより生体内で制御可能に膨張可能であり、流体の流入は、前記膨張式バルーン・チャンバを膨張させ、それにより、(i)前記光ファイバの内壁と、(ii)医療処置がなされる生体内の対象領域との間の距離を変更させ、ひいては、前記生体内の対象領域へ到達するレーザ・ベースのエネルギのパワー密度を変更させ、
前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上を含む、
医療用デバイス。
【請求項18】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、
(a)第1湾曲型光エレメントであって、(a1)前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバに対して第1の横方向へと、光ファイバから横に出ていくようにし、且つ、(a2)前記光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の部分が、前記光ファイバに沿って更に配される第2の異なる湾曲型光エレメントの方へ変更無しで伝播を続けることを可能とする第1湾曲型光エレメントと、
(b)前記第2の異なる湾曲型光エレメントであって、前記光ファイバに沿って更に配され、前記レーザ・エネルギの前記第2の部分を受け、レーザ・エネルギの前記第2の部分の向きを変えて、前記光ファイバの前記遠位端を通らずに前記光ファイバに対して第2の異なる横方向へと、前記光ファイバから横に出ていくようにする前記第2の異なる湾曲型光エレメントと
を含み、
前記第1湾曲型光エレメントにより前記光ファイバから横に出て行くレーザ・エネルギの前記第1の部分と、前記第2湾曲型光エレメントにより前記光ファイバから横に出て行くレーザ・エネルギの前記第2の部分とは、単一の焦点ではなく焦点の領域である生体内の対象領域で衝突および重畳する、
医療用デバイス。
【請求項19】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは非円状または非対称の断面を有し、これは、(i)前記医療用デバイスのオペレータにより行われる屈曲動作の機械的制御を向上させ、且つ、(ii)前記医療用デバイスのオペレータが前記光ファイバの生体内での空間的な方向を効率的に理解することを可能とする、
医療用デバイス。
【請求項20】
請求項19の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは長円形または卵形の断面を有する、
医療用デバイス。
【請求項21】
請求項19の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは直線および300度未満の弧を含む断面を有する、
医療用デバイス。
【請求項22】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは、前記少なくとも1つの光エレメントを前記光ファイバへ組み込むことにより、方向性があり、横の、非順方向へ向けられたレーザ・エネルギを放射するように構成され、
前記レーザ・エネルギは、前記光ファイバの前記遠位端に位置するキャップまたは先端部を通らずに前記光ファイバの側壁を通って横に放射され、
前記放射は、重み付けされたエネルギの放射のスキームに従い、前記スキームは、(i)前記光ファイバへ前記近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN1パーセントが、前記光ファイバの側壁の第1位置を通って第1の横の非順方向へと、横に放射されること、および、(ii)前記光ファイバへ前記近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN2パーセントが、前記光ファイバの前記側壁の第2位置を通って第2の横の非順方向へと、横に放射されること、および、(iii)前記光ファイバへ前記近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN3パーセントが、前記光ファイバに対して順方向に前記光ファイバの前記遠位端の前記キャップまたは前記先端部を介して放射されることを定義し、
N1は、N2とは異なり且つN3とは異なり、
N2は、N1とは異なり且つN3とは異なり、
N3は、N1とは異なり且つN2とは異なる、
医療用デバイス。
【請求項23】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは、前記少なくとも1つの光エレメントを前記光ファイバへ組み込むことにより、方向性があり、横の、非順方向へ向けられたレーザ・エネルギを放射するように構成され、
前記放射は、前記光ファイバの最長の次元に対して前方に位置するのではなく前記光ファイバの前記最長の次元に対して横に位置する体の位置で医療手順を行い、予め定めた又は動的に変更可能なエネルギ分配スキームに従って、前記光ファイバの前記最長の次元に対して横に位置する前記体の位置へレーザ・エネルギを提供する、
医療用デバイス。
【請求項24】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは、前記光ファイバの前記近位端で、前記光ファイバと動作において関連する前記レーザ・ビーム発生器から、
(I)第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームであって、
前記第1の波長λ1は、人間の体組織による吸収のレベルを示す第1の吸収係数A1を有し、
前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームは、前記光ファイバの中で第1組の光エレメントにより向きを変えられ、これは、前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームが、前記光ファイバから横に放射されるように、且つ、前記光ファイバの外側層から第1の距離D1のところにある第1の特定の焦点または焦点領域で重なるようにさせ、
前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームは、前記第1の距離D1のところにある前記第1の特定の焦点または焦点領域で第1のレベルのエネルギE1を提供する、
前記第1組のレーザ・ビームと、
(II)第2の異なる波長λ2を有する第2組の異なるレーザ・ビームであって、
前記第2の異なる波長λ2は、人間の体組織による吸収のレベルを示す第2の異なる吸収係数A2を有し、
前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームは、前記光ファイバの中で第2組の光エレメントにより向きを変えられ、これは、前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームが、前記光ファイバから横に放射されるように、且つ、前記光ファイバの外側層から第2の異なる距離D2のところにある第2の異なる特定の焦点または焦点領域で重なるようにさせ、
前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームは、前記第2の距離D2のところにある前記第2の特定の焦点または焦点領域で第2の異なるレベルのエネルギE2を提供する、
前記第2組の異なるレーザ・ビームと
を受けるように構成される、
医療用デバイス。
【請求項25】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバは、前記光ファイバの前記近位端で、前記光ファイバと動作において関連する前記レーザ・ビーム発生器から、
(I)第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームであって、
前記第1の波長λ1は、人間の体組織による吸収のレベルを示す第1の吸収係数A1を有し、
前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームは、前記光ファイバの中で特定の光エレメントにより向きを変えられ、これは、前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームが、前記光ファイバから横に放射されるように、且つ、前記光ファイバの外側層から第1の距離D1のところにある第1の特定の焦点または焦点領域で重なるようにさせ、
前記第1の波長λ1を有する前記第1組のレーザ・ビームは、前記第1の距離D1のところにある前記第1の特定の焦点または焦点領域で第1のレベルのエネルギE1を提供する、
前記第1組のレーザ・ビームと、
(II)第2の異なる波長λ2を有する第2組の異なるレーザ・ビームであって、
前記第2の異なる波長λ2は、人間の体組織による吸収のレベルを示す第2の異なる吸収係数A2を有し、
前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームは、前記光ファイバの中で同じ前記特定の光エレメントにより向きを変えられ、これは、前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームが、前記光ファイバから横に放射されるように、且つ、前記光ファイバの前記外側層から第2の異なる距離D2のところにある第2の異なる特定の焦点または焦点領域で重なるようさせ、
前記第2の波長λ2を有する前記第2組のレーザ・ビームは、前記第2の距離D2のところにある前記第2の特定の焦点または焦点領域で第2の異なるレベルのエネルギE2を提供する、
前記第2組の異なるレーザ・ビームと
を受けるように構成される、
医療用デバイス。
【請求項26】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記医療用デバイスは、前記光ファイバ内でのレーザ・エネルギの全般的伝播方向に対して横にレーザ・エネルギを放射することにより、生体内でのレーザ・ベースの医療手順を行うように、構成される、
医療用デバイス。
【請求項27】
請求項1の医療用デバイスであって、
前記光ファイバへその近位端を介して入るレーザ・ビームの全体が、前記光ファイバ内を伝播し、次に、光ファイバの横側パネルを介して横に放射され、
前記光ファイバへその近位端を介して入る前記レーザ・ビームのうち、前記光ファイバの前記遠位端に位置するキャップまたは先端部を介して前記光ファイバから出るものはない、
医療用デバイス。
【請求項28】
医療用デバイスであって、
少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバ
を含み、
前記光ファイバは柔軟性があり、前記人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により前記人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、前記1以上の動作は、押すことと、引くことと、折り曲げることと、回すことと、方向を変えることと、曲げることとを含むグループから選択され、
前記光ファイバは、前記近位端で、前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器で生成された1以上のレーザ・ビームを受けるように構成され、
前記光ファイバの少なくとも1つの領域は、前記光ファイバの内部側において、少なくとも1つの光エレメントを含み、前記少なくとも1つの光エレメントは、前記1以上のレーザ・ビームの少なくとも一部が前記光の側壁を介して横に前記光ファイバから出るようにし、且つ、前記光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を通る代わりに、前記光ファイバの最長の次元に対して横または垂直に、レーザ・エネルギの方向性のある放射を生じさせ、
前記医療用デバイスは、前記光ファイバ内のレーザ・エネルギの全般的伝播方向に対して横にレーザ・エネルギを放射することによる、生体内のレーザ・ベースの医療手順を行うように構成され、
前記医療用デバイスは、前記光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを含み、
前記光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することが意図されており、
前記封入スリーブは、前記セグメントにおいて、膨張式バルーン・チャンバを含み、
前記膨張式バルーン・チャンバは、流体の流入を受けることにより生体内で制御可能に膨張させることができ、流体の流入は、前記膨張式バルーン・チャンバを膨張させ、それにより、(i)前記光ファイバの内壁と(ii)医療処置を行う予定の生体内の対象領域との間の距離を変化させ、ひいては、前記生体内の対象領域へ到達するレーザ・ベースのエネルギのパワー密度を変化させ、
前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上を含む、
医療用デバイス。
【請求項29】
医療用デバイスであって、
少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバ
を含み、
前記光ファイバは柔軟性があり、前記人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により前記人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、前記1以上の動作は、押すことと、引くことと、折り曲げることと、回すことと、方向を変えることと、曲げることとを含むグループから選択され、
前記光ファイバは、前記近位端で、前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器で生成された1以上のレーザ・ビームを受けるように構成され、
前記光ファイバの少なくとも1つの領域は、前記光ファイバの内部側において、少なくとも1つの光エレメントを含み、前記少なくとも1つのエレメントは、前記1以上のレーザ・ビームの少なくとも一部が前記光の側壁を介して横に前記光ファイバから出るようにし、且つ、前記光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を通る代わりに、前記光ファイバの最長の次元に対して横または垂直に、レーザ・エネルギの方向性のある放射を生じさせ、
前記医療用デバイスは、前記光ファイバ内のレーザ・エネルギの全般的伝播方向に対して横にレーザ・エネルギを放射することによる、生体内のレーザ・ベースの医療手順を行うように構成され、
前記医療用デバイスは、前記光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを含み、
前記光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することが意図されており、 前記封入スリーブは、非膨張式の流体保持用のカナルを含み、
前記カナルは、流体の流入を受けるように構成され、流体の流入は、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記流体保持用のカナルを介して横に出た後に交差および重畳するところである焦点を変更させ、
前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上を含む、
医療用デバイス。
【請求項30】
医療用デバイスを動作させる方法であって、
少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバを提供するステップであって、
前記光ファイバは、柔軟性があり、前記人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により前記人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、前記1以上の動作は、押すことと、引くことと、折り曲げることと、回すことと、方向を変えることと、曲げることとを含むグループから選択される、
ステップと、
前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器により生成された1以上のレーザ・ビームを前記光ファイバの前記近位端の中へ提供するステップと、
前記光ファイバの内部側に位置する少なくとも1つ光エレメントを介して、特定のレーザ・エネルギの分配および放射のスキームに従って、前記光ファイバを通って伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向と屈折との一方または双方を行い、少なくとも1以上のレーザ・ビームを方向付けして、前記光ファイバの側壁を通って前記光ファイバの長軸に対して横に前記光ファイバから出るように、且つ、前記光ファイバに対して横に位置する生体内の位置へレーザ・エネルギを提供するようにするステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の相互参照
[0001] この特許出願は、2021年5月24日に出願された第US63/192239号からの優先権および利益を主張するものであり、その出願の全体がこの参照によりここに組み込まれる。
【0002】
[0002] 幾つかの実施形態は医療用デバイスの分野と関連する。
【背景技術】
【0003】
導波管は、電磁気や音波などのような波を、最小のエネルギ損失で案内する構造である。例えば、中空の導電性金属のパイプを、高周波数無線波を搬送するために用いることができる。誘電導波管は、高い無線周波数で用いることができる。透明な誘電導波管および光ファイバは、光のための導波管として働くことができる。音響に関しては、音のための導波管としてエア・ダクトおよびホーンを用いることができる(例えば、楽器や拡声器におけるもの)。特別な形状の金属ロッドは、超音波機械加工において超音波を伝導させることができる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 幾つかの実施形態は、エネルギ・プロファイル調整導波管と、その導波管を有するレーザ・ベースの医療用デバイスとを提供する。例えば、幾つかの実施形態によると、医療用デバイスは光ファイバまたは導波管を有し、これは、その内部側に、屈折用光エレメントおよび/または偏向用光エレメントを含み、これは、光ファイバまたは導波管を伝播するレーザ・エネルギの向きを変えて、そこから側壁を通って横に出るようにして、生体内の位置へレーザ・エネルギを提供するようにし(例えば、伝播するレーザ・エネルギの全体が光ファイバまたは導波管の遠端の先端部またはキッャプを介して順方向に出るように案内するのではなく)、その生体内の位置は、光ファイバまたは導波管の中のレーザ・エネルギの一般的な伝播方向の横側に位置する。オプションとして、光ファイバまたは導波管の中を伝播する幾らかのレーザ・ビームが、そこから横に出るようにして、レーザ・ベースの医療処置が行われる焦点または焦点域を横切る又はそれに重なるようにする。
【0005】
[0005] 幾つかの実施形態は、他の且つ/または更なる利益および/または利点を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、特に、医療処置を目的とした伝播する光またはレーザ・ベースのエネルギのための、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図である。
図2図2は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の別の部分の概略的な図である。
図3図3は、特に、医療処置を目的とした伝播する光またはレーザ・ベースのエネルギのための、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図である。
図4図4は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図であり、光学的な見方を概略的に説明している。
図5図5は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図であり、様々な光ベースのエネルギ・プロファイルを有するエリアを概略的に説明している。
図6図6は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図である。
図7図7は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図である。
図8図8は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図である。
図9A図9Aおよび図9Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図であり、制御された液体または気体または流体の環境における制御された変化に起因してのエネルギ・プロファイルの変更を説明している。
図9B図9Aおよび図9Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管の一部の概略的な図であり、制御された液体または気体または流体の環境における制御された変化に起因してのエネルギ・プロファイルの変更を説明している。
図10図10は、幾つかの実証的な実施形態に従った、エネルギの指向性の放射を伴う導波管の一部の等角図を例示する。
図11図11ないし図15は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示する。
図12図11ないし図15は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示する。
図13図11ないし図15は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示する。
図14図11ないし図15は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示する。
図15図11ないし図15は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示する。
図16図16および図17は、幾つかの実証的な実施形態に従った更なる導波管の断面図を概略的に例示し、1つのデバイスへ2以上の特徴を統合することを説明している。
図17図16および図17は、幾つかの実証的な実施形態に従った更なる導波管の断面図を概略的に例示し、1つのデバイスへ2以上の特徴を統合することを説明している。
図18A図18Aおよび図18Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った、膨張式バルーンに封入された(または囲まれた)導波管または光ファイバの一部の概略的な図である。
図18B図18Aおよび図18Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った、膨張式バルーンに封入された(または囲まれた)導波管または光ファイバの一部の概略的な図である。
図19A図19Aは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図19B図19Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図19C図19Cは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図19D図19Dは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図20A図20Aは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図20B図20Bは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
図20C図20Cは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイスの概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0026] 図面では尺度が正確であるとは限らないことを明確にしておく。図中の幾つかのコンポーネントおよびエレメントは、幾つかの実施形態の幾つかの構造および/または機能的特徴をより明確に示し且つ実証するために、意図的に又は誇張して、実際のもと比べて小さく又は大きく又は短く又は長くしている。
【0008】
[0027] 幾つかの実施形態は、特定の又は予め定めたエネルギ・プロファイル変更スキームに従った、または特定の予め定めた構成に従った、エネルギ・プロファイル調整導波管、またはそのエネルギ・プロファイルまたはそのエネルギ出力特性を調整または変更することが可能である導波管を提供する。幾つかの実施形態は、レーザ・ベースのデバイス、具体的には、医療用のレーザ・ベースのデバイスを含み、これは、そのような導波管を含む又は組み込んでいる又は用いる。幾つかの実施形態は、光ファイバのエネルギ出力のプロファイルの変更を可能とし、これは、様々な体内の病態などのような幾つかの医学的状態に対しての光または光エネルギを用いての治療で用いることができる。
【0009】
[0028] 図19Aを参照し、同様に、図20Aを参照すると、これらは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイス100Aを概略的に例示する。デバイス100Aは、例えば、体内の特定の対象領域の光ベースの治療またはレーザ・ベースの治療を行うように構成されたカテーテルであり得る。例えば、デバイス100Aは、典型的には、患者が鎮静化されているとき又は麻酔状態のとき、又は手術または他の医療処置(例えば、内視鏡検査、肛門鏡検査、関節鏡検査、気管支鏡検査、大腸鏡検査、膀胱鏡検査、食道鏡検査、胃内視鏡検査、腹腔鏡検査、咽頭鏡検査、神経内視鏡検査、直腸鏡検査、S字結腸鏡検査、胸腔鏡検査)の間に患者の体内へ挿入することができ、そして、柔軟性または半柔軟性のある形で対象領域(例えば、腫瘍や病変)の方へ案内することができ、そうでない場合は、対象領域へ直接的に持って行くことができる(例えば、その対象領域へ物理的にアクセスできる場合には直接的に)。デバイス100Aは、次に、エネルギ、具体的には、光ベースのエネルギまたは光エネルギまたはレーザ・ベースのエネルギを生成して出力することができる。幾つかの実施形態によると、エネルギが特に対象領域を(又はそれのみを又は選択的にそれを)処置することを確実にするために、および/またはエネルギが対象領域外の他の領域(1以上)(例えば、対象領域に隣接する又は対象領域の隣にある又は対象領域を囲む領域、または対象領域に近接する領域)の処置を行わないこと(全く行わない又は処置を最小限にする又は影響を最小限にする)を確実にするために、エネルギのレベルおよび方向は制御可能且つ/または変更可能である。
【0010】
[0029] デバイス100Aはレーザ/光源105を含み、これは、レーザまたは光のビームまたは光線を生成する。実証を目的として、4個のそのような光線121-124が示されている。レーザまたは光の光線は、導波管103または光ファイバまたはファイバー・オプティックへ入るが、導波管103は、典型的には、薄く長く一般に中空で柔軟性のあるチューブまたはパイプでインプリメントされ、長さは、典型的には30から500センチメートルの間、または10から500センチメートルの間(例えば、前立腺の状態の処置のためには、デバイスは、約20または200センチメートルの長さである)、または10から1000センチメートルの間、または10から2000センチメートルの間(例えば、特に、磁気共鳴映像法(MRI)を用いる特定の医学的状態を行うためには、10メートルまたは15メートル、更には20メートルのデバイスが用いられ得る)であり、また、導波管103は、典型的には、円筒状または概して円筒状であり、円状または概して円状の断面を有し、その直径は、典型的には、0.5から10ミリメートルの範囲、または0.2から10ミリメートルの範囲、または0.1から10ミリメートルの範囲である。
【0011】
[0030] 実証を目的として、ここではアイテム103を「導波管」と呼ぶが、これは「光ファイバ」または「ファイバー・オプティック」と呼ばれることもあり得る。幾つかの実施形態では、導波管103は、カプセルまたはジャケットまたは他の外皮またはスリーブまたは保護層の中に囲い込まれ、典型的には、クラッド層またはクラッドで囲まれた中央コアを有するが、図面内が混雑することを避けるために、これらは図19Aには示していない。
【0012】
[0031] 幾つかの実施形態では、導波管103(又はこれを用いるカテーテル)は、先端部/キャップ・ゾーン101で終端し、これは、ドーム形状とすることができ、また、テーパのある形状とすることができる(例えば、体組織を貫通するように)。先端部またはキャップのゾーンは、導波管の全体の長さと比べて小さく、例えば、先端部/キャップ・ゾーンは導波管の全体の長さの1%未満であり得、非キャップ/非先端ゾーン102は導波管の長さの少なくとも99%を占める。幾つかの実施形態では、特に、医療用デバイスの全体の長さが比較的短い場合(例えば、30センチメートル未満、または20センチメートル未満、または15センチメートル未満)、先端部/キャップ・ゾーン101は、導波管の全体の長さの5%未満であり得、または導波管の全体の長さの3%未満であり得、または導波管の全体の長さの2%未満であり得、または導波管の全体の長さの約0.5から5%であり得、残りの部分は非キャップ/非先端ゾーン102である。導波管の先端部/キャップ・ゾーン101は、少なくとも1つの特性が非先端/非キャップ・ゾーン102とは異なり、例えば、形状については、先端部/キャップ・ゾーンはテーパのある形状または半球の形状であり、それに対して、導波管の非先端/非キャップ・ゾーンは全般的に円筒形状であり、且つ/または、幅または厚さについては、例えば、導波管の非先端/非キャップ・ゾーンと比べて、先端部/キャップ・ゾーン(又は少なくともその一部または領域)は薄い又は厚さが少ない又は幅が小さくなっている、などである。
【0013】
[0032] 幾つかの実施形態によると、導波管103の第1の側または領域またはエリアは第1組の光エレメントを含み、導波管103の第2の異なる側または領域またはエリアは第2組の光エレメントを含み、これらは、第1の側のものと全般的に似ている又は同じもの、又は第1の側のものと異なるものであり得る。実証を目的として、説明の幾つかの部分および/または図面の幾つかの部分は、同じ導波管の2つのそのような領域またはセグメントを示す又は説明するものであり得るが、幾つかの実施形態は、導波管の1つの領域またはセグメントのみを用いるもの、または導波管の3以上のそのような領域またはセグメントを用いるものであり得、同様に、幾つかの実施形態は、そのような領域またはセグメントをその一側にのみ有するもの、またはそれらを2つの対向する側または2つの対向しない側に有するもの、またはそれらを3つ(または3つより多く)の側に有するものであり得る。
【0014】
[0033] 実証を目的として、この図面では、導波管103の第1の側は上側であり、それは2つの光エレメント111、112を含み、この図面では、導波管103の第2の側は下側であり、それは別の2つの光エレメント113、114を含む。例えば、光エレメント111-114のそれぞれは、内向きの又は内に突き出した又は内の方向のウェッジまたは光学的ハードルまたは歯または光学的リダイレクタ・エレメント(例えば、ミラーリング・エレメント、ミラー、マイクロミラー、平板ミラー、平面ミラー、非平面ミラー、非平面反射エレメント、曲面ミラー、凸面ミラー、凹面ミラー、ディフューザまたは光学的ディフューザまたは光ディフューザ、反射エレメント、屈折エレメント、プリズム、レンズ、マイクロレンズなど)であり、入来する光線またはビーム(又はその一部)を、特定の方向(または複数の方向)へ向けて、偏向および/または屈折させることができる。オプションとして、光エレメント111-114のそれぞれは、特定の構造的および/または光学的な特性または機能を有するものであり得、それは、そのようなエレメントを特定の材料から形成することにより、またはそのようなエレメント(またはその一部)を特定のコーティングによりコーティングすることにより、および/または外部コーティングまたはスリーブまたは媒体または封入エレメントの屈折率を設定または変更または構成または調節することにより、および/または特定の3次元形状および/または体積および/または寸法および/または輪郭および/または傾斜構造を有するようにそのようなエレメントを構築または形成することにより、および/または1以上のそのようなエレメントの位置および/またはそれらの間の距離および/またはそのようなエレメントの数を設定することにより、構成することができる。
【0015】
[0034] 例えば、光エレメント111-114のそれぞれ(又はそれの外部の媒体またはスリーブまたは封入エレメント)の位置、場所、サイズ、傾斜、構造、距離、形成材料、および/またはコーティングに起因して、入力する光線121-124の1以上のものが屈折または偏向させられ得るが、特に、導波管103の長軸が離れるように、または導波管103の長手方向の次元または軸から離れるようにされ、または、導波管103の長手方向の次元の横に位置する点または領域へ向けられ、導波管103の先端部/キャップ・ゾーン101の前(又は先のほう)に位置する点または領域へ向けられないようにする。
【0016】
[0035] 例えば、入来する光線(導波管内光線)121は、光エレメント111の表面により、および/またはその光エレメントの111の1以上の特性(例えば、そのサイズ、長さ、傾斜、位置、コーティングなど)に起因して、偏向または屈折させられ、外向き光線131として導波管103(および医療用デバイス100A)から横側へ出て行く。更に、入来する光線(導波管内光線)122は、は、光エレメント112の表面により、および/またはその光エレメントの112の1以上の特性(例えば、そのサイズ、長さ、傾斜、位置、コーティングなど)に起因して、偏向または屈折させられ、外向き光線132として導波管103(および医療用デバイス100A)から横側へ出て行く。
【0017】
[0036] 外向き光線131と132とは、焦点141で交差または接触または衝突または重畳し(特に、2つの光線の交差を例示するときには、単一の焦点であり得、また、複数の光線が交差するエリアを実証する幾つかの実施形態では、焦点エリアまたは焦点ゾーンまたは焦点領域であり得、典型的には、形状は、矩形または方形または菱形または四辺形または他の多角形、または円または楕円とされる)、焦点141は、導波管103から(又は導波管103が封入されたエンベロープまたはカプセルまたはカテーテルの外側から)距離Ddis1の位置にある。従って、焦点141、または同様に、焦点エリアまたは焦点ゾーンと、その隣接するエリアまたは領域とは、高エネルギのエリアまたは領域であり、図面では、高(High)を表すHが示されている。導波管103の外部エンベロープから焦点141へと続く、外向き光線131と132とがまだ交差していないエリアまたは領域は、低(Low)エネルギ領域または中間(Medium)エネルギ領域である。高エネルギの焦点141で接触または交差または重畳した後、外向き光線131、132は広がり、それらは、更なる中間エネルギ領域を通り、次に低エネルギ・ゾーンおよび/または超低(Very Low)エネルギ・ゾーンを通って進む。
【0018】
[0037] 同様に、入来する光線(導波管内光線)123は、光エレメント113の表面により偏向または屈折させられ、外向き光線133として導波管103(および医療用デバイス100A)から横側へ出て行く。更に、入来する光線(導波管内光線)124は、は、光エレメント114の表面により偏向または屈折させられ、外向き光線134として導波管103(および医療用デバイス100A)から横側へ出て行く。外向き光線133と134とは、焦点142またはその近くの焦点エリアまたは焦点領域で交差または接触または重畳し、焦点142は、導波管103から(又は導波管103が封入されたエンベロープまたはカプセルまたはカテーテルの外側から)距離Ddis2の位置にある。従って、焦点141、またはその近くの焦点領域または焦点エリアと、その隣接するエリアまたは領域とは、高エネルギのエリアまたは領域であり、図面では、高を表すHが示されている。導波管103の外部エンベロープから焦点142へと続く、外向き光線133と134とがまだ交差していないエリアまたは領域は、低エネルギ領域または中間エネルギ領域である。
【0019】
[0038] 高エネルギの焦点142で接触または交差または衝突または重畳した後、外向き光線133、134は広がり、それらは、更なる中間エネルギ領域を通り、次に低エネルギ・ゾーンおよび/または超低エネルギ・ゾーンを通って進む。説明したように、高エネルギの焦点(141、142)のそれぞれは、必ずしも単一の点である必要はなく、高エネルギの焦点ゾーンまたは高エネルギの焦点エリアまたは焦点領域とすることができ、それを通して、多くのそのような光線が、互いに隣り合う又は互いに隣接する多くの交差点または重畳点で交差する。
【0020】
[0039] そのような高エネルギの焦点(1以上)または焦点エリア(1以上)または焦点ゾーン(1以上)または焦点領域(1以上)は、導波管と相対しての他の適切な位置または空間的な位置にあることに留意されたく、例えば、それらは、先端部ゾーンまたはキャップ・ゾーンの近くであり且つ外側に位置するものであり得、または、それらは、導波管の幾つかの異なるエリアの近くであり且つ外側に位置するものであり得る。例えば、幾つかの実施形態では、K1のそのような焦点または焦点ゾーンまたは焦点エリアが、導波管の第1の側に位置し、K2のそのような焦点または焦点ゾーンまたは焦点エリアが、導波管の第2の異なる側に位置し(例えば、全般的に対向する側または対向しない側)、K3のそのような焦点または焦点ゾーンまたは焦点エリアが、導波管の先端部ゾーンまたはキャップ・ゾーンの近くであり且つ外側にあるようにすることができ、K1とK2とK3とは予め定めた値であり、それらのそれぞれは、0または1または2または3とすることができ、また、典型的には10より小さい又は典型的には100より小さい整数とすることができ、それらのそれぞれは互いに異なるようにすることができ、または、それらのうちの2つ(又はそれより多く)のものが同じ値を有するようにすることができる。
【0021】
[0040] 2つの距離、Dis1およびDis2は、互いに同じであり得、また、別の実施形態では、それらは、高エネルギ・プロファイルが生じる2つの異なる距離(導波管103の外部エンベロープに垂直)を提供するために、互いに異なるものであり得ることに、留意されたい。幾つかの実施形態では、オプションとして、導波管103は、2つの側ではなく1つの側のみに、光エレメント111、112のみなどのような、光エレメントを含むことができ、導波管103の1つの側のみから、その側で高エネルギの1つの焦点を有するエネルギまたは光線またビームが発せられるように、することができる。
【0022】
[0041] 距離Dis1およびDis2は、光エレメント111、112および113、114のそれぞれの特性に基づいて構成または決定することができ、特性は、各光エレメントのタイプ(例えば、ウェッジ、内向きの歯、内向きの隆起、プリズム、レンズ、平面ミラー、曲面ミラーなど)、各光エレメントの傾斜または湾曲、各光エレメントの空間的形状、各光エレメントが導波管103のコアへ突き刺さる又はコアをブロックする深さ、各光エレメントが向きを変更できる光線またビームの量、光エレメントの表面面積、光線またビームが入来してくる方向に面する光エレメントの特定の表面の表面面積、光エレメントを形成する材料(1以上)、導波管または光ファイバを囲む及び/又は導波管または光ファイバを封入する1以上のスリーブまたは封入層(1以上)または媒体(1以上)を形成する材料(1以上)(例えば、これは、特定の光学的特性を達成するために、オプションとして設定または構成することができる特定の屈折率を有し得る)、各光エレメントのコーティング、導波管の各セグメントまたは領域における光エレメントの数(例えば、同じ側に直列的に配される2個の光エレメント、または同じ側に直列的に配される3個の光エレメント、または同じ側に直列的に配されるN個の光エレメント)、同じ側の2つの連続する光エレメントの間の間隔を空ける長手方向の距離間隔(例えば、光エレメント111と光エレメント112との間の距離)、および/または予め構成または設定でき得る他の構造パラメータ、および/または入力する光線またはレーザ光線の波長(例えば、それは、関連する体器官の組織によるエネルギ吸収の変化に起因して、それぞれの焦点または焦点エリアの位置または距離に影響を与え得る)などである。
【0023】
[0042] 図19Bおよび図20Bを参照すると、これらは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイス100Bを概略的に例示する。デバイス100Bは、全体的に図19Aのデバイス100Aと似たものであり得るが、デバイス100Bは、更に、導波管103(又は少なくともその一部)を囲むまたは封入する溶液スリーブ(solution sleeve)165を含む。溶液スリーブ165は、溶液166または他の材料(例えば、液体、気体、流体)を貯蔵することができる薄くて長い容器または導管またはリポジトリであり得る。例えば、2以上のリポジトリ161、162は、2以上の材料を貯蔵することができ(例えば、リポジトリ161には水、リポジトリ162には糖)、溶液コントローラ/モディファイヤ・ユニット153は、リポジトリ161、162からそれら2つの材料を特定の比率(例えば、水対糖の比率が100対3)に従って得て(例えば、汲み出して、吸い出して)、それらを混合し、液体・溶液注入口ユニット151を介して溶液スリーブ165へ混合溶液を提供するように、動作する。
【0024】
[0043] 溶液166は、外向き光線(図19Aに示す光線131-134)が進行または通過する異なる媒体であるので、外向き光線の偏向または屈折を変更し、また、この溶液は、更に、導波管103から高エネルギ焦点(141および/または142)の距離(Dis1またはDis2)を変更する。
【0025】
[0044] オプションとして、液体/溶液排出口ユニット152(例えば、バルブまたはポンプまたは吸引ユニットを用いる)などのような制御されるコンポーネントを用いて、溶液166またはその一部を、溶液スリーブ165から選択的且つ制御可能に取り除くことができ、そして、収集リポジトリ163へ処分または廃棄することができ、また、オプションとして、溶液コントローラ/モディファイヤ・ユニット153により新たな溶液または置換用の溶液または変更された溶液を準備することができ、そして溶液スリーブ165へ注入または導入することができ、それにより、デバイス100Bのユーザが高エネルギ焦点(141および/または142)の距離または位置を変更することを可能とすることができる。
【0026】
[0045] このような制御され且つユーザに選択された変更は、医療用デバイス100Bを患者の体へ挿入する前に行うことができ、且つ/または、それは、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで、手術中に、または医療処置が進行中のとき、またはデバイス100Bの少なくとも一部が生体内にあるとき、または導波管103またはその一部が生体内にあるときに、行うことができ、それにより、高エネルギの焦点または焦点ゾーンまたは焦点エリアの空間的な位置または距離のリアルタイムまたはほぼリアルタイムの変更または調節を行うことを可能にし、また、医療処置のために複数の対象領域または対象エリアを徐々にカバーする又はそれらへ到達するように、そのような高エネルギの焦点または焦点ゾーンまたは焦点エリアの移動または相対的移動を可能にする。
【0027】
[0046] 幾つかの実施形態では、オプションとして、リポジトリ161および162および163は、閉ループとしてインプリメントすることができ、幾つかの実施形態では、2以上のリポジトリを、流体をリポジトリから輸送した後に同じリポジトリへ戻すことを可能とする閉ループ機構と関連する1つの共通のリポジトリとして、インプリメントすることができる。オプションとして、熱交換ユニットを用いることができ、且つ/または冷却ユニットを用いることができ、それにより、例えば、輸送される流体が特定の温度であること、または特定の温度範囲にあることを確実にする。
【0028】
[0047] 図19Cおよび図20Cを参照すると、これらは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイス100Cを概略的に例示する。デバイス100Cは、全体的に図19Aのデバイス100Aと似たものであり得るが、デバイス100Cは、更に、導波管103または導波管103の少なくとも1以上の領域を囲むまたは封入するバルーン170を含む。実証的な実施形態では、バルーン170は、1以上の膨張式のゾーンと、1以上の非膨張式のゾーンとを含むことができる。
【0029】
[0048] 例えば、ゾーン171(光エレメント111、112の近くの位置)は、膨張可能であり、空気または気体の注入またはポンピングに応答してそのサイズまたはボリュームを膨張させること及び拡張させることができる伸縮自在の材料で形成され、同様に、ゾーン172(光エレメント113、114の近くの位置)は、膨張式であり、空気または気体の注入またはポンピングに応答してそのサイズまたはボリュームを膨張させること及び拡張させることができる伸縮自在の材料で形成される。対照的に、ゾーン173および174などのような、バルーン170の他のゾーンまたは領域は非膨張式であり、それらは、伸縮しない材料で形成することができ、そのサイズやボリュームは膨張せず拡張しない。
【0030】
[0049] 幾つかの実施形態では、バルーン・ゾーン171の膨張状態は、そのサイズまたは形状が、バルーン・ゾーン172の膨張状態と必ずしも同一である必要はなく、例えば、バルーン・ゾーン171は、その元の厚さのP1倍に膨張させることができ、バルーン・ゾーン172は、その元の厚さのP2倍に膨張させることができ、P1とP2とは異なる値である。幾つかの実施形態では、バルーン・ゾーン171および172は、必ずしも互いに対称である必要はなく、これらのゾーンは、導波管103の長手方向の次元に沿った異なる領域に位置し得る。
【0031】
[0050] 注入口ユニット175は、デバイス100Cのオペレータがバルーン170を膨張させるためにバルーン170へ空気または気体を挿入または注入または導入またはポンピングすることを可能とし、制御された又は選択的な形で、オペレータが、膨張のレベルを、従って、膨張させられるバルーン・ゾーン(1以上)の厚さも、制御することを可能とする。同様に、排出口ユニット176は、デバイス100Cのオペレータがバルーン170の一部または全体を収縮させるためにバルーン170から空気または気体を除去または汲み出すまたは吸い出すことを可能とし、制御された又は選択的な形で、オペレータが、収縮のレベルを、従って、以前に膨張させられたバルーン・ゾーン(1以上)の残りの厚さも、制御することを可能とする。
【0032】
[0051] 膨張動作と収縮動作とは、同様に、外向き光線(131-134)が交差または接触するまで通る媒体のサイズを変更させ得、従って、導波管103から関連する高エネルギ焦点(141または142)までの距離(Dis1またはDis2)を変更、増加または低減する。このような制御され且つユーザに選択された変更は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで、手術中に、または医療処置が進行中のとき、またはデバイス100Cの少なくとも一部が生体内にあるとき、または導波管103またはその一部が生体内にあるときに、行うことができる。
【0033】
[0052] 幾つかの実施形態は、上記またはここで示した又は説明した2以上の図面またはインプリメンテーションからの特徴および/または機能を、組み合わせることができる。例えば、医療用デバイスの或る実施形態は、図19A図19B図19Cとに示した3つの特徴の全て、即ち、光エレメント111-114と溶液スリーブ165とバルーン170とを含むことができる。同様に、例えば、湾曲した光エレメントまたは他のタイプの光エレメントを用いるここで説明した特徴のような、ここで説明した又は示した他の実施形態または図面からの特徴を、1つのインプリメンテーションまたは1つの医療用デバイスの中で組み合わせることができる。
【0034】
[0053] 図19A図19B図19Cは、図面内が混雑することを避けるために、および図面の明確性を維持するために、これらで示しているデバイス(1以上)のコンポーネントの必ずしも全てではない幾つかのものを示していることに、留意されたい。例えば、そのようなデバイス(1以上)は、電源、デバイス・ユニットの1以上のものを冷却するための冷却ユニット、スリーブまたはカプセルまたは他の封入層(1以上)、および/または他の適切なコンポーネントを含むことができる。
【0035】
[0054] 図19Dを参照すると、これは、幾つかの実証的な実施形態に従った医療用デバイス100Cを概略的に例示する。デバイス100Dは、全体的に図19Bのデバイス100Bと似たものであり得るが、幾つかの実施形態において、デバイス100Dにおいては、光ファイバの内部に位置する内部側の光エレメントは、それらが、光ファイバの近端へ入るレーザ・ビームまたはレーザ・エネルギの全体が、光ファイバの遠端またはその先端部またはキャップを通って出ることを阻止するように、および/または、光ファイバへ入る全てのレーザ・ビームが、光ファイバまたは導波管を伝播する間に、遮断および/または方向転換および/または屈折および/または偏向および/または他の場合としてしは案内または偏向されるようにして、それらの光ビームの全て又はレーザ・エネルギまたは光エネルギの全てが光ファイバの横側パネルまたは側壁から横に出るように、また、光ファイバから順方向または全般的な伝播の方向に関して前向きにレーザ・ビームまたはレーザ・エネルギまたは光エネルギが全く出ないようにするように、および/または、それらの光エレメントは、光ファイバへ入ってきたレーザ・エネルギまたは光エネルギの全体を方向転換させて、その全エネルギが、光ファイバの遠端の先端部またはキャップから放出されるのではなく、光ファイバの1以上の横側パネルを通って出る(または横側から放出される)ように、または光ファイバの横側パネルと全般的に垂直に(または横側パネルに対して斜めに又は角度をつけて)放出されるようにするように、構成および/または配列および/または配置することができることを、実証する。図19Dは、光エレメントのそのような構成を、溶液または気体または液体または流体を含み得るスリーブまたはチャンバと関連させて示して実証しているが、図19Dのそのような特徴は、同様に、上記および/またはここで説明した他の特徴、および/または何れかの他の図面(1以上)に示す他の特徴、例えば、バルーン・チャンバや膨張式スリーブ・セグメントや他のものなどと、組み合わせることができる。
【0036】
[0055] 幾つかの実施形態によると、医療のレーザ・ベースの手順または処置は、レーザ源により生成されたレーザ・エネルギを用いることができる。例えば、プローブの導波管またはファイバは、レーザ・エネルギでの処置が予定されている体組織の部分の近くの位置に配される。導波管またはファイバが適切に配置されると、レーザ・エネルギが、導波管またはファイバを介して、意図された治療の対象である処置位置または対象エリアまたは対象領域へ送られる。幾つかの医療手順では、レーザ・エネルギは、先端部から対象領域へと、横方向に向けられるべきである。
【0037】
[0056] 光ファイバを用いる放射状射出レーザ・カテーテルを用いての、幾つかの「横側発射(side fire)」レーザ・ベースの処置はまた、椎間板切除術、腹腔鏡検査、関節鏡検査、前立腺肥大症、血管形成術、および関連する又は他の外科的処置において用いることができる、ということを出願人は認識している。
【0038】
[0057] 「横側発射」または放射状レーザ・ベースのファイバー・カテーテルは、キャップ内に配される光ファイバ・エレメントを含むことができる。光ファイバ・エレメントは、先端カットを有し、或る傾斜角で又は円錐形状に高度に研磨されており、それに続くのは、空気ギャップまたは他の媒体または特定の屈折率を有する媒体である。レーザ・エネルギが「発射」または放射されると、レーザ出力ビームが、(i)ファイバ・コアと(ii)ファイバの先端部までの全体に沿ったクラッドとの屈折率の差に起因して全内部反射により反射される。先端部で、研磨された表面または円錐または他の光エレメントまたは光学的構造により、レーザ光線(1以上)は、伝播の主軸から離れる又は出るようにされ、典型的には、全内部反射または伝播の主軸に対する或る角度のレンズ効果により、反射するようにされる。幾つかのインプリメンテーションでは、先端部は保護用のキャップを含み、キャップ自体は、光学的目的のために働くことができる。
【0039】
[0058]
ファイバからから発せられたレーザ・エネルギは点光源伝播の規則に従い、これは、最終的には、エネルギ源から離れるにつれてエネルギの指数関数的減衰を生じさせる、ということを出願人は認識している。エネルギを追従する熱プロファイルと、吸収プロファイルとは、一般的に、エネルギ源からの放射方向において指数関数的減衰プロファイルを表す、ということを出願人は更に認識している。固有の指数関数的減衰により、源の温度は、源から或る放射距離にある何れの点の温度よりも高いことを余儀なくされる。減衰の強さまたは強度は、主に、その内部を(又はそれを通って)光が伝播する材料の吸収係数に応じたものとなる。
【0040】
[0059] 外科的処置(例えば、間質的処置(interstitial procedure)におけるもの)または医療処置において、処置を予定している対象領域の近くまたは隣にあるが実際には対象領域内にはない、近くの組織または周りの組織または体の領域をレーザ・エネルギにより蒸発させない又は焦がさない又は焼かない必要がある、ということを出願人は認識している。例えば、そのような望まれない蒸発は間質圧の増加の原因となり得、また、それが医療を複雑にする又は悪い結果にする原因となり得る。同様に、望まれない焦がしは、吸収係数を変化させる原因となり得、また、それが、患者を、また、医療用デバイス自体を損傷させる原因となり得るカスケード効果を開始させ得る。更に、エネルギ源の温度と関連する限定または制約は、エネルギの指数関数的減衰により、レーザ・ベースのデバイスの先端部またはエッジと処置を予定している対象領域との間の有効距離の限定または制約へ通じるものである、ということを出願人は認識した。
【0041】
[0060] 幾つかの実施形態は、エネルギ、特に、光エネルギまたはレーザ・ベースのエネルギを再配分する装置または医療用デバイスを提供するが、その再配分の方法は、特定の処置における要求に対して、および/または処置を予定している又は影響を受けることが期待されている対象領域のサイズまたはエリアまたはボリュームに対して、エネルギ(およびその強度レベル)をより良く調節することを可能とし、また、更に、方向性および/またはレーザ・ベースのエネルギの侵入の深さの変更および調節を可能とする。
【0042】
[0061] 例えば、装置または医療用デバイスは、光ユニットを含み、各光ユニット内には2以上の光エレメントがあり、光ユニットの数は、特定のインプリメンテーションの目標を達成するように、または特定のタイプの医療処置を容易にするように、構成または設定可能である。各光エレメントは、外側角(lateral angle)で伝播軸の外側へ(又はそれから離れるように)、レーザ・ビームまたは光ビームの一部を向け直す。次に、複数のビームは、ファイバの中央から或る距離で一致または接触し、そこでエネルギの焦点を生じさせ、次に、元の方向で伝播を続け、広がる。ファイバの中央から焦点への距離は、調節または変更または構成することができ、各光エレメントからのエネルギの一部は、調節または変更または構成することができる。これらの再配分および調節により、放射方向におけるレーザ・ビームのエネルギおよび温度分布のレベリングが可能とされる。
【0043】
[0062] 幾つかの実施形態では、1より多くのレーザ源が用いられ、1より多くの波長を用いる。各波長は、特定の媒体または伝播媒体に関しての様々な吸収係数で特徴付けされる。例えば、異なるエネルギ放出プロファイルに合わせるように、異なる吸収作用を用いることができるが、その理由は、焦点が波長ごとに異なり得、特定の侵入の深さに応じたものであるからである。この構造および方法は、処置を予定している対象領域の特定のエリアまたは次元またはボリュームにより良く適合させるための、放射エネルギおよび温度プロファイルにわたっての多目的の制御を可能とする。例えば、同じ1つの導波管および光ファイバの中を、2つ(又はそれより多く)の異なる波長を有する2つ(又はそれより多く)の異なるタイプのレーザ・ビームまたは光ビームまたは光エネルギまたはレーザ・ベースのエネルギが伝播することができ、それら2つ(又はそれより多く)のビームが、導波管および光ファイバから、全般的な伝播の方向に対して横に(又は導波管および光ファイバの長軸または長手の横に)出ていくようにすることができ、そして、オプションとして、そのような2つの異なるタイプのレーザ・ビームまたは光ビームが、異なる位置で横に出て行くように、および/またはそれらのそれぞれが、異なる生体内位置で及び/又は光ファイバの外部カプセル化のところからの異なる距離で及び/又は異なるエネルギ・レベルで、医療処置を行えるように、方向転換されるように又は影響を及ぼすようにすることができる。
【0044】
[0063] 例えば、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、導波管または光ファイバの中の第1光エレメントにより(又は第1組の光エレメントにより)方向転換させることができ、光ファイバを出て行くようにして、光ファイバの封入スリーブからの第1距離に位置する第1の特定の焦点(又は焦点領域)で重なるようにでき、そこで第1レベルのエネルギE1を提供するようにでき、また、第2の異なる波長λ2を有する第2の異なる組のレーザ・ビームは、導波管または光ファイバの中の第2光エレメントにより(又は第2組の光エレメントにより)方向転換させることができ、光ファイバを出て行くようにして、光ファイバの封入スリーブからの第2距離に位置する第2の異なる特定の焦点(又は焦点領域)で重なるようにでき、そこで第2レベルのエネルギE1を提供するようにでき、また、幾つかの実施形態では、例えば、D1とD2とが異なり、且つ/またはE1とE2とが異なる。幾つかの実施形態では、第1波長λ1は、ヒト組織の第1レベルの吸収と関連するものであるか、または第1吸収係数(A1)を有し、また、第2波長λ2は、ヒト組織の第2の異なるレベルの吸収と関連するものであるか、または第2の異なる吸収係数(A2)を有する。
【0045】
[0064] 別の例では、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、導波管または光ファイバの中にある特定の光エレメントにより(又は特定の組の光エレメントにより)分割され、光ファイバを出て、光ファイバの封入スリーブから第1距離D1のところに位置する第1の特定の焦点(又は焦点領域)で重なることができ、そこで第1レベルのエネルギE1を提供することができ、また、第2の異なる波長λ2を有する第2組の異なるレーザ・ビームは、導波管または光ファイバの中にあるその同じ特定の光エレメントにより(又はその同じ特定の組の光エレメントにより)分割され、光ファイバを出て、光ファイバの封入スリーブから第2距離D2のところに位置する第2の異なる特定の焦点(又は焦点領域)で重なることができ、そこで第2レベルのエネルギE2を提供することができ、幾つかの実施形態では、例えば、D1とD2とは異なり、且つ/またはE1とE2とは異なる。幾つかの実施形態では、第1の波長λ1は、ヒト組織による第1のレベルの吸収と関連するもの又は第1の吸収係数(A1)有するものであり、また、第2波長λ2は、ヒト組織による第2の異なるレベルの吸収と関連するもの又は第2の異なる吸収係数(A2)有するものである。
【0046】
[0065] 幾つかの実施形態では、ファイバは、カテーテルまたはガイド・ワイヤまたはチューブまたはパイプまたはプローブなどのような構造、および導波管を囲む液体媒体(複数)または液体媒体(単数)および/またはその周りにあるカプセルの内側に埋め込まれる。幾つかの実施形態によると、液体媒体は、特定の溶液または2以上の溶液または液体の混合液または組み合わせを含むことができ、グルコースまたはエタノールを含む水などのような幾つかの溶液に関しては、溶質の濃度により屈折率が変化する。例えば、水が溶媒でありグルコースが溶質である溶液に関しては、グルコースの濃度が増加すると屈折率が増加する。2つの材料の境界面を横切る光線は、交差するところの材料の屈折率の間の差に応じた角度で屈折する。材料のうちの1つ(例えば、導波管を囲む液体媒体)の屈折率を変化させると、光線の方向を変化させることになる。光線が導波管から或る距離のところを横切るように設計または構成されている幾つかの実施形態では、この屈折率の変化は、導波管から焦点までの横方向の距離を増加または減少させる。
【0047】
[0066] 幾つかの実施形態では、再配分の別の性質または特徴は、レーザ・ベースのエネルギ放射にわたっての角度制御を可能とする装置または医療用デバイスに基づくことができる。例えば、角度エンベロープ(angular envelope)は、2以上のセクションへとセグメント化することができる。各セグメントは、異なる放射プロファイルを持つ異なる光エレメントを有する。各セグメントは、異なる角度サイズおよび異なるエネルギ密度を有することができる。放射セグメントは、各セグメントにより異なり得る望ましい長さで長手軸に分散している。セグメントへの分離と、異なるパワー・レベルとは、望まれる加熱するボリューム(又は処置の実施を予定している対象領域のボリュームまたは面積)が非対称の構造である場合、および/または処置されるボリューム(または領域)の中央にプローブが正確に位置しない場合(これは、医療用デバイスの先端部が特定の点より先へ到達する又は特定の点より先をプロービングする能力を阻止または限定または制限し得る空間的制約や物理的制約に起因するか、または空間的障害物に起因するか、または医療用デバイスの挿入時または操作時に生じ得るミスアライメントに起因する)に、有用である。
【0048】
[0067] 幾つかの実施形態では、処置を予定しているボリューム(対象領域のもの)に隣接して、処置すべきではないエリアまたはレーザ・ベースのエネルギへ露出させるべきではないエリアがある場合には、放射されたレーザ・ベースのエネルギの方向性は重要である。例えば、脳の特定の処置において、処置を予定している癌に隣接する(又は近所にある又は近接する)機能的に重要なエリア(円蓋、言語中枢など)があり得、前立腺癌の処置では、典型的には、肛門エリアの近くは処置を行わないようにするのが好ましい。
【0049】
[0068] 例示的な実施形態は、2つの角度セグメントを有する1つの光エレメントを有し、セグメントAは90度の角度を有し、セグメントBは180度の角度を有する。セグメントAは源のエネルギの90%を放射し、セグメントBは源のエネルギの10%を放射する。放射エネルギの密度は、エネルギ源により、および光エレメントの構造により制御され、合計パワーは、エネルギ源のパワーと、光エレメントの形状と、合計角度サイズとの関数である。これらは単なる非限定的な例であり、幾つかの実施形態は、異なる数のそのようなセグメントを提供することができ、それらは同じ側または異なる(対向する又は対向しない)側に位置することができ、源のエネルギの異なるパーセンテージの量を出力することができる。
【0050】
[0069] 幾つかの実施形態では、レーザ・ベースまたは光ベースのエネルギのパワーおよび/または方向について制御する光エレメントの能力は、導波管または光ファイバのコアの断面の全体のうちの光エレメントがカバーする相対的なエリアの関数であり得る。
【0051】
[0070] 幾つかの実施形態では、内向きの又は内の方向のウェッジ(又は他の適切な光エレメント)は、連続または続いたスパイラル形状またはスパイラル構造として構築することができ、放射位置に応じて、スパイラル構造にわたって連続的に特定的な光パラメータが分布する。
【0052】
[0071] 実証を目的として、図面のうちの幾つかは、多数の光線やビームや光の経路で図面内が不明瞭になる又は混雑することにならないように、実際の光線をたどったものを簡素化したもの又はその一部を示し得る。
【0053】
[0072] 明瞭化のため、および図面内の混雑を避けるために、図面のうちの幾つかは、コンポーネント(例えば、導波管またはファイバー・オプティックまたは光ファイバ)の全体ではなく一部の断面を示し得る。特定のコンポーネントのそのような例示では、図面に示していない他の部分または領域において類似の構造が存在し得ること(例えば、示したパターンと同じものが続いている、または補足する又は反転した又は鏡像的な構造を有する)が、理解されるであろう。更に又は代替的には、実際の導波管または光ファイバ、またはそのようなものを組み込んだ医療用デバイスは、順に反復する形または連続的なチェーンとして、図面に示したコンポーネント(1以上)の一連となったものを含むことができる。
【0054】
[0073] 幾つかの実施形態では、導波管または光ファイバは、長く薄いチューブまたはパイプと似たような、筒状または全般的に筒状の長い物品として構成することができ、且つ柔軟である又は弾力がある又は屈曲できる又は折り畳みできるものとすることができる。幾つかの実施形態では、オプションとして、医療用デバイス全体および/またはそのスリーブまたは封入エレメント、および/または導波管自体および/または光ファイバ自体に関して、非円状断面(例えば、長円や楕円の断面、卵形の断面)および/または非対称断面を用いることができる。それは、レーザ・ベースのエネルギまたはレーザ・ビーム(1以上)または光または光ベースのエネルギまたは光エネルギまたは光ビーム(1以上)の輸送および/または伝播および/または案内および/または方向付けを行うことができる。それは、典型的には、円状または全般的に円状の断面を有し、また、上述のように非円状および/または非対称の断面を有することができ、典型的には、クラッディングまたはクラッド(同心または全般的に同心)により囲まれた中央コアを有する。幾つかの実施形態では、囲んでいるクラッディングの屈折率は、コアの屈折率よりも僅かに低い(例えば、0.5または1または1.5または2パーセント)。幾つかの実施形態では、導波管または光ファイバは、保護コーティングおよび/またはクッション層によりコーティングすることができ、且つ/またはリジッド・フレキシブル・コーティングまたは層、または柔軟性または弾力性のコーティングまたはジャケットまたは層を、コーティングする(または含む)ことができ、オプションとして、1以上の外部マーキング(1以上)または他の視覚的インジケータ(1以上)を有することができ、これは、特に、医療用デバイスが、非対称的にエネルギを放射するように構成されている場合、または第1レベルのエネルギを第1の特定の側から放射し、第2レベル(異なっている)のエネルギを第2の特定の側(異なっている)から放射するように構成されている場合において、医療用デバイスの使用における助けとなる。
【0055】
[0074] 幾つかの実施形態では、非円状(例えば、長円や楕円や卵形の断面)および/または非対称の断面は、1以上の機能的利点を提供し得る、ということを出願人は認識しており、例えば、これは、光ファイバ(または医療用デバイス)のユーザに、生体内で医療用デバイスを折り曲げること及び/又は曲げること及び/又は動かすことに関しての、増強された機械的制御能力を提供することができ、且つ/または、これは、医療用デバイスのユーザへ、光ファイバの何れの側が体の内側の部分へ向いているかに関して、より良いインジケーションを提供するようにできる(例えば、これはまた、非対称または非等価のエネルギ分配スキームまたはエネルギ放射スキームに従って光ファイバが横へ向けてレーザ・ベースのエネルギを放射するときに、有用であり得る)。幾つかの実施形態では、非円状断面は、例えば、少なくとも1つの直線(またはストレート面)と、少なくとも1つの弧または曲線または半円線または部分的に円状の面(または曲面)を含むことができ、例えば、断面は、直線と、包囲するところが360度より少ない(例えば、330または300または270または180度)弧とから成る。他の適切な構造または断面を用いることもできる。
【0056】
[0075] 図1を参照すると、この図は、特に、医療処置を目的とした伝播する光またはレーザ・ベースのエネルギに関して、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示する。図には長手方向の断面を示し、明瞭化のため及び図面内が混雑しないように、光ファイバの半分のみを示している。実証を目的として1つの光コンポーネント4が含まれているが、幾つかまたは多数のそのような(又はそれと似た)光コンポーネントを直列にして用いることができる。光またはレーザ・ビームは、導波管1の中を、左から右へ、クラッド3で囲まれたコア2を通って伝播する。例えば、光線6(例えば、光の光線、光ビーム、レーザ・ビーム)は、エネルギ源(例えば、レーザ・エミッタ、レーザ送信機、レーザ・ジェネレータ、光源、光エネルギ源)から来る。
【0057】
[0076] 導波管1の内部構造は、内側向きの突出部またはピンまたはウェッジまたは歯を含み、図面では面(または表面)7および8として定義されている。光線6は面7へ到達し、これは、光線6の主な伝播方向に対して(又は導波管1の最長の次元に対して)角度αのところにある。面7と面8との間には、コア2の屈折率の値より低い屈折率の値を持つギャップがあり、内向きの又は内の方向のウェッジまたはウェッジ様または歯様の構造または突出部が形成される(または、導波管1を外側から見たときには、クレータが形成されている)。幾何学的計算に基づいて、表面7への光線6の入射角は、垂直11に関して(90度-α)である。(90度-α)の値が臨界角を超えるかぎり、合計内部反射は、スネルの法則に従って、同じ角度で光線を戻すように反射する。光線は、最終的に、初期の伝播方向に関して角度θで向きを変えられるが、ここではθは2×αである(例えば、この実証的な計算は、伝播の軸に平行な光線に関する)。
【0058】
[0077] 光ファイバの外側の材料がクラッド3とは異なる屈折率を有する場合、光線が表面14へ達したところで、スネルの法則に従って別の向け直しが行われる。実証を目的として、および図面内が混雑しないように、示されている光線は、一般に、導波管の長軸と平行であるが、これらは単なる非限定的な例であり、幾つかの実施形態では、平行ではない光線、または導波管の長軸に完全に平行ではない光線を同様に扱うこと及び用いることができ、そのような場合においては、例えば、導波管の外側に単一の焦点を有するのではなく、導波管の外側に焦点領域または焦点ゾーンを有し得る(例えば、図8では4つの数字12で示す四辺形または菱形のエリア)。
【0059】
[0078] 図2を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の別の部分を概略的に例示し、これは図1に示す導波管の一部と全般的に似ている。図2では、光線6は、垂直11に関しての臨界角を超えない(90度-α)の角度で表面7へ到達し、その光線は、スネルの法則に従って表面7で屈折させられ、表面8へ向けて伝播を続け、そこでの正反射により、その光線は元の軸に関して角度θで向きを変えられる。角度θは、(i)表面8と初期伝播方向との間の角度γと、(ii)表面8上への光線6の入射角δとの合計である。
【0060】
[0079] 図3を参照すると、この図は、特に、医療処置を目的とした伝播する光またはレーザ・ベースのエネルギに関して、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に示す。これは、2つの同じではない光エレメント4および5、例えば、2つの同じではない内向きのウェッジを含み、これらは異なる侵入の深さ及び/又は伝播の全般的方向に対しての異なる角度を有する。2つの光エレメントは、コーティング層またはコーティング部材または封入層またはカプセル13などのような「ジャケット」へ、埋め込んだ又は溝を掘った形にすることができる。実証を目的として、非限定的な例では、同じまたは似た屈折率のカプセルまたはクラッドの材料を用いることができるが、幾つかの実施形態では、異なる値の屈折率のカプセルまたはクラッドの材料を用いることができる。導波管はコア2とクラッド(又はクラッディング)3とを有する。
【0061】
[0080] 実証したように、2つの光線(6および6a)は、左側にあるレーザ源から発せられ、右側へと伝播する。光線6は、第1光エレメント4(第1の内向きのウェッジ)の面7へ到達し、全内部反射が生じ、導波管の長軸に関して(2×α)の角度で向きを変えられ、カプセル13の外面15へ到達し、そこで再び角度θで向きを変えられ、この角度θは、導波管の外側の媒体へ到達したときの全ての反射および屈折の合計である。光線6aは、第1光エレメント4を避けて、導波管の長軸を通って伝播を続け、第2光エレメント5およびその表面9へ到達し、そこで、光線6aは、反射されて、初期の伝播軸に関して角度(2×β)で向きを変えられ、続けて元の軸に関して合計角度Φとなるように屈折させられる。幾つかの実施形態では、表面15へ到達する光線は、カプセルよりも低い屈折率を有する材料へと進み、従って、光線は、屈折させられ、表面15に対する垂直に関しての角度が増加する。導波管は、Φ>θとなるように構築または構成され、それにより、光線は導波管の外側の点12で交差する。導波管からの点12の位置および距離は、導波管と2つの光エレメントとのパラメータにより制御または規定することができ、例えば、それらの絶対寸法に基づくこと、またはそれらの相対的寸法に基づくこと、または第1光エレメント4の内向きの深さと第2光エレメント5の内向きの深さとの比率に基づくこと、または第1光エレメント4の内向きの深さと導波管の円状の断面の直径との比率に基づくこと、または第2光エレメント5の内向きの深さと導波管の円状の断面の直径との比率に基づくことができる。光線(6および6a)は焦点12を過ぎると(超えると)広がり続ける。
【0062】
[0081] 従って、高エネルギの焦点エリア(又はレーザ・ベースの高エネルギの焦点、または光学的な高エネルギの焦点)が、点12のあたりで作成または生成される。このエリアまたは空間領域は、そこで又はそのすぐ近くで交差する光の統合に起因して、高いエネルギ密度または濃度を有する。重畳の量および/または各光エレメント(4および5)から来るエネルギの規模は、光ユニットの特定の特性に基づいて、制御または構成することができ、例えば、それは、特定の深さ、傾斜、3次元形状、それらの間の長手方向距離、または他のパラメータの値を有する2つの特定の光エレメント(4および5)を形成することによりなされる。このエネルギ再配分は、光線が伝播する媒体(1または複数)における温度プロファイルを、エネルギの簡単な指数関数的減衰から平坦な放射プロファイルへ、変更することを可能にする。
【0063】
[0082] 図4を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示し、光学的に見たところを概略的に示している。これは、上記の図3を参照して説明した光ユニットと似たものであり得る光ユニットの概略的な光学的な図を表す。入来する光線6(又は入来する光線の第1部分)は、第1光エレメント4により角度θで導波管の外へと、部分的に反射される。別の入来する光線6a(又は入来する光線の第2部分)は、角度Φで第2光エレメント5の外へ放射される。これらの角度は、全ての内部反射(カプセル自体により含まれる)の全体の産物である。光エレメント5は、光エレメント4から長手方向距離Lのところにある。角度Φは角度θより大きいものとして設定され、主な伝播軸から垂直距離(d)のところにある点12で光線(6および6a)が交差するようにする。距離(d)は、角度の値と、2つの光エレメントの間の距離とに依存したものとなる。幾つかの実施形態では、距離(d)は、下記の実証的な式
d = L sinθ sinΦ / sin(Φ-θ)
を用いて計算または概算または推定することができる。
【0064】
[0083] 従って、幾つかの実施形態では、光エネルギまたはレーザ・ベースのエネルギまたは光学的エネルギでの処置を必要とする対象領域のボリュームへエネルギ・プロファイルを適合させるために、幾何学的パラメータの値を制御または構成または設定することができる。幾つかの実施形態では、各医療用デバイスまたはその各光ユニットは、ボリュームで要求される望ましい値に応じて、異なる値の距離(d)を有することができる。
【0065】
[0084] 図5を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示し、様々な光ベースのエネルギ・プロファイルを有するエリアを概略的に示している。これは、隣接する媒体(1または複数)への光ユニットの影響のエネルギ・プロファイルの図を示している。実証を目的として、2つのみの光線と、導波管の上側のみとが示されている。光線は、角度θおよびΦで光エレメント4および5から、それぞれ、外へと放射される。エネルギの影響、従って、熱の影響を明確にするために、導波管1に隣接する(又は近い)エリアが2つのセクションに分けられており、図面では全体的に矩形のエリアとして示されており、それぞれのそのようなセクションは、中(Medium)を表すMまたは高(High)を表すHと印付けされている。
【0066】
[0085] 例えば、エリア101と102とでは、中エネルギ・レベルが双方の光エレメントから放射されている。エリア103内の点12での光線の交差は、導波管から距離dのところでのエネルギを高エネルギ・レベルへと増加させる。その先では、エリア104および105において、エネルギは再び中レベルへと低下する。その結果として、導波管から離れた(導波管の近くではない)d1で示される遠い距離では中エネルギ・レベルとなる。最大エネルギ・レベルとなるところが導波管から離れるようにすることは、導波管自体を保護する助けとなり(例えば、導波管の表面へのカスケード効果的な熱の影響を妨げることによる)、導波管自体の機械的および熱的な弾性を拡張する助けとなり、且つ/または有効エネルギが届く範囲をより大きい又は更なる処置ボリュームまたは対象領域まで拡張する助けとなる。
【0067】
[0086] 図6を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示している。これは、コア2とクラッド3とを持つ導波管の一部の断面を示す。光ユニットは、2つの連続し且つ非同一の光エレメント(4および5)により構成され、それらのそれぞれは全角度エンベロープ(full angular envelope)をカバーする又は囲む。導波管は、カプセル13の内部または内側にある。
【0068】
[0087] 図7を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示している。この例では、光ユニットは2つの光エレメント(4および5)を有し、光エレメント5は全内部反射ではなく正反射するミラーである。光線6および6aは、左から右へと伝播する。光線6は光エレメント4から角度θで反射する。光線6aは光エレメント5から角度Φで反射する。光線6と6aとは点12で集まり、その後、その先で広がる。エリア19は、2つの光エレメント(4および5)の間に位置する。エリア19は、コア2の一部であり得、またはボイドであり得、または異なる屈折率を有する異なる材料(コア2の材料とは異なる)で形成され得る。
【0069】
[0088] 図8を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示している。これは、曲面を有する1以上の光エレメントを用いる幾つかの実施形態の断面の対称的な図である。左側には、導波管1の一部と、そのコア2およびクラッド(クラッディング)3とを示している。それは曲面7で終端し、これは、軸方向の光線に関連する異なる入射角を持つ部分(7aで示す)を有する。右側には、反射面9を有する異なる第2の光エレメント5が示されている。光線6および6aは、光エレメント4へ向けて左から右へと伝播する。光線6aは、臨界角(コア2の材料とエリア19の材料との間の境界面により設定される)より大きい角度で光エレメント4の曲面の部分7aへ到達する。臨界角を超えると、特定の局部の曲率に応じたものであり表面に沿って変わる角度で、表面7aで光線6aが反射することになる。光線6は、左から右へと伝播し、光エレメント4の曲面の異なる部分である部分7へ到達する。光線6は、その曲面へ、臨界角より小さい角度でぶつかり、そのため、光線6は、最小の屈折または屈折無しで(光エレメント4の曲面の部分7の特定の局部の曲率に応じたものとなる)エリア19へ進む。第2の光エレメント5の曲面9へ到達すると、光線の幾らかは、特定の曲率に応じて、伝播方向に関して或る角度で正反射される。表面7、7a、および9の曲率は、表面で反射された光が、表面での様々な反射および屈折の幾つか又は全ての可能な組み合わせで、導波管から離れた特定の点12で交差するように、設定されるが、例証を目的として、8つのそのような交差点が示されて、可能性のあるもののうちの幾つかを表している。
【0070】
[0089] 図9Aおよび図9Bを参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った導波管1の一部を概略的に例示しており、制御された液体または気体または流体の環境における制御された変化に起因したエネルギ・プロファイルへの変更を示している。幾つかの液体または気体または流体または溶液は、内部溶液の変更に応じて、および/または溶液の濃度の変更または増加または減少に応じて、および/または溶液または材料の混合物の材料または成分の比率の変更または増加または減少に応じて、それらの屈折率、および/またはそれらの光学的特性および/またはそれらがレーザ・ビームまたは光またはレーザ・ベースのエネルギがそれらの中を通ることを許容する様式が変化し得ることを、出願人は認識している。例えば、水とグルコース(またはエタノール)との溶液または混合物は、そのような溶液または混合物の中のグルコース(またはエタノール)の濃度に応じて、その屈折率が変化し得る。幾つかの実施形態によると、導波管は、制御された(または構成可能または変更可能な)液体または気体または流体または溶液の環境内に配置され得、それは、カテーテル内などであり、カテーテル内の導波管を囲む液体または気体または流体または溶液の中などである(これは冷却も行い得る)。従って、液体または気体または流体または溶液の中の溶媒の濃度を制御または変更することは、導波管から向きを変えられた光線の光経路を変化させ得る。
【0071】
[0090] 幾つかの実施形態では、例えば、外部または生体外の制御ユニットは、ポンピングまたは挿入または注入される溶液の濃度を動的に変更または増加または減少するように、医療用デバイスのオペレータにより制御可能に及び/又は選択的に動作させることができ、溶液は、スリーブ・チャンバまたはスリーブ・ストレージ層の中へ、または光ファイバの封入スリーブの一部である流体ストレージ・チャンバまたは流体保持チャンバの中へ、または光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する流体保持カナルまたは流体保持溝の中へ、または光ファイバを含むカテーテルまたは医療用デバイスの一体部品であり得る対応するチャンバまたは溝またはカナルの中へ、または光ファイバの外側に近い又は隣接する位置にある且つ/又は光ファイバと直接的に接触する且つ/又は光ファイバのすぐ隣にある且つ/又は光ファイバへ直接的に取り付けられた且つ/又は光ファイバも受け入れるカテーテル内に直接的に取り付けられた流体保持用のチャンバまたは溝またはカナルまたはスリーブの中へ、ポンピングまたは挿入または注入されるものである。
【0072】
[0091] 幾つかの実施形態では、流体保持用のチャンバまたは溝またはカナルまたはスリーブは、膨張しない溝またはカナルまたはチャンバまたはスリーブでインプリメントされ、それらは、中へ入ってくる空気または気体により膨張させることができず、且つ/又は中へ入ってくる空気または気体に応じてその体積を増加または変更することはなく、且つ/又は固定の体積および/または固定の寸法を有し、そのような溝またはカナルまたはチャンバまたはスリーブを持つ医療用デバイスの寸法または体積または輪郭が一定に保たれて変化しないように、および、そのような溝またはカナルまたはチャンバまたはスリーブの内容物のみが変更され得、それにより、そのような内容物の光学的特性が変更されるが、溝またはカナルまたはチャンバまたはスリーブまたは医療用デバイスの体積や寸法は変更されないようにする、ということに留意されたい。他の実施形態では、オプションとして、流体保持用のチャンバまたは溝またはカナルまたはスリーブは、膨張可能な溝またはカナルまたはチャンバまたはスリーブでインプリメントされ、そのような流体保持用のチャンバまたは溝またはカナルまたはスリーブの中へとポンピングまたは挿入または注入されて中へ入ってくる流体または気体または液体を変化させることにより、且つ/又はそのような変化を成し遂げるために膨張動作および/または収縮動作を行うことにより、そのサイズや体積や寸法や輪郭をオペレータにより変更できるようにする。
【0073】
[0092] 幾つかの実施形態では、制御ユニットは、オペレータが、溶液の濃度を変更すること、そのような流体保持用のチャンバまたはスリーブまたはカナルへ溶液を注入または挿入またはポンピングすること、そのような流体保持用のチャンバまたはスリーブまたはカナルから内容物(または内容物の幾らかのもの)をポンピングして出すこと、既に挿入されている溶液へ固体物のみ又は液体のみを付加すること(例えば、溶液の濃度を変更するため)、流体保持用のチャンバまたはスリーブまたはカナルへ以前に導入した第1液体または第1溶液を、異なる光学的特性を有する第2の異なる流体または溶液に置換すること、および/またはそれらの変更の組み合わせを行うことを、可能にする。
【0074】
[0093] 図9Aで示したように、導波管1はカテーテルの内側または内部に位置する。液体20(また、幾つかの実施形態では、気体、複数の気体の混合物、流体、複数の流体の混合物、溶液)は、カプセル13とカテーテル22との間のボリューム内にある。媒体内の光線の全般的な方向は、光エレメントと、2つの境界面(21および22)での屈折とから得られる結果であり、境界面では1つの材料から他の材料へと光線が進む。液体の変更可能な屈折率は、光線の全般的方向を変化させ得る。光線のそのような向きの変更の利点は、溶液またはその濃度を変更することによっての、光線の焦点(12)の位置および/または導波管からのその距離(d)を変更する能力である。
【0075】
[0094] 図9Aでは、液体(または気体または流体または溶液)の屈折率は、囲んでいるカプセルのものと似たものであり、従って、光線の交差は導波管から距離dのところにある焦点12で生じる。図9Bは、液体または溶液または気体または流体の屈折率が変更されたときの(例えば、溶液の溶媒の濃度を変更することによる)、焦点12の位置および/または距離の変化を示す。例えば、囲んでいる液体(または気体または流体または溶液)の屈折率が低減され、それにより、光線は、導波管からの短くなった距離(d1)のところに位置する点12で交差するように変わる。例えば、囲んでいる液体(または気体または流体または溶液)の屈折率を制御により低減すると、焦点12が導波管へ近づいた位置に生じることとなり、同様に、囲んでいる液体(または気体または流体または溶液)の屈折率を制御により増加させると、焦点12が導波管から遠くへ離れた位置に生じることとなる。
【0076】
[0095] 図10を参照すると、この図は、幾つかの実証的な実施形態に従った、エネルギの指向性の放射を伴う導波管の一部の等角図を例示する。これは複数の内側向きのウェッジを含み、それらは、特定の位置で又は長手軸に沿った特定の長手方向間隔で、開いている又は配されている又は配置されているものであり、一様ではないエネルギ放射を提供する。例えば、コア2とクラッド(クラッディング)3とを有する導波管1(または光ファイバ)は、それへ埋め込まれた6つの光エレメント(30、31、32、33、34、および35で示す)を有することができる。
【0077】
[0096] 6つの光エレメントの組は、角度エンベロープにおける2つのセグメントに分割され、光エレメント30、32、34はセグメントAにあり、光エレメント31、33、35はセグメントBにある。この例では、セグメントAは、エネルギ放射を図面の上側方向へ向け、セグメントBは、エネルギ放射を図面の下側へ向ける。エネルギ放射の向き、角度エンベロープ、およびエネルギ放射の相対的パワーは、光エレメントの構造、それらの深さ、それらの形状、それらの長さ、それらの間の長さ、それらの傾斜角、および/または他の構成可能なパラメータから得られる結果である(又はそれらに依存するものである)。
【0078】
[0097] 実証的な例では、セグメントBは、セグメントAの光エレメントよりも小さいパワー密度を持つ光エレメントを有し、同じセグメントの各光エレメントのパワー密度値は互いに似ている(例えば、P30=P32=P34>P31=P33=P35)。パワー密度は、制御される又は構成可能である又はコア2から偏向させられるエネルギの量に依存する。内向きのウェッジはファイバ・コアへ突き刺さる光エレメントを形成して、光線を偏向させるファイバ・コアの部分を付加する。内向きのウェッジは、それらが侵入する深さが増加すると、それらが光ファイバ内の更なるエリアをカバーするようになるものであり、同じ量のエネルギがコアから放出されるように構成することができる。
【0079】
[0098] 図11図15を参照すると、これらの図は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示している。これらは、様々なパワー密度を提供するための、様々なセグメントでのファイバ軸のエネルギの指向性放射の制御を示し、方向、角速度、およびセグメント間での相対的パワーを制御することを可能にする。
【0080】
[0099] 図11は、上に向いた1つのセグメント30を有する光エレメント4の断面図を示す。光エレメント4は、コアおよびクラッド3と共に示されている。この例では、セグメントは90度の角度γを有する。角度γは、例えば、10度から180度の範囲で、必要に応じて変化させることができる。光エレメント4内ではないエリアは本来の光ファイバであり、また、それらのエリアは、異なる光学的特性または光学的機能を持つ1以上のセグメントを含むことができる。示した例では、光エレメントは、レーザ・ベースまたは光ベースのエネルギの合計の約4分の1の偏向を行う(例えば、光ファイバの長手と相対的に横へ又は長手から離れるようにする)。
【0081】
[00100] 図12は、2つの平行な光エレメントの断面図を示し、それらは、上側の光エレメント4(上を向いており、上側セグメント30と対応している)と、下側の光エレメント2(下を向いており、下側セグメント32と対応している)とである。この場合、2つの光エレメントのそれぞれのものは90度をカバーし、それらは似たパワー密度を有する。
【0082】
[00101] 図13は、上に向いた1つのセグメント30を有する光エレメントの断面図を示し、これは、形状が図11に示す光エレメントと全般的に似ているが、図13に示す光エレメントは、面積が減らされており、従って、図11の光エレメントが提供するパワー密度と比べて低いパワー密度を提供する。図13の面積が低減された光エレメントは、従って、伝播する光線の入射エネルギの、より小量の部分の偏向を行う。例えば、その構造に起因して、図13の光エレメントは、コアの外側リムへ到達する(またはその近くを伝播する)光線のみの偏向を行い、コアの中央(またはその近く)を伝播する光線は、その光エレメントの偏向エリアを避け、その光エレメントの先へと伝播を続ける。
【0083】
[00102] 図14は、提供するパワー密度が増加されたセグメント30を有する光エレメントの断面図を示す。光エレメントは、セグメントの角度割合が似ていたとしても(例えば、90度)、入射する光線の多くの部分が偏向されることにより、より高いパワー密度を提供する。偏向エリアの向きは、主に、光エレメントにおける表面の角度に応じたものであり、従って、同じに留まる。
【0084】
[00103] 図15は、180度または光ファイバの断面の全エリアの半分をカバーするセグメントを有する光エレメントの断面図を示す。従って、伝播するエネルギの半分または約半分が、光エレメントにより偏向させられる。
【0085】
[00104] 図16-17および図18A-18Bを参照すると、これらの図は、幾つかの実証的な実施形態に従った幾つかの導波管の断面図を概略的に例示している。それらは、上記の特徴の2以上のものを1つのデバイスへ統合することを示す。
【0086】
[00105] 図16では、導波管1は、1つの連続するスパイラルまたはスパイラル様の光エレメントを有し、それは、異なる内部セクションまたは異なる内向き領域または異なる内向きウェッジを有し、これは、角度エンベロープの幾つか又は全ての分割を組み合わせる又は提供するものである。連続的スパイラルは異なるセグメントを有し、光エレメントの向きは、焦点合わせの要求に適合するように構成される又は変化させられる。様々なセグメントは、放射された光線の方向およびパワー密度を特徴付けする。例えば、セグメント40、42、44は、セグメント41、43、45からの放射の平均パワー密度より高い平均パワー密度を提供する。この構成または構造は、より多くのレーザ・ベースのエネルギまたは光エネルギを、下方向と相対しての上方向へ向ける。放射される相対的パワーの重みまたは比率は、様々な方向に対して調節可能または構成可能とすることができ、且つ/又は同じセグメントの領域内で異なるものとすることができる(望まれる場合には、特定のインプリメンテーションの目標を達成するために)。放射される光線の方向はまた、各セグメントおよび/または各セグメントまたは各エレメント(例えば、各ウェッジ)を構築するために用いられる面または表面の光エレメントの方向および/またはサイズおよび/または形状および/または傾斜により、制御される。限定ではない例として、セグメント44は、斜め方向の放射されたエネルギを右(北東)へ向け、同じ側の隣のセグメント42は、放射されたエネルギを左(北西)へ向け、これらのエレメント(42および44)から放射された光線は、導波管の上の点12で交差する。同様に、セグメント45は、斜め方向の放射されたエネルギを右(南東)へ向け、同じ側の隣のセグメント43は、放射されたエネルギを左(南西)へ向け、これらのエレメント(45および43)から放射された光線は、導波管の下の点12aで交差する。例証的な例では、焦点12での(又は焦点12の近くでの、又は導波管に対して上側に位置する全ての焦点においての)合成されたパワーの密度は、導波管を最初に伝播した全パワーの70%であり、焦点12aでの(又は焦点12aの近くでの、又は導波管に対して下側に位置する全ての焦点においての)合成されたパワーの密度は、導波管を最初に伝播した全パワーの30%である。
【0087】
[00106] 図17では、例えば、エネルギの焦点の延長部分と平行に、エネルギの方向性を達成するために使用できる光ユニットが示されている。例えば、そのような構造は、エネルギの第1の特定の割合のものを下方向へ向けることができ、エネルギの別の異なる特定の割合のものを上方向へ向けることができ、そして、2つの異なる焦点を作ることができ、それらについては、導波管のそれぞれの側に1つの焦点が位置し、それらは導波管からの距離dおよびd1(それぞれ)のところにある。導波管は2つの光エレメントを有し、それらは、第1光エレメント4(例えば、3つの面7、7a、7bを有する)と、第2光エレメント5(例えば、2つの面9および9aを有する)とである。光エレメント5は、例えば、反射材料によるコーティングにより、または他の適切な手段により、反射するものである。光線6、6a、6b、および6cは左から右へ導波管を伝播する。光線6および6cは光エレメント4により反射され、光線6aおよび6bは表面7aで屈折し、第2光エレメント5の方へ伝播し、そこで向きを変えられる。光線6は表面7aへ向けられ、全内部反射を経て、下側へと向きを変えられる。光線6aおよび6bは、表面7aおよびエリア19を通過し、光エレメント5へ到達する。光線6aは表面9で反射して、上側へと向きを変えられる。光線6bは表面9aで反射して、下側へと向きを変えられる。光線6cは表面7bへ到達し、全内部反射を経て、上側へと向きを変えられる。光線6aと6cとは、導波管から上側に距離dのところに位置する上側焦点12で交差する。光線6と6bとは、導波管から下側に距離d1のところに位置する下側焦点12aで交差する。表面7の面積は表面7bの面積よりも大きい(例えば、2又は2.5又は3倍大きい)。断面の面積(または表面7と7a)の比率は、向きを変えられたエネルギが2つ(又はそれより多く)の方向へ放射されたエネルギの望ましい比率を維持するように、構成または設定され、例えば、ここでの場合、表面7-7bと9-9aとに関して70%対30%という比率を維持するようにする(エリア7および7bそれぞれの陰は除く)。
【0088】
[00107] 図18Aおよび18Bを参照すると、これらの図は、幾つかの実施形態に従った、膨張式バルーンに封入された(または囲まれた)導波管または光ファイバの一部を例示している。例えば、カテーテルの先端部は、適切な圧力を加える(または取り除く)ことにより膨張または拡張または縮小できる伸縮可能材料または弾性材料または膨張可能材料から構築され、それにより、特に、光ファイバの放射ゾーンにあるカテーテルの先端部を囲む(またはその近くにある)膨張式バルーンの体積を選択的に増加(または減少)させるようにする。バルーンは、例えば、ボリュームにより膨張させられる(圧力ではなく)、コンプライアント・バルーンまたはエラストメリック・バルーン(例えば、ポリウレタンまたはシリコーンで形成される)、またはノンコンプライアント・バルーンまたは高圧バルーン(例えば、ポリエステルまたはナイロンで形成される)、またはセミコンプライアント・バルーンまたは中圧バルーンとすることができる。
【0089】
[00108] バルーンは、カテーテルの方位角またはその一部または一部分のみをカバーすることができる。カテーテルの先端部の周りのバルーンの体積を増加させることの利点は、幾つかの実施形態では、光ファイバ・エリアの冷却を強化すること、及びカテーテルの先端部自体に隣接する組織でのエネルギ集中を減少させることであり得、これらは、組織の過熱を妨げることの助けとなり得、且つ/又は光ファイバ自体が過熱により損傷しないように保護することになり得、且つ/又は封入された媒体が離れるようにし、このことは、放射されたエネルギの方向および/または高エネルギ焦点が生じる距離(導波管の外側ジャケットから)を変更することとなる。
【0090】
[00109] 図18Aでは、膨張していない状態またはアイドル状態または収縮した状態のバルーンが示されている。図18Bでは、膨張した状態のバルーンが示されている。例えば、図18Aに示すように、光ファイバ1はカテーテル40の中へ挿入される。カテーテルのエリア41は、拡張可能な材料により構成されるエリアであり、カテーテル内にバルーン様の領域を生成する。光ファイバの発光ゾーン42は、カテーテルの先端部45の近くまたは後ろ(例えば、また、カテーテルの先端部自体やその中にではない)に配される又は位置するようにされ、且つ/又はカテーテル40のバルーン・エリアであるエリア41に隣接する。カテーテル40と光ファイバとの間の空間またはギャップまたはポケットまたはチャンネルには、流体(例えば、塩水)が流され、これは、エリア43から入ってエリア44から出て行き、バルーンの冷却または膨張(縮小)のために用いることができる。バルーン内の液圧が低いかぎり、バルーンは収縮した状態にとどまり、光ファイバとカテーテルとの間の距離(r)は、このエリア内では、カテーテルに沿った他のエリアと比べると、似ている又は同じである。カテーテルの最大の外径はwで示している。
【0091】
[00110] 図18Bでは、流体に圧力がかけられ、経路43を介してバルーンの内側へ流れ、経路44を介してバルーンから出て行き、入る流れと出る流れとの間の圧力降下によりバルーンが膨張する。この実証的な例では、バルーンはノンコンプライアントであり、バルーンは、カテーテルのエリア41で光ファイバとカテーテルとの間のギャップがrからr1へ増加すると(即ち、r1>r)、その完全な所定のサイズへ到達する。カテーテルの最大径はwからw1へ増加する(即ち、w1>w)。これは、光ファイバのエネルギ放射のエリアにおいて光ファイバと組織との間のバッファとして働く流体を用いて、光ファイバと組織との間のギャップを有効に増加させる。この増加は、放射されるエネルギが、約r1/rの割合だけ実際上大きいエリアにわたって広がるようにし、それにより、組織と最初に接触する際の放射エネルギの密度を同じ(または似た)割合だけ低減し、その結果として、接触エリアでのホット・スポットまたは熱傷の危険性を低減する。バルーンの周りの組織の圧縮も、印加されるエネルギの有効半径を増加させる。
【0092】
[00111] 幾つかの実施形態は、レーザ・ベースのエネルギまたは光ベースのエネルギまたは光エネルギを方向付けすること及び伝播させること及び放射することができる光ファイバまたは導波管または光ユニットを内部に有する医療用デバイスまたはカテーテルまたは医療用プロービング・デバイスまたは医療用デバイスを含むことができる。光ユニットは、導波管の中に2つ(またはそれより多く)の光エレメントを含む。例えば、近位エレメントAは、元の伝播方向に対して角度θでエネルギの第1部分(エネルギ部分I)を放射する。遠位エレメント(または後続のエレメントまたは第2のエレメントまたは連続するエレメント)Bは、元の伝播方向に対して別の角度Φでエネルギの第2部分(エネルギ部分II)を放射する。角度θとΦとは、導波管の軸から特定の距離(d)のところで光線が交するように、そしてその点から先で広がるように、構成または設定される。各光ユニットは、2より多くの光エレメントを有することができ、それらは、1つの焦点または複数の焦点で交差することができる(導波管の外部で)。各導波管は1つより多くの光ユニットを含むことができる。幾つかの実施形態では、連続的な光ユニット(または直列に接続された光ユニット)は、導波管のコアへ入った光線全体のうちの様々な部分を放射することができる。
【0093】
[00112] 幾つかの実施形態では、光ユニットは2以上の光エレメントを有し、各光エレメントは、元の伝播方向に対して特定の異なる傾斜角で、導波管の全エネルギの一部の向きを変える。導波管または光ファイバの角度エンベロープは、2以上の異なるセグメントへと区分され、そのようなセグメントのそれぞれは、異なるエネルギ放射プロファイルを提供する。
【0094】
[00113] 幾つかの実施形態では、光ユニット(又はその一部)は、液体または溶液または流体(例えば、光ユニットまたは光ファイバまたは導波管の少なくとも1つのセグメントを封入する又は囲む又は覆う又は囲い込むスリーブ、またはチャンバ、または流体格納用のカナルまたは溝などのような、溝またはカナルの中に格納または保持される)の中に配され、そのような液体または溶液または流体の屈折率は変更または構成または制御することができ、それにより、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで液体または溶液の特性を変化させることにより(例えば、流体を変化させる又は置換することにより、または流体の明るさレベルまたはコントラスト・レベルの濃度または清澄性または透明性または半透明性を変化させることにより、または溶液へ溶媒を付加することにより、または他のことにより)、距離(d)に影響を及ぼす。
【0095】
[00114] 幾つかの実施形態では、光エレメントは、例えば、内向きのウェッジまたはチップまたは反射エレメントまたは屈折エレメント、または内向きの突出部またはリブまたはプリズム、または内向きの傾斜した光学的障害物、または内向きの1以上の曲面および/または平面を有する物、または他のタイプのプリズムまたはレンズまたは曲面ミラーまたは凸ミラーまたは凹ミラーまたは平面ミラーとすることができる。
【0096】
[00115] 幾つかの実施形態は医療用デバイスを提供し、それは、人間の体へ少なくとも部分的に挿入されるように構成された光ファイバを含み、その光ファイバは、柔軟性があり、人間の体の外側に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータによる1以上の動作により人間の体の中で制御可能に移動できる遠位端とを有し、1以上の動作は、押すこと、引くこと、折り曲げること、回すこと、方向を変えること、および曲げることを含むグループから選択される。光ファイバは、前記の近位端で、前記の光ファイバと動作的に関連するレーザ・ビーム発生器で生成される1以上のレーザ・ビームを受けるように構成される。光ファイバの少なくとも1つの領域またはセグメントは、前記光ファイバの内部側に、少なくとも1つの光エレメントを含み、光エレメントは、(i)光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームを屈折させる屈折用光エレメントと、(ii)光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向を行う偏向用光エレメントと、(iii)光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向を行い且つ光ファイバ内を伝播する1以上のレーザ・ビームを屈折させる光エレメントとを含むグループから選択される。前記光ファイバの前記内部側に配される少なくとも1つの光エレメントは、特定のレーザ・エネルギの分布および放射のスキームに従って、前記光ファイバを通って伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向および/または屈折を行い、少なくとも1つのレーザ・ビームの方向付けを行って、前記光ファイバの長軸に対して横から、光ファイバの側壁を通って前記光ファイバを出るようにして、前記光ファイバの横に位置する生体内位置へレーザ・エネルギを提供するようにする。
【0097】
[00116] 幾つかの実施形態では、前記光ファイバの前記内部側に位置する少なくとも1つの光エレメントは、2以上のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバの長軸に対して横に出て行くように、および前記光ファイバの長軸に対して横の特定の距離のところで交差および重畳するように、構成される。
【0098】
[00117] 幾つかの実施形態では、前記光ファイバの前記内部側に位置する前記少なくとも1つの光エレメントは、1以上のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバの横から第1の方向に出て行くように構成され、且つ1以上の他のレーザ・ビームが、方向付けされて、前記光ファイバの横から第2の異なる方向に出て行くように構成される。
【0099】
[00118] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、(I)光ファイバの内部側の第1の位置に配され、1以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第1の方向に出て行くように方向付けするように構成される第1光エレメントと、(II)光ファイバの内部側の第2の異なる位置に配され、1以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第2の異なる方向に出て行くように方向付けするように構成される第2光エレメントとを含む。
【0100】
[00119] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、(I)光ファイバの内部側の第1の位置に配され、2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第1の方向に出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第1の距離のところに位置する第1の交差領域で交差および重畳させるように構成される第1光エレメントと、(II)光ファイバの内部側の第2の異なる位置に配され、2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第2の異なる方向に出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第2の異なる距離のところに位置する第2の異なる交差領域で交差および重畳させるように構成される第2光エレメントとを含む。
【0101】
[00120] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、(I)光ファイバの内部側の第1の位置に配され、(i)2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第1の方向に出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第1の距離のところに位置する第1の交差領域で交差および重畳させるように、および(ii)近位端を介して光ファイバへ入ったレーザ・エネルギのNパーセントを、横から前記第1の方向へ出力するように構成される第1光エレメントと、(II)光ファイバの内部側の第2の異なる位置に配され、(i)2以上のレーザ・ビームを、前記光ファイバの横から第2の異なる方向に出て行くように方向付けし、前記光ファイバから第2の異なる距離のところに位置する第2の異なる交差領域で交差および重畳させるように、および(ii)近位端を介して光ファイバへ入ったレーザ・エネルギのMパーセントを、横から前記第2の方向へ出力するように構成される第2光エレメントとを含み、Nは100より小さく、Mは100より小さい。幾つかの実施形態では、NはMとは異なる。幾つかの実施形態では、NはMと必ずしも異なるものとする必要はない。
【0102】
[00121] 幾つかの実施形態では、光ファイバの遠位端はキャップ・エレメントまたは先端部エレメントを含み、レーザ・エネルギEは近位端を介して前記光ファイバへ入り、光ファイバの内部側に位置する少なくとも1つの光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN1パーセントの向きを変えて前記光ファイバの横側から出て行くようにするように、構成され、前記レーザ・エネルギのN2パーセントは、前記光ファイバにより送られて、光ファイバの横方向ではなく順方向に、前記キャップ・エレメントまたは先端部エレメントを介して前記光ファイバの遠位端から出て行く。幾つかの実施形態では、N1は100より小さく、N2は100より小さい。幾つかの実施形態では、オプションとして、N1はN2とは異なる。
【0103】
[00122] 幾つかの実施形態では、光ファイバの遠位端はキャップ・エレメントまたは先端部エレメントを含み、レーザ・エネルギEは近位端を介して前記光ファイバへ入り、少なくとも1つの光エレメントは、光ファイバ内の2つの異なる位置に配された第1光エレメントと第2光エレメントとを含む。光ファイバ内の第1光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN1パーセントの向きを変えて前記光ファイバの横から第1の横方向へ出て行かせるように、構成される。光ファイバ内の第2光エレメントは、前記レーザ・エネルギのN2パーセントの向きを変えて前記光ファイバの横から第2の異なる横方向へ出て行かせるように、構成される。更に、前記レーザ・エネルギのN3パーセントは、前記光ファイバにより送られて、光ファイバの横方向ではなく順方向に、前記キャップ・エレメントまたは先端部エレメントを介して前記光ファイバの遠位端から出て行く。幾つかの実施形態では、N1は100より小さく、N2は100より小さく、N3は100より小さい。幾つかの実施形態では、N1はN2とは異なる。
【0104】
[00123] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、内向きのウェッジまたは内向きの突出部を含み、これは、光ファイバへ入るレーザ・ビームの少なくとも幾つかの向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの横から出ていくようにするものである。
【0105】
[00124] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、(I)光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの第1の横方向へと、光ファイバから横に出ていくようにする第1の内向きの傾斜したウェッジと、(II)光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の異なる部分の向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの第2の異なる横方向に、光ファイバから横に出ていくようにする第2の内向きの傾斜したウェッジとを含む。
【0106】
[00125] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、内向きの全般的にスパイラルまたは全般的にヘリカルの延びた突出部を含み、これは、内部側スパイラル突出部または内部側ヘリカル突出部として光ファイバ内で螺旋状になっており、(i)光ファイバ内を伝播するレーザ・エネルギの光学的特性の変更のための連続体と、(ii)光ファイバ内を伝播するレーザ・ビームの案内のための連続体とのうちの少なくとも1つを提供し、光ファイバへ入るレーザ・ビームの少なくとも幾つかのものの向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの横方向に出ていくようにするものである。
【0107】
[00126] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、光ファイバの内部側に配され、且つレーザ・エネルギの向きを変えて非対称的に且つ前記光ファイバの横から出て行くようにする1つのみの光エレメントまたは2つ以上の光エレメントを含む。近位端を介して光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分は、光ファイバの遠位端を介してではなく前記光ファイバの横から第1の横方向に出て行く。近位端を介して光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の異なる部分は、光ファイバの遠位端を介してではなく前記光ファイバの横から、前記第1の横方向とは非対称の第2の異なる横方向に出て行く。
【0108】
[00127] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、光ファイバの内部側に位置し、近位端を介して光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて光ファイバの横から出るようにて、光ファイバの遠位端を介さずに光ファイバの側壁を介するようにしたレーザ・エネルギを介しての医療処置を可能とするようにする。少なくとも1つの光エレメントはまた、近位端を介して光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の部分の向きを変えて、順方向に光ファイバの遠位端を介して光ファイバから出て行くようにする。
【0109】
[00128] 幾つかの実施形態では、医療用デバイスは、光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを更に含み、光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することを意図されている。封入スリーブは、非膨張式の流体保持用のカナルを含み、これは、流体の流入を受けるように構成され、これにより、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記流体保持用のカナルを介して横から出た後に交差および重畳するところである焦点の変更がなされる。前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上のものを含む。
【0110】
[00129] 幾つかの実施形態では、医療用デバイスは制御ユニットを更に含み、これは、生体外で光ファイバと接続され、特定の流体を、前記非膨張式の流体保持用のカナルへと、または前記非膨張式の流体保持用のカナルから、選択的または一時的にポンピングするようにして、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記非膨張式の流体保持用のカナルを介して横から出た後に交差および重畳するところである焦点を、選択的または一時的に変更させる。
【0111】
[00130] 幾つかの実施形態では、医療用デバイスは制御ユニットを更に含み、これは、生体外で光ファイバと接続され、特定の材料を、前記非膨張式の流体保持用のカナルへと、または前記非膨張式の流体保持用のカナルから、選択的または一時的にポンピングするようにして、それにより、前記非膨張式の流体保持用のカナル内に保持される溶液の濃度を変化させて、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの壁を介し且つ前記非膨張式の流体保持用のカナルを介して横から出た後に交差および重畳するところである焦点を、選択的または一時的に変更させる。
【0112】
[00131] 幾つかの実施形態では、光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを更に含み、光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することを意図されており、前記セグメントにおいて、封入スリーブは膨張式バルーン・チャンバを含み、これは、流体の流入を受けることにより生体内で制御可能に膨張可能であり、流体の流入は、前記膨張式バルーン・チャンバを膨張させることになり、それにより、(i)光ファイバの内壁と、(ii)医療処置がなされる生体内の対象領域との間の距離を変更させることになり、それは、前記生体内の対象領域へ到達するレーザ・ベースのエネルギのパワー密度を変更させることになり、ここでは、前記流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上のものを含む。
【0113】
[00132] 幾つかの実施形態では、少なくとも1つの光エレメントは、少なくとも、(a)第1湾曲型光エレメントであって、(a1)光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第1の部分の向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの第1の横方向に、光ファイバの横から出ていくようにし、(a2)光ファイバへ入るレーザ・エネルギの第2の部分が、前記光ファイバに沿って更に配される第2の異なる湾曲型光エレメントの方へ変更無しで伝播を続けることを可能とする第1湾曲型光エレメントと、(b)前記第2の異なる湾曲型光エレメントであって、前記光ファイバに沿って更に配され、レーザ・エネルギの前記第2の部分を受け、レーザ・エネルギの前記第2の部分の向きを変えて、光ファイバの遠位端を通らずに光ファイバの第2の異なる横方向に、光ファイバの横から出ていくようにする第2の異なる湾曲型光エレメントとを含み、第1湾曲型光エレメントにより光ファイバから横側へ出て行くレーザ・エネルギの第1の部分と、第2湾曲型光エレメントにより光ファイバから横側へ出て行くレーザ・エネルギの第2の部分とは、単一の焦点ではなく焦点の領域である生体内の対象領域で衝突および重畳する。
【0114】
[00133] 幾つかの実施形態では、光ファイバは非円状または非対称の断面を有し、これは、(i)医療用デバイスのオペレータにより行われる屈曲動作の機械的制御を向上させ、且つ(ii)医療用デバイスのオペレータが光ファイバの生体内での空間的な方向を効率的に理解することを可能とする。
【0115】
[00134] 幾つかの実施形態では、光ファイバは長円形または卵形の断面を有する。
【0116】
[00135] 幾つかの実施形態では、光ファイバは、直線および300度未満の弧(または330度未満の弧、または270度未満の弧)を含む断面を有する。
【0117】
[00136] 幾つかの実施形態では、前記の少なくとも1つの光エレメントを光ファイバの内部へ組み込むことにより、光ファイバは、方向性があり横に向けられたものであり非順方向へ向けられたものであるレーザ・エネルギを放射するように構成され、これは、光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を通らずに光ファイバの側壁を通って横へ放射され、これは、重み付けされたエネルギの放射のスキームに従ったものであり、このスキームは、(i)光ファイバへ近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN1パーセントが、光ファイバの側壁の第1位置を通って第1の横向きの非順方向の方へと、横に放射されること、および(ii)光ファイバへ近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN2パーセントが、光ファイバの側壁の第2位置を通って第2の横向きの非順方向の方へと、横に放射されること、および(iii)光ファイバへ近位端を介して入ったレーザ・エネルギのN3パーセントが、光ファイバの順方向に光ファイバの遠位端のキャップまたは先端部を介して放射されることを、定義する。幾つかの実施形態では、N1は、N2とは異なり且つN3とは異なり、そして、N2は、N1とは異なり且つN3とは異なり、また、N3は、N1とは異なり且つN2とは異なる。
【0118】
[00137] 幾つかの実施形態では、光ファイバは、前記の少なくとも1つの光エレメントを光ファイバの内部へ組み込むことにより、方向性があり横に向けられたものであり非順方向へ向けられたものであるレーザ・エネルギを放射するように構成され、これは、光ファイバの最長の次元の前方に位置するのではなく光ファイバの最長の次元の横側に位置する体の位置で医療手順を行い、これは、予め定めた又は動的に変更可能なエネルギ分配スキームに従って、光ファイバの最長の次元の横側に位置する前記の体の位置へレーザ・エネルギを提供する。
【0119】
[00138] 幾つかの実施形態では、光ファイバは、光ファイバの近位端で、前記光ファイバと動作において関連する前記のレーザ・ビーム発生器から、(I)第1の波長λ1を有し、人間の体組織による吸収のレベルを示す第1の吸収係数A1を有する第1組のレーザ・ビームを受け取るように構成され、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、光ファイバの中で第1組の光エレメントにより向きを変えられ、これは、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームが、光ファイバの横から放射されるようにし、光ファイバの外側層から第1の距離D1のところにある第1の特定の焦点または焦点領域で重なるようにするものであり、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、前記の距離D1のところにある前記の第1の特定の焦点または焦点領域で第1のレベルのエネルギE1を提供するものであり、また、(II)第2の異なる波長λ2を有し、人間の体組織による吸収のレベルを示す第2の異なる吸収係数A2を有する第2組の異なるレーザ・ビームを受け取るように構成され、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームは、光ファイバの中で第2組の光エレメントにより向きを変えられ、これは、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームが、光ファイバの横から放射されるようにし、光ファイバの外側層から第2の異なる距離D2のところにある第2の異なる特定の焦点または焦点領域で重なるようにするものであり、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームは、前記の距離D2のところにある前記の第2の特定の焦点または焦点領域で第2の異なるレベルのエネルギE2を提供するものである。
【0120】
[00139] 幾つかの実施形態では、光ファイバは、光ファイバの近位端で、前記光ファイバと動作において関連する前記のレーザ・ビーム発生器から、(I)第1の波長λ1を有し、人間の体組織による吸収のレベルを示す第1の吸収係数A1を有する第1組のレーザ・ビームを受け取るように構成され、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、光ファイバの中で特定の光エレメントにより向きを変えられ、これは、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームが、光ファイバの横から放射されるようにし、光ファイバの外側層から第1の距離D1のところにある第1の特定の焦点または焦点領域で重なるようにするものであり、第1の波長λ1を有する第1組のレーザ・ビームは、前記の距離D1のところにある前記の第1の特定の焦点または焦点領域で第1のレベルのエネルギE1を提供するものであり、また、(II)第2の異なる波長λ2を有し、人間の体組織による吸収のレベルを示す第2の異なる吸収係数A2を有する第2組の異なるレーザ・ビームを受け取るように構成され、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームは、光ファイバの中で前記と同じ特定の光エレメントにより向きを変えられ、これは、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームが、光ファイバの横から放射されるようにし、光ファイバの外側層から第2の異なる距離D2のところにある第2の異なる特定の焦点または焦点領域で重なるようにするものであり、第2の波長λ2を有する第2組のレーザ・ビームは、前記の距離D2のところにある前記の第2の特定の焦点または焦点領域で第2の異なるレベルのエネルギE2を提供するものである。
【0121】
[00140] 幾つかの実施形態では、医療用デバイスは、光ファイバ内でのレーザ・エネルギの全般的伝播方向の横方向へレーザ・エネルギを放射することにより、生体内でのレーザ・ベースの医療手順を行うように、構成される。
【0122】
[00141] 幾つかの実施形態では、光ファイバへ近位端を介して入るレーザ・ビームの全体が、光ファイバ内を伝播し、次に、光ファイバの横側パネルを介して横に放射され、光ファイバへ近位端を介して入るレーザ・ビームのうち、光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を介して光ファイバから出るものは全くない。
【0123】
[00142] 幾つかの実施形態は、少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバを含む医療用デバイスを含む。光ファイバは柔軟性があり、人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、1以上の動作は、押すこと、引くこと、折り曲げること、回すこと、方向を変えること、および曲げることを含むグループから選択される。光ファイバは、前記の近位端で、前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器で生成された1以上のレーザ・ビームを受けるように、構成される。光ファイバの少なくとも1つの領域は、前記光ファイバの内部側において、少なくとも1つの光エレメントを含み、これは、前記1以上のレーザ・ビームの少なくとも一部が側壁を介して光学的に横に光ファイバから出るようにし、また、レーザ・エネルギを、前記光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を通るのではなく前記光ファイバの最長の次元の横への又は最長の次元に垂直な方向性のある放射にする。医療用デバイスは、光ファイバ内のレーザ・エネルギの全般的伝播方向に対して横向きにレーザ・エネルギを放射することによる、生体内のレーザ・ベースの医療手順を行うように、構成される。医療用デバイスは、光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを含み、光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することが意図されている。封入スリーブは、前記セグメントのところにおいて、膨張式バルーン・チャンバを含み、これは、流体の流入を受けさせることにより生体内で制御可能に膨張させることができ、流体の流入は、前記膨張式バルーン・チャンバを膨張させ、それにより、(i)光ファイバの内壁と(ii)医療処置を行う予定の生体内の対象領域との間の距離を変化させ、それにより、前記の生体内の対象領域へ到達するレーザ・ベースのエネルギのパワー密度を変化させる。前記の流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上のものを含む。
【0124】
[00143] 幾つかの実施形態は、少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバを含む医療用デバイスを含む。光ファイバは柔軟性があり、人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、1以上の動作は、押すこと、引くこと、折り曲げること、回すこと、方向を変えること、および曲げることを含むグループから選択される。光ファイバは、前記の近位端で、前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器で生成された1以上のレーザ・ビームを受けるように、構成される。光ファイバの少なくとも1つの領域は、前記光ファイバの内部側において、少なくとも1つの光エレメントを含み、これは、前記1以上のレーザ・ビームの少なくとも一部が側壁を介して光学的に横に光ファイバから出るようにし、また、レーザ・エネルギを、前記光ファイバの遠位端に位置するキャップまたは先端部を通るのではなく前記光ファイバの最長の次元の横への又は最長の次元に垂直な方向性のある放射にする。医療用デバイスは、光ファイバ内のレーザ・エネルギの全般的伝播方向に対して横向きにレーザ・エネルギを放射することによる、生体内のレーザ・ベースの医療手順を行うように、構成される。医療用デバイスは、光ファイバの少なくとも1つのセグメントを封入する封入スリーブを含み、光ファイバの前記セグメントは、前記人間の体へ挿入することが意図されている。封入スリーブは、非膨張式の流体保持用のカナルを含み、これは流体の流入を受けるように構成され、それにより、2以上のレーザ・ビームが前記光ファイバの側壁を介し且つ前記流体保持用のカナルを介して横向きに出た後に交差および重畳するところである焦点が変更されるようになり、ここにおける前記の流体は、気体と、液体と、溶液と、生理食塩水と、水と糖との溶液と、水と塩との溶液とのうちの1以上のものを含む。
【0125】
[00144] 幾つかの実施形態は医療用デバイスを動作させる方法を含み、その方法は、少なくとも部分的に人間の体へ挿入されるように構成された光ファイバを提供および/または製造および/または生産することを含み、光ファイバは、柔軟性があり、人間の体の外部に留まる近位端と、医療用デバイスのオペレータの1以上の動作により人間の体内を制御可能に移動できる遠位端と有し、1以上の動作は、押すこと、引くこと、折り曲げること、回すこと、方向を変えること、および曲げることを含むグループから選択されるものであり、且つ、方法は、前記光ファイバと動作において関連するレーザ・ビーム発生器により生成された1以上のレーザ・ビームを前記光ファイバの近位端の中へ提供することと、前記光ファイバの内部側に位置する少なくとも1つ光エレメントを介して、特定のレーザ・エネルギの分配および放射のスキームに従って、前記光ファイバを通って伝播する1以上のレーザ・ビームの偏向および/または屈性を行うことと、少なくとも1以上のレーザ・ビームが、前記光ファイバの側壁を通って前記光ファイバの長軸に対して横に前記光ファイバから出るようにして、前記光ファイバの横に位置する生体内の位置へレーザ・エネルギを提供するように、方向付けすることとを含む。
【0126】
[00145] ここで用いた「複数(plurality)」または「複数(a plurality)」という用語は、例えば、「多数」または「2以上」を含む。例えば、「複数のアイテム」は2以上のアイテムを含む。
【0127】
[00146] 「1つの実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「様々な実施形態」、「幾つかの実施形態」、および/またはこれらと似た用語は、そのように説明された実施形態(1以上)がオプションとして特定のフィーチャー、構造、または特徴を含み得る、ということを示し得るが、全ての実施形態が必ずその特定のフィーチャー、構造、または特徴を含むとは限らない。更に、「1つの実施形態において」という句を繰り返して使用することに関しては、同じ実施形態についての言及である場合もあるが、必ずしも同じ実施形態についての言及であるとは限らない。同様に、「幾つかの実施形態において」という句を繰り返して使用することに関しても、同じ実施形態の組またはグループについての言及である場合もあるが、必ずしも同じ実施形態の組またはグループについての言及であるとは限らない。
【0128】
[00147] アイテムまた対象物を説明するためにここで用いられている「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などのような順序を表す形容詞の使用は、特に指定がないかぎり、単に、そのようなアイテムまた対象物の様々な場合についての言及がなされている、ということを示すものであり、そのように説明されているアイテムまた対象物が、時間的または空間的またはランキングでまたは他の何れかの順序付けの様式で特定の所与の順にされるべきであることを暗示することは、意図してしない。
【0129】
[00148] 1以上の実施形態を参照してここで説明した機能、動作、コンポーネント、および/または特徴は、1以上の他の実施形態を参照してここで説明した1以上の他の機能、動作、コンポーネント、および/または特徴と組み合わせること又はそれらと組み合わせて用いることができ得る。ここで説明したモジュールまたは機能またはコンポーネントが先の記載における異なる場所や異なる章で説明されていたとしても、また、異なる図面や複数の図面にわたった説明されていたとしても、幾つかの実施形態は、ここで説明したモジュールまたは機能またはコンポーネントの幾つか又は全てのものの任意の可能な組み合わせ、再配置、組み立て、再組み立て、または他の使用を含むみ得る。
【0130】
[00149] 幾つかの実証的な実施形態の特定の特徴がここで例示され説明されたが、当業者は、様々な変更、代用、改変、および等価物を思い浮かべるであろう。したがって、請求の範囲は、全てのそのような変更、代用、改変、および等価物を含むことを意図している。
図1
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【国際調査報告】