(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-04
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
G04G 3/00 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G04G3/00 K
G04G3/00 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578052
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022064909
(87)【国際公開番号】W WO2022268463
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021116557.1
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523233020
【氏名又は名称】リアライゼーション デサル アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボンケ,マイケル
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002CB02
2F002CB03
2F002ED01
2F002ED02
2F002GA06
(57)【要約】
本発明は、発振システム(1)を備えたタイマ構成(10)を包含する時計(100)、特に腕時計に関する。発振システム(1)は、光導波路(20)を備えた光導波路構成(2)と、光導波路構成にクロックされた光信号を供給するように適合された電気-光変換器(3)と、光導波路からの光信号の受信、および受信した光信号に基づいた電気信号の発生に適合された光-電気変換器(4)と、を包含する。タイマ構成(10)は、さらに、電気信号の周波数に基づいて使用信号を発生するように構成された電子使用信号発生装置(116)を包含する。時計(100)は、さらに、使用信号に基づいた時間の表示に適合された時計表示装置(102)を包含する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(100)、特に腕時計であって、
発振システム(1)を備えたタイマ構成(10)、
を包含し、
前記発振システム(1)は、
光導波路(20)を備えた光導波路構成(2)と、
前記光導波路構成にクロックされた光信号を供給するように適合された電気-光変換器(3)と、
前記光導波路からの前記光信号を受信し、前記受信した光信号に基づいた電気信号を発生するように適合された光-電気変換器(4)と、
を包含し、
前記タイマ構成(10)は、前記電気信号の周波数に基づいて使用信号を発生するように構成された電子使用信号発生装置(116)と、前記使用信号に基づいた時間を表示するように適合された時計表示装置(102)と、を包含する、時計(100)。
【請求項2】
前記発振システム(1)は、前記光導波路構成(2)内に前記電気-光変換器(3)から前記光-電気変換器(4)への光信号路(5)と、前記光-電気変換器(4)から前記電気-光変換器(3)への電気信号路(6)と、を包含し、前記電気-光変換器(3)は、前記光-電気変換器(4)の前記電気信号に基づいて制御可能である、請求項1に記載の時計(100)。
【請求項3】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)の間に前記電気信号を増幅するための電気増幅器(60)、特にトランスインピーダンス増幅器、を包含する、請求項2に記載の時計(100)。
【請求項4】
トリガ(61)と、モノフロップ(62)と、を包含し、前記トリガ(61)は、前記光-電気変換器(4)からの前記電気信号を用いて前記モノフロップ(62)を駆動するように構成され、前記モノフロップ(62)は、前記電気-光変換器(3)を制御するための出力パルスを発生するように構成される、請求項2または3に記載の時計(100)。
【請求項5】
前記電気信号路(6)は、前記電気信号を反転するように構成される、請求項2から4のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項6】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)との間に配置される、前記電気信号をフィルタリングするための周波数フィルタ(63)を包含する、請求項2から5のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項7】
前記電気信号を方形波信号に変換するように構成されたシュミット・トリガ(64)、を包含する、請求項2から6のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項8】
前記光導波路構成(2)は、無限ループとして形成され、前記タイマ構成(10)は、
- 前記無限ループから前記光-電気変換器(4)へ前記光信号を分離するための光スプリッタ(51)と、
- 前記電気-光変換器(3)から前記無限ループへ前記光信号を結合するための光カプラ(53)と、
を包含する、請求項1に記載の時計(100)。
【請求項9】
無限ループとして構成された前記光導波路構成(2)に光増幅器(55)を包含する、請求項8に記載の時計(100)。
【請求項10】
前記電気-光変換器(3)は、前記光-電気変換器(4)の電気信号によって制御可能である、請求項8または9に記載の時計(100)。
【請求項11】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)との間に前記電気信号を増幅するように適合された電気増幅器(60)を包含する、請求項10に記載の時計(100)。
【請求項12】
前記光導波路構成(2)は、前記光カプラ(53)と前記光スプリッタ(51)との間の第1の部分(21)と、前記光スプリッタ(51)と前記光カプラ(53)との間の第2の部分(22)と、に分けられ、
前記第2の部分(22)の前記光信号の遅延が、前記光スプリッタ(51)から前記光カプラ(53)までの並列信号の遅延に対応する、
請求項8から11のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項13】
データ・セットに基づいて前記電気-光変換器(3)の入力信号を変調する変調器(68)を包含するデータ・ユニット(67)を包含する、請求項1から12のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項14】
- データ・セットを記憶するためのメモリ・ユニット(133)、および/または、
- データ・セットを入力するための入力ユニット(134)、および/または、
- 前記光-電気変換器(4)の前記変調された出力信号から前記データ・セットを読み出すための読み出しユニット(131)と、特に前記読み出したデータ・セットに基づいて情報を出力するための出力ユニット(132)と、
を包含する、請求項13に記載の時計(100)。
【請求項15】
所定の水晶発振器の発振周波数を伴う水晶発振器(127)を包含し、
前記電子使用信号発生装置(116)は、前記電気信号の前記周波数と前記水晶発振器の発振周波数とを比較して実際の比較値を発生し、かつ前記電気信号の前記周波数および前記実際の比較値に基づいて前記使用信号を発生するように適合される、
請求項1から14のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項16】
複数の温度依存記憶比較値および関連付けされた補正値が前記使用信号発生装置(116)に記憶され、前記使用信号発生装置(116)は、前記実際の比較値と記憶比較値を関連付け、かつ前記電気信号の前記周波数および前記補正値に基づいて前記使用信号を発生するように適合される、請求項15に記載の時計(100)。
【請求項17】
前記タイマ構成(10)は、さらに、電気機械装置(106)を包含し、
前記時計(100)は、さらに、歯車列(104)と、前記歯車列(104)を駆動するための駆動装置(101)と、前記歯車列(104)と接続されて前記歯車列(104)によって動かすことが可能な時計表示装置(102)と、を包含し、
前記電気機械装置(106)は、前記電子使用信号発生装置(116)によって発生された前記使用信号を用いて動かすことが可能であり、それにより前記電気機械装置(106)は、クロック制御されて直接または間接的に前記歯車列(104)と係合する、
請求項1から16のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項18】
- 歯車列(104)と、
- 前記歯車列(104)を駆動するための駆動装置(101)と、
- 前記歯車列(104)と接続されて前記歯車列(104)を通じて動くことが可能な時計表示装置(102)と、
をさらに包含し、前記駆動装置(101)は、前記使用信号を用いて制御可能である、
請求項1から16のいずれかに記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計、特に腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
クォーツ時計および自動巻きまたは手巻きの機械式時計が技術的現状から周知である。クォーツ時計は、発振クォーツの周波数によってクロックされる。これに対して、オートマチック時計としても知られる自動巻き機械式時計、および手巻き機械式時計は、概して、いわゆる脱進機を制御するテンプの振動によって制御される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、可能な限り正確な時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下においては、発振システムを備えたタイマ構成を包含する時計、特に腕時計について述べる。前記タイマ構成は、使用信号を発生するように構成された電子使用信号発生装置を包含する。さらに、前記時計は、前記使用信号に基づいた時間の表示、特に時刻の表示に適合された時計表示装置を包含する。
【0005】
好ましくは、前記発振システムは、光導波路構成、電気-光変換器、および光-電気変換器を包含する。前記光導波路構成は、光導波路、特に光ファイバを包含する。エレクトリカル・オプティカル・コンバータと呼ばれることもある前記電気-光変換器は、前記光導波路構成へのクロックされた光信号(光信号)を供給するように適合されている。オプティカル・エレクトリカル・コンバータ、またはフォト・エレクトリカル・コンバータと呼ばれることもある前記光-電気変換器は、前記光導波路構成からの前記光信号を受信する、および前記受信した光信号に基づく電気信号を発生するように適合されている。
【0006】
前記電子使用信号発生装置は、前記電気信号の周波数に基づいて前記使用信号を発生させるように構成される。したがって、前記光導波路構成における光の伝播速度(光速)に基づいてクロックを発生させる時計が提供される。前記光導波路構成へ光が入ってから前記光導波路構成の他方の側をその光が出るまでの時間差は、前記光導波路構成内を光が移動する距離および前記光導波路構成における光の伝播速度(光速)だけに依存する。前記光導波路構成の長さおよび物性が既知である場合には、このやり方において固定周波数および固定周期を伴うクロック信号を発生させることが可能である。このことは、前記光導波路構成が前記発振システムの周波数決定要素であることを意味する。
【0007】
特に前記光導波路は、それが前記光導波路構成の最長部を包含することから前記周波数決定要素となる。
【0008】
達成されることになる前記発振システムの発振周波数は、前記電気-光変換器および前記光-電気変換器、および可能性として前記発振システムのそのほかの電気/電子構成要素によって生じる前記信号の遅延にも依存することが理解されるべきである。前記光導波路を通って移動している前記光信号の持続時間に加えて、前記光導波路構成の電子機器の動作時間もまた、前記発振システムの前記周波数を計算するときに考慮に入れられなければならない。しかしながら、移動している前記光の持続時間が直接前記光導波路の長さに比例することに対して、前記光導波路構成内の前記電子構成要素の動作時間は、前記電気-光変換器と前記光-電気変換器の間の前記光導波路がどの程度長いか、または短いかとは無関係に常に同一である。前記光導波路構成内の前記電子構成要素の動作時間、すなわち前記光-電気変換器への前記光信号の到達と前記電気-光変換器による新しい光信号の送信の間の時間遅延は、機能している状態において前記光導波路構成の周波数を測定し、これから前記発振システムの振幅の合計の持続時間を知り、この持続時間から前記光導波路を(前記電気-光変換器から前記光-電気変換器までの)通る前記光信号の理論的な持続時間(計算によって決定される)を差し引くことによって非常に容易に測定することが可能である。
【0009】
前記光導波路を通って移動する間の前記光信号の持続時間の実践的な測定もまた、この方法において行うことが可能である:
【0010】
同一の構成要素を備えた同一の電気信号路を包含するが、それらの光導波路構成の長さ、特にそれらの光導波路構成の光導波路の長さが異なる2つの発振システムが、それらの発振周波数に関して測定される。たとえば、第1の発振システム内の光導波路は、10メートルの長さを包含することが可能であり、第2の発振システム内の光導波路は、20メートルの長さを包含することが可能である。そのときに結果としてもたらされるデータから、両方の場合において、電路では同一の持続時間を有するが、光路では、一方の場合が他方の場合の2倍の持続時間を有していなければならないことから、光路、特に前記光導波路構成の持続時間、および電路の持続時間が非常に容易に決定される。
【0011】
前記電路を通る電気信号の持続時間の明確な決定もまた、この場合に温度変化の間における周波数偏移を補償する適切なテーブルを作成するための前提条件である。
【0012】
したがって、組み立て後の発振システムを測定してその発振周波数を決定することは、有利となり得る。これについては、より詳細な説明を後述する。
【0013】
本発明の時計のクロック発生は、前記時計の運動または位置(水平または垂直)等の影響とは独立である。したがって、特に、前記光制御腕時計は、機械的振動装置を備えた腕時計より有意に正確であり、後者は、時計の装着者の手首のあらゆる運動によって遅延または加速され、時計仕掛の駆動ばねの張力の程度が脱進機への、さらにはテンプ/脱進機の相互作用の周波数への影響を有し、その位置がテンプの振動による動き具合に影響を及ぼす。
【0014】
いわゆるエイジング等の発振水晶に伴って生じる問題、すなわち、発振水晶内への外来原子の侵入またはそのほかの時間に関連する状況に起因して経時的に生じる発振周波数偏移は光制御時計においては生じない。それに加えて、圧電発振水晶を介するクロック発生をはじめ、テンプを介するクロック発生は、機械的振動、すなわち圧電刺激された発振水晶の機械的振動にも基づく。その種の機械的振動は、提案される時計におけるクロックされる光信号より減衰の影響を受けやすい。したがって、光制御時計は、圧電発振水晶の発振によってクロック・パルスを発生する時計より正確である。
【0015】
それに加えて、光制御時計は、クロックされる光信号に基づく発振システムの発振周波数の選択に関して大きな柔軟性を提供する。これは、それぞれの時計の要件、および/または所有者の、または腕時計の場合であれば、その時計の装着者の設計上の好みに従って容易に選択することが可能である。たとえば、前記発振システムが顧客の要件に応じた特定の発振周波数を包含するように前記光導波路構成を、特に前記光導波路を単純なやり方で形成することが可能である。また、前記電気信号の振幅を、したがって前記光信号の振幅を変調すること、したがって前記時計を個別化することも可能である。
【0016】
前記光導波路構成へ前記クロックされた光信号を供給するために、前記電気-光変換器は、電気的な入力信号を光信号に変換するように構成されることが理解されるべきである。
【0017】
前記光信号がクロックされることから、前記電気信号もまた好ましくクロックされることがさらに理解されるべきである。
【0018】
本発明の有利な設計によれば、前記発振システムを発振回路として形成することが可能である。このことは、特に、前記発振システムの構成要素が回路に、すなわち無限ループに構成されることを意味する。
【0019】
前記クロックされた光信号を、好ましくはアナログのクロックされた光信号とすること、特に正弦波光信号とすることが可能である。しかしながら、前記アナログ光信号が、正弦波以外の形式を有することも可能である。これに対応させて、前記光-電気変換器によって発生される前記電気信号を、好ましくはアナログ電気信号とすること、特に正弦波電気信号とすることが可能である。しかしながら、前記アナログ電気信号は、前記光信号に対応する正弦波形状以外の形状を包含することも可能である。
【0020】
しかしながら、前記クロックされた光信号を、特に、デジタル光信号とすることも可能である。それに対応させて、前記光-電気変換器によって発生される前記電気信号を、特に、デジタル電気信号とすることが可能である。
【0021】
好ましくは、前記電気-光変換器は、半導体レーザまたは発光ダイオードを包含する。
【0022】
特に、前記クロックされた光信号を前記光導波路へ直接供給するように前記電気-光変換器を構成することが可能である。
【0023】
前記光導波路は、好ましく、シングルモード・ファイバを包含することが可能である。マルチモード・ファイバとは対照的にシングルモード・ファイバは、通過時間のばらつきおよびモードのばらつきに左右されない。しかしながら、前記光導波路がマルチモード・ファイバを包含することも可能である。マルチモード・ファイバは、前記光の、前記光導波路への結合および前記光導波路からの分離がより容易に可能であるという利点を有する。
【0024】
前記発振システムを提供するために、前記クロックされた光信号または前記電気信号のための所望の周波数を有利に最初に選択することが可能であり、続いて、前記発振システム、特に前記光導波路構成および前記光導波路を、その長さに関して、対応する所望の周波数が達成されるような方法で適合させることが可能である。前記発振システムが形成された後、それを測定して前記クロックされた光信号および前記電気信号の実際の周波数を決定することが可能である。前記実際の周波数が前記所望の周波数から逸れている場合には、相応じて前記発振システムを前記所望の周波数に達するまで修正することが可能である。しかしながら、前記発振システムを、特に前記光導波路構成および前記光導波路を、必要に応じて最初に、それの長さに関して形成することも可能である。その後、前記適合済み発振システムを測定して前記クロックされた光信号および前記電気信号の前記周波数を決定することが可能である。したがって、前記決定された周波数を考慮に入れて、前記使用信号発生装置を、前記決定された周波数に基づいて前記使用信号を発生するように構成することが可能である。たとえば、使用信号発生装置がパルス・カウンタを包含する場合においては、前記パルス・カウンタによってカウントされた電気信号との比較に用いられる所定のカウント値を、前記電気信号の前記決定された周波数に基づいて設定することが可能である。
【0025】
好ましくは、前記光-電気変換器はフォトダイオードを包含する。前記フォトダイオードは、前記クロックされた光信号を前記電気信号に変換するように構成される。有利なやり方では、前記電気信号が電流信号である。
【0026】
好ましくは、前記発振システムは、さらに、前記電気信号に基づいて前記電気-光変換器を駆動ように構成されたドライバを包含する。前記電気-光変換器が半導体レーザを包含するときには、前記ドライバを半導体レーザ・ドライバと呼ぶことも可能である。それに対応して、前記電気-光変換器が発光ダイオードを包含する場合においては、前記ドライバを発光ダイオード・ドライバと呼ぶことも可能である。
【0027】
本発明の第1の有利な設計によれば、前記発振システムが、前記光導波路構成、特に前記光導波路に前記電気-光変換器から前記光-電気変換器への光信号路、および前記光-電気変換器から前記電気-光変換器への電気信号路を包含することが可能である。前記電気-光変換器は、前記光-電気変換器の前記電気信号に基づいて有利なやり方で制御可能である。このことは、特に、前記光-電気変換器の前記電気信号が前記電気-光変換器をトリガして前記光信号を前記光導波路構成へ、特に前記光導波路へ供給させることを意味する。
【0028】
特に、前記発振システムは、光フィードバックを伴う発振回路として設計することが可能である。前記光フィードバックは、前記電気-光変換器の前記光信号(光出力信号)が前記光導波路構成、特に前記光導波路を介して前記光-電気変換器の入力と結合可能であることから生じる。前記光-電気変換器、前記光-電気変換器から前記電気-光変換器までの前記電気信号路、および前記電気-光変換器を、特に、本発明の時計のこの設計においてはトランシーバと呼ぶことが可能である。前記電気-光変換器の前記光信号は、前記光導波路構成、特に前記光導波路を介して前記トランシーバの入力へフィードバックすることが可能である。
【0029】
好ましくは、前記時計、特に前記発振システムは、前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間に前記電気信号を増幅するための電気増幅器を包含する。
【0030】
前記電気増幅器は、好ましく、前記電気信号を変換するように構成することが可能である。言い換えると、前記電気増幅器の入力に存在する電圧信号が前記電気増幅器の出力において出力される電流信号に変換されるか、または前記電気増幅器の前記入力に入る電流信号が前記電気増幅器の出力に現れる電圧信号に変換される。それによって、前記電気増幅器のそれぞれの出力信号は、前記電気増幅器のそれぞれの入力信号と比べると増幅される。
【0031】
前記増幅器は、有利には、前記光-電気変換器の(前記信号の方向に関して)下流に配置される。これは、特に、前記電気増幅器の入力信号が前記光-電気変換器の出力信号に対応すること、または前記光-電気変換器の出力信号に基づくことを意味する。
【0032】
特に、前記電気増幅器は、入力電流を出力電圧へ変換するように適合させることが可能である。特に好ましくは、前記増幅器は、トランスインピーダンス増幅器として形成される。前記トランスインピーダンス増幅器は、有利なやり方で入力電流を比例する出力電圧に変換することが可能である。前記電気増幅器の設計に関して言えば、前記光-電気変換器は、受信した光信号を電流信号へ変換するように有利には適合される。特に、前記電気増幅器は、前記光-電気変換器から前記電気-光変換器への前記電気信号路の一部である。
【0033】
好ましくは、前記時計は、特に前記発振システムが、トリガおよびモノフロップを包含する。前記トリガは、前記光-電気変換器からの前記電気信号を介して前記モノフロップを制御するように構成される。前記モノフロップは、好ましく、前記電気-光変換器を駆動する出力パルスを発生するように構成される。特に、前記出力パルスは、前記トリガによる前記モノフロップの制御に応答して発生される。好ましくは、前記モノフロップが、1つの安定状態だけを有するデジタル回路である。前記モノフロップは、前記トリガから到来するトリガ信号によってトリガされると、それのスイッチング状態をあらかじめ定義済みの時間(約1ナノ秒以下)にわたって変化させる。その後前記モノフロップは、それの休止状態へ戻る。特に、前記トリガおよび前記モノフロップは、前記光-電気変換器から前記電気-光変換器への前記電気信号路の部分である。前記モノフロップを備えることによって、クロックされた電気信号が単純なやり方で発生され、それが前記電気-光変換器によって前記クロックされた光信号に変換される。
【0034】
前記光-電気変換器から前記電気-光変換器への前記電気信号路は、好ましく、前記電気信号を反転させるように構成される。
【0035】
好ましくは、前記電気信号路は、反転された前記電気信号を介して前記電気-光変換器のオンとオフを交互に切り替えるように構成される。
【0036】
この目的のため、有利な実施態様によれば、前記電気信号路は(別体の)インバータ(インバータ回路)を包含することが可能である。前記インバータは、好ましく、前記電気-光変換器のオンとオフを交互に切り替えるように適合される。代替の有利な実施態様によれば、上述の前記電気増幅器の、特に上述の前記トランスインピーダンス増幅器の出力を反転出力とすることが可能である。前記電気信号は、前記反転出力によって反転される。さらなる代替の有利な実施態様によれば、上述の前記ドライバの入力を反転入力とすることが可能である。この場合、前記電気信号は前記ドライバの前記反転入力によって反転される。前記電気増幅器の反転出力または前記ドライバの反転入力の場合には、好ましくは、前記電気信号路に別体のインバータは備えられない。
【0037】
前記発振システムは、好ましくは、前記電気信号をフィルタリングするための周波数フィルタをさらに包含する。前記周波数フィルタは、前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間に配置される。特に、前記周波数フィルタを使用し、望ましくないより高い高調波を前記電気信号から除去することによって前記システムにその発振周波数で発振するように強制することが可能である。しかしながら、前記周波数フィルタを用いてより高い高調波を特異的に選択することも可能である。
【0038】
本発明の有利な設計においては、前記周波数フィルタは、前記電気増幅器と前記ドライバとの間に配置される。
【0039】
前記時計、特に前記タイマ構成は、さらに、前記電気信号を方形波信号(シュミット・トリガの出力信号)に変換ように構成されたシュミット・トリガを好ましく包含する。前記シュミット・トリガは、アナログ-デジタル変換器である。前記時計の前記設計に関して言えば、これは、前記シュミット・トリガの入力信号として働く前記電気信号はアナログ電気信号であり、前記方形波信号がデジタル電気信号であることを意味する。特に、前記時計の動作中には、アナログ電圧(アナログ電圧信号)が前記シュミット・トリガの前記入力に現れ、デジタル電圧(デジタル電圧信号)がその出力に現れる。
【0040】
さらにまた、前記シュミット・トリガは、有利なやり方で前記使用信号発生装置と接続される。このことは、前記シュミット・トリガの前記出力信号、すなわち前記方形波信号が、前記使用信号発生装置の入力信号として働くことを意味する。
【0041】
代替においては、シュミット・トリガに代えて別のアナログ-デジタル変換器を使用することが可能である。しかしながら、アナログ-デジタル変換器を備えないことも可能である。
【0042】
注目すべきは、前記電気信号路内の前記電気信号は、電流信号または電圧信号とすることが可能であるということである。前記電気信号は、前記電気信号路において一方のタイプ(電流信号/電圧信号)から他方のタイプ(電圧信号/電流信号)に変換することが可能である。
【0043】
本発明の第2の有利な設計によれば、前記光導波路構成が無限ループとして形成される。それによって、前記タイマ構成は、前記光信号を前記無限ループから前記光-電気変換器へ分離するための光スプリッタ、および前記光信号を前記電気-光変換器から前記無限ループへ結合するための光カプラを包含する。この『無限ループ』という用語は、特に、前記光導波路構成が、いったん発生して前記光導波路構成内に導かれた光信号がループおいて無制限の期間にわたって案内される閉じた光ループとして形成されることを意味する。前記無限ループにおいては、前記光導波路の出力がその入力へ好ましくはフィードバックされる。したがって、前記光カプラを介して送り込まれて前記クロック発生の動作を開始した光信号は、前記無限ループにおいて無限に伝播することが可能であり、前記クロックされた光信号の抽出は、光スプリッタを介して行われる。
【0044】
注目すべきは、本発明の文脈における光スプリッタは、特に、到来する光信号を2つ以上の光信号に分割するように構成された装置であるということである。これに対して、本発明の文脈における光カプラは、特に、1つ以上の光信号を光導波路内に結合するように構成された装置である。
【0045】
好ましくは、前記時計は、無限ループとして形成された前記光導波路構成内の光増幅器を包含可能である。言い換えると、前記光導波路構成は、前記光導波路および光増幅器を包含する。前記光増幅器は、到来する光信号が通過するときに、その通過の間にそれの電気信号への変換を伴うことなく、それを増幅するように有利に構成される。
【0046】
特に、前記光導波路、前記光増幅器、前記電気-光変換器、および前記光-電気変換器を互いに接続する方法は、次のとおりとすることが可能である。前記光導波路の出力が、前記光カプラの第1の入力と接続される。前記光カプラの出力が、前記光増幅器の入力と接続される。前記光増幅器の出力が、前記光スプリッタの入力と接続され、その第1の出力が前記光導波路の入力と接続される。前記電気-光変換器の出力(光出力)が、前記光カプラの第2の入力と接続される。前記光スプリッタの第2の出力が、前記光-電気変換器の入力(光入力)と接続される。電気信号(前記光-電気変換器の出力信号)が、その後、前記光-電気変換器の出力において利用可能になる。この電気信号から、前記使用信号発生装置を介して前記使用信号を好ましく発生させることが可能である。
【0047】
好ましくは、前記電気-光変換器を、前記光-電気変換器からの電気信号によって制御可能であるとし得る。これが、前記光-電気変換器から前記電気-光変換器の間の電気信号路を作る。
【0048】
特に好ましくは、前記時計が電気増幅器を包含することが可能である。前記電気増幅器は、前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間において前記電気信号を増幅するように構成される。このことは、特に、前記電気増幅器が、前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間の前記電気信号路に配置されることを意味する。
【0049】
好ましくは、前記光導波路構成が、前記光カプラと前記光スプリッタの間の第1の部分と、前記光スプリッタと前記光カプラの間の第2の部分に下位区分けされる。これにおいて、前記第2の部分内の前記光信号の遅延は、前記光スプリッタから前記光カプラへの並列信号の遅延に対応する。
【0050】
第1の有利な実施態様によれば、前記第2の部分が、遅延線またはさらなる光導波路を包含することが可能である。前記さらなる光導波路は、第2の光導波路と呼ぶことも可能であり、その場合、前記光カプラと前記光スプリッタの間の前記第1の部分内の前記光導波路は、第1の光導波路と呼ぶことが可能である。この場合は、前記光-電気変換器および前記電気-光変換器が、前記光スプリッタと前記光カプラの間に配置され、互いに接続される。したがって、前記遅延線または前記さらなる光導波路における前記光信号の遅延は、前記光-電気変換器および前記電気-光変換器を介した前記光スプリッタから前記光カプラまでの前記並列信号の遅延に対応する。電気増幅器は、前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間に好ましく配することが可能である。好ましくは、前記光-電気変換器と前記電気増幅器EVの間に単一の電気信号を供給することが可能である。電気信号は、前記電気増幅器と前記電気-光変換器の間において好ましく拾い上げることが可能である。この電気信号から、前記使用信号発生装置を介して前記使用信号を好ましく発生させることが可能である。
【0051】
特に、上述の第1の有利な実施態様における前記光導波路構成の前記構成要素を互いに、また前記電気-光変換器および前記光-電気変換器と接続する方法は、次のとおりとすることが可能である。前記光スプリッタの第1の出力が、前記遅延線または前記第2の光導波路を介して前記光カプラの第1の入力と接続される。前記光カプラの出力が、前記光導波路の入力と接続される。前記光スプリッタの第2の出力が、前記光-電気変換器の入力と接続される。前記電気-光変換器の入力が、前記光-電気変換器の出力と接続される。前記光カプラの第1の入力が、前記遅延線または前記第2の光導波路の出力と接続される。前記光カプラの第2の入力が、前記電気-光変換器の出力と接続される。前記光-電気変換器と前記電気-光変換器の間に電気増幅器が配置されるときは、前記光-電気変換器の出力が前記電気増幅器の入力と接続され、前記電気増幅器の出力が前記電気-光変換器の入力と接続される。
【0052】
第2の有利な実施態様によれば、前記光スプリッタが第1の光スプリッタとなり、前記光カプラが第1の光カプラとなる。それにより、前記第2の部分が、遅延線、第2の光カプラ、および第2の光スプリッタを包含する。さらにまた、前記第1の光スプリッタと前記第2の光スプリッタの間の光信号を増幅するための光増幅器が、前記第1の光スプリッタと前記第1の光カプラの間に好ましく配置される。したがって、前記第1の光スプリッタから前記第2の光カプラ、前記遅延線、および前記第2の光スプリッタを介した前記第1の光カプラまでの前記光信号の遅延は、前記第1の光スプリッタから前記光増幅器を介した前記第1の光カプラまでの並列信号の遅延に対応する。
【0053】
特に、上述の代替の有利な実施態様における前記光導波路構成の前記構成要素を互いに、また前記電気-光変換器および前記光-電気変換器と接続する方法は、次のとおりとすることが可能である。前記第1の光スプリッタの第1の出力が、前記光増幅器の入力と接続される。前記光増幅器の出力が、前記第1の光カプラの第1の入力と接続される。前記第1の光カプラの出力が、前記光導波路の入力と接続される。前記第1の光スプリッタの第2の出力が、前記第2の光カプラの第1の入力と接続される。その出力が前記遅延線の入力と接続される。前記遅延線の出力が、前記第2の光スプリッタの入力と接続される。前記第2の光スプリッタの第1の出力が、前記第1の光カプラの第2の入力と接続される。前記電気-光変換器の出力(光出力)が、前記第2の光カプラの第2の入力と接続される。前記第2の光スプリッタの第2の出力が、前記光-電気変換器の入力と接続される。電気信号(前記光-電気変換器の出力信号)が、前記光-電気変換器の出力において利用可能になる。前記使用信号を、この電気信号から前記使用信号発生装置を介して好ましく発生させることが可能である。2つの前記並列光信号路(第1の信号路:第1の光スプリッタ - 第2の光カプラ - 遅延線 - 第2の光スプリッタ - 第1の光カプラ;第2の信号路:第1の光スプリッタ - 光増幅器 - 第1の光カプラ)に起因して、前記光増幅器が短時間にわたって消勢されたときでさえ、前記光導波路を介して無限ループとして形成された前記光導波路構成における連続する信号の流れを維持することが可能である。このことは、前記無限ループ内の減衰に起因して前記光信号強度が定義可能な最小値より下に降下したときにだけ前記光増幅器を付勢することを可能にする。前記光増幅器のオンとオフを周期的に切り替えることによって、前記クロック発生の電力消費を、必要に応じて最適化することが可能である。
【0054】
好ましくは、前記時計がデータ・ユニットを包含する。好ましくは、前記データ・ユニットが、データ・セットに基づいて前記電気-光変換器の前記入力信号を変調するための変調器を包含する。
【0055】
前記データ・セットは、有利には、禁煙の決意等の個人的な決意、または思いの人の名前、個人的な目標または理想を、またそれだけではなくマントラ等の宗教的メッセージも包含することが可能である。前記データ・セットは、光に関してエンコードされ、前記発振システム内を光の速度で移動することが可能である。コーディングは、たとえば前記電気信号の振幅を変調することによって可能である。前記増幅器が適切に設定されていれば、設定された前記発振システムの発振周波数および前記電気信号の前記周波数への影響はまったくない。これによって時間ベースの正確度が影響を受けることはない。この異なる振幅は、たとえば発光ダイオードによって示すことが可能であり、その場合にはそれが異なる輝度で光る。たとえば、異なる長さの信号パルスを用いるモールス符号のアルファベットをコーディングとして使用することが可能である。
【0056】
特に好ましくは、前記時計は、前記データ・セットを記憶するためのメモリ・ユニットおよび/または前記データ・セットを入力するための入力ユニットおよび/または前記光-電気変換器の前記変調された出力信号から前記データ・セットを読み出すための読み出しユニットを包含することが可能である。さらに好ましくは、前記時計が、前記読み出したデータ・セットに基づいて情報を出力するための出力ユニットを包含することが可能である。前記情報は、たとえば、光および/または音および/または電気的データ信号を包含することが可能であり、好ましくはそれを、WLANまたはブルートゥース(登録商標)を介して出力することが可能である。
【0057】
好ましくは、前記時計は、所定の水晶発振器の発振周波数を伴う水晶発振器を包含する。前記使用信号発生装置は、前記電気信号の前記周波数と前記水晶発振器の発振周波数を比較して実際の比較値を発生するように適合されている。さらにまた、前記使用信号発生装置は、前記電気信号の前記周波数および前記実際の比較値に基づいた前記使用信号の発生に適合されている。したがって、前記電気信号の前記周波数と前記水晶発振器の発振周波数の間の差を考慮に入れて、基準周波数として働く前記使用信号を発生することが可能である。前記電気信号の前記周波数と前記水晶発振器の発振周波数の間の差は、前記実際の比較値によって表される。このことは、前記使用信号の発生時に、前記電気信号の期待される周波数からの前記電気信号の前記周波数の偏移を考慮に入れることを可能にする。その種の偏移は、たとえば、前記発振システムに設定された所定の温度からの温度の偏移によって設定することが可能である。その種の温度偏移は、光導波路が特に温度の関数として膨張することから、前記光導波路構成に、特に前記光導波路に及ぶ影響を有する可能性がある。
【0058】
特に好ましくは、複数の温度依存記憶比較値および関連付けされた補正値が、前記使用信号発生装置に記憶される。前記使用信号発生装置は、さらに、前記実際の比較値を記憶比較値に割り当て、前記電気信号の前記周波数および前記補正値に基づいた前記使用信号の発生に適合される。
【0059】
上述の使用信号を発生するために、前記電子使用信号発生装置は、パルス・カウンタ(バイナリ・カウンタ)(だけ)を有利に包含することが可能である。この場合は、前記パルス・カウンタが、前記発振システムのクロック信号、すなわち前記電気信号をカウントするように構成される。前記パルス・カウンタは、前記電気信号の前記周波数においてプログラムされる。
【0060】
さらにまた、上述の使用信号を発生するために、前記電子使用信号発生装置は、分周器(だけ)を有利に包含することが可能である。前記分周器は、前記クロック信号、すなわち前記電気信号の前記周波数を分割、特に二分周するように構成される。特に、前記電気信号の前記周波数は、2の倍数、特に、524288Hzまたは1048576Hz等の2のべき乗に対応させることが可能である。前記電気信号の前記周波数は、前記分周器を介して1Hzまで、または別の、8Hz等の周波数まで、有利には下げることが可能である。前記下げられた周波数は、前記使用信号に対応し、前記時計表示装置は、それに基づいて時間を表示するように構成される。注目すべきは、たとえば8Hzの周波数を伴う使用信号を用いると、機械式時計表示装置の秒針の跳躍が秒当たり8回生じるが、それを見る人は、それを『跳躍』として知覚しないということである。
【0061】
『だけ』という用語は、パルス・カウンタまたは分周器という用語とともに使用されるとき、特に本発明の文脈においては、2つのタイプの電子構成要素のうちの一方だけ、すなわちパルス・カウンタまたは分周器のいずれか一方だけが、前記使用信号を発生するために備えられて前記使用信号発生装置が形成されることを意味する。
【0062】
しかしながら、分周器とパルス・カウンタの組み合わせが前記使用信号を発生することも可能である。言い換えると、このことは、前記使用信号を発生するための前記タイマ構成が分周器およびパルス・カウンタの両方を包含可能であることを意味する。この場合は、前記分周器が前記パルス・カウンタの(前記信号の方向に関して)上流に有利には配置される。有利なやり方では、第1段において前記分周器によって前記電気信号の前記周波数を二分周し、特に数回にわたって二分周して中間周波数を達成させることが可能である。第2段においては、前記パルス・カウンタを介して前記中間周波数を所望の周波数に、特に利用周波数に至らせることが可能である。第1段において所定の発振周波数の二分周、特に数回にわたる二分周を行って中間周波数を達成し、第2段において前記中間周波数を所望の周波数までカウント・ダウンする手順は、前記電気信号が8.88MHzまたは10MHz等の高い周波数を包含する時計にとって特に有利である。したがって、前記電気信号の前記周波数を単純にカウント・ダウンすることと比較すると、電流を節約することが可能である。
【0063】
パルス・カウンタだけを包含する電子使用信号発生装置の場合においては、前記使用信号発生装置が、前記電流信号のカウント値が所定のカウント値と等しいときに前記使用信号を発生するように有利には構成される。前記所定のカウント値は、前記電気信号の前記周波数に基づいて有利には設定される。
【0064】
分周器だけを包含する電子使用信号発生装置の場合においては、前記使用信号は、前記分周器の出力信号に有利に対応する。
【0065】
パルス・カウンタおよび分周器を包含する電子使用信号発生装置の場合においては、前記分周器の出力信号のカウント値が所定のカウント値と等しいときに、前記電子使用信号発生装置が前記使用信号を発生するように有利に構成される。この場合においては、前記所定のカウント値が、前記分周器によって達成される前記中間周波数に基づいて有利に設定される。
【0066】
さらにまた、前記タイマ構成は、好ましく出力装置を包含することが可能である。前記電子出力装置は、前記使用信号発生装置によって発生された前記使用信号を出力するように構成される。
【0067】
注目すべきは、前記パルス・カウンタおよび前記出力装置または前記分周器および前記出力装置は、それぞれ単一ユニットとして形成することが可能であるということである。
【0068】
前記発振システムの温度および/または前記時計の、特に前記発振システムの周囲における温度の所定温度からの偏移が所定の偏移より大きい間においては、前記使用信号を発生するために、対応する所定の補正率または所定の補正式が考慮に入れられるように有利に前記電子使用信号発生装置を構成することが可能である。対応する所定の補正率は、それぞれの温度偏移に有利に割り当てられる。
【0069】
特に、前記電子使用信号発生装置が、上記のようにパルス・カウンタを包含するときには、その種の温度偏移のある場合に前記所定の補正率または前記所定の補正式を介して前記パルス・カウンタの前記所定のカウント値を補正するべく前記電子使用信号発生装置を有利に構成することが可能である。
【0070】
また、前記使用信号発生装置を、前記発振システムの温度および/または前記時計の、特に前記発振システムの周囲における温度に依存して前記所定のカウント値を補正するように構成することも可能である。この目的のために、温度依存の所定のカウント値(温度に割り当てられた所定のカウント値)を伴ったテーブルおよび/または温度に依存する前記所定のカウント値の関数を、好ましく、メモリ・ユニットに、特に前記使用信号発生装置のそれに記憶することが可能である。
【0071】
前記発振システムおよび/または前記発振システムの周囲の前記時計の前記温度を検出するために、したがって温度偏移を検出するために、前記時計は、好ましくは、温度センサを包含することが可能である。
【0072】
パルス・カウンタおよび/または分周器の存在に関する前記発振システムおよび/または前記タイマ構成の構造とは無関係に、前記時計は、次に挙げる有利な設計を包含することが可能である。
【0073】
前記時計の有利な設計によれば、前記タイマ構成が電気機械装置を包含する。前記時計は、さらに、歯車列、前記歯車列を駆動するための駆動装置、および時計表示装置を包含する。前記時計表示装置は、前記歯車列と接続され、前記歯車列によって動かすことが可能である。前記電気機械装置は、前記電子使用信号発生装置によって発生される前記使用信号を介して動かすことが可能であり、それにより前記電気機械装置は、クロック制御されて直接または間接的に前記歯車列と係合する。特に、前記電気機械装置は、前記歯車列と抑制制御して直接または間接的に係合し、前記歯車列に停止およびそれの再度の解放を交互にもたらす。したがって、前記時計は、振動するテンプによるレートではなく、むしろ周波数制御される装置(前記電気機械装置)を介してクロックされ、前記歯車列のための駆動エネルギは、機械的駆動装置によって提供される。言い換えると、不正確な機械的テンプが、上述の前記タイマ構成によって置き換えられる。
【0074】
したがって、手巻きまたは自動巻き機械式時計およびクォーツ時計の利点が、前記光駆動発振システムの前記発振周波数により自動巻きムーブメントまたは手巻き機械式ムーブメントを制御することによって時計の中で実現される。提案の時計にはテンプが備えられないことから、テンプのクロック、したがって前記時計の時間の流れの正確度に影響を及ぼすすべての機械的な影響が排除される。前記時計のクロックに使用される前記基準周波数は、前記電気信号の前記周波数に基づいており、前記時計の装着者のあらゆる運動による影響を受けない。したがって、前記歯車列の駆動に関して、テンプを用いた従来の機械式時計より遙かに正確な機械式時計が可能になる。
【0075】
前記電気機械装置を前記電子使用信号発生装置によって発生される前記使用信号を介して動かすことが可能であり、また前記使用信号が前記電気信号の前記周波数に基づいて発生されることから、前記電気機械装置が周波数制御可能であり、かつ周波数制御されることが理解されるべきである。
【0076】
有利な実施態様によれば、前記電気機械装置が、前記歯車列と間接的に係合する。本発明の文脈における『間接的』は、特に、前記電気機械装置と前記歯車列の間に少なくとも1つのさらなる構成要素が配置されることを意味する。言い換えると、前記時計のこの設計においては、前述した使用信号を介して前記電気機械装置を動かすことが可能であり、それによって前記電気機械装置は、脱進機のために間接的に前記歯車列と係合する。
【0077】
好ましくは、前記時計がこの目的のために脱進機を包含する。前記脱進機は、前記歯車列と係合している。前記電気機械装置は、前記脱進機を駆動する。このことは、前記時計のこの設計において、前記電気機械装置が前記電子使用信号発生装置によって発生される前記使用信号を介して動かすことが可能であり、それによって前記電気機械装置が前記歯車列と前記脱進機を介して係合することを意味する。言い換えると、前記脱進機は、前記電気機械装置と前記歯車列の間に配置される上述の少なくとも1つのさらなる構成要素に対応する。
【0078】
好ましくは、前記脱進機が、ガンギ車および脱進機部品を包含する。前記脱進機部品は、前記ガンギ車を抑制するように構成される。それによって前記電気機械装置が、前記ガンギ車を駆動するように構成され、前記ガンギ車は、前記歯車列と係合する。
【0079】
特に、前記脱進機は、アンカー脱進機として形成され、前記ガンギ車は、アンカーとして形成される。この場合においては、前記ガンギ車をエスケープ・ホイールと呼ぶことも可能である。
【0080】
本発明の代替の有利な実施態様によれば、前記電気機械装置が前記歯車列と直接係合することが可能である。本発明の文脈における『直接』は、特に、前記電気機械装置と前記歯車列の間にほかの構成要素がまったく配置されないことを意味する。このことは、前記時計のこの設計において、前記電気機械装置を上述の使用信号を介して動かすことが可能であり、それによって前記電気機械装置がクロック制御されて前記歯車列と直接係合することを意味する。
【0081】
前記電気機械装置が直接または間接的に前記歯車列と係合するか否かとは無関係に、本発明の有利な実施態様に従って前記電気機械装置をアクチュエータとして形成することが可能である。本発明の文脈において、アクチュエータは、特に、電気信号を機械的な運動に変換する駆動装置または構造ユニットである。
【0082】
特に好ましくは、前記アクチュエータが、磁気アンカーおよび磁気コイルを包含することができる。この場合においては、前記磁気コイルを、前記使用信号を介して前記磁気アンカーを移動させるように構成することができる。
【0083】
その代替として、前記電気機械装置を好ましくステッパ・モータとして形成することが可能である。前記電気機械装置のこの設計に関して言えば、前記電気機械装置がクロック制御されて前記歯車列と直接係合するときが特に有利である。
【0084】
前記時計の代替の有利な設計によれば、さらに前記時計が、歯車列、前記歯車列を駆動するための駆動装置、および時計表示装置を包含する。前記時計表示装置は、前記歯車列と接続され、前記歯車列によって動かすことが可能である。前記駆動装置は、前記使用信号を介して制御することが可能である。前記駆動装置は、ステッパ・モータとして好ましく形成される。この時計は、特に、機械的な時計表示装置を駆動するためのステッパ・モータを備えた従来のクォーツ時計に対応するが、クォーツ発振水晶として形成されるタイマを備えたタイマ構成が、手前に述べられている前記光駆動発振システムを備えたタイマ構成によって置き換えられている。
【0085】
上述の本発明の2つの有利な設計においては、上述の時計表示装置は機械式時計表示装置であることが理解されるべきである。好ましくは、前記時計表示装置が、時針および/または分針および/または秒針を包含する。
【0086】
前記歯車列は、好ましく、少なくともツツ車および/または日の裏車または秒針車および/または三番車を包含する。
【0087】
前記時計の代替の有利な設計によれば、前記時計が、さらに、電子時計表示装置を包含する。この時計は、特に、従来の電子クォーツ時計に対応するが、クォーツ発振水晶として形成されるタイマを備えたタイマ構成が、手前に述べられている前記光駆動発振システムを備えたタイマ構成によって置き換えられている。
【0088】
本発明のさらなる詳細、利点、および特徴は、以下の図面を参照した実施態様の説明から明らかになるであろう。図面は、次のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】本発明の第1の実施態様に従った時計の簡略化した概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図4】本発明の第1の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図5】本発明の第2の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図6】本発明の第2の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図7】本発明の第3の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図8】本発明の第4の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図9】本発明の第5の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図10】本発明の第6の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図11】本発明の第7の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図12】本発明の第7の実施態様に従った時計の動作原理を説明するための入力信号、出力信号、およびクロック信号の例示的な時間特性を示したタイミング図である。
【
図13】本発明の第8の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図14】本発明の第9の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図15】本発明の第10の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【
図16】本発明の第11の実施態様に従った時計の部分の簡略化した概略図である。
【0090】
以下においては、
図1乃至4を参照して本発明の第1の実施態様に従った時計100を詳細に説明する。
【0091】
図1からわかるとおり、時計100は、腕時計として形成され、したがってリストバンド16ための2つのポート14を包含する。しかしながら、時計100を壁掛け時計、置き時計、卓上時計、またはそのほかのタイプの時計であるとすることも可能である。
【0092】
時計100は、時計ケース11、およびその上に配置される時計ガラス15(風防)を包含する。さらに時計100は、文字板12および、時、分、および秒を表示するための3本の針13を包含する。針13は、時間を表示するための機械式時計表示装置102の部品である。
【0093】
さらにまた、時計100は、タイマ構成10、歯車列104、および歯車列104を駆動するための駆動装置101を包含する。歯車列104は、時計表示装置102と接続され、それで、時計表示装置102の針13を動かすことができる。特に歯車列104は、それぞれが針13のうちの1つと接続されるツツ車、日の裏車、および秒針車を少なくとも包含する。
【0094】
図2は、タイマ構成10は、発振システム1および電子使用信号発生装置116を包含することを示している。
【0095】
使用信号発生装置116は、使用信号を発生するように構成される。使用信号は、時計表示装置102によって使用され、それに基づいて時間を表示することが可能である。
【0096】
発振システム1は、光導波路20、電気-光変換器3、および光-電気変換器4を備えた光導波路構成2を包含する。さらにまた、発振システム1は、電気増幅器60、周波数フィルタ63、およびドライバ65を包含する。周波数フィルタ63は、電気増幅器60とドライバ65との間に配置されている。
【0097】
電気-光変換器3は、半導体レーザまたは発光ダイオードを包含し、クロックされた光信号を光導波路構成1に、特に光導波路20に直接供給するように適合される。クロックされた光信号は、有利には、アナログのクロックされた光信号、特に正弦波光信号である。
【0098】
光導波路20は、好ましくは、シングルモード・ファイバを包含することが可能である。マルチモード・ファイバとは対照的にシングルモード・ファイバは、通過時間およびモードのばらつきに左右されない。しかしながら、光導波路はマルチモード・ファイバを包含することも可能である。マルチモード・ファイバは、光の、光導波路20への結合および光導波路20からの分離がより容易に可能であるという利点を有する。
【0099】
光導波路20は、たとえば20メートルの長さとすることが可能である。したがって、その種の長さを用いる場合の光信号の通過時間は、約100ナノ秒である。これは、発振システム1のための10MHzの発振周波数に対応する。しかしながら、8.88MHz等のそのほかの周波数を発振システム1のために選択することも可能である。その場合においては、8.88MHzの発振周波数のために、相応じてより長い光導波路20を選択しなければならない。
【0100】
光-電気変換器4は、光導波路構成2および光導波路20から光信号を受信し、受信した光信号に基づいて電気信号を発生するように適合されている。特に、光-電気変換器4は、フォトダイオードを包含する。フォトダイオードは、クロックされた光信号を電流信号に変換するように構成される。光信号に類似して、この電流信号は、アナログ電流信号、特に正弦波電流信号である。
【0101】
電気増幅器60は、トランスインピーダンス増幅器として形成され、光-電気変換器4によって発生された電流信号を増幅し、それを比例電圧信号に変換するように構成される。
【0102】
周波数フィルタ63は、その電圧信号をフィルタリングするように構成される。周波数フィルタ63を用いると、特に電圧信号から望ましくない高調波を除去することによって、特に、発振システムにその発振周波数で発振するように強制することが可能である。
【0103】
ドライバ65は、フィルタリング後の電圧信号に基づいて電気-光変換器3を制御するように構成される。したがって、電気-光変換器3は、光-電気変換器4の変換およびフィルタリング後の電気信号に基づいて制御可能である。
【0104】
特に、ドライバ65の変調入力は非反転である。このことは、入力電圧における増加が結果として光出力における増加をもたらすことを意味する。しかしながら、ドライバ65の変調入力が反転していることも可能である。この場合、10MHzの発振周波数は、光導波路20に対する10mの長さですでに達成することが可能である。
【0105】
光-電気変換器4から電気-光変換器3までの電気信号路6は、述べられている電気増幅器60、周波数フィルタ63、およびドライバ65の構成によって形成される。言い換えると、電気増幅器60、周波数フィルタ63、およびドライバ65は、電気信号路6に配置される。
【0106】
さらにまた、光信号路5が、電気-光変換器3から光-電気変換器4までの光導波路構成2に、特に光導波路20に形成される。
【0107】
図2に注目すると、発振システム1が光フィードバックを用いた発振回路として設計されていることが理解可能である。光フィードバックは、光導波路構成2、特に光導波路20を介して光-電気変換器4の入力へ電気-光変換器3の光信号(光出力信号)を結合することが可能であるという事実によって達成される。
【0108】
タイマ構成10は、さらに、アナログ-デジタル変換器であるシュミット・トリガ64を包含する。シュミット・トリガ64は、周波数フィルタ63とドライバ65との間においてアナログ電圧信号を方形波信号(シュミット・トリガ64の出力信号)に変換するように構成される。方形波信号は、デジタル電圧信号である。その代替として、別のアナログ-デジタル変換器をシュミット・トリガ64に代えて使用することは可能である。
【0109】
シュミット・トリガ64は、使用信号発生装置116と接続される。このことは、シュミット・トリガ64の出力信号、すなわち方形波信号が、使用信号発生装置116のための入力信号として働くことを意味する。しかしながら、アナログ-デジタル変換器を備えず、そのため、周波数フィルタ63とドライバ65の間における電気信号が電子使用信号発生装置116のための入力信号として働くようにすることも可能である。
【0110】
電子使用信号発生装置116は、周波数フィルタ63とドライバ65の間における電気信号の周波数に対応する方形波信号の周波数に基づいて使用信号を発生するように構成される。
【0111】
図2によれば、使用信号発生装置116は、使用信号を発生するために分周器117、パルス・カウンタ119、および比較器124を包含する。
【0112】
分周器117は、パルス・カウンタ119と接続される。ここで、パルス・カウンタ119は、分周器117の信号技術的な下流に配置される。このことは、分周器117の出力信号が、パルス・カウンタ119の入力信号として働くことを意味する。第1段において、分周器117によって方形波信号の周波数を二分周し、特に数回にわたって二分周して中間周波数に到達することが可能である。第2段においては、パルス・カウンタ119を介してその中間周波数を所望の周波数および利用周波数に至らせることが可能である。利用周波数は、たとえば1Hzまたは8Hzとすることが可能である。
【0113】
10MHzの発振システム1の発振周波数においては、78125Hzの中間周波数に達するまで、上述の方形波信号を分周器117によって7回にわたって二分周することが可能である。その後、パルス・カウンタ119を用いて、中間周波数を1Hzまたは8Hzの使用周波数までカウント・ダウンすることが可能である。最初に発振周波数を10MHzから78125Hzまで7回にわたって二分周し、その後にパルス・カウントすることは、10MHzから1Hzまたは8Hzまで直接パルス・カウントすることに比べると電流を節約する。
【0114】
特に、使用信号発生装置116は、分周器117の出力信号のカウント値が所定のカウント値と等しくなるときに使用信号を発生するように構成される。当該所定のカウント値は、比較器124に有利に記憶されており、分周器117によって達成される中間周波数に基づいて設定される。分周器117の出力信号のカウント値と所定のカウント値の間の比較は、比較器124を介して行われる。
【0115】
時計100は、さらに、温度センサ126を包含する。温度センサ126を介して、発振システム1および/または時計100、特に発振システム1の周囲の温度を検出することが可能である。
【0116】
電子使用信号発生装置116は、好ましく、検出された温度の所定の温度からの偏移が所定の偏移より大きい間にわたって、対応する所定の補正率を考慮に入れて使用信号を発生するために構成される。好ましくは、対応する所定の補正率が、それぞれの温度偏移に割り当てられる。代替として、補正率に代えて、所定の補正式を使用することが可能である。補正率または補正式は、メモリ125に記憶される。
【0117】
特に、電子使用信号発生装置116は、対応する所定の補正率または所定の補正式を介して所定のカウント値を補正するように構成される。
【0118】
注目すべきは、好ましくは、パルス・カウンタ119、比較器124、およびメモリ125がプログラマブル・マイクロコントローラ130の部品であるということである。
【0119】
さらにタイマ構成10は、使用信号発生装置116と接続されて使用信号発生装置116によって発生された使用信号を出力するように構成された出力装置118を包含する。
【0120】
上記のように、使用信号は、時計表示装置102によって時間を表示するために使用される。このように、時計100のクロック発生が光導波路20における光の伝播速度(光の速度)に基づくことが理解することができる。したがって、時計100は、可能な限り正確である。
【0121】
歯車列104を駆動するために、駆動装置101は、駆動ばねを好ましく包含する。
【0122】
図3は、巻き上げ装置121が、駆動ばねを巻き上げたり、これに張力をかけるために時計100内の備えられていることを示す。特に、時計100は、自動巻き時計として形成される。巻き上げ装置は、特に、振動重錘として、時計100の装着者の手の運動に起因して振動重錘によって駆動ばねが自動的に巻かれるように形成される自動巻き上げ装置である。駆動ばねは、張力がかけられているとき、歯車列104の駆動に必要なエネルギを提供する。しかしながら、時計100を手巻き時計として形成することも可能である。その場合においては、手を用いて手動で巻き上げ装置121を動作させることが可能である。
【0123】
さらにまた、タイマ構成10は、電気機械装置106を包含する。電気機械装置106は、特に、アクチュエータとして形成され、
図4によれば、磁気コア(磁気アンカー)107および磁気コイル108を包含する。磁気コイル108は、磁気コア107と相互作用する。特に、磁気コイル108は、電流が供給されたときに磁気コア107を動かすように構成される。
【0124】
電気機械装置106は、電子使用信号発生装置116によって発生された使用信号および出力装置118によって出力された使用信号を介して動かすことが可能である。その結果として、電気機械装置106、特に磁気コア107は、クロック制御されて歯車列104と係合する。
【0125】
これもまた
図3からわかるとおり、時計100は、タイマ構成10、特に電気機械装置106と歯車列104の間に配置される脱進機105も包含する。したがって、電気機械装置106、特に磁気コア107は、脱進機105を介して間接的に歯車列104と係合する。脱進機105は、電気機械装置106を介して駆動可能である。
【0126】
特に、電気機械装置106は、抑制制御して歯車列104と間接的に係合し、歯車列104に停止およびそれの再度の解放を交互にもたらす。
【0127】
図3および4は、脱進機105が、ガンギ車109および脱進機部品110を包含し、特にアンカー脱進機として形成されることを示す。ガンギ車109は、歯車列104と係合しており、磁気コア107に脱進機部品110との係合を、それの運動によってもたらすことが可能である。特に、脱進機部品110は、磁気コア107を介して駆動可能である。
【0128】
特に、磁気コイル108は、使用信号の律動で磁界を増減し、それによって磁気コア107もまた、使用信号の律動で前後に移動する。可動磁気コア107は、したがって脱進機110と係合する。
【0129】
このようにタイマ構成10は、機械式時計の従来のテンプに置き換わる。
【0130】
発振システム1、電子使用信号発生装置116および電気機械装置106への電力供給のために、時計100は、再充電可能バッテリとして形成される電力供給装置103を装備する。再充電可能バッテリは、環境発電装置120によって充電することが可能である。
【0131】
環境発電装置120は、好ましくは、少なくとも1つの熱発電機および/または少なくとも1つの太陽光電池を包含することが可能である。特に、熱発電機は、ペルチェ素子を包含することが可能である。
【0132】
たとえば、時計100の文字板12を、太陽光電池として形成することが可能である。また、太陽光電池を文字板12の下に配することも可能である。その場合においては、文字板12を半透明に形成しなければならないか、または太陽光電池の配置位置に凹部を包含しなければならない。時計100に熱発電機が備わるときには、好ましく、それを時計100のケースの背面に配することが可能である。この方法においては、時計100の装着者の皮膚温度と時計の周囲の温度(したがって、時計の残りの部分の温度)の間の差から発電することが可能である。少なくとも1つの太陽光電池および/または少なくとも1つの熱発電機を、時計100のリストバンド16に組み込むことも可能である。
【0133】
時計100の、歯車列104の駆動に必要とされるエネルギを駆動ばねが提供する通常動作においては、発振システム1の発振が最初に生じる。
【0134】
光-電気変換器4と電気-光変換器3の間における電気信号の周波数に基づいて、使用信号発生装置116が、分周器117およびパルス・カウンタを介して利用周波数の使用信号を発生する。
【0135】
所望の律動における使用信号が、その後、電気機械装置106へ出力される。使用信号の出力のタイミングにおいて電気機械装置106が脱進機部品110を移動させることから、これが、電気機械装置106が脱進機105を制御することを可能にする。周波数制御される脱進機の周波数の(電気信号の周波数に基づいた)制御を介して、歯車列104をクロックすることが可能である。
【0136】
時計100は、さらに、再充電可能バッテリの充電状態を測定ように構成された充電状態測定装置122を包含する。さらにまた、時計100は、電子タイマ構成10を制御するように好ましくは構成された制御ユニット123を包含する。
【0137】
駆動ばね(駆動装置101)が駆動力を失ったときは、電気機械装置106が、特に磁気コア107が歯車列104を駆動するような方法で動く電気機械装置106を構成することが可能である。これにより、必要とされる機械的エネルギを駆動ばねから供給することが可能でなくなったときでさえ、時計100が動き続けることを保証可能である。これには、たとえば、しばらくの間、たとえば夜の間に時計100が使用されず、その結果として自動巻き上げ装置121により駆動ばねに張力をかけることができなかったときなどが該当し得る。この目的のために、好ましくは時計100が、駆動装置101、すなわち駆動ばねを歯車列104および脱進機109から分離するための装置を備えることが可能である。したがって、駆動ばねを分離することによって、脱進機109が電気機械装置106によって作動されているときに、電気機械装置106が駆動ばねを動かすことを防止することも可能である。
【0138】
充電状態測定装置122によって測定された再充電可能バッテリの充電状態が所定の充電状態値に満たないときには、制御装置123は、電気機械装置106への電力供給を中断するように成される。このようにして、再充電可能バッテリの完全放電を回避することが可能である。言い換えると、電気機械装置106への電力供給は、再充電可能バッテリにおける所与の最小エネルギ・レベルから、時計100のムーブメントによって駆動ばねに再び張力がかけられるまで中断される。それが行われなければ、再充電可能バッテリが完全放電することになり、したがって、時計100が再始動されたときに電気機械装置106は直ちに動作することが可能でなくなり、発振システム1の発振プロセスを開始することが可能でなくなる。
【0139】
本発明は、オートマチック時計と類似に駆動される一方、機械式時計より正確な時計100を提供する。言い換えると、時計100は、光駆動発振システムを介してクロック化が制御され、かつ駆動ばねによって歯車列が駆動されるハイブリッド時計である。さらに時計100は、時計100の機能する構成要素に相応じて電力を供給し、また環境発電装置120によって再充電される再充電可能バッテリに起因する高いパワー・リザーブを包含する。
【0140】
図5および6は、本発明の第2の実施態様に従った時計100を参照している。
【0141】
第2の実施態様に従った時計100は、第2の実施態様に従った時計100の電気機械装置106がクロック制御されて歯車列104と直接係合する点で第1の実施態様に従った時計100とは異なる。言い換えると、第2の実施態様に従った時計100には脱進機が備えられていない。このことは、タイマ構成10が、ここでは従来の機械式時計の従来のテンプと従来の脱進機の組み合わせに置き換わること意味する。
【0142】
特に、電気機械装置106は、抑制制御して歯車列104と直接係合し、歯車列104に停止およびそれの再度の解放を交互にもたらす。
【0143】
第3の実施態様に従った時計100においては、電気機械装置106は、磁気コア107および磁気コイル108を包含するアクチュエータとしても形成される。
【0144】
したがって、磁気コア107は、歯車列104とクロック制御されて直接係合する。
【0145】
しかしながら、電気機械装置106は、歯車列104とクロック制御されて直接係合するステッパ・モータとして形成することも可能である。
【0146】
この実施態様に従った時計100について述べられている特別な特徴を除けば、その動作モードは、第1の実施態様に従った時計100のものに原理的に対応する。しかしながら、電気機械装置106は、脱進機ではなく、むしろ歯車列104を直接制御し、したがって、それがクロックされる。
【0147】
図7は、本発明の第3の実施態様に従った時計100を参照している。
【0148】
第3の実施態様に従った時計100は、発振システム1の構造において第1または第2の実施態様に従ったそれと異なる。
【0149】
先の実施態様に従った時計100の発振システム1とは対照的に、この場合の発振システム1は、周波数フィルタおよびシュミット・トリガがないが、トリガ61およびモノフロップ62を包含する。トリガ61は、電気信号路6の電気信号の方向において電気増幅器60の後に配置される。
【0150】
トリガ61は、光-電気変換器4からの電気信号を介して、特に電気増幅器60の下流の増幅後の電気信号を介してモノフロップ62を制御するように構成される。モノフロップ62は、それによって電気-光変換器3を制御するための出力パルスを発生するように構成される。
【0151】
電気-光変換器3は、光導波路構成2に、特に光導波路20に直接光パルスを供給するように適合されている。光-電気変換器4は、光パルスの受信およびそれの電流パルスへの変換に適合されている。
【0152】
時計100を動作させるために、最初に、電気-光変換器3から光導波路20を通る光パルスが送られる。光導波路20の長さに起因して、電気-光変換器3から光-電気変換器4の方向へ移動する光パルスは、光-電気変換器4に到達するまでに所与の所要時間を要する。言い換えると、この所要時間は、光導波路20の長さによってあらかじめ決定される。光-電気変換器4は、光パルスを電流パルスに変換し、それを電気増幅器60へ送る。電気増幅器60は、その電流パルスを増幅し、電圧パルスに変換する。トリガ61を介して、この電圧パルスがモノフロップ62を制御し、それが正確に定義された持続時間(約1ナノ秒以下)を伴う短いパルスを発生する。このパルスは、電気-光変換器3のドライバ65を制御するために使用され、それで、電気-光変換器3は再度光パルスを放出する。したがって、この回路は閉じている。
【0153】
電気-光変換器3は、1%以下のデューティ・サイクルを有し、したがって、非常に小さいエネルギしか必要としない。
【0154】
このプロセスは、秒当たり所定回数だけ反復される。秒当たりの反復回数は、光導波路20の長さによって決定される。約20メートルの長さを用いると、プロセスは秒当たり1000万回反復される。これが、結果として、モノフロップ62とドライバ65の間における電気信号(パルス・シーケンス)の周波数として捕捉される発振システム1の10MHzの発振周波数をもたらす。
【0155】
モノフロップ62とドライバ65の間における電気信号の周波数に基づいて使用信号発生装置116は使用信号を発生し、それによって時計100が、第1または第2の実施態様に従った時計100と同じやり方でクロックされる。
【0156】
図8は、本発明の第4の実施態様に従った時計100を参照している。
【0157】
本発明の第4の実施態様に従った時計100の発振システム1の構造は、第1の実施態様に従った時計100(
図2参照)の発振システム1の構造に対応する。
【0158】
しかしながら、第4の実施態様に従った時計100は、使用信号の発生に関する温度補償のために異なる方法を使用する。
【0159】
所定の水晶発振器の発振周波数を伴う水晶発振器127が、タイマ構成10において発振システム1と並列に配置される。好ましくは、水晶発振器はクォーツ結晶またはトルマリン結晶を包含することが可能である。
【0160】
所定の水晶発振器周波数を達成するために、所定の水晶発振器周波数、たとえば10MHzが獲得されるように、対応するカット形状および寸法の水晶が選択される。
【0161】
さらにまた、混合器128がタイマ構成10に備えられる。混合器128は、水晶発振器127および電気信号路6と接続され、水晶発振器127の電気信号と、発振システム1から光-電気変換器4と電気-光変換器3の間において、特に周波数フィルタ63とドライバ65の間において捕捉される電気信号とを重ね合わせるように構成される。
【0162】
これら2つの電気信号の重ね合わせは、発振システム1から捕捉された電気信号の周波数と水晶発振器127の電気信号の周波数の間の差に対応する周波数の正弦波電気信号を生み出す。
【0163】
2つの周波数が正確に同一であれば、周波数0のビート信号、すなわちDC電圧信号が発生する。それらの周波数が等しくなければ、差の周波数の交流電圧信号が発生する。
【0164】
光導波路20の長さおよび光の速度が温度に伴って変化し、また必要であれば、水晶発振器の水晶発振器周波数も変化し、これが温度感受性であれば、この結果は、温度に依存するビート周波数になる。
【0165】
2つの出力周波数を適切に選択することによって、時計の期待される動作温度部分においてこのビート周波数が完全にゼロになることが決してなく、かつ明確なやり方で温度に依存することが保証可能である。
【0166】
このビート周波数は、測定が可能である。特に、発振システム1の発振周波数およびビート周波数の温度依存性が一度測定される。したがって、比較器124のパルス・カウンタ119のカウント値が比較される所定のカウント値が、どのように補正されなければならないかを計算し、補正テーブルまたは補正関数に記憶することができ、それで、使用信号発生装置116は、発振システム1および/または発振システム1の周囲の時計100の温度とは無関係に正しい持続時間を伴う使用信号を提供する。
【0167】
言い換えると、使用信号発生装置116は、発振システムから捕捉された電気信号の周波数と水晶発振器の発振周波数を比較し、実際の比較値を発生するように適合される。電気信号の周波数および実際の比較値に基づいて、使用信号発生装置116は、使用信号を発生することが可能である。
【0168】
特に、複数の温度依存記憶比較値および関連付けされた補正値をメモリ125に記憶することが可能である。使用信号発生装置116は、実際の比較値を記憶比較値に割り当て、かつ電気信号の周波数および補正値に基づいて使用信号を発生するように適合させることが可能である。
【0169】
図9は、本発明の第5の実施態様に従った時計100を参照している。
【0170】
第5の実施態様に従った時計100は、電気増幅器とドライバ65の間に、第5の実施態様によれば、時計におけるトリガ61およびモノフロップ62に代えてインバータ(インバータ回路)66が配置されるという点において第3の実施態様に従ったものとは異なる。したがって、電気信号路6は、光-電気変換器4と電気-光変換器3の間で電気信号を反転するように適合される。
【0171】
インバータ66は、好ましく、ドライバ65を介した電気-光変換器3を交互にオンとオフに切り替えするように適合される。
【0172】
同一の効果を達成するために、特に、すでに述べたとおりトランスインピーダンス増幅器として形成された電気増幅器60の出力を反転出力とすることが可能である。反転出力は、光-電気変換器4と電気-光変換器3の間における電気信号を反転するために使用され、したがって、電気-光変換器3を交互にオンとオフに切り替えするためにも使用される。代替として、ドライバ65の入力を反転入力として形成することも可能である。電気増幅器60の反転出力およびドライバ65の反転入力のいずれの場合においてもインバータ66を省略することが可能である。
【0173】
この実施態様に従った時計100の動作中に、電気-光変換器3は光導波路20へ光信号を供給する。光信号は、光導波路20を通過するが、そのために所定量の時間を要する。たとえば、約10メートルの距離の場合には、光は、約2000万分の1秒を必要とする。光信号が光導波路の端に到達すると、光-電気変換器4を叩く。これにより、光信号の到達が感知され、それが電流信号に変換される。電気増幅器60は、その電流信号を増幅し、それを電圧信号に変換してインバータ66へ送る。
【0174】
インバータ66は、電圧信号が到達すると、その出力信号をゼロに設定し、したがって、ドライバ65を介して電気-光変換器3をオフに切り替える。光導波路20のための通常の通過時間(たとえば、10mにおいては、すでに述べたとおり約2000万分の1秒)の後には、まだ光導波路20にあった光信号が完全に光-電気変換器4に到達する。その後は、それ以上の光信号が受信されなくなり、その時点において電気増幅器の入力信号が、したがって、その出力信号もゼロに落ちる。
【0175】
その結果として、インバータ66は、その出力信号を再び増加させ、したがって、ドライバ65を介して電気-光変換器3をオンに切り替える。これにより、別の光信号が光導波路20に送られる。光信号は、光導波路20のための通常の通過時間の後に光-電気変換器4に到達し、電圧信号として形成される出力信号が電気増幅器60に発生する。この電圧信号が開始すると、インバータ66は再びその出力信号をゼロに設定し、電気-光変換器3をオフに切り替える。
【0176】
このサイクルは規則的に反復され、方形波信号が電気増幅器60の出力に発生し、その周期時間が光導波路20のための通常の通過時間の2倍に対応するする。長さが約10mの光導波路20を用いると、これの結果として、10MHzの周波数の方形波信号がもたらされる。この矩形信号は、時計100のための時間ベースである。
【0177】
この方形波信号は、使用信号を発生するために使用信号発生装置116に入力される。
【0178】
第5の実施態様に従った時計100は、発振システム1が方形波信号を発生するデジタル発振器であるという利点を包含する。信号処理はデジタルであり、結果としてもたらされる方形波信号を、さらなる調整を伴うことなく直接処理することが可能である。
【0179】
発振サイクル毎に光-電気変換器4から電気-光変換器3へ送られる信号が1つだけでなく、2つの信号(電気-光変換器3をオンに切り替えるための信号が1つ、電気-光変換器3をオフに切り替えるための信号が1つ)であるという事実によって、発振システム1の同じ周波数において光導波路20の長さを半分にすることが可能である。このことは、時計ケース11内の空間の節約が可能であることから、あるいは時計ケース、したがって、時計100もまたより小さく作ることが可能であるため、時計100が腕時計として形成されるときに特に有利である。
【0180】
逆を言えば、光導波路20の所望の長さが維持される場合には、第5の実施態様に従った時計100において発振システム1の発振周波数を半分にすることが可能である。たとえば、光導波路20の長さが20メートルであるときには、発振システム1の発振周波数が、先の実施態様のうちの1つに従った時計100の同じ長さの光導波路20における発振周波数の半分に対応する。いくつかの電子機能のための電力消費が周波数の増加と線形に増加せず、その平方によって増加することから、結果的に第5の実施態様に従った時計100の電子機器のための電力消費を遙かに低くすることが可能である。
【0181】
図10は、本発明の第6の実施態様に従った時計100を参照している。
【0182】
第6の実施態様に従った時計100の発振システム1は、原理的に第5の実施態様に従った時計100の発振システム1に対応する。唯一の相違は、インバータ66とドライバ65の間に、データ・セットに基づいて電気-光変換器3の入力信号を変調するための変調器67を包含するデータ・ユニット67が配置されていることである。
【0183】
好ましくは、時計100が、データ・セットを記憶するためのメモリ・ユニット133、データ・セットを入力するための入力ユニット134、光-電気変換器4の変調後の出力信号からデータ・セットを読み出すための読み出しユニット131、および読み出したデータ・セットに基づいて情報を出力するための出力ユニット132を包含する。特に、メモリ・ユニット133および入力ユニット134は、マイクロコントローラ130の部品である。
【0184】
情報は、たとえば、光および/または音および/または電気的データ信号を構成することが可能であり、好ましくはそれを、WLANまたはブルートゥースを介して出力することが可能である。その場合には、それに対応して出力ユニット132は、その種の情報を出力するように構成され、形成される。
図10においては、出力ユニット132が発光ダイオードとして描かれている。
【0185】
好ましくは、データ・セットは、禁煙の決意等の個人的な決意、または思いの人の名前、個人的な目標または理想を、またそれだけでなくマントラ等の宗教的メッセージも包含することが可能である。
【0186】
有利には、データ・セットを光エンコードし、かつ発振システム1内を光の速度で周回させることが可能である。
【0187】
コーディングは、方形波発振の振幅(電圧)を変調することによって可能である。変調は、変調器68を介し、電気-光変換器3のドライバ65を介して行うことが可能である。ドライバ65は、電気-光変換器3を、たとえば最大強度または半強度に置くことが可能である。
【0188】
このようにして、光導波路を通って移動する光信号の振幅は変調される。これは、電気増幅器60が適切に設定されていれば、設定済みの発振システム1の発振周波数にまったく影響を及ぼさない。これによって時間ベースの正確度が影響を受けることはない。この異なる振幅は、たとえばドライバ65につながる発光ダイオードによって示すことが可能であり、その場合にはそれが異なる輝度で光る。
【0189】
言い換えると、方形波信号を伴う時計100は、電気-光変換器3のオンとオフを交互に切り替えることによって提供される。方形波信号においては、各振動周期が同一の持続時間を包含するが、振動の振幅自体、すなわち光信号の強度は、変化する。
【0190】
たとえば、異なる長さの信号パルスを用いるモールスのアルファベットをコーディングとして使用することが可能である。ここで、『S』のための符号は、短信号の3回の反復であり、『O』のための符号は、長信号の3回の反復である。したがって、『SOS』は、「短-短-短-長-長-長-短-短-短」となる。この符号を、たとえば100ナノ秒の周期に対応する10MHzの時間ベースを伴う発振システム1と融合させるためには、個別の光パルスの強度を、最大強度を伴った200万個の光パルス(200ミリ秒の所用時間に対応する)が短点に対応し、かつ半強度を伴った200万個の光パルス(200ミリ秒の所用時間に対応する)が休止(モールス時間ベース)に対応するように設計することが可能である。これは、PARIS標準に従った毎分6語を伴うモールス符号に対応する。この速度のモールス光パルスは、不慣れなユーザにとってさえ、認識および識別が容易である。
【0191】
短点を『1』とし、休止を『0』とした場合に、次のモールス・パルス・シーケンスは『SOS』という単語に対応する。
1010100011101110111000101010000000
【0192】
この単語の長さ(休止を含む)は34短点であり、合計の持続時間は、34短点×0.2秒=6.8秒である。
【0193】
モールス時間ベースは、パルス・カウンタ119または分周器117の適切な二進数字から得ることが可能であるか、またはマイクロコントローラ130によって指定することが可能である。送信されることになるメッセージ(データ・セット)は、モールス・パルス・シーケンスとしてマイクロコントローラ130のメモリ・ユニット133に記憶される。代替として、これをマイクロコントローラ130のバイナリ・シフト・レジスタに記憶することも可能である。
【0194】
モールス符号は、メモリ・ユニット133に記憶され、適切な読み出し速度を伴ってマイクロコントローラ130のデジタル出力に印加される。休止は、ゼロに対応し、短点は、マイクロコントローラ130の最大出力電圧に対応する。この出力信号は、ドライバ65の変調入力において、インバータ66から到来する信号と重ね合わされる。
【0195】
この重ね合わせは、マイクロコントローラの信号がないとき(休止)、電気-光変換器3がインバータ66から到来する電圧信号を用いて半強度に設定されるような方法で働く。マイクロコントローラの信号(短点)が存在すれば、電気-光変換器3が最大強度に設定されるように、ドライバ65の変調入力における信号がインバータ66からの電圧信号を伴って増加する。マイクロコントローラ130から到来する電圧信号はあるが、インバータ66からはないときにドライバ65の変調入力における信号がゼロになることを、対応する論理回路を使用して確保することが可能である。
【0196】
光波の変調は、特にピーク検出器として形成される読み出しユニット131を用いて、電気増幅器60の出力において読み出すことが可能である。ピーク検出器のしきい値が設定され、それで、ピーク検出器は光短点パルス列の間においてだけ出力信号を提供し、それにより、出力ユニット132はその後制御される。
【0197】
図11は、本発明の第7の実施態様に従った時計100を参照している。
【0198】
図11には、タイマ構成10の発振システム1および使用信号発生装置116が示されている。使用信号発生装置116は、上述の実施態様の使用信号発生装置116のうちの1つと同じやり方で有利に形成することが可能である。発振システム1は、使用信号発生装置と直接または間接的に接続することが可能である。
【0199】
先の実施態様に従った時計100の発振システム1と同様に、この発振システム1は、光導波路20を包含する光導波路構成2、クロックされた光信号を光導波路構成2に供給するように適合された電気-光変換器3、および光導波路20からの光信号の受信、および受信した光信号に基づいた電気信号を発生するように適合された光-電気変換器4を包含する。
【0200】
特に、電気-光変換器3は、その電気入力に1回または所与の時間間隔で反復的に印加される入力信号300を供給するように適合されている。
【0201】
ここで、光導波路構成2は、無限ループ(閉じた光ループ)として形成される。さらにタイマ構成10は、無限ループから光-電気変換器4内に光信号を分離するための光スプリッタ51、および電気-光変換器から無限ループ内に光信号を結合するための光カプラ53を包含する。
【0202】
さらにまた、光増幅器55が、無限ループとして形成された光導波路構成2に配置される。特に、光増幅器55は、光カプラ53と光スプリッタ51の間に配置される。
【0203】
光導波路20の出力が光カプラ51の第1の入力と接続される。光カプラ53の出力が増幅器55の入力と接続される。光増幅器55の出力が光スプリッタ51の入力と接続され、それの第1の出力が光導波路20の入力と接続される。電気-光変換器3の光出力が光カプラ53の第2の入力と接続される。光スプリッタ51の第2の出力が光-電気変換器の入力と接続される。電気信号は、光-電気変換器4の出力において、出力信号400として利用可能である。使用信号は、この電気信号から、使用信号発生装置116を介して、先の実施態様に従った時計100を参照してすでに述べられているやり方で発生させることが可能である。
【0204】
光導波路20を通る光信号の通過時間の後、光信号がその出力に、したがって再び光導波路20の入力にも到達する。光導波路20を通る通過時間td,LWLは、次式に示されるとおり、その長さlLWLと、光導波路20における光の速度cLWLに依存する:
td,LWL=lLWL/cLWL
【0205】
光導波路20の長さをlLWL=20m、光導波路における光の速度を約200,000,000m/秒とすると、通過時間は、約td,LWL≒100ナノ秒である。したがって光信号は、100ナノ秒毎に出力に現れ、光スプリッタ51を用いて捕捉し、使用信号の発生に使用することが可能である。
【0206】
図12は、信号-時間ダイアグラム600を使用したクロック信号発生の機能の実証である。このダイアグラム600は、入力信号300、出力信号400、および使用信号500の経過を時間700に関して示している。
【0207】
入力信号300は、時間t=0において供給される。
図12の入力信号は、ビット・シーケンスである。任意の情報をビット・シーケンスに記憶することが可能であり、それにより顧客の要求に応じて各クロック信号発生をパーソナル化することが可能である。信号のエンコードおよび/または変調に用いられる形式およびその方法は、クロック発生機能とは無関係である。
【0208】
出力信号400は、光導波路20を通過した後、すなわち時間t=t
d,LWLの後に光導波路20の出力に、したがってその入力にも再び現れる。その結果として、
とするとき、任意の時間t=n×t
d,LWLにおいて光導波路20の出力にビット・シーケンスが再び現れる。示されているクロック信号500は、単純なやり方で出力信号400から発生させることが可能である。
【0209】
図13は、本発明の第8の実施態様に従った時計100を参照している。
【0210】
第8の実施態様に従った時計100内の発振システム1は、次に挙げる構造によって第7の実施態様に従った時計100のそれと異なる。
【0211】
この場合の光導波路構成2は、光カプラ53と光スプリッタ51の間の第1の部分21と光スプリッタ51と光カプラ53の間の第2の部分22に下位区分けされ、第2の部分22における光信号の遅延が、光スプリッタ51から光カプラ53までの並列信号の遅延と対応する。
【0212】
この場合は、光導波路20の出力信号が、ここではこれ以降、第1のスプリッタ51と呼ぶスプリッタ51を介して分割される。第1のスプリッタ51の第1の出力が、光増幅器55の入力と接続される。光増幅器55の出力が、ここではこれ以降、第1の光カプラ53と呼ぶカプラ53の第1の入力と接続される。第1の光カプラ53の出力が、光導波路20の入力と接続される。第1のスプリッタ51の第2の出力が、第2の光カプラ54の第1の入力と接続される。その出力が遅延線56の入力と接続される。信号は、遅延線56の出力を介して第2の光スプリッタ52の入力に到達する。第2の光スプリッタ52の第1の出力が、第1の光カプラ53の第2の入力と接続される。
【0213】
電気-光変換器3の光出力が、第2の光カプラ54の第2の入力と接続される。第2の光スプリッタ54の第2の出力が、光-電気変換器4の入力と接続される。電気信号は、光-電気変換器4の出力において、出力信号400として利用可能である。
【0214】
この出力信号から、電子回路を介して周知のやり方で任意のクロック信号を発生させることが可能である。第2の光カプラK2、遅延線VL、および第2の光スプリッタS2を通る光信号の遅延は、光増幅器OVの信号遅延に対応していなければならない。
【0215】
2つの並列光信号路51-54-56-52-53および51-55-53に起因して、光増幅器55が短時間にわたって消勢されたときでさえ、光導波路20を介する無限ループにおける連続する信号の流れを維持することが可能である。このことは、無限ループ内の減衰に起因して光信号強度が定義可能な最小値より下に降下したときにだけ光増幅器55を付勢することを可能にする。光増幅器55のオンとオフを周期的に切り替えることによって、クロック発生の電力消費を、必要に応じて最適化することが可能である。
【0216】
図14は、本発明の第9の実施態様に従った時計100を参照している。
【0217】
時計100のこの実施態様においては、光増幅器55の代わりに電気増幅器60が使用される。光導波路20の光出力信号は、光スプリッタ51を介して2つの光信号成分に分割される。
【0218】
第1の光信号成分は、光スプリッタ51の第1の出力を介し、かつ遅延線56を介して光カプラ53の第1の入力へ送信される。光カプラ53の出力が、光導波路20の入力と接続される。光スプリッタ51の第2の出力を介して、かつ光-電気変換器4を介して第2の光信号成分が電気信号に変換される。この信号が電気増幅器60を用いて増幅され、光信号への変換の後、電気-光変換器3を介して光カプラ53の第2の入力へ送信される。電気-光変換器3は、増幅かつ変換された光-電気変換器4の電気信号によって制御可能である。
【0219】
この使用信号発生においては、入力信号300が、光-電気変換器4と電気増幅器60の間に供給される。出力信号400は、電気増幅器60と電気-光変換器3の間において捕捉される。光-電気変換器4、電気増幅器60、および電気-光変換器3を通る電気および光信号の遅延の合計は、光遅延線56を介する光信号の遅延と対応する。
【0220】
図15は、本発明の第10の実施態様に従った時計100を参照している。
【0221】
図14の時計100の光遅延線56に代えて、ここでは第2の光導波路57が使用される。第2の光導波路57の光信号の遅延は、光-電気変換器4、電気増幅器60、および電気-光変換器3を通る電気および光信号の遅延の合計と対応する。
【0222】
図16は、本発明の第11の実施態様に従った時計100を参照している。
【0223】
図15に示されている発振システム1と対照すると、ここでは、電気増幅器60の出力と電気-光変換器3の入力の間にデータおよびクロック回復のための回路58が使用される。その種の回路は、リタイマとも呼ばれ、ばらつきおよび減衰によって改変された電気および光信号の形状の再生に使用される。
【0224】
上に記述されている本発明の説明に加えて、ここではそれの補助的な開示目的のために
図1乃至16における本発明の図式表現を明示的に参照している。
【符号の説明】
【0225】
1 発振システム
2 光導波路構成
3 電気-光変換器
4 光-電気変換器
5 光信号路
6 電気信号路
10 タイマ構成
11 時計ケース
12 文字板
13 針
14 ポート
15 時計ガラス
16 リストバンド
20 光導波路
21 第1の部分
22 第2の部分
51 光スプリッタ(第1の光スプリッタ)
52 光スプリッタ(第2の光スプリッタ)
53 光カプラ(第1の光カプラ)
54 光カプラ(第2の光カプラ)
55 光増幅器
56 遅延線
57 第2の光導波路
58 回路
60 電気増幅器
61 トリガ
62 モノフロップ
63 周波数フィルタ
64 シュミット・トリガ
65 ドライバ
66 インバータ
67 データ・ユニット
68 変調器
100 時計
101 駆動装置
102 時計表示装置
103 電力供給装置
104 歯車列
105 脱進機
106 電気機械装置
107 磁気コア
108 磁気コイル
109 ガンギ車
110 脱進機部品
115 発振器回路
116 電子使用信号発生装置
117 分周器
118 出力装置
119 パルス・カウンタ
120 環境発電装置
121 巻き上げ装置
122 充電状態測定装置
123 制御ユニット
124 比較器
125 メモリ
126 温度センサ
127 水晶発振器
128 混合器
130 マイクロコントローラ
131 読み出しユニット
132 出力ユニット
133 メモリ・ユニット
134 入力ユニット
300 入力信号
400 出力信号
500 使用信号
600 信号-時間ダイアグラム
700 時間
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(100)、特に腕時計であって、
発振システム(1)を備えたタイマ構成(10)、
を包含し、
前記発振システム(1)は、
光導波路(20)を備えた光導波路構成(2)と、
前記光導波路構成にクロックされた光信号を供給するように適合された電気-光変換器(3)と、
前記光導波路からの前記光信号を受信し、前記受信した光信号に基づいた電気信号を発生するように適合された光-電気変換器(4)と、
を包含し、
前記タイマ構成(10)は、前記電気信号の周波数に基づいて使用信号を発生するように構成された電子使用信号発生装置(116)と、前記使用信号に基づいた時間を表示するように適合された時計表示装置(102)と、を包含する、時計(100)。
【請求項2】
前記発振システム(1)は、前記光導波路構成(2)内に前記電気-光変換器(3)から前記光-電気変換器(4)への光信号路(5)と、前記光-電気変換器(4)から前記電気-光変換器(3)への電気信号路(6)と、を包含し、前記電気-光変換器(3)は、前記光-電気変換器(4)の前記電気信号に基づいて制御可能である、請求項1に記載の時計(100)。
【請求項3】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)の間に前記電気信号を増幅するための電気増幅器(60)、特にトランスインピーダンス増幅器、を包含する、請求項2に記載の時計(100)。
【請求項4】
トリガ(61)と、モノフロップ(62)と、を包含し、前記トリガ(61)は、前記光-電気変換器(4)からの前記電気信号を用いて前記モノフロップ(62)を駆動するように構成され、前記モノフロップ(62)は、前記電気-光変換器(3)を制御するための出力パルスを発生するように構成される、請求項2または3に記載の時計(100)。
【請求項5】
前記電気信号路(6)は、前記電気信号を反転するように構成される、請求項2
または3に記載の時計(100)。
【請求項6】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)との間に配置される、前記電気信号をフィルタリングするための周波数フィルタ(63)を包含する、請求項2
または3のいずれかに記載の時計(100)。
【請求項7】
前記電気信号を方形波信号に変換するように構成されたシュミット・トリガ(64)、を包含する、請求項2
または3に記載の時計(100)。
【請求項8】
前記光導波路構成(2)は、無限ループとして形成され、前記タイマ構成(10)は、
- 前記無限ループから前記光-電気変換器(4)へ前記光信号を分離するための光スプリッタ(51)と、
- 前記電気-光変換器(3)から前記無限ループへ前記光信号を結合するための光カプラ(53)と、
を包含する、請求項1に記載の時計(100)。
【請求項9】
無限ループとして構成された前記光導波路構成(2)に光増幅器(55)を包含する、請求項8に記載の時計(100)。
【請求項10】
前記電気-光変換器(3)は、前記光-電気変換器(4)の電気信号によって制御可能である、請求項8または9に記載の時計(100)。
【請求項11】
前記光-電気変換器(4)と前記電気-光変換器(3)との間に前記電気信号を増幅するように適合された電気増幅器(60)を包含する、請求項10に記載の時計(100)。
【請求項12】
前記光導波路構成(2)は、前記光カプラ(53)と前記光スプリッタ(51)との間の第1の部分(21)と、前記光スプリッタ(51)と前記光カプラ(53)との間の第2の部分(22)と、に分けられ、
前記第2の部分(22)の前記光信号の遅延が、前記光スプリッタ(51)から前記光カプラ(53)までの並列信号の遅延に対応する、
請求項8
または9に記載の時計(100)。
【請求項13】
データ・セットに基づいて前記電気-光変換器(3)の入力信号を変調する変調器(68)を包含するデータ・ユニット(67)を包含する、請求項1
または2に記載の時計(100)。
【請求項14】
- データ・セットを記憶するためのメモリ・ユニット(133)、および/または、
- データ・セットを入力するための入力ユニット(134)、および/または、
- 前記光-電気変換器(4)の前記変調された出力信号から前記データ・セットを読み出すための読み出しユニット(131)と、特に前記読み出したデータ・セットに基づいて情報を出力するための出力ユニット(132)と、
を包含する、請求項13に記載の時計(100)。
【請求項15】
所定の水晶発振器の発振周波数を伴う水晶発振器(127)を包含し、
前記電子使用信号発生装置(116)は、前記電気信号の前記周波数と前記水晶発振器の発振周波数とを比較して実際の比較値を発生し、かつ前記電気信号の前記周波数および前記実際の比較値に基づいて前記使用信号を発生するように適合される、
請求項1
または2に記載の時計(100)。
【請求項16】
複数の温度依存記憶比較値および関連付けされた補正値が前記
電子使用信号発生装置(116)に記憶され、前記
電子使用信号発生装置(116)は、前記実際の比較値と記憶比較値を関連付け、かつ前記電気信号の前記周波数および前記補正値に基づいて前記使用信号を発生するように適合される、請求項15に記載の時計(100)。
【請求項17】
前記タイマ構成(10)は、さらに、電気機械装置(106)を包含し、
前記時計(100)は、さらに、歯車列(104)と、前記歯車列(104)を駆動するための駆動装置(101)と、前記歯車列(104)と接続されて前記歯車列(104)によって動かすことが可能な時計表示装置(102)と、を包含し、
前記電気機械装置(106)は、前記電子使用信号発生装置(116)によって発生された前記使用信号を用いて動かすことが可能であり、それにより前記電気機械装置(106)は、クロック制御されて直接または間接的に前記歯車列(104)と係合する、
請求項1
または2に記載の時計(100)。
【請求項18】
- 歯車列(104)と、
- 前記歯車列(104)を駆動するための駆動装置(101)と、
- 前記歯車列(104)と接続されて前記歯車列(104)を通じて動くことが可能な時計表示装置(102)と、
をさらに包含し、前記駆動装置(101)は、前記使用信号を用いて制御可能である、
請求項1
または2に記載の時計。
【国際調査報告】